【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオンビームエッチング装置、イオンビームスパッタ装置、イオンビームアシスト装置等のように半導体絶縁基板等の被処理部材を加工、成膜、膜改質等の処理を行うイオンビーム処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
イオンビームミリング装置やイオンビームスパッタ装置等のイオンビーム処理装置では、イオンビームの照射対象が絶縁物(被処理部材)の場合にはイオンビームの照射により絶縁部材が帯電しイオンビーム処理が適切に行われなくなる。そのため、イオンビームに対して電子を供給して中和する中和器が用いられている。また、中和器はイオンビームを照射される被処理部材が金属の場合にもイオンビームの自己電荷によるイオンビームの発散を抑える目的にも用いられている。
【0003】
このような中和器には、熱電子放出フィラメントやホローカソード、プラズマブリッジニュートラライザーと呼ばれている、プラズマから電子を引出し放射するものがある。従来は主としてフィラメントを用いているが、活性ガス雰囲気中で寿命が短く、その上、イオンビームに晒されるフィラメントから金属が飛散して汚染するという欠点を有している。
【0004】
この欠点を解決するために、プラズマから高周波(RF)やマイクロ波によって電子を生成するプラズマブリッジニュートラライザーと呼ばれる中和器が開発されている。高周波を用いたプラズマブリッジニュートラライザーについては、例えば、特開昭61−11470号公報に記載されている。
【0005】
ところで、イオンビームの引出し径が大きく、ビーム電流密度が大きいイオンビーム処理装置では、より大きな電子電流を放出する中和器を必要とする。中和器はプラズマを生成するために電子を加速するインダクションコイルを必要とする。中和器の容器は、通常、円筒形状のものが用いられている。インダクションコイルは中和器容器の筒部分(胴部分)に巻装している。このことは、上述の特開昭61−11470号公報にも記載されている。
【0006】
上述の中和器容器の筒部分にインダクションコイルを巻装しRF(高周波)による誘導結合プラズマ生成を行う中和器は、中和器の筒部分を絶縁物で構成する必要がある。中和器の筒部分を金属で構成すると、電磁波が遮断され中和器内部に誘導電界が誘起されず、プラズマを生成できなくなるからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術はRF(高周波)による誘導結合プラズマ生成を行う中和器の筒部分を絶縁物で構成するようにしている。ところで、中和器内でプラズマを生成して電子を引出し放射するためには、引出す電子と同量のイオンを中和器内で捕集しなければならず、イオン捕集電極(コレクタ)、すなわち金属部分が必要である。
【0008】
しかし、従来技術は、金属部分が引出し電極部分のみで限られた領域(面積)のみとなる。中和器内のイオンは限られた小さな面積でしか捕集することができず、絶縁部材に照射されるイオンビームを中和するに必要な大量の電子を放出することができないという問題点を有する。
【0009】
本発明者達は先に特願2001−14021号として、プラズマ生成容器の筒部分にインダクションコイルを巻装しRFによる誘導結合プラズマ生成を行うイオン源において、誘導電界の発生を妨げないよう軸方向にスリットを有する金属電極をプラズマ生成容器内に設けることを提案している。しかし、この技術思想を中和器に適用しコレクタ面積の拡大を図ろうとすると中和器内部に金属電極を配置することになるのでプラズマの生成効率が低下し、大きな電子電流を得るのに適していないという実用上の問題点がある。
【0010】
本発明は上記点に対処して成されたもので、その目的とするところはプラズマ生成効率を低下させることなく中和器内で多くのイオンを捕集して大きな中和電子を得ることができるイオンビーム処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴とするところは、長さ方向の一端が開放されている金属製の中空容器に電子を放射するオリフィスを設けると共に開放端を覆うように誘電体板を設け、高周波の誘導電界を生じて中空容器内にプラズマを発生させる高周波コイルを誘電体板の外面に配設し、金属製中空容器に負バイアスを印加するようにしたことにある。
【0012】
換言すると、本発明は中和器の一端が開放されている中空容器を金属で構成して開放端を誘電体板で覆うようにし、中和器容器の金属で構成される領域(面積)を大きくするようにしたことにある。
【0013】
本発明は、中和器容器で面積比率の大きい胴部分を金属で構成しているためイオンコレクタ面積を大きくできるので、中和器内で多くのイオンを捕集でき大きな中和電子を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1、2に本発明の一実施例(第1実施例)を示す。図1は中和器の拡大縦断面図、図2は本発明をイオンビームエッチング装置に適用した実施例の縦断面図である。
【0015】
図2において、プラズマ生成室1はイオン源容器2、上部蓋2a及び多孔のイオン引出し電極8により形成される。なお、以後、イオン源容器2と上部蓋2aのことをイオン源容器2と称することもある。イオン源容器2には永久磁石6が配置され、プラズマを閉じ込めるカスプ磁場を形成する。
【0016】
イオン源容器2の上部蓋2aにはプラズマ生成用のフィラメント60が取付けられており、また、プラズマ生成ガスを導入するガスポート7が設けられている。
【0017】
引出し電極8は3枚の多孔板により構成され、各多孔板は絶縁スペーサ9によって電気的に絶縁され保持されている。引出し電極8はフランジ4によって支持され、その電位もフランジ4によって決定される。イオンビーム55は引出し電極8によって引出される。
【0018】
フランジ4はイオン源容器2および処理室容器(真空処理室容器)5と異なる電位であるため、上下面を絶縁スペーサ3により絶縁保持されている。処理室容器5は金属製で、その開口部5aは図示しない排気ポンプに連結されている。処理室容器5が形成する真空処理室40には回転運動を行う基板処理台42が設置されている。基板処理台42には加工される絶縁基板41が載置し保持されている。
【0019】
処理室40内にはイオンビーム55を中和する電子53を放射する中和器10が絶縁固定して設置されている。中和器10は処理室容器5のフィードスルーを通して外部の高周波電源30から給電される。
【0020】
図1に中和器10の詳細構成図を示す。
図1において、中和器10は長さ方向の一端が開放されている円筒状中空容器(中和器容器)11を備えている。中空容器11は金属製で、直径100mm、長さ80mm程度の大きさである。金属製の中空容器の閉塞されている他端には金属製の厚み3mm程度のオリフィスプレート13aが配設されている。オリフィスプレート13aには電子放出用オリフィス12aが穿設されている。オリフィス12aは内側が直径3mm程で内側から外側に沿って径が大きくなるようにテーパー状に形成されている。オリフィス12aをテーパー状に形成したのは電子放出性の向上を図るためである。
【0021】
中空容器11の開放されている一端は誘電体の石英板(誘電体板)16により覆われている。図1では石英板(誘電体板)16の厚さを可変(調整)できるように2枚の誘電体板16a,16bを用いた例を示している。誘電体板16aは3mm程度の標準用板で、誘電体板16bが2mm程度の調整用板である。
【0022】
中空容器11、オリフィスプレート13aおよび誘電体板16によってプラズマ室50が形成される。中空容器11にはプラズマ生成ガスを導入するガスポート18が取付けられている。
【0023】
石英板16の外側には、4ターンから成る渦巻き型の高周波コイル(RFコイル)17がコイル押え具19により固定されて設置されている。RFコイル17は冷却管20により冷却水を導水して冷却され、また、高周波電源31から整合器34を介して給電される。高周波電源(RF電源)31の周波数は13.56MHz程度である。
【0024】
整合器34は2個のコンデンサを逆L型回路構成した通常用いられる整合器と異なり、RF電源31の2相間にコンデンサ35cが接続され、2個の出力端にそれぞれコンデンサ35a,35bが挿入されている。整合器34の出力端、つまりコンデンサ35a,35bの一端は碍子36を介してRFコイル17に接続されている。コンデンサ35a,35bの一端は、具体的には、碍子36を介して冷却管20に接続されている。
【0025】
RFコイル17は、接地電位である処理室容器5に対し直流的にフローティングとなっている。また、金属製の中空容器11はバイアス電源32により接地電位である処理室容器5に対して負電位にバイアスされている。
【0026】
次に動作を説明する。
処理室容器5の開口部5aに連結された排気ポンプ(図示せず)によって処理室40内の圧力を10−4Pa程度まで排気し真空状態にする。イオン源となるプラズマ生成室1内も引出し電極8の多孔を通じて排気され真空状態になる。排気ポンプによる排気完了後、ガスポート7からプラズマ生成用ガスをプラズマ生成室1に導入する。
【0027】
この状態でフィラメント60に通電して加熱すると、電子を放出するようになる。図には示していないが、イオン源容器2に掛けられたバイアス電圧により、フィラメント60とイオン源容器2との間でアーク放電を起こし、プラズマ56が生成される。プラズマ56は永久磁石6によるカスプ磁場で閉じ込められ、高密度に維持される。
【0028】
プラズマ56が生成されたらイオン引出し電極8に所定電圧を与えることによって、プラズマ56からイオンのみが引出されイオンビーム55を形成する。イオンビーム55は絶縁基板41に照射してエッチング加工を行う。その際に、中和器10から電子53をイオンビーム55に供給することによってイオンビーム55の電荷を中和し処理基板41の帯電を防止する。
【0029】
このようにイオンビームを基板41に照射してエッチング加工を行う際に中和器10は次のようにして電子53を放射する。
【0030】
中和器10内のプラズマ室50にガスポート18からプラズマ生成用ガスを導入する。RFコイル17にRF電源31からRF(高周波)を印加すると、中和器容器(円筒容器)11内部にRFコイル17の巻き方向と同じ周方向の誘導電界を発生する。誘導電界により電子が加熱され、プラズマ生成ガスを電離してプラズマ51を発生する。
【0031】
プラズマ51は高密度であるためオリフィス12から染み出し、内部から放出された高エネルギー電子によって処理室40中にプラズマを生成しながら中和すべきイオンビーム55と接触し、導通路を形成する。イオンビーム55の電位は、おおよそ処理室容器5の電位、すなわち接地電位の+10〜+20V程度であり、これより負電位を与えられた中和器容器(コレクタ)11の電位により、電子53がイオンビーム55に向かって引出される。
【0032】
中和器10から放射される電子量は、中和器容器11内のプラズマ51の中性を保つために、コレクタ(円筒容器)11で捕集されるイオン54の量が上限となる。そのため、コレクタ11の面積は大きいほど大きな電子電流を引出すことができる。
【0033】
本発明の中和器10は、一端が開放されている円筒容器の開放端を覆うようにRFを導入するために石英板16を用い、その他の部分は金属で構成されている。
【0034】
このため、上述した従来技術の中和器容器の筒部分(胴部分)に高周波コイルを巻装している中和器に比べてはるかに大きなコレクタ面積を確保することができる。本発明の中和器10と同じ大きさの中和器容器を用いた場合に比べて、コレクタ面積は概略2倍になる。したがって、本発明はプラズマ密度が同じであっても従来技術より極めて大きな電子電流を引出すことができる。
【0035】
また、石英板16の内側には、スリット付きのコレクタのような金属板がないため、プラズマ51への高周波パワーの導入を妨げることがなくプラズマ生成効率を良くすることができる。
【0036】
本発明は中和器10の電子放出量の大電流化によってメンテナンス周期の長期化と金属スパッタ物の低放出化という効果を奏し得る。このことを具体的に説明する。
【0037】
中和器10のプラズマ室50にRFを導入するときに、メンテナンス周期を決定するのは、RF導入窓である石英板16への導電性付着物の量である。石英板16が導電性付着物によって導電性を帯びてくると、石英板16の表面に誘導電流が流れる。石英板16の表面に誘導電流が流れると、RFパワーは中和器10内部のプラズマ51まで入っていかなくなり、プラズマ密度、すなわち電子放出量が低下してくる。
【0038】
導電性付着物はコレクタ(中和器容器)11のスパッタによって発生する必然的なものである。導電性付着物の量はコレクタ11のバイアス電圧によってある程度は抑制することができる。コレクタ11から放出されるスパッタ物の量は、コレクタ11のバイアス電圧が負に大きいほど多くなる。
【0039】
プラズマ密度が薄い、もしくはコレクタ面積が小さいと、電子を引出すにあたってコレクタ11のバイアス電圧は負に大きくしなければならない。したがって、多量のコレクタ11のスパッタ物を発生しメンテナンス周期が短くなる。
【0040】
本発明は、コレクタ面積の増加させると共に高密度プラズマの生成できるので、電子放出量が増加し、十分な電子放出量が得られるためバイアス電圧を小さくすることができる。そのため、スパッタ物の発生を抑え、メンテナンス周期を格段に長くすることができる。同時に、中和器10からのスパッタ物の放出も大幅に低減するので、プロセスへの重金属汚染を回避することができる。
【0041】
また、石英板16はRFコイル17によって誘起される自己バイアスで大きな負電位を持ち、常にイオン54でスパッタされ、クリーニングされている。つまり、コレクタ11で発生した金属のスパッタ物が石英板16に付着してもクリーニングされるため、導電性付着物によるプラズマ密度、電子放出量の低下は抑制することができる。
【0042】
さらに、本発明は、渦巻き型のRFコイル17を使用し、コイル電位をコンデンサ35a、35bによって直流的に浮かせているので、より高密度なプラズマの発生と維持を行え、メンテナンス周期を長くすることができる。
【0043】
次に、RFコイル17が整合器34によって接地電位である処理室容器5に対し直流的にフローティングになっていることについて説明する。
【0044】
整合器34は、RF電源31から見たRFコイル17のインピーダンスをRF電源31のインピーダンス(例えば、50Ω)と等しくなるように調整し、RFパワーをRFコイル17に伝達するものである。
【0045】
中和器10の整合器34としては、一般に図3(a)のようにRF電源31の1相にコンデンサ35dを挿入し、一端が接地で、他端のみから出力を発生するように構成されている。この構成では、RFコイル17の一端が接地で固定され、他端は図3(b)に示すようにRFパワーに応じた電圧V1で振動することになる。
【0046】
本発明のように図3(a)におけるコンデンサ35cを、図4(a)のようにコンデンサ35a、35bの2つに分割して整合を取ると、RFコイル17が直流的にフローティングになっているため、RFコイル17の両端に生じる電圧が図4(b)に示すように変化する。RFコイル17両端の電圧振幅の差(V2+V3)はV1となり、図3(b)と変わらないが、RFコイル17端に現れる電圧は実質的に減少する。
【0047】
プラズマ51に面する石英板16の表面には、このようなRFコイル17に現れる電圧に比例してある電圧が生じる。プラズマ51の生成は、先に述べたようなコイル電流によって生ずる周方向誘導電界による誘導結合と、石英板16の表面に誘起した電圧によって生じる軸方向電界による容量結合とがある。
【0048】
容量結合はプラズマ密度への寄与が低く、これを減らし、誘導結合でプラズマを生成することでプラズマ密度を増加することができる。本発明における整合器34の構成では、図4(b)に示すようにコイルの電圧振幅が小さくなるため、容量結合にかかるパワーが減少して、誘導結合に有効にパワーが入るようになり、プラズマをより高密度化できる。
【0049】
本発明者が実験したところによると、図4(a)の本発明における整合器34の構成では、図3(a)の整合器34より約2倍のプラズマ密度が得られている。また、コンデンサ35a,35bの値を等しくすると、RFコイル17の両端の電圧振幅は等しくなる。すなわち、コイルの中心と端の方で石英板16が同程度にスパッタクリーニングされるようになり、石英板16上で比較的均一にクリーニングが行われるようになる。
【0050】
このように2個の出力端にそれぞれコンデンサ35a,35bが挿入されている中和器34を用いることにより高密度プラズマが得られ、放出電子電流の大電流化と、それによるバイアス電圧の低減、すなわちコレクタのスパッタの低減が図られ、さらに均等なスパッタクリーニング効果によりメンテナンス周期を長期化することができる。
【0051】
また、逆に、石英板16のスパッタ量が多すぎる場合は、RFコイル17と石英板16の距離を少し離すか、図1のように薄い石英板16bをコイルと石英板16aの間に挿入して石英板16を少し厚くすれば、スパッタ量を低減することができる。ただし、この場合、RFパワーの投入効率は多少低下する。
【0052】
さらに、上述したような構成により、コレクタ(中和器容器)11のバイアス電圧を低くすることができるので、メンテナンス周期を大幅に延長することができると同時に、スパッタ物の放出は最低限に抑えられる。
【0053】
図5に本発明の他の実施例(第2実施例)を示す。
図5において図1の第1実施例と異なるところは、オリフィス12aの形成部分の外側に電子引出し電極14を設けたことである。
【0054】
中和電子の放出は、先に述べたように中和器10のオリフィス12aより放出された高エネルギー電子によって処理室40内のガスが電離し、イオンビーム55との間にプラズマが生成され、導通経路が確保されることで、大量の電子53がイオンビーム55に供給される。そのため、処理室40の圧力が10mPa以下になるような低ガス圧力下では、電離するガスが少ないため、電子放出が困難になることがある。
【0055】
図5に示すように、コレクタ(中和器容器)11に対し、正の電位を与えた電子引出し電極(キーパー)14を設けることによって電子を引出し易くすることができる。図5では、オリフィス12aの出口、つまりオリフィスプレート13aの外側に、キーパー14がセラミックのスペーサ15を挿んで、中和器容器11と2mm程の間隔を保って絶縁して取り付けられ、コレクタ11に対して正のバイアス電圧をバイアス電源33によって与えられる。その他の部分は図1の実施例と同様である。
【0056】
なお、キーパー14の電位は接地電位より高くなってもよいが、電子の放出効率が低下するので処理室40等の接地電位に対して負になるように設定することが望ましい。したがって、キーパー電位はコレクタ電位と接地電位の間に設定することが望ましい。
【0057】
キーパー14を設置した場合の電子の引出し作用は次のようになる。オリフィス12aからキーパー14にかけてオリフィスプラズマ52が発生し、このプラズマはコレクタ11もしくは中和器40内部のプラズマ51とキーパー14の間の放電によって維持され、電子の導通路を形成する。これにより、電子電流が空間電荷制限を受けることなく、大量に放出される。
【0058】
オリフィスプラズマ52の電位は、キーパー電位から20V程度高めになるため、オリフィスプラズマ52が接地電位より低くなるよう、キーパー電位は接地電位に対して−20V以下になることが望ましい。
【0059】
本発明者達の実験では、図5の実施例において、コレクタ面積の増加により、コレクタ11のバイアス電圧は−40V〜−50V、キーパー電圧は−20V程度で十分であり、石英板16のクリーニング効果との重畳効果で、1Aの電子放出電流において100時間動作させても、石英板16はほとんど汚れず、出力の低下は全く無いことが確認されている。
【0060】
図6、図7にそれぞれ本発明の他の実施例(第3実施例と第4実施例)を示す。図6、図7は、図5に示した実施例のオリフィス部分の要部を拡大して示している。
【0061】
図6において図5の第2実施例と異なる点は、オリフィス12の形状で、テーパー付きのオリフィス12aから単純な穴のオリフィス12bとしたことである。
【0062】
図5の第2実施例ではオリフィス12aにテーパー付きにしているが、これはノズル状にすることでガス流に軸方向の方向性を持たせ、オリフィスプラズマ52を軸方向に伸ばし、電子53の放出性を向上させたものである。オリフィス部分は、図6のオリフィス12bのように単純な穴のオリフィス12bでも同様に電子53を放射できる。ただし、単純な穴のオリフィス12bは、オリフィスプラズマ52が半球状に広がるためにキーパー14への電子の損失が多少増加する。
【0063】
図7は、図5の第2実施例のキーパー14とオリフィスプレート13aの間にセラミックのスペーサ21を挿入し、半径方向のガスの流れを防いだものである。この効果は以下に述べるようにオリフィスプラズマの生成をしやすくし、電子の放出性を向上させることができる。
【0064】
オリフィスプラズマ52はある程度のガス圧がなければ維持することができない。そのため、高真空中での作動では、オリフィス12aを出た後すぐにガスが拡散してしまうので、中和器10に高流量のガスを流さなければ、ガス圧を維持できず、オリフィスプラズマ52は消弧し、電子を引出すことができなくなる。
【0065】
このため、図7の実施例のように、キーパー14とオリフィスプレート13aの間をスペーサ21で覆い、半径方向へのガスの損失をなくすことで、オリフィスプラズマ52が維持しやすくなり、高真空中でも作動が可能となる。
【0066】
図8に本発明の他の実施例(第5実施例)を示す。
図8は、図5に示す第2実施例における金属製のオリフィスプレート13aを石英のオリフィスプレート13bとしたものである。その作用について第2の実施例と比較して説明する。
【0067】
オリフィスプラズマ52は中和器10におけるプラズマ室50のプラズマ51よりも濃く、第2実施例における金属のオリフィスプレート13aもコレクタの一部であるため、オリフィス12a近傍が表裏ともに特にスパッタされる。第2実施例でもメンテナンス周期の長期化やスパッタ物の低放出化は十分図られているが、オリフィスプレート13bを石英もしくはセラミックにし、オリフィス12a部分のスパッタをなくすことでさらにスパッタ物の低放出化を図ることが可能になる。
【0068】
本発明者達の実験によると、図5の第2実施例に比べ電子放出量は3割程度減少するが、同様に動作することが確認されている。
【0069】
図9、10に本発明の他の実施例(第6実施例)を示す。図9は中和器の拡大縦断面図、図10は本発明をイオンビーム処理装置に適用した実施例の縦断面図である。
【0070】
図9において図1の第1実施例と異なる点は、図11(a)および(b)に示すように、オリフィス12cが中和器容器(円筒容器)11の筒部分(胴部分)に周方向に沿って複数個穿設されていることである。
【0071】
オリフィス12cは図11(a)に示すように円形状あるいは図11(b)に示すように周方向に長いスリット状にすることができる。
【0072】
このように中和器容器(円筒容器)11の筒部分(胴部分)に周方向に沿って複数個のオリフィス12c設けると、中和器10からは一方向ではなく多方向に電子53が放出される。
【0073】
このような中和器10を用いると非常に有効なイオンビーム処理装置の一例を図10に示す。
【0074】
図10に示すイオンビーム処理装置は、図12(a)に示すようなドーナツ型の大口径のイオン源を用いてリング状のイオンビームを形成し、図12(b)に示すように基板処理台42にドーナツ状に配置された複数の基板41を同時に処理する。図12(a)は図10のA−A断面図で、図12(b)は基板処理台42の平面図である。
【0075】
図10から理解できるようにこのようなイオンビーム形状では図2のように処理室容器5の端から中和電子53を放射したのでは、イオンビーム55上の中和電子53の分布にムラができ均一な中和を行うことができない。均一に中和するためにはイオンビーム55の周囲に複数個の中和器を設置する必要がある。
【0076】
イオン源は、同心円状の石英管62a、62b及びイオン源容器蓋63によって構成され、RF電源65、整合器64が接続されたRFコイル61を用いてプラズマ生成室1にプラズマを発生する。
【0077】
引出し電極8bは中心付近がくり貫かれており、中和器10はその穴を通して引出し電極8bの中央部分に設置される。中和器10からは図9に示すように中和器容器11の周方向に電子53が放出され、イオンビーム55全体に均一に供給することができる。また、本発明では大電子電流が得られることから、中央に中和器10を一つ配置するだけで、十分にイオンビーム55を中和することができる。
【0078】
図13に本発明の他の実施例(第7実施例)を示す。
図13において図1の第1実施例と異なるところは、RFコイル17を螺旋状コイルにしたことである。なお、図13は高周波電源31、整合器34などの図示を省略している。
【0079】
図13のように、RFコイル17が螺旋状コイルであっても渦巻きコイルと同様にプラズマを生成し、大電子電流を得られメンテナンス周期を長期化できるという効果を奏し得る。
【0080】
次に、イオン源として金属壁を有し渦巻きコイルを用いた公知技術との差異について説明する。イオン源として金属壁を有し渦巻きコイルを用いることは、例えば、特表2001―502468号公報に記載されている。
【0081】
イオン源と中和器はイオンを引出すか電子を引出すかという点で、イオンと電子の動き易さの違いから原理上挙動が全く異にしている。プラズマの挙動としてはイオンの動きにくさに起因して、面積によるイオン電流の大きさの制限が性能を律速することが多い。
【0082】
一つ目の違いは金属壁の役割で、イオン源では電子を捕集すればよいのでわずかな金属面があれば充分である。つまり、引出し電極だけでも十分に電子は捕集できるため、イオンの引出し電流は引出し面積によって律速されるのみで、金属面の面積による影響はほとんどない。
【0083】
一方、中和器では、放出電子量はプラズマからイオンを集める金属面の面積(コレクタ面積)で律速される。そのため、大電流化には金属壁面積が重要な役割を果たすことになる。
【0084】
二つ目は金属面にかかるバイアス電位である。これはメンテナンス周期に関わる重要なパラメータである。イオン源では、イオンを引出すために処理室に対して正の電位を引出し電極に与える。中空容器の金属部分には多くの場合、バイアスはかける必要はない。金属壁は、プラズマ電位によるイオンスパッタを受けるのみである。
【0085】
一方、中和器では逆に、電子を引出すために処理室に対し負のバイアスが必須である。このため、金属壁はプラズマ電位に加え、このバイアス電位分のイオンスパッタを受け、スパッタ物を多く飛散する。この結果、イオン源に比べ、RF導入窓である石英の汚れ(導体化)が非常に速く、メンテナンス周期を制約する大きな原因となっており、RFタイプの中和器での根本的な課題となる。
【0086】
バイアス電位を如何に小さくすることができるかが、中和器においては重要なことである。また、負のバイアスは必須であるため、金属スパッタ物を低減する施策も実用上有意な技術である。
【0087】
したがって、本発明のように構成することによって、放出電子量の大電流化のみならず、メンテナンス周期を大幅に延長することができる。
【0088】
以上説明したように、本発明は長さ方向の一端が開放されている金属製の中空容器に電子を放射するオリフィスを設けると共に開放端を覆うように誘電体板を設け、誘電体板の外面に高周波の誘導電界を生じて中空容器内にプラズマを発生させる高周波コイルを配設し、金属製中空容器に負バイアスを印加するようにしている。換言すると、一端が開放されている中空容器を金属で構成して開放端を誘電体板で覆うようにし、中和器容器の金属で構成される領域(面積)を大きくしている。したがって、中和器容器で面積比率の大きい胴部分を金属で構成しているのでイオンコレクタ面積を大きくできるので、中和器内で多くのイオンを捕集できると共にプラズマ生成効率を向上させて大きな中和電子を得ることができる。
【0089】
なお、上述の実施例はエッチング加工する例であるが、成膜、膜改質などのイオンビーム処理を行うものであっても同様に適用できることは勿論のことである。
【0090】
また、イオン源はイオンガンとして真空処理室内に設置されていても本発明を用いて同様な効果を奏することは明らかな事である。
【0091】
また、中和器容器は円筒でなく三角形等の多角形であっても良いことは勿論のことである。
【0092】
【発明の効果】
本発明は、中和器容器で面積比率の大きい胴部分を金属で構成しているためイオンコレクタ面積を大きくできるので、中和器内で多くのイオンを捕集でき大きな中和電子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す中和器の縦断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示すイオンビーム処理装置の縦断面図である。
【図3】整合器の従来例の説明図である。
【図4】本発明の整合器の説明図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す中和器の縦断面図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す要部の拡大断面図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す要部の拡大断面図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す中和器の縦断面図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す中和器の縦断面図である。
【図10】本発明の一実施例を示す図9の中和器を用いたイオンビーム処理装置の縦断面図である。
【図11】図9の実施例における中和器の一例構成を示す斜視図である。
【図12】図10の実施例におけるイオン源部と基板処理台の図である。
【図13】本発明の他の実施例を示す中和器の縦断面図である。
【符号の説明】
1…プラズマ生成室,2、63…イオン源容器,3…絶縁スペーサ,4…フランジ,5…処理室容器,6…永久磁石,7…ガスポート,8…引出し電極,9…絶縁スペーサ,10…中和器,11…中和器容器(コレクタ),12…オリフィス、13…オリフィスプレート,14…電子引出し電極(キーパー),15…スペーサ,16…石英板,17、61、65…RF(高周波)コイル,18…ガスポート,19…コイル押え具,20…冷却管、スペーサ21…スペーサ、31…RF(高周波)電源,32、33…バイアス電源,34、64…整合器,35…コンデンサ,36…碍子,40…処理室,41…絶縁基板,42…基板処理台,50…中和器プラズマ室,51…中和器プラズマ、52…オリフィスプラズマ、53…電子,54…イオン,55…イオンビーム,56…プラズマ,60…フィラメント,62…石英管。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an ion beam processing apparatus that processes a member to be processed such as a semiconductor insulating substrate, forms a film, and modifies a film, such as an ion beam etching apparatus, an ion beam sputtering apparatus, and an ion beam assist apparatus. It is.
[0002]
[Prior art]
In an ion beam processing apparatus such as an ion beam milling apparatus and an ion beam sputtering apparatus, when an object to be irradiated with an ion beam is an insulator (member to be processed), the insulating member is charged by the ion beam irradiation, and the ion beam processing is appropriately performed. Will not be done. Therefore, a neutralizer that supplies electrons to the ion beam to neutralize the ion beam is used. The neutralizer is also used for the purpose of suppressing the divergence of the ion beam due to the self-charge of the ion beam even when the member to be irradiated with the ion beam is a metal.
[0003]
As such a neutralizer, there is a so-called thermionic emission filament, hollow cathode, or plasma bridge neutralizer that extracts and emits electrons from plasma. Conventionally, a filament is mainly used. However, the filament has a short life in an active gas atmosphere, and further has a defect that metal is scattered from the filament exposed to the ion beam to contaminate the filament.
[0004]
In order to solve this drawback, a neutralizer called a plasma bridge neutralizer has been developed which generates electrons from plasma by radio frequency (RF) or microwaves. A plasma bridge neutralizer using a high frequency is described in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-11470.
[0005]
By the way, an ion beam processing apparatus having a large ion beam extraction diameter and a large beam current density requires a neutralizer that emits a larger electron current. Neutralizers require an induction coil to accelerate the electrons to generate a plasma. The container of the neutralizer usually has a cylindrical shape. The induction coil is wound around a cylindrical portion (body portion) of the neutralizer container. This is also described in the above-mentioned JP-A-61-11470.
[0006]
In the above-described neutralizer in which an induction coil is wound around the cylindrical portion of the neutralizer container to generate inductively coupled plasma by RF (high frequency), the cylindrical portion of the neutralizer needs to be formed of an insulator. This is because if the cylindrical portion of the neutralizer is made of metal, the electromagnetic wave is cut off, no induced electric field is induced inside the neutralizer, and plasma cannot be generated.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
In the prior art, a cylindrical portion of a neutralizer for generating inductively coupled plasma by RF (high frequency) is made of an insulator. By the way, in order to generate plasma and extract and emit electrons in the neutralizer, the same amount of ions as the extracted electrons must be collected in the neutralizer, and an ion collection electrode (collector), That is, a metal part is required.
[0008]
However, in the prior art, the metal portion is only a limited area (area) only by the extraction electrode portion. The problem is that ions in the neutralizer can be collected only in a limited small area, and it is not possible to emit a large amount of electrons necessary to neutralize the ion beam irradiated on the insulating member. Have.
[0009]
The present inventors have previously disclosed, as Japanese Patent Application No. 2001-14021, an axial direction in which an induction coil is wound around a cylindrical portion of a plasma generation vessel to generate an inductively coupled plasma by RF so as not to hinder generation of an induced electric field. It has been proposed to provide a metal electrode having a slit in a plasma generation container. However, if this technical concept is applied to a neutralizer to increase the collector area, metal electrodes will be placed inside the neutralizer, which lowers the plasma generation efficiency and is suitable for obtaining a large electron current. There is a practical problem that it is not.
[0010]
The present invention has been made in view of the above points, and an object of the present invention is to collect a large number of ions in a neutralizer without reducing the plasma generation efficiency to obtain large neutralized electrons. An object of the present invention is to provide an ion beam processing apparatus capable of performing the above-described operations.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The feature of the present invention is that a metal hollow container whose one end in the length direction is open is provided with an orifice for emitting electrons and a dielectric plate is provided so as to cover the open end, and a high frequency induction electric field is provided. A high-frequency coil for generating plasma in the hollow container is provided on the outer surface of the dielectric plate, and a negative bias is applied to the metal hollow container.
[0012]
In other words, according to the present invention, the hollow container having an open end of the neutralizer is made of metal, and the open end is covered with a dielectric plate. The reason is to make it bigger.
[0013]
In the present invention, since the body portion having a large area ratio in the neutralizer container is made of metal, the area of the ion collector can be increased, so that many ions can be collected in the neutralizer and large neutralized electrons can be obtained. Can be.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
1 and 2 show one embodiment (first embodiment) of the present invention. FIG. 1 is an enlarged longitudinal sectional view of a neutralizer, and FIG. 2 is a longitudinal sectional view of an embodiment in which the present invention is applied to an ion beam etching apparatus.
[0015]
In FIG. 2, a plasma generation chamber 1 is formed by an ion source container 2, an upper lid 2a, and a porous ion extraction electrode 8. Hereinafter, the ion source container 2 and the upper lid 2a may be referred to as an ion source container 2. A permanent magnet 6 is arranged in the ion source container 2 and forms a cusp magnetic field for confining plasma.
[0016]
A filament 60 for plasma generation is attached to the upper lid 2a of the ion source container 2, and a gas port 7 for introducing a plasma generation gas is provided.
[0017]
The extraction electrode 8 is composed of three perforated plates, and each perforated plate is electrically insulated and held by an insulating spacer 9. The extraction electrode 8 is supported by the flange 4, and its potential is also determined by the flange 4. The ion beam 55 is extracted by the extraction electrode 8.
[0018]
Since the flange 4 has a different potential from the ion source container 2 and the processing chamber container (vacuum processing chamber container) 5, the upper and lower surfaces are insulated and held by the insulating spacer 3. The processing chamber container 5 is made of metal, and its opening 5a is connected to an exhaust pump (not shown). In the vacuum processing chamber 40 formed by the processing chamber container 5, a substrate processing table 42 performing a rotating motion is installed. An insulating substrate 41 to be processed is placed and held on the substrate processing table 42.
[0019]
In the processing chamber 40, a neutralizer 10 that emits electrons 53 for neutralizing the ion beam 55 is installed while being insulated and fixed. The neutralizer 10 is supplied with power from an external high frequency power supply 30 through a feedthrough of the processing chamber container 5.
[0020]
FIG. 1 shows a detailed configuration diagram of the neutralizer 10.
In FIG. 1, a neutralizer 10 includes a cylindrical hollow container (neutralizer container) 11 whose one end in the longitudinal direction is open. The hollow container 11 is made of metal and has a diameter of about 100 mm and a length of about 80 mm. A metal orifice plate 13a having a thickness of about 3 mm is provided at the other closed end of the metal hollow container. The orifice plate 13a is provided with an electron emission orifice 12a. The orifice 12a is tapered so that the inside diameter is about 3 mm and the diameter increases from the inside to the outside. The orifice 12a is formed in a tapered shape in order to improve electron emission.
[0021]
One open end of the hollow container 11 is covered with a dielectric quartz plate (dielectric plate) 16. FIG. 1 shows an example in which two dielectric plates 16a and 16b are used so that the thickness of a quartz plate (dielectric plate) 16 can be changed (adjusted). The dielectric plate 16a is a standard plate of about 3 mm, and the dielectric plate 16b is an adjustment plate of about 2 mm.
[0022]
A plasma chamber 50 is formed by the hollow container 11, the orifice plate 13a, and the dielectric plate 16. A gas port 18 for introducing a plasma generating gas is attached to the hollow container 11.
[0023]
On the outside of the quartz plate 16, a spiral high-frequency coil (RF coil) 17 having four turns is fixed and installed by a coil presser 19. The RF coil 17 is cooled by introducing cooling water through a cooling pipe 20, and is supplied with power from a high frequency power supply 31 via a matching unit 34. The frequency of the high frequency power supply (RF power supply) 31 is about 13.56 MHz.
[0024]
The matching device 34 is different from a commonly used matching device in which two capacitors are configured as an inverted L-shaped circuit, and a capacitor 35c is connected between two phases of the RF power supply 31, and capacitors 35a and 35b are inserted into two output terminals, respectively. ing. The output terminal of the matching unit 34, that is, one end of each of the capacitors 35a and 35b is connected to the RF coil 17 via an insulator 36. One end of each of the capacitors 35a and 35b is specifically connected to the cooling pipe 20 via an insulator 36.
[0025]
The RF coil 17 is DC-floating with respect to the processing chamber vessel 5 at the ground potential. The metal hollow container 11 is biased by a bias power supply 32 to a negative potential with respect to the processing chamber container 5 which is a ground potential.
[0026]
Next, the operation will be described.
The pressure inside the processing chamber 40 is reduced to 10 by an exhaust pump (not shown) connected to the opening 5a of the processing chamber vessel 5. -4 It is evacuated to about Pa and brought into a vacuum state. The inside of the plasma generation chamber 1 serving as an ion source is also evacuated through the perforations of the extraction electrode 8 to be in a vacuum state. After the evacuation by the evacuation pump is completed, a gas for plasma generation is introduced into the plasma generation chamber 1 from the gas port 7.
[0027]
When the filament 60 is energized and heated in this state, electrons are emitted. Although not shown, an arc discharge is generated between the filament 60 and the ion source container 2 by a bias voltage applied to the ion source container 2, and a plasma 56 is generated. The plasma 56 is confined by the cusp magnetic field generated by the permanent magnet 6, and is maintained at a high density.
[0028]
When a predetermined voltage is applied to the ion extraction electrode 8 when the plasma 56 is generated, only ions are extracted from the plasma 56 to form an ion beam 55. The ion beam 55 irradiates the insulating substrate 41 to perform etching. At this time, the electrons 53 are supplied from the neutralizer 10 to the ion beam 55 to neutralize the charge of the ion beam 55 and prevent the processing substrate 41 from being charged.
[0029]
When the etching process is performed by irradiating the substrate 41 with the ion beam as described above, the neutralizer 10 emits the electrons 53 as follows.
[0030]
A gas for plasma generation is introduced from a gas port 18 into a plasma chamber 50 in the neutralizer 10. When RF (high frequency) is applied from the RF power supply 31 to the RF coil 17, an induced electric field is generated inside the neutralizer container (cylindrical container) 11 in the same circumferential direction as the winding direction of the RF coil 17. The electrons are heated by the induced electric field, and ionize the plasma generating gas to generate plasma 51.
[0031]
Since the plasma 51 has a high density, it oozes out of the orifice 12 and contacts the ion beam 55 to be neutralized while generating plasma in the processing chamber 40 by high-energy electrons emitted from the inside to form a conduction path. The potential of the ion beam 55 is approximately the potential of the processing chamber vessel 5, that is, about +10 to +20 V of the ground potential, and the electrons 53 are converted into ions by the potential of the neutralizer vessel (collector) 11 given a negative potential. It is pulled out toward the beam 55.
[0032]
The upper limit of the amount of electrons emitted from the neutralizer 10 is the amount of ions 54 collected by the collector (cylindrical container) 11 in order to maintain the neutrality of the plasma 51 in the neutralizer container 11. Therefore, a larger electron current can be drawn out as the area of the collector 11 increases.
[0033]
The neutralizer 10 of the present invention uses a quartz plate 16 to introduce RF so as to cover the open end of a cylindrical container having one end open, and the other portions are made of metal.
[0034]
For this reason, it is possible to secure a much larger collector area than the neutralizer in which the high-frequency coil is wound around the cylindrical portion (body portion) of the above-described conventional neutralizer container. The collector area is approximately twice as large as when a neutralizer container having the same size as the neutralizer 10 of the present invention is used. Therefore, according to the present invention, even if the plasma density is the same, an extremely large electron current can be extracted as compared with the prior art.
[0035]
In addition, since there is no metal plate such as a collector with a slit inside the quartz plate 16, it is possible to improve the plasma generation efficiency without hindering the introduction of the high-frequency power to the plasma 51.
[0036]
The present invention can achieve the effects of prolonging the maintenance cycle and reducing the emission of metal sputters by increasing the electron emission amount of the neutralizer 10 to a large current. This will be described specifically.
[0037]
When introducing RF into the plasma chamber 50 of the neutralizer 10, what determines the maintenance cycle is the amount of conductive deposits on the quartz plate 16, which is the RF introduction window. When the quartz plate 16 becomes conductive due to conductive deposits, an induced current flows on the surface of the quartz plate 16. When an induced current flows on the surface of the quartz plate 16, the RF power does not enter the plasma 51 inside the neutralizer 10, and the plasma density, that is, the amount of emitted electrons decreases.
[0038]
The conductive deposit is inevitably generated by sputtering of the collector (neutralizer container) 11. The amount of the conductive deposit can be suppressed to some extent by the bias voltage of the collector 11. The amount of sputter released from the collector 11 increases as the bias voltage of the collector 11 increases negatively.
[0039]
When the plasma density is low or the collector area is small, the bias voltage of the collector 11 must be increased negatively in extracting electrons. Therefore, a large amount of sputters of the collector 11 is generated, and the maintenance cycle is shortened.
[0040]
According to the present invention, high-density plasma can be generated while increasing the collector area, so that the amount of electron emission increases and a sufficient amount of electron emission can be obtained, so that the bias voltage can be reduced. Therefore, generation of spatters can be suppressed, and the maintenance cycle can be significantly lengthened. At the same time, the emission of spatter from the neutralizer 10 is also greatly reduced, so that heavy metal contamination of the process can be avoided.
[0041]
The quartz plate 16 has a large negative potential due to the self-bias induced by the RF coil 17, and is always sputtered with ions 54 and cleaned. That is, even if a metal sputter generated in the collector 11 adheres to the quartz plate 16, the cleaning is performed, so that a decrease in the plasma density and the amount of electron emission due to the conductive adhesion can be suppressed.
[0042]
Further, the present invention uses the spiral RF coil 17 and raises the coil potential in a DC manner by the capacitors 35a and 35b, so that higher-density plasma can be generated and maintained, and the maintenance cycle can be lengthened. Can be.
[0043]
Next, the fact that the RF coil 17 is DC-floated by the matching unit 34 with respect to the processing chamber vessel 5 at the ground potential will be described.
[0044]
The matching unit 34 adjusts the impedance of the RF coil 17 viewed from the RF power supply 31 to be equal to the impedance of the RF power supply 31 (for example, 50Ω), and transmits the RF power to the RF coil 17.
[0045]
The matching unit 34 of the neutralizer 10 is generally configured such that a capacitor 35d is inserted into one phase of the RF power supply 31, one end is grounded, and an output is generated only from the other end, as shown in FIG. ing. In this configuration, one end of the RF coil 17 is fixed to the ground, and the other end vibrates at a voltage V1 corresponding to the RF power as shown in FIG.
[0046]
If the capacitor 35c in FIG. 3A is divided into two capacitors 35a and 35b as shown in FIG. 4A and matched as in the present invention, the RF coil 17 becomes DC floating. Therefore, the voltage generated at both ends of the RF coil 17 changes as shown in FIG. The difference (V2 + V3) between the voltage amplitudes at both ends of the RF coil 17 is V1, which is the same as FIG. 3B, but the voltage appearing at the end of the RF coil 17 is substantially reduced.
[0047]
On the surface of the quartz plate 16 facing the plasma 51, a voltage proportional to the voltage appearing in the RF coil 17 is generated. The generation of the plasma 51 includes inductive coupling by the circumferential induction electric field generated by the coil current as described above and capacitive coupling by the axial electric field generated by the voltage induced on the surface of the quartz plate 16.
[0048]
Capacitive coupling has a low contribution to plasma density, which can be reduced and plasma density can be increased by generating plasma by inductive coupling. In the configuration of the matching device 34 according to the present invention, as shown in FIG. 4B, the voltage amplitude of the coil is reduced, so that the power applied to the capacitive coupling is reduced, and the power is effectively input to the inductive coupling. The density of plasma can be further increased.
[0049]
According to an experiment conducted by the inventor, in the configuration of the matching box 34 of the present invention in FIG. 4A, a plasma density approximately twice that of the matching box 34 in FIG. 3A is obtained. When the values of the capacitors 35a and 35b are equal, the voltage amplitudes at both ends of the RF coil 17 are equal. That is, the quartz plate 16 is sputter-cleaned to the same extent at the center and the end of the coil, and the cleaning is performed relatively uniformly on the quartz plate 16.
[0050]
By using the neutralizer 34 in which the capacitors 35a and 35b are inserted at the two output terminals, high-density plasma can be obtained, and the emission electron current can be increased and the bias voltage can be reduced. That is, the sputter of the collector can be reduced, and the maintenance cycle can be extended by the uniform sputter cleaning effect.
[0051]
On the other hand, if the amount of sputtering of the quartz plate 16 is too large, the distance between the RF coil 17 and the quartz plate 16 is slightly increased or a thin quartz plate 16b is inserted between the coil and the quartz plate 16a as shown in FIG. If the quartz plate 16 is made slightly thicker, the amount of spatter can be reduced. However, in this case, the input efficiency of the RF power is slightly reduced.
[0052]
Further, with the above-described configuration, the bias voltage of the collector (neutralizer container) 11 can be lowered, so that the maintenance cycle can be greatly extended, and at the same time, the emission of sputtered substances is minimized. Can be
[0053]
FIG. 5 shows another embodiment (second embodiment) of the present invention.
FIG. 5 differs from the first embodiment of FIG. 1 in that an electron extraction electrode 14 is provided outside the portion where the orifice 12a is formed.
[0054]
As described above, the gas in the processing chamber 40 is ionized by the high-energy electrons emitted from the orifice 12a of the neutralizer 10 and plasma is generated between the gas and the ion beam 55, as described above. With the conduction path secured, a large amount of electrons 53 are supplied to the ion beam 55. Therefore, under a low gas pressure such that the pressure of the processing chamber 40 becomes 10 mPa or less, the amount of ionized gas is small, and thus, electron emission may be difficult.
[0055]
As shown in FIG. 5, by providing an electron extraction electrode (keeper) 14 having a positive potential applied to the collector (neutralizer container) 11, electrons can be easily extracted. In FIG. 5, a keeper 14 is attached to the outlet of the orifice 12a, that is, outside the orifice plate 13a, with a ceramic spacer 15 inserted therebetween, insulated from the neutralizer container 11 at an interval of about 2 mm, and attached to the collector 11. On the other hand, a positive bias voltage is provided by a bias power supply 33. Other parts are the same as in the embodiment of FIG.
[0056]
Although the potential of the keeper 14 may be higher than the ground potential, it is desirable to set the potential to be negative with respect to the ground potential of the processing chamber 40 or the like because the electron emission efficiency is reduced. Therefore, it is desirable to set the keeper potential between the collector potential and the ground potential.
[0057]
The function of extracting electrons when the keeper 14 is installed is as follows. An orifice plasma 52 is generated from the orifice 12a to the keeper 14, and this plasma is maintained by the discharge between the keeper 14 and the plasma 51 inside the collector 11 or the neutralizer 40, and forms a conduction path for electrons. Thereby, a large amount of electron current is emitted without being subjected to space charge limitation.
[0058]
Since the potential of the orifice plasma 52 is higher than the keeper potential by about 20 V, it is desirable that the keeper potential be -20 V or less with respect to the ground potential so that the orifice plasma 52 is lower than the ground potential.
[0059]
According to the experiments of the present inventors, in the embodiment of FIG. 5, the bias voltage of the collector 11 is -40 V to -50 V, the keeper voltage is about -20 V, and the cleaning effect of the quartz plate 16 is sufficient. It has been confirmed that even when the quartz plate 16 is operated for 100 hours at an electron emission current of 1 A, the quartz plate 16 is hardly contaminated, and the output is not reduced at all.
[0060]
6 and 7 show another embodiment (third embodiment and fourth embodiment) of the present invention, respectively. 6 and 7 are enlarged views of a main part of the orifice portion of the embodiment shown in FIG.
[0061]
6 differs from the second embodiment of FIG. 5 in that the shape of the orifice 12 is changed from a tapered orifice 12a to an orifice 12b having a simple hole.
[0062]
In the second embodiment shown in FIG. 5, the orifice 12a is tapered. However, the orifice 12a is formed in a nozzle shape so that the gas flow has an axial direction, the orifice plasma 52 is extended in the axial direction, and the It has improved releasability. In the orifice portion, electrons 53 can be similarly emitted from the orifice 12b having a simple hole like the orifice 12b in FIG. However, in the orifice 12b having a simple hole, the loss of electrons to the keeper 14 is slightly increased because the orifice plasma 52 spreads hemispherically.
[0063]
FIG. 7 shows a second embodiment of FIG. 5 in which a ceramic spacer 21 is inserted between the keeper 14 and the orifice plate 13a to prevent the gas flow in the radial direction. This effect facilitates the generation of the orifice plasma and improves the electron emission as described below.
[0064]
The orifice plasma 52 cannot be maintained without a certain gas pressure. Therefore, in operation in a high vacuum, the gas diffuses immediately after exiting the orifice 12a. Therefore, unless a high flow rate gas is supplied to the neutralizer 10, the gas pressure cannot be maintained, and the orifice plasma 52 Is extinguished, and electrons cannot be extracted.
[0065]
For this reason, as in the embodiment of FIG. 7, the space between the keeper 14 and the orifice plate 13a is covered with the spacer 21 to eliminate the gas loss in the radial direction, so that the orifice plasma 52 is easily maintained, and even in a high vacuum. Operation becomes possible.
[0066]
FIG. 8 shows another embodiment (fifth embodiment) of the present invention.
FIG. 8 is a modification of the second embodiment shown in FIG. 5 in which the metal orifice plate 13a is replaced with a quartz orifice plate 13b. The operation will be described in comparison with the second embodiment.
[0067]
The orifice plasma 52 is denser than the plasma 51 in the plasma chamber 50 of the neutralizer 10 and the metal orifice plate 13a in the second embodiment is also a part of the collector, so that the vicinity of the orifice 12a is sputtered on both sides. In the second embodiment as well, the maintenance cycle is extended and the sputtered material is reduced sufficiently. However, the orifice plate 13b is made of quartz or ceramic, and the sputtered material is further reduced by eliminating the sputter at the orifice 12a. Can be achieved.
[0068]
According to experiments by the present inventors, the amount of electron emission is reduced by about 30% as compared with the second embodiment of FIG. 5, but it is confirmed that the same operation is performed.
[0069]
9 and 10 show another embodiment (sixth embodiment) of the present invention. FIG. 9 is an enlarged longitudinal sectional view of the neutralizer, and FIG. 10 is a longitudinal sectional view of an embodiment in which the present invention is applied to an ion beam processing apparatus.
[0070]
9 is different from the first embodiment of FIG. 1 in that an orifice 12c is provided around a cylindrical portion (body portion) of a neutralizer container (cylindrical container) 11, as shown in FIGS. 11 (a) and 11 (b). That is, a plurality of holes are formed along the direction.
[0071]
The orifice 12c can have a circular shape as shown in FIG. 11A or a slit shape that is long in the circumferential direction as shown in FIG. 11B.
[0072]
When a plurality of orifices 12c are provided along the circumferential direction in the cylindrical portion (body portion) of the neutralizer container (cylindrical container) 11, electrons 53 are emitted from the neutralizer 10 not in one direction but in multiple directions. Is done.
[0073]
FIG. 10 shows an example of an ion beam processing apparatus which is very effective when such a neutralizer 10 is used.
[0074]
The ion beam processing apparatus shown in FIG. 10 forms a ring-shaped ion beam using a donut-shaped large-diameter ion source as shown in FIG. 12A, and performs substrate processing as shown in FIG. A plurality of substrates 41 arranged in a donut shape on the table 42 are simultaneously processed. FIG. 12A is a sectional view taken along line AA of FIG. 10, and FIG. 12B is a plan view of the substrate processing table 42.
[0075]
As can be understood from FIG. 10, in such an ion beam shape, if the neutralizing electrons 53 are emitted from the end of the processing chamber container 5 as shown in FIG. And uniform neutralization cannot be performed. It is necessary to install a plurality of neutralizers around the ion beam 55 for uniform neutralization.
[0076]
The ion source includes concentric quartz tubes 62 a and 62 b and an ion source container lid 63, and generates plasma in the plasma generation chamber 1 using an RF coil 61 to which an RF power supply 65 and a matching unit 64 are connected.
[0077]
The extraction electrode 8b is hollowed near the center, and the neutralizer 10 is installed at the center of the extraction electrode 8b through the hole. As shown in FIG. 9, electrons 53 are emitted from the neutralizer 10 in the circumferential direction of the neutralizer container 11 and can be uniformly supplied to the entire ion beam 55. Further, since a large electron current is obtained in the present invention, the ion beam 55 can be sufficiently neutralized only by disposing one neutralizer 10 at the center.
[0078]
FIG. 13 shows another embodiment (seventh embodiment) of the present invention.
FIG. 13 differs from the first embodiment of FIG. 1 in that the RF coil 17 is a spiral coil. FIG. 13 omits illustration of the high-frequency power supply 31, the matching device 34, and the like.
[0079]
As shown in FIG. 13, even if the RF coil 17 is a helical coil, plasma can be generated similarly to the spiral coil, a large electron current can be obtained, and the maintenance cycle can be lengthened.
[0080]
Next, a difference from a known technique using a spiral coil having a metal wall as an ion source will be described. The use of a spiral coil having a metal wall as an ion source is described in, for example, JP-T-2001-502468.
[0081]
In principle, the ion source and the neutralizer have completely different behaviors in terms of whether to extract ions or electrons due to the difference in the ease of movement of ions and electrons. As the behavior of the plasma, the limitation of the magnitude of the ion current due to the area often limits the performance due to the difficulty of the movement of the ions.
[0082]
The first difference is the role of the metal wall. The ion source only needs to collect electrons, so a small metal surface is sufficient. That is, since electrons can be sufficiently collected only by the extraction electrode, the extraction current of ions is limited only by the extraction area, and is hardly affected by the area of the metal surface.
[0083]
On the other hand, in the neutralizer, the amount of emitted electrons is limited by the area of the metal surface (collector area) for collecting ions from the plasma. Therefore, the metal wall area plays an important role in increasing the current.
[0084]
The second is a bias potential applied to the metal surface. This is an important parameter related to the maintenance cycle. In the ion source, a positive potential is applied to the extraction electrode with respect to the processing chamber to extract ions. In many cases, the metal part of the hollow container does not need to be biased. The metal wall only undergoes ion sputtering by the plasma potential.
[0085]
On the other hand, in the neutralizer, a negative bias is required for the processing chamber to extract electrons. For this reason, the metal wall receives ion sputtering corresponding to the bias potential in addition to the plasma potential, and scatters a large amount of sputter. As a result, the contamination (conduction) of the quartz, which is the RF introduction window, is much faster than that of the ion source, which is a major cause that restricts the maintenance cycle. Become.
[0086]
How low the bias potential can be is important in a neutralizer. In addition, since a negative bias is indispensable, a measure for reducing metal sputter is also a practically significant technique.
[0087]
Therefore, with the configuration according to the present invention, it is possible not only to increase the amount of emitted electrons but also to greatly extend the maintenance cycle.
[0088]
As described above, the present invention provides an orifice for emitting electrons in a hollow metal container whose one end in the longitudinal direction is open, and a dielectric plate so as to cover the open end, and an outer surface of the dielectric plate. A high-frequency coil for generating a high-frequency induced electric field to generate plasma in the hollow container is provided, and a negative bias is applied to the metal hollow container. In other words, the hollow container having one open end is made of metal, and the open end is covered with a dielectric plate, so that the region (area) of the neutralizer container made of metal is increased. Therefore, since the body portion having a large area ratio in the neutralizer container is made of metal, the ion collector area can be increased, so that many ions can be collected in the neutralizer and the plasma generation efficiency is improved. Neutralizing electrons can be obtained.
[0089]
Although the above-described embodiment is an example in which etching is performed, it goes without saying that the present invention can be similarly applied to a case in which ion beam processing such as film formation and film modification is performed.
[0090]
It is obvious that the same effect can be obtained by using the present invention even if the ion source is installed in a vacuum processing chamber as an ion gun.
[0091]
In addition, it goes without saying that the neutralizer container may be a polygon such as a triangle instead of a cylinder.
[0092]
【The invention's effect】
In the present invention, since the body portion having a large area ratio in the neutralizer container is made of metal, the area of the ion collector can be increased, so that many ions can be collected in the neutralizer and large neutralized electrons can be obtained. Can be.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a neutralizer showing one embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of an ion beam processing apparatus showing one embodiment of the present invention.
FIG. 3 is an explanatory diagram of a conventional example of a matching device.
FIG. 4 is an explanatory diagram of a matching device of the present invention.
FIG. 5 is a longitudinal sectional view of a neutralizer showing another embodiment of the present invention.
FIG. 6 is an enlarged sectional view of a main part showing another embodiment of the present invention.
FIG. 7 is an enlarged sectional view of a main part showing another embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a longitudinal sectional view of a neutralizer showing another embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a longitudinal sectional view of a neutralizer showing another embodiment of the present invention.
10 is a longitudinal sectional view of an ion beam processing apparatus using the neutralizer of FIG. 9 showing one embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a perspective view showing an example of a configuration of a neutralizer in the embodiment of FIG. 9;
FIG. 12 is a diagram of an ion source unit and a substrate processing table in the embodiment of FIG. 10;
FIG. 13 is a longitudinal sectional view of a neutralizer showing another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Plasma generation chamber, 2, 63 ... Ion source container, 3 ... Insulating spacer, 4 ... Flange, 5 ... Processing chamber container, 6 ... Permanent magnet, 7 ... Gas port, 8 ... Extraction electrode, 9 ... Insulating spacer, 10 ... Neutralizer, 11 ... Neutralizer container (collector), 12 ... orifice, 13 ... orifice plate, 14 ... electron extraction electrode (keeper), 15 ... spacer, 16 ... quartz plate, 17, 61, 65 ... RF ( High frequency) coil, 18 gas port, 19 coil retainer, 20 cooling tube, spacer 21 spacer, 31 RF (high frequency) power supply, 32, 33 bias power supply, 34, 64 matching unit, 35 capacitor 36, insulators, 40 processing chamber, 41 insulating substrate, 42 substrate processing table, 50 neutralizer plasma chamber, 51 neutralizer plasma, 52 orifice plasma, 53 electrons, 54 a Down, 55 ... ion beam, 56 ... plasma, 60 ... filament, 62 ... a quartz tube.