JP2004012305A - スライドシートのスライド位置検出方法およびスライド位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】マニュアルスライドシートへの適応性の改善をはかり、なおかつその構成の簡素化、および正確性の向上を可能とする。
【構成】磁石体30を、ロアレール18に設けられた一連のロック孔14との上下非整列位置に、また、2つのホール素子32−1,32−2を、そのロック孔との上下整列位置に、それぞれ配して、シートと同期移動する磁気センサ本体20が形成されている。そして、ホール素子32−1,32−2からのパルスレベルの変動をもとにして、ロック孔14に対する磁気センサ本体20の通過を検出し、その通過方向に応じたその数の加算、減算によるカウント数をもとに、所定の基点からのシートのスライド位置を検出、認識する。
【選択図】 図1
【構成】磁石体30を、ロアレール18に設けられた一連のロック孔14との上下非整列位置に、また、2つのホール素子32−1,32−2を、そのロック孔との上下整列位置に、それぞれ配して、シートと同期移動する磁気センサ本体20が形成されている。そして、ホール素子32−1,32−2からのパルスレベルの変動をもとにして、ロック孔14に対する磁気センサ本体20の通過を検出し、その通過方向に応じたその数の加算、減算によるカウント数をもとに、所定の基点からのシートのスライド位置を検出、認識する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シートスライド装置の作動に伴うシートのスライド位置を電気的に検出、認識可能とするスライドシートのスライド位置検出方法、およびそのスライド位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シートスライド装置によってシートを前後方向にスライド可能とした、いわゆるスライドシートが、自動車のフロントシート等として広く採用されている。
【0003】
そして、この種のスライドシートは、たとえば、モータの駆動制御によってそのスライドの制御されるパワー式のシートスライド装置を備えた、いわゆるパワースライドシートと、手動でロック解除するマニュアルロック式のシートスライド装置を備えた、シートを人力で前後移動させる、いわゆるマニュアルスライドシートとに大別でき、その自動車の用途、あるいは対象レベル等によって、その種類が使い分けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パワースライドシートにおけるモータは、通常、CPUを備えたECU(電子制御装置)に接続され、このECUにおける信号処理等のもとで、その状況等に応じた駆動制御がなされるため、このECU、およびCPUを利用してシートのスライド位置を電気的に検出、認識することは容易である。現に、モータの出力軸に設けた円板状磁石と、この磁石の極性の変動によってON/OFFの切り換えられるリードスイッチとを使ったリードスイッチ式のもの、あるいはモータの出力軸等に設けたポテンショメータを利用するもの等が、従来におけるスライド位置検出装置として知られている。
【0005】
これに対し、マニュアルスライドシートは、モータ等の電気系統を持たない構成であるため、このマニュアルスライドシートにおいては、シートのスライド位置を電気的に検出、認識する概念を有していないのが現状である。
【0006】
ここで、近年における自動車の安全性能強化対策にあたり、たとえば、エアバッグの展開形態をシートのスライド位置に応じて適宜振り分けるような展開制御が提案されつつある。そして、この展開制御にシートのスライド位置を関係付けるには、そのスライド位置を電気的に検出、認識することが要求される。
【0007】
つまり、現段階においては、このエアバッグの展開制御がパワースライドシートを対象としたものとして限定されるため、その汎用性に劣ることが避けられない。
【0008】
また、リードスイッチやポテンショメータによる公知のスライド位置検出装置であっても、その内容は絶対ではない。たとえば、前者リードスイッチ式のものは、リードスイッチからの出力パルスをカウントするだけのものであるため、特定の基点からのシートのスライド位置、つまりシートの絶対位置が容易に認識できない等の不具合を持ち、また、後者ポテンショメータによるものにおいては、アナログ/デジタルの信号変換等が要求されるため、その構成が複雑化する等の不具合を持っている。
【0009】
従って、パワースライドシートにおけるスライド位置検出装置に対しても、正確性に優れ、なおかつ構成の簡素化されたものの出現が望まれている。
【0010】
この発明は、マニュアルスライドシートへの適応性に優れ、なおかつその構成の簡素化、および正確性の向上のはかられたスライドシートのスライド位置検出方法、およびそのスライド位置検出装置の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に示すこの発明のスライドシートのスライド位置検出方法によれば、固定の磁性部材に形成された、等間隔毎の一連の検出対象孔との上下非整列位置に磁石体を、またその検出対象孔との上下整列位置に2つのホール素子を、それぞれ配してなる磁気センサ本体が、シートと同期移動する可動のシート側部材に一体的に固定されるとともに、異なる2相のパルスを同期出力可能に検出対象孔に対するその通過タイミングを変えて並置された各ホール素子からの出力信号を、それぞれパルスに変換して監視する。
【0012】
そして、各ホール素子からのパルスレベルの変動をもとにして、検出対象孔に対する磁気センサ本体の通過を検出し、その通過方向に応じたその数の加算、減算によるカウント数をもとに、所定の基点からのシートのスライド位置を検出、認識する。
【0013】
また、この発明の請求項2においては、2相のパルスを合成してパルスエッジを形成する。そして、このパルスエッジの発生時における2相のパルスのパルスレベルの判定により、シートのスライド方向を判別するものとしている。
【0014】
さらに、この発明の請求項3においては、シートのスライドリアモースト、およびスライドフロントモーストのいずれかを、検出対象孔に対する磁気センサ本体のカウント基点とし、検出対象孔に対する、2つのホール素子の非整列位置に、このカウント基点を一致させている。
【0015】
そして、この発明の請求項4においては、磁性部材の一連の検出対象孔として、マニュアルロック式のシートスライド装置における、ロアレールのロック孔を利用するものとしている。
【0016】
また、請求項5に示すこの発明のスライドシートのスライド位置検出装置によれば、等間隔毎の一連の検出対象孔が、シートの移動方向に連なって、固定の磁性部材に形成され、この固定の磁性部材に沿って離間配置される磁気センサ本体が、検出対象孔との上下非整列位置にある磁石体と、検出対象孔との上下整列位置に並置された2つのホール素子とを磁性板上に一体的に配して、シートと同期移動する可動のシート側部材に一体的に固定されるとともに、異なる2相のパルスを同期出力可能に、各ホール素子が、検出対象孔に対するその通過タイミングを変えてそれぞれ配設されている。
【0017】
そして、各ホール素子からの2相のパルスを監視手段で監視することにより、検出対象孔に対する磁気センサ本体の通過を検出し、通過方向に応じたその数の加算、減算によって、所定の基点からのシートのスライド位置を検出可能としている。
【0018】
また、この発明の請求項6においては、磁石体とホール素子との配設された磁性板の、少なくとも固定の磁性部材との対向面側を、絶縁部材であるインシュレータによって覆っている。そして、このインシュレータに部分的に設けた突起の摺接により、固定の磁性部材と磁石体、およびホール素子との離間距離をほぼ一定に維持可能としている。
【0019】
さらに、この発明の請求項7においては、スライドシートが、マニュアルロック式のシートスライド装置を備えたマニュアルスライドシートとしてなり、このシートスライド装置のロアレールに設けられた一連のロック孔を、磁性部材の一連の検出対象孔として具体化している。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1、図2に示すように、この発明に係るスライドシートのスライド位置検出装置10においては、シート12のスライド方向に連なる等間隔毎の一連の検出対象孔14が、固定の磁性部材、たとえばシートスライド装置16のロアレール18に形成されるとともに、この磁性部材に沿って離間配置される磁気センサ本体20が、シートと同期移動する可動のシート側部材、たとえばシートスライド装置のアッパレール22に一体的に固定されている。
【0022】
このスライド位置検出装置10の設けられるスライドシート12は、たとえば、マニュアルロック式のシートスライド装置16を備えた、いわゆるマニュアルスライドシートとして形成されている。
【0023】
このシートスライド装置16自体の基本構成は公知であり、それ自体はこの発明の趣旨でないため、この基本構成に対する詳細な説明はここでは省略するが、図1、および図2に示すように、この種のシートスライド装置においては、床体24に対して固定されるロアレール18に対し、シート側のアッパレール22が、スチールボール26、およびローラ28等の転動子を介してその長手方向にスライド可能に組み付けられている。
【0024】
そして、マニュアルロック式のシートスライド装置、つまりマニュアルスライド16においては、アッパレール22に配設された可動のロック爪(図示しない)の挿入、係合される一連のロック孔14が、ロアレール18の、たとえば側面に設けられている。
【0025】
ここで、マニュアルスライド(シートスライド装置)16のマニュアルロックとして設けられるこのロック孔14が、図1(B)に示すような、ロアレール18に対するアッパレール22のスライド方向、つまりはシート12のスライド方向に連なる一連の等間隔孔であり、このロック孔の設けられるロアレールが、金属等からなる磁性部材である点に着目し、この発明においては、固定の磁性部材に設けられた一連の検出対象孔として、このロアレールのロック孔を利用するものとしている。
【0026】
そして、この発明においては、このロック孔(検出対象孔)14に対する通過を検出可能に、磁気センサ本体20が構成、配設されている。
【0027】
図1(A),(B)に示すように、磁気センサ本体20は、ロアレール18の側面(磁性部材)に沿って離間配置されるものであり、ロック孔14との上下非整列位置にある磁石体30と、ロック孔との上下整列位置に並置された2つのホール素子32−1,32−2とを、たとえば折曲可能なフレキシブル基盤34で連結し、これを、ロアレール18の側面を部分的に被装可能とする端面形状に折曲形成された磁性板36の内面36aに一体的に配することにより、この磁気センサ本体は概略形成されている。
【0028】
図示のように、この磁性板の内面36aは、たとえば、樹脂材料等の絶縁素材からなるインシュレータ(絶縁部材)38によって覆われる。そして、シート12と同期移動する可動のシート側部材、たとえばアッパレール22への、このインシュレータ38を介在させた、止めねじ40等によるその基部36bの固定のもとで、この磁性板36は、ロアレール18に対する移動を可能に固定、配設されている。
【0029】
この磁気センサ本体20、特にその磁石体30、およびホール素子32−1,32−2は、ロアレール18の側面に対し、その非接触状態での移動を可能に配設、保持される。そこで、ロアレール18の側面に対する離間距離の安定化を目的として、ロアレールに摺接可能な突起42をインシュレータ38のその対向面に部分的に設けることが好ましい。
【0030】
なお、図1(A),(B)に示す参照符号44は、ホール素子32−1,32−2を支持する台座プレートであり、この台座プレートは、磁性板36と同様の磁性部材として形成されている。
【0031】
このような構成の磁気センサ本体20を配設したマニュアルスライド16においては、図1(A)に破線矢印で示すように、たとえば磁石体30、磁性板36、台座プレート44、ホール素子32−1,32−2、そしてロアレール18の順のループ状磁路46が形成される。そして、ロック孔14とのホール素子32−1,32−2の整列位置における開ループ、およびその非整列位置における閉ループによって、そのループ状磁路46での磁気抵抗はそれぞれ異なるため、各ホール素子からの出力値をそれぞれ監視することにより、一連のロック孔に対する各ホール素子の整列位置、非整列位置を区別し検出することが可能となる。
【0032】
そこで、図2、および図3に示すように、この発明においては、磁気センサ本体の2つのホール素子32−1,32−2が、ECU(電子制御装置)48にそれぞれ接続されている。
【0033】
図3を見るとわかるように、このECU48は、たとえば、ホール素子32−1,32−2からの入力信号をパルス化するパルス整形回路50と、パルス整形回路からの出力パルス、およびそこで検出したパルスエッジを監視し、これらをもとにした各種演算処理によって、これら入力信号、つまりスライド情報に基づいた情報処理、ならびに出力を行うCPU52とを、少なくとも備えてなり、このCPUからの出力信号を、通信回線54を経て、たとえば図2に示すような、インパネ等に設けられた位置表示器55等に適宜出力するものとして構成されている。
【0034】
なお、図1の参照符号56は、フレキシブル基盤34からの端子を有するカプラであり、このカプラを介して、ホール素子32−1,32−2、つまり磁気センサ本体20はECU48に電気的に接続される。
【0035】
ここで、図4(A)に示すように、この発明の実施の形態においては、ホール素子32−1,32−2の横幅が、一連のロック孔14の1ピッチの、たとえば1/6幅として規定されている。そして、前側(図中左側)のホール素子32−1がその1/6−1位置にあるときに後側(図中右側)のホール素子32−2を1/6−5位置に配置するように、この2つのホール素子の位置関係は設定されている。
【0036】
さらに、この実施の形態では、ロアレール18に対するアッパレール22のロック位置において、前側のホール素子32−1がロック孔1ピッチの1/6−1位置に位置するものとして規定する。
【0037】
つまり、ロアレール18に対するアッパレール22のロック位置においては、前側のホール素子32−1がロック孔14との整列位置にあるため、このホール素子32−1を含むループ状磁路46は開ループとなり、また、そのロック位置においては、後側のホール素子32−2がロック孔との非整列位置にあるから、このホール素子32−2を含むループ状磁路は閉ループとなる。
【0038】
また、図示のように、前側のホール素子32−1がロック孔1ピッチの1/6−1位置にあり、また、後側のホール素子32−2がその1/6−5位置にあるため、ロアレール18に対するアッパレール22のスライドに伴うロック孔14の側端縁までの距離が、各ホール素子毎に異なるものとなっている。
【0039】
このように、この発明においては、ホール素子32−1,32−2が、異なる2相のパルスを同期出力可能に、ロック孔14に対するその通過タイミングを変えて並置されている。
【0040】
なお、このホール素子32−1,32−2を有する磁気センサ本体20は、通常は、マニュアルロックをなすアッパレール側のロック爪に対する後部位置で、アッパレール22に配設される。つまり、ロアレール18に対するアッパレール22のスライドリアモーストにおいては、図4(B)に示すように、ホール素子32−1,32−2が共にロック孔14から外れた、ロック孔との非整列位置に保持されるものとなるため、このスライドリアモーストでのロック位置においては、この点において他の通常のロック位置と異なるものとなっている。そして、この発明においては、この他の通常のロック位置と異なるスライドリアモーストでのロック位置を、ロアレール18に対するアッパレール22のスライド量の決定基準となるカウントの基点として規定している。
【0041】
上述したこの発明のスライドシートのスライド位置検出装置10によるスライド位置検出方法を、図5のフローチャートをもとに、図6のタイミングチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0042】
なお、この実施の形態においては、図6(e)で点P1として示す位置を、ロアレール18に対するアッパレール22の初期位置、つまりはシート12のスライド初期位置として仮定する。
【0043】
図5に示すように、このスライド位置検出方法においては、まず、前回のスライドにより設定されたシート12のスライド位置(初期位置P1)が、スライドカウンター値Csiとして認識される(102)(図6(e)参照)。
【0044】
このスライドカウンター値Csiは、所定の基点、つまり図6(e)で点P2として示す、ロアレール18に対するアッパレール22のスライドリアモーストからのロック孔14のカウント数として認識される。そして、図5に示すように、(102)におけるカウンター値Csiの認識の後は、ホール素子32−1,32−2からのエッジパルスの発生の有無が判断される(104)。
【0045】
たとえば、シート12が、図6(e)の初期位置P1のようなロック位置、つまりは停止位置にあれば、図6(c)で示すようにエッジパルスの発生はないため、シートのスライド位置が初期位置P1であれば、この図5の(104)においてはNoと判断されて、次に、そのときのホール素子32−1,32−2毎のパルスレベルが判別される(106)。
【0046】
図4(A)を見るとわかるように、アッパレール22のロック位置においては、前側のホール素子32−1を含むループ状磁路46が開ループ、および後側のホール素子32−2を含むループ状磁路が閉ループとなるため、シート12の初期位置P1での各ホール素子におけるパルスレベルは、図6(a),(b)に示すように、前側のホール素子32−1ではLo(32−1=Lo)、また、後側のホール素子32−2ではHi(32−2=Hi)となるため、このシートの初期位置P1においては、図5の(106)でYesと判断されて、エッジパルスの発生まで待機される。
【0047】
また、エッジパルスの発生がなく、図5の(104)においてNoと判断されたにも拘らず、前出の「32−1=Lo&32−2=Hi」の関係が否定された場合においては、この(106)においてNoと判断されて、次に、ホール素子32−1,32−2のパルスレベルが「32−1=Hi&32−2=Hi」の関係を満たしているか否かが判断される(108)。そして、ここでNoと判断されれば、マニュアルスライド16の非ロック状態と認識されて、エッジパルスの発生まで再び待機され、この(108)でYesと判断されれば、図6(e)で点P2として示すスライドリアモーストでのロック位置にあると認識されて、図5の(110)において、スライドカウンター値Csiがリセット「0」される。
【0048】
次に、たとえば、図6(e)の初期位置P1からシート12を前後のいずれかにスライドさせると、ロック孔14に対するホール素子32−1,32−2の移動のもとで(図4(A)参照)、図6(c)に示すようなエッジパルスが発生する。この、エッジパルスが発生すると、図5の(104)においてYesと判断されるため、次にこのエッジパルス間におけるホール素子32−1,32−2のパルスレベルが判別される(112)。
【0049】
たとえば、図6(e)で点P3として示すように、シート12を初期位置P1から前方にスライドさせれば、図6(a),(b)のように、ホール素子32−1,32−2のパルスレベルが「32−1=Hi&32−2=Hi」の関係を満たすため、この点P3では、図5の(112)においてYesと判断される。
【0050】
このように、この発明においては、この(112)におけるYesとの判断を、シート12の前進判別とし、(112)においてYesと判断した後に、ホール素子32−1のパルス数を1パルスカウントし(114)、そのスライドカウンター値Csiに「1」を加算する(116)。
【0051】
また、エッジパルスの発生が検出されて、図5の(104)でYesと判断されても、図6(e)の点P4のような初期位置P1からの後退位置であれば、ホール素子32−1,32−2のパルスレベルが「32−1=Hi&32−2=Hi」の関係を満たしておらず、図5の(112)においてNoと判断されて、次に、ホール素子32−1,32−2のパルスレベルが「32−1=Lo&32−2=Lo」の関係を満たしているか否かが判断される(118)。
【0052】
この発明においては、この(118)における判断をシート12の後退判別とし、図6(e)で点P4として示すスライド位置でのパルスレベル(図6(a),(b))のように、前側のホール素子32−1のパルスレベルがLo(32−1=Lo)、また、後側のホール素子32−2のパルスレベルがLo(32−2=Lo)であれば、この図5の(118)における関係を満たすものとして、この(118)でYes、つまりはシートの後退と判別される。そして、その後、ホール素子32−2のパルス数を1パルスカウントし(120)、スライドカウンター値Csiから「1」を減算する(122)。
【0053】
このように、この発明においては、このスライドカウンター値Csiに対する加算、減算により、カウントの基点、つまりスライドリアモーストからのシート12のスライド位置を検出、認識している。
【0054】
上記のように、この発明のスライドシートのスライド位置検出方法においては、初期位置からの、ロック孔14に対するホール素子32−1,32−2の通過タイミングをそれぞれのパルスレベルで検出することによって、初期位置からのシート12の前進、後退を判別するとともに、ロック孔に対するホール素子の通過数を加算、あるいは減算することによって、スライドリアモーストからのシートのスライド位置を検出、認識している。つまり、モータの出力軸の回転等を利用することなく、シート12のスライド位置を電気的に検出、認識できるため、モータを備えないマニュアルスライド16への適用が容易に可能となる。
【0055】
また、この発明においては、ホール素子32−1,32−2の各パルスレベル、およびエッジパルスの監視によって、ロック孔14に対する各ホール素子の通過の有無を検出しているため、アナログ/デジタルの信号変換等は不要となる。そして、スライドリアモーストからのカウント数として、シート12のスライド位置を検出、認識するものであるため、ロアレール18に対するシートの絶対位置も、これによれば容易に認識可能となる。
【0056】
さらに、ロック孔14の数を直接的に検出するものであるため、スライド位置の認識の際においても、機械的な誤差の累積等が確実に防止される。
【0057】
従って、この発明によれば、マニュアルスライドシート12への適応性に優れるばかりでなく、その構成の簡素化、および正確性の向上等も確実にはかられる。
【0058】
そして、この発明のスライドシートのスライド位置検出装置10によれば、上記の方法が適切に遂行できるため、マニュアルスライド16を備えたマニュアルスライドシート12においても、そのスライド位置の検出、認識の容易化が確実にはかられる。
【0059】
さらに、ロアレール18の側面に対し、磁気センサ本体20を非接触で移動させる非接触式であるため、摩耗等を生じない、耐久性に優れたスライド位置検出装置10が容易に確保できる。
【0060】
ここで、上述したこの発明の実施の形態においては、ロアレール18に設けられた一連のロック孔14を、磁気センサ本体20によりその通過を検出する検出対象孔として具体化しているが、この検出対象孔となり得る孔は、シート12のスライド方向に連なる一連の等間隔孔であれば足りるため、ロック孔に限定されず、たとえば、マニュアルロックをなすロック孔とは別に、専用の検出対象孔をロアレール等の固定部材に設ける構成としてもよい。
【0061】
また、検出対象孔の設けられる部材は、固定の磁性部材であれば足りるため、ロアレール18に限定されず、このロアレールとは別の固定の磁性部材に、検出対象孔を設ける構成としてもよい。
【0062】
さらに、この実施の形態においては、ロアレール18の側面に設けられたロック孔(検出対象孔)14を、磁気センサ本体20により検出するものとして具体化されているが、ロック孔に対する磁気センサ本体の通過を検出すれば足りるため、これに限定されず、たとえば、ロアレール上面等の他の位置に、ロック孔、あるいはロック孔とは別の検出対象孔を設けてもよい。
【0063】
しかしながら、この実施の形態のように、マニュアルスライド16を備えたマニュアルスライドシート12であれば、ロアレール18に予め設けられたロック孔14を、一連の検出対象孔として利用することができるため、これを利用することにより、マニュアルスライド自体の構成の簡素化が容易にはかられる。
【0064】
そして、モータを有するパワースライドのスライドシートに対しても、上述したように、ロアレール、あるいはこのロアレールとは別の固定の磁性部材に、一連の検出対象孔を設ければ、この発明のスライド位置検出装置10が構成できるため、この発明によれば、パワースライド、マニュアルスライドを問わない、汎用性に優れたスライド位置検出装置が提供できる。
【0065】
また、この実施の形態においては、シート12のスライドリアモーストを、カウントの基点として具体化しているが、これに限定されず、シートのスライドフロントモーストをそのカウント基点としてもよい。
【0066】
なお、シート12のスライドフロントモーストをカウント基点とする場合においては、磁気センサ本体20を、アッパレール側のロック爪より前方に配設することが必要となる。
【0067】
そして、この実施の形態においては、ホール素子32−1,32−2をロアレール18の長手方向に沿った前後位置に並置しているが、図6(a),(b)に示すような異なった2相のパルスを発生可能に配置すれば足りるため、図7に示すような形状に検出対象孔を形成すれば、2つのホール素子を上下に整列させることも可能である。
【0068】
さらに、この実施の形態においては、前側のホール素子32−1をロック孔14との整列位置に、また後側のホール素子32−2をロック孔との非整列位置に、それぞれ配置するものとして具体化しているが、異なる2相のパルスを発生可能であれば足りるため、これとは逆に、前側のホール素子32−1をロック孔との非整列位置に、また後側のホール素子32−2をロック孔との整列位置に、それぞれ配置するものとしてもよい。
【0069】
なお、この実施の形態では、ロック位置におけるその位置を、前側のホール素子32−1では1/6−1位置として、また後側のホール素子32−2では1/6−5位置として、それぞれ具体化しているが、異なる2相のパルスを発生可能であれば足りるため、その配置位置はこの限りではない。
【0070】
また、ホール素子32−1,32−2の大きさは、ロック孔1ピッチの1/6に限定されず、他の割合としてもよい。
【0071】
さらに、この実施の形態においては、磁気センサ本体20をアッパレール22に固定しているが、この磁気センサ本体は、シート12と同期移動可動に設けられれば足りるため、これに限定されず、たとえば、他のシート側部材に一体的に固定するものとしてもよい。
【0072】
ところで、このスライド位置検出装置10において電気的に検出、認識したシート12のスライド位置は、たとえば、ECU48からの出力信号によって適宜取り出せる。そして、これを、図2に示すように、たとえばエアバッグのSRSユニット58における判断材料の1つとすれば、シート12のスライド位置に応じたエアバッグ60の展開制御が可能となり、また、ディスプレイやLED等の表示手段62に出力させれば、この表示手段によるシートの位置表示等も可能となる。
【0073】
この実施の形態でいうスライドシート12としては、自動車等のドライバーシート、あるいはアシスタントシート等のフロントシートを具体的に例示できるが、シートスライド装置を備えた前後移動の可能なシートであれば足りるため、自動車等のフロントシートに限定されず、そのリヤシートやバス、トラック等の他の自動車用シートに、この発明を応用してもよい。更に、自動車等に限定されず、電車、飛行機、船舶等の他の乗り物用シートに、この発明を応用してもよい。
【0074】
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0075】
【発明の効果】
上記のように、この発明のスライドシートのスライド位置検出方法においては、初期位置からの、検出対象孔に対する2つのホール素子の通過タイミングをそれぞれのパルスレベルで検出することによって、シートの前進、後退を判別するとともに、検出対象孔に対するホール素子の通過数を加算、あるいは減算することによって、所定の基点からのシートのスライド位置を検出、認識している。つまり、モータの出力軸の回転等を利用することなく、シートのスライド位置を電気的に検出、認識できるため、モータを備えないマニュアルスライドへの適用が容易に可能となる。
【0076】
また、この発明は、2つのホール素子の各パルスレベル、およびエッジパルスの監視によって、検出対象孔に対する各ホール素子の通過の有無を検出するものであるため、アナログ/デジタルの信号変換等は不要となる。そして、所定の基点からのカウント数として、シートのスライド位置を検出、認識するものであるため、ロアレールに対するシートの絶対位置も、これによれば容易に認識可能となる。
【0077】
さらに、検出対象孔の数を直接的に検出するものであるため、スライド位置の認識の際においても、機械的な誤差の累積等が確実に防止される。
【0078】
従って、この発明によれば、マニュアルスライドシートへの適応性に優れるばかりでなく、その構成の簡素化、および正確性の向上等も確実にはかられる。
【0079】
そして、この発明のスライドシートのスライド位置検出装置によれば、上記の方法が適切に遂行できるため、マニュアルスライドを備えたマニュアルスライドシートにおいても、そのスライド位置の検出、認識の容易化が確実にはかられる。
【0080】
また、マニュアルスライドシートばかりでなく、パワースライドシートへの適応性にも優れるため、パワースライド、マニュアルスライドを問わない、汎用性に優れたスライド位置検出装置が提供できる。
【0081】
さらに、固定の磁性部材に対し、磁気センサ本体を非接触で移動させる非接触式であるため、摩耗等を生じない、耐久性に優れたスライド位置検出装置が容易に確保できる。
【0082】
そして、検出対象孔としてロック孔を利用すれば、検出対象孔を個別に設ける必要がなく、マニュアルスライド自体の構成の簡素化が容易にはかられる。
【0083】
また、シートのスライド位置を検出するカウント基点として、シートのスライドリアモースト、あるいはスライドフロントモーストを規定すれば、カウント基点の明確な特定化が、設定等の複雑化を伴うことなく容易に可能となる。
【0084】
さらに、磁石体とホール素子との配設された磁性板の、少なくとも固定の磁性部材との対向面側を、絶縁部材であるインシュレータによって覆い、このインシュレータに部分的に設けた突起の摺接により、固定の磁性部材と磁石体、およびホール素子との離間距離をほぼ一定に維持すれば、ホール素子からの出力変動が確実に抑制されるため、その検出誤差が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るスライドシートのスライド位置検出装置の概略縦断面図、およびその概略正面図である。
【図2】スライドシートの概略側面図である。
【図3】スライドシートのスライド位置検出装置の概略ブロック図である。
【図4】ホール素子とロック孔(検出対象孔)との位置関係を示す模式図である。
【図5】スライドシートのスライド位置検出方法でのフローチャートである。
【図6】スライドシートのスライド位置検出装置におけるタイミングチャートである。
【図7】変形例を示す、ホール素子とロック孔(検出対象孔)との模式図である。
【符号の説明】
10 スライドシートのスライド位置検出装置
12 シート(マニュアルスライドシート)
14 ロック孔(検出対象孔)
16 シートスライド装置(マニュアルスライド)
18 ロアレール(固定の磁性部材)
20 磁気センサ本体
30 磁石体
32−1,32−2ホール素子
36 磁性板
52 CPU(監視手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、シートスライド装置の作動に伴うシートのスライド位置を電気的に検出、認識可能とするスライドシートのスライド位置検出方法、およびそのスライド位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シートスライド装置によってシートを前後方向にスライド可能とした、いわゆるスライドシートが、自動車のフロントシート等として広く採用されている。
【0003】
そして、この種のスライドシートは、たとえば、モータの駆動制御によってそのスライドの制御されるパワー式のシートスライド装置を備えた、いわゆるパワースライドシートと、手動でロック解除するマニュアルロック式のシートスライド装置を備えた、シートを人力で前後移動させる、いわゆるマニュアルスライドシートとに大別でき、その自動車の用途、あるいは対象レベル等によって、その種類が使い分けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パワースライドシートにおけるモータは、通常、CPUを備えたECU(電子制御装置)に接続され、このECUにおける信号処理等のもとで、その状況等に応じた駆動制御がなされるため、このECU、およびCPUを利用してシートのスライド位置を電気的に検出、認識することは容易である。現に、モータの出力軸に設けた円板状磁石と、この磁石の極性の変動によってON/OFFの切り換えられるリードスイッチとを使ったリードスイッチ式のもの、あるいはモータの出力軸等に設けたポテンショメータを利用するもの等が、従来におけるスライド位置検出装置として知られている。
【0005】
これに対し、マニュアルスライドシートは、モータ等の電気系統を持たない構成であるため、このマニュアルスライドシートにおいては、シートのスライド位置を電気的に検出、認識する概念を有していないのが現状である。
【0006】
ここで、近年における自動車の安全性能強化対策にあたり、たとえば、エアバッグの展開形態をシートのスライド位置に応じて適宜振り分けるような展開制御が提案されつつある。そして、この展開制御にシートのスライド位置を関係付けるには、そのスライド位置を電気的に検出、認識することが要求される。
【0007】
つまり、現段階においては、このエアバッグの展開制御がパワースライドシートを対象としたものとして限定されるため、その汎用性に劣ることが避けられない。
【0008】
また、リードスイッチやポテンショメータによる公知のスライド位置検出装置であっても、その内容は絶対ではない。たとえば、前者リードスイッチ式のものは、リードスイッチからの出力パルスをカウントするだけのものであるため、特定の基点からのシートのスライド位置、つまりシートの絶対位置が容易に認識できない等の不具合を持ち、また、後者ポテンショメータによるものにおいては、アナログ/デジタルの信号変換等が要求されるため、その構成が複雑化する等の不具合を持っている。
【0009】
従って、パワースライドシートにおけるスライド位置検出装置に対しても、正確性に優れ、なおかつ構成の簡素化されたものの出現が望まれている。
【0010】
この発明は、マニュアルスライドシートへの適応性に優れ、なおかつその構成の簡素化、および正確性の向上のはかられたスライドシートのスライド位置検出方法、およびそのスライド位置検出装置の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に示すこの発明のスライドシートのスライド位置検出方法によれば、固定の磁性部材に形成された、等間隔毎の一連の検出対象孔との上下非整列位置に磁石体を、またその検出対象孔との上下整列位置に2つのホール素子を、それぞれ配してなる磁気センサ本体が、シートと同期移動する可動のシート側部材に一体的に固定されるとともに、異なる2相のパルスを同期出力可能に検出対象孔に対するその通過タイミングを変えて並置された各ホール素子からの出力信号を、それぞれパルスに変換して監視する。
【0012】
そして、各ホール素子からのパルスレベルの変動をもとにして、検出対象孔に対する磁気センサ本体の通過を検出し、その通過方向に応じたその数の加算、減算によるカウント数をもとに、所定の基点からのシートのスライド位置を検出、認識する。
【0013】
また、この発明の請求項2においては、2相のパルスを合成してパルスエッジを形成する。そして、このパルスエッジの発生時における2相のパルスのパルスレベルの判定により、シートのスライド方向を判別するものとしている。
【0014】
さらに、この発明の請求項3においては、シートのスライドリアモースト、およびスライドフロントモーストのいずれかを、検出対象孔に対する磁気センサ本体のカウント基点とし、検出対象孔に対する、2つのホール素子の非整列位置に、このカウント基点を一致させている。
【0015】
そして、この発明の請求項4においては、磁性部材の一連の検出対象孔として、マニュアルロック式のシートスライド装置における、ロアレールのロック孔を利用するものとしている。
【0016】
また、請求項5に示すこの発明のスライドシートのスライド位置検出装置によれば、等間隔毎の一連の検出対象孔が、シートの移動方向に連なって、固定の磁性部材に形成され、この固定の磁性部材に沿って離間配置される磁気センサ本体が、検出対象孔との上下非整列位置にある磁石体と、検出対象孔との上下整列位置に並置された2つのホール素子とを磁性板上に一体的に配して、シートと同期移動する可動のシート側部材に一体的に固定されるとともに、異なる2相のパルスを同期出力可能に、各ホール素子が、検出対象孔に対するその通過タイミングを変えてそれぞれ配設されている。
【0017】
そして、各ホール素子からの2相のパルスを監視手段で監視することにより、検出対象孔に対する磁気センサ本体の通過を検出し、通過方向に応じたその数の加算、減算によって、所定の基点からのシートのスライド位置を検出可能としている。
【0018】
また、この発明の請求項6においては、磁石体とホール素子との配設された磁性板の、少なくとも固定の磁性部材との対向面側を、絶縁部材であるインシュレータによって覆っている。そして、このインシュレータに部分的に設けた突起の摺接により、固定の磁性部材と磁石体、およびホール素子との離間距離をほぼ一定に維持可能としている。
【0019】
さらに、この発明の請求項7においては、スライドシートが、マニュアルロック式のシートスライド装置を備えたマニュアルスライドシートとしてなり、このシートスライド装置のロアレールに設けられた一連のロック孔を、磁性部材の一連の検出対象孔として具体化している。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1、図2に示すように、この発明に係るスライドシートのスライド位置検出装置10においては、シート12のスライド方向に連なる等間隔毎の一連の検出対象孔14が、固定の磁性部材、たとえばシートスライド装置16のロアレール18に形成されるとともに、この磁性部材に沿って離間配置される磁気センサ本体20が、シートと同期移動する可動のシート側部材、たとえばシートスライド装置のアッパレール22に一体的に固定されている。
【0022】
このスライド位置検出装置10の設けられるスライドシート12は、たとえば、マニュアルロック式のシートスライド装置16を備えた、いわゆるマニュアルスライドシートとして形成されている。
【0023】
このシートスライド装置16自体の基本構成は公知であり、それ自体はこの発明の趣旨でないため、この基本構成に対する詳細な説明はここでは省略するが、図1、および図2に示すように、この種のシートスライド装置においては、床体24に対して固定されるロアレール18に対し、シート側のアッパレール22が、スチールボール26、およびローラ28等の転動子を介してその長手方向にスライド可能に組み付けられている。
【0024】
そして、マニュアルロック式のシートスライド装置、つまりマニュアルスライド16においては、アッパレール22に配設された可動のロック爪(図示しない)の挿入、係合される一連のロック孔14が、ロアレール18の、たとえば側面に設けられている。
【0025】
ここで、マニュアルスライド(シートスライド装置)16のマニュアルロックとして設けられるこのロック孔14が、図1(B)に示すような、ロアレール18に対するアッパレール22のスライド方向、つまりはシート12のスライド方向に連なる一連の等間隔孔であり、このロック孔の設けられるロアレールが、金属等からなる磁性部材である点に着目し、この発明においては、固定の磁性部材に設けられた一連の検出対象孔として、このロアレールのロック孔を利用するものとしている。
【0026】
そして、この発明においては、このロック孔(検出対象孔)14に対する通過を検出可能に、磁気センサ本体20が構成、配設されている。
【0027】
図1(A),(B)に示すように、磁気センサ本体20は、ロアレール18の側面(磁性部材)に沿って離間配置されるものであり、ロック孔14との上下非整列位置にある磁石体30と、ロック孔との上下整列位置に並置された2つのホール素子32−1,32−2とを、たとえば折曲可能なフレキシブル基盤34で連結し、これを、ロアレール18の側面を部分的に被装可能とする端面形状に折曲形成された磁性板36の内面36aに一体的に配することにより、この磁気センサ本体は概略形成されている。
【0028】
図示のように、この磁性板の内面36aは、たとえば、樹脂材料等の絶縁素材からなるインシュレータ(絶縁部材)38によって覆われる。そして、シート12と同期移動する可動のシート側部材、たとえばアッパレール22への、このインシュレータ38を介在させた、止めねじ40等によるその基部36bの固定のもとで、この磁性板36は、ロアレール18に対する移動を可能に固定、配設されている。
【0029】
この磁気センサ本体20、特にその磁石体30、およびホール素子32−1,32−2は、ロアレール18の側面に対し、その非接触状態での移動を可能に配設、保持される。そこで、ロアレール18の側面に対する離間距離の安定化を目的として、ロアレールに摺接可能な突起42をインシュレータ38のその対向面に部分的に設けることが好ましい。
【0030】
なお、図1(A),(B)に示す参照符号44は、ホール素子32−1,32−2を支持する台座プレートであり、この台座プレートは、磁性板36と同様の磁性部材として形成されている。
【0031】
このような構成の磁気センサ本体20を配設したマニュアルスライド16においては、図1(A)に破線矢印で示すように、たとえば磁石体30、磁性板36、台座プレート44、ホール素子32−1,32−2、そしてロアレール18の順のループ状磁路46が形成される。そして、ロック孔14とのホール素子32−1,32−2の整列位置における開ループ、およびその非整列位置における閉ループによって、そのループ状磁路46での磁気抵抗はそれぞれ異なるため、各ホール素子からの出力値をそれぞれ監視することにより、一連のロック孔に対する各ホール素子の整列位置、非整列位置を区別し検出することが可能となる。
【0032】
そこで、図2、および図3に示すように、この発明においては、磁気センサ本体の2つのホール素子32−1,32−2が、ECU(電子制御装置)48にそれぞれ接続されている。
【0033】
図3を見るとわかるように、このECU48は、たとえば、ホール素子32−1,32−2からの入力信号をパルス化するパルス整形回路50と、パルス整形回路からの出力パルス、およびそこで検出したパルスエッジを監視し、これらをもとにした各種演算処理によって、これら入力信号、つまりスライド情報に基づいた情報処理、ならびに出力を行うCPU52とを、少なくとも備えてなり、このCPUからの出力信号を、通信回線54を経て、たとえば図2に示すような、インパネ等に設けられた位置表示器55等に適宜出力するものとして構成されている。
【0034】
なお、図1の参照符号56は、フレキシブル基盤34からの端子を有するカプラであり、このカプラを介して、ホール素子32−1,32−2、つまり磁気センサ本体20はECU48に電気的に接続される。
【0035】
ここで、図4(A)に示すように、この発明の実施の形態においては、ホール素子32−1,32−2の横幅が、一連のロック孔14の1ピッチの、たとえば1/6幅として規定されている。そして、前側(図中左側)のホール素子32−1がその1/6−1位置にあるときに後側(図中右側)のホール素子32−2を1/6−5位置に配置するように、この2つのホール素子の位置関係は設定されている。
【0036】
さらに、この実施の形態では、ロアレール18に対するアッパレール22のロック位置において、前側のホール素子32−1がロック孔1ピッチの1/6−1位置に位置するものとして規定する。
【0037】
つまり、ロアレール18に対するアッパレール22のロック位置においては、前側のホール素子32−1がロック孔14との整列位置にあるため、このホール素子32−1を含むループ状磁路46は開ループとなり、また、そのロック位置においては、後側のホール素子32−2がロック孔との非整列位置にあるから、このホール素子32−2を含むループ状磁路は閉ループとなる。
【0038】
また、図示のように、前側のホール素子32−1がロック孔1ピッチの1/6−1位置にあり、また、後側のホール素子32−2がその1/6−5位置にあるため、ロアレール18に対するアッパレール22のスライドに伴うロック孔14の側端縁までの距離が、各ホール素子毎に異なるものとなっている。
【0039】
このように、この発明においては、ホール素子32−1,32−2が、異なる2相のパルスを同期出力可能に、ロック孔14に対するその通過タイミングを変えて並置されている。
【0040】
なお、このホール素子32−1,32−2を有する磁気センサ本体20は、通常は、マニュアルロックをなすアッパレール側のロック爪に対する後部位置で、アッパレール22に配設される。つまり、ロアレール18に対するアッパレール22のスライドリアモーストにおいては、図4(B)に示すように、ホール素子32−1,32−2が共にロック孔14から外れた、ロック孔との非整列位置に保持されるものとなるため、このスライドリアモーストでのロック位置においては、この点において他の通常のロック位置と異なるものとなっている。そして、この発明においては、この他の通常のロック位置と異なるスライドリアモーストでのロック位置を、ロアレール18に対するアッパレール22のスライド量の決定基準となるカウントの基点として規定している。
【0041】
上述したこの発明のスライドシートのスライド位置検出装置10によるスライド位置検出方法を、図5のフローチャートをもとに、図6のタイミングチャートを参照しながら、以下に説明する。
【0042】
なお、この実施の形態においては、図6(e)で点P1として示す位置を、ロアレール18に対するアッパレール22の初期位置、つまりはシート12のスライド初期位置として仮定する。
【0043】
図5に示すように、このスライド位置検出方法においては、まず、前回のスライドにより設定されたシート12のスライド位置(初期位置P1)が、スライドカウンター値Csiとして認識される(102)(図6(e)参照)。
【0044】
このスライドカウンター値Csiは、所定の基点、つまり図6(e)で点P2として示す、ロアレール18に対するアッパレール22のスライドリアモーストからのロック孔14のカウント数として認識される。そして、図5に示すように、(102)におけるカウンター値Csiの認識の後は、ホール素子32−1,32−2からのエッジパルスの発生の有無が判断される(104)。
【0045】
たとえば、シート12が、図6(e)の初期位置P1のようなロック位置、つまりは停止位置にあれば、図6(c)で示すようにエッジパルスの発生はないため、シートのスライド位置が初期位置P1であれば、この図5の(104)においてはNoと判断されて、次に、そのときのホール素子32−1,32−2毎のパルスレベルが判別される(106)。
【0046】
図4(A)を見るとわかるように、アッパレール22のロック位置においては、前側のホール素子32−1を含むループ状磁路46が開ループ、および後側のホール素子32−2を含むループ状磁路が閉ループとなるため、シート12の初期位置P1での各ホール素子におけるパルスレベルは、図6(a),(b)に示すように、前側のホール素子32−1ではLo(32−1=Lo)、また、後側のホール素子32−2ではHi(32−2=Hi)となるため、このシートの初期位置P1においては、図5の(106)でYesと判断されて、エッジパルスの発生まで待機される。
【0047】
また、エッジパルスの発生がなく、図5の(104)においてNoと判断されたにも拘らず、前出の「32−1=Lo&32−2=Hi」の関係が否定された場合においては、この(106)においてNoと判断されて、次に、ホール素子32−1,32−2のパルスレベルが「32−1=Hi&32−2=Hi」の関係を満たしているか否かが判断される(108)。そして、ここでNoと判断されれば、マニュアルスライド16の非ロック状態と認識されて、エッジパルスの発生まで再び待機され、この(108)でYesと判断されれば、図6(e)で点P2として示すスライドリアモーストでのロック位置にあると認識されて、図5の(110)において、スライドカウンター値Csiがリセット「0」される。
【0048】
次に、たとえば、図6(e)の初期位置P1からシート12を前後のいずれかにスライドさせると、ロック孔14に対するホール素子32−1,32−2の移動のもとで(図4(A)参照)、図6(c)に示すようなエッジパルスが発生する。この、エッジパルスが発生すると、図5の(104)においてYesと判断されるため、次にこのエッジパルス間におけるホール素子32−1,32−2のパルスレベルが判別される(112)。
【0049】
たとえば、図6(e)で点P3として示すように、シート12を初期位置P1から前方にスライドさせれば、図6(a),(b)のように、ホール素子32−1,32−2のパルスレベルが「32−1=Hi&32−2=Hi」の関係を満たすため、この点P3では、図5の(112)においてYesと判断される。
【0050】
このように、この発明においては、この(112)におけるYesとの判断を、シート12の前進判別とし、(112)においてYesと判断した後に、ホール素子32−1のパルス数を1パルスカウントし(114)、そのスライドカウンター値Csiに「1」を加算する(116)。
【0051】
また、エッジパルスの発生が検出されて、図5の(104)でYesと判断されても、図6(e)の点P4のような初期位置P1からの後退位置であれば、ホール素子32−1,32−2のパルスレベルが「32−1=Hi&32−2=Hi」の関係を満たしておらず、図5の(112)においてNoと判断されて、次に、ホール素子32−1,32−2のパルスレベルが「32−1=Lo&32−2=Lo」の関係を満たしているか否かが判断される(118)。
【0052】
この発明においては、この(118)における判断をシート12の後退判別とし、図6(e)で点P4として示すスライド位置でのパルスレベル(図6(a),(b))のように、前側のホール素子32−1のパルスレベルがLo(32−1=Lo)、また、後側のホール素子32−2のパルスレベルがLo(32−2=Lo)であれば、この図5の(118)における関係を満たすものとして、この(118)でYes、つまりはシートの後退と判別される。そして、その後、ホール素子32−2のパルス数を1パルスカウントし(120)、スライドカウンター値Csiから「1」を減算する(122)。
【0053】
このように、この発明においては、このスライドカウンター値Csiに対する加算、減算により、カウントの基点、つまりスライドリアモーストからのシート12のスライド位置を検出、認識している。
【0054】
上記のように、この発明のスライドシートのスライド位置検出方法においては、初期位置からの、ロック孔14に対するホール素子32−1,32−2の通過タイミングをそれぞれのパルスレベルで検出することによって、初期位置からのシート12の前進、後退を判別するとともに、ロック孔に対するホール素子の通過数を加算、あるいは減算することによって、スライドリアモーストからのシートのスライド位置を検出、認識している。つまり、モータの出力軸の回転等を利用することなく、シート12のスライド位置を電気的に検出、認識できるため、モータを備えないマニュアルスライド16への適用が容易に可能となる。
【0055】
また、この発明においては、ホール素子32−1,32−2の各パルスレベル、およびエッジパルスの監視によって、ロック孔14に対する各ホール素子の通過の有無を検出しているため、アナログ/デジタルの信号変換等は不要となる。そして、スライドリアモーストからのカウント数として、シート12のスライド位置を検出、認識するものであるため、ロアレール18に対するシートの絶対位置も、これによれば容易に認識可能となる。
【0056】
さらに、ロック孔14の数を直接的に検出するものであるため、スライド位置の認識の際においても、機械的な誤差の累積等が確実に防止される。
【0057】
従って、この発明によれば、マニュアルスライドシート12への適応性に優れるばかりでなく、その構成の簡素化、および正確性の向上等も確実にはかられる。
【0058】
そして、この発明のスライドシートのスライド位置検出装置10によれば、上記の方法が適切に遂行できるため、マニュアルスライド16を備えたマニュアルスライドシート12においても、そのスライド位置の検出、認識の容易化が確実にはかられる。
【0059】
さらに、ロアレール18の側面に対し、磁気センサ本体20を非接触で移動させる非接触式であるため、摩耗等を生じない、耐久性に優れたスライド位置検出装置10が容易に確保できる。
【0060】
ここで、上述したこの発明の実施の形態においては、ロアレール18に設けられた一連のロック孔14を、磁気センサ本体20によりその通過を検出する検出対象孔として具体化しているが、この検出対象孔となり得る孔は、シート12のスライド方向に連なる一連の等間隔孔であれば足りるため、ロック孔に限定されず、たとえば、マニュアルロックをなすロック孔とは別に、専用の検出対象孔をロアレール等の固定部材に設ける構成としてもよい。
【0061】
また、検出対象孔の設けられる部材は、固定の磁性部材であれば足りるため、ロアレール18に限定されず、このロアレールとは別の固定の磁性部材に、検出対象孔を設ける構成としてもよい。
【0062】
さらに、この実施の形態においては、ロアレール18の側面に設けられたロック孔(検出対象孔)14を、磁気センサ本体20により検出するものとして具体化されているが、ロック孔に対する磁気センサ本体の通過を検出すれば足りるため、これに限定されず、たとえば、ロアレール上面等の他の位置に、ロック孔、あるいはロック孔とは別の検出対象孔を設けてもよい。
【0063】
しかしながら、この実施の形態のように、マニュアルスライド16を備えたマニュアルスライドシート12であれば、ロアレール18に予め設けられたロック孔14を、一連の検出対象孔として利用することができるため、これを利用することにより、マニュアルスライド自体の構成の簡素化が容易にはかられる。
【0064】
そして、モータを有するパワースライドのスライドシートに対しても、上述したように、ロアレール、あるいはこのロアレールとは別の固定の磁性部材に、一連の検出対象孔を設ければ、この発明のスライド位置検出装置10が構成できるため、この発明によれば、パワースライド、マニュアルスライドを問わない、汎用性に優れたスライド位置検出装置が提供できる。
【0065】
また、この実施の形態においては、シート12のスライドリアモーストを、カウントの基点として具体化しているが、これに限定されず、シートのスライドフロントモーストをそのカウント基点としてもよい。
【0066】
なお、シート12のスライドフロントモーストをカウント基点とする場合においては、磁気センサ本体20を、アッパレール側のロック爪より前方に配設することが必要となる。
【0067】
そして、この実施の形態においては、ホール素子32−1,32−2をロアレール18の長手方向に沿った前後位置に並置しているが、図6(a),(b)に示すような異なった2相のパルスを発生可能に配置すれば足りるため、図7に示すような形状に検出対象孔を形成すれば、2つのホール素子を上下に整列させることも可能である。
【0068】
さらに、この実施の形態においては、前側のホール素子32−1をロック孔14との整列位置に、また後側のホール素子32−2をロック孔との非整列位置に、それぞれ配置するものとして具体化しているが、異なる2相のパルスを発生可能であれば足りるため、これとは逆に、前側のホール素子32−1をロック孔との非整列位置に、また後側のホール素子32−2をロック孔との整列位置に、それぞれ配置するものとしてもよい。
【0069】
なお、この実施の形態では、ロック位置におけるその位置を、前側のホール素子32−1では1/6−1位置として、また後側のホール素子32−2では1/6−5位置として、それぞれ具体化しているが、異なる2相のパルスを発生可能であれば足りるため、その配置位置はこの限りではない。
【0070】
また、ホール素子32−1,32−2の大きさは、ロック孔1ピッチの1/6に限定されず、他の割合としてもよい。
【0071】
さらに、この実施の形態においては、磁気センサ本体20をアッパレール22に固定しているが、この磁気センサ本体は、シート12と同期移動可動に設けられれば足りるため、これに限定されず、たとえば、他のシート側部材に一体的に固定するものとしてもよい。
【0072】
ところで、このスライド位置検出装置10において電気的に検出、認識したシート12のスライド位置は、たとえば、ECU48からの出力信号によって適宜取り出せる。そして、これを、図2に示すように、たとえばエアバッグのSRSユニット58における判断材料の1つとすれば、シート12のスライド位置に応じたエアバッグ60の展開制御が可能となり、また、ディスプレイやLED等の表示手段62に出力させれば、この表示手段によるシートの位置表示等も可能となる。
【0073】
この実施の形態でいうスライドシート12としては、自動車等のドライバーシート、あるいはアシスタントシート等のフロントシートを具体的に例示できるが、シートスライド装置を備えた前後移動の可能なシートであれば足りるため、自動車等のフロントシートに限定されず、そのリヤシートやバス、トラック等の他の自動車用シートに、この発明を応用してもよい。更に、自動車等に限定されず、電車、飛行機、船舶等の他の乗り物用シートに、この発明を応用してもよい。
【0074】
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0075】
【発明の効果】
上記のように、この発明のスライドシートのスライド位置検出方法においては、初期位置からの、検出対象孔に対する2つのホール素子の通過タイミングをそれぞれのパルスレベルで検出することによって、シートの前進、後退を判別するとともに、検出対象孔に対するホール素子の通過数を加算、あるいは減算することによって、所定の基点からのシートのスライド位置を検出、認識している。つまり、モータの出力軸の回転等を利用することなく、シートのスライド位置を電気的に検出、認識できるため、モータを備えないマニュアルスライドへの適用が容易に可能となる。
【0076】
また、この発明は、2つのホール素子の各パルスレベル、およびエッジパルスの監視によって、検出対象孔に対する各ホール素子の通過の有無を検出するものであるため、アナログ/デジタルの信号変換等は不要となる。そして、所定の基点からのカウント数として、シートのスライド位置を検出、認識するものであるため、ロアレールに対するシートの絶対位置も、これによれば容易に認識可能となる。
【0077】
さらに、検出対象孔の数を直接的に検出するものであるため、スライド位置の認識の際においても、機械的な誤差の累積等が確実に防止される。
【0078】
従って、この発明によれば、マニュアルスライドシートへの適応性に優れるばかりでなく、その構成の簡素化、および正確性の向上等も確実にはかられる。
【0079】
そして、この発明のスライドシートのスライド位置検出装置によれば、上記の方法が適切に遂行できるため、マニュアルスライドを備えたマニュアルスライドシートにおいても、そのスライド位置の検出、認識の容易化が確実にはかられる。
【0080】
また、マニュアルスライドシートばかりでなく、パワースライドシートへの適応性にも優れるため、パワースライド、マニュアルスライドを問わない、汎用性に優れたスライド位置検出装置が提供できる。
【0081】
さらに、固定の磁性部材に対し、磁気センサ本体を非接触で移動させる非接触式であるため、摩耗等を生じない、耐久性に優れたスライド位置検出装置が容易に確保できる。
【0082】
そして、検出対象孔としてロック孔を利用すれば、検出対象孔を個別に設ける必要がなく、マニュアルスライド自体の構成の簡素化が容易にはかられる。
【0083】
また、シートのスライド位置を検出するカウント基点として、シートのスライドリアモースト、あるいはスライドフロントモーストを規定すれば、カウント基点の明確な特定化が、設定等の複雑化を伴うことなく容易に可能となる。
【0084】
さらに、磁石体とホール素子との配設された磁性板の、少なくとも固定の磁性部材との対向面側を、絶縁部材であるインシュレータによって覆い、このインシュレータに部分的に設けた突起の摺接により、固定の磁性部材と磁石体、およびホール素子との離間距離をほぼ一定に維持すれば、ホール素子からの出力変動が確実に抑制されるため、その検出誤差が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るスライドシートのスライド位置検出装置の概略縦断面図、およびその概略正面図である。
【図2】スライドシートの概略側面図である。
【図3】スライドシートのスライド位置検出装置の概略ブロック図である。
【図4】ホール素子とロック孔(検出対象孔)との位置関係を示す模式図である。
【図5】スライドシートのスライド位置検出方法でのフローチャートである。
【図6】スライドシートのスライド位置検出装置におけるタイミングチャートである。
【図7】変形例を示す、ホール素子とロック孔(検出対象孔)との模式図である。
【符号の説明】
10 スライドシートのスライド位置検出装置
12 シート(マニュアルスライドシート)
14 ロック孔(検出対象孔)
16 シートスライド装置(マニュアルスライド)
18 ロアレール(固定の磁性部材)
20 磁気センサ本体
30 磁石体
32−1,32−2ホール素子
36 磁性板
52 CPU(監視手段)
Claims (7)
- ロアレールとアッパレールとの組み合わせを有してなるシートスライド装置を装備したスライドシートのスライド位置検出方法であり、
固定の磁性部材に形成された、等間隔毎の一連の検出対象孔との上下非整列位置に磁石体を、またその検出対象孔との上下整列位置に2つのホール素子を、それぞれ配してなる磁気センサ本体が、シートと同期移動する可動のシート側部材に一体的に固定されるとともに、異なる2相のパルスを同期出力可能に検出対象孔に対するその通過タイミングを変えて並置された各ホール素子からの出力信号を、それぞれパルスに変換して監視し、
各ホール素子からのパルスレベルの変動をもとにして、検出対象孔に対する磁気センサ本体の通過を検出し、その通過方向に応じたその検出対象孔の数の加算、減算によるカウント数をもとに、所定の基点からのシートのスライド位置を検出、認識するスライドシートのスライド位置検出方法。 - 2相のパルスを合成してパルスエッジを形成し、このパルスエッジの発生時における2相のパルスのパルスレベルの判定により、シートのスライド方向を判別する請求項1記載のスライドシートのスライド位置検出方法。
- シートのスライドリアモースト、およびスライドフロントモーストのいずれかを、検出対象孔に対する磁気センサ本体のカウント基点とし、検出対象孔に対する、2つのホール素子の非整列位置に、このカウント基点を一致させた請求項1または2記載のスライドシートのスライド位置検出方法。
- 磁性部材の一連の検出対象孔として、マニュアルロック式のシートスライド装置における、ロアレールのロック孔を利用する請求項1ないし3のいずれか記載のスライドシートのスライド位置検出方法。
- ロアレールとアッパレールとの組み合わせを有してなるシートスライド装置を装備したスライドシートのスライド位置検出装置であり、
等間隔毎の一連の検出対象孔が、シートの移動方向に連なって、固定の磁性部材に形成され、
この固定の磁性部材に沿って離間配置される磁気センサ本体が、検出対象孔との上下非整列位置にある磁石体と;検出対象孔との上下整列位置に並置された2つのホール素子と;を磁性板上に一体的に配して、シートと同期移動する可動のシート側部材に一体的に固定されるとともに、異なる2相のパルスを同期出力可能に、各ホール素子が、検出対象孔に対するその通過タイミングを変えてそれぞれ配設され、
各ホール素子からの2相のパルスを監視手段で監視することにより、検出対象孔に対する磁気センサ本体の通過を検出し、通過方向に応じたその数の加算、減算によって、所定の基点からのシートのスライド位置を検出可能としたスライドシートのスライド位置検出装置。 - 磁石体とホール素子との配設された磁性板の、少なくとも固定の磁性部材との対向面側が、絶縁部材であるインシュレータによって覆われるとともに、このインシュレータに部分的に設けた突起の摺接により、固定の磁性部材と磁石体、およびホール素子との離間距離をほぼ一定に維持可能とした請求項5記載のスライドシートのスライド位置検出装置。
- スライドシートが、マニュアルロック式のシートスライド装置を備えたマニュアルスライドシートであり、このシートスライド装置のロアレールに設けられた一連のロック孔を、磁性部材の一連の検出対象孔とした請求項5または6記載のスライドシートのスライド位置検出装置。
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