JP2003532391A - ヒトメタロプロテアーゼ及び該タンパク質をコードするポリヌクレオチド - Google Patents

ヒトメタロプロテアーゼ及び該タンパク質をコードするポリヌクレオチド

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JP2003532391A
JP2003532391A JP2001577492A JP2001577492A JP2003532391A JP 2003532391 A JP2003532391 A JP 2003532391A JP 2001577492 A JP2001577492 A JP 2001577492A JP 2001577492 A JP2001577492 A JP 2001577492A JP 2003532391 A JP2003532391 A JP 2003532391A
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ウォルク,ディー・ウェイド
ウィルガナウスキー,ナサニエル・エル
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レキシコン・ジェネティクス・インコーポレーテッド
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    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
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    • C12N9/6421Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue from mammals
    • C12N9/6489Metalloendopeptidases (3.4.24)

Abstract

(57)【要約】 療法、診断及び薬理ゲノミクス適用に使用できる、新規ヒトポリヌクレオチド及びポリペプチド配列を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、2000年4月12日に提出され、本明細書にその全体が援用され
る、米国仮出願第60/196,319号の利益を主張する。1.序論 本発明は、哺乳動物神経溶解素タンパク質と配列相同性を共有するタンパク質
をコードする、新規ヒトポリヌクレオチドの発見、同定及び性質決定に関する。
本発明は、前記ポリヌクレオチド、宿主細胞発現系、コードされるタンパク質、
融合タンパク質、ポリペプチド及びペプチド、コードされるタンパク質及びペプ
チドに対する抗体、並びに開示されたポリヌクレオチドを欠失するか又は過剰発
現する遺伝的に操作された動物、該タンパク質のアンタゴニスト及びアゴニスト
、並びに診断、薬剤スクリーニング、臨床試験モニタリング、生理的障害又は疾
患の治療、及び美容又は栄養価のある薬剤への応用に使用できる、開示されたポ
リヌクレオチドにコードされるタンパク質の発現又は活性を調節する他の化合物
を含む。2.発明の背景 神経溶解素は、亜鉛メタロプロテアーゼファミリーの可溶性タンパク質であり
、アンジオテンシン又はニューロテンシンのようなタンパク質基質に結合し分解
する(典型的にはPro及びTyr残基の間)。そういうものとして、神経溶解
素は、血圧調節、腎機能、疼痛処理、心臓病、ナトリウム尿排泄亢進及び糖尿病
などの多くの生物学的プロセスや異常に関わっている。結果として、神経溶解素
は治療法としても薬剤標的としても作用することができる。3.発明の概要 本発明は、新規ヒトタンパク質をコードするヌクレオチド及びこのタンパク質
の対応するアミノ酸配列の発見、同定及び性質決定に関する。本明細書に初めて
記載される新規ヒトタンパク質(NHP)は、動物の神経溶解素及びアンジオテ
ンシン結合タンパク質と構造的相同性を共有する。本明細書に記載される新規ヒ
ト核酸配列は、長さ704アミノ酸(配列番号1を参照されたい)のタンパク質
/オープンリーディングフレーム(ORF)をコードする。
【0002】 本発明はまた、前記NHPのアゴニスト及びアンタゴニスト(天然NHPと競
合する小型分子、大型分子、変異体NHP、又はその一部を含む)、NHPペプ
チド、及び抗体、並びに前記NHPの発現を阻害するのに使用できるヌクレオチ
ド配列(例えばアンチセンス及びリボザイム分子、並びに遺伝子又は制御配列置
換構築物)、又は前記NHPポリヌクレオチドの発現を促進させるのに使用でき
るヌクレオチド配列(例えば前記ポリヌクレオチドを強力なプロモーター系の制
御下に置く発現構築物)、並びにNHP導入遺伝子を発現するトランスジェニッ
ク動物、又は機能するNHPを発現しない「ノックアウト」(条件的であっても
よい)を含む。ノックアウトマウスはいくつかの方法で作製することができ、そ
のうちの1つは、前記NHPのうち少なくとも1つのネズミ相同物中にジーント
ラップ変異を含むマウス胚幹細胞(「ES細胞」)株の使用を含む。配列番号1
〜3に記載される独特のNHP配列が「ノックアウト」されると、それらは特定
遺伝子の形質発現を同定する方法、及びこれまで未知であった遺伝子の機能を特
定する方法を提供する。更に、配列番号1〜3に記載される独特のNHP配列は
、コード配列の同定及び独特の遺伝子の特定染色体へのマッピングに有用である
【0003】 さらに、本発明はまた、前記NHP及び/又はNHP産物の精製された調製物
、あるいはNHPを発現する細胞を利用して、NHP発現及び/又はNHP活性
を調節する化合物、すなわちアゴニスト又はアンタゴニストとして作用する化合
物を同定するための方法にも関する。こうした化合物は、生物学的障害又は平衡
異常に関連する非常に多様な症状のいずれの治療用の療法剤としても使用できる
4.配列表及び図面の説明 配列表は、前記NHPアミノ酸配列をコードする、NHP ORFの配列を提
供する。配列番号3は、NHP ORF及びフランキング領域を記載する。5.発明の詳細な説明 本明細書に初めて記載されるNHPは、とりわけ、ヒト胎児脳、脳、小脳、脊
髄、胸腺、気管、腎臓、胎児肝臓、肝臓、前立腺、精巣、副腎、膵臓、唾液腺、
胃、小腸、結腸、骨格筋、子宮、乳腺、食道、膀胱、頸部、直腸、心膜、視床下
部、及びジーントラップされた細胞株で発現する新規タンパク質である。
【0004】 本発明は、配列表に提示されるヌクレオチド、こうしたヌクレオチドを発現す
る宿主細胞、こうしたヌクレオチドの発現産物、及び:(a)前記ポリヌクレオ
チドの哺乳動物相同体(具体的に記載されるNHPを含む)をコードするヌクレ
オチド、及び関連NHP産物;(b)NHP機能性ドメインに相当するNHPの
1つ以上の部分をコードするヌクレオチド、及びそれらのヌクレオチド配列に特
定されるポリペプチド産物(活性ドメインの新規領域が含まれるが、これらに限
定されない);(c)前記NHPの少なくとも1つのドメインの全部又は一部が
欠失又は置換した遺伝子工学的に操作した変異体又は天然変異体をコードする単
離ヌクレオチド、及びそれらのヌクレオチド配列により特定されるポリペプチド
産物、これらにはシグナル配列の全部又は一部が欠失した可溶性タンパク質及び
ペプチドが含まれるが、これらに限定されない;(d)別のペプチド又はポリペ
プチドに融合した、NHPのコード領域の全部又は一部、あるいはそのドメイン
の1つ(例えば受容体又はリガンド結合ドメイン、アクセサリータンパク質/自
己結合ドメインなど)を含む、キメラ融合タンパク質をコードするヌクレオチド
;又は(e)前記ポリヌクレオチドの療法的又は診断的誘導体、例えば配列表に
初めて開示された配列を含むオリゴヌクレオチド、アンチセンスポリヌクレオチ
ド、リボザイム、dsRNA、又は遺伝子治療構築物を含む。上に論じられるよ
うに、本発明は:(a)配列表に提示されるヒトDNA配列(及び該配列を含む
ベクター)を含み、そしてさらに、配列表に提示されるDNA配列の相補体に、
非常にストリンジェントな条件下、例えば、0.5M NaHPO4、7%ドデシ
ル硫酸ナトリウム(SDS)、1mM EDTA中、65℃でのフィルター結合
DNAへのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC/0.1%SDS中、
68℃での洗浄(Ausubel F.M. et al. eds., 1989, Current Protocols in Mol
ecular Biology, Vol. I, Green Publishing Associates, Inc.,及びJohn Wile
y & Sons, Inc., New York, p.2.10.3)という条件下でハイブリダイズし、そし
て機能的に同等な遺伝子産物をコードする、隣接するNHPオープンリーディン
グフレーム(ORF)をコードするあらゆるヌクレオチド配列を意図する。さら
に意図されるのは、配列表に提示されるアミノ酸配列をコードしそして発現する
DNA配列の相補体に、中程度にストリンジェントな条件下、例えば0.2×S
SC/0.1%SDS中、42℃での洗浄(Ausubel et al., 1989、上記)でハ
イブリダイズし、しかも機能的に同等なNHP産物をコードする、あらゆるヌク
レオチド配列である。NHPの機能的同等物は、他の種に存在する天然NHP、
及び天然に存在するか又は操作されている(部位特異的突然変異誘発、遺伝子シ
ャッフリング、例えば米国特許第5,837,458号に記載されるような定方向
進化による)突然変異NHPを含む。本発明はまた、開示されたNHPポリヌク
レオチド配列の縮重核酸変異体も含む。
【0005】 さらに意図されるのは、NHP ORFをコードするポリヌクレオチド、又は
配列表のヌクレオチド配列の対応する領域に約99、95、90又は約85パー
セント相同又は同一であるポリヌクレオチド配列(例えば標準デフォルト設定を
用いたGCG配列解析パッケージを用いた、BLAST配列比較解析で測定され
るようなもの)にコードされる、その機能的同等物である。
【0006】 本発明はまた、前記NHPヌクレオチド配列にハイブリダイズし、したがって
その相補体である、核酸分子、好ましくはDNA分子も含む。こうしたハイブリ
ダイゼーション条件は、上述のように、非常にストリンジェントであっても、又
はそれほど非常にストリンジェントでなくてもよい。核酸分子がデオキシオリゴ
ヌクレオチド(「DNAオリゴ体」)である場合、それらの分子は本明細書の配
列表に初めて開示した配列の連続領域を含む、一般に約16〜約100塩基、約
20〜約80塩基、若しくは約34〜約45塩基の長さのもの、又はここに示す
サイズの任意の変更又は組み合わせである。それらのオリゴヌクレオチドをポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)と組み合わせて用いて、ライブラリーのスクリーニ
ング、クローンの単離、並びにクローニングテンプレート及び配列決定テンプレ
ートの調製などを行うことができる。
【0007】 あるいは、こうしたNHPオリゴヌクレオチドは、ライブラリーをスクリーニ
ングし、そして(特に、マイクロアレイ又は高処理「チップ」形式を用いて)遺
伝子発現パターンを評価するためのハイブリダイゼーションプローブとして使用
できる。さらに、一連の前記NHPオリゴヌクレオチド配列、又はその相補体を
、前記NHP配列の全部又は一部を提示するのに使用できる。配列番号1〜3の
うち1つ以上の配列の少なくとも一部に初めて開示されたオリゴヌクレオチド又
はポリヌクレオチド配列は、固体支持マトリックス/基板(樹脂、ビーズ、膜、
プラスチック、ポリマー、金属又は金属被覆基板、結晶性基板又は多結晶質基板
など)と共にハイブリダイゼションプローブとして用いることができる。特に注
目されるのは、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチド又は対応するオリゴペ
プチド及びポリペプチドの空間的にアドレス可能なアレイ(即ち、遺伝子チップ
、マイクロタイタープレートなど)であり、空間的にアドレス可能なアレイ上に
存在する少なくとも1つのバイオポリマーは、配列番号1〜3のうち少なくとも
1つの配列に初めて開示されたオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド配列、
又はそれらにコードされるアミノ酸配列を含む。バイオポリマーを固体支持マト
リックスに付着させる方法又は固体支持マトリックス上で合成する方法、及びそ
の上で結合研究を実施する方法は、とりわけ米国特許第5,700,637号、5
,556,752号、5,744,305号、4,631,211号、5,445,93
4号、5,252,743号、4,713,326号、5,424,186号及び4,
689,405号に開示されており、これらの開示は本明細書にその全体が援用
される。
【0008】 配列番号1〜3に初めて開示された配列を含むアドレス可能なアレイを用いて
、遺伝子の時間的且つ組織特異的発現を同定し、性質決定することができる。こ
れらアドレス可能なアレイは、生産技術の限度内であるが、所望の特異性を付与
するのに十分な長さのオリゴヌクレオチド配列を取り込む。これらプローブの長
さは、約8〜約2000ヌクレオチドの範囲内である。好ましくはプローブは配
列番号1〜3に初めて開示された配列由来の60ヌクレオチドから成り、より好
ましくは25ヌクレオチドから成る。
【0009】 例えば、一連の前記オリゴヌクレオチド配列又はその相補体をチップ形式で用
いて前記配列の全部又は一部を再現することができる。オリゴヌクレオチド、典
型的には長さ約16〜約40(又はこの範囲内のいかなる整数でもよい)のヌク
レオチドは、互いに部分的に重複していてもよく、及び/又は配列は、重複しな
いオリゴヌクレオチドを用いて提示されてもよい。したがって、前記ポリヌクレ
オチド配列は、典型的には、各々、本明細書の配列表に初めて開示された、少な
くとも長さ約8ヌクレオチドのうち、少なくとも約2又は3の別個のオリゴヌク
レオチド配列を含むはずである。こうしたオリゴヌクレオチド配列は、配列表の
配列内に存在するいかなるヌクレオチドから始まることもでき、そして前記配列
に関して、センス(5’から3’)方向、又はアンチセンス方向、いずれにも進
行することができる。
【0010】 マイクロアレイに基づく解析により広範なパターンの遺伝子活性の発見が可能
となり、遺伝子機能の新たな理解を提供し、転写過程及び生物機構についての新
規且つ予想外の洞察を生ずる。配列番号1〜3に初めて開示された配列を含むア
ドレス可能なアレイの使用は、特定経路に伴う転写の変化について詳細な情報を
提供し、潜在的に新規成分又は遺伝子機能の同定をもたらして新規表現型として
それら自体を明らかにする。
【0011】 配列番号1〜3に初めて開示された配列から成るプローブを用いて薬剤発見の
ための新規分子標的の同定、選択及び確認をすることもできる。これら非反復配
列の使用により、薬剤標的の直接の確認、及び薬剤が意図する標的とは異なる経
路を介して調節される遺伝子発現における薬剤依存的変化の認識が可能となる。
したがって、これら非反復配列もまた薬剤作用及び毒性を明確にしモニタリング
する上で有用である。
【0012】 有用性の例として、配列番号1〜3に初めて開示された配列をマイクロアレイ
又は他のアッセイ形式に用いて、特定の病状を有する患者からの遺伝子材料の採
集物をスクリーニングすることができる。配列番号1〜3に初めて開示された配
列を用いて、当該技術分野において公知のコンピュータソフトウエアで以前に採
集した遺伝子のデータベースと開示配列とを比較することにより、in sil
icoでこうした調査を実施することもできる。
【0013】 したがって、配列番号1〜3に初めて開示された配列を、特定の疾患に関連す
る変異を同定するために、及び診断又は予後アッセイとして用いることができる
【0014】 現在記載されている配列はヌクレオチド配列を用いて明確に記載されているが
、各配列を、種々の付加的な構造特性のいずれか又はそれらの組合せを用いて独
自に記載することができることを認識すべきである。例えば、所定の配列を、そ
の配列の所定の領域内に存在するヌクレオチドの最終的な組成物により、配列番
号1〜3に初めて開示された1つ以上の特定のオリゴヌクレオチドの存在と共に
記載することができる。あるいは、制限酵素による消化部位の相対的な位置を特
定する制限地図、又は種々のパリンドローム配列若しくは他の特定オリゴヌクレ
オチド配列を用いて所定の配列を構造的に記載することができる。このような制
限地図は、典型的には広く有用なコンピュータプログラム(例えば、ウィスコン
シン大学GCG配列解析パッケージ、SEQUENCHER3.0、Gene Codes Corp.、ミシ
ガン州アナーバーなど)により作られるが、所望により、1つ以上の更なる配列
又は開示配列中に存在する1つ以上の制限部位に対する、配列の相対位置により
、記載することができる配列中に存在する1つ以上の不連続のヌクレオチド配列
と共に用いることができる。
【0015】 オリゴヌクレオチドプローブに関しては、非常にストリンジェントな条件は、
例えば、6×SSC/0.05%ピロリン酸ナトリウム中、37℃(14塩基オ
リゴ)、48℃(17塩基オリゴ)、55℃(20塩基オリゴ)、及び60℃(
23塩基オリゴ)での洗浄を指す。これらの核酸分子は、例えばNHP遺伝子制
御に有用な、NHP遺伝子アンチセンス分子をコードしていてもよく、又はアン
チセンス分子として作用してもよい(NHP遺伝子核酸配列の増幅反応における
アンチセンスプライマーを得るため、及び/又は当該アンチセンスプライマーと
して)。NHP遺伝子制御に関しては、生物学的機能を制御するのにこうした技
術を使用できる。さらに、こうした配列は、やはりNHP遺伝子制御に有用であ
るリボザイム及び/又は三重らせん配列の一部として使用できる。
【0016】 阻害アンチセンス又は二本鎖オリゴヌクレオチドは、さらに、5−フルオロウ
ラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポ
キサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシ
ルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、
5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ−D−
ガラクトシルケオシン(queosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン
、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−
メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシ
ン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、
5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータ−D−マンノシルケオシ
ン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メ
チルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、
ワイブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、ケオシン、2−チオシ
トシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル
、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−
5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3
−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、及び2,6−ジア
ミノプリンを含む群より選択される、少なくとも1つの修飾塩基部分を含むこと
ができるが、これらに限定されるわけではない。
【0017】 アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、アラビノース、2−フルオロアラビ
ノース、キシルロース、及びヘキソースを含む群より選択される、少なくとも1
つの修飾糖部分も含むことができるが、これらに限定されるわけではない。
【0018】 さらに別の態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオ
エート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミドチオエート、ホスホロアミデー
ト、ホスホロジアミデート、メチルホスホネート、アルキルホスホトリエステル
、及びホルムアセタール、又はそれらの組合せ若しくは類似体からなる群より選
択される、少なくとも1つの修飾ホスフェート骨格を含むであろう。
【0019】 さらに別の態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、α−アノマー
オリゴヌクレオチドである。α−アノマーオリゴヌクレオチドは、相補的RNA
と特異的な二本鎖ハイブリッドを形成し、該ハイブリッドでは、通常のβ−単位
とは対照的に、鎖は互いに平行に走る(Gautier et al., 1987, Nucl. Acids Re
s. 15: 6625-6641)。オリゴヌクレオチドは、2’−0−メチルリボヌクレオチ
ド(Inoue et al., 1987, Nucl. Acids Res. 15: 6131-6148)、又はキメラRN
A−DNA類似体(Inoue et al., 1987, FEBS Lett. 215: 327-330)である。
あるいは、二本鎖RNAを用い、標的NHPの発現及び機能を崩壊させることが
できる。
【0020】 本発明のオリゴヌクレオチドは、当該技術分野において公知の標準的な方法に
よって、例えば自動化DNA合成装置(例えばBiosearch、Applied Biosystems
などから市販のもの)の使用によって合成できる。例えば、ホスホロチオエート
オリゴヌクレオチドは、Stein et al.(1988, Nucl. Acids Res. 16: 3209)の
方法によって合成でき、そしてメチルホスホネートオリゴヌクレオチドは、制御
孔ガラスポリマー支持体の使用(Sarin et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci.
U.S.A. 85: 7448-7451)などによって調製できる。
【0021】 低ストリンジェント条件は、当業者に周知であり、そして予測可能であるよう
に、ライブラリー及び標識配列が由来する特定の生物に応じて異なるであろう。
こうした条件に関する手引きには、例えば、Sambrook et al., 1989, Molecular
Cloning, A Laboratory Manual(及びその定期的な改訂版), Cold Springs H
arbor Press, N.Y.;及びAusubel et al., 1989, Current Protocols in Molecu
lar Biology, Green Publishing Associates and Wiley Interscience, N.Y.を
参照されたい。
【0022】 あるいは、適切に標識されたNHPヌクレオチドプローブを用いて、適切にス
トリンジェントな条件を用い、又はPCRによって、ヒトゲノムライブラリーを
スクリーニングすることができる。ヒトゲノムクローンの同定及び性質決定は、
多型(ヌクレオチド反復、マイクロサテライト対立遺伝子、一ヌクレオチド多型
、又はコード一ヌクレオチド多型を含むが、これらに限定されるわけではない)
を同定し、既定の遺伝子座/対立遺伝子のゲノム構造を決定し、そして診断試験
を計画するのに役立つ。例えば、ヒト遺伝子のイントロン/エクソン境界に隣接
する領域由来の配列を用いて、エクソン、イントロン、スプライシング部位(例
えばスプライシングアクセプター及び/又はドナー部位)などの内部での突然変
異を検出する増幅アッセイで用いるためのプライマーを設計することができ、診
断法及び薬理ゲノミクスに使用できる。
【0023】 さらに、本明細書に開示されたNHP産物内のアミノ酸配列に基づいて設計さ
れた、2つの縮重又は「ゆらぎ」オリゴヌクレオチドプライマープールを用いて
PCRを実行することにより、目的の生物由来の核酸からNHP遺伝子相同体を
単離できる。反応のためのテンプレートは、NHP遺伝子の対立遺伝子を発現す
ることが知られる、又は発現すると推測される、ヒト又は非ヒト細胞株又は組織
から調製された、総RNA、mRNA、及び/又はmRNAの逆転写によって得
られたcDNAであってもよい。PCR産物は、サブクローニングし、配列決定
をして、増幅された配列が所望のNHP遺伝子の配列に相当することを確実にす
ることができる。その後、PCR断片を用いて、多様な方法によって、全長cD
NAクローンを単離できる。例えば、増幅断片を標識し、バクテリオファージc
DNAライブラリーなどのcDNAライブラリーをスクリーニングするのに使用
できる。あるいは、標識断片を用いて、ゲノムライブラリーのスクリーニングを
介し、ゲノムクローンを単離することができる。
【0024】 PCR技術はまた、全長cDNA配列を単離するのに使用できる。例えば、R
NAは、標準的な方法にしたがい、適切な細胞又は組織供給源(すなわち、例え
ば精巣組織のようなNHP遺伝子を発現することが知られる、又は発現すると推
測されるもの)から単離できる。逆転写(RT)反応は、第一鎖合成のプライミ
ングのための、増幅断片の5’最末端に特異的なオリゴヌクレオチドプライマー
を用いて、RNAに対して行うことが可能である。その後、生じたRNA/DN
Aハイブリッドは、標準的末端トランスフェラーゼ反応を用いて「テール化」し
、ハイブリッドをRNaseHで消化し、そしてその後、第二鎖合成を相補的プ
ライマーでプライミングすることができる。このように、増幅断片の上流のcD
NA配列を単離することが可能である。使用できるクローニング戦略の概説には
、例えばSambrook et al.,1989、上記を参照されたい。
【0025】 突然変異体NHP遺伝子をコードするcDNAは、例えば、PCRを用いるこ
とによって単離することが可能である。この場合、第一のcDNA鎖は、突然変
異体NHP対立遺伝子を有すると推定される個体において、発現されることが知
られる又は発現されることが推測される組織から単離されたmRNAに、オリゴ
dTオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせ、そして逆転写酵素で新規鎖を伸
長させることによって、合成することが可能である。その後、cDNAの第二鎖
は、正常遺伝子の5’末端に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを
用いて合成する。これらの2つのプライマーを用い、その後、PCRを介して産
物を増幅し、所望により、適切なベクターにクローニングし、そして当業者に周
知の方法を通してDNA配列解析に供する。突然変異体NHP対立遺伝子のDN
A配列を、対応する正常NHP対立遺伝子と比較することによって、突然変異体
NHP遺伝子産物の機能の損失又は改変に関与する、単数又は複数の突然変異を
確かめることが可能である。
【0026】 あるいは、突然変異体NHP対立遺伝子を有すると推測される、又は有するこ
とが知られる個体(例えば、肥満、高血圧、炎症性障害などのNHP関連表現型
を発現している個人)から得たDNAを用いて、ゲノムライブラリーを構築する
ことができ、あるいは突然変異体NHP対立遺伝子を発現することが知られる、
又は発現すると推測される組織由来のRNAを用いて、cDNAライブラリーを
構築することができる。その後、正常NHP遺伝子、又はいかなるものでもよい
適切なその断片を標識して、こうしたライブラリーにおいて、対応する突然変異
体NHP対立遺伝子を同定するプローブとして用いることもできる。その後、突
然変異体NHP遺伝子配列を含むクローンを精製して、当業者に周知の方法にし
たがい配列解析に供することができる。
【0027】 さらに、例えば、突然変異体NHP対立遺伝子を有すると推測される、又は有
することが知られる個体における、こうした突然変異対立遺伝子を発現すること
が知られる、又は発現すると推測される組織より単離したRNAから合成したc
DNAを利用して、発現ライブラリーを構築することができる。この方式では、
推定上の突然変異組織によって作製される遺伝子産物を発現させ、そして以下に
記載されるように、正常NHP産物に対して作製された抗体と組み合わせた標準
的抗体スクリーニング技術を用いてスクリーニングすることが可能である。(ス
クリーニング技術に関しては、例えば、Harlow E. and Lane, eds., 1988, “A
ntibodies: A Laboratory Manual”, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring
Harbor, N.Y.を参照されたい。) さらに、スクリーニングは、例えばアルカリホスファターゼ−NHP融合タン
パク質又はNHP−アルカリホスファターゼ融合タンパク質などの標識NHP融
合タンパク質でスクリーニングすることにより達成することができる。NHP突
然変異が、(例えばミスセンス又はフレームシフト突然変異の結果として)改変
された機能を有する発現遺伝子産物を生じる場合、NHPに対するポリクローナ
ル抗体は、対応する突然変異体NHP遺伝子産物と交差反応する可能性がある。
こうした標識抗体との反応を介して検出されるライブラリークローンは、当該技
術分野に周知の方法にしたがって精製し、そして配列解析に供することができる
【0028】 本発明はまた、(a)前述のNHPコード配列及び/又はその相補体(すなわ
ちアンチセンス)のいずれかを含むDNAベクター;(b)コード配列の発現を
指示する制御配列と機能的に結合した前述のNHPコード配列のいずれかを含む
DNA発現ベクター(例えば、本明細書に援用する米国特許第5,869,336
号に記載されるようなバキュロウイルス);(c)宿主細胞において、コード配
列の発現を指示する制御配列と機能的に結合した前述のNHPコード配列のいず
れかを含む、遺伝的に操作された宿主細胞;及び(d)外因的に導入された制御
配列の制御下に内因性NHP遺伝子を発現する(すなわち遺伝子活性化)、遺伝
的に操作された宿主細胞、を含む。本明細書において、制御配列には、誘導性及
び非誘導性プロモーター、エンハンサー、オペレーター、及び発現をドライブし
、制御することが当業者に公知の他の配列が含まれるが、これらに限定されるわ
けではない。こうした制御配列には、サイトメガロウイルス(hCMV)極初期
遺伝子、制御可能ウイルス配列(特にレトロウイルスLTRプロモーター)、S
V40アデノウイルスの初期又は後期プロモーター、lac系、trp系、TA
C系、TRC系、ラムダファージの主要オペレーター及びプロモーター領域、f
dコートタンパク質の調節領域、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)の
プロモーター、酸性ホスファターゼのプロモーター、及び酵母α−接合因子のプ
ロモーターが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0029】 本発明はまた、抗体及び抗イディオタイプ抗体(Fab断片を含む)、NHP
のアンタゴニスト及びアゴニスト、並びにNHP遺伝子の発現を阻害する化合物
若しくはヌクレオチド構築物(転写因子阻害剤、アンチセンス及びリボザイム分
子、又は遺伝子若しくは制御配列置換構築物)、又はNHPの発現を促進させる
化合物若しくはヌクレオチド構築物(例えばNHPコード配列が、プロモーター
、プロモーター/エンハンサーなどの発現調節配列と機能的に結合した発現構築
物)を含む。
【0030】 NHP又はNHPペプチド、NHP融合タンパク質、NHPヌクレオチド配列
、抗体、アンタゴニスト及びアゴニストは、疾患の診断のため、突然変異体NH
P又は不適切に発現されたNHPを検出するのに有用である可能性がある。NH
P又はNHPペプチド、NHP融合タンパク質、NHPヌクレオチド配列、宿主
細胞発現系、抗体、アンタゴニスト、アゴニスト、並びに遺伝的に操作された細
胞及び動物は、体内で、NHPの正常機能を混乱させる症候的発現又は表現型発
現の治療に効果的な薬剤のスクリーニング(又はコンビナトリアルライブラリー
の高処理スクリーニング)に使用できる。操作された宿主細胞及び/又は動物の
使用は、こうした系がNHPの内因性受容体に結合する化合物を同定できるだけ
でなく、NHP介在活性又は経路を誘発する化合物もまた同定できるという点で
有利である。
【0031】 最後に、NHP産物は、療法剤として用いることが可能である。例えば、成熟
NHP、NHPに相当するNHPペプチド/ドメインのような可溶性誘導体、N
HP融合タンパク質産物(特に、NHP−Ig融合タンパク質、すなわちIgF
cへのNHP、又はNHPのドメインの融合体)、NHP抗体及び抗イディオタ
イプ抗体(Fab断片を含む)、アンタゴニスト又はアゴニスト(NHP介在経
路中の下流標的を調節する又は該標的に作用する化合物を含む)を用い、疾患又
は障害を直接治療することが可能である。例えば、有効量の可溶性NHP、又は
NHP−IgFc融合タンパク質又はNHPを模倣する抗イディオタイプ抗体(
又はそのFab)の投与は、内因性NHP受容体を活性化するか、又は効果的に
中和することができる。可溶性NHPをタンパク質分解により改変し、ペプチド
産物を活性化することもできる(例えば、配列表に提示するアミノ酸のうち任意
のものから始まり、任意の下流アミノ酸で終わる任意の新規ペプチド配列)。こ
のような産物又はペプチドは、更にNHP融合タンパク質の構築のように改変す
ることができ、及び/又は限定されるわけではないがポリエチレングリコール(
PEG)のような医薬的に許容可能な薬剤と組合せることにより誘導体化するこ
とができる。
【0032】 こうしたNHP産物をコードするヌクレオチド構築物を用いて、宿主細胞がこ
うした産物をin vivoで発現するように遺伝的に操作することができ;こ
れらの遺伝的に操作された細胞は、体内で「バイオリアクター」として機能し、
NHP、NHPペプチド、又はNHP融合タンパク質を、連続した供給で、体に
搬送する。機能するNHP、突然変異体NHP、並びにアンチセンス及びリボザ
イム分子をコードするヌクレオチド構築物はまた、NHP発現を調節するための
「遺伝子治療」アプローチに使用することもできる。したがって、本発明はまた
、生物学的障害を治療するための医薬製剤及び方法も含む。
【0033】 本発明の多様な態様は、以下のサブセクションにより詳細に記載される。 5.1.NHP配列 前記NHPのcDNA配列(配列番号1)及び対応する推定アミノ酸配列(配
列番号2)を配列表に示す。NHPヌクレオチドは、ヒトEST配列及びHUV
EC cDNAライブラリー(Edge Biosystems、メリーランド州ゲーサーズバー
グ)から得たcDNAクローンを整列させることにより得た。配列番号1の95
1位の“y”は翻訳的に沈黙したC又はTの多型を表し、配列番号1の2,11
0位に示す“y”は配列番号2の704位の対応するアミノ酸をP又はSにする
ことができるC又はTの多型を表す。
【0034】 前記新規ヒトポリヌクレオチド配列の更なる適用は、例えばポリヌクレオチド
混合又は関連する方法論を用いた、前記新規配列により少なくとも部分的にコー
ドされるタンパク質の分子突然変異誘発/進化における使用である。こうしたア
プローチは、本明細書にその全体が援用される米国特許第5,830,721号及
び第5,837,458号に記載されている。
【0035】 NHP遺伝子産物は、トランスジェニック動物においても発現され得る。ミミ
ズ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ブタ、マイクロブタ、トリ、ヤギ、
及び非ヒト霊長類、例えばヒヒ、サル及びチンパンジーを含むがこれらに限定さ
れない任意の種の動物を用いてNHPトランスジェニック動物を作製することが
できる。
【0036】 当該技術分野に公知の任意の技術を用いて動物にNHPトランスジーンを導入
し、トランスジェニック動物の創始者株を作製することができる。こうした技術
は前核マイクロインジェクション(Hoppe, P.C.及びWagner, T.E.、1989、米国
特許第4,873,191号);レトロウイルスが介在する生殖細胞系へのジーン
トランスファー(Van der Putten et al., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci., USA
82: 6148-6152);胚性幹細胞のジーンターゲティング(Thompson et al., 198
9, Cell 56: 313-321);胚のエレクトロポレーション(Lo, 1983, Mol. Cell.
Biol. 3: 1803-1814);及び精子が介在するジーントランスファー(Lavitrano
et al., 1989, Cell 57: 717-723)などを含むが、これらに限定されるものでは
ない。これらの技術の概観として、本明細書にその全体が援用される、Gordon,
1989, Transgenic Animals, Intl. Rev. Cytol. 115: 171-229を参照されたい。
【0037】 本発明は、NHPトランスジーンをその細胞全部に有するトランスジェニック
動物、及びトランスジーンを全部ではないがある種の細胞に有する動物、即ちモ
ザイク動物又は体細胞トランスジェニック動物を提供する。トランスジーンは単
一トランスジーンとして統合されるか又はコンカテマー、例えば頭部同士のタン
デム型で又は頭部と尾部のタンデム型で統合され得る。トランスジーンは、例え
ばLasko et al., 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 6232-6236の教示に従
うことにより、特定細胞種に選択的に導入してそれを活性化することもできる。
こうした細胞種特異的活性化に必要とされる調節配列は、目的の特定細胞種に依
存し、当業者には明らかであろう。
【0038】 NHPトランスジーンが内在性NHP遺伝子の染色体部位に統合されることが
所望される場合は、遺伝子ターゲティングが好ましい。簡潔に言えば、こうした
技術が利用される場合、染色体配列の相同組換えを介した内在性NHP遺伝子の
ヌクレオチド配列への統合及びその機能の破壊のために、内在性NHP遺伝子と
相同性のある、ある種のヌクレオチド配列を含むベクターが設計される(即ち「
ノックアウト」動物)。
【0039】 例えばGu et al., 1994, Science, 265: 103-106の教示に従うことにより、ト
ランスジーンを特定細胞種に選択的に導入し、それによりその細胞種においての
み内在性NHP遺伝子を不活性化することができる。こうした細胞種特異的な不
活性化に必要とされる調節配列は、目的の特定細胞種に依存し、当業者には明ら
かであろう。
【0040】 一度トランスジェニック動物が作製されれば、組換えNHP遺伝子の発現は、
標準技術を用いてアッセイすることができる。最初のスクリーニングは、サザン
ブロット解析又はPCR技術によりなされ、動物組織を解析してトランスジーン
の統合が起こっているか否かをアッセイすることができる。動物から得た組織サ
ンプルのノーザンブロット解析、in situハイブリダイゼーション解析及
びRT−PCRを含むがこれらに限定されない技術を用いて、トランスジェニッ
ク動物の組織におけるトランスジーンのmRNA発現レベルを評価することもで
きる。NHP遺伝子発現組織のサンプルは、NHPトランスジーン産物に特異的
な抗体を用いて免疫細胞化学的に評価することもできる。
【0041】 5.2.NHP及びNHPポリペプチド 前記NHP、NHPポリペプチド、NHPペプチド断片、NHPの突然変異体
、短鎖型又は欠失型、及び/又はNHP融合タンパク質を、多様な使用のために
調製することができる。これらの使用には、抗体の生成、診断アッセイの試薬と
しての使用、NHPに関連する他の細胞内遺伝子産物の同定、精神的、生物学的
又は医学的障害及び疾患の療法措置に有用な医薬的試薬として使用できる化合物
に関してスクリーニングするためのアッセイ試薬としての使用が含まれるが、こ
れらに限定されるわけではない。
【0042】 配列表は、前記NHPポリヌクレオチドにコードされるアミノ酸配列を開示す
る。NHPは、DNA配列背景において翻訳開始部位と一致するイニシエーター
メチオニンを表示し、そして更に、分泌タンパク質中に典型的に見い出されるよ
うな疎水性リーダー配列を導入する。
【0043】 本発明のNHPアミノ酸配列は、配列表に提示されるアミノ酸配列、並びにそ
の類似体及び誘導体を含む。さらに、他の種由来の対応するNHP相同体が本発
明に含まれる。実際、上述のNHPヌクレオチド配列にコードされるいかなるN
HP産物も本発明の範囲内であり、配列表に提示されるアミノ酸配列のすべて又
はいかなる新規部分をコードする、いかなる新規ポリヌクレオチド配列も同様で
ある。遺伝暗号の縮重性が周知であり、したがって、配列表に提示される各アミ
ノ酸は、該アミノ酸をコードすることが可能な周知の核酸「トリプレット」コド
ン、又は多くの場合、コドン類の一般的代表例である。こうしたものとして、本
明細書において意図されるように、配列表に提示されるアミノ酸配列は、遺伝暗
号と併せて考えた場合(例えば、本明細書に援用する“Molecular Cell Biology
”, 1986, J. Darnell et al. eds., Scientific American Books, New York,
NYの第109頁の表4−1を参照されたい)、こうしたアミノ酸配列をコードす
ることが可能な核酸配列の多様な順列及び組み合わせのすべてのうちの一般的代
表例である。
【0044】 本発明はまた、いくつかの規準のうちのいずれかにより判断して、本明細書に
記載されるヌクレオチド配列にコードされるNHPと機能的に同等であるタンパ
ク質も包含し、これらの規準はNHPの基質に結合し該基質を切断する能力、あ
るいは同一の又は相補的下流経路を達成する能力、あるいは細胞内代謝(例えば
タンパク質分解活性、イオン流動、チロシンリン酸化など)の変化を含むが、こ
れらに限定されるわけではない。こうした機能的に同等なNHPタンパク質は、
上述のNHPヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列内のアミノ酸残基の
付加物又は置換物であるが、サイレント変化を生じ、したがって、機能的に同等
な遺伝子産物を産生するものを含むが、これらに限定されるわけではない。アミ
ノ酸置換は、関与する残基の極性、荷電、可溶性、疎水性、親水性及び/又は両
親媒性の性質における類似性に基づいて行うことができる。例えば、非極性(疎
水性)アミノ酸には、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、
フェニルアラニン、トリプトファン、及びメチオニンが含まれ;極性中性アミノ
酸には、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン
及びグルタミンが含まれ;陽性荷電(塩基性)アミノ酸には、アルギニン、リジ
ン及びヒスチジンが含まれ;そして陰性荷電(酸性)アミノ酸には、アスパラギ
ン酸及びグルタミン酸が含まれる。
【0045】 多様な宿主発現ベクター系を用いて、本発明のNHPヌクレオチド配列を発現
させることが可能である。本発明の例におけるように、NHPペプチド又はポリ
ペプチドが可溶性又は分泌型分子であると考えられる場合、ペプチド又はポリペ
プチドを培地から回収することが可能である。こうした発現系はまた、NHP、
又は機能的同等物をin situで発現する、操作された宿主細胞も含む。こ
うした発現系からのNHPの精製又は濃縮は、適切な界面活性剤及び脂質ミセル
、並びに当業者に周知の方法を用いて達成することが可能である。しかしながら
、こうした操作された宿主細胞自体は、NHPの構造的機能的特性を保持するだ
けでなく、生物学的活性を評価することが重要である状況、例えば薬剤スクリー
ニングアッセイで用いることが可能である。
【0046】 本発明の目的のため使用できる発現系には、NHPヌクレオチド配列を含む、
組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA又はコスミドDNA発現ベ
クターで形質転換された細菌(例えば大腸菌、枯草菌)などの微生物;NHPヌ
クレオチド配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(例えばサ
ッカロミセス属、ピヒア属);NHP配列を含む組換えウイルス発現ベクター(
例えばバキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;NHPヌクレオチド配列を含
む組換えウイルス発現ベクター(例えばカリフラワーモザイクウイルス、CaM
V;タバコモザイクウイルス、TMV)に感染した、又は組換えプラスミド発現
ベクター(例えばTiプラスミド)で形質転換された植物細胞系;あるいは哺乳
動物細胞のゲノム由来のプロモーター(例えばメタロチオネインプロモーター)
又は哺乳動物ウイルス由来のプロモーター(例えばアデノウイルス後期プロモー
ター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含む組換え発現構築物を有
する哺乳動物細胞系(例えばCOS、CHO、BHK、293、3T3)が含ま
れるが、これらに限定されるわけではない。
【0047】 細菌系において、発現されるNHP産物に意図される使用に応じ、いくつかの
発現ベクターを好適に選択することが可能である。例えば、NHPの医薬組成物
又はNHPを含む医薬組成物の生成のために、あるいはNHPに対する抗体を作
製するために、多量のこうしたタンパク質を産生しようとする場合、容易に精製
される融合タンパク質産物の高レベルの発現を指示するベクターが望ましいこと
がある。こうしたベクターには、融合タンパク質が産生されるように、NHPコ
ード配列を、個々に、lacZコード領域とインフレームでベクター内に連結す
ることが可能である、大腸菌発現ベクターpUR278(Ruther et al., 1983,
EMBO J. 2: 1791);pINベクター(Inouye & Inouye, 1985, Nucleic Acids
Res. 13: 3101-3109; Van Heeke & Schuster, 1989, J. Biol. Chem. 264: 550
3-5509)などが含まれるが、これらに限定されるわけではない。pGEXベクタ
ー(Pharmacia又はAmerican Type Cuture Collection)もまた、グルタチオンS
−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として、異種ポリペプチド
を発現するのに使用できる。一般的に、こうした融合タンパク質は可溶性であり
、そしてグルタチオン−アガロースビーズに吸着させ、続いて遊離グルタチオン
の存在下で溶出させることによって、溶解された細胞から容易に精製することが
可能である。pGEXベクターは、クローニングされた標的遺伝子産物が、GS
T部分から遊離できるように、トロンビン又はXa因子プロテアーゼ切断部位を
含むよう設計されている。
【0048】 昆虫系においては、オートグラファ・カリフォルニカ核多角体ウイルス(Ac
NPV)が、異種ポリヌクレオチドを発現するのにベクターとして用いられる。
該ウイルスは、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞内
で増殖する。NHPコード配列は、個々に、ウイルスの非必須領域(例えばポリ
ヘドリン遺伝子)にクローニングし、AcNPVプロモーター(例えばポリヘド
リンプロモーター)の制御下に置くことが可能である。NHPコード配列の挿入
が成功すると、ポリヘドリン遺伝子の不活性化及び非閉塞性組換えウイルス(す
なわちポリヘドリン遺伝子にコードされるタンパク質性コートを欠失するウイル
ス)の産生が生じるであろう。これらの組換えウイルスを、その後、スポドプテ
ラ・フルギペルダ細胞を感染させるのに用い、該細胞において、挿入ポリヌクレ
オチドが発現される(例えば、Smith et al., 1983, J. Virol. 46: 584; Smith
、米国特許第4,215,051号を参照されたい)。
【0049】 哺乳動物宿主細胞において、いくつかのウイルスに基づく発現系を利用できる
。アデノウイルスを発現ベクターとして用いる場合、目的のNHPヌクレオチド
配列は、アデノウイルス転写/翻訳調節複合体、例えば後期プロモーター及び三
分割(tripartite)リーダー配列に連結することができる。その後、このキメラ
遺伝子を、in vitro又はin vivo組換えによって、アデノウイルス
ゲノムに挿入することができる。ウイルスゲノムの非必須領域(例えばE1又は
E3領域)における挿入は、生存可能であり、そして感染した宿主においてNH
P産物を発現することが可能な組換えウイルスを生じるであろう(例えばLogan
& Shenk, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 3655-3659を参照されたい)
。特定の開始シグナルもまた、挿入されたNHPヌクレオチド配列の効率的な翻
訳に必要とされる可能性がある。これらのシグナルには、ATG開始コドン及び
隣接配列が含まれる。それ自体の開始コドン及び隣接配列を含む、全NHP遺伝
子又はcDNAが、適切な発現ベクターに挿入される場合、さらなる翻訳調節シ
グナルは必要とされない可能性がある。しかしながら、NHPコード配列の一部
のみが挿入される場合、おそらくATG開始コドンを含む、外因性翻訳調節シグ
ナルが提供されなければならない。さらに、開始コドンは、全挿入物の翻訳を確
実にするため、所望のコード配列のリーディングフレームと位相が同じでなけれ
ばならない。これらの外因性翻訳調節シグナル及び開始コドンは、多様な起源の
ものでもよく、天然でも合成でもよい。発現効率は、適切な転写エンハンサー配
列、転写ターミネーターなどを含むことによって、促進させることが可能である
(Bitter et al., 1987, Methods in Enzymol. 153: 516-544を参照されたい)
【0050】 さらに、挿入された配列の発現を調節するか、又は特定の望ましい方式で遺伝
子産物を修飾し、そしてプロセシングする、宿主細胞株を選択することができる
。タンパク質産物のこうした修飾(例えば糖鎖形成)及びプロセシング(例えば
切断)は、タンパク質の機能に重要である可能性がある。異なる宿主細胞は、タ
ンパク質及び遺伝子産物の翻訳後プロセシング及び修飾のための特徴的且つ特異
的な機構を有する。適切な細胞株又は宿主系を選択し、発現される異質のタンパ
ク質の正しい修飾及びプロセシングを確実にすることができる。このために、一
次転写物の適切なプロセシング、糖鎖形成及び遺伝子産物のリン酸化のための細
胞機構を有する真核宿主細胞を使用できる。こうした哺乳動物宿主細胞には、C
HO、VERO、BHK、HeLa、COS、MDCK、293、3T3、WI
38及び特にヒト細胞株が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0051】 組換えタンパク質の長期の高収率産生のため、安定な発現が好ましい。例えば
、上述のNHP配列を安定して発現する細胞株を設計することができる。ウイル
ス複製起点を含む発現ベクターを用いるよりむしろ、適切な発現調節配列(例え
ばプロモーター、エンハンサー配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位
など)によって調節されるDNA、及び選択可能マーカーで宿主細胞を形質転換
することができる。異種DNAの導入後、操作された細胞を、栄養強化培地中で
1〜2日間増殖させ、その後選択培地に移すことができる。組換えプラスミド中
の選択可能マーカーは、選択に対する耐性を与え、そして細胞が染色体にプラス
ミドを安定して組み込み、そして増殖巣を形成するまで増殖することを可能にす
る。続いて該増殖巣を、クローニングし、そして細胞株へと発展させることがで
きる。この方法は、NHP産物を発現する細胞株を操作するのに、好適に用いる
ことが可能である。こうした操作細胞株は、NHP産物の内因性活性に影響を与
える化合物をスクリーニングし、評価するのに、特に有用である可能性がある。
【0052】 いくつかの選択系を用いてもよく、選択系には単純ヘルペスウイルスチミジン
キナーゼ(Wigler et al., 1977, Cell 11: 223)、ヒポキサンチン−グアニン
・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szybalski, 1962, Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 48: 2026)、及びアデニン・ホスホリボシルトランスフェ
ラーゼ(Lowy et al., 1980, Cell 22: 817)遺伝子が含まれるが、これらに限
定されるわけではない。これらの遺伝子はそれぞれ、tk-、hgprt-又はa
prt-細胞で使用することができる。また、代謝拮抗剤耐性を、以下の遺伝子
:メトトレキセートに対する耐性を与えるdhfr(Wigler et al., 1980, Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 77: 3567; O'Hare et al., 1981, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 78: 1527);ミコフェノール酸に対する耐性を与えるgpt(Mullig
an & Berg, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78: 2072);アミノ配糖体G−
418に対する耐性を与えるneo(Colberre-Garapin et al., 1981, J. Mol.
Biol. 150: 1);及びハイグロマイシンに対する耐性を与えるhygro(San
terre et al., 1984, Gene 30: 147)に関する選択の基礎として使用することが
できる。
【0053】 あるいは、いかなる融合タンパク質も、発現される融合タンパク質に特異的な
抗体を利用することによって、容易に精製することが可能である。例えば、Jank
necht et al.により記載される系は、ヒト細胞株で発現される非変性融合タンパ
ク質の容易な精製を可能にする(Janknecht et al., 1991, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 88: 8972-8976)。この系では、遺伝子のオープンリーディングフレー
ムが、翻訳された際に、6つのヒスチジン残基から成るアミノ末端タグに融合す
るように、目的のポリヌクレオチドをワクシニア組換えプラスミド中にサブクロ
ーニングする。組換えワクシニアウイルスに感染した細胞由来の抽出物を、Ni2+ ・ニトリロ酢酸−アガロースカラム上に装填し、ヒスチジンタグ化タンパク質
を、イミダゾール含有緩衝液で選択的に溶出する。
【0054】 また、本発明に含まれるのは、NHPを標的器官に向け、及び/又は細胞膜を
通る細胞質ゾルへの輸送を促進させる融合タンパク質である。NHPを抗体分子
又はそのFab断片に結合させることにより、特定のエピトープを有する細胞を
標的とするために用いることができる。適切なシグナル配列をNHPに付着させ
てもNHPは細胞内の所望の位置に輸送される。あるいは、NHP又はその核酸
配列のターゲティングはリポソーム又は脂質複合体に基づく送達システムを用い
て達成される。このような技術はLiposomes: A Practical Approach, New, RRC
ed., Oxford University Press, New York並びに米国特許第4,594,595号
、5,459,127号、5,948,767号及び6,110,490号に記載され
ており、それぞれの開示は本明細書にその全体が援用される。さらに包含される
のはそれらが標的部位又は所望の器官へのNHPの輸送を促進させるような方法
で遺伝子操作された新規タンパク質構築物である。この目的は、NHPを、ター
ゲティング特異性を提供するサイトカイン又は他のリガンドに、及び/又は必要
であれば細胞膜の通過を促進させるためにタンパク質形質導入ドメイン(これら
形質導入配列の例として本明細書に援用される、米国特許出願第60/111,
701号及び第60/056,713号を通常参照されたい。)にカップリング
させることにより達成することができる。また、所望により、随意、核局在配列
を含むように遺伝子操作することもできる。
【0055】 5.3.NHP産物に対する抗体 NHPの1つ以上のエピトープ、又はNHPの保存された変異体のエピトープ
、又はNHPのペプチド断片を特異的に認識する抗体もまた、本発明に含まれる
。こうした抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)、ヒ
ト化抗体又はキメラ抗体、一本鎖抗体、Fab断片、F(ab’)2断片、Fa
b発現ライブラリーによって産生される断片、抗イディオタイプ(抗Id)抗体
及び上記のいずれかのエピトープ結合断片が含まれるが、これらに限定されるわ
けではない。
【0056】 本発明の抗体は、例えば、生物学的試料におけるNHPの検出に使用でき、し
たがって、診断又は予後技術の一部として利用でき、それにより異常な量のNH
Pに関して患者を調べることができる。こうした抗体はまた、例えば、化合物ス
クリーニング計画と組み合わせて、NHP遺伝子産物の発現及び/又は活性に対
する試験化合物の影響を評価するのに利用できる。さらに、こうした抗体は、遺
伝子治療と組み合わせて、例えば、患者への導入前に、正常及び/又は操作NH
P発現細胞を評価するのに使用できる。こうした抗体は、さらに、異常なNHP
活性を阻害するための方法として使用できる。したがって、こうした抗体は、治
療法の一部として利用できる。
【0057】 抗体の産生のため、多様な宿主動物を、NHP、NHPペプチド(例えばNH
Pの機能ドメインに相当するもの)、短鎖型NHPポリペプチド(1つ以上のド
メインが欠失しているNHP)、NHPの機能的同等物又はNHPの突然変異体
を注入することによって、免疫することができる。こうした宿主動物には、いく
つかのみを挙げると、ブタ、ウサギ、マウス、ヤギ及びラットが含まれるが、こ
れらに限定されるわけではない。宿主種に応じ、多様なアジュバントを用いて免
疫応答を増加させることができる。アジュバントには、フロイントのアジュバン
ト(完全及び不完全)、水酸化アルミニウム又はリン酸アルミニウムなどの無機
塩、リゾレシチン、プルロニックポリオール(pluronic polyol)などの界面活
性物質、ポリアニオン、ペプチド、油エマルジョン、並びにBCG(カルメット
−ゲラン杆菌)及びコリネバクテリウム−パルブムのような潜在的に有用なヒト
アジュバントが含まれるが、これらに限定されるわけではない。あるいは、キー
ホールリンペットヘモシアニン、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、オ
ボアルブミン、コレラ毒素又はそれらの断片などの分子と組み合わせて、及び/
又はカップリングすることによって、免疫反応を促進させることが可能である。
ポリクローナル抗体は、免疫動物の血清由来の抗体分子の不均一な集団である。
【0058】 特定の抗原に対する抗体の均質な集団であるモノクローナル抗体は、連続して
培養される細胞株による抗体分子の産生を提供するいかなる技術によっても得る
ことができる。これらには、Kohler及びMilsteinのハイブリドーマ技術(1975,
Nature 256: 495-497;及び米国特許第4,376,110号)、ヒトB細胞ハイ
ブリドーマ技術(Kosbor et al., 1983, Immunology Today 4: 72; Cole et al
., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 2026-2030)、及びEBV−ハイブ
リドーマ技術(Cole et al., 1985, Monoclonal Antibodies And Cancer Therap
y, Alan R. Liss, Inc., pp.77-96)が含まれるが、これらに限定されるわけで
はない。こうした抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgD及びそれら
のいかなるサブクラスも含む、いかなる免疫グロブリンクラスであってもよい。
本発明のmAbを産生するハイブリドーマは、in vitro又はin viv
oで培養することができる。in vivoでmAbが高力価で産生されるため
、この方法は現在好ましい産生法である。
【0059】 さらに、適切な生物学的活性を有するヒト抗体分子由来の遺伝子と共に、適切
な抗原特異性を有するマウス抗体分子由来の遺伝子をスプライシングすることに
よる、「キメラ抗体」の産生のため開発された技術(Morrison et al., 1984, P
roc. Natl. Acad. Sci., 81: 6851-6855; Neuberger et al., 1984, Nature, 31
2: 604-608; Takeda et al., 1985, Nature, 314: 452-454)を使用できる。キ
メラ抗体は、異なる部分が、異なる動物種に由来する分子、例えばネズミmAb
由来の可変領域及びヒト免疫グロブリン定常領域を有する分子である。こうした
技術は、本明細書にその全体を援用する、米国特許第6,075,181号及び第
5,877,397号、並びにそれらのそれぞれの開示に記載される。また、本明
細書に含まれるのは、本明細書にその全体を援用する米国特許第6,150,58
4号及びその開示に記載されるように、完全にヒト化したモノクローナル抗体の
使用である。
【0060】 あるいは、一本鎖抗体の産生のために記載される技術(米国特許第4,946,
778号;Bird, 1988, Science 242: 423-426; Huston et al., 1988, Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 85: 5879-5883;及びWard et al., 1989, Nature 341: 544
-546)を適応させ、NHP遺伝子産物に対する一本鎖抗体を産生することができ
る。一本鎖抗体は、アミノ酸架橋を介してFv領域の重鎖及び軽鎖断片を連結し
、一本鎖ポリペプチドを生じさせることによって形成される。
【0061】 特定のエピトープを認識する抗体断片を、既知の技術によって生成することが
できる。例えば、こうした断片には:抗体分子のペプシン消化によって産生する
ことが可能であるF(ab’)2断片、及びF(ab’)2断片のジスルフィド架
橋を還元することによって生成することが可能であるFab断片が含まれるが、
これらに限定されるわけではない。あるいは、Fab発現ライブラリーを構築し
(Huse et al., 1989, Science, 246: 1275-1281)、所望の特異性を有するモノ
クローナルFab断片の迅速で容易な同定を可能にすることができる。
【0062】 NHPに対する抗体は、続いて、当業者に周知の技術を用いて、既定のNHP
を「模倣する」抗イディオタイプ抗体を生成するのに利用できる(例えばGreens
pan & Bona, 1993, FASEB J 7(5): 437-444;及びNissinoff, 1991, J. Immunol.
147(8): 2429-2438を参照されたい)。例えば、NHPドメインに結合し、コグ
ネイト受容体へのNHPの結合を競合的に阻害する抗体を用いて、NHPを「模
倣する」、したがって、受容体に結合して該受容体を活性化するか又は中和する
抗イディオタイプ抗体を生成することができる。こうした抗イディオタイプ抗体
又はこうした抗イディオタイプ抗体のFab断片は、NHPシグナル伝達経路に
関与する療法措置で使用できる。
【0063】 本発明は、本明細書に記載される特定の実施態様による範囲に限定されるもの
ではなく、この範囲は本発明の個々の態様の単なる例示として示したにすぎない
のであって、機能的に同等の方法及び構成要素は、本発明の範囲内である。実際
、当業者には、前述の説明から、本明細書に示されそして記載されるものの他に
、本発明の多様な改変も明らかになるであろう。こうした修飾は、付随する請求
項の範囲内に含まれるものと意図される。すべての引用される刊行物、特許、及
び特許出願の全体を、本明細書に援用する。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ターナー,シー・アレキサンダー,ジュニ ア アメリカ合衆国テキサス州77381,ザ・ウ ッドランズ,ウインター・ウィート・プレ イス 67 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA14 CA04 GA11 4B050 CC03 DD11 LL01 LL03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に初めて開示されたヌクレオチド配列のうち少な
    くとも24の隣接する塩基を含む、単離核酸分子。
  2. 【請求項2】 (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列をコードし;かつ
    (b)ストリンジェントな条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列又はその相
    補体にハイブリダイズする、 ヌクレオチド配列を含む、単離核酸分子。
  3. 【請求項3】 配列番号2に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチ
    ド配列を含む、単離核酸分子。
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