JP2004005277A - 投票データ生成方法及び電子投票装置並びに電子投票プログラム - Google Patents

投票データ生成方法及び電子投票装置並びに電子投票プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2004005277A
JP2004005277A JP2002160800A JP2002160800A JP2004005277A JP 2004005277 A JP2004005277 A JP 2004005277A JP 2002160800 A JP2002160800 A JP 2002160800A JP 2002160800 A JP2002160800 A JP 2002160800A JP 2004005277 A JP2004005277 A JP 2004005277A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voting
card
data
candidate
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002160800A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3877154B2 (ja
Inventor
Akinari Suehiro
末廣 晃也
Yoshihiro Nishiyama
西山 芳拡
Kazufumi Komoda
菰田 和史
Kazunori Namiki
並木 和則
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP2002160800A priority Critical patent/JP3877154B2/ja
Publication of JP2004005277A publication Critical patent/JP2004005277A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3877154B2 publication Critical patent/JP3877154B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Time Recorders, Dirve Recorders, Access Control (AREA)

Abstract

【課題】投票データから投票者を特定することが原理的に不可能であり、投票の秘密保持に万全なセキュリティを有する投票データ生成方法及び電子投票装置並びに電子投票プログラムを提供することにある。
【解決手段】電子投票の際、投票結果を電磁的記録媒体408に記録し投票データを作成するにあたり、電磁的記録媒体408の記録領域を複数の投票データファイル407a,407b…407nに分割し且つ記録領域に間隔なくランダムに記録するようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、国内外の公職選挙などの際に、情報処理装置を用いて投票を行うための電子投票システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の情報技術(IT:Information Technology)の進展に伴い、選挙のIT化を目的とした、電子投票システムの技術開発が行われている。総務省のホームページ上で公開されている「電子機器利用による選挙システム研究会報告書」および「同中間報告書」によれば、今後の電子投票の普及形態は、
[第1段階]選挙人が指定された投票所において電子投票機を用いて投票する段階(ネットワークを使用しない投票)、
[第2段階]指定された投票所以外の投票所においても投票できる段階(専用回線を使用したネットワーク投票)、
[第3段階]投票所での投票を義務づけず、個人の所有するコンピュータ端末を用いて投票する段階(公衆回線を使用したネットワーク投票)、
の3つの段階を経ることが予想されている。現在の電子投票制度は、日本国内はもとより、諸外国においても、一部の試験的選挙を除いて未だ第1段階にある。第2段階及び第3段階は、ネットワークセキュリティの問題や、個人認証の方法等に課題を有しており、実用化の目処は立っていない。
【0003】
上記文献によれば、第1段階の電子投票の方式は、
1)タッチパネル方式
2)テンキー/キーボード方式
3)ボタン方式
4)マークシート方式
5)パンチカード方式
のいずれかに分類される。
上記の4)〜5)は、投票者により施された投票用紙上のマークあるいは穿孔を光学的に読み取ることにより電子的な票を得るものであり、わが国の記号式投票に類似するものである。4)〜5)は、紙媒体上に物理的な票が残るため集計結果の検証が容易である反面、マークミスや穿孔ミス等による集計時の読み取りエラーへの対応が困難であるという課題を有する。かかる課題を解決するために、特許第2669471号公報には、4)マークシート方式の投票用紙をOMR(Optical Mark Reader)等により光学的に読み取って投票の有効/無効を判断し、無効投票の場合には再投票させる技術が開示されている。この技術は、マークすべき箇所の間違い等のOMRが読み取り可能なマークミスに対しては有効な手段を提供するものであるが、塗り潰し不良等のOMRが読み取り不可能なマークミスに対しては依然として課題を残している。また、5)パンチカード方式に対しても、穿孔ミスの読み取りに関する有効な手立てはなく、2000年の米国大統領選挙で露呈されたように、深刻なトラブルを引き起こす可能性があり、未だ信頼性を確立する技術は開示されていない。
【0004】
一方、上記の1)〜3)は、紙媒体を経由せずに投票内容を直接的に電磁的記録媒体フロッピー(登録商標)ディスク(以下FDと記す)やICカード、MO、CD、メモリカード、ハードディスク等に記録して、投票の記録原本を生成することが可能であり、直接記録方式あるいはDRE方式(DRE:Direct Recording Electronic Voting)と呼ばれ、プログラムのエラーや機械の故障がない限り、高い精度で正確性が保証できるとされている。尚、IT革命の以前は、1)〜3)の方式であって紙媒体に記録原本を生成するタイプのものが特開昭57−199083号公報等に開示されてきたが、そのような方式は上記した第2段階以降のネットワーク化への発展性を有していないため時代の流れにそぐわない等の理由から現在ではあまり見られず、世界各国における技術開発は直接記録方式が主流となっている。
【0005】
上記した直接記録方式による1)〜3)の電子投票は、
(1)ペーパーレス化が可能
(2)無効票・疑問票を無くすことができる
(3)障害者への対応が容易である
等の利点を有している。特に、(1)及び(2)の観点からの発明としては、1)タッチパネル方式に関する特許第2747171号公報が知られている。一方、上記の(3)の観点からの発明としては、本出願人が特許出願している未公開
発明(特願2001−112491、特願2001−19194、特願2001−24966、特願2001−53972、特願2001−260619等)がある。これらの発明によれば、バリアフリー技術により、選挙人が電子機器を使用して候補者を選択する際に、投票者の身体的な障害の種類に応じて1)〜3)の方式を選んで投票することが可能である。
【0006】
ところで、上記した電子投票に関する種々の発明は、出願時においては、わが国の法律の規制により実施することができなかったものである。しかし、その後に法改正が行われ、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙について、条例により電磁的記録式投票機(電子投票機)を用いた投票を行うことができるよう公職選挙法の特例を定める法律「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」(電磁記録投票法)が、2002年2月1日から施行され、第1段階の形態による実施が可能となった。これに伴い、国内で電子投票を導入した場合に選挙事務を支障なく、公正、適正に、確実に執行することができるよう、信頼性、安全性を確保するために、電子投票システムが技術的に具備すべき条件を定めた「電子投票システムに関する技術的要件及び解説」が総務省より提示され、この開発指針に基づいたより具体的なレベルの技術開発が国内メーカーにより活発に行われるようになってきた。また、法改正に呼応して地方自治体の動きも活発化してきており、2002年6月の市長選挙及び市議会議員選挙において全国に先駆けて電子投票を実施予定である岡山県新見市の「新見市電子投票導入研究会報告書」、実施化に向けた詳細な検討を行っている東京都の「東京都電子投票制度検討研究会報告書」等の文献が公開されている。
【0007】
さて、上記した直接記録方式は、投票内容を記録する際に紙媒体の代わりに電磁的記録媒体に記録を行うものであるが、上記文献に記載されているように、一つの記録媒体に投票者一人の投票データを記録する方法と、一つの記録媒体に複数の(あるいは全ての)投票者の投票データを記録する方法とがある。
前者は、特開2000−48094等に開示されているように、例えばICカード(投票カード)を記録媒体として、投票者個人とリンクしない形で投票データを保存し、ICカード自体を回収する方法である。投票データを物理的に個々に分けて保存しているため、現行の紙による投票方式と類似しているが、有権者の数だけ媒体を用意する必要があり、媒体の購入や送致、開票集計にコストや手間がかかるという課題を有する。
後者は、本出願人によって出願された特願2002−111872等に記載されているように、投票端末機器等に装着した電磁的記録媒体に投票データをまとめて保存する方法である。この方法は、投票所ごとの集計や投票した順番からの投票者と投票データの関連づけができないように配慮する必要があるが、前者に比べてコスト等の面で優れている。この方法の課題である投票者と投票データの関連付けをなくすための手段として、本出願人による上記出願の発明の詳細な説明で触れられているように投票データをランダムな場所に記録するという方法がある。
【0008】
図21は、かかるランダム記録の従来技術を説明するための概念図である。原本用記録媒体408(投票の記録原本とされる電磁的記録媒体)の上に、一つのファイルとして保存された投票データ407が、複数の投票者の投票結果から成る様子を示している。例えば、ファイルの先頭領域を示す最上段には、この原本用記録媒体408が装着された投票装置で投票を行った複数の投票者のうち、3番目に投票した投票者が選んだ候補者レコード(すなわち、候補者名や選挙種別等を含むデータの集合)が書き込まれていることを示している。そして、このファイルの次の領域には1番目に投票した投票者が選択確定した候補者レコードが書き込まれており、さらにその次の領域には2番目に投票した投票者が選択確定した候補者レコード、以降の領域も同様に5番目、4番目、6番目、8番目、7番目、10番目・・・という具合に、ランダムな位置に記録されている。言うまでもなく、これらの記録の際には、記録時刻に関する情報や、投票者固有の情報が含まれないようしてある。このように、複数の投票者による投票結果を、投票が行われる度に、記録媒体の一つのファイル上のランダムな場所に記録することにより、投票者と投票データとのリンクを容易に切断し、時系列での投票者推定を排除することとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来のランダム記録の方法は、次のような問題点を有している。図66は、従来の投票データ記録方法をさらに詳しく説明する図である。実際のファイル記録を行う際には、まず所定のサイズの空き領域がブロック単位で確保され(「ブランク」として図示)、そのブロック内でランダム記録が行われる。そして、そのブロックに対して投票結果の書き込みが行われた結果、空き領域がなくなると、新たな空き領域をブロック単位で確保して、そのブロック内のブランク領域を埋めていく形で、同様なランダム記録が行われる。例えば、同図に示すように、まず投票者5人分の投票結果を記録可能なサイズの空き領域のブロック1が確保され、1番目の投票者の投票結果(「投票データ1」として図示)がブロック1における5つの空き領域のいずれか、例えば上から2段目の領域に記録される。次に、2番目の投票者の投票結果(「投票データ2」として図示)が、ブロック1における残り4つの空き領域のいずれか、例えば3段目の領域に記録される。そして、3番目の投票者の投票結果(「投票データ3」として図示)が、ブロック1における残り3つの空き領域のいずれか、例えば1段目の領域に記録される。以下、同様に、4番目及び5番目の投票者の記録が行われ(「投票データ4」、「投票データ5」として図示)、ブロック1に空き領域がなくなると、ブロック2を新たに作成する。ブロック2においても、同様に6番目から10番目までの投票者の投票結果(「投票データ6」〜「投票データ10」)が、ランダムな位置に記録される。
【0010】
この方法の問題点は、開票の際に「最後の投票者の投票データが特定可能な場合があり得る」ということである。すなわち、同図において、ブロック3における11番目の投票者が、当該電磁的記録媒体が装着された投票装置における最後の投票者であり、かつ、記録の単位ブロックが5人毎であることが開票者に知られている場合、ブロック3における残りの4つが空き領域であることから、唯一データが存在する領域のデータが、最後の投票者のものであることが特定されてしまうことになる。
もちろん、ここでいうブロックとは単なるデータ処理上の概念であって、開票時に投票データ407をいくら解析したところで単位ブロックが5人毎であることを知ることは不可能である。したがって、もし単位ブロックのサイズさえ不明であれば、この11番目の投票者が最後の投票者であることを特定されることはない。例えば、同図にブロック1´(ダッシュ)及びブロック2´(ダッシュ)として図示するように、もし投票者6人分が単位ブロックであった場合には、11番目の投票者はブロック2´に含まれ、最後の投票者はブロック2´内における5つのデータのいずれであるかを特定できないからである。
しかしながら、かかる単位ブロックのサイズは、情報処理装置に対する命令のひとつとして人為的に定められたものであり、少なくともプログラムの開発者は知り得るものである。したがって、たとえプログラマに守秘義務を課したとしても、予期しない要因により、開票者や権限のない第三者に情報が漏洩するおそれがある。また、実際にこのような機密漏洩が起こるか否かに関わらず、原理的に投票の秘密が守られない可能性が排除されない限り、選挙人は安心して選挙を行うことができない。そもそも、投票の秘密保持は、憲法に定められた選挙の根幹に関わるものであるから、投票者の追跡の可能性がたとえ僅かであっても残されたままでは、電子投票制度に対する信頼性を確立することは不可能である。
【0011】
さらに、従来のランダム記録には、開票時におけるブロック内の空き領域の扱いが運用上面倒であるという問題もある。すなわち、最後のブロックに存在する空き領域は、データが存在しないゼロの(NULL)状態であるが、これは従来の自書式投票における投票箱内部の木屑等の扱いと同様に、開票時に無視できないとする見解があり、集計のデータ処理を行う上で、かかるゼロデータの存在は好ましいものではない。
【0012】
本発明は、上記状況を鑑みなされたものであり、一つの記録媒体に複数の投票者の投票結果を記録する直接記録方式の電子投票装置において、如何なる人間も投票データから投票者を特定することが原理的に不可能であり、投票の秘密保持に万全なセキュリティを有する投票データ生成方法及び電子投票装置並びに電子投票プログラムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の1)〜11)記載の手段よりなる。
すなわち、
1)電子投票による投票の際、単一の電磁的記録媒体に対して複数の選挙人による投票結果を記録することにより投票データを生成する投票データ生成方法であって、
前記電磁的記録媒体に複数のファイルを作成するステップと、
前記作成されたファイルに対して、前記投票結果をランダムに振り分けるステップと、
前記振り分けられた投票結果を、前記ファイルの各々に対して順次記録するステップと、
前記記録が行われた時刻情報を記録するステップと、
を有することを特徴とする投票データ生成方法。
2)前記時刻情報を消去するステップをさらに有することを特徴とする1)に記載の投票データ生成方法。
3)前記順次記録を行うステップは、前記電磁的記録媒体の記録領域に未記録の間隔領域を設けず、前記間隔領域を埋めるよう記録することを特徴とする1)又は2)に記載の投票データ生成方法。
4)電子投票による投票の際、単一の電磁的記録媒体に対して複数の選挙人による投票結果を記録することにより投票データを生成する電子投票装置において、
投票開始に先立って、複数のファイルを前記電磁的記録媒体に作成するファイル作成手段と、
前記作成されたファイルに識別コードを記録する識別コード記録手段と、
投票開始後において、当該選挙の候補者の情報を前記選挙人に対して報知するための報知手段と、
前記選挙人による前記候補者の選択入力操作を受け付ける入力手段と、
前記報知手段及び前記入力手段により前記選挙人が選択した候補者のレコードデータを一時記憶する一時記憶手段と、
前記一時記憶手段に蓄えられた前記レコードを、前記選挙人が確認する入力を行ったときに、前記レコードを記録するためのファイルを前記複数のファイルの中から選択するファイル選択手段と、
前記選択されたファイルに対して前記一時記憶手段に蓄えられた前記レコードを順次書き込む書込手段と、
前記記録が行われた時刻情報を書き込む書込手段と、
を有することを特徴とする電子投票装置。
5)前記時刻情報を消去する手段をさらに有することを特徴とする4)に記載の電子投票装置。
6)前記順次記録を行う記録手段は、前記電磁的記録媒体の記録領域に未記録の間隔領域を設けず、前記間隔領域を埋めるよう記録することを特徴とする4)又は5)に記載の電子投票装置。
7)電子投票による投票の際、単一の電磁的記録媒体に対して複数の選挙人による投票結果を記録することにより投票データを生成する電子投票装置を制御するための電子投票プログラムにおいて、
投票開始に先立って、複数のファイルを前記電磁的記録媒体に作成するステップと、
前記ファイルのいずれかを、前記選挙人の投票が行われる毎にランダムに選択するステップと、
前記選択されたファイルに対し、前記選挙人の前記投票結果を一時的に記憶した記憶手段の情報を順次記録するステップと、
前記記録が行われた時刻情報を記録するステップと、
を有することを特徴とする電子投票プログラム。
8)前記時刻情報を消去するステップをさらに有することを特徴とする7)に記載の電子投票プログラム。
9)前記順次記録を行うステップは、前記電磁的記録媒体の記録領域に未記録の間隔領域を設けず、前記間隔領域を埋めるよう記録することを特徴とする7)又は8)に記載の電子投票プログラム。
10)電子投票による投票の際、単一の電磁的記録媒体に対して複数の選挙人による投票結果を記録することにより投票データを生成する電子投票装置を制御するための電子投票プログラムにおいて、
すべての前記選挙人の投票開始前において、前記電磁的記録媒体に、前記投票データを格納するための個数Nのファイルを作成する第1ステップと、
前記ファイルの各々に0〜N−1のインデックスを含むファイルネームを付与する第2ステップと、
前記選挙人による投票開始後において、当該選挙の候補者の情報を前記選挙人に対して報知するための報知手段に出力するとともに、前記選挙人が選択入力した候補者のレコードを一時記憶手段に蓄積する第3ステップと、
前記一時記憶手段における前記候補者レコードを前記選挙人が確認する入力を行ったときに、乱数を生成する第4ステップと、
生成した前記乱数の値を前記ファイルの個数Nで割った剰余値Kを計算する第5ステップと、
前記ファイルネームに含まれる前記インデックスがKであるファイルをオープンする第6ステップと、
オープンされた前記ファイル上に、前記一時記憶手段に蓄えられた前記候補者レコードを、ファイル上のデータに追加して隙間なく書き込む第7ステップと、
ファイルの書き込みが終了すると、当該ファイルをクローズする第8ステップと、
クローズされた前記ファイルの時刻の情報を固定値に補正する第9ステップと、
を有することを特徴とする電子投票プログラム。
11)前記第3ステップ乃至第9ステップの処理を、すべての選挙人による投票が終了するまで継続するためのループ処理を有することを特徴とする10)に記載の電子投票プログラム。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のにつき、好ましい実施例により説明する。図1は、本実施例に適用される投票データ生成方法を示す概念図である。同図は、電磁的記録媒体例えば、FD、メモリカード、ハードディスク等の上に作成された、複数のファイル(投票データファイル407a、407b、・・・407nとして図示)の各々に対して、複数の投票者による投票結果が記録される様子を示している。
電磁的記録媒体には、投票開始前、例えば媒体上にデータが存在しないことを確認する「ゼロ票確認」等の際に、ファイルサイズが零のN個のファイル(投票データファイル407a、407b〜407n)が生成される。そして、投票が開始されると、投票者が投票を確定する毎に、N個のファイルのうちいずれか一のファイルをランダムに選択してオープンして記録することにより、各々のファイルにランダムに分散させて記録する。例えば、1番目の選挙人の投票結果を有する投票データ1は、投票データファイル407aに書き込まれ、2番目の選挙人の投票結果を有する投票データ2は、投票データファイル407b書き込まれる。記録ファイルの選択は、情報処理装置で発生させた擬似乱数等を用いて、均一に選択されるように行う。
各々のファイルの中では、投票データが時間的順序に従って、逐次的に書き込まれる。例えば、同図に図示するように、投票データファイル407aには、1番目、3番目及び4番目の選挙人の投票結果を有する投票データ1、投票データ3、及び投票データ4が、順次書き込まれる。従って、従来の1つのファイルにランダム記録する方法では必要であったブランク領域は確保する必要がない。また、当然のことながら、ファイルの更新日時を消去するか、例えば投票に際して固有の投票日情報のみに設定し、記録順序を追跡不可能とする。
【0015】
図2は、本実施例に適用される投票データ生成方法のフローチャートである。まず、ステップH1において、N個の投票データ格納用ファイルが電磁的記録媒体上に作成される。ここでNは2以上の自然数であり、予め設定された固定値である。例えばN=10に設定する。N個のファイル同士を識別するために、ファイル名には0〜(N−1)の数値を付す。例えば、VTP%%%%%%%%(N−1).votあるいはVTS%%%%%%%%(N−1).votなどとする。ただし、%%%%%%%%は、当該電磁的記録媒体が装着された情報処理装置を識別する数値(後述する実施例における投票機シリアル番号203a)、「.vot」は投票データであることを識別する拡張子、「VTP」および「VTS」は各々原本(Primary Voting data)及び複写(Secondary Voting data)を意味する。また、これらのファイルは、上記したようにまだ何も記録されていない空のファイルである。
これらの投票データファイルの準備ができた後に、最初の投票者の投票を開始する(ステップH2)。投票中においては、選挙の候補者の氏名等を各投票者に対して表示を行うとともに、投票者の入力操作を受け付ける(ステップH3)。ステップH4の条件分岐において、投票者が選択した候補者を確認する入力がなされ、投票結果がキャッシュ等の記憶領域に蓄えられた場合には(ステップH4における「YES」)、ステップH5に移り、任意の桁の乱数を発生させる。
そして、この乱数の値Aを、ファイルの数Nで割った剰余K、すなわち
K = A (mod N)により、0からN−1の範囲の数値Kを得る(ステップH6)。次にステップH7において、N個のファイルのうちK番目のファイル、すなわちファイル名がVTP%%%%%%%%K.votであるようなファイルをオープンする。そして、ステップH8において、ファイル上に、キャッシュ内の投票結果を書き込む。この際の記録は、それまでの投票データファイルに追記する形で行われるので、ブランク領域は生じない。ファイルの書き込みが終了すると、ファイルが正常に書き込まれたことの照査を行った後に、当該ファイルをクローズする(ステップH9)。そして、ステップH10において、ファイルの更新日時を任意の固定値に補正することにより、時刻情報を抹消する。こうして、ステップH3〜H10までの処理が、すべての選挙人による投票が終了するまで継続される(ステップH11における「NO」)。
【0016】
以下、さらに具体的に、電子投票制度の普及段階における第1段階のシステムに適用した場合について説明する。
図3は、本発明の実施例に係る電子投票装置203を用いた電子投票システムの全体構成の一例を示す図である。同図に示す電子投票システムは、選挙管理委員会や中央選挙管理会などの選挙管理組織によって管理されるものであり、大別して、選挙データ作成システム100、投票所システム200、開票所システム300により構成される。なお、選挙データ作成システム100は全国の自治体毎に複数存在し、また投票所システム200も、各々の選挙データ作成システム100に対して投票区毎に複数設置されるシステムであり、さらに開票所システム300も開票区毎に複数設置される。したがって、複数の選挙データ作成システム100、及び複数の投票所システム200、複数の開票所システムが存在するが、同図では、簡略のため、1つの選挙データ作成システム100、2つの投票所システム200、2つの開票所システム300のみが図示されている。
【0017】
選挙データ作成システム100は、選挙データ管理作成機101と選挙データメディアコピー機102とを有している。選挙データ管理作成機101は、実施選挙の種類402(単記式候補者選挙や、非拘束名簿式比例代表選挙などの選挙の種類のこと)、カード認証キー(以下認証キーとも言う)403及び投票プログラム404の管理、候補者名・政党登録の更新・削除などを管理し、候補者画面と選挙データから構成される候補者データ401を作成することにより、後述する電子投票装置用や投票カード発券機用及び投票データ収集・集計機用の選挙データマスター400を投票前に事前に作成するサブシステムである。
特に、候補者名・政党名の登録の際には、候補者の氏名、所属政党、読み仮名、経歴、公約などのデータをテキスト形式データとして、ハードディスクやメモリなどの格納手段(不図示)内に格納する。また、これらのデータは、視覚障害者に対して音声ガイドを行なうために、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)やMP3(エム・ピー・スリー:MPEG−1/Audio Layer3、MPEG:Motion Picture Experts Group)などの適切な圧縮形式の音声データとして記憶される。さらに、候補者の顔写真やポスターなどの画像情報などはJPEG(ジェイペグ: Joint Photographic Experts Group)などの適切な圧縮形式の画像データとして記憶される。なお、この選挙データ管理作成機101は、PC(パーソナルコンピュータ: Personal Computer)によって実現可能である。
【0018】
選挙データ管理作成機101が作成する選挙データマスター400には、投票プログラム404、候補者データ401、カード認証キー403が記録される。カード認証キー403とは、本実施例では、ICカードの読取りを認証するためのキーである。選挙データマスター400は、通常1つのメディアとして作成され、選挙管理組織(以下、選挙管理委員会、選管ともいう)が有する試験用機器により試験され、承認された場合に、選挙データメディアコピー機102に移送される。
【0019】
選挙データメディアコピー機102は、選管によって試験されて承認された選挙データマスター400のデータを、複数のメディアに複製するための装置である。この選挙データメディアコピー機102により作成されるメディアは、後述する投票所システム200を構成する電子投票装置203に対して配布される記録媒体(複写用記録媒体)409と投票所の投票カード発券機に対して配布される記録媒体(発券機用メディア)202である。
【0020】
複写用記録媒体409には、投票プログラム404、候補者データ401、カード認証キー403が、選挙データマスター400から複製され、記録される。なお、複写用記録媒体409とは別に原本用記録媒体408が用意され、原本用記録媒体408には、データを何も記録しない空き状態で電子投票装置203に配布される。投票プログラム404とは、電子投票装置203において、画面及び音声ガイダンスなどを含む候補者データ401とカード認証キー403を用いて、投票の制御と投票データの記録管理を実行するアプリケーションプログラムである。また、カード認証キー403とは、投票カード初期化や投票カードの有効性の認証を行なうためのデータである。
【0021】
投票カード発券機201に予め内蔵される発券機用メディア202には、実施選挙の種類402、カード認証キー403が、選挙データメディアコピー機により選挙データマスター400から複製され、記録される。発券機用メディア202とは、投票カード発券機201を起動するために必要な記録媒体である。メディアとしてはFDやICカードなどが使用される。
【0022】
投票所システム200は、投票カード発券機201と電子投票装置203を有している。投票カード発券機201は、住民基本台帳に基づいて作成された選挙人名簿又は抄本に記載された選挙人にあらかじめ配布された入場整理券(主に、選挙人に郵送される葉書)との対照により本人確認を行った後、記載されている選挙人特性(障害の種類)に応じて、投票カード406を発行するための装置である。投票カード406は、例えば、ICカードを用いることにより、多くの情報を蓄積することができる。この投票カード406には、後述する図23において図示されるようにカード発券年月日、選挙人の障害の種類を示す選挙人特性ID2021、言語区分、選挙の種類を示す選挙ID、投票種別、などのデータが記憶される。
【0023】
投票カード発券機201は、投票管理者が所有管理する運用カード405をも発行する機能を有する。投票管理者は、投票カード発券機201を使い、投票カード認証キー403を使用して作成した固有の投票所ID4055(以下、管理IDともいう)を運用カード(以下、管理者カードともいう)405に記録する。運用カード405には、選挙管理委員会が生成した全投票所で共通のカード認証キー403を用いて生成される投票所ID4055が記録される。運用カード405は、ICカードなどで実現され、投票所ID4055は投票所毎に異なる固有値を取る必要がある。運用カード405は、電子投票装置203に挿入されると、電子投票装置203に装着された複写用記録媒体409上のカード認証キー403を使用して運用カード405の読取りを認証し、投票所ID4055を読み取る。読み取られた投票所ID4055は、電子投票装置203のRAM453(ディスクメモリ等)に格納される。こうして、投票所に固有の投票所IDが投票カード発券機201から電子投票装置203に伝播され、電子投票装置203が、選挙人から投票カード406を受付可能な状態となる。このとき、投票カード406にはこの投票所ID(管理ID)が記録されて発券されるため、この投票所における投票カード発券機201で発行された投票カード406以外の投票カードは、異なる投票所IDを有することから、受け付けられないこととなる。
【0024】
投票カード406には、投票所ID4055以外に、選挙人が入出力手段を選択できる情報が投票カード発券機201において記録される。例えば、入場整理券の選挙人特性欄に視覚障害者の記載がある選挙人の投票カード406には、投票所において視覚障害者であることを示す選挙人特性ID2021が記録され、選挙人に貸与される。この選挙人が投票カード406を電子投票装置203に挿入した場合、視覚障害者用の投票モードになり、適切な表示入力モードが選択される。なお、この投票カード406には、憲法15条に定められた投票の秘密を守るため、カードを使用する選挙人を特定できるような個人情報は記憶されないようにすることが好ましい。したがって、投票カードとして、住民基本台帳カードなどの個人情報が記録されたカードを利用する場合には、電子投票装置203による個人情報の読取りを制限する必要がある。
【0025】
電子投票装置203は、投票所に複数台設置され、選挙人による投票を受け付けるための装置である。電子投票装置203は、投票所に設置された時点では、選挙に係るデータは何ら格納されておらず、空の投票箱の状態である。選挙データシステム100から電子投票装置203に対して実施選挙に係るデータの移送が完了して初めて、電子投票装置としての機能を果たすようになる。すなわち、選挙データメディアコピー機102から可搬性のある複写用記録媒体409により、投票プログラム404及び候補者データ401、カード認証キー403が移送され、電子投票装置203の記憶手段(後述するRAM453)に記録される。
【0026】
また電子投票装置203は、投票終了後においては、選挙人の投票内容を記録した投票データ407及び電子投票プログラム(以下投票プログラムとも言う)404などの電子投票装置203内部に存在する選挙に係る全てのデータは、記憶手段が揮発性メモリを使用していることにより、電源切断時にRAM453から自動的に消去される。そして、メモリカードなどの可搬性のある記録媒体(すなわち原本用記録媒体408及び複写用記録媒体409)が開票所システム300に送致される。このように、投票時間の間だけ、電子投票装置203に選挙に係るデータやソフトウェアが置かれるようにすることによって、第三者による不正操作の危険を極めて低くすることが可能となる。
【0027】
電子投票装置203は、投票日の投票開始時刻の前に、投票カード発券機201によって発行された識別コードである投票所ID4055を、投票開始に先立って運用カード(管理者カード)405により読込んで電子投票装置内部に記憶する機能を有する。そして、電子投票装置203は、投票開始時刻の後には、本人確認を済ませた有権者(以下、選挙人、投票者ともいう)に対して投票カード発券機201により発券された投票カード406を読み取る機能を有する。投票カード406には、同一投票所内では上述した運用カード405に記録されたものと同一の投票所IDが記録されており、投票者が電子投票装置203に対して投票カード406を挿入したときに、認証キー403によりデータ読取りの認証が成功した後に、カードに記録された投票所IDを読み込んで電子投票装置内部の投票所IDと比較照合することにより、挿入された投票カードの真正性を判定する。また電子投票装置203は読み取る投票カード406には、投票所ID4055の他に、上記した選挙人特性ID2021や、投票可能な選挙の種類(図3では実施選挙の種類402として図示)に対応する投票権利を示す投票フラグ2022が記録されている。これらのデータは、上記投票所ID4055の照合が成功した後に、順次読み取られる。
【0028】
なお、本実施例においては、投票所システム200における複数の電子投票装置203の各々が投票データ407を記録可能な電磁的記録媒体を有するよう構成しているが、これを、投票所システム200内でローカルエリアネットワーク(LAN)を構築し、各々の電子投票装置203のデータをオンラインで1台のサーバに伝送し、サーバが可搬性のある電磁的記録媒体に投票データ407を記録するようなシステム構成としてもよい。
【0029】
開票所システム300は、データ収集・集計機301、集計結果を印刷するプリンタを有している。
投票データ収集・集計機301は、複数の投票所に設置されて電子投票装置203の投票データ407及び投票装置シリアル番号203s(個々の電子投票装置の製造時に付与されたシリアル番号)を収集し、両者を関連付けて格納手段(不図示)に格納するための装置である。本実施例では、投票データ407の収集方法としては、可搬性のある原本用記録媒体408による物理的な搬送手段を用いる。なお、本発明の他の実施形態として、投票所システム200と開票所システム300とを電気通信回線によりネットワーク接続し、電磁的記録媒体408、409に記録されたデータを読み出して、ネットワーク伝送するように構成することも可能である。このような電磁的記録媒体とネットワークを併用するハイブリッド方式のネットワーク型システムを採用した場合、常時接続を必要とせず、投票所を閉じる時刻の後に一括してデータ伝送を行なうことができるため、伝送におけるセキュリティをより高めることが可能である。
【0030】
以下、図3に示す電子投票装置を構成するハードウェアおよびソフトウェアの詳細について、図4以降の図面を用いて説明する。
図4は、本実施例に適用される電子投票装置203の外装の一例を示す斜視図である。電子投票装置203は、液晶表示装置20311(以下LCDともいう。LCD:Liquid Crystal Display)及びタッチパネル20313、及び図示しないタッチパネルコントロール基板、後述するインバータ基板20312並びに筐体部から構成されるディスプレイユニット2031を有している。LCD20311は、投票に係る情報を、投票者に視覚的に報知する。本実施例におけるLCD20311のサイズは15インチであり、誰にとっても見やすい大きさの画面表示を行なうのに十分な大きさと解像度(1024×768画素)を有している。
【0031】
タッチパネル20313は、上記LCDの上面に重ね合わせて配置され、指やスタイラスペンで触れることにより座標入力が可能な抵抗膜式の透明タブレットである。タッチパネル20313は、LCD以上の解像度(4096×4096画素)を有しており、LCD上にGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース:Graphical User Interface)により表示された操作ボタンをタッチパネル上から押下する際に、確実な識別が可能となっている。また、投票カード406の読取りを行なう投票カード記録読取手段2032(以下、カード記録読取手段、カードリーダライタ、カードR/Wともいう)を有する。さらに、音声による投票操作ガイドを行なうスピーカ(音声出力手段)2033を有している。
【0032】
また、電子投票装置203は、投票所の投票管理者が管理する南京鍵2030aによって開閉可能なフロントドア2030を有している。フロントドア2030の内部には、後述するように、投票データ407や投票ログ4075等を記録する記録媒体(原本用記録媒体408、複写用記録媒体409)を挿入するスロット等が格納されており、フロントドア2030を本南京錠2030aにより施錠することにより、第三者によるメディアへの不正脱着を防止することとしている。また、フロントドア2030には、開閉状態を電気的に検出可能なセンサ20310が配置されており、投票中においては、フロントドア2030が開いた場合に、異常として検出し、状態表示灯20301の操作表示灯20301bに表示する。
【0033】
LCDおよびタッチパネルを含むディスプレイユニット2031は、誰にとっても利用しやすい高さおよび形状を実現するため、水平面に対して15度の傾きを有するように構成されており、投票所において電子投票装置203を自書式投票用の記載台の上に設置した際に、立位の投票者による目視が容易であり、かつ投票者背面によりの盗み見を防止できるような角度に設定されている。
【0034】
電子投票装置203は、状態表示灯20301を除く外装部の大きさが、幅350mm×奥行350mm×高さ190mmであり、図示しない保管箱に収納した状態で5段の積み重ねが可能である。また、従来自書式投票において使用されてきた記載台の上にも設置することが可能である。また、電子投票装置203の重量は約8kg程度であるので一人で十分運搬可能であり、投票所への運搬又は設置等の選挙事務に支障のない重量である。
【0035】
図5は、本実施例に適用される電子投票装置203の外装の一例を示す斜視図である。ディスプレイユニット2031の筐体部は、表示面の傾き(チルト)を調整可能な機構をさらに有し、しかもタッチパネル操作時に安定性を有する支持機構(図示せず)を具備させて、車椅子の選挙人等が座した状態でも操作し易いようなバリアフリー仕様とすることが好ましい。ただし、この表示面の角度は、必ずしも任意の角度に調整可能であるように構成する必要はない。同図は、表示面を設置面に対して90度(垂直)に配置した場合の斜視図である。図4及び図5に図示するように、表示部の傾きは、水平面(設置面)に対して15度または90度の2種類のみから投票者が選択することとしても、実際上差し支えないことが、全国の身体障害者に対する実地試験により明らかになっている。そこで、これ以外の角度に対する調整機構を省略することにより、図示しない支持機構の製作費用を低減することができる。なお、表示部を立てた状態で使用するときは、投票時に、背後にいる人間の盗み見により投票の秘密が漏れないように、投票所の壁面を背にする等、適切な向きで設置することが好ましい。
【0036】
図6は、本実施例に適用される電子投票装置203の外装の一例を示す上面図である。同図に示す電子投票装置203の上面図は、ディスプレイユニット2031を倒した状態(すなわち水平面から15度の状態)を図示している。電子投票装置203は、ロックブラケット2030bを有している。ロックブラケット2030bは、南京錠2030a等の鍵のシャックル部が貫通できるような穴を有しており、その穴の径は、鍵のシャックル部が十分に出し入れできる程に大きく、かつ施錠時にフロントドア2032にガタが生じない程度の大きさを有している。
また、電子投票装置203は、スタイラスペン2031aを保持するペンホルダ2031bを有している。電子投票装置203のタッチパネル入力操作に使用するスタイラスペン2031aは、投票者がタッチパネルを指で触れる代わりに選択的に用いるものであり、適度に先の尖ったペン形状の物品であれば、どのようなものでも使用可能である。
【0037】
電子投票装置203は、スライドカバー2035を有している。同図では、スライドカバー2035が半分だけ開いた状態が図示されている。スライドカバー内部に、状態表示灯20301を電子投票装置内部のハードウェアに接続するための状態表示灯ケーブル20301dを有している。状態表示灯ケーブル20301dは、ポール20301c(図7に図示)の内部を通し、本体リア部にコネクタ接続される。この状態表示灯ケーブル20301dは、後述する電子投票装置内部のマザーボード450及び直流電源20315に接続され、投票操作及び電源状態をランプの点灯状態により表示することにより、電子投票装置203から離れた場所にいる人が視覚的にモニター可能である。
【0038】
なお、図6には図示されていないが、スライドカバー内部には、表示または入力に関するバリアフリーオプションを接続するための複数の端子が配置されている。例えば、候補者選択項目が巡回的に移動するスキャン入力画面において使用可能な運動機能障害用プッシュスイッチ20371で行なう投票モードで使用する運動機能障害用プッシュスイッチ端子2037を有する。また、視覚的に候補者画面表示を認識困難な選挙人が使用可能な、触覚認識用ピンディスプレイ及び盲人用キーボードを配置した視覚障害者用専用キーボード20381を接続する視覚障害者用専用キーボード端子2038を有する。さらに、ディスプレイユニット2031を使用せずに音声のみで投票を行なう投票モードで使用する音量調整付きヘッドホン20391を接続するヘッドホン端子2039等が配置されている。
【0039】
図7は本実施例に適用される電子投票装置203の外装の一例を示す正面図である。電子投票装置203が有する状態表示灯20301は、電源表示灯20301a、操作表示灯20301b、ポール20301cから構成されている。電源表示灯20301aは、操作表示灯とは異なる色(例えば赤色)のLED(発光ダイオード:Light−Emitting Diode)により構成され、消灯、点滅、点灯の3状態により、AC電源20316、DC電源20315(停電用に電子投票装置に内蔵された内部バッテリ又は電子投票装置に接続した外部バッテリ)等の電源駆動状態の確認表示を行なう。例えば、LED消灯状態をAC電源供給駆動中、LED点滅状態をAC電源供給無し、かつ外部バッテリ接続無し(内蔵バッテリ駆動中)、LED点灯状態をAC電源供給無し、かつ外部バッテリ接続駆動中などと定義することにより、電子投票装置から離れた投票立会人等が電源状態を常に視覚的に監視することができる。操作表示灯20301bは、上記した電源表示灯とは異なる色(例えば緑色)のLEDにより構成され、消灯、点滅、点灯の3状態により、投票状態の確認表示を行なう。
【0040】
例えば、LED点灯状態を投票中、LED消灯状態を投票待ち受け中、LED点滅状態をエラー発生時などと定義し、投票管理者や投票立会人が不正操作が行われていないかどうか、電子投票装置203から離れた位置から監視することができる。エラー発生の例としては、投票データを記録する記録媒体や電源スイッチ等を格納するフロントドア2032が投票中に開いたことをフロントドア開閉センサ20310で検出した場合、後述する投票カードの読取エラーが発生した場合等が挙げられる。ポール20301cは、伸縮自在な4段式ポールであり、先端部に2色のLED(緑、赤)を取付けた構造となっている。本実施例では、最大延長時約110cmの長さを有し、記載台(高さ75cm)に設置した際の高さが、有権者の平均的な身長よりも高くなるようにして、投票所内の投票管理者や投票立会人が監視しやすいように設定されている。
【0041】
電子投票装置203は、投票確定LED2034を有している。投票確定LED2034とは、選挙人による候補者選択確認後、原本用記録媒体408に投票データ407及び投票ログ4075が正常に記録された場合、投票データ407の投票確定が完了したことを示す表示LEDである。ただし、投票確定は、後述するように、投票データ407と投票ログ4075が原本用記録媒体408に記録確認された時点で成立する。また、投票確定LED2034は、投票操作中に不測の障害が発生した場合に、投票が完了しているか否かを明確にさせる機能をも有している。
【0042】
電子投票装置203は、カード挿入ガイドLED2032aを有する。カード挿入ガイドLED2032aとは、カード記録読取手段2032の挿入口を投票者に対して明示するためのランプである。カード挿入ガイドLED2032aは、点灯状態が投票カード406(あるいは運用カード405)が挿入中、点滅状態が投票カード406が(あるいは運用カード405)未挿入又はカード抜取り待ち中であることを意味する。
電子投票装置203は、電源ランプ20308(以下、AC入力確認用LEDともいう)を有する。電源ランプ20308は、商用電源であるAC100V(50/60Hz)が入力されているか否かをモニターするための、緑色LEDである。
【0043】
図8は本実施例に適用される電子投票装置203の外装の一例を示す正面図(フロントドアオープン時)である。フロントドア2032の内部には、原本用記録媒体用スロット20303、複写用記録媒体用スロット20304、電源スイッチ2032が格納されている。投票時においては、フロントドア2032は、ロックブラケット2030b部分に小型の南京錠2030aにより、投票管理者が施錠を行なうので、第三者が不正にフロントドア内部に触れることが禁止されている。なお、同図には図示されていないが、フロントドア開閉センサ20310(図10に図示)も格納されており、不測のフロントドアの開錠を監視するための二重鍵の機能を果たしている。
【0044】
原本用記録媒体用スロット20303に装着される原本用記録媒体408とは、選挙人により、候補者選択確認後最初に投票データ407が記録される記録媒体をいう。通常は投票データ記録後、投票ログ4075も記録される。投票所へ送付される原本用記録媒体408は、一般的にデータが何も記録されていないブランクメディアであり、投票データは「ゼロ票」である必要がある。また、複写用記録媒体用スロット20304に装着される複写用記録媒体409とは、原本用記録媒体408のバックアップ用として、原本用記録媒体に投票データ記録後に同一データが複写記録される媒体をいう。投票所へ送付される複写用記録媒体は、電子投票装置203を立ち上げるための投票プログラム404、候補者データ401、投票カード認証キー403等のデータが供給される場合もある。これらの記録媒体として、FD等や、書き換え型コンパクトディスク(CD−RW:Compact Disk Rewritable)等の様々な電磁的記録媒体(電子的方式、磁気的方式その他人間の知覚によっては認識することのできない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものに係る記録媒体)を使用することが可能であるが、本実施例においてはメカ部不要の不揮発性メモリであるコンパクト・フラッシュ・メモリカード(登録商標:以下CFメモリカードと記す)を使用することにより、故障要因を排除することとしている。
【0045】
これらのCFメモリカードは、CFメモリカードアダプター(メモリカードソケット)を使用して、原本用記録媒体用スロット20303、複写用記録媒体用スロット20304に装着される。メモリカードソケットは、CF・タイプ1専用PCMCIA(PCMCIA:Personal Computer Memory Card International Association:PCカードの規格管理を行っている団体)インターフェースカードを使用することができる。原本用記録媒体用スロット20303、複写用記録媒体用スロット20304は、ダブルプッシュボタンタイプ(対メディアソケット)、すなわちメディア脱着レバーが一度目のプッシュ操作で脱着操作が有効となり、二度目のプッシュでメディアが脱着される機構タイプのもので構成されており、装着されたメモリカードを容易に脱着可能である。
【0046】
電源スイッチ2032は、電子投票装置203の、AC100V商用電源の投入・切断を行なうスイッチである。実際の電源電圧の入力状態は、電源ランプ20308又は電源表示灯20301a等で確認することができる。
【0047】
図9は本実施例に適用される電子投票装置203の外装の一例を示す背面図である。電子投票装置203は、ボリューム2033a、電源ケーブル、外部ディスプレイ端子20302等を有している。ボリューム2033aは、上記したスピーカ2033の音量を調整するために用いられる。装置背面部分に、ボリューム2033aを配置したのは、投票中において、選挙人がみだりにボリューム操作を行なうこと防止するためである。一方、施錠されたフロントドア2032内部に配置しなかったのは、必要なときは投票立会人が投票プログラムを中断させることなく随時調整を行なうことを可能とするためである。なお、ディスプレイユニット2031を使用せずに、音声ガイダンスによる投票を行なう選挙人がバリアフリー用ヘッドホン20391を使用する場合には、バリアフリー用ヘッドホン20391をヘッドホン端子2039に接続した際に、スピーカ音量が自動的に切断される。ヘッドホンの音量調整は、付属の音量調整機能を用いて行なう。
【0048】
電子投票装置203は、外部ディスプレイ端子20302を有している。外部ディスプレイ端子20302には、例えば、頭部に装着して使用する視覚用ディスプレイであるヘッドマウントディスプレイを接続することが可能である。これは、起き上がることが困難な選挙人や、不随意運動を伴う肢体不自由の選挙人のようにディスプレイユニット2031を継続的に視野に入れることが難しい選挙人が、ディスプレイユニット2031の代わりに使用することができる。
【0049】
図10は、本実施例に適用される電子投票装置203内部のハードウェア構成の一例を示す図である。マザーボード450は、その基板上に、CPU451(CPU:Central Processing Unit)、ROM452(ROM:Read Only Memory)、RAM453(RAM:Random Access Memory)、各種機器を接続するためのバスやコネクタ等を有している。
ROM452は、OSとハードウェアの間のデータ受け渡しを制御する基本ソフトであるBIOS(BIOS:Basic Input/Output System)を格納する読み取り専用メモリである。 RAM453は、揮発性のメインメモリであり、複写用記録媒体409よりロードされた投票プログラム404や候補者データ401等のデータを投票の間だけ一時的に格納するRAMディスクとして機能する。
【0050】
シリコンディスク454(silicon disk)は、CFメモリカードを使用したディスクメモリであり、IDE規格(IDE:Integrated Device Electronics)のインターフェースにより、マザーボード450と接続されている。シリコンディスク454には、OS411(OS:Operating System)及び各種ドライバが格納されており、システムディスクとして機能する。一般的に使用されるシステムディスクであるハードディスク(HD:HardDisk)と異なり、磁気ヘッドのような物理的な駆動部分がないので故障率が低く、しかも高速アクセスが可能である。以下、シリコンディスク454をシステムディスク454ともいうこととする。
【0051】
マザーボード450には、VRAM456及び、LCD20311がLVDS(LVDS:Low Voltage Differential Signaling 高速、低消費電力の画像情報汎用インターフェース標準)により接続されている。LCD20311は、大きさが対角15インチ(38.1cm)のTFT液晶(TFT:Thin Film Transistor薄膜トランジスタ)であり、解像度1024×768ピクセル、RGB64階調26万色のカラー画面を、170cdの明るさで表示できる。
【0052】
LCD20311上に重ねて配置された透明タブレットであるタッチパネル20313は、RS−232規格(直列データ伝送用の標準インターフェース)によりマザーボード450と接続されており、大きさが対角15インチ、分解能1024×1024画素の性能を有する。タッチパネル20313の入力操作の検出方式は、水や埃に対する耐環境性に優れる抵抗膜方式を用いることが好ましい。なお、抵抗膜方式とは、2枚のガラスの間に設けられた電極(透明導電性基板)が指やスタイラスペンの押圧によって通電するのを電気的に検知するものである。
【0053】
カードリーダライタ2032は、本実施例に適用される投票カード406または運用カード405の一例である、ICカードの読み出しまたは書込みを行なう装置であり、マザーボード450とRS−232インターフェースにより接続される。カードリーダライタ2032は、投票カード406又は運用カード405を自動で搬入及び排出を行なう。カードの搬送速度は約200ミリメートル毎秒であり、搬送時間は1/4秒である。
【0054】
スピーカ2033は、音声ガイダンス用であり、非障害者、運動機能障害者共に対応する。電子投票装置203のカード挿入口近傍に配置される。
音量調整用ボリューム2033aは、スピーカ音量の調整を行なう。ヘッドホンの音量には影響しない。
【0055】
本実施例に適用される原本用記録媒体408又は複写用記録媒体409の一例であるCFメモリカードは、CFメモリアダプタに装着され、PCMCIAインターフェースにより、マザーボード450と接続されている。原本用記録媒体408には、投票データ、投票ログが記録され、複写用記録媒体409には、原本用データのバックアップ記録がなされる。これらのメディアのパッケージには、混同を防ぐために、各々「原本」又は「副本」に印刷表示が施されている。
【0056】
状態表示灯20301は、緑色LEDである操作表示灯20301b及び赤色LEDである電源表示灯20301aの2色のランプから構成されている。操作表示灯20301bは、GPIO規格(GPIO:General Purpose Input/Output)インターフェースにより、マザーボード450と接続されており、投票状態の確認表示を行なう。操作表示灯20301bの表示は、ランプの点灯、消灯、点滅の3状態を用いて表現される。例えば、点灯を投票中、消灯を投票待ち受け中、点滅をエラー発生時と表すように定義する。
【0057】
一方、電源表示灯20301aは、直流電源(DC電源ともいう)20315に接続されており、電源駆動状態の確認表示を行なう。電源表示灯20301aも、同様に上記の3状態を用いて表現できる。例えば、消灯をAC電源(交流電源ともいう)供給駆動中を表し、点滅をAC電源供給無し、かつ外部電池20316接続無し(すなわち内蔵電池20314駆動中)を表し、点灯をAC電源供給無し、かつ外部電池20316接続駆動中などと定義する。なお、外部電池20316とは、電子投票装置203の外部に専用接続コネクタにて接続されるバッテリをいい、長期停電時の投票を可能にする。実施例としては、車載用バッテリが挙げられる。
【0058】
投票確定LED2034は、選挙人による候補者選択確認後、原本用記録媒体408に投票データ407及び投票ログ4075が正常に記録された場合、投票データの投票確定が完了したことを選挙人に報知するための表示LEDである。投票確定LED2034は、マザーボード450とGPIOインターフェースにより接続されている。投票確定LED2034が、点灯保持状態のときは、投票データの原本用記録媒体への正常記録時を表し、消灯状態のときは投票カード抜き取り時を表すように定義する。投票確定LED2034は、ハードウェア制御により点灯及び消灯を行なうため、たとえ投票操作中にソフトウェアに起因するハングアップ等の不測の障害が発生した場合においても点灯状態が保存され、エラー発生時点で投票が完了していたか否かを明らかにすることが可能である。
【0059】
このように、本実施例に適用される電子投票装置203には、投票管理者や操作者のためにLCD20311による画面表示以外に動作状態を示す表示機能が備わっている。これらの表示状態は、GPIOでラッチされているため、投票プログラム404が停止状態であっても、電源が通電状態であり、回路が動作していれば、その情報は保存される。
【0060】
カードガイドLED2032aは、カードリーダライタ2032のカード挿入口に複数個配置され、投票カード406及び運用カード405の挿入又は抜き取りの案内を選挙人に対して行なうためのLEDである。カードガイドLED2032aは、マザーボード450とGPIOインターフェースにより並列接続されている。カードガイドLED2032aは、点灯状態が、ICカード挿入中を表し、点滅状態が、ICカード挿入待ち状態を表す。
【0061】
電源LED20308(AC入力確認用LEDともいう)は、AC電源(日本国内の商用交流電源にあっては交流100V、周波数50Hz又は60Hzのもの)が供給されていることを監視するためのLEDである。電源LED20308は、直流電源20315とGPIOインターフェースにより接続され、直流電源20315に対して入力されるAC電源の電圧を監視する。電源LED20308は、点灯状態がAC電源供給時、消灯状態がAC電源断時を表す。
【0062】
ジャンクション基板455(ジャンクションボードともいう)は、マザーボード450とRS−232インターフェースにより接続されている。ジャンクション基板とは、基板上にバリアフリー対応の専用キーボード、又はヘッドホン若しくはプッシュスイッチ等を接続することにより、通信制御やデータ通信を行なう専用基板である。ジャンクション基板455上には、運動機能障害用プッシュスイッチ端子2037、視覚障害者用専用キーボード端子2038、ヘッドホン端子2039が配置され、バリアフリー対応のオプション装置を接続することができる。運動機能障害用プッシュスイッチ端子2037には、電子投票装置203のタッチパネル20313による入力が困難な、運動機能障害を有する選挙人が対象とした入力機器である3.5φメーク接点式のプッシュスイッチが接続される。
【0063】
当該選挙人は、当該プッシュスイッチを使用して、スキャン画面(選択項目が自動的に順次切り替わる投票画面)に従い投票を行なうことができる。視覚障害者用専用キーボード端子2038及びヘッドホン端子2039には、視覚障害者用専用キーボード20381及び音量調整付きヘッドホン20391が各々接続される。視覚障害を有する選挙人は、机または手に持って入力可能な専用キーボード20381と音声投票用ガイダンスの音量調整付きヘッドホン20391の併用により、音声投票を行なうことができる。視覚障害者対応の音声投票用キーボード(運動機能障害者対応兼用)は、点字が施された6個のファンクションキー(○、×、←、→、△、平たいボタン)から構成され、上下・左右共に26mmピッチを有する。ジャンクション基板455上のヘッドホン端子2039に音量調整付ヘッドホン20391が接続された場合には、スピーカ2033への接続が自動的に切断される。
【0064】
CLOCK457(内蔵時計ともいう)は、マザーボード450上に装着された時計モジュールである。CLOCK457による時刻の情報は、例えば、投票の監査記録(監査証跡)として、投票操作を含む動作状態を記録した投票ログ4075を作成する際に使用する。
【0065】
図11は、本実施例に適用される電子投票装置203内部のRAM453内部のデータ構造の一例を示す図である。RAM453は、投票が行われている間、投票プログラム404を一時的に格納する投票プログラム領域404bを有する。投票プログラム404は、選挙データ作成システム100における選挙データメディアコピー機102において、選挙データマスター400から複写用記録媒体409に複製されて、投票所システム200に配布されたものである。複写用記録媒体409が、複写用記録媒体用スロット20303を介して電子投票装置203に装着されると、プログラムローダー436により、投票プログラム404がRAM453上の投票プログラム領域404bにロードされる。
【0066】
RAM453は、候補者データ401を格納する候補者データ領域401bを有する。
RAM453は、投票カード406及び運用カード405の読取に係る認証キー403を格納する認証キー領域403bを有する。
RAM453は、発券機201が発行した乱数である投票所IDを格納する投票所ID領域4055bを有する。
RAM453は、選挙人による投票データ407が原本用記録媒体408及び複写用記録媒体409に記録されて照合が行われるまでの間、一時的に投票データ407を格納する投票データ領域407bを有する。このキャッシュ領域は、固定されたアドレスに存在するわけではない。空きのある番地に適宜割り振られる。
【0067】
RAM453は、投票ログ4075を格納する投票ログ領域4075bを有する。
RAM453は、後述するシステムディスクに記録されたOS411及びドライバ、投票プログラム404、候補者データ401等を複製して格納するローカルディスク領域4075bを有する。
【0068】
図12は、本実施例に適用される電子投票装置203内部のシステムディスクとして用いられるシリコンディスク454内部のデータ構造の一例を示す図である。
シリコンディスク454は、プログラムローダー436を格納する領域を有する。プログラムローダー436は、投票プログラム404を複写用記録媒体409よりロードするプログラムである。
シリコンディスク454は、投票装置シリアル番号記録部203sを格納する領域を有する。
【0069】
シリコンディスク454は、I/O制御部412を格納する領域を有する。I/O制御部412は、データの入出力の際、データを1ビットずつ連続的に入力又は出力する制御を行なうためのプログラムである。
シリコンディスク454は、ウインドウ制御部413を格納する領域を有する。ウインドウ制御部413は、タッチパネルLCD2031などに表示される画面の中で、枠などによって区切られた表示部分の管理を行なうためのプログラムである。
シリコンディスク454は、ファイル制御部414を格納する領域を有する。ファイル制御部414は、ファイルの登録、追加、修正、削除などのファイル保守、特定ファイルへのアクセスを制限するファイル保護などを行なうためのプログラムである。
【0070】
シリコンディスク454は、カード制御部415を格納する領域を有する。カード制御部415は、カード発券機201が発行した投票カード406または運用カード405の搬入、搬出及び、読取り及び書き込みなどを制御するためのプログラムである。
シリコンディスク454は、タッチパネル制御部416を格納する領域を有する。タッチパネル制御部416は、タッチパネル20313上でのタッチパネルからの入力を制御するためのプログラムである。
シリコンディスク454は、ジャンクション基板制御部418を格納する領域を有する。ジャンクションボックス制御部418は、バリアフリー対応入出力機器接続端子2037、2038、2039、20302を介して電子投票装置203に接続される各種の外部入出力装置を制御するためのプログラムである。
【0071】
シリコンディスク454は、OS411を格納する領域を有する。OS411は、特に限定されるものではないが、例えば、米国マイクロソフト社製OSである、ウィンドウズ(登録商標)NTエンベデッドを使用することが可能である。このOS411は、機器制御に特化した組み込み型OSであり、マウスやキーボードなどの外部入力装置がない状態でも動作することが可能である。そして、シリコンディスクに記録されたOSその他のシステムディスクをRAM453のローカルディスク領域454b上にコピーして動作させることが可能である。
【0072】
なお、シリコンディスク454は、工場出荷時に、必要なプログラムデータと固有の機器管理用シリアル番号である電子投票装置シリアル番号記録部203sを書き込み後、ライトフィルター処理され、読み出し専用メモリ(ROM)となる。本処理により、電子投票装置203でのシステムディスクの書き換えはできないこととなる。
【0073】
図13は、本実施例に適用される電子投票装置203内部のRAM453に、複写用記録媒体409よりロードされて格納される投票プログラム404の構造の一例を示す図である。
投票プログラム404は、カード読取部431を有する。カード読取部431は、ICカードなどの形態で提供される投票カード406又は運用カード405が、カード記録読取手段2032に搬入された後、カードに記録されたデータを読み取るのを制御するためのプログラムである。
【0074】
投票プログラム404は、候補者データ読取部432を有する。候補者データ読取部432は、RAM453上に格納された候補者データ415を構成するデータベース(図14〜図20において後述する)の電子的な読取を制御するためのプログラムである。
投票プログラム404は、投票画面作成部433を有する。投票画面作成部433は、選挙人が投票を行なう際にLCD20311に表示される画面の作成を制御するためのプログラムである。画面作成に必要な候補者情報又はレイアウトの情報は、候補者データ401に含まれる後述するデータベース(後述する図18における固定画面レイアウトテーブル401d、及び図19における投票画面レイアウトテーブル401e)上から読み取られる。
【0075】
投票プログラム404は、投票データ記録部434を有する。投票データ記録部434は、選挙人の投票データ407(投票結果)を、可搬性のある電磁的記録媒体に記録することを制御するためのプログラムである。すなわち、投票データ記録部434は、RAM453の投票データ領域407bに読み込まれた投票データ407を原本用記録媒体408に記録した後に、RAM453との照合を行い、さらに複写用記録媒体409に複写を行なう。原本、副本の二つの記録媒体に投票データを保存するにあたっては、媒体毎に独立して、ファイルオープン→データ書き込み→ファイルクローズ→キャッシュはき出しを行い、記録を確定させる。このように同時に二つの記録媒体がアクティブな状態を無くすことで、障害時には、最悪いずれか一つの記録媒体のデータを確保することができる。
【0076】
投票プログラム404は、投票制御部435を有する。投票制御部435は、選挙人が、投票操作することによる、投票画面の切り替えを制御するためのプログラムである。投票画面には、投票可能な候補者を一覧表示する候補者選択画面(図43に図示)、選挙人が仮選択した候補者を表示し投票意思の確認を行なう候補者確認画面(図52に図示)等がある。
投票プログラム404は、OS411としてウィンドウズ(登録商標)を用いる場合には、このOS411に依存する簡易プログラミング言語であるビジュアル・ベーシック(Visual BasicTM)を使用して作成するのが便利である。
【0077】
また、投票プログラム404は、電磁的記録媒体(複写用記録媒体409)を介して供給されるアプリケーションプログラムであって、電子投票装置203への常駐は出来ず、電源投入毎にプログラムローダー436によりRAMディスク453に新たにロードされる。投票プログラム404の供給形態は、適当な圧縮形式ファイルであり、電磁的記録媒体よりロードするにあたり、プログラムローダー436により、同プログラムの正当性確認を行なうことで改ざんの有無を確認する。正当性の確認は、誤り検出用符号の算出比較により実施する。プログラムロード後、更に圧縮解凍処理時のCRCチェック等の確認により、エラー検出を行なう。
【0078】
図14は、本実施例に適用される電子投票装置203内部のRAM453に格納される候補者データ401の構造の一例を示す図である。候補者データ401は、テキスト形式のファイルとして存在する6種類のテーブル(表)から構成されている。すなわち、第1に実施選挙の種類を識別する選挙ID毎に存在する候補者テーブル401a1〜401an、第2に政党テーブル401b、第3に投票所グループテーブル401c、第4に固定画面レイアウトテーブル401d、第5に選挙ID毎に存在する投票画面レイアウトテーブル401e1から401en、第6に表示メッセージテーブル401f)が互いに関連付けられたリレーショナルデータベース(RDB:Relational Data Base)の構造を有する。
【0079】
さらに、これらのテーブルから参照されるバイナリ形式のファイルである画像ファイル(候補者画像データや政党画像データ)及び音声ファイル(音声ガイドデータ等)が存在する。これらは、各々のテーブルの中から、ファイルの相対位置(パス)を参照することにより関連付けられている。バイナリファイルの参照方法は、あらかじめ指定されたディレクトリに存在する音声または画像ファイルに対しては、テーブルのフィールド部にファイル名を指定することで参照することができる。ディレクトリによるファイル管理は、基本ソフトであるOSの機能を利用する。
【0080】
図15は、本実施例に適用される候補者データ401を構成する候補者テーブル401a1(選挙ID=1用)の一例を示す図である。投票所テーブル401cは、候補者を識別する候補者ID401a1a、立候補届出名401a1b、候補者名ふりがな401a1c、出身地401a1d、所属する政党を識別する政党ID401a1e等のフィールドを有するテーブルとして構成されている。例えば、候補者ID401a1aのフィールドの値が「00001」であるレコードは、立候補届出名が「木戸 孝允」、候補者名ふりがな401a1c「きどたかよし」、出身地401a1d「山口県」、政党ID401a1e「002」という一連のデータを格納する。
【0081】
また、候補者テーブル401a1には、候補者氏名の別の読みも登録されている。従来の自書式投票においては、投票所の記載台に掲示された立候補者の届出名を投票用紙に書き写すだけでよく、実際の候補者名前の読み仮名を知らないでも投票を行なうことができた。例えば、立候補者の登録名が「河野太郎」であった場合、読み仮名が「こうのたろう」なのか「かわのたろう」なのか忘れた、あるいは知らない場合でも、投票用紙には「河野太郎」と書き写すだけで投票することが可能であった。ところが、候補者の頭文字を入力する場合には、読み仮名を知らない限り、検索をすることができない、という制約が生じるおそれがある。かかる、制約が生じないようにするために、本実施例では、間違やすい候補者氏名の別の読み仮名を用意して、上記例では、「こ」又は「か」のいずれを選択したとしても、候補者の「河野太郎」が表示されるようにしている。すなわち、本実施例によれば、立候補者のいろいろな読み方を候補者データとして同時に記録しておくことにより、間違えられそうな読み仮名のいずれでも検索を行なうことが可能となる。
【0082】
図16は、本実施例に適用される候補者データ401を構成する政党テーブル401bの一例を示す図である。政党テーブル401bは、政党ID、言語ID、政党名等のフィールドを有している。例えば、政党IDのフィールド値が「002」であるレコードは、政党名が「長州党」であり、上記した木戸孝允が長州党に所属することを意味する。政党IDのフィールドは、データベース技術における主キーと呼ばれるものであって、図15における政党IDのフィールドとリレーションシップがとられている。
【0083】
図17は、本実施例に適用される候補者データ401を構成する投票所グループテーブル401cの一例を示す図である。投票所グループテーブル401cは、選挙の種類を識別する選挙ID及び選挙名、選挙区を識別する選挙区ID及び選挙区名等のフィールドを有している。選挙IDのフィールドは、投票カード406に記録された投票可能な選挙IDの値を投票プログラム404が読み込んだ際に、必要な選挙IDのレコードのみが抽出され、使用されることとなる。
【0084】
図18は、本実施例に適用される候補者データ401を構成する固定画面レイアウトテーブル401dの一例を示す図である。固定画面レイアウトテーブルは、選挙の種類に無関係な共通の画面レイアウトを規定するためのテーブルである。固定画面レイアウトテーブル401dは、選挙人(投票者)の身体的な障害の種類を識別する選挙人特性ID2021のフィールドを有している。そして、選挙人特性ID毎のレコードにおいて、表示画面の種類を識別する画面ID、画面の機能を識別する機能ID、表示色を規定する前面色及び背景色、表示文字の書体、サイズ、表示するオブジェクトの水平座標、及び垂直座標等のレイアウトのデータを格納するフィールドを有している。画面IDフィールドは、選挙の種類(すなわち選挙ID)によって全く異なる画面を、その都度作成するのではなく、少数個からなる共通画面の基本レイアウトを規定するためのフィールドである。そして、この共通の基本レイアウトをベースとしたバリエーションを、色やサイズ、座標、位置合わせ情報などを規定するフィールドで実現している。
【0085】
本実施例による基本レイアウトとしては、単頁用候補者選択画面、候補者確認画面、候補者選択方式確認画面、候補者番号入力画面、候補者選択頁案内画面、棄権確認画面、複数頁用候補選択画面の7種類のレイアウトで十分である。例えば、単記式候補者選挙における候補者選択画面と拘束名簿式比例代表選挙における政党選択画面は、同一の画面IDを用いて、作成することができる。このように、少数の固定画面を共通化することにより、候補者画面作成が極めて容易になり、選管による候補者データ作成の事務の作業負担を軽減することができる。
【0086】
図19は、本実施例に適用される候補者データ401を構成する投票画面レイアウトテーブル401e1(選挙ID=1用)の一例を示す図である。投票画面レイアウトデータベース401e1は、選挙の種類や、画面に表示すべき立候補者の数、あるいは選挙人特性IDの値によって、異なる画面のレイアウトを規定するためのテーブルである。投票画面レイアウトテーブルは、選挙人特性ID、画面ID、機能ID、前景色、背景色、サイズ、水平座標、垂直座標等のフィールドを有している。テーブルは、投票カード406に記録された実施可能な選挙IDに基づいて必要な投票画面レイアウトテーブルを選択し、さらに選挙人特性IDに基づいて、選挙人の障害毎に適した画面レイアウトを規定する。
【0087】
図20は、本実施例に適用される候補者データ401を構成する表示メッセージテーブル401fの一例を示す図である。表示メッセージテーブル401fは、候補者テーブル401a1又は政党テーブル401b若しくは投票所グループテーブル401cに格納されてない文字列であって、画面に表示すべきものを規定する。例えば、投票プログラム404により、メッセージID「00001」のレコードが参照されたときは「投票カードをいれてください。」というメッセージを画面に表示し、選挙人に対して投票カード406を電子投票装置203に挿入することを促すことができる。
【0088】
図21は、本実施例に適用される電子投票装置203内部に格納される原本用記録媒体408のデータ構造の一例を示す図である。原本用記録媒体408とは、選挙人により、候補者選択確認後最初に投票データ407が記録される記録媒体を指す。本実施例においては、投票データの記録後に、投票ログ4075も記録される。投票所へ送付される原本用記録媒体408は、一般的にデータが何も記録されていないブランクメディアであり、投票データは「ゼロ票」である必要がある。投票データは、投票の秘密保持のため、投票データがランダムな順序で記録される。例えば、8番目の投票者の投票データ407を格納する投票データ8領域の隣の領域には、2番目の投票者の投票データ407を格納する投票データ2領域が割当てられる。その際に、既に図1で述べたように、複数のファイルを確保しておき、それぞれのファイルに対してランダムに投票データ及び投票ログを割り振るようにする。
【0089】
図22は、本実施例に適用される電子投票装置203内部に格納される複写用記録媒体409のデータ構造の一例を示す図である。複写用記録媒体409には、選管から配布される投票プログラム404、候補者データ401、カード認証キー403を格納する領域を有している。これらは、上記したように電子投票装置のRAM453にコピーされ用を果たすが、その後もデータは格納されている。そして、原本用記録媒体の投票データ407の複製が、これらに追記される形で記録される。
【0090】
ところで図21及び図22のデータ構造を有する原本用記録媒体408及び複写用記録媒体409は、電子投票における選挙人がいずれの候補者を選択したかの情報を記録する際に、人間の知覚をもってしては認識不可能な方法で記録され、従来の投票用紙による票と形態を異にするものである。電子投票における票を記録する記録媒体は、選挙人による投票情報が電子的又は磁気的又はその他の方式で記録され、コンピュータによる情報処理が可能な記録媒体である。
【0091】
記録媒体の具体的態様としては、フラッシュメモリが内蔵されたCFカードなどが挙げられる。他の規格のメモリカードとして、SDメモリーカード、スマートメディア(登録商標)、メモリースティックなど、マルチメディアカード(登録商標)を用いてもよい。メモリカードは、ハードディスクなどに比べて軽量であり、かつ振動に強いためデータの搬送性、保存性に優れ、しかも安価である。もちろん、電磁的記録媒体として、FD、光ディスク(CD、DVD)や光磁気ディスク(MO)などが使用可能であることはいうまでもない。
【0092】
本実施例では、図21及び図22に図示するデータを記録する記録媒体として、1台の電子投票装置に対して2枚のメモリカード(原本用記録媒体408、複写用記録媒体409)を使用する。本実施例においては、これらは、選挙実施前において、選挙データ作成システム100から投票所システム200の電子投票装置203に対して選挙に必要なデータを搬送する際の担体としての機能を果たす。そして、投票中においては電子投票装置203に装着され、従来の投票用紙の代替物としての機能、すなわち選挙人が投票する候補者名を電磁的なデータとして確実に記録し保持する機能を有する。
【0093】
そして、投票後においては、投票所システム200から開票所システム300に投票データ407を搬送する際の担体としての機能を有する。なお、将来法改正がなされた場合において、本発明をネットワーク型システムとして実施する場合には、電磁的記録媒体408、409は、選挙データ作成システム100、投票所システム200、開票所システム300の各拠点において、ネットワーク送信を行なう前に、データを拠点内で一時的に記録し、蓄積する機能を有する。本発明における電磁的記録媒体を用いないネットワーク型システムに比較して、ネットワーク障害に対するデータ消失の危険性が極めて低くなる。
【0094】
図23は、本実施例に適用される電子投票装置203内部に挿入される投票カード406又は運用カード405のデータ構造の一例を示す図である。投票カード406又は運用カード405には、カードに記録されたデータへのアクセス認証を行なう鍵であるカード認証キー403が格納され、電子投票装置203のRAM453に記憶されたカード認証キーにより認証が成功した場合にのみ、内部のデータの読み書きが可能となるように構成される。投票カード406又は運用カード405の内部には、以下のデータが記録されている。すなわち、市区町村ID、選挙人の障害の種類を示す選挙人特性ID2021、電子投票装置203が表示する言語の種類を区別する言語区分、投票所に固有のIDである投票所ID、指定投票所における投票又は不在者投票若しくは巡回投票等を識別する投票種別、カード発券機201により発行された発券年月日、複数の選挙を同日に行なう場合の選挙の数である選挙可能件数、実施される選挙の各々(選挙ID=1、2〜m、nとして図示)に対して投票権利が有るか未発券かを識別する投票フラグ2022等のデータを格納する。
【0095】
選挙人特性IDは、選挙人名簿に基づいて作成され選挙人に予め郵送された入場整理券の選挙人特性欄の記載に基づいて、投票所の係員が、投票カードを発行する際に記録される。例えば、選挙人特性欄に視覚障害者の記載がある選挙人に対しては、投票カード406には、視覚障害者であることを示す選挙人特性ID=01が記録される。この選挙人がこの投票カード406を電子投票装置203に挿入した場合、投票プログラム404が当該選挙人特性ID2021を読み取って、対応する候補者データ401をデータベースから参照することにより、視覚障害者用の表示入力モードにより投票を行なうことが可能となる。
【0096】
なお、データが記録された投票カード406又は運用カード405のメディアは、ICカードを用いることにより、他の記録方式のカードに比較して多くの情報を、しかもデータのアクセス権を設定したりデータ自体をTDES(TDES:Triple Data Encryption Standard)等により暗号化したりすることにより安全に蓄積することが可能である。もちろんICカードの代わりに、磁気カードを使用することも可能であるし、また光記録媒体を使用することも可能である。また、計算機ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)の不可逆記録とICカードのハイブリッドカードを用いることも可能である。また、電子ペーパーとして知られた液晶記録媒体に対して記録を行なうことも可能である。あるいは紙による印字媒体に記録された文字又はバーコードを光学的に読み取るOMR方式(OMR:Optical Mark Reader)を用いてもよい。
【0097】
投票カード406には、憲法15条に定められた投票の秘密を守るため、投票カード406を使用する選挙人を特定可能であるような個人情報は一切記録されていない。したがって、投票カードとして、住民基本台帳カード(住民カード、住基カードともいう)のような個人情報が記録されたカードを利用する場合には、電子投票装置203が生成する投票データが、個人情報を読み取らないことを保障するような機能が必要になる。
【0098】
図24は、本実施例に適用される投票カード406に記録される投票フラグ2022のデータ構造の一例を示す図である。投票フラグ2022は、投票権利の有無の識別子(トークン)であって、従来においては、投票可能か、投票済みかの値によって二重投票を防止することが行われてきた。ところが、このような従来のトークンは投票カード読取のエラーが発生した際の対処が複雑になるという問題があった。すなわち、選挙人が候補者を選択して確認ボタンに触れて原本用記録媒体408には投票データは記録されたものの、投票カードに投票済みのフラグの記録する際に書込みエラーが発生した場合、果たして投票確定か否かを直ちに判断することが困難になることである。
【0099】
そこで、本発明では、投票フラグとして投票済みのフラグを用いることを廃し、投票可能状態、およびカード未発券の2種類のみとした。つまり、投票済みかどうかの判断は投票カード406では行わず、投票確定LED2034によりハードウェア的に行なうこととしている。そして、二重投票防止の措置として、投票可能であるフラグを確認した後に、電子投票装置内部で投票カードの初期化を行って排出し、再使用不可能とした。さて、選挙ID=1の投票フラグである2022aには「投票可能」が、そして選挙ID=3の投票フラグ2022bには「未発券」が、同様に選挙ID=3の投票フラグ2022cには「投票可能」が記録されている。投票プログラム404のカード読取部431(図25において詳述する)において、これらの情報を読み取ると、この選挙人が投票できる選挙が選挙ID=1及び選挙ID=3であると判断する。そして、候補者データ読取部432によりこれらの選挙IDに対応する候補者データ401をデータベースの各テーブルから抽出して、投票画面作成部433により、候補者数等に応じた画面レイアウトを決定し、図43に図示するような候補者選択画面を表示する。
【0100】
なお、本発明に係る投票カード406は、投票権利を有する選挙人に対して発券するものであるが、不正投票を排除するため、発券後に投票カードの記録情報により投票権利の有無を確認する用途には用いない。電子投票装置203では、障害発生時に可能な限り投票権利の有無についての情報を表示する。
【0101】
図23及び図24に図示する投票カード406又は運用カード405が格納するデータは、7ビットのアスキーコード(ASCII: American Standard Code forInformation Interchange、情報交換用米国標準コード)として記録されている。例えば、選挙人特性ID2021が「30」というアスキーコードとして記録されている場合には、図59に図示する選挙人特性ID2021が「00」、すなわち非障害者を意味する。また、投票フラグ2022は、投票可能か否かを示すものであるが、10進数で表したときの0が未発券、1が投票可能な状態であると規定したとすると、例えばアスキーコードでは選挙ID1に対する投票フラグの「31」は、投票可能な状態を意味する。なお、投票カード上のデータは全部で256バイトのデータから構成されている。
【0102】
図25は、本実施例に適用される投票プログラム404を構成するカード読取部431の処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートにより実現されるコンピュータプログラムは、投票カード406または運用カード405であるICカードの読取処理を行なうサブルーチンプログラムである。このルーチンの初期状態においては、電子投票装置203のカード記録読取手段2032(カードリーダライタ)の近傍に配置されているカードガイドLED2032aが点滅している(ステップA1)。
【0103】
そして、カードリーダライタ2032内にICカードが挿入されたか否かを確認するステップを有する(ステップA2)。投票者が投票カード406を電子投票装置203に挿入し、ICカードがカードリーダライタ2032内に存在することが確認されると(ステップA3における「YES」、次のステップA4において、電子投票装置203から投票カード406上のICチップに対して、全投票所共通のコードであるカード認証キー403が送信され、ICチップ内で受信した電子投票装置203からのカード認証キーとカード発券機201によりICチップに予め記録されたカード認証キーとを照合し、カードデータへのアクセス権限の認証を行なう。2つの認証キーが一致して認証に成功した場合(ステップA5における「YES」)、次のステップに移りカード種別の読取りを行なう(ステップA6)。
【0104】
認証が拒否された場合(ステップA5における「NO」)、電子投票装置203がエラー発生画面を表示し(ステップA23)、投票カード406をリーダライタ2032から排出する(ステップA24)。排出されたカードは、投票所の係員により回収され、カードが投票カード406である場合には、投票者はカード再発行等の適切な処置を受ける。なお、エラー発生は、投票所内で電子投票装置203から離れた場所から投票の様子を監視する投票立会人に対し、状態表示ランプ20301(状態表示灯、警告灯ともいう)により、視覚的に報知される。
【0105】
さて、図25におけるステップA5におけるカード認証が成功した場合(ステップA5における「YES」)、ステップA6においてカード種別の読取処理を行なう。読取可能なカード種別は、投票カードと運用カードの2種類であり、カード内の所定のカード種別記録領域に記録された識別コード(図23に「カード種別ID」として図示)を読み取る。
【0106】
以下、図25におけるカード種別IDの読取りのステップにおいて、投票カード406であることが読み取られた場合(ステップA7における「YES」)の流れを説明する。挿入されたカードの種別が投票カード406であることが読み取られると、ステップA8において、投票所ID(管理識別ID、管理ID、あるいは乱数ともいう)4055の読取処理を行なう。読み取られた投票所IDが、電子投票装置203のRAM453に予め記憶させた投票所IDと一致した場合(ステップA9における「YES」)、次の投票権利を確認する次のステップ(A10))に移る。次のステップでは、図23に図示する投票フラグ2022の読取りが行われる(ステップA10)。
【0107】
投票フラグ2022とは(同日に複数の選挙を実施する場合において)、投票者が選挙の投票権利を有するか否かを識別するコードである。例えば、「0」が未発券、「1」が投票可能な状態であると規定することができる。投票フラグ2022の読み取りが正常に行われた場合において(ステップA11における「YES」)、投票フラグ2022が「1」投票可能状態である、すなわち投票者が当該選挙に対して未投票であることが読み取られると、投票の態様を規定する次のステップ(A13)に移行する。ステップA13では、投票カード406をカード発券機201で発券する際に、選挙人名簿に基づいて投票カード406に記録された投票者(選挙人)の身体的な障害の特性を示すコード(選挙人特性ID2021、図59に図示)の読取りが行われる。
【0108】
選挙人特性IDとは、換言すれば、投票者が、電子投票装置203を用いて行なう入力手段(タッチパネル20313、視覚障害者用専用キーボード20381、運動機能障害用プッシュスイッチ20371等)及び表示手段(LCD20311、ヘッドマウントディスプレイ、点字ディスプレイ、音声ガイド等)を規定するコードである。選挙人特性ID2022の値に対する条件分岐を示すステップ(ステップA14)において、選挙人特性IDが00、すなわち非障害(健常者)であったとすると、入力手段としてタッチパネル20313、表示手段としてLCD20311が選択され、使用可能かどうかの確認処理を行なう(ステップS15a)。
【0109】
また、選挙人特性IDが02、すなわち視覚障害者であった場合には、ステップA15cにおいて、入力手段として視覚障害者用専用キーボード20381と表示手段として音量調整付きヘッドホン20391が選択される。このように、投票カード406に記録された投票者の選挙人特性IDに対応する入出力機器が使用可能かどうかチェックされると、次のステップA16において、投票カード406の初期化処理が行われる。このステップは、使用済みの投票カードの再使用による二重投票の防止に万全を期すために、投票カードのデータ記録領域を再フォーマットすることにより、全データを抹消するステップである。以上により、カード種別読取のステップA4〜A5において投票カード406であることが読み取られた場合のカード読取ルーチンは終了する。
【0110】
次に、図25におけるカード種別読取のステップA4〜A5において、電子投票装置203に挿入されたカードが投票カード406でないことが読み取られ(ステップA5における「NO」、運用カード(管理者カードともいう)405であることが読み取られた場合のステップについて説明する。この処理は、投票日当日の投票開始時刻の前にカード発券機201によって発券された運用カード405を用いて行なうことが好ましい。
【0111】
まず、カード種別IDが運用カード405である場合は、ステップA18において、投票所ID4055の読取が行われる。投票所IDが読み取られた場合(ステップA19における「YES」)、投票所ID4055は、電子投票装置203のRAM453の投票所ID領域4055bのアドレスに格納される(ステップA20)。そして、投票所IDが電子投票装置に登録されたことを投票管理者に報知する画面が表示され(ステップA21)、運用カードの排出処理が行われる(A22)。以後、電子投票装置203は、この投票所IDが記録された投票カード406のみを受付可能となる。したがって、他の投票所のカード発券機で発行されたカードや、偽造・変造が行われたカードでは、投票を行なうことが不可能となる。
【0112】
図26は、本実施例に適用される投票プログラム404を構成する投票制御部435の処理の流れの一例を示すフローチャートである。投票制御部435は,投票カードの読み取り後,選挙人に対して候補者の一覧を表示して,候補者の選択を促す画面を表示するサブルーチンプログラムである。まず,ステップE0aにおいて、候補者データ401を構成する候補者テーブル401aより、選挙の種類を特定する選挙IDに対応する候補者の数、即ち、候補者IDで特定されるレコード総数を読み取って、RAM453に記憶する。
【0113】
次に、ステップE0bにおいて、一つの画面に表示する候補者名を付したボタンの最大数の設定の読取りを行なう。単一画面に表示するボタンの数は、予め、選挙データ作成システム100における選挙データ管理作成機101によって、候補者データ401の作成時に設定される数値である。具体的には、選挙データ管理作成機101が有する専用ソフトウェア(画面エディタ)によって、候補者データ401の中の投票画面レイアウトデータベース401e(図19に図示)の中で、ボタンのサイズや位置、文字サイズ等の画面レイアウトの設定が行われる。原則として、公平性の観点から、候補者はなるべく一つの画面内に全員を表示することが望ましいものである(図43を参照)。
【0114】
しかしながら、立候補者が50人を超えるような選挙の場合には、一画面では表示できない場合が起こりうる。表示画面(LCD20311)の表示面積と、候補者の氏名を付したボタンの面積との兼ね合いより、表示可能なボタンの数には上限があるからである。例えば、図45は、15インチの表示エリアに対して28名分のボタンを配置した例を図示したものであるが、これ以上ボタンの数を増加すると、文字サイズが小さくなって視覚しづらくなったり、隣り合うボタン同士が接近することにより押し間違いが起こったりする等の不都合が生じる。従って、そのような場合には、候補者を複数の頁に分割したり、スクロールさせたりする等の技術が開示されている。
【0115】
しかし、そのような方法では、掲載される頁による不公平の問題が発生する。これを回避するために特開平7−57021号公報では、乱数を用いて複数頁に表示される候補者の順番をランダムにする技術が開示されている。しかしながら、かかる公開技術も、従来の公職選挙においてしばしば見られるような、複数の立候補者を擁立する所属政党が指定する表示順位を反映させて表示することが困難となるという問題が生じる。そこで、本実施例では、単一画面に候補者を一覧表示できない場合に、頁分割を行なうのではなく、候補者の頭文字による検索を行なう構成としている。
【0116】
図26におけるステップE0bにおいて読み取られる候補者ボタン数は、上記した理由により選挙データ作成システム100により予め設定される数値である。そして、ステップE0cにおいて、この一画面に表示し得る候補者ボタン数と、選挙に立候補した候補者の数の比較を行なう。そして、一画面に表示し得る候補者ボタン数が、選挙に立候補した候補者の数と同じあるいは大であった場合には(ステップE0cの「YES」)、次のステップに移り、一画面にすべての候補者を表示する投票形態である候補者選択画面投票制御部435Aの処理を行い(図27において詳述する)、処理が終了すると投票制御部435のルーチンから抜ける。
【0117】
一方、一画面に表示し得る候補者ボタン数が、選挙に立候補した候補者の数よりも小であった場合には(ステップE0cの「NO」)、候補者の頭文字を検索することにより該当候補者を表示する投票形態である頭文字選択画面投票制御部435Bの処理を行い(図28〜図33において詳述する)、処理が終了すると投票制御部435のルーチンから抜ける。なお、以下の図45の説明で後述するように、一般のNインチのディスプレイの場合には、アスペクト比を4:3と仮定すると、Int(0.29N)×Int(0.85N)の個数の候補者ボタンを表示できる。但し、Int()は、()内の数値を超えない最大の整数を表す。そして、このようにして計算された候補者ボタンの数が、候補者数を下回った場合には、ステップE0cにおいて、図46に示すような、頭文字選択画面に表示を切り替えるように構成してもよい。
【0118】
図27は、本実施例に適用される投票プログラム404を構成する投票制御部435における候補者選択画面投票制御部435Aの処理の流れの一例を示すフローチャートである。このサブルーチンプログラムは、選挙に立候補した候補者の全員が単一画面に表示できる場合に実行されるプログラムである。まずステップE1において、候補者表示の順序をランダムに表示する設定があるか否かの確認を行なう。候補者のランダム表示は、選挙人により投票カードが挿入されて投票操作が実行される毎に、表示順位を変更する設定であり、公平性の観点から設定することが可能なオプションである。画面内で、同一政党の候補者が2名以上いる場合であって、かつ表示順位が指定されている場合においては、政党内の順位は保ったまま、異なる政党のみの候補者順位を変更することが可能である。
【0119】
このようなランダム表示の設定がある場合には(ステップE1における「YES」)、ステップE2に移り、候補者データ401のレコード順序のランダム化処理が行われる。ランダム化処理は、種々の実施形態が可能であるが、例えば以下のようにする。すなわち、この選挙への投票者数(即ち、図41に図示する投票件数)を候補者数で割った剰余を計算し、候補者テーブル401aの先頭のレコードから、この数の候補者を先頭から末尾へ移動し、これをこの投票者のこの選挙への投票における候補者テーブル401aとする。ステップE2におけるかかる処理が終了すると次のステップE3に移る。
【0120】
一方、このようなランダム表示の設定がない場合(ステップE1における「NO」)、ステップE2をスキップし、ステップE3に移る。ステップE3では、候補者のボタンを並べる方向の設定をチェックする。このステップの後、ステップE4において画面遷移処理を行い、ステップE5において候補者選択画面(図43〜図45に図示)を表示する。候補者選択画面が表示されると、ステップE6において、表示メッセージテーブル401fにリンクした共通音声データ(図14に図示)の中から、候補者選択ガイダンス音声を1回だけ再生する。例えば、図43に示す候補者選択画面に対しては「投票したい候補者の名前に触れてください。投票を途中で終了する場合は、「投票しない」に触れてください」というガイダンス音声を1回だけ再生する。ステップE7の条件分岐において、投票者が、画面に表示された候補者ボタンに対して、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キーボード20381等)による入力操作を行って、入力が検出されると(ステップE7における「YES」)、次のステップに移る。
【0121】
また、投票操作方法が自動スキャン投票である選挙人(図59に図示する選挙人特性ID=05の選挙人)の場合には、ボタンにカーソルが移動して来た間にスイッチを押下することによって次のステップに移る。ステップE8においては、入力されたボタンの色と文字色をカーソル点灯時のものに変更し、一定時間(0.2秒程度)点灯のまま待機する。そして、触れられたボタンが選択、入力されたものとして、ステップE9において、選択されたボタンに関連付けられた候補者を投票する候補者として記憶する。そして、ステップE10において、候補者選択ガイダンス音声が再生中であれば、再生を停止し、選択した候補者を確認する移行のステップに移る。
【0122】
ステップE11においては、かかる画面に遷移するための遷移処理が行われ、ステップE12において、候補者確認画面の表示(図52に図示)が行われる。画面の表示が行なわれると、ステップE13において、選択した候補者を表示する候補者確認ガイダンス音声を1回だけ再生する。例えば、「確認してください。よろしければ○に、変更する場合は×に触れてください」というガイダンス音声を再生する。そして、ステップE14では、投票者は以下の操作を行なう。すなわち、投票者は、選択した候補者に投票するために、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キーボード20381等)による入力操作を行って「○ 投票する」を選択すると(ステップE14における「YES」)、ステップE15において入力されたボタンの色と文字色をカーソル点灯時のものに変更し、一定時間(0.2秒程度)点灯のまま待機する。そして、ステップE16において、候補者選択ガイダンス音声が再生中であれば、再生を停止し、このルーチンを抜ける(「RETURN」と図示)。
【0123】
一方、投票者は、選択した候補者に投票するために、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キーボード20381等)による入力操作を行って「× 変更する」を選択すると(ステップE14における「NO」、かつステップE17における「YES」)、ステップE18において入力されたボタンが点灯して一定時間待機した後に、ガイダンス音声がステップE19において停止して、ステップE5に戻り、候補者選択画面を表示する。候補者確認画面の表示は、投票者がいずれかのボタンを選択するまで、継続して表示される(ステップE17における「NO」)。
【0124】
一方、ステップE7の条件分岐において、候補者ボタンの入力が検出されず(ステップE7における「NO」)、かつ棄権ボタン(図43〜図45では「投票しない」ボタンとして図示)が入力されたことが検出されると(ステップE20における「YES」)、ステップE21において、入力ボタンが一定時間点灯し、ステップE22において、棄権されたことをRAM453に記憶する。そして、ステップE22においてガイダンス音声を停止し、ステップE24において画面遷移処理を行って、ステップE25において棄権確認画面(図53に図示)を表示し、ガイダンス音声を再生する(ステップE26)。例えば、「確認してください。よろしければ「○」に、変更する場合は「×」に触れてください」というガイダンス音声を再生する。ステップE27の条件分岐において、「○ 投票しない」が入力されたことを検出すると(ステップE27における「YES」)、ステップE28において入力されたボタンを一定時間点灯させて待機し、ステップE29においてガイダンス音声の再生を停止し、このルーチンを抜ける(「RETURN」と図示)。
【0125】
一方、ステップE27の条件分岐において、「○ 投票しない」ボタンが入力されずに(ステップE27における「NO」)、「× 変更する」ボタンの入力が検出されると(ステップE30における「YES」)、ステップE31において入力されたボタンを一定時間点灯させて待機し、ステップE32においてガイダンス音声を停止した後に、ステップE5に戻り、候補者選択画面を表示する。なお、棄権確認画面の表示は、「○ 投票しない」、「× 変更する」のいずれかのボタンの入力が検出されるまで継続して表示される(ステップE30における「NO」)。本実施例においては、投票者の意思が棄権ではなく、やむを得ない理由で投票を最初からやり直したい場合には、投票立会人または投票管理者に対してその旨を伝えて投票カードの再発行を受けるように構成される。その場合には、棄権票を開票時に抹消する手続きが必要となるが、同一の投票カードの再使用による二重投票の防止に万全を期すために、このような運用方法をとることが好ましい。
【0126】
図28は、本実施例に適用される投票プログラム404を構成する投票制御部435における頭文字選択画面投票制御部435Bの処理の流れの一例を示すフローチャート(1/5)である。このサブルーチンプログラムは、選挙に立候補した候補者の全員が単一画面に表示できない場合に、頭文字選択を行って投票を行なうために実行されるプログラムである。まずステップF1において、画面に表示する頭文字のリストを取得する。画面に表示する頭文字は、五十音の平仮名(又は片仮名)文字であり、濁音や半濁音その他の文字は表示しない(図46に表示例を図示)。濁音と半濁音については、清音に関連付けて、表示させるようにする。例えば、「か」のボタンについては、「か」及び「が」を関連付ける。「は」のボタンについては「は」、「ば」、「ぱ」を関連付ける。さらに、その他の関連付けも行ってもよい。例えば、旧字体の平仮名である「ゐ」や「ゑ」について、各々「い」及び「え」に対して関連付けを行ってもよい。このようにして、ステップF1では、清音の50音に対して、濁音、半濁音等の関連付けを行ったリストを取得する。
【0127】
次に、ステップF2において、この五十音リストの各々に対して、該当する頭文字を有する候補者の有無を、候補者テーブル401aより検索を行なう。そして、ステップF3の条件分岐において、該当候補者があれば(ステップF3における「YES」)、該当する仮名文字ボタンを表示する設定を行なう。例えば、五十音リスト「さ」に対しては、図15に図示する候補者テーブル401a1において、候補者ID=00003の「西郷隆盛」と候補者ID=00005の「坂本竜馬」を関連付ける。そして、この他に濁音の「ざ」で始まる候補者がいれば、合わせて関連付ける。
【0128】
一方、ステップF3の条件分岐において、該当候補者がいなければ(ステップF3における「NO」)、そのボタンは表示しない(図47に表示例を図示)。なお、ボタンを完全な非表示にするのではなくて、淡い濃度で表示された選択不可のボタンとすることも考えられるが、選挙人の視覚能力にばらつきがあることを考慮し、誤操作防止のために、非表示とすることが好ましい。この検索を、五十音リストのすべて仮名文字について、継続する(ステップF6における「NO」)。候補者の検索が終了すると(ステップF6における「YES」)、ステップF7の画面遷移処理により、頭文字選択画面がステップF8により表示される。頭文字選択画面とは、例えば、図46及び図47に図示するような画面である。頭文字選択画面が表示されると、ステップF9において、候補者選択ガイダンス音声を1回だけ再生させる。例えば、「投票したい候補者の頭文字に触れてください。投票を途中で終了する場合は、「投票しない」に触れてください。」というガイダンス音声を再生する。
【0129】
ステップF10の条件分岐において、投票者が、画面に表示された頭文字ボタンに対して、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キーボード20381等)による入力操作を行って、入力が検出されると(ステップF10における「YES」)、次のステップF11に移る。また、投票操作方法が自動スキャン投票である選挙人(図59に図示する選挙人特性ID=05の選挙人)の場合には、ボタンにカーソルが移動して来た間にスイッチを押下することによってステップF11に移る。
【0130】
ステップF11においては、入力されたボタンの色と文字色をカーソル点灯時のものに変更し、一定時間(0.2秒程度)点灯のまま待機する。そして、ステップF12において、ガイダンス音声がまだ再生中であれば、再生を停止する。次にステップF13において、入力された頭文字ボタンに関連付けられた清音、濁音、半濁音等を読み仮名の頭文字として有する候補者を、候補者テーブル401aの先頭から抽出し、頭文字該当候補者リストを作成する。例えば、頭文字選択画面(図46又は図47)において、「お」が入力されたことを検出すると、「お」に関連付けられた「大久保利通」、「大隈重信」、「沖田総司」、「大村益次郎」である候補者レコードが、頭文字該当候補者リストとして抽出されて作成される。ステップF13における頭文字該当候補者リストの作成が完了すると、続きのステップ(図28及び図29に3として図示)に移行する。
【0131】
一方、ステップF10の条件分岐において、頭文字ボタンに対する入力を検出せず(ステップF10における「NO」)、ステップF14において棄権ボタン(図46又は図47において「投票しない」ボタンとして図示)の入力を検出すると(ステップF14における「YES」)、ステップF15において、入力ボタンが一定時間点灯し、ステップF16において、棄権されたことをRAM453に記憶する。そして、ステップF17においてガイダンス音声を停止し、ステップF18において画面遷移処理を行って続きのステップ(図28及び図30に4として図示)に移行する。
【0132】
図29は、本実施例に適用される投票プログラム404を構成する投票制御部435における頭文字選択画面投票制御部435Bの処理の流れの一例を示すフローチャート(2/5)である。これは、図28におけるステップF10において、頭文字入力を検出した場合のステップF13の続きのステップである。ステップF19において、候補者表示の順序をランダムに表示する設定があるか否かの確認を行なう。候補者のランダム表示は、上記したように、選挙人により投票カードが挿入されて投票操作が実行される毎に、表示順位を変更する設定であり、公平性の観点から設定することが可能なオプションである。
【0133】
画面内で、同一政党の候補者が2名以上いる場合であって、かつ表示順位が指定されている場合においては、政党内の順位は保ったまま、異なる政党のみの候補者順位を変更することが可能である。このようなランダム表示の設定がある場合には(ステップF19における「YES」)、ステップF20に移り、候補者データ401のレコード順序のランダム化処理が行われる。ランダム化処理は、種々の実施形態が可能であるが、例えば以下のようにする。すなわち、この選挙への投票者数(即ち、図41に図示する投票件数)を候補者数で割った剰余を計算し、候補者テーブル401aの先頭のレコードから、この数の候補者を先頭から末尾へ移動し、これをこの投票者のこの選挙への投票における候補者テーブル401aとする。ステップF20におけるかかる処理が終了すると次のステップF21に移る。
【0134】
一方、このようなランダム表示の設定がない場合(ステップF19における「NO」)、ステップF20をスキップし、ステップF21に移る。ステップF21では、候補者データ401のデータベースを構成する投票画面レイアウトテーブル401eに格納された、頭文字該当候補者選択画面(図48に図示)に表示可能な候補者ボタンの最大数の設定を参照する。ステップF22の条件分岐において、投票画面レイアウトテーブル401eのボタンの最大数の設定が、入力を検出した頭文字を有する候補者リストの総数以上である場合(ステップF22における「YES」)、次のステップF23に移る。一方、ステップF22の条件分岐において、ボタンの最大数の設定が、入力を検出した頭文字を有する候補者リストの総数以下である場合(ステップF22における「NO」)、続きのステップ(図29及び図31に9として図示)に移る(後述)。
【0135】
まず、ステップF23以降の流れについて説明する。ステップF23では、候補者のボタンをソートする方向の設定をチェックする。このステップの後、ステップF24において画面遷移処理を行い、ステップF25において頭文字該当候補者選択画面を表示する。図48には、頭文字の「お」が選択された場合における頭文字該当候補者選択画面が図示されている。頭文字該当候補者選択画面が表示されると、ステップF26において、表示メッセージテーブル401fにリンクした共通音声データ(図14に図示)の中から、候補者選択ガイダンス音声を1回だけ再生する。例えば、図48に示す頭文字該当候補者選択画面に対しては「投票したい候補者の名前に触れてください。頭文字を選び直す場合は、「頭文字を選び直す」に触れてください。投票を途中で終了する場合は、「投票しない」に触れてください」というガイダンス音声を1回だけ再生する。ステップF27の条件分岐において、投票者が、画面に表示された候補者ボタンに対して、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キーボード20381等)による入力操作を行って、入力が検出されると(ステップF27における「YES」)、次のステップに移る。
【0136】
また、投票操作方法が自動スキャン投票である選挙人(図59に図示する選挙人特性ID=05の選挙人)の場合には、ボタンにカーソルが移動して来た間にスイッチを押下することによって次のステップに移る。ステップF28においては、入力されたボタンの色と文字色をカーソル点灯時のものに変更し、一定時間点灯のまま待機する。そして、触れられたボタンが選択、入力されたものとして、ステップF29において、選択されたボタンに関連付けられた候補者を投票する候補者としてRAM453上に記憶する。そして、ステップF30において、候補者選択ガイダンス音声が再生中であれば、再生を停止し、選択した候補者を確認する以降のステップに移る。ステップF31においては、かかる画面に遷移するための遷移処理が行われる。
【0137】
図30に図示するステップF38において、候補者確認画面の表示(図52に図示)が行われる。画面の表示が行なわれると、ステップF39において、選択した候補者を表示する候補者確認ガイダンス音声を1回だけ再生する。例えば、「確認してください。よろしければ○に、変更する場合は×に触れてください」というガイダンス音声を再生する。そして、ステップF40では、投票者は以下の操作を行なう。すなわち、投票者は、選択した候補者に投票するために、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キーボード20381等)による入力操作を行って「○ 投票する」を選択すると(ステップF40における「YES」)、ステップF41において入力されたボタンの色と文字色をカーソル点灯時のものに変更し、一定時間点灯のまま待機する。そして、ステップF42において、候補者選択ガイダンス音声が再生中であれば、再生を停止し、このルーチンを抜ける(「RETURN」と図示)。
【138】
一方、投票者は、選択した候補者に投票するために、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キーボード20381等)による入力操作を行って「× 変更する」を選択すると(ステップF40における「NO」、かつステップF43における「YES」)、ステップF44において入力されたボタンが点灯して一定時間待機した後に、ガイダンス音声がステップF45において停止して、図29におけるステップF25に戻り(図29及び図30に8として図示)、頭文字該当候補者選択画面を表示する。候補者確認画面の表示は、投票者がいずれかのボタンを選択するまで、継続して表示される(ステップF43における「NO」)。
【0139】
一方、図29におけるステップF27の条件分岐において、候補者ボタンの入力を検出せず(ステップF27における「NO」)、かつステップF32の条件分岐において、頭文字選択やり直しボタン(図48に「頭文字を選び直す」ボタンとして図示)の入力を検出した場合(ステップF32における「YES」)、図28に図示するステップF8に戻り(図29及び図28に▲7▼として図示)、頭文字選択画面(図46または図47に図示)を再度表示する。
【0140】
一方、ステップF32の条件分岐において、頭文字選択やり直しボタン(図48に「頭文字を選び直す」ボタンとして図示)の入力を検出せず(ステップF32における「NO」)、かつステップF33において棄権ボタン(図48に「投票しない」ボタンとして図示)の入力を検出した場合(ステップF33における「YES」)、ステップF34において、入力ボタンが一定時間点灯し、ステップF35において、棄権されたことをRAM453に記憶する。そして、ステップF36においてガイダンス音声を停止し、ステップF37において画面遷移処理を行なう。続きのステップは図30における4の端点から行なう(図29及び図30に4として図示)。即ち、ステップF46において棄権確認画面(図53に図示)を表示し、ガイダンス音声を再生する(ステップF47)。例えば、「確認してください。よろしければ「○」に、変更する場合は「×」に触れてください」というガイダンス音声を再生する。
【0141】
次に、ステップF48の条件分岐において、「○ 投票しない」が入力されたことを検出すると(ステップF48における「YES」)、ステップF49において入力されたボタンを一定時間点灯させて待機し、ステップF50においてガイダンス音声の再生を停止し、このルーチンを抜ける(「RETURN」と図示)。一方、ステップF48の条件分岐において、「○ 投票しない」ボタンが入力されずに(ステップF48における「NO」)、「× 変更する」ボタンの入力が検出されると(ステップF51における「YES」)、ステップF52において入力されたボタンを一定時間点灯させて待機し、ステップF53においてガイダンス音声を停止した後に、端点7を経由して図28のF8のステップに戻り、頭文字選択画面(図46又は図47に図示)を表示する。
なお、棄権確認画面の表示は、「○ 投票しない」、「× 変更する」のいずれかのボタンの入力が検出されるまで継続して表示される(ステップF51における「NO」)。
【0142】
一方、図29に図示するステップF22の条件分岐において、投票画面レイアウトテーブル401eにおける候補者ボタンの最大数の設定が、入力を検出した頭文字を有する頭文字該当候補者リストの総数以下である場合(ステップF22における「NO」)、図31〜図32に図示する一連のステップが実行される(図29及び図31に9として図示)。
【0143】
図31は、本実施例に適用される投票プログラム404を構成する投票制御部435における頭文字選択画面投票制御部435Bの処理の流れの一例を示すフローチャート(4/5)である。以下のステップは、同一の頭文字(清音、濁音、半濁音等を含む)を有する立候補者が多数おり、一画面に表示可能な候補者ボタンの最大数(例えば、本実施形態における15インチのLCDディスプレイの場合は28名程度)を超えている場合に、複数の頁に分割して表示する投票画面である。ステップF54において、入力を検出した頭文字に対応する頭文字該当候補者リストの人数と、一画面に表示可能な候補者ボタンの最大数からページ数を算出して記憶する。
【0144】
すなわち、入力を検出した頭文字に対応する頭文字該当候補者リストの人数を、候補者データ401における投票画面レイアウトテーブル401eにより予め設定された候補者ボタンの数で割り、剰余を繰り上げた数値を算出する。そして、この数値をページ数としてRAM453に記憶する。次にステップF55の条件分岐において、入力した頭文字に該当する候補者選択画面が複数頁存在することを投票者に報知ための案内画面を表示する設定の有無を確認する。かかる案内画面の表示設定がある場合(ステップF55における「YES」)、ステップF56において画面遷移処理を行い、複数頁存在を報知する案内画面を表示する(ステップF57)。
【0145】
かかる画面の一例を、図50に図示する。同図においては、入力された頭文字に該当する候補者が全部で3頁に分割されて表示することを、候補者ボタンの表示に先立って、投票者に対して案内する画面である。この画面が表示された際には、ステップF58において、ガイダンス音声の再生が行われる。例えば、「候補者名の画面は全部で3頁あります。画面の上にある「次頁ボタン」を押して候補者を探してください」などというガイダンス音声を再生する。、ステップF59の条件分岐において、「次ページ」ボタンの入力を検出した場合、(ステップF59における「YES」)、次のステップF60に移行し、入力されたボタンが点灯した後に、ステップF61において、ガイダンス音声を停止する。
【0146】
一方、「次ページ」ボタンの入力がなされるまでは、複数頁案内画面が継続して表示され、ガイダンス音声も繰り返し再生される。一方、ステップF55の条件分岐に案内画面の表示を実行する設定がない場合(ステップF55におけるNO」)、上記したF56〜F61のステップをスキップし、ステップF62に移行する。さて、ステップF62において、ページ番号を格納する変数nに数値1を代入して、ページ数を1頁に設定する。次に、ステップF63において、候補者の表示のソート順の確認を行った後に、画面に表示する候補者を規定する次のステップに移行する。すなわち、ステップF64において、入力された頭文字に該当する候補者リストから、現在のページ番号をnとして、((n−1)×(候補者ボタンの数)+1)番目の候補者から、(n×(候補者ボタンの数))番目の候補者を抽出する。ただし、現在のページ番号nが、最終頁である場合、候補者リストの最後の候補者までを抽出する。
【0147】
次に、複数頁の画面の移動に使用する「前ページ」ボタン又は「次ページ」ボタンの表示に関する、以下の設定を行なう。すなわち、ステップF65の条件分岐において、ページ番号n=1(最初の頁)であった場合には(ステップF65における「YES」)、ステップF66において「前ページ」ボタンを非表示とする設定を行なう。一方、ステップF65の条件分岐において、ページ番号n=1でない場合(ステップF65における「NO」)、次のステップF67の条件分岐に移行し、ページ番号n=総ページ数であれば(ステップF67における「YES」)、「次ページ」ボタンを非表示とする設定を行なう。ページ番号nが先頭頁及び最終頁のいずれでもない場合(ステップF67における「NO」)、画面遷移を行なうステップF69に移行する。続きのステップは、端点10で接続される図32に図示するステップで行われる。
【0148】
図32は、本実施例に適用される投票プログラム404を構成する投票制御部435における頭文字選択画面投票制御部435Bの処理の流れの一例を示すフローチャート(5/5)である。以下では、入力された頭文字に該当する候補者が複数頁にわたる場合の投票制御処理のステップの続きを説明する。まず、ステップF70において、頭文字該当候補者の複数頁選択画面が表示される(図49に図示)。画面表示が実行されると、ステップF71において、表示メッセージテーブル401fにリンクした共通音声データ(図14に図示)の中から、候補者選択ガイダンス音声を1回だけ再生する。
【0149】
例えば、図49に示す頭文字該当候補者複数頁選択画面に対しては「投票したい候補者の名前に触れてください。投票したい候補者がいない場合は「前ページ」ボタンまたは「次ページ」ボタンに触れて、候補者を探してください。頭文字を選び直す場合は、「頭文字を選び直す」に触れてください。投票を途中で終了する場合は、「投票しない」に触れてください」などというガイダンス音声を1回だけ再生する。ステップF72の条件分岐において、投票者が、画面に表示された候補者ボタンに対して、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キーボード20381等)による入力操作を行って、候補者ボタンの入力が検出されると(ステップF72における「YES」)、次のステップに移る。
【0150】
また、投票操作方法が自動スキャン投票である選挙人(図59に図示する選挙人特性ID=05の選挙人)の場合には、候補者ボタンにカーソルが移動して来た間にスイッチを押下することによって次のステップに移る。ステップF73においては、入力された候補者ボタンの色と候補者名の文字色をカーソル点灯時のものに変更し、一定時間点灯のまま待機する。そして、触れられたボタンが選択、入力されたものとして、ステップF74において、選択されたボタンに関連付けられた候補者を投票する候補者としてRAM453上に記憶する。そして、ステップF75において、候補者選択ガイダンス音声が再生中であれば、再生を停止し、選択した候補者を確認する以降のステップに移る。
【0151】
ステップF76においては、かかる画面に遷移するための遷移処理が行われる。端点5で接続される図30に図示するステップF38において、候補者確認画面の表示(図52に図示)が行われる。画面の表示が行なわれると、ステップF39において、選択した候補者を表示する候補者確認ガイダンス音声を1回だけ再生する。例えば、「確認してください。よろしければ○に、変更する場合は×に触れてください」というガイダンス音声を再生する。そして、ステップF40では、投票者は以下の操作を行なう。すなわち、投票者は、選択した候補者に投票するために、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キーボード20381等)による入力操作を行って「○ 投票する」を選択すると(ステップF40における「YES」)、ステップF41において入力されたボタンの色と文字色をカーソル点灯時のものに変更し、一定時間点灯のまま待機する。そして、ステップF42において、候補者選択ガイダンス音声が再生中であれば、再生を停止し、このルーチンを抜ける(「RETURN」と図示)。
【0152】
一方、投票者は、選択した候補者に投票するために、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キーボード20381等)による入力操作を行って「× 変更する」を選択すると(ステップF40における「NO」、かつステップF43における「YES」)、ステップF44において入力されたボタンが点灯して一定時間待機した後に、ガイダンス音声がステップF45において停止して、図29におけるステップF25に戻り(図29及び図30に8として図示)、頭文字該当候補者選択画面を表示する。候補者確認画面の表示は、投票者がいずれかのボタンを選択するまで、継続して表示される(ステップF43における「NO」)。
【0153】
一方、図29におけるステップF27の条件分岐において、候補者ボタンの入力を検出せず(ステップF27における「NO」)、かつステップF32の条件分岐において、頭文字選択やり直しボタン(図48に「頭文字を選び直す」ボタンとして図示)の入力を検出した場合(ステップF32における「YES」)、図28に図示するステップF8に戻り(図29及び図28に7として図示)、頭文字選択画面(図46または図47に図示)を再度表示する。
【0154】
一方、ステップF72の条件分岐において、画面に表示された候補者ボタンに対する入力が検出されずに(ステップF72における「NO」)、「前ページ」ボタンの入力が検出された場合(ステップF77における「YES」)、ステップF78において、「前ページ」ボタンを点灯させた後に、ステップF79において、ページ数の変数nにn−1を代入する。かかるページ数をデクリメントが完了すると、端点11で接続される図31のステップF64に戻り、候補者の抽出処理を行なう。すなわち、ステップF64において、入力された頭文字に該当する候補者リストから、現在のページ番号をnとして、((n−1)×(候補者ボタンの数)+1)番目の候補者から、(n×(候補者ボタンの数))番目の候補者を抽出する。ただし、現在のページ番号nが、最終頁である場合、候補者リストの最後の候補者までを抽出する。
【0155】
一方、ステップF77の条件分岐において、「前ページ」ボタンの入力が検出されずに(ステップF77における「NO」)、「次ページ」ボタンの入力が検出された場合(ステップF80における「YES」)、ステップF81において、「次ページ」ボタンを点灯させた後に、ステップF81において、ページ数の変数nにn+1を代入する。かかるページ数をインクリメントが完了すると、端点11で接続される図31のステップF64に戻り、上記した候補者の抽出処理を行なう。
【0156】
一方、ステップF80の条件分岐において、「次ページ」ボタンの入力が検出されずに(ステップF80における「NO」)、「頭文字を選び直す」ボタンの入力が検出された場合(ステップF83における「YES」)、端点7で接続される図28のステップF8に移り、頭文字選択画面を表示する。
【0157】
一方、ステップF83の条件分岐において、「頭文字を選び直す」ボタンの入力が検出されずに(ステップF83における「NO」)、「投票しない」ボタンの入力が検出された場合(ステップF84における「YES」)、ステップF85において、入力ボタンが一定時間点灯し、ステップF86において、棄権されたことをRAM453に記憶する。そして、ステップF87においてガイダンス音声を停止し、ステップF88において画面遷移処理を行なう。続きのステップは図30における4の端点から行なう(図32及び図30に4として図示)。なお、ステップF70における頭文字該当候補者複数頁選択画面(図49に図示)の表示は、いずれかのボタンの入力が検出されるまで継続して表示される(ステップF84における「NO」)。
【0158】
図33は、本実施例に適用される投票プログラム404を構成する投票データ記録部434の処理の流れの一例を示すフローチャートである。投票プログラム404は、投票データ407、投票ログ4075を原本、副本の2つの記録媒体に二重化して記録し、記録にあたっては、2つの媒体を独立してアクセスすることで、障害発生時においても、いずれかの投票データが確保されるよう設計することが好ましい。投票プログラム404の投票画面作成部433によりLCD20311上に表示される画面(図41〜図53に一実施例を図示)を投票者が操作して、投票したい候補者を確定するボタン(図53に図示する「○投票します」ボタン)を押下され、投票の内容がRAM453に内部記憶されたときは、投票データ記録部434のサブルーチンがコールされ、以下のステップを有する投票データ記録処理が開始される。
【0159】
すなわち、ステップD1において、原本用記録媒体408上の投票ログ格納用ファイルがオープンされ、ステップD2において、原本用記録媒体に投票開始ログが記録される。投票開始ログとは、例えば「原本への記録を開始」のような文字列である。投票開始ログの記録が終了すると、ファイルクローズされ(ステップD3)、次のステップD4において、原本用記録媒体408上の投票データ格納用のファイルがオープンされる。
【0160】
そして、ステップD5において、原本用記録媒体上にオープンされたファイルに対して、RAM453に内部記憶された投票の内容を書き込む。書込みは、RAM453内部の図示しないキャッシュ領域を使用して高速な書込みが行われる。書込みが終了するとファイルをクローズし、投票データを有するファイルが生成される(ステップD6)。さらに、ステップD7〜D9において、原本用記録媒体408上に投票終了ログ(例えば「原本への記録を終了」のような文字列)の書込みも行なう。原本用記録媒体408に対して投票データ407及び投票ログ4075の書込みが終了すると、ステップD10においてキャッシュの吐き出し(ダンプ)を待機した後に、次のステップに移る。
【0161】
ステップD11〜D18は、原本用記録媒体408に最初に記録された投票データ407の照合(ベリファイ)を行なうステップである。すなわち、ステップD11において、原本用記録媒体408の投票データ格納用ファイル(ステップD6でファイルクローズを行ったファイル)がオープンされ、ステップD12において、ファイル内の投票データ407の読み出しが行われる。読み出された投票データ407は、ステップD13において、RAM453の図示しない作業領域に記憶され、投票プログラム404が管理するメモリ空間に記憶された投票データと比較、照合が行われる。ステップD14の条件分岐において、照合が正常になされた場合には(ステップD14の「YES」)、次のステップD15に移る。
【0162】
照合が正常に行われなかった場合には、原本用記録媒体408への書き込みを禁止する処理を行い、投票データの書込み障害が発生したことを示すエラー画面(図57に図示)をLCD20311に出力するとともに、操作表示灯20301bに点滅信号を出力する。このようなケースは、原本用記録媒体に不良があった場合等に発生する。このような書き込みエラーが発生した場合には、原本用記録媒体の使用を禁止し、開票時においては複写用記録媒体409のみを使用するような運用形態をとることが好ましい。この際に、このエラーが発生した投票以前に複写用記録媒体409に記録されたデータのみが有効となる。投票者に対しては、図57に図示するような致命的エラーの発生画面を報知するとともに、投票所の係員(投票管理者あるいは投票立会人)が画面を確認して、投票カードを再発行し、エラーが発生した電子投票装置とは別の電子投票装置で再投票をするようにする。照合が成功した後のステップD15〜D18においては、原本用記録媒体408に記録された投票ログの照合が同様なプロセスで行われる。
【0163】
ステップD18の条件分岐において、投票ログの照合が正常に行われた場合には(ステップD18における「YES」)、原本用記録媒体に正常に投票データ407及び投票ログ4075が確実に記録されたことになり、法的な意味での投票が確定される。投票が確定されると、投票が確定したことを投票者に報知するために、ステップD19において、投票確定LED2034を配置した基板に対してGPIO経由で出力し、投票確定LED2034を点灯させる。点灯状態は、投票カード406が排出され、投票者の手で抜き取られるまで保持される。投票カードが排出されるまでの間に、システムダウンが発生した場合においても、高い確率で点灯状態が保存される。また、ステップD18の条件分岐において、投票ログの照合が正常に行われなかった場合には(ステップD18における「NO」)、原本用記録媒体408への書き込みを禁止する処理を行い、投票データの書込み障害が発生したことを示すエラー画面(図57に図示)をLCD20311に出力するとともに、操作表示灯20301bに点滅信号を出力する。以後は、上記したものと同様な運用形態がとられ、再投票を行なわせる。
【0164】
次に、ステップD20〜D33では、複写用記録媒体409に対して、投票データ407の複製がとられる。投票データ407の複製は、原本用記録媒体407に記録された投票データと照合されて一致することが確認されたRAM453上の投票データを複写用記録媒体409に記録することにより行なう。したがって、複写用記録媒体への記録時には、原本用記録媒体408へのファイルアクセスを行わず、障害が発生する恐れのあるプロセスをできるだけ排除することとしている。
【0165】
さて、ステップD20においては、複写用記録媒体409上の投票ログ格納用ファイルがオープンされ、ステップD21において、複写用記録媒体に投票開始ログが記録される。投票開始ログとは、例えば「副本への記録を開始」のような文字列である。投票開始ログの記録が終了すると、ファイルクローズされ(ステップD22)、次のステップD23において、複写用記録媒体409上の投票データ格納用のファイルがオープンされる。そして、ステップD24において、複写用記録媒体上にオープンされたファイルに対して、RAM453に内部記憶された投票の内容を書き込む。書込みは、RAM453内部の図示しないキャッシュ領域を使用して高速な書込みが行われる。書込みが終了するとファイルをクローズし、投票データの副本を有するファイルが生成される(ステップD25)。さらに、ステップD26〜D28において、複写用記録媒体408上に投票終了ログ(例えば「副本への記録を終了」のような文字列)の書込みも行なう。複写用記録媒体409に対して投票データ407及び投票ログ4075の書込みが終了すると、ステップD29においてキャッシュの吐き出し(ダンプ)を待機した後に、次のステップに移る。
【0166】
ステップD30〜D33は、複写用記録媒体409に記録された投票データ407の照合(ベリファイ)を行なうステップである。すなわち、ステップD30において、複写用記録媒体409の投票データ格納用ファイル(ステップD25でファイルクローズを行ったファイル)がオープンされ、ステップD31において、ファイル内の投票データ407の読み出しが行われる。読み出された投票データ407は、ステップD32において、RAM453の図示しない作業領域に記憶され、投票プログラム404が管理するメモリ空間に記憶された投票データと比較、照合が行われる。ステップD33の条件分岐において、照合が正常になされた場合には(ステップD33の「YES」)、次のステップD34に移る。
【0167】
照合が正常に行われなかった場合には、副本記録媒体409への書き込みを禁止する処理を行い、複写の作成時に障害が発生したことを示すエラー画面(図56に図示)をLCD20311に出力するとともに、操作表示灯20301bに点滅信号を出力する。このようなケースは、原本用記録媒体には正常に投票データが書き込まれているが、複写用記録媒体に不良があった場合等に発生する。このような書き込みエラーが発生した場合には、当該電子投票装置の使用を禁止するとともに、開票時においては複写用記録媒体の使用を禁止し、原本用記録媒体408のみを使用するような運用形態をとることが好ましい。この際に、このエラーが発生した投票以前に原本用記録媒体408に記録されたデータのみが有効となる。そして、投票者に対しては、図56に図示するような複写作成エラー画面を報知するとともに、投票所の係員(投票管理者あるいは投票立会人)が画面を確認して、投票が確定していることを投票者に伝えるようにする。
【0168】
照合が成功した後のステップD34〜D37においては、複写用記録媒体409に記録された投票ログ4075の照合が同様なプロセスで行われる。なお、障害発生時には、上記したように、いずれの投票データ407が正常なものであるか確認可能とすることが好ましい。この確認については、可能な限り電子投票装置で表示を行なうが、障害度合いにおいては、記録媒体内のデータの精査が必要となる場合も起こり得る。かかる精査は開票所で行なうため、障害発生時の投票者に対して、予備的に自書投票を行ってもらい封筒に封入する措置が必要となる。
【0169】
図34は、本実施例に適用される運用カードを発行するカード発券機のハードェア構成の一例を示す図である。カード発券機201のハードウェア構成は、一般的な処理速度を有するパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)で実現することが可能である。運用カード405及び投票カード406を発行する発券機カードリーダライタ2012は、本実施例ではICカードリーダライタであり、PC本体にUSBインターフェース(USB:Universal Serial Bus)等により接続することができる。
【0170】
また、選管から配布されるカード認証キー403と投票所における実施選挙の種類402を格納する発券機用メディア202は、FDを用いることができる。また、乱数発生器20120は、乱数をソフトウェア的に発生させる場合には、特に接続する必要がない。後述する物理乱数を発生する場合にのみ使用する。HDD(HDD:Hard Disk Drive)は、OSや後述する発券プログラム504、選挙人名簿等のデータを格納する。発券機ディスプレイ2011は、ブラウン管(CRT:Cathode Ray Tube)又は液晶(LCD)のいずれの型を用いてもよい。また入力デバイスは、キーボードとマウスを用いることができる。
【0171】
図35は、本実施例に適用される運用カード405を発行するカード発券機のソフトウェア構成の一例を示す図である。発券プログラム504は、発券機メディア読取部531、カード読取部532、投票所ID生成部533、発券データ記録部534、発券制御部535を有する。
カード読取部532は、カード発券機201に挿入されるカードの読み取りを制御する。
投票所ID生成部533は、投票所に固有の識別番号である投票所IDの生成を行なう。
【0172】
発券データ記録部534は、投票カード406又は運用カード405に対し、図23に図示するデータの記録を行なう。特に、選管から配布されるICカードにカード認証キー403を記録しない状態で配布する運営形態の場合には、本発券データ記録部534が、カード認証キーをICカードに記録する機能を有する。
発券制御部535は、発券機ディスプレイ2011に表示される画面の制御を行なう。
【0173】
図36は、本実施例に適用される発券機メディアのデータ構造の一例を示す図である。
発券機メディア202は、カード認証キー403と実施選挙の種類402、及び発券プログラム504を格納する。
【0174】
図37は、本実施例に適用される発券機メディアに格納される実施選挙の種類402を示す図である。選管から配布される実施選挙の種類402には、カード発券機201が設置される投票所で実施すべき選挙のIDが記録されている。選挙ID=1および、選挙ID=3の選挙を実施しなければならないことを示している。これらの選挙IDは、投票カード406の発券時に参照され、図23に図示する投票カードの投票フラグ2022a及び2022cにおいて投票可能のフラグが立てられることとなる。
【0175】
図38は、本実施例に適用される発券プログラムを構成する投票所ID生成部533の一例を示すフローチャートである。ステップS2301において、乱数データの入力がリアルタイムに行われる。これは外部からの入力であってもよいし、カード発券機201内部の演算により生成を行ったものを入力してもよい。入力された乱数はRAM20118に取り込まれる(S2302)。投票管理者がキーボードにより適当なキー入力を行ったとき、RAM20118上の所定アドレス間のデータを切り出し、管理者ID(投票所ID)バッファに格納され(S2305)、運用カードへの書込みの準備ができた場合に当該バッファの値を出力して(S2306)投票所ID4055を確定する。
【0176】
図39及び図40は、本実施例に適用される運用カード405及び投票カード406を用いて、電子投票システムの運営方法の流れを示すフローチャートである。本実施例に適用される電子投票システムの運営方法は、電子投票による選挙の際に、選挙期日(投票日)に先立って、選挙のデータ(候補者データ4015等)を作成する選挙データ作成システム100と、選挙期日に各投票所に設置され、前記選挙データ作成システムから移送されたデータを使用して、選挙人(投票者)による投票を受け付ける電子投票装置203と、電子投票装置203が情報を読取り可能なカード(投票カード406又は運用カード405)を発行するカード発券機201を備えた投票所システム200とを備えた電子投票システムの運営方法に関するものである。そして、その運営方法は図39及び図40に図示するような以下のステップから構成される。
【0177】
すなわち、図39に図示するように、まず投票日の投票開始時刻の前において、選挙データ作成システム100が、カード(投票カード406又は運用カード405)の読み取りの認証に関するカード認証キー403を予め生成するステップS1801を有する。カード認証キー403の具体的実施態様としては、カードとしてICカードを使用する場合には、ICチップ内部に暗号化されて記録されたデータを読み取るための復号鍵やパスワード等が挙げられる。これらは、任意の数値あるいは文字列の組み合わせにより実現される。
【0178】
選挙データ生成システム100により作成された全ての投票所において共通の認証キー403を、電子投票装置203とカード発券機201に対して入力するステップS1802を有する。例えば、FDやメモリカード等の可搬性のある記録媒体等にカード認証キー403を記録して各投票所に移送し、電子投票装置203内部のRAM453及びカード発券機201の内部のRAM20118上に認証キー403を記憶させる。このように、各投票所に配布するカード認証キー403を共通化し、さらに投票プログラム404及び候補者データ401も共通化して、同一コンテンツの複写用記録媒体409を配布するように構成することにより、各投票所へのメディア配送時の人的ミスの発生を極めて低く抑えることが可能となる。
【0179】
各投票所に設置されたカード発券機201が、投票日の投票開始時刻の前において、投票所に固有の管理識別コード4055(投票所ID、管理ID、投票所IDともいう)を生成するステップS1803を有する。投票所ID4055は、乱数等を用いて生成された任意の数値列又は文字列、あるいはこれらの任意の組み合わせにより実施可能である。管理識別コード4055は、原則として投票所毎に異なるコードとなるため、投票所IDともいう。
【0180】
カード発券機201を用いて、各投票所における投票管理者(カード認証キー403を発行した選挙管理委員会の職員とは異なる)が管理所有するICカードである運用カード405に、カード認証キー403と投票所ID4055とを記録するステップS1804を有する。なお、本発明は、他の実施形態として、上記のように各投票所でカード認証キー403をメディアに記録するのではなくて、選挙データ作成システム100が認証キー403を生成した際に運用カード405用のブランクメディアに記録し、各投票所の投票管理者に対してこれを配布することも可能である。この場合には、投票所において、カード認証キー403が予め記録された運用カード405に対して、投票所ID4055のみを記録する。
【0181】
カード認証キー403と投票所ID4055とが記録された運用カード405を、投票所の投票管理者がカード発券機201から取り出し、同一投票所内の電子投票装置203に移送するステップS1805を有する。
電子投票装置203が有する投票カード記録読取手段2032に運用カード405を挿入し(ステップS1805a)、運用カード405に記録されたカード認証キー403と、電子投票装置203のRAM453上に記録されたカード認証キーとを照合するステップS1806を有する。例えば、電子投票装置203が、運用カードのICチップに対して認証キー403を送信し、ICチップの読取りのパスワードを解除可能な否かを判定する。あるいは、ICチップ内のデータが平文でなく暗号文の場合には、復号化できるか否かを判定する。
【0182】
ステップS1807の条件分岐において、照合が正常に行われた場合にのみ(ステップS1807の「YES」)、カードに記録されたカード種別(投票カードか運用カードかのID)を読み取る(ステップS1808)。カード種別が運用カードであった場合には(ステップS1808aの「YES」)、次のステップに移る。
電子投票装置203が、運用カード405に記録された管理識別コード4055を読み取るステップS1809を有する。もし、正常に読み取られた場合には(ステップS1810の「YES」)、電子投票装置のRAM453上に記憶、蓄積し(ステップS1811)、カード挿入待ち画面をLCD画面2031に表示し(ステップS1812)、電子投票装置が投票可能な状態になる。
【0183】
このようにして、カード発券機201が投票日当日に生成した管理識別コード4055が、カード発券機201と同一の投票所内に設置された各々の電子投票装置に伝播される。これらの一連のステップにより、投票所内のカード発券機201及び(通常は複数の)電子投票装置203とが同一の管理識別コード4055(投票所ID)で管理されることになり、この管理識別コードを有する投票カード406のみを受け入れ可能となる。
【0184】
上記した一連のステップは、電子投票装置203を投票開始可能な状態にするためのステップであるから、投票日当日の投票開始時刻の前に行なうのがよい。このステップを行なう前の、投票日前日の電子投票装置設置後から投票日当日にかけては、いかなる人間も投票を開始することができない。このように運用カードを用いた電子投票システムの運営方法は、簡便な方法で、特別な警備のコストを削減できるばかりでなく、選挙運営の透明性を確保できるという効果がある。
【0185】
なお、これらの操作は、投票管理者が必ずしも行わなければならないものではない。例えば、投票所に最初に来場した選挙人に対して発行された投票カード406を、運用カードの代わりにもちいて、投票管理者の立会いのもと、発券機201から電子投票装置203への投票所IDの伝播を行なうように運営することも可能である。このような場合には、運用カードは不要であり、投票カードのみで、投票所ID(管理識別コード)を伝播させるような運営の形態となる。
【0186】
また、上記したステップのうち、カード認証キー403の照合に失敗した場合(ステップS1807の「NO」)、あるいはカード種別が運用カード405でない場合(ステップ1808aの「NO」、若しくは管理識別コード(投票所ID)を正常に読み取ることができなかった場合(ステップS1810の「NO」)には、ステップS1813のカード排出処理により、運用カード405が排出され、電子投票装置がカード挿入待ち画面(図41に図示)を表示する。
【0187】
次に、図40を参照しながら、投票開始時刻の後のステップを説明する。はじめに、管理識別ID4055を記憶した電子投票装置203には、図41に図示するようなカード挿入待ち画面が表示されている(ステップS1901)。
図40において、投票所の受付で投票所の係員が選挙人名簿との対照を行なうことにより本人確認を行った選挙人(投票者)に対し、前記カード発券機201により、全投票所共通の認証キー403及び投票所固有の管理識別コード4055を記録した投票カード406を発券するステップS1902を有する。投票カード406は、電子投票装置203に挿入したときに、電子投票装置203を投票可能な状態にさせるアクチベータであり、投票カードには、管理識別コード(投票所ID)4055以外に図23に図示する選挙人特性ID2021(選挙人の身体障害の種類によって選択可能な入出力手段のコード)、実施される選挙の選挙IDに対する投票可能か未発券かを識別する投票フラグ2022等が記録されている。
【0188】
選挙人により発券機201から電子投票装置203まで人的に移送され、選挙人が電子投票装置203に投票カード406を挿入するステップS1903を有する。すなわち、選挙人は投票所で発券された投票カード406を投票管理者から受け取った後に投票所内に設置された電子投票装置203に向かい、投票カード記録読取手段2022に挿入する。投票カードは、カード搬送機構により機械的に電子投票装置203内部に取り込まれる。
【0189】
電子投票装置203により、RAM453上に蓄積された認証キー203を使用して投票カード406を読取り、認証キーを照合するステップS1904を有する。これは、投票プログラム404のカード制御部415により、データの読取に先立って、読取可能か否かを判断を行なうステップである。照合された場合には(ステップS1905の「YES」)、次のステップに移行する。照合が正常に行なうことができなかった場合には(ステップS1905の「NO」)、投票カードを投票カード記録読取手段2022から排出し(ステップS1914)、投票カード入力待ち状態のステップS1901に戻る。
【0190】
カード認証キーの照合が正常になされた場合には、カード種別の読取りのステップを有する。すなわち、挿入されたカードが、投票カードか運用カードかを識別するコードを読み取る(ステップS1906)。これは、図23には、カード種別として図示されている。カード種別が投票カードであった場合には(ステップS1907の「YES」)、次のステップに移る。もし、カード種別が運用カードであったり、正常に識別コードを読み取ることができなかったりした場合には(ステップS1907の「NO」)、カード排出処理(ステップS1914)を経て、ステップS1901に戻る。
【0191】
次に、図40における投票カード406の管理識別コード4055を読み取るステップS1908を有する。仮に、正常に読み取られた場合には(ステップS1908aの「YES」)、次のステップに移る。読取りに失敗した場合には、カード排出処理のステップS1914を経て、ステップ1901に戻る。
【0192】
次に投票カード406から読み取った前記管理識別コード4055と、電子投票装置203のRAM453上に予め記憶された管理識別コード4055とを照合するステップS1909を有する。これは、電子投票装置203に挿入された投票カード406が、当該電子投票装置が設置された投票所の発券機201により確かに発券されたカードであるかどうかの、正当性を照査するステップである。仮に当該投票所以外の発券機で発行されたカードが用いられた場合には、カード排出処理のステップS1914により、それらの投票カードは受け付けられないこととなる。また、投票カードの偽造を行なうことも、極めて困難である。投票カードに記録された管理IDは、投票日当日に発行されるものであるから、投票日に先立って偽造カードを製造することは事実上不可能である。また、投票日においては、投票カードは、認証キーによって読取保護されており、しかも既に述べたように投票終了後にデータが初期化されるものであるから、管理IDを盗み出すことは極めて困難である。こうして、投票カードの悪用による不正投票の危険性を事実上解消することができる。
【0193】
最後に、前記管理識別コード4055の照合が正常になされた場合にのみ(ステップS1910の「YES」)、投票カードに記録された選挙情報を読取り(ステップS1911)、読み取った選挙の候補者を選択可能な画面を表示して(ステップS1912)、電子投票装置203により選挙人が投票動作を開始するステップS1913を有する。選挙人は、電子投票装置203内部で動作する投票プログラム404により、タッチパネル式LCD2031上に表示された候補者選択画面を選択操作し、投票を行なう。
【0194】
図41は、本実施例に適用される電子投票装置203のLCD20311に表示される投票カード入力待ち画面の一例を示す図である。「投票カードを入れてください」というガイダンスが文字及び音声により行われるとともに、電子投票装置203のカード記録読取手段2032の位置と投票カード406の挿入の向きが選挙人にわかりやすいようにアニメーション表示される。また画面右下に、この電子投票装置203で投票された票数が、投票件数として表示されている。最初の投票者は、この表示が0件であることを確認し(零票確認)、投票を開始する。なお、この投票カード入力待ち画面は、投票プログラム404における投票画面作成部433により、候補者データ401における固定画面レイアウトテーブル401d及び表示メッセージテーブル401fが参照されて作成され、LCD20311上に表示される。
【0195】
図42は、本実施例に適用される電子投票装置203のLCD20311に表示される投票カード抜取待ち画面の一例を示す図である。投票が終了し、カード記録読取手段2032より投票カード406が自動排出されると、当該投票を行った選挙人に対して「投票が終了しました。投票カードを抜き取り、投票カードを係員にお返しください。」というガイダンスが文字及び音声により行われる。なお、この投票カード抜取待ち画面は、投票プログラム404における投票画面作成部433により、候補者データ401における固定画面レイアウトテーブル401d及び表示メッセージテーブル401fが参照されて作成され、LCD20311上に表示される。
【0196】
図43は、本実施例に適用される電子投票装置203の候補者選択画面の一例を示す図である。かかる画面により、選挙の候補者の一覧が、タッチパネル20313で入力可能な候補者ボタンとしてLCD20311上に表示される。
【0197】
図44は、本実施例に適用される電子投票装置203の候補者選択画面(ボタン押下時)の一例を示す図である。かかる画面により、投票者がタッチパネル20313に触れることにより選択した候補者ボタンがLCD20311上で反転表示され、入力が行われたことを投票者に報知する。
【0198】
図45は、本実施例に適用される電子投票装置203の候補者選択画面(28名表示)の一例を示す図である。かかる画面により、単一画面に28個の候補者ボタンが表示される。このボタンサイズは、水平幅a=69mm、垂直幅b=18mmであり、LCD20311の水平方向に4個、垂直方向に7個のボタンを表示している。このボタンサイズは経験的に求められた大きさであるが、平均的な視力の選挙人がボタン上の文字を視覚認識可能であり、かつ一般的な指のサイズの選挙人が押下するのに、不自由ない大きさである。
【0199】
選挙名や、表示メッセージ等が表示されているが、これらを表示せずに、候補者ボタンのみを表示したとすると、15インチディスプレイの場合には、最大48個の候補者ボタンを表示することができる。一般のNインチのディスプレイの場合には、アスペクト比を4:3と仮定すると、Int(20N/a)×Int(15N/b)の個数の候補者ボタンを表示できる。但し、Int()は、()内の数値を超えない最大の整数を表す。例えば、N=21インチのLCDの場合には、102個(=水平6個×垂直17個)の候補者ボタンを表示できる。そして、このようにして計算された候補者ボタンの数を超えた場合には、図46に示すような、頭文字選択画面に表示を切り替えるように構成する。なお、このボタンのサイズ及び計算式は、多少の数値の変動があったとしても、この発明の範囲を逸脱しないものである。
【0200】
図46は、本実施例に適用される電子投票装置203の頭文字選択画面の一例を示す図である。かかる画面により、単一頁に表示できない候補者数の場合に、頭文字選択による公平な選択画面を提供できる。
【0201】
図47は、本実施例に適用される電子投票装置203の頭文字選択画面(該当候補者のみの表示)の一例を示す図である。かかる画面により、立候補した候補者の頭文字のみが、投票者に対して報知される。
【0202】
図48は、本実施例に適用される電子投票装置203の頭文字該当候補者選択画面(「お」選択時)の一例を示す図である。かかる画面により、選択した頭文字に該当する候補者の一覧が、単一頁で表示される。
【0203】
図49は、本実施例に適用される電子投票装置203の頭文字該当候補者複数頁選択画面の一例を示す図である。かかる画面により、選択した頭文字に該当する候補者の一覧が、複数頁にわたって表示される。
【0204】
図50は、本実施例に適用される電子投票装置203の複数選択頁案内画面の一例を示す図である。かかる画面より、候補者画面が複数頁存在することを投票者に対して報知することにより注意を喚起する。
【0205】
図51は、本実施例に適用される電子投票装置203の投票進捗画面の一例を示す図である。かかる画面により、タッチパネル20313を使用する代わりに、バリアフリー入力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ、視覚障害者用専用キーボード等)を使用して投票を行なう選挙人の操作補助者(介助者)に対し、投票操作の進捗状況が報知される。
【0206】
図52は、本実施例に適用される電子投票装置203の候補者確認画面の一例を示す図である。かかる画面により、投票者が仮選択した候補者を拡大表示し、投票意思の確認を行なう。
【0207】
図53は、本実施例に適用される電子投票装置203の棄権確認画面の一例を示す図である。かかる画面により、投票者の投票の棄権意思(再投票意思も含む)の確認を行なう。
【0208】
図54は、本実施例に適用される電子投票装置203の選挙終了画面の一例を示す図である。かかる画面により、複数の選挙を行なう場合において、一つの選挙が終了したことを、投票者に対して報知する。
【0209】
図55は、本実施例に適用される電子投票装置203の選挙終了確認画面の一例を示す図である。かかる画面により、原本用記録媒体408に、投票データ407及び投票ログ4075が正しく記録されたことを、投票者に報知する。
【0210】
図56は、本実施例に適用される電子投票装置203に複写用記録媒体409の記録障害発生を報知する画面の一例を示す図である。かかる画面により、複写用記録媒体409への書き込みエラーが発生し、原本用記録媒体408には、正しく記録されていることを、投票所の係員(投票立会人や投票管理者)あるいは選挙人に報知する。この場合は、係員が画面表示を確認した上で、選挙人に対して、投票を確定していることを伝える。そして、書き込みエラーの原因が、複写用記録媒体409の不良にあるのか、あるいは電子投票装置203自体にあるのか直ちに明らかにすることが困難であるために、投票時間内においては障害が発生した当該電子投票装置の使用を停止する措置をとる。開票時においては、原本用記録媒体408を使用し、エラー発生時の投票までの投票を有効とする。一方、複写用記録媒体409は、開票には使用しないこととする。
【0211】
図57は、本実施例に適用される電子投票装置203に致命的なエラーが発生したことを報知する画面の一例を示す図である。致命的なエラーとは、例えば、原本用記録媒体408に書き込みエラーが発生した場合などをいう。このような場合には、投票所の係員(投票立会人や投票管理者)が、画面表示を確認し、投票カード406を再発行して、当該電子投票装置とは別の電子投票装置で投票させることにする。開票時においては、この原本用記録媒体408は使用せず、複写用記録媒体409のみを使用する。原本用記録媒体408には、障害発生以前には投票データが記録されているが、これらは正常に記録されていない恐れがあるからである。複写用記録媒体409は、エラー発生時にのデータは記録されていないため、エラー発生時の以前の投票者によるデータを有効票として開票することとする。
【0212】
図58は、本実施例に適用されるカード認証キー403の一例を示す図である。カード認証キー403とは、ICカードのデータにアクセスするための鍵であり、数字又は文字の列として実現される。本実施例に適用される電子投票システムの運営方法では、カード認証キー403は選管で作成され、全投票所に対して、同一のカード認証キーが配布される。カード認証キー403の配布の形態は、選管で予め、ICカード(投票カード406や運用カード)にカード認証キー403を入力した後に、投票所に配布する方法がある。あるいは、ICカードとは別の記録媒体によりカード認証キー403を投票所に配布し、投票所において、ICカードにカード認証キー403を導入するように構成してもよい。
【0213】
図59は、本実施例に適用される投票モードを規定する選挙人特性ID2021により規定される入出力手段の一例を示す図である。第1列が選挙人特性ID2021を示す数値であり、第2列が、対応する選挙人特性の具体例である。選挙人特性とは、非障害、視覚障害、聴覚障害、肢体障害、内部障害、とこれらの任意の組み合わせである。そして、同一の選挙人特性に対して、障害等級の軽重に応じて、図18の第4列及び第5列の欄に示すように、使用する報知手段20305及び入力手段20306が異なる。例えば、選挙人特性ID2021が「00」である非障害者(健常者)である選挙人に対しては、電子投票装置203のLCD2031に健常者用投票画面を表示し、入力手段20306としてはタッチパネル、報知手段20305としてLCDを使用する。
【0214】
また、図59における選挙人特性ID2021が「01」である視覚障害者(6級)の選挙人(万国試視力表で測定した一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を超えるもの)に対しては、電子投票装置203のディスプレイユニット2031に弱視者用投票画面を表示し、入力手段20306としてはタッチパネル20313、報知手段20305としてLCD20311を使用する。
【0215】
一方、選挙人特性ID2021が「02」である視覚障害者(1級)の選挙人(両眼の視力の和が0.01以下のもの)に対しては、電子投票装置203のLCD20311に投票進捗画面(候補者名などの投票内容は表示せずに投票の進捗状態のみを表示する画面。図51に図示)を表示して介助者に対する投票の秘密の漏洩を防止し、入力手段20306としては視覚障害者用専用キーボード20381、報知手段20305として音量調整付きヘッドホン20391とスピーカ2033による音声ガイドを使用する。さらに、選挙人特性ID2021が「03」である視聴覚障害者(盲ろう者)の選挙人(両眼の視力の和が0.01以下であり、かつ両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの)に対しては、電子投票装置203のLCD20311に投票進捗画面(候補者名などの投票内容は表示せずに投票の進捗状態のみを表示する画面。図51に図示)を表示して介助者に対する投票の秘密の漏洩を防止し、入力手段20306としては視覚障害者用専用キーボード20381、報知手段20305としてカナ文字ピンディスプレイ(あるいは点字ディスプレイ)を使用する。
【0216】
また、選挙人特性ID2021が「04」である肢体不自由者(上肢切断又は上肢機能障害)の選挙人に対しては、電子投票装置203のLCD2031に健常者と同一の投票画面を表示し、入力手段20306としては肢体不自由者用キーボード(不図示)又は足で入力可能なフットスイッチ、報知手段20305としてLCDを使用する。一方、選挙人特性ID2021が「05」である肢体不自由者(全身性運動又は機能障害)の選挙人に対しては、電子投票装置203のディスプレイユニット2031に投票進捗画面(候補者名などの投票内容は表示せずに投票の進捗状態のみを表示する画面。図51に図示)を表示して介助者に対する投票の秘密の漏洩を防止するとともに、入力手段20306として不随意運動があっても入力可能な運動機能障害用プッシュスイッチ20371、報知手段20305として頭に固定して使用する眼鏡型表示機であるヘッドマウントディスプレイをバリアフリー用ヘッドマウントディスプレイ端子20302に接続して使用する。
【0217】
選挙人特性ID=05の選挙人が使用するヘッドマウントディスプレイに表示される画面は、選択可能項目(すなわち図53における反転表示部分)が一定時間間隔で自動的に順次切り替わるスキャン入力画面を使用する。さらに、選挙人特性ID2021が「06」である内部障害(難読)を伴う選挙人対しては、電子投票装置203のディスプレイユニット2031に健常者用投票画面を表示し、入力手段20306としてはタッチパネル、報知手段20305としてLCDを使用するが、画面の進行や音声ガイドをスローで再生させる。このように、あらゆる障害に対して選挙人特性IDを付与して入力手段20306と報知手段20305を規定することにより、すべての選挙人に対して投票モードを提供することが可能になり、電子投票装置203をバリアフリー化(ユニバーサルデザイン化)することができる。なお、実際の投票でどのような報知手段及び入力手段が適しているかは、全国の障害者や高齢者に対して実施した模擬投票実験によって経験的に明らかになったものである。
【0218】
以下、図60〜図62を参照しながら、選挙の立候補者による届け出から、選挙人による投票、投票管理者による開票までの流れの一例を説明する。図60は、本実施例に適用される電子投票装置203の投票の準備の流れを示すフローチャートである。投票日当日に、投票管理者によりステップS201により電子投票装置の電源のOFFが確認された後、電子投票装置の立ち上げが行われ、最初の選挙人による「ゼロ票」確認待ち状態の準備が行われる。
【0219】
1)投票プログラム404、候補者データ401、カード認証キー403の投票所への送付
ステップS204aにおいてあらかじめ作成された選挙データマスター400を選挙管理委員会からの検査・承認終了後(ステップS204b)、選挙データメディアコピー機102により電子投票装置203のための複写用記録媒体409であるメモリカードに複製され(ステップS204c)、原本用記録媒体408と共に各投票所へ送付される。したがって、全ての投票所において、カード認証キー403などのデータは共通となる。通常、送付は投票日前日までに行われる。
【0220】
2)運用カードの作成
投票管理者は、投票カード発券機201を使い、固有の投票所IDを付与した運用カード405を作成する。投票所IDは、例えば乱数を用いて固有に生成された数値であり、原則として投票所IDは投票所毎に異なることとなる。
【0221】
3)選挙開始前に投票プログラム、候補者データ、カード認証キーをインストール
南京錠2030aの鍵及び運用カード405(ICカード)を保有する投票管理者がフロントドア2030を開錠し、原本用記録媒体408と複写用記録媒体409を本電子投票装置203へ装着し(ステップS203、S204)、複写用記録媒体409より投票プログラム404、候補者データ401、カード認証キー403をインストールする(ステップS210)。
【0222】
4)記録媒体装着
原本用記録媒体408及び複写用記録媒体409は、通常投票日前日での事前動作チェック時に装着され、南京錠2030aにより施錠管理される。このように、カード認証キー403を発行した選管の人間と、投票所IDを発行した投票所の投票管理者の双方がセキュリティに関与することとなり、選挙運営の透明性を高めることができる。
【0223】
次に図61を用いて単一選挙(単記式)の投票実施例を説明する。実際の選挙では最高裁判所裁判官の国民審査のように候補者一覧から複数の候補者を選択する選挙もあるが、ここでは単一の候補者を選択する単記式選挙に限定して説明する。図61は、本実施例に適用される電子投票システムの運営方法による単一選挙(単記式)の投票の流れの一例を示すフローチャートである。
【0224】
1)「ゼロ票」確認
投票所での最初の選挙人は、投票管理者と投票立会人の立ち会いのもと、ゼロ票確認機能により「ゼロ票」を確認する(ステップS702)。ゼロ票確認機能とは、例えば、カード挿入待ち画面において、電子投票装置の原本用記録媒体408に記録された票、すなわち投票データ407の数を投票件数として表示する機能である。
なお、「ゼロ」票確認は、運用カード405の認証完了時点で成立する(ステップS705の「OK」)
【0225】
2)電子投票装置の開始
「ゼロ票」の確認終了後、投票管理者は運用カードを使い投票開始手続を行い、投票カード入力待ち機能を起動する(ステップS709)。すなわち、投票所ID4055が電子投票装置のRAM453上に記憶され、投票カード406を受け入れ可能な状態となる。なお、投票の開始は、運用カード405を電子投票装置203から抜いた時点で成立する。
【0226】
3)投票の開始
投票カード入力待ち機能(ステップS709)にて、選挙人はカード発券機201により発券された投票カード406を本電子投票装置203に挿入し(ステップS710)、カード認証キー403を用いて、投票カード406を読取り、投票カード406に記録された投票所ID4055と、電子投票装置のRAM453上の投票所ID4055とを比較・照合する。照合が正常に行われた場合にのみ投票カード406に記録された投票権利(すなわち投票フラグ2022)を読取り、投票権利情報(すなわち投票フラグ2022が「投票可能」)が確認できた場合のみ電子投票装置能を起動する(ステップS711の「OK」)。確認と同時に、投票カード406のデータ領域は初期化され、全てのデータが消去される(ステップS712)。投票カードの初期化を行なうのは、カードの再使用による不正投票の恐れを完全に断ち切るためである。なお、投票の開始は、投票カードが初期化された時点で成立する。
【0227】
4)候補者の選択
LCD画面上に図43のような画面を表示する候補者選択機能(ステップS713)にて、選挙人は指又はスタイラスペンにより、候補者名に触れることで、候補者を選択する(ステップS714)。
【0228】
5)候補者選択の確認
LCD20311の画面上に図52のような画面を表示する候補者確認機能にて(ステップS715)、選挙人は確認ボタンに指又はスタイラスペンで触れることにより、確認を行なう(ステップS716)。
【0229】
6)原本用記録媒体への投票データ記録
上記5)での確認により、投票データ407は最初に原本用記録媒体408に記録される(ステップS717)。続いて、投票ログ4075が原本用記録媒体408に記録される(ステップS717a)。
【0230】
7)投票の確定と投票確定LEDの点灯
原本用記録媒体408に投票データ407と投票ログ4075が記録された後、投票確定LED2034は点灯する(ステップS718)。なお、投票の確定は、投票データ407と投票ログ4075が原本用記録媒体408に記録確認された時点で成立する(ステップS718)。
【0231】
8)複写用記録媒体への投票データのバックアップ記録
次に、バックアップ用として複写用記録媒体409に同一の投票データ407及び投票ログ4075が記録される(ステップS719、S720)。なお、本実施例においては、投票データ407の暗号化は行っていない。将来において、投票データ407のネットワーク伝送を行なう場合には、DES暗号(DES: Data Encryption Standard)のような共通鍵暗号やRSA暗号(RSA: Rivest−Shamir−Adleman)のような公開鍵暗号などにより投票データ407の暗号化を行い、開票時に復号化するように構成してもよい。
【0232】
9)投票の終了
投票カード406が排出される(ステップS721)と同時に、図42のような画面を表示する投票カード抜取待ち機能(ステップS722)と音声ガイドにより、投票終了案内が行われ、選挙人は投票カード406を抜き取る(ステップS723)。なお、投票の終了は、投票カード406が排出された時点で成立する。
【0233】
10)投票確定LEDの消灯
投票カードが抜き取られると、投票データの投票確定LED2034は消灯する(ステップS724)。
【0234】
11)二重投票の防止
投票が終了し排出された投票カード406は初期化されているため、再度投票カードを挿入しても投票済みと判断され(ステップS711の「NO」)、二重投票が防止される。
【0235】
12)2人目以降の投票
上記3)〜10)が繰り返される。
【0236】
13)投票カードの再発行
1.正常に発券された投票カードを挿入。
2.電子投票装置203による読取りエラーや初期化の書き込みエラーが発生。
3.不正操作をしていないことが明白。
4.投票カードを回収するとともに、当該投票カードの再利用禁止。
5.当該選挙人へ投票カードの再発行を行なう。
【0237】
図62は、本実施例に適用される電子投票システムの運営方法による電子投票の終了の流れを示すフローチャートである。
以下、終了の流れを順を追って説明する。
1)投票所の閉鎖
南京錠2030aの鍵及び運用カード405(ICカード)を保有する投票管理者により、投票立会人の立ち会いのもと、投票所の閉鎖処理と投票の終了処理を行なう(ステップS801〜S813)。
2)投票データが記録されている原本用記録媒体と複写用記録媒体の取り外し投票管理者は、原本用記録媒体408と複写用記録媒体409を格納している電子投票装置203のフロントドア2032を開け、本電子投票装置の電源スイッチ2032により電源を遮断する。その後、原本用記録媒体408と複写用記録媒体409を取り出す(ステップS814、S815)。
3)投票データの送致
原本用記録媒体408と複写用記録媒体409を送致用格納箱に収納し(ステップS816)、施錠の上開票所へ送致する。
【0238】
図63は、本実施例に適用される電子投票システムの復旧可能エラー発生時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。ここで、エラーとは、投票プログラム404が検出可能であって、製造時にあらかじめ想定されていたものをいう。「エラー」は、次の二つに分類される。
1.リトライすることで復旧可能な「復旧可能エラー」
2.復旧不可能な「復旧不可能エラー」
【0239】
「復旧可能エラー」とは、
バリアフリー機器の接続不良
投票カード関連の不良時
に発生する障害である。具体的には、
1.投票カードの裏表や上下方向の挿入ミス、投票済みカード挿入による読み取りエラー。カード自体の不良の場合は投票権利の確認手段がないため、別途運用上の取り決めが必要である。
2.バリアフリー機器(視覚障害者用専用キーボード20381、ヘッドホン20391及び運動機能障害用プッシュスイッチ20371)の接続ミスや接続はずれ。
等が考えられる。復旧可能エラーが発生した場合は、基本的には、画面表示機能に従って行い、バリアフリー機器の再接続や投票カード406の再挿入を行なうことで復旧させる。これにより症状が改善しない場合は、運用上、復旧不可能エラーとしての処理を行なう。
【0240】
「復旧不可能エラー」は、
投票プログラムが以降の投票操作が行えない状態
と判断した際に出力される。
投票管理者は、画面表示事項に応じた対処を行い、電子投票装置の使用を停止しなければならない。
【0241】
さて、ステップS101において、投票者(選挙人)が投票カード406を挿入する。次にステップS102の条件分岐において、投票カードに記録された投票者の投票権利の確認を行い、もし投票カードに記録された投票権利がない、すなわち既に初期化済又は未発券であったとすると(ステップS102の「投票済(初期化済)」)、ステップS105に移り、復旧可能なエラーの種類(即ち投票済であること)を電子投票装置203のLCD20311に表示した後に、ステップS106において投票カード406を排出する。投票カード406が排出されると、ステップS107において投票者及び投票補助者が、LCD20311に表示されたエラー内容を確認する。この場合は、LCD20311には、投票カードが投票済であった旨が表示されている。
【0242】
エラー内容の確認の後、ステップS108において、投票者が排出された投票カードを抜き取ると、ステップS109において、LCD20311には投票カード挿入待ち状態(図41に図示)になる。そして、ステップS110において、投票者及び/又は投票補助者によるエラーからの復旧処理が行われる。具体的には、投票者が実際には、投票カード406を使用して投票を終えていなかったことが投票者の自己申告及び投票立会人の証言により確認されると、投票カード発券機201により、投票カード406が再発行される。投票者は、ステップS111において、再発行された投票カード406を、再挿入し、投票のやり直しを行なうこととなる。
【0243】
ステップS102の条件分岐において、投票カード406の読み取りエラーが発生した場合には(ステップS102の「カード識別不可」)、ステップS105において、復旧可能なエラーの種類(即ちカード識別不可であること)を電子投票装置203のLCD20311に表示した後に、ステップS106において投票カード406を排出する。投票カード406が排出されると、投票者及び投票補助者が、LCD20311に表示されたエラー内容を確認する。この場合は、LCD20311には、挿入されたカードが認識できなかった旨が表示されている。エラー内容の確認の後、ステップS108において、投票者が排出されたカードを抜き取ると、ステップS109において、LCD20311には投票カード挿入待ち状態(図41に図示)になる。そして、ステップS110において、投票者及び/又は投票補助者によるエラーからの復旧処理が行われる。具体的には、投票カード発券機201により、投票カード406が再発行される。投票者は、ステップS111において、再発行された投票カード406を、再挿入し、投票のやり直しを行なうこととなる。
【0244】
ステップS102の条件分岐において、投票カード406の投票権利が確認された場合には(ステップS102の「投票可能」)、ステップS103において、選挙人特性2021を読取り、選挙人特性ID=00か否か、すなわちバリアフリー入出力オプションを使用するかどうかを識別する。選挙人特性ID=00でなかった場合(ステップS103において「YES」)、ステップS104において、選挙人特性IDに対応する入出力機器(図59に図示)が接続されているかどうか確認する。ステップS104の条件分岐において、読み取られた選挙人特性IDに対応する入出力機器が接続されていなかったとすると(ステップS104の「NO」)、ステップS105において復旧可能エラーの種類(すなわち入出力機器が接続されていないこと)をLCD20311上に表示し、ステップS106において投票カード406を排出する。
【0245】
投票カード406が排出されると、ステップS107において投票者及び投票補助者が、LCD20311に表示されたエラー内容を確認する。この場合は、LCD20311には、ヘッドホン20391投票カードが投票済であった旨が表示されている。エラー内容の確認の後、ステップS108において、投票者が排出された投票カード406を抜き取ると、ステップS109において、LCD20311には投票カード挿入待ち状態(図41に図示)になる。そして、ステップS110において、投票者及び/又は投票補助者によるエラーからの復旧処理が行われる。投票者は、ステップS111において、再発行された投票カード406を、再挿入し、投票のやり直しを行なうこととなる。
【0246】
ステップS104の条件分岐において、読み取られた選挙人特性IDに対応する入出力機器が正常に接続されていたとすると(ステップS104の「YES」)、ステップS112において投票カード406の初期化処理が行われる。次のステップS113において、LCD20311上に候補者選択画面が表示され、投票者は投票操作を行なう。投票操作を行っている途中で、例えば、ヘッドホン20391のプラグがヘッドホン端子2039からが抜けてしまったとする(ステップS114の「NO」)。その場合には、ステップS115の復旧可能エラー表示機能により、ヘッドホン端子2039に接続されていない旨の表示がLCD20311上に表示される。そして、ステップS116において、投票者及び/又は投票補助者によるエラーからの復旧処理、すなわちヘッドホン端子の接続が行われる。正常に接続されると、候補者選択画面に復帰し、投票者は、ステップS117において、投票を継続することとなる。
【0247】
図64は、本実施例に適用される電子投票装置203の動作履歴を記録した投票ログの一例を示す図である。投票ログ4075は、電子投票装置203の電子投票プログラム404が行ったすべての動作履歴を時系列データとして記録したものである。時刻情報は、図64の「時刻」のカラムに図示されるように、年、月、日、時、分、秒によって表現され、各々の時刻に対応する処理が、「機能分類」のカラムと「処理」のカラムとに格納されている。例えば、機能分類のカラムが「候補者選択」であるようなレコード(行)における処理(レイアウト設定:候補者ボタン等)は、投票プログラム404の投票画面作成部433が行った候補者選択画面(図37に図示)の作成処理の詳細が逐次記録されている。投票中にエラーが発生した場合などには、この投票ログ4075を解析することにより、障害発生要因を把握することが可能となる。なお、これらのデータは、原本用記録媒体408及び複写用記録媒体409上のCSV形式(CSV:Comma Separated Value (format):項目間をカンマで区切ったファイルフォーマット)等の適切なフォーマットのテキストファイルとして保存される。
【0248】
図65は、本実施例に適用される電子投票装置203による投票から終了までの流れの一例を示すシーケンス図である。始めに投票プログラム404の投票カード挿入待ち機能によって、図41に図示する画面が表示されている。次に、カードR/W2032に、選挙人が投票カード406を挿入する。投票プログラム404は、投票カードが挿入されたことを検出すると、カード認証キー403を送信する。カードR/Wはカード認証キー403を、ICカードの記録部に書き込み、ICカードからのリターン値、即ちアクセスの可否を示す符号を投票プログラムに返す。アクセスが可であった場合には、投票プログラム404は、投票カード406か運用カード405かを識別するコードである、カード種別ID(図23に図示)の読取を行なう。
【0249】
カードR/W2032から、カード種別IDが投票カード406であることが読み取られると、投票カード406から、選挙人特性ID2021や投票フラグ2022が読み取られる。これらのデータがRAM453上に記憶されると、投票プログラム404により、原本用記録媒体408上に投票ログ4075を書き込むファイルがオープンされ、投票カード挿入処理に関するログの書込みが行われる(図65では、すべてのログを投票ログ4075として図示している)。ログの記録が終了してファイルクローズされると、投票プログラム404により、RAM453上のキャッシュ領域に存在するキャシュの吐き出しが行われる。キャッシュの吐き出しが完了すると、複写用記録媒体409上に、投票ログ4075を書き込むファイルをオープンし、原本用記録媒体408に記録したものと同一内容のログの書込みを行なう。複写用記録媒体409への投票ログ4075の書込みが終了するとファイルクローズし、キャッシュの吐き出しを行なう。
【0250】
次に、投票プログラム404により、操作表示灯20301bのGPIOインターフェースに対して点灯信号が出力される。操作表示灯20301bの点灯により、投票が開始されたことが、投票管理者や投票立会人に報知される。投票者は、LCD20311に表示された候補者選択画面(図43に図示)、候補者確認画面(図52に図示)等に従って、タッチパネル20313に触れることにより投票操作を行なう。一連の投票操作において、画面の切替や、タッチパネルの操作等の電子投票装置203のすべての動作記録が図64に示す投票ログの形で、原本用記録媒体408と複写用記録媒体409に対して、各々記録及び、キャシュの吐き出しが行われる。もし投票者が、投票意思確認画(図52に図示)の「○投票します」に触れたとすると、投票プログラム404の投票データ記録部434によって、選択された候補者のRAM453上の投票データ407が、原本用記録媒体408に対して書き込まれる。
【0251】
RAM453上のキャッシュの吐き出しが行われた後に、原本用記録媒体408上に作成された投票データ407のファイルをオープンしてRAM上に再び読込んで、比較、照合(ベリファイ)が行われ、確実にされたことが確認される。そして、投票ログの書込みが原本用記録媒体408に対して行われる。図には示されていないが、投票ログの書込みにおいても、キャッシュを吐き出した後に、生成された投票ログファイルを読み込んで、ベリファイが行われる。
【0252】
次に、原本用記録媒体408への投票データ407及び投票ログ4075の書込みが終了すると、投票プログラム404により、投票が確定されたことを投票者に報知するための投票確定LED2034を点灯させるための信号がGPIOポートに出力される。
【0253】
次に、投票確定2034が点灯すると、投票プログラム404により、複写用記録媒体409に対して、投票データ407及び投票ログ4075の複製処理が行われる。すなわち、投票プログラム404により、複写用記録媒体409上のファイルがオープンされ、RAM453に記憶された投票データ407が書き込んだ後にファイルをクローズする。そして、RAM453上のキャッシュの吐き出しが完了した後に、再びファイルオープンして、RAM上に読込み、ファイルクローズした後にRAM上のデータを比較してベリファイを行なう。そして、投票ログ4075の複製についても、同様に記録及びキャッシュ吐き出しが行われる。
【0254】
次に、原本用記録媒体408および複写用記録媒体409に対して、投票データ407及び投票ログ4075の記録が終了すると、投票プログラム404により、カードR/Wに対して、投票カード406を排出させる命令が送信される。投票カードが搬送機構により機械的に排出されると、投票プログラム404は、原本用記録媒体408及び複写用記録媒体409に対して、ログの記録を行なう。このとき、これまでの処理と同様に、それぞれの記録媒体への書込みが終了してファイルをクローズする度に、キャシュの吐き出しを行って、その後に、ファイルオープンして書き込まれたデータのベリファイが行われる。
【0255】
次に、投票者によって、排出された投票カードがカードR/W2032より抜き取られると、投票確定LED2034及び操作表示灯20301bに出力されていた信号をOFFにする命令が、投票プログラム404により出力される。操作表示灯20301bが消灯することにより、投票管理者や投票立会人に対して、投票が終了したことが報知される。これらの処理に対する投票ログ4075も、同様に、原本用記録媒体408及び複写用記録媒体409に対して記録される。
【0256】
なお、本実施例は、上記実施例の非ネットワーク型の第1段階の電子投票システムに限定されるものではなく、第2段階及び第3段階のネットワーク型の電子投票システムにおける投票データの記録する際にも適用することができる。
【0257】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、一つの記録媒体に複数の投票者の投票データを記録する直接記録方式の電子投票装置において、投票結果を複数のファイルにランダムに割り振って、各々のファイルに対しては順次記録するように構成することにより、投票の秘密を保障することができ、かつゼロデータが発生しない投票データ生成方法及び電子投票装置並びに電子投票プログラムを提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に適用される投票データの生成方法を示す図である。
【図2】本実施例に適用される投票データの生成方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る電子投票装置を用いた電子投票システムの全体構成の一例を示す図である。
【図4】本実施例に適用される電子投票装置の外装の一例を示す斜視図である。
【図5】本実施例に適用される電子投票装置の外装に係る別の一例を示す斜視図である。
【図6】本実施例に適用される電子投票装置の外装の一例を示す上面図である。
【図7】本実施例に適用される電子投票装置の外装の一例を示す正面図である。
【図8】本実施例に適用される電子投票装置の外装の一例を示す正面図(フロントドアオープン時)である。
【図9】本実施例に適用される電子投票装置の外装の一例を示す背面図である。
【図10】本実施例に適用される電子投票装置内部のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図11】本実施例に適用される電子投票装置内部のRAMのデータ構造の一例を示す図である。
【図12】本実施例に適用されるシリコンディスク内部のデータ構造の一例を示す図である。
【図13】本実施例に適用される電子投票プログラムの構造の一例を示す図である。
【図14】本実施例に適用される候補者データの構造の一例を示す図である。
【図15】本実施例に適用される候補者データを構成する候補者テーブル(選挙ID=1用)の一例を示す図である。
【図16】本実施例に適用される候補者データを構成する政党テーブルの一例を示す図である。
【図17】本実施例に適用される候補者データを構成する投票所グループテーブルの一例を示す図である。
【図18】本実施例に適用される候補者データを構成する固定画面レイアウトテーブルの一例を示す図である。
【図19】本実施例に適用される候補者データを構成する投票画面レイアウトテーブル(選挙ID=1用)の一例を示す図である。
【図20】本実施例に適用される候補者データを構成する表示メッセージテーブルの一例を示す図である。
【図21】本実施例に適用される電子投票装置内部に格納される原本用記録媒体のデータ構造の一例を示す図である。
【図22】本実施例に適用される電子投票装置内部に格納される複写用記録媒体のデータ構造の一例を示す図である。
【図23】本実施例に適用される電子投票装置内部に挿入される投票カード又は運用カードのデータ構造の一例を示す図である。
【図24】本実施例に適用される投票カードに記録される投票フラグのデータ構造の一例を示す図である。
【図25】本実施例に適用される投票プログラムを構成するカード読取部の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図26】本実施例に適用される投票プログラムを構成する投票制御部の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図27】本実施例に適用される投票プログラムを構成する投票制御部における候補者選択画面投票制御部の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図28】本実施例に適用される投票プログラムを構成する投票制御部における頭文字選択画面投票制御部の処理の流れの一例を示すフローチャート(1/5)である。
【図29】本実施例に適用される投票プログラムを構成する投票制御部における頭文字選択画面投票制御部の処理の流れの一例を示すフローチャート(2/5)である。
【図30】本実施例に適用される投票プログラムを構成する投票制御部における頭文字選択画面投票制御部の処理の流れの一例を示すフローチャート(3/5)である。
【図31】本実施例に適用される投票プログラムを構成する投票制御部における頭文字選択画面投票制御部の処理の流れの一例を示すフローチャート(4/5)である。
【図32】本実施例に適用される投票プログラムを構成する投票制御部における頭文字選択画面投票制御部の処理の流れの一例を示すフローチャート(5/5)である。
【図33】本実施例に適用される投票プログラムを構成する投票データ記録部の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図34】本実施例に適用される運用カードを発行するカード発券機のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図35】本実施例に適用される運用カードを発行するカード発券機のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図36】本実施例に適用される発券機メディアのデータ構造の一例を示す図である。
【図37】本実施例に適用される発券機メディアに格納される実施選挙の種類を示す図である。
【図38】本実施例に適用される発券プログラムを構成する投票所ID生成部の一例を示すフローチャートである。
【図39】本実施例に適用される運用カード及び投票カードを用いた電子投票システムの運営方法の流れを示す前半のフローチャートである。
【図40】本実施例に適用される運用カード及び投票カードを用いた電子投票システムの運営方法の流れを示す後半のフローチャートである。
【図41】本実施例に適用される電子投票装置のLCDに表示される投票カード入力待ち画面の一例を示す図である。
【図42】本実施例に適用される電子投票装置のLCDに表示される投票カード抜取待ち画面の一例を示す図である。
【図43】本実施例に適用される電子投票装置の候補者選択画面の一例を示す図である。
【図44】本実施例に適用される電子投票装置の候補者選択画面(ボタン押下時)の一例を示す図である。
【図45】本実施例に適用される電子投票装置の候補者選択画面(28名表示)の一例を示す図である。
【図46】本実施例に適用される電子投票装置の頭文字選択画面の一例を示す図である。
【図47】本実施例に適用される電子投票装置の頭文字選択画面(該当候補者のみの表示)の一例を示す図である。
【図48】本実施例に適用される電子投票装置の頭文字該当候補者選択画面(「お」選択時)の一例を示す図である。
【図49】本実施例に適用される電子投票装置の頭文字該当候補者複数頁選択画面の一例を示す図である。
【図50】本実施例に適用される電子投票装置の複数選択頁案内画面の一例を示す図である。
【図51】本実施例に適用される電子投票装置の投票進捗画面の一例を示す図である。
【図52】本実施例に適用される電子投票装置の候補者確認画面の一例を示す図である。
【図53】本実施例に適用される電子投票装置の棄権確認画面の一例を示す図である。
【図54】本実施例に適用される電子投票装置の選挙終了画面の一例を示す図である。
【図55】本実施例に適用される電子投票装置の選挙終了確認画面の一例を示す図である。
【図56】本実施例に適用される電子投票装置の複写用記録媒体の記録障害発生を報知する画面の一例を示す図である。
【図57】本実施例に適用される電子投票装置に致命的なエラーが発生したことを報知する画面の一例を示す図である。
【図58】本実施例に適用されるカード認証キーの一例を示す図である。
【図59】本実施例に適用される投票モードを規定する選挙人特性IDの一例を示す図である。
【図60】本実施例に適用される電子投票装置の投票の準備の流れを示すフローチャートである。
【図61】本実施例に適用される電子投票システムの運営方法による単一選挙(単記式)の投票の流れの一例を示すフローチャートである。
【図62】本実施例に適用される電子投票システムの運営方法による電子投票装置の終了の流れを示すフローチャートである。
【図63】本実施例に適用される電子投票システムの運営方法による復旧可能エラー発生時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図64】本実施例に適用される電子投票装置の動作履歴を記録した投票ログの一例を示す図である。
【図65】本実施例に適用される電子投票装置による投票から終了までの流れの一例を示すシーケンス図である。
【図66】従来の投票データの生成方法を示す図である。
【符号の説明】
100選挙データ作成システム
101選挙データ管理作成機
102選挙データメディアコピー機
200投票所システム
201投票カード発券機(カード発券機)
202発券機用メディア
203電子投票装置
300開票所システム
301投票データ収集・集計機
400選挙データマスター
401候補者データ
401a1候補者テーブル
401b政党テーブル
401c投票所グループテーブル
401d固定画面レイアウトテーブル
401e1投票画面レイアウトテーブル
401f表示メッセージテーブル
402実施選挙の種類(選挙種データ)
403カード認証キー(認証キー)
404電子投票プログラム(投票プログラム)
405運用カード(管理者カード)
406投票カード
407投票データ
408原本用記録媒体(原本)
409複写用記録媒体(副本、複写、複製)
411オペレーティングシステム(OS)
412シリアルI/O制御部
413ウインドウ制御部
414ファイル制御部
415カード制御部
416タッチパネル制御プログラム
417プリンタ制御プログラム
418ジャンクションボックス制御プログラム
431カード読取部
432選挙データ読込部
433投票画面作成部
434投票データ記録部
435投票制御部
436ローディングプログラム(プログラムローダー)
450マザーボード
451CPU
452ROM
453RAM(RAMディスク)
454シリコンディスク(システムディスク)
454bローカルディスク領域
455ジャンクション基板
456VRAM(ビデオRAM)
457CLOCK(内蔵クオーツ時計)
504発券プログラム
531発券機メディア読取部
532カード読取部
533投票所ID生成部
534発券データ記録部
535発券制御部
2011発券機ディスプレイ
2012発券機カードリーダライタ
2021選挙人特性ID(身体障害特性)
2022投票フラグ
2030フロントドア
2030a 南京錠
2030b ロックブラケット
2031ディスプレイユニット
2031aスタイラスペン
2031bペンホルダ
2032カード記録読取手段(カードリーダライタ、カードR/W)
2032aカードガイドLED(カード挿入ガイドLED)
2033スピーカ
2033aボリューム
2034投票確定LED(投票確定確認用LED)
2035スライドカバー
2036LCD角度調整アーム
2037運動機能障害用プッシュスイッチ端子
2038視覚障害者用専用キーボード端子
2039ヘッドホン端子
4055投票所ID(管理ID,管理識別ID,管理識別コード、乱数)
4075投票ログ
20117CPU(発券機)
20118RAM(発券機)
20119HDD(発券機)
20120乱数発生器
20301状態表示灯
20301a電源表示灯
20301b操作表示灯
20301cポール
20301d状態表示灯ケーブル
20302外部ディスプレイ端子
20303原本用記録媒体用スロット
20304複写用記録媒体用スロット
20305報知手段
20306入力手段
20307シリコンディスク格納部
20308電源LED(AC電源供給監視用LED)
20310フロントドア開閉センサ
20311LCD(液晶ディスプレイ)
20312インバータ
20313タッチパネル
20314内蔵電池(内部バッテリ)
20315直流電源(DC電源)
20316交流電源(AC電源)
20371運動機能障害用プッシュスイッチ
20381視覚障害者用専用キーボード
20391音量調整付きヘッドホン(ヘッドホン)

Claims (11)

  1. 電子投票による投票の際、単一の電磁的記録媒体に対して複数の選挙人による投票結果を記録することにより投票データを生成する投票データ生成方法であって、
    前記電磁的記録媒体に複数のファイルを作成するステップと、
    前記作成されたファイルに対して、前記投票結果をランダムに振り分けるステップと、
    前記振り分けられた投票結果を、前記ファイルの各々に対して順次記録するステップと、
    前記記録が行われた時刻情報を記録するステップと、
    を有することを特徴とする投票データ生成方法。
  2. 前記時刻情報を消去するステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の投票データ生成方法。
  3. 前記順次記録を行うステップは、前記電磁的記録媒体の記録領域に未記録の間隔領域を設けず、前記間隔領域を埋めるよう記録することを特徴とする請求項1又は2に記載の投票データ生成方法。
  4. 電子投票による投票の際、単一の電磁的記録媒体に対して複数の選挙人による投票結果を記録することにより投票データを生成する電子投票装置において、
    投票開始に先立って、複数のファイルを前記電磁的記録媒体に作成するファイル作成手段と、
    前記作成されたファイルに識別コードを記録する識別コード記録手段と、
    投票開始後において、当該選挙の候補者の情報を前記選挙人に対して報知するための報知手段と、
    前記選挙人による前記候補者の選択入力操作を受け付ける入力手段と、
    前記報知手段及び前記入力手段により前記選挙人が選択した候補者のレコードデータを一時記憶する一時記憶手段と、
    前記一時記憶手段に蓄えられた前記レコードを、前記選挙人が確認する入力を行ったときに、前記レコードを記録するためのファイルを前記複数のファイルの中から選択するファイル選択手段と、
    前記選択されたファイルに対して前記一時記憶手段に蓄えられた前記レコードを順次書き込む書込手段と、
    前記記録が行われた時刻情報を書き込む書込手段と、
    を有することを特徴とする電子投票装置。
  5. 前記時刻情報を消去する手段をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の電子投票装置。
  6. 前記順次記録を行う記録手段は、前記電磁的記録媒体の記録領域に未記録の間隔領域を設けず、前記間隔領域を埋めるよう記録することを特徴とする請求項4又は5に記載の電子投票装置。
  7. 電子投票による投票の際、単一の電磁的記録媒体に対して複数の選挙人による投票結果を記録することにより投票データを生成する電子投票装置を制御するための電子投票プログラムにおいて、
    投票開始に先立って、複数のファイルを前記電磁的記録媒体に作成するステップと、
    前記ファイルのいずれかを、前記選挙人の投票が行われる毎にランダムに選択するステップと、
    前記選択されたファイルに対し、前記選挙人の前記投票結果を一時的に記憶した記憶手段の情報を順次記録するステップと、
    前記記録が行われた時刻情報を記録するステップと、
    を有することを特徴とする電子投票プログラム。
  8. 前記時刻情報を消去するステップをさらに有することを特徴とする請求項7に記載の電子投票プログラム。
  9. 前記順次記録を行うステップは、前記電磁的記録媒体の記録領域に未記録の間隔領域を設けず、前記間隔領域を埋めるよう記録することを特徴とする請求項7又は8に記載の電子投票プログラム。
  10. 電子投票による投票の際、単一の電磁的記録媒体に対して複数の選挙人による投票結果を記録することにより投票データを生成する電子投票装置を制御するための電子投票プログラムにおいて、
    すべての前記選挙人の投票開始前において、前記電磁的記録媒体に、前記投票データを格納するための個数Nのファイルを作成する第1ステップと、
    前記ファイルの各々に0〜N−1のインデックスを含むファイルネームを付与する第2ステップと、
    前記選挙人による投票開始後において、当該選挙の候補者の情報を前記選挙人に対して報知するための報知手段に出力するとともに、前記選挙人が選択入力した候補者のレコードを一時記憶手段に蓄積する第3ステップと、
    前記一時記憶手段における前記候補者レコードを前記選挙人が確認する入力を行ったときに、乱数を生成する第4ステップと、
    生成した前記乱数の値を前記ファイルの個数Nで割った剰余値Kを計算する第5ステップと、
    前記ファイルネームに含まれる前記インデックスがKであるファイルをオープンする第6ステップと、
    オープンされた前記ファイル上に、前記一時記憶手段に蓄えられた前記候補者レコードを、ファイル上のデータに追加して隙間なく書き込む第7ステップと、
    ファイルの書き込みが終了すると、当該ファイルをクローズする第8ステップと、
    クローズされた前記ファイルの時刻の情報を固定値に補正する第9ステップと、
    を有することを特徴とする電子投票プログラム。
  11. 前記第3ステップ乃至第9ステップの処理を、すべての選挙人による投票が終了するまで継続するためのループ処理を有することを特徴とする請求項10に記載の電子投票プログラム。
JP2002160800A 2002-05-31 2002-05-31 投票データ生成方法及び電子投票装置並びに電子投票プログラム Expired - Fee Related JP3877154B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002160800A JP3877154B2 (ja) 2002-05-31 2002-05-31 投票データ生成方法及び電子投票装置並びに電子投票プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002160800A JP3877154B2 (ja) 2002-05-31 2002-05-31 投票データ生成方法及び電子投票装置並びに電子投票プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004005277A true JP2004005277A (ja) 2004-01-08
JP3877154B2 JP3877154B2 (ja) 2007-02-07

Family

ID=30430049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002160800A Expired - Fee Related JP3877154B2 (ja) 2002-05-31 2002-05-31 投票データ生成方法及び電子投票装置並びに電子投票プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3877154B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112008003548B4 (de) 2007-12-28 2018-09-20 Sharp Kabushiki Kaisha Kernmaterial für Vakuumwärmeisolationsmaterial, Vakuumwärmeisolationsmaterial und Verfahren zu deren Herstellung

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112008003548B4 (de) 2007-12-28 2018-09-20 Sharp Kabushiki Kaisha Kernmaterial für Vakuumwärmeisolationsmaterial, Vakuumwärmeisolationsmaterial und Verfahren zu deren Herstellung

Also Published As

Publication number Publication date
JP3877154B2 (ja) 2007-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5347579A (en) Personal computer diary
US7032821B2 (en) Precinct voting system
US6412692B1 (en) Method and device for identifying qualified voter
US7612901B2 (en) Image forming apparatus, control method, and storage medium storing a computer program, for inhibiting switching to a normal mode in a removable storage device is detected or inhibiting a specific mode if the removable storage device is not detected
JP2007334864A (ja) 表示システム、表示方法、および表示プログラム
US7152792B2 (en) Voting apparatus and method using personal computers
US9223515B2 (en) Devices and methods for device-mapping connectivity hub
JP3925787B2 (ja) 電子投票プログラム及び電子投票装置
CN108023732A (zh) 一种数据保护方法、装置、设备和存储介质
JP3877154B2 (ja) 投票データ生成方法及び電子投票装置並びに電子投票プログラム
JP2004213408A (ja) 電子投票システム
JP3932935B2 (ja) 電子投票システム及びその運用方法
JP2004206546A (ja) 電子投票プログラム及び電子投票装置
JP4103657B2 (ja) 電子投票装置、及び電子投票システム
JP2003208648A (ja) 電子投票機利用トークン、トークン記録媒体、投票受付機及び電子投票システム
JP2004126690A (ja) 電子投票装置及び電子投票結果集計装置
JP2003296501A (ja) 電子投票プログラム及び電子投票装置
JP2008140053A (ja) 情報管理システムおよび情報管理方法およびプログラムおよび記録媒体
JP2003323654A (ja) 電子投票装置
JP2004295780A (ja) 制御装置
JP3985219B2 (ja) 電子投票機、電子投票システム、コンピュータプログラム
CN108664872A (zh) 基于点阵识别的信息验证系统
JP2004213226A (ja) 電子投開票システム
CN106649469A (zh) 一种聊天记录信息管理方法及终端
CN207937976U (zh) 一种电子签名互动终端设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040930

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061004

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061013

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061026

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111110

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121110

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121110

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131110

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees