【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に加えられる側方からの衝撃を緩和して乗員の腰部と胸部の保護を図るために設けられるサイドエアバッグ装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
この種のサイドエアバッグ装置は車両室内の乗員用のシートに装着されている。通常、サイドエアバッグ装置は、ボディと、車室内に配置されたシートに着座した乗員との間で膨張展開するサイドエアバッグを備えている。又、この装置は、サイドエアバッグの内部に膨張ガスを噴出するインフレータを備えている。そして、車両側方から所定以上の衝撃が加えられたときに、インフレータから膨張ガスが噴出され、サイドエアバッグの内部に膨張ガスが供給される。これにより、サイドエアバッグは瞬時に膨張展開され、その結果、上記衝撃による乗員への影響が緩和されるようになっている。
【０００３】
図４はサイドエアバッグ装置のサイドエアバッグ１２がシート１５の背もたれ部１５ａから車両のサイドドア２１と乗員Ｐとの間に膨張展開された状態を示す。この状態において乗員Ｐの腰部Ｐｈと胸部Ｐｃに対する衝撃が緩和される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のサイドエアバッグ装置においては、サイドエアバッグ１２が最大膨張容積になった状態で、ベントホール（図示略）から内部の空気が外部に排出される。しかし、外部衝撃の大小によるサイドドア２１の破損状況によってはサイドエアバッグ１２の内部圧力が高過ぎて乗員Ｐの胸部Ｐｃへの衝撃を緩和する機能が低下するという問題があった。この問題は次のようにして生じる。前記サイドエアバッグ１２は表裏一体部１６によって胸部Ｐｃを保護する上部バッグ１２ａと、腰部Ｐｈを保護する下部バッグ１２ｂとに区画され、サイドエアバッグ１２全体として車幅方向の最大厚さ寸法を適正寸法に設定している。そして、乗員Ｐの胸部Ｐｃと腰部Ｐｈをそれぞれ適正に保護するようになっている。ところが、車両の事故時にサイドドア２１の車内側への変位量が大きくなって、上部バッグ１２ａが車内側へ押されてその内部圧力が高くなり過ぎると、胸部Ｐｃに対する押圧力が増大し乗員Ｐの胸部Ｐｃに対する保護機能が損なわれるという問題があった。
【０００５】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、車両のボディの破損状況に応じて、サイドエアバッグの上部に区画形成された胸部を保護する上部バッグの内部圧力を適正圧力に制御でき、乗員の胸部を適正に保護することができるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項１に記載の発明は、車両に所定以上の衝撃が加えられたときに、車室内に配置されたシートに着座した乗員と車両のボディの側壁部との間で、該乗員の腰部及び胸部に対応する位置まで膨張展開するサイドエアバッグと、そのサイドエアバッグを膨張展開させるための膨張ガスを噴出するガス噴出手段とを備えるサイドエアバッグ装置において、前記サイドエアバッグは表裏一体部により胸部を保護する上部バッグと腰部を保護する下部バッグとに区画され、上部バック側にその膨張展開途中において設定圧力以上の内圧が作用したときに内部容積を増大させて圧力を低減する圧力低減手段を設けたことを要旨とする。
【０００７】
請求項１記載の発明は、ボディの側壁部と車室内に配置されたシートに着座した乗員との間で、該乗員の腰部及び胸部に対応する位置までサイドエアバッグの下部バックと上部バックが膨張展開される。このとき胸部とボディの側壁部との間隔が小さくなり上部バッグの内部圧力が設定圧力以上になった場合に、圧力低減手段により上部バッグの内部容積が増大されて圧力が低減されるので、乗員の胸部に対する過大な押圧力をなくしてその保護が適正に行われる。
【０００８】
請求項２に記載の発明は、請求項１において、前記圧力低減手段は、上部バッグを構成する表裏の基布を局部的に連結した連結部により構成されていることを要旨とする。
【０００９】
請求項２に記載の発明は、請求項１記載の発明の作用に加えて、圧力低減手段を簡素化して製造を容易に行うことができる。
請求項３に記載の発明は、請求項１又は２において、前記連結部は、点縫製部により形成されていることを要旨とする。
【００１０】
請求項３記載の発明は、請求項１又は２記載の発明の作用に加えて、連結部を点縫製部により簡単かつ安価に形成することができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のサイドエアバッグ装置を具体化した一実施形態について、図１〜図３に基づいて説明する。
【００１２】
図１は本実施形態のサイドエアバッグ装置が設けられるシートの側面構造を示している。サイドエアバッグ装置１０は、ガス噴出手段としてのインフレータ１１と、このインフレータ１１を被覆するように形成されるサイドエアバッグ１２と、これらインフレータ１１及びサイドエアバッグ１２を収容するケース１３とから構成される。なお、このサイドエアバッグ１２は、基本的には、例えば防炎加工が施された織布等からなる一対の基布１４ａ，１４ｂが縫製されて袋状に形成されている。そして、これらインフレータ１１、サイドエアバッグ１２及びケース１３は、それぞれ車両のシート１５の背もたれ部１５ａのフレーム（図示略）に取り付けられるとともに、同背もたれ部１５ａにおける車両のボディとしてのサイドドア２１側の端部に埋設されている。
【００１３】
サイドドア２１には、同ドアに加えられる衝撃を検知するセンサ（図示略）が設けられている。このセンサは、制御回路（図示略）を介して上記インフレータ１１に接続されている。
【００１４】
次に、上記インフレータ１１について説明する。
上記インフレータ１１は、その外周壁を構成するケーシング１１ａを備えている。このケーシング１１ａの車両下方側の端部近傍には、そのケーシング１１ａの内部と外部とを連通するガス噴出口１１ｂが形成されている。そして、このガス噴出口１１ｂを介して、上記ケーシング１１ａの内部で発生したガスがその外部、すなわちサイドエアバッグ１２の内部に噴出される。なお、このインフレータ１１が膨張ガスを噴出する方向は、サイドエアバッグ１２の下端部方向（矢印Ａ１で示す方向）を指向するように設定されている。
【００１５】
次に、上記サイドエアバッグ１２の具体構成について詳細に説明する。
このサイドエアバッグ１２は、図１に示す形状で膨張展開するものが、折り畳まれた状態で前記ケース１３内に収容されている。このサイドエアバッグ１２は、その膨張展開時に、サイドドア２１の側壁部と上記シート１５に着座する乗員Ｐの車両側方側の空間に展開するようになっている。
【００１６】
前記サイドエアバッグ１２には、その内部を、乗員Ｐの胸部Ｐｃに対応する位置に展開する上部バッグ１２ａと、乗員Ｐの腰部Ｐｈに対応する位置に展開する下部バッグ１２ｂとに区画する表裏一体部１６が設けられている。この表裏一体部１６は、詳しくは、上記サイドエアバッグ１２の内部において、その車幅方向で対向する基布１４ａ，１４ｂ同士が重合するように一体的に縫着して形成されている（図２参照）。これにより、この表裏一体部１６では、上記インフレータ１１からサイドエアバッグ１２内にガスが供給された状態でも、上記車幅方向で対向する基布１４ａ，１４ｂ同士が離間されないようになっている。
【００１７】
又、この表裏一体部１６は、展開状態のサイドエアバッグ１２を車両側方から見て、同サイドエアバッグ１２のほぼ中央に平面略Ｖ字形状に延びるように形成されている。さらに、この表裏一体部１６は、サイドエアバッグ１２内において、その車両前方端及び車両後方端が共に、サイドエアバッグ１２の内周縁と所定の間隔を置くように形成されている。これにより、上部バッグ１２ａと下部バッグ１２ｂとは、サイドエアバッグ１２の車両前方端及び車両後方端において共に直接連通されるようになっている。これら連通部分は、何れも、その断面積が車両下端側から車両上端側に向かって徐々に縮小するように形成された絞り通路となっている。
【００１８】
上記サイドエアバッグ１２には、そのサイドドア２１側の基布１４ａの上部バッグ１２ａに対応する部分に、その上部バッグ１２ａの内部と外部とを連通するベントホール１８が形成されている。サイドエアバッグ１２内に供給されたガスは、このベントホール１８を通じて、同サイドエアバッグ１２の外部に排出されるようになっている。
【００１９】
本実施形態のサイドエアバッグ装置１０では、上部バッグ１２ａの上下方向中間部に連結部としての点縫製部１９が水平方向に設けられている。この点縫製部１９により、サイドエアバッグ１２の膨張展開時において上部バッグ１２ａの上方に可変容量部２０が形成されるようになっている。この実施形態では、サイドエアバッグ１２内の圧力が設定圧力以上になったとき、前記点縫製部１９が分離されて前記可変容量部２０によりサイドエアバッグ１２の内部容積を増大してその圧力を低減するための圧力低減手段を構成している。
【００２０】
以上のように構成されたサイドエアバッグ装置１０では、上記センサで所定以上の衝撃が検知されると、前記制御回路を介してインフレータ１１に動作信号が出力される。この動作信号に基づいて、膨張ガスが、インフレータ１１からサイドエアバッグ１２内の下端部方向Ａ１に向けて瞬時に噴出され、同サイドエアバッグ１２の膨張展開が開始される。
【００２１】
そして、図１に示すように、サイドエアバッグ１２の下端部方向Ａ１に指向して噴出された膨張ガスの流れは、下端部において偏向される。この膨張ガスの流れは、図１に矢印Ａ２で示すように、サイドエアバッグ１２の内周縁に沿って下部バッグ１２ｂの上部に流れ込む。前記矢印Ａ１の流れの一部は、上記表裏一体部１６とサイドエアバッグ１２の車両後方側の内周縁との間隙を介して上部バッグ１２ａに流れ込む流れ（図１の矢印Ａ３で示す流れ）となる。そして、上部バッグ１２ａに到達した膨張ガスは、所定量ずつ上記ベントホール１８を介してサイドエアバッグ１２の外部に排出される。
【００２２】
前記サイドエアバッグ１２内の車両前方端及び車両後方端における上記表裏一体部１６とサイドエアバッグ１２の内周縁との間隙、すなわち上部バッグ１２ａと下部バッグ１２ｂとの連通部分は、ともに、入口（下端側）から出口（上端側）に向かってその断面積が縮小する絞り通路となっている。このため、上部バッグ１２ａに向かう膨張ガスの量が、下部バッグ１２ｂに向かう膨張ガスの量に比べて少なくなり、下部バッグ１２ｂ、すなわち乗員Ｐの腰部に対応する部分が速やかに膨張展開される。
【００２３】
車両の事故の状況によってサイドドア２１の乗員Ｐ側への変位量が異なり、上部バッグ１２ａが圧縮される量も変化する。上部バッグ１２ａが大きく圧縮された場合にはその内部圧力が設定圧力を超える。この場合には、点縫製部１９が破断されて、基布１４ａ，１４ｂが互いに離隔する方向に移動されて可変容量部２０の容積が増大し、上部バッグ１２ａ内の圧力が軽減される。この結果、乗員Ｐの胸部Ｐｃに対する衝撃の緩和が適正に行われる。なお、前記下部バッグ１２ｂは、胸部と比較して強い腰部を保護するものであるため、そこに前記点縫製部１９を設ける必要はない。
【００２４】
本実施形態のサイドエアバッグ装置１０によれば、以下のような効果を得ることができる。
（１）このサイドエアバッグ装置１０では、サイドエアバッグ１２の上部バッグ１２ａに点縫製部１９及び可変容量部２０を設けるようにした。このため、サイドドア２１の車内側への変位量が大きくサイドエアバッグ１２に過大な圧力が作用した場合には、点縫製部１９が破断されて可変容量部２０が容積を増大させるので、上部バッグ１２ａの内部圧力が低下し、胸部Ｐｃに対する押圧力を適正圧力に調整することができる。このため乗員の胸部Ｐｃの保護を適正に行うことができる。
【００２５】
（２）このサイドエアバッグ装置１０では、サイドエアバッグ１２の上部に点縫製部１９によって可変容量部２０を形成するようにした。これにより、圧力低減手段の構成を簡素化してその製造を容易に行うことができる。
【００２６】
（３）このサイドエアバッグ装置１０によれば、表裏一体部１６により上部バッグ１２ａと下部バッグ１２ｂを区画形成し、最初に上部バッグ１２ａにガスを供給し、次に、下部バッグ１２ｂにガスを供給するようにした。このため、乗員の腰部Ｐｈと胸部Ｐｃとを適正に保護し、腹部に対する押圧力を低減して保護を適正に行うことができる。
【００２７】
（変形例）
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、基布１４ａ，１４ｂの連結部を点縫製部１９により形成したが、これに代えて、例えば上記基布１４ａ，１４ｂ同士を接着剤により接着するようにしてもよい。
【００２８】
・前記圧力低減手段として、ゴム製の袋状をなす可変容量部をサイドエアバッグの一部に接続してもよい。
・サイドエアバッグの高さを上方に長くして、肩部を保護し得るようにしてもよい。
【００２９】
・本発明のサイドエアバッグ装置は、例えば車両室内の乗員用のシート以外に、車両のボディの側壁やリヤシートに設けられるサイドエアバッグ装置にも適用することができる。
【００３０】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項１に記載の発明によれば、車両のボディの破損状況に応じて、サイドエアバッグの上部に区画形成された胸部を保護する上部バッグの内部圧力を適正圧力に制御することができ、乗員の胸部に対する過大な押圧力をなくしてその保護を適正に行うことができる。
【００３１】
請求項２に記載の発明によれば、請求項１に記載の発明の効果に加えて、圧力低減手段の構造を簡素化し製造を容易に行うことができる。
請求項３に記載の発明によれば、請求項１又２に記載の発明の効果に加えて、連結部を点縫製部により簡単かつ安価に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のサイドエアバッグ装置を具体化した一実施形態を示すシートの側面図。
【図２】同実施形態のサイドエアバッグ装置の図１の１−１線に沿った断面図。
【図３】同実施形態の拡大部分平断面図。
【図４】従来のサイドエアバッグ装置の展開状態を示す縦断面図。
【符号の説明】Ｐ…乗員、Ｐｃ…胸部、Ｐｈ…腰部、１０…サイドエアバッグ装置、１１…ガス噴出手段としてのインフレータ、１２…サイドエアバッグ、１２ａ…上部バッグ、１２ｂ…下部バッグ、１４ａ，１４ｂ…基布、１５…シート、１６…表裏一体部、１９…連結部としての点縫製部、２０…可変容量部。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a side airbag device provided to alleviate a side impact applied to a vehicle to protect an occupant's waist and chest.
[0002]
[Prior art]
This type of side airbag device is mounted on a passenger seat in a vehicle cabin. Normally, a side airbag device includes a side airbag that is inflated and deployed between a body and an occupant seated in a seat arranged in a vehicle cabin. This device also has an inflator for injecting inflation gas into the inside of the side airbag. Then, when a predetermined impact or more is applied from the side of the vehicle, inflation gas is jetted from the inflator, and the inflation gas is supplied into the side airbag. Thereby, the side airbag is instantly inflated and deployed, and as a result, the impact on the occupant due to the impact is reduced.
[0003]
FIG. 4 shows a state in which the side airbag 12 of the side airbag device is inflated and deployed between the side door 21 of the vehicle and the occupant P from the backrest 15a of the seat 15. In this state, the impact of the occupant P on the waist Ph and the chest Pc is reduced.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the above-described conventional side airbag device, the internal air is discharged from a vent hole (not shown) to the outside in a state where the side airbag 12 has a maximum inflated volume. However, depending on the state of damage to the side door 21 due to the magnitude of the external impact, there is a problem that the internal pressure of the side airbag 12 is too high and the function of alleviating the impact of the occupant P on the chest Pc is reduced. This problem arises as follows. The side airbag 12 is divided into an upper bag 12a that protects the chest Pc and a lower bag 12b that protects the waist Ph by the front and back integrated portion 16, and the maximum thickness dimension in the vehicle width direction of the side airbag 12 as a whole is appropriate. Dimensions are set. The chest Pc and the waist Ph of the occupant P are properly protected. However, when the amount of displacement of the side door 21 toward the inside of the vehicle increases during an accident of the vehicle, and the upper bag 12a is pushed into the inside of the vehicle and the internal pressure thereof becomes too high, the pressing force on the chest Pc increases and the occupant P There is a problem that the protective function for the chest Pc is impaired.
[0005]
The present invention has been made by focusing on the problems existing in such conventional techniques. The purpose is to control the internal pressure of the upper bag, which protects the chest formed in the upper part of the side airbag, to an appropriate pressure according to the damage situation of the body of the vehicle, and to properly protect the occupant's chest. It is an object of the present invention to provide a side airbag device which can be used.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the invention according to claim 1 is characterized in that, when a predetermined or more impact is applied to a vehicle, an occupant seated on a seat disposed in a vehicle cabin and a side wall of a body of the vehicle. A side airbag device comprising: a side airbag that inflates and deploys to a position corresponding to the waist and chest of the occupant; and gas ejecting means that ejects inflation gas for inflating and deploying the side airbag. The side airbag is divided into an upper bag that protects the chest and a lower bag that protects the waist by the front and back integrated part, and increases the internal volume when an internal pressure higher than the set pressure acts on the upper back side during its inflation and deployment. The gist is that pressure reducing means for reducing the pressure is provided.
[0007]
According to the first aspect of the present invention, the lower back and the upper back of the side airbag are arranged between the side wall portion of the body and the occupant seated in the seat arranged in the passenger compartment to a position corresponding to the waist and chest of the occupant. Inflated and deployed. At this time, when the distance between the chest and the side wall of the body becomes smaller and the internal pressure of the upper bag becomes equal to or higher than the set pressure, the pressure reducing means increases the internal volume of the upper bag and reduces the pressure. The protection is properly provided without excessive pressing force on the chest.
[0008]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect, the pressure reducing means is constituted by a connecting portion in which front and back base fabrics constituting the upper bag are locally connected.
[0009]
According to the second aspect of the invention, in addition to the operation of the first aspect, the pressure reducing means can be simplified to facilitate the production.
According to a third aspect of the present invention, in the first or second aspect, the connecting portion is formed by a point sewing portion.
[0010]
According to the third aspect of the invention, in addition to the operation of the first or second aspect, the connecting portion can be formed easily and inexpensively by the point sewing portion.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
An embodiment of a side airbag device according to the present invention will be described below with reference to FIGS.
[0012]
FIG. 1 shows a side structure of a seat provided with a side airbag device of the present embodiment. The side airbag device 10 includes an inflator 11 serving as a gas blowing unit, a side airbag 12 formed so as to cover the inflator 11, and a case 13 accommodating the inflator 11 and the side airbag 12. You. The side airbag 12 is basically formed in a bag shape by sewing a pair of base cloths 14a and 14b made of, for example, a woven cloth subjected to flameproofing. The inflator 11, the side airbag 12, and the case 13 are respectively attached to a frame (not shown) of a backrest 15a of the vehicle seat 15, and the side of the side door 21 as the vehicle body in the backrest 15a. It is buried at the end.
[0013]
The side door 21 is provided with a sensor (not shown) for detecting an impact applied to the door. This sensor is connected to the inflator 11 via a control circuit (not shown).
[0014]
Next, the inflator 11 will be described.
The inflator 11 includes a casing 11a that forms an outer peripheral wall thereof. In the vicinity of an end of the casing 11a on the vehicle lower side, a gas ejection port 11b that connects the inside and the outside of the casing 11a is formed. Then, the gas generated inside the casing 11a is jetted to the outside, that is, to the inside of the side airbag 12, through the gas jetting port 11b. The direction in which the inflator 11 blows out the inflation gas is set so as to be directed toward the lower end of the side airbag 12 (the direction indicated by the arrow A1).
[0015]
Next, a specific configuration of the side airbag 12 will be described in detail.
The side airbag 12 which is inflated and deployed in the shape shown in FIG. 1 is housed in the case 13 in a folded state. When the side airbag 12 is inflated and deployed, the side airbag 12 is deployed in a space on the side of the vehicle of the occupant P sitting on the side wall of the side door 21 and the seat 15.
[0016]
The front and back sides of the side airbag 12 are divided into an upper bag 12a deployed at a position corresponding to the chest Pc of the occupant P and a lower bag 12b deployed at a position corresponding to the waist Ph of the occupant P. A part 16 is provided. More specifically, the front and back integrated portion 16 is formed by integrally sewing inside the side airbag 12 such that the base fabrics 14a and 14b facing each other in the vehicle width direction are overlapped with each other (FIG. 2). Thus, in the front and back integrated portion 16, even when gas is supplied from the inflator 11 into the side airbag 12, the base fabrics 14a and 14b facing each other in the vehicle width direction are not separated from each other.
[0017]
The front and back integrated portion 16 is formed so as to extend in a substantially V-shaped plane substantially at the center of the side airbag 12 when viewed from the side of the vehicle when the side airbag 12 is deployed. Further, the front and back integrated portion 16 is formed in the side airbag 12 such that both the vehicle front end and the vehicle rear end are spaced from the inner peripheral edge of the side airbag 12 by a predetermined distance. Thus, the upper bag 12a and the lower bag 12b are directly connected to each other at the vehicle front end and the vehicle rear end of the side airbag 12. Each of these communicating portions is a throttle passage formed such that its cross-sectional area gradually decreases from the lower end of the vehicle toward the upper end of the vehicle.
[0018]
The side airbag 12 has a vent hole 18 formed in a portion of the base cloth 14a on the side door 21 side corresponding to the upper bag 12a to communicate the inside and the outside of the upper bag 12a. The gas supplied into the side airbag 12 is discharged to the outside of the side airbag 12 through the vent hole 18.
[0019]
In the side airbag device 10 of the present embodiment, a point sewing portion 19 as a connecting portion is provided in a horizontal direction at a vertically intermediate portion of the upper bag 12a. By the point sewing portion 19, a variable capacity portion 20 is formed above the upper bag 12a when the side airbag 12 is inflated and deployed. In this embodiment, when the pressure in the side airbag 12 becomes equal to or higher than the set pressure, the point sewing portion 19 is separated, and the internal capacity of the side airbag 12 is increased by the variable capacity portion 20 to reduce the pressure. It constitutes pressure reducing means for reducing the pressure.
[0020]
In the side airbag device 10 configured as described above, when an impact equal to or greater than a predetermined value is detected by the sensor, an operation signal is output to the inflator 11 via the control circuit. Based on this operation signal, inflation gas is instantaneously ejected from the inflator 11 toward the lower end portion direction A1 in the side airbag 12, and the inflation and deployment of the side airbag 12 is started.
[0021]
Then, as shown in FIG. 1, the flow of the inflation gas ejected toward the lower end portion direction A1 of the side airbag 12 is deflected at the lower end portion. The flow of the inflation gas flows into the upper portion of the lower bag 12b along the inner peripheral edge of the side airbag 12, as indicated by an arrow A2 in FIG. A part of the flow of the arrow A1 flows into the upper bag 12a via a gap between the front and back integrated portion 16 and the inner peripheral edge of the side airbag 12 on the vehicle rear side (the flow indicated by the arrow A3 in FIG. 1). Become. The inflation gas that has reached the upper bag 12a is discharged to the outside of the side airbag 12 through the vent hole 18 by a predetermined amount.
[0022]
The gap between the front and back integrated portion 16 and the inner peripheral edge of the side airbag 12 at the front end and the rear end of the vehicle in the side airbag 12, that is, the communicating portion between the upper bag 12a and the lower bag 12b are both connected to the entrance ( It is a throttle passage whose cross-sectional area decreases from the lower end to the outlet (upper end). Therefore, the amount of the inflation gas flowing toward the upper bag 12a is smaller than the amount of the inflation gas flowing toward the lower bag 12b, and the lower bag 12b, that is, the portion corresponding to the waist of the occupant P is inflated and deployed quickly.
[0023]
The amount of displacement of the side door 21 toward the occupant P varies depending on the situation of the vehicle accident, and the amount of compression of the upper bag 12a also changes. When the upper bag 12a is greatly compressed, its internal pressure exceeds the set pressure. In this case, the point sewing portion 19 is broken, the base fabrics 14a and 14b are moved in a direction away from each other, the capacity of the variable capacity portion 20 is increased, and the pressure in the upper bag 12a is reduced. As a result, the impact of the occupant P on the chest Pc is properly alleviated. In addition, since the lower bag 12b protects the lumbar region which is stronger than the chest, it is not necessary to provide the dot sewing portion 19 there.
[0024]
According to the side airbag device 10 of the present embodiment, the following effects can be obtained.
(1) In the side airbag device 10, the point sewing portion 19 and the variable capacity portion 20 are provided on the upper bag 12a of the side airbag 12. For this reason, when the amount of displacement of the side door 21 toward the inside of the vehicle is large and an excessive pressure acts on the side airbag 12, the point sewing portion 19 is broken and the variable capacity portion 20 increases the volume. The internal pressure of the bag 12a decreases, and the pressing force on the chest Pc can be adjusted to an appropriate pressure. Therefore, the occupant's chest Pc can be properly protected.
[0025]
(2) In the side airbag device 10, the variable capacity portion 20 is formed by the point sewing portion 19 on the upper portion of the side airbag 12. This makes it possible to simplify the structure of the pressure reducing means and easily manufacture it.
[0026]
(3) According to the side airbag device 10, the upper bag 12a and the lower bag 12b are defined by the front and back integrated portion 16, and gas is first supplied to the upper bag 12a, and then gas is supplied to the lower bag 12b. It was made to supply. Therefore, the lumbar portion Ph and the chest portion Pc of the occupant can be properly protected, and the pressing force on the abdomen can be reduced, so that the protection can be performed properly.
[0027]
(Modification)
Note that the present embodiment may be modified and implemented as follows.
In the above-described embodiment, the connecting portions of the base fabrics 14a and 14b are formed by the point sewing portions 19. Alternatively, for example, the base fabrics 14a and 14b may be bonded to each other with an adhesive.
[0028]
As the pressure reducing means, a rubber bag-shaped variable capacity section may be connected to a part of the side airbag.
The height of the side airbag may be increased upward to protect the shoulder.
[0029]
The side airbag device of the present invention can be applied to, for example, a side airbag device provided on a side wall of a vehicle body or a rear seat in addition to a passenger seat in a vehicle cabin.
[0030]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the first aspect of the present invention, the internal pressure of the upper bag that protects the chest defined at the upper part of the side airbag is adjusted to an appropriate pressure according to the state of damage to the body of the vehicle. Therefore, it is possible to properly protect the occupant without excessive pressing force against the occupant's chest.
[0031]
According to the invention described in claim 2, in addition to the effect of the invention described in claim 1, the structure of the pressure reducing means can be simplified and manufacturing can be easily performed.
According to the third aspect of the invention, in addition to the effects of the first or second aspect, the connecting portion can be formed easily and inexpensively by the point sewing portion.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view of a seat showing an embodiment embodying a side airbag device of the present invention.
FIG. 2 is an exemplary sectional view of the side airbag device of the embodiment, taken along line 1-1 in FIG. 1;
FIG. 3 is an enlarged partial cross-sectional view of the same embodiment.
FIG. 4 is a longitudinal sectional view showing a deployed state of a conventional side airbag device.
[Description of Signs] P: occupant, Pc: chest, Ph: waist, 10: side airbag device, 11: inflator as gas blowing means, 12: side airbag, 12a: upper bag, 12b: lower bag, 14a , 14b: Base cloth, 15: Sheet, 16: Front and back integrated part, 19: Point sewing part as connecting part, 20: Variable capacity part.
