JP2004005372A - セキュリティマーキング法及びセキュリティマークを与えられたアイテム - Google Patents
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Abstract
【課題】銀行券、支払いカード等の偽造防止を目的とし、一般的に知られたものと異なる特徴を加えて真正の証跡とすることができるアイテムを提供する。
【解決手段】放射線像貯蔵燐光体パネルとは異なるアイテムの真正を試験及び確認するための装置及び方法であって、前記アイテムがその少なくとも一部の上に又は中に貯蔵燐光体粒子を与えられ、前記方法は:刺激性燐光体によって放出される波長より短い波長を有する電磁放射線をアイテムに最初に照射することによって前記アイテムの上又は中の選択された貯蔵燐光体の存在についてチェックし;燐光体によって放出される波長より長い波長を有する電磁放射線で燐光体を刺激し;燐光体の刺激された放出を検出し、光信号を視覚及び/又は音響信号に変形する、工程を含む。
【選択図】図1
【解決手段】放射線像貯蔵燐光体パネルとは異なるアイテムの真正を試験及び確認するための装置及び方法であって、前記アイテムがその少なくとも一部の上に又は中に貯蔵燐光体粒子を与えられ、前記方法は:刺激性燐光体によって放出される波長より短い波長を有する電磁放射線をアイテムに最初に照射することによって前記アイテムの上又は中の選択された貯蔵燐光体の存在についてチェックし;燐光体によって放出される波長より長い波長を有する電磁放射線で燐光体を刺激し;燐光体の刺激された放出を検出し、光信号を視覚及び/又は音響信号に変形する、工程を含む。
【選択図】図1
Description
【0001】
発明の分野
本発明は真正なアイテム、前記アイテムの真正を試験する能力を与えるシステム又は方法及びその方法に使用するために好適な装置に関し、前記アイテムは放射線像貯蔵燐光体スクリーンとは異なり、前記アイテムは真正を確認するのに有利な少なくとも一つの刺激性燐光体でマークされている。
【0002】
発明の背景
真正な銀行券、支払いカード、及びパスポート、身分証明書のような公文書を偽造に対して保護するために、特別な特徴が加えられる。一つの特別な特徴はUV放射線で励起すると光を放出する発光材料を含有する層の適用である。かかる発光粒子を含有する材料は有機であろうと無機であろうと幾つかの色の光を放出することができ、発光物品が埋め込まれた燐光体層は保護される文書をUV励起に露光すると数字又は文字が現れるように構成されることができる。
【0003】
加えられる特徴が特別であるほど、また特徴を加える材料を製造するのが難しいほど、偽造に対するその保護はより良好になる。
【0004】
近年において、文書保護のための発光材料の使用が広く行きわたるようになり、紫外線で励起すると光を放出する多くの様々な種類の発光材料が利用可能である。スペクトルの赤、緑又は青領域において見ることができる光を放出する極めて多くの材料が存在する。しかしながら、異なる発光材料の放出色はほとんど区別できないことが多く、発光材料は有機又は無機のいずれも世界中の多くの企業によって製造される。
【0005】
それゆえ、あまり一般的に知られていない材料を必要とするより特別な特徴に対するサーチが意図的に研究されてきた。その研究ではマーキングが(例えば“不可視”から“可視”への不可逆的変化を伴うような)永続的でない特性を持つべきであることに注意が払われている。なぜならば良く知られた偽造者はかかるマーキングを暴露するためのこれらの技術的手段に関心を向けているので、模倣すべきマーキングに気づくであろうからである。
【0006】
発明の目的
本発明の第一目的は偽造に対してアイテムを保護するためにその真正を証明することができるアイテムを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は前記アイテム、特に銀行券、支払いカード及びパスポート、身分証明書のような公文書などの真正を証明し、これまで行われてきたよりも確実な方法で偽造に対してそれらを保護する方法を提供することである。
【0008】
さらに本発明の目的は真正の証跡を与える用途に今日使用されている一般的に知られた特徴とは異なるさらに特別な特徴を加えることである。
【0009】
本発明のさらなる目的は前述したアイテムの真正を試験する能力を明確に与えるために本発明のシステム又は方法に使用するために好適な装置を提供することである。
【0010】
他の目的は以下の記述及び特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【0011】
発明の概要
上述の目的は、貯蔵燐光体パネルとは異なるアイテムにおいて、前記アイテムが特別な組成を有する貯蔵燐光体粒子をその少なくとも一部の上に又は中に与えられるか又はマークされることを特徴とするアイテムを提供することによって実現される。
【0012】
アイテムの真正を試験して真正を証明し、それらを偽造に対して保護するための方法がさらにクレームされており、前記方法は下記工程を含む:
− アイテムの中に又は上に(一以上のタイプの)特別な刺激性(貯蔵)燐光体を混入する;
− 特別な刺激性燐光体によって放出される波長より短い波長を有する電磁放射線を真正アイテムに最初に照射することによって前記貯蔵燐光体の存在についてチェックし;
− 前記燐光体によって放出される波長より長い波長を有する電磁放射線で燐光体を刺激し;
− (同時に)前記特別な燐光体の刺激された放出を検出し、光信号を視覚及び/又は音響信号に変形する。
【0013】
アイテムの真正を試験する能力を与える装置がさらにクレームされており、前記装置は(ハウジング内に)下記のものを含む:
− 特別な貯蔵燐光体の放出波長より短い波長を有する電磁放射線を放出する第一源;
− 特別な貯蔵燐光体の刺激スペクトル内の波長を有する電磁放射線を放出する第二源;
− (所望により)前記第二源から発生される光を遮断し、特別な貯蔵燐光体によって発生される放出光を透過する光学フィルタ;
− 前記光学フィルタを透過する光信号を電気信号に変形する検出器;
− 電気信号を増幅する増幅器;及び
− 視覚及び/又は音響信号を通して貯蔵燐光体の存在又は不存在を示す信号化ユニット。
【0014】
前記装置のハウジングは光学フィルタによって分割された少なくとも三つの室を含み、光学フィルタが光のみが前記フィルタを通過することによって別の室に到達するような方法で置かれている。
【0015】
本発明の好ましい例についての特別な特徴は従属請求項に述べられている。
【0016】
本発明のさらなる利点及び具体例は以下の記載及び図面から明らかになるだろう。
【0017】
図面の簡単な記述
図1は刺激性燐光体とも称される貯蔵燐光体の励起、放出及び刺激スペクトルの間の関係を示す。
【0018】
図2は真正が証明されるべきアイテムにおいて貯蔵燐光体の存在を証明するために使用するための本発明による装置のスケッチを表し、そこでは少なくとも下記の部品が要求される:
(1):ハウジング;
(2):調査下のアイテム;
(3):貯蔵燐光体の放出波長より短い波長を有する電磁放射線を放出する源(励起源);
(4):源(3)の光を遮断し貯蔵燐光体の放出光を透過する光学フィルタ;
(5):貯蔵燐光体の刺激スペクトル内の波長を有する電磁放射線を放出する刺激源;
(6):源(5)によって放出されるより短い波長を減衰する光学フィルタ;
(7):刺激する光を減衰する光学フィルタ;
(8):光検出器;
(9):電子部品;及び
(10):インディケータ(視覚的に検出する−ランプ−、音響信号を出す−ビーパー−、など)。
【0019】
電子アイテムとして、光信号を電気信号に変形する検出器;電気信号を増幅する増幅器;及び視覚及び/又は音響信号によって貯蔵燐光体の存在又は不存在を示す信号化又はアラームユニットが要求されることは明らかである。
【0020】
図2は本発明の実施例においてより詳細に説明されているように実際の例を示すものである。
【0021】
発明の詳細な記述
上述の目的は、真正が確認及び検出されなければならずかつ偽造に対して保護されるべきアイテムの中に又は上に一種以上のいわゆる刺激性(貯蔵)燐光体を混入することによって実現され、そこでは前記アイテムは医療診断目的のための放射線像貯蔵燐光体スクリーン又はパネルとは明らかに異なり、刺激性燐光体によって放出される波長より短い波長を有する高いエネルギーの電磁放射線での再露光に対する必要性なしに一回以上真正を確認する時間さえ提供される。
【0022】
本発明によれば、貯蔵燐光体パネルとは異なるアイテムは前記アイテムがその少なくとも一部の上に又は中に選択された刺激性燐光体の貯蔵燐光体粒子を与えられていることを特徴とする。さらに特に本発明によれば、刺激性燐光体を(その少なくとも一部の上に又は中に)与えられた前記アイテムは、真正な銀行券、支払いカード、クレジットカード、身分証明バッジ、公文書(パスポート又は身分証明カードのような)、及び希少又は貴重な物品からなる群から選択される。
【0023】
前記選択された刺激性燐光体は、かかる燐光体の電磁放射線への露光でエネルギーの貯蔵が現れ、前記エネルギーが燐光体によって放出される光の波長より短い波長を有するという点で従来良く知られた発光燐光体材料とは異なるものとして知られている。従って、放出された光は例えばWO 81/03507における発光材料に対する場合と同様に自発的に放出されないが、貯蔵燐光体は光学的刺激で、即ち貯蔵されたエネルギーを有する燐光体の放出波長より長い波長を有する光への露光で、可視光の形の貯蔵されたエネルギーを放出する。さらにその貯蔵されたエネルギーはUS−A 4387112に記載されたような燐光物品についての場合と同様にすぐに完全に放出されない。US−A 4387112では貯蔵されたエネルギーは赤外線での刺激又は熱又は電界での刺激後にかなり一体的に失われる。
【0024】
本発明の方法によれば、前記貯蔵燐光体の存在に対する繰り返されるチェックは、アイテムをさらに照射することなく、さらに刺激及び検出することによってなされる。しかしながら、この適用は、貯蔵されたエネルギーの一部が刺激によって消えるので制限されることは明らかである。結果として刺激中に使用された平方ミリメートルあたりのエネルギーは一以上の制御を可能とするためには減少されるべきである。かかる方法は、適用される刺激エネルギーの低下のため、その信頼性について悩まされるかもしれないが、一定の利点も期待しうる。さらに、信号が連続検出で減少する割合は使用した貯蔵燐光体の組成に強く依存する。信号の減少のデータを使用して刺激エネルギーを計算することによって、使用した燐光体のタイプを発見することができる。従って、CsBr:Euは刺激性燐光体として使用されるとき、例えばBaFBr:Eu(それはその高い刺激エネルギーの結果としてあまり迅速に減少しないだろう)より低い刺激エネルギーのため、迅速に減少する信号を示すだろう。
【0025】
US−A 4585944;4491736;4350893;4511208;4505989;4926047;4535238;4782237;4571496;4574102;4608190;4616135;4752557;4769549;4837436;5055681;5296117;5632930;5654555;5886354;5986279;6045722及び6271528;US−出願No.00159004及びEP−A 0174875,0185534,1001276,1001277,1063505,1150303及び1158540(これらに限定されない)のような極めて多くの特許に開示されているように、デジタル放射線写真像形成又は線量測定において熟練したいずれの人によっても知られる貯蔵燐光体スクリーン又はパネルを保護又は識別することが目的でないことは明らかである。
【0026】
粒子の形で本発明による真正なアイテムに存在する貯蔵燐光体の励起、放出及び刺激スペクトルの間の関係は既に述べた図1に示されている。
【0027】
本発明によれば、アイテムの真正を試験するための方法がさらに提供され、前記方法は、(1)特別な刺激性(貯蔵)燐光体を(含有する層を)かかるアイテム中に組み入れ;(2)まず前記特別な刺激性燐光体によって放出される波長より短い波長を有する電磁放射線でアイテムを照射することによって貯蔵燐光体の存在についてチェックし、前記燐光体によって放出される波長より長い波長を有する電磁放射線で前記燐光体を刺激し、燐光体の刺激された放出エネルギーを検出し、それによって光信号を視覚及び/又は音響信号にさらに変形する工程を含み、前記燐光体はMIIFX:Eu2+(式中、MIIはBa又はSrを表し、XはBr又はIを表す)又はMIX′:Eu2+(式中、MIはアルカリ金属を表し、X′はBr又はClを表す)から構成される。
【0028】
本発明による方法によって保護される、真正アイテムにおいて特別に選択された貯蔵燐光体粒子として使用するために特に好適な刺激性燐光体は下記のとおりである:
MIIFX:Eu2+(MII=Ba,Sr;X=Br,I);
MIX′:Eu2+(MI=アルカリ金属、X′=Br,Cl),
MII 5MIIIIO4X″6:Eu2+(MII=Ba,Sr;X″=Cl,Br,I),
MIIB5O9X″:Eu2+(MII=Ba,Sr;X″=Cl,Br,I)。
【0029】
本発明の方法による好ましい例によれば、前記特別な刺激性燐光体はMIIFX:Eu2+(式中、MIIはBa又はSrを表し、XはBr又はIを表す)から構成される。これらの燐光体組成物のうち最も好ましいものはBaFBr:Eu2+である。
【0030】
本発明の方法による別の好ましい例では、前記刺激性燐光体はMIX′:Eu2+(式中、MIはアルカリ金属であり、X′はBr又はClを表す)、例えばCsX′:Eu2+から構成される、そこで最も好ましいものはCsBr:Eu2+である。
【0031】
刺激性燐光体はそれ自身の特別な励起スペクトル、特別な放出スペクトル及び特別な刺激スペクトルによって特徴づけられるので、全ての刺激性燐光体は独自のものである。二つの貯蔵燐光体は例えば極めて類似した放出スペクトルを有してもよいが、明らかに異なる励起スペクトルを有してもよい。それらのスペクトル差は二つの燐光体間の区別を可能にし、それゆえ以下に説明されるようにアイテムの真正の明確な試験を利用可能にする。
【0032】
真正が保護されなければならないアイテムにおける貯蔵燐光体の存在は二つの異なる好ましい方法で証明されることができ、かくして保護の度合いを改良する:
1)その存在は通常の方法で、即ち紫外線への露光を通して直接光放出を励起することによって証明されることができ、光放出のパターン及び色の視覚的検査は保護されたアイテムにおける発光化合物の存在を示すだろう;
2)貯蔵燐光体の正しいタイプの存在を証明することができる:それゆえ本発明による装置が使用され、そこでは第一工程では、燐光体は短波長放射線に露光され、それによってエネルギーは貯蔵燐光体に貯蔵され、一方第二工程では、燐光体は貯蔵燐光体の刺激スペクトル内の波長を有する電磁放射線に露光され、それによって刺激された光放出を生じ、それが装置によって検出される。
【0033】
2)では検出はより選択的であるので、特定のアイテムの真正を選択的に検査するために装置及びシステムが本発明によって提供される。
【0034】
特別で独自な検査システムは真正を証明するため及びかかるアイテムを偽造から守るために提供される。
【0035】
一以上の貯蔵燐光体でマークされた対応するアイテムの真正を試験する能力を与える本発明による装置は下記のものから構成される:
− 貯蔵燐光体の放出波長より短い波長を有する電磁放射線を放出する第一源;
− 貯蔵燐光体の刺激スペクトル内の波長を有する電磁放射線を放出する第二源;
− 前記第二源から発生される光を遮断し、使用した特別な貯蔵燐光体によって発生される放出光を透過する光学フィルタ;
− 前記光学フィルタを透過する光信号を電気信号に変形する検出器;
− 電気信号を増幅する増幅器;及び
− 視覚及び/又は音響信号を通して貯蔵燐光体の存在又は不存在を示す信号化ユニット。
【0036】
前述したように、図2は燐光体でマークされた本発明の真正アイテムにおける一以上の貯蔵燐光体の存在を証明する能力を与える本発明によるかかる装置のスケッチを表す。貯蔵燐光体を担持する調査下の真正アイテム(2)は、貯蔵燐光体の放出波長より短い波長を有する電磁放射線を放出する放射線源(3)に照明されるか又は露光され、かくして貯蔵燐光体によって貯蔵されるエネルギーを与える。
【0037】
アイテム(2)を露光後にかくして貯蔵されたエネルギーはハウジング(1)の別の室に輸送後、電磁放射線を放出する源(5)によって放出される。前記源(5)はアイテム(2)に存在する貯蔵燐光体の刺激スペクトル内の波長を有する。ハウジング(1)の第二部分では、光学フィルタ(6)は源(5)の光を遮断し、アイテム(2)に存在する貯蔵燐光体からの放出光を刺激するために刺激光を送る。検出器(8)は光学フィルタ(7)を透過する光信号を電気信号に変形し、電子ユニット(9)は電気信号を増幅する:もし存在するなら、アイテムにおける真正貯蔵燐光体の存在を証明し、信号化及び/又はアラームユニット(10)は予想されるような視覚及び/又は音響信号によって貯蔵燐光体の存在を示す。かかる信号の不存在(その信号はアイテムの真正をチェック及び確認するために繰り返しの刺激後に一回以上検出されることができる)は明らかにそれに負担を掛ける。
【0038】
本発明によれば、装置は刺激後刺激性燐光体によって放出される波長より短い波長を有する第一光源(図2の(3)参照)を含み、前記第一光源は紫外光源である。
【0039】
本発明によれば、装置はアイテムにおいて燐光体によって放出された波長より長い波長を有する電磁放射線で貯蔵燐光体を刺激することができる波長を有する第二光源(図2の(5)参照)を含み、前記第二光源はダイオードレーザである。
【0040】
さらに本発明によれば、装置は前記第二光源の光を遮断しかつアイテム(2)から貯蔵燐光体の放出光を透過する光学フィルタ(7)を含み、前記フィルタはBG3フィルタ又はBG39フィルタである。
【0041】
本発明による装置における好ましい例では、前記光検出器はダイオードである。
【0042】
上述の刺激性燐光体は極めて敏感であるので、それらは10mg/cm2の下限まで、さらには1mg/cm2の下限まで(表面全体又はその一部だけをカバーする層に)被覆又は混入されることができる。それらの低い量はコスト及び環境負荷に明らかに有利である。アイテムをマークするために分散された刺激性燐光体粒子で被覆された少なくとも一つの層を形成する燐光体顔料の層を、マークされるアイテムの一部だけの中に又は上に導入することは、真正の検出を与えるために大いに推奨される。
【0043】
本発明にクレームされたようなアイテムに使用するために好適な刺激性燐光体粒子は最外層に存在することが好ましく、そこでは前記最外層中に含まれる又は突出する頂部の局在化は、アイテムの寸法に加えて、刺激性燐光体粒子が適用される方法に依存する。結合剤中に分散された形では刺激性燐光体粒子は保護最外層として作用するポリマー層において被覆されることができ、又はそれらは最外(ポリマー)層でオーバーコートされた層において被覆されることができる(両層は連続的に又は同時に適用されることができる)。本発明によるアイテムに刺激性燐光体粒子を与えるために、前記アイテムの真正を試験するためのセキュリティ手段を与えるために、いかなる被覆又は印刷法を使用してもよい。
【0044】
別の例では、貯蔵燐光体粒子は例えばインクジェット技術のようないかなる技術によってもアイテム上に印刷される能力を与えるインク配合に混入される。
【0045】
さらに別の例では、貯蔵燐光体粒子はそれに関するいかなる技術によっても印刷される能力を与えるトナー配合に混入される。
【0046】
貯蔵燐光体粒子は別の例では、例えば紙又はプラスチックホイルなどを作るために使用される原材料のような原材料又はベース材料に存在する。この場合において刺激性燐光体粒子は(特別なケースでは“包装材料”として使用するために好適な)紙又はプラスチックホイル自体に混入される。
【0047】
アイテムは小さな又は大きな範囲でフレキシブルであるので、公知の最も好適な方法で刺激性燐光体粒子を適用する方法はアイテムの特別な特性に依存する。
【0048】
さらに、特に希少又は極めて独自のアイテム又は少ない数又は制限された量で製造されたアイテムに対しては、アイテムは簡単な方法でその製造履歴を追跡するためにマークされることができる。一つの例では、刺激性燐光体は(バーコードを適用するための公知の方法によって)バーコードで局部的に適用される:前記バーコードが製造時間(年、月、日、時、分、秒)、場所並びに製造会社及び所有者(アイテムが“パーソナル化”されているとき)を含むとき、アイテムは十分に特徴づけられる。かかる用途では、好ましい貯蔵燐光体は針状の円柱、三角柱もしくはハニカム形又は粉末の、特に選択されたBaFBr:Eu又はCsBr:Eu燐光体の一つである。
【0049】
マーキングツールとして貯蔵燐光体の存在による真正の特徴の保護、即ちどのような理由であれ真正のいかなる兆候も除去するために例えば有機溶媒での繰り返しの摩擦又は処理によって前記燐光体を除去するようないかなる試みにも抵抗できるものを与えるために、上述のような配合に(例えばインク又はトナー配合、又は紙又はプラスチックのような結合剤を伴う分散体に)燐光体を混合することが推奨される。前記燐光体を除去する試みは結果として表面のアイテムの一部の損傷(例えばインクまたはトナーの除去)を必要とするだろう。それゆえ刺激性燐光体はアイテムの表面ではなく、表面保護オーバーコート層の下に存在させるか、又は前記層に分散させることが望まれる。照射によって(例えば紫外照射によって)燐光体を不活性化することは除外され、いかなる化学処理も不適切な使用の表示マークを残すだろう。
【0050】
特に、高い(限定されないが)程度の可撓性を示すアイテムに対して、取扱い中変化する応力(及び物理的強度の劣化)の結果として損傷からの選択された貯蔵燐光体によるアイテムのマーキングを保護するために、小さな粒子サイズを有する貯蔵燐光体を使用することが推奨される。大きなサイズを有する燐光体粒子はアイテムを曲げるときに燐光体粒子に対する過大な力を避けるための手段を明らかに要求するだろう。大きなサイズを有する粒子は極めて敏感であるので、機械的(曲げ)特性及びアイテムからそれらを除去する困難性の見地から4μm〜20μmの範囲で変化するサイズを持つ粒子を使用することが推奨される。
【0051】
さらにフレキシブルな結合剤中に燐光体を埋め込むことはそれに及ぼされる力の影響を減少するだろう。それゆえ、最も推奨される方法は支持体材料として使用するために好適な例えば紙又はプラスチックの如き原材料中への貯蔵燐光体粒子の混入である。
【0052】
さらに好ましい例では、第一保護表面を形成する、前記支持体材料の上部の保護層は前記表面(の領域)上の放射線硬化性組成物として適用され、前記表面の(領域の)“放射線硬化”は製造におけるさらなる工程を形成してもよい。
【0053】
別の例では、前記第一表面の領域から前記保護層を像に従って除去し、それによってピットを有する像を形成してもよい。さらに別の例では、染料又は代替的に第二(又はさらに)染料(例えば光化学的に安定したCuスルホン化フタロシアニン)を前記ピット中に出現させもよい。前記ピットを無色の放射線硬化性組成物で充填し、前記放射線硬化性組成物を放射線硬化することはさらなる工程を形成してもよい。
【0054】
前記放射線硬化された領域の一部を像に従って除去することは例えば特定の数字又はアルファベット文字で検査下のアイテムをさらにマークする可能性を与える。
【0055】
別の例では、ロゴ又は特別なアラビア数字又はディジット、文字、図形又は模様、又は商標の形での(例えばインクジェット又はトナージェット技術による)特別な表示の直接適用は、公知の印刷技術((シルク)スクリーン印刷が(フレキソグラフィ又はロータリースクリーン印刷に加えて)最も好ましい印刷技術の一つである)による前記表示の適用と並んで可能である。
【0056】
刺激燐光体の放出スペクトルを予想される放出スペクトルと比較することによって真正を明確に検出することができる。しかしながら、好ましい例では、検出源は狭いスペクトル領域において感受性があるような方法で選択される。そこではビデオ又は音響信号はいったん“感度しきい値”を越えると予想されることができる。放出された光のスペクトルとは別に、この“感度しきい値”は刺激性燐光体粒子の粒子サイズ及び平方cmあたりに存在する燐光体粒子の量に依存する。極めて希で極端に高価なアイテムの真正の検出のために使用されてもよい、かかる洗練された装置のコストに照らして、青、緑及び赤色の光を区別する能力を最も簡単な形で有する装置は本発明の範囲内の用途に対して十分である。
【0057】
走査が光源としてレーザで行われる動的走査システムでは、スポット直径は200μm〜1mmで変化してもよい。しかしながら、5cm以下のスポット直径は静的検出が考慮されるときに使用されることができる。しかしながら、刺激性燐光体に貯蔵されるエネルギーを刺激するために、感度はレーザスポットの表面積に比例することは明らかである。
【0058】
アイテムの全表面にわたる静的制御は全表面にわたる刺激性燐光体の低量の被覆を可能にする。もし小さい表面がカバーされ、動的走査が行われるなら、多い量の貯蔵燐光体が要求されることは明らかである。
【0059】
特定の用途のためのデータ貯蔵システムの最良の選択を決定するための関連パラメータは下記のとおりである:
1) 情報を記録するための容易性(即ち、どのような特別な装備が必要とされるか、どれくらい時間がかかるか);
2) 貯蔵基準及び記録された情報のコンパクト性;
3) 永続性及び消去性、及び
4) 読み出しの容易性。
【0060】
さらに、特に設計された限定的な使用法を持つ情報の貯蔵に対して、潜在的に望ましい特性は情報貯蔵の時間の制御である。例えば、もし情報が予め決められた時間後に効果的に消失するような方法で記録されるなら、クレジットカード、身分証明バッジ又は他の同種の手段の使用は記録された情報の消失による手段の失効によって自動的に終了されることができるだろう。
【0061】
さらに、“読み出しの容易性”は望ましい又は望ましくない特性のいずれかであるかもしれない。例えば、情報は一般に公衆に利用可能でない機械によってアクセス可能であるにすぎないことが望ましい。例えば、もし貯蔵された情報が秘密のものとして維持されるべきなら、アクセスすることがより困難にならなければならず、他の者が情報を得ることをより難しくするべきであろう。
【0062】
“書込みの容易性”はセキュリティ産業にとって否定的な意味も肯定的な意味も有する。理想的には、情報の記録及び貯蔵は正しい装置にアクセスを持つ人に対して簡単かつ経済的に正当化されるが、それ以外の人に対して正当化が困難であるべきである。クレジットカード偽造が主な問題である理由の一つはほとんどのクレジットカードの裏側に横切って走る磁気データ貯蔵ストリップ上にある情報がアクセスしやすく、さらに変更しやすいことである。
【0063】
幾人かの研究者は情報貯蔵媒体として感光性色中心を持つ光学記憶結晶の使用を探求した。アルカリハロゲン化物の如きイオン性結晶はこれらの目的のための使用に好適であるとして特に認識されている。
【0064】
US−A 5581499に開示された発明によれば、例えば色中心の形成を利用する記録された情報の寿命は好ましくは一価カチオンでドープされた絶縁フッ化カドミウム試料を使用することによって必要により増加させることができる。この場合の貯蔵条件の最適化は必要時に照射時間を増加することによって又は所定のビーム出力に対して低い電子エネルギーを持つ高い一次電流強度を選択することによって達成される。高い値の情報密度が要求されるとき、タスクは所定の出力及び照射時間に対して電子エネルギーを上昇し、ビーム強度の大きさを低下することにある。107ビット/cm2より高い濃度は容易に達成可能であるが、その発明に対して考えられる様々なタイプの用途の性質のため、ずっと低い密度が好適である。その発明の目的は検索工程の最終段階で可視像を生成するパターンを貯蔵することであるので、また貯蔵されたパターン、従って貯蔵された情報の寿命が貯蔵工程の利用の重要な要素であるので、イオン化ビームの強度の大きな変化を可能とする貯蔵装置及びシステムを提供することに重きを置いている。電子マイクロプローブはその目的のために実に好適である。いったん好適な色中心貯蔵装置が与えられると、様々な商業的に入手可能な装置が色中心現象に基づいて貯蔵されたパターンを検索するために使用されることができる。これらの可視光の中心による吸収を利用し、そのとき貯蔵されたパターンのスケールに依存すると、モノクロ又は白色光源は貯蔵された情報を見るために簡単な拡大鏡から可視(ポケットマイクロスコープ)又はプロジェクションマイクロスコープまでの拡大システムとともに使用されることができる。数百倍の拡大が要求されるとき、送信モードの読み出しが好ましく、マイクロフィルムを検索するために使用されるものの如き装置は相対的に低いコストで使用されることができる。紫外吸収が活用されるとき、水銀蒸気灯の如き紫外光源を使用することができる。蒸気圧力は可視(高圧)又は紫外(低圧)放出が所望の用途に依存して支配的であるようなものである。低い縮尺を有する貯蔵されたパターンに対しては、3ワット出力の商業的に入手可能な電球が読み出しを達成するために好適な光源である。近紫外(300nm又はそれ以上)の成分を有する光は色中心貯蔵された情報を読み出すために好適である。この場合において、検出システムは紫外領域において透明であるべきである。例えば、石英光学素子が使用されるとき、不可視放射線を可視表示に変形するために蛍光スクリーン又は電子変換器が必要である。
【0065】
不純(外部からの)蛍光の消滅を使用する書き込み方法は色中心の創造のために使用される方法と同一である。但し、必要とされる電子ビーム出力及びエネルギー、さらに照射時間が後者の方法に対するよりずっと低い。小さな体積内での不純蛍光の効率の大きな低下の生成は書き込み方法を構成する。各マイクロスコープ体積は入射電子の相互作用体積に、即ちこれらの電子の透過深さに対応するものに限定されることができる。結果として、一つの情報ビットは不純濃度が低い限り、電子サイズのオーダのサイズを持つ。
【0066】
従って、結晶内に貯蔵されることができるビットの密度は(注入されたエネルギー密度に依存して)108/cm2を容易に越える。さらに、適度に低い出力が読み出しのために使用される程度に、貯蔵された情報は色中心に対する場合と同様に光照射によって変更されない。
【0067】
消失した不純蛍光を持つマイクロスコープ体積は一組の情報ビット(データ)を構成する。これらのデータは例えば走査電子マイクロスコープで発生される電子ビームとして好適な放射線によってこれらの体積を励起することによって検索(読み出し)される。もし光学結晶中に注入される出力密度が好適に制御されないなら、弱いエネルギー電子ビームによる励起であっても貯蔵された情報の幾らかを不可逆的に消去しうるので、多大な注意を払わなければならない。好ましい操作は最大照射表面にわたって最低ビーム出力を送出する。もしデータの繰り返される読み出しからの繰り返される電子衝撃のためにこのようにならないなら、貯蔵された情報の寿命は短くなる。コントラストの損失は限定された数の読み出しサイクル後のみ有意でありうる。これは貯蔵された情報の不可視特性及び入射イオン化エネルギー(即ち十分に制御されない検索操作)に対する大きな感受性のため、技術の欠点として写るかもしれないが、この特性は高いセキュリティ度が秘密のものとして要求される多数の用途において利点であり、不適当なアクセスは情報を消去したり又は読むことができなくすることによって情報を保護することができる。
【0068】
本発明によれば、前述の記載から明らかなように、真正について確認又はチェックされなければならないアイテムが考慮され、前記アイテムは貯蔵燐光体パネルとは異なり、MIIFX:Eu2+(MIIはBa又はSrを表し、XはBr又はIを表す)又はMIX′:Eu2+(MIはアルカリ金属を表し、X′はBr又はClを表す)から構成された貯蔵燐光体粒子をその少なくとも一部の上に又は中に与えられ、前記アイテムは真正な銀行券、支払いカード、クレジットカード、身分証明バッジ、公文書、及び希少又は貴重な物品からなる群から選択される。
【0069】
本発明をその好ましい例に関して以下記載するが、本発明をそれらの例に限定することは意図されないことが理解されるだろう。
【0070】
実施例
図2に概略的に示された実例のより詳細な記述はこの実施例に開示される。
【0071】
そこでは下記の番号を付けられた部分(括弧付の番号)は装置の下記配置のために示される。
【0072】
ハウジング(1)は三つの室から作られた。光学フィルタは光がフィルタを通過することによってもう一つの室だけに到達するような方法で置かれた。これによって励起源(3)からの光は試験下のカード(2)に到達するだけであり検出器に到達しないようにすべきである。また、(刺激スペクトル外の)望ましくない刺激源からの光、並びにアイテム(2)に存在する貯蔵燐光体から放出される望ましくない光はフィルタ(6)とフィルタ(7)の組み合わされた配置によってブロックされるべきである。検出器(8)によって検出可能な、刺激性燐光体から放出された光のみが検出器に到達することができなければならない。
【0073】
励起ランプ(3)として金属沃化物ランプが使用された。特に水銀及びツリウム沃化物ランプは Philips−Lighting からのタイプHPI−T及びHPI−BUが好まれた。
【0074】
代替例においてスペクトルランプを使用することができた。カドミウム及び亜鉛ランプが好まれた。代替例としてCd及びHg又はTlからの組み合わせを使用することができた。それらのランプはランプCd/10,Hg Cd/10,Tl/10及びZn/10を持つOsram;亜鉛ランプ(タイプ90−0069−050)及びカドミウムランプ(タイプ90−0071−03)を持つUVP,Inc.Upland,CA USA91786のような幾つかの製造業者によって市販されている。カドミウムランプで作用するときに使用されるスペクトル線は326.1,340.4,346.6及び361.1nmであった。スペクトル線467.8,480及び508.6は濾過されるべきである。亜鉛ランプで作用するときに使用されるスペクトル線は307.6,328.2,330.3及び334.6nmであった。次いでスペクトル線468,472.2及び481.1は濾過されるべきである。励起ランプ(3)の長い波長を減衰するために作用する好ましい光学フィルタ(4)は1mmの厚さを持つ着色されたガラスフィルタUG1又はUG11(会社:Schott)であった。フィルタ(4)は任意であり、ある適用又は条件ではフィルタを省略してもよい。実験室の試験はUVPからのカドミウム及び亜鉛ランプがフィルタなしで使用されてもよいことを明らかに示した。
【0075】
刺激光源(5)として緑又は赤色光放出光源を使用し、特に500〜680nmの領域の波長を有するダイオードレーザ、又は代替的には緑または赤LEDを使用した。
【0076】
刺激源(5)の短い波長を減衰するための光学フィルタ(6)としてSchott Companyからの着色されたガラスフィルタGG475,GG495,OG515,OG530,OG550,OG570及びOG590が好まれた。それらのフィルタは刺激光を減衰するための光学フィルタ(7)を通過しうる刺激源の短い波長を減衰するために好適であった。このフィルタは刺激光を吸収し、燐光体から放出された光を通過する:Schott Companyからの着色されたガラスフィルタBG3又はBG39が有利に使用された:これらのフィルタは染料を有する被覆又は誘電性被覆を与えられてもよい。BG3−3mm及びBG39−1mmの組み合わせも同様に好ましい。
【0077】
光検出器(8)として青領域において感受性のいかなる光検出器も使用できるが、最も感受性のあるものとして光増倍管(Hamamatsu CompanyからPMTのタイプ)を使用することができる。あるいは光ダイオード、CCD又はアバランシェダイオードも同様にうまく使用できる。
【0078】
電子部分(9)は検出器からの小さな電流を増幅する高感度電流増幅器又はIV変換器を含んでいた。比較器及びサンプルアンドホールド回路を用いて表示ランプは予め決められたレベルを越えたときに“オン”になった。いったんこの予め決められたレベルを越えると、信号は使用者によってリセットされるまで保持された。電子機器は最終的にデータを登録するためにPCと接続された。
【0079】
インディケータ(10)としていかなるインディケータも使用でき、例えばランプ(LED、タングステンランプ)、ディスプレイ、ビーパーを使用できる。
【0080】
本発明の好ましい例を詳細に記載したが、特許請求の範囲に規定された発明の範囲から逸脱せずに多数の変更をなしうることが当業者には明らかであるだろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】刺激性燐光体とも称される貯蔵燐光体の励起、放出及び刺激スペクトルの間の関係を示す。
【図2】真正が証明されるべきアイテムにおいて貯蔵燐光体の存在を証明するために使用するための本発明による装置のスケッチを表す。
発明の分野
本発明は真正なアイテム、前記アイテムの真正を試験する能力を与えるシステム又は方法及びその方法に使用するために好適な装置に関し、前記アイテムは放射線像貯蔵燐光体スクリーンとは異なり、前記アイテムは真正を確認するのに有利な少なくとも一つの刺激性燐光体でマークされている。
【0002】
発明の背景
真正な銀行券、支払いカード、及びパスポート、身分証明書のような公文書を偽造に対して保護するために、特別な特徴が加えられる。一つの特別な特徴はUV放射線で励起すると光を放出する発光材料を含有する層の適用である。かかる発光粒子を含有する材料は有機であろうと無機であろうと幾つかの色の光を放出することができ、発光物品が埋め込まれた燐光体層は保護される文書をUV励起に露光すると数字又は文字が現れるように構成されることができる。
【0003】
加えられる特徴が特別であるほど、また特徴を加える材料を製造するのが難しいほど、偽造に対するその保護はより良好になる。
【0004】
近年において、文書保護のための発光材料の使用が広く行きわたるようになり、紫外線で励起すると光を放出する多くの様々な種類の発光材料が利用可能である。スペクトルの赤、緑又は青領域において見ることができる光を放出する極めて多くの材料が存在する。しかしながら、異なる発光材料の放出色はほとんど区別できないことが多く、発光材料は有機又は無機のいずれも世界中の多くの企業によって製造される。
【0005】
それゆえ、あまり一般的に知られていない材料を必要とするより特別な特徴に対するサーチが意図的に研究されてきた。その研究ではマーキングが(例えば“不可視”から“可視”への不可逆的変化を伴うような)永続的でない特性を持つべきであることに注意が払われている。なぜならば良く知られた偽造者はかかるマーキングを暴露するためのこれらの技術的手段に関心を向けているので、模倣すべきマーキングに気づくであろうからである。
【0006】
発明の目的
本発明の第一目的は偽造に対してアイテムを保護するためにその真正を証明することができるアイテムを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は前記アイテム、特に銀行券、支払いカード及びパスポート、身分証明書のような公文書などの真正を証明し、これまで行われてきたよりも確実な方法で偽造に対してそれらを保護する方法を提供することである。
【0008】
さらに本発明の目的は真正の証跡を与える用途に今日使用されている一般的に知られた特徴とは異なるさらに特別な特徴を加えることである。
【0009】
本発明のさらなる目的は前述したアイテムの真正を試験する能力を明確に与えるために本発明のシステム又は方法に使用するために好適な装置を提供することである。
【0010】
他の目的は以下の記述及び特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【0011】
発明の概要
上述の目的は、貯蔵燐光体パネルとは異なるアイテムにおいて、前記アイテムが特別な組成を有する貯蔵燐光体粒子をその少なくとも一部の上に又は中に与えられるか又はマークされることを特徴とするアイテムを提供することによって実現される。
【0012】
アイテムの真正を試験して真正を証明し、それらを偽造に対して保護するための方法がさらにクレームされており、前記方法は下記工程を含む:
− アイテムの中に又は上に(一以上のタイプの)特別な刺激性(貯蔵)燐光体を混入する;
− 特別な刺激性燐光体によって放出される波長より短い波長を有する電磁放射線を真正アイテムに最初に照射することによって前記貯蔵燐光体の存在についてチェックし;
− 前記燐光体によって放出される波長より長い波長を有する電磁放射線で燐光体を刺激し;
− (同時に)前記特別な燐光体の刺激された放出を検出し、光信号を視覚及び/又は音響信号に変形する。
【0013】
アイテムの真正を試験する能力を与える装置がさらにクレームされており、前記装置は(ハウジング内に)下記のものを含む:
− 特別な貯蔵燐光体の放出波長より短い波長を有する電磁放射線を放出する第一源;
− 特別な貯蔵燐光体の刺激スペクトル内の波長を有する電磁放射線を放出する第二源;
− (所望により)前記第二源から発生される光を遮断し、特別な貯蔵燐光体によって発生される放出光を透過する光学フィルタ;
− 前記光学フィルタを透過する光信号を電気信号に変形する検出器;
− 電気信号を増幅する増幅器;及び
− 視覚及び/又は音響信号を通して貯蔵燐光体の存在又は不存在を示す信号化ユニット。
【0014】
前記装置のハウジングは光学フィルタによって分割された少なくとも三つの室を含み、光学フィルタが光のみが前記フィルタを通過することによって別の室に到達するような方法で置かれている。
【0015】
本発明の好ましい例についての特別な特徴は従属請求項に述べられている。
【0016】
本発明のさらなる利点及び具体例は以下の記載及び図面から明らかになるだろう。
【0017】
図面の簡単な記述
図1は刺激性燐光体とも称される貯蔵燐光体の励起、放出及び刺激スペクトルの間の関係を示す。
【0018】
図2は真正が証明されるべきアイテムにおいて貯蔵燐光体の存在を証明するために使用するための本発明による装置のスケッチを表し、そこでは少なくとも下記の部品が要求される:
(1):ハウジング;
(2):調査下のアイテム;
(3):貯蔵燐光体の放出波長より短い波長を有する電磁放射線を放出する源(励起源);
(4):源(3)の光を遮断し貯蔵燐光体の放出光を透過する光学フィルタ;
(5):貯蔵燐光体の刺激スペクトル内の波長を有する電磁放射線を放出する刺激源;
(6):源(5)によって放出されるより短い波長を減衰する光学フィルタ;
(7):刺激する光を減衰する光学フィルタ;
(8):光検出器;
(9):電子部品;及び
(10):インディケータ(視覚的に検出する−ランプ−、音響信号を出す−ビーパー−、など)。
【0019】
電子アイテムとして、光信号を電気信号に変形する検出器;電気信号を増幅する増幅器;及び視覚及び/又は音響信号によって貯蔵燐光体の存在又は不存在を示す信号化又はアラームユニットが要求されることは明らかである。
【0020】
図2は本発明の実施例においてより詳細に説明されているように実際の例を示すものである。
【0021】
発明の詳細な記述
上述の目的は、真正が確認及び検出されなければならずかつ偽造に対して保護されるべきアイテムの中に又は上に一種以上のいわゆる刺激性(貯蔵)燐光体を混入することによって実現され、そこでは前記アイテムは医療診断目的のための放射線像貯蔵燐光体スクリーン又はパネルとは明らかに異なり、刺激性燐光体によって放出される波長より短い波長を有する高いエネルギーの電磁放射線での再露光に対する必要性なしに一回以上真正を確認する時間さえ提供される。
【0022】
本発明によれば、貯蔵燐光体パネルとは異なるアイテムは前記アイテムがその少なくとも一部の上に又は中に選択された刺激性燐光体の貯蔵燐光体粒子を与えられていることを特徴とする。さらに特に本発明によれば、刺激性燐光体を(その少なくとも一部の上に又は中に)与えられた前記アイテムは、真正な銀行券、支払いカード、クレジットカード、身分証明バッジ、公文書(パスポート又は身分証明カードのような)、及び希少又は貴重な物品からなる群から選択される。
【0023】
前記選択された刺激性燐光体は、かかる燐光体の電磁放射線への露光でエネルギーの貯蔵が現れ、前記エネルギーが燐光体によって放出される光の波長より短い波長を有するという点で従来良く知られた発光燐光体材料とは異なるものとして知られている。従って、放出された光は例えばWO 81/03507における発光材料に対する場合と同様に自発的に放出されないが、貯蔵燐光体は光学的刺激で、即ち貯蔵されたエネルギーを有する燐光体の放出波長より長い波長を有する光への露光で、可視光の形の貯蔵されたエネルギーを放出する。さらにその貯蔵されたエネルギーはUS−A 4387112に記載されたような燐光物品についての場合と同様にすぐに完全に放出されない。US−A 4387112では貯蔵されたエネルギーは赤外線での刺激又は熱又は電界での刺激後にかなり一体的に失われる。
【0024】
本発明の方法によれば、前記貯蔵燐光体の存在に対する繰り返されるチェックは、アイテムをさらに照射することなく、さらに刺激及び検出することによってなされる。しかしながら、この適用は、貯蔵されたエネルギーの一部が刺激によって消えるので制限されることは明らかである。結果として刺激中に使用された平方ミリメートルあたりのエネルギーは一以上の制御を可能とするためには減少されるべきである。かかる方法は、適用される刺激エネルギーの低下のため、その信頼性について悩まされるかもしれないが、一定の利点も期待しうる。さらに、信号が連続検出で減少する割合は使用した貯蔵燐光体の組成に強く依存する。信号の減少のデータを使用して刺激エネルギーを計算することによって、使用した燐光体のタイプを発見することができる。従って、CsBr:Euは刺激性燐光体として使用されるとき、例えばBaFBr:Eu(それはその高い刺激エネルギーの結果としてあまり迅速に減少しないだろう)より低い刺激エネルギーのため、迅速に減少する信号を示すだろう。
【0025】
US−A 4585944;4491736;4350893;4511208;4505989;4926047;4535238;4782237;4571496;4574102;4608190;4616135;4752557;4769549;4837436;5055681;5296117;5632930;5654555;5886354;5986279;6045722及び6271528;US−出願No.00159004及びEP−A 0174875,0185534,1001276,1001277,1063505,1150303及び1158540(これらに限定されない)のような極めて多くの特許に開示されているように、デジタル放射線写真像形成又は線量測定において熟練したいずれの人によっても知られる貯蔵燐光体スクリーン又はパネルを保護又は識別することが目的でないことは明らかである。
【0026】
粒子の形で本発明による真正なアイテムに存在する貯蔵燐光体の励起、放出及び刺激スペクトルの間の関係は既に述べた図1に示されている。
【0027】
本発明によれば、アイテムの真正を試験するための方法がさらに提供され、前記方法は、(1)特別な刺激性(貯蔵)燐光体を(含有する層を)かかるアイテム中に組み入れ;(2)まず前記特別な刺激性燐光体によって放出される波長より短い波長を有する電磁放射線でアイテムを照射することによって貯蔵燐光体の存在についてチェックし、前記燐光体によって放出される波長より長い波長を有する電磁放射線で前記燐光体を刺激し、燐光体の刺激された放出エネルギーを検出し、それによって光信号を視覚及び/又は音響信号にさらに変形する工程を含み、前記燐光体はMIIFX:Eu2+(式中、MIIはBa又はSrを表し、XはBr又はIを表す)又はMIX′:Eu2+(式中、MIはアルカリ金属を表し、X′はBr又はClを表す)から構成される。
【0028】
本発明による方法によって保護される、真正アイテムにおいて特別に選択された貯蔵燐光体粒子として使用するために特に好適な刺激性燐光体は下記のとおりである:
MIIFX:Eu2+(MII=Ba,Sr;X=Br,I);
MIX′:Eu2+(MI=アルカリ金属、X′=Br,Cl),
MII 5MIIIIO4X″6:Eu2+(MII=Ba,Sr;X″=Cl,Br,I),
MIIB5O9X″:Eu2+(MII=Ba,Sr;X″=Cl,Br,I)。
【0029】
本発明の方法による好ましい例によれば、前記特別な刺激性燐光体はMIIFX:Eu2+(式中、MIIはBa又はSrを表し、XはBr又はIを表す)から構成される。これらの燐光体組成物のうち最も好ましいものはBaFBr:Eu2+である。
【0030】
本発明の方法による別の好ましい例では、前記刺激性燐光体はMIX′:Eu2+(式中、MIはアルカリ金属であり、X′はBr又はClを表す)、例えばCsX′:Eu2+から構成される、そこで最も好ましいものはCsBr:Eu2+である。
【0031】
刺激性燐光体はそれ自身の特別な励起スペクトル、特別な放出スペクトル及び特別な刺激スペクトルによって特徴づけられるので、全ての刺激性燐光体は独自のものである。二つの貯蔵燐光体は例えば極めて類似した放出スペクトルを有してもよいが、明らかに異なる励起スペクトルを有してもよい。それらのスペクトル差は二つの燐光体間の区別を可能にし、それゆえ以下に説明されるようにアイテムの真正の明確な試験を利用可能にする。
【0032】
真正が保護されなければならないアイテムにおける貯蔵燐光体の存在は二つの異なる好ましい方法で証明されることができ、かくして保護の度合いを改良する:
1)その存在は通常の方法で、即ち紫外線への露光を通して直接光放出を励起することによって証明されることができ、光放出のパターン及び色の視覚的検査は保護されたアイテムにおける発光化合物の存在を示すだろう;
2)貯蔵燐光体の正しいタイプの存在を証明することができる:それゆえ本発明による装置が使用され、そこでは第一工程では、燐光体は短波長放射線に露光され、それによってエネルギーは貯蔵燐光体に貯蔵され、一方第二工程では、燐光体は貯蔵燐光体の刺激スペクトル内の波長を有する電磁放射線に露光され、それによって刺激された光放出を生じ、それが装置によって検出される。
【0033】
2)では検出はより選択的であるので、特定のアイテムの真正を選択的に検査するために装置及びシステムが本発明によって提供される。
【0034】
特別で独自な検査システムは真正を証明するため及びかかるアイテムを偽造から守るために提供される。
【0035】
一以上の貯蔵燐光体でマークされた対応するアイテムの真正を試験する能力を与える本発明による装置は下記のものから構成される:
− 貯蔵燐光体の放出波長より短い波長を有する電磁放射線を放出する第一源;
− 貯蔵燐光体の刺激スペクトル内の波長を有する電磁放射線を放出する第二源;
− 前記第二源から発生される光を遮断し、使用した特別な貯蔵燐光体によって発生される放出光を透過する光学フィルタ;
− 前記光学フィルタを透過する光信号を電気信号に変形する検出器;
− 電気信号を増幅する増幅器;及び
− 視覚及び/又は音響信号を通して貯蔵燐光体の存在又は不存在を示す信号化ユニット。
【0036】
前述したように、図2は燐光体でマークされた本発明の真正アイテムにおける一以上の貯蔵燐光体の存在を証明する能力を与える本発明によるかかる装置のスケッチを表す。貯蔵燐光体を担持する調査下の真正アイテム(2)は、貯蔵燐光体の放出波長より短い波長を有する電磁放射線を放出する放射線源(3)に照明されるか又は露光され、かくして貯蔵燐光体によって貯蔵されるエネルギーを与える。
【0037】
アイテム(2)を露光後にかくして貯蔵されたエネルギーはハウジング(1)の別の室に輸送後、電磁放射線を放出する源(5)によって放出される。前記源(5)はアイテム(2)に存在する貯蔵燐光体の刺激スペクトル内の波長を有する。ハウジング(1)の第二部分では、光学フィルタ(6)は源(5)の光を遮断し、アイテム(2)に存在する貯蔵燐光体からの放出光を刺激するために刺激光を送る。検出器(8)は光学フィルタ(7)を透過する光信号を電気信号に変形し、電子ユニット(9)は電気信号を増幅する:もし存在するなら、アイテムにおける真正貯蔵燐光体の存在を証明し、信号化及び/又はアラームユニット(10)は予想されるような視覚及び/又は音響信号によって貯蔵燐光体の存在を示す。かかる信号の不存在(その信号はアイテムの真正をチェック及び確認するために繰り返しの刺激後に一回以上検出されることができる)は明らかにそれに負担を掛ける。
【0038】
本発明によれば、装置は刺激後刺激性燐光体によって放出される波長より短い波長を有する第一光源(図2の(3)参照)を含み、前記第一光源は紫外光源である。
【0039】
本発明によれば、装置はアイテムにおいて燐光体によって放出された波長より長い波長を有する電磁放射線で貯蔵燐光体を刺激することができる波長を有する第二光源(図2の(5)参照)を含み、前記第二光源はダイオードレーザである。
【0040】
さらに本発明によれば、装置は前記第二光源の光を遮断しかつアイテム(2)から貯蔵燐光体の放出光を透過する光学フィルタ(7)を含み、前記フィルタはBG3フィルタ又はBG39フィルタである。
【0041】
本発明による装置における好ましい例では、前記光検出器はダイオードである。
【0042】
上述の刺激性燐光体は極めて敏感であるので、それらは10mg/cm2の下限まで、さらには1mg/cm2の下限まで(表面全体又はその一部だけをカバーする層に)被覆又は混入されることができる。それらの低い量はコスト及び環境負荷に明らかに有利である。アイテムをマークするために分散された刺激性燐光体粒子で被覆された少なくとも一つの層を形成する燐光体顔料の層を、マークされるアイテムの一部だけの中に又は上に導入することは、真正の検出を与えるために大いに推奨される。
【0043】
本発明にクレームされたようなアイテムに使用するために好適な刺激性燐光体粒子は最外層に存在することが好ましく、そこでは前記最外層中に含まれる又は突出する頂部の局在化は、アイテムの寸法に加えて、刺激性燐光体粒子が適用される方法に依存する。結合剤中に分散された形では刺激性燐光体粒子は保護最外層として作用するポリマー層において被覆されることができ、又はそれらは最外(ポリマー)層でオーバーコートされた層において被覆されることができる(両層は連続的に又は同時に適用されることができる)。本発明によるアイテムに刺激性燐光体粒子を与えるために、前記アイテムの真正を試験するためのセキュリティ手段を与えるために、いかなる被覆又は印刷法を使用してもよい。
【0044】
別の例では、貯蔵燐光体粒子は例えばインクジェット技術のようないかなる技術によってもアイテム上に印刷される能力を与えるインク配合に混入される。
【0045】
さらに別の例では、貯蔵燐光体粒子はそれに関するいかなる技術によっても印刷される能力を与えるトナー配合に混入される。
【0046】
貯蔵燐光体粒子は別の例では、例えば紙又はプラスチックホイルなどを作るために使用される原材料のような原材料又はベース材料に存在する。この場合において刺激性燐光体粒子は(特別なケースでは“包装材料”として使用するために好適な)紙又はプラスチックホイル自体に混入される。
【0047】
アイテムは小さな又は大きな範囲でフレキシブルであるので、公知の最も好適な方法で刺激性燐光体粒子を適用する方法はアイテムの特別な特性に依存する。
【0048】
さらに、特に希少又は極めて独自のアイテム又は少ない数又は制限された量で製造されたアイテムに対しては、アイテムは簡単な方法でその製造履歴を追跡するためにマークされることができる。一つの例では、刺激性燐光体は(バーコードを適用するための公知の方法によって)バーコードで局部的に適用される:前記バーコードが製造時間(年、月、日、時、分、秒)、場所並びに製造会社及び所有者(アイテムが“パーソナル化”されているとき)を含むとき、アイテムは十分に特徴づけられる。かかる用途では、好ましい貯蔵燐光体は針状の円柱、三角柱もしくはハニカム形又は粉末の、特に選択されたBaFBr:Eu又はCsBr:Eu燐光体の一つである。
【0049】
マーキングツールとして貯蔵燐光体の存在による真正の特徴の保護、即ちどのような理由であれ真正のいかなる兆候も除去するために例えば有機溶媒での繰り返しの摩擦又は処理によって前記燐光体を除去するようないかなる試みにも抵抗できるものを与えるために、上述のような配合に(例えばインク又はトナー配合、又は紙又はプラスチックのような結合剤を伴う分散体に)燐光体を混合することが推奨される。前記燐光体を除去する試みは結果として表面のアイテムの一部の損傷(例えばインクまたはトナーの除去)を必要とするだろう。それゆえ刺激性燐光体はアイテムの表面ではなく、表面保護オーバーコート層の下に存在させるか、又は前記層に分散させることが望まれる。照射によって(例えば紫外照射によって)燐光体を不活性化することは除外され、いかなる化学処理も不適切な使用の表示マークを残すだろう。
【0050】
特に、高い(限定されないが)程度の可撓性を示すアイテムに対して、取扱い中変化する応力(及び物理的強度の劣化)の結果として損傷からの選択された貯蔵燐光体によるアイテムのマーキングを保護するために、小さな粒子サイズを有する貯蔵燐光体を使用することが推奨される。大きなサイズを有する燐光体粒子はアイテムを曲げるときに燐光体粒子に対する過大な力を避けるための手段を明らかに要求するだろう。大きなサイズを有する粒子は極めて敏感であるので、機械的(曲げ)特性及びアイテムからそれらを除去する困難性の見地から4μm〜20μmの範囲で変化するサイズを持つ粒子を使用することが推奨される。
【0051】
さらにフレキシブルな結合剤中に燐光体を埋め込むことはそれに及ぼされる力の影響を減少するだろう。それゆえ、最も推奨される方法は支持体材料として使用するために好適な例えば紙又はプラスチックの如き原材料中への貯蔵燐光体粒子の混入である。
【0052】
さらに好ましい例では、第一保護表面を形成する、前記支持体材料の上部の保護層は前記表面(の領域)上の放射線硬化性組成物として適用され、前記表面の(領域の)“放射線硬化”は製造におけるさらなる工程を形成してもよい。
【0053】
別の例では、前記第一表面の領域から前記保護層を像に従って除去し、それによってピットを有する像を形成してもよい。さらに別の例では、染料又は代替的に第二(又はさらに)染料(例えば光化学的に安定したCuスルホン化フタロシアニン)を前記ピット中に出現させもよい。前記ピットを無色の放射線硬化性組成物で充填し、前記放射線硬化性組成物を放射線硬化することはさらなる工程を形成してもよい。
【0054】
前記放射線硬化された領域の一部を像に従って除去することは例えば特定の数字又はアルファベット文字で検査下のアイテムをさらにマークする可能性を与える。
【0055】
別の例では、ロゴ又は特別なアラビア数字又はディジット、文字、図形又は模様、又は商標の形での(例えばインクジェット又はトナージェット技術による)特別な表示の直接適用は、公知の印刷技術((シルク)スクリーン印刷が(フレキソグラフィ又はロータリースクリーン印刷に加えて)最も好ましい印刷技術の一つである)による前記表示の適用と並んで可能である。
【0056】
刺激燐光体の放出スペクトルを予想される放出スペクトルと比較することによって真正を明確に検出することができる。しかしながら、好ましい例では、検出源は狭いスペクトル領域において感受性があるような方法で選択される。そこではビデオ又は音響信号はいったん“感度しきい値”を越えると予想されることができる。放出された光のスペクトルとは別に、この“感度しきい値”は刺激性燐光体粒子の粒子サイズ及び平方cmあたりに存在する燐光体粒子の量に依存する。極めて希で極端に高価なアイテムの真正の検出のために使用されてもよい、かかる洗練された装置のコストに照らして、青、緑及び赤色の光を区別する能力を最も簡単な形で有する装置は本発明の範囲内の用途に対して十分である。
【0057】
走査が光源としてレーザで行われる動的走査システムでは、スポット直径は200μm〜1mmで変化してもよい。しかしながら、5cm以下のスポット直径は静的検出が考慮されるときに使用されることができる。しかしながら、刺激性燐光体に貯蔵されるエネルギーを刺激するために、感度はレーザスポットの表面積に比例することは明らかである。
【0058】
アイテムの全表面にわたる静的制御は全表面にわたる刺激性燐光体の低量の被覆を可能にする。もし小さい表面がカバーされ、動的走査が行われるなら、多い量の貯蔵燐光体が要求されることは明らかである。
【0059】
特定の用途のためのデータ貯蔵システムの最良の選択を決定するための関連パラメータは下記のとおりである:
1) 情報を記録するための容易性(即ち、どのような特別な装備が必要とされるか、どれくらい時間がかかるか);
2) 貯蔵基準及び記録された情報のコンパクト性;
3) 永続性及び消去性、及び
4) 読み出しの容易性。
【0060】
さらに、特に設計された限定的な使用法を持つ情報の貯蔵に対して、潜在的に望ましい特性は情報貯蔵の時間の制御である。例えば、もし情報が予め決められた時間後に効果的に消失するような方法で記録されるなら、クレジットカード、身分証明バッジ又は他の同種の手段の使用は記録された情報の消失による手段の失効によって自動的に終了されることができるだろう。
【0061】
さらに、“読み出しの容易性”は望ましい又は望ましくない特性のいずれかであるかもしれない。例えば、情報は一般に公衆に利用可能でない機械によってアクセス可能であるにすぎないことが望ましい。例えば、もし貯蔵された情報が秘密のものとして維持されるべきなら、アクセスすることがより困難にならなければならず、他の者が情報を得ることをより難しくするべきであろう。
【0062】
“書込みの容易性”はセキュリティ産業にとって否定的な意味も肯定的な意味も有する。理想的には、情報の記録及び貯蔵は正しい装置にアクセスを持つ人に対して簡単かつ経済的に正当化されるが、それ以外の人に対して正当化が困難であるべきである。クレジットカード偽造が主な問題である理由の一つはほとんどのクレジットカードの裏側に横切って走る磁気データ貯蔵ストリップ上にある情報がアクセスしやすく、さらに変更しやすいことである。
【0063】
幾人かの研究者は情報貯蔵媒体として感光性色中心を持つ光学記憶結晶の使用を探求した。アルカリハロゲン化物の如きイオン性結晶はこれらの目的のための使用に好適であるとして特に認識されている。
【0064】
US−A 5581499に開示された発明によれば、例えば色中心の形成を利用する記録された情報の寿命は好ましくは一価カチオンでドープされた絶縁フッ化カドミウム試料を使用することによって必要により増加させることができる。この場合の貯蔵条件の最適化は必要時に照射時間を増加することによって又は所定のビーム出力に対して低い電子エネルギーを持つ高い一次電流強度を選択することによって達成される。高い値の情報密度が要求されるとき、タスクは所定の出力及び照射時間に対して電子エネルギーを上昇し、ビーム強度の大きさを低下することにある。107ビット/cm2より高い濃度は容易に達成可能であるが、その発明に対して考えられる様々なタイプの用途の性質のため、ずっと低い密度が好適である。その発明の目的は検索工程の最終段階で可視像を生成するパターンを貯蔵することであるので、また貯蔵されたパターン、従って貯蔵された情報の寿命が貯蔵工程の利用の重要な要素であるので、イオン化ビームの強度の大きな変化を可能とする貯蔵装置及びシステムを提供することに重きを置いている。電子マイクロプローブはその目的のために実に好適である。いったん好適な色中心貯蔵装置が与えられると、様々な商業的に入手可能な装置が色中心現象に基づいて貯蔵されたパターンを検索するために使用されることができる。これらの可視光の中心による吸収を利用し、そのとき貯蔵されたパターンのスケールに依存すると、モノクロ又は白色光源は貯蔵された情報を見るために簡単な拡大鏡から可視(ポケットマイクロスコープ)又はプロジェクションマイクロスコープまでの拡大システムとともに使用されることができる。数百倍の拡大が要求されるとき、送信モードの読み出しが好ましく、マイクロフィルムを検索するために使用されるものの如き装置は相対的に低いコストで使用されることができる。紫外吸収が活用されるとき、水銀蒸気灯の如き紫外光源を使用することができる。蒸気圧力は可視(高圧)又は紫外(低圧)放出が所望の用途に依存して支配的であるようなものである。低い縮尺を有する貯蔵されたパターンに対しては、3ワット出力の商業的に入手可能な電球が読み出しを達成するために好適な光源である。近紫外(300nm又はそれ以上)の成分を有する光は色中心貯蔵された情報を読み出すために好適である。この場合において、検出システムは紫外領域において透明であるべきである。例えば、石英光学素子が使用されるとき、不可視放射線を可視表示に変形するために蛍光スクリーン又は電子変換器が必要である。
【0065】
不純(外部からの)蛍光の消滅を使用する書き込み方法は色中心の創造のために使用される方法と同一である。但し、必要とされる電子ビーム出力及びエネルギー、さらに照射時間が後者の方法に対するよりずっと低い。小さな体積内での不純蛍光の効率の大きな低下の生成は書き込み方法を構成する。各マイクロスコープ体積は入射電子の相互作用体積に、即ちこれらの電子の透過深さに対応するものに限定されることができる。結果として、一つの情報ビットは不純濃度が低い限り、電子サイズのオーダのサイズを持つ。
【0066】
従って、結晶内に貯蔵されることができるビットの密度は(注入されたエネルギー密度に依存して)108/cm2を容易に越える。さらに、適度に低い出力が読み出しのために使用される程度に、貯蔵された情報は色中心に対する場合と同様に光照射によって変更されない。
【0067】
消失した不純蛍光を持つマイクロスコープ体積は一組の情報ビット(データ)を構成する。これらのデータは例えば走査電子マイクロスコープで発生される電子ビームとして好適な放射線によってこれらの体積を励起することによって検索(読み出し)される。もし光学結晶中に注入される出力密度が好適に制御されないなら、弱いエネルギー電子ビームによる励起であっても貯蔵された情報の幾らかを不可逆的に消去しうるので、多大な注意を払わなければならない。好ましい操作は最大照射表面にわたって最低ビーム出力を送出する。もしデータの繰り返される読み出しからの繰り返される電子衝撃のためにこのようにならないなら、貯蔵された情報の寿命は短くなる。コントラストの損失は限定された数の読み出しサイクル後のみ有意でありうる。これは貯蔵された情報の不可視特性及び入射イオン化エネルギー(即ち十分に制御されない検索操作)に対する大きな感受性のため、技術の欠点として写るかもしれないが、この特性は高いセキュリティ度が秘密のものとして要求される多数の用途において利点であり、不適当なアクセスは情報を消去したり又は読むことができなくすることによって情報を保護することができる。
【0068】
本発明によれば、前述の記載から明らかなように、真正について確認又はチェックされなければならないアイテムが考慮され、前記アイテムは貯蔵燐光体パネルとは異なり、MIIFX:Eu2+(MIIはBa又はSrを表し、XはBr又はIを表す)又はMIX′:Eu2+(MIはアルカリ金属を表し、X′はBr又はClを表す)から構成された貯蔵燐光体粒子をその少なくとも一部の上に又は中に与えられ、前記アイテムは真正な銀行券、支払いカード、クレジットカード、身分証明バッジ、公文書、及び希少又は貴重な物品からなる群から選択される。
【0069】
本発明をその好ましい例に関して以下記載するが、本発明をそれらの例に限定することは意図されないことが理解されるだろう。
【0070】
実施例
図2に概略的に示された実例のより詳細な記述はこの実施例に開示される。
【0071】
そこでは下記の番号を付けられた部分(括弧付の番号)は装置の下記配置のために示される。
【0072】
ハウジング(1)は三つの室から作られた。光学フィルタは光がフィルタを通過することによってもう一つの室だけに到達するような方法で置かれた。これによって励起源(3)からの光は試験下のカード(2)に到達するだけであり検出器に到達しないようにすべきである。また、(刺激スペクトル外の)望ましくない刺激源からの光、並びにアイテム(2)に存在する貯蔵燐光体から放出される望ましくない光はフィルタ(6)とフィルタ(7)の組み合わされた配置によってブロックされるべきである。検出器(8)によって検出可能な、刺激性燐光体から放出された光のみが検出器に到達することができなければならない。
【0073】
励起ランプ(3)として金属沃化物ランプが使用された。特に水銀及びツリウム沃化物ランプは Philips−Lighting からのタイプHPI−T及びHPI−BUが好まれた。
【0074】
代替例においてスペクトルランプを使用することができた。カドミウム及び亜鉛ランプが好まれた。代替例としてCd及びHg又はTlからの組み合わせを使用することができた。それらのランプはランプCd/10,Hg Cd/10,Tl/10及びZn/10を持つOsram;亜鉛ランプ(タイプ90−0069−050)及びカドミウムランプ(タイプ90−0071−03)を持つUVP,Inc.Upland,CA USA91786のような幾つかの製造業者によって市販されている。カドミウムランプで作用するときに使用されるスペクトル線は326.1,340.4,346.6及び361.1nmであった。スペクトル線467.8,480及び508.6は濾過されるべきである。亜鉛ランプで作用するときに使用されるスペクトル線は307.6,328.2,330.3及び334.6nmであった。次いでスペクトル線468,472.2及び481.1は濾過されるべきである。励起ランプ(3)の長い波長を減衰するために作用する好ましい光学フィルタ(4)は1mmの厚さを持つ着色されたガラスフィルタUG1又はUG11(会社:Schott)であった。フィルタ(4)は任意であり、ある適用又は条件ではフィルタを省略してもよい。実験室の試験はUVPからのカドミウム及び亜鉛ランプがフィルタなしで使用されてもよいことを明らかに示した。
【0075】
刺激光源(5)として緑又は赤色光放出光源を使用し、特に500〜680nmの領域の波長を有するダイオードレーザ、又は代替的には緑または赤LEDを使用した。
【0076】
刺激源(5)の短い波長を減衰するための光学フィルタ(6)としてSchott Companyからの着色されたガラスフィルタGG475,GG495,OG515,OG530,OG550,OG570及びOG590が好まれた。それらのフィルタは刺激光を減衰するための光学フィルタ(7)を通過しうる刺激源の短い波長を減衰するために好適であった。このフィルタは刺激光を吸収し、燐光体から放出された光を通過する:Schott Companyからの着色されたガラスフィルタBG3又はBG39が有利に使用された:これらのフィルタは染料を有する被覆又は誘電性被覆を与えられてもよい。BG3−3mm及びBG39−1mmの組み合わせも同様に好ましい。
【0077】
光検出器(8)として青領域において感受性のいかなる光検出器も使用できるが、最も感受性のあるものとして光増倍管(Hamamatsu CompanyからPMTのタイプ)を使用することができる。あるいは光ダイオード、CCD又はアバランシェダイオードも同様にうまく使用できる。
【0078】
電子部分(9)は検出器からの小さな電流を増幅する高感度電流増幅器又はIV変換器を含んでいた。比較器及びサンプルアンドホールド回路を用いて表示ランプは予め決められたレベルを越えたときに“オン”になった。いったんこの予め決められたレベルを越えると、信号は使用者によってリセットされるまで保持された。電子機器は最終的にデータを登録するためにPCと接続された。
【0079】
インディケータ(10)としていかなるインディケータも使用でき、例えばランプ(LED、タングステンランプ)、ディスプレイ、ビーパーを使用できる。
【0080】
本発明の好ましい例を詳細に記載したが、特許請求の範囲に規定された発明の範囲から逸脱せずに多数の変更をなしうることが当業者には明らかであるだろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】刺激性燐光体とも称される貯蔵燐光体の励起、放出及び刺激スペクトルの間の関係を示す。
【図2】真正が証明されるべきアイテムにおいて貯蔵燐光体の存在を証明するために使用するための本発明による装置のスケッチを表す。
Claims (6)
- 貯蔵燐光体スクリーンとは異なるアイテムの真正を証明するための方法であって、前記アイテムがその少なくとも一部の上に又は中に貯蔵燐光体粒子を与えられ、前記方法が:
− 刺激性燐光体によって放出される波長より短い波長を有する電磁放射線をアイテムに最初に照射することによって前記貯蔵(刺激性)燐光体の存在についてチェックし;
− 燐光体によって放出される波長より長い波長を有する電磁放射線で燐光体を刺激し;
− 燐光体の刺激された放出を検出し、光信号を視覚及び/又は音響信号に変形する、
工程を含み、
前記刺激性燐光体がMIIFX:Eu2+(式中、MIIはBa又はSrを表し、XはBr又はIを表す)又はMIX′:Eu2+(式中、MIはアルカリ金属を表し、X′はBr又はClを表す)から構成される方法。 - 前記貯蔵燐光体の存在についての繰り返しチェックがアイテムのさらなる照射なしに、さらなる刺激及び検出によってなされる請求項1に記載の方法。
- − 貯蔵燐光体の放出波長より短い波長を有する電磁放射線を放出する第一源;
− 貯蔵燐光体の刺激スペクトル内の波長を有する電磁放射線を放出する第二源;
− 前記第二源から発生される光を遮断し、貯蔵燐光体によって発生される放出光を透過する光学フィルタ;
− 前記光学フィルタを透過する光信号を電気信号に変形する検出器;
− 電気信号を増幅する増幅器;及び
− 視覚及び/又は音響信号を通して貯蔵燐光体の存在又は不存在を示す信号化ユニット、
をハウジング内に含む装置であって、
前記燐光体がMIIFX:Eu2+(式中、MIIはBa又はSrを表し、XはBr又はIを表す)又はMIX′:Eu2+(式中、MIはアルカリ金属を表し、X′はBr又はClを表す)から構成される装置。 - 前記ハウジングが光学フィルタによって分割された少なくとも三つの室を含み、光学フィルタが光のみが前記フィルタを通過することによって別の室に到達するような方法で置かれており、刺激後に刺激性燐光体によって放出される波長より短い波長を有する第一光源が紫外光源である請求項3に記載の装置。
- 燐光体によって放出される波長より長い波長を有する電磁放射線で貯蔵燐光体を刺激することができる波長を有する第二光源がダイオードレーザであり、前記第二源の光を遮断し貯蔵燐光体の放出光を透過する光学フィルタがBG3フィルタ又はBG39フィルタであり、前記光検出器がダイオードである請求項3又は4に記載の装置。
- MIIFX:Eu2+(式中、MIIはBa又はSrを表し、XはBr又はIを表す)又はMIX′:Eu2+(式中、MIはアルカリ金属を表し、X′はBr又はClを表す)から構成される、貯蔵燐光体粒子を少なくとも一部の上に又は中に与えられた貯蔵燐光体パネルとは異なるアイテムであって、真正な銀行券、支払いカード、クレジットカード、身分証明バッジ、公文書、及び希少又は貴重な物品からなる群から選択されるアイテム。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007535446A (ja) * | 2004-03-03 | 2007-12-06 | オウェンス イリノイ ヘルスケア パッケイジング インコーポレイテッド | 放射線照射しるしを有する容器 |
-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002343129A patent/JP2004005372A/ja active Pending
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JP2007535446A (ja) * | 2004-03-03 | 2007-12-06 | オウェンス イリノイ ヘルスケア パッケイジング インコーポレイテッド | 放射線照射しるしを有する容器 |
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