JP2004005116A - 最適ポートフォリオ決定方法および装置 - Google Patents

最適ポートフォリオ決定方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リスクなどの所定の制約の下で、収益率とリスクからなる投資家の効用関数を最大になるように、個別銘柄の金融商品および購入量の決定を効率的に行う方法および装置を提供する。
【解決手段】個々の金融商品の収益率の期待値を入力する個別収益率入力手段101と、銘柄独自の収益率の変動要因である個別変動因子を入力する個別変動因子入力手段102と、銘柄全体の収益率の変動要因である共通変動因子を入力する共通変動因子入力手段103と、制約パラメータを入力する制約パラメータ入力手段104と、入力データに基づいて購入対象の金融商品および購入量を導出する最適ポートフォリオ求解手段106と、ポートフォリオ収益率を算出するポートフォリオ算出手段105と、導出されたポートフォリオのリスクに関する制約を満たしているかどうかを判定する制約条件判定手段107と、導出結果を出力する最適ポートフォリオ出力手段108を有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、最適ポートフォリオ決定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最適ポートフォリオ決定問題は、線形計画法または非線形計画法などに代表される数理計画法によって、収益を極大化し、収益を変動させる要因を表すリスクを極小化できるように、複数の金融商品の中から購入の対象とする金融商品および購入量を決定することである。
【0003】
最適ポートフォリオの決定の際に用いるモデルとして、購入の対象とする金融商品の集合(以下では購入の対象を株式の集合からなるユニバース(東京証券取引所一部全体、日経225採用銘柄等)とする)において、収益率を所定の値に固定する。この前提の下で、収益率の変動率を表すリスクで表現された二次の目的関数を最小化する二次計画法などを用いる平均分散モデルあるいはマルチファクタモデルが、文献「今野浩著、理財工学I、日科技連、P4−P19(引例1)」などに紹介されている。また、平均分散モデルおよびマルチファクタモデルに準するモデルとして、最大化すべき投資家の効用関数を収益率とリスクから構成するケース、および収益率を最大化するケースが考えられる。一方、制約に関しては、収益率に関する制約を設けないケース、さらに二次式であるリスクに関する制約を設ける場合が考えられる。
【0004】
収益率等一次式のみの制約の下で、二次式を最大化する二次計画法としては、例えば文献「茨木俊秀、福島雅夫著、FORTRAN77最適化プログラミング、岩波書店、P87−113(引例2)」等に紹介されている有効制約法等が代表的なものとして知られている。二次計画法においては、初期点から最適解に到るまで点列を更新する方法が一般的である。この点列を更新する際に、点列を探索する方向を行列演算で求める部分が処理の大半を占める。なお、二次計画問題に定式化する際に現れる行列において、要素の大部分は0であり、このような行列を処理するにあたっては、要素0の部分をプログラム上で判別しながら行列演算を実施するスパース法などが知られている。
【0005】
また、リスクに関する制約を設ける場合は、二次式を制約として含むため、非線形計画法が適用され、前記の二次計画法と区別して取り扱うのが一般的である。非線形計画法としては、上記引例2等に紹介されている逐次二次計画法が代表的なものとして知られている。逐次二次計画法は、非線形で表現される制約式を線形近似するなどの処理を施して得られた二次計画問題に二次計画法を繰り返し適用して最適解を得る方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、非線形計画法は二次計画法よりも目的関数および制約式において、汎用性の広い技法である反面、技法の適用によって必ずしも最適解が得られるとは限られない。また、最適解が得られたとしても計算時間が多大になるため、東証一部あるいは国内全株式を対象とした場合に非線形計画法を適用して最適解を得ることは困難である。また、二次計画法を逐次適用するステップにおいては、目的関数および制約式の係数行列における要素の大部分が0であるという性質を生かすことも困難である。このため、実際のポートフォリオ決定においては、最適化問題を何度も解く必要があるため、非線形計画法を適用することは実用的ではないといえる。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、一次式で表されるリターンを用いて最適ポートフォリオを決定する方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明は、複数の金融商品全体の収益率と収益に影響を及ぼすリスクから構成される目的関数を最適にするように、複数の金融商品の中から各々の金融商品の購入量を決定する最適ポートフォリオ決定方法において、個別の銘柄における期待収益率を入力する個別収益率入力手段と、個別の銘柄における収益の変動因子を入力する個別変動因子入力手段と、ポートフォリオの収益率として取り得る値の範囲を算出するポートフォリオ収益率算出手段と、共通変動因子を入力する共通変動因子入力手段と、制約パラメータを入力する制約パラメータ入力手段を有する。さらに、各入力手段を用いて入力されたデータおよびポートフォリオ収益率算出手段において算出された収益率の取り得る領域を表すデータに基づいて、制約パラメータ入力手段によって入力されたパラメータが指示する所定の制約の下で、購入の対象とする金融商品および購入量を導出する最適ポートフォリオ求解手段と、最適ポートフォリオ求解手段において導出されたポートフォリオが所定の制約を満たしているかを判定する制約条件判定手段と、最適ポートフォリオ求解手段において導出したポートフォリオを出力する最適ポートフォリオ出力手段から構成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記ポートフォリオ収益率算出手段において、個別の銘柄の収益率および収益の変動因子からポートフォリオの収益率の最大値および最小値を出力すること、または、算出したポートフォリオの情報に基づいてポートフォリオの収益率の最大値または最小値を更新することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記最適ポートフォリオ求解手段において、購入の対象とする金融商品および該金融商品の購入量を決定する際の前処理として、入力の項目の属性に応じて目的関数を分割することと、制約パラメータの属性に応じて制約パラメータの行列を分割することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記制約条件判定手段において、最適ポートフォリオ求解手段において導出したポートフォリオが、所定のリスク条件を満たしているかどうかを判定し、満たしていない場合には、ポートフォリオの収益率の最小値または最大値を、最小値より大きく最大値より小さい値に更新することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、サーバと複数のクライアント計算機をネットワークで結ぶ最適ポートフォリオ回答システムにおいて、前記サーバは、個々の金融商品の収益率の期待値、収益に影響を及ぼす金融商品独自の要因である個別変動因子、金融商品全体の収益に影響する要因である共通変動因子、及び金融商品全体の収益率と収益に影響を及ぼすリスクから構成される目的関数を最適にするための制約条件を構成する制約パラメータをそれぞれ格納するデータベースと、各データベースからのデータを入力し前記目的関数を最大化するように購入する金融商品およびその購入量を導出する中央演算処理装置を備え、前記クライアント計算機から要求された収益率又はリスクに基づいて、前記中央演算処理装置で導出した金融商品およびその購入量を、要求のあったクライアント計算機に送信するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の最適ポートフォリオ決定方式は、機関投資家または一般投資家が計算機を用い、線形計画法または二次計画法などに代表される数理計画法によって行なう。すなわち、収益を極大化し、収益を変動させる要因を表すリスクを極小化できるように、複数の金融商品の中から購入の対象とする金融商品および購入量を決定するである。以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
購入の対象とする金融商品の集合を複数の株式(東証一部上場全体等)としたポートフォリオ選択を例にする。この選択問題は、目的関数を各株式の期待収益率と投資割合の積を乗じたものの総和で表わされる収益率と、株式全体の時価総額に対する個別銘柄の占める時価の割合を示すベンチマーク比率と、個別銘柄の投資比率との乖離度で表わされるアクティブリスクにリスク回避度を乗じた値の和である。式(1)の効用関数で表される。
U=α−λ(h−hG(h−h)  …(1)
ここで、αは個別銘柄の期待収益率を要素とするベクトル、λは投資家が持っているリスク回避度で、リスクの回避を優先する場合にはλを大きくし、ポートフォリオ全体の収益増大を優先する場合にはλを小さくする。hは個別銘柄の投資比率を要素とするベクトル、hはベンチマーク比率を要素とするベクトル、Gは個別銘柄の収益率間の共分散を要素とする行列である。
【0015】
式(1)の効用関数で、制約式として式(2)〜(4)を考慮する場合を例にして説明する。eは全ての要素が1のベクトル、Riskは(h−hG(h−h)を意味する。
=1(全体の投資割合が1)              …(2)
≧0(空売り禁止の制約)                   …(3)
Risk_LO ≦ Risk≦ Risk_UP(リスクの上下限制約)…(4)
このような効用関数の設定方法は、文献「R.C.グリノルド、R.N.カーン著、アクティブ・ポートフォリオ・マネジメント、東洋経済新報社、P81−P87(引例3)」にも紹介されている。
【0016】
平均分散モデルにおいては、式(1)の効用関数を目的関数として最適化手法を適用する。しかし、平均分散モデルでは、東証一部上場銘柄1500個を計算対象とした場合、個別銘柄の収益率間の共分散の値2250000個が目的関数に入り込んでくる。このような目的関数をもつ最適化問題を解こうとした場合、膨大な時間がかかることが予測されるため、平均分散モデルによるポートフォリオ選択問題に対するアプローチは現実的ではない。
【0017】
上記の平均分散モデルの問題点を解決するために用いられているモデルがマルチファクタモデルである。マルチファクタモデルは、個別銘柄の収益率を、銘柄全体の収益率に影響する共通因子と個別銘柄独自の要因で変動する因子により、式(5)で表す。
α=γ+Σβjk+ε        …(5)
ここで、βjkは共通因子kの要因Fが1単位変化したときに、個別銘柄jの収益率に及ぼす影響を表すパラメータでファクタエクスポージャと呼ばれている。例えば、共通因子kを円ドル為替レートとした場合、Fは1ドル=123円ならば123を割り当てる。また、1ドル123円が124円に変化した場合に、収益率が0.1%変化するのであれば、βjkは0.1を割り当てるという次第である。式(5)が算出される過程については、引例1のP18−P19に記載されているので詳細は省略する。
【0018】
個別銘柄の収益率の共分散行列Gは式(6)のように表わされることが知られている。
G=BFB+Δ                   (6)
βjkから構成される行列Bと、Fの分散および共分散から構成される行列Fと、銘柄独自の変動要因を意味し、εの分散で表わされるスペシフィックリスクを対角成分に持つ対角行列Δを用いている。
【0019】
式(6)を式(1)に代入し、Bh=yとおくと、式(7)が得られる。
U=α−λ(h−hG(h−h
=α−λh Gh+2λh Gh−λh Gh
=−λh Gh+(α+2λh G)h−λh Gh
=−λh (BFB+Δ)h+(α+2λh G)h−λh Gh
=−λyFy−λh Δh+(α+2λh G)h−λh Gh…(7)
マルチファクタモデルにおいては、式(7)で求めた効用関数を最大化すべき目的関数の対象とする。さらに、マルチファクタモデルでは、Bh=yと置くことによって、新たな変数yが発生すると同時に制約式(2)(3)(4)のほか、式(8)も制約式として考慮する。
Bh−y=0          …(8)
本発明においては、共分散行列Gが式(6)で示す形式以外の場合においても、実施は可能である。以下、マルチファクタモデルにおける最適ポートフォリオ決定に関する実施例を説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施例における最適ポートフォリオ決定装置の機能ブロック図を示す。最適ポートフォリオ決定装置は、個別収益率入力手段101と、個別因子入力手段102と、共通因子入力手段103と、制約パラメータ入力手段104を有し、これら入力手段はデータベースで構成される。さらに、ポートフォリオ収益率算出手段105と、最適ポートフォリオ求解手段106と、制約条件判定手段107と、最適ポートフォリオ表示手段108とから構成される。
【0021】
個別収益率入力手段101は、個別銘柄の収益率の期待値に関する情報を入力する。図2に個別銘柄の期待収益率を示す。データの一例は、個別銘柄1401個に関するものであり、現在の株価が割安かどうかを過去のデータ等に基づいて推定した収益率の期待値に関する情報が入力されている。
【0022】
個別因子入力手段102は、個別銘柄の収益率の変動要因が銘柄独自の要因で説明できるスペシフィックリスク、時価の総額に対する個別銘柄の時価占有率を表すベンチマーク比率、個別銘柄の収益率の期待値を表す期待収益率等の情報を入力する。図3に個別銘柄に関する情報を示す。データの一例は、個別銘柄1401個に関するものであり、スペシフィックリスク、ベンチマーク比率のほか、各個別銘柄が属する業種(電気機器業、輸送用機器、銀行業等)コードが入力されている。
【0023】
共通因子入力手段103は、銘柄全体の収益率に影響を及ぼす共通の因子(以下、共通因子と称する)において、2つの共通因子間の共分散に関する情報を入力する。図4に2つの共通因子間の共分散に関する情報を示す。データの一例は、共通因子13個に関するもので、13×13個のデータが入力されている。因子1と因子2の共分散はマイナスとなっているが、これは因子1の値が大きくなる事象が発生した場合に、因子2の値が小さくなる可能性が大きいことを示す。逆に、因子1と因子3の共分散などのようにプラスの値が入っている場合は、因子1の値が大きくなる事象が発生した場合には、因子2の値も大きくなる可能性が大きいことを示す。
【0024】
制約パラメータ入力手段104は、図4で説明した銘柄全体の収益率に影響を及ぼす共通因子が変化したときのファクタエクスポージャなどで表される制約パラメータを入力する。具体的には、各銘柄の収益率にどのように影響するかを表すファクタエクスポージャに関するデータ、各銘柄が属する業種群(複数の業種をグループ化)への投資比率制約に関するデータ、リスクに関する制約等のデータ等が入力の対象となる。本発明で導出されるポートフォリオは、制約パラメータ入力手段が指示する制約条件の下で、式(7)などで表される効用関数を最大化するものである。
【0025】
図5に制約パラメータのファクタエクスポージャの一例を示す。共通因子13個および銘柄1401個に関するものであり、13×1401個のデータが入力される。例えば、因子1の値が大きくなった場合に、銘柄1〜3、銘柄5〜8、銘柄10、……、銘柄1401のようにファクタエクスポージャの値がマイナスとなっている銘柄においては、収益率は減少する方向に作用する。逆に、銘柄4、銘柄9、………のようにファクタエクスポージャの値がプラスとなっている銘柄においては、収益率は増大する方向に作用する。
【0026】
一方、特定の銘柄に着目した場合、例えば、銘柄1においては、因子1、因子2等のようにマイナスの値が大きくなった場合には、収益率を減少させる方向に作用する。また、因子3、因子13などのようにプラスの値が大きくなった場合には、収益率を増大させる方向に作用する。
【0027】
図6は制約パラメータの業種群への投資比率を示す。データの一例は、各銘柄を5つの業種群(少なくとも一つ以上の業種から構成される集合)に分類したときに、各々の業種群への投資比率に関する制約を示したものである。例えば業種群3に属する銘柄への投資比率は0.2(=20%)とすることを意味する。このデータは業種群への投資比率の制約を考慮する場合にのみ、制約パラメータデータベース104に入力される。なお、投資比率の制約は0.15以上0.25以下という具合に不等式で入力することも可能である。
【0028】
ポートフォリオ収益率算出手段105は、ポートフォリオを求解する際の制約としてリスクに関する制約式(4)を含む場合に、ポートフォリオの収益率の最大値および最小値を計算する。さらに、最大値より小さく、最小値より大きい収益率を1つ特定し、この値を収益率の制約式とする。すなわち、リスクに関する制約式(4)が二次式であるため、一次式である収益率の制約式として取り扱えるようにするための前処理である。
【0029】
なお、特に図示していないが、リスクに関する制約に関しても上限値および下限値を与えることができる。具体的には、式(4)におけるRisk_LOおよびRisk_UPの値をそれぞれ(4.95、5.95)あるいは(7.95、8.95)などと与えるようにする。
【0030】
最適ポートフォリオ求解手段106は、各入力手段(データベース)101〜104に入力された情報およびポートフォリオ収益率算出手段105において得られた収益率の制約値に基づいて、購入対象とする株式および購入比率を導出する。求解手段106においては、最適なポートフォリオ割り当てを導出する方法に関して工夫を施しているが、これについては後述する。
【0031】
制約条件判定手段107は、最適ポートフォリオ求解手段106が導出したポートフォリオが、リスクに関する制約式(4)を満たしているかどうかを判定する。制約式(4)を満たしていれば、現在得ているポートフォリオを最適解とし、満たしていなければポートフォリオの収益率の最大値および最小値を更新する。具体的な方法の詳細については、後述する。
【0032】
最適ポートフォリオ表示手段108は、最適ポートフォリオ求解手段106で導出し、さらに、制約条件判定手段107においてリスクに関する制約を満たしていると判定されたポートフォリオを意味する、購入対象の株式および購入比率等に関する情報を出力する。
【0033】
次に、ポートフォリオ収益率算出手段105において、最適ポートフォリオ求解手段106の前処理として実施する処理の内容について説明する。
【0034】
図7は、効率的フロンティア曲線の形状を示したものである。収益率が等しい2つのポートフォリオにおいては、リスクが小さければ小さいほど投資家の効用が大きく、リスクが等しい2つのポートフォリオにおいては、収益率が大きければ大きいほど投資家の効用が大きい。この事実に立脚して、効率的フロンティアとは、構築可能なポートフォリオの集合の部分集合で、投資家の効用が最大となる可能性を持つポートフォリオの集合を意味する。そして、図7に示すように、リスク回避度λが小さい場合には、ハイリスクハイリターン型のポートフォリオが、λが大きい場合には、ローリスクローリターン型のポートフォリオがそれぞれ得られる。
【0035】
次に、ポートフォリオ選択問題において、リスクの制約が存在する場合を想定し、リスクの制約がポートフォリオの最適解に及ぼす作用について説明する。図8に効率的フロンティア曲線とリスクの制約との関係を示す。効率的フロンティア曲線が示すように、リスクとリターンは、リスクを小さくするにはリターンも小さくなってしまい、逆にリターンを大きくするにはリスクも大きくなってしまうというトレードオフの関係にある。言い換えればリスクとリターンは1対1に対応している。
【0036】
図8に示すように、リスクの制約をRk1以上Rk2以下に設定する場合には、収益率の値がRt1以上Rt2以下になっていればよいことがわかる。従って、収益率の値の領域を、所定のリスクの制約を満たすポートフォリオが得られるまで、最適化手法の適用によって逐次低減すればよいことがわかる。なお、収益率の領域を低減する際に最適化手法を適用する理由は、リスクとリターンの厳密な関係については最適化手法を適用しないと認識できないためである。
【0037】
以上の事実を考慮して、最適ポートフォリオ決定のアルゴリズムを設計した。図9は最適ポートフォリ決定のアルゴリズムを示すフロー図で、ステップ901からステップ907によって構成される。ステップ901においては、個別収益率データベース、個別因子データベース、共通因子データベースおよび制約パラメータデータベースから、二次計画問題のデータを入力する処理である。ステップ902およびステップ904は、最適ポートフォリオ求解手段106において、最適ポートフォリオを求解する処理に相当する。ステップ903およびステップ906は、ポートフォリオ収益率算出手段105において、収益率の制約値を与える処理に相当する。ステップ905は、制約条件判定手段107において、リスクに関する制約式を満たしているかどうかを判定する。ステップ907は、最適ポートフォリオ表示手段108において、得られた最適解の情報を出力する。以下、ステップ901からステップ907の処理の詳細について説明する。
<ステップ901:最適ポートフォリオ決定問題のデータを入力>
ステップ901においては、最適ポートフォリオ決定問題のデータを入力する。入力されるデータは、図2および図3に示した個別銘柄の属性を示すデータ、図4に示した銘柄全体の収益に影響を及ぼす共通因子間の分散および共分散を示すデータ、図5に示した各共通因子における個別銘柄への収益への影響度を意味するファクタエクスポージャを示すデータである。さらに、リスクの制約を考慮する場合にはリスクの上下限値、収益率の制約を考慮する場合には収益率の上下限値が該当する。なお、投資比率の制約を考慮する場合には、図6に示した業種群への投資比率を意味するデータも二次計画問題のデータに該当するが、投資比率の制約を考慮しない場合には、図6のデータは二次計画問題のデータには該当しない。
<ステップ902:最適ポートフォリオ決定問題でリスクの制約を含むかを判定>
ステップ902においては、最適ポートフォリオ決定問題において、リスクの制約を含むかどうかを判定する。リスクの制約を含む場合には収益率の制約とする最適化問題に変換するため、ステップ903に進む。リスクの制約を含まない場合には、ステップ904に進む。
<ステップ903:収益率の制約値を特定>
ステップ903においては、最適ポートフォリオ決定問題において、収益率の制約値を特定する。収益率の制約値は、有効フロンティア上のポートフォリオ全体の収益率の最大値より小さく、最小値より大きくなければならないが、本実施例においては、最大値と最小値の平均値で与えるものとする。なお、収益率の最大値は個別銘柄の収益率の中で最大の値として、収益率の最小値は個別銘柄の時価占有割合に比例配分したポートフォリオの収益率としてそれぞれ定義することが可能である。
<ステップ904:二次計画法の適用>
ステップ904においては、リスクを制約式として含む場合は、ステップ903またはステップ906で定義された最適ポートフォリオ決定問題に、リスクを制約式として含まない場合は、所与の最適ポートフォリオ決定問題に二次計画法を適用する。二次計画法としては、主双対内点法を用いるものとするが、この詳細については後述する。
<ステップ905:現在得られている解がリスクの制約を満たしているかを判定>
ステップ905においては、現在得られている解がリスクの制約を満たしているかを判定する。満たしていればアルゴリズムの実行を終了し、満たしていなければステップ906に進む。なお、リスクの制約が与えられていない場合には、リスクの制約を満たしているものとして、アルゴリズムの実行を終了する。
<ステップ906:ポートフォリオの収益率の最大値または最小値の更新>
ステップ906においては、ステップ903において算出したポートフォリオの収益率の最大値および最小値のいずれかの値を更新する。現在得られているポートフォリオの値がリスクの制約より小さい場合には、ポートフォリオの最小値を収益率の制約値に更新し、リスクの制約より大きい場合には、ポートフォリオの最大値を収益率の制約値に更新する。また、これに伴って収益率の制約値も最大値より小さく最小値より大きい値に、具体的には最大値と最小値の平均値に更新する。
<ステップ907:得られた最適解の出力>
ステップ907においては、ステップ901からステップ906の処理によって得られた最適解を最適ポートフォリオ表示手段において表示させる。詳細については後述する。
【0038】
次にステップ904における二次計画法の適用の詳細について説明する。最適化問題の解法としては、大規模な問題においても点列の更新回数が少なく、優れた性能を発揮する内点法に準拠した実施例を示すものとするが、有効制約法等の他の解法に準拠した実施の形態も考えられる。
【0039】
最適化問題は、最小化を表す式(9)、制約式を表す式(10)で記述される二次計画問題の標準形に定式化される。
最小化:cx+xQx/2+d   …(9)
制約式:Ax=b、 x≧0     …(10)
ここで、cはN次元ベクトル、QはN次元正方行列、AはM×N次元行列、bはM次元ベクトルである。
【0040】
図10および図11は、式(9)の目的関数および式(10)の制約式において要素が入っている箇所の構造を示す。
【0041】
図10の目的関数においては、目的関数の二次係数を示す行列Q(=2λ(Δ+F))において、左上の対角部分行列Δおよび右下の部分行列Fのみに0以外の要素が入っており、他の部分はすべて0となっている。すなわち、銘柄数および共通因子数をそれぞれ1401個および13個とした場合、0を含む全ての要素約208万個の内、0以外の要素は1600個と全体の0.1%に満たない数である。最適化計算を高速にするためには、この二次係数行列の性質を考慮することが必須である。なお、目的関数の一次係数を示すベクトルc(=−α−2λh G)においては、大半が0以外の要素であるが、二次の係数行列と比較して要素数そのものが少ないために問題にはならない。
【0042】
図11の制約式においては、制約式の左辺に現れる行列Aにおいて、左半分および右上の対角部分のみに0以外の要素が入っている。最適化計算を高速化する際に、このような性質を考慮することが必要である。
【0043】
次に、図10に示す最適化問題において現れる変数hおよびyに着目した時、両者の変数は正でなければならない。しかしながら、共通因子を取り扱うために導入した変数yは、図10に示すように、二次計画問題の制約式(9)に現れる非負制約を満たさない。そのため、図10および図11に示した二次計画問題に対して代表的な解法の一つである内点法を、そのままの形式で適用することができない。内点法を適用できるようにするためには、変数yにおいて、式(11)のように、十分に大きな正の数sを加えることによって、変数が正になるように変換する。なお、式(11)におけるベクトルeは、すべての要素が1のベクトルを意味する。
Y=y+s*e            …(11)
このように変換した後、つまりy=Y−s*eを代入して変形した後の二次計画問題の構造は、図12および図13のようになる。図12および図13と図10および図11との違いは、一次の係数ベクトルの右側が0要素から0以外の要素(c )に変更した点、制約式の右辺ベクトルの上側が0要素から0以外の要素(−s*e)に変更した点など、ベクトル構造の相違にある。しかし、行列の基本構造に関しては違いがないために、計算量への影響は発生しない。
【0044】
つぎに、最適ポートフォリオ求解手段について説明する。まず、最適化問題の解法である内点法の概要について図面を用いて説明する。
【0045】
図14は内点法の全体的な流れおよび概念図を示す。まず、ステップ1401において、初期点を設定する。次に、ステップ1402において、制約条件の違反量ができるだけ小さくなるように探索方向をニュートン法で計算し、点列を更新する。このステップ1402によって、制約領域内の点を探索する。最後に、ステップ1403において、実行可能領域の中で目的関数を最大化する点を探索する。
【0046】
基本的には、主問題(元々の問題)と双対問題(主問題から派生してできた二次計画問題)の目的関数の差が小さくなるように、探索方向をニュートン法で計算し、点列を更新する。このように点列の更新を繰り返して、目的関数の差が0になったときに、最適解が得られる。
【0047】
また、内点法は前述の二次計画問題の最適解をx*としたとき、等式制約および不等式制約(xの非負制約)に対応するy*およびz*を適切に選ぶと、(x、y、z)=(x*、y*、z*)は、以下の非線形方程式を満たすことが知られている。なお、理論的背景に関しては、文献「茨木俊秀、福島雅夫著、FORTRAN77最適化プログラミング、岩波書店、P453−457(引例4)」に記載されているので、詳細については省略する。
【0048】
主問題の制約条件を式(12)、双対問題の制約条件を式(13)、相補性条件を式(14)で表す。
Ax=b         …(12)
y−Qx+z=c …(13)
z=0、x≧0、z≧0  …(14)
二次計画問題を解くためには、上記の非線形方程式の解を求めればよい。内点法では非線形方程式を正の実数μを用いて、相補性条件を式(15)のように変形して、ニュートン法を基本とした手法を用いる。
z=μ、x>0、z>0    …(15)
具体的には、μをある程度の大きい正の数に設定し、非線形方程式を近似的に解き、μを逐次0に近づけながら点列(x,y,z)(k=0,1,2,3,……)を更新することによって、二次計画問題の最適解を求める。
【0049】
実際のプログラムにおいては、μをβ*x /nに設定、解が制約領域外ならばβを1に近い値、制約領域内ならばβを0に近い値として探索方向を制御し、式(16)〜(18)に示すニュートン方程式を解いている。
Adx=−(Ax−b)           …(16)
dy−Qdx+dz=−(A−Qx+z−c)  …(17)
dx+Xdz=−(X−μ*e)
=−{X−(β*x k/n)*e}    …(18)
ニュートン方程式を解いて探索方向を求め、さらに上記制約条件および相補性条件の違反度を減少させ、x>0およびz>0を満たすステップ幅を計算して点列を更新する。なお、式(18)において、XおよびZはそれぞれk番目の反復点のベクトルを対角要素とする対角行列、eは全ての要素が1のベクトルである。
【0050】
以上のことを考慮して設計された二次計画法のアルゴリズムは、図15のようにステップ1501からステップ1510によって構成される。以下、各々のステップにおける処理の詳細について説明する。
<ステップ1501:初期点の設定>
ステップ1501においては、最適解の探索を開始する初期点のデータを設定する。初期点としてはxおよびzに関連する要素を正の値(例えば一律1とするなど)に、yに関連する要素を任意の値(例えば一律0など)に設定する。
<ステップ1502:現在得られている点の相補性条件及び制約条件の違反量計算>
ステップ1502においてはニュートン方程式(16)、(17)の右辺ベクトルおよび制約条件の違反量を示す右辺ベクトルのノルム値、さらに相補性条件(14)の左辺の値xzの値を計算する。
【0051】
ニュートン方程式(16)の右辺ベクトルは、図16に示すようにブロック化して計算を実施する。図16に示す計算においては、係数行列Aの右半分の大半の要素が0であることを利用しているため、図16の右辺のようになる。
【0052】
また、ニュートン方程式(17)の右辺ベクトルは、図17に示すようにブロック化して計算を実施する。図14に示す計算においては、係数行列Aの下半分の大半の要素が0であること、さらに係数行列Qの左上の対角部分および右下の部分のみに0以外の要素が現れることを利用している。この結果、図17の右辺のようになることがわかる。なお、図16および図17は、業種群の投資比率制約を考慮する場合の行列のブロック図を示しているが、業種群の投資比率を考慮しない場合においては、Aの部分が存在しなくなる。
<ステップ1503:相補性条件および制約条件の違反量が所定値以下かどうかをチェック>
ステップ1503においては、現在得られている反復点において、制約条件の違反量および相補性条件が許容誤差範囲内かどうかを判定する。具体的には、制約条件(12)、(13)および相補性条件(14)を満たしているかどうかを判定する。実際の計算機上における演算においては、近似的に式(12)、(13)、(14)を満たしているかどうかを判定している。相補性条件(14)について示すと、式(14)’のようになる。
||xz|| <ε          (14)’
εに十分0に近い値(例えば10−10など)を持つ不等式を最適性の判別に用いる。
<ステップ1504:μの値を計算>
ステップ1504においては、ニュートン方程式(15)に関連するμの値を計算する。具体的には式(18)に示している(β*x   /n)をμの値に設定している。なお、現在の反復点が制約条件(12)を満たしていない場合には、制約条件(12)を満たす反復点を探索するために、βの値を1に近い値(例えば0.99など)に設定する。制約条件(12)を満たしている場合には、最適解を探索するために、βの値を0に近い値(例えば0.01など)に設定する。このようなβの設定方法は、図14で示したステップ1402およびステップ1403の処理にそれぞれ対応している。
<ステップ1505:ニュートン方程式(18)の右辺ベクトルを計算>
ステップ1505においては、ニュートン方程式(18)の右辺のベクトルを計算する。
<ステップ1506:連立方程式(16)(17)(18)を求解>
ステップ1506においては、ニュートン方程式(16)(17)(18)を解いて現在の反復点の探索方向(dx、dy、dz)を求める。連立方程式を解く際には、以下の式(19)、(20)、(21)に基づいて、dy、dx、dzの順に解を求める。
A(Q+X−1Z)−1dy=−g(x)−A(Q+X−1Z)−1(g(y)−X−1g(z))…(19)
(Q+X−1Z)−1dx=−g(y)+X−1g(z)−A dy        …(20)
dz=X−1g(z)−X−1Z dx                 …(21)
ここで、g(x)、g(y)、g(z)はそれぞれステップ1503およびステップ1504で求めた−(b−Ax)、−(A−Qx+z−c)、−{X−(βx /n)*e}に相当する。
【0053】
式(19)(20)(21)において、XおよびZは、それぞれxおよびzを対角要素に持つ対角行列である。
【0054】
式(19)を解く際には、行列をブロック化して処理を行うが、処理内容は複雑であるために、図18から図21の図面を用いて説明する。なお、図面においては、業種群の制約を考慮する場合について示しているが、業種群の制約を考慮しない場合については、Aに関連する部分行列が計算対象から除外され、それ以外は全く同一である。
【0055】
式(19)を解くにあたっては、まず、Q+X−1Zの逆行列を求める必要がある。行列Q+X−1Zの次元数は、個別銘柄および共通因子の数をそれぞれ(N,K)とする。図2および図4の例においては、N=1401、K=13で、N+K=1414である。
【0056】
図18に示すように、行列Qと要素が入っている構造は同一であり、左上の対角部分と右下の部分に0以外の要素が存在する。従って、Q+X−1Zの逆行列(Q+X−1Z)−1を求めるにあたっては、このような行列構造を考慮して4つの部分行列に分割する。
【0057】
図の左上部分に関しては単に逆数を計算するだけでよく、右下部分についてのみ三角分解法などの逆行列演算ルーチンを適用すればよい。従って、逆行列演算ルーチンを適用する行列の次元数はK(図2および図3の例では13)となる。一般に、逆行列の演算時間は行列の次元数の3乗に比例するので、K=13の場合には、演算時間が(14/1414)*(14/1414)*(14/1414)より約百万分の一になることがわかる。また、0要素であるかどうかの判別をしなくて済むだけでも大幅に処理時間を短縮することができる。
【0058】
このように、本実施例では、最適ポートフォリオを求解するための前処理として、前記目的関数に現れる係数行列を、個別変動因子に関連する第1の部分行列と共通変動因子に関連する第2の部分行列に分割する。第1の部分行列は選択し得る金融商品の数に対応して対角成分の部分に要素を持つ対角行列、第2の部分行列は共通変動因子と共通変動因子の積を次元とする行列を用いている。
【0059】
上記のように(Q+X−1Z)−1を求めた後には、行列Aと(Q+X−1Z)−1の積を求める。ニュートン方程式(19)におけるそれぞれの行列の要素構造は、図19のようになっている。図19においても、図16および図17と同様に、係数行列Aの下半分の大半が0であること、係数行列Qの左上の対角部分および右下の部分のみに0以外の要素が入ることなどを考慮して計算を実施する。
【0060】
すなわち、行列Aは業種群の制約を考慮する場合には6つの部分行列に、業種群の制約を考慮しない場合には4つの部分行列にそれぞれ分割する。行列Aの分割処理は、業種群の制約を考慮する場合と業種群の制約を考慮しない場合とがある。
【0061】
業種群の制約を考慮しない場合は、前処理として、制約パラメータから構成される行列Aを金融商品及び共通変動因子に関連する部分行列と、共通変動因子に関連する部分行列と、金融商品及びその購入量に関連する部分行列に分割する。また、業種群の制約を考慮する場合は、前処理として行列Aを次のように分割する。すなわち、金融商品及び共通変動因子に関連する部分行列と、共通変動因子に関連する部分行列と、金融商品及びその購入量に関連する部分行列と、金融商品を複数の群に分割した場合における各群の購入量に関連する部分行列に分割する。
【0062】
また、行列Aの構造の特徴は、業種群の制約を考慮する場合と業種群の制約を考慮しない場合がある。業種群の制約を考慮しない場合は、金融商品及び共通変動因子に関連する部分行列が金融商品と共通変動因子の積を次元とする行列である。さらに、共通変動因子に関連する部分行列が共通変動因子の数に対応して対角成分の部分に要素をもつ対角行列で、金融商品の購入量の制約に関連する部分行列が金融商品の数に対応して対角成分の部分に要素をもつ対角行列である。また、業種群の制約を考慮する場合は、考慮しない場合に加えて、金融商品の属する群の購入量の制約に関連する部分行列が群の数と金融商品の積を次元とする行列となる。
【0063】
行列(Q+X−1Z)は前述と同様に4つの部分行列に分割する。また、A×(Q+X−1Z)−1は図19より左辺と右辺に現れているため、行列の積を求めた後の行列の要素構造は図20のようになる。図20は行列A×(Q+X−1Z)−1においては、右下部分が0になっていることを示している。
【0064】
さらに、A×(Q+X−1Z)−1×A等を計算した後の行列の要素構造は図21のようになる。図21においては、全ての要素が0以外の要素になっているものの、行列のサイズは13×13次元であり、計算に要する時間は小さい。図21のように左辺および右辺における行列およびベクトルの演算処理を実施した後に、ガウスの消去法によって連立方程式を解き、得られた解をdyとする。この後は、dyを式(20)に代入して、同様の行列処理によってdxを、さらにdxを式(21)に代入してdzを求める。
【0065】
図19から図21における一連の行列処理により、0要素の計算あるいは0要素であるかどうかの判別(非零要素のみの計算)といった不必要な手間が省かれている。また、その結果として、(N+K)次の正方行列を直接取り扱わないですみ、さらに逆行列の演算およびガウスの消去法による適用時の行列のサイズが小さくてすむ。
<ステップ1507:ステップ幅の計算>
ステップ1507においては、現在の反復点における更新の度合を示すステップ幅を計算する。ステップ幅の計算方法は式(22)、(23)を満足する全てのdxの要素、dzの要素が対象である。
α=min(−x/dx)、dx<0   …(22)
α=min(−z/dz)、dz<0   …(23)
式(22),(23)に示すように、内点法の実行にあたっては、非負制約の対象となっている変数xおよびzの値が正になるようにして点列を更新する。
<ステップ1508:反復点の更新>
ステップ1508においては、ステップ1506およびステップ1507において計算した探索方向(dx,dy,dz)およびステップ幅(αp,α)に基づいて現在の反復点を更新する。更新は式(24)、(25)、(26)で行う。
k+1=x+αdx             …(24)
k+1=y+αdy             …(25)
k+1=z+αdz             …(26)
<ステップ1509:現在の反復点を最適解に設定>
ステップ1509においては、更新後の反復点が最適性の条件(12)(13)(14)を満たしていることが分かっているため、この反復点を最適解に設定する。これら反復点に関連する情報は、最適ポートフォリオ表示手段108において表示される。
【0066】
次に、最適ポートフォリオ求解手段106において求解された最適ポートフォリオに関する情報を、最適ポートフォリオ出力手段108において出力する実施例を説明する。図22は、千数百銘柄を計算の対象とした場合における出力例であり、リスクの制約を4.95以上5.05以下に設定して場合の出力結果を示す。
【0067】
図22では、銘柄番号および投資比率のほか、業種コード、業種セクタ、ベンチマーク比率、期待収益率に関するデータを表示している。(a)は投資比率が正、つまり投資の対象となっている個別銘柄183個の情報を投資比率の大きい順に表示しており、ベンチマーク比率および期待収益率のカッコ内はすべての投資対象1401銘柄の(比率0のものを含む)中における順位を示している。すなわち、銘柄146はベンチマーク比率が最も大きいことを、期待収益率は897番目(すなわち、中央値よりも低い)例えば、銘柄番号が146、877、1321等はベンチマーク比率が比較的大きいためリスクの極小化を指向して選択されていることを示している。逆に、銘柄1328、565、794等は収益率の極大化を指向して選択されていることを示している。また、(b)は最適ポートフォリオにおける投資対象の銘柄数、収益率、およびリスクに関する情報を示し、個別銘柄の情報と共に出力される。
【0068】
図23に、リスクの制約を4.95以上5.05以下から7.95以上8.05以下に変更した場合の出力結果を示す。図22と図23を比較すると、ベンチマーク比率最大の銘柄146の投資比率が8.8%から8.6%に減少しており、逆に収益率最大の銘柄1328の投資比率が6.5%から11.0%に増加している。これより、リスクの許容値を大きくすることにより、高収益なポートフォリオが求まったことを示している。また、投資対象の銘柄数も図22の183個から107個に減少している。図22ではリスクの低減を指向するために、投資対象が分散されていたのに対して、図23では高収益を指向するために、収益率が比較的高い投資対象に偏っていることを示している。
【0069】
図24に最適ポートフォリオに関する別の表示を示す。図24は図22と同一の結果を示したものであり、図示のように、個別銘柄の情報において、投資比率および銘柄番号以外には、業種コードおよび業種セクタに限定するなど、特定の項目のみを出力している。なお、投資比率だけではなく、図5に示した個別銘柄の共通因子に関するパラメータを表示して、共通因子と投資比率との関連が分かるように出力することも可能である。
【0070】
図25はポートフォリオが更新される様子を示した説明図である。最適ポートフォリオ出力手段108において、リスクの制約を含む最適ポートフォリオ決定問題の求解の状況を示している。図示している番号▲1▼▲2▼▲3▼………は本発明による逐次的な最適化計算を実施した際に得られたポートフォリオのリスクおよびリターンを順次プロットしたもので、最適ポートフォリオ表示手段108により出力される。
【0071】
図において、実線で記した曲線は効率的フロンティア曲線に相当し、リスク(=トラッキングエラー)の制約として4.9%以上5.1%以下であることを要求している。図示のように、所望のリスクの制約を満たす最適なポートフォリオを求めるまでに最適化手法が7回適用されたことを示しており、また収益率の領域に関しても最適化計算の実施毎に短縮されていることが分かる。このことは、制約条件判定手段107において、リスクの制約を満たしているかが、7回判定されたことを意味する。
【0072】
また、図25において、特定の点(例えば▲1▼▲2▼………▲6▼で示した番号または最適点)をマウスなどでシングルクリックした場合には、図22(b)に示したポートフォリオ全体の収益率およびリスクに関する情報が表示される。さらにダブルクリックした場合には図22(a)または図23に示した個別銘柄に関する情報が表示される。
【0073】
図26は、本発明による最適ポートフォリオ回答システムの構成の一例を示している。最適ポートフォリオを計算して、各々の顧客に提示するための計算機装置はパソコンによって構成されている。最適ポートフォリオを求めるにあたっては、個別の銘柄に関する情報および個別の銘柄の収益に影響を及ぼすパラメータの情報などを記憶するデータベースが必要である。また、これらのデータベースに基づいてシミュレーションを行い、各々の顧客にシミュレーション結果を表示するためのアプリケーションソフトが必要である。
【0074】
図26において、顧客の複数のクライアント計算機はコンピュータネットワークに接続されている。クライアントは収益率及び/又はリスクを送信して、最適ポートフォリオの回答をサーバに要求する。ホスト側のサーバには、上記のデータベースを構築するためのアプリケーションがインストールされており、サーバに接続されている4つのデータベースが記憶されている。すなわち、個々の金融商品の収益率の期待値、金融商品全体の収益に影響する要因である共通変動因子、及び金融商品全体の収益に影響する要因である共通変動因子を格納している。さらに、金融商品全体の収益率と収益に影響を及ぼすリスクから構成される目的関数を最適にするための制約条件を構成する制約パラメータを格納している。なお、収益率やリスクはクライアントから受信したデータにより設定される。
【0075】
中央演算処理装置は、最適化ポートフォリオの計算を行うためのアプリケーションソフトとユーザにシミュレーションの結果を表示するプログラムとがインストールされている。そして、4つのデータベースから入力されたデータに基いて最適ポートフォリオを計算するシミュレーションを実施する。中央演算処理装置において計算された最適ポートフォリオに関するデータは、計算機ネットワークを介して、顧客側のクライアント計算機に転送される。
【0076】
顧客側のクライアント計算機においては、サーバ側の計算機によって計算された最適ポートフォリオに関する情報を受信して、最適ポートフォリオを表示する。表示される最適ポートフォリオの形式は図22から図25に示したように、個別銘柄に関する情報およびポートフォリオ全体の収益率およびリスク、さらには有効フロンティア曲線の形状およびプロットに対応するポートフォリオの情報などを表示する。なお、クライアント計算機においては、最適ポートフォリオを表示するためのアプリケーションプログラムおよび顧客にとっての最適化指針に関するデータを入力するためのアプリケーションプログラムがインストールされていればよい。
【0077】
かくして、本発明の最適ポートフォリオ決定装置のシステム構成を構築することにより、サーバがクライアントからの要求に基づき最適ポートフォリオの決定を行なって、クライアントへ応答するビジネスが可能になる。
【0078】
以上のように、本実施例のポートフォリオ決定方法および装置によれば、顧客の資金を預かって株式等に投資するファンドマネージャ等が、リスクおよびリターンから構成される投資家の効用を最適化する。そして、購入の対象とする個別銘柄の株式等の金融商品および購入量を決定する際に、効率的に実施することが可能になる。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、購入の対象とする個別銘柄の株式等の金融商品および購入量を決定する際に、最適ポートフォリオを効率的に決定できる効果がある。特に二次の制約であるリスクの制約を包含する場合においても、本発明による二次計画法を逐次解く手法は、一層効率的である。
【0080】
従来の購入対象の決定では、個別の投資対象の収益性等を示すパラメータを、回帰分析等の統計処理を複数回実施して推定し、二次計画問題などで定式化された数理計画問題を何度も解く必要があった。このため、本発明を用いることにより、最適ポートフォリオを計算する時間の短縮効果は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の最適ポートフォリオ決定装置の構成を示すブロック図。
【図2】個別収益率データベースに入力されるデータ形式の説明図。
【図3】個別因子データベースに入力されるデータ形式の説明図。
【図4】共通因子データベースに入力されるデータ形式の説明図。
【図5】制約パラメータデータベースに入力されるデータ形式の説明図。
【図6】制約パラメータのデータ形式の例を示す説明図。
【図7】投資可能集合と効率的フロンティア曲線との関係を示す説明図。
【図8】効率的フロンティア曲線およびポートフォリオの収益率の領域を示す説明図。
【図9】ポートフォリオ決定の概要を示すフローチャート。
【図10】定式化した二次計画問題の目的関数の形式の一例を示す説明図。
【図11】定式化した二次計画問題の制約式の形式の一例を示す説明図。
【図12】定式化後、所定形式に変換した二次計画問題の目的関数の形式の一例を示す説明図。
【図13】定式化後、所定形式に変換した二次計画問題の制約式の形式の一例を示す説明図。
【図14】対象としている二次計画問題の解法の概要を示すフローチャート。
【図15】対象としている二次計画問題の解法の詳細を示すフローチャート。
【図16】制約条件の違反量の計算方法を示す第1の説明図。
【図17】制約条件の違反量の計算方法を示す第2の説明図。
【図18】ニュートン方程式の解を算出する方法を示す第1の説明図。
【図19】ニュートン方程式の解を算出する方法を示す第2の説明図。
【図20】ニュートン方程式の解を算出する方法を示す第3の説明図。
【図21】ニュートン方程式の解を算出する方法を示す第4の説明図。
【図22】最適ポートフォリオの出力形式を示す第1の説明図。
【図23】最適ポートフォリオの出力形式を示す第2の説明図。
【図24】最適ポートフォリオの出力形式を示す第3の説明図。
【図25】最適ポートフォリオの出力形式を示す第4の説明図。
【図26】最適ポートフォリオ決定装置のシステムの一例を示す構成図。
【符号の説明】
101…個別収益率入力手段、102…個別因子入力手段、103…共通因子入力手段、104…制約パラメータ入力手段、105…ポートフォリオ収益率算出手段、106…最適ポートフォリオ求解手段、107…制約条件判定手段、108…最適ポートフォリオ表示手段。

Claims (13)

  1. 複数の金融商品全体の収益率と収益に影響を及ぼすリスクから構成される目的関数を最適にするように、複数の金融商品の中から各々の金融商品の購入量を決定する最適ポートフォリオ決定方法において、
    個々の金融商品の収益率の期待値と、収益に影響を及ぼす金融商品独自の要因である個別変動因子と、金融商品全体の収益に影響する要因である共通変動因子と、金融商品全体の収益率と収益に影響を及ぼすリスクから構成される目的関数を最適にするための制約条件を構成する制約パラメータを入力する入力ステップと、入力されたデータに基づいて前記目的関数を最大化するように購入する金融商品およびその購入量を導出する求解ステップと、前記求解ステップにおいて導出した購入する金融商品およびその購入量が所定の制約を満足するかを判定する判定ステップとを有することを特徴とする最適ポートフォリオ決定方法。
  2. 請求項1において、
    前記求解ステップの前処理として、前記リスクの制約を含む場合に、該リスクの制約を収益率の制約に変換して処理することを特徴とする最適ポートフォリオ決定方法。
  3. 請求項2において、
    前記リスクの制約を収益率の制約に変換して処理する際に、ポートフォリオの収益率の最大値と最小値の中間の値を、収益率の制約値として取り扱うことを特徴とする最適ポートフォリオ決定方法。
  4. 請求項1において、
    前記判定ステップにおいて、所定の制約がリスクの制約であることを特徴とする最適ポートフォリオ決定方法。
  5. 請求項1において、
    前記求解ステップの前処理として、前記目的関数に現れる係数行列を、金融商品の個別変動因子に関連する部分行列と共通変動因子に関連する部分行列に分割して処理することを特徴とする最適ポートフォリオ決定方法。
  6. 請求項1において、
    前記求解ステップの前処理として、前記制約パラメータから構成される行列を、前記金融商品および前記共通変動因子に関連する部分行列と、前記共通変動因子に関連する部分行列と、前記金融商品およびその購入量に関連する部分行列に分割して処理することを特徴とする最適ポートフォリオ決定方法。
  7. 請求項6において、
    前記金融商品および共通変動因子に関連する部分行列が、前記金融商品と前記共通変動因子の積を次元とする行列であることを特徴とする最適ポートフォリオ決定方法。
  8. 請求項7において、
    前記求解ステップの前処理として、前記制約パラメータから構成される行列を、前記金融商品および前記共通変動因子に関連する部分行列と、前記共通変動因子に関連する部分行列と、前記金融商品およびその購入量に関連する部分行列と、前記金融商品を複数の群に分割した場合における各群の購入量に関連する部分行列に分解して処理することを特徴とする最適ポートフォリオ決定方法。
  9. 請求項1において、
    前記購入する金融商品およびその購入量に関し、前記目的関数を構成する収益変動を示すリスクと収益率を出力する表示ステップを有することを特徴とする最適ポートフォリオ決定方法。
  10. 計算機装置を有し、複数の金融商品全体の収益率と収益に影響を及ぼすリスクから構成される目的関数を最適にするように、複数の金融商品の中から各々の金融商品の購入量を決定する最適ポートフォリオ決定装置において、
    前記計算機装置は、個々の金融商品の収益率の期待値、収益に影響を及ぼす金融商品独自の要因である個別変動因子、金融商品全体の収益に影響する要因である共通変動因子、及び金融商品全体の収益率と収益に影響を及ぼすリスクから構成される目的関数を最適にするための制約条件を構成する制約パラメータを格納する記憶装置と、前記記憶装置に格納されたデータに基づいて前記目的関数を最大化するように購入する金融商品およびその購入量を導出する最適ポートフォリオ求解装置と、該決定された最適ポートフォリオを出力する表示装置を備えることを特徴とする最適ポートフォリオ決定装置。
  11. サーバと複数のクライアント計算機をネットワークで結ぶ最適ポートフォリオ回答システムにおいて、
    前記サーバは、個々の金融商品の収益率の期待値、収益に影響を及ぼす金融商品独自の要因である個別変動因子、金融商品全体の収益に影響する要因である共通変動因子、及び金融商品全体の収益率と収益に影響を及ぼすリスクから構成される目的関数を最適にするための制約条件を構成する制約パラメータをそれぞれ格納するデータベースと、各データベースからのデータを入力し前記目的関数を最大化するように購入する金融商品およびその購入量を導出する中央演算処理装置を備え、
    前記クライアント計算機から要求された収益率又はリスクの制約に基づいて、前記中央演算処理装置で導出した金融商品およびその購入量を、要求のあったクライアント計算機に送信するように構成されていることを特徴とする最適ポートフォリオ回答システム。
  12. 計算機により読み取り可能なプログラムであって、
    請求項1に記載の入力ステップ及び求解ステップを有する最適ポートフォリオ決定プログラム。
  13. 計算機によって読み取り可能なプログラムを記憶する記憶媒体であって、
    請求項1に記載の入力ステップ及び求解ステップを計算機上で実行するためのプログラムとして記憶する最適ポートフォリオ決定記憶媒体。
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