JP2004016874A - 溶融飛灰の処理方法及びその処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融飛灰の特徴を活用しながら、経済的、かつ、安定的に溶融飛灰を高度に処理し得る処理装置を提供する。
【解決手段】溶融炉Aからの排ガスに含まれる溶融飛灰yを集塵器Bで捕捉回収し、この溶融飛灰yを飛灰搬送経路2を介して加熱脱着装置Dの加熱空間に送り、この加熱空間にキャリアガスgを供給しながら300℃〜350℃の加熱温度で加熱することで、この溶融飛灰yを溶融させること無く、溶融飛灰yに含まれる有機ハロゲン化合物を脱着し、キャリアガスgに移行させて無害化し、キャリアガスgは戻し経路3を介して溶融炉Aに戻してキャリアガスgに含まれる有機ハロゲン化合物を加熱分解させるよう構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】溶融炉Aからの排ガスに含まれる溶融飛灰yを集塵器Bで捕捉回収し、この溶融飛灰yを飛灰搬送経路2を介して加熱脱着装置Dの加熱空間に送り、この加熱空間にキャリアガスgを供給しながら300℃〜350℃の加熱温度で加熱することで、この溶融飛灰yを溶融させること無く、溶融飛灰yに含まれる有機ハロゲン化合物を脱着し、キャリアガスgに移行させて無害化し、キャリアガスgは戻し経路3を介して溶融炉Aに戻してキャリアガスgに含まれる有機ハロゲン化合物を加熱分解させるよう構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融炉の排ガスから溶融飛灰を捕捉する溶融飛灰捕捉工程と、前記溶融飛灰捕捉工程で捕捉された溶融飛灰を加熱処理して溶融飛灰に吸着した有機ハロゲン化合物を脱着する加熱脱着工程と、前記加熱脱着工程で脱着された有機ハロゲン化合物をキャリアガスに移行させて除去する除去工程とからなる溶融飛灰の処理方法、及び、溶融炉の排ガスから捕捉された溶融飛灰を加熱処理して溶融飛灰に吸着した有機ハロゲン化合物を脱着する溶融飛灰の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
分析技術の向上により、環境中に存在する極微量の猛毒物質であるダイオキシン類(以下、DXNsと称する)による汚染状況が次第に表面化し、社会問題化している。これに伴い、DXNs排出に関わる各種法律が整備され、新設される廃棄物処理施設等には、厳しい排出基準値が定められたところである。近年、この排出基準値を遵守するだけではなく、廃棄物処理施設からのDXNs排出総量の一層の低減化が求められている。DXNsの主要な発生源は廃棄物焼却炉である。この廃棄物焼却炉から排出されるDXNsは排ガス、焼却灰、集塵灰の3種に大別されるが、その排出量の内訳では集塵灰が圧倒的な量(80%以上)を占めている。
【0003】
この集塵灰を無害化する技術として実用化されているも主なものには、加熱脱塩素法、溶融固化法がある。加熱脱塩素法は、集塵灰を低酸素雰囲気中において、450℃程度まで加熱し、飛灰の触媒作用を利用してDXNs分子の炭素−塩素結合を分解する方法である。一方の溶融固化法は、ごみの炭化物(チャー)や焼却灰等を1300℃以上の高温に加熱することで、処理対象物中のDXNsを分解無毒化するだけでなく、被処理物の減容化、溶融固化物(スラグ)の資源化等、得られる効果は大きい。
【0004】
しかし、溶融炉からも煤塵が発生し、その煤塵は焼却炉と同様に集塵装置で集塵除去され、系外に排出される。このためDXNsを高度に分解できる溶融炉であっても、排ガスの冷却過程DXNsが生成し、その一部が煤塵、すなわち、溶融飛灰に吸着した状態で排出されることもあった。
【0005】
また、上記のように構成された溶融飛灰の処理方法及びその処理装置に関連する技術として、処理対象が溶融飛灰では無いものであるが特開2000‐308868号公報に示されるものが存在する。
【0006】
この従来の技術では、ごみ焼却設備のゴミ焼却炉の排ガス中からバグフィルターで除去した飛灰を無害化処理する飛灰処理装置と、この飛灰を飛灰処理装置で無害化処理する方法とが示されている。つまり、飛灰処理装置では、添加混練機で飛灰に対して苛性ソーダの水溶液を添加した後に、この混練物を加熱器で400〜500℃の温度で加熱する処理を行うことにより、ダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物を他の揮発性物質とともに揮発させ、揮発物を誘引ファンの駆動によりテールガスとして排気し、次に、このテールガスを例えば、無害化処理装置を経由して排気するよう構成され、この無害化処理装置として、集塵器、冷却装置、排ガス洗浄装置、水銀回収装置、並びにこれらの組み合わせが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
溶融飛灰と、焼却飛灰との化学的成分組成を一覧化すると図4に示すことが可能である。同図に示すように、溶融飛灰は焼却飛灰と比較して化学的組成が大きく異なり、低沸点の塩類が主体となるため、融点が概ね350℃から450℃の範囲にあると云える。従って、飛灰を400℃以上の温度で加熱する加熱脱塩素化法では、溶融飛灰が加熱装置内部で溶融、液化してしまうため、処理物の安定的な搬送、排出が不可能となるものであった。つまり、加熱によって溶融飛灰が溶融、液化した場合には、この溶融、液化物が加熱装置の内壁面に付着するため、排出を行う場合にも自重による流れ出しの他に排出手段が無いため、積極的な排出を行えないものであった。その結果、粘性が高く流動性が良くない付着物が発生した場合には、定期的にメンテナンスを行い炉の内壁面に対する付着物の除去を必要とするものとなっていたのである。
【0008】
次に溶融飛灰と焼却飛灰との性質上の相違点を説明する。
〔DXNsの吸着保持能力〕
前述した図4に示されるように溶融飛灰が含有する炭素分は非常に少ないため、焼却飛灰と比してDNXsの吸着保持能力は顕著に小さい。つまり、焼却飛灰中に存在する炭素は主に未燃分としての炭素であり、焼却炉内で炭化された黒色のフレーク状をしたもの(以下、未燃炭素と称す)が主体である。この未燃炭素は、他の飛灰構成成分と比較して顕著にDXNs吸着能力が高く、集塵装置においてDNXsの吸着剤としても作用する。この吸着性能を説明するため、焼却飛灰と溶融飛灰とのDXNs吸着試験結果を図5に示している。
【0009】
〔DXNs二次生成ポテンシャル〕
一般に、飛灰を空気中で300℃〜400℃の温度で曝すと、空気中の酸素による酸化作用でDXNsの二次生成反応が起こり、飛灰中のDXNs量が増大すると言われている。このDXNs生成の起源は主に飛灰中の未燃炭素にあるため、燃焼飛灰と溶融飛灰とでは、DXNsの二次ポテンシャルが大きく異なる。この二次生成反応を説明するため、焼却飛灰と溶融飛灰とのDXNs加熱生成試験結果を図6に示している。
【0010】
本発明の目的は、溶融飛灰の特徴を活用しながら、経済的、かつ、安定的に溶融飛灰を高度に処理し得る方法、及び、処理装置を提供する点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
溶融炉の排ガスから溶融飛灰を捕捉する溶融飛灰捕捉工程と、前記溶融飛灰捕捉工程で捕捉された溶融飛灰を加熱処理して溶融飛灰に吸着した有機ハロゲン化合物を脱着する加熱脱着工程と、前記加熱脱着工程で脱着された有機ハロゲン化合物をキャリアガスに移行させて除去する除去工程とからなる溶融飛灰の処理方法において、前記加熱脱着工程における加熱温度が、溶融飛灰に含まれる主要塩類の融点より低い温度に設定されている点にある。
【0012】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、溶融飛灰捕捉工程で捕捉した有機ハロゲン化合物を、加熱脱着工程で脱着し、次に、除去工程で脱着された有機ハロゲン化合物をキャリアガスに移行させることで溶融飛灰から有機ハロゲン化合物の除去を行えるものとなり、加熱脱着工程において加熱温度が溶融飛灰に含まれる主要塩類の融点より低い温度に設定されているので、この加熱工程おいて溶融飛灰が溶融せず、加熱空間の内壁面に溶融物が付着する状況に陥ることがないのである。その結果、加熱脱着工程から処理物の排出を円滑に行え、メンテナンスの頻度を低減し、しかも、加熱に要するエネルギーを低減して経済的、かつ、安定的に溶融飛灰を処理できる処理方法を提供できた。
【0013】
本発明の請求項2に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載の溶融飛灰の処理方法において、前記加熱脱着工程における加熱温度が300℃〜400℃である点にある。
【0014】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、300℃〜400℃の温度範囲での加熱処理により、請求項1の〔作用・効果〕の項で説明したように加熱脱着工程で溶融飛灰を溶融させることなく処理を行える。つまり、溶融飛灰の加熱脱着法によるDXNsの除去試験の結果を図7のように示すことが可能である。この実験では、加熱脱着装置内に対してキャリアガスを供給した状態で同図に示す条件で処理を行っており、この実験結果から、下限を300℃に設定し上限を400℃に設定した状況で処理を行っても極めて高い除去率を現出している。その結果、合理的な加熱温度の設定により無駄な加熱を排除しながら効率的な処理を実現できた。
【0015】
本発明の請求項3に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載の溶融飛灰の処理方法において、前記加熱脱着工程における加熱温度が300℃〜350℃である点にある。
【0016】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、請求項2の上限温度より低い温度に設定することで、無駄な加熱を排除できる。その結果、加熱に要するエネルギーを一層低減するものとなった。
【0017】
本発明の請求項4に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1から3の何れか1項に記載の溶融飛灰の処理方法において、前記除去工程で使用されるキャリアガスが不活性ガスである点にある。
【0018】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、前述の〔DXNs二次生成ポテンシャル〕の項で説明した通り、酸素が存在する環境で加熱した場合にはDXNsの二次生成反応が起こり得るものであるが、本発明のように除去工程においてキャリアガスに不活性ガスを使用することにより、酸素による酸化作用を排除してDXNsの二次生成反応を阻止できる。つまり、DXNsの除去試験として図7に示す試験結果を得ている。この試験では不活性ガスとしての窒素と、空気とを用いた場合のDXNsの除去率を示すものであり、同図から空気を用いた場合と比較して、窒素を用いた場合に良好な除去率であることが分かる。その結果、除去工程ではDXNsを二次発生させること無く良好に除去できるものとなった。
【0019】
本発明の請求項5に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1から3の何れか1項に記載の溶融飛灰の処理方法において、前記除去工程で使用されるキャリアガスが空気である点にある。
【0020】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、簡単に取り込むことが可能な空気をキャリアガスに使用することにより、例えば、窒素ガス等の不活性ガスを使用するものと比較して除去工程の装置を簡素化すると同時に、コストを低減する。つまり、前記図7に示される実験結果からすると、窒素を用いた場合の除去率と、空気とを用いた場合の除去率とには大きい差は無く、空気を用いても実用面では不都合がないことが分かる。その結果、経済的に有利な処理を実現した。
【0021】
本発明の請求項6に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1から5の何れか1項記載の溶融飛灰の処理方法において、前記加熱脱着工程の前、又は前記加熱脱着工程で、溶融飛灰に融点上昇剤を添加する融点調節工程を備える点にある。
【0022】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、溶融飛灰に対して融点上昇剤を添加した状態で加熱脱着工程の処理を行うので、加熱脱着工程での加熱温度で溶融する成分が含まれていても、その溶融飛灰の溶融を阻止できる。つまり、請求項1の〔作用・効果〕の項に記載したものと同様に、加熱工程おいて溶融飛灰を一層溶融し難いものにして、加熱空間の内壁面に溶融物が付着する状況を回避するものとなる。その結果、加熱脱着工程から処理物の排出を一層円滑に行え、メンテナンスの頻度を一層低減し、経済的、かつ、安定的に溶融飛灰を処理できる処理方法を提供できた。
【0023】
本発明の請求項7に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1から6の何れか1項記載の溶融飛灰の処理方法において、前記除去工程で除去されキャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を無害化処理する無害化処理工程を備える点にある。
【0024】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を無害化処理工程で無害化処理するので、キャリアガスを循環させて使用することや、このように無害化処理した後のキャリアガスを大気中に放出することも可能となる。その結果、キャリアガスの経済的な利用を可能にし、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物による汚染も回避できるものとなった。
【0025】
本発明の請求項8に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項7記載の溶融飛灰の処理方法において、前記無害化処理工程は、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を溶融炉の炉内に導入して分解処理する点にある。
【0026】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を溶融炉の炉内に導入して溶融炉の高熱を利用して分解するので、キャリアガスを溶融炉に導く経路を付加する程度の構成により、本構成の方法を実現して有機ハロゲン化合物を無害化できるのである。その結果、簡単な構成で低コストでキャリアガスを無毒化できた。
【0027】
本発明の請求項9に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項7記載の溶融飛灰の処理方法において、前記無害化処理工程は、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を触媒分解装置に導入して分解処理する点にある。
【0028】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を触媒分解装置で分解して無害化できる。その結果、触媒分解装置の性質を利用してキャリアガスの有機ハロゲン化合物を除去できた。
【0029】
本発明の請求項10に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項7記載の溶融飛灰の処理方法において、前記無害化処理工程は、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を活性炭吸着装置に導入して捕捉処理するものである点にある。
【0030】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を活性炭吸着装置で吸着して無害化できる。その結果、活性炭吸着装置の性質を利用してキャリアガスの有機ハロゲン化合物を除去できた。
【0031】
本発明の請求項11に係る溶融飛灰の処理装置の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
溶融炉の排ガスから捕捉された溶融飛灰を加熱処理して溶融飛灰に吸着した有機ハロゲン化合物を脱着する溶融飛灰の処理装置において、周囲が外気と隔離された所定経路に沿って溶融飛灰を機械的に搬送する溶融飛灰搬送機構と、前記溶融飛灰搬送機構による搬送中の溶融飛灰を加熱処理する加熱機構と、前記所定経路のうち前記溶融飛灰搬送機構の上方空間にキャリアガスを通流させるキャリアガス供給機構とを備え、加熱処理された前記溶融飛灰から脱着した有機ハロゲン化合物をキャリアガスにより搬送除去する点にある。
【0032】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、溶融炉の排ガスから捕捉された溶融飛灰は、溶融飛灰搬送機構により周囲が外気と隔離された所定経路に沿って搬送されるものとなり、この搬送時において加熱機構により加熱されることで、この溶融飛灰に含まれる有機ハロゲン化合物を脱着させ、このように脱着した有機ハロゲン化合物を前記所定経路の上方空間に流通するキャリアガスに移行させ、このキャリアガスにより搬送除去できるものとなる。その結果、溶融飛灰を外気中に飛散させることや、脱着時にキャリアガスを外気中に漏出させること無く、溶融飛灰を搬送しながら有機ハロゲン化合物を除去し、搬送終端部に達した時点で有機ハロゲン化合物を除去して無害化できる処理装置が構成された。
【0033】
本発明の請求項12に係る溶融飛灰の処理装置の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項11記載の溶融飛灰の処理装置において、前記キャリアガスは、前記溶融飛灰の搬送方向と対向する向きに通流されるものである点にある。
【0034】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、溶融飛灰を溶融飛灰搬送機構で搬送しながら加熱する際には、この溶融飛灰搬送機構での溶融飛灰の搬送方向と対向する向きに流通するキャリアガスに対して、この溶融飛灰から脱着した有機ハロゲン化合物を移行させることが可能となる。つまり、この構成では溶融飛灰が搬送下手側に送られるほど、溶融飛灰中の有機ハロゲン化合物の量が減少するものであるが、この溶融飛灰の搬送下手側からキャリアガスが供給することにより、この溶融飛灰に対して常に新しいキャリアガスを接触させて有機ハロゲン化合物の移行を良好に行わせ、この溶融飛灰の搬送下手位置における溶融飛灰に含まれる有機ハロゲン化合物の量を極めて少ないものにできる。その結果、キャリアガスの流通方向の設定だけで、溶融飛灰に含まれる有機ハロゲン化合物を効率良く除去できるものとなった。
【0035】
本発明の請求項13に係る溶融飛灰の処理装置の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項11又は12記載の溶融飛灰の処理装置において、前記溶融飛灰搬送機構は、スクリューコンベアである点にある。
【0036】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、スクリューコンベアで溶融飛灰を搬送する際には、該スクリューコンベアの回転に伴い溶融飛灰を撹拌するものとなり、この溶融飛灰がキャリアガスに接触する機会を拡大して、この溶融飛灰から脱着した有機ハロゲン化合物をキャリアガスに移行させやすくする。その結果、溶融飛灰搬送機構としてスクリューコンベアを採用するだけで、溶融飛灰から有機ハロゲン化合物を良好に除去できた。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、廃棄物焼却炉で発生する焼却灰や、この廃棄物焼却炉の排気ガスからバグフィルタ等により回収した集塵灰(この焼却灰、集塵灰等を以下、溶融処理対象物xと称する)を溶融処理する回転表面溶融型の溶融炉Aと、この溶融炉Aで発生する排ガスを送る排ガス経路1の中間部において排ガスと伴に送り出される溶融飛灰yを捕捉回収する集塵器Bと、この集塵器Bで捕捉回収した溶融飛灰yを送る飛灰搬送経路2と、この飛灰搬送経路2から送られる溶融飛灰yに対してキャリアガス供給機構Cからのキャリアガスgを供給しながら加熱処理して溶融飛灰yに含まれるダイオキシン類をはじめとする有害な有機ハロゲン化合物を溶融飛灰yから脱着させ、かつ、キャリアガスgに移行させて除去する加熱脱着装置Dと、この加熱脱着装置Dから排出されるキャリアガスgを前記溶融炉Aに戻す戻し経路3と、集塵器Bを通過した排ガスを無害化するよう触媒分解式や、活性炭吸着式の排ガス無害化部Eとを備えて溶融飛灰の処理装置が構成されている。
【0038】
この溶融飛灰の処理装置は、溶融飛灰の処理方法を実現する1形態であり、図3に示すように排ガスから溶融飛灰yを捕捉する集塵器Bで溶融飛灰捕捉工程が構成され、この溶融飛灰yを加熱処理して溶融飛灰に吸着した有機ハロゲン化合物を脱着する加熱脱着装置Dで加熱脱着工程が構成され、この加熱脱着工程で脱着させた有機ハロゲン化合物をキャリアガスgに移行させる加熱脱着装置Dで除去工程が構成されている(加熱脱着装置Dが加熱脱着工程と除去工程とに兼用されている)。更に、有機ハロゲン化合物が移行した状態のキャリアガスgを加熱分解するために使用される溶融炉Aで無害化処理工程が構成されている。
【0039】
前記溶融炉Aは図2に示すように、前記溶融処理対象物xを供給する供給部A1と、この供給部A1から供給された溶融処理対象物xを溶融処理する溶融部A2と、この溶融部A2の下部位置に配置された排気・回収部A3とを備えて構成されている。
【0040】
詳述すると、前記供給部A1は、溶融処理対象物xが投入されるホッパー10を有して成っている。このホッパー10は、前記溶融処理対象物x(焼却灰や集塵灰)を搬送するコンベア11から溶融処理対象物xが投入される処理系を想定しているが、この溶融処理対象物xを環境中に飛散させない搬送手段であれば搬送形態はどのようなものであっても良い。
【0041】
前記溶融部A2は、円形ドーム状の天井壁13Aの周囲に内筒壁13Bを立ち上げて一体形成した固定筒13と、円形の底壁14Aの周囲に外筒壁14Bを立ち上げて一体形成し、かつ、固定筒13に対し縦向き姿勢の軸芯周りで回転自在に支持した回転筒14と、前記固定筒13の内筒壁13Bから回転筒14の外筒壁14Bの上部に亘って配置した蓋状の環状の上部壁15と、回転筒14を前記軸芯周りで回転させる電動モータ等の駆動機構16とを有して成っている。
【0042】
前記上部壁15に対して前記ホッパー10を備えており、内筒壁13と外筒壁14との間にホッパー10から溶融処理対象物xを一時的に貯留する貯留空間を形成し、前記天井壁13Aと底壁14Aとの間に加熱溶融空間を形成し、天井壁13Aに加熱溶融空間に燃焼炎を吹き出すバーナ17を備え、前記回転筒14の底壁14Aの中央位置には加熱溶融空間からの溶融スラグと、排ガスとを送り出す出滓口14Cを形成している。同図に示すように前記バーナ17に対して送風機18からの空気を供給する空気供給経路18Aと、燃料供給機構19からの燃料を供給する燃料供給経路19Aとが形成されている。
【0043】
前記排気・回収部A3は、前記出滓口14Cから排出された排ガスと、溶融スラグzとを導く排出ブロック21を有して成ると共に、この排出ブロック21に対して前記出滓口14Cからの溶融スラグzを下方位置のスラグ回収槽22に導く排出路21Aと、前記出滓口14Cからの排ガスを送り出す排ガス路21Bとを形成してある。尚、回収槽22に回収された溶融スラグzは化学的に安定しているため、埋立用覆土材やコンクリート製品用の骨材として再利用される。
【0044】
図1及び図2に示すように、前記排ガス経路1は、前記排出ブロック21に形成された排ガス路21Bに接続しており、この排ガス経路1の排出終端位置には、負圧を発生させて溶融炉Aからの排ガスを吸引して煙突4から排出させる送風機5を備えており、この排ガス経路の中間位置に前記集塵器Bと排ガス無害化部Eとを備えている。
【0045】
前記集塵器Bは静電集塵器、あるいは、バグフィルタで構成される一般的なものである。又、この集塵器Bで捕捉回収された溶融飛灰を搬送する前記飛灰搬送経路2は外気と遮断された筒状空間の内部にフライトコンベアを配置したものを想定しているが、スクリューコンベアやバケットコンベアを用いることも可能である。
【0046】
前記キャリアガス供給機構Cは、送風機31からの空気、若しくは、窒素ガスで代表される不活性ガスの貯留部32からのキャリアガスgを供給できるよう構成されている。
【0047】
前記加熱脱着装置Dは、前記溶融飛灰yの供給部35A、及び、加熱処理後の溶融飛灰の排出部35B夫々が形成され、かつ、300℃〜400℃、好ましくは、300℃〜350℃となる加熱温度で加熱される加熱空間を有する加熱ケース35と、この加熱ケース35を加熱する電気ヒータや、前記排ガスの熱で加熱される加熱機構36と、加熱ケース35の内部で加熱空間の下部位置において、前記飛灰搬送経路2から供給部35Aに供給された溶融飛灰yを搬送し、かつ、排出部35Bから排出する溶融飛灰搬送機構としてのスクリューコンベア37と、このスクリューコンベア37を回転駆動する電動モータ37Aと、前記供給部35Aの部位において溶融飛灰に消石灰で代表される融点上昇剤aを、水溶液の状態や、粉末の状態で添加する融点上昇剤供給機構Daとを備えて構成されている。図面には示さないが、この加熱脱着装置Dは加熱空間の温度を計測する温度センサからの計測信号に基づいて加熱機構36を制御することで、加熱空間の温度を前述した加熱温度範囲内に設定維持する温度制御手段を備えている。
【0048】
前記キャリアガスgは、窒素等の不活性ガスを使用することが、有機ハロゲン化合物の二次生成反応を抑制する上で好ましいのであるが、図7に示す試験結果から明らかなようにキャリアガスgとして窒素ガスを使用した場合と、空気を使用した場合とでは加熱温度が400℃の場合はDXNsの除去率の差は僅かであることから、コスト面で有効な空気が使用される。又、この加熱空間に供給されたキャリアガスgは前記戻し経路3に排出され、排出部35Bから排出された溶融飛灰は山元還元システム(図示せず)によって重金属類が回収され再資源化に利用される。
【0049】
この加熱脱着装置Dでは、前記加熱温度を前記溶融飛灰yに含まれる主要塩類の融点より低い値に設定すると共に、融点上昇剤aを添加することで主要塩類の融点より低い融点の物質を含んでいても、この加熱脱着装置Dにおいて加熱により溶融する不都合を解消しており、この加熱により溶融飛灰yに含まれるダイオキシン類をはじめとする有機ハロゲン化合物を脱着させると同時にキャリアガスgに移行させて、この加熱空間から送り出し、溶融飛灰を無毒化するよう機能する。前述のように溶融飛灰yに融点上昇剤aを添加する工程で融点調節工程が構成されている(図3を参照)。
【0050】
前記戻し経路3を介して前記溶融炉Aに戻されたキャリアガスgは、前記バーナ17に空気を供給する空気供給経路18Aと合流することで、この溶融炉Aの前記加熱溶融空間に送り込まれる。戻し経路3からのキャリアガスgを前記溶融炉Aに戻す手段としては、図面には示さないが前記固定筒13の天井壁13Aにノズルを形成し、このノズルに対して戻し経路3からのキャリアガスgを加圧する形態で前記加熱溶融空間に対して直接送り込む構成を採用しても良い。
【0051】
前記排ガス無害化部Eとして、触媒分解式のものを採用した場合には、ケースに対してチタンやバナジウム等を含有する酸化触媒等をケースに収納し、このケース内に排気ガスを流通させることで、集塵器Bで除去できなかったガス状の有機ハロゲン化合物を分解除去するものとなり、又、排ガス無害化部Eとして活性炭吸着式のものを採用した場合には、活性炭をケースに収納し、このケース内に排ガスを流通させることで、集塵器Bで除去できなかったガス状の有機ハロゲン化合物を吸着して排ガスから除去するものとなる。特に、この活性炭吸着式のものを使用した場合には、使用により有機ハロゲン化合物を吸着した活性炭を前記溶融炉Aにおいて溶融処理することで無害化できるものとなっている。
【0052】
このように溶融飛灰処理装置を構成したので、廃棄物焼却炉から送り出される溶融処理対象物xは、溶融炉Aにおける高温処理によって溶融され、溶融スラグzとして回収槽22に回収される。又、この溶融炉Aで発生した排ガスに含まれる溶融飛灰yは集塵器Bで捕捉回収され、又、排ガスは排ガス無害化部Eにおいて有機ハロゲン化合物が除去された後に排出される。そして、集塵器Bで捕捉回収された溶融飛灰yは、飛灰搬送経路2により加熱脱着装置Dに送られ、この加熱脱着装置Dでは、溶融飛灰yに対して融点上昇剤aを添加した状態で、キャリアガスgを供給しながら加熱脱着処理が行われる。
【0053】
このように加熱脱着処理を行う際には、融点上昇剤aを添加した状態の溶融飛灰yをスクリューコンベア37で回転を伴う機械的な搬送力を作用させて搬送するので、溶融飛灰yをスクリューコンベア37で撹拌する形態で搬送するものとなり、加熱ムラを発生させること無く、この溶融飛灰yをキャリアガスgと良好に接触させて有機ハロゲン化合物を脱着させ、この有機ハロゲン化合物をキャリアガスgに良好に移行させるものにしている。又、キャリアガスに窒素ガス等の不活性ガスを用いた場合には、DXNsの二次生成反応を招来することのない処理を実現し、キャリアガスgとして空気を使用した場合でも図7において一覧化して説明したように加熱温度を上げることにより高度な除去率を達成できるので、安価なキャリアガスの使用を可能にして、低コストで装置を構成できるものとなる。
【0054】
そして、この加熱脱着処理では、溶融飛灰yに含まれる主要塩類の融点より低い温度で加熱されることにより溶融飛灰yを溶融させることなく、この溶融飛灰yに含まれているダイオキシン類をはじめとする有機ハロゲン化合物を脱着させてキャリアガスgに移行させ、溶融飛灰yは排出部35Bから無毒化された状態で排出される。又、加熱脱着装置Dから排出されたキャリアガスgは戻し経路3を介して溶融炉Aに戻されることで再度高温で処理されることで、キャリアガスgに移行した有機ハロゲン化合物が分解して無毒化し、有機ハロゲン化合物が脱着した溶融飛灰yは溶融していないので、加熱空間をスクリューコンベア37で円滑に送られ排出部35Bから排出されるのである。
【0055】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、例えば、以下のように構成して実施することも可能である(この別実施の形態では前記実施の形態と同じ機能を有するものには、実施の形態と共通の番号、符号を付している)。
【0056】
(a)図8に示すように、前記実施の形態に代えて、前記実施の形態における戻し経路3からのキャリアガスgを、溶融炉Aから排ガスを送り出す排ガス経路1に合流させるようキャリアガスgの戻し系を構成する。このように構成することにより、加熱脱着装置Dから排出されたキャリアガスgに含まれる溶融飛灰yを集塵器Bで回収した後に、脱着させた有機ハロゲン化合物を前記排ガス無害化部Eにて無害化できるものとなる。特に、この構成では、キャリアガスgを排ガス経路1に合流させて排ガスと混合する形態で送ることになるので、前記実施の形態と比較して構造が簡単となると云う良好な面がある。
【0057】
(b)図9に示すように、前記実施の形態と同様に、溶融炉Aと、この溶融炉Aからの排ガスを集塵器B、排ガス無害化部E、送風機5、煙突4夫々に対して順次送る排ガス系とを備えて溶融処理系Mを構成すると共に、前記集塵器Bで捕捉回収された溶融飛灰yを処理する加熱脱着装置Dと、この加熱脱着装置Dに対してキャリアガスgを供給するキャリアガス供給機構Cと、加熱脱着装置Dから排出されるキャリアガスgを処理するよう触媒分解式の排ガス無害化部Fと、この排ガス無害化部Fからの排ガスを煙突6に送り出す送風器7とを備えて溶融飛灰処理系Nを構成し、これらによって溶融飛灰に処理装置を構成する。この溶融飛灰の処理装置は、溶融処理系Mと溶融飛灰処理系Nとが比較的離間した位置に設置されるものを想定しており、この装置では、飛灰搬送経路2としてフライトコンベア装置等の他に、飛散しない状態で袋詰めした溶融飛灰を搬送するトラックやトロッコ等を使用することも可能である。
【0058】
(c)図10に示すように、前記実施の形態と同様に、溶融炉Aと、この溶融炉Aからの排ガスを集塵器B、排ガス無害化部E、送風機5、煙突4夫々に対して順次送る排ガス系とを備えて溶融処理系Mを構成すると共に、前記集塵器Bで捕捉回収された溶融飛灰yを処理する加熱脱着装置Dと、この加熱脱着装置Dに対してキャリアガスgを供給するキャリアガス供給機構Cと、加熱脱着装置Dから排出されるキャリアガスgを処理するよう活性炭吸着式の排ガス無害化部Fと、この排ガス無害化部Fからの排ガスを煙突6に送り出す送風器7とを備えて溶融飛灰処理系Nを構成し、これらによって溶融飛灰に処理装置を構成する。この溶融飛灰の処理装置は、溶融処理系Mと溶融飛灰処理系Nとが比較的離間した位置に設置されたものを想定しており、この装置では、飛灰搬送経路2としてフライトコンベア装置等の他に、飛散しない状態で袋詰めした溶融飛灰を搬送するトラックやトロッコ等を使用することも可能である。特に本構成では、使用により有機ハロゲン化合物を吸着した活性炭を前記溶融炉Aにおいて溶融処理することで無害化できるものとなっている。
【0059】
この別実施の形態(b)や(c)のように構成したことにより、例えば、溶融炉Aを有した従来からの溶融処理系Mに対して、新たに溶融処理系Mを付加する形態で溶融飛灰の処理装置を構成することが可能となる。
【0060】
(d)本発明は、加熱脱着装置Dを構成するに、スクリューコンベア37の軸の内部に高温のガスを供給することで、このスクリューコンベア37を加熱機構36に兼用する形態で実施することも可能である。又、この加熱脱着機構Dの加熱空間の加熱温度は300℃〜400℃の範囲内であれば良く、前記融点上昇剤aは、この加熱脱着機構Dの加熱空間に供給される以前に溶融飛灰yに混合することや、この加熱脱着機構Dの加熱空間において混合する形態であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融炉と溶融飛灰の処理装置とを示す図
【図2】溶融炉を示す断面図
【図3】溶融飛灰の処理方法の処理流れを示す図
【図4】焼却飛灰と溶融飛灰との成分組成を示す図
【図5】DXNsの吸着試験の結果を示す図
【図6】DXNsの加熱生成試験の結果を示す図
【図7】DXNsの除去試験の結果を示す図
【図8】別実施の形態(a)の構成を示す図
【図9】別実施の形態(b)の構成を示す図
【図10】別実施の形態(c)の構成を示す図
【符号の説明】
36 加熱機構
37 溶融飛灰搬送機構・スクリューコンベア
A 溶融炉
a 融点上昇剤
g キャリアガス
y 溶融飛灰
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融炉の排ガスから溶融飛灰を捕捉する溶融飛灰捕捉工程と、前記溶融飛灰捕捉工程で捕捉された溶融飛灰を加熱処理して溶融飛灰に吸着した有機ハロゲン化合物を脱着する加熱脱着工程と、前記加熱脱着工程で脱着された有機ハロゲン化合物をキャリアガスに移行させて除去する除去工程とからなる溶融飛灰の処理方法、及び、溶融炉の排ガスから捕捉された溶融飛灰を加熱処理して溶融飛灰に吸着した有機ハロゲン化合物を脱着する溶融飛灰の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
分析技術の向上により、環境中に存在する極微量の猛毒物質であるダイオキシン類(以下、DXNsと称する)による汚染状況が次第に表面化し、社会問題化している。これに伴い、DXNs排出に関わる各種法律が整備され、新設される廃棄物処理施設等には、厳しい排出基準値が定められたところである。近年、この排出基準値を遵守するだけではなく、廃棄物処理施設からのDXNs排出総量の一層の低減化が求められている。DXNsの主要な発生源は廃棄物焼却炉である。この廃棄物焼却炉から排出されるDXNsは排ガス、焼却灰、集塵灰の3種に大別されるが、その排出量の内訳では集塵灰が圧倒的な量(80%以上)を占めている。
【0003】
この集塵灰を無害化する技術として実用化されているも主なものには、加熱脱塩素法、溶融固化法がある。加熱脱塩素法は、集塵灰を低酸素雰囲気中において、450℃程度まで加熱し、飛灰の触媒作用を利用してDXNs分子の炭素−塩素結合を分解する方法である。一方の溶融固化法は、ごみの炭化物(チャー)や焼却灰等を1300℃以上の高温に加熱することで、処理対象物中のDXNsを分解無毒化するだけでなく、被処理物の減容化、溶融固化物(スラグ)の資源化等、得られる効果は大きい。
【0004】
しかし、溶融炉からも煤塵が発生し、その煤塵は焼却炉と同様に集塵装置で集塵除去され、系外に排出される。このためDXNsを高度に分解できる溶融炉であっても、排ガスの冷却過程DXNsが生成し、その一部が煤塵、すなわち、溶融飛灰に吸着した状態で排出されることもあった。
【0005】
また、上記のように構成された溶融飛灰の処理方法及びその処理装置に関連する技術として、処理対象が溶融飛灰では無いものであるが特開2000‐308868号公報に示されるものが存在する。
【0006】
この従来の技術では、ごみ焼却設備のゴミ焼却炉の排ガス中からバグフィルターで除去した飛灰を無害化処理する飛灰処理装置と、この飛灰を飛灰処理装置で無害化処理する方法とが示されている。つまり、飛灰処理装置では、添加混練機で飛灰に対して苛性ソーダの水溶液を添加した後に、この混練物を加熱器で400〜500℃の温度で加熱する処理を行うことにより、ダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物を他の揮発性物質とともに揮発させ、揮発物を誘引ファンの駆動によりテールガスとして排気し、次に、このテールガスを例えば、無害化処理装置を経由して排気するよう構成され、この無害化処理装置として、集塵器、冷却装置、排ガス洗浄装置、水銀回収装置、並びにこれらの組み合わせが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
溶融飛灰と、焼却飛灰との化学的成分組成を一覧化すると図4に示すことが可能である。同図に示すように、溶融飛灰は焼却飛灰と比較して化学的組成が大きく異なり、低沸点の塩類が主体となるため、融点が概ね350℃から450℃の範囲にあると云える。従って、飛灰を400℃以上の温度で加熱する加熱脱塩素化法では、溶融飛灰が加熱装置内部で溶融、液化してしまうため、処理物の安定的な搬送、排出が不可能となるものであった。つまり、加熱によって溶融飛灰が溶融、液化した場合には、この溶融、液化物が加熱装置の内壁面に付着するため、排出を行う場合にも自重による流れ出しの他に排出手段が無いため、積極的な排出を行えないものであった。その結果、粘性が高く流動性が良くない付着物が発生した場合には、定期的にメンテナンスを行い炉の内壁面に対する付着物の除去を必要とするものとなっていたのである。
【0008】
次に溶融飛灰と焼却飛灰との性質上の相違点を説明する。
〔DXNsの吸着保持能力〕
前述した図4に示されるように溶融飛灰が含有する炭素分は非常に少ないため、焼却飛灰と比してDNXsの吸着保持能力は顕著に小さい。つまり、焼却飛灰中に存在する炭素は主に未燃分としての炭素であり、焼却炉内で炭化された黒色のフレーク状をしたもの(以下、未燃炭素と称す)が主体である。この未燃炭素は、他の飛灰構成成分と比較して顕著にDXNs吸着能力が高く、集塵装置においてDNXsの吸着剤としても作用する。この吸着性能を説明するため、焼却飛灰と溶融飛灰とのDXNs吸着試験結果を図5に示している。
【0009】
〔DXNs二次生成ポテンシャル〕
一般に、飛灰を空気中で300℃〜400℃の温度で曝すと、空気中の酸素による酸化作用でDXNsの二次生成反応が起こり、飛灰中のDXNs量が増大すると言われている。このDXNs生成の起源は主に飛灰中の未燃炭素にあるため、燃焼飛灰と溶融飛灰とでは、DXNsの二次ポテンシャルが大きく異なる。この二次生成反応を説明するため、焼却飛灰と溶融飛灰とのDXNs加熱生成試験結果を図6に示している。
【0010】
本発明の目的は、溶融飛灰の特徴を活用しながら、経済的、かつ、安定的に溶融飛灰を高度に処理し得る方法、及び、処理装置を提供する点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
溶融炉の排ガスから溶融飛灰を捕捉する溶融飛灰捕捉工程と、前記溶融飛灰捕捉工程で捕捉された溶融飛灰を加熱処理して溶融飛灰に吸着した有機ハロゲン化合物を脱着する加熱脱着工程と、前記加熱脱着工程で脱着された有機ハロゲン化合物をキャリアガスに移行させて除去する除去工程とからなる溶融飛灰の処理方法において、前記加熱脱着工程における加熱温度が、溶融飛灰に含まれる主要塩類の融点より低い温度に設定されている点にある。
【0012】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、溶融飛灰捕捉工程で捕捉した有機ハロゲン化合物を、加熱脱着工程で脱着し、次に、除去工程で脱着された有機ハロゲン化合物をキャリアガスに移行させることで溶融飛灰から有機ハロゲン化合物の除去を行えるものとなり、加熱脱着工程において加熱温度が溶融飛灰に含まれる主要塩類の融点より低い温度に設定されているので、この加熱工程おいて溶融飛灰が溶融せず、加熱空間の内壁面に溶融物が付着する状況に陥ることがないのである。その結果、加熱脱着工程から処理物の排出を円滑に行え、メンテナンスの頻度を低減し、しかも、加熱に要するエネルギーを低減して経済的、かつ、安定的に溶融飛灰を処理できる処理方法を提供できた。
【0013】
本発明の請求項2に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載の溶融飛灰の処理方法において、前記加熱脱着工程における加熱温度が300℃〜400℃である点にある。
【0014】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、300℃〜400℃の温度範囲での加熱処理により、請求項1の〔作用・効果〕の項で説明したように加熱脱着工程で溶融飛灰を溶融させることなく処理を行える。つまり、溶融飛灰の加熱脱着法によるDXNsの除去試験の結果を図7のように示すことが可能である。この実験では、加熱脱着装置内に対してキャリアガスを供給した状態で同図に示す条件で処理を行っており、この実験結果から、下限を300℃に設定し上限を400℃に設定した状況で処理を行っても極めて高い除去率を現出している。その結果、合理的な加熱温度の設定により無駄な加熱を排除しながら効率的な処理を実現できた。
【0015】
本発明の請求項3に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載の溶融飛灰の処理方法において、前記加熱脱着工程における加熱温度が300℃〜350℃である点にある。
【0016】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、請求項2の上限温度より低い温度に設定することで、無駄な加熱を排除できる。その結果、加熱に要するエネルギーを一層低減するものとなった。
【0017】
本発明の請求項4に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1から3の何れか1項に記載の溶融飛灰の処理方法において、前記除去工程で使用されるキャリアガスが不活性ガスである点にある。
【0018】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、前述の〔DXNs二次生成ポテンシャル〕の項で説明した通り、酸素が存在する環境で加熱した場合にはDXNsの二次生成反応が起こり得るものであるが、本発明のように除去工程においてキャリアガスに不活性ガスを使用することにより、酸素による酸化作用を排除してDXNsの二次生成反応を阻止できる。つまり、DXNsの除去試験として図7に示す試験結果を得ている。この試験では不活性ガスとしての窒素と、空気とを用いた場合のDXNsの除去率を示すものであり、同図から空気を用いた場合と比較して、窒素を用いた場合に良好な除去率であることが分かる。その結果、除去工程ではDXNsを二次発生させること無く良好に除去できるものとなった。
【0019】
本発明の請求項5に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1から3の何れか1項に記載の溶融飛灰の処理方法において、前記除去工程で使用されるキャリアガスが空気である点にある。
【0020】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、簡単に取り込むことが可能な空気をキャリアガスに使用することにより、例えば、窒素ガス等の不活性ガスを使用するものと比較して除去工程の装置を簡素化すると同時に、コストを低減する。つまり、前記図7に示される実験結果からすると、窒素を用いた場合の除去率と、空気とを用いた場合の除去率とには大きい差は無く、空気を用いても実用面では不都合がないことが分かる。その結果、経済的に有利な処理を実現した。
【0021】
本発明の請求項6に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1から5の何れか1項記載の溶融飛灰の処理方法において、前記加熱脱着工程の前、又は前記加熱脱着工程で、溶融飛灰に融点上昇剤を添加する融点調節工程を備える点にある。
【0022】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、溶融飛灰に対して融点上昇剤を添加した状態で加熱脱着工程の処理を行うので、加熱脱着工程での加熱温度で溶融する成分が含まれていても、その溶融飛灰の溶融を阻止できる。つまり、請求項1の〔作用・効果〕の項に記載したものと同様に、加熱工程おいて溶融飛灰を一層溶融し難いものにして、加熱空間の内壁面に溶融物が付着する状況を回避するものとなる。その結果、加熱脱着工程から処理物の排出を一層円滑に行え、メンテナンスの頻度を一層低減し、経済的、かつ、安定的に溶融飛灰を処理できる処理方法を提供できた。
【0023】
本発明の請求項7に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1から6の何れか1項記載の溶融飛灰の処理方法において、前記除去工程で除去されキャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を無害化処理する無害化処理工程を備える点にある。
【0024】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を無害化処理工程で無害化処理するので、キャリアガスを循環させて使用することや、このように無害化処理した後のキャリアガスを大気中に放出することも可能となる。その結果、キャリアガスの経済的な利用を可能にし、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物による汚染も回避できるものとなった。
【0025】
本発明の請求項8に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項7記載の溶融飛灰の処理方法において、前記無害化処理工程は、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を溶融炉の炉内に導入して分解処理する点にある。
【0026】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を溶融炉の炉内に導入して溶融炉の高熱を利用して分解するので、キャリアガスを溶融炉に導く経路を付加する程度の構成により、本構成の方法を実現して有機ハロゲン化合物を無害化できるのである。その結果、簡単な構成で低コストでキャリアガスを無毒化できた。
【0027】
本発明の請求項9に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項7記載の溶融飛灰の処理方法において、前記無害化処理工程は、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を触媒分解装置に導入して分解処理する点にある。
【0028】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を触媒分解装置で分解して無害化できる。その結果、触媒分解装置の性質を利用してキャリアガスの有機ハロゲン化合物を除去できた。
【0029】
本発明の請求項10に係る溶融飛灰の処理方法の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項7記載の溶融飛灰の処理方法において、前記無害化処理工程は、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を活性炭吸着装置に導入して捕捉処理するものである点にある。
【0030】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を活性炭吸着装置で吸着して無害化できる。その結果、活性炭吸着装置の性質を利用してキャリアガスの有機ハロゲン化合物を除去できた。
【0031】
本発明の請求項11に係る溶融飛灰の処理装置の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
溶融炉の排ガスから捕捉された溶融飛灰を加熱処理して溶融飛灰に吸着した有機ハロゲン化合物を脱着する溶融飛灰の処理装置において、周囲が外気と隔離された所定経路に沿って溶融飛灰を機械的に搬送する溶融飛灰搬送機構と、前記溶融飛灰搬送機構による搬送中の溶融飛灰を加熱処理する加熱機構と、前記所定経路のうち前記溶融飛灰搬送機構の上方空間にキャリアガスを通流させるキャリアガス供給機構とを備え、加熱処理された前記溶融飛灰から脱着した有機ハロゲン化合物をキャリアガスにより搬送除去する点にある。
【0032】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、溶融炉の排ガスから捕捉された溶融飛灰は、溶融飛灰搬送機構により周囲が外気と隔離された所定経路に沿って搬送されるものとなり、この搬送時において加熱機構により加熱されることで、この溶融飛灰に含まれる有機ハロゲン化合物を脱着させ、このように脱着した有機ハロゲン化合物を前記所定経路の上方空間に流通するキャリアガスに移行させ、このキャリアガスにより搬送除去できるものとなる。その結果、溶融飛灰を外気中に飛散させることや、脱着時にキャリアガスを外気中に漏出させること無く、溶融飛灰を搬送しながら有機ハロゲン化合物を除去し、搬送終端部に達した時点で有機ハロゲン化合物を除去して無害化できる処理装置が構成された。
【0033】
本発明の請求項12に係る溶融飛灰の処理装置の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項11記載の溶融飛灰の処理装置において、前記キャリアガスは、前記溶融飛灰の搬送方向と対向する向きに通流されるものである点にある。
【0034】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、溶融飛灰を溶融飛灰搬送機構で搬送しながら加熱する際には、この溶融飛灰搬送機構での溶融飛灰の搬送方向と対向する向きに流通するキャリアガスに対して、この溶融飛灰から脱着した有機ハロゲン化合物を移行させることが可能となる。つまり、この構成では溶融飛灰が搬送下手側に送られるほど、溶融飛灰中の有機ハロゲン化合物の量が減少するものであるが、この溶融飛灰の搬送下手側からキャリアガスが供給することにより、この溶融飛灰に対して常に新しいキャリアガスを接触させて有機ハロゲン化合物の移行を良好に行わせ、この溶融飛灰の搬送下手位置における溶融飛灰に含まれる有機ハロゲン化合物の量を極めて少ないものにできる。その結果、キャリアガスの流通方向の設定だけで、溶融飛灰に含まれる有機ハロゲン化合物を効率良く除去できるものとなった。
【0035】
本発明の請求項13に係る溶融飛灰の処理装置の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項11又は12記載の溶融飛灰の処理装置において、前記溶融飛灰搬送機構は、スクリューコンベアである点にある。
【0036】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、スクリューコンベアで溶融飛灰を搬送する際には、該スクリューコンベアの回転に伴い溶融飛灰を撹拌するものとなり、この溶融飛灰がキャリアガスに接触する機会を拡大して、この溶融飛灰から脱着した有機ハロゲン化合物をキャリアガスに移行させやすくする。その結果、溶融飛灰搬送機構としてスクリューコンベアを採用するだけで、溶融飛灰から有機ハロゲン化合物を良好に除去できた。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、廃棄物焼却炉で発生する焼却灰や、この廃棄物焼却炉の排気ガスからバグフィルタ等により回収した集塵灰(この焼却灰、集塵灰等を以下、溶融処理対象物xと称する)を溶融処理する回転表面溶融型の溶融炉Aと、この溶融炉Aで発生する排ガスを送る排ガス経路1の中間部において排ガスと伴に送り出される溶融飛灰yを捕捉回収する集塵器Bと、この集塵器Bで捕捉回収した溶融飛灰yを送る飛灰搬送経路2と、この飛灰搬送経路2から送られる溶融飛灰yに対してキャリアガス供給機構Cからのキャリアガスgを供給しながら加熱処理して溶融飛灰yに含まれるダイオキシン類をはじめとする有害な有機ハロゲン化合物を溶融飛灰yから脱着させ、かつ、キャリアガスgに移行させて除去する加熱脱着装置Dと、この加熱脱着装置Dから排出されるキャリアガスgを前記溶融炉Aに戻す戻し経路3と、集塵器Bを通過した排ガスを無害化するよう触媒分解式や、活性炭吸着式の排ガス無害化部Eとを備えて溶融飛灰の処理装置が構成されている。
【0038】
この溶融飛灰の処理装置は、溶融飛灰の処理方法を実現する1形態であり、図3に示すように排ガスから溶融飛灰yを捕捉する集塵器Bで溶融飛灰捕捉工程が構成され、この溶融飛灰yを加熱処理して溶融飛灰に吸着した有機ハロゲン化合物を脱着する加熱脱着装置Dで加熱脱着工程が構成され、この加熱脱着工程で脱着させた有機ハロゲン化合物をキャリアガスgに移行させる加熱脱着装置Dで除去工程が構成されている(加熱脱着装置Dが加熱脱着工程と除去工程とに兼用されている)。更に、有機ハロゲン化合物が移行した状態のキャリアガスgを加熱分解するために使用される溶融炉Aで無害化処理工程が構成されている。
【0039】
前記溶融炉Aは図2に示すように、前記溶融処理対象物xを供給する供給部A1と、この供給部A1から供給された溶融処理対象物xを溶融処理する溶融部A2と、この溶融部A2の下部位置に配置された排気・回収部A3とを備えて構成されている。
【0040】
詳述すると、前記供給部A1は、溶融処理対象物xが投入されるホッパー10を有して成っている。このホッパー10は、前記溶融処理対象物x(焼却灰や集塵灰)を搬送するコンベア11から溶融処理対象物xが投入される処理系を想定しているが、この溶融処理対象物xを環境中に飛散させない搬送手段であれば搬送形態はどのようなものであっても良い。
【0041】
前記溶融部A2は、円形ドーム状の天井壁13Aの周囲に内筒壁13Bを立ち上げて一体形成した固定筒13と、円形の底壁14Aの周囲に外筒壁14Bを立ち上げて一体形成し、かつ、固定筒13に対し縦向き姿勢の軸芯周りで回転自在に支持した回転筒14と、前記固定筒13の内筒壁13Bから回転筒14の外筒壁14Bの上部に亘って配置した蓋状の環状の上部壁15と、回転筒14を前記軸芯周りで回転させる電動モータ等の駆動機構16とを有して成っている。
【0042】
前記上部壁15に対して前記ホッパー10を備えており、内筒壁13と外筒壁14との間にホッパー10から溶融処理対象物xを一時的に貯留する貯留空間を形成し、前記天井壁13Aと底壁14Aとの間に加熱溶融空間を形成し、天井壁13Aに加熱溶融空間に燃焼炎を吹き出すバーナ17を備え、前記回転筒14の底壁14Aの中央位置には加熱溶融空間からの溶融スラグと、排ガスとを送り出す出滓口14Cを形成している。同図に示すように前記バーナ17に対して送風機18からの空気を供給する空気供給経路18Aと、燃料供給機構19からの燃料を供給する燃料供給経路19Aとが形成されている。
【0043】
前記排気・回収部A3は、前記出滓口14Cから排出された排ガスと、溶融スラグzとを導く排出ブロック21を有して成ると共に、この排出ブロック21に対して前記出滓口14Cからの溶融スラグzを下方位置のスラグ回収槽22に導く排出路21Aと、前記出滓口14Cからの排ガスを送り出す排ガス路21Bとを形成してある。尚、回収槽22に回収された溶融スラグzは化学的に安定しているため、埋立用覆土材やコンクリート製品用の骨材として再利用される。
【0044】
図1及び図2に示すように、前記排ガス経路1は、前記排出ブロック21に形成された排ガス路21Bに接続しており、この排ガス経路1の排出終端位置には、負圧を発生させて溶融炉Aからの排ガスを吸引して煙突4から排出させる送風機5を備えており、この排ガス経路の中間位置に前記集塵器Bと排ガス無害化部Eとを備えている。
【0045】
前記集塵器Bは静電集塵器、あるいは、バグフィルタで構成される一般的なものである。又、この集塵器Bで捕捉回収された溶融飛灰を搬送する前記飛灰搬送経路2は外気と遮断された筒状空間の内部にフライトコンベアを配置したものを想定しているが、スクリューコンベアやバケットコンベアを用いることも可能である。
【0046】
前記キャリアガス供給機構Cは、送風機31からの空気、若しくは、窒素ガスで代表される不活性ガスの貯留部32からのキャリアガスgを供給できるよう構成されている。
【0047】
前記加熱脱着装置Dは、前記溶融飛灰yの供給部35A、及び、加熱処理後の溶融飛灰の排出部35B夫々が形成され、かつ、300℃〜400℃、好ましくは、300℃〜350℃となる加熱温度で加熱される加熱空間を有する加熱ケース35と、この加熱ケース35を加熱する電気ヒータや、前記排ガスの熱で加熱される加熱機構36と、加熱ケース35の内部で加熱空間の下部位置において、前記飛灰搬送経路2から供給部35Aに供給された溶融飛灰yを搬送し、かつ、排出部35Bから排出する溶融飛灰搬送機構としてのスクリューコンベア37と、このスクリューコンベア37を回転駆動する電動モータ37Aと、前記供給部35Aの部位において溶融飛灰に消石灰で代表される融点上昇剤aを、水溶液の状態や、粉末の状態で添加する融点上昇剤供給機構Daとを備えて構成されている。図面には示さないが、この加熱脱着装置Dは加熱空間の温度を計測する温度センサからの計測信号に基づいて加熱機構36を制御することで、加熱空間の温度を前述した加熱温度範囲内に設定維持する温度制御手段を備えている。
【0048】
前記キャリアガスgは、窒素等の不活性ガスを使用することが、有機ハロゲン化合物の二次生成反応を抑制する上で好ましいのであるが、図7に示す試験結果から明らかなようにキャリアガスgとして窒素ガスを使用した場合と、空気を使用した場合とでは加熱温度が400℃の場合はDXNsの除去率の差は僅かであることから、コスト面で有効な空気が使用される。又、この加熱空間に供給されたキャリアガスgは前記戻し経路3に排出され、排出部35Bから排出された溶融飛灰は山元還元システム(図示せず)によって重金属類が回収され再資源化に利用される。
【0049】
この加熱脱着装置Dでは、前記加熱温度を前記溶融飛灰yに含まれる主要塩類の融点より低い値に設定すると共に、融点上昇剤aを添加することで主要塩類の融点より低い融点の物質を含んでいても、この加熱脱着装置Dにおいて加熱により溶融する不都合を解消しており、この加熱により溶融飛灰yに含まれるダイオキシン類をはじめとする有機ハロゲン化合物を脱着させると同時にキャリアガスgに移行させて、この加熱空間から送り出し、溶融飛灰を無毒化するよう機能する。前述のように溶融飛灰yに融点上昇剤aを添加する工程で融点調節工程が構成されている(図3を参照)。
【0050】
前記戻し経路3を介して前記溶融炉Aに戻されたキャリアガスgは、前記バーナ17に空気を供給する空気供給経路18Aと合流することで、この溶融炉Aの前記加熱溶融空間に送り込まれる。戻し経路3からのキャリアガスgを前記溶融炉Aに戻す手段としては、図面には示さないが前記固定筒13の天井壁13Aにノズルを形成し、このノズルに対して戻し経路3からのキャリアガスgを加圧する形態で前記加熱溶融空間に対して直接送り込む構成を採用しても良い。
【0051】
前記排ガス無害化部Eとして、触媒分解式のものを採用した場合には、ケースに対してチタンやバナジウム等を含有する酸化触媒等をケースに収納し、このケース内に排気ガスを流通させることで、集塵器Bで除去できなかったガス状の有機ハロゲン化合物を分解除去するものとなり、又、排ガス無害化部Eとして活性炭吸着式のものを採用した場合には、活性炭をケースに収納し、このケース内に排ガスを流通させることで、集塵器Bで除去できなかったガス状の有機ハロゲン化合物を吸着して排ガスから除去するものとなる。特に、この活性炭吸着式のものを使用した場合には、使用により有機ハロゲン化合物を吸着した活性炭を前記溶融炉Aにおいて溶融処理することで無害化できるものとなっている。
【0052】
このように溶融飛灰処理装置を構成したので、廃棄物焼却炉から送り出される溶融処理対象物xは、溶融炉Aにおける高温処理によって溶融され、溶融スラグzとして回収槽22に回収される。又、この溶融炉Aで発生した排ガスに含まれる溶融飛灰yは集塵器Bで捕捉回収され、又、排ガスは排ガス無害化部Eにおいて有機ハロゲン化合物が除去された後に排出される。そして、集塵器Bで捕捉回収された溶融飛灰yは、飛灰搬送経路2により加熱脱着装置Dに送られ、この加熱脱着装置Dでは、溶融飛灰yに対して融点上昇剤aを添加した状態で、キャリアガスgを供給しながら加熱脱着処理が行われる。
【0053】
このように加熱脱着処理を行う際には、融点上昇剤aを添加した状態の溶融飛灰yをスクリューコンベア37で回転を伴う機械的な搬送力を作用させて搬送するので、溶融飛灰yをスクリューコンベア37で撹拌する形態で搬送するものとなり、加熱ムラを発生させること無く、この溶融飛灰yをキャリアガスgと良好に接触させて有機ハロゲン化合物を脱着させ、この有機ハロゲン化合物をキャリアガスgに良好に移行させるものにしている。又、キャリアガスに窒素ガス等の不活性ガスを用いた場合には、DXNsの二次生成反応を招来することのない処理を実現し、キャリアガスgとして空気を使用した場合でも図7において一覧化して説明したように加熱温度を上げることにより高度な除去率を達成できるので、安価なキャリアガスの使用を可能にして、低コストで装置を構成できるものとなる。
【0054】
そして、この加熱脱着処理では、溶融飛灰yに含まれる主要塩類の融点より低い温度で加熱されることにより溶融飛灰yを溶融させることなく、この溶融飛灰yに含まれているダイオキシン類をはじめとする有機ハロゲン化合物を脱着させてキャリアガスgに移行させ、溶融飛灰yは排出部35Bから無毒化された状態で排出される。又、加熱脱着装置Dから排出されたキャリアガスgは戻し経路3を介して溶融炉Aに戻されることで再度高温で処理されることで、キャリアガスgに移行した有機ハロゲン化合物が分解して無毒化し、有機ハロゲン化合物が脱着した溶融飛灰yは溶融していないので、加熱空間をスクリューコンベア37で円滑に送られ排出部35Bから排出されるのである。
【0055】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、例えば、以下のように構成して実施することも可能である(この別実施の形態では前記実施の形態と同じ機能を有するものには、実施の形態と共通の番号、符号を付している)。
【0056】
(a)図8に示すように、前記実施の形態に代えて、前記実施の形態における戻し経路3からのキャリアガスgを、溶融炉Aから排ガスを送り出す排ガス経路1に合流させるようキャリアガスgの戻し系を構成する。このように構成することにより、加熱脱着装置Dから排出されたキャリアガスgに含まれる溶融飛灰yを集塵器Bで回収した後に、脱着させた有機ハロゲン化合物を前記排ガス無害化部Eにて無害化できるものとなる。特に、この構成では、キャリアガスgを排ガス経路1に合流させて排ガスと混合する形態で送ることになるので、前記実施の形態と比較して構造が簡単となると云う良好な面がある。
【0057】
(b)図9に示すように、前記実施の形態と同様に、溶融炉Aと、この溶融炉Aからの排ガスを集塵器B、排ガス無害化部E、送風機5、煙突4夫々に対して順次送る排ガス系とを備えて溶融処理系Mを構成すると共に、前記集塵器Bで捕捉回収された溶融飛灰yを処理する加熱脱着装置Dと、この加熱脱着装置Dに対してキャリアガスgを供給するキャリアガス供給機構Cと、加熱脱着装置Dから排出されるキャリアガスgを処理するよう触媒分解式の排ガス無害化部Fと、この排ガス無害化部Fからの排ガスを煙突6に送り出す送風器7とを備えて溶融飛灰処理系Nを構成し、これらによって溶融飛灰に処理装置を構成する。この溶融飛灰の処理装置は、溶融処理系Mと溶融飛灰処理系Nとが比較的離間した位置に設置されるものを想定しており、この装置では、飛灰搬送経路2としてフライトコンベア装置等の他に、飛散しない状態で袋詰めした溶融飛灰を搬送するトラックやトロッコ等を使用することも可能である。
【0058】
(c)図10に示すように、前記実施の形態と同様に、溶融炉Aと、この溶融炉Aからの排ガスを集塵器B、排ガス無害化部E、送風機5、煙突4夫々に対して順次送る排ガス系とを備えて溶融処理系Mを構成すると共に、前記集塵器Bで捕捉回収された溶融飛灰yを処理する加熱脱着装置Dと、この加熱脱着装置Dに対してキャリアガスgを供給するキャリアガス供給機構Cと、加熱脱着装置Dから排出されるキャリアガスgを処理するよう活性炭吸着式の排ガス無害化部Fと、この排ガス無害化部Fからの排ガスを煙突6に送り出す送風器7とを備えて溶融飛灰処理系Nを構成し、これらによって溶融飛灰に処理装置を構成する。この溶融飛灰の処理装置は、溶融処理系Mと溶融飛灰処理系Nとが比較的離間した位置に設置されたものを想定しており、この装置では、飛灰搬送経路2としてフライトコンベア装置等の他に、飛散しない状態で袋詰めした溶融飛灰を搬送するトラックやトロッコ等を使用することも可能である。特に本構成では、使用により有機ハロゲン化合物を吸着した活性炭を前記溶融炉Aにおいて溶融処理することで無害化できるものとなっている。
【0059】
この別実施の形態(b)や(c)のように構成したことにより、例えば、溶融炉Aを有した従来からの溶融処理系Mに対して、新たに溶融処理系Mを付加する形態で溶融飛灰の処理装置を構成することが可能となる。
【0060】
(d)本発明は、加熱脱着装置Dを構成するに、スクリューコンベア37の軸の内部に高温のガスを供給することで、このスクリューコンベア37を加熱機構36に兼用する形態で実施することも可能である。又、この加熱脱着機構Dの加熱空間の加熱温度は300℃〜400℃の範囲内であれば良く、前記融点上昇剤aは、この加熱脱着機構Dの加熱空間に供給される以前に溶融飛灰yに混合することや、この加熱脱着機構Dの加熱空間において混合する形態であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融炉と溶融飛灰の処理装置とを示す図
【図2】溶融炉を示す断面図
【図3】溶融飛灰の処理方法の処理流れを示す図
【図4】焼却飛灰と溶融飛灰との成分組成を示す図
【図5】DXNsの吸着試験の結果を示す図
【図6】DXNsの加熱生成試験の結果を示す図
【図7】DXNsの除去試験の結果を示す図
【図8】別実施の形態(a)の構成を示す図
【図9】別実施の形態(b)の構成を示す図
【図10】別実施の形態(c)の構成を示す図
【符号の説明】
36 加熱機構
37 溶融飛灰搬送機構・スクリューコンベア
A 溶融炉
a 融点上昇剤
g キャリアガス
y 溶融飛灰
Claims (13)
- 溶融炉の排ガスから溶融飛灰を捕捉する溶融飛灰捕捉工程と、前記溶融飛灰捕捉工程で捕捉された溶融飛灰を加熱処理して溶融飛灰に吸着した有機ハロゲン化合物を脱着する加熱脱着工程と、前記加熱脱着工程で脱着された有機ハロゲン化合物をキャリアガスに移行させて除去する除去工程とからなる溶融飛灰の処理方法であって、
前記加熱脱着工程における加熱温度が、溶融飛灰に含まれる主要塩類の融点より低い温度に設定されている溶融飛灰の処理方法。 - 前記加熱脱着工程における加熱温度が300℃〜400℃である請求項1記載の溶融飛灰の処理方法。
- 前記加熱脱着工程における加熱温度が300℃〜350℃である請求項1記載の溶融飛灰の処理方法。
- 前記除去工程で使用されるキャリアガスが不活性ガスである請求項1から3の何れか1項記載の溶融飛灰の処理方法。
- 前記除去工程で使用されるキャリアガスが空気である請求項1から3の何れか1項記載の溶融飛灰の処理方法。
- 前記加熱脱着工程の前、又は前記加熱脱着工程で、溶融飛灰に融点上昇剤を添加する融点調節工程を備える請求項1から5の何れか1項記載の溶融飛灰の処理方法。
- 前記除去工程で除去されキャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を無害化処理する無害化処理工程を備える請求項1から6の何れか1項記載の溶融飛灰の処理方法。
- 前記無害化処理工程は、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を溶融炉の炉内に導入して分解処理するものである請求項7記載の溶融飛灰の処理方法。
- 前記無害化処理工程は、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を触媒分解装置に導入して分解処理するものである請求項7記載の溶融飛灰の処理方法。
- 前記無害化処理工程は、キャリアガスに移行した有機ハロゲン化合物を活性炭吸着装置に導入して捕捉処理するものである請求項7記載の溶融飛灰の処理方法。
- 溶融炉の排ガスから捕捉された溶融飛灰を加熱処理して溶融飛灰に吸着した有機ハロゲン化合物を脱着する溶融飛灰の処理装置であって、周囲が外気と隔離された所定経路に沿って溶融飛灰を機械的に搬送する溶融飛灰搬送機構と、前記溶融飛灰搬送機構による搬送中の溶融飛灰を加熱処理する加熱機構と、前記所定経路のうち前記溶融飛灰搬送機構の上方空間にキャリアガスを通流させるキャリアガス供給機構とを備え、加熱処理された前記溶融飛灰から脱着した有機ハロゲン化合物をキャリアガスにより搬送除去する溶融飛灰の処理装置。
- 前記キャリアガスは、前記溶融飛灰の搬送方向と対向する向きに通流されるものである請求項11記載の溶融飛灰の処理装置。
- 前記溶融飛灰搬送機構は、スクリューコンベアである請求項11又は12記載の溶融飛灰の処理装置。
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CN109174914A (zh) * | 2018-09-10 | 2019-01-11 | 中国恩菲工程技术有限公司 | 飞灰熔融装置 |
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