JP2004008074A - 微生物固定化培養装置及び微生物固定化培養方法 - Google Patents

微生物固定化培養装置及び微生物固定化培養方法 Download PDF

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Tomohiko Hirao
平尾 知彦
Yoshiyo Serizawa
芹澤 佳代
Yutaka Fukusato
福里  豊
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Abstract

【課題】バイオリアクターとして使用される微生物用の担体に効率的に微生物を固定でき、また担体に雑菌が混入し難い微生物固定化培養装置を開発する。
【解決手段】本発明に係る微生物固定化培養装置2は、微生物固定用の担体10を内部に装填した担体槽8と、担体槽8を内部に配置した培養槽4と、培養槽4に貯留される液体6が担体槽8に連通して流通するように担体槽8に設けられた液体流通口8aと、液体に空気を散気するため培養槽4内に配設される散気装置12からなり、散気による空気泡14の浮力により培養槽4から担体槽8へと液体を循環させることを特徴とする。担体10の表面に液体中の微生物が付着し易く、また担体表面に養分が吸着され易い。また、固定化培養期間の短縮により雑菌混入が抑制され、特定微生物を効率的に固定化培養できる。空気の散気により液体循環を生起するから、好気性微生物の培養に最適の構造を有している。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は下水処理、し尿処理、埋立地浸出水排水処理、小規模下水処理などにおいて難分解性物質を分解するための微生物培養方法に関し、更に詳細には、難分解性物質を分解できる微生物を担体に付着固定化することにより、この微生物固定化担体をバイオリアクターに利用して、ダイオキシン類や外因性内分泌撹乱物質(以下、環境ホルモンと云う)や色素成分などの難分解性物質を効率的に分解できる微生物固定化培養装置及び微生物固定化培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、下水処理・し尿処理・埋立地浸出水排水処理・小規模下水処理などの排水中には広範囲の有機物および無機物が含まれており、この中でも色素成分は通常の生物処理では分解することが難しかった。特に、近年注目されているダイオキシン類や環境ホルモンなどの難分解性物質は、前記の通常生物処理では殆んど分解不能の物質であった。
【0003】
ところが、微生物工学の進展により、色素成分やダイオキシン類や環境ホルモン等の難分解性物質を分解する微生物が次第に発見されるようになった。この微生物には、例えば、白色腐朽菌や褐色腐朽菌などの担子菌類(例:Trametes hirsuta)、また糸状菌(例:Cladosporium sp.)などが含まれている。
【0004】
これらの微生物を用いて難分解性物質を分解する処理方法には、本発明者等が開示した特開平10−286588号がある。この方法は白色腐朽菌を馴養槽で別途増殖させておき、この白色腐朽菌を反応槽に添加して難分解性物質を分解処理するものである。
【0005】
この方法は、白色腐朽菌を馴養槽で事前に増殖させることにより、反応槽における分解効率を増大化できる利点を有する。しかし、白色腐朽菌を反応槽の中に分散させるだけであるから、反応槽から白色腐朽菌が流出することがあり、流出した白色腐朽菌を回収して反応槽に戻したり、前培養した白色腐朽菌を反応槽に更に添加しなければならないといった必要性がある。
【0006】
これを改良するために、特開2001−46052において、古紙を培養基材とする培地で白色腐朽菌を培養して、白色腐朽菌を古紙に固定する技術が開発された。また、特開2001−179293では、チップ状に細かく裁断した木材に木材腐朽菌を付着固定する技術が開発された。
【0007】
これらの先行技術によれば、古紙や木材チップが白色腐朽菌や木材腐朽菌の固定化担体として使用されているから、白色腐朽菌及び木材腐朽菌が優先的に増殖する利点を有している。しかし、白色腐朽菌や木材腐朽菌は古紙や木材チップを資化するため、担体自体の消耗が激しく、適時に菌を付着させた担体を反応槽に補充する必要性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、微生物を固定する担体を、古紙や木材チップなどの従来素材から、ポリウレタン等の新規素材に転換する開発が行なわれている。ポリウレタン等の新規素材は、白色腐朽菌や褐色腐朽菌・糸状菌などの微生物では資化され難いから、担体の消耗が少ないという利点がある。
【0009】
図6は従来の微生物固定化培養装置の概略説明図である。微生物固定化培養装置2は、培養槽4のなかに培養液6を収容し、この培養液6の中に多数の担体10を投入し、送気ファンFを駆動して空気Aを散気装置12により培養液6の中に散気するように構成されている。
【0010】
培養液6は、微生物を分散させた微生物液6aと養分を溶解させた液体培地6bを適当な濃度になるように混合して形成されている。スイッチをオンすると、送気ファンFから空気Aが散気装置12に送られる。散気装置12からは無数の空気泡14が矢印a方向に上昇する。
【0011】
空気泡14が浮力により上昇すると、培養液6も上昇を始め、培養液6は矢印g方向に循環する。微小な多数の担体10が培養液6の中に分散されているから、担体10も培養液6と共に矢印g方向に循環移動する。図6では、担体10の形状を球形に表現しているが、形はなんでも良く、微小体であることを表現しているに過ぎない。
【0012】
培養液6の中には無数の微生物が分散しているから、担体10と培養液6が接触する間に、微生物は担体10の表面に付着する。この培養液6の中には養分が含まれているから、担体10に付着した微生物や培養液6内の微生物は培養により増殖し、特に、担体10の表面にも多数の微生物が増殖して固定される。
【0013】
しかし、この担体への微生物の固定化には次のような弱点がある。つまり、培養液6だけが培養槽4の中を循環するのではなく、培養液6と共に担体10も培養液6の流れに乗って培養槽4の中を一体的に循環する。従って、培養液6が強制的に担体10を通水しないため、培養液6の中の微生物が十分に担体10と接触しない。よって、担体10の表面に付着する微生物の数が有効に増えない。
【0014】
前述の通り、微生物が担体10で有効に増えないため、十分な担体固定化微生物量を得るためには、培養期間を長くする必要がある。しかし、培養期間を長くすると、培養液6に雑菌が混入する機会が増える。培養液6に雑菌が混入すると
【0015】
従って、本発明の目的は、担体の表面に効率的に微生物を付着固定でき、固定化を行なう培養期間を短縮し、雑菌が混入する確率を極力低減させ、かつ担体の浸漬・取り出しといった操作が簡単になる微生物固定化培養装置及び微生物固定化培養方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、第1の発明は、微生物固定用の担体を液体流通口を有した担体槽の内部に閉じ込め、この担体槽を液体が貯留される培養槽に浸漬して液体を循環させるから、固定状態の担体は常に新しい液体と接触することになり、担体表面に微生物が付着しやすく、また担体表面に液体の養分が吸着され易い微生物固定化培養装置を提供できる。担体と固定化される微生物との接触頻度の増加により固定化培養期間が短縮し、雑菌による目的微生物の固定化阻害が抑制され、特定種の微生物を効率的に固定化培養できるバイオリアクター装置が提供される。また、液体に空気を散気して液体循環を生起するから、液体の循環に別の駆動力を要せず、しかも空気が液体内に十分に供給されるから好気性微生物の培養に最適の構造を有している。
【0017】
第2の発明は、微生物固定用の担体を液体流通口を有した担体槽の内部に閉じ込め、この担体槽を液体が散布される培養槽の中間部に配置するから、担体は散液装置から散布される常に新しい液体と接触でき、担体表面に微生物が付着しやすく、また担体表面に液体の養分が吸着され易い微生物固定化培養装置を提供できる。流下した液体は培養槽の内底部に貯留され、再びポンプにより散液装置にフィードバックされるから、担体は常に新鮮な液体と連続的に接触でき、担体表面に微生物が付着しやすく、また担体表面に液体の養分が吸着され易い微生物固定化培養装置を提供できる。また、担体と固定化される微生物との接触頻度の増加により固定化培養期間が短縮し、雑菌による目的微生物の固定化阻害が抑制され、特定種の微生物を効率的に固定化培養できるバイオリアクター装置を提供できる。また、散気装置から散布される液体は空気と接触して流下するから、液体には十分な空気が混入して好気性微生物の培養に好適な装置を提供できる。
【0018】
第3の発明は、この微生物固定化培養装置を利用し、液体として微生物と養分を分散溶解させた培養液を用いるから、培養液の循環を通して担体槽の中で培養液と担体が十分に接触し、微生物を担体に効率的に付着固定させることができ、しかも担体に固定された微生物を培養液により効率的に培養することができる。
【0019】
第4の発明は、この微生物固定化培養装置を利用し、液体として微生物を分散させた微生物液を用いるから、微生物液を循環させて担体槽の中で微生物液と担体とを接触させるだけで、微生物を担体に効率的に付着固定させることができる。
【0020】
第5の発明は、この微生物固定化培養装置を利用し、担体槽内に微生物を既に固定させた担体を装填するから、液体として養分だけを溶解させた培養液を用いることにより、この培養液を循環させて担体槽の中で培養液と担体との接触を通して、担体に固定された微生物を効率的に培養することが可能となる。
【0021】
第6の発明は、この微生物固定化培養装置を2段に配置し、第1段目の液体を微生物を分散させた微生物液とし、第2段目の液体を養分を溶解させた培養液とするから、第1段目で担体に微生物を付着固定させ、この微生物が固定された担体を第2段目の担体とすれば、第1段を微生物固定工程とし、第2段を微生物培養工程とする連続工程が実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、難分解性物質を分解する微生物を担体の表面に効率的に付着固定し、この固定化された微生物を効率的に培養する装置及び方法を提供するものである。その要点は、担体を担体槽の中に一体的に固定して閉じ込め、この担体槽に微生物液や培養液を流通させ、両者の接触過程を通して担体に微生物を付着固定し、また担体に固定された微生物を増殖培養するものである。
【0023】
このようにして得られた担体槽及び個別の担体は微生物が大量に固定されたバイオリアクターに利用する微生物担体として機能し、この担体槽又は担体を浄化しようとする排水の中に浸漬したり、排水を担体槽に流通させることにより、排水中の難分解性物質が微生物により効率的に分解されてゆく。
【0024】
本発明が固定しようとする微生物は難分解性物質を分解する微生物であれば何でもよく、例えば、色素成分やダイオキシン類や環境ホルモン等の有害物質を分解する白色腐朽菌、褐色腐朽菌、糸状菌、その他の難分解性物質分解微生物が利用される。
【0025】
白色腐朽菌はセルロース・リグニンを強力に分解する能力を持つ担子菌として知られており、具体的にはトゥラメテス属(Trametes)、レンツィテス・ベツリナ(Lenzites betulina)、プレウロトゥス・オストゥレアトゥス(Pleurotus ostreatus)、トゥラメテス・ヒルスタ(Trametes hirsuta)等の好気性菌が存在する。
【0026】
また、難分解性物質分解菌として、白色腐朽菌と同様の性質を示す糸状菌があり、クラドスポリウム属(Cladosporium)の糸状菌は、色度成分などの難分解性物質を強力に分解できる。
【0027】
これらの微生物は産生する酵素が難分解性物質を分解する能力を有し、例えば、白色腐朽菌が菌体外に放出する酵素には、リグニンペルオキシダーゼ、マンガンペルオキシダーゼ、ラッカーゼ等がある。リグニンペルオキシダーゼやマンガンペルオキシダーゼは過酸化水素分解酵素で、白色腐朽菌が生成する過酸化水素はこれらの酵素により分解されてOHラジカルになる。このOHラジカルは強力な酸化作用を有し、ダイオキシン類・環境ホルモン・色度成分等の難分解性物質を炭酸ガス及び易分解性物質にまで酸化分解する。
【0028】
ラッカーゼはフェノール性水酸基を酸化する酵素で、例えばヒドロキノン、ポリフェノール、p−フェニレンジアミン、アスコルビン酸、シアニン色素などを酸化する。この酸化作用により、ベンゼン環を切断して分解することができる。従って、ベンゼン環から構成されるダイオキシン類に対しては顕著な分解効果を発揮する。
【0029】
本発明では、このような難分解性物質を分解する微生物を適当な水溶液に分散して微生物液とし、この微生物液を担体と接触させることにより、担体に微生物を付着させ、更に強固に固定するものである。
【0030】
また、この微生物液に養分を添加することにより培養液を調製し、培養液の中で微生物を増殖培養するだけでなく、この培養液を微生物を固定した担体に流通させるだけで、固定された微生物を成長・増殖培養することができる。
【0031】
更に、この養分を微生物を含まない適当な水や水溶液に添加して培養液を調製すれば、既に微生物が固定された担体槽にこの培養液を処理することによって、固定された微生物を増殖培養することができる。
【0032】
本発明の装置を2段直列に配置し、第1段で微生物液を処理して担体に微生物を固定させ、この担体槽を第2段の装置に配置して、この第2段装置に養分だけを含んだ培養液を処理すれば、第2段装置で担体に固定された微生物の増殖・培養が可能となる。
【0033】
微生物を培養する養分としては、炭素源としてグルコース、スクロース、フルクトース等の糖類や、窒素源として硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、エタノール等のアルコール類や有機酸がある。また、他の雑菌の繁殖を防止するために、培養液を酸性に設定するpH調整剤を添加する。このpH調整剤としては、塩酸などの強酸や酢酸などの有機酸など広範囲の酸が利用される。
【0034】
微生物を付着・固定させる担体としては、公知の全ての微生物用担体が利用でき、特に微生物液や培養液に溶解せず又は溶解し難く、微生物によって資化されない担体又はされ難い担体が好適である。
【0035】
担体の材料としては、ポリウレタン等のプラスチックスや発泡性プラスチックス、シリカ・アルミナなどの多孔性セラミックス、炭素繊維などの炭素系材料、その他公知の多孔質材料がある。形態としては、ビーズ状、球状、繊維状、ひも状、筒状、ハニカム状など各種の形態が含まれる。
【0036】
以下に、本発明に係る微生物固定化培養装置及び微生物固定化培養方法の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
【0037】
図1は本発明に係る微生物固定化培養装置2の第1実施形態の概略説明図である。微生物固定化培養装置2は、培養槽4の中に培養液6を貯留し、この培養液6は微生物を分散させた微生物液6aと養分を含んだ液体培地6bを適当な濃度比で混合して調製される。
【0038】
培養液6には担体槽8が浸漬されており、この担体槽8の上下には培養液6が矢印c方向に流通するための液体流通口が開口されている。この液体流通口8aはパンチ孔、網状孔、透孔、切欠きなどの任意の形状に成形されている。
【0039】
担体槽8の中には、多数の担体10が充填され、担体10が相互に移動しないように固定されている。固定には、隙間無く充填したり、網などの固定部材で強制的に固定したり、任意の固定手段が用いられる。また、担体10が担体槽8の中で多少移動できるように隙間を有してもよく、担体10が担体槽8から外部に流出しないように構成されておればよい。
【0040】
培養槽4の内底部には散気装置12が配置され、送気ファンFから空気Aを送って、無数の空気泡14を培養液6の中を矢印a方向に生起する。この空気泡14は浮力によって上昇し、この上昇に連動して培養液6も矢印a方向から矢印b方向に循環を始める。
【0041】
培養液6は液体流通口8aを介して担体槽8に流入し、矢印c方向に流通して液体流通口8aから下方に流出し、更に矢印d方向に進行して、培養槽8内を大循環する。
尚、散気装置12を担体槽8の下部に配置した場合、液体の流れは担体槽内を上昇し、前述とは逆方向の循環となるがいずれでも構わない。
【0042】
培養槽8の中で、培養液6は多数の担体10と接触し、この接触過程で微生物が担体10の表面に付着する。微生物が担体10に付着すると、微生物と担体10との馴染み性が次第に良くなり、付着強度が増大して微生物は担体10の表面に確実に固定される。
【0043】
また、培養液6には微生物を増殖させる養分が適正に含まれており、微生物は担体10の表面及び内部や培養液6の内部で成長し、しかも増殖して、担体10に固定される微生物密度は次第に増加する。この固定化培養は、微生物密度が所望のレベルに到達するまで継続される。
【0044】
培養液6には散気装置12により空気が大量に溶け込み、更に培養槽4の上方には開口部4aが設けられているから、この開口部4aを通しても培養液6の中に空気が自然に溶け込む。従って、微生物が好気性微生物の場合には、微生物の増殖と活動性を活性化する。
【0045】
この微生物固定化培養装置2により、担体槽8の中にある担体10には十分な微生物が固定される。従って、担体10は微生物固定化担体となり、担体10だけでもバイオリアクターで使用する微生物微生物を付着させた担体として使用できる。また、担体10を含有した担体槽8は、排水中にそのままの形態で配置でき、バイオリアクターとして効果的に機能することができる。
【0046】
図2は本発明に係る微生物固定化培養装置2の第2実施形態の概略説明図である。(2A)における循環液体は微生物を含有する微生物液6aであり、(2B)における循環液体は微生物を培養する養分を含んだ液体培地6bであり、その他の部材は全て図1と同様である。従って、(2A)は微生物固定工程を示し、(2B)は微生物培養工程を示す。
【0047】
(2A)において、散気装置12を駆動すると、微生物液6aが培養槽4の中を大循環し、微生物液6aが担体10と接触する過程で、多数の微生物が担体10の表面に付着して固定される。この工程により、担体槽8には大量の微生物が固定される。また、散気装置12を担体槽の下部においた場合には液体の流れは担体槽を上昇する流れとなり、図2とは逆方向の循環となるが、いずれの循環方向であってもよい。
【0048】
(2B)において、上記の担体槽8をそのままもう一つの微生物固定化装置2に配置し、この装置2では液体培地6bが液体として貯留されている。散気装置12を駆動すると、液体培地6bが培養槽4の中を大循環し、液体培地6bが担体10と接触する。この場合でも、散気装置12を担体槽の下部に置き、液体の循環を逆方向にしてもよい。
【0049】
既に担体10には微生物が固定されており、液体培地6bとの接触で微生物は更に成長し増殖する。従って、担体10に固定される微生物が成長・増殖することによって、バイオリアクターとて有効な微生物密度まで培養が継続される。この結果、バイオリアクターとして有効に使用できる微生物担体10や担体槽8が完成される。
【0050】
図3は本発明に係る微生物固定化培養装置2の第3実施形態の概略説明図である。この実施形態では、担体10の外形が長尺状に変更されており、その他の部材は図1と全く同様であるから、変更点だけを説明する。長尺状担体10の配置方向は図示の如く水平方向でもよいが、垂直方向(上下方向)の配置でも構わない。
【0051】
この担体10は多孔性の繊維を束にしたもので、繊維表面に無数の孔を有するため微生物が繊維表面に付着し、しかも繊維と繊維の間の隙間にも微生物が絡みついて付着する。培養液6が繊維の間を流通すると、この接触過程で微生物が担体10に大量に付着固定される。
【0052】
また、微生物が繊維状の担体10に付着すると、この固定した微生物が培養液6の養分により成長して大量に増殖する。散気装置12の運転は、固定された微生物の密度が要請されるレベルに達するまで継続され、バイオリアクターとして機能する担体10及び担体槽8が完成される。
【0053】
図4は本発明に係る微生物固定化培養装置2の第4実施形態の概略説明図である。微生物固定化培養装置2は、内底部に培養液6を貯留する貯留空間7を設けた培養槽4と、この培養槽4の中で前記貯留空間7の上方に配置された微生物固定用の担体10を内部に装填した担体槽8から構成されている。
【0054】
担体槽8には、上方から培養液6が流入し下方から培養液6が流下するように培養液が担体槽8を流通できる液体流通口8aが形成されている。担体槽8の上方には培養液6を担体槽8に散液する散液装置14が配置され、散液孔14aから培養液6を下方に散布する。また、貯留空間7に貯留された培養液6はポンプPにより散液装置14に供給される。
【0055】
この装置2の作動を説明する。ポンプPを駆動すると、培養液6は散液装置14に汲み上げられ、散液孔14aから培養液6はスプレー状に下方に噴射される。この培養液6は液体流通口8aから担体槽8の中に流入し、多数の担体10と接触しながら流下してゆく。液体流通口8aから流出した培養液6は貯留空間7に落下して貯留される。そして再びポンプPで汲み上げられて、培養液6の循環が継続される。
【0056】
担体10には培養液と接触する過程で微生物が付着し、しかも培養液6の養分で固定された微生物は成長・増殖を続ける。従って、担体10に固定された微生物の密度は増大化し、一定の微生物密度に達するまで固定化培養が継続される。
【0057】
微生物密度が一定の段階に達すると、ポンプPの駆動は停止される。このようにして、バイオリアクターとして利用される担体10と担体槽8が完成される。これらの担体10や担体槽8は排水処理設備に配置され、排水中の汚濁物質、特に難分解性物質の分解処理工程に使用される。
【0058】
図5は本発明に係る微生物固定化培養装置2の第5実施形態の概略説明図である。この実施形態では、担体10として長尺状の担体が使用されており、その他の部材は図4と全く同様であるから、変更点だけを説明する。長尺状担体10の配置方向は図示の如く水平方向でもよいが、垂直方向(上下方向)の配置でも構わない。
【0059】
例えば、この担体10は多孔性の繊維を束にしたもので、微細孔を有する多孔性セラミックスの棒体で、無数の孔を有するため微生物が棒体表面に付着する。培養液6が担体10の表面と接触しながら流通すると、この接触過程で微生物が担体10に大量に付着固定される。
【0060】
また、微生物が棒状の担体10に付着すると、この固定した微生物が培養液6の養分により成長して大量に増殖する。ポンプPの運転は、固定された微生物の密度が所定のレベルに達するまで継続され、バイオリアクターとして機能する担体10及び担体槽8が完成される。
【0061】
本発明により、排水中の難分解性物質を分解できるバイオリアクターが製造される。一般の排水処理設備において、まず排水は通常の活性汚泥法・固定化微生物法・生物膜処理法などにより易分解性物質へと分解される。排水中に未分解で残留する色素成分・ダイオキシン類・環境ホルモン等の難分解性物質は、本発明により製造されたバイオリアクターにより効率的に易分解性物質にまで分解される。この結果、生成された易分解性物質は前記の通常処理によって清水にまで処理することができる。
【0062】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例及び設計変更をその技術的範囲内に包含するものであることは言うまでもない。
【0063】
【発明の効果】
第1の発明によれば、担体を液体流通口を有した担体槽の内部に閉じ込めた状態で、この担体槽を液体が貯留される培養槽に浸漬して液体を循環させるから、固定状態の担体は常に新しい液体と接触することになる。従って、担体表面に液体中の微生物が付着し易く、また担体表面に液体の養分が吸着され易い微生物固定化培養装置が実現できる。担体と固定化される微生物との接触頻度の増加により固定化培養期間が短縮し、雑菌による目的微生物の固定化阻害が抑制され、特定種の微生物を効率的に固定化培養できるバイオリアクター装置が提供される。また、液体に空気を散気しながら液体循環を生起するから、液体の循環に別の駆動力を要せず、しかも空気が液体内に十分に供給されるから好気性微生物の培養に最適の構造を有している。
【0064】
第2の発明によれば、担体を液体流通口を有した担体槽の内部に閉じ込め、この担体槽を液体が散布される培養槽の中間部に配置し、流下した液体は培養槽の内底部に貯留されて再びポンプにより散液装置にフィードバックされるから、担体は散液装置から散布される常に新しい液体と接触できる。つまり、担体表面には新しい液体に含まれる微生物が効率的に付着し、また担体表面に液体の養分が吸着され易い微生物固定化培養装置が実現できる。また、担体と固定化される微生物との接触頻度の増加により固定化培養期間が短縮し、雑菌による目的微生物の固定化阻害が抑制され、特定種の微生物を効率的に固定化培養できるバイオリアクター装置が提供される。散気装置から散布される液体は空気と接触して流下するから、液体には十分な空気が混入して好気性微生物の培養に好適な装置を提供できる。
【0065】
第3の発明によれば、この微生物固定化培養装置を利用し、液体として微生物と養分を分散溶解させた培養液を用いるから、培養液の循環を通して担体槽の中で培養液と担体が十分に接触し、微生物を担体に効率的に付着固定させることができ、しかも担体に固定された微生物を培養液により効率的に培養することができる。
【0066】
第4の発明によれば、この微生物固定化培養装置を利用し、液体として微生物を分散させた微生物液を用いるから、微生物液を循環させて担体槽の中で微生物液と担体とを接触させるだけで、微生物を担体に効率的に付着固定させることができる。
【0067】
第5の発明によれば、この微生物固定化培養装置を利用し、担体槽内に微生物を既に固定させた担体を装填するから、液体として養分だけを溶解させた培養液を用いることにより、この培養液を循環させて担体槽の中で培養液と担体との接触を通して、担体に固定された微生物を効率的に培養することができる。
【0068】
第6の発明によれば、この微生物固定化培養装置を2段に配置し、第1段目の液体を微生物を分散させた微生物液とし、第2段目の液体を養分を溶解させた培養液(液体培地)とするから、第1段目で担体に微生物を付着固定させ、この微生物が固定された担体槽を第2段目の担体槽として配置すれば、第1段を微生物固定工程とし、第2段を微生物培養工程とする連続工程が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る微生物固定化培養装置2の第1実施形態の概略説明図である。
【図2】本発明に係る微生物固定化培養装置2の第2実施形態の概略説明図である。
【図3】本発明に係る微生物固定化培養装置2の第3実施形態の概略説明図である。
【図4】本発明に係る微生物固定化培養装置2の第4実施形態の概略説明図である。
【図5】本発明に係る微生物固定化培養装置2の第5実施形態の概略説明図である。
【図6】従来の微生物固定化培養装置の概略説明図である。
【符号の説明】
2は微生物固定化培養装置、4は培養槽、4aは開口部、6は培養液、6aは微生物液、6bは液体培地(培養液)、7は貯留空間、8は担体槽、8aは液体流通口、9は隙間、10は担体、12は散気装置、14は空気泡、14aは散液孔、Aは空気、Fはファン、Pはポンプ。

Claims (6)

  1. 微生物固定用の担体を内部に装填した担体槽と、この担体槽を内部に配置した培養槽と、培養槽に貯留される液体が担体槽に連通して流通するように担体槽に設けられた液体流通口と、前記液体に空気を散気するため培養槽内に配設される散気装置からなり、空気を液体の中に散気して空気泡の浮力により培養槽から担体槽へと液体を循環させることを特徴とする微生物固定化培養装置。
  2. 内底部に液体を貯留する貯留空間を設けた培養槽と、この培養槽の中で前記貯留空間の上方に配置された微生物固定用の担体を内部に装填した担体槽と、上方から液体が流入し下方から液体が流下するように液体が担体槽を流通できる担体槽に形成された液体流通口と、担体槽の上方に配置されて液体を担体槽に散液する散液装置と、貯留空間に貯留された液体を散液装置に供給するポンプから構成され、ポンプで供給された液体を散液装置から担体槽に散液し、担体槽を流下した液体を貯留空間で貯留して液体を循環させることを特徴とする微生物固定化培養装置。
  3. 請求項1又は2に記載の微生物固定化培養装置を配置し、液体として微生物と養分を分散溶解させた培養液を用意し、この培養液を培養槽に貯留し、この培養液を循環させて担体槽の中で培養液と担体が接触して微生物を担体に付着固定させ、同時に担体に固定された微生物を培養液により培養することを特徴とする微生物固定化培養方法。
  4. 請求項1又は2に記載の微生物固定化培養装置を配置し、液体として微生物を分散させた微生物液を用意し、この微生物液を培養槽に貯留し、この微生物液を循環させて担体槽の中で微生物液と担体との接触により微生物を担体に固定することを特徴とする微生物固定化培養方法。
  5. 請求項1又は2に記載の微生物固定化培養装置を配置し、担体槽内には微生物を固定させた担体を装填し、液体として養分を溶解させた培養液を用意し、この培養液を培養槽に貯留し、この培養液を循環させて担体槽の中で培養液と担体との接触により担体に固定された微生物を培養することを特徴とする微生物固定化培養方法。
  6. 請求項1又は2に記載の微生物固定化培養装置を2段に配置し、第1段目の液体として微生物を分散させた微生物液を用意し、この微生物液を培養槽に貯留し、この微生物液を循環させて担体槽の中で微生物液と担体との接触により微生物を担体に付着固定させ、次にこの微生物が固定された担体を第2段目の担体槽内に装填し、第2段目の液体として養分を溶解させた培養液を用意し、この培養液を培養槽に貯留し、この培養液を循環させて担体槽の中で培養液と担体との接触により担体に固定された微生物を培養することを特徴とする微生物固定化培養方法。
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