JP2003532088A - ポリマー分離媒体でのポリヌクレオチド分離 - Google Patents

ポリマー分離媒体でのポリヌクレオチド分離

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JP2003532088A JP2001579938A JP2001579938A JP2003532088A JP 2003532088 A JP2003532088 A JP 2003532088A JP 2001579938 A JP2001579938 A JP 2001579938A JP 2001579938 A JP2001579938 A JP 2001579938A JP 2003532088 A JP2003532088 A JP 2003532088A
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Abstract

(57)【要約】 非極性ポリマー分離媒体、例えばビーズまたはモノリスは、媒体の表面が非置換または炭素1〜1,000,000個を有する炭化水素基を用いて置換されている場合、および表面が多価陽イオン汚染物を実質上含まない場合に、ポリヌクレオチドの混合物のクロマトグラフィー分離のために適する。ポリマー媒体は、マッチトイオンポリヌクレオチドクロマトグラフィーを用いるポリヌクレオチドの効率的な分離を提供する。ポリマー媒体を維持および保管するための方法は、多価陽イオン結合剤を用いる処理を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の分野] 本発明は、多価陽イオンを有する汚染物を実質上含まない、非極性分離表面、
例えばポリマービーズの表面および成形したモノリス内の表面を用いる、ポリヌ
クレオチドの分離を意図する。
【0002】 [発明の背景] DNAのようなポリヌクレオチドの分離は、伝統的にスラブゲル電気泳動また
は毛管電気泳動を用いて行われている。しかし、ポリヌクレオチドの液体クロマ
トグラフィー分離は、分離された後の分析の自動化および画分の捕集の能力のた
めにますます重要となっている。従って、液体クロマトグラフィー(LC)によ
るポリヌクレオチド分離のためのカラムがますます重要となっている。
【0003】 二本鎖DNA分離のための高品質材料は、これまでボンら(Bonn, et al.)への
米国特許(US)第5,585,236号(1996)中に開示されたポリマー
基質に基づいており、これは、二本鎖DNAが、逆相イオン対形成クロマトグラ
フィー(RPIPC)を特徴とする方法を用いるゲル電気泳動と類似の選択性お
よび性能をもって、大きさに基づいて分離ができることを示した。しかし、記載
されたクロマトグラフィー材料は、少なくとも炭素3個を有するアルキル基で置
換された非多孔性ビーズに限られ、それというのもボンらはこの置換を欠くポリ
マービーズを用いて分離を得ることに成功しなかったからである。その上、ポリ
マービーズは、ビニル芳香族モノマーの小さい基に限られ、そしてボンらは他の
材料を用いる二本鎖DNA分離を行うことができなかった。
【0004】 改善された効率および分離度をもってポリヌクレオチドを分離するためのクロ
マトグラフィー法に対する要求がさらに存在する。
【0005】 [発明の要約] 従って、本発明の一つの目的は、改善された分離および効率をもつポリヌクレ
オチドを分離するためのクロマトグラフィー法を提供することである。
【0006】 本発明の別の目的は、非反応性、非極性表面を有する非多孔性ポリマー分離媒
体、例えばビーズまたはモノリス(monolith)(例えば棒)を用いてポリヌクレオ
チドを分離するための方法を提供することである。
【0007】 本発明のさらに別の目的は、種々の異なる重合可能なモノマーから調製された
非多孔性ポリマー分離媒体を用いるポリヌクレオチドのクロマトグラフィー分離
を提供することである。
【0008】 本発明のさらに別の目的は、非置換、メチル置換、エチル置換、炭化水素置換
、または炭化水素ポリマー置換であることができるポリマー分離媒体を用いるポ
リヌクレオチドのクロマトグラフィー分離を提供することである。
【0009】 本発明のさらに別の目的は、調製過程の間に発生した汚染物を除去するための
工程を含むことによる改善されたポリマー分離媒体を提供することである。
【0010】 本発明のさらに別の目的は、種々の異なる溶剤系を用いるポリヌクレオチドを
分離するための方法を提供することである。
【0011】 下記の明細書により明らかとなるこれらおよびその他の目的が本発明により達
成された。
【0012】 一つの局面では、本発明は、多価陽イオンを有する汚染物を実質上含まない非
極性表面を有するポリマー分離媒体に1500塩基対までを有するポリヌクレオ
チドの混合物を加え、そしてポリヌクレオチドの混合物を溶離することによる、
ポリヌクレオチドの混合物を分離するための方法である。好ましい表面は非多孔
性である。非極性表面は、カラム内に納められることができる。好ましい態様で
は、媒体の調製の間に、これが多価陽イオン汚染物を実質上含まないように予防
措置がとられそして例えば酸洗浄処理および/または多価陽イオン結合剤を用い
る処理によりあらゆる残留表面金属汚染物を除去するように媒体を処理する。好
ましい分離媒体は、少なくとも0.05のDNA分離係数(下記に定義される)
を有することを特徴とする。好ましい分離媒体は、少なくとも0.1の変異分離
係数(下記に定義される)を有することを特徴とする。好ましい態様では、分離
はマッチトイオン(Matched Ion) ポリヌクレオチドクロマトグラフィー(MIP
C、下記に定義される)により行われる。非極性表面の例は、ポリマービーズの
表面およびポリマーモノリス内の間隙空間の表面を含む。溶離工程は、好ましく
は対イオン剤および水溶性有機溶剤を含む移動相を用いる。適当な有機溶剤の例
は、アルコール、ニトリル、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、エス
テル、エーテル、およびそれらの1種またはそれ以上の混合物、例えばメタノー
ル、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、テトラヒドロフラン、
酢酸エチル、アセトニトリルを含む。最も好ましくい有機溶剤はアセトニトリル
である。対イオン剤は、好ましくは低級アルキル第一級アミン、低級アルキル第
二級アミン、低級アルキル第三級アミン、低級トリアルキルアンモニウム塩、第
四級アンモニウム塩、およびこれらの1種またはそれ以上の混合物よりなる群よ
り選ばれる。対イオン剤の限定的ではない例は、酢酸オクチルアンモニウム、酢
酸オクタジメチルアンモニウム、酢酸デシルアンモニウム、酢酸オクタデシルア
ンモニウム、酢酸ピリジニウムアンモニウム、酢酸シクロヘキシルアンモニウム
、酢酸ジエチルアンモニウム、酢酸プロピルエチルアンモニウム、酢酸プロピル
ジエチルアンモニウム、酢酸ブチルエチルアンモニウム、酢酸メチルヘキシルア
ンモニウム、酢酸テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラプロピルアンモニウム
、酢酸テトラブチルアンモニウム、酢酸ジメチルジエチルアンモニウム、酢酸ト
リエチルアンモニウム、酢酸トリプロピルアンモニウム、酢酸トリブチルアンモ
ニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、酢酸テトラプロピルアンモニウム、酢
酸テトラブチルアンモニウム、および上記のいずれか1種またはそれ以上の混合
物を含む。対イオン剤は、陰イオン、例えばアセテート、カーボネート、ビカー
ボネート、ホスフェート、サルフェート、ニトレート、プロピオネート、ホルメ
ート、クロリド、ペルクロレート、およびブロミドを含む。最も好ましい対イオ
ン剤は、酢酸トリエチルアンモニウムまたはトリエチルアンモニウムヘキフルオ
ロイソプロピルアルコールである。
【0013】 本発明の一つの態様は、多価陽イオンを有する汚染物を実質上含まない非極性
表面を有するポリマー分離ビーズに、1500塩基対までを有するポリヌクレオ
チドの混合物を加え、そしてポリヌクレオチドの該混合物を溶離することを含ん
でなる、ポリヌクレオチドの混合物を分離するための方法を提供する。分離媒体
の特別の態様では、本発明は、多価陽イオンを有する汚染物を実質上含まずそし
て0.5〜100ミクロンの平均直径を有するポリマービーズを含む分離カラム
を通して1500塩基対までを有するポリヌクレオチドの混合物を流し、そして
ポリヌクレオチドの混合物を分離することから成るポリヌクレオチドの混合物を
分離するための方法を提供する。ビーズは、好ましくは、モノ−およびジ−ビニ
ル置換芳香族化合物、例えばスチレン、置換スチレン、アルファ−置換スチレン
およびジビニルベンゼン;アクリレートおよびメタクリレート;ポリオレフィン
、例えばポリプロピレンおよびポリエチレン;ポリエステル;ポリウレタン;ポ
リアミド;ポリカーボネート;および商標テフロン(TEFLON)として一般に知られ
るフルオロ置換エチレンを含む置換ポリマーを含むポリマーから製造される。ベ
ースポリマーはポリマーの混合物であることができ、その非限定的例は、ポリ(
スチレン−ジビニルベンゼン)およびポリ(エチルビニルベンゼン−ジビニルベ
ンゼン)を含む。ポリマーは、非置換であるかまたは例えば炭素1〜1,000
,000個を有するアルキル基のような炭化水素で置換されていることができる
。好ましい態様では、炭化水素は、炭素1〜24個を有するアルキル基である。
さらに好ましい態様では、アルキル基は炭素1〜8個を有する。ビーズは、好ま
しくは約1〜5ミクロンの平均直径を有する。好ましい態様では、ビーズの調製
の間に、これらが多価陽イオン汚染物を含まないような予防措置をとりそしてビ
ーズが例えば酸洗浄処理によりあらゆる残留表面金属汚染物を除去するように処
理される。本発明のビーズは、少なくとも0.05のDNA分離係数を有するこ
とを特徴とする。好ましい態様では、ビーズは少なくとも0.5のDNA分離係
数を有することを特徴とする。また好ましい態様では、ビーズは少なくとも0.
1の変異分離係数を有することを特徴とする。分離に使用される好ましい方法は
、MIPCにより行われる。一つの態様では、ビーズは毛管エレクトロクロマト
グラフィーによりポリヌクレオチドの混合物を分離するための毛管カラム内で使
用される。他の態様では、ビーズは薄層クロマトグラフィーによりまたは高速薄
層クロマトグラフィーにより混合物を分離するために使用される。
【0014】 ビーズ(またはその他の媒体)自体が実質上金属を含まないことに加えて、出
願人は、最適ピーク分離を達成するためには、分離カラム(またはその他の容器
)の内面およびカラム内に保持されるかまたはカラムを通って流れるすべてのプ
ロセス溶液が、好ましくは多価陽イオン汚染物を実質上含まないことも発見した
。これは、カラムを多価陽イオン汚染物から保護するために、カラム内に保持ま
たはそれを流通するプロセス溶液内に多価陽イオンを放出しない材料から作成さ
れたプロセス溶液と接触する表面を有する構成要素を用いた分離カラムに入る溶
液供給および補給することにより達成できる。系構成要素のプロセス溶液接触表
面は、好ましくはチタン、被覆ステンレス鋼、および有機ポリマーよりなる群よ
り選ばれる材料である。
【0015】 追加の保護のために、カラムに入る移動相溶液および試料溶液内の多価陽イオ
ンは、分離媒体を多価陽イオン汚染から保護するために、溶液がカラムに入る前
に多価陽イオン捕そく樹脂をこれらの溶液に接触させて除去できる。多価捕そく
樹脂は、好ましくは陽イオン交換樹脂および/またはキレート樹脂である。本発
明の方法は、約1500〜2000塩基対までを有する二本鎖ポリヌクレオチド
を分離するために使用できる。多くの場合に、本方法は、600塩基または塩基
対までを有するか、または5〜80塩基または塩基対を有するポリヌクレオチド
を分離するために使用される。ポリヌクレオチドの混合物は、ポリメラーゼ連鎖
反応産物であることができる。本方法は、好ましくは20℃〜90℃の範囲内の
温度で行われる。移動相の流量は、好ましくは5000psiを越えない背圧を
発生するように調整される。本方法は、好ましくは水溶性である有機溶剤を使用
する。本方法は、好ましくは対イオン剤も使用する。
【0016】 別の局面では、本発明は、0.5〜100ミクロンの平均ビーズ直径を有する
ポリマービーズを提供する。ビーズの調製の間に、これらが多価陽イオン汚染物
を実質上含まないように予防措置をとりそしてあらゆる残留表面金属汚染物を除
去するために、例えば酸洗浄処理によりビーズを処理する。一つの態様では、ビ
ーズは、少なくとも0.05のDNA分離係数を有することを特徴とする。好ま
しい態様では、ビーズは少なくとも0.5のDNA分離係数を有することを特徴
とする。好ましい態様では、ビーズは少なくとも0.1の変異分離係数を有する
ことを特徴とする。ビーズは好ましくは約1〜10ミクロンの平均直径を有し、
そして最も好ましくは約1〜5ミクロンの平均直径を有する。ビーズはビニル芳
香族モノマーのコポリマーから成ることができる。ビニル芳香族モノマーは、ス
チレン、アルキル置換スチレン、アルファ−メチルスチレンまたはアルキル置換
アルファ−メチルスリテンであることができる。ビーズは、コポリマー、例えば
スチレン、C1-6 アルキルビニルベンゼンとジビニルベンゼンとのコポリマーで
あることができる。ビーズは、官能基、例えばポリビニルアルコール、ヒドロキ
シ、ニトロ、ハロゲン(例えばブロモ)、シアノ、アルデヒド、または試料を結
合しない他の基を含むことができる。ビーズは、非置換であるかまたは炭素1〜
1,000,000個を有する炭化水素基をこれらに結合していることができる
。一つの態様では、炭化水素基は炭素1〜24個を有するアルキル基である。他
の態様では、炭化水素基は、炭素1〜8個を有する。好ましい態様では、ビーズ
はオクタデシル修飾ポリ(エチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼン)またはポ
リ(スチレン−ジビニルベンゼン)である。ビーズは、架橋性ジビニルモノマー
、例えばジビニルベンゼンまたはブタジエンを含むこともできる。
【0017】 さらに別の態様では、本発明は、1500塩基対までを有するポリヌクレオチ
ドの混合物をポリマーモノリスを通って流し、そしてMIPCを用いてポリヌク
レオチドの混合物を分離することを含んでなる、ポリヌクレオチドの混合物を分
離するための方法である。この態様では、非極性分離表面は、ポリマーモノリス
の間隙空間の表面である。かかるモノリスの一例は、クロマトグラフカラム領域
内に調製されたポリマー棒である。本発明のモノリスは、少なくとも0.05の
DNA分離係数を有することを特徴とする。好ましい態様では、モノリスは少な
くとも0.5のDNA分離係数を有することを特徴とする。モノリスは、好まし
くは少なくとも0.1の変異分離係数を有することを特徴とする。分離中に用い
られる移動相は、好ましくはアルコール、ニトリル、ジメチルホルムアミド、テ
トラヒドロフラン、エステル、エーテル、およびそれらの混合物で例示される有
機溶剤を含む。適当な有機溶剤の例は、メタノール、エタノール、2−プロパノ
ール、1−プロパノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリルお
よびこれらの混合物である。最も好ましい有機溶剤はアセトニトリルである。移
動相は、好ましくは対イオン剤、例えば低級第一級、第二級および第三級アミン
、および低級トリアルキルアンモニウム塩、もしくは第四級アンモニウム塩を含
む。さらに具体的には、対イオン剤は、酢酸オクチルアンモニウム、酢酸オクタ
ジメチルアンモニウム、酢酸デシルアンモニウム、酢酸オクタデシルアンモニウ
ム、酢酸ピリジニウムアンモニウム、酢酸シクロヘキシルアンモニウム、酢酸ジ
エチルアンモニウム、酢酸プロピルエチルアンモニウム、酢酸プロピルジエチル
アンモニウム、酢酸ブチルエチルアンモニウム、酢酸メチルヘキシルアンモニウ
ム、酢酸テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、酢酸テト
ラプロピルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム、酢酸ジメチルジエチ
ルアンモニウム、酢酸トリエチルアンモニウム、酢酸トリプロピルアンモニウム
、酢酸トリブチルアンモニウム、酢酸テトラプロピルアンモニウム、酢酸テトラ
ブチルアンモニウム、および上記のいずれか1種またはそれ以上の混合物である
。対イオン剤は、陰イオン、例えばアセテート、カーボネート、ビカーボネート
、ホスフェート、サルフェート、ニトレート、プロピオネート、ホルメート、ク
ロリド、ペルクロレート、およびブロミドを含む。しかし、最も好ましい対イオ
ン剤は、酢酸トリエチルアンモニウムである。
【0018】 好ましい態様では、ポリマーモノリスの調製の間に、これが多価陽イオン汚染
物を実質上含まないように予防措置をとりそしてあらゆる残留表面金属汚染物を
除去するために、例えば酸洗浄処理によりモノリスを処理する。一つの態様では
、モノリスは、少なくとも0.05のDNA分離係数を有することを特徴とする
。好ましい態様では、モノリスは少なくとも0.5のDNA分離係数を有するこ
とを特徴とする。また好ましい態様では、モノリスは、少なくとも0.1の変異
分離係数を有することを特徴とする。
【0019】 別の態様では、本発明は、ポリヌクレオチドを分離するために使用されるポリ
マー媒体の非極性表面、例えばMIPCカラム中のビーズの表面またはポリマー
モノリス内の間隙空間内を、該表面上で分離されるポリヌクレオチド、例えばd
sDNAの分離能(resolution)を改善するために処理するための方法である。こ
の処理は、表面を多価陽イオン結合剤を含む溶液と接触させることを含む。好ま
しい態様では、溶液は約50℃〜90℃の温度を有する。この処理の一例は、M
IPCカラムを通して多価陽イオン結合剤を含む溶液を流すことを含み、ここで
溶液は約50℃〜90℃の温度を有する。好ましい温度は70℃〜80℃である
。好ましい態様では、多価陽イオン結合剤は配位化合物であり、その例には水溶
性キレート剤およびクラウンエーテルが含まれる。具体的な例には、アセチルア
セトン、アリザリン、アルミノン、クロラニリン酸、コウジ酸、モリン、ロジゾ
ン酸、チオナリド、チオウレア、α−フリルジオキシム、ニオキシム、サリチル
アルドキシム、ジメチルグリオキシム、α−フリルジオキシム、クペロン、α−
ニトロソ−β−ナフトール、ニトロソR酸、ジフェニルチオカルバゾン、ジフェ
ニルカルバゾン、エリオクロムブラックT、PAN、SPADNS、グリオキサ
ル−ビス(2−ヒドロキシアニル)、ムレキシド、α−ベンゾインオキシム、マ
ンデル酸、アントラニル酸、エチレンジアミン、グリシン、トリアミノトリエチ
ルアミン、チオナリド、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン四酢酸(E
DTA)、メタルフタレイン(metalphthalein)、アルソン酸、α,α’−ビピリ
ジン、4−ヒドロキシベンゾチアゾール、8−ヒドロキシキナルジン、8−ヒド
ロキシキノリン、1,10−フェナントロリン、ピコリン酸、キナルジン酸、α
,α’,α”−テルピリジル、9−メチル−2,3,7−トリヒドロキシ−6−
フルオロン、ピロカテコール、サリチル酸、チロン、4−クロロ−1,2−ジメ
ルカプトベンゼン、ジチオール、メルカプトベンゾチアゾール、ルベアン酸、シ
ュウ酸、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、およびジベンジルジチオカル
バミン酸亜鉛が含まれる。しかし、最も好ましいキレート剤はEDTAである。
本発明のこの局面において、溶液は好ましくは有機溶剤、例えばアルコール、ニ
トリル、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、エステル、エーテル、お
よびそれらの混合物を含む。適当な溶剤の例には、メタノール、エタノール、2
−プロパノール、1−プロパノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセト
ニトリル、およびそれらの混合物が含まれる。最も好ましい有機溶剤はアセトニ
トリルである。一つの態様では、溶液は対イオン剤、例えば低級第一級、第二級
、および第三級アミン、および低級トリアルキルアンモニウム塩または第四級ア
ンモニウム塩を含むことができる。さらに具体的には、対イオン剤は、酢酸オク
チルアンモニウム、酢酸オクタジメチルアンモニウム、酢酸デシルアンモニウム
、酢酸オクタデシルアンモニウム、酢酸ピリジニウムアンモニウム、酢酸シクロ
ヘキシルアンモニウム、酢酸ジエチルアンモニウム、酢酸プロピルエチルアンモ
ニウム、酢酸プロピルジエチルアンモニウム、酢酸ブチルエチルアンモニウム、
酢酸メチルヘキシルアンモニウム、酢酸テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラ
エチルアンモニウム、酢酸テトラプロピルアンモニウム、酢酸テトラブチルアン
モニウム、酢酸ジメチルジエチルアンモニウム、酢酸トリエチルアンモニウム、
酢酸トリプロピルアンモニウム、酢酸トリブチルアンモニウム、酢酸テトラプロ
ピルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム、および上記のいずれか1種
またはそれ以上の混合物である。対イオン剤は、陰イオン、例えばアセテート、
カーボネート、ビカーボネート、ホスフェート、サルフェート、ニトレート、プ
ロピオネート、ホルメート、クロリド、ペルクロレート、およびブロミドを含む
。しかし最も好ましい対イオン剤は酢酸トリエチルアンモニウムである。
【0020】 さらに別の態様では、本発明は、媒体を用いて分離される二本鎖DNAフラグ
メントの分離能を改善するために、ポリヌクレオチドを分離するために使用され
る媒体、例えばMIPCカラムのビーズまたはポリマーモノリスを貯蔵するため
の方法を提供する。MIPCカラムの場合に、好ましい方法は、カラムを貯蔵す
る前にカラムを通して多価陽イオン結合剤を含む溶液を流すことを含む。好まし
い態様では、多価陽イオン結合剤は、配位化合物であり、その例には水溶性キレ
ート剤およびクラウンエーテルが含まれる。特定の例には、アセチルアセトン、
アリザリン、アルミノン、クロラニリン酸、コウジ酸、モリン、ロジゾン酸、チ
オナリド、チオウレア、α−フリルジオキシム、ニオキシム、サリチルアルドキ
シム、ジメチルグリオキシム、α−フリルジオキシム、クペロン、α−ニトロソ
−β−ナフトール、ニトロソR酸、ジフェニルチオカルバゾン、ジフェニルカル
バゾン、エリオクロムブラックT、PAN、SPADNS、グリオキサル−ビス
(2−ヒドロキシアニル)、ムレキシド、α−ベンゾインオキシム、マンデル酸
、アントラニル酸、エチレンジアミン、グリシン、トリアミノトリエチルアミン
、チオナリド、トリエチレンテトラミン、EDTA、メタルフタレイン、アルソ
ン酸、α,α’−ビピリジン、4−ヒドロキシベンゾチアゾール、8−ヒドロキ
シキナルジン、8−ヒドロキシキノリン、1,10−フェナントロリン、ピコリ
ン酸、キナルジン酸、α,α’,α”−テルピリジル、9−メチル−2,3,7
−トリヒドロキシ−6−フルオロン、ピロカテコール、サリチル酸、チロン、4
−クロロ−1,2−ジメルカプトベンゼン、ジチオール、メルカプトベンゾチア
ゾール、ルベアン酸、シュウ酸、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、およ
びジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛が含まれる。しかし、最も好ましいキレー
ト剤はEDTAである。本発明のこの局面において、溶液は好ましくは有機溶剤
、例えばアルコール、ニトリル、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、
エステル、エーテルを含む。最も好ましい有機溶剤はアセトニトリルである。溶
液は対イオン剤、例えば低級第一級、第二級、および第三級アミン、および低級
トリアルキルアンモニウム塩、または第四級アンモニウム塩を含むことができる
。さらに具体的には、対イオン剤は、酢酸オクチルアンモニウム、酢酸オクタジ
メチルアンモニウム、酢酸デシルアンモニウム、酢酸オクタデシルアンモニウム
、酢酸ピリジニウムアンモニウム、酢酸シクロヘキシルアンモニウム、酢酸ジエ
チルアンモニウム、酢酸プロピルエチルアンモニウム、酢酸プロピルジエチルア
ンモニウム、酢酸ブチルエチルアンモニウム、酢酸メチルヘキシルアンモニウム
、酢酸テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、酢酸テトラ
プロピルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム、酢酸ジメチルジエチル
アンモニウム、酢酸トリエチルアンモニウム、酢酸トリプロピルアンモニウム、
酢酸トリブチルアンモニウム、酢酸テトラプロピルアンモニウム、酢酸テトラブ
チルアンモニウム、および上記のいずれか1種またはそれ以上の混合物であるこ
とができる。対イオン剤は、陰イオン、例えばアセテート、カーボネート、ビカ
ーボネート、ホスフェート、サルフェート、ニトレート、プロピオネート、ホル
メート、クロリド、ペルクロレート、およびブロミドを含む。しかし最も好まし
い対イオン剤は、酢酸トリエチルアンモニウムである。
【0021】 [発明の詳細な記述] 最も一般的な形で、本発明の目的は、非極性表面を有する固定分離媒体を用い
るポリヌクレオチド、例えばDNAの分離に関する。好ましい表面は、ポリヌク
レオチドを捕そくできる多価陽イオン汚染物を実質上含まない。分離は、固定表
面上で行われる。表面は多孔性であることができるが、しかし好ましくは、すべ
ての表面細孔が分析される最小のポリヌクレオチドを排除する大きさのものであ
る。
【0022】 媒体は、カラム内に納めることができる。一つの態様では、非極性表面はポリ
マービーズの表面を含んでなる。別の態様では、表面は成形したポリマーモノリ
ス内の間隙空間の表面を含んでなる。本発明の説明を単純化する目的でそして限
定の意味ではなくて、非多孔性ビーズを用いるポリヌクレオチドの分離、および
かかるビーズの調製を本明細書中に主として記載するが、これには他の分離表面
、例えばポリマーモノリス内の間隙空間が本発明の範囲内に含まれると意図され
る。モノリス、例えば棒は、溶離液および分析物の流通を許容しそして非極性分
離表面を提供する貫通細孔または間隙空間を有する一体構造としてカラム内部に
形成されたポリマー分離媒体を含む。
【0023】 一般に、本発明の分離媒体のための唯一の要件は、実質上非極性であるかまた
は対イオン剤と相互作用するために十分な非極性を有する表面を形成する材料と
結合しているかのいずれかの表面を有しなければならないことである。
【0024】 一つの局面では、本発明の主題事項は、約0.5〜100ミクロン、好ましく
は1〜10ミクロン、さらに好ましくは1〜5ミクロンの平均直径を有する非多
孔性ポリマービーズを用いて充填されたカラムを用いるポリヌクレオチドの分離
である。0.3〜3.0ミクロンの平均直径を有するビーズが最も好ましい。
【0025】 米国特許(US)第5,585,236号中で、ボンらは、逆相イオン対形成
クロマトグラフィー(RPIPC)としての核酸分離法を特定している。しかし
、RPIPCは本発明中に記載の一部の本質的特徴を含まないので、別の用語の
マッチトイオンポリヌクレオチドクロマトグラフィー(MIPC)を選択してい
る。本明細書中に使用されるMIPCとは、非極性ビーズを用いて一本および二
本鎖ポリヌクレオチドを分離するための方法として定義され、ここで、本方法は
対イオン剤、およびビーズから核酸を溶離するために有機溶剤を用い、そしてビ
ーズは少なくとも0.05のDNA分離係数を有することを特徴とする。好まし
い態様では、ビーズは少なくとも0.5のDNA分離係数を有する。最適の態様
では、ビーズは少なくとも0.95のDNA分離係数を有する。
【0026】 本発明のビーズの性能は、二本鎖および一本鎖DNAのMIPCによる高効率
分離により証明される。出願人は、ビーズの性能を測定するための有用な基準が
DNA分離係数であることを見出した。これはpUC18DNA−HaeIII
制限消化物の257−および267−塩基対二本鎖DNAフラグメントの分離能
として測定されそしてピークの基線から頂部までの距離に対する、ピークの間の
谷からピークの頂部までの距離の比として定義される。図1の図示を参照すると
、DNA分離係数は、ピーク「b」と「c」との間の谷「e」への基線からの距
離「a」およびピーク「b」または「c」の一方の頂部への谷「e」からの距離
「d」を測定して決定される。ピーク高さが等しくない場合には、最高のピーク
が「d」を得るために使用される。DNA分離係数は、d/(a+d)の比であ
る。この図示中の257−および267−塩基対のピークは、高さが等しい。一
つの態様では、本発明のピークは少なくとも0.05のDNA分離係数を有する
。好ましいビーズは、少なくとも0.5のDNA分離係数を有する。
【0027】 理論に制約されることは望まないが、出願人は、本明細書中に規定するDNA
分離係数に適合するビーズは、ビーズ進入から分離されたポリヌクレオチドを実
質上排除する細孔の大きさを有すると考える。本明細書中に使用される「非多孔
性」という用語とは、本明細書中で使用する溶剤媒体中での分離における最小の
DNAフラグメントの大きさおよび形よりも小さい直径を有する表面細孔を有す
るビーズを呼ぶと定義される。本定義中には、それらの自然の状態でこれらの指
定された最大の大きさ制限を有するかまたは所要の最大の有効細孔の大きさに適
合するためのこれらの細孔の大きさを低下させるように処理されたポリマービー
ズも含まれる。好ましくは、少なくとも0.5のDNA分離係数を与えるすべて
のビーズは、「非多孔」性ビーズの定義内に含まれると意図する。
【0028】 本発明の非多孔性ビーズの表面形状は、分離過程を妨害しない凹んだ浅いピッ
ト状の構造を含むことができる。非多孔性を与えるための多孔性ビーズの前処理
は、ビーズ構造内の細孔を充填しそしてMIPC法と著しくは干渉しないあらゆ
る材料を用いて行うことができる。
【0029】 細孔は、移動相およびその他の物質がビーズ構造内に進入できる開放構造であ
る。細孔は、しばしば一つの細孔に入った液体が他の細孔から出ることができる
相互連続性である。出願人は、連続細孔構造内およびビーズ内へのポリヌクレオ
チドの動きを許容する寸法を有する細孔は、分離の分離能を損なうかまたは非常
に長い保持時間を有する分離をもたらすと考える。しかし、MIPCでは、ビー
ズは「非多孔性」でありそしてポリヌクレオチドはビーズ構造内に入らない。
【0030】 ポリヌクレオチドという用語は、一個のリボース(またはデオキシリボース)
から他のものにリン酸残基を介して連結されたヌクレオチドの不定の数を含む線
状ポリマーとして定義される。本発明は、RNAまたは二本鎖もしくは一本鎖D
NAの分離に使用できる。本発明の説明を単純化する目的で、そして制限の目的
ではなく、二本鎖DNAの分離は、すべてのポリヌクレオチドが本発明の範囲内
に含まれると意図すると理解されるとして本発明の実施例に記載される。
【0031】 カラムビーズのクロマトグラフィー性能は、表面および表面近傍領域の性質に
より主として影響される。この理由から、下記の説明はポリマービーズの表面近
傍領域に特定して関係する。かかるビーズの本体および/または中心は、本発明
のポリマービーズの表面またはその近傍で観察されるものとは全く異なる化学お
よび物理的性質の組を示すことができる。
【0032】 本発明の別の態様では、分離媒体は、ポリマーモノリス、例えば棒状のモノリ
スカラムの形であることができる。モノリスカラムは、下記の実施例中に記載の
ような管の内部の単一単位として重合または形成される。貫通細孔または間隙空
間は、溶離溶剤および分析物質の通過のために提供される。分離は固定表面上で
行われる。表面は多孔性であることができるが、好ましくは非多孔性である。分
離の形および機能は、ビーズを充填したカラムと同様である。ビーズの場合と同
様に、棒内に含まれる細孔は、DNAと相容性でありそして物質を捕そくしては
ならない。また、棒は、DNAを捕そくする汚染物を含んではならない。
【0033】 本発明の成形したポリマー棒は、クロマトグラフィーカラムの境界内でバルク
遊離ラジカル重合により調製される。棒のベースポリマーは、種々の重合可能な
モノマーから調製できる。例えば、モノリス状棒は、モノ−およびジ−ビニル置
換芳香族化合物、例えばスチレン、置換スチレン、アルファ−置換スチレンおよ
びジビニルベンゼン;アクリレートおよびメタクリレート;ポリオレフィン、例
えばポリプロピレンおよびポリエチレン;ポリエステル;ポリウレタン;ポリア
ミド;ポリカーボネート;および商標テフロンとして一般に知られるフルオロ置
換エチレンを含む置換ポリマーを含むポリマーから調製できる。ベースポリマー
はポリマーの混合物であることもでき、その非限定的例は、ポリ(グリシジルメ
タクリレート−エチレンジメタクリレート)、ポリ(スチレン−ジビニルベンゼ
ン)およびポリ(エチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼン)を含む。棒は非置
換であるかまたは例えば炭化水素のアルキルもしくはアリール基で置換されてい
ることができる。アルキル基は、場合により直鎖および分枝鎖を含む炭素1〜1
,000,000個を有し、そしてアルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、
アルキル基等が含まれる直鎖、分枝鎖、環状、飽和、不飽和の種々の形の非イオ
ン性官能基を含み、そしてアリール基は、フェニル、ナフチルなどを含む単環式
、二環式、および三環式芳香族炭化水素基を含む。好ましい態様では、アルキル
基は、炭素1〜24個を有する。さらに好ましい態様では、アルキル基は炭素1
〜8個を有する。置換は、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ基または非極性、逆相機
能性基と考えられる同様のものも含むことができる。炭化水素置換の方法は、慣
用であり当該技術分野では周知でありそして本発明の局面ではない。ポリマーモ
ノリスの調製は、当該技術分野では周知の慣用の方法により、下記の文献:ワン
ら(Wang et al., J. Chromatog. A699:230(1994)) 、ペトロら(Petro et al., A
na. Chem. 68:315(1996)) 、および下記の米国特許(US)第5,334,31
0号、第5,453,185号、第5,522,994号(Frechtへ)に記載さ
れている。モノリスまたは棒カラムは、メルク社(Merck & Co. Darmstadt, ドイ
ツ)より商業的に入手できる。
【0034】 本発明の非多孔性ビーズは、小さい種ビーズを適合する重合可能モノマーの乳
化重合により最初に調製する2工程法により調製される。本発明の乳化重合法は
、グッドウインら(Goodwin et al., Colloid & Polymer Sci., 252:464-471(197
4)) の方法の変形である。種ビーズの調製のために乳化重合法中に使用できるモ
ノマーには、スチレン、アルキル置換スチレン、アルファ−メチルスチレン、お
よびアルキル置換アルファ−メチルスチレンが含まれる。次いで、種ビーズを大
型化し、そして場合により、種々の基を用いる置換により修飾して本発明の非多
孔性ポリマービーズを調製する。
【0035】 乳化重合により調製される種ビーズは、ポリマービーズの大きさを増加させる
ためのあらゆる公知の方法により大型化できる。例えば、ポリマービーズは、米
国特許(US)第4,563,510号中に開示の活性化膨潤法により大型化で
きる。大型化または膨潤したポリマービーズは、さらに架橋性重合可能モノマー
および重合開始剤を用いてさらに膨潤される。重合は、大型化されたポリマービ
ーズの架橋密度を増加しそしてビーズの表面多孔度を低下させる。適当な架橋性
モノマーは、開始剤の存在における重合が可能な少なくとも2個の炭素−炭素二
重結合を含む。好ましい架橋性モノマーは、ジビニルモノマー、好ましくはアル
キルおよびアリール(フェニル、ナフチルなど)ジビニルモノマーであり、そし
てジビニルベンゼン、ブタジエンなどを含む。ポリマー種ビーズの活性化膨潤は
、1以上から約100ミクロンまでの範囲の平均直径を有するポリマービーズを
調製するために有用である。
【0036】 あるいは、ポリマー種ビーズは、乳化重合よりもたらされた種ラテックスを単
に加熱して大型化できる。この別法は、活性化溶剤を用いる種ビーズの活性化膨
潤の必要を取り除く。その代わりに、架橋可能なモノマーのための水混合可能な
溶剤を同時に用いるかまたは用いないで、種ラテックスを上記の架橋性モノマー
および重合開始剤と混合する。適当な溶剤には、アセトン、テトラヒドロフラン
(THF)、メタノール、およびジオキサンが含まれる。得られた混合物を約1
〜12時間、好ましくは約4〜8時間、重合開始剤の開始温度より低い温度、一
般に約10℃〜80℃、好ましくは、30℃〜60℃に加熱する。場合により、
混合物の温度を10〜20%上昇しそして混合物をさらに1〜4時間加熱するこ
とができる。少なくとも200の重合度を確保するためには、モノマーと重合開
始剤との比は少なくとも100:1、好ましくは約100:1〜約500:1、
さらに好ましくは約200:1である。この重合度を有するビーズは、高圧液体
クロマトグラフィー(HPLC)用途に使用して十分に圧力的に安定である。こ
の熱膨潤法は、ビーズの大きさを約110〜160%増加して、約5ミクロン、
好ましくは約2〜3ミクロンの平均直径を有するポリマービーズを得ることを可
能とする。従って、熱膨潤法は、活性化膨潤法によってのみ従来達成できたさら
に小さい粒径を調製するために使用できる。
【0037】 熱大型化に続いて、過剰の架橋性モノマーを除去しそして粒子を紫外線または
熱に暴露して重合させる。重合は、例えば大型化した粒子を重合開始剤の活性化
温度まで加熱しそして所望の重合度に達するまで重合を継続して行うことができ
る。連続する加熱および重合は、500を越える重合度を有するビーズを得るこ
とを可能とする。
【0038】 本発明において、ボンらまたは米国特許(US)第4,563,510号に開
示された充填材料は、アルキル基を用いるポリマービーズの置換を介して修飾で
きまたはその非修飾状態で使用できる。例えば、ポリマービーズは、ビーズをア
ルキル化剤、例えばヨウ化メチルまたはヨウ化エチルに接触させて炭素原子1ま
たは2個を持つアルキル化ができる。アルキル化は、ポリマービーズをハロゲン
化アルキルと一緒に、フリーデル−クラフツ触媒の存在下で混合して、ポリマー
ブレンドの表面における芳香族環上で求電子性芳香族置換を行って達成される。
適当なフリーデル−クラフツ触媒は当該技術分野では周知であり、そしてルイス
酸、例えば塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、四塩化スズなどを含む。ビーズ
は、例えば上記方法中のヨウ化メチルを適当なハロゲン化炭化水素に置換して炭
化水素置換ができる。
【0039】 本発明のビーズに関して本明細書中で使用されるアルキルという用語とは、炭
素1〜1,000,000個を有するアルキルおよびアルキル置換アリール基を
含むと定義され、アルキル基は、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、ア
ルキル基等を含む種々の形式の直鎖状、分枝鎖状、環状、飽和、不飽和非イオン
性官能基、およびフェニル、ナフチル等を含む単環式、二環式、および三環式芳
香族炭化水素を含むアリール基を含む。アルキル置換の方法は慣用であり当該技
術分野では周知でありそして本発明の局面ではない。置換は、ヒドロキシ、シア
ノ、ニトロ基、または非極性、逆相官能基であると考えられる同様のものも含む
ことができる。
【0040】 ボン特許に報告されたクロマトグラフィー材料は、少なくとも3個の炭素を有
するアルキル基を用いて置換された非多孔性ビーズに限定され、それといのもボ
ンらは、この置換を欠くポリマービーズを用いて分離を得ることに成功しなかっ
たからである。さらに、ポリマービーズは、ビニル芳香族モノマーの小さい基に
限定され、そしてボンらは他の材料を用いて二本鎖DNAの分離を行えなかった
【0041】 本発明では、非誘導体化非多孔性ビーズを用いならびに炭素1〜1,000,
000個を有するアルキル基を用いて誘導体化したビーズを用いて二本鎖DNA
の成功した分離が達成できることを意外にも発見した。
【0042】 本発明のベーズポリマーは、非限定的な例としてモノ−およびジ−ビニル置換
芳香族化合物、例えばスチレン、置換スチレン、アルファ−置換スチレンおよび
ジビニルベンゼン;アクリレートおよびメタクリレート;ポリオレフィン、例え
ばポリプロピレンおよびポリエチレン;ポリエステル;ポリウレタン;ポリアミ
ド;ポリカーボネート;および商標テフロンとして一般に知られるフルオロ置換
エチレンを含む置換ポリマーを含む他のポリマーであることもできる。ベースポ
リマーはポリマーの混合物であってもよく、その非限定的例は、ポリ(スチレン
−ジビニルベンゼン)およびポリ(エチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼン)
を含む。これらのポリマーからビーズを調製する方法は、慣用でありそして当該
技術分野では公知である(例えば米国特許(US)第4,906,378号参照
)。ビーズの表面および表面近傍の物理的性質は、クロマトグラフィー効率に顕
著な影響を及ぼす。誘導体化されているかどうかにかかわらず、ポリマーは、M
IPC分離のための非多孔性、非反応性、および非極性表面を提供しなければな
らない。
【0043】 本発明の重要な局面では、本発明のビーズおよびその他の媒体は、金属汚染物
またはDNAを結合できるその他の汚染物の少量を有することを特徴とする。本
発明の好ましいビーズは、あらゆる多価陽イオン汚染物(例えばFe(III)
、Cr(III)またはコロイド状金属汚染物)を実質上除去するように設計さ
れた脱汚染処理、例えば酸洗浄処置を含む製造の間の予防措置をとることを特徴
とする。得られたビーズが最少の金属含有量を有するように、非常に純粋の非金
属を含む物質のみをビーズの製造に使用すべきである。
【0044】 ビーズ自体が実質上金属を含まないことに加えて、出願人は、MIPCの間に
最適なピーク分離を達成するために、分離カラムおよびカラム内に保持されるか
またはカラムを流通するすべてのプロセス溶液が、好ましくは多価陽イオン汚染
物を実質上含まないことも発見した。共有される米国特許(US)第5,772
,889号(グジェルドへ(Gjerde, 1998))および同時係属米国特許(US)出
願第09/081,040号(1998年5月18日付け出願)および第09/
080,547号(1998年5月18日付け出願)に記載のように、これは、
カラムを多価陽イオン汚染から防ぐために、カラム内に保持されるかまたはこれ
を流通するプロセス溶液内に多価陽イオンを放出しない材料から製造されたプロ
セス溶液接触表面を有する構成要素を有する、分解カラムに入る溶液を供給およ
び補給することにより達成できる。システム構成要素のプロセス溶液接触表面は
、好ましくはチタン、被覆ステンレス鋼、不動態化ステンレス鋼、および有機ポ
リマーからなる群より選ばれる物質である。
【0045】 多価陽イオン結合剤、すなわちキレート剤がMIPC分離中に使用される二つ
の位置がある。一つの態様では、これらの結合剤は、移動相が通過する固体内に
組み込むことができる。汚染物は、これらが分離に有害となる可能性があるシス
テム内の場所に到達する前に捕そくされる。これらの場合に、官能基は固体マト
リックスまたは樹脂に付着される(例えば流通カートリッジ、通常は有機ポリマ
ーであるが、場合によりシリカまたは他の材料である)。マトリックスの容量は
、好ましくは約2mequiv/gである。適当なキレート樹脂の例は、イミノ
ジアセテート官能基を含む商標CHELEX100(Dow Chemical Co.) で利用
できる。
【0046】 別の態様では、多価陽イオン結合剤は移動相に加えることができる。結合性官
能基は、有機化学構造内に組み込まれる。好ましい多価陽イオン結合剤は、3点
の要求を満足する。第一には、これが移動相内に可溶性である。第二には、金属
との錯体は移動相内に可溶性である。多価陽イオン結合剤、例えばEDTAは、
キレート剤と多価陽イオン結合剤−金属錯体の両者がこれら両者を水溶性とする
電荷を含むので、この要求を満足する。また、例えばアセトニトリルを加えても
いずれも沈殿しない。水性移動相の溶解度は、共有結合的に結合したイオン官能
性、例えばサルフェート、カルボキシレート、またはヒドロキシを付加して増強
できる。好ましい多価陽イオン結合剤は、水、有機溶剤または移動相を用いる洗
浄により容易にカラムから除去できる。第三には、結合剤はクロマトグラフィー
法を妨害してはならない。
【0047】 多価陽イオン結合剤は、配位化合物であることができる。好ましい配位化合物
の例は、水溶性キレート剤およびクラウンエーテルを含む。本発明内に使用でき
る多価陽イオン結合剤の非限定的な例には、アセチルアセトン、アリザリン、ア
ルミノン、クロラニリン酸、コウジ酸、モリン、ロジゾン酸、チオナリド、チオ
ウレア、α−フリルジオキシム、ニオキシム、サリチルアルドキシム、ジメチル
グリオキシム、α−フリルジオキシム、クペロン、α−ニトロソ−β−ナフトー
ル、ニトロソR酸、ジフェニルチオカルバゾン、ジフェニルカルバゾン、エリオ
クロムブラックT、PAN、SPADNS、グリオキサル−ビス(2−ヒドロキ
シアニル)、ムレキシド、α−ベンゾインオキシム、マンデル酸、アントラニル
酸、エチレンジアミン、グリシン、トリアミノトリエチルアミン、チオナリド、
トリエチレンテトラミン、EDTA、メタルフタレイン、アルソン酸、α,α’
−ビピリジン、4−ヒドロキシベンゾチアゾール、8−ヒドロキシキナルジン、
8−ヒドロキシキノリン、1,10−フェナントロリン、ピコリン酸、キナルジ
ン酸、α,α’,α”−テルピリジル、9−メチル−2,3,7−トリヒドロキ
シ−6−フルオロン、ピロカテコール、サリチル酸、チロン、4−クロロ−1,
2−ジメルカプトベンゼン、ジチオール、メルカプトベンゾチアゾール、ルベア
ン酸、シュウ酸、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、およびジベンジルジ
チオカルバミン酸亜鉛が含まれる。これらおよびその他の例は、ペリン「有機錯
化試薬:構造、挙動、および無機分析への応用」(Perrin, Organic Complexing
Reagents: Structure, Behavior, and Application to Inorganic Analysis, Ro
bert E. Krieger Publishing Co. (1964))により記載されている。本発明におい
て、好ましい多価陽イオン結合剤はEDTAである。
【0048】 ポリヌクレオチドの高分離能クロマトグラフィー分離を達成するために、クロ
マトグラフィーカラムを固体相ポリマービーズを用いて密に充填することが一般
的に必要である。カラム充填材料を用いてカラムを充填するためのあらゆる公知
の方法が、適当な高分離能分離を得るために本発明に使用できる。典型的には、
ポリマービーズのスラリーが、ポリマービーズの密度に等しいかまたはこれより
低い密度を有する溶剤を用いて製造される。次いでカラムをポリマービーズスラ
リーを用いて充填しそしてカラム内のポリマービーズの充填密度を改善するため
に振動または攪拌する。機械的振動または音波処理は、充填密度を改善するため
に典型的に使用される。
【0049】 例えば、50x4.6mm内径カラムを充填するために、ビーズ2.0gを音
波処理の助けをかりてメタノール10mL中に懸濁できる。次いでメタノール5
0mLを用い、圧力8,000psiで懸濁液をカラム内に充填する。これは充
填した床の密度を改善する。
【0050】 本発明の分離方法は、DNAおよびRNAの一本鎖および二本鎖ポリヌクレオ
チドのクロマトグラフィー分離に一般的に適用できる。ポリヌクレオチドの混合
物を含む試料は、ポリヌクレオチドの全分析、制限エンドヌクレアーゼを用いる
かまたは他の酵素または化学薬品を用いるDNAまたはRNAの切断、ならびに
ポリメラーゼ連鎖反応技術を用いて複製および増幅された核酸試料からもたらさ
れることができる。
【0051】 本発明の方法は、約1500〜2000塩基対までを有する二本鎖ポリヌクレ
オチドを分離するために使用できる。多くの場合に、本方法は、600塩基また
は塩基対までを有するか、または5〜80塩基または塩基対までを有するポリヌ
クレオチドを分離するために使用される。
【0052】 好ましい態様では、分離は、マッチトイオンポリヌクレオチドクロマトグラフ
ィー(MIPC)による。本発明の非多孔性ビーズは、DNA分離を行うために
対イオン剤および溶剤勾配と共に機能する逆相物質として使用される。MIPC
では、ポリヌクレオチドを対イオンと対形成し次いで本発明の非多孔性ビーズを
用いる逆相クロマトグラフィーにかける。
【0053】 MIPCへの使用のために適する数タイプの対イオンがある。これらは、正の
対電荷(counter charge)または正の対電荷をすでに含む第四級アルキル置換アミ
ンを形成するために脱プロトン化できるモノ−、ジ−、またはトリアルキルアミ
ンを含む。アルキル置換は、均等(例えば酢酸トリエチルアンモニウムまたは酢
酸テトラプロピルアンモニウム)または混合(例えば酢酸プロピルジエチルアン
モニウム)であってもよい。アルキル基の大きさは、小さい(メチル)かまたは
大きくしても(炭素30個まで)特に置換アルキル基の1個のみが大きくそして
他が小さくてもよい。例えば酢酸オクチルジメチルアンモニウムは対イオン剤と
して適する。好ましい対イオン剤は、エチル、プロピルまたはブチルの大きさの
範囲からのアルキル基を含むものである。
【0054】 アルキル基の目的は、マッチトイオンプロセスを介してポリ核酸に非極性を与
えて、ポリ核酸が分離媒体の非極性表面と相互作用できるようにすることである
。対イオン−DNA対の非極性への程度の要求は、分離媒体の極性、分離に要す
る溶剤条件、分離されるフラグメントの粒子の大きさおよびタイプに依存する。
例えば、分離媒体の極性が増加すると、対イオン剤の極性は表面の極性にマッチ
するためおよび対イオン−DNA対の相互作用を増加させるために変化しなけれ
ばならない。酢酸トリエチルアンモニウムが好ましいが、しかし第四級アンモニ
ウム試薬、例えばテトラプロピルまたはテトラブチルアンモニウム塩は、余分の
非極性特性が必要または望まれる場合に使用できる。一般に、アルキル基の極性
が増加すると、大きさに特異性の分離、配列と独立した分離がさらに可能となる
。第四級対イオン剤は揮発性ではなく、フラグメントの捕集をさらに困難とする
【0055】 ある場合には、分離を行うために使用される有機溶剤の濃度の範囲を増加する
ことが望ましいこともある。例えば、対イオン剤上のアルキル長さを増加すると
、対イオン−DNA対の非極性が増加し、移動相有機溶剤の濃度の増加、または
有機溶剤の強度の増加のいずれかの必要をもたらし、例えばアセトニトリルはポ
リ核酸の溶離に対してメタノールよりも約2倍有効である。カラムからフラグメ
ントを溶離するために必要な有機溶剤の濃度とフラグメントの長さとの間には正
の相関がある。しかし、高い有機溶剤濃度では、ポリヌクレオチドが析出するこ
とがある。析出を防ぐために、強い有機溶剤または小さい対イオンアルキル基が
使用できる。対イオン剤上のアルキル基は、ハロゲン化物、ニトロ基等と置換し
て極性を和らげることができる。
【0056】 移動相は好ましくは対イオン剤を含む。典型的な対イオン剤は、有機または無
機酸のトリアルキルアンモニウム塩、例えば低級アルキル第一級、第二級、およ
び低級第三級アミン、低級トリアルキルアンモニウム塩および低級第四級アルキ
ルアンモニウム塩を含む。低級アルキルとは、1〜6個の炭素原子のアルキル基
、例えばメチル、エチル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、イソアミル、
n−ペンチル、およびイソペンチルを呼ぶ。対イオン剤の例は、酢酸オクチルア
ンモニウム、酢酸オクタジメチルアンモニウム、酢酸デシルアンモニウム、酢酸
オクタデシルアンモニウム、酢酸ピリジニウムアンモニウム、酢酸シクロヘキシ
ルアンモニウム、酢酸ジエチルアンモニウム、酢酸プロピルエチルアンモニウム
、酢酸プロピルジエチルアンモニウム、酢酸ブチルエチルアンモニウム、酢酸メ
チルヘキシルアンモニウム、酢酸テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラエチル
アンモニウム、酢酸テトラプロピルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウ
ム、酢酸ジメチルジエチルアンモニウム、酢酸トリエチルアンモニウム、酢酸ト
リプロピルアンモニウム、酢酸トリブチルアンモニウム、酢酸テトラプロピルア
ンモニウム、および酢酸テトラブチルアンモニウムを含む。上記の例の陰イオン
はアセテートであるが、他の陰イオンを使用してもよく、これには例えばカーボ
ネート、ホスフェート、サルフェート、ニトレート、プロピオネート、ホルメー
ト、クロリド、およびブロミド、または陽イオンと陰イオンのあらゆる組合せが
含まれる。これらおよびその他の薬剤は、ギィェルデら「イオンクロマトグラフ
ィー」(Gjerde, et al., Ion Chromatography,第二版、Dr. Alfred Huetig Verl
ag Heidelberg(1987))中に記載されている。揮発性である対イオン剤は本発明の
方法に使用するために好ましく、ここで酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA
)およびトリエチルアンモニウムヘキサフルオロイソプロピルアルコールが最も
好ましい。
【0057】 本発明のビーズを用いるMIPCによるDNAの分離の間に最適なピーク分離
能を達成するために、本方法は、好ましくは20℃〜90℃、さらに好ましくは
30℃〜80℃、最も好ましくは50℃〜75℃の範囲内の温度で行われる。流
量は、5000psiを越えない背圧を発生しないように選定される。一般に、
一本鎖フラグメントの分離は、より高い温度で行われなければならない。
【0058】 出願人は、分離が行われる温度は、分離に使用される有機溶剤の選定に影響を
及ぼすことを発見した。その一つの理由は、溶剤が、二本鎖DNAが溶融して2
本の一本鎖または一本および二本鎖DNAの部分溶融複合体を形成する温度に影
響を及ぼすことである。ある種の溶剤は、他の溶剤よりも良く溶融構造を安定化
できる。溶剤が重要である他の理由は、溶剤が移動相と固定相との間のDNAの
分布に影響するためである。アセトニトリルおよび1−プロパノールはこれらの
場合に好ましい溶剤である。最後に、溶剤の毒性(およびコスト)が重要であり
得る。この場合に、メタノールはアセトニトリルよりも好ましく、そして1プロ
パノールはメタノールより好ましい。
【0059】 分離が上記の範囲内の温度で行われる場合に、好ましくは水溶性である有機溶
剤、例えばアルコール、ニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒ
ドロフラン(THF)、エステル、およびエーテルが使用される。水溶性溶剤は
、本発明の操作のすべての条件下で水性系と単一相として存在するものとして定
義される。本発明の方法への使用のために特に好ましい溶剤には、メタノール、
エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、テトラヒドロフラン(TH
F)、およびアセトニトリルが含まれ、ここでアセトニトリルがなかでも最も好
ましい。
【0060】 一般にポリヌクレオチドの混合物、そして特定すれば二本鎖DNAは、マッチ
トイオンポリヌクレオチドクロマトグラフィー(MIPC)を用いて効率的に分
離される。非−変性温度、典型的には約50℃未満でのポリヌクレオチドのMI
PC分離は、塩基対長さに基づく。しかし、溶剤流経路内のいかなる場所での多
価陽イオンの痕跡でも、MIPCカラムの多数回使用後の分離の分離能に著しい
低下を起こすことができる。これは、交換カラムの購入および増加する停止時間
の必要性のために起きる増加コストをもたらし得る。
【0061】 従って、分離媒体および移動相接触部分を含む分離システム構成要素の多価金
属陽イオン汚染を防ぐために、効果的な手段を取ることが好ましい。それらの手
段には、これらの限定はされないが、分離媒体からの多価陽イオンの痕跡量を除
くための洗浄プロトコールおよび移動相貯蔵容器とMIPCカラムとの間に陽イ
オン捕そく樹脂を含むガードカートリッジの設置を含む。多価陽イオンによるシ
ステム汚染を防ぐために採用されるこれらおよび類似の手段は、長いカラム寿命
および短い分析停止期間をもたらす。
【0062】 最近、MIPCは、ホモ二重鎖(homoduplex)からヘテロ二重鎖(heteroduplex)
を分離することによる二本鎖DNA内の変異の検出に適用されて成功し、これは
引用することによって本明細書に編入される同時係属米国出願第09/129,
105号、1998年8月4日付け出願、に記載されている。かかる分離は、完
全に相補的なホモ二重鎖DNAフラグメントと比較して塩基対ミスマッチの部位
におけるヘテロ二重鎖を変性するために必要な低温に依存する。ヘテロ二重鎖を
部分的に変性するために十分な温度で行った場合のMIPCは、本明細書中では
変性マッチトイオンポリヌクレオチドクロマトグラフィー(DMIPC)と呼ば
れる。DMIPCは、典型的には52℃と70℃の間の温度で行われる。DMI
PCを行うために最適な温度は54℃〜59℃である。
【0063】 多価金属陽イオンを除去するために採用された上記の予防措置は、良い分離効
率により示されるように、非変性条件下でカラム寿命を維持するために適当であ
った。しかし、部分的変性温度で行った場合に、効率的なDMIPC分離のため
の条件はさらに厳しくなることを出願人は意外にも発見した。例えば、50℃の
MIPCカラムでの標準pUC18 HaeIII消化物の分離は、消化物内の
すべてのDNAフラグメントの良い分離を与える。しかし、実施例15中の記載
のようにして調製し同じMIPCカラムに加えそしてDMIPC条件、すなわち
56℃で溶離したホモ二重鎖およびヘテロ二重鎖の標準209bpDYS271
変異検出混合物は、混合物成分の不良な分離をもたらす。変異検出のために要求
されるような部分的変性温度でヘテロ二重鎖からホモ二重鎖のカラム寿命最適化
および効率的な分離性能を保持するために、特殊なカラム洗浄および貯蔵手順が
本発明の態様中で使用されこれを以下に記載する。
【0064】 従って、本発明の一つの局面では、多価陽イオン結合剤の水溶液をカラムに流
通して分離効率を維持する。MIPCカラムの分離効率を維持するために、カラ
ムは、好ましくは約500回使用後または性能が低下を始めた場合に多価陽イオ
ン結合剤溶液を用いて洗浄される。適当な陽イオン結合剤の例は、本明細書中で
以上に記載してある。
【0065】 陽イオン結合剤の溶液の濃度は、0.01M〜1Mの間であることができる。
好ましい態様では、カラム洗浄溶液はEDTAを約0.03M〜0.1Mの濃度
で含む。
【0066】 別の態様では、溶液は、アセトニトリル、エタノール、メタノール、2−プロ
パノール、および酢酸エチルより成る群より選ばれる有機溶剤を含む。好ましい
溶液は、微生物増殖を防止するために少なくとも2%の有機溶剤を含む。最も好
ましい態様では、25%アセトニトリルを含む溶液がMIPCカラムを洗浄する
ために使用される。多価陽イオン結合溶液は、上記のような対イオン剤を含むこ
とができる。
【0067】 カラム洗浄手順の一つの態様では、50℃〜80℃の範囲内の高い温度にある
多価陽イオン結合溶液を用いてMIPC分離カラムを洗浄する。好ましい態様で
は、70℃〜80℃の温度範囲内で、EDTA、TEAA、およびアセトニトリ
ルを含む溶液を用いてカラムを洗浄する。特別な態様では、溶液は、0.032
M EDTA、0.1M TEAA、および25%アセトニトリルを含む。
【0068】 カラム洗浄は、30秒間から1時間の範囲で行う。例えば、高速大量処理量(h
igh throughput) DMIPCアッセイにおいて、カラムはそれぞれの試料の後に
30秒間洗浄し、次いで移動相を用いて平衡化することができる。DMIPCは
計算機により自動化できるので、カラム洗浄手順は、追加の運転者の関与がなく
ても移動相選択プログラム中に組み込むことができる。好ましい態様では、カラ
ムは、多価陽イオン結合剤を用いて30〜60分間、好ましくは約0.05〜1
.0mL/分の範囲内の流量で洗浄される。
【0069】 一つの態様では、DMIPCカラムは、ホモ二重鎖およびヘテロ二重鎖の標準
変異検出混合物を用いて、約1000回の試料分液の後に試験される。標準混合
物の分離が新しい洗浄カラムと比較して低下した場合には、カラムを30〜60
分間、多価陽イオン結合溶液を用い、約50℃以上の温度で洗浄して分離効率を
回復する。
【0070】 出願人は、カラムを洗浄するための他の処理も、単独または上記のものと組み
合わせて使用できることも見出した。これらには、高pH洗浄溶液(例えばpH
10〜12)の使用、変性剤、例えば尿素またはホルムアミドの使用、および洗
浄溶液を用いるカラムの逆洗浄が含まれる。
【0071】 別の局面では、多価陽イオン結合剤の溶液をその中に含むカラム内のカラム分
離媒体を貯蔵することにより、カラム分離効率を保存できることを出願人は発見
した。結合剤の溶液は、対イオン剤も含んでよい。以上に記載したあらゆる多価
陽イオン結合剤、対イオン剤、および溶剤が、MIPCカラムを貯蔵する目的に
適する。好ましい態様では、MIPC分離媒体を充填したカラムが、多価陽イオ
ン結合剤および対イオン剤を含む有機溶液中に貯蔵される。この好ましい態様の
例は、25%アセトニトリル水溶液中の0.032M EDTAおよび0.1M
TEAAである。貯蔵のための調製に際して、上記のような多価陽イオン結合
剤の溶液を約30分間カラムを通過させる。次いでカラムをHPLC装置から外
しそして多価陽イオンを放出しない材料で作製された市販で入手できるネジ付末
端キャップを用いてカラム末端を閉止する。このような末端キャップは、被覆さ
れたステンレス鋼、チタン、有機ポリマーまたはこれらのいずれかの組合せより
作製できる。
【0072】 多価陽イオン結合剤を用いるMIPCカラムの洗浄がDMIPC条件下におけ
る変異検出プロトコールにおいてヘテロ二重鎖およびホモ二重鎖を分離するため
のカラムの能力を回復するという、出願人によりなされた驚くべき発見の有効性
は、実施例14に記載されそして図18、19、および20に示される。実施例
14に記載のように、変異検出におけるMIPCカラムの使用の間にホモ二重鎖
およびヘテロ二重鎖の分離能に低下を出願人は認めた。しかし、pUC18 H
aeIII消化物を含むDNA標準(Sigma/Aldrich Chemical Co.) を50℃で
加えると、認められるほどの分離能低下は観察されなかった(記載せず)。カラ
ム性能をさらに試験するために、209bpDNA標準中のホモ二重鎖およびヘ
テロ二重鎖の混合物を56℃のDMIPC条件下でカラムに加えた(Kuklin et a
l., Genetic Testing 1:201(1998))。変異検出標準のホモ二重鎖およびヘテロ二
重鎖を示すピークは、分離が不良であったことが意外にも発見された(図18)
【0073】 図19は、陽イオン捕そく樹脂を含むガードカートリッジを溶剤貯槽とMIP
C系との間に設置した場合の標準変異検出混合物のホモ二重鎖およびヘテロ二重
鎖の分離におけるいくらかの改善を示す。図19に示すクロマトグラフィーは、
56℃で行った。図19に使用したカラムは、図18に示す分離および標準pU
C18HaeIII消化物を分離するために使用したものと同じカラムであった
【0074】 図20は、図18および19中のクロマトグラムを得るために使用したと同じ
カラム上での56℃の標準変異検出混合物のホモ二重鎖およびヘテロ二重鎖の分
離を示す。しかし、図20中で、試料添加の前に75℃で25%アセトニトリル
中の32mM EDTAおよび0.1M TEAAを含んでなる溶液を用いて4
5分間カラムを洗浄した。図20は、標準209bp変異検出混合物の2個のホ
モ二重鎖および2個のヘテロ二重鎖を表す4個の明瞭に分離されたピークを示す
。図18および19のクロマトグラムと比較したDMIPC条件下でのMIPC
カラムの、陽イオン結合剤を含む溶液を用いる洗浄後のこの分離能力の回復は、
本発明の有効性および有用性を明確に示す。
【0075】 本発明の重要な局面では、出願人はDMIPC分離媒体の性能を評価するため
の標準基準を開発した。本明細書中で使用されるDMIPCとは、カラム中の非
極性分離媒体(例えばビーズまたは棒)を用いるヘテロ二重鎖とホモ二重鎖との
分離のプロセスとして定義され、ここで、プロセスは対イオン剤、および媒体か
ら拡散を脱着するための有機溶剤を使用し、そしてここで媒体は少なくとも0.
1の変異分離係数(MSF)を有することを特徴とする。一つの態様では、媒体
は少なくとも0.2の変異分離係数を有する。好ましい態様では、媒体は少なく
とも0.5の変異分離係数を有する。最適な態様では、媒体は少なくとも1.0
の変異分離係数を有する。
【0076】 カラムの性能は、ヘテロ二重鎖とホモ二重鎖とのDMIPCによりる高効率分
離により示される。出願人は、測定性能の最善の基準は、実施例13に記載の変
異分離係数であることを見出した。これは分離されたヘテロ二重鎖およびホモ二
重鎖ピークの面積の間の差として測定される。補正因子をピークの下に生成した
面積に適用してもよい。下記の局面は、ピークの算出された面積およびその再現
性に影響を及ぼすであろう:設定した基線、ピークの正規化、不適当な温度制御
、不適当な溶離条件、検出装置の不安定、流量の不安定、不適当なPCR条件、
および標準および試料の劣化。これらの局面の一部は、引用することにより本明
細書中に編入されるスナイダーら「最新液体クロマトグラフィー序論、第二版」
(Snyder et al., Introduction to Modern Liquid Chromatography, 2nd Ed., J
ohn Wiley and Sons, 542-574 ページ(1974)) に考察されている。
【0077】 変異分離係数(MSF)は、次式で決定される。
【0078】 MSF=(ピーク2の面積−ピーク1の面積)/ピーク1の面積 ここで、ピーク1の面積は野生型のDMIPC分析後に測定したピークの面積で
あり、そしてピーク2の面積は推定された変異を含むハイブリダイズした混合物
のDMIPC分析後に測定したピークまたは多数のピークの全面積であり、上記
の補正因子を考慮に入れ、そしてここでピーク高さは野生型ピーク高さに関して
正規化する。分離粒子をHPLCカラム中に充填し、そして野生型100bpラ
ムダDNAフラグメントを含む標準ハイブリダイズ混合物と位置15にAからC
への変異を含む相当する100bpフラグメントとを分離するためのこれらの能
力を試験する。
【0079】 ボンへの米国特許(US)第5,585,236号およびグジェルドへの米国
特許(US)第5,772,889号中に記載のシステム内で、移動相をポンプ
輸送するために高圧ポンプを使用した。分離媒体を通って移動相を駆動するため
の他の方法も公知でありそして本発明中に記載のポリヌクレオチドの分離を行う
ことに使用できることが認められる。かかる代替法の限定ではない例は「毛管エ
レクトロクロマトグラフィー」(CEC)を含み、その中ではミクロ粒子を充填
した毛管カラムにわたって電場を負荷しそして得られた電気浸透流動がクロマト
グラフィーのポンプとして作用する。電気浸透は、接線方向に負荷された電場の
影響下で固体表面と接触する液体の流動である。この技術は、毛管電気泳動分離
、例えば毛管ゾーン電気泳動で得られる高効率の利益、およびHPLCの一般的
適用可能性を組み合わせている。CECは、電気浸透流動を用いる場合には、ク
ロマトグラフィー粒子、殊には小粒子を充填したカラムを通る移動相を駆動する
能力を有する。プラグ様流動プロフィールの結果として高効率を得ることができ
る。本発明でCECを用いる場合には、溶剤勾配が使用されそして高電場を用い
て迅速な分離を得ることができる。CECを記載した下記の文献は、その全体を
本明細書中にそれぞれ編入する:ダヅ−ら(Dadoo, et al., LC-GC 15:630(1997)
);ジョルゲンソンら(Jorgenson, et al., J. Chromatog. 218:209(1981)); プレ
トリウスら(Pretorius, et al., J. Chromatog. 99:23(1974)); および下記のダ
ヅ−らへの米国特許(US)第5,378,334号(1995)、第5,34
2,492号(1994)、および第5,310,463号(1994)。本発
明のこの局面の操作において、毛管は、界面動電的またはポンプ使用のいずれか
により、本明細書中に記載の分離ビーズを用いて充填される。別の態様では、ポ
リマー棒を毛管カラムの内部にバルク遊離基重合により調製する。毛管は、好ま
しくは溶融シリカ管またはブロック内を腐食して形成される。充填した毛管(例
えば内径150μm、充填長さ20cmおよび出口フリットの直前に位置するウ
インドウ)を入り口および出口末端にフリットを用いて取り付ける。電場、例え
ば2800V/cmを負荷する。検出は、紫外線吸光度または蛍光によることが
できる。有機溶剤、例えばアセトニトリルの勾配を、対イオン剤を含む移動相(
例えば0.1M TEAA)ナイトロジェンマスタードに加えてポリヌクレオチ
ドを溶離する。カラム温度は、慣用の温度制御手段により維持される。好ましい
態様では、以上に記載した痕跡量の金属汚染物を最少化するためのすべての予防
措置をCECを用いる場合に採用する。
【0080】 関連する方法では、ポリヌクレオチドの混合物を薄層クロマトグラフィー(T
LC)プレート上で分離する。この方法では、本発明のビーズをバインダーと混
合しそして慣用の方法によりTLCプレートに結合する(Remington: The Scien
ce and Practice of Pharmacy, 19th. Edition, Gennaro ed., Mack Publishing
Co.(1995) pp552-554) 。検出を助けるために、場合により蛍光体を混合物中に
含ませる。試料をプレート上に滴下し、そして試料を毛管流でイソクラティック
(isocratic) で流す。好ましい態様では、試料を高速TLC(HSTLC)と呼
ばれる方法で電気浸透流動で流す。HSTLCの場合に、プレートを最初に溶剤
(例えば対イオン剤の存在下でのアセトニトリル溶液)で湿潤させそして電場(
例えば2000V/cm)を負荷する。プレートの頂部に蓄積する溶剤を吸引し
て除去する。塩基対長さの選択された範囲のdsDNAが、実施例6に記載のよ
うな本発明のビーズを用いるMIPCによるイソクラティック流で分離されるこ
とを出願人は意外にも発見した。MIPCを用いて決定されるDNA塩基対長さ
の選択された範囲を分離するためのイソクラティック溶剤条件は、TLCおよび
HSTLC法中に使用される。
【0081】 出願人は、二本鎖DNAフラグメントのクロマトグラフィー分離が独特の収着
エンタルピー(ΔHsorp)を示すことを決定した。2種の化合物(この場合には
異なる大きさのDNAフラグメント)は、それらが異なる分配係数(K)を有す
る場合にのみ分離できる。ネルンストの分配係数は、固定層中の分析物の濃度(
A)を移動層内のその濃度で割ったものとして定義される。
【0082】 K = 〔A〕s /〔A〕m 分配係数(K)および保持係数(k)は、次式 K = n(A)sm /n(A)ms および k = n(A)s /n(A)m で関連付けられる。商Vm /Vs は、相体積比(Φ)とも呼ばれる。従って: k = KΦ である。
【0083】 収着エンタルピーを算出するために下記の基本的熱力学等式が必要である。
【0084】 ln K = −ΔGsorp/RT、 ln k =(−ΔGsorp/RT)+lnΦ および ΔGsorp = ΔHsorp−TΔSsorp 最後の2式を変換して、ファントホッフ式 ln k = −ΔHsorp/RT + ΔSsorp/R +lnΦ が得られる。
【0085】 ln k対1/Tのプロットから、収着エンタルピーΔHsorpを図の傾斜から
得ることができる(直線が得られた場合)。ΔSsorpは、相体積比(Φ)が既知
である場合に算出できる。
【0086】 溶剤としてアセトニトリルを用いた場合に収着エンタルピーΔHsorpは正であ
り(ΔHsorp>0)、分離が吸熱性であることを示し(図3および4)、そして
溶剤としてメタノールを用いた場合には収着エンタルピーΔHsorpは負であり(
ΔHsorp<0)、分離が発熱性であることを示す(図5)。
【0087】 熱力学データ(下記の実施例中に記載)は、本発明のビーズおよび溶離溶剤の
ためのDNA−対イオン剤複合体の相対親和性を反映する。吸熱性プロットはD
NA複合体のビーズへの優先選択を示す。発熱性プロットは、DNA複合体のビ
ーズに対する溶剤への優先選択を示す。本明細書中に示すプロットは、実施例に
記載のようなアルキル化および非アルキル化表面のためのものである。大部分の
液体クロマトグラフィー分離は発熱性プロットを示す。
【0088】 本発明の他の特徴は、例示的態様の下記の記述の間に明らかとなり、これらは
本発明の説明のために記載されそしてこれを制限することを意図しない。
【0089】 下記の実施例中の過去時制で記載した手順は、実験室内で行われた。現在時制
で記載の手順は、実験室内ではまだ行われておらず、そして本出願の出願を実施
するために構成的に調整される。
【0090】 実施例1 非多孔性ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)粒子の調製 塩化ナトリウム(0.236g)を体積1.0リットルを有する反応器内で脱
イオン水354mLに加えた。反応器は、機械式攪拌機、還流凝縮器、および気
体導入管を備えていた。塩化ナトリウムの溶解は、不活性雰囲気中(アルゴン)
、攪拌(350rpm)で援助し、そして高い温度(87℃)で行った。次いで
、新しく蒸留したスチレン(33.7g)および脱イオン水50mLに溶かした
ペルオキソ二硫酸カリウム(K228 )0.2184gを加えた。これらの
添加の直後に気体導入管を溶液から引き出しそして液面の上に位置させた。次い
で反応混合物を6.5時間、87℃で攪拌した。その後、反応器の内容物を室温
に冷却しそしてこの第一工程から得た懸濁液の体積1000mL中に重合したス
チレン54.6gの濃度となるような体積まで希釈した。1000mL中の重合
したスチレンの量は、機械式攪拌機にまだ付着しているポリマーの量(約5〜1
0g)も含めて算出した。懸濁液内の球状ビーズの直径は光学顕微鏡で決定し、
約1.0ミクロンであった。
【0091】 第一工程から得たビーズは、クロマトグラフィー充填物としての使用にはまだ
一般的に小さ過ぎそして軟らか過ぎる(低圧安定性)。これらのビーズの軟らか
さは、不十分な架橋度により起きるものである。第二工程で、ビーズを大型化し
そして架橋度を上昇させる。
【0092】 第二工程のためのプロトコールは、ウゲルスタドら(Ugelstad et al., Adv. C
olloid Interface Sci., 13:101-140(1980))により記載された活性化膨潤法に基
づいていた。活性化膨潤、すなわち第二合成工程を開始するために、第一工程か
らのポリスチレン種の水懸濁液(200ml)を先ずアセトン60mLと混合し
、次いで1−クロロドデカンエマルション60mLと混合した。エマルションを
調製するために、ドデシル硫酸ナトリウム0.206g、脱イオン水49.5m
L、および1−クロロドデカン10.5mLを一緒にしそして得られた混合物を
0℃で4時間保持しそしてその間、0.3ミクロン未満の微細エマルションが得
られるまで全期間で音波処理した。ポリスチレン種、アセトン、および1−クロ
ロドデカンエマルションの混合物を約12時間、室温で攪拌しその間にビーズの
膨潤が起きた。続いて、80℃で30分間の蒸留によりアセトンを除去した。
【0093】 アセトン除去の後、膨潤したビーズを開始剤としてジベンゾイルペルオキシド
2.5gも含むエチリデンジビニルベンゼンとジビニルベンゼン(DVB)の混
合物(1:1.71)310gの添加によりさらに成長させた。成長は攪拌しな
がら行いそして時に光顕微鏡測定により粒径測定を行った。
【0094】 膨潤および成長工程が完了した後、反応混合物を分液漏斗に移した。攪拌を行
わない溶液中で、モノマーの過剰量がポリマー状ビーズの懸濁物を含む層から分
離しそしてこれにより容易に除去できた。残ったビーズの懸濁液を反応器に戻し
そして温度の段階的上昇を行い(63℃を約7時間、73℃を約2時間、そして
83℃を約12時間)、重合度のさらなる上昇(>500)に導いた。この方法
で調製したビーズの細孔径は、水銀多孔度計測の検出限界(<30オングストロ
ーム)以下であった。
【0095】 乾燥の後、第2工程からの乾燥ビーズ(10g)をn−ヘプタン100mLを
用いて4回、次いで下記それぞれを用いて2回洗浄した:ジエチルエーテル10
0mL、ジオキサン100mL、およびメタノール100mL。最後にビーズを
乾燥した。
【0096】 実施例2 酸洗浄処理 実施例1で調製したビーズをテトラヒドロフランを用いて3回そしてメタノー
ルを用いて2回洗浄した。最後に、テトラヒドロフラン100mLおよび濃塩化
水素酸100mLを含む混合物中でビーズを12時間攪拌した。この酸処理の後
、ポリマービーズをテトラヒドロフラン/水混合物を用いて、中性(pH=7)
となるまで洗浄した。次いでビーズを40℃で12時間乾燥した。
【0097】 実施例3 分離媒体の性能を試験するための標準手順 分離粒子をHPLCカラム中に充填しそして標準DNA混合物を分離するため
のそれらの能力を試験する。標準混合物は、それぞれ11、18、80、102
、174、257、267、298、434、458、および587塩基対を有
する11フラグメントを含むpUC18DNA−HaeIII消化物(Sigma-Ald
rich, D6293)である。この標準を水を用いて薄め、そして0.25μgの全DN
A重量を含む5μLを注入する。
【0098】 充填体積および充填極性に応じて、手順では駆動溶剤濃度、pH、および温度
の選定を要する。分離条件は、257、267ピークの保持時間が約6〜10分
間となるように調整する。下記溶剤のいずれでも使用できる:メタノール、エタ
ノール、2−プロパノール、1−プロパノール、テトラヒドロフラン(THF)
、またはアセトニトリル。対イオン剤は、酢酸トリアルキルアミン、炭酸トリア
ルキルアミン、リン酸トリアルキルアミン、またはポリヌクレオチド陰イオンと
マッチトイオンを形成できるその他のいずれか他の形の陽イオンより選ばれる。
【0099】 この手順の例として、図2は、オクタデシル変性、非多孔性ポリ(エチルビニ
ルベンゼン−ジビニルベンゼン)ビーズを用いる標準DNA混合物の高分離能を
示す。分離は、下記の条件下で行った:溶離剤A:0.1M TEAA、pH7
.0;溶離剤B:0.1M TEAA、25%アセトニトリル;勾配: 時間(分) %A %B 0.0 65 35 3.0 45 55 10.0 35 65 13.0 35 65 14.0 0 100 15.5 0 100 16.5 65 35 流量0.75mL/分、検出紫外線260nm、カラム温度50℃であった。
pHは7.0であった。
【0100】 図2と同様の分離条件を用いるこの操作の他の例として、図3は、非誘導体化
ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)の非多孔性2.1ミクロンビーズを含むカ
ラム上の標準DNA混合物の高分解能分離である。
【0101】 実施例4 収着エンタルピー測定 4種のフラグメント(174bp、257bp、267bp、および298b
p、pUC18DNA−HaeIII消化物5μL、0.04μgDNA/μL
中で検出)をイソクラティック条件下、種々の温度で、オクタデシル修飾、非多
孔性ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ポリマービーズを用いて分離した。分
離は、DNASepTMカラムを備えたトランスジェニック(Transgenomic)WAV
TMDNAフラグメント分析システム(Transgenomic, Inc., San Jose, CA)を下
記の条件下で用いて行った:移動相:0.1M酢酸トリエチルアンモミウム、1
4.25%(v/v)アセトニトリルを0.75mL/分、検出は250nmU
V、温度はそれぞれ35、40、45、50、55、および60℃。1/Tに対
するln kのプロットは、保持係数kが温度上昇と共に増加することを示す(
図4)。これは、保持機構が吸熱過程(ΔHsorp>0)であることを示す。
【0102】 非アルキル化ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ビーズに関する同様の実験
は、1/Tに対するln kのプロットにおいて、プロットが僅かに曲がってい
るけれども、負の傾斜を与えた(図5)。
【0103】 オクタデシル修飾非多孔性ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ビーズ上で、
しかし溶剤としてアセトニトリルをメタノールに替えて行った同様の実験では、
保持係数kは温度の上昇と共に低下することを示す1/Tに対するkのプロット
を与えた(図6)。これは、保持機構が発熱過程(ΔHsorp<0)に基づくこと
を示す。
【0104】 実施例5 アルキル化ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ビーズを用いる分離 移動相成分は、移動相内の溶離溶剤の脱着能力が、DNA−対イオン複合体へ
のビーズの誘引性とマッチするように選択する。ビーズの極性が低下すると、溶
剤のさらに強い(さらに有機性)またはさらに高い濃度が要求される。さらに弱
い有機溶剤、例えばメタノールは、さらに強い溶剤、例えばアセトニトリルより
も高い濃度を一般に必要とする。
【0105】 図7は、オクタデシル修飾、非多孔性ポリ(エチルビニルベンゼン−ジビニル
ベンゼン)ビーズを用いるDNA制限フラグメントの高分離能分離を示す。この
実験は下記の条件下で行った:カラム50x4.6mm内径;移動相0.1M TEAA、pH7.2;勾配:33〜55%アセトニトリルで3分間;55〜6
6%アセトニトリルで7分間;65%アセトニトリルで2.5分間;65〜10
0%アセトニトリルで1分間;そして100〜35%アセトニトリルで1.5分
間。流量は0.75mL/分、検出UV260nm、およびカラム温度51℃で
あった。試料は5μL(=pUC18DNA−HaeIII消化物0.2μg)
であった。
【0106】 アセトニトリルを0.1M(TEAA)中の50.0%メタノールで置換して
図7の手順を繰り返すと、図8に示す分離を与えた。
【0107】 アセトニトリルを0.1M(TEAA)中の25.0%メタノールで置換して
図7の手順を繰り返すと、図9に示す分離を与えた。
【0108】 アセトニトリルを0.1M(TEAA)中の25%ウォツカ(Stolichinaya、
100プルーフ)で置換して図7の手順を繰り返すと、図10に示す分離を与え
た。
【0109】 図11の分離は、オクタデシル修飾、非多孔性ポリ(エチルビニルベンゼン−
ジビニルベンゼン)ビーズを用いて下記で得られた:カラム50x4.6mm内
径;移動相0.1Mテトラエチル酢酸(TEAA)、pH7.3;勾配:12〜
18%0.1M TEAAおよび25.0%1−プロパノール(溶離剤B)で3
分間;18〜22%Bで7分間、22%Bで2.5分間;22〜100%Bで1
分間;そして100〜12%Bで1.5分間。流量は0.75mL/分、検出U
V260nm、およびカラム温度51℃であった。試料は5μL(=pUC18
DNA−HaeIII消化物0.2μg)であった。
【0110】 図12の分離は、オクタデシル修飾、非多孔性ポリ(エチルビニルベンゼン−
ジビニルベンゼン)ビーズを用いて下記で得られた:カラム50x4.6mm内
径;移動相0.1M TEAA、pH7.3;勾配:15〜18%0.1M T
EAAおよび25.0%1−プロパノール(溶離剤B)で2分間;18〜21%
Bで8分間、21%Bで2.5分間;21〜100%Bで1分間;そして100
〜15%Bで1.5分間。流量は0.75mL/分、検出UV260nm、およ
びカラム温度51℃であった。試料は5μL(=pUC18DNA−HaeII
I消化物0.2μg)であった。
【0111】 図13の分離は、オクタデシル修飾、非多孔性ポリ(エチルビニルベンゼン−
ジビニルベンゼン)ビーズを用いて下記で得られた:カラム50x4.6mm内
径;移動相0.1M TEAA、pH7.3;勾配:35〜55%0.1M T
EAAおよび10.0%2−プロパノール(溶離剤B)で3分間;55〜65%
Bで10分間、65%Bで2.5分間;65〜100%Bで1分間;そして10
0〜35%Bで1.5分間。流量は0.75mL/分、検出UV260nm、お
よびカラム温度51℃であった。試料は5μL(=pUC18DNA−HaeI
II消化物0.2μg)であった。
【0112】 図14の分離は、オクタデシル修飾、非多孔性ポリ(エチルビニルベンゼン−
ジビニルベンゼン)ビーズを用いて下記で得られた:カラム50x4.6mm内
径;移動相0.1M TEA2 HPO4 、pH7.3;勾配:35〜55%0.
1M TEA2 HPO4 および10.0%2−プロパノール(溶離剤B)で3分
間;55〜65%Bで7分間、65%Bで2.5分間;65〜100%Bで1分
間;そして100〜65%Bで1.5分間。流量は0.75mL/分、検出UV
260nm、およびカラム温度51℃であった。試料は5μL(=pUC18D
NA−HaeIII消化物0.2μg)であった。
【0113】 図15の分離は、オクタデシル変性、非多孔性ポリ(エチルビニルベンゼン−
ジビニルベンゼン)ビーズを用いて下記の条件下で行った:カラム50x4.6
mm内径;移動相0.1M TEAA、pH7.3;勾配:6〜9%0.1M TEAAおよび25.0%THF(溶離剤B)で3分間;9〜11%Bで7分間
、11%Bで2.5分間;11〜100%Bで1分間;および100〜6%Bで
1.5分間。流量は0.75mL/分、検出UV260nm、カラム温度51℃
であった。試料は5μL(=pUC18DNA−HaeIII消化物0.2μg
)であった。
【0114】 実施例6 dsDNAのイソクラティック/勾配分離 以下は、非多孔性ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ビーズを用いるdsD
NAのイソクラティック/勾配分離である。イソクラティック分離は、ビーズに
対するDNA/アルキルアンモニウムイオン対内の選択性の大きい差のためにD
NA分離においては行われない。しかし勾配およびイソクラティック溶離条件の
組合せを用いることによって、系の分離能力はDNAの特定の大きさの範囲に対
して増加できる。例えば、250〜300塩基対の範囲は、50x4.6mm架
橋ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)カラム、2.1ミクロンにおいて、0.
1M TEAA、および14.25%アセトニトリル、0.75mL/分の移動
相を40℃で用いて標的できる。pUC18DNA−HaeIII消化物(0.
2μg)の5μLをイソクラティック条件下で注入し、そして溶離される257
、267および298塩基対DNAが図16に示すように完全に分離された。次
いでカラムを0.1M TEAA/25アセトニトリルを用いて9分間で大きい
フラグメントから洗浄した。他の実施例では、始めのイソクラティック工程(カ
ラムを条件調整するため)、次いで勾配工程(特定の大きさのDNAの第一群を
除去または標的するため)、次いでイソクラティック工程(異なる大きさ範囲の
標的物質を分離するため)そして最後に勾配工程でカラムを洗浄してもよい。
【0115】 実施例7 ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ポリマービーズの表面上の残留二重結合の
臭素化 ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ポリマービーズ50.0gをテトラクロ
ロメタン500g中に懸濁した。懸濁液を1000mLガラス反応器(還流凝縮
器、分液漏斗および頂部攪拌機を装備)内に移した。混合物を20℃に保持する
。臭素(100mL)を20分間で加えた。添加が完了した後、攪拌を60分間
続ける。温度を50℃に上げて反応を完了させた(2時間)。
【0116】 ポリマービーズをテトラクロロメタンおよび過剰の臭素から遠心分離の手段に
より分離しそしてテトラヒドロフラン(100mLを用いて1回)およびメタノ
ール(100mLを用いて2回)を用いて洗浄した。次いでポリマービーズを4
0℃で乾燥した。
【0117】 ポリマービーズを50x4.6mm内径のカラム内に充填しそして実施例3の
方法により試験してDNA分離係数は0.05より大きい。
【0118】 実施例8 ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ポリマービーズのニトロ化 1000mLガラス反応器内で濃硝酸(65%)150mLを濃硫酸100m
Lと混合した。酸混合物を0〜4℃に冷却した。温度が<4℃に低下すると、ポ
リ(スチレン−ジビニルベンゼン)ポリマービーズ50gを攪拌を続けながらゆ
っくりと加えた。添加が終了した後に、硝酸(65%)50mLを加えた。温度
を5〜10に保持して懸濁液を3時間攪拌した。
【0119】 次の日に、氷を懸濁液に加えて反応を急停止した。ポリマービーズを遠心分離
の手段より酸から分離した。ポリマービーズを水を用いて中性となるまで洗浄し
、次いでテトラヒドロフラン(100mLを用いて四回)およびメタノール(1
00mLを用いて四回)の洗浄工程を行った。ポリマービーズを40℃で乾燥し
た。
【0120】 ポリマービーズを50x4.6mm内径のカラム内に充填しそして実施例3の
方法により試験するとDNA分離係数は0.05より大きい。
【0121】 実施例9 非極性有機ポリマーモノリスクロマトグラフィーカラムの調製 モノリスポリマー分離媒体がその中で調製されるクロマトグラフィー管は、ス
テンレス鋼製である。モノマーのスチレン(Sigma-Aldrich Chemical Corp.)およ
びジビニルベンゼン(Dow Chemical Corp.)を硫酸マグネシウム上で乾燥しそして
減圧下で蒸留する。
【0122】 アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1重量%(モノマーに対して)を含
む蒸留スチレンとジビニルベンゼンの体積比1:1混合物の溶液にドデシルアル
コールとトルエンの溶液(70:30)のポロジェン(porogenic) 溶剤の溶液の
8倍量体積に加える。このように調製した溶液に窒素を15分間バブリングしそ
して底末端でゴム製のナットプラグを用いてシールしたクロマトグラフィー管(
内径50x8mm)を充填するために使用する。次いで管を頂部末端でゴム製の
ナットプラグを用いてシールしそして内容物を70℃で24時間重合させる。
【0123】 重合に続いて、ゴム製プラグをカラム末端取り付け器具と交換しそしてカラム
をHPLC系に接続する。HPLC装置は低圧混合四次(quaternary)勾配能力を
有する。イミノジアセテート多価陽イオン捕そく樹脂を含むカートリッジまたは
ガードカラムをカラムと移動相供給容器との間の配管内にに配置する。次いで、
カラムを1mL/分でテトラヒドロフラン(THF)100mLを流してカラム
を洗浄してドデシルアルコールおよびトルエンを除去し、これによりさもなけれ
ば充実しているポリマーモノリス内に貫通孔を作る。
【0124】 本実施例では、316ステンレス鋼である管本体以外はすべての流路はチタン
、サファイア、セラミック、またはPEEKのいずれかである。316ステンレ
ス鋼管の内部は、使用の前に希硝酸を用いて不動態化される。
【0125】 実施例10 多価金属陽イオン汚染物を除去するための酸洗浄 非極性有機ポリマーモノリスカラムを流量2mL/分で10分間、カラムを通
してテトラヒドロフランを流し、次い流量2mL/分で10分間、カラムを通し
てメタノールを流して洗浄する。非極性有機ポリマーモノリスカラムをさらにテ
トラヒドロフラン100mLと濃塩化水素酸100mLを含む混合物を10mL
/分で20分間、カラムを通して流してさらに洗浄する。この酸処理の後、非極
性有機ポリマーモノリスカラムをテトラヒドロフラン/水(1:1)を2mL/
分で中性(pH7)となるまでカラムを通して流して洗浄する。
【0126】 実施例11 非極性有機ポリマーモノリスカラムの表面上の残留二重結合の臭素化 実施例9で調製したモノリスカラムの表面上に残留するあらゆる二重結合を実
施例7記載のようにして臭素と反応させる。
【0127】 実施例12 非極性有機ポリマーモノリスカラムのニトロ化 実施例9で調製した非極性有機ポリマーモノリスカラムを実施例8記載のよう
にしてニトロ化する。
【0128】 実施例13 変異分離因子の決定 変異分離因子(MSF)は、次式で決定される。
【0129】 MSF=(ピーク2の面積−ピーク1の面積)/ピーク1の面積 ここで、ピーク1の面積は、野生型のDMIPC分析後に測定したピークの面積
であり、そしてピーク2の面積は、推定された変異を含むハイブリダイズした混
合物のDMIPC分析後に測定したピークまたは多数のピークの全面積であり、
ここで上記の補正因子を考慮に入れ、そしてここでピーク高さは野生型ピーク高
さに関して正規化する。分離粒子をHPLCカラム内に充填し、そして野生型1
00bpラムダDNAフラグメントを含む標準ハイブリダイズ混合物と位置51
のAからCへの変異を含む相当する100bpフラグメントとを分離するための
これらの能力を試験する。
【0130】 充填体積および充填極性に依存して、この操作は、駆動溶剤濃度、pH、およ
び温度の選定を要する。下記溶剤のいずれも使用できる:アセトニトリル、テト
ラヒドロフラン、メタノール、エタノール、またはプロパノール。下記の対イオ
ン剤のいずれも使用できる:酢酸トリアルキルアミン、炭酸トリアルキルアミン
、およびリン酸トリアルキルアミン。
【0131】 変異分離因子の決定の例である図22は、ハイブリダイズしたDNA混合物の
分離の分離度を示す。
【0132】 それぞれのプライマーで使用したPCR条件を下記の表に記載する。すべての
成分は、良好な混合を確保するために一緒にして渦攪拌し、そして遠心分離する
。次いでアリコートを下記の表に記載のようにしてPCR管内に分布させる。
【0133】 成分 体積 Pfu 10X緩衝液(カタログ番号 5μL 600153-82 、Stratagene, Inc. La Jolla, CA) 100μM dNTP混合物 4μL プライマー1(正方向) 7.5μL プライマー2(逆方向) 8.5μL H2 O 19.5μL ラムダDNA鋳型 5μL PFUTurboTM 0.5μL (600250 、Stratagene) PCR管をサーモサイクラー(thermocycler, PTC-100プログラム可能コントロ
ーラー、MJ Research, Inc., Watertown, Massより) 内に配置しそして温度サイ
クリングプログラムを開始した。サイクリングプログラムパラメーターを以下に
示す。
【0134】 工程 温度 時間 1 94℃ 2分間 2 94℃ 1分間 3 58℃ 1分間 4 72℃ 1分間 5 工程2へ、34回 6 72℃ 10分間 7 終了 変異検出分離に使用したDMIPC条件を以下に示す。
【0135】 溶離剤A:0.1M TEAA;溶離剤B:0.1M TEAA、25%アセ
トニトリル;流量:0.90mL/分;勾配 時間(分) %A %B 0.0 50.0 50.0 0.1 45.0 55.0 4.6 36.0 64.0 4.7 0.0 100.0 5.2 0.0 100.0 5.3 50.0 50.0 7.8 50.0 50.0 ラムダ配列は、オコナーら(O'Conner et al, Biophys. J. 74:285(1998))およ
びガーナーら(Garner et al., Mutation Detection 97 4th International Work
shop, Human Genome Organization, May 29-June 2, 1997, Brno, Czech Republ
ic, Poster no.29において) により公開された。100bpラムダフラグメント
配列(塩基位置32011−32110)を標準として使用した(FMC Corp. Bi
o Products, Rockland, Maine から入手可能) 。変異は位置32061にあった
。下記の表は、使用したプライマーを表示する。
【0136】 プライマー 正方向プライマー: 5’−GGATAATGTCCGGTGTCATG−3’ 逆方向プライマー: 3’−GGACACAGTCAAGACTGCTA−5’ 図21は、上記の条件で分析した野生型鎖のクロマトグラムである。現れたピ
ークは、保持時間4.78分および面積98621を有する。
【0137】 図22は、上記の図21と同様の条件で分析したラムダ変異である。2個のピ
ークがこのクロマトグラムに現れ、保持時間4.32および4.68分および全
面積151246を有する。
【0138】 変異分離因子は、これらの種々のピーク面積を上記のMSF式に適用して算出
される。従って、上記の定義、MSF=(ピーク2の面積−ピーク1の面積)/
ピーク1の面積 を用いて、MSFは(151246−98621)/9862
1、すなわち0.533である。
【0139】 実施例14 DMIPCによる試料分離能に対する多価陽イオン脱汚染処置の効果 図18に示す分離は、下記の条件下でWAVETMDNAフラグメント分析系(T
ransgenomic. Inc., San Jose, CA)を用いて得られた:カラム:内径50x4.
6mm、アルキル化ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ビーズ(DNASep TM, Tr
ansgenomic, Inc.) を含む:移動相0.1M TEAA(1M濃縮物がTransgen
omic, Inc.から入手可能)(溶離剤A)、pH7.3;勾配:50−53%0.
1M TEAAおよび25.0%アセトニトリル(溶離剤B)で5分間、53−
60%Bで7分間;60−100%Bで1.5分間;100−50%Bで1分間
;50%Bで2分間。流量は0.9mL/分、UV検出は254nm、そしてカ
ラム温度は56℃であった。試料は2μLであった(=0.2μgDNA、DY
S271 209bp変異標準、位置168にAからGへの変異を有する)。
【0140】 図19は、図18と同様に行った分離であるが、しかしガードカートリッジ(
20x4.0mm、キレーティングカートリッジ、部品番号530012、Transgenom
ic, Inc.) 交換およびポンプバルブフィルター(部品番号638-1423、Transgenom
ic, Inc.) 交換後である。ガードカートリッジは寸法10x3.2mmを有し、
2.5mequiv/容量および粒径10μmのイミノジアセテートキレート樹
脂を含み、そして注入弁の直前に位置させた。
【0141】 図20は、図19と同様に行った同じ分離であるが、しかし0.1M TEA
A、25%アセトニトリル、および32mM EDTAを用いて75℃で45分
間カラムをフラッシングした後である。
【0142】 実施例15 変異および野生型DNAフラグメントのハイブリダイゼーション 2種のホモ二重鎖および2種のヘテロ二重鎖の混合物をハイブリダイゼーショ
ン法により作製した。この方法で、ホモ接合変異DNAフラグメント(位置16
8にAからGへの変異を有する)と相当する野生型フラグメントとの比率1:1
で混合した混合物(混合物は、変異標準としてTransgenomic. Inc., San Jose,
CAから入手可能である。変異は、Seielstad et al., Human Mol. Genet. 3:2159
(1994)に記載されている)を含むDYS271 209bp変異標準を95℃で
3〜5分間加熱し次いで45分間で25℃に冷却した。ハイブリダイゼーション
法は図17に図示する。
【0143】 実施例16 ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ポリマービーズのアルキル化 下記の操作は、窒素中(Air Products, Ultra Pure grade, Allentown, PA) 、
250〜300mL/分の流量で行われた。実施例1で調製したビーズ25gを
弓形混合機(2501mL広口三口フラスコ使用)を用いて1−クロロオクタデ
カン(製品番号0235、TCI America, Portland, OR)150〜160g中に懸濁し
た。1−クロロオクタデカンの固化を防ぐために温度を50〜60℃に設定した
。ポリマーの大きい粒子は懸濁を容易にするために破砕した。攪拌機(Model RZR
I, Caframo, ONT NOH2T0, Canada) を速度設定2で使用して溶液を混合した。ポ
リマー懸濁液を三口ビン(還流凝縮器、頂部設置攪拌機および気体入り口を有す
る)中に移した。1−クロロオクタデカン52〜62gを三口フラスコ洗浄に使
用しそしてこれを三口ビンに加えた。ビンを80℃に設定したエチレングリコー
ル浴中で加熱した。攪拌機(Caframo) を速度設定0で使用して溶液を混合した。
20分後に、AlCl3 粉(製品番号06218 、Fulka, Milwaukee, WI) 1.1g
を加えて反応を開始し、16〜18時間継続した。
【0144】 反応の後、遠心分離によりポリマーを過剰の1−クロロオクタデカンから分離
し、次の洗浄工程に移った。
【0145】 添加 コメント 50mL 濃HCl, 50-60 mL n-ヘプタン 4回反復、ヘプタン再使用 100mL H2O, 50-60 mL n-ヘプタン 1回反復、新ヘプタン使用 50mL 濃HCl, 50-60 mL n-ヘプタン 1回反復、新ヘプタン使用 100mL H2O, 50-60 mL n-ヘプタン 1回反復、新ヘプタン使用 100mL H2O,n-ヘプタンなし 3回反復、プラスチック攪拌機を使用 してポリマービーズの固まりを破砕。 工程4および5を3回反復。遠心分離 しないで2分間振とう 100mL THF 3回反復 100mL THF/n-ヘプタン 1回反復 100mL n-ヘプタン 1回反復 100mL THF 1回反復 100mL CH3 OH 4回反復 水性溶剤(HClまたはH2 O)を使用した工程では、n−ヘプタンを加える
前にポリマーを水相を用いて30秒間振とうした。次いでn−ヘプタンを加えそ
して混合物を強く2分間振とうした。
【0146】 最終ポリマービーズを40〜50℃において2〜3時間乾燥した後、充填でき
る状態となった。
【0147】 実施例17 カラム充填操作 オーブンで乾燥したビーズ1.2gを秤量した後、10mLテトラヒドロフラ
ン(THF)を用いてスラリーとしそして煙フード中の音波処理装置中で15分
間処理する。THF5mLおよびメタノール(MeOH)5mLを加えさらに1
0分間音波処理する。充填装置に20mL MeOHを予備充填する。充填設備
内にスラリーをゆっくりと注加する。ハスケルポンプ(Haskel International In
c., Burbank, CA)を始動しそして最初の充填相のために5000psiの充填圧
力にゆっくりと加圧する。10分後に、ゆっくりと充填圧力を9000psiに
上げそして二次充填相を20分間に設定する。20分後に、充填溶離液をMeO
Hから0.05M Na4 EDTAに変更する。最終充填の設定は40分間であ
る。
【0148】 実施例18 モノリス毛管カラムの調製 溶融シリカ毛細管(外径360μm x 内径250μm、Polymicro Techno
logies, Phoenix, AZ)を、表面シラノール基を脱プロトンするために、0.1M
および1M NaOH、水(Milli Q System, Millipore, Bedford, MA)およびメ
タノール(無水、EM Science, Gibbstown, NJ)を順番に用いてフラッシュした。
毛細管にN2 を通して乾燥した。
【0149】 毛細管を1mの断片に切断し次いで下記の表面処理を行った:毛管断片に、そ
れぞれジメチルホルムアミド(EM Science)中の3−(トリメトキシシリル)プロ
ピルアクリレート(Sigma-Aldrich, St.Louis, MO) と3−(トリメトキシシリル
)プロピルメタクリレート(Sigma-Aldrich) との50%(v/v)溶液を充填し
た。この溶液は、それぞれアクリレート基およびメタクリレート基の重合を抑制
するために0.01%(w/v)の2,2ジフェニルピクリルヒドラジルラジカ
ル(Sigma-Aldrich) も含んでいた。Heを用いて溶液を20分間脱気した後、毛
管に溶液を充填しそしてオーブン中に90℃で12時間入れた。処理の間に管の
内部への溶液の移行を防ぐために、それぞれの毛細管の一端をエッペンドルフ遠
心分離管内に保持した溶液の1mL貯留中に浸漬した。管の開口端をのり(Super
Strength Adhesive, 3M) を用いて管にシールした。処理した毛細管をジメチル
ホルムアミド(HPLC 用Omnisolve, EM Science)および無水メタノール(EM Scienc
e)を用いて十分にフラッシュしそして毛管にN2 を通して乾燥した。
【0150】 モノリス毛管カラムを形成するために、それぞれの乾燥毛細管(1m)にモノ
マー−ポロジェン−開始剤混合物を重力充填した。混合物の下記の3種の異なる
処方は、すべての化学薬品をこれ以上精製しないで使用した。
【0151】 毛管モノリスC−1は下記の成分を含んでいた:500μLジビニルベンゼン
(80%)(Sigma-Aldrich) ;500μLスチレン(98%)(Sigma-Aldrich)
;1300μL 1−デカノール(99%)(Alfa Aesar, Ward Hill, MA) ;2
00μLテトラヒドロフラン(99%)(HPLC 用Omnisolve 、EM Science) ;お
よび25mg 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(Alfa Aesar, Ward Hill
, MA) 。
【0152】 毛管モノリスC−2は下記の成分を含んでいた:250μLジビニルベンゼン
(80%);750μLスチレン(98%);1300μL 1−デカノール(
98%);200μLテトラヒドロフラン(99%);および25mg 2,2
’−アゾビスイソブチロニトリル。
【0153】 毛管モノリスC−3は下記の成分を含んでいた:500μLジビニルベンゼン
(80%);500μLスチレン(98%);2600μL 1−デカノール(
98%);200μLテトラヒドロフラン(99%);および25mg 2,2
’−アゾビスイソブチロニトリル。
【0154】 重合の間に、それぞれの管の一端を上記の管内に保持されたモノマー−ポロジ
ェン−開始剤混合物の貯留中に浸漬した。管内の混合物は、C−1に対しては7
5℃で24時間、C−2に対しては80℃で18時間、C−3に対しては90℃
で18時間で重合した。
【0155】 重合後に未反応モノマー、オリゴマーおよびポロジェンを除去するために、そ
れぞれのモノリスをテトラヒドロフラン(Omnisolve, EM Science) およびメタノ
ール(無水、EM Science)を用いてフラッシュした。ポンプは350バールの一
定圧力に設定した。流量は3〜6μL/分と推定された。温度は90℃であった
。THFおよびメタノールを用いるフラッシングは、モノリス毛管50cmあた
りに約24時間を要した。
【0156】 実施例19 ポリスチレン/ジビニルベンゼンモノリス毛管カラムを用いるDNAの分離 C−1モノリスに記載のようにして調製したモノリス毛管カラム(内径250
μMx長さ145mm)をこの実施例に使用した。クロマトグラフィーは、ダイ
オネックス(Dionex)GP50ポンプ(Dionex Corp., Sunnydale, CA) を備えたH
PLC系、100μL試料ループを有するヒタチ(Hitachi) L7200自動試料
採取装置(Hitachi Co., Tokyo, Japan) 、ヒタチL7300カラムオーブン、1
0−32フィッティングを有するヴァルコ(Valco, Valco Instrument Co., Hous
ton, TX)ステンレス鋼ティーおよび毛管流セルアダプターを備えたスペクトラ−
フィジックス(Spectra-Physics) モデル100可変波長吸光検出計を用いて行っ
た。ポリイミドを被覆した100μm x 70mm溶融シリカ毛管(Polymicro
Technologies, Phoenix, AZ) を、光学検出ウインドウを作るためにポリイミド
コーティングを熱除去(焼却)により検出するために使用した。
【0157】 データは、吸光検出計からのアナログシグナルをディジタル化するためのダイ
オネックスUI20汎用インターフェースを有するダイオネックスピークネット
(PeakNet) クロマトグラフィーワークステーションを用いて得た。
【0158】 系は、内径0.010x外径0.062 PEEK管(Upchurch Scientific,
Oak Harbor, WA) 1.5mからなる溶離予熱管を用いて構成した。予熱管をオー
ブン内に配置しそしてオーブン温度を80℃に設定した。モノリス分離毛管出口
と検出計との間の距離を最小にするために、分離毛管をオーブンの外側に配置し
た。予熱管および分離毛管とはステンレス鋼製混合ティーに連結した。混合ティ
ーの第三のポートに連結したのは、内径0.010x外形0.062 PEEK
管(Upchurch Scientific) 2mであった。ティーの排出端に連結したのは、10
−32PEEKカプラーおよび10−32PEEKプラグであった。高圧分離毛
管を流通させるための十分な背圧を発生させるために、プラグをカプラー内に固
定した。約2500psiで、分離毛管を通り検出毛管内への流れは約3μL/
分であった。これらの条件下で、流れの大部分(497μL/分)が混合ティー
の排出ラインポートを通った。
【0159】 溶離液は試薬級またはHPLC級薬品および脱イオン水を用いて調製した。溶
離液Aは、100mM酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA、Transgenomic,
Inc., San Jose, CA) および1mMテトラナトリウムエチレンジアミン四酢酸(
EDTA)からなっていた。溶離液Bは、100mM酢酸トリエチルアンモニウ
ム、1mM EDTAおよび25%(v/v)アセトニトリルからなっていた。
【0160】 20マーオリゴヌクレオチド(Operon Technologies から下記のように入手)
を含んでなる試料を系に注入しそして下記の勾配を用いて溶離した。
【0161】 時間(分) %B 0.0 30 5.0 70 7.0 90 8.1 90 8.2 30 注入体積は0.5μLであった(100μLから分流)。圧力は2450ps
iであった。混合ティーの温度は47℃であった。検出は254nmのUVによ
り行った。流量は3μL/分(500μL/分から分流)であった。5’−CG
A CCT CCC TTT ATC CTC CAC AGA TCT CA
−3’の配列を有する20マーオリゴヌクレオチドは、オペロン・テクノロジー
ズ(Operon Technologies, Alamada, CA)から「非精製」グレードとして入手しそ
してTE緩衝液(10mMトリス−HCl、pH8.0、1mM EDTA)中
で注入の前に100μMに薄めた。
【0162】 上記の系を用いて、20マー一本鎖合成オリゴヌクレオチド試料の最初の注入
は、検出計に応答を示さなかった(図23)。恐らくステンレス鋼製注入弁、試
料ループまたは混合ティーからの金属汚染が疑われた。0.2M テトラナトリ
ウムエチレンジアミン四酢酸(EDTA)100μLの10回連続(30秒間隔
)注入を行った。20マーオリゴヌクレオチドの注入はそれでも検出計に応答を
示さなかった。追加の洗浄のために、それぞれの溶離液中に1mM EDTAを
加えた。系を一晩、100%溶離剤Bを用いて運転した。20マーオリゴヌクレ
オチドを再び注入すると、図24に表示したように「A」として示したピークが
溶離した。
【0163】 別の注入で、一晩EDTA洗浄の後、一本鎖および二本鎖DNAの混合物を含
む試料を系に注入しそして下記の勾配を用いて溶離した。
【0164】 時間(分) %B 0.0 30 5.0 70 7.0 90 8.1 90 8.2 30 注入体積は0.36μL(60μLから分流)であった。圧力は2450ps
iであった。混合ティーの温度は47℃であった。検出は254nmのUVによ
り行った。図25は、20マー(12μM)(Operon Technologies) およびバイ
オラド(Bio-Rad) DNA標準(二本鎖DNAルーラー、カタログ番号170-8203)
を含む混合物の注入の後に得られた。注入混合物中のsdDNAの濃度は、平均
長さ5000bpに基づいて4nMであった。ピークAは20マーオリゴヌクレ
オチドに相当しそしてピークBはdsDNA標準に相当する。これらの条件下で
、20マーオリゴヌクレオチドは2.3分で溶離しそしてdsDNA鎖は6.8
分の広い分解されないピークとして溶離した。
【0165】 実施例20 標準細孔モノリス分離カラムの調製 内径4.6mm x長さ50.0mmのステンレス鋼カラムにマクロ細孔樹脂
ビーズ(ジビニルベンゼンを用いて架橋連結した27%ポリスチレン;カタログ
番号POL-99-0319 、Transgenomic) を用いてメタノール(HPLC 用Omnisolve 、EM
Science)中、3000psiで20分間で充填した。ステンレス鋼製カラムジ
ャケット、末端フィッティング器具、およびチタンフリットはアイソレーション
・テクノロジーズ(Isolation Technologies, Hopedale, MA)より入手した。以下
に記載するモノマー混合物10mLを0.2mL/分の流量でカラムを通してポ
ンプ輸送した。カラムは末端プラグを用いてシールしそして90℃で18時間加
熱した。
【0166】 モノマー混合物は下記の成分を含んでなっていた:2000μLジビニルベン
ゼン(80%)(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO);3000μLスチレン(98
%)(Sigma-Aldrich) ;6500μL 1−デカノール(99%)(Alfa-Aesar,
Ward Hill, MA) ;1000μLテトラヒドロフラン(99%)(HPLC 用Omniso
lve);および120mg 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(Alfa-Aesar)
【0167】 未反応モノマー、オリゴマーおよびポロジェンを除去するために、毛管をテト
ラヒドロフラン(Omnisolve, EM Science) およびメタノール(無水、EM Science
)を用いて12時間フラッシュした。ポンプは4000psiの一定圧力に設定
した。流量は、90℃で100〜250μL/分であった。
【0168】 実施例21 ポリスチレン/ジビニルベンゼンモノリス毛管カラムを用いるDNAの分離 実施例20記載のカラムを二重DNA標準を溶離するために使用した。試料は
、209bp標準(濃度0.0025μgDNA/μL、カタログ番号560077、
Transgenomic) を含んでいた。注入体積は30μLであった、移動相(pH7)
は、溶離液A:水中の100mM TEAA;および溶離液B:25%アセトニ
トリルを伴う100mM TEAAを含んでいた。下記の勾配を使用した。
【0169】 時間(分) %B 0 30 3 70 45 90 46 30 流量は0.2mL/分でありそして検出は254nmのUVであった。14.4
分の単独ピークが観察された(図26)。
【0170】 上記は本発明の特定の態様を提示したけれども、これらの態様は例示のための
みに提示されると理解すべきである。第三者は、上記とは異なるけれども、本明
細書中に記載の本発明の精神および範囲から離れることなく変更を理解および実
施することが予想される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 DNA分離因子測定方法の略図である。
【図2】 アルキル化ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ビーズを含むカラム上でのp
UC18 DNA HaeIII消化フラグメントのMIPC分離である。ピー
クは溶離したフラグメントの塩基対の数で表してある。
【図3】 非誘導体化ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)の非多孔性2.1ミクロンビ
ーズを含むカラム上でのpUC18 DNA HaeIII消化フラグメントの
MIPC分離である。
【図4】 アルキル化ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ビーズを用いるln k対1
/T〔 o-1〕のファントホッフプロットであり、溶剤としてアセトニトリルを
用いた正のエンタルピーを示す。
【図5】 非誘導体化ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ビーズを用いるln k対1
/T〔 o-1〕のファントホッフプロットであり、溶剤としてアセトニトリルを
用いた正のエンタルピーを示す。
【図6】 アルキル化ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ビーズを用いるln k対1
/T〔 o-1〕のファントホッフプロットであり、溶剤としてメタノールを用い
た負のエンタルピーを示す。
【図7】 アルキル化ビーズおよび溶剤としてアセトニトリルを用いた分離である。
【図8】 アルキル化ビーズおよび溶剤として50.0%メタノールを用いた分離である
【図9】 アルキル化ビーズおよび溶剤として25.0%エタノールを用いた分離である
【図10】 アルキル化ビーズおよび溶剤として25.0%ウォツカ(100プルーフ)を
用いた分離である。
【図11】 アルキル化ビーズおよび溶剤として25.0%1−プロパノールを用いた分離
である。
【図12】 アルキル化ビーズおよび溶剤として25.0%1−プロパノールを用いた分離
である。
【図13】 アルキル化ビーズおよび溶剤として10.0%2−プロパノールを用いた分離
である。
【図14】 アルキル化ビーズおび溶剤として10.0%2−プロパノールを用いた分離で
ある。
【図15】 アルキル化ビーズおよび溶剤として25.0%THFを用いた分離である。
【図16】 非アルキル化ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)ビーズ上の組み合わせイソ
クラティック/勾配分離である。
【図17】 ホモ二重鎖およびヘテロ二重鎖を形成するためのハイブリダイゼーションの略
図を示す。
【図18】 56℃でDMIPCにより行われた209塩基対ホモ二重鎖/ヘテロ二重鎖変
異検出混合物の分離を示す溶離プロフィールである。
【図19】 図18と同じ209塩基対混合物および同じカラムを用いるが、しかしガード
カートリッジを交換しポンプ弁フィルターを交換した後の別の注入の溶離プロフ
ィールである。
【図20】 図19と同じ209塩基対混合物および同じカラムを用いるが、しかし0.1
M TEAA、25%アセトニトリル、および0.32M EDTAを用い、4
5分間、75℃でカラムをフラッシングした後の別の注入の溶離プロフィールで
ある。
【図21】 ラムダDNAの野生型鎖からの100bp PCR産物のDMIPC溶離プロ
フィールである。
【図22】 変異および野生型鎖を含むラムダDNA鎖を含むハイブリダイズした混合物の
DMIPC溶離プロフィールである。
【図23】 モノリス毛管カラムを用いて得た溶離プロフィールを示す。
【図24】 カラムをEDTAを用いて処理した後の図23に使用したモノリス毛管カラム
からの20ヌクレオチドフラグメントの溶離プロフィールを示す。
【図25】 20マーオリゴヌクレオチドおよび二本鎖DNA標準を含む混合物の溶離プロ
フィールを示す。
【図26】 209塩基対二本鎖DNAフラグメントの注入後のモノリスカラムを用いた溶
離プロフィールを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07H 1/06 C07H 1/06 21/04 21/04 A C12N 15/09 G01N 30/26 A G01N 30/26 30/88 E 30/88 30/90 30/90 B01J 20/26 L // B01J 20/26 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU ,ZA,ZW (72)発明者 ヘフル,ロバート・エム アメリカ合衆国カリフオルニア州95008キ ヤンベル・レデイングロード270 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA01 CA11 HA03 4C057 AA11 MM01 4G066 AC12B AC13B AC15B AC17B AC23B AC24B AC26B AE20B BA01 BA09 BA20 BA38 CA20 DA07 EA01 FA03 FA07 FA12 FA21 FA31 FA34 FA38

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価陽イオンを有する汚染物を実質上含まない非極性表面を
    有するポリマー分離媒体に1500塩基対までを有するポリヌクレオチドの混合
    物を加え、そしてポリヌクレオチドの該混合物を溶離することを含んでなる、ポ
    リヌクレオチドの混合物を分離するための方法。
  2. 【請求項2】 該分離媒体が少なくとも0.05のDNA分離係数を有する
    ことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該分離媒体が少なくとも0.1の変異分離係数を有すること
    を特徴とする、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 該有機溶剤が水溶性である、対イオン剤および有機溶剤を含
    んでなる移動相を用いて該混合物を溶離することを含む請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 該溶剤が、アルコール、ニトリル、ジメチルホルムアミド、
    テトラヒドロフラン、エステル、エーテル、およびこれらの1種またはそれ以上
    の混合物よりなる群より選ばれる、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 該対イオン剤が、低級アルキル第一級アミン、低級アルキル
    第二級アミン、低級アルキル第三級アミン、低級トリアルキルアンモニウム塩、
    第四級アンモニウム塩、およびこれらの1種またはそれ以上の混合物よりなる群
    より選ばれる、請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 該対イオン剤が、酢酸オクチルアンモニウム、酢酸オクタジ
    メチルアンモニウム、酢酸デシルアンモニウム、酢酸オクタデシルアンモニウム
    、酢酸ピリジニウムアンモニウム、酢酸シクロヘキシルアンモニウム、酢酸ジエ
    チルアンモニウム、酢酸プロピルエチルアンモニウム、酢酸プロピルジエチルア
    ンモニウム、酢酸ブチルエチルアンモニウム、酢酸メチルヘキシルアンモニウム
    、酢酸テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、酢酸テトラ
    プロピルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム、酢酸ジメチルジエチル
    アンモニウム、酢酸トリエチルアンモニウム、酢酸トリプロピルアンモニウム、
    酢酸トリブチルアンモニウム、酢酸テトラプロピルアンモニウム、酢酸テトラブ
    チルアンモニウム、トリエチルアンモニウムヘキサフルオロイソプロピルアルコ
    ール、およびこれらの1種またはそれ以上の混合物よりなる群より選ばれる、請
    求項4記載の方法。
  8. 【請求項8】 該対イオン剤が陰イオンを含み、該陰イオンが、アセテート
    、カーボネート、ホスフェート、サルフェート、ニトレート、プロピオネート、
    ホルメート、クロリド、およびブロミドよりなる群より選ばれる、請求項4記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 該媒体が、0.5から100ミクロンまでの平均直径を有し
    、非極性表面が非置換であるかまたはこれに結合する炭素1〜1,000,00
    0個を有する炭化水素基を有するポリマービーズを含んでなる、請求項1記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 該ビーズが、少なくとも0.05のDNA分離係数を有す
    ることを特徴とする、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 該ビーズが、少なくとも0.1の変異分離係数を有するこ
    とを特徴とする、請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】 炭化水素基が、炭素1〜24個を有するアルキル基である
    、請求項9記載の方法。
  13. 【請求項13】 炭化水素基が、炭素1〜8個を有するアルキル基である、
    請求項9記載の方法。
  14. 【請求項14】 該分離が、マッチトイオンポリヌクレオチドクロマトグラ
    フィーにより行われる、請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 該分離が毛管エレクトロクロマトグラフィーにより行われ
    る、請求項9記載の方法。
  16. 【請求項16】 該分離が薄層クロマトグラフィーグラフィーまたは高速薄
    層クロマトグラフィーグラフィーにより行われる、請求項9記載の方法。
  17. 【請求項17】 非極性表面がポリマーモノリスの間隙空間の表面である、
    請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】 該ポリマーモノリスが少なくとも0.05のDNA分離係
    数を有することを特徴とする、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 該ポリマーモノリスが少なくとも0.1の変異分離係数を
    有することを特徴とする、請求項17記載の方法。
  20. 【請求項20】 該表面が非置換であるかまたは炭素1〜1,000,00
    0個を有する炭化水素基で置換されている、請求項17記載の方法。
  21. 【請求項21】 炭化水素基が炭素1〜24個を有するアルキル基である、
    請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 炭化水素基が炭素1〜8個を有するアルキル基である、請
    求項20記載の方法。
  23. 【請求項23】 該分離が、マッチトイオンポリヌクレオチドクロマトグラ
    フィーにより行われる、請求項17記載の方法。
  24. 【請求項24】 該ポリマーモノリスが、多価陽イオン汚染物を実質上除去
    するために酸洗浄処理にかけられる、請求項17記載の方法。
  25. 【請求項25】 該ポリマーモノリスが、モノビニル置換芳香族化合物、ジ
    ビニル置換芳香族化合物、アクリレート、メタクリレート、ポリオレフィン、ポ
    リエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、フルオロ置換エチ
    レン、およびこれらの1種またはそれ以上の組合せよりなる群より選ばれるメン
    バーを含んでなる、請求項17記載の方法。
  26. 【請求項26】 該ポリマーモノリスが、ポリ(グリシジルメタクリレート
    コエチレンジメタクリレート)を含む、請求項17記載の方法。
  27. 【請求項27】 該ポリマーモノリスが、ポリ(スチレン−コジビニルベン
    ゼン)を含む、請求項17記載の方法。
  28. 【請求項28】 該方法が、有機溶剤を含む移動相を用いて該表面から該混
    合物を溶離することを含み、ここで該有機溶剤が水溶性である、請求項17記載
    の方法。
  29. 【請求項29】 該方法が、対イオン剤を含む移動相を用いて該表面から該
    混合物を溶離することを含む、請求項17記載の方法。
  30. 【請求項30】 多価陽イオン結合剤を含む溶液を該表面と接触させること
    を含んでなり、ここで該溶液が約50〜90℃の温度を有する、該表面上で分離
    されたポリヌクレオチドの分解能を改善するためにポリヌクレオチドを分離する
    ために使用されるポリマー媒体の非極性表面を処理するための方法。
  31. 【請求項31】 該多価炭素結合剤が配位化合物を含んでなる、請求項30
    記載の方法。
  32. 【請求項32】 該溶液が、アルコール、ニトリル、ジメチルホルムアミド
    、テトラヒドロフラン、エステル、およびエーテルよりなる群より選ばれる有機
    溶剤を含んでなる、請求項30記載の方法。
  33. 【請求項33】 該溶液が対イオン剤を含んでなる、請求項30記載の方法
  34. 【請求項34】 該表面上で分離されたポリヌクレオチドの分解能を改善す
    るために、ポリヌクレオチドを分離するために使用される非極性表面を有するポ
    リマー媒体を貯蔵するための方法であって、該媒体を貯蔵する前に多価陽イオン
    結合剤を含む溶液を該表面と接触させることを含んでなる方法。
  35. 【請求項35】 平均ビーズ直径0.5〜1000ミクロンを有する多価陽
    イオンを有する汚染物を実質上含まないポリマービーズであって、該ビーズの非
    極性表面は、非置換であるかまたはそれに結合している炭素1〜1,000,0
    00個を有する炭化水素基を有するポリマービーズ。
  36. 【請求項36】 少なくとも0.05のDNA分離係数を有することを特徴
    とする、請求項35記載のビーズ。
  37. 【請求項37】 少なくとも0.1の変異分離係数を有することを特徴とす
    る、請求項35記載のビーズ。
  38. 【請求項38】 間隙性非極性分離表面から多価陽イオン汚染物を実質上除
    去するために酸洗浄処理にかけられたポリマーモノリス。
  39. 【請求項39】 少なくとも0.05のDNA分離係数を有することを特徴
    とする、請求項38記載のモノリス。
  40. 【請求項40】 少なくとも0.1の変異分離係数を有することを特徴とす
    る、請求項38記載のモノリス。
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