JP2003529394A - 引き裂き可能な閉塞バルーンシースおよび使用方法 - Google Patents

引き裂き可能な閉塞バルーンシースおよび使用方法

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Abstract

(57)【要約】 引き裂き可能な閉塞バルーンシースは、引き裂き可能なシースと、その上に引き裂き可能なシースの遠位端の近傍で装着された閉塞バルーンとを備える。引き裂き可能な閉塞バルーンシースの内部または上に、引き裂き可能な止血弁または分割式止血弁システムを装着してもよい。この引き裂き可能な閉塞バルーンシースは、電極リード線のような医療デバイスをヒトの心臓の冠状静脈洞に導入するのに利用される。医療デバイスを導入するのに、拡張器を引き裂き可能な閉塞バルーンシースと併用してもよい。引き裂き可能な閉塞バルーンシースおよび/または拡張器は、引き裂き可能な閉塞バルーンシースおよび/または拡張器を冠状静脈洞に導入するのを助けるように、特定形状で湾曲を付与したものでもよい。冠状静脈洞内でのこの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの使用方法も開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【関連出願のクロスリファレンス】
本発明出願は1997年5月9日出願の(米国特許出願)連続番号第08/8
53,631号の一部継続出願および1998年12月8日出願の連続番号第0
9/207,295号の一部継続出願である。
【0002】
【発明の背景】
1.発明の分野 本発明は、ヒトの心臓に利用されるシース(鞘)および導入器(introd
ucer)に関する。より詳しくは、本発明は特化された専門的な医療デバイス
を心臓の血管系に導入するのに利用される、閉塞バルーン(occlusion
balloon)が装着された引き裂き可能なシース(splittable
sheath)と、この引き裂き可能な閉塞バルーンシースを利用して、心臓
の血管系にそれらのデバイスを導入する方法とに関する。
【0003】 2.従来の技術 多くの医療処置が専門的な医療デバイスをヒトの心臓に導入することを必要と
する。例えば、ペースメーカーのリード線、除細動リード線、もしくはカルジオ
バージョン(電気除細動)に用いるリード線のような電気リード線、ならびにシ
ャント(バイパス)もしくは専門的なカテーテルは、ある専門的な心臓処置を行
う目的で、心臓の血管系の特定位置に配置されることが多い。ペースメーカーの
リード線のようなこれらの医療デバイスの多くは、非常に柔軟で撓み易い。この
柔軟性は、それらのデバイスが患者の体内に存在する間に、特に患者の血管系を
傷つけるのを防止するために必要である。しかし、この柔軟性のために、これら
のデバイスは、何らかの補剛要素をそのデバイスと併用しない限り、患者の血管
系を通して心臓内に進めることは極めて困難である。例えば、これらの医療デバ
イスの1つの補剛方法は、その医療デバイスの内腔にスタイレット(針状体)を
導入することである。
【0004】 これらのデバイスを心臓に導入する典型的な処置は、患者の血管系を通すこと
を必要とする。このような医療デバイスを血管系に導入する初期の方法の1つは
、患者の血管系に外科的な切開で開口を作る方法である。しかし、この処置には
いくつかの難点があった。これらの難点に対処するため、血管系に開口を作るの
に経皮的な方法が開発された。開口が作られたら、多くは中空の針を用いて、通
常は拡張器を血管系に挿入して、開口の大きさを徐々に増大させる。拡張器は末
端が先細になっており、これを血管系を通して前進させるにつれ、穿刺部位で組
織を拡げていく。拡張器が内腔を備えていることがよくあり、この内腔を通して
、他の医療デバイスを血管系に挿入しうる。
【0005】 電極リード線を心臓に導入する典型的な処置では、まず、ガイドワイヤーを血
管系を通して、心臓の適当な房室に導入する。この方法は、例えば、米国特許第
5,488,960号に開示されている。ガイドワイヤーが所定位置に配置され
たら、次にカテーテル/シースまたは拡張器/シースの組合わせをガイドワイヤ
ーに沿って、患者の体内に送り込む。その後、カテーテルまたは拡張器をシース
から取り外す。その後、シースは台座となり、この台座からリード線を心臓内に
導入しうる。この導入には、リード線の構造を堅くするのを助け、かつ心臓内の
デバイスの正確な配置を可能にするために、リード線の内腔内に配置されたスタ
イレットが使われることが多い。
【0006】 従来の導入器またはシースでは、挿入できるペースメーカーリード線の最大径
は、シースの内腔の寸法より大きくならない。この制限は、ペースメーカーリー
ド線の性質のために、大きな問題を生じていた。ペースメーカーリード線の近位
端(手前側端部)はパルス発生器への接続のための電気コネクタを含んでいるこ
とが多い。コネクタのサイズは普通の心臓導入器の内腔の直径より大きいことが
よくあるので、これらの電極リード線の挿入を助けるために、引き裂き可能なシ
ースが考案された。例えば、米国特許第5,098,392;4,983,16
8;4,581,025;4,451,256;4,345,606;4,24
3,050;4,166,469;およびRe 31,855号を参照。引き裂
き可能なシースが電極リード線のような医療デバイスの人体内の正確な位置への
配置を指示したら、このシースは体内から抜き出される時に長さ方向に引き裂か
れる。引き裂き可能にすることにより、引き裂き可能なシースの内腔の寸法は、
医療デバイスの遠位先端がシース内腔を通過できる程大きくする必要性がなくな
るため、比較的小さいままとすることができる。
【0007】 これらのより小径の引き裂き可能なシースでも、その使用時に問題が現れた。
ペースメーカーリード線の導入中に、血管内に存在する血圧に応じて、手術部位
に著しい量の出血が起こることがある。シースが血管内の所定位置に配置される
と、シースの内腔は、手術部位から血液が流れ出る自由な流出通路となりうる。
さらに、この血液の流れのために、シースが所定位置に長い時間とどまると、血
液の凝固が起こることがある。凝固で生じた血餅は塞栓を引き起こすことがあり
、これが肺に送られて、患者に有害な衝撃を与えることがある。引き裂き可能な
シースはまた、心臓に空気を導入する通路ともなることもある。血液系への不注
意な空気の導入は、やはりマイナス作用を及ぼすことのある空気塞栓を患者に引
き起こすことがある。
【0008】 これらの問題点のため、上記の引き裂き可能なシースは、たとえ所定位置に、
より長い時間とどめておくことが好ましい場合であっても、手術部位から可及的
に速やかに取り出される。このような急いだ処置は、医療を複雑にする恐れがあ
る。
【0009】 ペースメーカーリード線を導入している間のシースからの血液の流出を防止す
るか、少なくとも制限する1つの方法は、医師が自分の親指でシースの露出端部
の上を押さえるか、または親指と人指し指の間でシースの露出端部を押し潰すか
、つまむかすることである。しかし、シースを通る血液および空気の望ましくな
い流れを低減するこれらの方法のどれも、血液の損失や空気の流入の機会がなお
存在するので望ましくない。
【0010】 この問題の別の解決策は、引き裂き可能なシース中に装着した止血弁(hem
ostatis valve)を用いて、心臓へのペースメーカーリード線の導
入や他の類似の医療処置の際の血液の流れを制限することである。しかし、ペー
スメーカーリード線の外部端部は慣用の止血弁の開口より一般に大きいので、ペ
ースメーカーリード線を慣用の止血弁の中に通すことは不可能である。そのため
、例えば、米国特許第5,755,693;5,613,953;5,441,
504;5,397,311;5,312,355および5,125,904号
におけるように、引き裂き可能な止血弁をペースメーカーリード線の導入用の引
き裂き可能なシース内に装着していた。
【0011】 しかし、これらの止血弁は、流体、特に血液の存在のために、医療処置に使用
する時に引き裂き(スプリット)が困難であることがよくある。また、これらの
止血弁を引き裂く際に、血液の飛び散りがしばしば起こる。さらに、弁がしばし
ば不均等に裂けてしまい、手術部位からの引き裂き可能なシースと引き裂き可能
な弁の取り出しがより困難となる。さらに、医師によっては、ペースメーカーの
リード線の枝線(tine)をこのような弁に通すことを、枝線の損傷を恐れて
躊躇する者もいる。その上、一部の医師は、シースを患者の体内の所定位置に既
に配置した後でも、シースへの止血弁の導入を遅らせようとする場合がある。こ
れらの問題を解決するため、本譲受人が所有する、1998年12月8日出願の
連続番号第09/207,295号(その内容をここに参考のため援用する)に
開示されている、改善された分割式(partitioned)止血弁システム
を利用することができる。
【0012】 心臓の血管系、特に冠状静脈洞では、多くの専門的な医療デバイスが利用され
る。冠状静脈洞は心臓内で最大の心静脈であり、心筋内のより小さい静脈から右
心房への静脈導管として作用する。組織のひだ、即ち、原始的な弁が冠状静脈洞
口を覆っていて、血液が右心房からポンプ作用で流出する際に冠状静脈洞内に逆
流するのを防止する。右心房内部の一般に冠状静脈洞の上に位置するのは、卵円
窩と呼ばれる卵形の凹部である。下大静脈と冠状静脈洞口との間にあるのは、ユ
ーステーションリッジ(eustation ridge)である。これらの各
要素の位置は患者ごとに変動することがある。
【0013】 冠状静脈洞は、診断および治療の両方の処置を含む、心臓内の電気生理学的処
置にしばしば利用される。冠状静脈洞は心臓の左側と右側の両方のペーシングに
も使用することができる。しかし、冠状静脈洞の口に接近するのは、特に右心房
内の冠状静脈洞付近には、多数の似たような解剖学的構造が位置するため、難し
い処置となることが多い。この接近は、これらの解剖学的構造が(X線)透視装
置(フルオロスコープ)では見えないことから、特に難しい。
【0014】 ペースメーカー、移植可能な除細動器、カルジオバージョンもしくは心停止法
に使用する専門的なカテーテルもしくはデバイスといったデバイスを冠状静脈洞
に導入するのに利用できる現状の医療処置は、時間がかかるか、困難であること
が多い。これらの心配に対処するため、米国特許第5,423,772;5,5
49,581;5,643,321;および5,722,963号に開示される
ように、特別の種類の診断用カテーテルが考案された。これらの米国特許は、予
め湾曲させた(湾曲付与された)冠状静脈洞カテーテルを開示しており、これら
は、その特異な湾曲形状のため、患者の血管系を通して冠状静脈洞の中まで直接
前進させることができ、冠状静脈洞内でこのカテーテルを用いて診断および治療
処置を行うことができる。米国特許第5,488,960号は、冠状静脈洞で使
用するよう考案された別の種類のデバイスを開示している。
【0015】 冠状静脈洞内に導入された医療デバイスを利用する1つの一般的な医療処置は
、心停止法である。この処置は普通は心臓手術中に使用され、冠状静脈洞への心
停止液の導入を必要とする。これまでに数多くの心停止用カテーテルが考案され
てきたが、冠状静脈洞壁が滑りやすく、伸張性があり、かつ先細であって、医療
デバイスを冠状静脈洞の血管中に前進させる方向に冠状静脈洞の血管が細くなっ
ていくため、冠状静脈洞に導入された医療デバイスがすぐに追い出されがちであ
ることが認められた。このような問題を克服するため、心停止用カテーテルの遠
位端付近に閉塞バルーンが一般に装着されてきた。このような閉塞バルーンカテ
ーテルが冠状静脈洞への導入後に移動するのを防止するため、閉塞バルーンの外
面は、冠状静脈洞と摩擦係合して、従来の閉塞バルーン表面に存在するのよりは
高い保持力を冠状静脈洞内の医療デバイスに付与する、物理的伸長材(phys
ical extensions)で被覆または改変されている。この種の医療
処置に使用できる典型的なデバイスは、米国特許第4,648,384;4,9
27,412;5,129,394;5,720,726;および5,807,
326号に開示されている。冠状静脈洞の閉塞に加えて、米国特許第5,814
,016号は、同心または偏心形状の閉塞バルーンを利用した、心臓、特に大動
脈に付随する他の血管系の閉塞のための医療デバイスを開示している。
【0016】 従来のカニューレに装着されたこれらの閉塞バルーンは、心停止法および他の
ある種の冠状血管処置に有用であったが、冠状静脈洞にペースメーカー電極を配
置するのを助けるデバイスがなお求められている。さらに、ペースメーカー電極
を所定位置に配置した後、電極リード線を移動させずに、支持用の医療デバイス
を心臓から取り出す方法も利用しなければならない。
【0017】 従って、本発明の1側面は、医療デバイス、特に電極リード線のような柔軟な
小さい医療デバイスを、冠状静脈洞内に効率的に配置するのを助けるデバイスを
開示することである。
【0018】 本発明のさらに別の側面は、冠状静脈洞への医療デバイスの導入を助ける、予
め閉塞バルーンが装着された、引き裂き可能なシースを開示することである。 本発明のさらに別の側面は、冠状静脈洞への医療デバイスの導入を助ける、予
め閉塞バルーンが装着された、固定形状の引き裂き可能なシースを開示すること
である。
【0019】 本発明の別の側面は、小さな医療デバイスを冠状静脈洞に配置するために固定
形状の拡張器と一緒に使用することができる、固定形状の引き裂き可能な閉塞バ
ルーンシースを開示することである。
【0020】 本発明のさらに別の側面は、医療デバイスを冠状静脈洞に配置するための、引
き裂き可能な止血弁、好ましくは分割式止血弁を含んだ、引き裂き可能な閉塞バ
ルーンシースを開示することである。
【0021】 本発明のさらに別の側面は、閉塞バルーンが膨らんでいる時に閉塞シースの遠
位先端が冠状静脈洞内で中心にくるようにバルーンが構成されている、冠状静脈
洞に小さな医療デバイスを導入するための引き裂き可能な閉塞バルーンシースを
開示することである。
【0022】 本発明のさらに別の側面は、医療処置の間ずっと閉塞バルーンが冠状静脈洞内
に保持されるのを助けるため、閉塞バルーンが冠状静脈洞とのその摩擦接触を高
めるシステムを含んでいる、冠状静脈洞に小さな医療デバイスを導入するための
引き裂き可能な閉塞バルーンシースを開示することである。
【0023】 上記およびその他の本発明の側面は、本発明の各種の設計から、およびここに
開示した方法により得られる。
【0024】
【発明の要約】
本発明は、ペースメーカーリード線、除細動器リード線または診断もしくは治
療デバイスといった医療デバイスを、心臓の冠状静脈洞に導入するのに利用され
る、引き裂き可能なシースの遠位端付近に装着された閉塞バルーンを備えた、引
き裂き可能な閉塞バルーンシースに関する。利用後に、この引き裂き可能な閉塞
バルーンシースは2つの部分に引き裂くことができ、手術部位から取り出すこと
ができる。
【0025】 本発明はまた、冠状静脈洞へのその配置を助ける、所定の形状を持った引き裂
き可能な閉塞バルーンシースにも関する。 本発明はまた、医療処置中のシースからの血液の逆流を防止するため、引き裂
き可能な閉塞バルーンシースの内腔の内部に止血弁を備えた、引き裂き可能な閉
塞バルーンシースにも関する。好ましくは、止血弁もまた、引き裂き可能である
。より好ましくは、止血弁は分割式止血弁システムの内部に収容され、このシス
テムを引き裂き可能な閉塞バルーンシースに装着するためのアダプタを備える。
【0026】 本発明はまた、引き裂き可能な閉塞バルーンシースと、このシースの内腔を通
して前進させる拡張器とを備える、ヒトの心臓の冠状静脈洞内に医療デバイスを
導入するための引き裂き可能な閉塞バルーンシースシステムも包含する。好まし
くは、この拡張器および/または引き裂き可能シースは予め付与された所定の湾
曲形状に形成される。
【0027】 引き裂き可能な閉塞バルーンシースは、リード線を冠状静脈洞に導入するのに
限られるものではない。本発明はまた、電気生理学的診断デバイスならびに感知
およびアブレーション処置に有用なデバイスといった他の小さな医療デバイスを
心臓の血管系に導入するのに有用な、引き裂き可能な閉塞バルーンシースも包含
する。
【0028】 [図面の簡単な説明] 図1A、1Bおよび2に示すような本発明の引き裂き可能な閉塞バルーンシー
ス(10)は、ペースメーカーリード線、除細動器リード線または他の医療処置
用診断デバイスといった、専門的な医療デバイスをヒトの心臓の冠状静脈洞に導
入するのを助ける。冠状静脈洞は最大の心臓静脈であり、心臓内の各種の位置へ
の接近のための導管として作用する。冠状静脈洞への医療デバイスの挿入の深さ
に応じて、左右の心房と左右の心室の両方を冠状静脈洞から解析および処置する
ことができる。冠状静脈洞は心臓の左側にペース付与するためのペースメーカー
リード線の導入に特に有用である。
【0029】 冠状静脈洞への医療デバイスの配置には、心臓の下側からの下方接近と、心臓
の上側からの上方接近という2つの接近法が一般に使用される。図1Aに示すよ
うな上方接近では、医療デバイスを内頚静脈または鎖骨下静脈のいずれかから、
上大静脈を経て右心房内に入れ、冠状静脈洞の方向に、それに入るまで前進させ
る。図1Bに示すような下方接近では、医療デバイスを大腿静脈から下大静脈を
経て右心房内に前進させる。その後、デバイスの先端を冠状静脈洞の口の中に入
るように向ける。上方接近は、特にペースメーカーリード線を冠状静脈洞に導入
するのに好ましい接近法である。下方接近は、心臓の一時的ペース付与といった
、冠状静脈洞への医療デバイスの一時的配置に使用しうる。
【0030】 医師は、透視装置を用いて血管系を通る医療デバイスの導入とその進行を監視
することが多い。残念なから、透視装置は、一般に心臓の特定の特徴部位、特に
右心房の臨床的に重要な構造を容易に同定することができないので、冠状静脈洞
への医療デバイスの配置は極めて困難となる。また、心臓が拍動している時の冠
状静脈洞への医療デバイスの配置は、特に導入すべき医療デバイスが、ペースメ
ーカーリード線のように、柔軟で弛んだ製品である場合、ことに困難である。
【0031】 冠状静脈洞への医療デバイスの導入に伴う困難さに加えて、医療デバイスを冠
状静脈洞に導入した後、その医療デバイスを冠状静脈洞内に保持することも往々
にして困難である。冠状静脈洞壁が滑りやすく、伸張性があり、かつ先細であっ
て、医療デバイスを前進させる方向に冠状静脈洞の血管が細くなっていくため、
冠状静脈洞内での医療デバイスの保持は特に困難となる。
【0032】 さらに、ペースメーカーリード線のような、これらの特殊な医療デバイスを冠
状静脈洞に導入するのに使用されてきた従来の導入器またはシースでは、サイズ
が、導入器またはシースの内腔のサイズに制限される。
【0033】 本発明の引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の構造および形状は、こ
れらの問題に対処し、これを解決するものであって、電極リード線のような小さ
く柔軟な医療デバイスの冠状静脈洞への導入に必要な正確な配置を可能にする。
冠状静脈洞の内部で膨らんだ時に引き裂き可能な閉塞バルーンシースに対する安
定性を付写する閉塞バルーン(70)に加えて、レノグラフ染料を冠状静脈洞内
に逆行方向に注入する手段も備える。この引き裂き可能な閉塞バルーンシース(
10)の特徴は、その引き裂き可能な構造、多様な種類および形状の閉塞バルー
ンの使用、引き裂き可能な止血弁もしくは分割式止血弁システムの存在、急な屈
曲部に位置する時の圧縮を最小限にするためのシース(10)の剛直性の増大、
放射線(X線)非透過性チップマーカー、ならびにベント(ガス抜き)を含んで
いてもよい。さらに、好ましい引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100)は
、冠状静脈洞へのその導入を助けるのに有用なユニークな形状を有する。
【0034】 第1の態様の引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)は、図2、2A、3
および3Aに示すように、概ね細長く実質的に円筒形のチューブ(18)から形
成され、このチューブの近位端(22)にハンドル(20)が固定されている。
1つの好ましい態様は米国特許第5,098,392号(参考としてここに援用
する)に開示されている。チューブ(18)は、適当なプラスチック、好ましく
は高もしくは低密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチ
レン−プロピレンプラスチックから形成され、該プラスチックは体液と適合性の
ものである。チューブは近位端(22)と遠位端(24)とを有する。また、チ
ューブは、その全長を通る、内側に切り込まれた長手方向の浅いみぞまたは凹部
により画成された、一対の機械的に形成された長手方向の減肉帯域(26)を有
する。図2、2Aおよび3Aを参照。これらの機械的に形成された減肉帯域は、
導入器のシースが使用後に「引き裂き」されるのを可能にする。導入器シースの
引き裂きを行う他の公知の方法も本発明の範囲内であるが、上記の方法が好まし
い。
【0035】 ハンドル(20)は、図2に示すように、円筒系チューブから該チューブ(1
8)と係合して横方向外向きに突き出た、一対のハンドル部材(30)を備える
。各ハンドル部材(30)は慣用の装着方法によって導入器シースの近位端(2
2)に取付けられる。各ハンドル部材(30)はハンドル(20)の1/2を画
成する。ハンドル部材(30)はそれぞれ、ハンドル部材をチューブの表面から
引き離すにつれて、各ハンドル部材の上面(32)に加わる圧力によりチューブ
の容易な引き裂きを可能する位置で、チューブ(18)に装着されている。チュ
ーブの容易な引き裂きを助けるため、各ハンドル部材の上面(32)にもリブが
形成されている。ハンドル部材は、使用を容易にするため、チューブの表面から
好ましくは少なくとも約0.5in(1.3cm)突き出ている。チューブ(1
8)は、ハンドル(30)の表面に向かって近位に突き出ていて、チューブ(1
8)の全長を通る内腔(34)を形成しており、この内腔を通して、図5に開示
したような拡張器(50)を挿入することができる。
【0036】 図4A、4Bおよび4Cに示したような好適態様では、冠状静脈洞への上方接
近に使用するための引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100)には、冠状静
脈洞へのその導入を助ける湾曲形状が付与されている。この湾曲した引き裂き可
能な閉塞バルーンシース(100)は、慣用のシース製造方法を利用して作製さ
れ、好ましくは単一の一体構造から形成される。
【0037】 図4A、4Bおよび4Cに示したように、右心房への上方接近に使用するため
の湾曲した引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100)は、概ね真っすぐな近
位部分(102)と湾曲した遠位部分(104)とを備えることが好ましい。引
き裂き可能な閉塞バルーンシース(100)の全長は、患者の大きさと年齢に応
じて、約12インチ(30cm)から約50インチ(120cm)の範囲に及ぶ
ことができる。但し、シース(100)は、引き裂き可能な閉塞バルーンシース
(100)の内腔を通して導入する、電極リード線のような医療デバイスより長
くすることはできない。この引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100)の近
位部分(102)は、患者への導入に十分な長さの、従来の中空で概ね真っすぐ
なシース導入器部分であることが好ましい。好ましくは、その長さは約0.2i
n(0.5cm)から約15in(38cm)であり、好ましい長さは約0.5
in(1cm)から約5in(12cm)である。但し、引き裂き可能な閉塞バ
ルーンシース(100)は、概ね真っすぐな近位部分(102)を含んでいなく
てもよく、その全長にわたって湾曲していてもよい。
【0038】 湾曲した引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100)の近位部分(102)
の遠位端に続いているのが、図4Aに示すように、湾曲した遠位部分(104)
である。1態様において、湾曲した遠位部分(104)は、2以上の別々の湾曲
部分および/または直線部分から構成されていてもよい。しかし、好適態様では
、湾曲した遠位部分(104)は、約0.5in(1.2cm)〜約2.0in
(5.1cm)、好ましくは約0.8in(2.0cm)〜約1.5in(3.
8cm)の半径で、約20〜約120°、好ましくは約30〜約100°、より
好ましくは約40〜約80°の円弧を描いて湾曲している単一の連続曲線からな
る。湾曲した遠位部分(104)の遠位端は、湾曲した引き裂き可能な閉塞バル
ーンシース(100)の先端(110)である。この先端(110)は、使用中
の組織損傷の可能性を低減するため、柔軟にすることができる。好適態様では、
湾曲した遠位部分(104)は、その全長に沿って同じ一般的方向に湾曲する、
即ち、実質的に同一平面上(同一平面の約15°以内)にあるが、この湾曲した
遠位部分(104)により形成される平面の外側への若干の変動は本発明の範囲
内である。
【0039】 引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100)の別の変更態様として、先に説
明した好ましい態様の形状に類似した引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10
0)の遠位部分の全体形状を与え、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100
)の遠位端(110)が右心房への導入後に冠状静脈洞に入るようにする、2以
上の湾曲または湾曲部分と直線部分の任意の組合わせが許容される。
【0040】 図7A、7Bおよび7Cに示した別の好適態様の引き裂き可能な閉塞バルーン
シース(200)では、予め湾曲を付与した引き裂き可能な閉塞バルーンシース
(200)を心臓内に導入するのに冠状静脈洞への下方接近を利用する場合に、
異なる好ましい形状の引き裂き可能な閉塞バルーンシース(200)が利用され
る。また、この引き裂き可能な閉塞バルーンシース(200)は、全体の長さ、
および特にこのデバイスの第1の近位部分(202)の長さが、図4A、4Bお
よび4Cに示した第1の好適態様の湾曲した引き裂き可能な閉塞バルーンシース
(100)の長さより、好ましくは長くなっている。図7A、7Bおよび7Cに
示すような、この別の好適態様では、図7Aに示した遠位部分(204)は、約
0.5in(1.2cm)〜約2.0in(5.1cm)、好ましくは約0.8
in(2.0cm)〜約1.5in(3.8cm)の半径で、約30〜約100
°、好ましくは約40〜約80°、より好ましくは約40〜約80°の円弧を描
いて湾曲している単一の連続曲線からなる。湾曲した遠位部分(204)の遠位
端は引き裂き可能な閉塞バルーンシース(200)の先端(210)である。ま
た、この遠位部分(204)は、図7Bおよび7Cに示すように、約15〜約9
0°、好ましくは約30〜約75°の量で、その平面から湾曲している。この平
面外の湾曲により、下方接近を利用した時には、図4A、4Bおよび4Cの第1
の好適態様の設計により達成されるのより容易に、この引き裂き可能な閉塞バル
ーンシース(200)の遠位先端(210)の冠状静脈洞への配置が可能となる
。この態様の遠位の湾曲部分(204)は、引き裂き可能な閉塞バルーンシース
(200)に対して同じ全般的形状を与え、引き裂き可能な閉塞バルーンシース
(200)の遠位先端(210)を右心房に導入後に冠状静脈洞内に向ける任意
のやり方で形成しうる。これらの組合わせは、組合わせた時に、この別の態様の
引き裂き可能な閉塞バルーンシース(200)の遠位部分(204)と同じ全般
的な全体形状を生ずる任意の組合わせの湾曲または直線部分を含んでいてもよい
【0041】 引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)の遠位の傾斜(
canted)先端(24,110,210)は、拡張器との良好な移行を形成
するため、先細(テーパ形)にしてもよく、その方が好ましい。このテーパ付与
は好ましくは10°未満であり、より好ましくは約4〜約7°である。引き裂き
可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)は、好ましくはこの引き裂
き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)の遠位先端(24,11
0,210)の付近に、1または2以上の放射線非透過性の先端マーカーバンド
を含んでいてもよく、またはその全長にわたって放射線非透過性としてもよい。
これは、硫酸バリウムのような慣用の添加剤物質を利用して達成することができ
る。
【0042】 この引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)はまた、そ
の遠位先端付近に1つまたは複数のガス抜きを含んでいてもよい。しかし、好適
態様では、デバイスにガス抜きを全く利用しない。それでもガス抜きを利用する
場合には、それらは引き裂き可能な閉塞バルーンシースの遠位先端から約1イン
チ以内、好ましくは該先端から約0.1in(0.2cm)〜約1.0in(2
.5cm)に位置させるべきである。
【0043】 引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)は、ポリエチレ
ンまたはポリウレタンのような、所望の三次元形状への形状記憶性があり、該形
状からひずんで、その形状に実質的に戻ることができる、人体に使用するのに適
した任意の生体適合性のある材料から作製できるが、好適態様においては、後で
詳述する閉塞バルーン(70)の作製に用いた材料と相溶性のある材料から作製
する。
【0044】 好適態様では、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)
の遠位先端(24,110,210)は、使用時に血管系および冠状静脈洞を傷
つけるのを防止するため、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,
200)の残りの部分より、柔軟性と圧縮性がより大きい材料から作製してもよ
い。
【0045】 制限ではなく例示として、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100
,200)の内径は約4〜約16フレンチ(1フレンチは、1ミリメートルの1
/3に等しい)の範囲内でよい。このような引き裂き可能な閉塞バルーンシース
(10,100,200)は、従って、外径が約4〜約16フレンチの拡張器を
受け入れることができる。引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,
200)と組合わせて使用するのが、より大きいか小さい拡張器または他の医療
デバイスである場合は、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,2
00)のサイズおよび形状を変更できることはもちろんである。
【0046】 本発明の引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)は、好
ましくは複数の内腔を備える。引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,10
0,200)は、図11に示すように、少なくとも2つの内腔(72,74)を
含むことが好ましい。1つの内腔は、造影剤の導入用(74)および引き裂き可
能な閉塞バルーンシースの遠位先端(24,110,210)から各種の医療デ
バイスを出すためであり、別の1つ(72)の内腔は閉塞バルーン(70)の膨
張用媒体を導入するためである。或いは、冠状静脈洞を閉塞するのに2以上のバ
ルーンを使用する場合には、この膨張処置のために追加の内腔を使用してもよい
。追加の内腔は、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)
を通した他の慣用の処置のためにも使用できる。
【0047】 引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)のサイズおよび
形状の変動は本発明の小児科での使用も包含するものであるが、好ましい使用は
成人の心臓内である。よくわかっているように、小児科での使用は引き裂き可能
な閉塞バルーンシース(10,100,200)の各部分のサイズの縮小を必要
とすることがあり、特に第1の近位部分(102,202)の短くするが、引き
裂き可能な閉塞バルーンシース(100,200)の第2の遠位部分(104,
204)の形状または曲率は著しくは変更しない。また、サイズまたは形状の変
動は、肥大または回転した心臓を持つ患者に時に起こる特殊な状況を包含する目
的でも行われる。
【0048】 引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)の構造は、心臓
内の所定位置に配置された後の引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100,2
00)の遠位部分(104,204)が実質的に移動するのを防止して、その全
体形状を保持するのに十分な剛直性(スティフネス)を持つべきである。良好な
トルク制御を可能にするため、第1の近位部分(102,202)の剛直性を遠
位部分(104,204)のそれより大きくしてもよい。この剛直性がより高い
構成は、材料の厚みを増大させるか、もしくは引き裂き可能な閉塞バルーンシー
ス(100,200)の一部を剛直性が高い特性を持つ材料から製造する(例え
ば、補剛材料として金属成分を添加するか、もしくは別の材料を一緒に融着する
)といった慣用の構成法により達成しうる。引き裂き可能な閉塞バルーンシース
(100,200)の第2の遠位部分(104,204)は、剛直性であるが、
柔軟性も持つべきである。それにより、この湾曲した遠位部分(104,204
)は、その内腔に真っすぐな拡張器(50)を通したときに真っすぐになること
ができ、患者の血管系への導入と血管系から右心房への通過が容易となる。
【0049】 引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)の剛直性は、図
5に示すような慣用の真っすぐな拡張器(50)、もしくは図6Aおよび8Aに
示すような湾曲を付与した拡張器(150,250)、または形状付与したカテ
ーテルを、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)の内腔
に挿入することによっても高めることができる。(「拡張器」はシースの配置を
可能にするよう取り出されることを意図した内部補強要素である。)拡張器(5
0,150,250)は、引き裂き可能な閉塞バルーンシースの構造を剛直化す
るための剛直化手段として作用する。拡張器(50,150,250)は慣用の
拡張器材料から作製され、好ましくはガイドワイヤーと共に使用するため、内部
を貫通している内腔を含んでいる。
【0050】 冠状静脈洞への上方接近のための図6A、6Bおよび6Cに示すような好適態
様では、湾曲した拡張器(150)の形状は、予め湾曲が付与されている。この
湾曲した拡張器(150)は、湾曲が付与され、かつ好ましい湾曲した引き裂き
可能な閉塞バルーンシース(100)と一緒に使用されると、この湾曲した拡張
器(150)を上方接近を用いて冠状静脈洞に導入することを可能にする。実際
、好適態様では、湾曲した拡張器(150)および引き裂き可能な閉塞バルーン
シース(100)が右心房に入った後、湾曲した拡張器(150)の遠位部分(
154)を引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100)の遠位先端(110)
から突き出させて、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100)が冠状静脈洞
に入るより先に、拡張器(150)が冠状静脈洞に入るようにする。冠状静脈洞
へのこの導入を達成するため、好適態様においては、湾曲した拡張器(150)
の形状に、図6Aに示すように、湾曲を付与しておく。拡張器(150)の全長
は、患者の大きさと年齢や、使用する、湾曲した引き裂き可能な閉塞バルーンシ
ース(100)の長さに応じて、約12in(30cm)〜約50in(125
cm)の範囲とすることができる。
【0051】 好ましくは、この湾曲した拡張器(150)は、近位部分(152)と遠位部
分(154)と柔軟な先端(156)とを有する。この湾曲した拡張器(150
)の近位部分(152)は、患者への導入に十分な長さの慣用の概ね真っすぐな
拡張器部分である。拡張器(150)の近位部分(152)の遠位端に続いてい
るのが、図6Aに示すように、湾曲付与された(即ち、湾曲した)遠位部分(1
54)である。好適態様では、湾曲した遠位部分(154)は、2つの別個の湾
曲部分(158および160)からなる。好適態様では、第1の湾曲部分(15
8)は、約2in(5.1cm)〜約5in(12.7cm)、好ましくは約3
.0in(7.6cm)〜約4.0in(10.2cm)の半径で、約10〜約
60°、好ましくは約15〜約50°、最も好ましくは約25〜約45°の円弧
を描いて湾曲する。この第1の湾曲部分(158)の遠位側に第2の湾曲部分(
160)があり、その末端に湾曲した拡張器(150)の遠位先端(156)が
ある。この第2の湾曲部分(160)は、約0.2in(0.5cm)〜約2i
n(5.1cm)、より好ましくは約0.2in(0.5cm)〜約1in(2
.6cm)の半径で、約20〜約90°、好ましくは約30〜約80°、最も好
ましくは約50〜約70°の円弧を描いて湾曲する。或いは、第1の湾曲部分(
158)と第2の湾曲部分(160)の湾曲は、これらの湾曲の円弧の合計が約
30〜約120°、好ましくは約45〜約110°となるように改変することが
できる。その場合の曲率半径は、この湾曲した拡張器(150)の遠位先端(1
56)が、前述した一対の湾曲部分(158,160)を持つ湾曲した拡張器(
150)と同様に冠状静脈洞に入るのを可能にするような適当な半径とする。好
適態様では、第2の湾曲部分(160)は第1の湾曲部分(158)の延長であ
り、第1の湾曲部分(158)とほぼ同じ方向に湾曲する。その結果、第1およ
び第2の湾曲部分(158,160)は実質的に同一平面上(同一平面の約15
°以内)にあるが、これらの湾曲により形成される平面の外側への若干の変動は
、もちろん本発明の技術思想の範囲内である。
【0052】 この湾曲した拡張器(150)の別の好適態様においては、第1および第2の
湾曲部分(158,160)は合体して単一の湾曲にすることができ、その湾曲
の円弧は、約2.0in(5.1cm)〜約6.0in(15.3cm)、好ま
しくは約3in(7.6cm)〜約5.0in(12.7cm)の半径で、約2
0〜約120°、好ましくは約40〜約115°、最も好ましくは約45〜約9
0°の範囲内である。この別の態様では、図6Aに示したような先の態様からの
第1及び第2の湾曲(158,160)は合体して1つの湾曲になる。
【0053】 この湾曲した拡張器のさらに別の態様として、湾曲した拡張器(150)の遠
位部分(154)に、上述した好適態様の形状に類似の全体形状を与え、かつ湾
曲した拡張器(150)の遠位先端(156)が右心房への導入後に冠状静脈洞
に入るようにする2以上の湾曲または湾曲部分と直線部分の任意の組合わせが許
容される。
【0054】 湾曲した拡張器(150)の遠位先端(156)は、慣用の拡張器に存在する
、より尖った先端の代わりに、丸みのある先端とすることが好ましい。さらに、
この先端は慣用の拡張器の先端よりも柔軟にすべきである。この先端(156)
を丸くし、かつ柔軟にすることにより、患者の体内、特に冠状静脈洞内に位置す
る組織を損傷する可能性が小さくなる。
【0055】 冠状静脈洞への下方接近のための別の態様では、図8A、8Bおよび8Cに示
すような、湾曲した拡張器(250)の形状は、図7A、7Bおよび7Cに示す
ような引き裂き可能な閉塞バルーンシース(200)の形状に順応する。
【0056】 所望により、引き裂き可能な閉塞バルーンシースの患者への導入および右心房
付近のある地点への到達操作のために使用する拡張器(50)の形状は、図5に
示すように真っすぐにして、これを上述した形状付与された引き裂き可能な閉塞
バルーンシース(100,200)のどれかの内腔に導入した時に、引き裂き可
能な閉塞バルーンシース(100,200)の全体形状が真っすぐになるように
することができる。その後、形状付与された引き裂き可能な閉塞バルーンシース
(100,200)の内腔から拡張器(50)を取り出すと、引き裂き可能な閉
塞バルーンシース(100,200)はその所定の湾曲した形状に戻る。
【0057】 引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)と拡張器(50
,150,250)との組合わせに関するこれらの態様のいずれかを使用して、
患者への導入、導入地点から血管系を通して右心房へ、そして冠状静脈洞それ自
体へと到達操作するのに有用となりうる、種々の形状に形成された組合わせデバ
イスが得られる。
【0058】 好適態様では、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)はまた、引き裂き
可能な閉塞バルーンシース(10)の内腔に組み込まれた止血弁も備える。好適
態様では、引き裂き可能な閉塞バルーンシースに組み込まれた止血弁は、例えば
、米国特許第5,312,355;5,125,904;5,397,311;
5,441,504;5,755,693;および5,613,953号に開示
されるような、引き裂き可能な止血弁である。
【0059】 しかし、より好ましい態様では、図9に示すように、デイグ・コーポレーショ
ンが考案し、1998年12月8日に出願され、共通する譲受人に譲渡された連
続番号第09/207,295号(その開示を参考としてここに援用する)に開
示されている、シーラウェイ(SEALAWAYTM)分割式止血弁システム(
300)を、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)と共
に利用するのに好適である。この分割式止血弁システム(300)は、分割式止
血弁ハウジング(320)、このハウジング(320)内の中央室(340)の
内部に装着された分割式止血弁(330)、分割式止血弁ハウジング(320)
の1要素を形成する止血弁分離システム(350)、および分割式止血弁ハウジ
ング(320)に装着されたアダプタシステム(310)を備える。アダプタシ
ステム(310)により、引き裂き可能なシース(10,100,200)を分
割式止血弁システム(300)に装着することができる。この分割式止血弁シス
テム(300)は、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200
)の内腔への接近、従って血管系への接近、をなお可能にしながら、止血を行う
。また、これは従来の引き裂き可能な止血弁を用いるのより大きな融通性を与え
る。なぜなら、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)へ
のその装着は、医療処置の開始前、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,
100,200)を患者の血管系に挿入する前に行うことができ、または引き裂
き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)へのその装着は、引き裂
き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)を血管系を通して心臓に
前進させた後で行うこともできるからである。さらに、この分割式止血弁システ
ム(300)は、医師の裁量により、処置が完了する前または処置が完了した後
で、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)から取り出す
ことができる。
【0060】 本発明の重要な特徴は、図4Aに示すように、引き裂き可能な閉塞バルーンシ
ース(10)の遠位端(24)またはその付近に装着した閉塞バルーン(70)
である。従来の閉塞バルーンを本発明に利用してもよいが、好適態様においては
、閉塞バルーン(70)は、引き裂き可能なシースに装着されるよう特に設計さ
れる。
【0061】 閉塞バルーン(70)は、ポリウレタン、シリコーンまたはラテックスといっ
たエラストマー材料から成形したものでもよい。しかし、好適態様では、閉塞バ
ルーン(70)は、高もしくは低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエステル、ポリエステルコポリマー、ポリアミドまたはポリアミドコポ
リマーといった、非伸縮性のバルーン材料から作製することが好ましい。
【0062】 より好ましい態様では、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の円筒形
チューブ(18)を製造する材料と「相溶性」のある材料からバルーンを製造し
て、別に接着剤を使用せずに、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の円
筒形チューブ(18)の表面にバルーンを固定することができるようにする。「
相溶性」とは、閉塞バルーン(70)の形成材料が、引き裂き可能な閉塞バルー
ンシース(10)のチューブ(18)を形成する材料と、分子レベルのスケール
で混合し、均質に結晶化することを意味する。即ち、このような要素を構成する
材料は厳密に同じ軟化点を持たなくてもよいが、これらの材料が分子レベルで混
合するように相応した軟化点を持つべきである。好ましくは、閉塞バルーン(7
0)を形成した後、これを引き裂き可能なシース(10)のチューブ(18)に
直ちに結合することができるように、閉塞バルーン(70)の軟化点は、引き裂
き可能な閉塞バルーンシース(10)のチューブ(18)の軟化点よりやや低温
とすべきである。1好適態様では、閉塞バルーン(70)は線状低密度ポリエチ
レン材料から形成し、引き裂き可能な閉塞バルーンシースのチューブ(18)は
高密度ポリエチレン材料から形成する。別の方法として、接着剤または他の慣用
の2種類のプラスチック材料の接合方法を使用して、閉塞バルーン(70)を引
き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の円筒形チューブ(18)に接合して
もよい。
【0063】 閉塞バルーン(70)は、図2に示すような、人体の血管に挿入するための、
引き裂き可能なシース(10)に接触した潰れたプロファイルと、冠状静脈洞を
閉塞するための、図3に示すような膨らんだプロファイルとを有し、膨らんだプ
ロファイルの直径は、潰れたプロファイルの直径の約2〜約10倍、好ましくは
3〜10倍である。好ましくは、潰れたプロファイルの閉塞バルーン(70)は
長さが約0.2in(0.5cm)〜約2.0in(5.0cm)、幅が約0.
05in(0.1cm)〜約0.5in(約1.1cm)である。完全に膨らむ
と、閉塞バルーン(70)は、好ましくは長さが少なくとも約0.2in(0.
5cm)、好ましくは約0.2in(0.5cm)〜約2.0in(5.0cm
)、幅が約0.25in(0.6cm)〜約1.0in(約2.5cm)である
。閉塞バルーン(70)の肉厚は、膨らんでいない時に約0.0005in(0
.001cm)〜約0.005in(0.01cm)の範囲である。
【0064】 好ましくは、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)は、図11に示すよ
うに、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の近位端(22)から遠位端
(24)またはその付近に達する膨張内腔(72)を有する。1好適態様では、
この膨張内腔(72)は、塩類溶液とX線撮影用造影剤との混合物といった液体
でバルーンを膨張させるように形作られている。別の好ましい方法では、閉塞バ
ルーン(70)の膨張にガスを使用してもよい。閉塞バルーン(70)の膨張に
は別の内腔(72)を使用することが好ましいが、閉塞バルーン(70)は、引
き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の内腔を通して造影剤を導入するのと
同時に膨張させてもよい。この態様では、バルーン(70)は、引き裂き可能な
閉塞バルーンシース(10)の内腔(34)を通して造影剤を流すことにより膨
張させる。即ち、造影剤を導入するための引き裂き可能な閉塞バルーンシース(
10)の内腔(34)は、閉塞バルーン(70)と流体連通している。加圧流体
を引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の内腔(34)を通して押し込む
と、これが膨張可能な閉塞バルーン(70)に入り、これを膨らませる。
【0065】 膨らませた時の閉塞バルーン(70)の形状は、冠状静脈洞を閉塞する任意の
慣用の形状とすることができる。しかし、好適態様においては、膨らませた時の
バルーン(70)の形状は、図3、10Aおよび10Bに示すように、引き裂き
可能な閉塞バルーンシース(10)のチューブ(18)を円周方向に包囲する。
膨らんだ開塞バルーン(70)を引き裂き可能なシース(10)の周囲に同心で
位置させることにより、バルーン(70)を越えて突き出ている、引き裂き可能
な閉塞バルーンシース(10)の遠位先端(24)は、冠状静脈洞内で流路の中
心付近に配置される。
【0066】 この閉塞バルーン(70)の同心形状は、任意の慣用の閉塞バルーンシステム
により達成することができる。1好適態様では、図10Aおよび10Bに示すよ
うに、1個のバルーン(70)を利用し、これを引き裂き可能な閉塞バルーンシ
ース(10)の本体に、その外面を囲むよう円周方向に固定する。好ましくは、
閉塞バルーン(70)を引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の本体に固
定する位置は、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の表面に設けた減肉
帯域(26)と合わせて、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)を引き裂
くと、閉塞バルーン(70)もこれらの位置で裂けるようにする。やはり好まし
くは、図10Cおよび10Dに示すように、バルーン(70)の表面は、バルー
ンの膨らんだ部分から近位側と遠位側とで引き裂き可能な閉塞バルーンシース(
10)の円筒形チューブ(18)の表面に固定してもよい。これにより、引き裂
き可能な閉塞バルーンシース(10)の円筒形チューブ(18)には、バルーン
(70)を所定位置に固定する接合領域(74,76)が形成される。引き裂き
可能な閉塞バルーンシース(10)を引き裂くと閉塞バルーン(70)も引き裂
くことが可能となる、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の円筒形チュ
ーブ(18)の表面への閉塞バルーン(70)の任意の他の固定方法も、本発明
の範囲内である。
【0067】 閉塞バルーン(70)を2つの分かれた別個の部分に引き裂くのに、各種のメ
カニズムを利用することができる。例えば、図11に示すように、物理的な脆弱
帯域またはスコア(切り欠き)線(80)を閉塞バルーン(70)の壁面に設け
て、閉塞バルーン(70)の壁面に圧力を加えると、バルーンが、これらの脆弱
帯域またはスコア線(80)に沿って裂けるようにしてもよい。バルーン表面の
これらの脆弱帯域またはスコア線(80)は、閉塞バルーン(70)の構成に用
いた材料に対する物理的メカニズムまたは化学的反応または放射線により生じさ
せることができる。引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)が引き裂かれる
とバルーンを別個の部分に分離することができる任意の方法が本発明の開示の範
囲内である。
【0068】 別の態様では、図12A、12B、12Cおよび12Dに示すように、一対の
バルーン(170,172)を使用し、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(1
0)の各側に1つずつ装着する。これらの2つのバルーン(170,172)を
利用する場合、これらは好ましくは、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10
)の減肉帯域(26)から離れた位置で引き裂き可能な閉塞バルーンシース(1
0)に固定して、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)を引き裂くと、片
方のバルーン(170)は引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の一方の
半分に保持され、他方のバルーン(172)は引き裂き可能な閉塞バルーンシー
ス(10)の他方の半分に保持されるようにする。
【0069】 図13A、13B、13Cおよび13Dに示したようなさらに別の変更例では
、1個の片側装着された偏心閉塞バルーン(270)が利用される。この態様で
は、閉塞バルーン(270)は引き裂き可能なシース(10)の表面に1つの位
置で固定される。この単一の閉塞バルーン(270)が膨らむと、図13Dに示
すように、バルーンが引き裂き可能なシースを、概ね同心の形状を形成するよう
に取り囲むことが好ましく、この形状により、引き裂き可能なシース(10)の
遠位先端(24)は、冠状静脈洞内の流路の中心付近の位置に配置される。好ま
しくは、この単一閉塞バルーン(270)は、引き裂き可能な閉塞バルーンシー
ス(10)の周囲を少なくとも約270°は包囲する。
【0070】 引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の遠位先端を冠状静脈洞の中心に
配置しない偏心バルーンのための他の形状も、医師がそれを好むなら、利用しう
る。例えば、図14A、14B、14Cおよび14Dに示した、引き裂き可能な
閉塞バルーンシース(10)の遠位先端(24)がバルーン(370)の膨張に
より冠状静脈洞内で中心に位置しない、単一の片側装着された偏心バルーン(3
70)を使用することができる。この態様では、閉塞バルーン(370)は引き
裂き可能な閉塞バルーンシース(10)の周囲を270°未満しか包囲しないこ
とが好ましい。
【0071】 他の形状の同心閉塞バルーンを使用してもよい。例えば、1好適態様では、図
10Aおよび10Bに、単一の円周方向に配置された球形の同心閉塞バルーン(
70)が開示されている。別の例として、図15Aおよび15Bに示すように、
単一の円周方向に配置された同心の「ドーナツ型」閉塞バルーン(470)を利
用することができる。また別の態様では、図16Aおよび16Bに示すように、
単一の円周方向に配置された同心の円錐形閉塞バルーン(570)を利用するこ
とができる。さらに別の態様では、図17Aおよび17Bに示すように、単一の
円周方向に配置された同心の円筒形閉塞バルーン(670)を利用することがで
きる。
【0072】 引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)を冠状静脈洞内の正しい位置に配
置するのを助け、かつ、その引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)に安定
性を付与するのを助ける1個または複数の閉塞バルーンの任意の他の形状も本発
明の範囲内である。
【0073】 閉塞バルーン(70)を冠状静脈洞内に保持するために、閉塞バルーン(70
)の外面は、冠状静脈洞とのその摩擦接触を高めるように処理されていてもよい
。例えば、米国特許第5,807,326;5,720,726;および4,9
27,412号等の各種特許に開示された構造を、冠状静脈洞の内面内での閉塞
バルーン(70)の摩擦を高めるために利用してもよい。摩擦接触を高めるため
の他の周知の方法も、本発明の範囲内である。
【0074】 手術中に、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)を人体に挿入するのに
修正セルディンガー法を使用する。血管系に開口を作ったら、ガイドワイヤーを
血管系に挿入し、前進させて、医療処置を実施すべき心臓の房室内に入れる。図
1Aに示すような右心房への上方接近を用いた本発明の1好適態様では、ガイド
ワイヤーを内頚静脈または鎖骨下静脈から上大静脈を経て右心房内に進める。引
き裂き可能な閉塞バルーンカテーテル(10,100)は、好ましくはその内腔
に真っすぐな拡張器(50)を入れて、ガイドワイヤーを通して右心房に送り込
む。
【0075】 図1Bに示すような下方接近を利用する場合には、ガイドワイヤーは大腿静脈
から下大静脈を経て右心房内に上向きに前進させる。真っすぐな拡張器(50)
を取り付けた引き裂き可能な閉塞バルーンシース(200)を、ガイドワイヤー
を通して右心房に進める。次に、ガイドワイヤーを取り出す。その後、引き裂き
可能な閉塞バルーンシース(200)を透視装置の案内下で、図1Bに示すよう
に引き裂き可能な閉塞バルーンシース(200)の先端を中央に向けて、三尖弁
の方向に前進させる。
【0076】 図4Aに示すように、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100)が好まし
い曲率で湾曲している場合には、好ましい引き裂き可能な閉塞バルーンシース(
100)と併用した、図6Aに示すような好ましい拡張器(150)により、上
方接近を用いて冠状静脈洞の口に容易に配置することができる。この方法では、
引き裂き可能な閉塞バルーンシース(150)内の内腔に真っすぐな拡張器(5
0)をまず導入して、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(150)に存在する
湾曲を真っすぐに伸ばす。好適態様では、内部に真っすぐな拡張器(50)を入
れて組合わせた、湾曲した引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100)を、ガ
イドワイヤーを通して血管系の中を前進させ、右心房に入れる。この時点で、好
適態様では、真っすぐな拡張器(50)を湾曲した拡張器(150)に交換して
、システムに一定の湾曲を生じさせる。湾曲した拡張器の遠位先端(156)を
その後、これが冠状静脈洞に入るまで、湾曲した引き裂き可能な閉塞バルーンシ
ース(100)の遠位先端(110)から前方に前進させる。次に、引き裂き可
能な閉塞バルーンシース(100)を、その遠位先端(110)がやはり冠状静
脈洞に入るまで、湾曲した拡張器(150)を通して前進させる。その後、湾曲
した拡張器(150)を湾曲した引き裂き可能な閉塞バルーンシース(100)
から取り出すことができる。
【0077】 引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)の遠位端が冠状
静脈洞内に配置されたら、閉塞バルーン(70,170,270)を膨らませて
、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)を冠状静脈洞内
の所定位置に保持する。閉塞バルーン(70,170,270)の膨張はまた、
引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)の遠位先端(24
,110,210)を冠状静脈洞内の流路の中心に位置させるのを助ける。閉塞
バルーン(70,170,270)が膨らんだら、好適態様では、加圧下に造影
剤を引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)の内腔(34
)を通して、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)の遠
位先端(24,110,210)から冠状静脈洞内に導入する。この造影剤を冠
状静脈洞に注入することにより、冠状静脈洞に付随する血管および冠状静脈洞は
、造影剤と血液により充溢するようになり、これらの血管のより良好な医学的視
認が可能となる。その後、医師は、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,
100,200)により冠状静脈洞に導入すべき、一時的もしくは長期的ペース
メーカーリード線といった医療デバイスの処置の深さおよび配置を決めるために
、血管をより良好に視覚化することができる。
【0078】 冠状静脈洞の検査が終了したら、閉塞バルーン(70,170,270)をへ
こませてもよく、その後、患者の心臓内に配置すべき医療デバイスを、引き裂き
可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)の内腔(34)を通して、
冠状静脈洞内に前進させる。例えば、一時的もしくは長期的ペースメーカーリー
ド線を、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)の内腔(
34)を通して、冠状静脈洞内真冠状静脈洞に付随する血管内に配置することが
できる。ペースメーカーリード線にさらに剛直性を付与し、引き裂き可能な閉塞
バルーンシース(10,100,200)の内腔を通したペースメーカーリード
線の容易な前進を可能にするため、ペースメーカーリード線の内腔にスタイレッ
トを挿入してもよい。ペースメーカーリード線を冠状静脈洞内に進めたら、好ま
しくはスタイレットを取り出す。その後、ペースメーカーリード線を常法により
所定位置に固定する。別の方法として、ペースメーカーリード線を引き裂き可能
な閉塞バルーンシース(100)の内腔(34)内に収容した後に、閉塞バルー
ン(70)を再び膨らませることができる。その後、冠状静脈洞を血液および/
または造影剤で再び充溢して、冠状静脈洞内のペースメーカーリード線の配置を
助ける。
【0079】 好適態様では、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)は引き裂き可能な
止血弁を収容しており、この止血弁にスタイレットつきペースメーカーリード線
が通される。より好ましい態様では、1998年12月8日出願の連続番号第0
9/207,295号に開示された分割式止血弁システム(300)が、引き裂
き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)のハンドル(20)に装
着される。この止血弁システムの取付けは、ペースメーカーリード線を引き裂き
可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)内に進める前または後の、
医療処置中の任意の時点で行うことができる。ペースメーカーリード線が適当な
位置に配置されたら、分割式止血弁システム(300)を開いて、これを手術部
位から取り出すことができる。慣用の引き裂き可能な止血弁を利用する場合には
、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)を引き裂いてシ
ステムから取り出すのと同時に、止血弁も引き裂いて手術部位から取り出す。
【0080】 リード線を所定位置に配置した後、患者の体内から引き裂き可能な閉塞バルー
ンシース(10,100,200)を抜き出す。リード線を所定位置に固定して
いるスタイレットおよび引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,2
00)の取り出しの順序は重要ではなく、医療実施者の優先度に応じて変動しう
る。リード線の近位端は一般にコネクタに結合しているか、または直接ペースメ
ーカーのパルス発生器(ペースメーカー本体)に結合しているので、図3および
3Aに示すように、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200
)は、これを患者の体内から取り出す時に、2つの長さ方向部分に分かれるよう
に引き裂く必要がある。引き裂いてしまえば、シースを手術部位から取り出すこ
とができる。閉塞バルーン(70)を引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10
,100,200)に固定した方法のおかげで、閉塞バルーン(70)も2つの
部分に引き裂かれ、その一方は引き裂き可能な閉塞バルーンシースの片側に残留
し、他方の部分は該シースの他方に残留する。或いは、2つのバルーン(170
,172)を利用する場合には、図12Aに示すように、これらのバルーンの一
方(170)は引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)の
片側に連結したままとなり、他方のバルーン(172)は引き裂き可能な閉塞バ
ルーンシース(10,100,200)の反対側に連結したままとなることが好
ましい。また、図13Aに示すように、単一の片側装着バルーン(270)を使
用する場合には、引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)
を引き裂く時に、バルーン(270)はシースの片側に装着したままとなること
が好ましい。
【0081】 引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10,100,200)は、その内腔を
通して、長期および一時的ペースメーカーリード線、除細動器リード線、アブレ
ーションもしくは感知用カテーテル、または冠状静脈洞内に配置すると有用性を
発揮する任意のこのような医療デバイスを包含する、各種の医療器具を導入する
のに使用することができる。これらの他の用途は当業界で周知であり、本発明の
技術思想の範囲内である。
【0082】 以上より明らかなように、本発明の特定の形態を例示および説明したが、本発
明の技術思想および範囲を逸脱せずに各種の変更をなすことができる。従って、
本発明はこの開示により制限されるものではなく、請求の範囲の均等物の意味お
よび範囲内に入る全ての変更例がそれに包含されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 上方接近を用いて冠状静脈洞内に導入された引き裂き可能な閉塞バルーンシー
スを示す、ヒトの心臓の右側からの破断図である。
【図1B】 下方接近を用いた冠状静脈洞内の引き裂き可能な閉塞バルーンシースの別の好
ましい態様を示す、ヒトの心臓の破断図である。
【図2】 バルーンが膨らんでいない第1の態様の引き裂き可能な閉塞バルーンシースの
斜視図である。
【図2A】 部分的に裂けた図2の引き裂き可能な閉塞バルーンシースの側面図である。
【図3】 閉塞バルーンが膨らんだ図2のシースの引き裂き可能な閉塞バルーンの側面図
である。
【図3A】 部分的に裂けた図3の引き裂き可能な閉塞バルーンシースの側面図である。
【図4A】 特に冠状静脈洞への上方接近用に設計された湾曲付与された遠位部分を持つ第
2の態様の引き裂き可能な閉塞バルーンシースの、閉塞バルーンが膨らんだ状態
での側面図である。
【図4B】 図4Aの位置から90°回転させた、図4Aの引き裂き可能な閉塞バルーンの
側面図である。
【図4C】 図4Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの、その遠位端から見た端面図で
ある。
【図5】 引き裂き可能な閉塞バルーンシースと共に使用する、真っすぐな拡張器の側面
図である。
【図6A】 引き裂き可能な閉塞バルーンシース共に使用する、湾曲付与された拡張器の側
面図である。
【図6B】 図6Aの位置から90°回転させた、図6Aの湾曲付与された拡張器の側面図
である。
【図6C】 図6Aの拡張器の、その遠位端から見た端面図である。
【図7A】 特に冠状静脈洞への下方接近用に考えられた、湾曲付与された遠位部分を持つ
第3の態様の引き裂き可能な閉塞バルーンシースの側面図である。
【図7B】 図7Aの位置から90°回転させた、図7Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシ
ースの側面図である。
【図7C】 図7Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの、その遠位端から見た端面図で
ある。
【図8A】 特に冠状静脈洞への下方接近用に考えられた図7Aの引き裂き可能な閉塞バル
ーンシースと共に使用する、湾曲付与された拡張器の側面図である。
【図8B】 図8Aの位置から90°回転させた、図8Aの湾曲付与された拡張器の側面図
である。
【図8C】 図8Aの拡張器の、その遠位端から見た端面図である。
【図9】 分割式止血弁システムおよび真っすぐな拡張器と共に使用する引き裂き可能な
閉塞バルーンシースの分解側方斜視図である。
【図10A】 バルーンが円周方向に設けた同心、球形の閉塞バルーンである、膨らんだ閉塞
バルーンを示す、引き裂き可能な閉塞バルーンシースの遠位部分の側面破断図で
ある。
【図10B】 図10Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの正面図である。
【図10C】 バルーンが膨らんだ状態での、閉塞バルーンをシースに装着する1つの方法を
示す、図10Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの遠位端の詳細図である。
【図10D】 バルーンが膨らんでいない状態での図10Cの引き裂き可能な閉塞バルーンシ
ースである。
【図11】 閉塞バルーンの内面のスコア線を示す、図10Aの引き裂き可能な閉塞バルー
ンシースの正面端面図である。
【図12A】 2つの片側装着された閉塞バルーンの使用を示す、引き裂き可能な閉塞バルー
ンシースの遠位部分の側面破断図である。
【図12B】 図12Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの上面図である。
【図12C】 図12Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの底面図である。
【図12D】 図12Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの正面端面図である。
【図13A】 1つの片側装着された同心の閉塞バルーンの使用を示す、引き裂き可能な閉塞
バルーンシースの遠位部分の側面破断図である。
【図13B】 図13Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの上面図である。
【図13C】 図13Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの底面図である。
【図13D】 図13Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの正面端面図である。
【図14A】 1つの片側装着された偏心の閉塞バルーンの使用を示す、引き裂き可能な閉塞
バルーンシースの遠位部分の側面破断図である。
【図14B】 図14Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの上面図である。
【図14C】 図14Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの底面図である。
【図14D】 図14Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの正面図である。
【図15A】 1つの円周方向に設けた同心「ドーナツ形」閉塞バルーンの使用を示す、引き
裂き可能な閉塞バルーンシースの遠位部分の側面破断図である。
【図15B】 図15Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの端面図である。
【図16A】 1つの円周方向に設けた同心、円錐形の閉塞バルーンの使用を示す、引き裂き
可能な閉塞バルーンシースの遠位部分の側面破断図である。
【図16B】 図16Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの端面図である。
【図17A】 1つの円周方向に設けた同心、円筒形の閉塞バルーンの使用を示す、引き裂き
可能な閉塞バルーンシースの遠位部分の側面破断図である。
【図17B】 図17Aの引き裂き可能な閉塞バルーンシースの端面図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年6月29日(2001.6.29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】 これらの問題点のため、上記の引き裂き可能なシースは、たとえ所定位置に、
より長い時間とどめておくことが好ましい場合であっても、手術部位から可及的
に速やかに取り出される。このような急いだ処置は、医療を複雑にする恐れがあ
る。 心臓にリード線を移植する1つの装置が米国特許第5,571,161号に開
示されている。この特許は、電気リード線を配置するための操縦可能な案内カテ
ーテルも開示する。この操縦可能な案内カテーテルはその長さに沿って引き裂き
可能であり、特に心臓ペースメーカーリード線の心臓への導入用に考えられてい
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】 しかし、これらの止血弁は、流体、特に血液の存在のために、医療処置に使用
する時に引き裂き(スプリット)が困難であることがよくある。また、これらの
止血弁を引き裂く際に、血液の飛び散りがしばしば起こる。さらに、弁がしばし
ば不均等に裂けてしまい、手術部位からの引き裂き可能なシースと引き裂き可能
な弁の取り出しがより困難となる。さらに、医師によっては、ペースメーカーの
リード線の枝線(tine)をこのような弁に通すことを、枝線の損傷を恐れて
躊躇する者もいる。その上、一部の医帥は、シースを患者の体内の所定位置に既
に配置した後でも、シースへの止血弁の導入を遅らせようとする場合がある。こ
れらの問題を解決するため、本譲受人が所有する、1998年12月8日出願の
連続番号第09/207,295号に開示されている、改善された分割式(pa
rtitioned)止血弁システムを利用することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】 第1の態様の引き裂き可能な閉塞バルーンシース(10)は、図2、2A、3
および3Aに示すように、概ね細長く実質的に円筒形のチューブ(18)から形
成され、このチューブの近位端(22)にハンドル(20)が固定されている。
1つの好ましい態様は米国特許第5,098,392号に開示されている。チュ
ーブ(18)は、適当なプラスチック、好ましくは高もしくは低密度ポリエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン−プロピレンプラスチック
から形成され、該プラスチックは体液と適合性のものである。チューブは近位端
(22)と遠位端(24)とを有する。また、チューブは、その全長を通る、内
側に切り込まれた長手方向の浅いみぞまたは凹部により画成された、一対の機械
的に形成された長手方向の減肉帯域(26)を有する。図2、2Aおよび3Aを
参照。これらの機械的に形成された減肉帯域は、導入器のシースが使用後に「引
き裂き」されるのを可能にする。導入器シースの引き裂きを行う他の公知の方法
も本発明の範囲内であるが、上記の方法が好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ボーンジン、ジーン・エイ アメリカ合衆国、カリフォルニア州93065、 シミ・ バレー、ストーンブルック・スト リート608 (72)発明者 オカリー、ジョン アメリカ合衆国、ミネソタ州55422、ロビ ンズデー ル、フォーティシックスス・ア ベニュー・ノース321 0 (72)発明者 スコット、スティーブン・イー アメリカ合衆国、ミネソタ州55331、エク セルシア ー、ダートマス・ドライブ3110 Fターム(参考) 4C167 AA09 AA12 BB02 BB03 BB04 BB05 BB26 BB27 BB31 BB33 CC08 CC19 DD01

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近位端および遠位端を有する引き裂き可能なシースと、この
    引き裂き可能なシースにその遠位端の近傍で装着された閉塞バルーンとを備える
    、引き裂き可能な閉塞バルーンシース。
  2. 【請求項2】 引き裂き可能なシースを分かれた複数部分に引き裂く時に、
    閉塞バルーンも分かれた別個の部分に引き裂き可能である、請求項1記載の引き
    裂き可能な閉塞バルーンシース。
  3. 【請求項3】 閉塞バルーンが、該バルーンを分かれた別個の複数部分に分
    離するためのシステムをさらに備える、請求項1または2記載の引き裂き可能な
    閉塞バルーンシース。
  4. 【請求項4】 閉塞バルーンを分離するためのシステムが、閉塞バルーンに
    設けた脆弱帯域を含む、請求項3記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシース。
  5. 【請求項5】 バルーンを複数部分に分離するためのシステムが、閉塞バル
    ーンの表面に切り込まれたスコア線;あるいは閉塞バルーンの化学反応または放
    射線により形成されたバルーン内の脆弱帯域を含む、請求項4記載の引き裂き可
    能な閉塞バルーンシース。
  6. 【請求項6】 引き裂き可能なシースの内腔の内部に装着された引き裂き可
    能な止血弁、または引き裂き可能なシースに取付けられた分割式止血弁システム
    をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の引き裂き可能な閉塞バル
    ーンシース。
  7. 【請求項7】 分割式止血弁システムが、引き裂き可能なシースに装着する
    ようになっている分割式止血弁アダプタ、分割式止血弁アダプタに装着されたハ
    ウジング、およびこのハウジング内に装着された分割式止血弁を備える、請求項
    6記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシース。
  8. 【請求項8】 引き裂き可能なシースの内腔に導入された拡張器をさらに備
    える、請求項1〜7のいずれか1項記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシース。
  9. 【請求項9】 拡張器が約30〜約120°の円弧を描いて湾曲している湾
    曲付与された部分を備える、請求項8記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシース
  10. 【請求項10】 拡張器の湾曲付与部分が第1および第2の湾曲部分を含み
    、第1の湾曲部分は約10〜約60°の円弧を描いて湾曲し、第2の湾曲部分は
    約20〜約90°の円弧を描いて湾曲し、第1および第2の湾曲部分が好ましく
    は実質的に同一平面上にある、請求項9記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシー
    ス。
  11. 【請求項11】 拡張器の湾曲付与部分が第1の円弧を持つ第1の湾曲部分
    と第2の円弧を持つ第2の湾曲部分とを備え、第1および第2の湾曲部分の円弧
    の合計が約30〜約120°、好ましくは約45〜約90°であり、第1および
    第2の湾曲部分が好ましくは実質的に同一平面上にある、請求項9記載の引き裂
    き可能な閉塞バルーンシース。
  12. 【請求項12】 引き裂き可能なシースが湾曲付与されている、請求項1〜
    11のいずれか1項に記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシース。
  13. 【請求項13】 湾曲付与された引き裂き可能なシースが約30〜約120
    °の円弧を描いて湾曲している湾曲部分を備える、請求項12記載の引き裂き可
    能な閉塞バルーンシース。
  14. 【請求項14】 近位端および遠位端を有する引き裂き可能なシースと、こ
    の引き裂き可能なシースの遠位端の近傍でこの引き裂き可能なシースに装着され
    た閉塞バルーンと、この引き裂き可能なシースの内腔の内部に配置された、湾曲
    付与された拡張器とを備える、引き裂き可能な閉塞バルーンシースシステム。
  15. 【請求項15】 該引き裂き可能なシースに取付けられた引き裂き可能な止
    血弁をさらに備える、請求項14記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシースシス
    テム。
  16. 【請求項16】 該引き裂き可能なシースに取付けられた分割式止血弁シス
    テムをさらに備える、請求項14記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシースシス
    テム。
  17. 【請求項17】 分割式止血弁システムが、引き裂き可能なシースに装着す
    るようになっている分割式止血弁アダプタ、分割式止血弁アダプタに装着された
    ハウジング、およびこのハウジング内に装着された分割式止血弁を備える、請求
    項14〜16のいずれか1項に記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシースシステ
    ム。
  18. 【請求項18】 近位端および遠位端を有する引き裂き可能なシースと、こ
    の引き裂き可能なシースの遠位端の近傍でこの引き裂き可能なシースに装着され
    た閉塞バルーンと、この引き裂き可能なシースに取付けられた分割式止血弁シス
    テムとを備える引き裂き可能な閉塞バルーンシースシステムであって、この分割
    式止血弁システムは好ましくは、引き裂き可能なシースに装着するようになって
    いる分割式止血弁アダプタ、分割式止血弁アダプタに装着されたハウジング、お
    よびこのハウジング内に装着された分割式止血弁を備える、引き裂き可能な閉塞
    バルーンシースシステム。
  19. 【請求項19】 閉塞バルーンが、それぞれ引き裂き可能なシースの遠位端
    の近傍で引き裂き可能なシースに装着された複数のバルーンを含む、請求項1〜
    18のいずれか1項に記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシース。
  20. 【請求項20】 閉塞バルーンが引き裂き可能なシースの遠位端に装着され
    、膨らんだ時の閉塞バルーンが、引き裂き可能なシースの周囲で概ね同心または
    偏心の形状をとる、請求項1〜19のいずれか1項に記載の引き裂き可能な閉塞
    バルーンシース。
  21. 【請求項21】 バルーンが膨らんだ時に、同心の閉塞バルーンが引き裂き
    可能なシースの周囲を実質的に包囲するか、または偏心バルーンが膨らんだ時に
    、これが引き裂き可能なシースの周囲を約270°未満だけ包囲する、請求項2
    0記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシース。
  22. 【請求項22】 引き裂き可能なシースの近位端から遠位端またはその近傍
    に達する一対の内腔をさらに備え、これらの内腔の一方が閉塞バルーンと連通し
    、もう1つの内腔は引き裂き可能なシースを通して医療デバイスを導入するよう
    に設計されている、請求項1〜21のいずれか1項に記載の引き裂き可能な閉塞
    バルーンシース。
  23. 【請求項23】 媒体を引き裂き可能なシースを通して導入し、引き裂き可
    能なシースの遠位端から排出するため、引き裂き可能なシースの近位端から遠位
    端に達する1つの内腔をさらに備える、請求項1〜21のいずれか1項に記載の
    引き裂き可能な閉塞バルーンシース。
  24. 【請求項24】 引き裂き可能なシースと閉塞バルーンの組成が相溶性であ
    る、請求項1〜23のいずれか1項に記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシース
  25. 【請求項25】 引き裂き可能なシースと閉塞バルーンがどちらもポリエチ
    レンから構成される、請求項24記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシース。
  26. 【請求項26】 人体内の血管の表面との閉塞バルーンの摩擦接触を高める
    ため、閉塞バルーンの外面に設けられたシステムをさらに備える、請求項1〜2
    5のいずれか1項に記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシース。
  27. 【請求項27】 閉塞バルーンが、引き裂き可能なシースを複数部分に引き
    裂くのに有用な引き裂き可能なシースに設けた弱化部分に対応する位置で引き裂
    き可能なシースに装着されている、請求項1〜25のいずれか1項に記載の引き
    裂き可能な閉塞バルーンシース。
  28. 【請求項28】 分かれた複数の閉塞バルーンが、引き裂き可能なシースの
    弱化部分に対応する別々の位置で、引き裂き可能なシースに装着されている、請
    求項27記載の引き裂き可能な閉塞バルーンシース。
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