JP2003525569A - 貪食作用遺伝子およびその使用 - Google Patents

貪食作用遺伝子およびその使用

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JP2003525569A
JP2003525569A JP2000528677A JP2000528677A JP2003525569A JP 2003525569 A JP2003525569 A JP 2003525569A JP 2000528677 A JP2000528677 A JP 2000528677A JP 2000528677 A JP2000528677 A JP 2000528677A JP 2003525569 A JP2003525569 A JP 2003525569A
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JP2000528677A
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ヘンガートナー,マイケル,オー.
ボガート,ティエリー,アンドレ,オリバー,エディー
クリーキンジェ,ウィム,マリア,レン バン
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コールド スプリング ハーバー ラボラトリー
デヴゲン エヌ.ブイ.
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路に関し、具体的には、線虫C.エレガンスにおけるCED−6として知られるタンパク質、該タンパク質のヒト同等物およびそれらをコードする核酸に関する。また、本発明は、前記シグナル伝達経路を増強または阻害する化合物を検出するアッセイ方法における該タンパク質およびコードする核酸の使用ならびにタンパク質、核酸および同定されたエンハンサーまたはインヒビター化合物のヒトまたは動物疾患の処置方法における使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願 本出願は、1998年9月24日提出の英国特許出願第9820816.8号
明細書および1998年6月11日提出の英国特許出願第9812660.0号
明細書の一部継続出願であり、それらに対する優先権を主張し、1998年6月
11日提出の米国特許出願第09/096,347号明細書および1998年6
月11日出願の米国特許出願第09/096,631号明細書の一部継続出願で
あり、それらに対する優先権を主張するものであり、かつ1998年1月23日
提出の米国仮出願第60/072,324号明細書の利益を享受するものである
。これらの参照される特許出願の教示はその全体が参照により本明細書中に取り
込まれる。
【0002】政府の支援 本発明は、国立衛生研究所の補助金GM52540によってその全体または一
部が支援された。政府は本発明において一定の権利を有する。
【0003】発明の背景 貪食作用または取り込みは、真核生物が非常に大きな粒子または細胞全体さえ
も取り込むエンドサイトーシスの特殊な形態である。これは、アメーバ属などの
単細胞生物から哺乳動物まで保存されている基本的な生体プロセスである(Me
tchnikoff,E.(1891)、炎症の比較病理学に関する講演;パス
ツール研究所において実施、1891、1968(New York:Dove
r Publication))。貪食作用は、最初は摂食および防御の二重の
目的に使用され、中胚葉の発生後、侵入する生物に対し宿主を防御し、かつ異物
粒子および細胞片を取り除くために使用される機構に進化した(Metchni
koff、1891)。近年、貪食作用の重要性が、プログラム細胞死(アポト
ーシス)を受けている細胞を除くときのその役割のために広がっている。アポト
ーシスは多数のヒト疾患に関与しているために、この貪食作用の調節を解明する
ことは、これらの疾患における新たな治療的介入経路をもたらすであろうために
非常に望ましい。従って、貪食作用を調節する遺伝子およびタンパク質を単離す
る必要がある。さらに、アポトーシス細胞の貪食作用に関連する疾患の治療的処
置を必要とする。
【0004】発明の要旨 C.elegansにおける遺伝子研究により、プログラム細胞死に機能する
12個を超える遺伝子が同定されている。本発明者らは、ポジショナル法を使用
して、C.elegansのCED−6遺伝子をクローニングし、機能的に特徴
付けを行った。CED−6タンパク質は、1つのホスホチロシン結合ドメインと
、SH3結合部位と考えられるいくつかのドメインとを含むことが示される。さ
らに、CED−6は、取り込み細胞内において作用し、初期の細胞残骸と永続性
(persistent)細胞残骸との両方の除去を促進するように機能してい
ることが示されている。CED−6の過剰発現は、CED−1とCED−7との
両方の取り込み欠損が部分的に抑制することができ、CED−6がこれらの2つ
の遺伝子の下流で機能することを示唆する。CED−6は、C.elegans
のアポトーシス細胞の取り込みを媒介するシグナル伝達経路におけるアダプター
分子として作用する。本発明者らはまた、哺乳動物細胞において類似プロセスに
関与していることが示されている、スプライシング変異体を含むヒトCED−6
ホモログの同定、単離および特徴づけを行った。
【0005】 本発明は、単離された形態で、C.elegansのCED−6タンパク質で
あるタンパク質またはそれと同等な機能を有するタンパク質、および該タンパク
質のヒトホモログを提供し、以下、h1CED−6、h2CED−6およびh3
CED−6という。
【0006】 さらに、本発明は、CED−6、h1CED−6、h2CED−6およびh3
CED−6の機能的フラグメント、例えば、ホスホチロシン結合ドメインおよび
/またはプロリン/セリンリッチ領域に対応するフラグメントを提供する。
【0007】 さらに、本発明は、CED−6およびCED−6のヒトホモログをコードする
単離された核酸、ならびに上記のCED−6、h1CED−6、h2CED−6
およびh3CED−6の機能的フラグメントをコードする核酸を提供する。
【0008】 本発明はさらに、上記核酸のいずれかのアンチセンスである核酸または低スト
リンジェンシー、中ストリンジェンシーまたは高ストリンジェンシー条件下に上
記核酸のいずれかとハイブリダイズし得る核酸あるいはその一部もしくはフラグ
メントを提供する。
【0009】 さらに、本発明は、CED−6、h1CED−6、h2CED−6、h3CE
D−6をコードする核酸、または上記タンパク質の機能的フラグメントをコード
する核酸を含有した発現ベクターを提供する。
【0010】 さらに、本発明は、CED−6、h1CED−6、h2CED−6および/ま
たはh3CED−6をコードする核酸の1以上によりトランスフェクトされた哺
乳動物細胞株を提供する。
【0011】 さらに、本発明は、上記のタンパク質、核酸およびトランスフェクト細胞を使
用して、CED−6、h1CED−6、h2CED−6および/またはh3CE
D−6が関与するシグナル伝達経路を増強または阻害する化合物を同定するアッ
セイ方法を提供する。
【0012】 さらに、本発明は、上記のトランスフェクト細胞を使用して、CED−6遺伝
子、h1CED−6遺伝子、h2CED−6遺伝子またはh3CED−6遺伝子
の発現を増強または阻害する化合物を同定するアッセイ方法を提供する。
【0013】 さらに、本発明は、CED−6、h1CED−6、h2CED−6および/ま
たはh3CED−6のエピトープと反応する抗体を提供する。
【0014】 本発明はさらに、炎症、自己免疫疾患またはガンなどの病因がアポトーシス細
胞もしくは他の疾患細胞の取り込みの機能不全に帰因するであろう疾患を、CE
D−6、h1CED−6、h2CED−6またはh3CED−6のエンハンサー
である上記のタンパク質または核酸または化合物の1以上を患者に投与すること
によって処置する方法を提供する。
【0015】 さらに、本発明は、神経変性疾患、卒中または鎌状赤血球貧血などのアポトー
シス細胞の取り込みを低下させることから恩恵をうけるであろう疾患を、CED
−6、h1CED−6、h2CED−6またはh3CED−6のインヒビターで
ある上記のタンパク質または核酸または化合物の1以上を患者に投与することに
よって処置する方法を提供する。
【0016】 さらに、本発明は、CED−6、h1CED−6、h2CED−6またはh3
CED−6をコードする核酸もしくはその相補体またはCED−6、h1CED
−6、h2CED−6もしくはh3CED−6に対する抗体を使用して、遺伝子
的欠損を検出する、ヒトまたは動物の疾患の診断方法を提供する。
【0017】 さらに、本発明は、CED−6、h1CED−6、h2CED−6またはh3
CED−のタンパク質が関連するシグナル伝達経路においてCED−6、h1C
ED−6、h2CED−6またはh3CED−のタンパク質と相互作用するタン
パク質の同定方法を提供する。
【0018】 さらに、本発明は、CED−6、h1CED−6、h2CED−6もしくはh
3CED−6またはホスホチロシン結合ドメインまたはセリンプロリンリッチ領
域などのその機能的フラグメントがエピトープ標識またはレポーター遺伝子産物
などの別のタンパク質に融合した融合タンパク質を提供する。
【0019】 さらに、本発明は、化合物が、CED−6が関与するシグナル伝達経路のエン
ハンサーまたはインヒビターであるかどうかを、CED−6の発現を変化させた
C.elegans蠕虫における前記化合物の作用を観察することによって決定
する方法を提供する。
【0020】発明の詳細な説明 選択的にスプラシングされたh2CED−6をコードするcDNA、およびh
2CED−6からh3CED−6を構成するために必要とされるさらなる配列を
コードするcDNAは、Laboratorium voor Molecul
ar Biologie−plasmidencollective(LMBP
)のBelgian Coordinated Collections of
Microorganisms(BCCM) ゲント大学、K.L.Lede
ganckstraat35、B9000、Gent、ベルギーにブダペスト条
約に従って1998年6月8日に寄託され、それぞれ、寄託番号LMBP386
8および同LMBP3869が割り当てられた。
【0021】 これらの寄託物から関連する挿入断片を得るために役に立つプライマーを実施
例4に示す。
【0022】
【表1】
【0023】 C.ELEGANS CED−6 プログラムされた細胞死は、従来的には、細胞殺傷および死細胞除去の2つの
異なる連続したプロセスに分けられている。しかし、これらの2つの事象はかな
り密接に連携している。生体内において、アポトーシス的形態学を示す細胞は、
通常、既に他の細胞によって包み込まれている(Wyllie A.H.他、1
980、Int.Rev.Cytol.68、251〜306;Lockshi
n R.A.(1981)、生物学および病理学における細胞死(Cell D
eath in Biology and Pathology)、R.A.L
ockshinおよびI.D.Browen編(London:Clapman
and Hall)、79頁〜122頁;DuvallおよびWyllie(
1986)Immunol.Today、、115頁〜119頁;Rober
tsonおよびThompson(1982)J.Embryol.Exp.M
orph.67、89頁〜100頁;Hedgecock他(1983)Sci
ence、222、1277〜1279;Ellis他(1991)Genet
ics、129、79頁〜94頁)。取り込みはまた、線虫のCaenorha
bditis elegansにおける迅速で効率的なプロセスである:死にか
けている細胞は、1時間以内に、その近くの細胞によって包み込まれて完全に除
去される(SulstonおよびHorvitz(1977)、Dev.Bio
l.56、110頁〜156頁;RobertsonおよびThomson、1
982)。取り込みは、必ずしも専門的な食細胞によるものではない。アポトー
シス細胞の迅速な取り込みは、死にかけている細胞がその溶解途中で潜在的に有
害な内容物を放出しないようにするために重要であり、そのような有害物は周り
の組織に損傷を及ぼして炎症性応答を生じさせ得る(Duvall他(1985
)Immunology、56、351頁〜358頁;Savill他(198
9)J.Clin.Invest.83、865頁〜875頁;Grigg他(
1991)Lancet、358、720頁〜722頁;Savill他(19
93)Immunol.Today、14、131頁〜136頁)。
【0024】 線虫C.elegansは、プログラムされた細胞死を研究するために広く使
用されている(総説:Hengartner(1997)、C.elegans
における細胞死II(Cell Death in C.elegans II)
、Plain View、Cold Spring Harbour Labo
ratory Press、383頁〜415頁)。遺伝子研究により、C.e
legansにおけるアポトーシスの調節および発現において機能している12
個を超える遺伝子が同定されている。6個の遺伝子、CED−1、CED−2、
CED−5、CED−6、CED−7およびCED−10は、すべての死にかけ
ている細胞の取り込みにおいて機能している(Hedgecock他、1983
;Ellis他、1991;Horvitz他(1994)Cold Spri
ng Harbour Symp.Quant.Biol.(1994)59
377頁〜385頁)。これらの遺伝子のいずれか1つが変異した動物において
、アポトーシス細胞の多くは包み込まれず、微分干渉位相(DIC)光学装置で
容易に同定することができる高屈折性ディスクとして長時間にわたり消えずに残
っている(Hedgecock他、1983;Ellis他、1991)。これ
らの6個の取り込み遺伝子はいずれも、多くの死にかけている細胞がこれらの変
異体においてもやはり正しく除去されるので取り込みに絶対的に必須とされるも
のではない。様々な二重変異体の遺伝子分析によって、これらの6個の遺伝子は
2つの部分的に重複したグループを形成し得ることが示された:一方はCED−
1、CED−6およびCED−7からなり;もう一方はCED−2、CED−5
およびCED−10からなる(Ellis他、1991)。永続性細胞残骸の数
は、二重変異体を交配したグループでは劇的に増大し、同じグループ内での交配
では増大していない。これらの遺伝子が取り込みの調節においてどのように関与
しているかの理解には、その分子的性質を解明する必要がある。
【0025】 他の種において、いくつかの候補的なアポトーシスレセプターがこの数年間に
わたって同定されている;これらにはATP結合性カセットトランスポーターA
BC1(LucianiおよびChimini(1996)EMBO J.、 、226頁〜235頁)、ビトロネクチンレセプター(Savill他(19
90)Nature、343、170頁〜173頁)、およびCD36(Asc
h他(1987)J.Clin.Invest.79、1054頁〜1061頁
;Savill他(1992)J.Clin.Invest.90、1513頁
〜1522頁;Ren他(1995)J.Exp.Med.18、1857頁〜
1862頁)などの接着分子、ショウジョウバエのクロケモルト(croque
mort)(Franc他(1996)Immunity、、431頁〜44
3頁)、A型スカベンジャーレセプター(Platt他(1996)Proc.
Natl.Acad.Sci.USA、93、12456頁〜12460頁)、
レクチン類(Duvall他(1985)、およびアポトーシス細胞の外側葉状
部(リーフレット)におけるホスファチジルセリンを認識し得る予想されるレセ
プター(Fadok他(1992)J.Immunol.148、2207頁〜
2216頁;Fadok他(1992)J.Immunol.149、4029
頁〜4035頁)が含まれる。現在、表面レセプターから細胞骨格にシグナルを
伝達するために取り込み中の細胞によって使用される分子についてはほとんど知
られていない。また、これらの分子が、貪食作用に必要とされる局所的な細胞質
再編および動的伸張をどのように調節しているかについてもほとんど知られてい
ない(Savill他1993)。C.elegansにおける取り込みの遺伝
子分析によって、これらのプロセスに関与する遺伝子を同定することができた。
実際、WuおよびHorvitz(1998)(Nature、392、501
頁〜504頁)は、C.elegansのCED−5はヒトのDOCK180と
相同的であり、取り込みの時に細胞骨格の再編を調節し得ることを示した。
【0026】 アポトーシスのプロセスは、ガン、自己免疫疾患、様々な神経変性疾患(筋萎
縮性側索硬化症、ハンチントン病およびアルツハイマー病など)、卒中、心筋梗
塞、およびAIDSを含む広範囲の疾患の病因論に関係し、あるいはそのような
広範囲の疾患の病理学と関連している(Thompson(1995)Scie
nce、267、1456頁〜1462頁)。従って、アポトーシスを引き起こ
す分子事象をより十分に理解することは新規な治療的介入につながり得る。現在
の関心の多くが死プロセスの殺傷段階を制御する遺伝子およびタンパク質に向け
られている一方で、アポトーシス細胞を除去することはまたアポトーシスプログ
ラムの適正な全体的な機能発現にとって重要であることも証明されること、そし
てその除去によって(本明細書に記載されているような)治療的介入に関する別
の介入点が提供されることが十分にありうる。
【0027】 死にかけている細胞の認識および取り込みのプロセスは著しく迅速で効率的で
ある。動物において、別の細胞においてすでにアポトーシス特徴を有する細胞を
見つけることは本質的に不可能である。アポトーシス細胞のそのような迅速な認
識および貪食作用は生体内でのプログラムされた細胞死の重要な局面である:包
み込まれていないアポトーシス体は、炎症に至る二次的なネクローシスを経るこ
とがある。また、アポトーシス体が除去されないことによって、身体は(例えば
、カスパーゼによって生成されるタンパク質フラグメントに由来する)新たなエ
ピトープに曝され、おそらく自己免疫疾患の発症が促される。永続性のアポトー
シス体は、多くの場合、(過度なアポトーシスを導く)化学療法的介入の後で観
察され、そして細胞残骸のクリアランスが遅いと考えられている充実性腫瘍にお
いて特に多い。
【0028】 アポトーシス細胞の認識および取り込みを行う能力に加えて、専門的な食細胞
は特異的な表面レセプターを有する:例えば、Fcレセプター(Ravetch
(1994)Cell、78、553〜560;Greenberg他(199
3)J.Exp.Med.117、529頁〜534頁)、およびC3レセプタ
ー(Bianco他(1975)J.Exp.Med.141、1278頁〜1
290頁;Greenberg他(1995)Trends in Cell
Biol.、93頁〜99頁)など。これらのレセプターは、抗原オプソニン
化粒子を認識して、その貪食作用を誘発する。インヒビターの研究により、Fc
レセプターによって媒介される貪食作用はチロシンのリン酸化が必要であること
が示された(Greenberg他、1993;Greenberg、1995
)。本発明者らの研究は、アポトーシス細胞の取り込みはまたチロシンキナーゼ
のシグナル伝達経路によって媒介され得ることを示唆している。これらの2つの
経路は細胞表面の別個のレセプターを明らかに使用しているが、レセプターは、
最終的には同じ下流の取り込み機構に収斂しなければならず、従って少なくとも
いくつかの共通したシグナル伝達分子を共有し得る。
【0029】 本発明は、アポトーシス細胞の貪食作用を調節するシグナル伝達経路のアダプ
ター分子である単離されたタンパク質に関する。
【0030】 特定の態様において、本発明は、線虫C.elegans由来の単離されたタ
ンパク質であって、アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路に
おいて作用するアダプター分子であるタンパク質に関連する。このタンパク質は
、Figure 2Aに示されるアミノ酸配列(配列番号:2)、または同類ア
ミノ酸変化においてのみFigure 2Aと異なるアミノ酸配列を含む。上記
のように、Figure 2Aに示されているアミノ酸配列は、C.elega
nsのCED−6のアミノ酸配列であり、そのコードDNAもまた示されている
【0031】 別の局面において、本発明は、Figure 2Aのアミノ酸配列(配列番号
:2)をコードするヌクレオチドの配列を含む核酸(例えば、Figure 2
Aの約22位〜約1500位のヌクレオチドの配列、またはFigure 2A
に示されているヌクレオチドの全配列)を含む。
【0032】 本発明のさらなる態様において、Figure 2Aのアミノ酸配列を有する
タンパク質のフラグメントまたは一部、または同類アミノ酸変化においてのみF
igure 2Aに示されたものと異なるアミノ酸配列を有するタンパク質のフ
ラグメントまたは一部である単離されたタンパク質が提供される。例えば、その
ような部分は、ホスホチロシン結合性ドメインに対応するアミノ酸配列(配列番
号:4)(Figure 2Aの約46位〜約193位のアミノ酸)、またはプ
ロリン/セリンリッチ(rich)領域に対応するアミノ酸配列(配列番号:6
)(Figure 2Aの約242位〜約339位のアミノ酸)を含むことがで
きる。
【0033】 C.elegansのCED−6タンパク質のPTBドメインまたはプロリン
/セリンリッチ領域をコードする核酸(それぞれ、配列番号:3および配列番号
:5)は、請求項に記載される発明により包含される。
【0034】 本発明のなおさらなる局面において、配列番号:1、3、5、7、9、11、
13、15のヌクレオチドの配列に、低度、中度または高度のストリンジェンシ
ー条件でハイブリダイゼーションすることができる単離された核酸が提供される
。低度のストリンジェンシーとは、およそ、0.2〜2xSSC/0.1%SD
S/25℃〜50℃を意味していることを理解しなければならない。
【0035】 本発明のさらなる態様において、配列番号:2、4、6、8、10、12、1
4または16のアミノ酸配列を有するタンパク質、あるいは同類アミノ酸変化に
おいてのみ配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16に示される
アミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を有するタンパク質を融合体の一部として含
む融合タンパク質が提供される。このタンパク質は、例えば、エピトープタグま
たはレポーター遺伝子の発現産物に融合させることができる。
【0036】 なおさらなる局面において、本発明により、配列番号:1、3、5、7、9、
11、13、15の核酸配列のいずれかを含む発現ベクターが提供される。好ま
しくは、このベクターには、そのような核酸の発現によってレポーター遺伝子の
発現が生じるように本発明の核酸に関して配置される緑色蛍光タンパク質などの
レポーター遺伝子が組み込まれている。好ましくは、CED−6およびレポータ
ー遺伝子の融合体が発現される。
【0037】 本明細書中で使用されている用語「核酸」は、ゲノムDNA、RNAおよびc
DNAを含み得ることを理解しなければならない。
【0038】 ポジショナルクローニング法を使用して、C.elegansのCED−6遺
伝子がクローニングされ、そのヌクレオチド配列が決定された。さらに、そのタ
ンパク質の機能的な特徴付けが行われた。公的に入手可能なタンパク質配列デー
タベースを検索することによって、CED−6タンパク質は、N端側の半分にお
いて推定ホスホチロシン結合性ドメインを有し、そしてC端側の半分においてS
H3結合ドメインと考えられるプロリン/セリンリッチ領域を有することが明ら
かにされた。
【0039】 遺伝子モザイク分析ならびにレスキュー実験および過剰発現実験によって、C
ED−6は、取り込み中の細胞において自律的に作用し、アポトーシス細胞の取
り込みを促進することが示された。さらなるデータベース検索によって、機能的
な領域は驚くべきほどに進化的に保存されていることが確認された。従って、本
発明者らは、今回、C.elegansのCED−6遺伝子の2つのヒトホモロ
グをクローニングし、それらが同等の機能を有していることを示した。
【0040】 C.elegansのCED−6の分子クローニング Ellisおよび共同研究者による先の遺伝子マッピング実験(Ellis他
(1991)Genetics、129、79頁〜94頁)では、CED−6遺
伝子は第3染色体のdaf−4座の近くに配置されている(Figure 1A
)。daf−4付近の領域が、C.elegansゲノム配列コンソーシアムに
よってほとんど配列決定された(Wilson他(1994)Nature、3
68、32頁〜38頁)。CED−6の正確な物理的位置を決定するために、本
発明者らは、ともに約0.3Mbpであるこの領域において13個のオーバーラ
ップコスミドを集めた。生殖系形質転換法(MelloおよびFire(199
5)、Methods in Cell Biology(San Diego
、Academic Press)452頁〜482頁)を使用し、トランスジ
ェニック動物が産生した3倍胚を永続性細胞残骸の存在について評価することに
よって、これらのコスミドを、CED−6(n1813)の取り込み欠損をレス
キューする能力について調べた。3回畳まれる胚は、細胞残骸が非常に多く、こ
の発達段階で容易に見られるため、初期研究に選ばれた。2つのオーバーラップ
コスミドのF56D2およびF43F12は、CED−6(n1813)の取り
込み欠損をレスキューできることが見出された。F56D2由来のDNAフラグ
メントを使用するさらなるレスキュー実験によって、レスキュー活性を含むこと
が確認された。
【0041】 遺伝子予想プログラムのGENEFINDERTMによって、この領域は2つの
遺伝子を含むことが示唆された:C.elegansゲノム配列コンソーシアム
は、これらの遺伝子をF56D2.7およびC05D2.6の名称でGenba
nkに寄託した。RT−PCRおよびcDNAライブラリー(下記参照)のスク
リーニングを組み合わせて使用することによって、F56D2.7の存在および
その予想されるイントロン/エキソンパターンが確認された。しかし、本発明者
らは、C05D2.6は、単一の遺伝子に対応するというよりもむしろ、実際に
は2つの遺伝子に対応していることを見い出し、その上流転写物の末端とその下
流転写物の開始点との短い距離(>>>bp)により、C05D2.6A/Bは
2遺伝子のオペロンであり得ることが示唆された(Zorio他(1994)N
ature、372、270頁〜272頁)。C05D2.6Bは「下流」のス
プライシングリーダーSL2に対してトランススプライシングされるが、上流転
写物のC05D2.6Aはより一般的なSL1スプライシングリーダーに対して
トランススプライシングされることが見出された(Figure 1E)。
【0042】 CED−6座 XhoIフラグメントに存在する3つの遺伝子のどれがCED−6に対応する
かを決定するために、内部欠失または点変異を含有する多数の構築物を作製した
。C05D2.6A/Bオペロンの大部分の欠失は、CED−6レスキューにつ
いて何ら有害な作用を有していなかった。これに対して、F56D2.7の第3
エキソンにフレームシフト変異を導入することによりフラグメントのレスキュー
活性はなくなった(Figure 1E)。F56D2.7がCED−6の多コ
ピーサプレッサーであり得る可能性を除くために、そしてF56D2.7がCE
D−6座に対応し得るという疑いを確認するために、2つの既知のCED−6対
立遺伝子(n1813およびn2095)をこの領域内の何らかのヌクレオチド
変化について分析した。サザンブロット分析によって、CED−6(n2095
)変異体においてF56D2.7に影響する対立遺伝子特異的な制限断片長多型
性が明らかにされた(Figure 2A)。n2095で認められたハイブリ
ダイゼーションパターンに基づいて、CED−6(n1813)におけるF56
D2.7の第4エキソン内での単一ヌクレオチドの欠失もまた同定された。この
変異は、リーディングフレームシフトをもたらし、短縮型タンパク質をもたらす
はずである(Figure 2B)。まとめると、ゲノムレスキューおよび変異
のデータは、F56D2.7がCED−6に対応することを強く示唆した。
【0043】 CED−6転写物の同定 CED−6の予想されるイントロン/エキソン構造を確認するために、本発明
者は、様々な段階が混合されている(mixed−stage)cDNAライブ
ラリーをスクリーニングして、CED−6遺伝子に対応する10個のクローンを
単離した。これらのクローンのいくつかは、スプライシングリーダーSL2配列
を5’末端に含有していた。このことは、CED−6もまたオペロン内の下流遺
伝子であり得ることを示唆している。RT−PCRを、様々な段階が混合されて
いるRNAについて、SL1およびSL2の両方のトランススプライシングリー
ダーをPCR工程のプライマーとして使用して行った。興味深いことに、PCR
増幅フラグメントの配列分析によって、SL1およびSL2の両方のトランスス
プライシングリーダーがCED−6転写物の5’末端に見出され得ることが明ら
かにされた(Figure 2B)。CED−6オペロンにおける上流遺伝子は
、予想された遺伝子のF56D2.1である。SL1によってトランススプライ
シングされるmRNAの存在は、CED−6もまた、第2の下流のプロモーター
から、上流遺伝子とは独立的に転写され得ることを示唆している。下流プロモー
ターの存在は、たとえXhoIフラグメントがCED−6オペロン全体を含有し
ていない場合でも、なぜXhoIフラグメントがCED−6変異体をレスキュー
し得るかを説明することができる。
【0044】 CED−6タンパク質はホスホチロシン結合性(PTB)ドメインおよびプロリ
ン/セリンリッチ領域を含有する 全長のCED−6cDNAは、492アミノ酸のタンパク質をコードすること
が予想される(Figure 2B)。この予想されるCED−6配列の公開さ
れている配列データベースを検索することによって、CED−6のN端側半分は
ホスホチロシン結合(PTB)ドメインと予想されるドメインを含有することが
示された。PTBドメインは、適切な一次配列環境(context)内に位置
するリン酸化されたチロシン残基への結合を促進する。PTBドメインは、SH
2ドメインと機能的には類似しているが、構造的には異なっている。本発明者ら
は、CED−6のPTBドメインを、多数の他のタンパク質に見出されているP
TBドメインと配列比較(align)した(Figure 3A)。二次構造
予想プログラムによって、大部分のこれらの構造エレメントもまたCED−6の
PTBドメインに存在することが示唆される。
【0045】 知られているタンパク質に対するその類似性に加えて、CED−6のPTBド
メインはまた、多数の発現配列タグ(EST、Figure 3A、B)の予想
される翻訳産物に対する著しい配列類似性を示した。実際、CED−6と多数の
これらのESTとの類似度は、CED−6と以前に特徴づけられたタンパク質の
いずれかとの類似度よりもずっと大きかった(Figure 3A、3B)。さ
らに、場合によっては、CED−6とESTとの配列類似性は、PTBドメイン
以外にも広がっていた(Figure 3B)。CED−6はまた、24個のア
ミノ酸領域(stretch)に関して42%がセリンであり、そしてプロリン
リッチ領域のクラスター群を伴うプロリン/セリンリッチ領域をそのC端側半分
に含有する(Figure 2B、Figure 3B)。これらのプロリンリ
ッチ領域は、PxxPのいくつかの配列特徴によって特徴づけられた(Figu
re 2A)。PxxPは、SH3ドメインとの相互作用を促進することが明ら
かにされている(Ren他(1993);Yu他(1994)Cell、76、
933頁〜945頁;Grabs他(1997)J.Biol.Chem.27
2、13419頁〜13425頁)。PTBとプロリンリッチ領域との間には、
荷電残基が多い短い領域が存在する(46アミノ酸に関して41%が荷電アミノ
酸)。この非常に荷電した領域は、マウスのp96、ShcおよびC.eleg
ansのM110.5などのいくつかの他のPTBドメイン含有タンパク質にも
見出されている(Figure 3B)。
【0046】 種間のCED−6の保存 これらのESTクローンはまた、CED−6タンパク質と、PTBドメイン以
外の相同性領域を共有することが見出された。C.BriggsaeのESTク
ローンは、N端側の132アミノ酸についてCED−6と72%の同一性を有し
、C端側の103アミノ酸についてCED−6と64%の同一性を有している(
Figure 3B)。3個の重複するヒトのESTクローンもまた得られ、1
つの配列に構築された。ヒトのEST融合配列は、CED−6のPTBドメイン
に対して約54%の同一性を示した。このヒトEST融合配列もまた、PTBド
メインの直ぐ後に非常に荷電した領域を含有している。PTBドメインの配列比
較に基づく進化樹により、CED−6は、ヒト、ショウジョウバエおよびC.B
riggsae由来のESTクローンについてサブグループを構成することが示
された。このことは、これらのタンパク質は機能的に保存されていると考えられ
ることを示唆している。マウスのp96、Drosophila Disabl
ed、およびC.elegans M110.5は別のサブグループを構成した
(Figure 3C)。進化樹により、Shcサブグループは、p96サブグ
ループよりも、CED−6サブグループに類似していることもまた示された。
【0047】 CED−6は取り込み中の細胞内で細胞自律的に作用する 遺伝子モザイク分析を、CED−6が取り込み中の細胞内または死にかけてい
る細胞内において作用しているかどうかを明らかにするために行った。便宜上、
成熟した生殖腺、生殖細胞および体細胞鞘細胞(Figure 4A)について
1対の細胞を使用した。卵子が形成される途中において、多くの卵母細胞はプロ
グラムされた細胞死を受け、通常、これらの死にかけている細胞は体細胞鞘細胞
によって包み込まれる(Hengartner、1997)。この分析において
、生殖細胞および体細胞鞘細胞の間におけるCED−6および野生型に関する遺
伝子背景のモザイクパターンが得られた。Ncl−1変異体を使用して、モザイ
クパターンが1個の細胞の分解能(single−cell resoluti
on)で同定された。これは、動物のNcl−1変異体細胞は、ノルマスキー(
Normaski)光学装置で容易に同定することができる異常に拡大した核小
体を示すからである(Herman、1984、Genetics、108、1
65頁〜189頁;HedgecockおよびHerman、1995、Gen
etics、141、989頁〜1006頁)。dpy−17(e164)CE
D−6(n1813)mec−14(u55)ncl−1(e1865)unc
−36(e251)III;sDp3の株を構築した。この蠕虫株は、sDp3
(III;f)重複によりこれらの変異のすべてがカバーされるために野生型の
表現型を示した(Rosenbluth他(1985)Genetics、10
9、493頁〜511頁)。CED−6変異生殖細胞および野生型の体細胞鞘細
胞を有する動物を同定するために、P2、P3およびP4のいずれかの系統に由
来する重複喪失を有するが、EMS、MS、または体細胞鞘細胞における重複を
喪失させるであろうMSよりも下流のいずれかの系統には重複喪失を有しない動
物を見つけなければならない(Figure 4)。これらの動物は、構築され
た株の多くの動物を、DpyUncの子孫のみを産む動物について調べることに
よって得ることができる。P1系統における重複が喪失した動物もまたDpyU
ncの子孫のみを産むが、このような動物は、P1系統における重複の喪失は生
殖細胞および体細胞鞘細胞の両方においてCED−6変異の背景をもたらすため
に今回の目的に合うモザイク動物ではない。1,000匹のdpy−17(e1
64)CED−6(n1813)mec−14(u55)ncl−1(e186
5)unc−36(e251)III;sDp3動物から、DpyUncの子孫
のみを産む6匹の動物が同定された。この6匹の動物をノルマスキー光学装置で
観察することによって、1匹の動物がP4において重複喪失を有し、1匹がP3
において重複喪失を有し、3匹がP2において重複喪失を有し、そして1匹がP
1において重複喪失を有していることが示された。P1における重複喪失を有す
る1匹を除く5匹の動物はすべて、生殖腺に細胞残骸を示さなかった。このこと
は、CED−6は取り込みのために生殖細胞系においては必要とされないことを
示唆している。すべての細胞分裂における重複喪失の可能性はほぼ同じである(
HedgecockおよびHerman、1995)ために、sDp3の喪失率
は細胞分裂あたり0.15%である。次いで、CED−6変異の体細胞鞘細胞お
よび野生型生殖細胞を有する動物を探した。500匹の動物から、生殖腺の一方
の腕での体細胞鞘細胞における拡大した核小体を有する4匹の動物が同定された
(Figure 5B):4匹の動物はすべて、生殖細胞を生成する系統におけ
る重複喪失を有していなかった(Figure 4)。3匹の動物は、前腕の鞘
細胞における重複喪失を有するが、後腕では有していないようであった。さらに
、蓄積した細胞残骸が、これらの動物の前部生殖腺腕内に観察されるだけで、後
部生殖腺腕では認められなかった(Figure 4、表)。1匹の動物は、後
部生殖腺腕を取り囲む鞘細胞における重複喪失を有していたが、前部生殖腺腕を
取り囲む鞘細胞における重複喪失を有していなかった。この動物は、後腕内に細
胞残骸が蓄積していたが、前腕内には蓄積していなかった(Figure 4)
。これらの結果は、CED−6が、体細胞鞘細胞にとって、あるいは成熟した生
殖腺内の死にかけている細胞を除去するために取り込み中の細胞にとって必要で
あることを示唆している。
【0048】 CED−6は胚性細胞残骸および生殖細胞残骸の取り込みを促進する F56D2.7 cDNAが実際にCED−6に対応することを疑いなく明ら
かにするために、本発明者らは、全長のF56D2.7 cDNAによってCE
D−6変異体の取り込み欠損がレスキューし得るかどうかを調べ、そしてC.e
legansの熱ショックプロモーター、hsp−16.2およびhsp−16
.48の制御下にF56D2.7 cDNAを保持するトランスジェニック動物
を作製した(実施例を参照のこと)。これらの2つのプロモーターを共に用いた
場合、これらの2つのプロモーターは、プログラム細胞死を正常に受ける細胞と
死ぬ細胞を正常に取り込む細胞との両方を含むほとんどすべての体細胞において
発現を支配する。レスキューを調べるために、トランスジェニック雌性動物によ
り産生された胚を、最初の発生的細胞死が現れる直前に短い熱ショック処理に曝
し、孵化後の熱ショック処理動物に認められる永続性残骸の数をスコアした(F
igure 4)。予想されるように、F56D2.7cDNAの過剰発現によ
り、CED−6変異体において認められる永続性細胞残骸の数は著しく特異的に
減少し、F56D2.7がCED−6(n1813)変異体およびCED−6(
n2095)変異体において本発明者らが検出した変異によって影響を受ける関
連遺伝子であることが確認される。生殖系におけるF56D2.7 cDNAの
レスキューをもまた調べた(Figure 5C)。成熟した雌雄両性体を、生
殖細胞の細胞死が現れる直前に短い熱ショック処理パルスに曝し、熱ショックの
12時間後およびその後における永続性細胞残骸の数を計数した。大部分の動物
の生殖腺において細胞残骸は見出されず、CED−6cDNAもまた生殖細胞に
おけるCED−6の取り込み欠損をレスキューし得ることを示唆する。
【0049】 アポトーシス細胞の認識および取り込みは、C.elegansのプログラム
細胞死におけるごく初期の事象である(RobertsonおよびThomps
on(1982)J.Embryol.Ex.Morph.67、89頁〜10
0頁)。CED−6変異体において、細胞質の伸張(extension)はブ
ロックされ、細胞残骸の永続をもたらす(Ellis他、1991)。しかし、
これらの細胞残骸は、最終的には動物から消失した。CED−6が細胞死の初期
段階における狭い時間枠でのみ作用しているかどうか、またはシグナル伝達経路
が、細胞死が生じた後、多くの時間をかけて形成される細胞残骸を包み込むため
に使用され得るかどうかを明らかにするために、本発明者らは、F56D2.7
cDNAが永続性細胞残骸の取り込みを促進するかどうかを調べた。CED−6
を、胚が孵化する3時間前に過剰発現され、そのとき、胚発生の間でプログラム
細胞死によって死ぬ細胞の大部分は約5時間の間で死に至り(Figure 5
A)、L1幼虫の頭部における熱ショックの3時間後の細胞残骸を調べられた。
多数の細胞残骸が著しく抑制されていることが見出された(Figure 5B
)。熱処理なしかまたはlacZの過剰発現のいずれかを伴う対照実験により、
残骸発現における明確な作用は示されず、CED−6の過剰発現は、体細胞にお
ける細胞残骸の取り込みを促進し得ることを示唆する(Figure 5B)。
また、本発明者らは、CED−6の過剰発現が、生殖系における細胞死の数時間
後に形成される細胞残骸の取り込みを促進し得るかどうかを調べた(Figur
e 5D)。熱ショックプロモーターにより支配されるCED−6cDNAを保
持する成熟トランスジェニック動物は、生殖腺において細胞残骸が蓄積した後の
いくつかの時点で熱により組織化され、熱ショックの12時間後における細胞残
骸の数が調べられた。細胞残骸はすべての時点で十分に除去され得、CED−6
の過剰発現は、生殖系において蓄積した細胞残骸の取り込みが、数時間にわたっ
て、数日間にわたってさえ促進され得ることを示唆している(Figure 5
D)。本発明者らは、CED−6が関与するシグナル伝達経路は細胞残骸を除去
する役割を担うことができ、そしてCED−6がプログラム細胞死の過程の途中
で作用する特定の時間枠は存在しないということである。
【0050】 モザイクCED−6タンパク質発現はCED−6が取り込み中の細胞内で作用す
ることを支援する 本発明は、CED−6が取り込み細胞内で作用するかどうかを迅速に検出する
方法を包含する。この方法は、死につつある細胞は、タンパク質発現のモザイク
パターンが生じるようにタンパク質を発現しないということに基づく。しかし、
生殖系において、すべての生殖細胞は1つのシンシチウム細胞質を有し(Hir
sh他(1976)Developmental Biology、49、20
0頁〜210頁)、従って、トランスジーンを保持するこれらの生殖細胞は、発
現タンパク質を、細胞質に、その後、すべての新しく生成した卵母細胞にもたら
し得るので、この考えは、体細胞に適用することができるだけであり、生殖細胞
には適用できないと考えられる。しかし、トランスジーンが生殖細胞において十
分に発現していないことが見出されているために、タンパク質発現のモザイクパ
ターンを生殖系において生成することができる。生殖腺における熱ショックプロ
モーターの発現パターンを調べた。熱ショックプロモーターにより支配されるl
acZトランスジーンを保持する成体動物を、L4脱皮の24時間後に熱ショッ
クに供した。続いて、生殖細胞および鞘細胞の両方におけるβ−gal染色を行
うことによってlacZ発現を調べた。体細胞鞘細胞は青く染色され、染色は熱
ショック後の60時間持続し得るが、生殖細胞は熱ショック後のいかなる時点に
おいても染色されなかったことが見出され、類似する結果が以前の研究において
も観察されていた(Stringham他(1992)Molecular B
iology of the cell、3、221〜233)。熱ショックに
対する生殖系におけるCED−6の発現もまた、取り込み欠損のレスキュー活性
について熱処理トランスジェニック動物により産生された3倍胚について調べら
れた。大部分の胚はCED−6変異の表現型を有していることが見出され、CE
D−6は生殖系では十分に発現していないことを示唆する。生殖腺におけるCE
D−6トランスジーンがあまり十分に発現していないことは、CED−6が体細
胞鞘細胞内で作用するかどうかを調べるのに有用なツールを提供した。Figu
re 4および5に記載されるように、細胞残骸は、大部分の動物において、熱
処理を行った後の種々の時点での生殖腺で観察されず、この現象は熱処理の60
時間以降も続いた(5C)。この結果に対照的に、熱処理を行わなかった場合、
これらのトランスジェニック動物は、CED−6(n1813)変異体の結果と
同様に、細胞残骸を生殖腺に蓄積させた。lacZの過剰発現もまた、CED−
6変異体の細胞残骸の発現に影響しなかった(5C)。これらの結果は、CED
−6は取り込み細胞である体細胞鞘細胞内で作用するであろうモザイク分析から
得られた結論を支持する。この方法は、遺伝子が取り込み細胞または死ぬ細胞に
おいて作用しているかどうかを検出するための簡便な方法を提供する。
【0051】 CED−1およびCED−7に関連したCED−6の活性部位 CED−6が任意の他の取り込み遺伝子と遺伝子的に相互作用しているかどう
かを理解するために、CED−6を、CED−1、7、2、5および10の遺伝
子バックグラウンドのもとで過剰発現(over- espressed)した。
熱ショックプロモーターにより支配されるCED−6cDNAを保持する染色体
外配列(array)を、CED−6(n1813)バックグラウンドから野生
型N2バックグラウンドに、引き続いてCED−1、7、2、5および10の変
異体バックグラウンドに移した。次いで、CED−6は、Figure 5Aに
記載されるように、CED−6cDNAの過剰発現によってCED−6の取り込
み欠損をレスキューするために使用される方法を行うことにより過剰曝露(ov
erexposed)された。CED−6の過剰発現は、CED−7(n199
7)の取り込み欠損が部分的に抑制しうることが見出された。抑制が対立遺伝子
特異的であるかどうかを理解するために、CED−7(n1996)およびCE
D−7(n1892)の2つのさらなる対立遺伝子を調べ、類似する結果にいた
り、該抑制が対立遺伝子特異的でないことを示唆している(Figure 6)
。同じ目的のために、CED−1の3つの対立遺伝子、n1506、n1995
およびn1735もまた調べ、CED−6の過剰発現が、CED−1の3つの対
立遺伝子の取り込み欠損を部分的に抑制し得ることが見出された(Figure
6)。いくつかの対照実験を行って、これらのレスキューがCED−6に特異
的であることを確認した。熱処理なしの、CED−6トランスジーンを有するト
ランスジェニック動物を調べた;CED−1またはCED−7の取り込み変異の
バックグラウンドでのlacZの過剰発現も調べた。結果は、CED−1変異体
またはCED−7変異体の場合と類似する数の細胞残骸が得られたことを示した
。熱処理は、CED−7(n1997)の細胞残骸の発現を低下した。CED−
6の過剰発現は、さらに多くの細胞残骸の発現を低下した。これらのデータは、
CED−1およびCED−7の両方の取り込み欠損の部分的な抑制はCED−6
に特異的であることを示唆する。CED−6の過剰発現は、CED−2、5およ
び10に関する細胞残骸の数に対して明らかな作用を有していないこともまた認
められた。これらの結果により、CED−6はCED−1およびCED−7の両
方の下流で作用し、そしてCED−2、5および10は、CED−1、6および
7の下流、または異なる経路のいずれかで作用していることが示唆される(Fi
gure 6)。
【0052】 CED−6発現の調節 SL2がCED−6cDNAの5’端で検出され、CED−6は、オペロンの
下流遺伝子であることを示唆している(HuangおよびHirsh(1989
)Proc.Natl.Acad.ScI.USA、86、8640頁〜864
4頁;Spieth他(1993)Cell、73、521頁〜532頁;Zo
rio他(1994)Nature、372、270頁〜272頁;Blume
nthal他(1995)TIG II、132頁〜136頁)。本発明者らは
、10kbのXhoIフラグメントがCED−6変異体の取り込み欠損をレスキ
ューし得ることを以前に示している。しかし、このフラグメントは、CED−6
、オペロンの下流遺伝子のみを含有し、上流遺伝子を含有していない。CED−
6の発現は、CED−6遺伝子の1kb上流の領域、オペロンの遺伝子間領域に
よると考えられる。オペロンの遺伝子間領域は、下流遺伝子を発現させるプロモ
ーターとして使用され得る(BlementhalおよびSteward(19
97、C.elegans II)(Cold Spring Harbor;
Cold Spring Harbor Laboratory Press、
117頁〜145頁)。
【0053】 CED−6は取り込みのシグナル伝達経路において作用するアダプター分子であ
る タンパク質のリン酸化は、細胞がシグナルをあるタンパク質から別のタンパク
質に伝達するためのよく解明された「スイッチ」機構である。タンパク質のリン
酸化は、細胞外シグナルを細胞内に伝達するのに必須である。PTBドメインは
、SH2ドメインの他、リン酸化チロシン残基と相互作用することができる別の
ドメインである(KavanaughおよびWilliams(1994)Sc
ience、266;Blaikie他(1994)J.Biol.Chem.
269、32031〜32034)。PTBドメインを含むいくつかのタンパク
質は、シグナル伝達経路におけるアダプター分子として作用することが見出され
ている。これらは、Shc、Sck、Numb、FE65、無機能(disab
led)、DOC−2、P96およびIRS−1が含まれる(BorkおよびM
argolis(1995)Cell、80、693頁〜694頁;Geerお
よびPawson(1995)TIBS、20、277頁〜280頁)。多くの
タンパク質由来のプロリンリッチ領域は、多プロリンヘリックスを形成し、SH
3ドメインと相互作用することが示されている(Ren他、1993;Gout
他(1993)Cell、75、25頁〜36頁;Yu他、1994)。SH3
結合ドメインの生物学的分析および結晶構造解析の両方により、PxxPの配列
特徴がSH3ドメインとのその相互作用に必須であることが示唆された(Ren
他、1993;Yu他、1994;Grabs他、1997)。CED−6は、
PxxPの配列特徴を含むプロリンリッチ領域の部分を含み、SH3ドメインと
相互作用するその潜在性を示唆する。CED−6は、取り込みプロセスを開始さ
せるために、シグナルをレセプターからエフェクター分子または細胞骨格分子に
直接的または間接的に伝達するアダプター分子である。
【0054】 CED−6の相互作用パートナー PTBドメインは、NPXY(p)モチーフと特異的に相互作用することが示
されている(KavanaughおよびWilliams、1994;Zhou
他(1995)Nature、378、584頁〜592頁;GeerおよびP
awson、1995)。EGFレセプター、TrkA、インスリンレセプター
、IGF−1レセプターなどの多くのレセプターは、このモチーフをカルボキシ
ル末端に含む(GeerおよびPawson、1995)。これらのレセプター
からのシグナルは、このモチーフのホスホチロシン残基とアダプター分子(Sh
cおよびインスリンレセプター基質1など)のPTBドメインとの相互作用を介
して伝達されることが示されている。本発明者らは、CED−7の細胞内領域に
おいて、NPXY(p)モチーフが存在することを見出した。CED−7は、同
じ遺伝子経路でCED−6と作用することが示唆されている(Ellis他、1
991)。本発明者らは、CED−7がCED−6の上流で作用するであろうこ
とを示している(Figure 7)。CED−7は、ABCトランスポーター
をコードし、その哺乳動物ホモログであるABC1は、マクロファージが死ぬ細
胞を包み込むために必要とすることが見出され(LucianiおよびChim
ini、1996)、CED−7は、取り込み中の細胞内で作用するであろうこ
とが示唆する。CED−6が、CED−7のNPXY(p)モチーフを有するP
TBドメインを介してCED−7と物理的に相互作用して、取り込みプロセスの
シグナル伝達を調節することは可能である。
【0055】 CED−6は、SH3ドメインとのその相互作用を媒介するであろう数個の配
列特徴PxxPを有するプロリン/セリンリッチ領域を含む。SH3ドメインは
、膜結合型レセプターの下流でシグナル伝達分子間のタンパク質−タンパク質の
相互作用を媒介することが示唆されている(Koch他(1991)Scien
ce、252、252頁〜673頁;PawsonおよびSchlessing
er(1993)Current Biology、3、434頁〜442頁。
SH3ドメインを含むタンパク質は、おそらくCED−6と相互作用して、取り
込みのシグナル伝達経路を調節するのであろう。いくつかのタンパク質は、CE
D−6タンパク質と直接的または間接的に相互作用することができる。CED−
1はCED−6の上流で作用することができる(Figure 6および7A)
。CED−1とCED−6との間の関係は、遺伝子のクローニングに依存するで
あろう。リン酸化チロシン残基を有するタンパク質は、CED−6のPTBドメ
インと相互作用するために存在するはずである。このリン酸化タンパク質は、チ
ロシンキナーゼまたはチロシンキナーゼ基質のいずれかであり、チロシンホスフ
ァターゼもまた、リン酸化タンパク質の活性をダウンレギュレーションするため
に、取り込みのシグナル伝達経路に関与しているはずである。哺乳動物系におけ
る貪食作用に関するいくつかの研究により、チロシンキナーゼのシグナル伝達経
路が、オプソニン媒介の貪食作用プロセスにおいて必須的な役割を果たし得るこ
とが明らかにされている(RoshenshineおよびFinlay(199
3)BioEssays、15、17頁〜24頁;Greenberg(199
5)Trends in Cell Biology、5、93頁〜99頁)。
本結果は、PCDによって引き起こされる取り込みと同じケースであるのであろ
うことを示唆する。これらの2種類の貪食作用は末端においてはいくらかの類似
性を有し得る。
【0056】 CED−6は取り込み細胞内で作用する 遺伝子モザイク分析を行い、CED−6が取り込み中の細胞内で作用している
ことを明らかにした。この結論は、生殖細胞および体細胞鞘細胞の1対の細胞を
観察したことに基づいて導き出された。本発明者らは、CED−6の過剰発現に
よって、細胞残骸の取り込みを促進し得ることを以前に示している。何時間も前
から死んでいる細胞は、タンパク質発現に関するその能力を維持していることは
ほとんど考えられない(Estus、1994;Freeman、1994)た
めに、細胞残骸のレスキューは、取り込み細胞内におけるCED−6の発現によ
るのであろう。この結果は、CED−6も体細胞における取り込み細胞内でも作
用していることを示唆する。以前には、CED−6の過剰発現によって、体細胞
と生殖細胞との両方においてCED−6の取り込み欠損がレスキューし得ること
が示され(Figure 5)、CED−6が両方の場所で類似する機構におい
て作用することを示唆する。
【0057】 CED−6は細胞残骸の取り込みを促進し得る CED−6の過剰発現は、細胞死のごく初期段階にある死ぬ細胞、および細胞
死の数時間後に形成される細胞残骸の取り込みを促進する。細胞残骸は、アポト
ーシス細胞の典型的な形態学、例えば、膜のくびれ(blebing)を有して
いることが示される。細胞残骸の膜表面に取り込み細胞によるその認識のために
呈示される抗原は、初期の死細胞の膜表面に呈示される抗原と少し異なるであろ
う。死ぬ細胞表面でのリガンドおよび取り込み中の細胞上のレセプターが両方の
状況で同じであろうが、異なっていても関係なく、CED−6は取り込みに必要
とされる。生殖腺における少数の細胞残骸が、熱ショックを行ったときに、熱シ
ョック後のいくつかの動物の場合に除去されなかった。これらの細胞残骸は、卵
母細胞の間で、貯精嚢の近くに位置する傾向がある。これらの細胞残骸が包み込
まれないのは、それらが鞘細胞と接触していないためと考えられる。PCDの初
期段階におけるちょうど死ぬ細胞のような細胞残骸は、貪食作用を引き起こしう
ると結論される。mec−4変異体動物において、6つの接触感覚ニューロンが
、これらの細胞において正常に機能しない浸透圧を導くチャンネル欠損によるネ
クローシス死で死ぬ(DriscollおよびChalfie(1991)Na
ture、349、588頁〜593頁)。ChungおよびDriscoll
は、膨張した死細胞の除去がCED−6バックグラウンドで著しく遅れることを
示し、CED−6はネクローシス性の死ぬ細胞の除去にも関与することを示して
いる。従って、死の様式に関わりなく、死細胞が取り込み細胞によって認識され
得る死細胞の表面に呈示される類似するシグナルが存在するであろう;CED−
6が関与するシグナル伝達経路は、取り込みを生じさせるこれらのシグナルに応
答するために使用され得る。取り込みが非常に早く開始され、そして非常に速や
かに完了するという事実は、自然界の優れた仕組みである。これは、大量の細胞
死を伴う組織には特に重要である。
【0058】 取り込みプログラムの保存 アライメントにおいて、C.Briggsae由来のESTクローンは、CE
D−6と、N端領域およびC端領域の両方で高度に保存され、このESTクロー
ンが本物のCED−6ホモログであり得ることを示唆している(Figure
3B)。ショウジョウバエおよびヒトに由来するESTクローンもまた、CED
−6に高度に保存されているが、主としてPTBドメインの領域において高度に
保存されている(Figure 3Aおよび3B)。この結果は、これらのPT
Bドメインタンパク質がこれらの生検において機能的なホモログである可能性を
示唆した。結果として、C.elegansのCED−6遺伝子の2つのヒトホ
モログがクローニングされ、その特徴付けが行われた。
【0059】 CED−6を発現する発現ベクターおよびトランスフェクト哺乳動物細胞 C.elegansのCED−6DNAのフラグメントを、レポーター遺伝子
の緑色蛍光タンパク質(GFP)を有するベクターなどの市販のベクターに挿入
し、そのようなベクターを下記の表1に示す。
【0060】
【表2】
【0061】 MCF7細胞におけるGFP蛍光の可視化 ヒト乳ガン細胞のMCF7(ATCC:HTB−22)をLab Tekチャ
ンバー型カバーガラス(Nalge Nunc International)
に播種し、lipofectAMINE(GibcoBRL)を使用してトラン
スフェクトした。18時間後、倒立型顕微鏡に置いたチャンバー型カバーガラス
及びGFPの蛍光を可視化することができる。
【0062】 GFP−CED−6の発現 蠕虫CED−6の細胞内での局在化を、GFP融合タンパク質を使用してアッ
セイした。種々のフラグメントを使用することによって、本発明者らは、CED
−6が細胞質に明らかに局在していることを示した。この局在は、CED−6の
PTBのみが使用されたときに損なわれ、C端部分が正しいターゲティングに関
与するであろうことを示している。実際の発現レベルは、細胞毎に変化している
ので、アポトーシス表現型は高発現細胞で観察することができ、そして上昇した
レベルの貪食作用は強く発現している細胞で観察することができる。さらに、ラ
メラへの局在化が、取り込み中が行われるいくつかの細胞で観察された。
【0063】 上記のトランスフェクトされたMCF7細胞は、下記に議論されているように
、CED−6を阻害および増強する化合物またはCED−6を同定するアッセイ
を行うのに有用である。
【0064】 C.elegansのCED−6のヒトホモログ 本発明により、アポトーシス細胞の貪食作用を調節するタンパク質であって、
シグナル伝達経路のアダプター分子である単離されたタンパク質が提供される。
【0065】 本発明の別の態様により、C.elegansのCED−6のヒトホモログで
あるタンパク質であって、Figure 20またはFigure 22に示さ
れるアミノ酸配列(配列番号:8)、または保存的なアミノ酸変化においてのみ
Figure 20に示されるアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列(h1CE
D−6)を含有した単離タンパク質が提供される。
【0066】 h1CED−6、h2CED−6またはh3CED−6(配列番号:8、14
、16)またはその機能的同等物をコードする核酸配列(DNA、RNA、cD
NAまたはゲノムDNA;配列番号:7、13、15)も提供される。例えば、
本発明は、Figure 18、Figure 19またはFigure 22
に示される約430ヌクレオチド位〜約1344ヌクレオチド位のヌクレオチド
の配列を含有した核酸配列またはこれらのFigureに示されるヌクレオチド
の完全な配列を含有した核酸配列を包含する。本発明は、C.elegansの
CED−6、CED−6、h2CED−6またはh3CED−6をコードする核
酸配列のオープンリーディングフレームを含む。
【0067】 本発明はまた、Figure 20、Figure 22またはFigure
29に示されるアミノ酸配列(配列番号:8、14、16)を有するタンパク
質のフラグメントであるタンパク質を提供する。該フラグメントは、配列番号:
8、14、16のホスホチロシン結合ドメインに対応するアミノ酸の配列を含有
してもよい。例えば、配列番号:8または16のPTBドメインは、アミノ酸1
5〜157に由来する。本発明はまた、h1CED−6および/またはh3CE
D−6のプロリン/セリンリッチドメイン(例えば、Figure 20、22
または29におけるアミノ酸201〜276)の核酸配列およびアミノ酸配列に
関連する。同様に、配列番号:8または16の非常に荷電した領域は本発明によ
り包含される(例えば、Figure 20、22または29におけるアミノ酸
161〜195)。本発明は、これらのフラグメントをコードする核酸配列を含
む。
【0068】 h3CED−6のスプライシング変異体(本明細書中でh2CED−6と呼ば
れる)もまた本明細書中で同定され、そのような変異体は、Figure 21
に示されるアミノ酸配列(配列番号:14)または保存的なアミノ酸変化におい
てのみFigure 21に示されるアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を含
有する。h2CED−6(配列番号:13)またはその機能的同等物をコードす
る核酸(DNA、RNA、cDNAまたはゲノムDNA)、例えば、Figur
e 19の約430ヌクレオチド位〜約1206ヌクレオチド位を含有した核酸
またはFigure 19の全ヌクレオチド配列(配列番号:13)を含む核酸
もまた提供される。
【0069】 ヒトCED−6のアミノ酸配列(配列番号:16)もまたFigure 26
に示されている。アミノ酸配列配列番号:16(ヒトCED−6)および配列番
号:8(h1CED−6)は150番目のアミノ酸が異なる。ヒトCED−6を
コードする核酸配列(配列番号:15)は、Figure 30A〜30Bに示
されている。請求項に記載される発明には、配列番号:15および/または16
、配列番号:15のオープンリーディングフレーム、ならびに本明細書に記載さ
れる機能的フラグメント(例えば、セリン/プロリンリッチ領域、PTBドメイ
ンまたは高度荷電ドメイン)をコードする核酸配列およびアミノ酸配列が含まれ
る。
【0070】 本発明はまた、融合体の一部が、配列番号:8、14もしくは16のいずれか
に示されるアミノ酸配列または保存的なアミノ酸変化においてのみアミノ酸配列
とは異なる配列を有するタンパク質である融合タンパク質を提供する。このタン
パク質は、例えば、エピトープタグまたはレポーター遺伝子の発現産物と融合さ
れてもよい。
【0071】 本発明は、CED−6タンパク質(例えば、C.elegansのCED−6
、h1CED−6、h2CED−6および/またはh3CED−6)およびCE
D−6のアミノ酸配列に類似するアミノ酸配列を有するポリペプチドを包含する
ものとする。そのようなポリペプチドは、CED−6アナログ(例えば、ホモロ
グ)、オルソログもしくは変異体または誘導体として本明細書中に規定される。
類似アミノ酸配列は、CED−6の生理活性を有するの十分な同一性のCED−
6(例えば、C.elegansのCED−6、h1CED−6、h2CED−
6またはh3CED−6)のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列を意味すると本
明細書中に定義される。例えば、1個またはそれ以上のアミノ酸残基がCED−
6のアミノ酸残基と異なるが、依然としてCED−6の生理活性を有するアミノ
酸配列における「サイレント」変化を有するアナログポリペプチドを作製するこ
とができる。そのような差異の例には、CED−6のアミノ酸配列の残基の付加
、欠失または置換が含まれる。本発明のCED−6タンパク質よりも大きな生理
活性または小さな生理活性を示すアナログポリペプチドもまた本発明により包含
される。
【0072】 請求項に記載されるCED−6タンパク質および核酸配列には、本明細書中で
規定されているホモログが含まれる。相同的なタンパク質および核酸配列は、当
業者に知られている方法を使用して決定することができる。最初のホモロジー検
索は、NCBIにおいて、BLASTネットワークサービスおよび他のESTデ
ータベースを使用してGenBank(リリース87.0)、EMBL(リリー
ス39.0)、dbEST SwissProt(リリース30.0)のデータ
ベースに対して、行うことができる。Altshul,S.F.他、基本的な局 所的アラインメント検索ツール 、J.Mol.Biol.215、403(19
90):この教示は参照により本明細書中に取り込まれる。ヌクレオチド配列の
コンピューター分析は、Genetics Computing Group(
GCC、バージョン8.0)ソフトウエアのMOTIFSサブルーチンおよびF
indPatternsサブルーチンを使用して行うことができる。タンパク質
比較および/またはヌクレオチド比較もまたHigginsおよびSharpに
従って行うことができる(Higgins,D.G.およびP.M.Sharp
、「CLUSTALにおいて使用される方法の説明」、Gene、73:237
〜244(1988))。CED−6タンパク質および/またはCED−6タン
パク質をコードする核酸配列に対して相同的なタンパク質および/または核酸配
列は、70%を超える配列同一性および/または類似性(例えば、75%、80
%、85%、90%または95%の相同性)を有するそのような分子として定義
される。
【0073】 本明細書中において、CED−6タンパク質の「生理活性」は、アポトーシス
細胞の貪食作用を調節または影響を与える能力を意味していることが定義される
【0074】 請求項に記載されるCED−6タンパク質はまた、本明細書中に記載されるC
ED−6タンパク質の生物学的に活性なポリペプチドフラグメントを包含する。
そのようなフラグメントは、CED−6の全長アミノ酸配列の一部のみを含むこ
とができるが、アポトーシス細胞の貪食作用を調整または調節する能力を有し得
る。例えば、CED−6タンパク質の欠失変異体を含有したポリペプチドフラグ
メントはよく知られている実験室的方法で設計および発現することができる。そ
のようなポリペプチドフラグメントは、本明細書中に記載されているように、生
理活性について評価することができる。
【0075】 抗体は、当業者に知られている方法を使用してCED−6タンパク質またはそ
のアナログに対して惹起させることができる。これらの抗体、ポリクローナル、
モノクローナル、キメラ、またはそれらのフラグメントを使用して、タンパク質
の混合物に含まれたCED−6タンパク質を、当業者によく知られている技術を
使用して免疫アフィニティー精製または同定することができる。これらの抗体ま
たは抗体フラグメントはまた、標準的な免疫化学的方法を使用して他の組織にお
けるCED−6タンパク質およびホモログの存在を検出するために使用すること
ができる。
【0076】 特に、C.elegansのCED−6、h1CED−6、h2CED−6ま
たはh3CED−6に由来するフラグメントおよび機能的ドメインを含む上記の
タンパク質の生理活性誘導体またはアナログは、本明細書中ではペプチド模倣物
と呼ばれ、当業者に知られている技術により設計および製造することができる(
例えば、米国特許第4,612,132号明細書、同第5,643,873号明
細書および同第5,654,276号明細書を参照のこと:これらの教示は参照
により本明細書中に取り込まれる)。これらの模倣物は、例えば、特定のCED
−6、h1CED−6またはh2CED−6またはh3CED−6のアミノ酸配
列に基づくことができ、対応するアミノ酸配列の立体的な相対的位置を維持し得
る。これらのペプチド模倣物は、対応するペプチド化合物の生理活性に類似する
生理活性を有し、1またはそれ以上の下記特性:溶解性、安定性、ならびに加水
分解およびタンパク質分解に対する感受性、に関して、対応するCED−6アミ
ノ酸配列を上回る「生理活性」を有する。
【0077】 ペプチド模倣物の調製方法には、N末端アミノ基、C末端カルボキシル基を改
変すること、および/またはペプチドにおける1またはそれ以上のアミノ結合を
非アミノ結合に変化させることが含まれる。2つ以上のそのような改変を、1つ
のペプチド模倣物分子において一緒に組み合わせることができる。ペプチド模倣
物を作製するためのペプチドの改変は、米国特許第5,643,873号および
同第5,654,276号明細書に記載され、それらの教示は参照により本明細
書中に取り込まれる。請求項に記載される発明に包含されるh1、h2またはh
3CED−6タンパク質の他の形態には、「機能的同等物」であるものが含まれ
る。この用語は、本明細書中で使用されるように、任意の核酸配列、およびその
コードされたアミノ酸であって、h1、h2またはh3CED−6タンパク質お
よび/またはその機能的ドメインの生理活性を模倣するアミノ酸を示す。生理活
性は、アポトーシス細胞の貪食作用を調節し得るタンパク質を記載するために使
用されている。
【0078】 ポリペプチドは、公知の方法によりともに作製することができる結合体または
融合タンパク質の形態であり得る。融合タンパク質は、組換えDNA技術の公知
の方法に従って製造することができる。例えば、融合タンパク質は、タンパク質
の生理活性部分とその融合パートナー、例えば、免疫グロブリン分子の一部とを
コードする配列を含有した核酸分子から発現させることができる。例えば、ある
態様は、免疫ブロブリンの配列をコードする核酸を適切な発現ベクター、ファー
ジベクターまたは他の市販ベクターに組み入れることによって作製することがで
きる。得られる構築物は、発現に適する宿主細胞に導入することができる。発現
の際、融合タンパク質は、アフィニティーマトリックスによって細胞から単離ま
たは精製することができる。
【0079】 配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15に示されるものを含む
上記核酸のいずれかを、必要に応じて上記レポーター遺伝子とともに組み込んだ
発現ベクターもまた本発明により提供される。
【0080】 また本発明は、本明細書中に記載されるCED−6(例えば、C.elega
nsのCED−6、h1CED−6、h2CED−6またはh3CED−6)タ
ンパク質をコードする単離核酸配列、および生理活性を有するCED−6タンパ
ク質をコードする核酸配列のフラグメントをも包含する。本明細書中に記載され
る核酸配列のフラグメントはプローブとして有用である。本発明においては、C
ED−6タンパク質をコードするDNA/RNA配列、これらの配列の完全な相
補鎖、およびその対立遺伝子変異体が特に提供される。CED−6をコードする
DNA配列に実質的に相補的である核酸配列、ゲノムDNA、cDNA、RNA
またはそれらの組み合わせ、実質的な核酸同一性を有するDNA配列を同定する
のに十分な当業者に公知のストリンジェンシー条件でCED−6のDNA配列と
特異的にハイブリダイズする核酸配列、ゲノムDNA、cDNA、RNAまたは
それらの組み合わせもまた本発明により包含される。本明細書中に規定されてい
るように、実質的な相補性は、配列が、CED−6(例えば、C.elegan
sのCED−6、h1CED−6、h2CED−6またはh3CED−6)DN
Aの正確な配列を表す必要はないが、ストリンジェントな条件下にCED−6
DNAとハイブリダイズするのに十分に配列同一性が類似していなければならな
いことを意味する。ストリンジェンシー条件は、例えば、Ausebel,F.
M.他のCurrent Protocols in Molecular B
iology(Current Protocols、1994)に記載されて
いる。例えば、配列が、CED−6とハイブリダイズするためにCED−6と相
補的な十分な数の塩基を有する場合、相補的でない塩基を配列内に点在させるこ
とができ、あるいは配列はCED−6DNAよりも長くすることができ、または
短くすることができる。例示的なハイブリダイゼーション条件は本明細書中に記
載されている。
【0081】 ヒトCED−6のクローニング C.elegansのCED−6遺伝子をクローニングして、そのオープンリ
ーディングフレームの全配列決定後、公開されているヒトデータベースに対する
広範囲な検索が行われた。このような検索によって、タンパク質のカルボキシ端
領域において多数のESTに対する統計学的に有意なホモロジーが明らかにされ
、1つのESTが、PTBドメインのカルボキシ端に対し、そして荷電領域の開
始部分においてホモロジーを示した。これらのESTを使用して、Clonte
chのMarathon−ready結腸直腸腺ガンcDNAライブラリーを使
用する5'RACEのプライマーを構築した。その後のさらなる配列分析および
数回のデータベース検索により、h3CED−6に関して約2400bpのコン
センサス配列の構築を可能にするさらなるESTがいくつか明らかにされた(F
igure 6)。さらなる配列分析により、Figure 18に示される配
列のスプライシングバリアント(h2CED−6)を明らかにし(選択的スプラ
イシングされた部分に下線を付す)。h2CED−6のDNAはFigure
19に示され、そのアミノ酸配列はFigure 21に示されている。h2C
ED−6のアミノ酸配列は、h1CED−6またはh3CED−6の活性に拮抗
するh1CED−6またはh3CED−6のドミナント優性ネガティブ体と一致
している。
【0082】 CED−6、h1CED−6、h2CED−6またはh3CED−6のインヒビ
ターおよびエンハンサーを同定するためのアッセイ C.elegansのCED−6およびその2つのヒトホモログをクローニン
グしてその機能的な特徴付けは、CED−6、h1CED−6、h2CED−6
またはh3CED−6の活性を阻害または増強し得る化合物、あるいはこれらの
タンパク質の転写を阻害または増強し得る化合物の同定を可能にするアッセイ方
法の開発が可能になる。これらのアッセイは、アポトーシス粒子の貪食作用レベ
ルの検出、アクチン−細胞骨格の再配列レベルの測定、またはGFPなどのレポ
ーター遺伝子を介したCED−6タンパク質の転写レベルの検出を含むことがで
きる。
【0083】 貪食作用のインヒビターおよび/またはエンハンサーを同定するためのアッセ
イは、CED−6、h1CED−6、h2CED−6またはh3CED−6ある
いはCED−6シグナル伝達経路の任意の他のメンバーにより安定的または一過
的にトランスフェクトされた細胞株からなり得る。細胞株は、精製タンパク質ま
たはアンチセンスRNAを発現するベクターをマイクロインジェクトしてもよい
。発現産物は、GFPとの融合タンパク質であり得る。非トランスフェクト細胞
もまたアッセイで使用することができる。細胞株は、COS1、BHK21、L
929、CV1、Swiss 3T3、HT144、IMR32などの繊維芽細
胞株または別の繊維芽細胞株であってもよい。細胞株は、HEPG2、MDCK
、MCF7、293、Hela、A549、SW48、G361などの上皮細胞
株または任意の他の上皮細胞株であってもよい。細胞株は、ヒトの内皮FIB、
皮膚ケラチノサイト、白血球、単球、マクロファージなどの初代株、あるいは任
意の他の初代細胞株であってもよい。細胞は、脊椎動物(ヒト、魚類、マウス)
または非脊椎動物起源(C.エレガンス)から得られた他の遺伝子(レクチン、
CD14、SRA、CD36、ABC1、CED5、DOCK180)で二重に
トランスフェクトすることができる。
【0084】 貪食作用アッセイは、粒子および/またはアポトーシス細胞の添加およびこれ
らの細胞株による取り込みからなる。該粒子は、様々なサイズ、形状および天然
の抗原性を有するオプソニン化された熱または化学的に殺された細菌および酵母
であってもよい。このような粒子または細胞は、様々なサイズ、形状および天然
の抗原性を有する、オプソニン化された、蛍光標識、熱または化学的に殺された
細菌および酵母であってもよい。細胞は、アポトーシス好中球、アポトーシスリ
ンパ球、アポトーシス赤血球または任意の他のアポトーシス細胞であり得る。こ
れらのアポトーシス細胞はオプソニン化および/または色素または蛍光色素で標
識してもよい。殺された細菌細胞または酵母細胞およびアポトーシス細胞は、本
明細書中ではアポトーシス粒子と呼ばれる。
【0085】 アッセイ1 CED−6または本明細書中に記載される任意の他の遺伝子、例えば、配列番
号:1、3、7、9、11、13または15の核酸でトランスフェクトされた細
胞は単層状態または懸濁状態で増殖させることができる。アポトーシス粒子をト
ランスフェクト細胞に加える。貪食作用は、アポトーシス粒子の取り込み速度に
より追跡することができる。これは、顕微鏡、蛍光顕微鏡、定量的分光蛍光測定
およびフローサイトメトリーにより測定することができる。細胞および/または
粒子は、色素、蛍光色素、抗体、ならびに抗体に結合させた色素または蛍光色素
(dyes of fluorescent dye)で、検出および測定を行
う前に標識してもよい。アポトーシス粒子の取り込みの増大または減少が、トラ
ンスフェクトされた1または複数の遺伝子の貪食作用における影響に関して測定
される。
【0086】 アッセイ2 化合物は、貪食作用経路に関与する遺伝子における影響を調べるためにアッセ
イ1に加えることができる。一過的または安定的にトランスフェクトされた細胞
を懸濁状態または単層状態で増殖される。一連の化合物は、アポトーシス粒子を
加える前に細胞に加えられる。化合物の影響は、化合物を加えたときのアポトー
シス粒子の取り込み速度と、化合物を加えなかったときのアポトーシス粒子の取
り込み速度とを比較することによって測定することができる。測定はアッセイ1
に記載されている。
【0087】 アッセイ3 細胞は、粒子の取り込みによりアポトーシス粒子を貪食することができる。こ
れには、アクチン細胞骨格の再組織化が含まれる。哺乳動物細胞は、CED−6
あるいはCED−6の貪食作用シグナル伝達経路に関与する任意の遺伝子、例え
ば、配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15のいずれかに示され
るヌクレオチドの配列を有する核酸で一過的または安定的にトランスフェクトし
てもよい。細胞は、アッセイ1に記載されているいずれかの細胞であり得る。遺
伝子は、GPF融合産物として発現されてもよい。細胞は二重にトランスフェク
トしてもよい(アッセイ1を参照のこと)。アクチン細胞骨格の再組織化は、F
−アクチンと相互作用するファロイジンに結合させた蛍光色素で可視化すること
ができる。細胞骨格の再組織化が、トランスフェクトされた1または複数の遺伝
子による取り込み誘導に関して測定される。トランスフェクトされた細胞は、ア
ッセイ1に記載されている粒子またはアポトーシス粒子で処理することができる
。細胞骨格の再組織化は顕微鏡または蛍光顕微鏡で可視化される。
【0088】 アッセイ4 化合物は、貪食作用経路および取り込みに関連する細胞骨格の再組織化に関与
している遺伝子におけるその影響を調べるためにアッセイ3に加えてもよい。こ
れらの化合物は、導入された遺伝子により誘導される取り込みまたは細胞骨格の
再組織化を増強または阻害することができる。一過的または安定的にトランスフ
ェクトされた細胞を懸濁状態または単層状態で増殖させる。一連の化合物が細胞
に加えられる。化合物の影響は、化合物を加えたときのアクチン細胞骨格の再組
織化と、化合物を加えなかったときのアクチン細胞骨格の再組織化とを比較する
ことによって測定することができる。測定は、アッセイ1、アッセイ2およびア
ッセイ3に記載されているように行われる。アポトーシス粒子は、この試験では
、アッセイ2に記載されているように、貪食作用を誘導するために加えてもよい
【0089】 アッセイ5 上記に記載されている細胞株などの非トランスフェクト細胞株またはトランス
フェクト細胞株は、精製CED−6タンパク質、例えば、配列番号:2、4、6
、8、10、12、14もしくは16に示されるアミノ酸配列を有するタンパク
質、またはCED−6経路の任意のタンパク質、あるいは該タンパク質のいずれ
かを含有した融合タンパク質をマイクロインジェクトすることができる。マイク
ロインジェクションは、初代細胞株または繊維芽細胞株または他の上皮細胞株に
対して行うことができる。これらの細胞株は、マイクロインジェクションを行う
前に別の遺伝子でトランスフェクトすることができる。アッセイ1からアッセイ
4を、これらのマイクロインジェクト入された細胞に対して行うことができる。
【0090】 アッセイ6 上記のトランスフェクト細胞株または非トランスフェクト細胞株は、上記タン
パク質のいずれかに関するアンチセンスRNA、あるいはCED−6経路に関与
している遺伝子の任意のRNAを含むCED−6アンチセンスRNAを発現する
ベクターをマイクロインジェクトしてもよい。マイクロインジェクションは、初
代細胞株または繊維芽細胞株または他の上皮細胞株に対して行うことができる。
これらの細胞株は、マイクロインジェクションを行う前に別の遺伝子でトランス
フェクトすることができる。アッセイ1からアッセイ5を、このようなマイクロ
インジェクトされた細胞に対して行うことができる。
【0091】 アッセイ7 アッセイ6に記載されている細胞株は、CED−6のアンチセンスRNAまた
はCED−6経路に関与している遺伝子の任意のRNAを発現するベクターをマ
イクロインジェクトしてもよい。マイクロインジェクションはマクロファージに
対して行うことができる。CED−6経路に関与している1または複数のCED
−6遺伝子を阻害することによるアンチセンスRNAの阻害作用は、アッセイ1
からアッセイ6に記載されているように追跡および検出することができる。陰性
の表現型をレスキューする化合物を単離することができる。
【0092】 C.elegansにおけるCED−6のインヒビター/エンハンサーをスクリ
ーニングするための貪食作用アッセイ C.elegansのCED−6遺伝子は、死ぬ胚細胞および生殖細胞ならび
に永続性細胞残骸の取り込みを促進する。C.elegansは、貪食作用およ
び取り込みに対する増強作用または阻害作用を有する化合物の検出および単離の
ために使用してもよい。特に、CED−6活性を失った変異体蠕虫、またはそう
でなければ、CED−6活性を変化させた変異体蠕虫を使用することができる。
あるいは、CED−6、h1CED−6、h2CED−6またはh3CED−6
のDNAによるトランスフェクトまたはそれらの移入が行われたトランスジェニ
ック蠕虫を使用してもよい。
【0093】 アッセイ8 一連の化合物をCED−6の変異体蠕虫に投与してもよく、あるいはCED−
6経路における変異を有する蠕虫に投与してもよい。L1幼虫の頭部領域および
蠕虫の生殖腺に残留する細胞残骸を計数することによって化合物により誘導され
る取り込みの回復を、ノマルスキー顕微鏡を使用して可視化することができる。
【0094】 アッセイ9 一連の化合物は、ヒト化CED−6変異体蠕虫に投与してもよい。ヒト化蠕虫
は、ヒトCED−6遺伝子を発現する蠕虫であり、C.elegans遺伝子が
変異している。ヒトCED−6により、変異した表現型がレスキューされる。C
ED−6表現型を阻害または増強する化合物は、ノマルスキー顕微鏡を使用して
取り込み表現型を可視化し、上記の細胞残骸を探すことによって選択することが
できる。
【0095】 医学的応用 アポトーシスのプロセスは、ガン、自己免疫疾患、筋萎縮性側索硬化症、ハン
チントン病およびアルツハイマー病などの様々な神経変性疾患、卒中、心筋梗塞
、およびAIDSを含む広範囲の疾患の病因と考えられ、あるいはそのような疾
患の病理学と関連している(Thompson、1995)。従って、アポトー
シスに潜む分子的事象をより十分に理解することは新規な治療的介入につながり
得る。現在の関心の多くが死プロセスの殺傷段階を制御する遺伝子およびタンパ
ク質に向けられている一方で、アポトーシス細胞の除去はアポトーシスプログラ
ムの適正な全体的な機能発現にとって重要であることもまた明らかにされ、そし
てその除去によって治療的介入に関する別の介入点が提供されることが十分に考
えられている。
【0096】 死ぬ細胞の認識および取り込みのプロセスは著しく迅速で効率的である。動物
において、別の細胞においてまだ現れていないアポトーシス特徴を有する細胞を
見つけることは本質的に不可能である。アポトーシス細胞のそのような迅速な認
識および貪食作用はインビボでのプログラム細胞死の重要な局面である:包み込
まれていないアポトーシス体は、炎症に至る二次的なネクローシスを経ることに
なる。アポトーシス体が除去されないことによって、身体はまた、(例えば、カ
スパーゼによって生成されるタンパク質フラグメントに由来する)新たなエピト
ープに曝され、このようなエピトープは自己免疫疾患の発症を促すことが考えら
れる。永続性のアポトーシス体は、多くの場合、(過度なアポトーシスを導く)
化学療法的介入の後で認めることができ、そして細胞残骸のクリアランスが遅く
なると考えられている充実性腫瘍において特に多い。
【0097】 アポトーシス細胞が正しく取り除かれないことは、ヒトを病気に至らしめると
考えられている。従って、貪食作用に関与している遺伝子は、現在まだクローン
化されていないヒトの遺伝病の遺伝子に対応し得る。適正な貪食作用を回復させ
ることは、特定のタイプの炎症および自己免疫疾患に対する有効な治療になる。
逆に、特定の場合には、維持されなければならない細胞が、取り込み機構によっ
て不適切に認識されて身体から除かれる。そのような細胞の取り込みを防止する
ことは治療的に非常に有効であり得る。そのような疾患の例には、神経変性疾患
、卒中ならびに鎌状赤血球貧血があげられるであろう。
【0098】 さらに、取り込みの活性化は、アポトーシスの活性化を使用することが提案さ
れている同じ場合(例えば、ガン)に使用することができる。実際、取り込み前
シグナルのガン細胞内での特異的な活性化は、アポトーシス機構の残り部分を活
性化する必要はなく、細胞除去(すなわち、死)をもたらす。これは、中心的な
アポトーシス機構の重要な部分が既に不活性化されている非常に抵抗性の腫瘍に
は特に有用であり得る。
【0099】 従って、別のその局面により、本発明は、アポトーシス細胞の貪食作用を増強
する物質、特に、h1−CED−6またはh3−CED−6またはそれらが関与
するシグナル伝達経路の活性を増強する物質の有効量を患者に投与することによ
って、例えば、炎症、自己免疫疾患およびガンを処置する方法を提供する。その
ような物質には、h1−CED6自身もしくはh3−CED−6自身、h1−C
ED6もしくはh3−CED−6をコードする核酸、h1もしくはh2もしくは
h3−CED−6に対するアンチセンス核酸、またはCED−6、h1−CED
−6、h2−CED−6もしくはh3−CED−6あるいはそれらの転写物のエ
ンハンサーとして上記アッセイのいずれかで同定された化合物が含まれる。
【0100】 さらに、本発明は、アポトーシス細胞の貪食作用を阻害する物質、特に、h1
−CED6またはh3−CED6またはそれらが関与するシグナル伝達経路の活
性を阻害する物質の有効量を患者に投与することによって、例えば、神経変性疾
患、卒中および鎌状赤血球貧血を処置する方法が可能になる。そのような物質に
は、h2CED−6、h2CED−6をコードする核酸、h1CED−6または
h3CED−6に対するアンチセンス核酸、あるいはCED−6またはh1CE
D−6またはh3−CED−6またはそれらの転写物のインヒビターとして上記
アッセイのいずれかで同定された化合物が含まれる。
【0101】 上記治療物質のいずれかと、製薬上許容されうる担体とを含む医薬組成物もま
た本発明により包含される。
【0102】 本明細書中に記載される様々な治療処置を行うために、h1、h2もしくはh
3 CED−6またはその機能的な部分もしくはドメインをコードする核酸は、
哺乳動物細胞(例えば、哺乳動物の体細胞、哺乳動物の生殖細胞(精子細胞およ
び卵細胞))に導入しなければならない。これは、本明細書中に記載される全長
のタンパク質またはドメインもしくはその機能的同等物のいずれかをコードする
単離された核酸を、1コピーまたは多コピーで存在し得る核酸ベクター、例えば
、プラスミドなどのDNAベクター、ウイルスまたは他の適切なレプリコン(例
えば、ウイルスベクター)に挿入することによって行うことができる。核酸は、
エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、インフェクション、およ
びリポフェクション、ならびに直接的な取り込みなどの当該分野で知られている
適切な方法を使用して細胞にトランスフェクトまたは形質転換することができる
。そのような方法は、より詳しくは、例えば、Sambrook他、「Mole
cular Cloning:A Laboratory Manual」、第
2版(1989);Ausubel,F.M.他、Current Proto
cols in Molecular Biology(Current Pr
otocols、1994);およびSambrook他、「Molecula
r Cloning:A Laboratory Manual」、第2版(1
989)に記載されている。
【0103】 h1、h2またはh3 CED−6は、これらのタンパク質をコードする1以
上の核酸配列を含有したウイルスベクターを使用することによって細胞に送達す
ることができる。一般に、核酸配列は、ウイルスベクターのゲノムに組み込まれ
る。インビトロにおいて、本明細書中に記載されるh1、h2またはh3CED
−6のタンパク質を含むウイルスベクター、あるいはそのタンパク質をコードす
る核酸配列は細胞と接触され、感染させることができる。次いで、細胞は、アポ
トーシス細胞の貪食作用を研究するためまたは上記アッセイを行うために実験的
に使用することができ、あるいは治療的使用のために患者に移植することができ
る。細胞は、造血系細胞などの移動性または充実性腫瘍もしくは繊維芽細胞など
の非移動性であり得る。細胞は、患者から採取されて疾患の処置において使用さ
れる生物学的サンプル(例えば、血液、骨髄)に存在し得、細胞培養物から得る
ことができる。
【0104】 h1、h2またはh3CED−6のタンパク質あるいはそれらをコードする核
酸配列を含有したウイルスベクターと接触させた後、サンプルは、当業者に知ら
れている方法に従って細胞培養物または患者に戻すことができ、あるいは再投与
することができる。患者または実験動物モデル(例えば、ラット、マウス、サル
、チンパンジー)に送達される場合、そのような処置手順は、エクスビボ処置ま
たはエクスビボ治療と呼ばれることがある。しばしば、患者または動物から得ら
れた細胞が標的化され、そして本発明の活性化された変異体を含むウイルスベク
ターと接触させて患者または動物に戻される。エクスビボ遺伝子治療は、例えば
、Kasid他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87:47
3(1990);Rosenberg他、New Engl.J.Med.32
5:570(1990);Williams他、Nature、310、476
(1984);Dick他、Cell、42:71(1985);Keller
他、Nature、318:149(1985);およびAnderson他、
米国特許第5,399,346号明細書(1994)に記載されている。
【0105】 細胞がインビトロで接触させられた場合、h1 CED−6、h2 CED−
6またはh3 CED−6の核酸配列を含むウイルスベクターが取り込まれてい
る細胞は、送達するために患者または実験動物モデルに移植することができ、あ
るいはh1、h2またはh3CED−6によって媒介される細胞事象を研究する
ためにインビトロ実験において使用することができる。
【0106】 様々なウイルスベクターを使用して、核酸を哺乳動物細胞に導入することがで
きる。そのようなウイルスベクターには、レトロウイルス;アデノウイルス、パ
ルボウイルス(例えば、アデノ関連ウイルス);コロナウイルス;オルトミクソ
ウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、ラブドウイルス(例えば、狂犬
病ウイルスおよび水疱性口内炎ウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、麻疹
ウイルスおよびセンダイウイルス)などのマイナス鎖RNAウイルス;ピコルナ
ウイルスおよびアルファウイルスなどのプラス鎖ウイルスRNAウイルス;およ
びアデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、1型および2型の単純ヘルペス
ウイルス、エプスタイン−バールウイルス、サイトメガロウイルス)、およびポ
ックスウイルス(例えば、ワクシニア、鶏痘ウイルスおよびカナリアポックスウ
イルス)を含む二本鎖DNAウイルスが含まれる。他のウイルスには、例えば、
ノーウォークウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、レオウイルス、パポバ
ウイルス、ヘパドナウイルス、および肝炎ウイルスが含まれる。レトロウイルス
の例には下記が含まれる:ニワトリ白血病−肉腫ウイルス、哺乳動物のC型ウイ
ルス、B型ウイルス、D型ウイルス、HTLV−BLV群、レンチウイルス、ス
プーマウイルス(Coffin,J.M.、レトロウイルス科:ウイルスおよび
その複製、Fundamental Virology、第3版、B.N.Fi
elds他編、Lippincott−Raven Publishers、P
hiladelphia、1996)。他の例には、ネズミ白血病ウイルス、ネ
ズミ肉腫ウイルス、マウス乳がんウイルス、ウシ白血病ウイルス、ネコ白血病ウ
イルス、ネコ肉腫ウイルス、ニワトリ白血病ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイル
ス、ヒヒ内在性ウイルス、テナガサル(Gibbon ape)白血病ウイルス
、マソン ファイザー(Mason Pfizer)サルウイルス、サル免疫不
全症ウイルス、サル肉腫ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、レンチウイルス、およ
びバキュロウイルスが含まれる。
【0107】 h1、h2またはh3 CED−6をコードする核酸を細胞に導入するために
好ましい方法は、操作されたウイルスベクターを使用することによる。これらの
ベクターは、細胞周期中または休止中の細胞に核酸を導入するための手段が提供
され、細胞傷害性を低下および遺伝子安定性を改善させるために改変されている
。操作された1型ヘルペス単純ウイルスベクター(D.M.Krisky他、G
ene Therapy、4(10):1120〜1125(1997))、ア
デノウイルスベクター(A.Amalfitanl他、Journal of
Virology、72(2):926〜933(1998))、弱毒化レンチ
ウイルスベクター(R.Zufferey他、Nature Biotechn
ology、15(9):871〜875(1997))およびアデノウイルス
/レトロウイルスのキメラベクター(M.Feng他、Nature Biot
echnology、15(9):866〜870(1997))の調製および
使用が当業者には知られている。
【0108】 従って、請求項に記載される発明は、h1、h2またはh3CED−6のタン
パク質または核酸の上記のような様々な治療的使用を包含する。
【0109】 タンパク質は、当該分野で知られている方法を使用して投与することができる
。例えば、投与様式は、好ましくは標的細胞の位置におけるものである。従って
、投与は、(ADAを発現するベクターを投与する場合には)鼻内であり得るし
、あるいは(自殺遺伝子腫瘍を発現するベクターを投与する場合には)注射であ
りうる。他の投与様式(非経口的、粘膜的、全身的、埋め込み、腹腔内など)が
当該分野では一般に知られている。薬剤は、好ましくは、生理食塩水、滅菌水、
リンゲル液および等張塩化ナトリウム液などの薬学的に受容可能なキャリアで投
与することができる。
【0110】 本発明はまた、アポトーシス細胞の貪食作用における欠損に関連する疾患の診
断において使用することができる診断試薬を提供する。例えば、配列番号:2、
4、6、8、10、12、14または16に示されるアミノ酸配列を有するタン
パク質のいずれかのエピトープに対する抗体は、h1 CED−6、h2 CE
D−6またはh3 CED−6における欠損、あるいはその発現における欠損を
患者が有するかどうかを明らかにするための診断試薬として使用することができ
る。さらに、遺伝子レベルでの欠損を、配列番号:1、3、5、7、9、11、
13または15に示される配列あるいはその一部を有する核酸をプローブとして
使用することによって検出することができる。
【0111】 CED−6シグナル伝達経路において活性な他のタンパク質の同定 CED−6、h1CED−6、h2CED−6またはh3CED−6は、アポ
トーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路の他のメンバーを同定する
ために使用することができる。多数の方法によってこのような同定を行うことが
できるが、好ましい方法は、Chienら(1994、Proc.Natl.A
cad.Sci.USA、88、9578頁〜9582頁)によって酵母で開発
されたいわゆる「ツーハイブリッド」システムである。これにより、目的とする
特定のタンパク質に結合するタンパク質の同定が可能になる。
【0112】 この技術は、レポーター遺伝子を活性化する転写因子の機能的なインビボ再構
築に基づいている。より詳細に記載すると、この技術は、適切な宿主細胞、好ま
しくは、酵母に、DNA結合ドメインおよび活性化ドメインを有する転写因子に
よって調節されるプロモーターの制御下にあるレポーター遺伝子を含むDNA構
築物を供給するステップ、本発明の核酸配列のフラグメントまたはそのすべてと
、転写因子の前記DNA結合ドメインまたは活性ドメインのいずれかとの第1の
融合体をコードする第1のハイブリッドDNA配列を宿主細胞において発現させ
るステップ、第1の融合体に取り込まれていない転写因子のDNA結合ドメイン
または活性化ドメインとともに、調べようとする予想される結合タンパク質をコ
ードする少なくとも1つの第2のハイブリッドDNA配列を宿主細胞において発
現させるステップ;調べられるタンパク質と本発明によるタンパク質との何らか
の結合を、宿主細胞内における何らかのレポーター遺伝子産物の産生を検出する
ことによって検出するステップ;必要に応じて、結合タンパク質をコードする第
2のハイブリッドDNA配列を単離するステップを含む。
【0113】 実施例 N2ブリストル(Bristol)株をこの研究の参照用野生株として使用し
た。すべての株は、蠕虫をNGM−lite寒天培地で飼育したことを除いて、
Brenner(Brenner、1974)の記載に従って維持した。株は、
別に記されていない限り、20℃で維持および飼育を行った。下記の変異体をこ
の研究で使用した:LG I:ced−1(e1735)、ced−1(n19
95)およびced−1(n1506)(Ellis他、1991);LG I
II:dpy−17(e164)、ced−6(n1813、n2095)、m
ec−14(u55)、ncl−1(e1865)、ced−7(n1997)
、ced−7(n1892)、ced−7(n1996)(Ellis他、19
91)、unc−36(e251)(Brenner、1974)、およびsD
p3(III,f)(Rosenbluth他、1985);LG IVについ
て:ced−2(e1752)(Hedgecock他、1983)、ced−
5(n1812)およびced−10(n1993)(Ellis他、1991
)。すべての変異体はHodgkin(1997)に記載されている。
【0114】 実施例1 取り込みの分析および定量 動物を30mMのNaN3で麻酔し、ノルマスキー光学顕微鏡を使用して観察
するために寒天パッド上にのせた(SulstonおよびHorvitz、19
77;AveryおよびHorvitz、1987)。胚発生の途中に生じた細
胞残骸の取り込みを定量するために、依然として4個の細胞のみが生殖腺に存在
する(すなわち、4時間前に孵化した)若いL1幼虫の頭部領域で認められる永
続性細胞残骸の数を数えた。生殖細胞系の取り込み欠損を定量するために、遠腕
(生殖細胞翅が生じる部分)および近腕(永続性の生殖細胞残骸が、卵母細胞の
発達によってそれらが一緒に除かれるときに時々観察することができる部分)の
両方において認められる細胞残骸を計数した。
【0115】 実施例2 生殖細胞系の形質転換およびced−6のゲノムレスキュー トランスジェニック動物を、Melloらによって開発された生殖細胞系マイ
クロインジェクション手順を使用して作製した。W03A5、F20F10、F
48E8、R02F2、W02G12、T06H6、C48E6、C44D7、
F56D2、F43F12、C05D2、T06C9、C05H8のコスミドを
、単独であるいはグループ(最終濃度:各コスミドについて20ng/ul)で
ced−6(n1813)動物に注入した。プラスミドpRF4(最終濃度:5
0〜80ng/ul)を優性同時注入マーカーとして使用した(Mello他、
1991);pRF4は、変異したコラーゲン遺伝子rol−6(su1006
gf)を有し、優性ローラー(roller)(Rol)表現型をもたらす。染
色体外配列(array)を安定的に伝達するトランスジェニック株をさらなる
分析のために飼育した。レスキューをアッセイするために、トランスジェニック
動物が産んだ3倍胚をノルマスキー光学装置で細胞残骸について調べた。残骸を
ほとんど有しないまたは全く有しない胚を生成するトランスジェニック株はレス
キューされていると見なした。F56D2におけるced−6の位置をさらに明
らかにするために、多数の欠失構築物を作製し、他のフラグメントをpBlue
scriptSK(+)IIにサブクローニングした。50〜90ng/ulの
これらのクローンを、ced−6(n1813)蠕虫に、80〜100ng/u
lのpRF4注入マーカーとともに同時注入して、そのレスキュー能を上記のよ
うに調べた。
【0116】 実施例3 ced−6cDNAの単離 全長のced−6cDNAを単離するために、様々な段階が混合されているC
.elegansのλZapのcDNAライブラリー〔R.Barsteadか
らの贈与、オクラホマ医学研究基金(Oklahoma Medical Re
search Foundation)、Okulahoma City、OK
〕を、確立されたプロトコル(Sambrook他、1989)を使用してスク
リーニングした。32P標識したプローブを、レスキュー10kbのXho Iゲ
ノムフラグメントをテンプレートとして使用して作製した。陽性のファージを、
インビボ切り出しプロトコルを使用してプラスミドクローンに変換した。単離し
たプラスミドクローンに由来するF56D2.7遺伝子を表すクローンをサザン
ブロットで同定した。この目的のために、32P標識したプローブを、予想される
F56D2.7の3つのエキソンを表すRT−PCR産物から作製した。RT−
PCRに使用したプライマー:GAATGTTCTCATTTATTG(配列番
号:29)およびGGATTCAAACGATCCGATG(配列番号:17)
【0117】 約300,000個のプラークから、F56D2.7のcDNAに対応する1
0個のプラスミドクローンを単離した。これらのクローンを、隣接T3プライマ
ーおよびT7プライマーを使用してインサートの両端について配列決定した。5
' 端における部分的なSL2配列および完全なポリ(A)テールを有する2個の
クローンが全長のF56D2.7cDNAとして同定された。これらの配列結果
およびSau3AIによる制限消化パターンの分析により、これらのクローンが
1つの転写物を示すこともまた示唆された。
【0118】 実施例4 逆転写PCR 逆転写(RT)−PCR実験を行って、レスキューXho Iゲノムフラグメ
ント内において検出または予想される転写物の5' 端を決定した。逆転写を下記
のプライマーで行った:C05D2.6a:GAATCTGTCCATCGCA
TTGC(配列番号:18)、GAATTTCTTTGGGTAGACA(配列
番号:19);C05D2.6b:GCTCTGAAGAACTGTGA(配列
番号:20)、GACGAGGTGAAGCGATTGTG(配列番号:21)
;F56D2.7:GGGATCAAACGAATCATC(配列番号:22)
。次いで、これらのプライマーをSL1プライマー(GTTTAATTACCC
AAGTTTGAG(配列番号:23))またはSL2プライマー(GGTTT
TAACCCAGTTACTCAAG(配列番号:24))と組み合わせてその
後のPCR増幅に使用した。C.elegansの様々な段階が混合されている
全RNAを前記のように単離した。RT−PCRを、Superscript
Preamplication System(Gibco BRL)を使用し
て行った。
【0119】 実施例5 ced−6変異体の同定 ced−6対立遺伝子のいずれかが大きな物理的に検出可能な多型をもたらし
たかどうかを明らかにするために、本発明者らは、様々な制限酵素で消化したN
2、ced−6(n1813)およびced−6(n2095)のゲノムDNA
のサザンブロットを作製した。レスキューされているXho Iゲノムフラグメ
ントから作製されたプローブによって、4つの異なる制限酵素を使用して、ce
d−6(n2095)において新規な対立遺伝子特異的なバンドが検出された。
ced−6(n2095)における新規な制限パターンの分析によって、この対
立遺伝子は、F56D2.7の少なくとも一部を含むが、隣接するC05D2.
6b転写物に影響を及ぼさないこの領域での複雑な再編成を有することが示され
る。
【0120】 F56D2.7における点変異を同定するために、N2、ced−6(n18
13)およびced−6(n2095)の変異体に由来するF56D2.7座の
重複するフラグメントをPCR増幅し、PCR産物配列決定キット(PCR P
roduct Sequencing Kit)(Amersham)を使用し
て直接配列決定した。これらの重複するPCRフラグメントは、全F56D2.
7転写ユニットおよび約1kbの上流ゲノム配列を含んでいた。PCR増幅およ
び配列決定に使用したプライマーの配列は求めに応じて得ることができる。
【0121】 実施例6 熱ショック実験 ced−6のcDNAによって取り込み欠損がレスキューされ得るかどうかを
調べるために、全長のF56D2.7 cDNAのKpnI/SalIフラグメ
ントを、hsp16−2プロモーターおよびhsp16−41プロモーターを有
するpPD49.78およびpPD49.83の両ベクターのMCSIIのKp
nI/Sac I部位に挿入して、pLQhs1およびpLQhs2の構築物を
作製した。この2つの構築物を、80ng/ulのpRF4とともにそれぞれ5
0ng/ulで、作製された安定的に伝達する染色体外配列に同時注入した。本
発明者らは、対照実験のために、pPD50.21およびpPD50.15を使
用した:これらはpPD49.78およびpPD49.83の2つの誘導体であ
り、lacZのオープンリーディングフレームが熱ショックプロモーターの支配
下に置かれている。これらの構築物を有するトランスジェニック株を上記のよう
に作製した。
【0122】 細胞死が胚発生の途中で生じる前にced−6を過剰発現させるために、成熟
した動物を、大腸菌(E.coli)を播種したプレートに置き、1時間にわた
って産生させた。続いてプレートをパラフィルムでシールして、33℃の水浴に
45分間移すことによって熱ショックを与えた。20℃で75分間回復させた後
、成熟した動物をプレートから取り出した。熱ショックの12時間後〜14時間
後、孵化したL1幼虫を頭部領域における残骸について計数した。
【0123】 胚発生の途中での細胞残骸の形成後にced−6を過剰発現させるために、す
べての発達段階にある胚を含有するが、幼虫を含有しない蠕虫プレートをパラフ
ィルムでシールして、33℃の水浴にて45分間の熱ショックを与えた。熱ショ
ックの3時間後、新たに孵化したL1幼虫を頭部領域における残骸について計数
した。
【0124】 死ぬ生殖細胞の取り込みに対する細胞死が生じる前におけるced−6の過剰
発現の影響を明らかにするために、L4段階のトランスジェニック動物を新しい
プレートに移して、20℃で保存した。L4脱皮の最初の24時間後に、蠕虫プ
レートをパラフィルムでシールして、上記のように33℃で45分間の熱ショッ
クを与えた。動物を、熱ショックの12時間後における生殖細胞の残骸について
調べ、さらに熱ショックの18時間後、24時間後、36時間後および60時間
後も調べた。
【0125】 生殖細胞の残骸が形成された後でced−6を過剰発現させるために、L4段
階のトランスジェニック動物を集め、各プレートに数匹ずつ、数枚のプレートに
入れた。L4脱皮の24時間後、1枚のプレートの蠕虫を上記のように45分間
の熱ショックを与えた。同様に、L4脱皮の36時間後、42時間後、48時間
後および60時間後、それぞれの時点での各プレートの蠕虫を熱処理した。動物
を熱ショックの12時間後における生殖細胞の残骸について調べた。
【0126】 他の取り込み変異体のバックグラウンドにおいてced−6を過剰発現させる
ために、ced−6またはlacZ発現の染色体外配列をced−6(n181
3)から野生型背景に移し、続いて、ced−1(e1735)、ced−1(
n1506)、ced−1(n1995)、ced−7(n1892)、ced
−7(n1996)、ced−7(n1997)、ced−2(n1752)、
ced−5(n1812)、またはced−10(n1993)と交配して、対
応するトランスジェニック変異株を作製した。熱ショック実験を上記のように行
った。
【0127】 実施例7 ゲノムモザイク分析 1000匹のdpy−17(e164)ced−6(n1813)mec−1
4(u55)ncl−1(e1865)unc−36(e25)III;sDp
3(III、f)を個々に蠕虫プレートに入れた。これらの動物の子孫を、DP
Y UNCの子孫のみを産む動物を解剖顕微鏡で同定するために調べた。成熟し
た動物を同定直後にノルマスキー光学装置で調べた。最初に、体細胞鞘細胞を調
べ、次いでD系統およびC系統に由来する体壁筋肉を調べた。すべての体壁筋肉
細胞が野生型を示したとき、重複はP4系統において失われている。D系統に由
来するすべての体壁筋肉細胞が野生型であるとき、C系統に由来する体壁筋肉細
胞はncl表現型を示しているが、重複はP3系統から失われているに違いない
。D系統およびC系統の両方に由来する体壁筋肉細胞が野生型であるとき、複製
はP2系統から失われているに違いない。生殖腺の両方の腕における細胞残骸も
また取り込み表現型について調べた。体細胞鞘細胞において失われているが、生
殖細胞では失われていない重複を有する動物を見つけるために、dpy−17(
e164)ced−6(n1813)mec−14(u55)ncl−1(e1
865)unc−36(e25)III;sDp3(III、f)動物を、ノル
マスキー光学装置で、体細胞鞘細胞における重複の喪失について調べた。同時に
、生殖腺における細胞残骸もまた取り込み表現型について調べた。
【0128】 実施例8 CED−6のヒトホモログの同定 公開されているドメインデータベース(EST、GenBank、EMBL、
SwissprotおよびPIR)に対するced−6配列(Figure 1
8、hCED−6のコンセンサスDNA配列)に関する広範囲な検索(tbla
stn)によって、いくつかのESTに対する統計学的に有意な相同性がタンパ
ク質のカルボキシ末端領域において明らかにされた(AA443368、AA4
31995、R33389、R53881)。1つのEST(T48513)が
、PTBドメインのカルボキシル末端および荷電領域の開始部に対する相同性を
示していた。5' RACE分析を行うために、Clontechから得られるM
arathon−ready結腸直腸腺ガンcDNAライブラリーを使用した。
RACEおよび配列決定のために使用されるプライマーの位置はFigure
18に示されている。その後のクローニングおよび配列分析により、さらなる配
列情報が得られた。このさらなる配列情報を使用して、引き続き数回のデータベ
ース検索(blastn)を行うことによって、我々が約2400hpのコンセ
ンサスを構築することができるさらなるESTが明らかにされた。この配列をさ
らに伸張し、そしてコロニーハイブリダイゼーションおよびさらなるRACE産
物の配列決定を行うことによって確認した。
【0129】 実施例9 RNAブロット(Figure 25を参照のこと、ノーザンブロットによる正
常なヒト組織およびガン細胞株におけるhCED−6の発現パターン:A)ヒト
多組織ノーザン(MTN)ブロット、B)ヒト多組織ノーザン(MTN)ブロッ
トII、C)ヒトガン細胞株多組織ノーザン(MTNTM)ブロット) 8個の異なるヒト組織(心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓および膵臓
)由来の2mgのポリA+RNAを各レーンに含有するヒト多重組織ノーザン(
MTN−1、Clontech)、ならびに脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵巣、
小腸、結腸および末梢白血球由来の2mgのポリA+RNAを各レーンに含有す
るMTN−IIヒト多重組織ノーザンを、製造者の説明書に従ってハイブリダイ
ゼーションして、0.1xSSC、0.2%SDSにおいて55℃で洗浄した。
同様に、Clontechから得られる、ヒトガン細胞株(メラノーマG361
、肺ガンA549、結腸直腸腺ガンSW480、バーキットリンパ腫Raji白
血病Molt4、白血病Molt4、リンパ芽球性白血病K562、HeLaS
3および前骨髄性白血病HL60)から得られたポリA+RNAのブロットを調
べた。
【0130】 実施例10 全長のヒトced−6cDNAの単離 hbc3123を含むいくつかのヒトESTクローンを、様々なデータベース
を検索することによって同定した。このhbc3123ESTクローンを完全に
配列決定した。プライマーP(ACAATTGCCAGCTTCATAG;配列
番号:30)およびQ(CTGTTTTCTTGTTTCAACATC;配列番
号:31)の1組をPTBドメインの領域について設計し、続いてヒトゲノムD
NAをテンプレートとして使用してその特異性について調べた。この結果は、こ
れらのプライマーは特異的であることを示していた。脳、心臓、腎臓、肝臓、肺
、膵臓、胎盤、骨格筋の組織を含む1組のλgt10cDNAライブラリー(C
lontechから購入)を、ced−6がこれらの組織のいずれかで発現され
るかどうかを検出するためにプライマーPおよびプライマーQを使用して調べた
【0131】 プライマーQおよびλgt10ベクターに対するプライマーを使用して、いく
つかのPCRフラグメントが、脳および膵臓のcDNAライブラリーを使用して
単離された。これらのPCRフラグメントを、同じプライマー組を使用して再度
増幅して、配列決定した。配列分析は、これらのPCRフラグメントにより、c
DNAの伸張がヒトced−6のコード領域の開始コドンの130bp上流まで
可能になることを示唆していた。次いで、最長のPCRフラグメントをヒトES
Tデータベースに呈示して、単離したPCRフラグメントと重複するが、hbc
3123ESTクローンと重複しないさらに多くのESTクローンを検索した。
これらの3つのESTクローンのGenBankでの名称は、それぞれ、R65
982、R65983およびAA159394である。これらの3つのESTは
、PCRフラグメントおよびhbc3123とともに、ヒトCED−6の全長の
コード配列および約450bpの5' UTRを構成する。配列決定されたヒトc
ed−6cDNAは、hbc3123ESTクローンの配列決定データ、単離さ
れたPCRフラグメントの配列決定データ、およびヒトESTプロジェクトのヒ
トcDNA領域における多くのESTクローンの配列結果によって正しく確認さ
れた。これらのヒトced−6cDNAデータによって、実施例8および実施例
9の両方に示されているすべての実験が示唆され、そして導かれた。Figur
e 32を参照のこと。
【0132】 実施例11 ヒトCED−6のヒト組織における分布 本実施例は、ヒト組織分布のさらなる例である。PTBドメインに対する2つ
のプライマーを、cDNAライブラリーがヒトced−6を含むかどうかを検出
するために使用した。2つのプライマーを、テンプレートとしてヒトゲノムDN
Aを使用して調べた。これらのプライマーは、バックグラウンド増幅が検出され
なかったために特異的である。この組織分布研究の結果は以下の通りである
【0133】 I.cDNAライブラリーから得られた情報 組織 ヒトced−6 cDNA 脳 ++ 心臓 ++ 腎臓 ++ 肝臓 + 肺 ++ 膵臓 ++ 胎盤 ++ 骨格筋 ++
【0134】 II.ヒトESTプロジェクトから得られた情報 組織 ヒトESTプロジェクト由来ESTクローン 脳 2 精巣 3 膵臓 4 HCC細胞株 1 大動脈 1 胎盤 13 胎児 1 保存試料 2
【0135】 実施例12 FISHとして知られている技術を行った。ヒトced−6遺伝子は、染色体
上の位置が2q32.3−q33に局在した。
【0136】 実施例13 C.elegansおよびヒトのced−6ホモログ間の機能的保存;hCED
の過剰発現によってc.elegansにおけるCED−6変異体の取り込み欠
損がレスキューされる シグナル伝達経路が進化を通して通常的に保存されているとすれば、ヒトのc
ed−6ホモログ(以下、h1CED−6および/またはh3CED−6を包含
するhced−6という)もまた、哺乳動物におけるアポトーシス細胞の貪食作
用による除去を促進することに関与し得ると考えられる。この疑問を解決するた
めに、本発明者らは、ヒトおよび蠕虫のced−6遺伝子を、hced−6をC
.elegansにおいて過剰発現させること、およびhced−6が内因性c
ed−6遺伝子に関して機能的に代替し得るかどうかを明らかにすることによっ
て機能的保存について調べた。
【0137】 熱ショックプロモーター、hsp16−2およびhsp16−41の制御下に
あるC.elegansのced−6cDNAを過剰発現させることにより、ト
ランスジェニックced−6変異体の胚における取り込み欠損が効率的にレスキ
ューされることが本明細書中に示されている。同じアッセイを使用して、C.e
legansにおける生理活性についてhced−6を調べた。hsp16−2
およびhsp16−41の制御下にあるhced−6オープンリーディングフレ
ームを有する構築物を作製し、両方の構築物に関してトランスジェニックced
−6(n1813)変異体動物を後期の胚および若い幼虫における取り込み欠損
のレスキューについて調べた。トランスジェニック雌が産生した熱ショック処理
した胚は、熱ショック処理を行っていない胚と異なり、細胞残骸をほとんど含有
していないことが見出された(Figure 31A)。これらの観察は、hc
ed−6は、現在のアッセイでは弱いにも関わらず、C.elegansのce
d−6の代わりになり得ることを示唆している。このことは、C.elegan
sおよびヒトのced−6は機能的に保存されているという考えを支持している
。さらに、実施例13に示される評価により、レスキューがうまく行われている
ことが示された。
【0138】 いくつかのアッセイにおいて部分的なレスキュー、あるいはレスキューが行わ
れないことさえもが、機能的な保存が確立されている場合においてさえ以前に認
められている。例えば、WuおよびHorvitz(1998a)(Natur
e、1998a、392、501〜504)は、C.elegansのCED−
5の哺乳動物ホモログであるDOCK180によって、取り込み欠損ではなく、
CED−5変異体の遠位端細胞遊走欠損が効率的にレスキューされたことを見出
している。
【0139】 実験プロトコール hced−6のオープンリーディングフレームを、開始コドンおよび停止コド
ンに隣接するオリゴヌクレオチドを使用してPCR増幅して、Kpn Iおよび
Sac Iで前もって消化した熱ショックベクターのpDP49.78およびp
DP49.83にサブクローニングした(前記参照)。次いで、この2つの構築
物を、上記に記載されているようにced−6(n1813)動物に注入して、
安定的に伝達するトランスジェニック株を樹立した。
【0140】 胚および成熟した生殖細胞系における取り込み欠損のレスキューをスコアする
ために、本明細書中の上記のように、トランスジェニック動物を熱ショックに曝
し、細胞残骸の数を定量した。
【0141】
【表3】
【0142】 単離されたPCRフラグメントの1つをhbc3123ESTクローンに融合
した。pLQhced−6.1(融合cDNA)は、開始コドンATGの上流に
130ヌクレオチドを有する。2つのプライマー、Hhs1(GGGGTACC
GAATTCTGATGGCAAC;配列番号:27)およびHhs3(CGA
GCTCGATCAATAGTGAAGGTGAGG;配列番号:28)を使用
して、ヒトced−6cDNAのオープンリーディングフレームを増幅した。続
いて、PCRフラグメントをKpn IおよびSac Iで消化して、両方の熱
ショックベクターppD49.78およびppD49.83のKpnI部位およ
びSac I部位に挿入した。次いで、熱ショック構築物pLQhs1およびp
LQhs2を、それぞれ50ng/μlで、マーカーpRF4(80ng/μl
)とともに、成熟したced−6(h1813)雌雄両性体の生殖細胞系に同時
注入した。nced−6を、本明細書中に記載されているように、確立された手
順に従って、ced−6(n1813)トランスジェニック動物の胚子孫におけ
る取り込み欠損をレスキューするその能力について調べた。
【0143】 成熟した生殖腺におけるced−6(n1813)の取り込み欠損に関するh
CED−6のレスキュー能もまた調べた。L4/成体脱皮のトランスジェニック
動物を選び、新しいプレートに置いた。36時間後、これらの動物を33℃での
45分間の熱ショックにより処理した。熱ショックの12時間後、生殖腺の一方
の腕における細胞残骸を計数した。熱処理なしのトランスジェニック動物、熱シ
ョックの有無のもとでの同じ発達段階のced−6(n1813)動物などの対
照実験もまた使用した。これらの実験は、hced−6の過剰発現によって、生
殖細胞におけるC.elegansのCED−6変異体の取り込み欠損がレスキ
ューされたことを示している。これらの実験によって、ヒトのced−6(例え
ば、h3CED−6)の機能はアポトーシス細胞の貪食作用を誘導することが確
認される。Figure 31Aおよび31B。
【0144】 実施例14 T3プライマーまたはT7プライマー(いずれか一方または両方を使用するこ
とができ、これらは実際の挿入物の異なる位置に存在する)を使用して、両方の
寄託物における配列を得ることができる。両プライマーはClontechから
市販されている(#1227および#1228)。配列を以下に示す: T7プライマー:5' (TAATACGACTCACTATAGGGAGA)3
' (配列番号:25) T3プライマー:5' (ATTAACCCTCACTAAAGGGA)3' (配
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L., Jones, M., Kershaw, J., Kirsten
, J., Laisster, N., Latrellie, P., L
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【0212】 Zorio, D. A. R., Cheng, N. N., Blume
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レガンスにおける染色体組織化の共通の形態としてのオペロン。Nature
372, 270−272.
【0213】 本発明は、その好ましい態様への参照により具体的に示され、説明されている
が、添付された請求項により定義された本発明の精神および範囲から逸脱するこ
となく、形態および詳細に様々な変化をなしてもよいことは、当業者により理解
されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Figure 1A〜1Eは、CED−6座の概略図である。Figure
1Aは、CED−6の遺伝地図である。CED−6、ならびにCED−6の近く
に位置する遺伝子で、そのマッピングのためにも使用されたいくつかの遺伝子が
示されている。Figure 1Bは、コスミドレスキューを示す。コスミドま
たはサブクローニングされたDNAフラグメント(C、D参照)を有するトラン
スジェニック動物を、3回畳まれた胚における細胞残骸について調べた。部分的
な細胞残骸または細胞残骸を有しない胚をもたらすものをレスキューするトラン
スジェニック株として計数した。試験した13個のコスミドの内の4個を示す。
レスキューされるフラグメントを太く示す。数字は、レスキュー株の数/試験株
の数を表す。Figure 1Cは、F56D2コスミドのサブクローニングお
よびレスキューを示す。CED−6領域の制限マップを上部に示す。中段におい
て、いくつかの制限フラグメントを、CED−6(n1813)によって生じる
取り込み欠損のそのレスキュー能について試験した。Figure 1Dは、1
0kbのXhoIフラグメントのサブクローニングおよびレスキューを示す。X
hoIフラグメントの制限マップを上部に示す。中段において、XhoIフラグ
メントにおいてなされた変異およびそのレスキュー能を示す。Xはフレームシフ
ト変異を示す(詳細については実験手順を参照のこと)。Figure 1Eは
、XhoIフラグメントでの転写物を示す。XhoIフラグメント領域での転写
物のイントロン/エキソン構造において、ボックスはエキソンであり、V記号は
イントロンであり、AAAはポリ(A)テールである。F56D2.7の5' 末
端のRT−PCR産物は、SL1およびSL2の両方を含有する。
【図2】 Figure 2A、2Bは、F56D2.7がCED−6をコードしている
ことを示す。Figure 2Aは、C.elegansのCED−6の全長の
cDNA(配列番号:1)およびアミノ酸(配列番号:2)を示す。二重下線は
、ホスホチロシン結合(PTB)ドメインの核酸配列(配列番号:3)およびア
ミノ酸配列(配列番号:4)を示す。一重下線は、プロリン/セリンリッチ領域
の核酸配列(配列番号:6)およびアミノ酸配列(配列番号:7)を示す。ダッ
シュ(−)下線は荷電領域を示す。星印は、PxxPの特徴的な配列におけるプ
ロリンを示す。白三角は、ダッシュを付けた領域における荷電残基を示す。陰影
ボックスはポリアデニル化シグナルを示す。SL1およびSL2はともにトラン
ススプラシングアクセプター部位に加えることができる。CED−6(n181
3)において同定された一塩基対の欠失が示されている。Figure 2Bは
、CED−6(n2095)から得られた4.1kbフラグメントでのRFLP
が明らかにされたサザンブロットである。XhoIプローブによって、F56D
2.7を含有する4.1kbのHindIIIフラグメントに影響するCED−
6(n2095)における対立遺伝子特異的RFLPが同定される。右下段には
、XhoIフラグメント領域でのHindIIIによって消化されたゲノムフラ
グメントが示されている。右上段には、XhoIフラグメントおよびこの領域で
覆われる3つの遺伝子が示されている。サザンブロットにより明らかにされ得る
3つのHindIIIフラグメント(4.1kb、0.4kbおよび9.9kb
)が示されている。左側には、野生株のN2、CED−6(n1813)および
CED−6(n2095)から独立的に単離されたゲノムDNAが、32P標識さ
れたXhoIフラグメントをプローブとして調べられた。n2095対立遺伝子
は、4.1kbフラグメントの欠失およびさらなる2.1kbフラグメントの存
在が明らかにされた。0.4kbフラグメントは、両方の対立遺伝子において影
響を受けていなかった(別のゲルでのデータ、ここでは示さず)。
【図3】 Figure 3A〜3Cは、CED−6がホスホチロシン結合ドメインを含
有することを示す。Figure 3Aは、CED−6のPTB(配列番号:4
)と他のPTBドメインとの配列比較を示す。PTBドメインの配列比較は、S
hcタンパク質のNMR構造に基づいた。黒四角は、配列の50%よりも多くが
同一であるアミノ酸を示している。灰色の四角は、配列の50%よりも多くが類
似しているアミノ酸を示している。この目的のために、下記の組のアミノ酸が類
似していると見なされている:G、A、C、S、T;E、D、Q、N;R、K、
H;V、M、L、I;F、Y、W。αは、ShcのNMR構造により示唆される
ヘリックスを示し、βはβシートを示している。(示されたすべての配列に見出
される)変化していない残基は星印「*」によって強調されている。Figur
e 3Bは、CED−6と他のPTBドメイン含有タンパク質との比較を示す。
プロリンリッチ領域、およびPTBドメインに隣接する荷電領域、および他の領
域を示す。PTBドメインは同一性の割合で比較された。Figure 3Cは
、PTBドメインの進化樹を示す。(A)からの配列比較が、GCCプログラム
のSeqlabパッケージを使用して示された。進化樹は図式的に描かれた。
【図4】 Figure 4は、CED−6(下部の表)およびC.elegansの細
胞系統(上部)に関する遺伝子モザイク分析の結果を示す。生殖細胞および体細
胞鞘細胞の両方の子孫が例示されている。重複喪失を決定するために使用された
体壁筋肉細胞もまた例示されている。黒四角は生殖細胞での重複喪失を示し、黒
四角は体細胞鞘細胞での重複喪失を示している。黒矢は、前部生殖腺の遠腕にお
いて拡張した核小体を有する体細胞鞘細胞を示している。白矢は、前部生殖腺の
近腕において蓄積した細胞残骸を示している。
【図5】 Figure 5A〜5Dは、CED−6cDNAの熱ショックによる過剰発
現によって体細胞および生殖細胞の両方における取り込み欠損がレスキューされ
たという結果を示している。Figure 5Aは、胚発生の途中における細胞
死を示す。陰影ボックスは、胚発生の途中における50分毎の死細胞数を示す棒
グラフである。矢は、熱ショックの時期および取り込み表現型が認められる時期
を示している。Figure 5Bは、CED−6cDNAの過剰発現によって
細胞死の初期段階および後期段階の両方で取り込みが促進されることを示してい
る。トランスジーン(熱ショックプロモーターによって機能するCED−6cD
NA)を有するトランスジェニック動物は、示されている時間で細胞死が生じる
前に熱処理された。若いL1幼虫の頭部における細胞残骸を調べた。熱処理しな
かった動物もまた調べた。他の対照実験には、熱処理したN2、CED−6(n
1813)、熱処理しなかったN2、CED−6(n1813)、ならびにla
cZトランスジーンを有する熱処理したCED−6(n1813)が含まれた。
黒丸は、細胞残骸が形成された後での熱ショックを伴う実験を示し、白丸は、細
胞死が生じる前での熱ショックを伴う実験および熱ショックを伴わない実験を示
す。Figure 5Cは、CED−6cDNAの過剰発現によって生殖細胞に
おける取り込み欠損がレスキューされることを示している。矢は、トランスジェ
ニック動物がL4脱皮の24時間後の発達段階にある時での熱ショックの時期を
示している。細胞残骸を、熱ショック時から熱ショックの60時間後までの間で
のいくつかの時間で調べた。Figure 5Dは、CED−6cDNAの過剰
発現によって、取り込みが、生殖細胞において細胞残骸が形成された後の長時間
にわたって促進されることを示している。成熟したトランスジェニック動物を、
示されているように熱処理した。細胞残骸を、熱ショックの12時間後に1つの
生殖腺腕で調べた。N2およびCED−6(n1813)を含む対照実験を(C
)に示す。
【図6】 Figure 6は、CED−6の過剰発現によって、CED−6がCED−
1およびCED−7の両方の3つの対立遺伝子の遺伝子背景で過剰発現している
胚発生の途中において、CED−1およびCED−7の両方の取り込み欠損が部
分的に抑制されることを示す結果である。熱ショックの時期および細胞残骸の試
験時期をFigure 5Aに例示する。各遺伝子背景を有する動物は、細胞死
が生じる前に熱処理され、あるいは熱処理されなかった。細胞残骸を若いL1幼
虫の頭部で調べた。lacZもまた、各遺伝子背景において発現させた。各変異
体もまた熱ショックで処理して、細胞残骸の発現に対する熱の作用を調べた。
【図7】 Figure 7は、CED−6の過剰発現がCED−2、5および10に対
する細胞残骸発現に対する明らかな作用を有していないが、CED−1およびC
ED−7には明らかな作用を有している取り込み遺伝子発現の上位経路のモデル
である。本発明者らにより、CED−6はCED−1およびCED−7の両方の
下流で作用し得ることが提案される。CED−2、5および10は、それぞれが
異なる経路で作用し、あるいはCED−6の下流で作用している。
【図8】 Figure 8は、F56コスミドから得られたXhoIフラグメントによ
ってCED−6取り込み欠損がレスキューされることを示すフロー図である。
【図9】 Figure 9A〜9Bは、C05D2.7構築物がCED−6であること
を示す概略である。Figure 9Aは、XhoIフラグメントの制限マップ
およびレスキューを示す。Figure 9Bは転写物を示す。
【図10】 Figure 10は、CED−6の過剰発現によって、CED−6変異体の
取り込み欠損がレスキューされることを示す棒グラフである。
【図11】 Figure 11は、CED−6の過剰発現によって、CED−6変異体の
取り込み欠損が胚発生の途中でレスキューされることを示すグラフを含む。
【図12】 Figure 12は、CED−6によってもまた永続性残骸の取り込みが促
進されることを示す棒グラフである。
【図13】 Figure 13は、CED−6が永続性細胞残骸の取り込みを促進し、そ
しておそらくは取り込み中の細胞内で作用していることを示している。
【図14】 Figure 14は、CED−6がシグナル伝達経路で作用するアダプター
タンパク質であり得ることを示す概略である。
【図15】 Figure 15は、CED−6の過剰発現によって、成熟した生殖腺にお
ける取り込み欠損がレスキューされ、CED−6が体細胞鞘細胞において作用し
得ることを示すグラフを示している。
【図16】 Figure 16は、CED−6の過剰発現によって、CED−1変異体の
取り込み欠損が部分的に抑制されることを示している。
【図17】 Figure 17は、CED−6cDNAの過剰発現によって、CED−7
変異体の取り込み欠損が部分的に抑制されることを示している。
【図18】 Figure 18は、h1CED−6のコンセンサスDNA配列(配列番号
:7)(2416bp)を示す。開始コドンおよび停止コドンを太字で示し、選
択的スプライシング配列に下線を付す。
【図19】 Figure 19、h2CED−6(選択的スプライシング体)のDNA配
列(配列番号:13)を示す。開始コドンおよび停止コドンを太字で示す。
【図20】 Figure 20は、h1CED−6のアミノ酸配列(配列番号:8)を示
す。選択的スプライシング領域に下線を付す。
【図21】 Figure 21は、h2CED−6(選択的スプライシング体)のアミノ
酸配列(配列番号:14)を示す。
【図22】 Figure 22は、h1CED−6cDNA(配列番号:7)およびh1
CED−6(配列番号:8)のアミノ酸配列を示す。PTBドメインの核酸配列
(配列番号:9)およびアミノ酸配列(配列番号:10)、荷電領域、ならびに
プロリン/セリンリッチ領域の核酸配列(配列番号:11)およびアミノ酸配列
(配列番号:12)を示す。
【図23】 Figure 23は、CED−6およびh1CED−6の配列比較を示す。
【図24】 Figure 24は、領域の配列比較により、それぞれ、同一性が47.5
%および31.6%であることを示す。
【図25】 Figure 25Aは、ヒトの多重組織ノーザンブロット(MTN)である
。Figure 25Bは、ヒトの多重組織ノーザンブロット(MTN)IIを
示す。Figure 25Cは、ヒトガン細胞株の多重組織ノーザン(MTNTM
)ブロットを示す。ノーザンブロッティングによる正常なヒト組織およびガン細
胞株におけるh1CED−6の発現パターンが示されている。
【図26】 Figure 26は、CED−6フラグメントがGFPに対するC端融合体
としてクローニングされるプラスミドpGA3015のマップである。
【図27】 Figure 27は、CED−6がGFPのC端融合体としてクローニング
されるプラスミドpGA3064のマップである。
【図28】 Figure 28A〜28Fは、配列決定されたhbc3123ESTク
ローン(cDNAライブラリーから単離されたPCRフラグメントI)と、その
PCRフラグメントを使用して同定された3個のEST配列とのDNA配列比較
(Genework)である。hbc3123ESTクローンを配列決定して分
析した。3個のESTクローンは、単離されたPCRフラグメントを使用してG
enbankを検索することによって同定された。
【図29】 Figure 29は、h1CED−6(配列番号:8)と比較されるヒトh
3CED−6のアミノ酸配列(配列番号:16)を示す。
【図30】 Figure 30A〜30Bは、h1CED−6(配列番号:7)と比較さ
れるヒトh3CED−6をコードする核酸配列(配列番号:15)を示す。
【図31】 Figure 31A〜31Bは、h3CED−6の過剰発現によって取り込
み欠損がレスキューされることを示す。Figure 31Aは、hCED−6
の過剰発現によってCED−6(n1813)胚の取り込み欠損がレスキューさ
れたことを示す。トランスジェニック雌が産生した胚を、胚の細胞死が始まる前
に熱ショック処理し、L1幼虫の頭部における永続性細胞残骸の数を計数した。
各点は1匹の動物を表す。Figure 31Bは、hCED−6の過剰発現に
よってCED−6(n1813)動物の生殖細胞の取り込み欠損がレスキューさ
れたことを示す。トランスジェニック動物をL4/成体脱皮の36時間後に熱シ
ョック処理した。生殖細胞の残骸を熱ショックの12時間後に計数した。計数し
た動物の数を各バーの上部に示す。
【図32】 Figure 32A〜32Jは、EST、CED−6、hCED−6におけ
る核酸配列比較を示す。2416bpのコンセンサス配列のコンセンサス構築物
を、EST RACEおよびコロニーハイブリダイゼーションから得られた配列
情報を使用して構築した。Seqは、テンプレートとしてのaa1599394
および多重配列比較で示されるプライマーを使用してまとめられた。Rccは逆
相補体の略である。CED−6およびhCED−6はともに多重比較配列の上部
に示され、pGA101はコロニーハイブリダイゼーションによって選択された
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年4月13日(2000.4.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 Figure 1A〜1Eは、CED−6座の概略図である。Figure
1Aは、CED−6の遺伝地図である。CED−6、ならびにCED−6の近く
に位置する遺伝子で、そのマッピングのためにも使用されたいくつかの遺伝子が
示されている。Figure 1Bは、コスミドレスキューを示す。コスミドま
たはサブクローニングされたDNAフラグメント(C、D参照)を有するトラン
スジェニック動物を、3回畳まれた胚における細胞残骸について調べた。部分的
な細胞残骸または細胞残骸を有しない胚をもたらすものをレスキューするトラン
スジェニック株として計数した。試験した13個のコスミドの内の4個を示す。
レスキューされるフラグメントを太く示す。数字は、レスキュー株の数/試験株
の数を表す。Figure 1Cは、F56D2コスミドのサブクローニングお
よびレスキューを示す。CED−6領域の制限マップを上部に示す。中段におい
て、いくつかの制限フラグメントを、CED−6(n1813)によって生じる
取り込み欠損のそのレスキュー能について試験した。Figure 1Dは、1
0kbのXhoIフラグメントのサブクローニングおよびレスキューを示す。X
hoIフラグメントの制限マップを上部に示す。中段において、XhoIフラグ
メントにおいてなされた変異およびそのレスキュー能を示す。Xはフレームシフ
ト変異を示す(詳細については実験手順を参照のこと)。Figure 1Eは
、XhoIフラグメントでの転写物を示す。XhoIフラグメント領域での転写
物のイントロン/エキソン構造において、ボックスはエキソンであり、V記号は
イントロンであり、AAAはポリ(A)テールである。F56D2.7の5' 末
端のRT−PCR産物は、SL1およびSL2の両方を含有する。
【図2】 Figure 2A、2Bは、F56D2.7がCED−6をコードしている
ことを示す。Figure 2Aは、C.elegansのCED−6の全長の
cDNA(配列番号:1)およびアミノ酸(配列番号:2)を示す。二重下線は
、ホスホチロシン結合(PTB)ドメインの核酸配列(配列番号:3)およびア
ミノ酸配列(配列番号:4)を示す。一重下線は、プロリン/セリンリッチ領域
の核酸配列(配列番号:5)およびアミノ酸配列(配列番号:6)を示す。ダッ
シュ(−)下線は荷電領域を示す。星印は、PxxPの特徴的な配列におけるプ
ロリンを示す。白三角は、ダッシュを付けた領域における荷電残基を示す。陰影
ボックスはポリアデニル化シグナルを示す。SL1およびSL2はともにトラン
ススプラシングアクセプター部位に加えることができる。CED−6(n181
3)において同定された一塩基対の欠失が示されている。Figure 2Bは
、CED−6(n2095)から得られた4.1kbフラグメントでのRFLP
が明らかにされたサザンブロットである。XhoIプローブによって、F56D
2.7を含有する4.1kbのHindIIIフラグメントに影響するCED−
6(n2095)における対立遺伝子特異的RFLPが同定される。右下段には
、XhoIフラグメント領域でのHindIIIによって消化されたゲノムフラ
グメントが示されている。右上段には、XhoIフラグメントおよびこの領域で
覆われる3つの遺伝子が示されている。サザンブロットにより明らかにされ得る
3つのHindIIIフラグメント(4.1kb、0.4kbおよび9.9kb
)が示されている。左側には、野生株のN2、CED−6(n1813)および
CED−6(n2095)から独立的に単離されたゲノムDNAが、32P標識さ
れたXhoIフラグメントをプローブとして調べられた。n2095対立遺伝子
は、4.1kbフラグメントの欠失およびさらなる2.1kbフラグメントの存
在が明らかにされた。0.4kbフラグメントは、両方の対立遺伝子において影
響を受けていなかった(別のゲルでのデータ、ここでは示さず)。
【図3】 Figure 3A〜3Cは、CED−6がホスホチロシン結合ドメインを含
有することを示す。Figure 3Aは、CED−6のPTB(配列番号:4
)と他のPTBドメインとの配列比較を示す。PTBドメインの配列比較は、S
hcタンパク質のNMR構造に基づいた。黒四角は、配列の50%よりも多くが
同一であるアミノ酸を示している。灰色の四角は、配列の50%よりも多くが類
似しているアミノ酸を示している。この目的のために、下記の組のアミノ酸が類
似していると見なされている:G、A、C、S、T;E、D、Q、N;R、K、
H;V、M、L、I;F、Y、W。αは、ShcのNMR構造により示唆される
ヘリックスを示し、βはβシートを示している。(示されたすべての配列に見出
される)変化していない残基は星印「*」によって強調されている。Figur
e 3Bは、CED−6と他のPTBドメイン含有タンパク質との比較を示す。
プロリンリッチ領域、およびPTBドメインに隣接する荷電領域、および他の領
域を示す。PTBドメインは同一性の割合で比較された。Figure 3Cは
、PTBドメインの進化樹を示す。(A)からの配列比較が、GCCプログラム
のSeqlabパッケージを使用して示された。進化樹は図式的に描かれた。
【図4】 Figure 4は、CED−6(下部の表)およびC.elegansの細
胞系統(上部)に関する遺伝子モザイク分析の結果を示す。生殖細胞および体細
胞鞘細胞の両方の子孫が例示されている。重複喪失を決定するために使用された
体壁筋肉細胞もまた例示されている。黒四角は生殖細胞での重複喪失を示し、黒
四角は体細胞鞘細胞での重複喪失を示している。黒矢は、前部生殖腺の遠腕にお
いて拡張した核小体を有する体細胞鞘細胞を示している。白矢は、前部生殖腺の
近腕において蓄積した細胞残骸を示している。
【図5】 Figure 5A〜5Dは、CED−6cDNAの熱ショックによる過剰発
現によって体細胞および生殖細胞の両方における取り込み欠損がレスキューされ
たという結果を示している。Figure 5Aは、胚発生の途中における細胞
死を示す。陰影ボックスは、胚発生の途中における50分毎の死細胞数を示す棒
グラフである。矢は、熱ショックの時期および取り込み表現型が認められる時期
を示している。Figure 5Bは、CED−6cDNAの過剰発現によって
細胞死の初期段階および後期段階の両方で取り込みが促進されることを示してい
る。トランスジーン(熱ショックプロモーターによって機能するCED−6cD
NA)を有するトランスジェニック動物は、示されている時間で細胞死が生じる
前に熱処理された。若いL1幼虫の頭部における細胞残骸を調べた。熱処理しな
かった動物もまた調べた。他の対照実験には、熱処理したN2、CED−6(n
1813)、熱処理しなかったN2、CED−6(n1813)、ならびにla
cZトランスジーンを有する熱処理したCED−6(n1813)が含まれた。
黒丸は、細胞残骸が形成された後での熱ショックを伴う実験を示し、白丸は、細
胞死が生じる前での熱ショックを伴う実験および熱ショックを伴わない実験を示
す。Figure 5Cは、CED−6cDNAの過剰発現によって生殖細胞に
おける取り込み欠損がレスキューされることを示している。矢は、トランスジェ
ニック動物がL4脱皮の24時間後の発達段階にある時での熱ショックの時期を
示している。細胞残骸を、熱ショック時から熱ショックの60時間後までの間で
のいくつかの時間で調べた。Figure 5Dは、CED−6cDNAの過剰
発現によって、取り込みが、生殖細胞において細胞残骸が形成された後の長時間
にわたって促進されることを示している。成熟したトランスジェニック動物を、
示されているように熱処理した。細胞残骸を、熱ショックの12時間後に1つの
生殖腺腕で調べた。N2およびCED−6(n1813)を含む対照実験を(C
)に示す。
【図6】 Figure 6は、CED−6の過剰発現によって、CED−6がCED−
1およびCED−7の両方の3つの対立遺伝子の遺伝子背景で過剰発現している
胚発生の途中において、CED−1およびCED−7の両方の取り込み欠損が部
分的に抑制されることを示す結果である。熱ショックの時期および細胞残骸の試
験時期をFigure 5Aに例示する。各遺伝子背景を有する動物は、細胞死
が生じる前に熱処理され、あるいは熱処理されなかった。細胞残骸を若いL1幼
虫の頭部で調べた。lacZもまた、各遺伝子背景において発現させた。各変異
体もまた熱ショックで処理して、細胞残骸の発現に対する熱の作用を調べた。
【図7】 Figure 7は、CED−6の過剰発現がCED−2、5および10に対
する細胞残骸発現に対する明らかな作用を有していないが、CED−1およびC
ED−7には明らかな作用を有している取り込み遺伝子発現の上位経路のモデル
である。本発明者らにより、CED−6はCED−1およびCED−7の両方の
下流で作用し得ることが提案される。CED−2、5および10は、それぞれが
異なる経路で作用し、あるいはCED−6の下流で作用している。
【図8】 Figure 8は、F56コスミドから得られたXhoIフラグメントによ
ってCED−6取り込み欠損がレスキューされることを示すフロー図である。
【図9】 Figure 9A〜9Bは、C05D2.7構築物がCED−6であること
を示す概略である。Figure 9Aは、XhoIフラグメントの制限マップ
およびレスキューを示す。Figure 9Bは転写物を示す。
【図10】 Figure 10は、CED−6の過剰発現によって、CED−6変異体の
取り込み欠損がレスキューされることを示す棒グラフである。
【図11】 Figure 11は、CED−6の過剰発現によって、CED−6変異体の
取り込み欠損が胚発生の途中でレスキューされることを示すグラフを含む。
【図12】 Figure 12は、CED−6によってもまた永続性残骸の取り込みが促
進されることを示す棒グラフである。
【図13】 Figure 13は、CED−6が永続性細胞残骸の取り込みを促進し、そ
しておそらくは取り込み中の細胞内で作用していることを示している。
【図14】 Figure 14は、CED−6がシグナル伝達経路で作用するアダプター
タンパク質であり得ることを示す概略である。
【図15】 Figure 15は、CED−6の過剰発現によって、成熟した生殖腺にお
ける取り込み欠損がレスキューされ、CED−6が体細胞鞘細胞において作用し
得ることを示すグラフを示している。
【図16】 Figure 16は、CED−6の過剰発現によって、CED−1変異体の
取り込み欠損が部分的に抑制されることを示している。
【図17】 Figure 17は、CED−6cDNAの過剰発現によって、CED−7
変異体の取り込み欠損が部分的に抑制されることを示している。
【図18】 Figure 18は、h1CED−6のコンセンサスDNA配列(配列番号
:7)(2416bp)を示す。開始コドンおよび停止コドンを太字で示し、選
択的スプライシング配列に下線を付す。
【図19】 Figure 19、h2CED−6(選択的スプライシング体)のDNA配
列(配列番号:13)を示す。開始コドンおよび停止コドンを太字で示す。
【図20】 Figure 20は、h1CED−6のアミノ酸配列(配列番号:8)を示
す。選択的スプライシング領域に下線を付す。
【図21】 Figure 21は、h2CED−6(選択的スプライシング体)のアミノ
酸配列(配列番号:14)を示す。
【図22】 Figure 22は、h1CED−6cDNA(配列番号:7)およびh1
CED−6(配列番号:8)のアミノ酸配列を示す。PTBドメインの核酸配列
(配列番号:9)およびアミノ酸配列(配列番号:10)、荷電領域、ならびに
プロリン/セリンリッチ領域の核酸配列(配列番号:11)およびアミノ酸配列
(配列番号:12)を示す。
【図23】 Figure 23は、CED−6およびh1CED−6の配列比較を示す。
【図24】 Figure 24は、領域の配列比較により、それぞれ、同一性が47.5
%および31.6%であることを示す。
【図25】 Figure 25Aは、ヒトの多重組織ノーザンブロット(MTN)である
。Figure 25Bは、ヒトの多重組織ノーザンブロット(MTN)IIを
示す。Figure 25Cは、ヒトガン細胞株の多重組織ノーザン(MTNTM
)ブロットを示す。ノーザンブロッティングによる正常なヒト組織およびガン細
胞株におけるh1CED−6の発現パターンが示されている。
【図26】 Figure 26は、CED−6フラグメントがGFPに対するC端融合体
としてクローニングされるプラスミドpGA3015のマップである。
【図27】 Figure 27は、CED−6がGFPのC端融合体としてクローニング
されるプラスミドpGA3064のマップである。
【図28】 Figure 28A〜28Fは、配列決定されたhbc3123ESTク
ローン(cDNAライブラリーから単離されたPCRフラグメントI)と、その
PCRフラグメントを使用して同定された3個のEST配列とのDNA配列比較
(Genework)である。hbc3123ESTクローンを配列決定して分
析した。3個のESTクローンは、単離されたPCRフラグメントを使用してG
enbankを検索することによって同定された。
【図29】 Figure 29は、h1CED−6(配列番号:8)と比較されるヒトh
3CED−6のアミノ酸配列(配列番号:16)を示す。
【図30】 Figure 30A〜30Bは、h1CED−6(配列番号:7)と比較さ
れるヒトh3CED−6をコードする核酸配列(配列番号:15)を示す。
【図31】 Figure 31A〜31Bは、h3CED−6の過剰発現によって取り込
み欠損がレスキューされることを示す。Figure 31Aは、hCED−6
の過剰発現によってCED−6(n1813)胚の取り込み欠損がレスキューさ
れたことを示す。トランスジェニック雌が産生した胚を、胚の細胞死が始まる前
に熱ショック処理し、L1幼虫の頭部における永続性細胞残骸の数を計数した。
各点は1匹の動物を表す。Figure 31Bは、hCED−6の過剰発現に
よってCED−6(n1813)動物の生殖細胞の取り込み欠損がレスキューさ
れたことを示す。トランスジェニック動物をL4/成体脱皮の36時間後に熱シ
ョック処理した。生殖細胞の残骸を熱ショックの12時間後に計数した。計数し
た動物の数を各バーの上部に示す。
【図32】 Figure 32A〜32Jは、EST、CED−6、hCED−6におけ
る核酸配列比較を示す。2416bpのコンセンサス配列のコンセンサス構築物
を、EST RACEおよびコロニーハイブリダイゼーションから得られた配列
情報を使用して構築した。Seqは、テンプレートとしてのaa1599394
および多重配列比較で示されるプライマーを使用してまとめられた。Rccは逆
相補体の略である。CED−6およびhCED−6はともに多重比較配列の上部
に示され、pGA101はコロニーハイブリダイゼーションによって選択された
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 7/06 A61P 25/00 4C086 9/10 29/00 4H045 25/00 35/00 29/00 37/08 35/00 C07K 14/47 37/08 16/18 C07K 14/47 C12P 21/08 16/18 C12Q 1/68 A C12N 5/10 G01N 33/53 C12P 21/08 C12R 1:91 C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/53 A61K 37/02 //(C12N 5/10 C12N 5/00 B C12R 1:91) (31)優先権主張番号 09/096,347 (32)優先日 平成10年6月11日(1998.6.11) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 9812660.0 (32)優先日 平成10年6月11日(1998.6.11) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9820816.8 (32)優先日 平成10年9月24日(1998.9.24) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 リウ,チオン アメリカ合衆国 ニューヨーク 11788 ハウポージェ,タウンハウス ビレッジ 1111 (72)発明者 ヘンガートナー,マイケル,オー. アメリカ合衆国 ニューヨーク 11724 コールド スプリング ハーバー,バング タウン ロード 1,コールド スプリン グ ハーバー ラボラトリー (72)発明者 ボガート,ティエリー,アンドレ,オリバ ー,エディー ベルギー国 コートリーク ビー−8500 ウォルベンドリード 26ジー (72)発明者 バン クリーキンジェ,ウィム,マリア, レン ベルギー国 コンティック ビー−2500 パストリースタート 17 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA80 CA01 DA02 DA03 FA06 HA11 HA15 4B063 QA08 QQ02 QQ05 QQ79 QR48 QR56 QR66 QS24 QS33 QX01 4B064 AG01 AG27 CA09 CA10 CA19 CC24 DA05 DA14 4B065 AA90X AA90Y AA93X AB01 AC14 BA01 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 BA01 BA08 BA21 BA22 BA23 MA01 NA14 ZA012 ZA392 ZA512 ZB072 ZB112 ZB212 ZB262 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA01 ZA39 ZA51 ZB07 ZB11 ZB21 ZB26 4H045 AA10 AA11 BA10 CA20 CA40 EA22 EA28 FA74

Claims (75)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)配列番号:2に示されるアミノ酸配列を含有したタンパ
    ク質、 b)配列番号:4に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 c)配列番号:6に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 d)配列番号:8に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 e)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 f)配列番号:12に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 g)配列番号:14に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 h)配列番号:16に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 i)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列に
    少なくとも40%同一であるアミノ酸配列を含有したタンパク質、および j)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15に示される核酸配列
    によりコードされたアミノ酸配列を含有したタンパク質、 からなる群より選択されてなる単離タンパク質。
  2. 【請求項2】 a)配列番号:1に示されるヌクレオチドの配列を含有した
    核酸、 b)配列番号:3に示されるヌクレオチドの配列を含有した核酸、 c)配列番号:7に示されるヌクレオチドの配列を含有した核酸、 d)配列番号:9に示されるヌクレオチドの配列を含有した核酸、 e)配列番号:11に示されるヌクレオチドの配列を含有した核酸、 f)配列番号:13に示されるヌクレオチドの配列を含有した核酸、 g)配列番号:15に示されるヌクレオチドの配列を含有した核酸、 h)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15に示されるヌクレオ
    チドの配列の相補体を含有した核酸、 i)低ストリンジェンシーの条件下に、(h)記載の核酸にハイブリダイズしう
    る核酸、 j)配列番号:2、42、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列
    に少なくとも40%同一であるアミノ酸配列をコードした核酸、および k)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15の核酸配列に少なく
    とも40%同一である核酸、 からなる群より選択されてなる単離核酸。
  3. 【請求項3】 a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15
    に示されるヌクレオチドの配列を含有した核酸、 b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15に示されるヌクレオ
    チドの配列の相補体を含有した核酸、 c)低ストリンジェンシーの条件下に、(b)記載の核酸にハイブリダイズしう
    る核酸、 d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列に
    少なくとも40%同一であるアミノ酸配列をコードした核酸、および e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列を
    コードした核酸、 からなる群より選択された核酸を含有してなる発現ベクター。
  4. 【請求項4】 該核酸の発現がレポーター遺伝子の発現をもたらすように、
    該ベクターに配置されたレポーター遺伝子をコードするDNAを含有してなる、
    請求項3記載の発現ベクター。
  5. 【請求項5】 該レポーター遺伝子が緑色蛍光タンパク質をコードするもの
    である、請求項4記載の発現ベクター。
  6. 【請求項6】 a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15
    に示されるヌクレオチドの配列を含有した核酸、 b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15に示されるヌクレオ
    チドの配列の相補体を含有した核酸、 c)低ストリンジェンシーの条件下に、(b)記載の核酸にハイブリダイズしう
    る核酸、 d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列に
    少なくとも40%同一であるアミノ酸配列をコードした核酸、および e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列を
    コードした核酸、 からなる群より選択された核酸でトランスフェクトされてなる哺乳動物細胞株。
  7. 【請求項7】 該核酸とレポーター遺伝子とを含有してなる発現ベクターで
    あって、該核酸の発現がレポーター遺伝子の発現をもたらすように該レポーター
    遺伝子が該ベクター中に配置されたものである発現ベクターによりトランスフェ
    クトされてなる、請求項6記載の哺乳動物細胞株。
  8. 【請求項8】 該レポーター遺伝子が、緑色蛍光タンパク質をコードするも
    のである、請求項7記載の哺乳動物細胞株。
  9. 【請求項9】 該細胞株が、線維芽細胞株および上皮細胞株からなる群より
    選択されたものである、請求項6記載の哺乳動物細胞株。
  10. 【請求項10】 該細胞株が、COS1、BHK21、L929、CV1、
    SWISS 3T3、HT144、IMR32、HEPG2、MDCK、MCF
    7、293、Hela、A549、SW48およびG361からなる群より選択
    されたものである、請求項6記載の哺乳動物細胞株。
  11. 【請求項11】 MCF7細胞株である、請求項10記載の哺乳動物細胞株
  12. 【請求項12】 MCF7細胞株である、請求項7記載の哺乳動物細胞株。
  13. 【請求項13】 該細胞株が初代細胞株である、請求項6記載の哺乳動物細
    胞株。
  14. 【請求項14】 該細胞株が、ヒト真皮FIB、真皮ケラチノサイト、白血
    球、単球およびマクロファージからなる群より選択されたものである、請求項1
    3記載の哺乳動物細胞株。
  15. 【請求項15】 a)配列番号:2に示されるアミノ酸配列を含有したタン
    パク質、 b)配列番号:4に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 c)配列番号:6に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 d)配列番号:8に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 e)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 f)配列番号:12に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 g)配列番号:14に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 h)配列番号:16に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 i)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列に
    少なくとも40%同一であるアミノ酸配列を含有したタンパク質、および j)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15に示される核酸配列
    によりコードされるアミノ酸配列を含有したタンパク質 からなる群より選択されたタンパク質をコードする遺伝子を含有してなる非ヒト
    トランスジェニック動物。
  16. 【請求項16】 a)配列番号:7、9、11、13または15に示される
    ヌクレオチドの配列を含有した核酸、 b)配列番号:7、9、11、13または15に示されるヌクレオチドの配列の
    相補体を含有した核酸、 c)低ストリンジェンシーの条件下に、(b)記載の核酸にハイブリダイズしう
    る核酸、 d)配列番号:8、10、12、14または16のアミノ酸配列に少なくとも4
    0%同一であるアミノ配列をコードした核酸、および e)配列番号:8、10、12、14または16のアミノ酸配列をコードした核
    酸、 からなる群より選択された核酸でトランスフェクトまたは形質転換された、 その本来のCED−6遺伝子の機能の全部または実質的に全部を欠損してなるト
    ランスジェニック線形動物線虫。
  17. 【請求項17】 C.エレガンス(elegans)である、請求項16記
    載のトランスジェニック線形動物線虫。
  18. 【請求項18】 a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または1
    5に示されるヌクレオチドの配列を含有した核酸、 b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15に示されるヌクレオ
    チドの配列の相補体を含有した核酸、 c)低ストリンジェンシーの条件下に、(b)記載の核酸にハイブリダイズしう
    る核酸、 d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列に
    少なくとも40%同一であるアミノ酸配列をコードした核酸、および e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列を
    コードした核酸、 からなる群より選択された核酸によりトランスフェクトされたトランスジェニッ
    ク哺乳動物細胞を、アポトーシス粒子に曝露するステップ、ならびに化合物の存
    在下および非存在下におけるトランスジェニック細胞による該粒子の貪食作用性
    の取り込みの割合を測定するステップを含む方法であって、ここで、貪食作用の
    割合の増加がエンハンサーを示し、貪食作用の割合の減少がインヒビターを示す
    ものである、 化合物が、アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路のインヒビ
    ターまたはエンハンサーであるかどうかを決定する方法。
  19. 【請求項19】 該アポトーシス粒子が、オプソニン化アポトーシス好中球
    、オプソニン化アポトーシスリンパ球、オプソニン化アポトーシス赤血球、オプ
    ソニン化殺細菌およびオプソニン化殺酵母からなる群より選択されたものである
    、請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 該アポトーシス粒子が標識されたものである、請求項19
    記載の方法。
  21. 【請求項21】 該標識が、非蛍光色素、蛍光色素、抗体に結合した非蛍光
    色素および抗体に結合した蛍光色素からなる群より選択されたものである、請求
    項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 トランスジェニック哺乳動物細胞が線維芽細胞または上皮
    細胞である、請求項18記載の方法。
  23. 【請求項23】 トランスジェニック哺乳動物細胞が、COS1、BHK2
    1、L929、CV1、SWISS 3T3、HT144、IMR32、HEP
    G2、MDCK、MCF7、293、Hela、A549、SW48およびG3
    61からなる群より選択されたものである、請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 該トランスジェニック哺乳動物細胞が初代細胞である、請
    求項18記載の方法。
  25. 【請求項25】 ヒト真皮FIB、真皮ケラチノサイト、白血球、単球およ
    びマクロファージからなる群より選択されたものである、請求項24記載の方法
  26. 【請求項26】 貪食されたアポトーシス粒子を、光学顕微鏡、蛍光顕微鏡
    、定量蛍光分光分析およびフローサイトメトリーからなる群より選択された方法
    により検出する、請求項21記載の方法。
  27. 【請求項27】 アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路
    のインヒビターまたはエンハンサーとして、請求項18記載の方法により同定さ
    れてなる化合物。
  28. 【請求項28】 (1)哺乳動物細胞に、a)配列番号:2、4、6、8、
    10、12、14もしくは16に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14もしくは16に少なくとも
    40%同一であるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13もしくは15に示されるヌク
    レオチドの配列によりコードされたアミノ酸配列を含有したタンパク質 からなる群より選択されたタンパク質を導入するか、または哺乳動物細胞に前記
    a)〜c)の群の1つにおいてタンパク質の転写を阻害するRNAアンチセンス
    を発現するベクターを導入するステップ、および (2)哺乳動物細胞をアポトーシス粒子に曝露し、化合物の存在下または非存在
    下に、細胞による該粒子の貪食作用性の取り込みの割合を測定するステップ、こ
    こで、貪食作用の割合の増加がエンハンサーを示し、貪食作用の割合の減少がイ
    ンヒビターを示すものである、 を含む、 化合物が、アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路のインヒビ
    ターまたはエンハンサーであるかどうかを決定する方法。
  29. 【請求項29】 該アポトーシス粒子が、オプソニン化アポトーシス好中球
    、オプソニン化アポトーシスリンパ球、オプソニン化アポトーシス赤血球、オプ
    ソニン化殺細菌およびオプソニン化殺酵母からなる群より選択されたものである
    、請求項28記載の方法。
  30. 【請求項30】 該アポトーシス粒子が標識されたものである、請求項28
    記載の方法。
  31. 【請求項31】 該標識が、非蛍光色素、蛍光色素、抗体に結合した非蛍光
    色素および抗体に結合した蛍光色素からなる群より選択されたものである、請求
    項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 哺乳動物細胞が、線維芽細胞または上皮細胞である、請求
    項28記載の方法。
  33. 【請求項33】 哺乳動物細胞が、COS1、BHK21、L929、CV
    1、SWISS 3T3、HT144、IMR32、HEPG2、MDCK、M
    CF7、293、Hela、A549、SW48およびG361からなる群より
    選択されたものである、請求項32記載の方法。
  34. 【請求項34】 該哺乳動物細胞が初代細胞である、請求項28記載の方法
  35. 【請求項35】 該哺乳動物細胞が、ヒト真皮FIB、真皮ケラチノサイト
    、白血球、単球およびマクロファージからなる群より選択されたものである、請
    求項34記載の方法。
  36. 【請求項36】 貪食されたアポトーシス粒子が、光学顕微鏡、蛍光顕微鏡
    、定量蛍光分光分析およびフローサイトメトリーからなる群より選択された方法
    により検出されるものである、請求項30記載の方法。
  37. 【請求項37】 アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路
    のインヒビターまたはエンハンサーとして、請求項28記載の方法により同定さ
    れてなる化合物。
  38. 【請求項38】 (1)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または
    15に示される核酸配列を含有するものから選択された核酸によりトンスフェク
    トされたトランスジェニック哺乳動物細胞と、 (2)a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16に示される
    アミノ酸配列を含有したタンパク質、 b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16に少なくとも40
    %同一であるアミノ酸配列を含有したタンパク質;および c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15に示されるヌクレオ
    チドの配列によりコードされたアミノ酸配列を含有したタンパク質、 からなる群より選択されたタンパク質を発現する哺乳動物細胞と (3)a)配列番号:2、4、6、8、10、12または16に示されるアミノ
    酸配列を含有したタンパク質、 b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16に少なくとも40
    %同一であるアミノ酸配列を含有したタンパク質;および c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15に示されるヌクレオ
    チドの配列によりコードされたアミノ酸配列を含有したタンパク質 からなる群より選択されたタンパク質に対するRNAアンチセンスを発現するベ
    クターを含有した哺乳動物細胞とからなる群より選択された哺乳動物細胞を試験
    対象の化合物に曝露するステップ、ならびにアクチン細胞骨格の組織化において
    いかなる変化があるかどうかを決定するステップを含み、ここで、アクチン細胞
    骨格の再配列の増加がエンハンサーを示し、アクチン細胞骨格の再配列の減少が
    インヒビターを示すものである、 化合物が、アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路のインヒビ
    ターまたはエンハンサーであるかどうかを決定する方法。
  39. 【請求項39】 アクチン細胞骨格が、F−アクチンと相互作用する化合物
    に連結される蛍光色素により可視化される、請求項38記載の方法。
  40. 【請求項40】 該リンカー化合物がファロイジンである、請求項39記載
    の方法。
  41. 【請求項41】 トランスジェニック哺乳動物細胞が、線維芽細胞または上
    皮細胞である、請求項39記載の方法。
  42. 【請求項42】 トランスジェニック哺乳動物細胞が、COS1、BHK2
    1、L929、CV1、SWISS 3T3、HT144、IMR32、HEP
    G2、MDCK、MCF7、U293、Hela、A549、SW48およびG
    361からなる群より選択されたものである、請求項41記載の方法。
  43. 【請求項43】 該トランスジェニック哺乳動物細胞が初代細胞である、請
    求項38記載の方法。
  44. 【請求項44】 トランスジェニック哺乳動物細胞が、ヒト真皮FIB、真
    皮ケラチノサイト、白血球、単球およびマクロファージからなる群より選択され
    たものである、請求項43記載の方法。
  45. 【請求項45】 アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路
    のインヒビターまたはエンハンサーとして、請求項38記載の方法により同定さ
    れてなる化合物。
  46. 【請求項46】 (1)請求項7記載のトランスジェニック哺乳動物細胞を
    化合物に曝露するステップ、 (2)レポーター遺伝子の発現のレベルを測定するステップ、および (3)該発現と、該化合物の非存在下における該レポーター遺伝子の発現のレベ
    ルとを比較するステップ、ここで、貪食作用の割合の増加がエンハンサーを示し
    、貪食作用の割合の減少がインヒビターを示すものである、 を含む、 化合物が、アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路に関係する
    タンパク質をコードする遺伝子の発現のインヒビターまたはエンハンサーである
    かどうかを決定する方法。
  47. 【請求項47】 アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路
    に関連するタンパク質をコードする遺伝子の発現のインヒビターまたはエンハン
    サーとして、請求項45記載の方法により同定されてなる化合物。
  48. 【請求項48】 a)配列番号:2に示されるアミノ酸配列を含有したタン
    パク質、 b)配列番号:4に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 c)配列番号:6に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 d)配列番号:8に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 e)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 f)配列番号:12に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 g)配列番号:14に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 h)配列番号:16に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 i)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列に
    少なくとも40%同一であるアミノ酸配列を含有したタンパク質、および j)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15に示される核酸配列
    によりコードされるアミノ酸配列を含有したタンパク質 からなる群より選択されたタンパク質のエピトープに対する抗体。
  49. 【請求項49】 モノクローナル抗体である、請求項48記載の抗体。
  50. 【請求項50】 a)配列番号:8のアミノ酸配列を含有したタンパク質、
    b)配列番号:8のアミノ酸配列に少なくとも40%同一であるアミノ酸配列を
    含有したタンパク質、ならびに c)配列番号:7のヌクレオチド配列によりコードされたアミノ酸配列を含有し
    たタンパク質、 からなる群より選択されたタンパク質の有効量を含有した薬物を患者に投与する
    ステップを含む、 炎症、自己免疫疾患およびガンからなる群より選択された疾患を罹患した個体に
    おける治療方法。
  51. 【請求項51】 アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路
    のエンハンサーである化合物の有効量を患者に投与するステップを含む、 炎症、自己免疫疾患およびガンからなる群より選択された疾患を罹患した個体の
    治療方法。
  52. 【請求項52】 アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路
    に関連するタンパク質をコードする遺伝子の発現のエンハンサーである化合物の
    有効量を患者に投与するステップを含む、 炎症、自己免疫疾患およびガンからなる群より選択された疾患を罹患した個体の
    治療方法。
  53. 【請求項53】 配列番号:7、13および15からなる群より選択された
    核酸の有効量を患者に投与するステップを含む、 炎症、自己免疫疾患およびガンからなる群より選択された疾患を罹患した個体の
    治療方法。
  54. 【請求項54】 a)配列番号:8、14、16のアミノ酸の配列を含有し
    たタンパク質、 b)配列番号:8、14または16のアミノ酸配列に少なくとも40%同一であ
    るアミノ酸の配列を含有したタンパク質、および c)配列番号:7、13または15のヌクレオチド配列によりコードされたアミ
    ノ酸配列を含有したタンパク質 からなる群より選択されたタンパク質の有効量を患者に投与するステップを含む
    、神経変性疾患、卒中および鎌状赤血球貧血からなる群より選択された疾患を罹
    患した個体の治療方法。
  55. 【請求項55】 アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路
    のインヒビターとして同定された化合物の有効量を患者に投与するステップを含
    む、 神経変性疾患、卒中、鎌状赤血球貧血からなる群より選択された疾患を罹患した
    個体の治療方法。
  56. 【請求項56】 アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路
    に関連するタンパク質をコードする遺伝子の発現のインヒビターとして、同定さ
    れた化合物の有効量を患者に投与するステップを含む、 神経変性疾患、卒中および鎌状赤血球貧血からなる群より選択された疾患を罹患
    した個体の治療方法。
  57. 【請求項57】 a)配列番号:7、13または15のヌクレオチドの配列
    を含有した核酸、 b)配列番号:7、13または15のヌクレオチドの配列にハイブリダイズする
    核酸、および c)配列番号:8、14または16をコードした核酸 からなる群より選択された核酸の有効量を患者に投与するステップを含む、 神経変性疾患、卒中および鎌状赤血球貧血からなる群より選択された疾患を罹患
    した個体の治療方法。
  58. 【請求項58】 a)配列番号8、14または16のアミノ酸配列を含有し
    たタンパク質、 b)配列番号:8、14または16のアミノ酸配列に少なくとも40%同一であ
    るアミノ酸配列を含有したタンパク質、 c)配列番号:7、13または15記載のヌクレオチド配列によりコードされた
    アミノ酸配列を含有したタンパク質 からなる群より選択されたタンパク質と製薬上許容されうる担体とを含有してな
    る医薬組成物。
  59. 【請求項59】 請求項27記載の化合物と製薬上許容されうる担体とを含
    有してなる医薬組成物。
  60. 【請求項60】 請求項37記載の化合物と製薬上許容されうる担体とを含
    有してなる医薬組成物。
  61. 【請求項61】 請求項45記載の化合物と製薬上許容されうる担体とを含
    有してなる医薬組成物。
  62. 【請求項62】 請求項47記載の化合物と製薬上許容されうる担体とを含
    有してなる医薬組成物。
  63. 【請求項63】 a)配列番号:7、13または15のヌクレオチドの配列
    を含有した核酸、 b)配列番号:7、13または15のヌクレオチドの配列にハイブリダイズする
    核酸、および c)配列番号:8、14または16をコードした核酸 からなる群より選択された核酸を含有してなる医薬組成物。
  64. 【請求項64】 (a)DNA結合ドメインおよび活性ドメインを有する転
    写因子により調節されたプロモーターの制御下のレポーター遺伝子を含有したD
    NA構築物を有する宿主細胞を供給するステップ、 (b)請求項2の核酸の断片または全部と該転写因子のDNA結合ドメインまた
    は活性ドメインのいずれかとの第1の融合体をコードする第1のハイブリッドD
    NA配列を該宿主細胞において発現させるステップ、 (c)第1の融合体に取り込まれない転写因子のDNA結合ドメインまたは活性
    ドメインと共にピュラティブ(pulative)相互作用するタンパク質をコ
    ードする少なくとも1つの第2のハイブリッドDNA配列を該宿主細胞において
    発現するステップ、および (d)該宿主細胞におけるレポーター遺伝子産物のいかなる生産をも検出するこ
    とにより、請求項1、10または16いずれか記載のタンパク質を用いて調べら
    れるタンパク質のいかなる結合をも決定するステップ、 を含む、 アポトーシス細胞の取り込みを促進するシグナル伝達経路において、請求項1記
    載のタンパク質と相互作用するタンパク質の同定方法。
  65. 【請求項65】 線形動物線虫C.エレガンス由来の単離タンパク質であっ
    て、Figure 2A中のアミノ酸残基約242〜アミノ酸残基約338のア
    ミノ酸配列を含有してなるタンパク質または保存的アミノ酸変化でのみ該タンパ
    ク質とは異なるアミノ酸配列を含有してなるタンパク質。
  66. 【請求項66】 Figure 20中のアミノ酸約11〜アミノ酸約19
    0であるアミノ酸配列を含有してなる単離タンパク質または保存的アミノ酸変化
    でのみ該タンパク質とは異なるアミノ酸配列を含有してなる単離タンパク質。
  67. 【請求項67】 a)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または1
    5に示されるヌクレオチドの配列を含有した核酸、 b)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15に示されるヌクレオ
    チドの配列の相補体を含有した核酸、 c)低ストリンジェンシーの条件下に(b)記載の核酸にハイブリダイズしうる
    核酸、 d)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列に
    少なくとも40%同一であるアミノ酸配列をコードした核酸、 e)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列を
    コードした核酸 からなる群より選択された核酸を患者の核酸試料に曝露するステップ、およびハ
    イブリダイゼーションを検出するステップ を含む、アポトーシス細胞の貪食作用の欠損に関連する患者における疾患の診断
    方法。
  68. 【請求項68】 a)配列番号:8のアミノ酸配列を含有したタンパク質、
    b)配列番号:14のアミノ酸配列を含有したタンパク質、 c)配列番号:16のアミノ酸配列を含有したタンパク質、 d)配列番号:8、14もしくは16のアミノ酸配列に少なくとも40%同一で
    あるアミノ酸配列を有するタンパク質配列または配列番号:7、13または15
    の核酸配列によりコードされたタンパク質配列、 からなる群より選択されたタンパク質を、前記タンパク質の1つについてのエピ
    トープに対する抗体を用いて患者由来の試料において検出するステップ、 を含む、アポトーシス細胞の貪食作用の欠損に関連する患者における疾患の診断
    方法。
  69. 【請求項69】 a)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または
    16に示されるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 b)配列番号:2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列に
    少なくとも40%同一であるアミノ酸配列を含有したタンパク質、 c)配列番号:1、3、5、7、9、11、13または15に示される核酸配列
    によりコードされたアミノ酸配列を含有したタンパク質、 からなる群より選択されたタンパク質を含有してなるタンパク質であって、かつ
    他のタンパク質に融合されてなるタンパク質。
  70. 【請求項70】 該他のタンパク質がエピトープタグまたはレポーター遺伝
    子の産物である、請求項69記載のタンパク質。
  71. 【請求項71】 (1)CED−6の発現が欠損しているかあるいは抑制さ
    れているC.エレガンスを試験対象の化合物に曝露するステップ、および (2)野生型表現型への復帰をスコアするステップ を含む、 化合物が、アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路のエンハン
    サーであるかどうかを同定する方法。
  72. 【請求項72】 (1)請求項17に記載のトランスジェニックC.エレガ
    ンスを試験対象の化合物に曝露するステップ、および (2)L1幼生の頭部および/または生殖腺におけるアポトーシス死体をスコア
    することにより貪食作用活性のレベルを測定するステップ を含む、 化合物が、アポトーシス細胞の貪食作用を促進するシグナル伝達経路のエンハン
    サーまたはインヒビターであるかどうかを決定する方法。
  73. 【請求項73】 アポトーシス細胞の貪食作用を調節するシグナル伝達経路
    におけるアダプター分子である、単離タンパク質。
  74. 【請求項74】 配列番号:2、4、6、8、10、12、14もしくは1
    6のアミノ酸配列を含有したタンパク質、配列番号:2、4、6、8、10、1
    2、14もしくは16をコードした核酸、配列番号:1、3、5、7、9、11
    、13もしくは15によりコードされたアミノ酸配列、または配列番号:1、3
    、5、7、9、11、13もしくは15の核酸配列を含有した、 例えば、炎症、自己免疫疾患またはガンの治療における使用のためのタンパク質
    または核酸の使用。
  75. 【請求項75】 配列番号:2、4、6、8、10、12、14もしくは1
    6のアミノ酸配列を含有したタンパク質、配列番号:2、4、6、8、10、1
    2、14もしくは16をコードした核酸、配列番号:1、3、5、7、9、11
    、13もしくは15によりコードされたアミノ酸配列、または配列番号:1、3
    、5、7、9、11、13もしくは15の核酸配列を含有した、 例えば、神経変性疾患、卒中または鎌状赤血球貧血の治療における使用のための
    タンパク質または核酸の使用。
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