JP2004001622A - 車両用雨除け装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員が車両に対して乗降するときに雨で濡れることを防止することができ、殊に高齢者、障害者などのように乗降作業に時間を要する乗員の乗降に効果的な車両用雨除け装置を提供する。
【解決手段】車両用雨除け装置は、車両の天井に固定される固定部と、固定部に伸縮可能に設けられた伸縮アーム機構3と、伸長した伸縮アーム機構3に架設される雨除けの屋根シート4とを具備する。伸縮アーム機構3は、固定部2に対してスライド可能なスライドアーム部32と、スライドアーム部32に連結されたワイヤ35と、ワイヤ35を引っ張ってスライドアーム部32を伸長方向に移動させる自動または手動の駆動部とを有することができる。
【選択図】図4
【解決手段】車両用雨除け装置は、車両の天井に固定される固定部と、固定部に伸縮可能に設けられた伸縮アーム機構3と、伸長した伸縮アーム機構3に架設される雨除けの屋根シート4とを具備する。伸縮アーム機構3は、固定部2に対してスライド可能なスライドアーム部32と、スライドアーム部32に連結されたワイヤ35と、ワイヤ35を引っ張ってスライドアーム部32を伸長方向に移動させる自動または手動の駆動部とを有することができる。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の天井に取り付けられる車両用雨除け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗員が車両に対して乗降するときに、雨で濡れるおそれがある。殊に高齢者、障害者などのように乗降作業に時間を要する乗員の場合には、雨で濡れるおそれがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、乗員が車両に対して乗降するときに雨で濡れることを防止することができ、殊に高齢者、障害者などのように乗降作業に時間を要する乗員の乗降に効果的な車両用雨除け装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車両用雨除け装置は、車両の天井に固定される固定部と、固定部に伸縮可能に設けられた伸縮アーム機構と、伸長した伸縮アーム機構に架設される雨除けの屋根シートとを具備することを特徴とするものである。伸縮アーム機構を伸長させれば、屋根シートを展開した状態に伸縮アーム機構に保持することができる。このため乗員が車両に対して乗降するときに雨で濡れることを防止することができる。乗員の乗降が終了すれば、伸縮アーム機構を収縮させて固定部に保持すると共に、屋根シートの展開を解除する。
【0005】
【発明の実施の形態】
固定部は、車両の天井に固定されるものであり、例えば、車両の天井に保持される荷物設置用のキャリアに固定することができる。伸縮アーム機構は固定部に伸縮可能に設けられている。伸縮アーム機構の伸長方向としては車幅方向が好ましいが、車体の後方または前方とすることもできる。屋根シートが車両の乗降口を上方から覆うように、伸縮アーム機構の位置を規定することが好ましい。屋根シートは、伸長した伸縮アーム機構に架設される雨除けのためのものである。屋根シートの材質としては特に限定されるものではなく、布地シート、樹脂シート等が挙げられる。
【0006】
本発明によれば、固定部は、屋根シートを収容するシート収容室を有する形態を採用することができる。この場合、シート収容室は、屋根シートを空気に接触させつつ収容することが好ましい。従って屋根シートの表面及び裏面が空気に触れる頻度が高くなるように屋根シートを架設するシート架設手段を固定部に設けることができる。これによりシート収容室内の屋根シートが雨水等で濡れているときであっても、屋根シートを良好に乾燥させることができる。
【0007】
シート収容室には空気取入口を形成することができる。空気取入口の構造、数は特に限定されるものではなく、要するに乾燥のための空気をシート収容室に導入できればよい。空気取入口としては、車両の車幅方向に対面する形態、車両の後方に対面する形態、または、車両の前方に対面する形態を例示することができる。本発明によれば、屋根シートを展開したとき、屋根シートの弛みを抑制するシート弛み抑制手段を設けることができる。
【0008】
本発明によれば、伸縮アーム機構は、固定部に対してスライド可能なスライドアーム部と、スライドアーム部に連結されたワイヤと、ワイヤを引っ張ってスライドアーム部を伸長方向に移動させる自動または手動の駆動部とを有する形態を採用することができる。ワイヤは一般的には金属ワイヤであるが、場合によっては樹脂ワイヤでも良い。
【0009】
本発明によれば、伸縮アーム機構は、固定部に対してスライド可能であり且つ嵌合量を調整することにより伸縮可能な複数個のスライドアーム部と、先端のスライドアーム部に連結されたワイヤと、ワイヤを引っ張って先端のスライドアーム部を伸長方向に移動させる自動または手動の駆動部と、先端のスライドアーム部の移動に伴い他の残りのスライドアーム部を係止させて先端のスライドアーム部と同じ方向に移動させる係止部とを有する形態を採用することができる。この場合、スライドアーム部の数は特に限定されず、2個、3個、それ以上とすることができる。
【0010】
本発明によれば、ワイヤの先端部はスライドアーム部の先端部に連結され、ワイヤの基端部はスライドアーム部の基端部に連結されている形態を採用することができる。この場合、ワイヤを引っ張って先端のスライドアーム部を伸長方向に移動させることができる。ワイヤを逆方向へ引っ張って先端のスライドアーム部を伸長方向に移動させることができる。
【0011】
本発明によれば、駆動部は、回転することによりワイヤの基端部を引っ張ってスライドアーム部を前進させると共に逆方向に回転することによりワイヤの先端部を引っ張ってスライドアーム部を収容方向へ後退させるプーリ等の回転体と、回転体を回転させる自動または手動の駆動源とを有する形態を採用することができる。自動の駆動源としては、駆動モータが挙げられる。手動の駆動源としては、使用者が手作業で操作するハンドルが挙げられる。駆動部は固定部に固定できる。
【0012】
本発明によれば、伸縮アーム機構の伸長と屋根シートの展開とを連動させる連動機構が設けられている形態を採用することができる。この場合、伸縮アーム機構の伸長につれて屋根シートを展開させることができる。また、伸縮アーム機構の伸長ストロークと屋根シートの展開ストロークとが対応するため、屋根シートの弛みを抑えるのに有利である。
【0013】
またこの連動機構は、伸縮アーム機構の収縮と屋根シートの引き込みとを連動させることが好ましい。この場合、伸縮アーム機構の収縮につれて、屋根シートを引き込ませることができ、屋根シートの弛みを抑えるのに有利である。殊に伸縮アーム機構の収縮ストロークと屋根シートの引き込みストロークとが対応するため、屋根シートの弛み、屋根シートにかかる負荷を抑えるのに有利である。
【0014】
本発明によれば、伸縮アーム機構は、くの字または逆くの字に折り畳み可能な折り畳みアーム部と、折り畳みアーム部に連結されたワイヤと、ワイヤを引っ張って折り畳みアーム部を折り畳み状態から伸長させる自動または手動の駆動部とを有する形態を採用することができる。この場合、折り畳みアーム部の関節部を伸ばす方向にワイヤで変位させれば、伸縮アーム機構を伸張させることができる。あるいは、折り畳みアーム部の関節部を折り曲げる方向にワイヤで変位させれば、伸縮アーム機構を収縮させることができる。自動の駆動部としては、駆動モータが挙げられる。手動の駆動部としては、使用者が手作業で操作するハンドルが挙げられる。なお折り畳みアーム部の関節部に、この関節部を折り畳む方向に付勢する付勢バネ等の折り畳み付勢手段を設けることもできる。なお、折り畳み付勢手段は少なくとも1つの関節部に設けることができる。
【0015】
本発明によれば、伸縮アーム機構は、Xの字形状に橋架された第1揺動アーム部及び第2揺動アーム部と、第1揺動アーム部及び第2揺動アーム部を揺動させることにより伸縮アーム機構を伸縮させる自動または手動の駆動部とを有する形態を採用することができる。Xの字形状に橋架された第1揺動アーム部及び第2揺動アーム部の揺動により、伸縮アーム機構を伸縮させることができる。
【0016】
本発明によれば、伸縮アーム機構は、くの字または逆くの字形状に折り畳み可能な折り畳みアーム部と、折り畳みアーム部の折り畳み角度を変化させることにより伸縮アーム機構を伸縮させる自動または手動の駆動部とを有する形態を採用することができる。このように折り畳みアーム部の折り畳み角度を変化させることにより、伸縮アーム機構を伸縮させることができる。この場合、折り畳みアーム部の関節部を折り曲げる方向に付勢する付勢バネ等の付勢手段を関節部に設ければ、伸縮アーム機構を収縮させるのに有利となる。
【0017】
本発明によれば、屋根シートの先端部は伸縮アーム機構の先端部に接続されており、伸縮アーム機構の伸張に伴い屋根シートを展開させる形態を採用することができる。この場合、伸縮アーム機構が伸長すれば、屋根シートが連動して展開される。伸縮アーム機構が収縮すれば、屋根シートが弛む方向へ変位する。このため、シートを巻き付け可能なシート巻き付け棒を固定部に設け、シート巻き付け棒をシート巻き付け方向へ回転させるシート回転部を設けることが好ましい。シート回転部としては、シート巻き付け棒をシート巻き付け方向へ付勢して回転させる付勢バネ、あるいは、シート巻き付け棒をシート巻き付け方向へ回転させる駆動モータを採用することができる。付勢バネとしては、ゼンマイバネ、ねじりバネ等を例示することができる。
【0018】
【実施例】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1〜図10を参照して説明する。本実施例に係る車両用雨除け装置1は、図1,図2に示すように、フロント100a、車輪100cを有する乗用車等の車両100の天井110に固定されている。本実施例に係る車両用雨除け装置1は、図2に示すように、車両100の天井110に保持されている荷物設置用の市販のキャリア113に固定された固定部2と、固定部2に保持された伸縮可能な伸縮アーム機構3と、伸長した伸縮アーム機構3に架設される雨除けの屋根シート5とを備えている。
【0019】
図3に示すように、固定部2は、シート収容室20aをもつ固定ケース20と、固定ケース20を保持する固定フレーム21とを有する。固定ケース20のシート収容室20a内に、屋根シート5を浮遊状態に架設するための複数個の架設ローラ20m(20m1〜20m4,シート架設手段)が間隔を隔てて回転可能に保持されている。架設ローラ20m1〜20m4のうち、シート吐出口20b側の架設ローラ20m1は、シート収容室20aにおいて上部側に設けられている。その主な理由として、屋根シート5を矢印X1方向へ展開させたとき、屋根シート5上の水の排出などのために、架設ローラ20m1と屋根シート5の先端部5aとの間において屋根シート5に傾斜を付けるためである。
【0020】
固定ケース20は、シート収容室20aに連通するシート吐出口20bと、枢支具20cに回動可能な枢支されシート吐出口20bを開閉する開閉扉20eとを有する。固定ケース20の底面に、シート収容室20aの水を排出するための水抜き孔20fが形成されている。固定ケース20の側面には、シート収容室20a内の屋根シート5を乾燥させるための空気取入口20iが雨カバー20pを有して形成されている。空気取入口20iは、屋根シート5の展開方向(矢印X1方向)と逆の方向に開口しており、つまり、車両の車幅方向に向けて開口している。ただし、空気取入口20iの構造、開口方向はこれに限定されるものではない。
【0021】
伸縮アーム機構3は、図3に示すように、固定フレーム21に固定され中空室30aをもつ筒形状のキャリアバー30をもつ組み付け体31と、キャリアバー30の中空室30aにキャリアバー30に対して矢印X1,X2方向(車幅方向)にスライド可能に嵌合されたスライドアーム部32と、スライドアーム部32に連結されたワイヤ35と、ワイヤ35を引っ張ってスライドアーム部32を移動させる自動の駆動部4とを有する。
【0022】
図6は組み付け体31の側面形態を示す。組み付け体31は、キャリアバー30と、キャリアバー30の先端部に保持されると共にフランジ状の取付片36kをもつホルダブラケット36と、ホルダブラケット36に回転可能に保持されたアームプーリ37(第1回転体)と、アームプーリ37から間隔を隔ててホルダブラケット36に回転可能に保持された第2プーリ38(第2回転体)とを有する。アームプーリ37の外径は第2プーリ38の外径よりも大きくされている。この場合、シートプーリ53と同じプーリ径に規定されるアームプーリ37のプーリ径を確保しつつ、第2プーリ38付近のコンパクト化に貢献できる。但し、アームプーリ37の外径と第2プーリ38の外径との関係は、上記に限定されるものではない。
【0023】
ホルダブラケット36は第1スライド孔36a、第2スライド孔36bをもつ。第1スライド孔36aは、固定フレーム21の第1スライドフレーム22にスライド可能に挿通されている。第2スライド孔36bは第1駆動軸42xにスライド可能に挿通されている。
【0024】
そして、図6及び図7に示すように、固定螺子39m(固定具)を第1スライドフレーム22の長孔22xに挿通した状態で取付片36kの螺子孔36rに締結する。更に固定螺子39n(固定具)を第2スライドフレーム23の長孔23xに挿通した状態でキャリアバー30に締結し、これにより組み付け体31は第1スライドフレーム22及び第2スライドフレーム23に固定されている。長孔22xは第1スライドフレーム22の長さ方向に沿っている。長孔23xは第2スライドフレーム23の長さ方向に沿っている。
【0025】
固定螺子39m,39nを緩めて長孔21x,22xに沿ってスライドさせれば、組み付け体31は第1スライドフレーム22,第2スライドフレーム23に沿って移動でき、車両の種類に応じて組み付け体31の位置調整を行うことができる。従って、長孔21x,22x、固定螺子39m,39nは、キャリアバー30を保持する固定部2の位置を調整する固定部位置調整手段として機能できる。なお図10はキャリアバー30を有する組み付け体31を矢印N1方向に位置調整することを示す。組み付け体31,キャリアバー30,プーリ37,38,ワイヤ35、スライドアーム部32は、矢印N1方向(シート伸長方向である矢印X1方向に交差する方向)に沿って位置調整される。
【0026】
図8は固定ケース20から取り外した状態の屋根シート5を示す。図8に示すように、屋根シート5は、広い面積をもつ雨除け用のシート本体50と、シート本体50に接合部を介して接合された2本のシートワイヤ51とで構成されている。各シートワイヤ51は後述するシートプーリ53の外周部に巻き付けられている。従ってシートプーリ53は2個設けられている。
【0027】
図4は駆動機構を模式的に示す。図4に示すように、前記したスライドアーム部32は、収容室33aをもつ基端側の筒形状をなす第1スライドアーム部33と、第1スライドアーム部33の収容室33aに嵌合して収容される先端側の第2スライドアーム部34とを有する。第2スライドアーム部34は、第1スライドアーム部33の収容室33aに嵌合されて収容可能である。また第1スライドアーム部33を収容した第2スライドアーム部34は、キャリアバー30の中空室30aに収容可能である。従って第2スライドアーム部34を収容した第1スライドアーム部33は、キャリアバー30の中空室30aに収容可能である。第2スライドアーム部34の先端部は、開閉扉20eに係合してこれを閉じるための凸部34fを有する。
【0028】
図4に示すように、第2スライドアーム部34の外側面にはスライド係止部34cが設けられており、第2スライドアーム部34が矢印X1方向に前進すると、スライド係止部34cが第1スライドアーム部33の内側面の係止部33cに係止し、第1スライドアーム部33を矢印X1方向(伸長方向,車体の車幅方向)へ前進させる。このように第1スライドアーム部33及び第2スライドアーム部34は矢印X1方向へ同時に前進するが、第2スライドアーム部34が中空室30aの収容位置から第1スライドアーム部33と共に所定距離、矢印X1方向へ移動すると、第1スライドアーム部33の係止部33rはキャリアバー30のストッパ30cに当接するため、第1スライドアーム部33は矢印X1方向へそれ以上前進できなくなる。しかし、第2スライドアーム部34は第1スライドアーム部33を残したまま矢印X1方向へ更に前進することができる。
【0029】
図4に示すように、ワイヤ35の先端部35aは第2スライドアーム部34の先端部に結合されている。ワイヤ35の基端部35cは第1スライドアーム部33の収容室33a内に進入しつつ、第2スライドアーム部34の基端部に結合されている。ワイヤ35は、アームプーリ37の外周面と第2プーリ38の外周面とにX字形状に架設されている。なお図4はワイヤ35の一部を破線で示す。
【0030】
図3は伸縮アーム機構3の駆動部4を示す。図3は便宜上駆動部4及び組み付け体31とを併せて示す。図3に示すように駆動部4は、駆動ブラケットにセンタギヤ41、アームギヤ42、シートギヤ43、駆動モータ44を装備することにより形成されている。アームギヤ42及びシートギヤ43は、センタギヤ41を挟持するようにセンタギヤ41に噛合している。アームギヤ42及びシートギヤ43は同じ歯数、同じギヤ径とされており、このため、同じ速度で同じ方向に連動して同期回転することができる。従ってセンタギヤ41、アームギヤ42、シートギヤ43は、連動機構を形成し、伸縮アーム機構3の伸長と屋根シート5の展開とを連動させ得ると共に、伸縮アーム機構3の収縮と屋根シート5の引き込みとを連動させ得る。
【0031】
シートプーリ53は屋根シート5を展開させるためのシート展開機構して機能するものであり、図10に示すように、2個間隔を隔てて配設されている。伸縮アーム機構3を駆動させる駆動部4は、固定ケース20の長さ方向の中央域に保持されている。駆動部4のシートギヤ43と離間して、シートプーリ53は回転可能にキャリアバー30に保持されている。駆動部4のシートギヤ43と2個のシートプーリ53との間には、第2駆動軸43xがこれらと一体回転するように係合されている。また図10に示すように、アームギヤ42に離間して、アームプーリ37は回転可能にキャリアバー30に保持されている。アームギヤ42とアームプーリ37との間には、第1駆動軸42xがこれらと一体回転するように係合されている。第1駆動軸42x、第2駆動軸43xは、横断面で横断面で角形状(例えば六角形状)をなしており、一体回転構造とされている。図4においてアームギヤ42が回転すると、第1駆動軸42xを介してアームプーリ37が連動して同方向に回転する。
【0032】
図4において、駆動モータ44の出力軸44xはセンタギヤ41に噛合しており、駆動モータ44が回転駆動すると、センタギヤ41が回転される。従って、駆動モータ44が一方向に回転駆動すると、センタギヤ41が矢印C1方向に回転し、シートギヤ43及びシートプーリ53が矢印T1方向に連動して回転し、アームギヤ42及びアームプーリ37が矢印A1方向に連動して回転する。このようにアームプーリ37が矢印A1方向へ回転すると、図4から理解できるように、ワイヤ35の基端部35cを矢印F1方向(伸縮アーム機構3の伸長方向)へ引っ張り、第1スライドアーム部33内の第2スライドアーム部34を矢印X1方向(伸縮アーム機構3の伸長方向)に前進させる。
【0033】
これに対して駆動モータ44が他方向に回転駆動すると、センタギヤ41が矢印C2方向に回転し、アームギヤ42及びアームプーリ37が矢印A2方向に回転し、シートギヤ43及びシートプーリ53が矢印T2方向に回転し、ワイヤ35の先端部35aを矢印F2方向(伸縮アーム機構3の後退方向)に引っ張り、第2スライドアーム部34を矢印X2方向(伸縮アーム機構3の後退方向)に後退させる。
【0034】
本実施例によれば、図3から理解できるように、屋根シート5の先端部5aは架設ローラ20m1から下方に延設され、第2スライドアーム部34の凸部34f付近の先端部に接続されている。従って第2スライドアーム部34が矢印X1方向(シート展開方向)に前進すると、屋根シート5は同方向へ連動して引っ張られ、シート本体50が広い面積で伸長され、雨除け機能として利用することができる。第2スライドアーム部34が矢印X2方向に後退すると、屋根シート5は矢印X2方向(シート引き込み方向)に後退する。
【0035】
さて、屋根シート5を雨除けとして使用するときについて説明する。この場合、駆動モータ44を一方向に回転させる。すると図4から理解できるように、センタギヤ41が矢印C1方向に回転し、アームギヤ42及びアームプーリ37が連動して矢印A1方向に同期回転し、シートギヤ43及びシートプーリ53が連動して矢印T1方向に同期回転する。アームギヤ42及びアームプーリ37の回転方向である矢印A1方向と、シートギヤ43及びシートプーリ53の回転方向である矢印T1方向とは同じ方向である。上記したようにアームプーリ37が矢印A1方向へ回転すると、ワイヤ35の基端部35cつまり第2スライドアーム部34を矢印F1方向(伸長方向)に引っ張り、第2スライドアーム部34を矢印X1方向に前進させる。このとき第2スライドアーム部34のスライド係止部34cは第1スライドアーム部33の係止部33cに係止するため、第1スライドアーム部33が連動して矢印X1方向へ前進する。これにより伸縮アーム機構3が固定ケース20から矢印X1方向へ伸長する。
【0036】
なお、第1スライドアーム部33の係止部33rがキャリアバー30のストッパ30cに当接すると、上記した伸長作動は阻止される。
【0037】
上記したように第2スライドアーム部34が矢印X1方向(伸長方向)に前進すると、図3から理解できるように、第2スライドアーム部34に先端部5aが結合されている屋根シート5は、第2スライドアーム部34により矢印X1方向(シート展開方向)に引っ張られ、ひいてはシート本体50が広い面積で展開され、シート本体50が雨除け機能を奏する。この場合、図4において、前述したようにシートギヤ43及びシートプーリ53が矢印T1方向(シート巻き戻し方向)に回転するため、屋根シート5のシートワイヤ51がシートプーリ53から矢印G1方向(シート展開方向)へ送り出され、屋根シート5を矢印X1方向へ良好に前進させることができる。即ち、シート本体50は、架設ローラ20mを回転させつつ矢印X1方向(シート展開方向)に引っ張られて円滑に展開することができる。このようにシート本体50が矢印X1方向に展開するときには、図3から理解できるように、シート本体50により固定ケース20の開閉扉20eが上方に押され、開閉扉20eが枢支具20cを中心として上方つまり矢印P1方向に揺動して自動的に開放されるため、シート吐出口20bから屋根シート5を円滑に吐出させることができる。なお図5は伸縮アーム機構3が伸張した状態の要部を示す。
【0038】
次に展開させた屋根シート5を固定ケース20のシート収容室20aに収容するときについて説明する。この場合、駆動モータ44を逆方向に回転させる。すると、図4から理解できるように、センタギヤ41が矢印C2方向に回転し、アームギヤ42及びアームプーリ37が矢印A2方向に回転し、シートギヤ43及びシートプーリ53が矢印T2方向に回転する。アームギヤ42及びアームプーリ37の回転方向である矢印A2方向と、シートギヤ43及びシートプーリ53の回転方向である矢印T2方向とは同じ方向である。
【0039】
このように伸長させた屋根シート5を固定ケース20のシート収容室20aに収容するときには、アームプーリ37が矢印A2方向に回転する。従って、ワイヤ35の先端部35aを矢印F2方向(第2スライドアーム部34の後退方向)に引っ張り、第2スライドアーム部34を矢印X2方向に後退させる。このとき第2スライドアーム部34の係止部としての凸部34fは第1スライドアーム部33の先端部に係止するため、第1スライドアーム部33も連動して矢印X2方向に自動的に後退する。結果として、第1スライドアーム部33及び第2スライドアーム部34は、キャリアバー30の中空室30aに自動的に収容される。これにより伸縮アーム機構3が収縮する。
【0040】
上記したように第2スライドアーム部34が第1スライドアーム部33と共に矢印X2方向に後退するときには、シートギヤ43及びシートプーリ53が矢印T2方向(シート引き込み方向)に回転するため、シートプーリ53の外周部にシートワイヤ51が次第に巻き付けられる。このため第2スライドアーム部34が矢印X2方向へ後退するのと連動して、シート本体50が矢印G2方向(シート引き込み方向)に引き込まれ、シート本体50の全体が固定ケース20のシート収容室20aに収容される。
【0041】
ところで、雨除けとして使用された屋根シート5は濡れている。濡れた屋根シート5をロール状に巻き付けて収容したときには、屋根シート5の表面及び裏面は乾燥されにくい。場合によってはカビの懸念も生じる。この点本実施例によれば、屋根シート5が固定ケース20のシート収容室20aに引き込まれて収容されているときには、シートワイヤ51はシートプーリ53に巻き付けられているが、シート本体50はシートプーリ53に巻き付けられておらず、図3に示すように、シート本体50は、互いに離れつつ複数の架設ローラ20m間に折り曲げられた状態で架設されている。故に、屋根シート5のシート本体50の表面及び裏面は互いに接触しておらず、シート収容室20aの空気に効率良く触れることができる。故に、固定ケース20のシート収容室20aにおいて屋根シート5のシート本体50の乾燥処理を良好に行うことができる。
【0042】
殊に、空気取入口20iからシート収容室20aに導入された空気により、シート収容室20aにおいて屋根シート5のシート本体50の乾燥処理を良好に行うことができる。なお空気取入口20iは車体の車幅方向に向けて開口しているため、車両走行時に過剰の風が空気取入口20iに進入することが抑えられ、シート収容室20aに収容されている屋根シート5のバタツキが抑えられている。空気取入口20iとしては、車両の車幅方向に対面する形態の他に、車両の後方に対面する形態、または、車両の前方に対面する形態を例示することができる。図3において、屋根シート5のシート面5k1、5k2,5k3,5k4は雨が降りかかる面である。図3に示すように、屋根シート5を収容しているとき、シート面5k1、シート面5k3は下降傾斜して、雨水を流下させる。シート面5k2,5k4は反転して下方向に向いており、シート面5k2,5k4における雨水を下方に雨垂下させる。このため屋根シート5の乾燥に一層有利である。
【0043】
以上説明したように本実施例によれば、伸縮アーム機構3の伸長と屋根シート5の展開とを行うことができるため、屋根シート5を雨除けとして利用することができる。このため乗員が車両に対して乗降するときに雨で濡れることを防止することができる。殊に高齢者、障害者などのように乗降作業に時間を要する乗員の乗降に効果的である。
【0044】
更に本実施例によれば、伸縮アーム機構3の伸張ストロークとシート展開機構の展開ストロークとが基本的には同じとされている。このため屋根シート5の弛みを抑えつつ、屋根シート5のシート本体50を矢印X1方向(シート展開方向)へ前進させて展開させることができる。
【0045】
換言すれば、前述したようにアームギヤ42及びシートギヤ43は、センタギヤ41を挟持するようにセンタギヤ41に噛合しており連動機構を構成していると共に、アームギヤ42及びシートギヤ43は同じ歯数及びギヤ径とされている。
【0046】
このため、アームギヤ42及びシートギヤ43は同じ速度で同じ方向に連動して同期回転することができる。またアームギヤ42に繋がるアームプーリ37と、シートギヤ43に繋がるシートプーリ53は、同じ速度で同じ方向に連動して同期回転することができる。従って、伸縮アーム機構3の伸縮ストロークとシート展開機構の伸縮ストロークとが基本的には同じとされている。このため屋根シート5の緩みを抑えつつ、屋根シート5のシート本体50を矢印X1方向へ前進させて伸長させたり、屋根シート5のシート本体50を矢印X2方向へ引き込んで収容することができる。
【0047】
更に本実施例によれば、伸縮アーム機構3の収縮ストロークとシート展開機構の引き込みストロークとが基本的には同じとされている。このため屋根シート5の弛みを抑えつつ、屋根シート5のシート本体50を矢印X2方向へ後退させてシート収容室20a内に引き込むことができる。
【0048】
なお本実施例においては、伸縮アーム機構3の伸縮及び屋根シート5の移動を、駆動モータ44を有する駆動部4で行っているが、これに限らず、駆動部として手動操作ハンドルを設け、手動操作ハンドルで行っても良い。
【0049】
(第2実施例)
図11,図12は第2実施例を示す。第2実施例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には第1実施例と基本的には同様の作用効果を奏する。図11は伸縮アーム機構3Bが折り畳まれた状態を示す。図12は伸縮アーム機構3Bが伸長された状態を示す。伸縮アーム機構3Bは、固定アーム部60と、固定アーム部60に間隔を隔てて並設された可動アーム部61と、くの字に折り畳み可能な第1折り畳みアーム部62と、逆くの字に折り畳み可能な第2折り畳みアーム部63と、第1折り畳みアーム部62に連結されこれを伸張させる第1ワイヤ35Aと、第2折り畳みアーム部63に連結されこれを伸張させる第2ワイヤ35Bと、第1ワイヤ35Aを引っ張って第1折り畳みアーム部62を折り畳み状態から伸長させると共に第2ワイヤ35Bを引っ張って第2折り畳みアーム部63を折り畳み状態から伸長させる駆動部として機能する巻き付けローラ47とを有する。巻き付けローラ47は固定アーム部60に回転可能に保持されている。なお、折り畳みアーム部62,63は、固定アーム部60と可動アーム部61との間に橋架されている。
【0050】
図11,図12に示すように、第1折り畳みアーム部62の端関節部75,76及び中間関節部71には、第1プーリ64(64a〜64c)が回転可能に保持されている。第2折り畳みアーム部63の端関節部75,76,中間関節部71には、第2プーリ65(65a〜65c)が回転可能に保持されている。第1ワイヤ35Aの基端部35cは巻き付けローラ47に結合されて巻き付けられている。図12に示すように、第1ワイヤ35Aは端関節部75の第1プーリ64aの外側を通り、中間関節部71の第1プーリ64bの内側を通り、端関節部76の第1プーリ64cの外側を通り、第1ワイヤ35Aの先端部35aは第1折り畳みアーム部62の先端に連結されている。
【0051】
図12に示すように、第2ワイヤ35Bの基端部35cは巻き付けローラ47に巻き付けられている。第2ワイヤ35Bは、端関節部75の第2プーリ65aの外側を通り、中間関節部71の第2プーリ65bの内側を通り、端関節部76の第2プーリ65cの外側を通り、第2ワイヤ35Bの先端部35aは第2折り畳みアーム部63の先端部に連結されている。
【0052】
本実施例によれば、図12から理解できるように、巻き付けローラ47が回転すると、第1ワイヤ35Aは第1折り畳みアーム部62の中間関節部71の折り畳みを伸ばす方向へ架設されている。第2ワイヤ35Bは第2折り畳みアーム部63の中間関節部71の折り畳みを伸ばす方向へ架設されている。
【0053】
換言すると、駆動モータ44(または手動操作)により巻き付けローラ47が矢印L1(ワイヤ巻き付け方向)回転すると、第1ワイヤ35A及び第2ワイヤ35Bが巻き付けローラ47に巻き取られる。これにより第1ワイヤ35A及び第2ワイヤ35Bが矢印M1方向,矢印M2方向へ引っ張られ、緊張度が増加する。この結果、第1折り畳みアーム部62の中間関節部71の第1プーリ64bが矢印K1方向(関節部の伸ばし方向)に移動する。また第2折り畳みアーム部63の中間関節部71の第2プーリ65bが矢印K2方向(関節部の伸ばし方向)に移動する。この結果、折り畳み状態の第1折り畳みアーム部62及び第2折り畳みアーム部63は、矢印X3方向へ伸長する。伸長した伸縮アーム機構3に屋根シート5が架設されれば、雨除け屋根シートとして利用することができる。
【0054】
なお本実施例によれば、伸長している伸縮アーム機構3を折り畳む構造としては、第1折り畳みアーム部62の中間関節部71を折り畳む方向(矢印K2方向)に付勢する付勢力を発揮する腕部69rをもつ付勢バネ69を必要に応じて設けることができる。第2折り畳みアーム部63の中間関節部71にも、これを折り畳む方向へ付勢する付勢バネ69を必要に応じて設けることができる。
【0055】
付勢バネ69としては捻りコイルバネを例示することができる。この場合、巻き付けローラ47を矢印L2方向(ワイヤ巻き戻し方向)へ回転させて巻き付けローラ47の巻き付け力を解除すれば、ワイヤ35A,35Bの緊張が緩むため、付勢バネ69の付勢力により中間関節部71が自動的に折り畳まれ、伸長していた伸縮アーム機構3を矢印X4方向へ収縮させて、図11に示すようにコンパクトに折り畳むことができる。
【0056】
また本実施例によれば、特に図示はしないものの、屋根シート5を巻き付けるシート巻き付け棒と、シート巻き付け棒をシート巻き付け方向へ常時付勢するゼンマイバネなどのシートリターンバネとを設けることができる。この場合、屋根シート5の先端部5aを伸縮アーム機構3の第1折り畳みアーム部62の先端部、第2折り畳みアーム部63の先端部にそれぞれ連結する。そして伸縮アーム機構3の伸長により、シートリターンバネの付勢力を蓄積しつつ、屋根シート5をシート巻き付け棒から巻き戻し、屋根シート5を矢印X3方向へ展開させる。
【0057】
巻き付けローラ47の巻き付け力を解除すれば、付勢バネに蓄積された付勢力よって、シート巻き付け棒がシート巻き付け方向に自動的に回転するため、展開されていた屋根シート5はシート巻き付け棒67に自動的に巻き付けられる。
【0058】
あるいは、伸長している伸縮アーム機構3を折り畳む構造としては、図示はしないものの、第1折り畳みアーム部62を引っ張って折り畳む第3ワイヤ、第2折り畳みアーム部63を引っ張って折り畳む第4ワイヤを設け、第3ワイヤ及び第4ワイヤを巻き取る巻き付けローラを設けることもできる。
【0059】
なお本実施例によれば、図13に示すように、伸縮アーム機構3Cを補強する折り畳み式の補強アーム90が伸縮アーム機構3Cに設けられており、伸縮アーム機構3Cを補強してこれの弛みを抑えている。
【0060】
(第3実施例)
図13,図14は第3実施例を示す。第3実施例は、図11,図12に示す第2実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には第2実施例と基本的には同様の作用効果を奏する。図13の半分は伸縮アーム機構3Cが伸長された状態の半分を示す。図13の他の半分は伸縮アーム機構3Cが折り畳まれた状態の半分を示す。
【0061】
本実施例に係る雨除け装置は、第2実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例に係る雨除け装置は、車両の天井に固定される固定ケース20Cと、固定ケース20Cに対して伸縮可能に設けられた伸縮アーム機構3Cと、伸長した伸縮アーム機構3Cに架設される雨除けの屋根シート5とを具備している。
【0062】
伸縮アーム機構3Cは、固定ケース20Cに固定されたフレーム60Cと、フレーム60Cに間隔を隔てて設けられた可動アーム部61Cと、くの字に折り畳み可能な第1折り畳みアーム部62Cと、逆くの字に折り畳み可能な第2折り畳みアーム部63Cと、第1折り畳みアーム部62Cに連結された第1ワイヤ35Hと、第2折り畳みアーム部63Cに連結された第2ワイヤ35Dと、第1ワイヤ35Hを引っ張って第1折り畳みアーム部62Cを折り畳み状態から伸長させると共に第2ワイヤ35Dを引っ張って第2折り畳みアーム部63Cを折り畳み状態から伸長させる駆動部4Cとを有する。折り畳みアーム部62C,63Cは、フレーム60Cと可動アーム部61Cとの間に橋架されている。駆動部4Cは固定ケース20Cのフレームに保持されており、巻き付けローラ47Cと、巻き付けローラ47Cを回転させる駆動モータ44Cとを有する。
【0063】
第1折り畳みアーム部62Cの端関節部75、第1中間関節部71、第2中間関節部72、第3中間関節部73には、第1プーリ64a〜64e(64)が回転可能に保持されている。第2折り畳みアーム部63Cについても同様である。
【0064】
図13に示すように、第1ワイヤ35Hは端関節部75の第1プーリ64aの外側を通り、第1中間関節部71の第1プーリ64bの内側を通り、第2中間関節部72の第1プーリ64cの外側を通り、第3中間関節部73の第3プーリdの内側を通り、端関節部76の第1プーリ64eの外側を通り、第1ワイヤ35Hの先端部35aは第1折り畳みアーム部62Cの先端部に連結されている。第1ワイヤ35Hの基端部35cは、巻き付けローラ47Cに結合されて巻き付けられている。第2ワイヤ35Dも第1ワイヤ35Hと同じような構造とされている。
【0065】
図13に示すように、固定ケース20C内には、シート巻き付け棒67が伸縮アーム機構3の伸長方向(矢印X5方向)と交差する方向に沿ってホルダ67mに橋架されている。シート巻き付け棒67に屋根シート5の基端部5cをロール状に巻き付け可能である。屋根シート5の先端部5aは、第1折り畳みアーム部62Cの先端部及び第2折り畳みアーム部63Cの先端部に接続されている。
【0066】
図13に示すように、シート巻き付け棒67の軸長方向の両端部には、ねじりばねで形成されたシートリターンバネ68(シート回転部)が設けられている。シートリターンバネ68は、シート巻き付け棒67を常時巻き付け方向へ付勢する付勢力をもつ。従って伸縮アーム機構3が矢印X5方向へ伸長するとき、伸縮アーム機構3の伸長に連動して屋根シート5は矢印X5方向へ伸長されるものの、シートリターンバネ68の付勢力により屋根シート5の弛みは抑えられる。故にシートリターンバネ68は、屋根シート5の弛みを抑えるシート弛み抑制手段として機能する。
【0067】
屋根シート5を展開させるときについて説明する。まず、駆動モータ44Cにより巻き付けローラ47Cがワイヤ巻き付け方向へ回転する。すると、第1ワイヤ35H及び第2ワイヤ35Dが巻き付けローラ47Cに巻き取られ、これにより第1ワイヤ35H及び第2ワイヤ35Dの緊張度が増加する。この結果、第1折り畳みアーム部62Cの第1中間関節部71が矢印M3方向(関節の伸ばし方向)に移動し、第2中間関節部72が矢印M4方向(関節の伸ばし方向)に移動し、第3中間関節部73が矢印M5方向(関節の伸ばし方向)に移動する。また第2折り畳みアーム部63Cについても同様である。
【0068】
この結果、折り畳み状態の第1折り畳みアーム部62C及び第2折り畳みアーム部63Cは、矢印X5方向へ伸長する。このように伸縮アーム機構3Cが矢印X5方向へ伸長すれば、屋根シート5は矢印X5方向へ自動的に展開することができ、屋根シート5を雨除け用として利用することができる。伸縮アーム機構3Cが矢印X5方向へ伸長するときには、開閉扉20eが屋根シート5により押されて開く。
【0069】
上記のように屋根シート5が矢印X5方向へ展開したとき、シートリターンバネ68はシート巻き付け棒67及び屋根シート5を常時巻き付け方向(矢印X6方向)へ付勢する付勢力をもつため、展開された屋根シート5の弛みは抑えられる。シートリターンバネ68はゼンマイバネで形成されている。故に、シートリターンバネ68は、展開した屋根シート5の弛みを抑える弛み抑制手段として機能することができる。
【0070】
屋根シート5を固定ケース20Cに引き込むときには、伸長している伸縮アーム機構3Cを折り畳んで矢印X6方向へ収縮させる。このとき、駆動モータ44Cを逆方向へ回転駆動させて第1ワイヤ35H及び第2ワイヤ35Dを送り出して緩ませる。これにより伸長していた伸縮アーム機構3Cが収縮可能となる。すると、シートリターンバネ68の付勢力により、シート巻き付け棒67がシート巻き付け方向へ自動的に回転するため、屋根シート5が矢印X6方向へ自動的に引き込まれ、シート巻き付け棒67に屋根シート5が自動的に巻き取られる。このような屋根シート5を引き込む力により、第1折り畳みアーム部62C及び第2折り畳みアーム部63Cが折り畳まれ、矢印X6方向へ収縮する。
【0071】
本実施例によれば、関節部の数を増加すれば、伸縮アーム機構3Cの伸長量を大きくすることができる。シート巻き付け棒67にはシートリターンバネ68によりシート巻き付け方向への付勢力が常時に与えられているため、屋根シート5が伸長している状態においても屋根シート5は巻き付け方向(矢印X6方向)へ付勢されており、屋根シート5は弛むことなく、屋根シート5に張りが与えられる。このため屋根シート5の上面に雨水が溜まることを抑制することができる。従って、シートリターンバネ68は、シート弛み抑制手段として機能できる。
【0072】
殊に本実施例によれば、第1折り畳みアーム部62Cと第2折り畳みアーム部63Cとの間にシート持ち上げ棒70が架設されている。シート持ち上げ棒70は、屋根シート5を上方へつまり矢印U4方向(図14参照)へ持ち上げている。これにより雨水が屋根シート5の上面に溜まることを抑えることができる。図14に示すように、シート巻き付け棒67は伸縮アーム機構3Cの高さ位置よりも上方に設けられているため、屋根シート5を展開したとき屋根シート5はこれの先端部5aに向かうにつれて下降傾斜する。
【0073】
ところで、事情によりシートリターンバネ68が屋根シート5を巻き取る力が不足する場合には、伸長している伸縮アーム機構3Cを良好に折り畳むことができないおそれがある。この点本実施例においては、伸縮アーム機構3Cの折り畳み力を補助するべく、第1中間関節部71、第2中間関節部72、第3中間関節部73を折り畳む方向(矢印L3,L4,L5方向)に付勢する付勢力を発揮する腕部69rをもつねじりコイルバネで形成された付勢バネ69Cを第1中間関節部71、第2中間関節部72、第3中間関節部73にそれぞれ設けることができる。
【0074】
この場合、巻き付けローラ47Cの巻き付け力を解除してワイヤ35Hを繰り出せば、折り畳み力を補助する方向へ付勢している付勢バネ69Cの付勢力により、第1中間関節部71、第2中間関節部72、第3中間関節部73がそれぞれ良好に折り畳まれ、伸縮アーム機構3を容易に折り畳むことができる。従って付勢バネ69Cは、関節部を折り畳み方向へ付勢する折り畳み付勢手段として機能することができる。
【0075】
あるいは、第2巻き付けローラを追加し、第1折り畳みアーム部62Cの先端部及び第2折り畳みアーム部63Cの先端部と別ワイヤの先端部とをつなぎ、第2巻き付けローラの回転により別ワイヤを巻き取って引っ張り、第1折り畳みアーム部62C及び第2折り畳みアーム部63Cを良好に折り畳むようにすることができる。
【0076】
(第4実施例)
図15,図16は第4実施例を示す。第4実施例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には第1実施例と基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例に係る雨除け装置は、車両の天井のキャリアに固定される固定部としての固定ケース20Eと、固定ケース20Eに対して伸縮可能に設けられた伸縮アーム機構3Eと、伸長した伸縮アーム機構3Eに架設される雨除けの屋根シート5とを具備している。
【0077】
伸縮アーム機構3Eは、固定ケース20Eに固体された固定アーム部60Eと、固定アーム部60Eに対して間隔を隔てて平行に並設された可動アーム部61Eと、固定アーム部60Eと可動アーム部61Eとの間に傾けて橋架された第1揺動アーム部81Eと、固定アーム部60Eと可動アーム部61Eとの間に第1揺動アーム部81EとX字形状を形成するように橋架された第2揺動アーム部82Eと、第1揺動アーム部81Eを作動させる駆動部4Eとを有する。
【0078】
第1揺動アーム部81Eの先端部81aは、可動アーム部61Eに第1枢支具80pにより揺動可能に枢支されている。第1揺動アーム部81Eの基端部81cの第1スライド部84は、固定アーム部60Eの第1スライド溝60rに沿って矢印S1,S2方向へ移動可能とされている。第2揺動アーム部82Eの基端部82cは、固定アーム部60Eに第2枢支具82pにより揺動可能に枢支されている。第2揺動アーム部82Eの先端部82aの第2スライド部85は、可動アーム部61Eの第2スライド溝61rに沿って矢印U1,U2方向に移動可能とされている。
【0079】
図15に示すように、駆動部4Eは固定アーム部60Eに保持されており、駆動モータ44Eと、2個のプーリ47Eと、プーリ47E間に架設され駆動モータ44Eにより回動するエンドレス状のワイヤ49Eとを有する。ワイヤ49Eは第1揺動アーム部81Eの基端部81cの第1スライド部84に結合されている。ワイヤ49Eが移動すると、第1揺動アーム部81Eの基端部81cの第1スライド部84は、第1スライド溝60rに沿って矢印S1,S2方向にスライドする。
【0080】
固定アーム部60Eにはシート巻き付け棒67Eが回転可能に設けられている。シート巻き付け棒67Eに屋根シート5の基端部5cが巻き付けられている。シート巻き付け棒67Eの両端部には、シート巻き付け棒67を巻き付け方向へ回転させるように付勢するシートリターンバネ68Eが設けられている。シートリターンバネ68Eはゼンマイバネで形成されている。屋根シート5の先端部5aが伸縮アーム機構3Eの可動アーム部61Eに結合されている。
【0081】
伸縮アーム機構3Eを伸長させるときについて説明する。まず、駆動モータ44Eを駆動させてワイヤ49Eを回動させ、第1揺動アーム部81Eの基端部81cの第1スライド部84を矢印S2方向にスライドさせることにより、第1揺動アーム部81Eを矢印V2方向に回動させる。且つ、第2揺動アーム部82Eを矢印W2方向に回動させる。これにより可動アーム部61Eを矢印X7方向(伸長方向)へ平行移動させ、伸縮アーム機構3Eを矢印X7方向へ伸長させる。伸縮アーム機構3Eの可動アーム部61Eには屋根シート5の先端部5aが結合されている。このため伸縮アーム機構3Eが矢印X7方向へ伸長すれば、屋根シート5が連動して矢印X7方向へ展開するため、屋根シート5を雨除けとして利用することができる。
【0082】
これに対して伸縮アーム機構3Eを収縮させるときについて説明する。まず、駆動モータ44Eを逆方向に駆動させてワイヤ35Eを逆方向へ回動させ、第1揺動アーム部81Eの基端部81cの第1スライド部84を第1スライド溝60rに沿って矢印S1方向にスライドさせることにより、第1揺動アーム部81Eを矢印V1方向に回動させる。且つ、第2揺動アーム部82Eを矢印W1方向に回動させる。これにより可動アーム部61Eを矢印X8方向へ平行移動させ、伸縮アーム機構3Eを矢印X8方向へ収縮させる。このように伸縮アーム機構3Eを矢印X8方向へ収縮させれば、屋根シート5は弛もうとする。しかしシート巻き付け棒67Eの軸長方向の両端部にはシートリターンバネ68が設けられており、シート巻き付け棒67Eはシートリターンバネ68によりシート巻き付け方向に常時付勢されている。このため伸縮アーム機構3Eが収縮すれば、シート巻き付け棒67Eが巻き付け方向に自動的に回転し、屋根シート5を弛ませることなくシート巻き付け棒67Eに自動的に巻き取ることができる。
【0083】
(第5実施例)
図17,図18は第5実施例を示す。第5実施例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には第1実施例と基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例に係る車両用雨除け装置は、車両の天井のキャリアに固定される固定部としての固定ケース20Fと、固定ケース20Fに対して伸縮可能に設けられた伸縮アーム機構3Fと、伸長した伸縮アーム機構3Fに架設される雨除けの屋根シート5とを具備している。
【0084】
図17に示すように、伸縮アーム機構3Fは、固定ケース20Fに固体された固定アーム部60Fと、固定アーム部60Fに対して間隔を隔てて平行に並設された可動アーム部61Fと、関節部として機能できる軸部81sを有する逆くの字形状に折り畳み可能な第1折り畳みアーム部81Fと、関節部として機能できる軸部82sを有するくの字形状に折り畳み可能な第2折り畳みアーム部82Fと、第1折り畳みアーム部81F及び第2折り畳みアーム部82Fを作動させる駆動部4Fとを有する。第1折り畳みアーム部81F,第2折り畳みアーム部82Fは、固定アーム部60Fと可動アーム部61Fとの間に橋架されている。
【0085】
第1折り畳みアーム部81Fの先端部は、可動アーム部61Fに第1取付具81vにより揺動可能に枢支されている。第1折り畳みアーム部81Fの基端部は、固定アーム部60Fに第2取付具81wにより揺動可能に枢支されている。また第2折り畳みアーム部82Fの先端部は、可動アーム部61Fに第1取付具82vにより揺動可能に枢支されている。第2折り畳みアーム部82Fの基端部は、固定アーム部60Fに第2取付具82wにより揺動可能に枢支されている。
【0086】
第1取り付け具81vと第2取り付け具82vとの距離LSは、可動フレーム部61Fで拘束されており、変動することができない。従って第1折り畳みアーム部81F及び第2折り畳みアーム部82Fの折り畳みに伴い、可動アーム部61Fは固定アーム部60Fに対して平行移動できる。
【0087】
駆動部4Fは、固定アーム部60Fに保持されており、駆動ギヤ48Fと、駆動ギヤ48Fを駆動させる駆動モータ44Fとで形成されている。駆動ギヤ48Fは第2取付具81w,82wに同軸的に保持されている。第1折り畳みアーム部81Fの先端部及び第2折り畳みアーム部82Fの先端部には、屋根シート5の先端部5aが結合されている。
【0088】
伸縮アーム機構3Fを伸長させるときについて説明する。まず、駆動モータ44Fにより駆動ギヤ48Fをこれの軸芯P4回りで回転させる。これにより第1折り畳みアーム部81Fを第2取付具81wを中心として矢印R1方向へ揺動させ、軸部81sによる関節部の折り畳みを伸ばし、第1折り畳みアーム部81Fの第1取付具81vを矢印X9方向へ前進させる。同様に第2折り畳みアーム部82Fを矢印R1方向へ揺動させ、軸部82sによる関節部の折り畳みを伸ばし、第2折り畳みアーム部82Fの第1取付具82vを矢印X9方向へ前進させる。この結果、可動アーム部61Fは矢印X9方向へ平行移動する。故に、固定ケース20Fのシート収容室20aに収容されている屋根シート5を、矢印X9方向へ前進させて展開させることができる。展開した屋根シート5は雨除けとして利用できる。
【0089】
次に、伸縮アーム機構3Fを収縮させるときについて説明する。まず、駆動モータ44Fを逆方向に駆動させて駆動ギヤ48Fを逆方向へ回転し、第1折り畳みアーム部81Fを矢印R2方向へ揺動させ、軸部81sによる関節部を閉じる方向へ折り畳み、第1取付具81vを矢印X10方向へ引き込む。同様に第2折り畳みアーム部82Fを矢印R2方向へ揺動させ、軸部82sによる関節部を閉じる方向へ折り畳み、第1取付具82vを矢印X10方向へ引き込む。この結果、可動アーム部61Fは矢印X10方向へ平行移動する。故に、伸縮アーム機構3Fの先端部に先端部5aが接続されている屋根シート5は、固定ケース20Fのシート収容室20aに引き込まれる。
【0090】
(その他)
上記した各実施例においては、伸縮アーム機構は平面視において左右にそれぞれ設けられており、合計2組設けられているが、これに限らず1組であっても良いものである。その他、本発明は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る車両用雨除け装置によれば、伸縮アーム機構を伸長させれば、シートを展開した状態に伸縮アーム機構に保持することができる。このため乗員が車両に対して乗降するときに雨で濡れることを防止することができる。殊に高齢者、障害者などのように乗降作業に時間を要する乗員の乗降に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の天井に車両用雨除け装置を取り付けた状態を模式的に示す平面図である。
【図2】車両の天井に車両用雨除け装置を取り付けた状態を模式的に示す背面図である。
【図3】車両用雨除け装置の固定ケース内の構造を示す構成図である。
【図4】伸縮アーム機構のスライドアーム部をワイヤで引っ張ってスライドさせる形態を模式的に示す構成図である。
【図5】伸縮アーム機構のスライドアーム部が前進して伸長した形態を模式的に示す構成図である。
【図6】キャリアバーを有する組み付け体の側面図である。
【図7】組み付け体を固定する構造を模式的に示す断面図である。
【図8】屋根シートの平面図である。
【図9】車両用雨除け装置の屋根シートが展開している状態を模式的に示す平面図である。
【図10】車両用雨除け装置の組み付け体の位置を調整する形態を模式的に示す平面図である。
【図11】第2実施例に係り、伸縮アーム機構が収縮している状態を示す平面図である。
【図12】第2実施例に係り、伸縮アーム機構が伸長している状態を示す平面図である。
【図13】第3実施例に係り、固定ケースの内部構造を示すと共に、伸縮アーム機構が収縮している状態及び伸長している状態を模式的に示す平面図である。
【図14】第3実施例に係り、固定ケースの内部構造を示すと共に、伸縮アーム機構が伸長して屋根シートを展開させいてる状態を示す側面図である。
【図15】第4実施例に係り、伸縮アーム機構が伸長している途中状態を示す平面図である。
【図16】第4実施例に係り、伸縮アーム機構が伸長している状態を示す側面図である。
【図17】第5実施例に係り、伸縮アーム機構が伸長している途中状態を示す平面図である。
【図18】第5実施例に係り、伸縮アーム機構の枢支部分を示す構成図である。
【符号の説明】
図中、2は固定部、20は固定ケース、20aはシート収容室、3は伸縮アーム機構、30はキャリアバー、33は第1スライドアーム部、34は第2スライドアーム部、35はワイヤ、4は駆動部、47は巻き取りローラ(駆動部)、5は屋根シート、50はシート本体、51はシートワイヤ、81は第1揺動アーム部、82は第2揺動アーム部を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の天井に取り付けられる車両用雨除け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗員が車両に対して乗降するときに、雨で濡れるおそれがある。殊に高齢者、障害者などのように乗降作業に時間を要する乗員の場合には、雨で濡れるおそれがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、乗員が車両に対して乗降するときに雨で濡れることを防止することができ、殊に高齢者、障害者などのように乗降作業に時間を要する乗員の乗降に効果的な車両用雨除け装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車両用雨除け装置は、車両の天井に固定される固定部と、固定部に伸縮可能に設けられた伸縮アーム機構と、伸長した伸縮アーム機構に架設される雨除けの屋根シートとを具備することを特徴とするものである。伸縮アーム機構を伸長させれば、屋根シートを展開した状態に伸縮アーム機構に保持することができる。このため乗員が車両に対して乗降するときに雨で濡れることを防止することができる。乗員の乗降が終了すれば、伸縮アーム機構を収縮させて固定部に保持すると共に、屋根シートの展開を解除する。
【0005】
【発明の実施の形態】
固定部は、車両の天井に固定されるものであり、例えば、車両の天井に保持される荷物設置用のキャリアに固定することができる。伸縮アーム機構は固定部に伸縮可能に設けられている。伸縮アーム機構の伸長方向としては車幅方向が好ましいが、車体の後方または前方とすることもできる。屋根シートが車両の乗降口を上方から覆うように、伸縮アーム機構の位置を規定することが好ましい。屋根シートは、伸長した伸縮アーム機構に架設される雨除けのためのものである。屋根シートの材質としては特に限定されるものではなく、布地シート、樹脂シート等が挙げられる。
【0006】
本発明によれば、固定部は、屋根シートを収容するシート収容室を有する形態を採用することができる。この場合、シート収容室は、屋根シートを空気に接触させつつ収容することが好ましい。従って屋根シートの表面及び裏面が空気に触れる頻度が高くなるように屋根シートを架設するシート架設手段を固定部に設けることができる。これによりシート収容室内の屋根シートが雨水等で濡れているときであっても、屋根シートを良好に乾燥させることができる。
【0007】
シート収容室には空気取入口を形成することができる。空気取入口の構造、数は特に限定されるものではなく、要するに乾燥のための空気をシート収容室に導入できればよい。空気取入口としては、車両の車幅方向に対面する形態、車両の後方に対面する形態、または、車両の前方に対面する形態を例示することができる。本発明によれば、屋根シートを展開したとき、屋根シートの弛みを抑制するシート弛み抑制手段を設けることができる。
【0008】
本発明によれば、伸縮アーム機構は、固定部に対してスライド可能なスライドアーム部と、スライドアーム部に連結されたワイヤと、ワイヤを引っ張ってスライドアーム部を伸長方向に移動させる自動または手動の駆動部とを有する形態を採用することができる。ワイヤは一般的には金属ワイヤであるが、場合によっては樹脂ワイヤでも良い。
【0009】
本発明によれば、伸縮アーム機構は、固定部に対してスライド可能であり且つ嵌合量を調整することにより伸縮可能な複数個のスライドアーム部と、先端のスライドアーム部に連結されたワイヤと、ワイヤを引っ張って先端のスライドアーム部を伸長方向に移動させる自動または手動の駆動部と、先端のスライドアーム部の移動に伴い他の残りのスライドアーム部を係止させて先端のスライドアーム部と同じ方向に移動させる係止部とを有する形態を採用することができる。この場合、スライドアーム部の数は特に限定されず、2個、3個、それ以上とすることができる。
【0010】
本発明によれば、ワイヤの先端部はスライドアーム部の先端部に連結され、ワイヤの基端部はスライドアーム部の基端部に連結されている形態を採用することができる。この場合、ワイヤを引っ張って先端のスライドアーム部を伸長方向に移動させることができる。ワイヤを逆方向へ引っ張って先端のスライドアーム部を伸長方向に移動させることができる。
【0011】
本発明によれば、駆動部は、回転することによりワイヤの基端部を引っ張ってスライドアーム部を前進させると共に逆方向に回転することによりワイヤの先端部を引っ張ってスライドアーム部を収容方向へ後退させるプーリ等の回転体と、回転体を回転させる自動または手動の駆動源とを有する形態を採用することができる。自動の駆動源としては、駆動モータが挙げられる。手動の駆動源としては、使用者が手作業で操作するハンドルが挙げられる。駆動部は固定部に固定できる。
【0012】
本発明によれば、伸縮アーム機構の伸長と屋根シートの展開とを連動させる連動機構が設けられている形態を採用することができる。この場合、伸縮アーム機構の伸長につれて屋根シートを展開させることができる。また、伸縮アーム機構の伸長ストロークと屋根シートの展開ストロークとが対応するため、屋根シートの弛みを抑えるのに有利である。
【0013】
またこの連動機構は、伸縮アーム機構の収縮と屋根シートの引き込みとを連動させることが好ましい。この場合、伸縮アーム機構の収縮につれて、屋根シートを引き込ませることができ、屋根シートの弛みを抑えるのに有利である。殊に伸縮アーム機構の収縮ストロークと屋根シートの引き込みストロークとが対応するため、屋根シートの弛み、屋根シートにかかる負荷を抑えるのに有利である。
【0014】
本発明によれば、伸縮アーム機構は、くの字または逆くの字に折り畳み可能な折り畳みアーム部と、折り畳みアーム部に連結されたワイヤと、ワイヤを引っ張って折り畳みアーム部を折り畳み状態から伸長させる自動または手動の駆動部とを有する形態を採用することができる。この場合、折り畳みアーム部の関節部を伸ばす方向にワイヤで変位させれば、伸縮アーム機構を伸張させることができる。あるいは、折り畳みアーム部の関節部を折り曲げる方向にワイヤで変位させれば、伸縮アーム機構を収縮させることができる。自動の駆動部としては、駆動モータが挙げられる。手動の駆動部としては、使用者が手作業で操作するハンドルが挙げられる。なお折り畳みアーム部の関節部に、この関節部を折り畳む方向に付勢する付勢バネ等の折り畳み付勢手段を設けることもできる。なお、折り畳み付勢手段は少なくとも1つの関節部に設けることができる。
【0015】
本発明によれば、伸縮アーム機構は、Xの字形状に橋架された第1揺動アーム部及び第2揺動アーム部と、第1揺動アーム部及び第2揺動アーム部を揺動させることにより伸縮アーム機構を伸縮させる自動または手動の駆動部とを有する形態を採用することができる。Xの字形状に橋架された第1揺動アーム部及び第2揺動アーム部の揺動により、伸縮アーム機構を伸縮させることができる。
【0016】
本発明によれば、伸縮アーム機構は、くの字または逆くの字形状に折り畳み可能な折り畳みアーム部と、折り畳みアーム部の折り畳み角度を変化させることにより伸縮アーム機構を伸縮させる自動または手動の駆動部とを有する形態を採用することができる。このように折り畳みアーム部の折り畳み角度を変化させることにより、伸縮アーム機構を伸縮させることができる。この場合、折り畳みアーム部の関節部を折り曲げる方向に付勢する付勢バネ等の付勢手段を関節部に設ければ、伸縮アーム機構を収縮させるのに有利となる。
【0017】
本発明によれば、屋根シートの先端部は伸縮アーム機構の先端部に接続されており、伸縮アーム機構の伸張に伴い屋根シートを展開させる形態を採用することができる。この場合、伸縮アーム機構が伸長すれば、屋根シートが連動して展開される。伸縮アーム機構が収縮すれば、屋根シートが弛む方向へ変位する。このため、シートを巻き付け可能なシート巻き付け棒を固定部に設け、シート巻き付け棒をシート巻き付け方向へ回転させるシート回転部を設けることが好ましい。シート回転部としては、シート巻き付け棒をシート巻き付け方向へ付勢して回転させる付勢バネ、あるいは、シート巻き付け棒をシート巻き付け方向へ回転させる駆動モータを採用することができる。付勢バネとしては、ゼンマイバネ、ねじりバネ等を例示することができる。
【0018】
【実施例】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1〜図10を参照して説明する。本実施例に係る車両用雨除け装置1は、図1,図2に示すように、フロント100a、車輪100cを有する乗用車等の車両100の天井110に固定されている。本実施例に係る車両用雨除け装置1は、図2に示すように、車両100の天井110に保持されている荷物設置用の市販のキャリア113に固定された固定部2と、固定部2に保持された伸縮可能な伸縮アーム機構3と、伸長した伸縮アーム機構3に架設される雨除けの屋根シート5とを備えている。
【0019】
図3に示すように、固定部2は、シート収容室20aをもつ固定ケース20と、固定ケース20を保持する固定フレーム21とを有する。固定ケース20のシート収容室20a内に、屋根シート5を浮遊状態に架設するための複数個の架設ローラ20m(20m1〜20m4,シート架設手段)が間隔を隔てて回転可能に保持されている。架設ローラ20m1〜20m4のうち、シート吐出口20b側の架設ローラ20m1は、シート収容室20aにおいて上部側に設けられている。その主な理由として、屋根シート5を矢印X1方向へ展開させたとき、屋根シート5上の水の排出などのために、架設ローラ20m1と屋根シート5の先端部5aとの間において屋根シート5に傾斜を付けるためである。
【0020】
固定ケース20は、シート収容室20aに連通するシート吐出口20bと、枢支具20cに回動可能な枢支されシート吐出口20bを開閉する開閉扉20eとを有する。固定ケース20の底面に、シート収容室20aの水を排出するための水抜き孔20fが形成されている。固定ケース20の側面には、シート収容室20a内の屋根シート5を乾燥させるための空気取入口20iが雨カバー20pを有して形成されている。空気取入口20iは、屋根シート5の展開方向(矢印X1方向)と逆の方向に開口しており、つまり、車両の車幅方向に向けて開口している。ただし、空気取入口20iの構造、開口方向はこれに限定されるものではない。
【0021】
伸縮アーム機構3は、図3に示すように、固定フレーム21に固定され中空室30aをもつ筒形状のキャリアバー30をもつ組み付け体31と、キャリアバー30の中空室30aにキャリアバー30に対して矢印X1,X2方向(車幅方向)にスライド可能に嵌合されたスライドアーム部32と、スライドアーム部32に連結されたワイヤ35と、ワイヤ35を引っ張ってスライドアーム部32を移動させる自動の駆動部4とを有する。
【0022】
図6は組み付け体31の側面形態を示す。組み付け体31は、キャリアバー30と、キャリアバー30の先端部に保持されると共にフランジ状の取付片36kをもつホルダブラケット36と、ホルダブラケット36に回転可能に保持されたアームプーリ37(第1回転体)と、アームプーリ37から間隔を隔ててホルダブラケット36に回転可能に保持された第2プーリ38(第2回転体)とを有する。アームプーリ37の外径は第2プーリ38の外径よりも大きくされている。この場合、シートプーリ53と同じプーリ径に規定されるアームプーリ37のプーリ径を確保しつつ、第2プーリ38付近のコンパクト化に貢献できる。但し、アームプーリ37の外径と第2プーリ38の外径との関係は、上記に限定されるものではない。
【0023】
ホルダブラケット36は第1スライド孔36a、第2スライド孔36bをもつ。第1スライド孔36aは、固定フレーム21の第1スライドフレーム22にスライド可能に挿通されている。第2スライド孔36bは第1駆動軸42xにスライド可能に挿通されている。
【0024】
そして、図6及び図7に示すように、固定螺子39m(固定具)を第1スライドフレーム22の長孔22xに挿通した状態で取付片36kの螺子孔36rに締結する。更に固定螺子39n(固定具)を第2スライドフレーム23の長孔23xに挿通した状態でキャリアバー30に締結し、これにより組み付け体31は第1スライドフレーム22及び第2スライドフレーム23に固定されている。長孔22xは第1スライドフレーム22の長さ方向に沿っている。長孔23xは第2スライドフレーム23の長さ方向に沿っている。
【0025】
固定螺子39m,39nを緩めて長孔21x,22xに沿ってスライドさせれば、組み付け体31は第1スライドフレーム22,第2スライドフレーム23に沿って移動でき、車両の種類に応じて組み付け体31の位置調整を行うことができる。従って、長孔21x,22x、固定螺子39m,39nは、キャリアバー30を保持する固定部2の位置を調整する固定部位置調整手段として機能できる。なお図10はキャリアバー30を有する組み付け体31を矢印N1方向に位置調整することを示す。組み付け体31,キャリアバー30,プーリ37,38,ワイヤ35、スライドアーム部32は、矢印N1方向(シート伸長方向である矢印X1方向に交差する方向)に沿って位置調整される。
【0026】
図8は固定ケース20から取り外した状態の屋根シート5を示す。図8に示すように、屋根シート5は、広い面積をもつ雨除け用のシート本体50と、シート本体50に接合部を介して接合された2本のシートワイヤ51とで構成されている。各シートワイヤ51は後述するシートプーリ53の外周部に巻き付けられている。従ってシートプーリ53は2個設けられている。
【0027】
図4は駆動機構を模式的に示す。図4に示すように、前記したスライドアーム部32は、収容室33aをもつ基端側の筒形状をなす第1スライドアーム部33と、第1スライドアーム部33の収容室33aに嵌合して収容される先端側の第2スライドアーム部34とを有する。第2スライドアーム部34は、第1スライドアーム部33の収容室33aに嵌合されて収容可能である。また第1スライドアーム部33を収容した第2スライドアーム部34は、キャリアバー30の中空室30aに収容可能である。従って第2スライドアーム部34を収容した第1スライドアーム部33は、キャリアバー30の中空室30aに収容可能である。第2スライドアーム部34の先端部は、開閉扉20eに係合してこれを閉じるための凸部34fを有する。
【0028】
図4に示すように、第2スライドアーム部34の外側面にはスライド係止部34cが設けられており、第2スライドアーム部34が矢印X1方向に前進すると、スライド係止部34cが第1スライドアーム部33の内側面の係止部33cに係止し、第1スライドアーム部33を矢印X1方向(伸長方向,車体の車幅方向)へ前進させる。このように第1スライドアーム部33及び第2スライドアーム部34は矢印X1方向へ同時に前進するが、第2スライドアーム部34が中空室30aの収容位置から第1スライドアーム部33と共に所定距離、矢印X1方向へ移動すると、第1スライドアーム部33の係止部33rはキャリアバー30のストッパ30cに当接するため、第1スライドアーム部33は矢印X1方向へそれ以上前進できなくなる。しかし、第2スライドアーム部34は第1スライドアーム部33を残したまま矢印X1方向へ更に前進することができる。
【0029】
図4に示すように、ワイヤ35の先端部35aは第2スライドアーム部34の先端部に結合されている。ワイヤ35の基端部35cは第1スライドアーム部33の収容室33a内に進入しつつ、第2スライドアーム部34の基端部に結合されている。ワイヤ35は、アームプーリ37の外周面と第2プーリ38の外周面とにX字形状に架設されている。なお図4はワイヤ35の一部を破線で示す。
【0030】
図3は伸縮アーム機構3の駆動部4を示す。図3は便宜上駆動部4及び組み付け体31とを併せて示す。図3に示すように駆動部4は、駆動ブラケットにセンタギヤ41、アームギヤ42、シートギヤ43、駆動モータ44を装備することにより形成されている。アームギヤ42及びシートギヤ43は、センタギヤ41を挟持するようにセンタギヤ41に噛合している。アームギヤ42及びシートギヤ43は同じ歯数、同じギヤ径とされており、このため、同じ速度で同じ方向に連動して同期回転することができる。従ってセンタギヤ41、アームギヤ42、シートギヤ43は、連動機構を形成し、伸縮アーム機構3の伸長と屋根シート5の展開とを連動させ得ると共に、伸縮アーム機構3の収縮と屋根シート5の引き込みとを連動させ得る。
【0031】
シートプーリ53は屋根シート5を展開させるためのシート展開機構して機能するものであり、図10に示すように、2個間隔を隔てて配設されている。伸縮アーム機構3を駆動させる駆動部4は、固定ケース20の長さ方向の中央域に保持されている。駆動部4のシートギヤ43と離間して、シートプーリ53は回転可能にキャリアバー30に保持されている。駆動部4のシートギヤ43と2個のシートプーリ53との間には、第2駆動軸43xがこれらと一体回転するように係合されている。また図10に示すように、アームギヤ42に離間して、アームプーリ37は回転可能にキャリアバー30に保持されている。アームギヤ42とアームプーリ37との間には、第1駆動軸42xがこれらと一体回転するように係合されている。第1駆動軸42x、第2駆動軸43xは、横断面で横断面で角形状(例えば六角形状)をなしており、一体回転構造とされている。図4においてアームギヤ42が回転すると、第1駆動軸42xを介してアームプーリ37が連動して同方向に回転する。
【0032】
図4において、駆動モータ44の出力軸44xはセンタギヤ41に噛合しており、駆動モータ44が回転駆動すると、センタギヤ41が回転される。従って、駆動モータ44が一方向に回転駆動すると、センタギヤ41が矢印C1方向に回転し、シートギヤ43及びシートプーリ53が矢印T1方向に連動して回転し、アームギヤ42及びアームプーリ37が矢印A1方向に連動して回転する。このようにアームプーリ37が矢印A1方向へ回転すると、図4から理解できるように、ワイヤ35の基端部35cを矢印F1方向(伸縮アーム機構3の伸長方向)へ引っ張り、第1スライドアーム部33内の第2スライドアーム部34を矢印X1方向(伸縮アーム機構3の伸長方向)に前進させる。
【0033】
これに対して駆動モータ44が他方向に回転駆動すると、センタギヤ41が矢印C2方向に回転し、アームギヤ42及びアームプーリ37が矢印A2方向に回転し、シートギヤ43及びシートプーリ53が矢印T2方向に回転し、ワイヤ35の先端部35aを矢印F2方向(伸縮アーム機構3の後退方向)に引っ張り、第2スライドアーム部34を矢印X2方向(伸縮アーム機構3の後退方向)に後退させる。
【0034】
本実施例によれば、図3から理解できるように、屋根シート5の先端部5aは架設ローラ20m1から下方に延設され、第2スライドアーム部34の凸部34f付近の先端部に接続されている。従って第2スライドアーム部34が矢印X1方向(シート展開方向)に前進すると、屋根シート5は同方向へ連動して引っ張られ、シート本体50が広い面積で伸長され、雨除け機能として利用することができる。第2スライドアーム部34が矢印X2方向に後退すると、屋根シート5は矢印X2方向(シート引き込み方向)に後退する。
【0035】
さて、屋根シート5を雨除けとして使用するときについて説明する。この場合、駆動モータ44を一方向に回転させる。すると図4から理解できるように、センタギヤ41が矢印C1方向に回転し、アームギヤ42及びアームプーリ37が連動して矢印A1方向に同期回転し、シートギヤ43及びシートプーリ53が連動して矢印T1方向に同期回転する。アームギヤ42及びアームプーリ37の回転方向である矢印A1方向と、シートギヤ43及びシートプーリ53の回転方向である矢印T1方向とは同じ方向である。上記したようにアームプーリ37が矢印A1方向へ回転すると、ワイヤ35の基端部35cつまり第2スライドアーム部34を矢印F1方向(伸長方向)に引っ張り、第2スライドアーム部34を矢印X1方向に前進させる。このとき第2スライドアーム部34のスライド係止部34cは第1スライドアーム部33の係止部33cに係止するため、第1スライドアーム部33が連動して矢印X1方向へ前進する。これにより伸縮アーム機構3が固定ケース20から矢印X1方向へ伸長する。
【0036】
なお、第1スライドアーム部33の係止部33rがキャリアバー30のストッパ30cに当接すると、上記した伸長作動は阻止される。
【0037】
上記したように第2スライドアーム部34が矢印X1方向(伸長方向)に前進すると、図3から理解できるように、第2スライドアーム部34に先端部5aが結合されている屋根シート5は、第2スライドアーム部34により矢印X1方向(シート展開方向)に引っ張られ、ひいてはシート本体50が広い面積で展開され、シート本体50が雨除け機能を奏する。この場合、図4において、前述したようにシートギヤ43及びシートプーリ53が矢印T1方向(シート巻き戻し方向)に回転するため、屋根シート5のシートワイヤ51がシートプーリ53から矢印G1方向(シート展開方向)へ送り出され、屋根シート5を矢印X1方向へ良好に前進させることができる。即ち、シート本体50は、架設ローラ20mを回転させつつ矢印X1方向(シート展開方向)に引っ張られて円滑に展開することができる。このようにシート本体50が矢印X1方向に展開するときには、図3から理解できるように、シート本体50により固定ケース20の開閉扉20eが上方に押され、開閉扉20eが枢支具20cを中心として上方つまり矢印P1方向に揺動して自動的に開放されるため、シート吐出口20bから屋根シート5を円滑に吐出させることができる。なお図5は伸縮アーム機構3が伸張した状態の要部を示す。
【0038】
次に展開させた屋根シート5を固定ケース20のシート収容室20aに収容するときについて説明する。この場合、駆動モータ44を逆方向に回転させる。すると、図4から理解できるように、センタギヤ41が矢印C2方向に回転し、アームギヤ42及びアームプーリ37が矢印A2方向に回転し、シートギヤ43及びシートプーリ53が矢印T2方向に回転する。アームギヤ42及びアームプーリ37の回転方向である矢印A2方向と、シートギヤ43及びシートプーリ53の回転方向である矢印T2方向とは同じ方向である。
【0039】
このように伸長させた屋根シート5を固定ケース20のシート収容室20aに収容するときには、アームプーリ37が矢印A2方向に回転する。従って、ワイヤ35の先端部35aを矢印F2方向(第2スライドアーム部34の後退方向)に引っ張り、第2スライドアーム部34を矢印X2方向に後退させる。このとき第2スライドアーム部34の係止部としての凸部34fは第1スライドアーム部33の先端部に係止するため、第1スライドアーム部33も連動して矢印X2方向に自動的に後退する。結果として、第1スライドアーム部33及び第2スライドアーム部34は、キャリアバー30の中空室30aに自動的に収容される。これにより伸縮アーム機構3が収縮する。
【0040】
上記したように第2スライドアーム部34が第1スライドアーム部33と共に矢印X2方向に後退するときには、シートギヤ43及びシートプーリ53が矢印T2方向(シート引き込み方向)に回転するため、シートプーリ53の外周部にシートワイヤ51が次第に巻き付けられる。このため第2スライドアーム部34が矢印X2方向へ後退するのと連動して、シート本体50が矢印G2方向(シート引き込み方向)に引き込まれ、シート本体50の全体が固定ケース20のシート収容室20aに収容される。
【0041】
ところで、雨除けとして使用された屋根シート5は濡れている。濡れた屋根シート5をロール状に巻き付けて収容したときには、屋根シート5の表面及び裏面は乾燥されにくい。場合によってはカビの懸念も生じる。この点本実施例によれば、屋根シート5が固定ケース20のシート収容室20aに引き込まれて収容されているときには、シートワイヤ51はシートプーリ53に巻き付けられているが、シート本体50はシートプーリ53に巻き付けられておらず、図3に示すように、シート本体50は、互いに離れつつ複数の架設ローラ20m間に折り曲げられた状態で架設されている。故に、屋根シート5のシート本体50の表面及び裏面は互いに接触しておらず、シート収容室20aの空気に効率良く触れることができる。故に、固定ケース20のシート収容室20aにおいて屋根シート5のシート本体50の乾燥処理を良好に行うことができる。
【0042】
殊に、空気取入口20iからシート収容室20aに導入された空気により、シート収容室20aにおいて屋根シート5のシート本体50の乾燥処理を良好に行うことができる。なお空気取入口20iは車体の車幅方向に向けて開口しているため、車両走行時に過剰の風が空気取入口20iに進入することが抑えられ、シート収容室20aに収容されている屋根シート5のバタツキが抑えられている。空気取入口20iとしては、車両の車幅方向に対面する形態の他に、車両の後方に対面する形態、または、車両の前方に対面する形態を例示することができる。図3において、屋根シート5のシート面5k1、5k2,5k3,5k4は雨が降りかかる面である。図3に示すように、屋根シート5を収容しているとき、シート面5k1、シート面5k3は下降傾斜して、雨水を流下させる。シート面5k2,5k4は反転して下方向に向いており、シート面5k2,5k4における雨水を下方に雨垂下させる。このため屋根シート5の乾燥に一層有利である。
【0043】
以上説明したように本実施例によれば、伸縮アーム機構3の伸長と屋根シート5の展開とを行うことができるため、屋根シート5を雨除けとして利用することができる。このため乗員が車両に対して乗降するときに雨で濡れることを防止することができる。殊に高齢者、障害者などのように乗降作業に時間を要する乗員の乗降に効果的である。
【0044】
更に本実施例によれば、伸縮アーム機構3の伸張ストロークとシート展開機構の展開ストロークとが基本的には同じとされている。このため屋根シート5の弛みを抑えつつ、屋根シート5のシート本体50を矢印X1方向(シート展開方向)へ前進させて展開させることができる。
【0045】
換言すれば、前述したようにアームギヤ42及びシートギヤ43は、センタギヤ41を挟持するようにセンタギヤ41に噛合しており連動機構を構成していると共に、アームギヤ42及びシートギヤ43は同じ歯数及びギヤ径とされている。
【0046】
このため、アームギヤ42及びシートギヤ43は同じ速度で同じ方向に連動して同期回転することができる。またアームギヤ42に繋がるアームプーリ37と、シートギヤ43に繋がるシートプーリ53は、同じ速度で同じ方向に連動して同期回転することができる。従って、伸縮アーム機構3の伸縮ストロークとシート展開機構の伸縮ストロークとが基本的には同じとされている。このため屋根シート5の緩みを抑えつつ、屋根シート5のシート本体50を矢印X1方向へ前進させて伸長させたり、屋根シート5のシート本体50を矢印X2方向へ引き込んで収容することができる。
【0047】
更に本実施例によれば、伸縮アーム機構3の収縮ストロークとシート展開機構の引き込みストロークとが基本的には同じとされている。このため屋根シート5の弛みを抑えつつ、屋根シート5のシート本体50を矢印X2方向へ後退させてシート収容室20a内に引き込むことができる。
【0048】
なお本実施例においては、伸縮アーム機構3の伸縮及び屋根シート5の移動を、駆動モータ44を有する駆動部4で行っているが、これに限らず、駆動部として手動操作ハンドルを設け、手動操作ハンドルで行っても良い。
【0049】
(第2実施例)
図11,図12は第2実施例を示す。第2実施例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には第1実施例と基本的には同様の作用効果を奏する。図11は伸縮アーム機構3Bが折り畳まれた状態を示す。図12は伸縮アーム機構3Bが伸長された状態を示す。伸縮アーム機構3Bは、固定アーム部60と、固定アーム部60に間隔を隔てて並設された可動アーム部61と、くの字に折り畳み可能な第1折り畳みアーム部62と、逆くの字に折り畳み可能な第2折り畳みアーム部63と、第1折り畳みアーム部62に連結されこれを伸張させる第1ワイヤ35Aと、第2折り畳みアーム部63に連結されこれを伸張させる第2ワイヤ35Bと、第1ワイヤ35Aを引っ張って第1折り畳みアーム部62を折り畳み状態から伸長させると共に第2ワイヤ35Bを引っ張って第2折り畳みアーム部63を折り畳み状態から伸長させる駆動部として機能する巻き付けローラ47とを有する。巻き付けローラ47は固定アーム部60に回転可能に保持されている。なお、折り畳みアーム部62,63は、固定アーム部60と可動アーム部61との間に橋架されている。
【0050】
図11,図12に示すように、第1折り畳みアーム部62の端関節部75,76及び中間関節部71には、第1プーリ64(64a〜64c)が回転可能に保持されている。第2折り畳みアーム部63の端関節部75,76,中間関節部71には、第2プーリ65(65a〜65c)が回転可能に保持されている。第1ワイヤ35Aの基端部35cは巻き付けローラ47に結合されて巻き付けられている。図12に示すように、第1ワイヤ35Aは端関節部75の第1プーリ64aの外側を通り、中間関節部71の第1プーリ64bの内側を通り、端関節部76の第1プーリ64cの外側を通り、第1ワイヤ35Aの先端部35aは第1折り畳みアーム部62の先端に連結されている。
【0051】
図12に示すように、第2ワイヤ35Bの基端部35cは巻き付けローラ47に巻き付けられている。第2ワイヤ35Bは、端関節部75の第2プーリ65aの外側を通り、中間関節部71の第2プーリ65bの内側を通り、端関節部76の第2プーリ65cの外側を通り、第2ワイヤ35Bの先端部35aは第2折り畳みアーム部63の先端部に連結されている。
【0052】
本実施例によれば、図12から理解できるように、巻き付けローラ47が回転すると、第1ワイヤ35Aは第1折り畳みアーム部62の中間関節部71の折り畳みを伸ばす方向へ架設されている。第2ワイヤ35Bは第2折り畳みアーム部63の中間関節部71の折り畳みを伸ばす方向へ架設されている。
【0053】
換言すると、駆動モータ44(または手動操作)により巻き付けローラ47が矢印L1(ワイヤ巻き付け方向)回転すると、第1ワイヤ35A及び第2ワイヤ35Bが巻き付けローラ47に巻き取られる。これにより第1ワイヤ35A及び第2ワイヤ35Bが矢印M1方向,矢印M2方向へ引っ張られ、緊張度が増加する。この結果、第1折り畳みアーム部62の中間関節部71の第1プーリ64bが矢印K1方向(関節部の伸ばし方向)に移動する。また第2折り畳みアーム部63の中間関節部71の第2プーリ65bが矢印K2方向(関節部の伸ばし方向)に移動する。この結果、折り畳み状態の第1折り畳みアーム部62及び第2折り畳みアーム部63は、矢印X3方向へ伸長する。伸長した伸縮アーム機構3に屋根シート5が架設されれば、雨除け屋根シートとして利用することができる。
【0054】
なお本実施例によれば、伸長している伸縮アーム機構3を折り畳む構造としては、第1折り畳みアーム部62の中間関節部71を折り畳む方向(矢印K2方向)に付勢する付勢力を発揮する腕部69rをもつ付勢バネ69を必要に応じて設けることができる。第2折り畳みアーム部63の中間関節部71にも、これを折り畳む方向へ付勢する付勢バネ69を必要に応じて設けることができる。
【0055】
付勢バネ69としては捻りコイルバネを例示することができる。この場合、巻き付けローラ47を矢印L2方向(ワイヤ巻き戻し方向)へ回転させて巻き付けローラ47の巻き付け力を解除すれば、ワイヤ35A,35Bの緊張が緩むため、付勢バネ69の付勢力により中間関節部71が自動的に折り畳まれ、伸長していた伸縮アーム機構3を矢印X4方向へ収縮させて、図11に示すようにコンパクトに折り畳むことができる。
【0056】
また本実施例によれば、特に図示はしないものの、屋根シート5を巻き付けるシート巻き付け棒と、シート巻き付け棒をシート巻き付け方向へ常時付勢するゼンマイバネなどのシートリターンバネとを設けることができる。この場合、屋根シート5の先端部5aを伸縮アーム機構3の第1折り畳みアーム部62の先端部、第2折り畳みアーム部63の先端部にそれぞれ連結する。そして伸縮アーム機構3の伸長により、シートリターンバネの付勢力を蓄積しつつ、屋根シート5をシート巻き付け棒から巻き戻し、屋根シート5を矢印X3方向へ展開させる。
【0057】
巻き付けローラ47の巻き付け力を解除すれば、付勢バネに蓄積された付勢力よって、シート巻き付け棒がシート巻き付け方向に自動的に回転するため、展開されていた屋根シート5はシート巻き付け棒67に自動的に巻き付けられる。
【0058】
あるいは、伸長している伸縮アーム機構3を折り畳む構造としては、図示はしないものの、第1折り畳みアーム部62を引っ張って折り畳む第3ワイヤ、第2折り畳みアーム部63を引っ張って折り畳む第4ワイヤを設け、第3ワイヤ及び第4ワイヤを巻き取る巻き付けローラを設けることもできる。
【0059】
なお本実施例によれば、図13に示すように、伸縮アーム機構3Cを補強する折り畳み式の補強アーム90が伸縮アーム機構3Cに設けられており、伸縮アーム機構3Cを補強してこれの弛みを抑えている。
【0060】
(第3実施例)
図13,図14は第3実施例を示す。第3実施例は、図11,図12に示す第2実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には第2実施例と基本的には同様の作用効果を奏する。図13の半分は伸縮アーム機構3Cが伸長された状態の半分を示す。図13の他の半分は伸縮アーム機構3Cが折り畳まれた状態の半分を示す。
【0061】
本実施例に係る雨除け装置は、第2実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例に係る雨除け装置は、車両の天井に固定される固定ケース20Cと、固定ケース20Cに対して伸縮可能に設けられた伸縮アーム機構3Cと、伸長した伸縮アーム機構3Cに架設される雨除けの屋根シート5とを具備している。
【0062】
伸縮アーム機構3Cは、固定ケース20Cに固定されたフレーム60Cと、フレーム60Cに間隔を隔てて設けられた可動アーム部61Cと、くの字に折り畳み可能な第1折り畳みアーム部62Cと、逆くの字に折り畳み可能な第2折り畳みアーム部63Cと、第1折り畳みアーム部62Cに連結された第1ワイヤ35Hと、第2折り畳みアーム部63Cに連結された第2ワイヤ35Dと、第1ワイヤ35Hを引っ張って第1折り畳みアーム部62Cを折り畳み状態から伸長させると共に第2ワイヤ35Dを引っ張って第2折り畳みアーム部63Cを折り畳み状態から伸長させる駆動部4Cとを有する。折り畳みアーム部62C,63Cは、フレーム60Cと可動アーム部61Cとの間に橋架されている。駆動部4Cは固定ケース20Cのフレームに保持されており、巻き付けローラ47Cと、巻き付けローラ47Cを回転させる駆動モータ44Cとを有する。
【0063】
第1折り畳みアーム部62Cの端関節部75、第1中間関節部71、第2中間関節部72、第3中間関節部73には、第1プーリ64a〜64e(64)が回転可能に保持されている。第2折り畳みアーム部63Cについても同様である。
【0064】
図13に示すように、第1ワイヤ35Hは端関節部75の第1プーリ64aの外側を通り、第1中間関節部71の第1プーリ64bの内側を通り、第2中間関節部72の第1プーリ64cの外側を通り、第3中間関節部73の第3プーリdの内側を通り、端関節部76の第1プーリ64eの外側を通り、第1ワイヤ35Hの先端部35aは第1折り畳みアーム部62Cの先端部に連結されている。第1ワイヤ35Hの基端部35cは、巻き付けローラ47Cに結合されて巻き付けられている。第2ワイヤ35Dも第1ワイヤ35Hと同じような構造とされている。
【0065】
図13に示すように、固定ケース20C内には、シート巻き付け棒67が伸縮アーム機構3の伸長方向(矢印X5方向)と交差する方向に沿ってホルダ67mに橋架されている。シート巻き付け棒67に屋根シート5の基端部5cをロール状に巻き付け可能である。屋根シート5の先端部5aは、第1折り畳みアーム部62Cの先端部及び第2折り畳みアーム部63Cの先端部に接続されている。
【0066】
図13に示すように、シート巻き付け棒67の軸長方向の両端部には、ねじりばねで形成されたシートリターンバネ68(シート回転部)が設けられている。シートリターンバネ68は、シート巻き付け棒67を常時巻き付け方向へ付勢する付勢力をもつ。従って伸縮アーム機構3が矢印X5方向へ伸長するとき、伸縮アーム機構3の伸長に連動して屋根シート5は矢印X5方向へ伸長されるものの、シートリターンバネ68の付勢力により屋根シート5の弛みは抑えられる。故にシートリターンバネ68は、屋根シート5の弛みを抑えるシート弛み抑制手段として機能する。
【0067】
屋根シート5を展開させるときについて説明する。まず、駆動モータ44Cにより巻き付けローラ47Cがワイヤ巻き付け方向へ回転する。すると、第1ワイヤ35H及び第2ワイヤ35Dが巻き付けローラ47Cに巻き取られ、これにより第1ワイヤ35H及び第2ワイヤ35Dの緊張度が増加する。この結果、第1折り畳みアーム部62Cの第1中間関節部71が矢印M3方向(関節の伸ばし方向)に移動し、第2中間関節部72が矢印M4方向(関節の伸ばし方向)に移動し、第3中間関節部73が矢印M5方向(関節の伸ばし方向)に移動する。また第2折り畳みアーム部63Cについても同様である。
【0068】
この結果、折り畳み状態の第1折り畳みアーム部62C及び第2折り畳みアーム部63Cは、矢印X5方向へ伸長する。このように伸縮アーム機構3Cが矢印X5方向へ伸長すれば、屋根シート5は矢印X5方向へ自動的に展開することができ、屋根シート5を雨除け用として利用することができる。伸縮アーム機構3Cが矢印X5方向へ伸長するときには、開閉扉20eが屋根シート5により押されて開く。
【0069】
上記のように屋根シート5が矢印X5方向へ展開したとき、シートリターンバネ68はシート巻き付け棒67及び屋根シート5を常時巻き付け方向(矢印X6方向)へ付勢する付勢力をもつため、展開された屋根シート5の弛みは抑えられる。シートリターンバネ68はゼンマイバネで形成されている。故に、シートリターンバネ68は、展開した屋根シート5の弛みを抑える弛み抑制手段として機能することができる。
【0070】
屋根シート5を固定ケース20Cに引き込むときには、伸長している伸縮アーム機構3Cを折り畳んで矢印X6方向へ収縮させる。このとき、駆動モータ44Cを逆方向へ回転駆動させて第1ワイヤ35H及び第2ワイヤ35Dを送り出して緩ませる。これにより伸長していた伸縮アーム機構3Cが収縮可能となる。すると、シートリターンバネ68の付勢力により、シート巻き付け棒67がシート巻き付け方向へ自動的に回転するため、屋根シート5が矢印X6方向へ自動的に引き込まれ、シート巻き付け棒67に屋根シート5が自動的に巻き取られる。このような屋根シート5を引き込む力により、第1折り畳みアーム部62C及び第2折り畳みアーム部63Cが折り畳まれ、矢印X6方向へ収縮する。
【0071】
本実施例によれば、関節部の数を増加すれば、伸縮アーム機構3Cの伸長量を大きくすることができる。シート巻き付け棒67にはシートリターンバネ68によりシート巻き付け方向への付勢力が常時に与えられているため、屋根シート5が伸長している状態においても屋根シート5は巻き付け方向(矢印X6方向)へ付勢されており、屋根シート5は弛むことなく、屋根シート5に張りが与えられる。このため屋根シート5の上面に雨水が溜まることを抑制することができる。従って、シートリターンバネ68は、シート弛み抑制手段として機能できる。
【0072】
殊に本実施例によれば、第1折り畳みアーム部62Cと第2折り畳みアーム部63Cとの間にシート持ち上げ棒70が架設されている。シート持ち上げ棒70は、屋根シート5を上方へつまり矢印U4方向(図14参照)へ持ち上げている。これにより雨水が屋根シート5の上面に溜まることを抑えることができる。図14に示すように、シート巻き付け棒67は伸縮アーム機構3Cの高さ位置よりも上方に設けられているため、屋根シート5を展開したとき屋根シート5はこれの先端部5aに向かうにつれて下降傾斜する。
【0073】
ところで、事情によりシートリターンバネ68が屋根シート5を巻き取る力が不足する場合には、伸長している伸縮アーム機構3Cを良好に折り畳むことができないおそれがある。この点本実施例においては、伸縮アーム機構3Cの折り畳み力を補助するべく、第1中間関節部71、第2中間関節部72、第3中間関節部73を折り畳む方向(矢印L3,L4,L5方向)に付勢する付勢力を発揮する腕部69rをもつねじりコイルバネで形成された付勢バネ69Cを第1中間関節部71、第2中間関節部72、第3中間関節部73にそれぞれ設けることができる。
【0074】
この場合、巻き付けローラ47Cの巻き付け力を解除してワイヤ35Hを繰り出せば、折り畳み力を補助する方向へ付勢している付勢バネ69Cの付勢力により、第1中間関節部71、第2中間関節部72、第3中間関節部73がそれぞれ良好に折り畳まれ、伸縮アーム機構3を容易に折り畳むことができる。従って付勢バネ69Cは、関節部を折り畳み方向へ付勢する折り畳み付勢手段として機能することができる。
【0075】
あるいは、第2巻き付けローラを追加し、第1折り畳みアーム部62Cの先端部及び第2折り畳みアーム部63Cの先端部と別ワイヤの先端部とをつなぎ、第2巻き付けローラの回転により別ワイヤを巻き取って引っ張り、第1折り畳みアーム部62C及び第2折り畳みアーム部63Cを良好に折り畳むようにすることができる。
【0076】
(第4実施例)
図15,図16は第4実施例を示す。第4実施例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には第1実施例と基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例に係る雨除け装置は、車両の天井のキャリアに固定される固定部としての固定ケース20Eと、固定ケース20Eに対して伸縮可能に設けられた伸縮アーム機構3Eと、伸長した伸縮アーム機構3Eに架設される雨除けの屋根シート5とを具備している。
【0077】
伸縮アーム機構3Eは、固定ケース20Eに固体された固定アーム部60Eと、固定アーム部60Eに対して間隔を隔てて平行に並設された可動アーム部61Eと、固定アーム部60Eと可動アーム部61Eとの間に傾けて橋架された第1揺動アーム部81Eと、固定アーム部60Eと可動アーム部61Eとの間に第1揺動アーム部81EとX字形状を形成するように橋架された第2揺動アーム部82Eと、第1揺動アーム部81Eを作動させる駆動部4Eとを有する。
【0078】
第1揺動アーム部81Eの先端部81aは、可動アーム部61Eに第1枢支具80pにより揺動可能に枢支されている。第1揺動アーム部81Eの基端部81cの第1スライド部84は、固定アーム部60Eの第1スライド溝60rに沿って矢印S1,S2方向へ移動可能とされている。第2揺動アーム部82Eの基端部82cは、固定アーム部60Eに第2枢支具82pにより揺動可能に枢支されている。第2揺動アーム部82Eの先端部82aの第2スライド部85は、可動アーム部61Eの第2スライド溝61rに沿って矢印U1,U2方向に移動可能とされている。
【0079】
図15に示すように、駆動部4Eは固定アーム部60Eに保持されており、駆動モータ44Eと、2個のプーリ47Eと、プーリ47E間に架設され駆動モータ44Eにより回動するエンドレス状のワイヤ49Eとを有する。ワイヤ49Eは第1揺動アーム部81Eの基端部81cの第1スライド部84に結合されている。ワイヤ49Eが移動すると、第1揺動アーム部81Eの基端部81cの第1スライド部84は、第1スライド溝60rに沿って矢印S1,S2方向にスライドする。
【0080】
固定アーム部60Eにはシート巻き付け棒67Eが回転可能に設けられている。シート巻き付け棒67Eに屋根シート5の基端部5cが巻き付けられている。シート巻き付け棒67Eの両端部には、シート巻き付け棒67を巻き付け方向へ回転させるように付勢するシートリターンバネ68Eが設けられている。シートリターンバネ68Eはゼンマイバネで形成されている。屋根シート5の先端部5aが伸縮アーム機構3Eの可動アーム部61Eに結合されている。
【0081】
伸縮アーム機構3Eを伸長させるときについて説明する。まず、駆動モータ44Eを駆動させてワイヤ49Eを回動させ、第1揺動アーム部81Eの基端部81cの第1スライド部84を矢印S2方向にスライドさせることにより、第1揺動アーム部81Eを矢印V2方向に回動させる。且つ、第2揺動アーム部82Eを矢印W2方向に回動させる。これにより可動アーム部61Eを矢印X7方向(伸長方向)へ平行移動させ、伸縮アーム機構3Eを矢印X7方向へ伸長させる。伸縮アーム機構3Eの可動アーム部61Eには屋根シート5の先端部5aが結合されている。このため伸縮アーム機構3Eが矢印X7方向へ伸長すれば、屋根シート5が連動して矢印X7方向へ展開するため、屋根シート5を雨除けとして利用することができる。
【0082】
これに対して伸縮アーム機構3Eを収縮させるときについて説明する。まず、駆動モータ44Eを逆方向に駆動させてワイヤ35Eを逆方向へ回動させ、第1揺動アーム部81Eの基端部81cの第1スライド部84を第1スライド溝60rに沿って矢印S1方向にスライドさせることにより、第1揺動アーム部81Eを矢印V1方向に回動させる。且つ、第2揺動アーム部82Eを矢印W1方向に回動させる。これにより可動アーム部61Eを矢印X8方向へ平行移動させ、伸縮アーム機構3Eを矢印X8方向へ収縮させる。このように伸縮アーム機構3Eを矢印X8方向へ収縮させれば、屋根シート5は弛もうとする。しかしシート巻き付け棒67Eの軸長方向の両端部にはシートリターンバネ68が設けられており、シート巻き付け棒67Eはシートリターンバネ68によりシート巻き付け方向に常時付勢されている。このため伸縮アーム機構3Eが収縮すれば、シート巻き付け棒67Eが巻き付け方向に自動的に回転し、屋根シート5を弛ませることなくシート巻き付け棒67Eに自動的に巻き取ることができる。
【0083】
(第5実施例)
図17,図18は第5実施例を示す。第5実施例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には第1実施例と基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例に係る車両用雨除け装置は、車両の天井のキャリアに固定される固定部としての固定ケース20Fと、固定ケース20Fに対して伸縮可能に設けられた伸縮アーム機構3Fと、伸長した伸縮アーム機構3Fに架設される雨除けの屋根シート5とを具備している。
【0084】
図17に示すように、伸縮アーム機構3Fは、固定ケース20Fに固体された固定アーム部60Fと、固定アーム部60Fに対して間隔を隔てて平行に並設された可動アーム部61Fと、関節部として機能できる軸部81sを有する逆くの字形状に折り畳み可能な第1折り畳みアーム部81Fと、関節部として機能できる軸部82sを有するくの字形状に折り畳み可能な第2折り畳みアーム部82Fと、第1折り畳みアーム部81F及び第2折り畳みアーム部82Fを作動させる駆動部4Fとを有する。第1折り畳みアーム部81F,第2折り畳みアーム部82Fは、固定アーム部60Fと可動アーム部61Fとの間に橋架されている。
【0085】
第1折り畳みアーム部81Fの先端部は、可動アーム部61Fに第1取付具81vにより揺動可能に枢支されている。第1折り畳みアーム部81Fの基端部は、固定アーム部60Fに第2取付具81wにより揺動可能に枢支されている。また第2折り畳みアーム部82Fの先端部は、可動アーム部61Fに第1取付具82vにより揺動可能に枢支されている。第2折り畳みアーム部82Fの基端部は、固定アーム部60Fに第2取付具82wにより揺動可能に枢支されている。
【0086】
第1取り付け具81vと第2取り付け具82vとの距離LSは、可動フレーム部61Fで拘束されており、変動することができない。従って第1折り畳みアーム部81F及び第2折り畳みアーム部82Fの折り畳みに伴い、可動アーム部61Fは固定アーム部60Fに対して平行移動できる。
【0087】
駆動部4Fは、固定アーム部60Fに保持されており、駆動ギヤ48Fと、駆動ギヤ48Fを駆動させる駆動モータ44Fとで形成されている。駆動ギヤ48Fは第2取付具81w,82wに同軸的に保持されている。第1折り畳みアーム部81Fの先端部及び第2折り畳みアーム部82Fの先端部には、屋根シート5の先端部5aが結合されている。
【0088】
伸縮アーム機構3Fを伸長させるときについて説明する。まず、駆動モータ44Fにより駆動ギヤ48Fをこれの軸芯P4回りで回転させる。これにより第1折り畳みアーム部81Fを第2取付具81wを中心として矢印R1方向へ揺動させ、軸部81sによる関節部の折り畳みを伸ばし、第1折り畳みアーム部81Fの第1取付具81vを矢印X9方向へ前進させる。同様に第2折り畳みアーム部82Fを矢印R1方向へ揺動させ、軸部82sによる関節部の折り畳みを伸ばし、第2折り畳みアーム部82Fの第1取付具82vを矢印X9方向へ前進させる。この結果、可動アーム部61Fは矢印X9方向へ平行移動する。故に、固定ケース20Fのシート収容室20aに収容されている屋根シート5を、矢印X9方向へ前進させて展開させることができる。展開した屋根シート5は雨除けとして利用できる。
【0089】
次に、伸縮アーム機構3Fを収縮させるときについて説明する。まず、駆動モータ44Fを逆方向に駆動させて駆動ギヤ48Fを逆方向へ回転し、第1折り畳みアーム部81Fを矢印R2方向へ揺動させ、軸部81sによる関節部を閉じる方向へ折り畳み、第1取付具81vを矢印X10方向へ引き込む。同様に第2折り畳みアーム部82Fを矢印R2方向へ揺動させ、軸部82sによる関節部を閉じる方向へ折り畳み、第1取付具82vを矢印X10方向へ引き込む。この結果、可動アーム部61Fは矢印X10方向へ平行移動する。故に、伸縮アーム機構3Fの先端部に先端部5aが接続されている屋根シート5は、固定ケース20Fのシート収容室20aに引き込まれる。
【0090】
(その他)
上記した各実施例においては、伸縮アーム機構は平面視において左右にそれぞれ設けられており、合計2組設けられているが、これに限らず1組であっても良いものである。その他、本発明は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る車両用雨除け装置によれば、伸縮アーム機構を伸長させれば、シートを展開した状態に伸縮アーム機構に保持することができる。このため乗員が車両に対して乗降するときに雨で濡れることを防止することができる。殊に高齢者、障害者などのように乗降作業に時間を要する乗員の乗降に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の天井に車両用雨除け装置を取り付けた状態を模式的に示す平面図である。
【図2】車両の天井に車両用雨除け装置を取り付けた状態を模式的に示す背面図である。
【図3】車両用雨除け装置の固定ケース内の構造を示す構成図である。
【図4】伸縮アーム機構のスライドアーム部をワイヤで引っ張ってスライドさせる形態を模式的に示す構成図である。
【図5】伸縮アーム機構のスライドアーム部が前進して伸長した形態を模式的に示す構成図である。
【図6】キャリアバーを有する組み付け体の側面図である。
【図7】組み付け体を固定する構造を模式的に示す断面図である。
【図8】屋根シートの平面図である。
【図9】車両用雨除け装置の屋根シートが展開している状態を模式的に示す平面図である。
【図10】車両用雨除け装置の組み付け体の位置を調整する形態を模式的に示す平面図である。
【図11】第2実施例に係り、伸縮アーム機構が収縮している状態を示す平面図である。
【図12】第2実施例に係り、伸縮アーム機構が伸長している状態を示す平面図である。
【図13】第3実施例に係り、固定ケースの内部構造を示すと共に、伸縮アーム機構が収縮している状態及び伸長している状態を模式的に示す平面図である。
【図14】第3実施例に係り、固定ケースの内部構造を示すと共に、伸縮アーム機構が伸長して屋根シートを展開させいてる状態を示す側面図である。
【図15】第4実施例に係り、伸縮アーム機構が伸長している途中状態を示す平面図である。
【図16】第4実施例に係り、伸縮アーム機構が伸長している状態を示す側面図である。
【図17】第5実施例に係り、伸縮アーム機構が伸長している途中状態を示す平面図である。
【図18】第5実施例に係り、伸縮アーム機構の枢支部分を示す構成図である。
【符号の説明】
図中、2は固定部、20は固定ケース、20aはシート収容室、3は伸縮アーム機構、30はキャリアバー、33は第1スライドアーム部、34は第2スライドアーム部、35はワイヤ、4は駆動部、47は巻き取りローラ(駆動部)、5は屋根シート、50はシート本体、51はシートワイヤ、81は第1揺動アーム部、82は第2揺動アーム部を示す。
Claims (11)
- 車両の天井に固定される固定部と、前記固定部に伸縮可能に設けられた伸縮アーム機構と、伸長した前記伸縮アーム機構に架設される雨除けの屋根シートとを具備することを特徴とする車両用雨除け装置。
- 請求項1において、前記固定部は、車両の天井に保持される荷物設置用のキャリアに固定されることを特徴とする車両用雨除け装置。
- 請求項1または請求項2において、前記伸縮アーム機構は、前記固定部に対してスライド可能なスライドアーム部と、前記スライドアーム部に連結されたワイヤと、前記ワイヤを引っ張って前記スライドアーム部を伸長方向に移動させる自動または手動の駆動部とを有することを特徴とする車両用雨除け装置。
- 請求項1または請求項2において、前記伸縮アーム機構は、前記固定部に対してスライド可能であり且つ嵌合量を調整することにより伸縮可能な複数個のスライドアーム部と、先端の前記スライドアーム部に連結されたワイヤと、前記ワイヤを引っ張って先端の前記スライドアーム部を伸長方向に移動させる自動または手動の駆動部と、先端の前記スライドアーム部の移動に伴い他の残りの前記スライドアーム部を係止させて先端の前記スライドアーム部と同じ方向に移動させる係止部とを有することを特徴とする車両用雨除け装置。
- 請求項3または請求項4において、前記ワイヤの先端部は前記スライドアーム部の先端部に連結され、前記ワイヤの基端部は前記スライドアーム部の基端部に連結されていることを特徴とする車両用雨除け装置。
- 請求項3〜請求項5のいずれか一項において、前記駆動部は、回転することにより前記ワイヤの基端部を引っ張って前記スライドアーム部を前進させると共に逆方向に回転することにより前記ワイヤの先端部を引っ張ってスライドアーム部を後退させる回転体と、前記回転体を回転させる駆動源とを有することを特徴とする車両用雨除け装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれか一項において、前記伸縮アーム機構の伸長と前記屋根シートの展開とを連動させる連動機構が設けられていることを特徴とする車両用雨除け装置。
- 請求項1または請求項2において、前記伸縮アーム機構は、くの字または逆くの字に折り畳み可能な折り畳みアーム部と、前記折り畳みアーム部に連結されたワイヤと、前記ワイヤを引っ張って前記折り畳みアーム部を折り畳み状態から伸長させる自動または手動の駆動部とを有することを特徴とする車両用雨除け装置。
- 請求項1または請求項2において、前記伸縮アーム機構は、Xの字形状に橋架された第1揺動アーム部及び第2揺動アーム部と、前記第1揺動アーム部及び前記第2揺動アーム部を揺動させることにより前記伸縮アーム機構を伸縮させる自動または手動の駆動部とを有することを特徴とする車両用雨除け装置。
- 請求項1または請求項2において、前記伸縮アーム機構は、くの字または逆くの字形状に折り畳み可能な折り畳みアーム部と、前記折り畳みアーム部の折り畳み角度を変化させることにより前記伸縮アーム機構を伸縮させる自動または手動の駆動部とを有することを特徴とする車両用雨除け装置。
- 請求項1〜請求項10のいずれか一項において、前記屋根シートの先端部は前記伸縮アーム機構の先端部に接続されており、前記伸縮アーム機構の伸張に伴い前記屋根シートは展開されることを特徴とすることを特徴とする車両用雨除け装置。
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2002
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