JP2004003325A - 掘削用ピック - Google Patents

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Terumi Okamoto
岡本 輝美
Takashi Matsuura
松浦 隆
Yukio Futaki
二木 幸男
Masanori Yoshino
吉野 正則
Hiroyuki Odaka
小高 宏幸
Takeshi Itsukaichi
五日市 剛
Satoru Osawa
大澤 悟
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Fujimi Inc
Nippon Koki Co Ltd
Morimoto Corp
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Fujimi Inc
Nippon Koki Co Ltd
Morimoto Gumi Corp
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Abstract

【課題】溶射皮膜の剥離が抑制され、それによって、より確実に耐摩耗性を向上させることができる掘削用ピックを提供する。
【解決手段】以下のように直線L1と半直線L2を定義するときに、直線L1と掘削用ピックの中心軸Xのなす角θ1が半直線L2と同中心軸Xのなす角θ2以上であって、なおかつ、直線L1と半直線L2が交わらないように或いは接するように構成する。直線L1:チップ12の尖端部12aの頂点Vと、同尖端部12aの側面上にあって同尖端部12aの基端に位置する点Aとを結ぶ直線。半直線L2:ピックボディ11の頭部11aの側面上にあって同頭部11aの先端に位置する点をBとしたときに、その点Bにおいて溶射皮膜13表面に接して掘削用ピックの中心軸Xに交差する直線に含まれる半直線であって、点Bを始点として掘削用ピックの基端方向に延びる半直線。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば掘削機のカッターヘッドに取着して使用される掘削用ピックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の掘削用ピックでは、耐摩耗性を向上させるべく、表面に溶射皮膜を設ける試みがなされている。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−178532号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、単純に溶射皮膜を設けただけでは、その溶射皮膜が使用時に容易に剥離して耐摩耗性が充分に改善されないことがある。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、溶射皮膜の剥離が抑制され、それによって、より確実に耐摩耗性を向上させることができる掘削用ピックを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、略円錐形状の尖端部(12a)を有するチップ(12)が、ピックボディ(11)の、表面に溶射皮膜(13)が設けられて略円錐台形状をなす頭部(11a)に固着された掘削用ピックであって、以下のように直線L1と半直線L2を定義するときに、直線L1と掘削用ピックの中心軸(X)のなす角θ1(ただし、θ1<90°)が半直線L2と同中心軸(X)のなす角θ2(ただし、θ2<90°)以上であって、なおかつ、直線L1と半直線L2が交わらないように或いは接するように構成されたことを要旨とする。直線L1:チップ(12)の尖端部(12a)の頂点(V)と、同尖端部(12a)の略円錐面形状をなす側面上にあって同尖端部(12a)の基端に位置する点Aとを結ぶ直線。半直線L2:ピックボディ(11)の頭部(11a)の略円錐面形状をなす側面上にあって同頭部(11a)の先端に位置する点をBとしたときに、その点Bにおいて溶射皮膜(13)表面に接して掘削用ピックの中心軸(X)に交差する直線に含まれる半直線であって、点Bを始点として掘削用ピックの基端方向に延びる半直線。(ただし、点Bは、掘削用ピックの中心軸(X)を中心とした周方向において点Aと同一箇所に位置する。)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の掘削用ピックにおいて、前記点Aと前記点Bとの間の距離が、0〜10mmであることを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の掘削用ピックにおいて、前記溶射皮膜が、サーメット粉末と金属粉末が混合された溶射粉末を溶射して形成されたものであることを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の掘削用ピックにおいて、前記溶射皮膜が、使用時の摩擦によって損耗したピックボディの頭部表面に溶射材料を溶射して設けたものであることを要旨とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図1、図2を用いて説明する。
図1は本実施形態の掘削用ピック10を示す半断面図である。同図に示すように、本実施形態の掘削用ピック10は、ピックボディ11と、そのピックボディ11の頭部11aに固着されたチップ12とから構成されている。
【0010】
ピックボディ11は、硬質の金属材料で形成されたピックボディ本体11bを備え、表面に溶射皮膜13が設けられて略円錐台形状をなす頭部11aを先端(図1では上端)に有している。このピックボディ11の頭部11aの先端面には凹所14が設けてあり、前記チップ12は該凹所14にはめ込まれた状態でロウ付け又は圧入によって頭部11aに固着されている。なお、溶射皮膜13の厚さは、本実施形態の場合、0.2mmに設定されている。
【0011】
一方、チップ12は超硬材料(例えば主としてタングステンカーバイドとコバルトから構成された焼結材料)で形成され、略円錐形状の尖端部12aを先端(図1では上端)に有している。上述したとおり、チップ12は、凹所14にはめ込まれた状態で頭部11aに固着されているが、少なくとも尖端部12aは凹所14から突出し外部に露出している。
【0012】
ここで、図1に示す直線L1及び半直線L2について説明する。直線L1は、チップ12の尖端部12aの頂点Vと、同尖端部12aの略円錐面形状をなす側面上にあって同尖端部12aの基端に位置する点Aとを結ぶ直線である。一方、半直線L2は、ピックボディ11の頭部11aの略円錐面形状をなす側面上にあって同頭部11aの先端に位置する点をBとしたときに、その点Bにおいて溶射皮膜13表面に接して掘削用ピック10の中心軸Xに交差する直線に含まれる半直線である。そして、なおかつ点Bを始点として掘削用ピック10の基端方向(図1では下方)に延びる半直線である。ただし、点Bは、掘削用ピック10の中心軸Xを中心とした周方向において点Aと同一箇所に位置する。また、チップ12の尖端部12aの基端とは、凹所14から突出して外部に露出しているチップ12の先端部分のうちで最も大径でなおかつ頂点Vにより近い部位をいう。
【0013】
本実施形態の掘削用ピック10は、直線L1と掘削用ピック10の中心軸Xのなす角θ1(ただし、θ1<90°)が、半直線L2と同中心軸Xのなす角θ2(ただし、θ2<90°)以上となるように構成されている。ちなみに、本実施形態の場合、θ1の値は46°、θ2の値は30°に設定され、θ1からθ2を減じた値(θ1−θ2)は16°になっている。
【0014】
また、本実施形態の掘削用ピック10は、図1に示すように、直線L1と半直線L2が交わらないように構成されている。
さらに、点Aと点Bの間の距離dは、本実施形態の場合、2mmに設定されている。
【0015】
次に、前記溶射皮膜13の形成の際に用いられる溶射材料について説明する。
溶射皮膜13の形成の際に用いられる溶射材料としては、例えば、Al、ZrO−Y及び酸化クロム等のセラミックス粉末、Fe合金、Ni合金及びCo合金等の金属粉末、WC/Co、WC/CrC/Ni及びCrC/NiCr等のサーメット粉末、ならびにプラスチック粉末等からなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む溶射粉末などが挙げられる。その中でも好ましいのは、サーメット粉末を含む溶射粉末であり、より好ましいのはサーメット粉末と金属粉末が混合された溶射粉末である。さらに最も好ましいのは、サーメット粉末を80〜97重量%、金属粉末を3〜20重量%含有し、前記金属粉末に占めるクロムの量が0〜55重量%で、なおかつ同金属粉末に占めるクロムとニッケルを合わせた量が90重量%以上である溶射粉末である。
【0016】
以上説明した掘削用ピック10は、掘削機のカッターヘッドに取着して使用される。図2は本実施形態の掘削用ピック10の使用状態を示す側面図である。掘削用ピック10は、カッターヘッドの略半球面形状をなす表面に二重螺旋状に配置され、図2に示すように、カッターヘッドの表面に固着されたピックボックス21に装着させて掘削に使用される。
【0017】
以下、前記溶射材料についてさらに詳細に説明する。
先に述べたとおり、溶射皮膜13の形成の際に用いられる溶射材料として、より好ましいのは、サーメット粉末と金属粉末が混合された溶射粉末であるが、この溶射粉末に占めるサーメット粉末の量は80〜97重量%が好ましく、同じく金属粉末の量は3〜20重量%が好ましい。
【0018】
ここで、まずはじめに前記溶射粉末に含まれるサーメット粉末について説明する。
前記溶射粉末に含まれるサーメット粉末としては、次の(1)及び(2)のサーメット粉末が好ましい。(1)タングステンカーバイド及びクロムカーバイドを主体とするセラミック成分と、ニッケルを主体とする金属成分を複合化したサーメット粉末。(2)タングステンカーバイドを主体とするセラミック成分と、コバルト及びクロムを主体とする金属成分を複合化したサーメット粉末。
【0019】
なお、タングステンカーバイドには、WC、WCがあるが、上記(1)及び(2)のサーメット粉末中のタングステンカーバイドはWCが好ましい。また、クロムカーバイドにはCr、Cr、Cr23があるが、上記(1)のサーメット粉末中のクロムカーバイドはCr又はCrが好ましく、Crがより好ましい。WCやCr、Crであれば、その酸化及び/又は脱炭反応に起因して溶射皮膜13の特性が低下するのを抑制することができる。
【0020】
サーメット粉末中のセラミック成分は溶射皮膜13の耐摩耗性の向上に主に寄与するものであり、そのうちクロムカーバイドは溶射皮膜13の耐食性の向上にも寄与する。一方、サーメット粉末の金属成分は、結合材として機能して溶射皮膜13の靭性の向上に主に寄与するものであり、そのうちニッケル及びクロムは溶射皮膜13の耐食性の向上にも寄与する。
【0021】
上記(1)のサーメット粉末に占めるセラミック成分の量は、タングステンカーバイドについては60〜85重量%が好ましく、65〜80重量%がより好ましい。またクロムカーバイドについては10〜30重量%が好ましく、15〜25重量%がより好ましい。一方、同サーメット粉末に占めるニッケルの量は、4〜15重量%が好ましく、5〜12重量%がより好ましい。
【0022】
上記(2)のサーメット粉末に占めるタングステンカーバイドの量は、80〜92重量%が好ましく、84〜90重量%がより好ましい。一方、同サーメット粉末に占める金属成分の量は、コバルトについては4〜20重量%が好ましく、6〜12重量%がより好ましい。また、クロムについては2〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
【0023】
サーメット粉末中のセラミック成分の平均粒子径は、タングステンカーバイドについては2〜20μmが好ましく、5〜12μmがより好ましい。また、クロムカーバイドについては、1〜10μmが好ましく、3〜7μmがより好ましい。これらの平均粒子径が過小であると、溶射皮膜13の耐衝撃性及び耐摩耗性の低下を招くおそれがあり、逆に過大であると溶射効率が低下するほか、原料成分が均一に分散した球状の顆粒を得ることが困難になる。一方、金属成分であるニッケル、コバルト及びクロムの平均粒子径は、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。これらの平均粒子径が過小であると、一般にコスト高になる傾向があり、逆に過大であると原料成分が均一に分散した球状の顆粒を得ることが困難になる。
【0024】
サーメット粉末中のセラミック成分に含まれる遊離炭素の量は、タングステンカーバイドについては0.05重量%以下が好ましく、クロムカーバイドについて0.1重量%以下がより好ましい。この遊離炭素の量が過大であると、溶射皮膜13内部の結合力が低下して耐衝撃性が低下するおそれがある。
【0025】
サーメット粉末はセラミック成分及び金属成分の原料粉末を混合し、公知の造粒−焼結法、焼結−粉砕法又は溶融−粉砕法によって製造される。そのうち造粒−焼結法でサーメット粉末を製造する場合には、原料粉末を混合しスラリー中で均一分散させた後、5〜75μmの粒度分布となるよう造粒し、900℃以上で5時間以上焼結を行なうことが好ましい。焼結条件は、原料粉末の組成および溶射粉末に求められる特性により最適化する必要があるが、一般に一定温度で5時間以上焼結することにより、均一で硬質な球状粒子を得ることができる。また、焼結にあたっては、原料粉末を造粒したものが酸化しないように真空または不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。原料粉末を5〜75μmの粒度分布となるように造粒し、それを焼結し解砕、分級した場合には、高速フレーム溶射に適した粒度分布が6〜63μmのサーメット粉末を得ることができる。ただし、溶射装置の種類や溶射条件に応じて、所望の粒度分布を有するサーメット粉末を得るべく、造粒、解砕及び分級の条件は適宜変更してもよい。
【0026】
続いて、前記溶射粉末に含まれる金属粉末について説明する。
先にも述べたとおり、前記溶射粉末に含まれる金属粉末としては、クロムの含有量が0〜55重量%であって、なおかつクロムとニッケルを合わせた含有量が90重量%以上のものが好ましい。クロムの含有量が55重量%を超える場合やクロムとニッケルを合わせた含有量が90重量%を下回る場合には、溶射皮膜13の耐衝撃性が低下するおそれがある。なお、金属粉末中のクロムの含有量は5〜30重量%がより好ましく、クロムの含有量を上記範囲とすれば溶射皮膜13の耐食性及び耐摩耗性の低下を招くことなく耐衝撃性を向上させることができる。
【0027】
金属粉末に含まれる炭素の量は0.4重量%以下が好ましく、0.2重量%以下がより好ましい。また、金属粉末に含まれるケイ素、ホウ素、アルミニウム、マンガン、チタン、鉄、硫黄及びモリブデン(以下、これら八種の元素をケイ素等という)を合わせた量は10重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。炭素の含有量が0.4重量%を超える場合やケイ素等を合わせた含有量が10重量%を超える場合には、溶射皮膜13の耐衝撃性が低下するおそれがある。なお、これら金属粉末に含まれる炭素及びケイ素等は、金属粉末の調製工程で不純物として混入する炭素及びケイ素等、アトマイズ時の微粉末化やその他の目的で添加される炭素及びケイ素等、並びに金属地金中に不純物として含まれる炭素及びケイ素等に由来するものである。
【0028】
金属粉末は、一般に水アトマイズ法やガスアトマイズ法などのアトマイズ法により製造される。なお金属粉末の粒度分布は、上記サーメット粉末の粒度分布と同等であることが好ましい。
【0029】
以上説明したサーメット粉末と金属粉末を混合して調製される溶射粉末は、フレーム溶射法、プラズマ溶射法などあらゆる溶射法に適用可能であるが、その中でも高速フレーム溶射法に適用した場合に特に効果的である。また高速フレーム溶射法の中でも、溶射装置としてPRAXAIR/TAFA社製のJP−5000又はUNIQUE COAT TECHNOLOGIES社製のINTELLI−JET HVAFを用いた高速フレーム溶射法が特に好ましい。
【0030】
本実施形態によって得られる作用効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態の掘削用ピック10は、直線L1と半直線L2が交わらないように構成されている。そのため、チップ12の側面からピックボディ11の側面にかけての部分に出っ張る箇所がなくなって、掘削使用時に土砂等によって溶射皮膜13に加わる衝撃を軽減することができる。よって、溶射皮膜13の剥離を抑制することができ、ピックボディ11の耐摩耗性をより確実に向上させることができ、ひいてはチップ12の脱落などピックボディ11の摩耗に起因する弊害の発生を抑制することができる。
【0031】
・ 溶射皮膜13を、サーメット粉末を含む溶射粉末を溶射して設けたものとすれば、溶射皮膜13の耐摩耗性を向上させることができる。サーメット粉末を含む溶射粉末を溶射して設けた溶射皮膜13の耐摩耗性が向上する理由は、サーメット粉末中の金属成分に由来する金属マトリックスが、硬質のセラミックス成分を保持し、その脱落を抑制するように働くためと推測される。
【0032】
また、溶射皮膜13を、一次粒子径が比較的大きなサーメット粉末、例えばサーメットを構成するWC及びCrCの一次粒子径がそれぞれ2〜20μm及び1〜10μmであるサーメット粉末を含む溶射粉末を溶射して設けたものとすれば、溶射皮膜13の耐摩耗性をさらに向上させることができる。一次粒子径が比較的大きなサーメット粉末を含む溶射粉末を溶射して設けた溶射皮膜13の耐摩耗性が向上する理由は、金属成分に由来する金属マトリックスに接するセラミックス成分の表面積が大きくなり、その脱落が一層抑制されるためと推測される。
【0033】
・ 溶射皮膜13を、サーメット粉末と金属粉末が混合された溶射粉末を溶射して設けたものとすれば、溶射皮膜13の耐剥離性を向上させることができる。
サーメット粉末と金属粉末が混合された溶射粉末を溶射して設けた溶射皮膜13の耐剥離性が向上する理由は、以下に説明する金属粉末に由来する構造が溶射皮膜13の内部に形成されるためと推察される。すなわち、サーメット粉末と金属粉末が混合された溶射粉末を溶射してできる溶射皮膜13を観察すると、金属粉末成分が適度な厚みを有した状態で積層し比較的大きな金属相として点在した構造が内部に確認される。この金属相が、溶射皮膜13に外力が加わったときに緩衝材として機能して外力を吸収分散するように作用することにより、溶射皮膜13の耐剥離性が大きく向上するものと推察される。
【0034】
また、溶射皮膜13を、サーメット粉末を80〜97重量%、金属粉末を3〜20重量%含有し、前記金属粉末に占めるクロムの量が0〜55重量%で、なおかつ同金属粉末に占めるクロムとニッケルを合わせた量が90重量%以上である溶射粉末を溶射して設けたものとすれば、上記の効果を一段と高めることができる。
【0035】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記実施形態では、直線L1と半直線L2が交わらないように掘削用ピック10を構成したが、直線L1と半直線L2が接するように掘削用ピック10を構成してもよい。このように構成した場合も、前記実施形態の場合と同様、溶射皮膜13の剥離が抑制されるので、ピックボディ11の耐摩耗性をより確実に向上させることができる。
【0036】
・ 前記実施形態では、点Aと点Bとの間の距離dを2mmに設定したが、直線L1と半直線L2が交わらない限り、距離dはどのような値であってもよい。ただし、距離dは、好ましくは0〜10mm、より好ましくは0〜3mm、最も好ましくは0〜2mmである。この距離dが過大であると、凹所14から外側に突出するチップ12の量が相対的に増大するために、チップ12の保持力が低下するおそれがある。
【0037】
・ 前記実施形態では、θ1を46°に設定したが、θ1の値は、θ2以上であれば、直線L1と半直線L2が交わらない限り、どのような値であってもよい。ただし、θ1は、好ましくは20〜75°、より好ましくは25〜50°である。θ2の値にもよるが、θ1が過大であると、チップ12が鈍角になることに起因して掘削効率が低下するおそれがある。逆にθ1が過小であると、初期の掘削効率は向上するが、ピックボディ11の頭部11aの凹所14部分における肉厚が小さくなることに起因してチップ12の保持力が低下するおそれがある。
【0038】
・ 前記実施形態では、θ1−θ2を16°に設定したが、θ1−θ2の値は、0(ゼロ)以上であれば、直線L1と半直線L2が交わらない限り、どのような値であってもよい。ただし、θ1−θ2は、好ましくは0〜45°、より好ましくは0〜35°、最も好ましくは0〜25°である。θ1−θ2が過大であると、ピックボディ11の頭部11aの凹所14部分における肉厚が小さくなることに起因してチップ12の保持力が低下するおそれがある。逆にθ1−θ2が過小であると、ピックボディ11の耐摩耗性を向上させ得ないおそれがある。
【0039】
・ 前記実施形態では、溶射皮膜13の厚みを0.2mmとしたが、直線L1と半直線L2が交わらない限り、溶射皮膜13の厚みはどのような値であってもよい。ただし、溶射皮膜13の厚みは、好ましくは0.05〜1mm、より好ましくは0.1〜0.7mm、最も好ましくは0.2〜0.5mmである。この厚みが過大であるとコスト高になり、逆に過小であると、ピックボディ11が比較的早期に露出することがあり十分な耐摩耗性が得られない。
【0040】
・ 前記実施形態では、ピックボディの頭部11aの表面全体に溶射粉末を溶射して溶射皮膜13を設けたが、溶射皮膜13は、頭部11aの少なくとも先端を含む部分に設けてあればよく、必ずしも頭部11aの表面全体に設けられていなくてもよい。
【0041】
・ 掘削使用によって摩耗したピックボディ11の頭部11a表面に溶射材料を溶射して溶射皮膜13を再び設けるようにしてもよい。
・ 従来型の掘削用ピックが、掘削使用によって本発明の条件を満たす形状に損耗したときには、その掘削用ピックに溶射皮膜13を設けることによって、本発明の掘削用ピック10を構成するようにしてもよい。
【0042】
・ 掘削用ピック10は、掘削機以外の加工機械のカッターヘッド、例えばアスファルト混合物又はコンクリートで舗装された路面を切削する切削機のカッターヘッドに取着されてもよい。換言すれば、掘削用ピック10は、切削用ピックとして使用されてもよい。前記切削機のカッターヘッドは一般にドラム形であって、掘削用ピックを装着可能なピックボックスは、そのカッターヘッドの表面に一重螺旋状又は多重螺旋状に並んで設けられている。
【0043】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜13及び比較例1〜3)
実施例1〜13,比較例1〜3の掘削用ピックとして、「θ1」、「θ2」、「θ1−θ2」、「直線L1と半直線L2の関係」、「溶射材料」、「溶射皮膜の厚さ」、「距離d」が表1にそれぞれ示される通りのものを作製した。そして、下記のようにして、各例の掘削用ピックについて「耐摩耗性」、「耐剥離性」、「チップ脱落」、「掘削効率」、「製造コスト」、それぞれに関する評価を行なうとともに、以上五項目についての総合評価を行なった。その評価結果を表1に示す。
【0044】
ただし、実施例13の掘削用ピックは、θ2が30°であったものが掘削使用によって摩耗しθ2が25°になったピックボディの頭部表面に溶射粉末を溶射して溶射皮膜を設けたものである。また、比較例1の掘削用ピックは、図3に示すように、直線L1と半直線L2が交わる形状のものであり、比較例2の掘削用ピックは、比較例1の掘削用ピックのピックボディ頭部に溶射皮膜を設けたものである。さらに、比較例3の掘削用ピックは、実施例2の掘削用ピックのピックボディ頭部に溶射皮膜を設けなかったものである。
【0045】
(耐摩耗性に関する評価)
日本鉱機株式会社製の掘削機(RH−8J−700−WJ型)のカッターヘッドに各例の掘削用ピックを取着し、地山(岩種;凝灰質泥岩・砂岩、qu=7.5N/mm2)の掘削を実施した。掘削距離24m、カッタ運転時間38.6時間の掘削を実施した後、各例の掘削用ピックの重量減を測定した。比較例1の掘削用ピックの重量減を1としたときの重量減が0.1未満のものを◎、0.1以上0.2未満のものを○、0.2以上0.5未満のものを△、0.5以上0.8未満のものを×、0.8以上のものを××、と評価した。
【0046】
(耐剥離性に関する評価)
上記耐摩耗性の評価の場合と同じように掘削を実施した後、掘削用ピックの溶射皮膜の状態を目視によって確認した。そして、掘削使用前と変化が認められなかったものを◎、剥離はないものの溶射皮膜にクラックの発生が認められたものを○、ピックボディ頭部の一部において溶射皮膜の剥離が認められたものを△、ピックボディの頭部先端を含む広い範囲で溶射皮膜の剥離が認められたものを×と評価した。
【0047】
(チップ脱落に関する評価)
上記耐摩耗性の評価の場合と同じような方法で掘削を実施し、掘削距離75mと150mの時点で、掘削用ピックのチップとピックボディ頭部周辺の状態を目視によって確認した。そして、以下の基準で評価を行なった。◎:掘削距離150mまで掘削した後でも、掘削使用前と殆ど変化が認められなかった。○:掘削距離75mの時点では殆ど変化が認められなかったが、150mまで掘削した後、ピックボディの頭部(溶射皮膜を含む)の一部にわずかに摩耗が認められた。△:掘削距離75mの時点で既にピックボディの頭部(溶射皮膜を含む)に摩耗が認められたが、掘削距離150mまで掘削した後でもチップの脱落が発生しなかった。×:掘削距離150mまで掘削した時点で、チップの脱落が発生した。××:掘削距離75mの時点で、ピックボディの頭部が摩耗しチップの脱落が発生した。
【0048】
(掘削効率に関する評価)
掘削用ピックのθ1を比較した。θ1の値が25°以上50°未満のものを◎、20°以上25°未満及び50°以上75°未満のものを○、20°未満及び75°以上のものを×、と評価した。
【0049】
(製造コストに関する評価)
各例の掘削用ピックの製造コストを比較した。比較例1の掘削用ピックを1としたとき、製造コストが1以下のものを◎、1より大きく1.2以下のものを○、1.2より大きく1.4以下のものを△、1.4より大きいものを×、と評価した。
【0050】
(総合評価)
上記の耐摩耗性、耐剥離性、チップ脱落、掘削効率、製造コストに関する各評価について、それぞれ◎を20点、○を15点、△を10点、×を5点、××を0点とした。そのとき、合計が95点以上のものを◎、85〜94点のものを○、75〜84点のものを△、いずれかの項目に×の評価があるものを×、いずれかの項目に××の評価があるものを××と評価した。
【0051】
(実施例21〜33及び比較例11〜13)
実施例21〜33,比較例11〜13の掘削用ピックとして、「θ1」、「θ2」、「θ1−θ2」、「直線L1と半直線L2の関係」、「溶射材料」、「溶射皮膜の厚さ」、「距離d」が表1にそれぞれ示される通りのものを作製した。そして、下記のようにして、各例の掘削用ピックについて「耐摩耗性」、「耐剥離性」、「チップ脱落」、「切削効率」、「製造コスト」、それぞれに関する評価を行なうとともに、以上五項目についての総合評価を行なった。その評価結果を表1に示す。
【0052】
ただし、実施例33の掘削用ピックは、θ2が9°であったものが切削使用によって摩耗し、θ2が22°になったピックボディの頭部表面に溶射粉末を溶射して溶射皮膜を設けたものである。また、比較例11の掘削用ピックは、図5に示すように、直線L1と半直線L2が交わる形状のものであり、比較例12の掘削用ピックは、比較例11の掘削用ピックのピックボディ頭部に溶射皮膜を設けたものである。さらに、比較例13の掘削用ピックは、実施例22(図4参照)の掘削用ピックのピックボディ頭部に溶射皮膜を設けなかったものである。
【0053】
なお、実施例21〜33及び比較例11〜13では、ピックボディはSCM439の焼入れ焼戻し材からなり、チップはE3種超硬材料(JIS M 3916)からなる。
【0054】
(耐摩耗性に関する評価)
酒井重工業株式会社製の切削機「ER550F」(総重量29000Kg)のアスファルト切削用のカッターヘッドに、実施例21〜33及び比較例11〜13の掘削用ピックを取着し、アスファルト混合物(密粒度アスファルト混合物(骨材最大粒径13mm))で舗装された路面の切削を実施した。切削面積を5000m、作業速度を15m/分、切削深さを50mmに設定して切削を実施した後、各例の掘削用ピックの重量減を測定した。比較例11の掘削用ピックの重量減を1としたときの重量減が0.1未満のものを◎、0.1以上0.2未満のものを○、0.2以上0.5未満のものを△、0.5以上0.8未満のものを×、0.8以上のものを××と評価した。
【0055】
図6は前記カッターヘッドの展開図を示す。実施例21〜33及び比較例11〜13の掘削用ピックは、カッターヘッドの表面を螺旋状に延びる4つの仮想線S1〜S4(図6に示す二点鎖線)の上、より詳しくは、各仮想線S1〜S4の中央近くの部分の上にピックボックスを介して取着される。仮想線S1,S2は、カッターヘッドの軸方向中央部分から軸方向一端に向かって二重螺旋状に延びる。仮想線S3,S4は、カッターヘッドの軸方向中央部分から軸方向他端に向かって二重螺旋状に延びる。仮想線S1,S2の巻き方向は、仮想線S3,S4の巻き方向とは逆である。
【0056】
カッターヘッドの外径は90cm、カッターヘッドの軸方向長さは2.05m、カッターヘッドの中心軸と仮想線S1〜S4とのなす角は30°、同じ仮想線S1〜S4上において隣り合う掘削用ピックの間の距離は131mm、切削時のカッターヘッドの回転速度は120rpmである。
【0057】
(耐剥離性に関する評価)
上記耐摩耗性の評価の場合と同じように切削を実施した後、掘削用ピックの溶射皮膜の状態を目視によって確認した。そして、使用前と変化が認められなかったものを◎、剥離はないものの溶射皮膜にクラックの発生が認められたものを○、ピックボディ頭部の一部において溶射皮膜の剥離が認められたものを△、ピックボディの頭部先端を含む広い範囲で溶射皮膜の剥離が認められたものを×と評価した。
【0058】
(チップ脱落に関する評価)
上記耐摩耗性の評価の場合と同じような方法で切削を実施し、切削面積5000mと7500mの時点で、掘削用ピックのチップとピックボディ頭部周辺の状態を目視によって確認した。そして、以下の基準で評価を行なった。◎:切削面積7500mまで掘削した後でも、使用前と殆ど変化が認められなかった。○:切削面積5000mの時点では殆ど変化が認められなかったが、7500mまで切削した後、ピックボディの頭部(溶射皮膜を含む)の一部にわずかに摩耗が認められた。△:切削面積5000mの時点で既にピックボディの頭部(溶射皮膜を含む)に摩耗が認められたが、切削面積7500mまで切削した後でもチップの脱落が発生しなかった。×:切削面積7500mの時点で、ピックボディの頭部が摩耗してチップの脱落が発生した。××:切削面積5000mの時点で、ピックボディの頭部が摩耗してチップの脱落が発生した。
【0059】
(切削効率に関する評価)
掘削用ピックのθ1を比較した。θ1の値が20°以上35°未満のものを◎、15°以上20°未満及び35°以上50°未満のものを○、15°未満及び50°以上のものを×、と評価した。なお、θ1が20°よりも小さいと、初期の切削効率は向上するが、チップの保持力が低下するため多くの場合全体としての切削効率が低下する。θ1が15°よりも小さいとその傾向は特に顕著となる。一方、θ1が35°よりも大きいと、掘削用ピックの切削能力が低下するため、切削効率は低下する。θ1が50°よりも大きいとその傾向は特に顕著となる。
【0060】
(製造コストに関する評価)
各例の掘削用ピックの製造コストを比較した。比較例11の掘削用ピックを1としたとき、製造コストが1以下のものを◎、1より大きく1.2以下のものを○、1.2より大きく1.4以下のものを△、1.4より大きいものを×、と評価した。
【0061】
(総合評価)
上記の耐摩耗性、耐剥離性、チップ脱落、切削効率、製造コストに関する各評価について、それぞれ◎を20点、○を15点、△を10点、×を5点、××を0点とした。そのとき、合計が95点以上のものを◎、85〜94点のものを○、75〜84点のものを△、いずれかの項目に×の評価があるものを×、いずれかの項目に××の評価があるものを××と評価した。
【0062】
【表1】
Figure 2004003325
なお、上記表1中の溶射材料の欄に示すa〜cは次の通りである。
【0063】
(溶射材料a)
タングステンカーバイド70重量%、クロムカーバイド20重量%及びニッケル10重量%が複合化されたサーメット粉末90重量%と、ニッケルからなる金属粉末10重量%とを混合して調製された溶射粉末。
【0064】
(溶射材料b)
タングステンカーバイド70重量%、クロムカーバイド20重量%及びニッケル10重量%が複合化されたサーメット粉末90重量%と、ニッケルクロム合金からなる金属粉末10重量%とを混合して調製された溶射粉末。
【0065】
(溶射材料c)
タングステンカーバイド88重量%及びコバルト12重量%が複合化されたサーメット粉末。
【0066】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記溶射粉末が、サーメット粉末を80〜97重量%、金属粉末を3〜20重量%含有し、前記金属粉末に占めるクロムの量が0〜55重量%で、なおかつ同金属粉末に占めるクロムとニッケルを合わせた量が90重量%以上であることを特徴とする請求項3に記載の掘削用ピック。
【0067】
(定義)
・ 本明細書中における「略円錐形状」、「略円錐台形状」とは、それぞれ円錐形状、円錐台形状を含むのはもちろん、円錐面が凸面状に湾曲又は屈曲されたものや円錐面が凹面状に湾曲又は屈曲されたものをも含む。
【0068】
・ 本明細書において、「直線L1と半直線L2が接する」とは、半直線L2の始点(点B)が直線L1上にある場合、あるいは、直線L1が半直線L2を含む場合のいずれかをいう。すなわち、それ以外の形で直線L1と半直線L2が共有点を有する場合を「直線L1と半直線L2が交わる」という。
【0069】
・ 本明細書においては、半直線L2が点Bにおいてのみ溶射皮膜13表面に接触する場合だけでなく、半直線L2が溶射皮膜13表面に含まれる場合も、半直線L2が点Bにおいて溶射皮膜13表面に接するという。
【0070】
・ 本明細書中における「平均粒子径」とは、レーザ回折式粒度測定機(LA−300;株式会社堀場製作所製)を用いて求められるD50の値をいう。
・ 本明細書中における「粒度分布」は、下限の値については、レーザ回折式粒度測定機(LA−300)を用いて求められる値であって、その値以下の粒度を有する粒子の割合が5%以下となるような値をいう。また、上限の値については、ロータップ法(JIS R6002)を用いて求められる値であって、その値以上の粒度を有する粒子の割合が5%以下となるような値をいう。従って、粒度分布が5〜75μmであれば、レーザ回折式粒度測定機を用いて求められる5μm以下の粒子の割合が5%以下であり、ロータップ法を用いて求められる75μm以上の粒子の割合が5%以下であることを示す。
【0071】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、溶射皮膜の剥離が抑制され、それによって、より確実に耐摩耗性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の掘削用ピックを示す半断面図。
【図2】同掘削用ピックの使用状態を示す側面図。
【図3】比較例1の掘削用ピックを示す側面図。
【図4】実施例22の掘削用ピックを示す半断面図。
【図5】比較例11の掘削用ピックを示す側面図。
【図6】切削機のカッターヘッドの展開図。
【符号の説明】
10…掘削用ピック、11…ピックボディ、11a…ピックボディの頭部、12…チップ、12a…チップの尖端部、13…溶射皮膜、V…チップの尖端部の頂点、X…掘削用ピックの中心軸。

Claims (4)

  1. 略円錐形状の尖端部(12a)を有するチップ(12)が、ピックボディ(11)の、表面に溶射皮膜(13)が設けられて略円錐台形状をなす頭部(11a)に固着された掘削用ピックであって、
    以下のように直線L1と半直線L2を定義するときに、直線L1と掘削用ピックの中心軸(X)のなす角θ1(ただし、θ1<90°)が半直線L2と同中心軸(X)のなす角θ2(ただし、θ2<90°)以上であって、なおかつ、直線L1と半直線L2が交わらないように或いは接するように構成されたことを特徴とする掘削用ピック。
    直線L1:チップ(12)の尖端部(12a)の頂点(V)と、同尖端部(12a)の略円錐面形状をなす側面上にあって同尖端部(12a)の基端に位置する点Aとを結ぶ直線。
    半直線L2:ピックボディ(11)の頭部(11a)の略円錐面形状をなす側面上にあって同頭部(11a)の先端に位置する点をBとしたときに、その点Bにおいて溶射皮膜(13)表面に接して掘削用ピックの中心軸(X)に交差する直線に含まれる半直線であって、点Bを始点として掘削用ピックの基端方向に延びる半直線。(ただし、点Bは、掘削用ピックの中心軸(X)を中心とした周方向において点Aと同一箇所に位置する。)
  2. 前記点Aと前記点Bとの間の距離が、0〜10mmであることを特徴とする請求項1に記載の掘削用ピック。
  3. 前記溶射皮膜が、サーメット粉末と金属粉末が混合された溶射粉末を溶射して設けたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の掘削用ピック。
  4. 前記溶射皮膜が、使用時の摩擦によって損耗したピックボディの頭部表面に溶射材料を溶射して設けたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の掘削用ピック。
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