JP2004009052A - 溶解金属供給装置及びダイカストマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】より簡単、短時間に、より適正な金属溶湯を鋳造毎に生成可能にすると共に、高品位のダイカスト製品を効率的に成形可能にする。
【解決手段】蓄積部20に貯えられた粒状又は粉状の金属材料Mは、計量供給手段30のスクリュ32を回転させることによりシリンダ31の先端へ送り出される。シリンダ31の先端には、邪魔板36が傾動可能に取り付けられ、スクリュ32が回転しているときのみシリンダ31の先端開口を開いて粒状又は粉状の金属材料Mを溶解供給手段40へ供給し、スクリュ32の回転が停止すると、シリンダ31の先端開口を閉じる。そこで、溶解供給手段40には、スクリュ32の回転量に応じたより正確な量の金属材料Mが供給される。これにより溶解供給手段40での溶解及びダイカストマシンでの成形が的確に行われる。
【選択図】 図1
【解決手段】蓄積部20に貯えられた粒状又は粉状の金属材料Mは、計量供給手段30のスクリュ32を回転させることによりシリンダ31の先端へ送り出される。シリンダ31の先端には、邪魔板36が傾動可能に取り付けられ、スクリュ32が回転しているときのみシリンダ31の先端開口を開いて粒状又は粉状の金属材料Mを溶解供給手段40へ供給し、スクリュ32の回転が停止すると、シリンダ31の先端開口を閉じる。そこで、溶解供給手段40には、スクリュ32の回転量に応じたより正確な量の金属材料Mが供給される。これにより溶解供給手段40での溶解及びダイカストマシンでの成形が的確に行われる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばダイカストマシン等の鋳造装置に適用される溶解金属供給装置及び、この溶解金属供給装置を備えるダイカストマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ダイカストマシンは、一対の固定金型と移動金型、これらの両金型をそれぞれ保持する固定ダイプレートと移動ダイプレート、この移動ダイプレートをタイバーに沿って移動させることにより両金型の開閉及び型締を行う型締装置、両金型間に形成されるキャビティに金属溶湯を射出、充填する射出装置及び、溶解金属を射出装置に供給する給湯装置を備えている。
【0003】
このようなダイカストマシンでは、固定金型と移動金型とを型締装置によって型締した状態で、給湯装置により金属溶湯を射出装置のスリーブに供給し、スリーブに嵌合されたプランジャを駆動することにより、キャビティ内に金属溶湯を射出、充填してダイカスト製品を鋳造する。
【0004】
射出装置のスリーブへの金属溶湯の供給は、例えば、溶解炉において予め溶解された十分量の金属溶湯からラドルを用いて一回の鋳造に必要な量を汲み上げ、これをスリーブの給湯口まで搬送して供給する方式や、一回の鋳造に必要な量の粒状又は粉状の金属材料を計量して小型の加熱溶解装置に供給し、一回の鋳造に必要な量の金属溶湯を鋳造毎に生成してスリーブに供給する方式等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の一回の鋳造に必要な量の金属溶湯を鋳造毎に生成して供給する方式は、省エネルギー化及び金属溶湯の酸化の抑制等の点で優れているが、加熱溶解装置へ供給する粒状又は粉状の金属材料の量が鋳造毎に異なると、溶解状態が鋳造毎に異なり、所定の溶解状態すなわち所定の温度の金属溶湯を生成するための加熱の制御が複雑となり、より簡単、短時間に、より適正な溶解状態すなわち所望の温度の金属溶湯を生成することが困難であった。
【0006】
また、ダイカストマシンのスリーブへ供給する金属溶湯の量が異なると、金属溶湯をキャビティへ的確に射出、充填することができないと共に、金属溶湯の無駄を生じる。このため、上記加熱溶解装置には一回の鋳造に必要な量の粒状又は粉状の金属材料をより正確に計量して供給することが要求される。
【0007】
本発明は、上記の要求を満足させ、より簡単、短時間に、より適正な金属溶湯を鋳造毎に生成することのできる溶解金属供給装置及び、この溶解金属供給装置を適用してより高品位で無駄の少ないダイカスト成形が可能なダイカストマシンを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、鋳造装置に金属材料を一回の鋳造毎に溶解して供給する溶解金属供給装置であって、前記鋳造装置に対して所定の位置に配置され、金属材料を加熱溶解して金属溶湯とし、前記鋳造装置に供給する溶解供給手段と、蓄積部に貯えられた粒状又は粉状の金属材料を送出するためのシリンダ及びスクリュを備え、このスクリュの回転量に応じた量の金属材料を一回の鋳造毎に前記シリンダの先端部から落下させて前記溶解供給手段に供給する計量供給手段とを有し、前記シリンダの先端には、前記スクリュの回転中は送り出される金属材料により前記シリンダの先端開口を開き、スクリュの停止時には前記シリンダの先端開口を閉じる邪魔板が傾動可能に取り付けられていることを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、一対の金型を保持し、該金型の開閉及び型締を行う型締装置と、型締された前記金型の間に形成されたキャビティに金属溶湯を射出、充填する射出装置と、前記射出装置のスリーブに金属溶湯を供給する溶解金属供給装置とを有するダイカストマシンであって、前記溶解金属供給装置は、前記射出装置のスリーブに対して所定の位置に配置され、金属材料を加熱溶解して金属溶湯とし、前記鋳造装置に供給する溶解供給手段と、蓄積部に貯えられた粒状又は粉状の金属材料を送出するためのシリンダ及びスクリュを備え、このスクリュの回転量に応じた量の金属材料を一回の鋳造毎に前記シリンダの先端部から落下させて前記溶解供給手段に供給する計量供給手段とを有し、前記シリンダの先端には、前記スクリュの回転中は送り出される金属材料により前記シリンダの先端開口を開き、スクリュの停止時には前記シリンダの先端開口を閉じる邪魔板が傾動可能に取り付けられていることを特徴としている。
【0010】
本発明においては、蓄積部から溶解供給手段へ供給される粒状又は粉状の金属材料は、シリンダの先端に取り付けられた邪魔板の作用により、スクリュが回転しているときのみシリンダの先端開口から送り出される。このためスクリュの回転量により蓄積部から溶解供給手段へ供給する粒状又は粉状の金属材料の量をより正確に計量することができる。これにより、より簡単、短時間に、より適正な溶解状態の金属溶湯を一回の鋳造毎に生成することができると共に、この溶解金属供給装置をダイカストマシンに採用することにより高品位のダイカスト製品を効率的に成形することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施の形態例について図1ないし図2を参照して説明する。図1において、10は本発明による溶解金属供給装置であり、蓄積部20、計量供給手段30及び、溶解供給手段40を備えている。50は、図2に概要を示すダイカストマシンであり、52は、その射出装置51のスリーブである。
【0012】
蓄積部20は、ホッパ21を備え、粒状又は粉状の金属材料Mを貯える。計量供給手段30は、シリンダ31とスクリュ32を備え、シリンダ31の図1において右端寄りの元端側にホッパ21の下部開口22が接続固定されている。シリンダ31の内面には、耐摩耗性に富むシリンダライナ33が設けられている。
【0013】
スクリュ32は断面が四角形の線又は棒状材をコイル状に巻いたものであり、その元端部がシリンダ31の元端に取り付けられているサーボモータ34の出力軸35に取付固定されている。なお、このスクリュ32は、図示のものに限らず、棒の外周に断面が四角形又は円形の線又は棒状材をコイル状に巻き付けたものや、棒の外周に溝を設けたもの等、種々の形式のスクリュを適用することができる。
【0014】
シリンダ31の先端には、シリンダ31の先端開口を塞ぐ邪魔板36が取り付けられている。この邪魔板36は、その上部がヒンジ37によりシリンダ31の上部に傾動自在に取り付けられ、ヒンジ37にはねじりバネ38が係合されている。このねじりバネ38は、両端が邪魔板36の上部右側面とシリンダ31の上面にそれぞれ沿って伸び、邪魔板36を閉じる方向への付勢力を与えるようになっている。また、邪魔板36は、シリンダ31の先端開口部内から崩落しようとする粒状又は粉状の金属材料Mにより押し開かれる力を小さく抑え、より小さな力で閉じることができるように、閉鎖位置が図1に示すように斜めに設定されている。
【0015】
シリンダ31の先端には、後述するように邪魔板36を押し開いて送り出された粒状又は粉状の金属材料Mを溶解供給手段40へ導く導管39が接続されている。
【0016】
溶解供給手段40は、導管39に接続された筒状の溶解容器41を備え、この溶解容器41の下端は、駆動装置42により移動される底蓋43により開閉される。溶解容器41の外周には、高周波コイル44が巻回され、後述するように溶解容器41へ投入された粒状又は粉状の金属材料Mを高周波誘導加熱により溶解する。
【0017】
溶解容器41の下方には、ダイカストマシン50の射出装置51のスリーブ52が配置されている。スリーブ52の給湯口53には、溶解容器41から流出する金属溶湯を給湯口53へ導くホッパ54が取り付けられている。
【0018】
図2は、ダイカストマシン50の概要を示す図であり、射出装置51は、上記スリーブ52と、このスリーブ52に嵌合されたプランジャ55を備え、プランジャ55はプランジャロッド56を介して図示しない駆動装置に連結されている。57は、ダイカストマシン50の固定ダイプレート58に取り付けられた固定金型、59は、同じくダイカストマシン50の図示省略した型締装置により図2において左右へ移動される移動ダイプレート60に取り付けられた移動金型であり、両金型57、59によりキャビティ61を形成する。
【0019】
次いで本装置の作用について説明する。サーボモータ34によりスクリュ32を予め設定した所定の速度で所定量回転させると、ホッパ21内の粒状又は粉状の金属材料Mがシリンダ31内に取り込まれると共に、シリンダ31の先端側へ送られる。
【0020】
スクリュ32の回転によりシリンダ31の先端側へ送られた粒状又は粉状の金属材料Mは、ねじりバネ38に抗して邪魔板36を押し開き、導管39内に落下し、溶解容器41内へ投入される。この邪魔板36を押し開いてシリンダ31から溶解容器41へ投入される粒状又は粉状の金属材料Mの量は、邪魔板36の存在によりスクリュ32の回転量に極めて正確に比例する。また、スクリュ32の回転を停止すると、邪魔板36はねじりバネ38により閉じる方向への付勢力を与えられているため、直ちに、シリンダ31の先端開口からの粒状又は粉状の金属材料Mの落下を阻止する。
【0021】
そこで、シリンダ31から溶解容器41へ投入される粒状又は粉状の金属材料Mの量は、スクリュ32の回転量をサーボモータ34により適宜に定めることにより、所望の値に極めて正確に定められる。
【0022】
溶解容器41に供給された粒状又は粉状の金属材料Mは、高周波コイル44へ供給される高周波電流により誘導加熱されて溶解されるが、粒状又は粉状の金属材料Mの量が正確に定められるているため、例えば、高周波コイル44へ供給する電力量及び時間を予め設定することなどにより、簡単、かつ的確に溶解されて所定温度の金属溶湯とすることができる。
【0023】
溶解容器41の金属溶湯は、駆動装置42により底蓋43を開くことによりスリーブ52のホッパ54へ投入され、図2に示すように、スリーブ52内へ供給される。スリーブ52内へ供給された金属溶湯MLは、プランジャ55を前進させることにより固定金型57と移動金型59との間に形成されたキャビティ61内に射出、充填され、ダイカスト成形が行われる。
【0024】
このとき、スリーブ52内へ供給される金属溶湯MLの温度が所定値に保たれていれば、品質が良好かつ安定したダイカスト製品を得ることができる。また、スリーブ52内へ供給される金属溶湯MLの量が所定値に保たれていれば、キャビティ61への射出、充填が的確に行われ、より良好な品質のダイカスト製品を得ることができると共に、無駄のない成形が可能になる。
【0025】
前述した実施の形態では、ヒンジ37に係合するねじりバネ38により邪魔板36を閉じるための付勢力を与える例を示したが、本発明はこれに限らず、邪魔板36の自重、重錘、引っ張りバネ又は圧縮バネ等の種々の付勢手段によることができ、さらに該付勢力を調整可能に構成することが好ましい。
【0026】
また、前述した実施の形態では、下端が底蓋43により開閉可能な筒状の溶解容器41と、この溶解容器41の外周に巻回された高周波コイル44とからなる溶解供給手段40を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、反転型の溶解容器を用いたものや、赤外線等の他の加熱エネルギーを用いたものであってもよいなど、種々変形実施可能である。
【0027】
さらにまた、前述した実施の形態では、本発明による溶解金属供給装置をダイカストマシンに適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、砂型鋳造装置、重力金型鋳造装置、低圧鋳造装置等にも適用可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の溶解金属供給装置によれば、より簡単、短時間に、より適正な溶解状態の金属溶湯を一回の鋳造毎に生成することができると共に、この溶解金属供給装置をダイカストマシンに適用すれば、より高品位のダイカスト製品を効率的に成形することができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による溶解金属供給装置をダイカストマシンに適用した例を示す概要断面図。
【図2】本発明による溶解金属供給装置を適用したダイカストマシンの要部概要断面図。
【符号の説明】
10 溶解金属供給装置
20 蓄積部
21 ホッパ
30 計量供給手段
31 シリンダ
32 スクリュ
34 サーボモータ
36 邪魔板
37 ヒンジ
38 ねじりバネ
39 導管
40 溶解供給手段
41 溶解容器
42 駆動装置
43 底蓋
44 高周波コイル
50 ダイカストマシン
51 射出装置
52 スリーブ
55 プランジャ
57 固定金型
58 固定ダイプレート
59 移動金型
60 移動ダイプレート
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばダイカストマシン等の鋳造装置に適用される溶解金属供給装置及び、この溶解金属供給装置を備えるダイカストマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ダイカストマシンは、一対の固定金型と移動金型、これらの両金型をそれぞれ保持する固定ダイプレートと移動ダイプレート、この移動ダイプレートをタイバーに沿って移動させることにより両金型の開閉及び型締を行う型締装置、両金型間に形成されるキャビティに金属溶湯を射出、充填する射出装置及び、溶解金属を射出装置に供給する給湯装置を備えている。
【0003】
このようなダイカストマシンでは、固定金型と移動金型とを型締装置によって型締した状態で、給湯装置により金属溶湯を射出装置のスリーブに供給し、スリーブに嵌合されたプランジャを駆動することにより、キャビティ内に金属溶湯を射出、充填してダイカスト製品を鋳造する。
【0004】
射出装置のスリーブへの金属溶湯の供給は、例えば、溶解炉において予め溶解された十分量の金属溶湯からラドルを用いて一回の鋳造に必要な量を汲み上げ、これをスリーブの給湯口まで搬送して供給する方式や、一回の鋳造に必要な量の粒状又は粉状の金属材料を計量して小型の加熱溶解装置に供給し、一回の鋳造に必要な量の金属溶湯を鋳造毎に生成してスリーブに供給する方式等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の一回の鋳造に必要な量の金属溶湯を鋳造毎に生成して供給する方式は、省エネルギー化及び金属溶湯の酸化の抑制等の点で優れているが、加熱溶解装置へ供給する粒状又は粉状の金属材料の量が鋳造毎に異なると、溶解状態が鋳造毎に異なり、所定の溶解状態すなわち所定の温度の金属溶湯を生成するための加熱の制御が複雑となり、より簡単、短時間に、より適正な溶解状態すなわち所望の温度の金属溶湯を生成することが困難であった。
【0006】
また、ダイカストマシンのスリーブへ供給する金属溶湯の量が異なると、金属溶湯をキャビティへ的確に射出、充填することができないと共に、金属溶湯の無駄を生じる。このため、上記加熱溶解装置には一回の鋳造に必要な量の粒状又は粉状の金属材料をより正確に計量して供給することが要求される。
【0007】
本発明は、上記の要求を満足させ、より簡単、短時間に、より適正な金属溶湯を鋳造毎に生成することのできる溶解金属供給装置及び、この溶解金属供給装置を適用してより高品位で無駄の少ないダイカスト成形が可能なダイカストマシンを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、鋳造装置に金属材料を一回の鋳造毎に溶解して供給する溶解金属供給装置であって、前記鋳造装置に対して所定の位置に配置され、金属材料を加熱溶解して金属溶湯とし、前記鋳造装置に供給する溶解供給手段と、蓄積部に貯えられた粒状又は粉状の金属材料を送出するためのシリンダ及びスクリュを備え、このスクリュの回転量に応じた量の金属材料を一回の鋳造毎に前記シリンダの先端部から落下させて前記溶解供給手段に供給する計量供給手段とを有し、前記シリンダの先端には、前記スクリュの回転中は送り出される金属材料により前記シリンダの先端開口を開き、スクリュの停止時には前記シリンダの先端開口を閉じる邪魔板が傾動可能に取り付けられていることを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、一対の金型を保持し、該金型の開閉及び型締を行う型締装置と、型締された前記金型の間に形成されたキャビティに金属溶湯を射出、充填する射出装置と、前記射出装置のスリーブに金属溶湯を供給する溶解金属供給装置とを有するダイカストマシンであって、前記溶解金属供給装置は、前記射出装置のスリーブに対して所定の位置に配置され、金属材料を加熱溶解して金属溶湯とし、前記鋳造装置に供給する溶解供給手段と、蓄積部に貯えられた粒状又は粉状の金属材料を送出するためのシリンダ及びスクリュを備え、このスクリュの回転量に応じた量の金属材料を一回の鋳造毎に前記シリンダの先端部から落下させて前記溶解供給手段に供給する計量供給手段とを有し、前記シリンダの先端には、前記スクリュの回転中は送り出される金属材料により前記シリンダの先端開口を開き、スクリュの停止時には前記シリンダの先端開口を閉じる邪魔板が傾動可能に取り付けられていることを特徴としている。
【0010】
本発明においては、蓄積部から溶解供給手段へ供給される粒状又は粉状の金属材料は、シリンダの先端に取り付けられた邪魔板の作用により、スクリュが回転しているときのみシリンダの先端開口から送り出される。このためスクリュの回転量により蓄積部から溶解供給手段へ供給する粒状又は粉状の金属材料の量をより正確に計量することができる。これにより、より簡単、短時間に、より適正な溶解状態の金属溶湯を一回の鋳造毎に生成することができると共に、この溶解金属供給装置をダイカストマシンに採用することにより高品位のダイカスト製品を効率的に成形することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施の形態例について図1ないし図2を参照して説明する。図1において、10は本発明による溶解金属供給装置であり、蓄積部20、計量供給手段30及び、溶解供給手段40を備えている。50は、図2に概要を示すダイカストマシンであり、52は、その射出装置51のスリーブである。
【0012】
蓄積部20は、ホッパ21を備え、粒状又は粉状の金属材料Mを貯える。計量供給手段30は、シリンダ31とスクリュ32を備え、シリンダ31の図1において右端寄りの元端側にホッパ21の下部開口22が接続固定されている。シリンダ31の内面には、耐摩耗性に富むシリンダライナ33が設けられている。
【0013】
スクリュ32は断面が四角形の線又は棒状材をコイル状に巻いたものであり、その元端部がシリンダ31の元端に取り付けられているサーボモータ34の出力軸35に取付固定されている。なお、このスクリュ32は、図示のものに限らず、棒の外周に断面が四角形又は円形の線又は棒状材をコイル状に巻き付けたものや、棒の外周に溝を設けたもの等、種々の形式のスクリュを適用することができる。
【0014】
シリンダ31の先端には、シリンダ31の先端開口を塞ぐ邪魔板36が取り付けられている。この邪魔板36は、その上部がヒンジ37によりシリンダ31の上部に傾動自在に取り付けられ、ヒンジ37にはねじりバネ38が係合されている。このねじりバネ38は、両端が邪魔板36の上部右側面とシリンダ31の上面にそれぞれ沿って伸び、邪魔板36を閉じる方向への付勢力を与えるようになっている。また、邪魔板36は、シリンダ31の先端開口部内から崩落しようとする粒状又は粉状の金属材料Mにより押し開かれる力を小さく抑え、より小さな力で閉じることができるように、閉鎖位置が図1に示すように斜めに設定されている。
【0015】
シリンダ31の先端には、後述するように邪魔板36を押し開いて送り出された粒状又は粉状の金属材料Mを溶解供給手段40へ導く導管39が接続されている。
【0016】
溶解供給手段40は、導管39に接続された筒状の溶解容器41を備え、この溶解容器41の下端は、駆動装置42により移動される底蓋43により開閉される。溶解容器41の外周には、高周波コイル44が巻回され、後述するように溶解容器41へ投入された粒状又は粉状の金属材料Mを高周波誘導加熱により溶解する。
【0017】
溶解容器41の下方には、ダイカストマシン50の射出装置51のスリーブ52が配置されている。スリーブ52の給湯口53には、溶解容器41から流出する金属溶湯を給湯口53へ導くホッパ54が取り付けられている。
【0018】
図2は、ダイカストマシン50の概要を示す図であり、射出装置51は、上記スリーブ52と、このスリーブ52に嵌合されたプランジャ55を備え、プランジャ55はプランジャロッド56を介して図示しない駆動装置に連結されている。57は、ダイカストマシン50の固定ダイプレート58に取り付けられた固定金型、59は、同じくダイカストマシン50の図示省略した型締装置により図2において左右へ移動される移動ダイプレート60に取り付けられた移動金型であり、両金型57、59によりキャビティ61を形成する。
【0019】
次いで本装置の作用について説明する。サーボモータ34によりスクリュ32を予め設定した所定の速度で所定量回転させると、ホッパ21内の粒状又は粉状の金属材料Mがシリンダ31内に取り込まれると共に、シリンダ31の先端側へ送られる。
【0020】
スクリュ32の回転によりシリンダ31の先端側へ送られた粒状又は粉状の金属材料Mは、ねじりバネ38に抗して邪魔板36を押し開き、導管39内に落下し、溶解容器41内へ投入される。この邪魔板36を押し開いてシリンダ31から溶解容器41へ投入される粒状又は粉状の金属材料Mの量は、邪魔板36の存在によりスクリュ32の回転量に極めて正確に比例する。また、スクリュ32の回転を停止すると、邪魔板36はねじりバネ38により閉じる方向への付勢力を与えられているため、直ちに、シリンダ31の先端開口からの粒状又は粉状の金属材料Mの落下を阻止する。
【0021】
そこで、シリンダ31から溶解容器41へ投入される粒状又は粉状の金属材料Mの量は、スクリュ32の回転量をサーボモータ34により適宜に定めることにより、所望の値に極めて正確に定められる。
【0022】
溶解容器41に供給された粒状又は粉状の金属材料Mは、高周波コイル44へ供給される高周波電流により誘導加熱されて溶解されるが、粒状又は粉状の金属材料Mの量が正確に定められるているため、例えば、高周波コイル44へ供給する電力量及び時間を予め設定することなどにより、簡単、かつ的確に溶解されて所定温度の金属溶湯とすることができる。
【0023】
溶解容器41の金属溶湯は、駆動装置42により底蓋43を開くことによりスリーブ52のホッパ54へ投入され、図2に示すように、スリーブ52内へ供給される。スリーブ52内へ供給された金属溶湯MLは、プランジャ55を前進させることにより固定金型57と移動金型59との間に形成されたキャビティ61内に射出、充填され、ダイカスト成形が行われる。
【0024】
このとき、スリーブ52内へ供給される金属溶湯MLの温度が所定値に保たれていれば、品質が良好かつ安定したダイカスト製品を得ることができる。また、スリーブ52内へ供給される金属溶湯MLの量が所定値に保たれていれば、キャビティ61への射出、充填が的確に行われ、より良好な品質のダイカスト製品を得ることができると共に、無駄のない成形が可能になる。
【0025】
前述した実施の形態では、ヒンジ37に係合するねじりバネ38により邪魔板36を閉じるための付勢力を与える例を示したが、本発明はこれに限らず、邪魔板36の自重、重錘、引っ張りバネ又は圧縮バネ等の種々の付勢手段によることができ、さらに該付勢力を調整可能に構成することが好ましい。
【0026】
また、前述した実施の形態では、下端が底蓋43により開閉可能な筒状の溶解容器41と、この溶解容器41の外周に巻回された高周波コイル44とからなる溶解供給手段40を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、反転型の溶解容器を用いたものや、赤外線等の他の加熱エネルギーを用いたものであってもよいなど、種々変形実施可能である。
【0027】
さらにまた、前述した実施の形態では、本発明による溶解金属供給装置をダイカストマシンに適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、砂型鋳造装置、重力金型鋳造装置、低圧鋳造装置等にも適用可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の溶解金属供給装置によれば、より簡単、短時間に、より適正な溶解状態の金属溶湯を一回の鋳造毎に生成することができると共に、この溶解金属供給装置をダイカストマシンに適用すれば、より高品位のダイカスト製品を効率的に成形することができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による溶解金属供給装置をダイカストマシンに適用した例を示す概要断面図。
【図2】本発明による溶解金属供給装置を適用したダイカストマシンの要部概要断面図。
【符号の説明】
10 溶解金属供給装置
20 蓄積部
21 ホッパ
30 計量供給手段
31 シリンダ
32 スクリュ
34 サーボモータ
36 邪魔板
37 ヒンジ
38 ねじりバネ
39 導管
40 溶解供給手段
41 溶解容器
42 駆動装置
43 底蓋
44 高周波コイル
50 ダイカストマシン
51 射出装置
52 スリーブ
55 プランジャ
57 固定金型
58 固定ダイプレート
59 移動金型
60 移動ダイプレート
Claims (2)
- 鋳造装置に金属材料を一回の鋳造毎に溶解して供給する溶解金属供給装置であって、
前記鋳造装置に対して所定の位置に配置され、金属材料を加熱溶解して金属溶湯とし、前記鋳造装置に供給する溶解供給手段と、
蓄積部に貯えられた粒状又は粉状の金属材料を送出するためのシリンダ及びスクリュを備え、このスクリュの回転量に応じた量の金属材料を一回の鋳造毎に前記シリンダの先端部から落下させて前記溶解供給手段に供給する計量供給手段とを有し、
前記シリンダの先端には、前記スクリュの回転中は送り出される金属材料により前記シリンダの先端開口を開き、スクリュの停止時には前記シリンダの先端開口を閉じる邪魔板が傾動可能に取り付けられている
ことを特徴とする溶解金属供給装置。 - 一対の金型を保持し、該金型の開閉及び型締を行う型締装置と、前記金型の間に形成されるキャビティに金属溶湯を射出、充填する射出装置と、前記射出装置のスリーブに金属溶湯を供給する溶解金属供給装置とを有するダイカストマシンであって、
前記溶解金属供給装置は、
前記射出装置のスリーブに対して所定の位置に配置され、金属材料を加熱溶解して金属溶湯とし、前記鋳造装置に供給する溶解供給手段と、
蓄積部に貯えられた粒状又は粉状の金属材料を送出するためのシリンダ及びスクリュを備え、このスクリュの回転量に応じた量の金属材料を一回の鋳造毎に前記シリンダの先端部から落下させて前記溶解供給手段に供給する計量供給手段とを有し、
前記シリンダの先端には、前記スクリュの回転中は送り出される金属材料により前記シリンダの先端開口を開き、スクリュの停止時には前記シリンダの先端開口を閉じる邪魔板が傾動可能に取り付けられている
ことを特徴とするダイカストマシン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002161275A JP2004009052A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | 溶解金属供給装置及びダイカストマシン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002161275A JP2004009052A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | 溶解金属供給装置及びダイカストマシン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004009052A true JP2004009052A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30430393
Family Applications (1)
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JP2002161275A Pending JP2004009052A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | 溶解金属供給装置及びダイカストマシン |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004009052A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017186191A1 (zh) * | 2016-04-26 | 2017-11-02 | 北京科技大学 | 一种高通量制备多组分梯度金属材料的装置 |
-
2002
- 2002-06-03 JP JP2002161275A patent/JP2004009052A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017186191A1 (zh) * | 2016-04-26 | 2017-11-02 | 北京科技大学 | 一种高通量制备多组分梯度金属材料的装置 |
US10913110B2 (en) | 2016-04-26 | 2021-02-09 | University Of Science And Technology Beijing | Apparatus for high-throughput screw caster of multi-component gradient metal material |
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