JP2004004599A - Light diffusion sheet and backlight unit using the same - Google Patents

Light diffusion sheet and backlight unit using the same Download PDF

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a light diffusion sheet which is capable of enhancing heat resistance, thermal dimensional stability and weather resistance while retaining transparency and which is less liable to sag, yellowing or the like, even under heat generated by a lamp or ultraviolet ray irradiation, and to provide a backlight unit which reduces luminance nonuniformity by using the light diffusion sheet. <P>SOLUTION: A light diffusion sheet 1 is provided with a transparent base layer 2 and a light diffusion layer 3 stacked on the front surface of the base layer 2. The light diffusion layer 3 contains a light diffusion agent 5 in its binder 4. The binder 4 is formed of a polymeric composition containing polyol and a minute inorganic filler, and has 50-80°C glass transition temperature. The average particle size of the minute inorganic filler is 5 nm to 50 nm. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過光線を拡散させる機能を有し、特に液晶表示装置のバックライトユニットに好適な光拡散シート及びこの光拡散シートを用いたバックライトユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にエッジライト型、直下型等のバックライトユニットが装備されている。かかるエッジライト型のバックライトユニット20は、基本的には図3(a)に示すように、光源としての線状のランプ21と、ランプ21に端部が沿うように配置される方形板状の導光板22と、導光板22の表面側に配設される光拡散シート23と、光拡散シート23の表面側に配設されるプリズムシート24とを備えている。
【0003】
このバックライトユニット20の機能を説明すると、まずランプ21より導光板22に入射した光線は、導光板22裏面の反射ドット又は反射シート(図示していない)で反射され、導光板22表面から出射される。導光板22から出射した光線は光拡散シート23に入射し、光拡散シート23で拡散され、光拡散シート23表面より出射される。その後、光拡散シート23から出射された光線は、プリズムシート24に入射し、プリズムシート24表面に形成されたプリズム部24aによって略法線方向にピークを示す分布の光線として出射される。
【0004】
このように、ランプ21から出射された光線が、光拡散シート23によって拡散され、またプリズムシート24によって略法線方向にピークを示すように屈折され、さらに表面側の液晶層(図示していない)全面を照明するものである。なお、図示していないが、上述のプリズムシート24の集光特性の緩和やプリズム部24aの保護又は偏光板等の液晶パネルとプリズムシート24とのスティッキングの防止を目的として、プリズムシート24の表面側にさらに光拡散シートが配設されている。
【0005】
上記バックライトユニット20に備える光拡散シート23は、一般的には図3(b)に示すように、合成樹脂製の透明な基材層26と、この基材層26の表面に積層された光拡散層27と、基材層26の裏面に積層されたスティッキング防止層28とを備えている(例えば特開平7−5305号公報、特開2000−89007公報等参照)。この光拡散層27は、一般的には、バインダー29中に光拡散剤30を含有し、光拡散剤30により透過光線を拡散させる機能が奏される。また、スティッキング防止層28は、バインダー31中に少量のビーズ32を分散含有し、このビーズ32の下部がバインダー31の裏面から突出した構造を有しており、光拡散シート23裏面が導光板22表面と密着して干渉縞が生じてしまう不都合を防止している。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−5305号公報
【特許文献2】
特開2000−89007公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光拡散シート23は一般的に合成樹脂で形成されているため、熱や紫外線などによる変形や変色(黄変等)を受けやすいという欠点を有している。一方、光線発生源であるランプ21は発光と同時に発熱する。一般的には、光拡散シート23のうちランプ21近傍は、80℃から90℃程度の温度下に曝される。このため、光拡散シート23が熱変形を起こして部分的に撓んでしまい、その結果、画面の輝度ムラが発生してしまうという問題がある。
【0008】
そのため、光拡散シート23における光拡散層27のバインダー29中に微小無機充填剤を分散含有させることによって、耐熱性の向上を図る技術が開発されているが(特開2000−89007公報参照)、(a)微小無機充填剤の分散性が悪く、十分な耐熱性を得ることができない、(b)微小無機充填剤とバインダー29との密着性が十分でなく、両者の界面に微小な隙間が生じ、強度及び光線の透過性が低下するという問題がある。
【0009】
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、高い光線透過率を維持しつつ、耐熱性、熱的寸法安定性及び耐候性を向上させることができ、ランプの発熱や紫外線照射を受けても撓みや黄変等が発生しにくい光拡散シート、及び、かかる光拡散シートを用いて輝度ムラや輝度低下の発生を低減するバックライトユニットの提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた発明は、透明な基材層と、この基材層の表面側に積層される光拡散層とを備え、この光拡散層がバインダー中に光拡散剤を含有する光拡散シートであって、上記バインダーがポリオールと微小無機充填剤とを含むポリマー組成物から形成され、かつ、50℃以上80℃以下のガラス転移温度を有しており、この微小無機充填剤の平均粒子径が5nm以上50nm以下であることを特徴とする光拡散シートである。ここで、「ガラス転移温度」としては、JISに規定する示査走査熱量分析(DSC)により測定した値を採用する。
【0011】
当該光拡散シートによれば、光拡散層のバインダーの基材ポリマーとしてポリオールを用いることから、透明性が高く、かつ、耐候性や加工性などが優れている。また、光拡散層のバインダーが50℃以上80℃以下のガラス転移温度を有することから、光拡散層の耐熱性を高めることができる。さらに、ポリマー組成物中に微小無機充填剤を含有することから、光拡散層の耐熱性をさらに高めることができる。かかる耐熱性向上のために分散含有させる微小無機充填剤の平均粒子径が5nm以上50nm以下であるため、可視光の波長より小さく、光拡散層の透明性を維持することができる。その結果当該光拡散シートは熱等による撓みや黄変を格段に抑制することができ、かつ、微小無機充填剤含有に起因する光線透過率の低下を防止することができる。
【0012】
上記基材層の裏面側に積層されるスティッキング防止層をさらに備えており、このスティッキング防止層がバインダー中にビーズを分散含有し、上記バインダーがポリオールと微小無機充填剤とを含むポリマー組成物から形成され、かつ、50℃以上80℃以下のガラス転移温度を有し、この微小無機充填剤の平均粒子径を5nm以上50nm以下とするとよい。かかる手段によれば、上述の光拡散層と同様に、スティッキング防止層の透明性を維持しつつ耐候性及び耐熱性を高めることができ、その結果、当該光拡散シートの透明性を維持しつつ撓みや黄変を抑制することができる。
【0013】
上記微小無機充填剤として、その表面に有機ポリマーが固定された微小無機充填剤を用いるとよい。ここで、「固定」とは、単なる接着および付着を意味するものではなく、有機ポリマーと微小無機充填剤の間で化学結合が生成していることを意味し、従って微小無機充填剤を任意の溶剤で洗った洗液中に有機ポリマーが検出されない。このように、表面に有機ポリマーが固定された微小無機充填剤を用いると、バインダーを構成する基材ポリマーに対して良好な親和性を有し、表面硬度、耐熱性、耐摩耗性、耐候性、耐汚染性等の被膜物性の良い光拡散層を形成することができる。
【0014】
上記有機ポリマーが固定された微小無機充填剤中にアルコキシ基を0.01mmol/g以上50mmol/g以下含有するとよい。微小無機充填剤に固定する有機ポリマーにこの程度のアルコキシ基を有させることで、微小無機充填剤とマトリックスの基材ポリマーとの親和性や基材ポリマー中での微小無機充填剤の分散性を向上させることができる。
【0015】
上記ポリオールがシクロアルキル基を有するとよい。このように、シクロアルキル基を有するポリオールを基材ポリマーとして用いることで、バインダーの疎水性(撥水性、耐水性)が高くなり、高温高湿条件下での当該光拡散シートの耐撓み性、寸法安定性等が改善される。また、光拡散層の硬度、耐候性、耐溶剤性等の塗膜基本性能が向上する。さらに、表面に有機ポリマーが固定された微小無機充填剤との親和性及び微小無機充填剤の均一分散性がさらに良好になる。
【0016】
上記ポリマー組成物中に硬化剤として脂肪族系イソシアネートを含有するとよい。このように、ポリマー組成物中に含有する硬化剤として脂肪族系イソシアネートを用いることで、光拡散層又はスティッキング防止層の黄変を防止することができる。
【0017】
上記有機ポリマーが水酸基を有し、上記ポリマー組成物中に多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物およびアミノプラスト樹脂から選択される1種又は2種以上のものを含有するとよい。この手段によれば、微小無機充填剤表面に固定された有機ポリマーとバインダーマトリックスとが架橋構造によって結合されることから、保存安定性、耐汚染性、可撓性、耐候性、保存安定性等の良好な被膜物性の塗膜を与えることができる。
【0018】
従って、ランプから発せられる光線を分散させて表面側に導く液晶表示装置用のバックライトユニットにおいて、当該光拡散シートを備えると、上述のように光拡散シートの熱や紫外線による撓みや黄変等が少ないため、液晶表示装置の輝度ムラ及び輝度の低下を抑えることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。図1は本発明の一実施形態に係る光拡散シートを示す模式的断面図で、図2は図1の光拡散シートとは異なる形態の光拡散シートを示す模式的断面図である。
【0020】
図1の光拡散シート1は、基材層2と、この基材層2の表面に積層された光拡散層3とを備えている。
【0021】
基材層2は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂から形成されている。かかる基材層2に用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等が挙げられる。中でも、透明性に優れ、強度が高いポリエチレンテレフタレートが好ましく、撓み性能が改善されたポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0022】
基材層2の厚み(平均厚み)は、特には限定されないが、例えば10μm以上500μm以下、好ましくは35μm以上250μm以下、特に好ましくは50μm以上188μm以下とされる。基材層2の厚みが上記範囲未満であると、光拡散層3を形成するための樹脂組成物を塗工した際にカールが発生しやすくなってしまう、取扱いが困難になる等の不都合が発生する。逆に、基材層2の厚みが上記範囲を超えると、液晶表示装置の輝度が低下してしまうことがあり、またバックライトユニットの厚みが大きくなって液晶表示装置の薄型化の要求に反することにもなる。
【0023】
光拡散層3は、バインダー4と、このバインダー4中に含有する光拡散剤5とを備えている。このように光拡散層3中に光拡散剤5を含有することにより、この光拡散層3を裏側から表側に透過する光線を均一に拡散させることができる。さらに、光拡散剤5の一部は、その上端がバインダー4から突出している。このようにバインダー4に埋設されている光拡散剤5と突出している光拡散剤5とを設けることにより、光線をより良く拡散させることができる。光拡散層3の厚み(光拡散剤5を除いたバインダー4部分の厚みを意味する)は特には限定されないが、例えば10μm以上30μm以下程度とされている。
【0024】
光拡散剤5は、光線を拡散させる性質を有する粒子であり、無機フィラーと有機フィラーに大別される。無機フィラーとしては、具体的には、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物を用いることができる。有機フィラーの具体的な材料としては、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等を用いることができる。中でも、透明性が高いアクリル樹脂が好ましく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が特に好ましい。
【0025】
光拡散剤5の形状は、特に限定されるものではなく、例えば球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、中でも光拡散性に優れる球状のビーズが好ましい。
【0026】
光拡散剤5の平均粒子径の下限としては1μm、特に2μm、さらに5μmが好ましく、光拡散剤5の平均粒子径の上限としては50μm、特に20μm、さらに15μmが好ましい。これは、光拡散剤5の平均粒子径が上記範囲未満であると、光拡散剤5によって形成される光拡散層3表面の凹凸が小さくなり、光拡散シートとして必要な光拡散性を満たさないおそれがあり、逆に、光拡散剤5の平均粒子径が上記範囲を越えると、光拡散シート1の厚さが増大し、かつ、均一な拡散が困難になることからである。
【0027】
光拡散剤5の配合量(バインダー4の形成材料であるポリマー組成物中の基材ポリマー100部に対する固形分換算の配合量)の下限としては10部、特に20部、さらに50部が好ましく、この配合量の上限としては500部、特に300部、さらに200部が好ましい。これは、光拡散剤5の配合量が上記範囲未満であると、光拡散性が不十分となってしまい、一方、光拡散剤5の配合量が上記範囲を越えると光拡散剤5を固定する効果が低下することからである。なお、プリズムシートの表面側に配設される所謂上用光拡散シートの場合、高い光拡散性を必要とされないため、光拡散剤5の配合量としては10部以上40部以下、特に10部以上30部以下が好ましい。
【0028】
バインダー4は、ポリマー組成物を架橋硬化させることで形成される。このポリマー組成物は、ポリオールと微小無機充填剤とを含有しており、その他に例えば硬化剤、可塑剤、安定化剤、劣化防止剤、分散剤、帯電防止剤等が適宜配合される。このバインダー4のガラス転移温度は、50℃以上80℃以下とされ、好ましくは60℃以上70°以下とされている。そのため、バインダー4の優れた耐候性、耐熱性、強度等により、光拡散層3ひいては当該光拡散シート1の耐候性、耐熱性、強度、取扱性等が高められる。また、バインダー4は、光線を透過させる必要があるので透明とされており、特に無色透明が好ましい。
【0029】
このポリオールとしては、例えば水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリオール、水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールなどが挙げられ、これらを単体で又は2種以上混合して使用することができる。
【0030】
この水酸基含有不飽和単量体としては、(a)例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール、ホモアリルアルコール、ケイヒアルコール、クロトニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量体、(b)例えばエチレングリコール、エチレンオキサイド、プロピレングリコール、プロピレンオキサイド、ブチレングリコール、ブチレンオキサイド、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルデカノエート、プラクセルFM−1(ダイセル化学工業株式会社製)等の2価アルコール又はエポキシ化合物と、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸との反応で得られる水酸基含有不飽和単量体などが挙げられる。これらの水酸基含有不飽和単量体から選択される1種又は2種以上を重合してポリオールを製造することができる。
【0031】
また、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、スチレン、ビニルトルエン、1−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、酢酸アリル、アジピン酸ジアリル、イタコン酸ジアリル、マレイン酸ジエチル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エチレン、プロピレン、イソプレン等から選択される1種又は2種以上のエチレン性不飽和単量体と、上記(a)及び(b)から選択される水酸基含有不飽和単量体とを重合してポリオールを製造することもできる。
【0032】
かかる水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリオールの数平均分子量は1000以上500000以下であり、好ましくは5000以上100000以下である。また、その水酸基価は5以上300以下、好ましくは10以上200以下、さらに好ましくは20以上150以下である。
【0033】
水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールは、(c)例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ハイドロキノンビス(ヒドロキシエチルエーテル)、トリス(ヒドロキシエチル)イソシヌレート、キシリレングリコール等の多価アルコールと、(d)例えばマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、トリメット酸、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の多塩基酸とを、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール中の水酸基数が前記多塩基酸のカルボキシル基数よりも多い条件で反応させて製造することができる。
【0034】
かかる水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールの数平均分子量は500以上300000以下であり、好ましくは2000以上100000以下である。また、その水酸基価は5以上300以下、好ましくは10以上200以下、さらに好ましくは20以上150以下である。
【0035】
当該ポリマー組成物の基材ポリマーとして用いられるポリオールとしては、上記ポリエステルポリオール、及び、上記水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られ、かつ、(メタ)アクリル単位等を有するアクリルポリオールが好ましい。かかるポリエステルポリオールとアクリルポリオールのいずれか一方を使用してもよく、両方を使用してもよい。
【0036】
なお、上記ポリエステルポリオール及びアクリルポリオール中の水酸基の個数は、1分子当たり2個以上であれば特に限定されないが、固形分中の水酸基価が10以下であると架橋点数が減少し、耐溶剤性、耐水性、耐熱性、表面硬度等の被膜物性が低下する傾向がある。
【0037】
かかるポリオールは加工性が高く、塗工等の手段で容易に光拡散層3を形成することができる。また、ポリエステルポリオール又はアクリルポリオールを基材ポリマーとするバインダー4は耐候性が高く、光拡散層3の黄変等を抑制することができる。一方、バインダー4中への微小無機充填剤の分散により、光拡散層3ひいては光拡散シート1の耐熱性を高めることができ、その撓みを抑えることができる。
【0038】
また、上記ポリオールとしてはシクロアルキル基を有するポリオールを用いるとよい。このように、バインダー4を構成するポリオールにシクロアルキル基を導入することで、バインダー4の疎水性(撥水性、耐水性)が高くなり、高温高湿条件下での当該光拡散シートの耐撓み性、寸法安定性等が改善される。また、光拡散層3の硬度、耐溶剤性、耐候性等の塗膜基本性能が向上する。
【0039】
上記シクロアルキル基を有するポリオールは、シクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体を共重合することで得られる。このシクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体とは、シクロアルキル基を分子内に少なくとも1つ有する重合性不飽和単量体である。このシクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体としては特に限定されるものではなく、例えば下記一般式(1)で表される重合性不飽和単量体であることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0040】
【化1】

Figure 2004004599
【0041】
上記一般式(1)において、Rは、水素原子又は炭素数1若しくは2の炭化水素基を表す。Zは、置換基を有してもよい炭素数1〜36のシクロアルキル基を表す。上記炭素数1又は2の炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。
【0042】
上記置換基としては特に限定されず、例えば、炭素数1〜18の炭化水素基等が挙げられる。上記炭素数1〜18の炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
【0043】
上記シクロアルキル基としては特に限定されず、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロオクタデシル基等が挙げられる。
【0044】
上記一般式(1)で表される重合性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0045】
上記シクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体の共重合割合としては5.0質量%以上97.9質量%以下、特に5.0質量%以上80.0質量%以下、さらに10.0質量%以上70.0質量%以下が好ましい。シクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体の共重合割合が上記範囲より小さいと、塗膜の硬度、光沢等の基本性能が向上しないおそれがあり、また重合性不飽和単量体を共重合してなるポリオールが極めて高度な耐候性を有する塗膜を形成させる作用を有しなくなるおそれがある。一方、シクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体の共重合割合が上記範囲を超えると、重合性不飽和単量体を共重合してなるポリオールにおいて、シクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体が共重合されることにより有することとなる作用と、それ以外の重合性不飽和単量体が共重合されることにより有することとなる作用とのバランスが悪くなるおそれがある。
【0046】
微小無機充填剤を構成する無機物としては、特に限定されるものではなく、無機酸化物が好ましい。この無機酸化物は、金属元素が主に酸素原子との結合を介して3次元のネットワークを構成した種々の含酸素金属化合物と定義される。また無機酸化物を構成する金属元素としては、たとえば、元素周期律表II〜VI族から選ばれる元素が好ましく、元素周期律表III〜V族から選ばれる元素がさらに好ましい。その中でも、Si、Al、Ti及びZrから選択される元素が特に好ましく、金属元素がSiであるコロイダルシリカが、耐熱性向上効果及び光線の透過性の面で最も好ましい。また微小無機充填剤の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されない。
【0047】
微小無機充填剤の平均粒子径の下限としては、5nmとされており、10nmが特に好ましい。一方、微小無機充填剤の平均粒子径の上限としては、50nmとされており、25nmが特に好ましい。これは、微小無機充填剤の平均粒子径が上記範囲未満では、微小無機充填剤の表面エネルギーが高くなり、凝集等が起こりやすくなるためであり、逆に、平均粒子径が上記範囲を超えると、短波長の影響で白濁し、光拡散シート1の透明性を完全に維持することができなくなることからである。
【0048】
ポリマー組成物の基材ポリマー100部に対する微小無機充填剤の配合量(無機物成分のみの固形分換算配合量)の下限としては、5部が好ましく、50部が特に好ましい。一方、微小無機充填剤の上記配合量の上限としては、500部が好ましく、200部がより好ましく、100部が特に好ましい。これは、微小無機充填剤の配合量が上記範囲未満であると、光拡散シート1の熱変形を十分には防止できなくなってしまうことがあり、逆に、配合量が上記範囲を越えると、ポリマー組成物中への配合が困難になり、光拡散層3の光線透過率が低下するおそれがあることからである。
【0049】
微小無機充填剤としては、その表面に有機ポリマーが固定されたものを用いるとよい。このように有機ポリマー固定微小無機充填剤を用いることで、バインダー4中での分散性やバインダー4との親和性の向上が図られる。この有機ポリマーについては、その分子量、形状、組成、官能基の有無等に関して特に限定はなく、任意の有機ポリマーを使用することができる。また有機ポリマーの形状については、直鎖状、分枝状、架橋構造等の任意の形状のものを使用することができる。
【0050】
かかる有機ポリマーを構成する具体的な樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルおよびこれらの共重合体やアミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の官能基で一部変性した樹脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、(メタ)アクリル−ポリエステル系樹脂等の(メタ)アクリル単位を含む有機ポリマーを必須成分とするものが被膜形成能を有し好適である。他方、上記ポリマー組成物の基材ポリマーであるポリオールと相溶性を有する樹脂が好ましく、従ってポリマー組成物に含まれるポリオールと同じ組成であるものが最も好ましい。
【0051】
なお、微小無機充填剤は、微粒子内に有機ポリマーを包含していてもよい。このことにより、微小無機充填剤のコアである無機物に適度な軟度および靱性を付与することができる。
【0052】
上記有機ポリマーにはアルコキシ基を有するものを用いるとよく、その含有量としては有機ポリマーを固定した微小無機充填剤1g当たり0.01mmol以上50mmol以下が好ましい。かかるアルコキシ基により、バインダー4を構成するマトリックス樹脂との親和性や、バインダー4中での分散性を向上させることができる。
【0053】
ここでいうアルコキシ基は、微粒子骨格を形成する金属元素に結合したRO基を示す。このRは置換されていてもよいアルキル基であり、微粒子中のRO基は同一であっても異なっていてもよい。Rの具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル等が挙げられる。
【0054】
有機ポリマーを固定した微小無機充填剤中の有機ポリマーの含有率については、特に制限されるものではないが、微小無機充填剤を基準にして0.5質量%以上50質量%以下が好ましい。
【0055】
上述のように微小無機充填剤に固定する有機ポリマーとして水酸基を有するものを用い、バインダー4を構成するポリマー組成物中に水酸基と反応するような官能基を2個以上有する多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物およびアミノプラスト樹脂から選ばれる少なくとも1種のものを含有するとよい。これにより、微小無機充填剤とバインダー4のマトリックス樹脂とが架橋構造で結合され、保存安定性、耐汚染性、可撓性、耐候性、保存安定性等が良好になり、さらに得られる被膜が光沢を有するものとなる。
【0056】
上記多官能イソシアネート化合物としては、脂肪族、脂環族、芳香族及びその他の多官能イソシアネート化合物やこれらの変性化合物を挙げることができる。多官能イソシアネート化合物の具体例としては、例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、イソシアヌレート体等の3量体等;これらの多官能イソシアネート類とプロパンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールとの反応により生成される2個以上のイソシアネート基が残存する化合物;これらの多官能イソシアネート化合物をエタノール、ヘキサノール等のアルコール類、フェノール、クレゾール等のフェノール性水酸基を有する化合物、アセトオキシム、メチルエチルケトキシム等のオキシム類、ε−カプロラクタム、γ−カプロラクタム等のラクタム類等のブロック剤で封鎖したブロックド多官能イソシアネート化合物などを挙げることができる。なお、上記多官能イソシアネート化合物は1種又は2種以上混合して使用できる。中でも、被膜の黄変色を防止するために、芳香環に直接結合したイソシアネート基を有しない無黄変性多官能イソシアネート化合物が好ましい。
【0057】
上記メラミン化合物としては、例えばジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、イソブチルエーテル型メラミン、n−ブチルエーテル型メラミン、ブチル化ベンゾグアナミン等を挙げることができる。
【0058】
上記アミノプラスト樹脂としては、例えばアルキルエーテル化メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられ、これらのアミノプラスト樹脂の単体又は2種以上の混合物もしくは共縮合物を使用できる。このアルキルエーテル化メラミン樹脂とは、アミノトリアジンをメチロール化し、シクロヘキサノールまたは炭素数1〜6のアルカノールでアルキルエーテル化して得られるものであり、ブチルエーテル化メラミン樹脂、メチルエーテル化メラミン樹脂、メチルブチル混合メラミン樹脂が代表的なものである。また、硬化を促進させるためのスルホン酸系触媒、たとえば、パラトルエンスルホン酸およびそのアミン塩等を使用することができる。
【0059】
また、ポリマー組成物中には硬化剤としてイソシアネートを含有するとよい。このようにポリマー組成物中にイソシアネート硬化剤を含有することで、より一層強固な架橋構造となり、光拡散層3の被膜物性がさらに向上する。このイソシアネートとしては上記多官能イソシアネート化合物と同様の物質が用いられる。中でも、被膜の黄変色を防止する脂肪族系イソシアネートが好ましい。
【0060】
さらに、ポリマー組成物中に帯電防止剤を混練するとよい。このように帯電防止剤が混練されたポリマー組成物からバインダー4を形成することで、当該光拡散シート1に帯電防止効果が発現され、ゴミを吸い寄せたり、プリズムシート等との重ね合わせが困難になる等の静電気の帯電により発生する不都合を防止することができる。また、帯電防止剤を表面にコーティングすると表面のベタツキや汚濁が生じてしまうが、このようにポリマー組成物中に混練することでかかる弊害は低減される。この帯電防止剤としては、特に限定されるものではなく、例えばアルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン系帯電防止剤、第四アンモニウム塩、イミダゾリン化合物等のカチオン系帯電防止剤、ポリエチレングリコール系、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、エタノールアミド類等のノニオン系帯電防止剤、ポリアクリル酸等の高分子系帯電防止剤などが用いられる。中でも、帯電防止効果が比較的大きいカチオン系帯電防止剤が好ましく、少量の添加で帯電防止効果が奏される。
【0061】
次に、当該光拡散シート1の製造方法について説明する。当該光拡散シート1の製造方法は、(a)バインダー4を構成するポリマー組成物に光拡散剤5を混合することで光拡散層用塗工液を製造する工程と、(b)この光拡散層用塗工液を基材層2の表面に塗工することで光拡散層3を積層する工程とを有する。
【0062】
図2の光拡散シート11は、基材層2と、この基材層2の表側に積層された光拡散層3と、基材層2の裏面に積層されたスティッキング防止層12とを備えている。この基材層2及び光拡散層3は、図1に示す光拡散シート1と同様であるため、同一番号を付して説明を省略する。従って、当該光拡散シート11も、透明性を維持しつつ耐候性、耐熱性及び取扱性を高めることができる。
【0063】
スティッキング防止層12は、バインダー13と、このバインダー13中に分散含有するビーズ14とを備えている。このバインダー13も、上記光拡散層3のバインダー4と同様のポリマー組成物(つまり、ポリオールと微小無機充填剤とを含み、かつ、硬化後のガラス転移温度が50℃以上80℃以下となるポリマー組成物)を架橋硬化させることで形成される。また、ビーズ14の材料としては光拡散層3の光拡散剤5と同様のものが用いられる。なお、このスティッキング防止層12の厚み(ビーズ14を除いたバインダー13部分の厚み)は特には限定されないが、例えば1μm以上10μm以下程度とされている。
【0064】
このビーズ14の配合量は比較的少量とされ、ビーズ14は互いに離間してバインダー13中に分散し、ビーズ14の多くはその下端がバインダー13からごく少量突出している。そのため、この光拡散シート11を導光板と積層すると、突出したビーズ14の下端が導光板等の表面に当接し、光拡散シート11の裏面の全面が導光板等と当接することがない。これにより、光拡散シート11と導光板等とのスティッキングが防止され、液晶表示装置の画面の輝度ムラが抑えられる。
【0065】
当該光拡散シート11は、スティッキング防止層12のバインダー13を構成するポリマー組成物にも微小無機充填剤を含有するため、光拡散シート11の耐熱性、耐摩耗性、耐候性、耐汚染性等の被膜物性をさらに高めることができ、撓みを格段に抑えることができる。また、上記バインダー13を構成するポリマー組成物も、基材ポリマーとしてポリオールを含み、硬化後のガラス転移温度が50℃以上80℃以下とされているため、耐熱性及び耐候性を格段に高めることができる。
【0066】
次に、光拡散シート11の製造方法を説明する。当該光拡散シート11の製造方法は、(a)バインダー4を構成するポリマー組成物に光拡散剤5を混合することで光拡散層用塗工液を製造する工程と、(b)この光拡散層用塗工液を基材層2の表面に塗工することで光拡散層3を積層する工程と、(c)バインダー13を構成するポリマー組成物にビーズ14を混合することでスティッキング防止層用塗工液を製造する工程と、(d)このスティッキング防止層用塗工液を基材層2の裏面に塗工することでスティッキング防止層12を積層する工程とを有する。
【0067】
従って、ランプ、導光板、光拡散シート、プリズムシート等を備え、ランプから発せられる光線を分散させて表面側に導く液晶表示装置用のバックライトユニットにおいて、この光拡散シートとして上記光拡散シート1、11を用いると、当該光拡散シート1、11が高い耐熱性、耐候性等の被膜物性を有するため、ランプによる加熱や外部からの紫外線照射に曝されても、撓みや黄変等を起こしにくく、その結果、液晶表示装置の画面の輝度ムラや輝度の低下が抑えられる。
【0068】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0069】
[実施例1]
ポリエステルポリオールを基材ポリマーとする硬化後ガラス転移温度50℃のバインダー樹脂配合物(東洋紡績(株)の「バイロン」シリーズ)100部、平均粒子径が20nmのコロイダルシリカ(扶桑化学工業(株)の「PL−1」)50部及び硬化剤(日本ポリウレタン(株)の「コロネートHX」)5部を含むポリマー組成物中に、平均粒子径15μmのアクリル系樹脂ビーズ(積水化成品工業(株)の「MBX−15」)50部を混合して塗工液を作製し、この塗工液をロールコート法によって厚さ100μmの透明ポリエステル製の基材層(東洋紡績(株)の「A−4300」)の表面に15g/m(固形分換算)塗工し、硬化させることで光拡散層を形成した。また、上記ポリマー組成物中に、平均粒子径5μmのアクリル系樹脂ビーズ(積水化成品工業(株)の「MBX−5」)10部を混合して塗工液を作製し、この塗工液をロールコート法により上記基材層の裏面に3g/m(固形分換算)塗工し、硬化させることでスティッキング防止層を形成した。これにより実施例1の光拡散シートを得た。
【0070】
[実施例2]
ポリエステルポリオールを基材ポリマーとする硬化後ガラス転移温度60℃のバインダー樹脂配合物(東洋紡績(株)の「バイロン」シリーズ)を用いた以外は上記実施例1と同様にして実施例2の光拡散シートを得た。
【0071】
[実施例3]
ポリエステルポリオールを基材ポリマーとする硬化後ガラス転移温度70℃のバインダー樹脂配合物(東洋紡績(株)の「バイロン」シリーズ)を用いた以外は上記実施例1と同様にして実施例3の光拡散シートを得た。
【0072】
[実施例4]
ポリエステルポリオールを基材ポリマーとする硬化後ガラス転移温度80℃のバインダー樹脂配合物(東洋紡績(株)の「バイロン」シリーズ)を用いた以外は上記実施例1と同様にして実施例4の光拡散シートを得た。
【0073】
[実施例5]
アクリルポリオールを基材ポリマーとする硬化後ガラス転移温度50℃のバインダー樹脂配合物(大日精化工業(株)の「RUBメヂウム」シリーズ)100部、平均粒子径が20nmのコロイダルシリカ(扶桑化学工業(株)の「PL−1」)50部及び硬化剤(大日精化工業(株)の「PCTLN硬化剤」)5部を含むポリマー組成物中に、平均粒子径15μmのアクリル系樹脂ビーズ(積水化成品工業(株)の「MBX−15」)30部を混合して塗工液を作製し、この塗工液をロールコート法によって厚さ100μmの透明ポリエステル製の基材層(東洋紡績(株)の「A−4300」)の表面に15g/m(固形分換算)塗工し、硬化させることで光拡散層を形成した。また、上記ポリマー組成物中に、平均粒子径5μmのアクリル系樹脂ビーズ(積水化成品工業(株)の「MBX−5」)10部を混合して塗工液を作製し、この塗工液をロールコート法により上記基材層の裏面に3g/m(固形分換算)塗工し、硬化させることでスティッキング防止層を形成した。これにより実施例5の光拡散シートを得た。
【0074】
[実施例6]
アクリルポリオールを基材ポリマーとする硬化後ガラス転移温度60℃のバインダー樹脂配合物(大日精化工業(株)の「RUBメヂウム」シリーズ)を用いた以外は上記実施例5と同様にして実施例6の光拡散シートを得た。
【0075】
[実施例7]
アクリルポリオールを基材ポリマーとする硬化後ガラス転移温度70℃のバインダー樹脂配合物(大日精化工業(株)の「RUBメヂウム」シリーズ)を用いた以外は上記実施例5と同様にして実施例7の光拡散シートを得た。
【0076】
[実施例8]
アクリルポリオールを基材ポリマーとする硬化後ガラス転移温度80℃のバインダー樹脂配合物(大日精化工業(株)の「RUBメヂウム」シリーズ)を用いた以外は上記実施例5と同様にして実施例8の光拡散シートを得た。
【0077】
[比較例1]
ポリエステルポリオールを基材ポリマーとする硬化後ガラス転移温度40℃のバインダー樹脂配合物(東洋紡績(株)の「バイロン」シリーズ)を用いた以外は上記実施例1と同様にして比較例1の光拡散シートを得た。
【0078】
[比較例2]
ポリエステルポリオールを基材ポリマーとする硬化後ガラス転移温度85℃のバインダー樹脂配合物(東洋紡績(株)の「バイロン」シリーズ)を用いた以外は上記実施例1と同様にして比較例2の光拡散シートを得た。
【0079】
[比較例3]
アクリルポリオールを基材ポリマーとする硬化後ガラス転移温度45℃のバインダー樹脂配合物(大日精化工業(株)の「RUBメヂウム」シリーズ)を用いた以外は上記実施例5と同様にして比較例3の光拡散シートを得た。
【0080】
[比較例4]
アクリルポリオールを基材ポリマーとする硬化後ガラス転移温度85℃のバインダー樹脂配合物(大日精化工業(株)の「RUBメヂウム」シリーズ)を用いた以外は上記実施例5と同様にして比較例4の光拡散シートを得た。
【0081】
[特性の評価]
上記実施例1〜8及び比較例1〜4の光拡散シートを用い、これらの光拡散シートの取扱性及び耐熱性を評価した。その結果を下記表1に示す。
【0082】
取扱性は、検査、搬送、バックライトユニットへの組付け等の過程において、光拡散シートに、
(1)傷や膜割れ等が発生しない場合を◎、
(2)傷や膜割れ等が殆ど発生しない場合を○、
(3)表面に傷が発生しやすい場合を△、
(4)端面等から膜割れが発生する場合を×
として評価した。
【0083】
耐熱性は、光拡散シートを12.3インチのバックライトユニットに組込み、60℃90%RHの環境試験器に投入し、ランプを点灯させ、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間及び24時間経過後における光拡散シートの撓みの有無及びその程度をバックライトユニットの輝度ムラの発生具合から判定し、
(1)輝度ムラが全くなく、撓みが全く発生していない場合を◎、
(2)輝度ムラが殆どなく、極微小な撓みしか発生していない場合を○、
として評価した。
【0084】
【表1】
Figure 2004004599
【0085】
上記表1に示すように、バインダーのガラス転移温度が高いほど良好な耐熱性を示している。一方、ガラス転移温度が50℃未満の比較例1及び3の光拡散シートは表面に傷が発生しやすく、ガラス転移温度が80℃を超える比較例2及び4の光拡散シートは膜割れが発生し、取扱性が低下している。従って、ガラス転移温度が50℃以上80℃以下の実施例1〜8の光拡散シート、特にガラス転移温度が60℃以上70℃以下の実施例2、3、6及び7の光拡散シートは高い耐熱性及び取扱性を示している。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光拡散シートによれば、透明性を維持しつつ、耐熱性、熱的寸法安定性及び耐候性を向上させることができ、ランプの発熱によっても撓みや黄変等の発生を抑制することができる。また、当該光拡散シートを備えたバックライトユニットによれば、輝度ムラや輝度低下の発生を格段に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光拡散シートを示す模式的断面図である。
【図2】図1とは異なる形態の光拡散シートを示す模式的断面図である。
【図3】(a)は一般的なエッジライト型バックライトユニットを示す模式的斜視図、(b)は一般的な光拡散シートを示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 光拡散シート
2 基材層
3 光拡散層
4 バインダー
5 光拡散剤
11 光拡散シート
12 スティッキング防止層
13 バインダー
14 ビーズ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a light diffusion sheet having a function of diffusing transmitted light, and particularly suitable for a backlight unit of a liquid crystal display device, and a backlight unit using the light diffusion sheet.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art As a liquid crystal display device, a backlight system in which a liquid crystal layer is illuminated from the back to emit light has become widespread, and a backlight unit of an edge light type, a direct type or the like is provided on a lower surface side of the liquid crystal layer. As shown in FIG. 3A, the edge-light type backlight unit 20 basically has a linear lamp 21 as a light source and a rectangular plate-shaped lamp 21 arranged so that an end thereof is along the lamp 21. , A light diffusion sheet 23 disposed on the surface side of the light guide plate 22, and a prism sheet 24 disposed on the surface side of the light diffusion sheet 23.
[0003]
The function of the backlight unit 20 will be described. First, a light beam incident on the light guide plate 22 from the lamp 21 is reflected by reflection dots or a reflection sheet (not shown) on the back surface of the light guide plate 22 and emitted from the surface of the light guide plate 22. Is done. Light emitted from the light guide plate 22 enters the light diffusion sheet 23, is diffused by the light diffusion sheet 23, and is emitted from the surface of the light diffusion sheet 23. Thereafter, the light beam emitted from the light diffusion sheet 23 enters the prism sheet 24 and is emitted by the prism portion 24a formed on the surface of the prism sheet 24 as a light beam having a distribution having a peak in a substantially normal direction.
[0004]
As described above, the light beam emitted from the lamp 21 is diffused by the light diffusion sheet 23, refracted by the prism sheet 24 so as to show a peak in a substantially normal direction, and furthermore, a liquid crystal layer (not shown) on the surface side ) The whole area is illuminated. Although not shown, the surface of the prism sheet 24 is formed for the purpose of relaxing the light-collecting characteristics of the prism sheet 24, protecting the prism portion 24a, or preventing sticking between the liquid crystal panel such as a polarizing plate and the prism sheet 24. A light diffusion sheet is further provided on the side.
[0005]
The light diffusion sheet 23 provided in the backlight unit 20 is generally laminated with a transparent base layer 26 made of synthetic resin and a surface of the base layer 26 as shown in FIG. A light diffusion layer 27 and an anti-sticking layer 28 laminated on the back surface of the base material layer 26 are provided (for example, see JP-A-7-5305 and JP-A-2000-90007). The light diffusion layer 27 generally contains a light diffusion agent 30 in a binder 29 and has a function of diffusing a transmitted light by the light diffusion agent 30. The sticking prevention layer 28 has a structure in which a small amount of beads 32 are dispersed and contained in a binder 31, and the lower part of the beads 32 has a structure protruding from the back surface of the binder 31. The inconvenience of causing interference fringes due to close contact with the surface is prevented.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-7-5305 [Patent Document 2]
JP 2000-89007 A
[Problems to be solved by the invention]
By the way, since the light diffusion sheet 23 is generally formed of a synthetic resin, it has a drawback that it is susceptible to deformation or discoloration (yellowing or the like) due to heat or ultraviolet rays. On the other hand, the lamp 21, which is a light source, generates heat simultaneously with light emission. Generally, the vicinity of the lamp 21 in the light diffusion sheet 23 is exposed to a temperature of about 80 ° C. to 90 ° C. For this reason, there is a problem that the light diffusion sheet 23 undergoes thermal deformation and is partially bent, and as a result, brightness unevenness of the screen occurs.
[0008]
For this reason, a technique for improving heat resistance by dispersing and containing a fine inorganic filler in the binder 29 of the light diffusion layer 27 in the light diffusion sheet 23 has been developed (see JP-A-2000-89007). (A) The dispersibility of the fine inorganic filler is poor and sufficient heat resistance cannot be obtained. (B) The adhesiveness between the fine inorganic filler and the binder 29 is not sufficient, and a minute gap is formed at the interface between the two. This causes a problem that the intensity and light transmittance are reduced.
[0009]
The present invention has been made in view of these inconveniences, and can improve heat resistance, thermal dimensional stability, and weather resistance while maintaining a high light transmittance. It is an object of the present invention to provide a light diffusion sheet which is unlikely to be bent or yellowed even when it is used, and a backlight unit which uses the light diffusion sheet to reduce the occurrence of luminance unevenness and luminance reduction.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The invention made to solve the above problem includes a transparent base layer, and a light diffusion layer laminated on the surface side of the base layer, and the light diffusion layer contains a light diffusion agent in a binder. A light-diffusing sheet, wherein the binder is formed from a polymer composition containing a polyol and a fine inorganic filler, and has a glass transition temperature of 50 ° C. or more and 80 ° C. or less. Has a mean particle size of 5 nm or more and 50 nm or less. Here, as the “glass transition temperature”, a value measured by differential scanning calorimetry (DSC) specified in JIS is adopted.
[0011]
According to the light diffusion sheet, since the polyol is used as the base polymer of the binder of the light diffusion layer, the transparency is high, and the weather resistance and the processability are excellent. Further, since the binder of the light diffusion layer has a glass transition temperature of 50 ° C. or more and 80 ° C. or less, heat resistance of the light diffusion layer can be increased. Furthermore, since the polymer composition contains the fine inorganic filler, the heat resistance of the light diffusion layer can be further increased. Since the average particle diameter of the fine inorganic filler dispersed and contained for improving heat resistance is 5 nm or more and 50 nm or less, it is smaller than the wavelength of visible light, and the transparency of the light diffusion layer can be maintained. As a result, the light diffusion sheet can remarkably suppress deflection or yellowing due to heat or the like, and can prevent a decrease in light transmittance due to the inclusion of the fine inorganic filler.
[0012]
It further comprises an anti-sticking layer laminated on the back side of the base material layer, wherein the anti-sticking layer contains beads dispersed in a binder, and the binder is a polymer composition containing a polyol and a fine inorganic filler. The fine inorganic filler is preferably formed and has a glass transition temperature of 50 ° C. to 80 ° C., and the average particle size of the fine inorganic filler is preferably 5 nm to 50 nm. According to such a means, it is possible to improve the weather resistance and the heat resistance while maintaining the transparency of the anti-sticking layer, as in the case of the above-described light diffusion layer. As a result, while maintaining the transparency of the light diffusion sheet, Bending and yellowing can be suppressed.
[0013]
As the fine inorganic filler, a fine inorganic filler having an organic polymer fixed on its surface is preferably used. Here, “fixed” does not mean mere adhesion and adhesion, but means that a chemical bond has been formed between the organic polymer and the fine inorganic filler, and therefore, the fine inorganic filler can be arbitrarily added. No organic polymer is detected in the washing solution washed with the solvent. As described above, when the fine inorganic filler having the organic polymer fixed on the surface is used, it has good affinity for the base polymer constituting the binder, and has a surface hardness, heat resistance, abrasion resistance, and weather resistance. Thus, a light diffusion layer having good film properties such as stain resistance can be formed.
[0014]
The fine inorganic filler to which the organic polymer is fixed preferably contains an alkoxy group in an amount of 0.01 mmol / g or more and 50 mmol / g or less. By having such an alkoxy group in the organic polymer fixed to the fine inorganic filler, the affinity between the fine inorganic filler and the matrix base polymer and the dispersibility of the fine inorganic filler in the base polymer can be improved. Can be improved.
[0015]
The polyol may have a cycloalkyl group. As described above, by using a polyol having a cycloalkyl group as the base polymer, the hydrophobicity (water repellency and water resistance) of the binder is increased, and the bending resistance of the light diffusion sheet under high temperature and high humidity conditions is improved. Dimensional stability and the like are improved. In addition, the coating film basic performance such as hardness, weather resistance, and solvent resistance of the light diffusion layer is improved. Further, the affinity with the fine inorganic filler having the organic polymer fixed on the surface and the uniform dispersibility of the fine inorganic filler are further improved.
[0016]
The polymer composition preferably contains an aliphatic isocyanate as a curing agent. As described above, yellowing of the light diffusion layer or the anti-sticking layer can be prevented by using the aliphatic isocyanate as the curing agent contained in the polymer composition.
[0017]
The organic polymer may have a hydroxyl group, and the polymer composition may contain one or more selected from a polyfunctional isocyanate compound, a melamine compound, and an aminoplast resin. According to this means, since the organic polymer fixed on the surface of the fine inorganic filler and the binder matrix are bonded by a crosslinked structure, storage stability, stain resistance, flexibility, weather resistance, storage stability, etc. With good film properties.
[0018]
Therefore, in a backlight unit for a liquid crystal display device that disperses light rays emitted from a lamp and guides the light rays to the front side, if the light diffusion sheet is provided, as described above, the light diffusion sheet may be bent or yellowed due to heat or ultraviolet rays as described above. Therefore, it is possible to suppress unevenness in luminance and a decrease in luminance of the liquid crystal display device.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings as appropriate. FIG. 1 is a schematic cross-sectional view illustrating a light diffusion sheet according to an embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a schematic cross-sectional view illustrating a light diffusion sheet having a form different from that of FIG.
[0020]
The light diffusion sheet 1 in FIG. 1 includes a base layer 2 and a light diffusion layer 3 laminated on the surface of the base layer 2.
[0021]
The base material layer 2 is formed of a transparent, particularly colorless and transparent synthetic resin because it is necessary to transmit light. The synthetic resin used for the base layer 2 is not particularly limited, and includes, for example, polyethylene terephthalate, polyethylene naphthalate, acrylic resin, polycarbonate, polystyrene, polyolefin, cellulose acetate, weather resistant vinyl chloride, and the like. . Among them, polyethylene terephthalate having excellent transparency and high strength is preferable, and polyethylene terephthalate having improved bending performance is particularly preferable.
[0022]
The thickness (average thickness) of the base layer 2 is not particularly limited, but is, for example, 10 μm to 500 μm, preferably 35 μm to 250 μm, and particularly preferably 50 μm to 188 μm. When the thickness of the base material layer 2 is less than the above range, inconveniences such as curling easily occurring when the resin composition for forming the light diffusing layer 3 is applied and handling becomes difficult are caused. appear. Conversely, if the thickness of the base material layer 2 exceeds the above range, the brightness of the liquid crystal display device may be reduced, and the thickness of the backlight unit may be increased, contradicting the demand for thinner liquid crystal display devices. It will be.
[0023]
The light diffusing layer 3 includes a binder 4 and a light diffusing agent 5 contained in the binder 4. By including the light diffusing agent 5 in the light diffusing layer 3 as described above, it is possible to uniformly diffuse the light that passes through the light diffusing layer 3 from the back side to the front side. Further, a part of the light diffusing agent 5 has an upper end protruding from the binder 4. By providing the light diffusing agent 5 embedded in the binder 4 and the protruding light diffusing agent 5 in this manner, the light can be diffused better. The thickness of the light diffusion layer 3 (meaning the thickness of the binder 4 portion excluding the light diffusion agent 5) is not particularly limited, but is, for example, about 10 μm or more and 30 μm or less.
[0024]
The light diffusing agent 5 is a particle having a property of diffusing light rays, and is roughly classified into an inorganic filler and an organic filler. Specifically, silica, aluminum hydroxide, aluminum oxide, zinc oxide, barium sulfide, magnesium silicate, or a mixture thereof can be used as the inorganic filler. Specific examples of the material of the organic filler include acrylic resin, acrylonitrile resin, polyurethane, polyvinyl chloride, polystyrene, polyacrylonitrile, and polyamide. Among them, acrylic resins having high transparency are preferable, and polymethyl methacrylate (PMMA) is particularly preferable.
[0025]
The shape of the light diffusing agent 5 is not particularly limited, and examples thereof include a sphere, a cube, a needle, a rod, a spindle, a plate, a scale, and a fiber. Are preferred.
[0026]
The lower limit of the average particle diameter of the light diffusing agent 5 is preferably 1 μm, particularly 2 μm, and more preferably 5 μm, and the upper limit of the average particle diameter of the light diffusing agent 5 is preferably 50 μm, particularly 20 μm, and more preferably 15 μm. If the average particle diameter of the light diffusing agent 5 is less than the above range, the unevenness of the surface of the light diffusing layer 3 formed by the light diffusing agent 5 becomes small, and the light diffusing property required for the light diffusing sheet is not satisfied. Conversely, if the average particle diameter of the light diffusing agent 5 exceeds the above range, the thickness of the light diffusing sheet 1 increases, and uniform diffusion becomes difficult.
[0027]
The lower limit of the blending amount of the light diffusing agent 5 (the blending amount in terms of solid content based on 100 parts of the base polymer in the polymer composition as the material for forming the binder 4) is preferably 10 parts, particularly 20 parts, and more preferably 50 parts. The upper limit of the amount is preferably 500 parts, particularly 300 parts, and more preferably 200 parts. If the amount of the light diffusing agent 5 is less than the above range, the light diffusing property becomes insufficient, while if the amount of the light diffusing agent 5 exceeds the above range, the light diffusing agent 5 is fixed. This is because the effect of doing so is reduced. In the case of a so-called upper light diffusion sheet disposed on the surface side of the prism sheet, since high light diffusivity is not required, the compounding amount of the light diffusing agent 5 is 10 to 40 parts, particularly 10 parts. The content is preferably 30 parts or more and 30 parts or less.
[0028]
The binder 4 is formed by crosslinking and curing the polymer composition. This polymer composition contains a polyol and a fine inorganic filler, and, for example, a curing agent, a plasticizer, a stabilizer, a deterioration inhibitor, a dispersant, an antistatic agent, and the like are appropriately compounded. The binder 4 has a glass transition temperature of 50 ° C. to 80 ° C., preferably 60 ° C. to 70 °. Therefore, the weather resistance, heat resistance, strength, handleability, and the like of the light diffusion layer 3 and thus the light diffusion sheet 1 are enhanced by the excellent weather resistance, heat resistance, strength, and the like of the binder 4. Further, the binder 4 is transparent because it is necessary to transmit a light beam, and is particularly preferably colorless and transparent.
[0029]
Examples of the polyol include a polyol obtained by polymerizing a monomer component containing a hydroxyl group-containing unsaturated monomer, and a polyester polyol obtained under an excessive hydroxyl group condition. These may be used alone or in combination of two or more. Can be used.
[0030]
Examples of the hydroxyl group-containing unsaturated monomer include (a) 2-hydroxyethyl acrylate, 2-hydroxypropyl acrylate, 2-hydroxyethyl methacrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate, allyl alcohol, homoallyl alcohol, Hydroxyl group-containing unsaturated monomers such as cinnamon alcohol and crotonyl alcohol; (b) for example, ethylene glycol, ethylene oxide, propylene glycol, propylene oxide, butylene glycol, butylene oxide, 1,4-bis (hydroxymethyl) cyclohexane, phenyl A dihydric alcohol or an epoxy compound such as glycidyl ether, glycidyl decanoate, or Praxel FM-1 (manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.), for example, acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, or fumaric acid Crotonic acid, and the like react with the resulting hydroxyl group-containing unsaturated monomer with an unsaturated carboxylic acid such as itaconic acid. One or more selected from these hydroxyl-containing unsaturated monomers can be polymerized to produce a polyol.
[0031]
Further, for example, ethyl acrylate, n-propyl acrylate, isopropyl acrylate, n-butyl acrylate, tert-butyl acrylate, ethylhexyl acrylate, ethyl methacrylate, n-propyl methacrylate, isopropyl methacrylate, n-methacrylate -Butyl, tert-butyl methacrylate, ethylhexyl methacrylate, glycidyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, styrene, vinyl toluene, 1-methylstyrene, acrylic acid, methacrylic acid, acrylonitrile, vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl stearate, Allyl acetate, diallyl adipate, diallyl itaconate, diethyl maleate, vinyl chloride, vinylidene chloride, acrylamide, N-methylolacrylamide, N-butoxymethyl One or more ethylenically unsaturated monomers selected from acrylamide, diacetone acrylamide, ethylene, propylene, isoprene and the like, and a hydroxyl group-containing unsaturated monomer selected from the above (a) and (b) A polyol can also be produced by polymerizing the polymer.
[0032]
The number average molecular weight of a polyol obtained by polymerizing a monomer component containing such a hydroxyl group-containing unsaturated monomer is from 1,000 to 500,000, preferably from 5,000 to 100,000. The hydroxyl value is 5 or more and 300 or less, preferably 10 or more and 200 or less, and more preferably 20 or more and 150 or less.
[0033]
Polyester polyols obtained under the condition of excess hydroxyl groups include (c), for example, ethylene glycol, diethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, 1,3-butanediol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, neopentyl Glycol, hexamethylene glycol, decamethylene glycol, 2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol, trimethylolpropane, hexanetriol, glycerin, pentaerythritol, cyclohexanediol, hydrogenated bisphenol A, bis (hydroxymethyl) Polyhydric alcohols such as cyclohexane, hydroquinone bis (hydroxyethyl ether), tris (hydroxyethyl) isocinurate and xylylene glycol; and (d) maleic And polybasic acids such as fumaric acid, succinic acid, adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, trimetic acid, terephthalic acid, phthalic acid, and isophthalic acid; and propanediol, hexanediol, polyethylene glycol, and trimethylolpropane It can be produced by reacting under the condition that the number of hydroxyl groups in the polyhydric alcohol is larger than the number of carboxyl groups of the polybasic acid.
[0034]
The number average molecular weight of the polyester polyol obtained under such hydroxyl group excess conditions is from 500 to 300,000, preferably from 2,000 to 100,000. The hydroxyl value is 5 or more and 300 or less, preferably 10 or more and 200 or less, and more preferably 20 or more and 150 or less.
[0035]
The polyol used as the base polymer of the polymer composition is obtained by polymerizing the above-mentioned polyester polyol and a monomer component containing the above-mentioned hydroxyl group-containing unsaturated monomer, and (meth) acrylic unit. Is preferred. Either one of the polyester polyol and the acrylic polyol may be used, or both may be used.
[0036]
The number of hydroxyl groups in the polyester polyol and acrylic polyol is not particularly limited as long as it is 2 or more per molecule, but when the hydroxyl value in the solid content is 10 or less, the number of crosslinking points decreases, and the solvent resistance is reduced. In addition, the coating properties such as water resistance, heat resistance, and surface hardness tend to decrease.
[0037]
Such a polyol has high processability and can easily form the light diffusion layer 3 by means such as coating. Further, the binder 4 using a polyester polyol or an acrylic polyol as a base polymer has high weather resistance, and can suppress yellowing of the light diffusion layer 3 and the like. On the other hand, by dispersing the fine inorganic filler in the binder 4, the heat resistance of the light diffusion layer 3 and thus the light diffusion sheet 1 can be increased, and the bending thereof can be suppressed.
[0038]
Further, as the polyol, a polyol having a cycloalkyl group may be used. As described above, by introducing a cycloalkyl group into the polyol constituting the binder 4, the hydrophobicity (water repellency and water resistance) of the binder 4 is increased, and the light diffusion sheet is bent under high temperature and high humidity conditions. And dimensional stability are improved. Further, the coating film basic performance such as hardness, solvent resistance, and weather resistance of the light diffusion layer 3 is improved.
[0039]
The polyol having a cycloalkyl group is obtained by copolymerizing a polymerizable unsaturated monomer having a cycloalkyl group. The polymerizable unsaturated monomer having a cycloalkyl group is a polymerizable unsaturated monomer having at least one cycloalkyl group in a molecule. The polymerizable unsaturated monomer having a cycloalkyl group is not particularly limited, and is preferably, for example, a polymerizable unsaturated monomer represented by the following general formula (1). These may be used alone or in combination of two or more.
[0040]
Embedded image
Figure 2004004599
[0041]
In the general formula (1), R 1 represents a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 or 2 carbon atoms. Z represents a cycloalkyl group having 1 to 36 carbon atoms which may have a substituent. The hydrocarbon group having 1 or 2 carbon atoms is not particularly limited, and examples thereof include a methyl group and an ethyl group.
[0042]
The substituent is not particularly limited, and examples thereof include a hydrocarbon group having 1 to 18 carbon atoms. The hydrocarbon group having 1 to 18 carbon atoms is not particularly limited, and examples thereof include a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, an n-butyl group, an isobutyl group, a tert-butyl group, a pentyl group, and a hexyl group. Groups, heptyl, octyl, nonyl, decyl, undecyl, dodecyl, tridecyl, tetradecyl, pentadecyl, hexadecyl, heptadecyl, octadecyl and the like.
[0043]
The cycloalkyl group is not particularly limited, for example, cyclobutyl group, cyclopentyl group, cyclohexyl group, cycloheptyl group, cyclooctyl group, cyclononyl group, cyclodecyl group, cycloundecyl group, cyclododecyl group, cyclotridecyl group, Examples include a cyclotetradecyl group, a cyclopentadecyl group, a cyclohexadecyl group, a cycloheptadecyl group, and a cyclooctadecyl group.
[0044]
The polymerizable unsaturated monomer represented by the general formula (1) is not particularly limited, and includes, for example, cyclohexyl (meth) acrylate, methylcyclohexyl (meth) acrylate, tert-butylcyclohexyl (meth) acrylate, cyclododecyl (Meth) acrylate and the like.
[0045]
The copolymerization ratio of the polymerizable unsaturated monomer having a cycloalkyl group is 5.0% by mass to 97.9% by mass, particularly 5.0% by mass to 80.0% by mass, and further 10.0% by mass. It is preferably from 7% by mass to 70.0% by mass. If the copolymerization ratio of the polymerizable unsaturated monomer having a cycloalkyl group is less than the above range, the basic properties such as hardness and gloss of the coating film may not be improved, and the copolymerizable unsaturated monomer may not be used. The polyol obtained by polymerization may not have the effect of forming a coating film having extremely high weather resistance. On the other hand, if the copolymerization ratio of the polymerizable unsaturated monomer having a cycloalkyl group exceeds the above range, the polyol obtained by copolymerizing the polymerizable unsaturated monomer, the polymerizable unsaturated monomer having a cycloalkyl group There is a possibility that the balance between the action that is caused by copolymerization of the monomer and the action that is caused by copolymerization of other polymerizable unsaturated monomers may be deteriorated.
[0046]
The inorganic substance constituting the fine inorganic filler is not particularly limited, and an inorganic oxide is preferable. This inorganic oxide is defined as various oxygen-containing metal compounds in which a metal element mainly forms a three-dimensional network through a bond with an oxygen atom. Further, as the metal element constituting the inorganic oxide, for example, an element selected from Groups II to VI of the Periodic Table of the Elements is preferable, and an element selected from Groups III to V of the Periodic Table of the Elements is more preferable. Among them, an element selected from Si, Al, Ti and Zr is particularly preferable, and colloidal silica in which the metal element is Si is most preferable in terms of the heat resistance improving effect and the light transmittance. The shape of the fine inorganic filler may be any particle shape such as a sphere, a needle, a plate, a scale, and a crushed shape, and is not particularly limited.
[0047]
The lower limit of the average particle size of the fine inorganic filler is 5 nm, and 10 nm is particularly preferable. On the other hand, the upper limit of the average particle diameter of the fine inorganic filler is set to 50 nm, and 25 nm is particularly preferable. This is because when the average particle diameter of the fine inorganic filler is less than the above range, the surface energy of the fine inorganic filler is increased, and aggregation or the like is likely to occur.Conversely, when the average particle diameter exceeds the above range, This is because the light diffusion sheet 1 becomes cloudy due to the influence of the short wavelength and the transparency of the light diffusion sheet 1 cannot be completely maintained.
[0048]
The lower limit of the blending amount of the fine inorganic filler to 100 parts by weight of the base polymer of the polymer composition (the amount of the inorganic component alone in terms of solid content) is preferably 5 parts, and particularly preferably 50 parts. On the other hand, the upper limit of the amount of the fine inorganic filler is preferably 500 parts, more preferably 200 parts, and particularly preferably 100 parts. This is because if the blending amount of the fine inorganic filler is less than the above range, the thermal deformation of the light diffusion sheet 1 may not be sufficiently prevented, and conversely, if the blending amount exceeds the above range, This is because compounding into the polymer composition becomes difficult, and the light transmittance of the light diffusion layer 3 may be reduced.
[0049]
As the fine inorganic filler, a material having an organic polymer fixed on its surface is preferably used. By using the organic polymer-fixed fine inorganic filler as described above, the dispersibility in the binder 4 and the affinity with the binder 4 are improved. This organic polymer is not particularly limited with respect to its molecular weight, shape, composition, presence or absence of a functional group and the like, and any organic polymer can be used. Regarding the shape of the organic polymer, any shape such as a linear, branched, or crosslinked structure can be used.
[0050]
Specific resins constituting such an organic polymer include, for example, (meth) acrylic resin, polystyrene, polyvinyl acetate, polyolefins such as polyethylene and polypropylene, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, polyesters such as polyethylene terephthalate and the like. Examples include copolymers and resins partially modified with functional groups such as amino groups, epoxy groups, hydroxyl groups, and carboxyl groups. Among them, those having an organic polymer containing a (meth) acrylic unit as an essential component such as a (meth) acrylic resin, a (meth) acryl-styrene resin, and a (meth) acryl-polyester resin have a film forming ability. It is suitable. On the other hand, a resin having compatibility with the polyol which is the base polymer of the polymer composition is preferable, and therefore, a resin having the same composition as the polyol contained in the polymer composition is most preferable.
[0051]
In addition, the fine inorganic filler may include an organic polymer in the fine particles. This makes it possible to impart appropriate softness and toughness to the inorganic substance as the core of the fine inorganic filler.
[0052]
As the organic polymer, one having an alkoxy group is preferably used, and its content is preferably 0.01 mmol or more and 50 mmol or less per 1 g of the fine inorganic filler to which the organic polymer is fixed. With such an alkoxy group, affinity with the matrix resin constituting the binder 4 and dispersibility in the binder 4 can be improved.
[0053]
Here, the alkoxy group refers to an RO group bonded to a metal element forming the skeleton of the fine particles. R is an alkyl group which may be substituted, and the RO groups in the fine particles may be the same or different. Specific examples of R include methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl and the like.
[0054]
The content of the organic polymer in the fine inorganic filler to which the organic polymer is fixed is not particularly limited, but is preferably 0.5% by mass or more and 50% by mass or less based on the fine inorganic filler.
[0055]
As described above, a polymer having a hydroxyl group is used as the organic polymer fixed to the fine inorganic filler, and a polyfunctional isocyanate compound having two or more functional groups that react with the hydroxyl group in the polymer composition constituting the binder 4, melamine It is preferable to contain at least one selected from a compound and an aminoplast resin. Thereby, the fine inorganic filler and the matrix resin of the binder 4 are bonded in a crosslinked structure, and the storage stability, stain resistance, flexibility, weather resistance, storage stability, and the like are improved, and the obtained coating film is further improved. It becomes glossy.
[0056]
Examples of the polyfunctional isocyanate compound include aliphatic, alicyclic, aromatic and other polyfunctional isocyanate compounds and modified compounds thereof. Specific examples of the polyfunctional isocyanate compound include, for example, tolylene diisocyanate, xylylene diisocyanate, diphenylmethane diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, lysine diisocyanate, 2,2,4-trimethylhexylmethane diisocyanate, methylcyclohexane diisocyanate, 1,6 A trimer such as a biuret or isocyanurate of hexamethylene diisocyanate; and 2 formed by the reaction of these polyfunctional isocyanates with polyhydric alcohols such as propanediol, hexanediol, polyethylene glycol and trimethylolpropane. Compounds in which at least two isocyanate groups remain; these polyfunctional isocyanate compounds are Choles, compounds having a phenolic hydroxyl group such as phenol and cresol, acetoximes, oximes such as methyl ethyl ketoxime, ε-caprolactam, blocked polyfunctional isocyanate compounds blocked with a lactam such as γ-caprolactam and the like. Can be mentioned. In addition, the said polyfunctional isocyanate compound can be used individually by 1 type or in mixture of 2 or more types. Among them, a non-yellowing polyfunctional isocyanate compound having no isocyanate group directly bonded to an aromatic ring is preferable in order to prevent yellowing of the coating.
[0057]
Examples of the melamine compound include dimethylol melamine, trimethylol melamine, tetramethylol melamine, pentamethylol melamine, hexamethylol melamine, isobutyl ether melamine, n-butyl ether melamine, and butylated benzoguanamine.
[0058]
Examples of the aminoplast resin include alkyl etherified melamine resins, urea resins, benzoguanamine resins, and the like. These aminoplast resins can be used alone or as a mixture or cocondensate of two or more. This alkyl etherified melamine resin is obtained by converting aminotriazine into methylol and alkyl etherifying it with cyclohexanol or an alkanol having 1 to 6 carbon atoms, butyl etherified melamine resin, methyl etherified melamine resin, methyl butyl mixed melamine. Resin is a typical one. Further, a sulfonic acid-based catalyst for promoting curing, for example, paratoluenesulfonic acid and its amine salt can be used.
[0059]
Further, the polymer composition preferably contains an isocyanate as a curing agent. By including the isocyanate curing agent in the polymer composition in this manner, a stronger crosslinked structure is obtained, and the physical properties of the light diffusion layer 3 are further improved. As this isocyanate, the same substance as the above-mentioned polyfunctional isocyanate compound is used. Among them, aliphatic isocyanates that prevent yellowing of the coating film are preferred.
[0060]
Further, an antistatic agent may be kneaded in the polymer composition. By forming the binder 4 from the polymer composition in which the antistatic agent is kneaded in this manner, an antistatic effect is exerted on the light diffusion sheet 1, and it becomes difficult to attract dust and to overlap with the prism sheet or the like. It is possible to prevent inconveniences caused by static electricity such as becoming. In addition, when the surface is coated with an antistatic agent, stickiness and turbidity of the surface occur, but such adverse effects are reduced by kneading the polymer composition. The antistatic agent is not particularly limited, for example, anionic antistatic agents such as alkyl sulfates and alkyl phosphates, quaternary ammonium salts, cationic antistatic agents such as imidazoline compounds, polyethylene glycol-based Nonionic antistatic agents such as polyoxyethylene sorbitan monostearate and ethanolamide, and high molecular antistatic agents such as polyacrylic acid are used. Above all, a cationic antistatic agent having a relatively large antistatic effect is preferable, and an antistatic effect is exhibited by adding a small amount.
[0061]
Next, a method for manufacturing the light diffusion sheet 1 will be described. The method of manufacturing the light diffusion sheet 1 includes: (a) a step of manufacturing a coating liquid for a light diffusion layer by mixing a light diffusion agent 5 with a polymer composition constituting the binder 4; A step of applying the layer coating liquid to the surface of the base material layer 2 to laminate the light diffusion layer 3.
[0062]
The light diffusion sheet 11 in FIG. 2 includes a base layer 2, a light diffusion layer 3 stacked on the front side of the base layer 2, and a sticking prevention layer 12 stacked on the back surface of the base layer 2. I have. The base layer 2 and the light diffusion layer 3 are the same as the light diffusion sheet 1 shown in FIG. Therefore, the light diffusion sheet 11 can also improve the weather resistance, heat resistance, and handleability while maintaining transparency.
[0063]
The sticking prevention layer 12 includes a binder 13 and beads 14 dispersed and contained in the binder 13. The binder 13 is also a polymer composition similar to the binder 4 of the light diffusion layer 3 (that is, a polymer containing a polyol and a fine inorganic filler, and having a glass transition temperature of 50 ° C. or more and 80 ° C. or less after curing. The composition is cross-linked and cured. The same material as the light diffusing agent 5 of the light diffusing layer 3 is used as the material of the beads 14. The thickness of the sticking prevention layer 12 (the thickness of the binder 13 excluding the beads 14) is not particularly limited, but is, for example, about 1 μm or more and 10 μm or less.
[0064]
The compounding amount of the beads 14 is relatively small, and the beads 14 are separated from each other and dispersed in the binder 13. Many of the beads 14 have a lower end projecting from the binder 13 by a very small amount. Therefore, when the light diffusion sheet 11 is laminated on the light guide plate, the lower ends of the protruding beads 14 contact the surface of the light guide plate or the like, and the entire back surface of the light diffusion sheet 11 does not contact the light guide plate or the like. Thereby, sticking between the light diffusion sheet 11 and the light guide plate or the like is prevented, and uneven brightness on the screen of the liquid crystal display device is suppressed.
[0065]
Since the light diffusion sheet 11 also contains a fine inorganic filler in the polymer composition constituting the binder 13 of the sticking prevention layer 12, the light diffusion sheet 11 has heat resistance, abrasion resistance, weather resistance, stain resistance, and the like. Can further enhance the physical properties of the film, and can significantly reduce the bending. Further, the polymer composition constituting the binder 13 also contains a polyol as a base polymer, and has a glass transition temperature of 50 ° C. or more and 80 ° C. or less after curing, so that heat resistance and weather resistance are significantly increased. Can be.
[0066]
Next, a method for manufacturing the light diffusion sheet 11 will be described. The method of manufacturing the light diffusion sheet 11 includes: (a) a step of manufacturing a coating solution for a light diffusion layer by mixing a light diffusion agent 5 with a polymer composition constituting the binder 4; A step of laminating the light-diffusing layer 3 by applying a layer coating solution to the surface of the base material layer 2 and (c) mixing the beads 14 with the polymer composition constituting the binder 13 to thereby prevent sticking. And (d) applying the anti-sticking layer coating liquid to the back surface of the base material layer 2 to laminate the anti-sticking layer 12.
[0067]
Therefore, in a backlight unit for a liquid crystal display device including a lamp, a light guide plate, a light diffusion sheet, a prism sheet, and the like, and dispersing the light emitted from the lamp to guide the light to the front side, the light diffusion sheet 1 is used as the light diffusion sheet. When the light-diffusing sheets 1 and 11 are used, the light-diffusing sheets 1 and 11 have coating properties such as high heat resistance and weather resistance. As a result, luminance unevenness and a decrease in luminance of the screen of the liquid crystal display device are suppressed.
[0068]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to Examples. However, the present invention should not be construed as being limited based on the description of the Examples.
[0069]
[Example 1]
Colloidal silica having an average particle size of 20 nm (Biso Chemical Industry Co., Ltd.), 100 parts of a binder resin compound having a glass transition temperature of 50 ° C. after curing using a polyester polyol as a base polymer (“Byron” series of Toyobo Co., Ltd.) Acrylic resin beads having an average particle size of 15 μm (Sekisui Plastics Co., Ltd.) in a polymer composition containing 50 parts of “PL-1” of Japan Co., Ltd. and 5 parts of a curing agent (“Coronate HX” of Nippon Polyurethane Co., Ltd.) ) Of “MBX-15”) was mixed with 50 parts to prepare a coating liquid, and this coating liquid was roll-coated to form a 100 μm-thick transparent polyester base layer (“A” of Toyobo Co., Ltd.) -4300 ”), and a light diffusion layer was formed by applying 15 g / m 2 (in terms of solid content) and curing. In addition, 10 parts of acrylic resin beads ("MBX-5" manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) having an average particle diameter of 5 µm were mixed with the polymer composition to prepare a coating liquid. Was applied to the back surface of the base material layer by a roll coating method at 3 g / m 2 (in terms of solid content), followed by curing to form an anti-sticking layer. Thus, the light diffusion sheet of Example 1 was obtained.
[0070]
[Example 2]
The light of Example 2 was obtained in the same manner as in Example 1 except that a binder resin formulation ("Byron" series of Toyobo Co., Ltd.) having a glass transition temperature of 60 ° C. after curing using a polyester polyol as a base polymer was used. A diffusion sheet was obtained.
[0071]
[Example 3]
The light of Example 3 was obtained in the same manner as in Example 1 except that a binder resin compound ("Byron" series of Toyobo Co., Ltd.) having a glass transition temperature of 70C after curing using a polyester polyol as a base polymer was used. A diffusion sheet was obtained.
[0072]
[Example 4]
The light of Example 4 was obtained in the same manner as in Example 1 except that a binder resin formulation ("Byron" series of Toyobo Co., Ltd.) having a glass transition temperature of 80 ° C after curing using a polyester polyol as a base polymer was used. A diffusion sheet was obtained.
[0073]
[Example 5]
Colloidal silica having an average particle size of 20 nm (Fuso Chemical Co., Ltd.), 100 parts of a binder resin compound having a glass transition temperature of 50 ° C. after curing using an acrylic polyol as a base polymer (“RUB Medium” series of Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd.) In a polymer composition containing 50 parts of “PL-1” of Co., Ltd. and 5 parts of a curing agent (“PCTLN curing agent” of Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd.), acrylic resin beads having an average particle diameter of 15 μm ( 30 parts of “MBX-15” of Sekisui Plastics Co., Ltd.) were mixed to prepare a coating solution, and the coating solution was roll-coated to form a 100 μm-thick transparent polyester base layer (Toyobo Co., Ltd.) The light diffusing layer was formed by applying 15 g / m 2 (in terms of solid content) on the surface of “A-4300” (trade name) and curing. In addition, 10 parts of acrylic resin beads ("MBX-5" manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) having an average particle diameter of 5 µm were mixed with the polymer composition to prepare a coating liquid. Was applied to the back surface of the base material layer by a roll coating method at 3 g / m 2 (in terms of solid content), followed by curing to form an anti-sticking layer. Thus, a light diffusion sheet of Example 5 was obtained.
[0074]
[Example 6]
Example 5 The same procedure as in Example 5 was carried out except that a binder resin compound having a glass transition temperature of 60 ° C. after curing using an acrylic polyol as a base polymer (“RUB medium” series of Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd.) was used. 6 was obtained.
[0075]
[Example 7]
Example 5 The same procedure as in Example 5 was carried out except that a binder resin composition having a glass transition temperature of 70 ° C. after curing using an acrylic polyol as a base polymer (“RUB medium” series manufactured by Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd.) was used. 7 was obtained.
[0076]
Example 8
Example 5 The same procedure as in Example 5 was carried out except that a binder resin composition having a glass transition temperature of 80 ° C. after curing using an acrylic polyol as a base polymer (“RUB medium” series of Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd.) was used. 8 was obtained.
[0077]
[Comparative Example 1]
The light of Comparative Example 1 was obtained in the same manner as in Example 1 except that a binder resin compound having a glass transition temperature of 40 ° C. after curing using a polyester polyol as a base polymer (“Byron” series manufactured by Toyobo Co., Ltd.) was used. A diffusion sheet was obtained.
[0078]
[Comparative Example 2]
The light of Comparative Example 2 was obtained in the same manner as in Example 1 except that a binder resin compound having a glass transition temperature of 85 ° C. after curing using a polyester polyol as a base polymer (“Byron” series of Toyobo Co., Ltd.) was used. A diffusion sheet was obtained.
[0079]
[Comparative Example 3]
A comparative example was performed in the same manner as in Example 5 except that a binder resin composition having a glass transition temperature of 45 ° C. after curing using an acrylic polyol as a base polymer (“RUB medium” series of Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd.) was used. 3 was obtained.
[0080]
[Comparative Example 4]
A comparative example was performed in the same manner as in Example 5 except that a binder resin compound having a glass transition temperature of 85 ° C. after curing using an acrylic polyol as a base polymer (“RUB medium” series of Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd.) was used. 4 was obtained.
[0081]
[Evaluation of properties]
Using the light diffusion sheets of Examples 1 to 8 and Comparative Examples 1 to 4, the handleability and heat resistance of these light diffusion sheets were evaluated. The results are shown in Table 1 below.
[0082]
In the process of inspection, transportation, assembly to the backlight unit, etc.
(1) ◎, when no scratches or film cracks occur
(2) When scars and film cracks hardly occur,
(3) When the surface is easily scratched,
(4) The case where film cracking occurs from the end face etc.
Was evaluated.
[0083]
The heat resistance was measured by assembling the light diffusion sheet into a 12.3-inch backlight unit, placing the light diffusion sheet in an environmental tester at 60 ° C. and 90% RH, lighting the lamp, 1 hour, 2 hours, 4 hours, 8 hours, and 12 hours. Time and the presence or absence of the bending of the light diffusion sheet after 24 hours and the degree thereof are determined from the degree of occurrence of the luminance unevenness of the backlight unit,
(1) A case where there is no luminance unevenness and no deflection occurs,
(2) A case where there was almost no unevenness in luminance and only a very small bending occurred,
Was evaluated.
[0084]
[Table 1]
Figure 2004004599
[0085]
As shown in Table 1 above, the higher the glass transition temperature of the binder, the better the heat resistance. On the other hand, the light-diffusing sheets of Comparative Examples 1 and 3 having a glass transition temperature of less than 50 ° C. tend to have scratches on the surface, and the light-diffusing sheets of Comparative Examples 2 and 4 having a glass transition temperature of more than 80 ° C. have a film crack. And the handling property is reduced. Therefore, the light diffusion sheets of Examples 1 to 8 having a glass transition temperature of 50 ° C. or more and 80 ° C. or less, particularly the light diffusion sheets of Examples 2, 3, 6 and 7 having a glass transition temperature of 60 ° C. or more and 70 ° C. or less are high. Shows heat resistance and handleability.
[0086]
【The invention's effect】
As described above, according to the light diffusion sheet of the present invention, it is possible to improve heat resistance, thermal dimensional stability, and weather resistance while maintaining transparency. Etc. can be suppressed. Further, according to the backlight unit provided with the light diffusion sheet, it is possible to significantly reduce the occurrence of luminance unevenness and luminance reduction.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic sectional view showing a light diffusion sheet according to one embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing a light diffusion sheet having a form different from that of FIG.
3A is a schematic perspective view showing a general edge light type backlight unit, and FIG. 3B is a schematic cross-sectional view showing a general light diffusion sheet.
[Explanation of symbols]
REFERENCE SIGNS LIST 1 light diffusion sheet 2 base material layer 3 light diffusion layer 4 binder 5 light diffusion agent 11 light diffusion sheet 12 sticking prevention layer 13 binder 14 beads

Claims (8)

透明な基材層と、この基材層の表面側に積層される光拡散層とを備え、この光拡散層がバインダー中に光拡散剤を含有する光拡散シートであって、
上記バインダーが、ポリオールと微小無機充填剤とを含むポリマー組成物から形成され、かつ、50℃以上80℃以下のガラス転移温度を有し、
この微小無機充填剤の平均粒子径が5nm以上50nm以下であることを特徴とする光拡散シート。
A transparent substrate layer, comprising a light diffusion layer laminated on the surface side of the substrate layer, the light diffusion layer is a light diffusion sheet containing a light diffusion agent in a binder,
The binder is formed from a polymer composition containing a polyol and a fine inorganic filler, and has a glass transition temperature of 50 ° C or more and 80 ° C or less,
A light diffusing sheet, wherein the average particle diameter of the fine inorganic filler is 5 nm or more and 50 nm or less.
上記基材層の裏面側に積層されるスティッキング防止層をさらに備え、このスティッキング防止層がバインダー中にビーズを分散含有し、
上記バインダーが、ポリオールと微小無機充填剤とを含むポリマー組成物から形成され、かつ、50℃以上80℃以下のガラス転移温度を有し、
この微小無機充填剤の平均粒子径が5nm以上50nm以下である請求項1に記載の光拡散シート。
Further comprising a sticking prevention layer laminated on the back side of the base material layer, the sticking prevention layer contains beads dispersed in a binder,
The binder is formed from a polymer composition containing a polyol and a fine inorganic filler, and has a glass transition temperature of 50 ° C or more and 80 ° C or less,
The light diffusion sheet according to claim 1, wherein the average particle diameter of the fine inorganic filler is 5 nm or more and 50 nm or less.
上記微小無機充填剤の表面に有機ポリマーが固定されている請求項1又は請求項2に記載の光拡散シート。The light diffusion sheet according to claim 1, wherein an organic polymer is fixed on a surface of the fine inorganic filler. 上記有機ポリマーが固定された微小無機充填剤中にアルコキシ基を0.01mmol/g以上50mmol/g以下含有する請求項3に記載の光拡散シート。The light diffusion sheet according to claim 3, wherein the fine inorganic filler to which the organic polymer is fixed contains an alkoxy group in an amount of 0.01 mmol / g to 50 mmol / g. 上記ポリオールがシクロアルキル基を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光拡散シート。The light diffusion sheet according to any one of claims 1 to 4, wherein the polyol has a cycloalkyl group. 上記ポリマー組成物中に硬化剤として脂肪族系イソシアネートを含有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光拡散シート。The light diffusion sheet according to any one of claims 1 to 5, wherein the polymer composition contains an aliphatic isocyanate as a curing agent. 上記有機ポリマーが水酸基を有し、上記ポリマー組成物中に多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物およびアミノプラスト樹脂から選択される1種又は2種以上のものを含有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光拡散シート。7. The organic polymer according to claim 1, wherein the organic polymer has a hydroxyl group, and the polymer composition contains one or more selected from a polyfunctional isocyanate compound, a melamine compound and an aminoplast resin. 2. The light diffusion sheet according to claim 1. ランプから発せられる光線を分散させて表面側に導く液晶表示装置用のバックライトユニットにおいて、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光拡散シートを備えていることを特徴とする液晶表示装置用のバックライトユニット。
In a backlight unit for a liquid crystal display device, which disperses a light beam emitted from a lamp and guides the light to a surface side,
A backlight unit for a liquid crystal display device, comprising the light diffusion sheet according to any one of claims 1 to 7.
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