JP2004009221A - 外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法 - Google Patents
外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ワーク形状やロホ゛ット仕様変更時であってもロホ゛ットの外部軸座標値を自動計算し、オヘ゜レータの負荷の低減を図ると共にロホ゛ットの作業効率の向上を図る。
【解決手段】本発明によれば、溶接属性に各ワークを分類した溶接属性テーフ゛ルを格納した溶接属性テーフ゛ル格納部40と、ワークをこのテーフ゛ルに従い分類する分類用テ゛ータを抽出する溶接属性テ゛ータテーフ゛ル用キーワート゛値抽出部31と、ワークを何れかの溶接属性に分類するキーワート゛値比較部34と、各溶接属性をハ゜ターンコート゛に分類したハ゜ターン定義テーフ゛ル、ロホ゛ットと外部軸との相対距離値を書き込んだハ゜ターンテ゛ータテーフ゛ル、及びワーク原点座標テ゛ータを格納したハ゜ターンテーフ゛ル格納部41と、テ゛ータ項目を抽出するハ゜ターンコート゛抽出部35と、相対距離値を取得する相対距離抽出部36と、ワーク原点座標テ゛ータをハ゜ターンテーフ゛ル格納部41から取得する外部軸座標系原点抽出部37と、ロホ゛ットの外部軸座標を計算する外部軸座標値計算部38とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明によれば、溶接属性に各ワークを分類した溶接属性テーフ゛ルを格納した溶接属性テーフ゛ル格納部40と、ワークをこのテーフ゛ルに従い分類する分類用テ゛ータを抽出する溶接属性テ゛ータテーフ゛ル用キーワート゛値抽出部31と、ワークを何れかの溶接属性に分類するキーワート゛値比較部34と、各溶接属性をハ゜ターンコート゛に分類したハ゜ターン定義テーフ゛ル、ロホ゛ットと外部軸との相対距離値を書き込んだハ゜ターンテ゛ータテーフ゛ル、及びワーク原点座標テ゛ータを格納したハ゜ターンテーフ゛ル格納部41と、テ゛ータ項目を抽出するハ゜ターンコート゛抽出部35と、相対距離値を取得する相対距離抽出部36と、ワーク原点座標テ゛ータをハ゜ターンテーフ゛ル格納部41から取得する外部軸座標系原点抽出部37と、ロホ゛ットの外部軸座標を計算する外部軸座標値計算部38とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法に係り、更に詳しくは、例えばレールやスライダやガントリなどの外部軸に沿って移動しながら溶接や塗装などの作業を行うロボットの、外部軸における座標を決定する決定装置および決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶接や塗装などの作業を行うロボットは、例えばレールやスライダやガントリなどの外部軸に固定され、この外部軸に沿って移動されながらワークの溶接や塗装を行っている。
【0003】
図9は、この種のロボットの一例を示す図であって、レール60に沿って移動するガントリ62に固定された溶接ロボット64を示す斜視図である。
【0004】
図10は、図9のA−A線に沿った断面図である。
【0005】
溶接ロボット64は、ガントリ62がレール60に沿って移動することによりレール60に平行なx方向に、またガントリ62内を移動することによりレール60に垂直なy方向に、昇降アーム66を昇降させることにより鉛直方向であるz方向にそれぞれ移動することができる。これによって、ワークエリア68に配置されたワーク70上の任意の場所に溶接ロボット64を移動させ、トーチ65によってワーク70を溶接することができる。
【0006】
ワーク70上における溶接位置に対して位置精度良く溶接を実施するためには、溶接ロボット64の位置を正しく把握する必要がある。このため、図10に示すように、昇降アーム66に溶接ロボット64が固定された固定部72を外部軸座標値として認識することにより、溶接ロボット64の位置が把握されている。
【0007】
このような外部軸座標値は、オペレータによるマニュアル計算か、あるいは、溶接ロボット64の制御システムに予め備えられた計算プログラムに基づく計算によって求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の外部軸座標値の決定方法では、以下のような問題がある。
【0009】
すなわち、外部軸座標値は、ワーク70が別の形状および寸法のものに変わったり、あるいは溶接ロボット64等のロボットの設備仕様自体に変更があった場合には、その都度計算方法が変わってしまう。
【0010】
このため、オペレータのマニュアル計算によって外部軸座標値を求める場合には、オペレータが、ワーク70の形状および寸法や、溶接ロボット64等のロボットの設備仕様に基づいて、外部軸座標値を計算する必要がある。これは、当然のことながら、オペレータの負担の増大をまねくのみならず、オペレータが計算ミスを犯す可能性もあるという問題がある。
【0011】
また、溶接ロボット64等のロボットの制御システムに予め備えられた計算プログラムによって外部軸座標値を求める場合には、ワーク70の形状および寸法や、溶接ロボット64等のロボットの変更された設備仕様に基づいて、計算プログラムを修正する必要がある。そして、修正したプログラムを制御システムに組み込まなくてはならない。このため、溶接作業等の実際の作業にすぐには着手できず、ロボットの作業効率の低下をもたらすという問題がある。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ワークの形状および寸法や、ロボットの設備仕様が変更になった場合であっても、ロボットの外部軸座標値を自動的に計算し、もって、オペレータの負荷の低減を図るとともに、ロボットの作業効率の向上を図ることが可能な外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0014】
すなわち、請求項1の発明は、外部軸に沿って移動しながら作業を行うロボットの、外部軸における座標を決定する決定装置であって、作業属性テーブル格納手段と、パターン定義テーブル格納手段と、パターンデータテーブル格納手段と、分類用データ抽出手段と、作業属性分類手段と、データ項目抽出手段と、パターンコード決定手段と、相対距離情報取得手段と、ワーク原点座標データ取得手段と、外部軸計算手段とを備えている。
【0015】
作業属性テーブル格納手段は、ロボットの作業対象であるワークの形状、寸法、および作業方法に基づいて定義される作業属性毎に各ワークを分類した作業属性テーブルを、パターン定義テーブル格納手段は、各作業対象を作業してなる製品を、ワークの寸法と形状特徴とに基づいて定義されるパターンコード別に分類したパターン定義テーブルを、パターンデータテーブル格納手段は、ロボットと外部軸との相対距離情報を書き込んだパターンデータテーブルを、ワーク原点位置データ格納手段は、各ワークの原点座標であるワーク原点座標を、それぞれ予め格納している。
【0016】
分類用データ抽出手段は、ワークを、作業属性テーブルにしたがって、作業属性のうちの何れかに分類するために必要な分類用データを抽出し、作業属性分類手段は、分類用データ抽出手段によって抽出された分類用データを、作業属性テーブルと比較することによって、このワークを作業属性のうちの何れかに分類する。
【0017】
そして、データ項目抽出手段は、作業属性分類手段によって分類された作業属性と、対応する分類用データとに基づいて、パターンコードで定義されているデータ項目を抽出し、パターンコード決定手段は、データ項目抽出手段によって抽出されたデータ項目のデータを、パターン定義テーブルと比較することによって、このワークがどのパターンコードに該当するかを決定する。
【0018】
更に、相対距離情報取得手段は、パターンコード決定手段によって決定されたパターンコードに基づいて、このパターンコードに該当するパターンデータテーブルを、パターンデータテーブル格納手段から抽出し、抽出したパターンデータテーブルに書き込まれている相対距離情報を取得し、ワーク原点座標データ取得手段は、このワークに対応するワーク原点座標を、ワーク原点位置データ格納手段から取得し、外部軸計算手段は、ワーク原点座標データ取得手段によって取得されたワーク原点座標と、相対距離情報取得手段によって取得された相対距離情報と、作業を開始する座標である作業始点座標とに基づいて、ロボットの外部軸における座標を計算する。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1の発明の外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置において、外部軸計算手段は、ワーク原点座標データ取得手段によって取得されたワーク原点座標(x0,y0,z0)と、相対距離情報取得手段によって取得された相対距離情報(Δx、Δy、Δz)と、作業を開始する座標である作業始点座標(xs,ys,zs)とのx成分同士、y成分同士、z成分同士をそれぞれ加算することによって、ロボットの外部軸における座標(x,y,z)を計算する。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明の外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置において、ロボットを、溶接作業を行う溶接ロボットに適用している。
【0021】
請求項4の発明は、外部軸に沿って移動しながら作業を行うロボットの、外部軸における座標を決定する決定方法であって、まず、ロボットの作業対象であるワークの形状、寸法、および作業方法に基づいて定義される作業属性毎に各ワークを分類した作業属性テーブルと、各作業対象を作業してなる製品を、ワークの寸法と形状特徴とに基づいて定義されるパターンコード毎に分類したパターン定義テーブルと、ロボットと外部軸との相対距離情報を書き込んだパターンデータテーブルと、各ワークの原点座標であるワーク原点座標とをそれぞれ予め格納しておく。
【0022】
次に、このワークを、作業属性テーブルにしたがって、作業属性のうちの何れかに分類するために必要な分類用データを抽出し、この抽出した分類用データを、作業属性テーブルと比較することによって、このワークを作業属性のうちの何れかに分類する。
【0023】
そして、この分類した作業属性と、対応する分類用データとに基づいて、パターンコードで定義されているデータ項目を抽出し、この抽出したデータ項目のデータを、パターン定義テーブルと比較することによって、このワークがどのパターンコードに該当するかを決定し、この決定したパターンコードに基づいて、このパターンコードに該当するパターンデータテーブルを抽出し、抽出したパターンデータテーブルに書き込まれている相対距離情報を取得し、このワークに対応するワーク原点座標を、予め格納した各ワークのワーク原点座標データの中から取得し、この取得したワーク原点座標と、取得した相対距離情報と、作業を開始する座標である作業始点座標とに基づいて、ロボットの外部軸における座標を計算する。
【0024】
従って、請求項1乃至4に示す本発明においては、以上のような手段を講じることにより、予め格納しているワーク原点座標と、相対距離情報と、作業始点座標とに基づいて、ロボットの外部軸における座標を計算することができる。
【0025】
これにより、ワークの形状および寸法が変更になったり、ロボットの設備仕様が変更になった場合でも、変更に応じた作業属性データテーブルを用いることにより計算可能となるので、外部軸における座標を決定するためのプログラム修正は不要となる。
【0026】
このように、プログラムを修正することなく、汎用的に外部軸における座標を計算することができるので、オペレータの負荷の低減を図るとともに、ロボットの作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0028】
なお、以下の各実施の形態の説明に用いる図中の符号は、図9および図10と同一部分については同一符号を付して示すことにする。
【0029】
本発明の実施の形態を図1から図8を用いて説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【0031】
すなわち、本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置は、溶接ロボット64に適用した例であって、装置本体30と、溶接属性テーブル格納部40と、パターンテーブル格納部41とからなる。更に装置本体30は、溶接属性データテーブル用キーワード値抽出部31と、パターン定義テーブル用キーワード抽出部32と、パターン定義テーブル用キーワード値抽出部33と、キーワード値比較部34と、パターンコード抽出部35と、相対距離抽出部36と、外部軸座標系原点抽出部37と、外部軸座標値計算部38とを備えている。
【0032】
溶接属性テーブル格納部40は、溶接対象となるワーク70の部材形状および寸法に関する情報である溶接属性データテーブルを備えている。この溶接属性データテーブルは、その一例を図2に示すように、ワーク70を、溶接姿勢、部材形状パターン、立板の表/裏、始点座標、終点座標、溶接線長で分類されるパターンをまとめたデータテーブルである。図2は、ワーク70を、溶接線1から溶接線nまでのn個のワーク70について分類した例を示している。このような溶接属性データテーブルは、図示しないCADシステムに入力されたCADデータから溶接線に関する情報を抽出することによって予め作成しておき、溶接属性テーブル格納部40に格納しておく。なお、溶接属性テーブル格納部40に格納されているパターンに分類されないような新たなパターンについては、新たにデータテーブルを作成し、適宜溶接属性テーブル格納部40に格納する。
【0033】
溶接姿勢のデータが「1」の場合には水平溶接を示し、「4」の場合には立向溶接を示している。水平溶接とは、図3(a)中の溶接線1〜溶接線18に示すように水平方向に行う溶接であり、立向溶接とは、図3(b)中の溶接線19〜溶接線20に示すように鉛直方向に行う溶接である。部材形状パターンが「HSITF」の場合には水平スチフナを示し、「VSITF」の場合には垂直スチフナを示している。立板の表/裏が「1」の場合には表を、「−1」の場合には裏を示している。溶接線長は溶接線の長さを(mm)単位で示している。
【0034】
パターンテーブル格納部41は、パターン定義テーブルと、パターンデータテーブルと、パターン計算テーブルと、ワーク原点位置データとを備えている。
【0035】
パターン定義テーブルは、ワーク70を溶接してなる製品を、ワーク70の寸法と形状特徴とに基づくパターンコード毎に分類したテーブルであって、図4(a)にその例を示すようなデータ構造をしている。すなわち、図4(a)に示す溶接姿勢、部材形状パターン、立板の表/裏は、図2の溶接属性データテーブルの溶接姿勢、部材形状パターン、立板の表/裏であり、溶接線長を、更に最小と最大の範囲内で分類することによって、溶接属性テーブルを更に細分類している。そして、細分類されたおのおのに自然数からなる個別のパターンコードを付している。
【0036】
パターンデータテーブルは、図4(a)に示すパターン定義テーブルのパターンコード毎に設定した相対距離Δx、相対距離Δy、相対距離Δzのパターンをまとめたテーブルであり、その一例を図4(b)、図4(c)、図4(d)に示す。図4(b)は、図4(a)に示すパターンコードが「0」の部材形状に対応する相対距離のパターンを、図4(c)は、図4(a)に示すパターンコードが「1」の部材形状に対応する相対距離のパターンを、図4(d)は、図4(a)に示すパターンコードが「2」の部材形状に対応する相対距離のパターンをそれぞれ示している。
【0037】
図4(b)、図4(c)、図4(d)に示すように、パターンデータテーブルは、相対距離Δx、相対距離Δy、相対距離Δz毎に、「計算の有無」および「定数/計算コード」をまとめている。相対距離とは、図5に示すように、トーチ65の先端部の座標と、固定部72の座標との隔離距離をそれぞれx成分、y成分、z成分で示したものである。このような相対距離(Δx、Δy、Δz)は、一様に決定されるもの、経験的に決定されるもの、あるいは計算により決定されるものがあることが既に知られており、図4(b)、図4(c)、図4(d)に示すパターンデータテーブルにその決定方法をまとめている。
【0038】
図4(b)、図4(c)、図4(d)では、部材形状から一様に決定される相対距離については、「計算の有無」を「0」として、「定数/計算コード」に、相対距離そのものの値を入力する。一方、一様に決定されない相対距離については、計算で求めるものとし、「計算の有無」を「1」として、「定数/計算コード」に、後述するパターン計算テーブルで定義されている計算方法を参照するための引数を入力する。
【0039】
パターン計算テーブルは、相対距離の計算方法をテーブル化したものであり、図6にその一例を示すように、「計算コード」、「演算コード」、「溶接属性データのキーワード」、「定数」から構成している。「計算コード」は、図4(b)、図4(c)、図4(d)に示すパターンデータテーブルの「計算の有無」が「1」である場合に、「定数/計算コード」に入力された数値に対応している。「演算コード」とは、後述する「溶接属性データのキーワード」と「定数」とを用いて相対距離を計算するための演算方法を定義するデータであって、「1」の場合には、「溶接属性データのキーワード」と「定数」とを加算することによって相対距離を計算することを示している。
【0040】
同様に、「2」の場合には「溶接属性データのキーワード」から「定数」を減算することによって、「3」の場合には「溶接属性データのキーワード」と「定数」とを乗算することによって、「4」の場合には「溶接属性データのキーワード」を「定数」で除算することによってそれぞれ相対距離を計算する。たとえば、図6に示すようなパターン計算テーブルの場合、パターンコードが「0」の相対距離xは、溶接線長である500(mm)を定数2.0で除した値である250(mm)となる。
【0041】
このような計算方法もまた経験的に予め定義しておくものであって、新たな計算方法によって相対距離を求める場合には、図4(b)、図4(c)、図4(d)の「定数/計算コード」毎に定義してパターンテーブル格納部41に格納しておく。
【0042】
ワーク原点位置データは、ワーク70の部材形状および寸法毎に決定するワーク原点の値を格納したテーブルである。ワーク原点は、図7に示すように、ワーク70の部材形状毎に決まるものであり、ワーク70毎に存在する。
【0043】
溶接属性データテーブル用キーワード値抽出部31は、溶接属性テーブル格納部40に格納された溶接属性テーブルからキーワード値を抽出する。ここでキーワード値とは、図2に示す例では、溶接姿勢、部材形状パターン、立板の表/裏、始点座標、終点座標、溶接線長それぞれの値に相当する。そして、抽出したキーワード値をパターン定義テーブル用キーワード抽出部32を介してパターン定義テーブル用キーワード値抽出部33へ出力する。パターン定義テーブル用キーワード抽出部32は、パターンテーブル格納部41に格納されたパターン定義テーブルからキーワードを抽出する。ここでキーワードとは、図4に示す例では、溶接姿勢、部材形状パターン、溶接線長、立板の表/裏に相当する。そして、抽出したキーワード、および溶接属性テーブル用キーワード値抽出部31から抽出されたキーワード値を、パターン定義テーブル用キーワード値抽出部33に出力する。パターン定義テーブル用キーワード値抽出部33は、パターン定義テーブル用キーワード抽出部32から出力されたキーワード(溶接姿勢、部材形状パターン、立板の表/裏、始点座標、終点座標、溶接線長)に該当するデータを、溶接属性データテーブル用キーワード値抽出部31から出力されたキーワード値から抽出し、その抽出データをキーワード値比較部34に出力する。
【0044】
キーワード値比較部34は、パターン定義テーブル用キーワード値抽出部33から出力された抽出データを、パターンテーブル格納部41に格納されているパターン定義テーブルと比較する。そして、比較結果をパターンコード抽出部35に出力する。
【0045】
パターンコード抽出部35は、キーワード値比較部34から出力された比較結果に基づいて、このワーク70がどのパターンコードに該当するか決定し、決定されたパターンコードを相対距離抽出部36に出力する。
【0046】
相対距離抽出部36は、パターンコード抽出部35から出力されたパターンコードに基づいて、このパターンコードに該当するパターンデータテーブルをパターンテーブル格納部41から抽出し、抽出したパターンデータテーブルに書き込まれている相対距離の値を取得する。または、パターンデータテーブルの「計算の有無」が「1」である場合には、「定数/計算コード」で指示されている計算コード番号に該当するパターン計算テーブルにしたがって計算することによって、相対距離の値を取得する。そして、これら取得した相対距離(Δx、Δy、Δz)の値を、パターンテーブル格納部41から抽出したパターンデータテーブルとともに、外部軸座標系原点抽出部37に出力する。
【0047】
外部軸座標系原点抽出部37は、相対距離抽出部36から出力されたパターンデータテーブルに対応するワーク原点位置データ(x0,y0,z0)の値を、パターンテーブル格納部41から抽出する。そして、抽出したワーク原点位置データ(x0,y0,z0)の値を、相対距離抽出部36から出力された相対距離(Δx、Δy、Δz)の値とともに外部軸座標値計算部38に出力する。
【0048】
外部軸座標値計算部38は、外部軸座標系原点抽出部37から出力されたワーク原点位置データ(x0,y0,z0)の値と、相対距離(Δx、Δy、Δz)の値とに基づいて、以下に示す(1)〜(3)式に基づいて外部軸座標値(x,y,z)をそれぞれ計算する。なお、下記(1)〜(3)式において、xs,ys,zsは、図5(a)に示すように、溶接線の始点座標である。
【0049】
x=xs+Δx+x0・・・(1)
y=ys+Δy+y0・・・(2)
z=zs+Δz+z0・・・(3)
このように、本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置は、ワーク70に対する溶接ロボット64の位置を、相対距離(Δx、Δy、Δz)としてパターンテーブル格納部41に持たせている。そして、この相対距離を、上記(1)〜(3)式に代入することによって外部軸座標値(x,y,z)を計算する。
【0050】
これにより、ワーク70の部材形状および寸法が変更になったり、ロボットの設備仕様が変更になった場合には、変更に応じた溶接属性データテーブルを用いることにより、外部軸座標を計算することが可能となり、装置本体30のプログラム修正を不要としている。
【0051】
更に、ワーク70の部材形状および寸法や、相対距離の計算方法をパターン化し、各パターン毎に相対距離を設定することによって、部材形状および寸法の多様化に対しても、同様にパターンテーブル格納部41に格納しているパターン定義テーブル、パターンデータテーブル、パターン計算テーブル、およびワーク原点位置データに適宜必要なデータを追加することにより、外部軸座標値を計算することが可能となり、装置本体30のプログラム修正を不要としている。
【0052】
次に、以上のように構成した本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置の動作について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0053】
まず、本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置を用いてロボットの外部軸座標値(x,y,z)を決定する場合には、図示しないCADシステムに入力されたCADデータから、溶接線に関する情報を抽出することによって溶接属性データテーブルが作成され、溶接属性テーブル格納部40に格納される(S1)。
【0054】
溶接属性データテーブル用キーワード値抽出部31では、溶接属性テーブル格納部40に格納されている溶接属性データテーブルの各キーワード(溶接姿勢、部材形状パターン、立板の表/裏、始点座標、終点座標、溶接線長)に対する値であるキーワード値が抽出され、パターン定義テーブル用キーワード抽出部32を介してパターン定義テーブル用キーワード値抽出部33へ出力される(S2)。パターン定義テーブル用キーワード抽出部32では、パターンテーブル格納部41に格納されたパターン定義テーブルからキーワード(溶接姿勢、部材形状パターン、溶接線長、立板の表/裏)が抽出される。そして、抽出されたキーワードは、パターン定義テーブル用キーワード値抽出部33へと出力される(S3)。
【0055】
パターン定義テーブル用キーワード値抽出部33では、パターン定義テーブル用キーワード抽出部32から出力されたキーワードに該当するデータが、溶接属性データテーブル用キーワード値抽出部31から出力されたキーワード値から抽出される。そして、この抽出データはキーワード値比較部34へ出力される(S4)。
【0056】
キーワード値比較部34では、ステップS4でパターン定義テーブル用キーワード値抽出部33から出力された抽出データが、パターンテーブル格納部41に格納されているパターン定義テーブルと比較される。その比較結果は、パターンコード抽出部35へ出力される(S5)。
【0057】
パターンコード抽出部35では、ステップS5においてキーワード値比較部34から出力された比較結果に基づいて、このワーク70がどのパターンコードに該当するかが決定される。そして、決定されたパターンコードが相対距離抽出部36へと出力される(S6)。
【0058】
相対距離抽出部36では、ステップS6でパターンコード抽出部35から出力されたパターンコードに基づいて、このパターンコードに該当するパターンデータテーブルがパターンテーブル格納部41から抽出され、抽出されたパターンデータテーブルに書き込まれている相対距離の値が取得される。この場合、パターンデータテーブルの「計算の有無」が「1」である場合には、「定数/計算コード」で指示されている計算コード番号に該当するパターン計算テーブルにしたがって計算することによって、相対距離が取得される。そして、これら取得した相対距離(Δx、Δy、Δz)の値は、パターンテーブル格納部41から抽出したパターンデータテーブルとともに、外部軸座標系原点抽出部37へと出力される(S7)。
【0059】
外部軸座標系原点抽出部37では、ステップS7で相対距離抽出部36から出力されたパターンデータテーブルに対応するワーク原点位置データ(x0,y0,z0)の値が、パターンテーブル格納部41から抽出される。そして、抽出したワーク原点位置(x0,y0,z0)の値が、相対距離抽出部36から出力された相対距離(Δx、Δy、Δz)の値とともに外部軸座標値計算部38へと出力される(S8)。
【0060】
外部軸座標値計算部38では、ステップS8で外部軸座標系原点抽出部37から出力されたワーク原点位置データ(x0,y0,z0)の値と、相対距離(Δx、Δy、Δz)の値とに基づいて、上述した(1)〜(3)式に基づいて外部軸座標値(x,y,z)がそれぞれ計算される(S9)。
【0061】
そして、全ての溶接線について外部軸座標値が計算された場合(S10:Yes)には処理を終了し、外部軸座標値が計算されていない溶接線がある場合(S10:No)には、ステップS2の処理に戻る。これによって、全ての溶接線に対して外部軸座標値が計算される。
【0062】
上述したように、本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置は、ワーク70に対する溶接ロボット64の位置が、相対距離(Δx、Δy、Δz)としてパターンテーブル格納部41に予め格納されている。そして、この相対距離を、上述した(1)〜(3)式に代入することによって外部軸座標値(x,y,z)を計算することができる。
【0063】
これにより、ワーク70の部材形状および寸法が変更になったり、ロボットの設備仕様が変更になった場合には、変更に応じた溶接属性データテーブルを用いることにより、外部軸座標値を計算することが可能となる。したがって、装置本体30のプログラム修正は不要となる。
【0064】
また、ワーク70の部材形状および寸法や、相対距離の計算方法をパターン化し、各パターン毎に相対距離を設定することによって、部材形状および寸法の多様化に対しても、同様に、パターンテーブル格納部41に格納しているパターン定義テーブル、パターンデータテーブル、パターン計算テーブル、およびワーク原点位置データに適宜必要なデータを追加することにより、外部軸座標値を計算することが可能となる。この場合も、装置本体30のプログラム修正は不要となる。
【0065】
以上により、オペレータの負荷の低減を図るとともに、ロボットの作業効率の向上を図ることが可能な外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法を実現することができる。
【0066】
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0067】
上記実施の形態では、溶接ロボットを例に説明したが、本発明は、溶接ロボットのみに適用されるものではなく、塗装ロボットなど、レールやスライダやガントリなどの外部軸に固定され、この外部軸に沿って移動されながら作業を行う全てのロボットに対しても適用可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ワークの形状および寸法や、ロボットの設備仕様が変更になった場合であっても、ロボットの外部軸座標値を自動的に計算することができる。
【0069】
以上により、オペレータの負荷の低減を図るとともに、ロボットの作業効率の向上を図ることが可能な外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置の構成例を示す機能ブロック図
【図2】溶接属性テーブルの一例を示すデータ構造図
【図3】溶接姿勢を説明するための模式図
【図4】パターン定義テーブルおよびパターンデータテーブルの一例を示すデータ構造図
【図5】相対距離を説明するための溶接ロボットの正面図および平面図
【図6】パターン計算テーブルの一例を示すデータ構造図
【図7】ワーク原点を説明するための模式図
【図8】本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置の動作を示すフローチャート
【図9】レールに沿って移動するガントリに固定された溶接ロボットを示す斜視図
【図10】図9のA−A線に沿った断面図
【符号の説明】
30…装置本体
31…溶接属性データテーブル用キーワード値抽出部 32…パターン定義テーブル用キーワード抽出部
33…パターン定義テーブル用キーワード値抽出部
34…キーワード値比較部
35…パターンコード抽出部
36…相対距離抽出部
37…外部軸座標系原点抽出部
38…外部軸座標値計算部
40…溶接属性テーブル格納部
41…パターンテーブル格納部
60…レール
62…ガントリ
64…溶接ロボット
65…トーチ
66…昇降アーム
68…ワークエリア
70…ワーク
72…固定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法に係り、更に詳しくは、例えばレールやスライダやガントリなどの外部軸に沿って移動しながら溶接や塗装などの作業を行うロボットの、外部軸における座標を決定する決定装置および決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶接や塗装などの作業を行うロボットは、例えばレールやスライダやガントリなどの外部軸に固定され、この外部軸に沿って移動されながらワークの溶接や塗装を行っている。
【0003】
図9は、この種のロボットの一例を示す図であって、レール60に沿って移動するガントリ62に固定された溶接ロボット64を示す斜視図である。
【0004】
図10は、図9のA−A線に沿った断面図である。
【0005】
溶接ロボット64は、ガントリ62がレール60に沿って移動することによりレール60に平行なx方向に、またガントリ62内を移動することによりレール60に垂直なy方向に、昇降アーム66を昇降させることにより鉛直方向であるz方向にそれぞれ移動することができる。これによって、ワークエリア68に配置されたワーク70上の任意の場所に溶接ロボット64を移動させ、トーチ65によってワーク70を溶接することができる。
【0006】
ワーク70上における溶接位置に対して位置精度良く溶接を実施するためには、溶接ロボット64の位置を正しく把握する必要がある。このため、図10に示すように、昇降アーム66に溶接ロボット64が固定された固定部72を外部軸座標値として認識することにより、溶接ロボット64の位置が把握されている。
【0007】
このような外部軸座標値は、オペレータによるマニュアル計算か、あるいは、溶接ロボット64の制御システムに予め備えられた計算プログラムに基づく計算によって求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の外部軸座標値の決定方法では、以下のような問題がある。
【0009】
すなわち、外部軸座標値は、ワーク70が別の形状および寸法のものに変わったり、あるいは溶接ロボット64等のロボットの設備仕様自体に変更があった場合には、その都度計算方法が変わってしまう。
【0010】
このため、オペレータのマニュアル計算によって外部軸座標値を求める場合には、オペレータが、ワーク70の形状および寸法や、溶接ロボット64等のロボットの設備仕様に基づいて、外部軸座標値を計算する必要がある。これは、当然のことながら、オペレータの負担の増大をまねくのみならず、オペレータが計算ミスを犯す可能性もあるという問題がある。
【0011】
また、溶接ロボット64等のロボットの制御システムに予め備えられた計算プログラムによって外部軸座標値を求める場合には、ワーク70の形状および寸法や、溶接ロボット64等のロボットの変更された設備仕様に基づいて、計算プログラムを修正する必要がある。そして、修正したプログラムを制御システムに組み込まなくてはならない。このため、溶接作業等の実際の作業にすぐには着手できず、ロボットの作業効率の低下をもたらすという問題がある。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ワークの形状および寸法や、ロボットの設備仕様が変更になった場合であっても、ロボットの外部軸座標値を自動的に計算し、もって、オペレータの負荷の低減を図るとともに、ロボットの作業効率の向上を図ることが可能な外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0014】
すなわち、請求項1の発明は、外部軸に沿って移動しながら作業を行うロボットの、外部軸における座標を決定する決定装置であって、作業属性テーブル格納手段と、パターン定義テーブル格納手段と、パターンデータテーブル格納手段と、分類用データ抽出手段と、作業属性分類手段と、データ項目抽出手段と、パターンコード決定手段と、相対距離情報取得手段と、ワーク原点座標データ取得手段と、外部軸計算手段とを備えている。
【0015】
作業属性テーブル格納手段は、ロボットの作業対象であるワークの形状、寸法、および作業方法に基づいて定義される作業属性毎に各ワークを分類した作業属性テーブルを、パターン定義テーブル格納手段は、各作業対象を作業してなる製品を、ワークの寸法と形状特徴とに基づいて定義されるパターンコード別に分類したパターン定義テーブルを、パターンデータテーブル格納手段は、ロボットと外部軸との相対距離情報を書き込んだパターンデータテーブルを、ワーク原点位置データ格納手段は、各ワークの原点座標であるワーク原点座標を、それぞれ予め格納している。
【0016】
分類用データ抽出手段は、ワークを、作業属性テーブルにしたがって、作業属性のうちの何れかに分類するために必要な分類用データを抽出し、作業属性分類手段は、分類用データ抽出手段によって抽出された分類用データを、作業属性テーブルと比較することによって、このワークを作業属性のうちの何れかに分類する。
【0017】
そして、データ項目抽出手段は、作業属性分類手段によって分類された作業属性と、対応する分類用データとに基づいて、パターンコードで定義されているデータ項目を抽出し、パターンコード決定手段は、データ項目抽出手段によって抽出されたデータ項目のデータを、パターン定義テーブルと比較することによって、このワークがどのパターンコードに該当するかを決定する。
【0018】
更に、相対距離情報取得手段は、パターンコード決定手段によって決定されたパターンコードに基づいて、このパターンコードに該当するパターンデータテーブルを、パターンデータテーブル格納手段から抽出し、抽出したパターンデータテーブルに書き込まれている相対距離情報を取得し、ワーク原点座標データ取得手段は、このワークに対応するワーク原点座標を、ワーク原点位置データ格納手段から取得し、外部軸計算手段は、ワーク原点座標データ取得手段によって取得されたワーク原点座標と、相対距離情報取得手段によって取得された相対距離情報と、作業を開始する座標である作業始点座標とに基づいて、ロボットの外部軸における座標を計算する。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1の発明の外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置において、外部軸計算手段は、ワーク原点座標データ取得手段によって取得されたワーク原点座標(x0,y0,z0)と、相対距離情報取得手段によって取得された相対距離情報(Δx、Δy、Δz)と、作業を開始する座標である作業始点座標(xs,ys,zs)とのx成分同士、y成分同士、z成分同士をそれぞれ加算することによって、ロボットの外部軸における座標(x,y,z)を計算する。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明の外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置において、ロボットを、溶接作業を行う溶接ロボットに適用している。
【0021】
請求項4の発明は、外部軸に沿って移動しながら作業を行うロボットの、外部軸における座標を決定する決定方法であって、まず、ロボットの作業対象であるワークの形状、寸法、および作業方法に基づいて定義される作業属性毎に各ワークを分類した作業属性テーブルと、各作業対象を作業してなる製品を、ワークの寸法と形状特徴とに基づいて定義されるパターンコード毎に分類したパターン定義テーブルと、ロボットと外部軸との相対距離情報を書き込んだパターンデータテーブルと、各ワークの原点座標であるワーク原点座標とをそれぞれ予め格納しておく。
【0022】
次に、このワークを、作業属性テーブルにしたがって、作業属性のうちの何れかに分類するために必要な分類用データを抽出し、この抽出した分類用データを、作業属性テーブルと比較することによって、このワークを作業属性のうちの何れかに分類する。
【0023】
そして、この分類した作業属性と、対応する分類用データとに基づいて、パターンコードで定義されているデータ項目を抽出し、この抽出したデータ項目のデータを、パターン定義テーブルと比較することによって、このワークがどのパターンコードに該当するかを決定し、この決定したパターンコードに基づいて、このパターンコードに該当するパターンデータテーブルを抽出し、抽出したパターンデータテーブルに書き込まれている相対距離情報を取得し、このワークに対応するワーク原点座標を、予め格納した各ワークのワーク原点座標データの中から取得し、この取得したワーク原点座標と、取得した相対距離情報と、作業を開始する座標である作業始点座標とに基づいて、ロボットの外部軸における座標を計算する。
【0024】
従って、請求項1乃至4に示す本発明においては、以上のような手段を講じることにより、予め格納しているワーク原点座標と、相対距離情報と、作業始点座標とに基づいて、ロボットの外部軸における座標を計算することができる。
【0025】
これにより、ワークの形状および寸法が変更になったり、ロボットの設備仕様が変更になった場合でも、変更に応じた作業属性データテーブルを用いることにより計算可能となるので、外部軸における座標を決定するためのプログラム修正は不要となる。
【0026】
このように、プログラムを修正することなく、汎用的に外部軸における座標を計算することができるので、オペレータの負荷の低減を図るとともに、ロボットの作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0028】
なお、以下の各実施の形態の説明に用いる図中の符号は、図9および図10と同一部分については同一符号を付して示すことにする。
【0029】
本発明の実施の形態を図1から図8を用いて説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【0031】
すなわち、本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置は、溶接ロボット64に適用した例であって、装置本体30と、溶接属性テーブル格納部40と、パターンテーブル格納部41とからなる。更に装置本体30は、溶接属性データテーブル用キーワード値抽出部31と、パターン定義テーブル用キーワード抽出部32と、パターン定義テーブル用キーワード値抽出部33と、キーワード値比較部34と、パターンコード抽出部35と、相対距離抽出部36と、外部軸座標系原点抽出部37と、外部軸座標値計算部38とを備えている。
【0032】
溶接属性テーブル格納部40は、溶接対象となるワーク70の部材形状および寸法に関する情報である溶接属性データテーブルを備えている。この溶接属性データテーブルは、その一例を図2に示すように、ワーク70を、溶接姿勢、部材形状パターン、立板の表/裏、始点座標、終点座標、溶接線長で分類されるパターンをまとめたデータテーブルである。図2は、ワーク70を、溶接線1から溶接線nまでのn個のワーク70について分類した例を示している。このような溶接属性データテーブルは、図示しないCADシステムに入力されたCADデータから溶接線に関する情報を抽出することによって予め作成しておき、溶接属性テーブル格納部40に格納しておく。なお、溶接属性テーブル格納部40に格納されているパターンに分類されないような新たなパターンについては、新たにデータテーブルを作成し、適宜溶接属性テーブル格納部40に格納する。
【0033】
溶接姿勢のデータが「1」の場合には水平溶接を示し、「4」の場合には立向溶接を示している。水平溶接とは、図3(a)中の溶接線1〜溶接線18に示すように水平方向に行う溶接であり、立向溶接とは、図3(b)中の溶接線19〜溶接線20に示すように鉛直方向に行う溶接である。部材形状パターンが「HSITF」の場合には水平スチフナを示し、「VSITF」の場合には垂直スチフナを示している。立板の表/裏が「1」の場合には表を、「−1」の場合には裏を示している。溶接線長は溶接線の長さを(mm)単位で示している。
【0034】
パターンテーブル格納部41は、パターン定義テーブルと、パターンデータテーブルと、パターン計算テーブルと、ワーク原点位置データとを備えている。
【0035】
パターン定義テーブルは、ワーク70を溶接してなる製品を、ワーク70の寸法と形状特徴とに基づくパターンコード毎に分類したテーブルであって、図4(a)にその例を示すようなデータ構造をしている。すなわち、図4(a)に示す溶接姿勢、部材形状パターン、立板の表/裏は、図2の溶接属性データテーブルの溶接姿勢、部材形状パターン、立板の表/裏であり、溶接線長を、更に最小と最大の範囲内で分類することによって、溶接属性テーブルを更に細分類している。そして、細分類されたおのおのに自然数からなる個別のパターンコードを付している。
【0036】
パターンデータテーブルは、図4(a)に示すパターン定義テーブルのパターンコード毎に設定した相対距離Δx、相対距離Δy、相対距離Δzのパターンをまとめたテーブルであり、その一例を図4(b)、図4(c)、図4(d)に示す。図4(b)は、図4(a)に示すパターンコードが「0」の部材形状に対応する相対距離のパターンを、図4(c)は、図4(a)に示すパターンコードが「1」の部材形状に対応する相対距離のパターンを、図4(d)は、図4(a)に示すパターンコードが「2」の部材形状に対応する相対距離のパターンをそれぞれ示している。
【0037】
図4(b)、図4(c)、図4(d)に示すように、パターンデータテーブルは、相対距離Δx、相対距離Δy、相対距離Δz毎に、「計算の有無」および「定数/計算コード」をまとめている。相対距離とは、図5に示すように、トーチ65の先端部の座標と、固定部72の座標との隔離距離をそれぞれx成分、y成分、z成分で示したものである。このような相対距離(Δx、Δy、Δz)は、一様に決定されるもの、経験的に決定されるもの、あるいは計算により決定されるものがあることが既に知られており、図4(b)、図4(c)、図4(d)に示すパターンデータテーブルにその決定方法をまとめている。
【0038】
図4(b)、図4(c)、図4(d)では、部材形状から一様に決定される相対距離については、「計算の有無」を「0」として、「定数/計算コード」に、相対距離そのものの値を入力する。一方、一様に決定されない相対距離については、計算で求めるものとし、「計算の有無」を「1」として、「定数/計算コード」に、後述するパターン計算テーブルで定義されている計算方法を参照するための引数を入力する。
【0039】
パターン計算テーブルは、相対距離の計算方法をテーブル化したものであり、図6にその一例を示すように、「計算コード」、「演算コード」、「溶接属性データのキーワード」、「定数」から構成している。「計算コード」は、図4(b)、図4(c)、図4(d)に示すパターンデータテーブルの「計算の有無」が「1」である場合に、「定数/計算コード」に入力された数値に対応している。「演算コード」とは、後述する「溶接属性データのキーワード」と「定数」とを用いて相対距離を計算するための演算方法を定義するデータであって、「1」の場合には、「溶接属性データのキーワード」と「定数」とを加算することによって相対距離を計算することを示している。
【0040】
同様に、「2」の場合には「溶接属性データのキーワード」から「定数」を減算することによって、「3」の場合には「溶接属性データのキーワード」と「定数」とを乗算することによって、「4」の場合には「溶接属性データのキーワード」を「定数」で除算することによってそれぞれ相対距離を計算する。たとえば、図6に示すようなパターン計算テーブルの場合、パターンコードが「0」の相対距離xは、溶接線長である500(mm)を定数2.0で除した値である250(mm)となる。
【0041】
このような計算方法もまた経験的に予め定義しておくものであって、新たな計算方法によって相対距離を求める場合には、図4(b)、図4(c)、図4(d)の「定数/計算コード」毎に定義してパターンテーブル格納部41に格納しておく。
【0042】
ワーク原点位置データは、ワーク70の部材形状および寸法毎に決定するワーク原点の値を格納したテーブルである。ワーク原点は、図7に示すように、ワーク70の部材形状毎に決まるものであり、ワーク70毎に存在する。
【0043】
溶接属性データテーブル用キーワード値抽出部31は、溶接属性テーブル格納部40に格納された溶接属性テーブルからキーワード値を抽出する。ここでキーワード値とは、図2に示す例では、溶接姿勢、部材形状パターン、立板の表/裏、始点座標、終点座標、溶接線長それぞれの値に相当する。そして、抽出したキーワード値をパターン定義テーブル用キーワード抽出部32を介してパターン定義テーブル用キーワード値抽出部33へ出力する。パターン定義テーブル用キーワード抽出部32は、パターンテーブル格納部41に格納されたパターン定義テーブルからキーワードを抽出する。ここでキーワードとは、図4に示す例では、溶接姿勢、部材形状パターン、溶接線長、立板の表/裏に相当する。そして、抽出したキーワード、および溶接属性テーブル用キーワード値抽出部31から抽出されたキーワード値を、パターン定義テーブル用キーワード値抽出部33に出力する。パターン定義テーブル用キーワード値抽出部33は、パターン定義テーブル用キーワード抽出部32から出力されたキーワード(溶接姿勢、部材形状パターン、立板の表/裏、始点座標、終点座標、溶接線長)に該当するデータを、溶接属性データテーブル用キーワード値抽出部31から出力されたキーワード値から抽出し、その抽出データをキーワード値比較部34に出力する。
【0044】
キーワード値比較部34は、パターン定義テーブル用キーワード値抽出部33から出力された抽出データを、パターンテーブル格納部41に格納されているパターン定義テーブルと比較する。そして、比較結果をパターンコード抽出部35に出力する。
【0045】
パターンコード抽出部35は、キーワード値比較部34から出力された比較結果に基づいて、このワーク70がどのパターンコードに該当するか決定し、決定されたパターンコードを相対距離抽出部36に出力する。
【0046】
相対距離抽出部36は、パターンコード抽出部35から出力されたパターンコードに基づいて、このパターンコードに該当するパターンデータテーブルをパターンテーブル格納部41から抽出し、抽出したパターンデータテーブルに書き込まれている相対距離の値を取得する。または、パターンデータテーブルの「計算の有無」が「1」である場合には、「定数/計算コード」で指示されている計算コード番号に該当するパターン計算テーブルにしたがって計算することによって、相対距離の値を取得する。そして、これら取得した相対距離(Δx、Δy、Δz)の値を、パターンテーブル格納部41から抽出したパターンデータテーブルとともに、外部軸座標系原点抽出部37に出力する。
【0047】
外部軸座標系原点抽出部37は、相対距離抽出部36から出力されたパターンデータテーブルに対応するワーク原点位置データ(x0,y0,z0)の値を、パターンテーブル格納部41から抽出する。そして、抽出したワーク原点位置データ(x0,y0,z0)の値を、相対距離抽出部36から出力された相対距離(Δx、Δy、Δz)の値とともに外部軸座標値計算部38に出力する。
【0048】
外部軸座標値計算部38は、外部軸座標系原点抽出部37から出力されたワーク原点位置データ(x0,y0,z0)の値と、相対距離(Δx、Δy、Δz)の値とに基づいて、以下に示す(1)〜(3)式に基づいて外部軸座標値(x,y,z)をそれぞれ計算する。なお、下記(1)〜(3)式において、xs,ys,zsは、図5(a)に示すように、溶接線の始点座標である。
【0049】
x=xs+Δx+x0・・・(1)
y=ys+Δy+y0・・・(2)
z=zs+Δz+z0・・・(3)
このように、本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置は、ワーク70に対する溶接ロボット64の位置を、相対距離(Δx、Δy、Δz)としてパターンテーブル格納部41に持たせている。そして、この相対距離を、上記(1)〜(3)式に代入することによって外部軸座標値(x,y,z)を計算する。
【0050】
これにより、ワーク70の部材形状および寸法が変更になったり、ロボットの設備仕様が変更になった場合には、変更に応じた溶接属性データテーブルを用いることにより、外部軸座標を計算することが可能となり、装置本体30のプログラム修正を不要としている。
【0051】
更に、ワーク70の部材形状および寸法や、相対距離の計算方法をパターン化し、各パターン毎に相対距離を設定することによって、部材形状および寸法の多様化に対しても、同様にパターンテーブル格納部41に格納しているパターン定義テーブル、パターンデータテーブル、パターン計算テーブル、およびワーク原点位置データに適宜必要なデータを追加することにより、外部軸座標値を計算することが可能となり、装置本体30のプログラム修正を不要としている。
【0052】
次に、以上のように構成した本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置の動作について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0053】
まず、本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置を用いてロボットの外部軸座標値(x,y,z)を決定する場合には、図示しないCADシステムに入力されたCADデータから、溶接線に関する情報を抽出することによって溶接属性データテーブルが作成され、溶接属性テーブル格納部40に格納される(S1)。
【0054】
溶接属性データテーブル用キーワード値抽出部31では、溶接属性テーブル格納部40に格納されている溶接属性データテーブルの各キーワード(溶接姿勢、部材形状パターン、立板の表/裏、始点座標、終点座標、溶接線長)に対する値であるキーワード値が抽出され、パターン定義テーブル用キーワード抽出部32を介してパターン定義テーブル用キーワード値抽出部33へ出力される(S2)。パターン定義テーブル用キーワード抽出部32では、パターンテーブル格納部41に格納されたパターン定義テーブルからキーワード(溶接姿勢、部材形状パターン、溶接線長、立板の表/裏)が抽出される。そして、抽出されたキーワードは、パターン定義テーブル用キーワード値抽出部33へと出力される(S3)。
【0055】
パターン定義テーブル用キーワード値抽出部33では、パターン定義テーブル用キーワード抽出部32から出力されたキーワードに該当するデータが、溶接属性データテーブル用キーワード値抽出部31から出力されたキーワード値から抽出される。そして、この抽出データはキーワード値比較部34へ出力される(S4)。
【0056】
キーワード値比較部34では、ステップS4でパターン定義テーブル用キーワード値抽出部33から出力された抽出データが、パターンテーブル格納部41に格納されているパターン定義テーブルと比較される。その比較結果は、パターンコード抽出部35へ出力される(S5)。
【0057】
パターンコード抽出部35では、ステップS5においてキーワード値比較部34から出力された比較結果に基づいて、このワーク70がどのパターンコードに該当するかが決定される。そして、決定されたパターンコードが相対距離抽出部36へと出力される(S6)。
【0058】
相対距離抽出部36では、ステップS6でパターンコード抽出部35から出力されたパターンコードに基づいて、このパターンコードに該当するパターンデータテーブルがパターンテーブル格納部41から抽出され、抽出されたパターンデータテーブルに書き込まれている相対距離の値が取得される。この場合、パターンデータテーブルの「計算の有無」が「1」である場合には、「定数/計算コード」で指示されている計算コード番号に該当するパターン計算テーブルにしたがって計算することによって、相対距離が取得される。そして、これら取得した相対距離(Δx、Δy、Δz)の値は、パターンテーブル格納部41から抽出したパターンデータテーブルとともに、外部軸座標系原点抽出部37へと出力される(S7)。
【0059】
外部軸座標系原点抽出部37では、ステップS7で相対距離抽出部36から出力されたパターンデータテーブルに対応するワーク原点位置データ(x0,y0,z0)の値が、パターンテーブル格納部41から抽出される。そして、抽出したワーク原点位置(x0,y0,z0)の値が、相対距離抽出部36から出力された相対距離(Δx、Δy、Δz)の値とともに外部軸座標値計算部38へと出力される(S8)。
【0060】
外部軸座標値計算部38では、ステップS8で外部軸座標系原点抽出部37から出力されたワーク原点位置データ(x0,y0,z0)の値と、相対距離(Δx、Δy、Δz)の値とに基づいて、上述した(1)〜(3)式に基づいて外部軸座標値(x,y,z)がそれぞれ計算される(S9)。
【0061】
そして、全ての溶接線について外部軸座標値が計算された場合(S10:Yes)には処理を終了し、外部軸座標値が計算されていない溶接線がある場合(S10:No)には、ステップS2の処理に戻る。これによって、全ての溶接線に対して外部軸座標値が計算される。
【0062】
上述したように、本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置は、ワーク70に対する溶接ロボット64の位置が、相対距離(Δx、Δy、Δz)としてパターンテーブル格納部41に予め格納されている。そして、この相対距離を、上述した(1)〜(3)式に代入することによって外部軸座標値(x,y,z)を計算することができる。
【0063】
これにより、ワーク70の部材形状および寸法が変更になったり、ロボットの設備仕様が変更になった場合には、変更に応じた溶接属性データテーブルを用いることにより、外部軸座標値を計算することが可能となる。したがって、装置本体30のプログラム修正は不要となる。
【0064】
また、ワーク70の部材形状および寸法や、相対距離の計算方法をパターン化し、各パターン毎に相対距離を設定することによって、部材形状および寸法の多様化に対しても、同様に、パターンテーブル格納部41に格納しているパターン定義テーブル、パターンデータテーブル、パターン計算テーブル、およびワーク原点位置データに適宜必要なデータを追加することにより、外部軸座標値を計算することが可能となる。この場合も、装置本体30のプログラム修正は不要となる。
【0065】
以上により、オペレータの負荷の低減を図るとともに、ロボットの作業効率の向上を図ることが可能な外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法を実現することができる。
【0066】
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0067】
上記実施の形態では、溶接ロボットを例に説明したが、本発明は、溶接ロボットのみに適用されるものではなく、塗装ロボットなど、レールやスライダやガントリなどの外部軸に固定され、この外部軸に沿って移動されながら作業を行う全てのロボットに対しても適用可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ワークの形状および寸法や、ロボットの設備仕様が変更になった場合であっても、ロボットの外部軸座標値を自動的に計算することができる。
【0069】
以上により、オペレータの負荷の低減を図るとともに、ロボットの作業効率の向上を図ることが可能な外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置の構成例を示す機能ブロック図
【図2】溶接属性テーブルの一例を示すデータ構造図
【図3】溶接姿勢を説明するための模式図
【図4】パターン定義テーブルおよびパターンデータテーブルの一例を示すデータ構造図
【図5】相対距離を説明するための溶接ロボットの正面図および平面図
【図6】パターン計算テーブルの一例を示すデータ構造図
【図7】ワーク原点を説明するための模式図
【図8】本発明の実施の形態に係る外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法を適用した座標決定装置の動作を示すフローチャート
【図9】レールに沿って移動するガントリに固定された溶接ロボットを示す斜視図
【図10】図9のA−A線に沿った断面図
【符号の説明】
30…装置本体
31…溶接属性データテーブル用キーワード値抽出部 32…パターン定義テーブル用キーワード抽出部
33…パターン定義テーブル用キーワード値抽出部
34…キーワード値比較部
35…パターンコード抽出部
36…相対距離抽出部
37…外部軸座標系原点抽出部
38…外部軸座標値計算部
40…溶接属性テーブル格納部
41…パターンテーブル格納部
60…レール
62…ガントリ
64…溶接ロボット
65…トーチ
66…昇降アーム
68…ワークエリア
70…ワーク
72…固定部
Claims (4)
- 外部軸に沿って移動しながら作業を行うロボットの、前記外部軸における座標を決定する決定装置であって、
前記ロボットの作業対象であるワークの形状、寸法、および作業方法に基づいて定義される作業属性毎に前記各ワークを分類した作業属性テーブルを、予め格納した作業属性テーブル格納手段と、
前記各作業対象を作業してなる製品を、前記ワークの寸法と形状特徴とに基づいて定義されるパターンコード毎に分類したパターン定義テーブルを、予め格納したパターン定義テーブル格納手段と、
前記ロボットと前記外部軸との相対距離情報を書き込んだパターンデータテーブルを、予め格納したパターンデータテーブル格納手段と、
前記各ワークの原点座標であるワーク原点座標をそれぞれ予め格納したワーク原点位置データ格納手段と、
前記ワークを、前記作業属性テーブルにしたがって、前記作業属性のうちの何れかに分類するために必要な分類用データを抽出する分類用データ抽出手段と、
前記分類用データ抽出手段によって抽出された分類用データを、前記作業属性テーブルと比較することによって、このワークを前記作業属性のうちの何れかに分類する作業属性分類手段と、
前記作業属性分類手段によって分類された作業属性と、対応する分類用データとに基づいて、前記パターンコードで定義されているデータ項目を抽出するデータ項目抽出手段と、
前記データ項目抽出手段によって抽出されたデータ項目のデータを、前記パターン定義テーブルと比較することによって、このワークがどのパターンコードに該当するかを決定するパターンコード決定手段と、
前記パターンコード決定手段によって決定されたパターンコードに基づいて、このパターンコードに該当するパターンデータテーブルを、前記パターンデータテーブル格納手段から抽出し、抽出したパターンデータテーブルに書き込まれている相対距離情報を取得する相対距離情報取得手段と、
このワークに対応するワーク原点座標を、前記ワーク原点位置データ格納手段から取得するワーク原点座標データ取得手段と、
前記ワーク原点座標データ取得手段によって取得されたワーク原点座標と、前記相対距離情報取得手段によって取得された相対距離情報と、前記作業を開始する座標である作業始点座標とに基づいて、前記ロボットの前記外部軸における座標を計算する外部軸計算手段と
を備えた外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置。 - 請求項1に記載の外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置において、
前記外部軸計算手段は、前記ワーク原点座標データ取得手段によって取得されたワーク原点座標(x0,y0,z0)と、前記相対距離情報取得手段によって取得された相対距離情報(Δx、Δy、Δz)と、前記作業を開始する座標である作業始点座標(xs,ys,zs)とのx成分同士、y成分同士、z成分同士をそれぞれ加算することによって、前記ロボットの前記外部軸における座標(x,y,z)を計算するようにした
外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置において、
前記ロボットを、溶接作業を行う溶接ロボットとした外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置。 - 外部軸に沿って移動しながら作業を行うロボットの、前記外部軸における座標を決定する決定方法であって、
前記ロボットの作業対象であるワークの形状、寸法、および作業方法に基づいて定義される作業属性毎に前記各ワークを分類した作業属性テーブルと、前記各作業対象を作業してなる製品を、前記ワークの寸法と形状特徴とに基づいて定義されるパターンコード毎に分類したパターン定義テーブルと、前記ロボットと前記外部軸との相対距離情報を書き込んだパターンデータテーブルと、前記各ワークの原点座標であるワーク原点座標とをそれぞれ予め格納しておき、
前記ワークを、前記作業属性テーブルにしたがって、前記作業属性のうちの何れかに分類するために必要な分類用データを抽出し、
この抽出した分類用データを、前記作業属性テーブルと比較することによって、このワークを前記作業属性のうちの何れかに分類し、
この分類した作業属性と、対応する分類用データとに基づいて、前記パターンコードで定義されているデータ項目を抽出し、
この抽出したデータ項目のデータを、前記パターン定義テーブルと比較することによって、このワークがどのパターンコードに該当するかを決定し、
この決定したパターンコードに基づいて、このパターンコードに該当するパターンデータテーブルを抽出し、抽出したパターンデータテーブルに書き込まれている相対距離情報を取得し、
このワークに対応するワーク原点座標を、予め格納した各ワークのワーク原点座標データの中から取得し、
この取得したワーク原点座標と、前記取得した相対距離情報と、前記作業を開始する座標である作業始点座標とに基づいて、前記ロボットの前記外部軸における座標を計算するようにした
外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定方法。
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---|---|---|---|
JP2002167351A JP2004009221A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法 |
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JP2002167351A JP2004009221A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法 |
Publications (1)
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JP2004009221A true JP2004009221A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30434630
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JP2002167351A Withdrawn JP2004009221A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 外部軸に沿って移動するロボットの外部軸における座標決定装置および座標決定方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004009221A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007518586A (ja) * | 2004-01-20 | 2007-07-12 | ユニバーシティ オブ サウザーン カリフォルニア | ロボットシステムを含む自動建設 |
-
2002
- 2002-06-07 JP JP2002167351A patent/JP2004009221A/ja not_active Withdrawn
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