JP2004015996A - 磁気回転伝動制御装置 - Google Patents

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根本 栄
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Abstract

【課題】磁気回転伝動装置において、従動磁石の回転負荷が磁気回転伝動力を超えた時に、従動磁石は追従できずに離脱するが、制御手段により離脱を防止し、常に負荷変動に対応した回転速度の制御を行い、それぞれの時点における最大の回転速度にて回転伝動を続行する磁気回転伝動制御装置を提供する。
【解決手段】磁気カップリングの駆動磁石又は従動磁石の回転領域の近傍に磁気検出センサを配設し、該磁気検出センサは両磁石間の磁気結合状態を監視し、その出力信号を制御手段11に送出するが、該制御手段はその信号のなかから磁気ずれ角の成分を抽出演算し、磁気ずれ角誤差増幅部25にて、離脱以前の安全領域内に設定された限界磁気ずれ角設定値との突き合せを行い、この限界磁気ずれ角を保持するために常に回転速度を制御して離脱を防止し、磁気ずれ角に対応した最大の回転速度にて回転伝動を続行する制御手段を具備している。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気カップリング方式による回転伝動制御装置であって、従動磁石側を駆動磁石側から隔壁によって遮断したい用途に使用できる、磁気回転伝動制御装置の技術分野にに属する。
【0002】
【従来の技術】
磁気カップリング方式による回転伝動装置は公知であり、各方面に多様に使用されている。  例えば液体を攪拌するためのマグネチックスターラは公知であり、これは液体の入った容器の底部に投入された攪拌用回転子(攪拌翼付の従動磁石)を、該容器の下部外側に配設された駆動源(モータ)によって回転駆動される駆動磁石により、攪拌用回転子を回転させ攪拌を行なうものである。  また、磁気カップリングを使用したマグネット・ポンプも公知であり、例えば渦巻ポンプの場合はポンプの羽根車に従動磁石を取付けポンプ内に密閉し、隔壁を介してその従動磁石に対向して駆動磁石を配設し、これを駆動源(モータ)により回転駆動するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
磁気回転伝動装置は回転負荷のトルクが限界点を超えると、駆動磁石に対して従動磁石が追従不能となり離脱する。 離脱すると駆動磁石が回転している限りその回転磁界のなかには吸引されないので、負荷側が停止状態になり作業は停止する。 このために磁気回転伝動においては回転負荷の最大許容トルクを踏まえて充分な安全率を見込んで使用する必要があり、作業上面倒なものとなっていた。 例えば磁気回転攪拌装置で液体を攪拌する場合、攪拌中に液体の粘度が上昇し、負荷トルクの増大により攪拌翼付従動磁石が同期回転から離脱し、攪拌が停止すると化学反応中の試料に異常をもたらす。 そのため作業者は離脱しない最大回転数をあらかじめ予知して設定したり、離脱した攪拌翼付従動磁石をすぐに元に戻して回転速度を調整していた。 しかし、その攪拌効率の良い最大回転速度は攪拌量や液体の粘度によって変化するため、作業者の熟練度と感に頼っていた。 また、攪拌翼付従動磁石側が密閉タンク内にあり目視ができない場合は、離脱が起きて回転が停止しても感知できないので、これを防止するために更に安全率の度合を強めると、益々攪拌効率の低下や作業時間の延長を余儀なくされていた。
【0004】
本発明はこのような実情に鑑みてなされ、作業効率と伝動効率が良く、安心して使用できる磁気回転伝動制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。 駆動源(モータ)によって回転駆動される駆動磁石と、隔壁を介してこの駆動磁石に対向して配設され回転負荷を駆動する従動磁石とによる磁気回転伝動制御装置において、該駆動磁石又は従動磁石の回転領域の近傍に磁気検出センサを配設し、該磁気検出センサは駆動磁石と従動磁石間の磁気結合状態を監視し、回転負荷の負荷トルクが上昇し従動磁石が駆動磁石より回転ずれを生ずると、その磁気ずれ角に対応した出力信号を制御手段11に送出する。
【0006】
該制御手段11は、上記出力信号の中から回転ずれに相当する磁気ずれ角成分を抽出演算する磁気ずれ角演算増幅部を有し、その抽出演算された出力信号は次段のピークホールド増幅部及び更に次段のローパスフィルタ増幅部により、リップル成分の少ない直流電圧に変換される。 この直流電圧は次段の磁気ずれ角誤差増幅部に投入されるが、一方、磁気ずれ角誤差増幅部には離脱以前の安全領域内の任意の点に設定された限界磁気ずれ角設定器の設定値が入力されているので、ここで両方の信号が突合わされる。 そして前段からの直流電圧が限界磁気ずれ角の設定値を超えると、その分が偏差として誤差増幅されるが、その出力は(−)極性であり、信号の大きさは増幅率調整により最適値に選定できる。 磁気ずれ角誤差増幅部は(+)極性の出力は禁止となっていて(+)側の出力は完全にゼロとなる。 磁気ずれ角誤差増幅部の出力は次段の回転速度減算増幅部に送出されるが、回転速度減算増幅部の増幅率は1倍に固定されていて、回転速度設定器によって設定された信号から前段の出力信号分が減算されて出力されるので、サーボドライバはそれに対応して駆動源(モータ)の回転速度を下げる。
回転速度減算増幅部は(−)極性の出力を禁止している。 回転速度設定器の設定値は駆動源(モータ)の定格回転数いっぱいに設定したままでもよく、制御系の閉ループのなかで適当に制御されるが、回転ずれがない場合は設定された回転速度いっぱいで回転するので、作業時に必要且つ充分な回転速度が判明している場合は、それなりの回転速度に設定すれば作業の安全性と確実性は増す。
【0007】
回転速度が下がれば回転ずれは減少に向うので、それに対応して磁気ずれ角誤差増幅部の出力が減少し、回転速度減算増幅部の減算分も減少するので回転速度は上昇に転ずるが、磁気ずれ角誤差増幅部が前記の偏差を有している間は回転速度減算増幅部は減算を継続するので、設定された回転速度を下回る指令を送出する。 もし偏差がゼロになれば減算は行われず回転速度設置器によって設定された速度指令に戻る。 以下、前記の動作を繰返し、限界磁気ずれ角設定器によって設定された磁気ずれ角を保持するために負荷トルクに対応した回転速度指令を送出し、磁気カップリングの離脱を防止する制御手段を具備することを特徴とする。
【0008】
一方、磁気ずれ角指示計を具備することにより、回転ずれの状態が把握できるので、前記の限界磁気ずれ角の設定や回転速度の設定にも役立つ特徴を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の磁気回転伝動制御装置の実施の形態を図面を参照しながら説明する。 図1は本磁気回転伝動制御装置の一例を示す模式的な構成図であり、符号2は従動磁石側筐体、3は磁気結合部隔壁、4は回転負荷、5は従動磁石、6は駆動磁石、7は駆動磁石6を回転させるための駆動源(モータ)、8はその駆動源(モータ)7に装備されているフィードバック用の回転速度検出センサ、10aは駆動磁石と従動磁石との磁気結合状態を監視し、回転ずれに対応した出力を送出する磁気検出センサで駆動磁石6側に取付けた例を示し、10bは従動磁石5側に取付けた例を示すもので、用途に応じて任意の側に取付ける。 符号11は制御手段、9は駆動源(モータ)7のサーボドライバ、12は磁気ずれ角指示計である。
【0010】
図2は制御手段11の内部構成を表わすブロック図であり、符号21は磁気検出センサ増幅部で、磁気検出センサ10a又は10bからの出力信号を受けてこれを適当に増幅する。 22は磁気ずれ角演算増幅部で、磁気検出センサ増幅部21からの出力信号を受けて、その信号のなかから磁気ずれ角成分を抽出演算する。 23はピークホールド増幅部で、磁気ずれ角演算増幅部22の出力はピーク状となるために、これをピークホールドの手法によって直流電圧に変換する。24はローパスフィルタ増幅部で、ピークホールド増幅部23の出力にはある程度のリップル成分が残っているので、該ローパスフィルタ増幅部を通してリップル成分の少ない直流電圧を得る。 符号25は磁気ずれ角誤差増幅部、26は限界磁気ずれ角設定器で、磁気ずれ角誤差増幅部25は増幅作用としては反転増幅型に属するが、(+)極性の出力は禁止としている。 従って、限界磁気ずれ角設定器26から入力される(−)極性の信号は出力では(+)極性となるので表れない。 ここで磁気ずれ角に対応した前段の直流電圧が入力されると、これは(+)極性であるから限界磁気ずれ角設定値の(−)極性と突合わされ、その限界設定値を超えた分だけが偏差として誤差増幅されて(−)極性の出力が表れるが、増幅率は1〜100倍程度の範囲で任意に設定できるようにする。 27は回転速度減算増幅部、28は回転速度設定器で、この増幅部は増幅作用としては非反転増幅型に属するが、(−)極性の出力は禁止とし、増幅率は1倍に固定されている。 回転速度設定器28の信号は(+)極性であるから、前段の磁気ずれ角誤差増幅部25の(−)極性の出力と突合わされて、設定値からの減算が行われる。 回転速度は任意の値に設定でき、勿論、駆動源(モータ)の定格回転数いっぱいに設定したままでも制御系の閉ループのなかで適当に制御される。
しかし、回転ずれがない場合は設定された回転数いっばいで回転するので、作業時に必要且つ充分な回転速度が判明している場合は、それなりの回転速度に設定すれば作業の安全性と確実性は増す。 上記の結果、磁気ずれ角に対応して減算された出力がサーボドライバ9に送出され、該サーボドライバは直ちに駆動源(モータ)7を減速させる。
【0011】
駆動源(モータ)7が減速すればそれに対応して前記回転ずれが減少し、磁気ずれ角誤差増幅部25の偏差も減少し、回転速度減算増幅部27の減算分も減少するので、サーボドライバ9に対する速度指令もそれに対応して上昇に転ずるが、前記の偏差が残る間は減算が継続される。 偏差がゼロとなれば減算は行われなくなり、回転速度設定器28にて設定された回転速度に戻る。 以下、上記の動作を繰返し、限界磁気ずれ角設定器26によって設定されたずれ角を保持するために、負荷トルクに対応した回転速度指令をサーボドライバ9に送出し、磁気カップリングの離脱を防止し回転伝動を続行する。
【0012】
図3の符号(A)は磁気検出センサ増幅部21の出力信号波形を示す。 波形31aと波形31bは従動磁石5が駆動磁石6に対して回転ずれを生じないで、即ち磁気ずれ角がほぼ0°で回転している場合のそれぞれ正側及び負側の波形を示す。 波形32aと波形32bは前記より幾分かのずれを生じて回転している場合、波形33aと波形33bは更にずれを生じて回転している場合のそれぞれ正側及び負側の波形を示す。 磁石のS極とN極が交互に磁気検出センサ10a又は10bの近傍を通過するので、図3の(A)に示すように正側と負側の交番波形となり、その周波数は通過する磁極数と駆動源(モータ)の回転数
(r/min)で決まる。
【0013】
本発明における最も重要な回転ずれに対応した磁気ずれ角成分は正側においては波形31aを基準とし、負側においては波形31bを基準として、これらから増大した振幅成分(波高値の増大分)、または増大した面積成分(平均値の増大分)から求めることができる。 両者のどちらを採用してもほぼ同様の結果が得られるが、波形が先鋭で時間幅が小さい場合は振幅成分を採用したほうが有利となる。
【0014】
図3の符号(B)は磁気ずれ角演算増幅部22の出力信号波形を示す。 波形42は符号(A)に示す波形31aから波形32aに増大した分を抽出演算し、且つ増幅した波形を示し、波形43は波形31aから波形33aに増大した分を抽出演算し、且つ増幅した波形を示す。 また、波形52は波形31bから波形32bに増大した分を抽出演算し、且つ整流・増幅して正側に合流させた波形を示し、波形53は波形31bから波形33bに増大した分を抽出演算し、且つ整流・増幅して正側に合流させた波形を示す。 この合流により出力の周波数を2倍にして次段のピークホールド増幅部23の動作を助長する。 次段のローパスフィルタ増幅部24は周知のアクティブフィルタで、リップル成分を軽減するために装備されている。
【0015】
磁気ずれ角誤差増幅部25については前記に述べた通りであるが、補足事項について以下に述べる。 (+)極性の出力を禁止とした点以外は、通常の誤差増幅器の回路である。 複雑さを避けるために図2の制御手段11内のブロック図では省略したが、以下に述べる機能を有する。 増幅率の調整範囲は1〜100倍とし、これはP動作(比例動作)の調整にあたり、これの調整により回転速度の下降指令時における減速率、及び上昇指令時における加速率を設定できる。
また、I動作(積分動作)の調整により偏差を積分して偏差が存在する限り出力状態を継続する。 時定数の調整範囲は本発明の用途に対応して適宜に設計すればよい。 この他にD動作(微分動作)の調整があり急激な負荷変動があった場合に備える。 これは応答速度を瞬時に早めて加減速動作のスピードアップを補償する。 時定数の調整範囲は本発明の用途に対応して適宜に設計すればよい。
【0016】
【第1実施例】
図4は本発明の第1実施例を表わした図で、磁気回転攪拌装置に応用した例を示し、その磁気回転攪拌装置61の模式的な構成図である。 62は液体の入った容器、64は容器62内に収容された液体、65は攪拌翼付従動磁石、63は磁気結合部隔壁、6は駆動磁石、7は駆動磁石6を回転させるための駆動源(モータ)、8は駆動源(モータ)7に装備されているフィードバック用の回転速度検出センサ、9は駆動源(モータ)7のサーボドライバ、10aは駆動磁石6と攪拌翼付従動磁石65との磁気結合状態を監視し、回転ずれに対応した出力信号を送出する磁気検出センサ、11は制御手段、12は磁気ずれ角指示計である。
【0017】
磁気検出センサ10aから送出された出力信号は、図2に示す制御手段11内の磁気検出センサ増幅部21で適当に増幅され、次段の磁気ずれ角演算増幅部22により回転ずれに相当する磁気ずれ角成分を抽出演算するが、その出力は図3の符号(B)に示すようなパルス状の波形となるので、次段のピークホールド増幅部23と更に次段のローパスフィルタ増幅部24により、リップル成分の少ない(+)極性の直流電圧に変換される。 この信号は回転ずれが無ければ0Vであり、磁気ずれ角が85°の時に4.25Vになるように調整する。 この出力は次段の磁気ずれ角誤差増幅部25に投入され、限界磁気ずれ角設定器26の設定値と突合わされる。 限界磁気ずれ角を80°に設定する場合は設定値を
4.00Vに設定すればよい。 従って、磁気ずれ角誤差増幅部25に対する前段からの入力が4.00Vを超えるまでは、該誤差増幅部の出力は0Vであるから、次段の回転速度減算増幅部27では減算は行われないので、設定された回転速度指令がそのままサーボドライバ9に送出されるが、その入力が4.00Vを超えると超えた分が直ちに設定されている増幅率により増幅されて、次段の回転速度減算増幅部27に送出され、回転速度設定器28の設定値から減算されるので、サーボドライバ9は減速指令を受けて駆動源(モータ)9の回転速度を下げる。
【0018】
サーボドライバ9の回転速度指令は通常、モータの定格回転数に対して、0〜+5V又は0〜+10Vが一般的であるので、回転速度減算増幅部27の出力は(+)極性ととし、(−)極性の出力を禁止している。 また、回転速度設定器28は0〜+5Vと0〜+10Vの両方に対応できるようにする。 回転速度設定器28の設定は駆動源(モータ)の定格回転数いっぱいでも何ら問題はなく、制御系の閉ループ内で適当に制御されるが、作業時に必要且つ充分な最大回転速度が判明している場合は、それなりの回転速度に設定すれば、負荷のトルクが減少し回転ずれが小さくなっても設定された回転速度以上にはならず、作業の安全性と確実性が増す。
【0019】
液体の攪拌中に回転翼付従動磁石65が駆動磁石6から回転ずれを生じ、その磁気ずれ角が90°近辺に達すると離脱が起こり、一度離脱した回転翼付従動磁石は駆動磁石が回転している限り、その回転磁界の中には吸引されないので攪拌作業は停止する。 これを防止するには離脱以前の安全領域を磁気ずれ角にして0°〜略80°の範囲に限定し、磁気ずれ角設定器26の設定値を、攪拌効率を重視する場合は一例として略80°に、攪拌効率と安全の両方を期待する場合は一例として略70°に設定しておけば、その限界磁気ずれ角が保持され離脱せずに回転を続行する。 このようにしてその時点の負荷トルクに対応した最大の回転速度で攪拌作業を続行する。
【0020】
制御手段11内のローパスフィルタ増幅部24の出力は前記のように制御に使用する他に、磁気ずれ角指示計12にて読取り、磁気ずれ角を把握することができる。 この出力は前記のように磁気ずれ角が85°の時に4.25Vになるように調整してある。 これは磁気ずれ角1°当り0.05V(50mV)となるので、これをスケーリングして指針型のメータ又はディジタルメータ等で直読することができ、限界磁気ずれ角の設定や回転速度の設定に役立つ。
【0021】
【第2実施例】
図5は本発明の第2実施例を表わした図で、渦巻ポンプに応用した例を示し、その渦巻ポンプ71の模式的な構成図である。 符号72aは渦巻ポンプ本体1、72bは吸入口、72cは吐出口、72dは渦巻ポンプ本体2で本体1の蓋に相当し、73は磁気結合部隔壁、74は羽根車、75は案内羽根、76はうず形室、77はポンプ内の液体を表わす。 更に、5は従動磁石、6は駆動磁石、7は駆動磁石6を回転させるための駆動源(モータ)、8は駆動源(モータ)7に装備されているフィードバック用の回転速度検出センサ、9は駆動源(モータ)7のサーボドライバ、10aは駆動磁石6と従動磁石5間の磁気結合状態を監視し、回転ずれに対応した出力信号を送出する磁気検出センサ、11は制御手段、12は磁気ずれ角指示計である。
【0022】
磁気検出センサ10aから送出された出力信号が制御手段11内の磁気検出センサ増幅部21、磁気ずれ角演算増幅部22、ピークホールド増幅部23、ローパスフィルタ増幅部24の各段階を経て、回転ずれに相当する磁気ずれ角成分をリップル成分の少ない(+)極性の直流電圧に変換し、その値を磁気ずれ角が85°の時に4.25Vになるように調整する方法は前記第1実施例にて述べた通りである。 それに磁気ずれ角誤差増幅部25と限界磁気ずれ角設定器26及び回転速度減算増幅部27と回転速度設定器28によって処理された回転速度指令がサーボドライバ9に送出され、駆動源(モータ)7の回転速度を制御し、限界磁気ずれ角設定器26によって設定された磁気ずれ角が保持され、磁気カップリングの離脱を防止し、回転を続行することについても前記第1実施例と同様である。 このようにしてその時点の負荷トルクに対応した最大の回転速度で渦巻ポンプを駆動することができる。
【0023】
回転速度設定器28の設定については前記同様、駆動源(モータ)7の定格回転数いっぱいでも何ら問題はなく、制御系の閉ループ内で適当に制御されるが、作業時に必要且つ充分な回転速度が判明している場合は、それなりの回転速度に設定すれば、負荷のトルクが減少し回転ずれが小さくなっても、設定された回転速度以上にはならず、作業の安全性と確実性が増す。
【0024】
磁気ずれ角指示計12については第1実施例に述べた通り、ローパスフィルタ増幅部の出力は、磁気ずれ角が85°の時に4.25Vになるように調整してあるので、これは磁気ずれ角1°当り0.05V(50mV)となる。 従って、これをスケーリングして指針型のメータ又はディジタルメータで直読することができ、限界磁気ずれ角の設定や回転速度の設定に役立つ。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁気回転伝動制御装置によれば、磁気回転伝動方式で駆動される従動磁石の回転負荷が磁気回転伝動力を超えた時に、従動磁石は回転から離脱するが、駆動磁石と従動磁石間の磁気結合状態を磁気検出センサにより監視して、離脱する以前の安全領域に限界磁気ずれ角を設定し、それを保持するためにその時点の磁気ずれ角に対応した回転速度指令をサーボドライバに送出し、該サーボドライバは駆動源(モータ)を制御して従動磁石の離脱を防止し、磁気回転伝動を続行する。 また、磁気ずれ角指示計により駆動磁石と従動磁石間の磁気結合状態が把握できるので、限界磁気ずれ角の設定や回転速度の設定に役立つ。
【0026】
よって、人手を煩わすことのない磁気回転伝動制御装置は省力効果をもたらす。 磁気カップリングにおいて従動磁石の離脱が防止されることは安定性のある回転伝動が保証され、品質向上の効果がある。 常に本制御手段によりその時点の磁気ずれ角に対応した最大の回転速度で回転伝動が行われるので、回転伝動効率の向上効果がある。
【0027】
本発明の磁気回転伝動制御装置を使用した攪拌装置は、離脱が防止され安定性のある攪拌が期待できるので、完全密封を必要とする化学反応装置、真空反応装置等に採用すると経済的効果がある。 磁気ずれ角指示計による磁気結合状態の監視は、従動磁石とその負荷側の回転ずれの状況を把握できるので、限界磁気ずれ角の設定や回転速度の設定に役立つ。
【0028】
また、本発明の磁気回転伝動制御装置を使用した渦巻ポンプの場合も、離脱が防止され安定性のある回転が期待できるので、化学薬品用のポンプ、密封を必要とするポンプ等に採用すると経済的効果がある。 本体が金属製の場合など従動磁石とその回転負荷側が外部から目視できないので、磁気ずれ角指示計による磁気結合状態の監視は、磁気ずれ角の設定や回転速度の設定に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気回転伝動制御装置1の模式的な構成図である。
【図2】本発明の制御手段の内部構成を表したブロック図である。
【図3】本発明の制御手段内の出力信号の波形の一例を模式的に表した波形図である。図2の(A)は磁気検出センサ増幅部の出力信号の波形図である。図2の(B)は磁気ずれ角演算増幅部の出力信号の波形図である。
【図4】本発明の第1実施例を表した図で、磁気回転攪拌装置61の模式的な構成図である。
【図5】本発明の第2実施例を表した図で、渦巻ポンプ71の模式的な構成図である。
【符号の説明】
2 :従動磁石側筐体
3 :磁気結合部隔壁
4 :回転負荷
5 :従動磁石
6 :駆動磁石
7 :駆動源(モータ)
8 :回転速度検出センサ
9 :サーボドライバ
10a:磁気検出センサ(駆動磁石側に取付けた例)
10b:磁気検出センサ(従動磁石側に取付けた例)
11 :制御手段
12 :磁気ずれ角指示計
21 :磁気検出センサ増幅部
22 :磁気ずれ角演算増幅部
23 :ピークホールド増幅部
24 :ローパスフィルタ増幅部
25 :磁気ずれ角誤差増幅部
26 :限界磁気ずれ角設定器
27 :回転速度減算増幅部
28 :回転速度設定器
31a:磁気検出センサ増幅部の出力信号波形(波形31a)
32a:磁気検出センサ増幅部の出力信号波形(波形32a)
33a:磁気検出センサ増幅部の出力信号波形(波形33a)
31b:磁気検出センサ増幅部の出力信号波形(波形31b)
32b:磁気検出センサ増幅部の出力信号波形(波形32b)
33b:磁気検出センサ増幅部の出力信号波形(波形33b)
42 :磁気ずれ角演算増幅部の出力信号波形(波形42)
43 :磁気ずれ角演算増幅部の出力信号波形(波形43)
52 :磁気ずれ角演算増幅部の出力信号波形(波形52)
53 :磁気ずれ角演算増幅部の出力信号波形(波形53)
62 :容器
63 :磁気結合部隔壁
64 :液体
65 :攪拌翼付従動磁石
72a:渦巻ポンプ本体1
72b:吸入口
72c:吐出口
72d:渦巻ポンプ本体2
73 :磁気結合部隔壁
74 :羽根車
75 :案内羽根
76 :うず形室
77 :液体

Claims (2)

  1. 駆動源(モータ)によって回転駆動される駆動磁石と、隔壁を介してこの駆動磁石に対向し回転負荷を駆動する従動磁石とによる磁気回転伝動制御装置において、該駆動磁石又は従動磁石の回転領域の近傍に磁気検出センサを配設し、該磁気検出センサは駆動磁石と従動磁石間の磁気結合状態を監視し、該回転負荷の負荷トルクの上昇に伴い従動磁石が駆動磁石より回転ずれを生ずると、その磁気ずれ角に対応した出力信号を制御手段(11)に送出するが、その信号を該制御手段内の磁気検出センサ増幅部(21)にて適当に増幅し、次段の磁気ずれ角演算増幅部(22)により回転ずれに相当する磁気ずれ角成分を抽出演算し、その出力は次段のピークホールド増幅部(23)及び更に次段のローパスフィルタ増幅部(24)によりリップルの少ない直流電圧に変換され、磁気ずれ角誤差増幅部(25)に投入されるが、ここで離脱以前の安全領域内に設定された限界磁気ずれ角設定器(26)の信号と突合わされ、その設定値を超えた分が偏差として誤差増幅されて次段の回転速度減算増幅部(27)に送出され、ここで回転速度設定器(28)によって設定された信号からその偏差分が減算され、減速指令としてサーボドライバ(9)に送出されるので駆動源(モータ)は減速し、その結果、磁気ずれ角が減少し磁気ずれ角誤差増幅部(25)の出力が減少するので、回転速度減算増幅部(27)の減算分も減少し、回転速度は上昇に転ずるが以下この動作を繰り返し、限界磁気ずれ角設定器(26)によって設定された磁気ずれ角を保持するために、負荷トルクに対応した回転速度指令をサーボドライバに送出し、駆動源(モータ)を制御する制御手段(11)を具備してなることを特徴とする磁気回転伝動制御装置。
  2. 制御手段(11)内のローパスフィルタ増幅部(24)の出力は磁気ずれ角に対応した直流電圧であるから、これを請求項1に示す制御に使用すると同時にスケーリングをして、指針型の電気計器又はディジタルメータ等で読取る磁気ずれ角指示計(12)を具備してなることを特徴とする請求項1に記載の磁気回転伝動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006144734A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Nissho Engineering:Kk 液流圧タービン磁力同期伝動機。
JP2014114939A (ja) * 2012-12-12 2014-06-26 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 磁気カップリング
CN110440670A (zh) * 2019-08-15 2019-11-12 中海石油深海开发有限公司 一种采油树升高自动监测装置

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