JP2004000630A - K31モードで動作するアレイトランスデューサを用いた高調波撮像装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トランスデューサ組立体のスペクトル応答の制御に多数のトランスデューサ層又は切換素子を用いることなく、基本周波数での超音波エネルギーの伝送を可能とし、高い感度で高調波周波数で反射超音波エネルギーの検出を可能とする超音波検査撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は超音波システムに関連する。1つの実施例では、本発明はk31モードで動作可能なトランスデューサと、第1の信号をトランスデューサ組立体へ送信する送信器と、トランスデューサ組立体によって第1の信号の周波数の高調波で受信された第2の信号を処理する受信器とを含む。他の実施例では、超音波システムを動作させる方法は、k31モードで動作するトランスデューサから第1の周波数範囲内の第1の信号を放出する段階と、信号を体内へ放射する段階と、第2の周波数範囲に制限された第2の信号を検出する段階とを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は超音波システムに関連する。1つの実施例では、本発明はk31モードで動作可能なトランスデューサと、第1の信号をトランスデューサ組立体へ送信する送信器と、トランスデューサ組立体によって第1の信号の周波数の高調波で受信された第2の信号を処理する受信器とを含む。他の実施例では、超音波システムを動作させる方法は、k31モードで動作するトランスデューサから第1の周波数範囲内の第1の信号を放出する段階と、信号を体内へ放射する段階と、第2の周波数範囲に制限された第2の信号を検出する段階とを含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して超音波検査撮像システムに関連し、更に特定的にはかかるシステムを用いた高調波撮像のための装置及び方法に関連する。
【0002】
超音波検査撮像システムは、超音波撮像及び測定を実行するために広く用いられている。検査画像は、トランスデューサ組立体を患者の皮膚に接するように置き、皮膚を通して患者の体内へ超音波エネルギーを送るためにトランスデューサ組立体の中に配置される1つ又はそれ以上の圧電素子を作動させることによって得られる。これに応じて、体の内部構造から超音波反射波が戻され、これらはトランスデューサ組立体の中の圧電素子によって電気信号に変換される。
【0003】
患者の体を構成する液体及び組織は超音波エネルギーに曝されたときは顕著な非線形音響応答を有するため、高調波反射波は体の中で基本送信周波数に調和的に関連する1つ又はそれ以上の周波数で発生されることが多い。このように選択的な周波数で超音波エネルギーを放出し、選択された送信周波数の1つ又はそれ以上の高調波周波数で反射された又は送信された超音波エネルギーを受信する高調波撮像システムが開発されている。
【0004】
現在、従来の広帯域トランスデューサ組立体は、一般的には基本送信周波数の付近を中心とする周波数範囲を含む所定の帯域幅内で動作可能であるよう構成された高調波撮像システム中で用いられる。従って、トランスデューサ組立体は、一般的には基本周波数に近い周波数では好ましい感度を示すが、指示された帯域幅の縁の近くの周波数に対しては一般的にはそれよりも低い感度を示す。関心となる高調波反射波はトランスデューサ帯域幅の縁の近くの周波数で生ずることが多いため、これらの周波数に対するトランスデューサ組立体の感度はかなり低下することが多い。高調波撮像システム用の広帯域幅トランスデューサ組立体を達成するため、従来では少なくとも2つの一般的なアプローチに従ってきた。1つのアプローチは、より広い周波数応答を達成するために多数の整合層及び/又は裏打ち層を含む、組立体中に使用される受動素子の設計を最適化することである。このアプローチに従ったトランスデューサ組立体は、一般的に、超音波システムが送信波形を変更すること及び/又は受信フィルタ応答を変更することによって所望の周波数応答を選択するために使用されて、送信及び受信のときに同じ周波数応答を有する。組み立てられうる受動素子の数は非常に限られているため、このアプローチは一般的には感度といった他の性能パラメータに対して妥協することなく限られた帯域幅改善のみを達成する。
【0005】
第2のアプローチは、一般的には圧電材料からなるトランスデューサ組立体の能動素子の設計を最適化することである。1つの方法では、圧電層材料は選択された方向上に変化する厚さで形成されるため、種々の文献(例えば非特許文献1)及び特許文献(例えばHanafy外による特許文献1)に記載されるようにトランスデューサ素子の周波数応答は広げられる。他の方法では、送信モード及び受信モードの間にトランスデューサ素子のために異なる周波数応答特徴を発生するために、トランスデューサ素子は能動トランスデューサ材料の多数の層で製造され、各層の極性を制御するために、又は、各層に印加される信号を制御するために切換回路を使用する。例えば、Gurarajaによる特許文献2は、トランスデューサが1つの共振周波数で送信し、他の共振周波数で受信するよう、各層に電圧を印加することによって選択的にバイアスされうる2つ又はそれ以上の電歪層からなるトランスデューサ積層体を開示する。更に、Ossmann外による特許文献3及びHossackによる特許文献4も、2つの圧電層からなるトランスデューサ積層体を開示する。送信モード及び受信モードの間に異なる周波数応答が発生されうるよう、切換回路は各トランスデューサ素子に取り付けられる。このアプローチの欠点は、異なるモードを制御するために各トランスデューサ素子に関連付けられる追加的な電子回路が必要であり、トランスデューサ組立体の複雑性が高まることである。
【0006】
【従来の技術】
【特許文献1】
米国特許第5,415,175号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,410,215号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,825,117号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,957,851号明細書
【非特許文献1】
エム・エス・エス・ボロフォロシュ(M.S.S. Boloforosh)著「医療用デュアル周波数圧電トランスデューサ(Dual Frequency Piezoelectric Transducer for Medical Applications)」 SPIE 第1733号、1992年、第131頁以降
【発明が解決しようとする課題】
従って、基本周波数での超音波エネルギーの伝送を可能とすると共に、従来の広帯域トランスデューサ組立体を用いたシステムから現在得ることができるものよりも高い感度で高調波周波数で反射超音波エネルギーの検出を可能とする超音波検査撮像装置を提供することが望ましい。更に、トランスデューサ組立体のスペクトル応答を制御するために多数のトランスデューサ層又は切換素子を用いることなく上述の利点を与えるシステムを提供することが望ましい。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、概して超音波検査撮像装置に関するものであり、特にかかるシステムを用いた高調波撮像のための装置及び方法に関連する。1つの面では、本発明は、第1の放出方向及び第1の放出方向に対して垂直な第2の方向に延在する圧電材料から形成される少なくとも1つのトランスデューサ素子を含み、層の互いに対向する側面に配置される電極を有し、圧電材料は第2の方向に分極される、トランスデューサ組立体と、電極に動作上結合され、超音波を発生するためにトランスデューサ組立体に第1の信号を送信し、超音波の反射された部分に対応し第1の信号に調和的に関連する第2の信号をトランスデューサ組立体から受信する超音波プロセッサとを含む。他の面では、本発明は、k31モードでの動作用に構成されるトランスデューサ組立体と、第1の周波数を含む第1の信号をトランスデューサ組立体へ送信する送信器と、第1の周波数に調和的に関連する第2の周波数を含みトランスデューサ組立体によって受信される第2の信号を処理する受信器とを含む。更なる他の面によれば、本発明は、k31モードであるモードで動作するトランスデューサ組立体から第1の周波数範囲に制限された第1の超音波信号を放出する段階と、第1の超音波信号を体の中に投射する段階と、第1の超音波信号の反射された部分に対応し第1の周波数範囲とは異なる第2の周波数範囲に制限された第2の超音波信号を検出する段階とを含む、超音波撮像システムを動作させる方法を含む。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、概して超音波検査撮像システムに関連し、更に特定的にはかかるシステムを用いた高調波撮像のための装置及び方法に関連する。本発明の幾つかの実施例の特定的な細部の多くを、かかる実施例が完全に理解されるよう以下の説明及び図1乃至図4に示す。しかしながら、当業者は、本発明が以下の説明に示される細部のうちのいくつかがなくても本発明が実施されうることを理解するであろう。更に、以下の説明では、様々な実施例に関連する図面は特定の又は相対的な物理的な寸法を示すものと解釈されるべきではないこと、また、特定の又は相対的な寸法について記載されているのであればこれらは請求項に明示的に示さないかぎり制限的なものと考えられてはならないことが理解されよう。
【0009】
図1は、本発明の1つの実施例による超音波撮像システム10を示す機能ブロック図である。システム10は、ケーブル40によってトランスデューサ組立体30に結合される超音波プロセッサ20を含む。トランスデューサ組立体30については、以下詳述する。超音波プロセッサ20は、トランスデューサ組立体30による放出のための超音波周波数の信号を発生する送信器と、トランスデューサ組立体30によって受信される信号を検出する受信器22とを更に含む。送信器21をトランスデューサ組立体30から離すため、送信/受信(T/R)スイッチ23は、受信器22が信号を検出している間は送信器21をトランスデューサ組立体30から切り離す。T/Rスイッチ23は、同様に、送信器21が信号を動作上放出している間は受信器22をトランスデューサ組立体30から切り離す。システム制御器24は、送信器21、受信器22、及びT/Rスイッチ23と相互作用を行い、これら構成要素の動作を調整する。制御器24は、受信器22によって受信される信号を受信し処理する信号処理部25と、視覚ディスプレイ27上にインソニファイド(insonified)領域の視覚画像を生成するよう信号プロセッサ25から受信される信号を更に処理する画像処理部26と相互作用を行う。
【0010】
やはり図1を参照するに、送信器21によって発生される信号は、信号がトランスデューサ組立体30へ転送される前にフィルタ回路網28を通されてもよい。回路網28は、選択された送信周波数帯域内の超音波エネルギーがトランスデューサ組立体30へ伝達され、一方で、帯域の外側の他の周波数の超音波信号をかなり減衰させることを可能とする。トランスデューサ組立体30から受信される信号は、同様に、信号が受信器22によって検出される前にフィルタ回路網29によってフィルタリングされうる。回路網29は、選択された周波数受信帯域内の超音波エネルギーが受信器22へ伝達されることを可能とする。受信帯域及び送信帯域は、かなり離間しており、従って周波数の重なり合いは2つの帯域の間では一般的には生じない。特定の実施例では、フィルタ28はトランスデューサ組立体30の略基本共振周波数に対応する周波数を通すよう構成され、一方でフィルタ29は基本共振周波数に調和的に関連する1つ又はそれ以上の周波数を通すよう構成される。回路網28及び29は、例えば、ガウシアン(Gaussian)、ベッセル(Bessel)、又はチェビシェフ(Chebyshev)設計の受動フィルタ回路網といった選択的なスペクトルフィルタリングを与えることが可能な装置であってもよいが、他の設計も使用されうる。
【0011】
やはり図1を参照して、以下、トランスデューサ組立体30について詳述する。組立体30は、送信器21によって発生される信号によって励起されたときには超音波33を放出し、超音波34を受信し、超音波34を受信器22によって検出されうる電気信号へ変換することが可能な圧電素子31を含む。組立体30は、互いに対向する側面上の素子31に結合される電極32を更に含む。圧電素子13は、横方向3に延びる寸法の少なくとも2倍である縦方向1に延びる寸法を有する。1つの特定的な実施例では、方向1に延びる寸法は、方向3に延びる寸法の約3倍である。素子31は、縦方向1に延在する素子31中の1つ又はそれ以上の厚さ振動モードの刺激を可能とするよう横方向3に更に分極される。トランスデューサ31は方向3に分極され駆動され、方向1に超音波エネルギーを放出するため、トランスデューサ31のための動作モードはk31モードとして示される。これに対して、従来技術のトランスデューサは方向3に分極され駆動され、方向3に超音波エネルギーを放出するため、動作モードを一般的にk33動作モードと称する。k31の分極されたトランスデューサ組立体は、ここに参照として組み入れられるGilmore外による米国特許第6,288,477号明細書に更に記載される。図1中、単一のトランスデューサ組立体30が示されているが、線形配列として配置されるか様々な2次元配列に配置されうる1以上の組立体が存在しうることが理解される。更に、組立体は超音波撮像システムの指向性を改善するために湾曲した又は成形された配列を形成するために結合され適当な向きとされる。
【0012】
k31動作モードの重要な利点は、トランスデューサ組立体30のための様々な厚さ振動モードが基本送信周波数の高次の高調波による刺激に対して特に敏感であることである。例えば、第三高調波周波数に対応する厚さ振動モードは、一般的には、トランスデューサがk31モードで動作しているとき、略基本波に対応するモードの大きさに略等しい大きさの振幅を示す。これに対して、k33モードで動作するトランスデューサについての比較対象となる厚さモード振幅は一般的には基本波と比較してかなり低い振幅である。
【0013】
図2は、k31動作モードで動作するトランスデューサ組立体30の応答をk33動作モードで動作するトランスデューサと比較したグラフを示し、これを用いて更に高次の高調波に対するk31動作モードの向上された応答について説明する。各時点において、トランスデューサは、基本周波数(約2.6MHz)の第三高調波(本例では、約6.8MHz)に略対応する周波数で超音波源によって放出される超音波エネルギーに曝される。図示するように、各トランスデューサは、k33動作モード又はk31動作モードのいずれかで動作するとき、約2.6MHzで基本共振を示す。図1に示す組立体30がk33動作モードで動作するトランスデューサによって置き換えられると、約6.8MHzでは殆ど又は全く共振が観察されず、トランスデューサは第三高調波周波数での刺激に対して比較的低い感度を示すことを示している。これに対して、組立体30がk31動作モードで動作するとき、第三高調波周波数(約6.8MHz)で比較的強い共振が生じ、共振モードの振幅は略基本共振(約2.6MHz)の振幅のオーダである。このようにk31動作モードでのトランスデューサ組立体30の動作は、図2の複峰性の応答特徴に示されるように、トランスデューサがk33動作モードで動作される場合よりも高い感度で基本共振モードの高調波周波数が検出されることを有利に可能とする。
【0014】
図3は、本発明の他の実施例による図1の超音波撮像システム10の動作の方法を示すグラフである。上述のように、k31動作モードにおける図1のトランスデューサ組立体30の動作はトランスデューサ30中の複峰性の共振を生じさせ、従って、第1の周波数帯域50内に制限された周波数はトランスデューサ組立体30中で基本共振モードを励起する。更に、トランスデューサ組立体30は、第2の周波数帯域51内に制限された周波数の反射波によって励起されたときに第三高調波の共振を示す。従って、第1の周波数帯域50は、下方帯域周波数52及び譲歩帯域周波数53を含む。同様に、第2の周波数帯域51は、下方帯域周波数54及び上方帯域周波数55を含む。第1の周波数帯域50の帯域幅及び第2の周波数帯域51の帯域幅は、夫々、フィルタ回路網28及び29の形態によって決定される。
【0015】
本実施例では、送信器21は略基本中心周波数f1,cである超音波信号をトランスデューサ組立体30へ送信するよう構成され、一方、受信器は略第三高調波基本周波数3f1,cである超音波信号を受信するよう構成される。従って、システム10は、向上された感度で略第三高調波周波数で高調波撮像を行うことが可能である。
【0016】
トランスデューサ組立体30は、従来技術のシステムで得ることができる感度よりも高い感度で略第三高調波周波数の反射信号を検出することが可能であり、上述の実施例は有利に、検査撮像が体の内部の部分からの第三高調波反射波を用いて実行されることを有利に可能とする。これに対して、従来のシステムは、一般的には非常に幅の広い帯域幅を有するトランスデューサ組立体を用いねばならず、本実施例と比較したときは第三高調波反射波に対して比較的低い感度を与える。
【0017】
図4は、本発明の更なる他の実施例による図1のシステム10の動作の他の方法を示すグラフである。再び、k31モードの図1のトランスデューサ組立体30の動作は、トランスデューサ30中に複峰性の共振を生じさせ、従って第1の周波数帯域50内に制限される周波数はトランスデューサ組立体30中に基本共振モードを励起し、第2の周波数帯域51に制限された周波数で反射波によって励起される第三高調波で共振を示す。本実施例では、送信器21は第1の周波数帯域50の上方帯域周波数53に近い略周波数f1で超音波信号を送信するよう構成され、一方、受信器22はトランスデューサ組立体30の第二高調波共振周波数に略対応する第2の周波数帯域51の下方帯域周波数54に近い略周波数2f1の信号を受信するよう構成される。従って、システム10は、高調波撮像で使用されるために略第二高調波周波数で信号を検出することが可能である。
【0018】
【発明の効果】
上述の実施例は、第二高調波信号が優勢な反射信号である超音波高調波撮像が実行されることを有利に可能とする。広い帯域幅を有するトランスデューサ組立体を用いた上述のシステムに対して、本実施例は第二高調波周波数で反射信号に対してより高い感度を示すことが予想される。多数の圧電層と層間に挟み込まれた多数の電極層とを有するトランスデューサ組立体(例えばHossackの米国特許第5,957,851号明細書)に対して、本発明は追加的な層及び/又は電極を使用することなく第二高調波周波数で反射波に対する好ましい感度を示すことが予想され、従って概して撮像システムの複雑性及び費用を減少させる。
【0019】
本発明の図示された実施例の上述の説明は、網羅的なもの、又は、本発明を開示された形式そのものに制限するものであることを意図していない。本発明の特定の実施例及び例について説明のために上述したが、当業者が認識しうるように、本発明の範囲内で様々な同等の変更が可能である。更に、更なる実施例を与えるために、上述の様々な実施例が組み合わされうる。従って、本発明は開示されたものに制限されるのではなく、本発明の範囲は請求の範囲によって全体に決められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施例による超音波撮像システムを示す機能ブロック図である。
【図2】k31動作モード及びk33動作モードで動作するときの撮像システムのトランスデューサ組立体の応答を比較したグラフである。
【図3】本発明の他の実施例による超音波撮像システムの動作の方法を示すグラフである。
【図4】本発明の更なる他の実施例による超音波撮像システムの動作の方法を示すグラフである。
【符号の説明】
10 超音波撮像システム
20 超音波プロセッサ
21 送信器
22 受信器
23 送信/受信(T/R)スイッチ
24 制御器
25 信号処理部
26 画像処理部
27 視覚ディスプレイ
28 フィルタ
29 フィルタ
30 トランスデューサ組立体
31 圧電素子
32 電極
33 超音波
34 超音波
40 ケーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して超音波検査撮像システムに関連し、更に特定的にはかかるシステムを用いた高調波撮像のための装置及び方法に関連する。
【0002】
超音波検査撮像システムは、超音波撮像及び測定を実行するために広く用いられている。検査画像は、トランスデューサ組立体を患者の皮膚に接するように置き、皮膚を通して患者の体内へ超音波エネルギーを送るためにトランスデューサ組立体の中に配置される1つ又はそれ以上の圧電素子を作動させることによって得られる。これに応じて、体の内部構造から超音波反射波が戻され、これらはトランスデューサ組立体の中の圧電素子によって電気信号に変換される。
【0003】
患者の体を構成する液体及び組織は超音波エネルギーに曝されたときは顕著な非線形音響応答を有するため、高調波反射波は体の中で基本送信周波数に調和的に関連する1つ又はそれ以上の周波数で発生されることが多い。このように選択的な周波数で超音波エネルギーを放出し、選択された送信周波数の1つ又はそれ以上の高調波周波数で反射された又は送信された超音波エネルギーを受信する高調波撮像システムが開発されている。
【0004】
現在、従来の広帯域トランスデューサ組立体は、一般的には基本送信周波数の付近を中心とする周波数範囲を含む所定の帯域幅内で動作可能であるよう構成された高調波撮像システム中で用いられる。従って、トランスデューサ組立体は、一般的には基本周波数に近い周波数では好ましい感度を示すが、指示された帯域幅の縁の近くの周波数に対しては一般的にはそれよりも低い感度を示す。関心となる高調波反射波はトランスデューサ帯域幅の縁の近くの周波数で生ずることが多いため、これらの周波数に対するトランスデューサ組立体の感度はかなり低下することが多い。高調波撮像システム用の広帯域幅トランスデューサ組立体を達成するため、従来では少なくとも2つの一般的なアプローチに従ってきた。1つのアプローチは、より広い周波数応答を達成するために多数の整合層及び/又は裏打ち層を含む、組立体中に使用される受動素子の設計を最適化することである。このアプローチに従ったトランスデューサ組立体は、一般的に、超音波システムが送信波形を変更すること及び/又は受信フィルタ応答を変更することによって所望の周波数応答を選択するために使用されて、送信及び受信のときに同じ周波数応答を有する。組み立てられうる受動素子の数は非常に限られているため、このアプローチは一般的には感度といった他の性能パラメータに対して妥協することなく限られた帯域幅改善のみを達成する。
【0005】
第2のアプローチは、一般的には圧電材料からなるトランスデューサ組立体の能動素子の設計を最適化することである。1つの方法では、圧電層材料は選択された方向上に変化する厚さで形成されるため、種々の文献(例えば非特許文献1)及び特許文献(例えばHanafy外による特許文献1)に記載されるようにトランスデューサ素子の周波数応答は広げられる。他の方法では、送信モード及び受信モードの間にトランスデューサ素子のために異なる周波数応答特徴を発生するために、トランスデューサ素子は能動トランスデューサ材料の多数の層で製造され、各層の極性を制御するために、又は、各層に印加される信号を制御するために切換回路を使用する。例えば、Gurarajaによる特許文献2は、トランスデューサが1つの共振周波数で送信し、他の共振周波数で受信するよう、各層に電圧を印加することによって選択的にバイアスされうる2つ又はそれ以上の電歪層からなるトランスデューサ積層体を開示する。更に、Ossmann外による特許文献3及びHossackによる特許文献4も、2つの圧電層からなるトランスデューサ積層体を開示する。送信モード及び受信モードの間に異なる周波数応答が発生されうるよう、切換回路は各トランスデューサ素子に取り付けられる。このアプローチの欠点は、異なるモードを制御するために各トランスデューサ素子に関連付けられる追加的な電子回路が必要であり、トランスデューサ組立体の複雑性が高まることである。
【0006】
【従来の技術】
【特許文献1】
米国特許第5,415,175号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,410,215号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,825,117号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,957,851号明細書
【非特許文献1】
エム・エス・エス・ボロフォロシュ(M.S.S. Boloforosh)著「医療用デュアル周波数圧電トランスデューサ(Dual Frequency Piezoelectric Transducer for Medical Applications)」 SPIE 第1733号、1992年、第131頁以降
【発明が解決しようとする課題】
従って、基本周波数での超音波エネルギーの伝送を可能とすると共に、従来の広帯域トランスデューサ組立体を用いたシステムから現在得ることができるものよりも高い感度で高調波周波数で反射超音波エネルギーの検出を可能とする超音波検査撮像装置を提供することが望ましい。更に、トランスデューサ組立体のスペクトル応答を制御するために多数のトランスデューサ層又は切換素子を用いることなく上述の利点を与えるシステムを提供することが望ましい。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、概して超音波検査撮像装置に関するものであり、特にかかるシステムを用いた高調波撮像のための装置及び方法に関連する。1つの面では、本発明は、第1の放出方向及び第1の放出方向に対して垂直な第2の方向に延在する圧電材料から形成される少なくとも1つのトランスデューサ素子を含み、層の互いに対向する側面に配置される電極を有し、圧電材料は第2の方向に分極される、トランスデューサ組立体と、電極に動作上結合され、超音波を発生するためにトランスデューサ組立体に第1の信号を送信し、超音波の反射された部分に対応し第1の信号に調和的に関連する第2の信号をトランスデューサ組立体から受信する超音波プロセッサとを含む。他の面では、本発明は、k31モードでの動作用に構成されるトランスデューサ組立体と、第1の周波数を含む第1の信号をトランスデューサ組立体へ送信する送信器と、第1の周波数に調和的に関連する第2の周波数を含みトランスデューサ組立体によって受信される第2の信号を処理する受信器とを含む。更なる他の面によれば、本発明は、k31モードであるモードで動作するトランスデューサ組立体から第1の周波数範囲に制限された第1の超音波信号を放出する段階と、第1の超音波信号を体の中に投射する段階と、第1の超音波信号の反射された部分に対応し第1の周波数範囲とは異なる第2の周波数範囲に制限された第2の超音波信号を検出する段階とを含む、超音波撮像システムを動作させる方法を含む。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、概して超音波検査撮像システムに関連し、更に特定的にはかかるシステムを用いた高調波撮像のための装置及び方法に関連する。本発明の幾つかの実施例の特定的な細部の多くを、かかる実施例が完全に理解されるよう以下の説明及び図1乃至図4に示す。しかしながら、当業者は、本発明が以下の説明に示される細部のうちのいくつかがなくても本発明が実施されうることを理解するであろう。更に、以下の説明では、様々な実施例に関連する図面は特定の又は相対的な物理的な寸法を示すものと解釈されるべきではないこと、また、特定の又は相対的な寸法について記載されているのであればこれらは請求項に明示的に示さないかぎり制限的なものと考えられてはならないことが理解されよう。
【0009】
図1は、本発明の1つの実施例による超音波撮像システム10を示す機能ブロック図である。システム10は、ケーブル40によってトランスデューサ組立体30に結合される超音波プロセッサ20を含む。トランスデューサ組立体30については、以下詳述する。超音波プロセッサ20は、トランスデューサ組立体30による放出のための超音波周波数の信号を発生する送信器と、トランスデューサ組立体30によって受信される信号を検出する受信器22とを更に含む。送信器21をトランスデューサ組立体30から離すため、送信/受信(T/R)スイッチ23は、受信器22が信号を検出している間は送信器21をトランスデューサ組立体30から切り離す。T/Rスイッチ23は、同様に、送信器21が信号を動作上放出している間は受信器22をトランスデューサ組立体30から切り離す。システム制御器24は、送信器21、受信器22、及びT/Rスイッチ23と相互作用を行い、これら構成要素の動作を調整する。制御器24は、受信器22によって受信される信号を受信し処理する信号処理部25と、視覚ディスプレイ27上にインソニファイド(insonified)領域の視覚画像を生成するよう信号プロセッサ25から受信される信号を更に処理する画像処理部26と相互作用を行う。
【0010】
やはり図1を参照するに、送信器21によって発生される信号は、信号がトランスデューサ組立体30へ転送される前にフィルタ回路網28を通されてもよい。回路網28は、選択された送信周波数帯域内の超音波エネルギーがトランスデューサ組立体30へ伝達され、一方で、帯域の外側の他の周波数の超音波信号をかなり減衰させることを可能とする。トランスデューサ組立体30から受信される信号は、同様に、信号が受信器22によって検出される前にフィルタ回路網29によってフィルタリングされうる。回路網29は、選択された周波数受信帯域内の超音波エネルギーが受信器22へ伝達されることを可能とする。受信帯域及び送信帯域は、かなり離間しており、従って周波数の重なり合いは2つの帯域の間では一般的には生じない。特定の実施例では、フィルタ28はトランスデューサ組立体30の略基本共振周波数に対応する周波数を通すよう構成され、一方でフィルタ29は基本共振周波数に調和的に関連する1つ又はそれ以上の周波数を通すよう構成される。回路網28及び29は、例えば、ガウシアン(Gaussian)、ベッセル(Bessel)、又はチェビシェフ(Chebyshev)設計の受動フィルタ回路網といった選択的なスペクトルフィルタリングを与えることが可能な装置であってもよいが、他の設計も使用されうる。
【0011】
やはり図1を参照して、以下、トランスデューサ組立体30について詳述する。組立体30は、送信器21によって発生される信号によって励起されたときには超音波33を放出し、超音波34を受信し、超音波34を受信器22によって検出されうる電気信号へ変換することが可能な圧電素子31を含む。組立体30は、互いに対向する側面上の素子31に結合される電極32を更に含む。圧電素子13は、横方向3に延びる寸法の少なくとも2倍である縦方向1に延びる寸法を有する。1つの特定的な実施例では、方向1に延びる寸法は、方向3に延びる寸法の約3倍である。素子31は、縦方向1に延在する素子31中の1つ又はそれ以上の厚さ振動モードの刺激を可能とするよう横方向3に更に分極される。トランスデューサ31は方向3に分極され駆動され、方向1に超音波エネルギーを放出するため、トランスデューサ31のための動作モードはk31モードとして示される。これに対して、従来技術のトランスデューサは方向3に分極され駆動され、方向3に超音波エネルギーを放出するため、動作モードを一般的にk33動作モードと称する。k31の分極されたトランスデューサ組立体は、ここに参照として組み入れられるGilmore外による米国特許第6,288,477号明細書に更に記載される。図1中、単一のトランスデューサ組立体30が示されているが、線形配列として配置されるか様々な2次元配列に配置されうる1以上の組立体が存在しうることが理解される。更に、組立体は超音波撮像システムの指向性を改善するために湾曲した又は成形された配列を形成するために結合され適当な向きとされる。
【0012】
k31動作モードの重要な利点は、トランスデューサ組立体30のための様々な厚さ振動モードが基本送信周波数の高次の高調波による刺激に対して特に敏感であることである。例えば、第三高調波周波数に対応する厚さ振動モードは、一般的には、トランスデューサがk31モードで動作しているとき、略基本波に対応するモードの大きさに略等しい大きさの振幅を示す。これに対して、k33モードで動作するトランスデューサについての比較対象となる厚さモード振幅は一般的には基本波と比較してかなり低い振幅である。
【0013】
図2は、k31動作モードで動作するトランスデューサ組立体30の応答をk33動作モードで動作するトランスデューサと比較したグラフを示し、これを用いて更に高次の高調波に対するk31動作モードの向上された応答について説明する。各時点において、トランスデューサは、基本周波数(約2.6MHz)の第三高調波(本例では、約6.8MHz)に略対応する周波数で超音波源によって放出される超音波エネルギーに曝される。図示するように、各トランスデューサは、k33動作モード又はk31動作モードのいずれかで動作するとき、約2.6MHzで基本共振を示す。図1に示す組立体30がk33動作モードで動作するトランスデューサによって置き換えられると、約6.8MHzでは殆ど又は全く共振が観察されず、トランスデューサは第三高調波周波数での刺激に対して比較的低い感度を示すことを示している。これに対して、組立体30がk31動作モードで動作するとき、第三高調波周波数(約6.8MHz)で比較的強い共振が生じ、共振モードの振幅は略基本共振(約2.6MHz)の振幅のオーダである。このようにk31動作モードでのトランスデューサ組立体30の動作は、図2の複峰性の応答特徴に示されるように、トランスデューサがk33動作モードで動作される場合よりも高い感度で基本共振モードの高調波周波数が検出されることを有利に可能とする。
【0014】
図3は、本発明の他の実施例による図1の超音波撮像システム10の動作の方法を示すグラフである。上述のように、k31動作モードにおける図1のトランスデューサ組立体30の動作はトランスデューサ30中の複峰性の共振を生じさせ、従って、第1の周波数帯域50内に制限された周波数はトランスデューサ組立体30中で基本共振モードを励起する。更に、トランスデューサ組立体30は、第2の周波数帯域51内に制限された周波数の反射波によって励起されたときに第三高調波の共振を示す。従って、第1の周波数帯域50は、下方帯域周波数52及び譲歩帯域周波数53を含む。同様に、第2の周波数帯域51は、下方帯域周波数54及び上方帯域周波数55を含む。第1の周波数帯域50の帯域幅及び第2の周波数帯域51の帯域幅は、夫々、フィルタ回路網28及び29の形態によって決定される。
【0015】
本実施例では、送信器21は略基本中心周波数f1,cである超音波信号をトランスデューサ組立体30へ送信するよう構成され、一方、受信器は略第三高調波基本周波数3f1,cである超音波信号を受信するよう構成される。従って、システム10は、向上された感度で略第三高調波周波数で高調波撮像を行うことが可能である。
【0016】
トランスデューサ組立体30は、従来技術のシステムで得ることができる感度よりも高い感度で略第三高調波周波数の反射信号を検出することが可能であり、上述の実施例は有利に、検査撮像が体の内部の部分からの第三高調波反射波を用いて実行されることを有利に可能とする。これに対して、従来のシステムは、一般的には非常に幅の広い帯域幅を有するトランスデューサ組立体を用いねばならず、本実施例と比較したときは第三高調波反射波に対して比較的低い感度を与える。
【0017】
図4は、本発明の更なる他の実施例による図1のシステム10の動作の他の方法を示すグラフである。再び、k31モードの図1のトランスデューサ組立体30の動作は、トランスデューサ30中に複峰性の共振を生じさせ、従って第1の周波数帯域50内に制限される周波数はトランスデューサ組立体30中に基本共振モードを励起し、第2の周波数帯域51に制限された周波数で反射波によって励起される第三高調波で共振を示す。本実施例では、送信器21は第1の周波数帯域50の上方帯域周波数53に近い略周波数f1で超音波信号を送信するよう構成され、一方、受信器22はトランスデューサ組立体30の第二高調波共振周波数に略対応する第2の周波数帯域51の下方帯域周波数54に近い略周波数2f1の信号を受信するよう構成される。従って、システム10は、高調波撮像で使用されるために略第二高調波周波数で信号を検出することが可能である。
【0018】
【発明の効果】
上述の実施例は、第二高調波信号が優勢な反射信号である超音波高調波撮像が実行されることを有利に可能とする。広い帯域幅を有するトランスデューサ組立体を用いた上述のシステムに対して、本実施例は第二高調波周波数で反射信号に対してより高い感度を示すことが予想される。多数の圧電層と層間に挟み込まれた多数の電極層とを有するトランスデューサ組立体(例えばHossackの米国特許第5,957,851号明細書)に対して、本発明は追加的な層及び/又は電極を使用することなく第二高調波周波数で反射波に対する好ましい感度を示すことが予想され、従って概して撮像システムの複雑性及び費用を減少させる。
【0019】
本発明の図示された実施例の上述の説明は、網羅的なもの、又は、本発明を開示された形式そのものに制限するものであることを意図していない。本発明の特定の実施例及び例について説明のために上述したが、当業者が認識しうるように、本発明の範囲内で様々な同等の変更が可能である。更に、更なる実施例を与えるために、上述の様々な実施例が組み合わされうる。従って、本発明は開示されたものに制限されるのではなく、本発明の範囲は請求の範囲によって全体に決められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施例による超音波撮像システムを示す機能ブロック図である。
【図2】k31動作モード及びk33動作モードで動作するときの撮像システムのトランスデューサ組立体の応答を比較したグラフである。
【図3】本発明の他の実施例による超音波撮像システムの動作の方法を示すグラフである。
【図4】本発明の更なる他の実施例による超音波撮像システムの動作の方法を示すグラフである。
【符号の説明】
10 超音波撮像システム
20 超音波プロセッサ
21 送信器
22 受信器
23 送信/受信(T/R)スイッチ
24 制御器
25 信号処理部
26 画像処理部
27 視覚ディスプレイ
28 フィルタ
29 フィルタ
30 トランスデューサ組立体
31 圧電素子
32 電極
33 超音波
34 超音波
40 ケーブル
Claims (11)
- 第1の放出方向及び前記第1の放出方向に対して垂直な第2の方向に延在する圧電材料から形成される少なくとも1つのトランスデューサ素子を含み、前記第2の方向と交差するトランスデューサ素子の互いに対向する側面に配置される電極を有し、前記圧電材料は前記第2の方向に分極される、トランスデューサ組立体と、
前記電極に動作上結合され、超音波を発生するためにトランスデューサ組立体に第1の信号を送信し、超音波の反射された部分に対応し前記第1の信号に調和的に関連する第2の信号を前記トランスデューサ組立体から受信する超音波プロセッサとを含む、超音波撮像システム。 - 前記第1の信号は前記トランスデューサ組立体の基本共振周波数を更に含み、前記第2の信号は前記トランスデューサ組立体の基本共振周波数の第二高調波である周波数を含む、請求項1記載の撮像システム。
- 前記第1の信号は前記トランスデューサ組立体の基本共振周波数を更に含み、前記第2の信号は前記トランスデューサ組立体の基本共振周波数の第三高調波である周波数を含む、請求項1記載の撮像システム。
- 前記第1の信号は上方帯域周波数を有する第1の周波数帯域に制限され、前記第2の信号は下方帯域周波数を有する第2の周波数帯域に制限され、前記プロセッサは、前記上方帯域周波数に近い信号を送信し上記下方帯域周波数に近い信号を受信するよう構成され、受信された信号は前記トランスデューサ組立体の第二高調波周波数に対応する周波数を含む、請求項1記載の撮像システム。
- 前記第1の信号は第1の周波数帯域に制限され、前記第2の信号は第2の周波数帯域に制限され、前記第1の周波数帯域は第1の中心周波数を有し、前記第2の周波数帯域は第2の中心周波数を有し、前記第1の中心周波数は前記トランスデューサ組立体の基本共振周波数であり、前記プロセッサは、略前記基本周波数である信号を送信するよう構成され、前記第2の中心周波数は前記トランスデューサ組立体の第三高調波共振周波数であり、前記プロセッサは、略前記第三高調波共振周波数である信号を受信するよう構成される、請求項1記載の撮像システム。
- 前記第1の方向に延びる第1の寸法と、前記第2の方向に延び前記第1の寸法との間の比率で示される第2の寸法とを有する圧電層を更に含み、第1の寸法の第2の寸法に対する比率は少なくとも2である、請求項1記載の撮像システム。
- 前記第1の方向に延びる第1の寸法と、前記第2の方向に延び前記第1の寸法との間の比率で示される第2の寸法とを有する圧電層を更に含み、第1の寸法の第2の寸法に対する比率は約3である、請求項1記載の撮像システム。
- 前記トランスデューサ組立体は、k31モードでの動作用に構成される、請求項1記載の撮像システム。
- k31モードであるモードで動作するトランスデューサ組立体から第1の周波数範囲に制限された第1の超音波信号を放出する段階と、
前記第1の超音波信号を体の中に投射する段階と、
前記第1の超音波信号の反射された部分に対応し前記第1の周波数範囲とは異なる第2の周波数範囲に制限された第2の超音波信号を検出する段階とを含む、超音波撮像システムを動作させる方法。 - 前記第2の超音波信号を検出する段階は、前記トランスデューサ組立体の基本共振周波数の第二高調波に対応する信号を検出する段階を更に含む、請求項9記載の方法。
- 前記第1の超音波信号を放出する段階は、前記第1の周波数範囲の上方帯域周波数に近い信号を放出する段階を更に含み、前記第2の超音波信号を検出する段階は、前記第2の周波数範囲の下方帯域周波数に近い信号を検出する段階を更に含む、請求項9記載の方法。
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