JP2003525060A - スルビビン・アポトーシス経路の選択的調節法 - Google Patents

スルビビン・アポトーシス経路の選択的調節法

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ダリオ, シー. アルティエリ,
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エール ユニヴァーシティ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新しい生物学的現象の発見に基づき、スルビビンのリン酸化、スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の間の相互作用、およびスルビビンとカスパーゼ−9の間の相互作用を調節する薬剤の特定に使用するための方法および組成物を提供する。関係する方法および組成物を使用して、スルビビン調節性アポトーシスを調節することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) 本出願は、1998年4月1日出願の米国特許仮出願番号60/080,28
8、1999年4月1日出願の国際出願PCT/US99/07205、199
9年4月1日出願の米国特許出願番号09/283,144、1996年11月
20日出願の米国特許仮出願番号60/031,435、1997年11月20
日出願の米国特許出願番号08/975,080および1997年11月20日
出願の国際出願PCT/US97/21880に関連するものであり、2000
年2月29日出願の米国特許出願番号09/515,514に対する優先権の恩
典を主張するものであるが、これらのすべてが全体としてここに援用される。
【0002】 (技術分野) 本発明は、新しい生物学的現象の発見に基づくものであり、スルビビン(su
rvivin)のリン酸化、スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ
複合体の間の相互作用、およびスルビビンとカスパーゼ(caspase)−9
の間の相互作用を調節する薬剤の特定に使用するための方法および組成物を提供
する。関係する方法および組成物を使用して、スルビビン調節性アポトーシスを
調節(変調)することができる。
【0003】 (連邦政府の支援に対する謝辞) 本明細書に記載する研究および発見は、合衆国国立衛生研究所からの交付金H
L43773およびHL54131による援助を受けた。
【0004】 (発明の背景) A.プログラムされた細胞死におけるスルビビンの役割 プログラムされた細胞死(アポトーシスと呼ばれる場合もある)は、形態学的
にも機能的にもネクローシスとは区別される。プログラムされた細胞死は、生物
が細胞を処分するために用いる自然な形の死である。プログラムされた細胞死に
よって死ぬ細胞は、通常、収縮し、めったに溶解せず、および炎症が現われるこ
となく生物から有効に除去される(マクロファージによって迅速に認識され、飲
み込まれる)(Michael Hengartner,“Cell Deat
h and Aging,Molecular Mechanisms of,
”(細胞死および老化、その分子メカニズム)IN MOLECULAR BI
OLOGY AND BIOTECHNOLOGY 158−62(R.A.M
eyers編、1995))。
【0005】 アポトーシスは、膜ブレビング、細胞質の収縮、染色質凝縮および「DNAラ
ダー」の形成を含む特定セットの形態学的特徴を共有するサブセットのプログラ
ムされた細胞死を説明するために、最初は用いられた。アポトーシスの間、細胞
は、それらの細胞間結合および微小絨毛を喪失し、細胞質凝縮および核染色質は
、辺縁趨向して多数の離散した塊になる。核は分断するが、細胞質は、接触し、
ミトコンドリアおよびリボソームは、稠密に密集してくる。細胞質内網状構造の
拡大およびその細胞質膜との融合後、細胞は、アポトーシス体と呼ばれる膜胞を
結合した幾つかの膜に分解し、これは、通常、隣接する細胞によって貪食される
。アポトーシスが起こるには、脊椎動物の腫瘍サプレッサー遺伝子など、特定の
遺伝子の活性化が必要であると考えられる。非常に多数の細胞毒剤によって誘導
されるアポトーシスは、細胞質タンパクBcl−2を生産する遺伝子bcl−2
の発現によって阻害することができる(THE ENCYCLOPEDIA O
F MOLECULAR BIOLOGY 67版、John Kendrew
ら、Blackwell Science;Oxford,England,1
994)。
【0006】 スルビビンは、最近、アポトーシスの新規阻害因子(IAP)として特定され
た。スルビビンをコードする遺伝子は、染色体17q25に位置する。スルビビ
ンは、単一の部分保存BIR(バキュロウイルスIAP反復)ドメイン、および
B細胞前駆体内で伝達される時、成長因子(IL−3)離脱によって誘導される
アポトーシスを阻害するRINGフィンガーに代わる高荷電カルボキシ末端多重
らせん領域を含む16.5kD細胞質タンパクである(Ambrosini,G
.ら、1997)。IAP系統の他のメンバーとは異なり、スルビビンは、BI
Rドメインを一つしか有さず、カルボキシ末端RINGフィンガーを有さない。
その代わり、スルビビンは、カルボキシ末端多重らせん領域を有する。すべての
配列の保存、カルボキシ末端RINGフィンガーの不在および単一の部分的に保
存されたBIRドメインの存在を基づき、スルビビンは、NAIPとの類似性を
最も高い度合いで共有する、最も遠い関係のIAP系統メンバーである(Roy
,N.ら、1995)。さらに、他のIAPタンパクとは異なり、スルビビンは
、成人組織では検出することができないが、肺、結腸、乳腺、膵臓および前立腺
の最も一般的なヒトの癌すべてにおいて、および〜50%の高度ホジキンリンパ
腫において、インビボで、顕著に発現してくる。
【0007】 胎芽および胎児の発育におけるスルビビンの発現は、組織恒常性、およびbc
l−2とは無関係である組織分化の一因となる(Adidaら、1998)。こ
のスルビビン関連発育経路異常によって、新形成におけるスルビビンの顕著な再
発現および異常持続性細胞生存性がもたらされる(Adidaら、1998)。
【0008】 プログラムされた細胞死の非制御は、癌を含む多様なヒトの疾病の病原の一因
となる第一メカニズムとして浮かび上がってきた。細胞質内の抗アポトーシス遺
伝子の影響は、例えば、濾胞性リンパ腫におけるbcl−2の役割に焦点をあて
られ、一方、スルビビンなどのIAPタンパクの潜在的分布は、研究され始めた
にすぎない。スルビビンは、成人組織にはめったに存在しないが、膵臓の腺癌、
乳腺癌、大腸癌、頭部および頚部扁平細胞癌、神経芽腫、悪性胸腺種、前立腺癌
、および良性前立腺肥大において検出されている(USSN 08/975,0
80を参照のこと)。この発現パターンは、スルビビンの過発現またはスルビビ
ン遺伝子制御における変化が、一般に、腫瘍形成中に発生することを示唆してい
る。
【0009】 B.細胞周期 生きている生物は細胞から成り、この増殖および分裂には、細胞周期を含む事
象およびプロセスの規則的な連続性が求められる。細胞周期事象は、連続性であ
るものもあるし(例えば、タンパク質および脂質の合成)、非連続性であるもの
もある(例えば、DNA合成)。細胞生存のための二つの非連続プロセスは、有
糸分裂中のDNAの複製および細胞分裂の娘細胞への染色体の分離である。これ
らのステップのいずれかが不正確に行われると、娘細胞は互いに異なるものとな
り、ほぼ確実に傷がつく。染色体の分離は、有糸分裂中、通常は、非常に目立つ
細胞分裂活動が最高点に達する細胞周期における比較的短い期間(例えば、細胞
質分裂)の間に発生する。残りの細胞周期には、細胞分裂間期が含まれ、この間
に増殖が起きる。染色体の複製は、真核細胞において、細胞分裂間期でのみ起き
、複製および分離は、相互排除的なプロセスである。
【0010】 細胞分裂間期は、DNA合成が起きるS期と、S期と有糸分裂とを分けるギャ
ップ期とに細分される。G1は、有糸分裂後、DNA合成開始前のギャップ期で
あり、G2は、DNA合成が完了した後、有糸分裂および細胞分裂の前のギャッ
プ期である。細胞の構成成分は、調節要素として働くことによって細胞周期を指
揮する。
【0011】 C.アポトーシスおよび細胞周期についてのチェックポイントメカニズム ホメオスタシスの維持におけるアポトーシス(プログラムされた細胞死)の中
心的機能の一つは、損傷した潜在的に有害な細胞の排除である(Vaux an
d Korsmeyer,1999)。このプロセスが有効であるために、アポ
トーシスの機構は、DNA損傷、有害な環境条件、および腫瘍遺伝子またはウイ
スルの形質転換を検知する監視メカニズム、すなわち「チェックポイント」に常
に連動していなければならない(Hunter,1997;Paulowich
ら、1997)。これらの条件のもとでのチェックポイントの活性化は、哺乳動
物細胞において、上流細胞死プロテアーゼ、カスパーゼ−9、そのアダプター/
コファクタータンパク質Apaf−1、ミトコンドリア誘導シトクロムcおよび
dATP/ATP(Green,1998)を含む進化保存「アポトソーム」の
集成によってアポトーシスを開始させる(Evan and Littlewo
od,1998)。どのようにアポトソームの集成がカスパーゼ−9触媒活性を
促進するかは討議されている(Rodriguez and Lazebnik
,1999;Zouら、1999)が、このプロセスは、下流のエフェクターカ
スパーゼの活性化および重要な細胞基質の分割で最高点に達している(Salv
esen and Cixit,1997;Thornberry and L
azebnik,1998)。アポトーシスの制御をチェックポイントの活性化
に結びつける類似のパラダイム(Levine,1997)は、細胞周期の推移
を支配する監視メカニズム(Pines,1999)、双極有糸分裂装置の組み
立て(Merdes and Cleveland,1997)、多倍数性の保
存(Nicklas,1997)、および細胞質分裂のタイミング(Field
ら、1999)に拡大された。これに関連して、アポトーシス阻害因子bcl−
2およびbcl−XLの異常調節発現が、S期侵入を阻害すること(Linet
teら、1996)、細胞周期退出を促進すること(Huangら、1997)
、および異数性の原因となること(Minnら、1996)が示された。これは
、細胞周期進行におけるアポトーシス機構の役割をさらに実証した。
【0012】 スルビビンは、細胞周期依存性でG2/Mにおいて発現し、細胞分裂中、有糸
分裂紡錐体微小管およびアクトミオシン細胞間橋、すなわち、中間体に局在する
(Liら、1998)。このトポグラフィーの干渉またはスルビビン発現のブロ
ックは、G2/Mにおけるカスパーゼ−3の活性を増加させ(Liら、1998
)、有糸分裂の進行の深在性異常調節をもたらす(Liら、1999)。このこ
とは、スルビビンが、細胞分裂時に新規アポトーシスチェックポイントを制御で
きることを示唆する。この経路は、癌において非常に開発され(Ambrosi
niら、1997)、この経路で、スルビビンは、癌では一様に発現されるが、
正常な組織では発現されない350万のmRNAのうちの上位4つの「トランス
クリプトーム」の一つとして特定された(Velculescuら、1999)
。さらに、保存バキュロウイルスIAP反復(BIR)ドメインにおける点突然
変異を伴うドミナントネガティブ突然変異体またはスルビビンアンチセンスを用
いてスルビビンの発現および機能を干渉すると、異常有糸分裂(Liら、199
9)および自発性アポトーシス(Ambrosiniら、1999;Gross
manら、1999a;Grossmanら、1999b)がもたらされたので
、この有糸分裂チェックポイントでの操作に、形質転換細胞が非常に敏感である
ことが示されている。Bcl−2のアンチセンス阻害は、アポトーシスに対する
感受性を増加させたが、本質的には細胞死を誘導しなかった(Jansenら、
1998)ので、この表現型は、スルビビンに特有のものであり、新形成の一因
となる可能性がある他のアポトーシス阻害因子では観察されない。
【0013】 本発明は、スルビビンが哺乳動物細胞における細胞分裂の制御とアポトーシス
の調節とを一体化しうるメカニズムを特定する。本発明は、スルビビンの発現を
調節するもの、およびインビボで黒色腫瘍における抗アポトーシス性スルビビン
経路に干渉するもの、二種類のスルビビン拮抗物質をも提供する。さらに本発明
は、有効量のスルビビン拮抗物質を腫瘍に投与することを含む腫瘍の成長を抑制
する方法を提供する。
【0014】 (発明の概要) 本発明は、スルビビンが、主有糸分裂キナーゼ複合体、p34cdc2−サイクリ
ンB1(Nurse,1994)によってリン酸化されること、およびこのプロ
セスが、有糸分裂を通り抜ける細胞の生存性を保持するために重要であることの
発見に、部分的に基づく。
【0015】 本発明は、p34cdc2によるスルビビンのリン酸化の欠如によって、スルビビ
ン活性カスパーゼ−9複合体の解離、中間体からのカスパーゼ−9の選択的異常
局在化、および有糸分裂を通り抜ける細胞のカスパーゼ−9依存性アポトーシス
が生じることの発見にも、部分的に基づく。
【0016】 本発明は、スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体を薬剤と
共にインキュベートするステップ、および前記薬剤が、スルビビンのリン酸化を
調節するかどうかを決定し、それによって、スルビビンのリン酸化を調節する薬
剤を特定するステップを含む、スルビビンのリン酸化を調節する薬剤を特定する
方法を提供する。
【0017】 本発明は、さらに、スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体
の相互作用を調節する薬剤を特定する方法を提供する。
【0018】 本発明は、スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の間の少
なくとも一つの相互作用を調節する薬剤を有効量投与するステップを含む、スル
ビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の間の相互作用を調節する
方法も提供する。
【0019】 本発明は、さらに、スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体
の間の相互作用を調節する薬剤を有効量、細胞に投与することを含む、細胞にお
けるアポトーシスを調節する方法を包含する。本発明は、さらに、スルビビンと
p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の間の相互作用を調節する薬剤、組
成物およびペプチドを提供する。
【0020】 本発明は、リン酸化スルビビンとカスパーゼ−9の間の相互作用を調節する薬
剤を特定する方法をも提供する。本発明は、さらに、リン酸化スルビビンとカス
パーゼ−9の間の相互作用を調節する薬剤、組成物およびペプチドを提供する。
【0021】 本発明は、細胞内でのスルビビンの発現を変調するための、ドミナントネガテ
ィブスルビビン突然変異体(Thr34→Ala)およびスルビビンアンチセンス
核酸などのスルビビン拮抗物質を提供する。本発明は、インビボおよびインビト
ロで腫瘍の成長を阻害するためのスルビビン拮抗物質の使用も開示する。
【0022】 (発明の詳細な説明) I. 一般的な説明 本発明は、スルビビンが、主有糸分裂キナーゼ複合体、p34cdc2−サイクリ
ンB1(Nurse,1994)によってリン酸化されること、およびこのプロ
セスが、有糸分裂を通り抜ける細胞の生存性を保持するために重要であることの
発見に部分的に基づく。
【0023】 本発明は、スルビビンがp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体に結合す
るということの発見にも、部分的に基づく。さらに、本発明は、リン酸化スルビ
ビンがカスパーゼ−9と相互作用することの発見に、部分的に基づく。
【0024】 p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体によるスルビビンタンパク質のリ
ン酸化、キナーゼ複合体へのスルビビンの結合、およびカスパーゼ−9へのスル
ビビンの結合は、スルビビン媒介機能を阻害または誘導する薬剤を特定するため
に用いることができ、またはそうした薬剤の目標としての役割を果たすことがで
きる。前記薬剤を用いて、細胞アポトーシスのスルビビン媒介阻害を調節するこ
と、異常な細胞増殖をブロックすることまたは培養物における細胞増殖を拡大す
ることができる。本明細書中で用いる「アポトーシスの調節」は、所定の細胞個
体群の中で、さもなければアポトーシスを被る細胞の数を増加させることまたは
減少させることを意味する。これは、p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合
体によるスルビビンのリン酸化、前記キナーゼ複合体へのスルビビンの結合、ま
たはカスパーゼ−9へのリン酸化スルビビンの結合を調節する(増大させるかま
たは減少させる)ことによって果たすことができる。好ましくは、アポトーシス
を調節することができる所定の細胞個体群は、腫瘍、またはその調節によって有
益な影響がもたらされる他の細胞組織もしくは細胞群に見出される。好ましくは
、所定の細胞個体群の中で、さもなければアポトーシスを被るであろう細胞の数
の増加または減少は、その個体群中の細胞の少なくとも約10%、20%、40
%またはさらに好ましくは少なくとも約50%である。
【0025】 さらに、本発明は、ドミナントネガティブスルビビン突然変異体(Thr34
Ala)およびアンチセンススルビビン核酸などのスルビビン拮抗物質が、黒色
腫における内在性スルビビンの発現を阻害し、インビボおよびインビトロでの黒
色腫の成長を阻害することの発見に、部分的に基づく。従って、本発明は、有効
量のスルビビン拮抗物質を腫瘍に投与することによって腫瘍の成長が阻害される
ことの発見にも、部分的に基づく。
【0026】 II.特定の実施の形態 A. p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体によるスルビビンのリン酸
化、p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体へのスルビビンの結合またはカ
スパーゼ−9へのスルビビンの結合を調節または阻害する薬剤を特定する方法 上に記載したように、本発明は、p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体
によるスルビビンのリン酸化を調節、減少、または阻害する薬剤を特定するため
の方法を提供する。本発明は、スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナー
ゼ複合体との会合を調節、減少または阻害する薬剤を特定するための方法も提供
する。本発明は、カスパーゼ−9へのスルビビンの会合を調節、減少または阻害
する薬剤を特定するための方法も提供する。
【0027】 一つのアッセイ方式では、試験される薬剤の存在下および不在の状態で、スル
ビビンをp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体と混合する。スルビビンの
前記キナーゼ複合体との会合が可能な条件のもとで混合した後、二つの混合物を
分析し、比較して、前記薬剤が、スルビビンのリン酸化、またはスルビビンのp
34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体に対する結合を調節、増大、促進、減
少、または阻害するかどうかを決定する。リン酸化スルビビン/カスパーゼ−9
または非リン酸化スルビビン/カスパーゼ−9についてのアッセイの場合(実施
例3を参照のこと)、同様に、試験薬剤の存在下および不在の状態で、リン酸化
スルビビンをカスパーゼ−9と混合するか、または非リン酸化スルビビンを〜4
6kDaおよび〜35kDaのプロフォーム/活性、いずれかのカスパーゼ−9
とそれぞれ混合して、前記薬剤が、前記二つのタンパク質の相互作用を調節、増
大、促進、低下、または阻害するかどうかを決定する。
【0028】 スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体との会合、またはス
ルビビンとカスパーゼ−9の会合を阻害または減少させる薬剤は、試験薬剤を含
有するサンプルに存在する会合の量を減少させるそれらの能力によって特定する
ことができる。p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体によるスルビビンの
リン酸化をブロックまたは減少させる薬剤は、試験薬剤を含有するサンプル中の
スルビビンの量を減少させるそれらの能力によって特定することができる。
【0029】 本明細書中で用いる場合、薬剤の存在がスルビビンの量を減少させるか、また
はスルビビンのリン酸化を全体としてブロックするとき、「薬剤が、p34cdc2 −サイクリンB1キナーゼ複合体によるスルビビンのリン酸化を減少させるまた
は阻害する」と言う。p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体に結合するこ
とによってスルビビンのリン酸化を減少または阻害する種類の薬剤がある一方で
、スルビビンに結合することによってスルビビンのリン酸化を減少または阻害す
る種類の薬剤もある。
【0030】 本明細書中で用いる場合、薬剤の存在によって、前記キナーゼ複合体がスルビ
ビンと会合した状態になる程度が減少するかまたはそれが防止されるとき、「薬
剤が、スルビビン/p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の会合を減少さ
せるまたはブロックする」と言う。p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体
に結合することによって会合を減少またはブロックする種類の薬剤がある一方で
、スルビビンに結合することによって会合を減少またはブロックする種類の薬剤
もある。
【0031】 本明細書中で用いる場合、薬剤の存在によって、カスパーゼがスルビビンと会
合した状態になる程度が減少するかまたはそれが防止されるとき、「薬剤が、リ
ン酸化スルビビン/カスパーゼ−9の複合化または非リン酸化スルビビン/プロ
カスパーゼ(プロカスパーゼ)−9の複合化を減少させるまたは阻害する」と言
う。薬剤はカスパーゼ−9またはプロカスパーゼ−9に結合することによって会
合を減少させるまたは阻害する種類の薬剤がある一方で、スルビビンに結合する
ことによって会合を減少させるまたは阻害する種類の薬剤もある。
【0032】 上記の方法で検定した薬剤は、ランダムに選択することができ、または合理的
に選択もしくは設計することができる。本明細書中で用いる場合、薬剤が、スル
ビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体との会合またはスルビビン
とカスパーゼ−9との会合に関係する特定の配列を考慮することなくランダムに
選択されるとき、「薬剤が、ランダムに選択される」と言う。ランダムに選択さ
れる薬剤の例は、ケミカルライブラリまたはペプチド・コンビナトリアルライブ
ラリ、または生物の増殖液体培地に用いられるものである。
【0033】 本明細書中で用いる場合、薬剤が、薬剤の作用と関係するターゲット部位の配
列および/またはその配座を考慮に入れる非ランダムベースで選択されるとき、
「薬剤が、合理的に選択または設計される」と言う。上記のように、スルビビン
/p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の相互作用およびスルビビン/カ
スパーゼ−9の相互作用をブロックする薬剤には、少なくとも二つの作用部位:
スルビビンに対する結合パートナー接触部位、および前記キナーゼ複合体に対す
るまたはカスパーゼ−9に対するスルビビン接触部位がある。薬剤は、スルビビ
ン/p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の接触部位およびスルビビン/
カスパーゼ−9複合体の接触部位を形成するペプチド配列を利用することによっ
て、合理的に選択または合理的に設計することができる。例えば、合理的に選択
される薬剤は、アミノ酸配列がキナーゼ複合体に対する、またはカスパーゼ−9
に対するスルビビン接触部位と同一であるペプチドであることができる。こうし
た薬剤は、p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体に結合することによって
スルビビンと前記キナーゼ複合体との会合、またはカスパーゼ−9に結合するこ
とによってスルビビンの会合を減少またはブロックするであろう。
【0034】 本発明の薬剤は、例として、ペプチド、小分子、ビタミン誘導体、ならびに炭
水化物であることができる。当業者は、本発明の薬剤の構造的特徴に関して制限
がないことが、容易に理解できる。
【0035】 本発明のペプチド薬剤は、当該技術分野において知られているような、標準的
な固相(または液相)ペプチド合成法を用いて調製することができる。さらに、
これらのペプチドをコードするDNAは、市販のオリゴヌクレオチド合成機器を
用いて合成することができ、標準的な組換え生産システムを用いて、組換えによ
って生産することができる。固相ペプチド合成を用いる製造は、非遺伝子コード
アミノ酸を含むことになるときに必要である。
【0036】 本発明のもう一つの種類の薬剤は、スルビビン、p34cdc2−サイクリンB1
キナーゼ複合体、またはカスパーゼ−9の重要な位置と免疫反応する抗体である
。抗体は、ペプチドで、抗体がターゲットにするためのスルビビンまたは結合パ
ートナーの部分を抗原領域として含む、適する哺乳動物の被験体を免疫すること
によって得ることができる。重要領域は、スルビビンとキナーゼ複合体との会合
に関係する接触部位、特に、スルビビンのアミノ酸残基34にわたる領域を含む
【0037】 本明細書中で用いる「スルビビンタンパク質(またはスルビビン)」は、Am
brosiniらの文献(1997)において記載されたヒトスルビビンのアミ
ノ酸配列を有するタンパク質を指す。用語「スルビビンタンパク質」は、スルビ
ビンの天然対立遺伝子変異体、および特に上で挙げたものとはわずかに異なるア
ミノ酸配列を有する天然タンパク質も包含する。対立遺伝子変異体は、上で挙げ
たものとはわずかに異なるアミノ酸配列を有するが、細胞のアポトーシスを阻害
するために必要な能力をなお有するであろう。
【0038】 本明細書中で用いる「スルビビン系統のタンパク質」とは、ヒトに加え、生物
から単離されたスルビビンタンパク質を指す。スルビビン系統のタンパク質の他
のメンバーを特定および単離するために用いられる方法は、容易に利用すること
ができ、米国特許出願番号08/975,080に記載されている。
【0039】 本発明のアッセイまたは他の実施の形態で用いるスルビビンタンパク質は、好
ましくは単離された形態である。本明細書中で用いる場合、物理学的、機械的ま
たは化学的方法を用いて、スルビビンタンパク質と通常会合している細胞構成成
分からスルビビンタンパク質を除去する時、「タンパク質は単離された」と言う
。当業者は、標準的な精製法を容易に用いて、単離スルビビンタンパク質を得る
ことができる。
【0040】 本発明の用いられるスルビビンタンパク質は、さらに、本明細書中に記載する
スルビビンの保存的変異体を包含する。「保存的変異体」は、p34cdc2−サイ
クリンB1キナーゼ複合体およびカスパーゼ−9などのスルビビン結合パートナ
ーに結合する、および/または細胞のアポトーシスを阻害するスルビビンタンパ
ク質の能力に悪影響を及ぼさないアミノ酸配列の改変を指す。改変した配列が、
スルビビンタンパク質がスルビビン結合パートナーと会合することを妨げる、お
よび/またはスルビビンタンパク質またはスルビビンタンパク質が細胞のアポト
ーシスの阻害を妨げる時、「置換、挿入、または欠失がスルビビンタンパク質に
悪影響を及ぼす」と言う。例えば、スルビビンの総合的な電荷、構造または疎水
性/親水性特性は、スルビビンの活性に悪影響を及ぼすことなく変化させること
ができる。従って、スルビビンのアミノ酸配列を変化させて、スルビビンの活性
に悪影響を及ぼすことなく、例えば、ペプチドをより疎水性または親水性にする
ことができる。
【0041】 対立遺伝子変異体、保存的置換変異体およびスルビビン系統のタンパク質のメ
ンバーは、細胞のアポトーシスを阻害する能力を保有する。こうしたタンパク質
は、ヒトスルビビン配列と通常は少なくとも75%、さらに好ましくは少なくと
も約80%、さらにいっそう好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少
なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するであろう。本明細書において、こ
うした配列についての同一性またはホモロジーは、必要であれば最大のパーセン
トのホモロジーを達成するために、その配列を整列し、ギャップを導入して、お
よび相同であるような一切の保存的置換を含めた後に、既知のペプチドと同一で
ある候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。N−末端、
C−末端または内部伸張、欠失、またはペプチド配列への挿入は、ホモロジーに
影響を及ぼすものとは解釈されないだろう。
【0042】 上で用いたようなホモロジーまたは同一性は、配列類似性検索用に作成される
、プログラムblastp、blastn、blastx、tblastnおよ
びtblastx(Karlinら、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 87:2264−2268(1990)およびAltschul,S.
F.J.Mol.Evol.36:290−300(1993)、参考文献とし
て完全に援用する)によって利用されるアルゴリズムを用いるBLAST(基本
局所配列検索ツール)分析によって決定される。BLASTプログラムによって
用いられるアプローチは、まず、問い合わせ配列とデータベース配列の間で類似
したセグメントを考慮し、次に、特定されるすべてのマッチの統計学的有意性を
評価し、最後に、前もって選択した有意性閾値を満たすマッチのみをまとめるも
のである。配列の類似性検索用データベースにおける基本的な問題の論議につい
ては、Altschulら(Nature Genetics 6:119−1
29(1994))を参照のこと。この文献は参考文献として完全に援用される
。histgram、descriptions、alignments、ex
pect(すなわち、データベース配列に対するマッチを報告するための統計学
的優位性閾値)、cutoff、matrixおよびfilterについての検
索パラメータは、デフォルト設定である。blastp、blastx、tbl
ast、およびblastxによって用いられるデフォルトスコアリングマトリ
ックスは、BLOSUM62マトリックス(Henikoffら、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 89:10915−10919(1992
)、参考文献として完全に援用する)である。blastnについてのスコアリ
ングマトリックスは、M(すなわち、一対のマッチング残基についての報酬点)
のN(すなわち、マッチングしなかった残基についての罰点)に対する比率によ
って設定され、この場合、MおよびNのデフォルト値は、それぞれ5および−4
である。
【0043】 本発明は、スルビビン擬似体の使用も包含する。スルビビン擬似体は、スルビ
ビンペプチドの活性を模倣する化合物である。これらは、構造的にスルビビンペ
プチとに類似しているが、化学的に変性されたペプチド主鎖を有する。スルビビ
ン擬似体は、例えば:より経済的な製造;より大きな化学的安定性;薬理学的特
性(半減期、吸収性、力価、有効性など)の向上;特異性(例えば、広範囲の生
物学的活性)の変更;抗原性の低下;およびその他を含む、ポリペプチドの実施
形態を越える有意な利点を有する。
【0044】 従って、本発明のスルビビンタンパク質には、Ambrosiniらの文献(
1997)に開示されているアミノ酸配列を有する分子;スルビビンタンパク質
の少なくとも約3、5、10または15以上のアミノ酸残基の連続配列を有する
それらの断片;アミノ酸残基がスルビビン配列のN−またはC−末端にまたはス
ルビビン配列内に挿入されているような配列のアミノ酸配列変異型;別の残基に
よって置換されているスルビビン配列のアミノ酸配列変異型、または上で定義し
たようなそれらの断片が挙げられる。考慮される変異型には、さらに、例えば、
相同組換え、特定部位のまたはPCR突然変異誘発による所定の突然変異体;他
の動物(ウサギ、ラット、マウス、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、およびヒト以外
の霊長類を含むが、それらに限定されない)の対応するスルビビンタンパク質;
スルビビン系統のタンパク質の対立遺伝子または他の天然変異体;およびスルビ
ビンタンパク質が、置換、化学的手段、酵素的手段、または天然アミノ酸以外の
成分(例えば、酵素または放射性同位元素などの検出可能な成分)を用いる他の
適する手段によって共有結合修飾された誘導体を含むものが挙げられる。組換え
スルビビンタンパク質を用いて、2D−NMR、円偏光二色性およびX線結晶学
によってスルビビンの分子構造を解明することもでき、こうして、特定部位の突
然変異誘発アプローチおよび特異的小分子阻害剤の合理的設計を組み入れること
ができる。
【0045】 本明細書中で用いる用語「カスパーゼ−9」は、リン酸化スルビビンと相互作
用するあらゆるカスパーゼ−9を包含する。この用語は、カスパーゼ−9の活性
化形、カスパーゼ−9の天然対立遺伝子変異体、異なる供給源から単離した天然
カスパーゼ−9タンパク質、スルビビンと相互作用するカスパーゼ−9の変異体
、およびスルビビンと相互作用するカスパーゼ−9の断片を包含する。本明細書
中で用いる「プロカスパーゼ−9」は、カスパーゼ−9のプロフォームを指す(
Zou,H.ら、1999を参照のこと)。
【0046】 本明細書中で用いる用語「p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体」は、
p34cdc2とサイクリンB1キナーゼを含む複合体を指す。用語「p34cdc2
は、サイクリンB1と複合体を形成するあらゆるp34cdc2タンパク質を包含し
、得られる複合体は、スルビビンをリン酸化し、スルビビンと結合する。この用
語は、p34cdc2の天然対立遺伝子変異体、異なる供給源から単離される天然p
34cdc2タンパク質、スルビビンと相互作用するp34cdc2の変異体、およびス
ルビビンと相互作用するp34cdc2の断片を包含する。用語「サイクリンB1」
は、p34cdc2と複合体を形成するあらゆるサイクリンB1タンパク質を包含し
、得られる複合体は、スルビビンをホスホリル化し、スルビビンに結合する。こ
の用語は、サイクリンB1の天然対立遺伝子変異体、異なる供給源から単離され
る天然サイクリンB1、タンパク質、スルルビンと相互作用するサイクリンB1
の変異体、およびスルビビンと相互作用するサイクリンB1の断片を包含する。
【0047】 本発明のアッセイは、スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合
体の結合またはスルビビンのカスパーゼ−9への結合をモニターする大量処理ア
ッセイを含む利用可能なあらゆる方式で修正または準備することができる。化合
物のライブラリを試験する多数の薬品スクリーニングプログラムでは、所定の時
間内に調査する化合物の数を最大にするために大量処理アッセイが望ましい。精
製または半精製タンパク質を用いて誘導することができるような、無細胞系で行
われるアッセイは、多くの場合、「一次」スクリーンとして好まれ、これらは、
試験化合物によって媒介される分子ターゲットの変化を迅速に展開し、比較的容
易に検出することができるように作製することができる。さらに、試験化合物の
細胞の毒性および/またはバイオアベイラビリティーの影響は、一般に、インビ
トロ系では無視することができる、その代わり、本アッセイでは、例えば二分子
間の結合の阻害において明白であるような、その薬物の分子ターゲットに対する
影響に主として焦点を合わせている。
【0048】 大量処理スクリーニングアッセイの実施の形態において、スルビビン、p34 cdc2 −サイクリンB1キナーゼ複合体およびカスパーゼ−9は、試験を受ける薬
剤の存在下および不在の状態で、マイクロタイタープレートのウエルに添加する
ことができる。市販されているカスパーゼ−9基質をウエルに加え、Qaunら
、(1995)J.Biol.Chem.270:10377−10379また
はStennickeら(1997)J.Biol.Chem.272:257
19−25723に記載されているような連続観測機器を用いて、前記基質の分
解または遊離を分析することができる。
【0049】 大量処理スクリーニングアッセイのもう一つの実施の形態において、アッセイ
は、スルビビンのp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体に対する、または
スルビビンのカスバーゼ−9に対する競合または非競合的な結合を阻害する試験
化合物の能力を検出するように、組み立てることができる。複合体形成の阻害は
、多様な手法によって検出することができる。例えば、複合体形成の調節は、例
えば放射標識(例えば、32P、35S、14Cまたは3H)、蛍光標識(例えば、F
ITC)、もしくは酵素標識したスルビビンなどの検出可能な標識スルビビンを
用いて、またはイムノアッセイによって、またはクロマトグラフ検出によって定
量することができる。
【0050】 例示すれば、既知のH2受容体リガンドの結合を阻害する能力に基づき、H2
受容体拮抗物質(他の拮抗物質を含む)を検出するための、当該技術分野におい
て公知である多様な結合アッセイがある。一つの実施の形態において、Norr
isら(1985)Agents Action 16:170によって記載さ
れたインビトロアッセイを用いて、H2受容体に結合する置換N−ヘテロ芳香族
化合物を点数付けすることができる(およびその後の生物学的アッセイにおいて
、その受容体の作用物質または拮抗物質としてさらに特性付けすることができる
)。詳細には、Norrisらのアッセイは、モルモット大脳皮質H2受容体に
結合する3H−チオチジンの阻害を検出する競合結合測定を利用している。
【0051】 あるアッセイにおいて、結合を評価する受容体、それらのサブユニット、また
は他のターゲットタンパク質までもが、純粋または半純粋形態で提供さうる。典
型的には、これらの例には、タンパク質の一つを固定化して、タンパク質−タン
パク質複合体と非複合形態との分離を助長すること、ならびに、アッセイを自動
化できるようにすることが望ましいであろう。候補薬剤の存在下および不在の状
態での一つのタンパク質のもう一つのタンパク質への結合、例えば、スルビビン
のp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体への結合またはスルビビンのカス
パーゼ−9への結合は、反応体を収容するために適するあらゆる容器内で遂行す
ることができる。それらの例には、マイクロタイタープレート、試験管、および
微小遠心分離管が挙げられる。一つの実施の形態において、タンパク質がマトリ
ックスに結合することができるドメインを追加する融合タンパク質を提供するこ
とができる。例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合タ
ンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical
,St.Louis,Mo.)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープ
レートに吸収させることができ、その後、残りの標識タンパク質(リガンド)お
よび試験化合物と混合する。その後、複合体形成を助長する条件の下でこの混合
物をインキュベートする。インキュベーション後、ビーズを洗浄して、一切の非
結合リガンドを除去し、直接、またはその後タンパク質/リガンド複合体を解離
させた後の上清中で、マトリックス固定化標識を測定することができる。適時、
複合体をマトリックスから解離させ、SDS−PAGEによって分離して、ビー
ズ画分中に見出されるリガンドのレベルを、標準的な電気泳動手法を用いてゲル
から定量することができる。
【0052】 マトリックス上にタンパク質を固定化するための他の方法も主題のアッセイに
用いるために利用することもできる。例えば、ビオチンおよびストレプトアビジ
ンのコンジュゲーションを利用して、いずれかのタンパク質を固定化することが
できる。当該技術分野において周知である手法(例えば、ビオチン化キット、P
ierce Chemicals,Rockford,Ill)を用いてビオチ
ン−NHS(N−ヒドロキシ−スクシンイミド)からビオチン化分子を調製し、
ストレプトアビジンをコーティングした96ウエルのプレート(Pierce
Chemical)のウエルに固定化することができる。あるいは、タンパク質
と反応性であるがリガンド結合に干渉しない抗体を前記プレートのウエルに誘導
体化し、重合チューブリンなどの第一タンパク質を抗体抱合によってウエルに捕
捉することができる。上記のように、リガンドおよび試験化合物の調製物を前記
プレートのタンパク質提供ウエル内でインキュベートし、前記ウエル内に捕捉さ
れたタンパク質/リガンド複合体の量を定量することができる。こうした複合体
を検出するための方法の例には、上記のものに加えて、リガンドと反応性の抗体
、またはタンパク質と反応性であり、リガンドとの結合と競合する抗体を用いる
複合体の免疫検出法が挙げられる。
【0053】 本発明のアッセイは、二つのタンパク質の間の相互作用を検出するための、あ
らゆる利用可能なインビボベースのスクリーニングシステムも包含する。例えば
、一般に利用可能な遺伝子系は、いずれのタンパク質が既知タンパク質と相互作
用するかを迅速に検出し、タンパク質のいずれの領域が相互作用するかを決定し
、二つのタンパク質の間の相互作用を調節する薬剤を特定することができる。こ
うした系の一つは、二つのタンパク質を酵母内で発現させ、対象となるタンパク
質の一方をDNA結合ドメインに融合させ、対象となるタンパク質のもう一方を
転写活性ドメインに融合させる、yeast two−hybrid syst
emである(Fieldsら(1989)Nature 340:245;Gy
urisら(1993)Cell 75:791;Harperら(1993)
Cell 75:805;Serranoら(1993)Nature 366
:704;およびHarmonら(1993)Genes & Dev.7:2
378)。
【0054】 リン酸化スルビビンの量は、当業者によって日常的に実施される方法によって
定量することができる。一つのよく知られている方法は、放射標識、電気泳動お
よびシンチレーションカウンティングを利用する。SDS−PAGEを用いてリ
ン酸化サンプルを電気泳動した後、ゲルをオートラジオグラフィーに付し、リン
酸化スルビビンを含むゲルバンドを切り出し、シンチレーションカウンター内に
入れて、リン酸化の量を測定する(米国特許第6,028,171号)。あるい
は、TCAを用いてリン酸化サンプルを沈降させ、シンチレーションカウンター
内でカウントする(米国特許第6,028,171号)。第二の周知の方法は、
リン酸化化合物を認識する抗体を用いる。実施例1は、Thr34でリン酸化し
たスルビビンに特異的に結合する抗体の例を開示している。その抗体は、非リン
酸化スルビビンを認識しない。抗体を用いて、サンプルからリン酸化スルビビン
を直接免疫沈降させることができる。免疫沈降後、シンチレーションカウンター
内でサンプルをカウントすることができる。また、スルビビン抗体を用いる免疫
沈降、続いて、免疫沈降サンプルの電気泳動、ニトロセルロース上へのゲルのト
ランスファ、および抗体での免疫ブロットは、抗ホスホチロシン抗体を用いてリ
ン酸化化合物の量を定量するもう一つの方法である(米国特許第5,635,3
88号)。さらに、リン酸化スルビビンの量は、定量デンシトメトリーによって
測定することができる。最近、Angelesらは、比色読み出しで抗ホスホチ
ロシン抗体を用いる、または蛍光検出でランタニド(ユーロピウム)標識抗ホス
ホチロシン抗体を用いる新規リン酸化定量法を開発した(Angelesら、A
nal Biochem(2000),278(2):93)。さらに、リン酸
化スルビビンの定量は、マイクロタイタープレートを用いて行うことができる。
【0055】 キナーゼアッセイは、スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合
体との、またはスルビビンとカスパーゼ−9との結合を調節する薬剤のインビト
ロ検出のためのツールとして有用である。薬剤の存在下および不在の状態でのリ
ン酸化スルビビンの量によって、当業者は、その薬剤がスルビビンとp34cdc2 −サイクリンB1キナーゼ複合体との、またはスルビビンとカスパーゼ−9との
結合を阻害するかどうかを決定することができる。
【0056】 上記アッセイは、Thr34でスルビビンを脱リン酸化する薬剤をスクリーニ
ングするように修正することができる。これらの薬剤は、スルビビンのリン酸化
を解除し、カスパーゼとの抗アポトーシス複合体の形成を妨げる腫瘍サプレッサ
ーとして働くことが予想される。そのアッセイは、薬剤の存在下で脱リン酸化ス
ルビビンの量を検出または定量し、その薬剤が不在の状態でのものと比較するよ
うに標準的なインビトロキナーゼアッセイを修正することによって、行うことが
できる。スルビビンを脱リン酸化するタンパク質について可能性があるライブラ
リをスクリーニングすることができる。
【0057】 B. アポトーシスアッセイ スルビビンのリン酸化、スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複
合体との間の相互作用、またはスルビビンとカスパーゼ−9との間の相互作用を
調節する薬剤の特定における第二ステップとして、一次スクリーニングによって
特定された薬剤を、次に、その薬剤のアポトーシス活性を決定するためのアポト
ーシスアッセイにおいて評価することができる。以下の参考文献に例示されてい
るように、アポトーシスアッセイの特定の例は、当該技術分野において幅広く利
用可能である。
【0058】 リンパ球におけるアポトーシスについてのアッセイは、 Liら、(1995)Science 268:429−431;Gibell
iniら(1995)Br.J.Haematol.89:24−33;Mar
tinら(1994)J.Immunol.152:330−42;Terai
ら、(1991)J.Clin Invest.87:1710−5;Dhei
nら(1995)Nature 373:438−441;Katsikisら
(1995)J.Exp.Med.1815:2029−2036;Wsete
ndropら(1995)Nature 375:497;およびDeRoss
iら(1994)Virology 198:234−44によって開示されて
いる。
【0059】 繊維芽細胞におけるアポトーシスについてのアッセイは、Vossbeckら
(1995)Int.J.Cancer 61:92−97;Goruppiら
(1994)Oncogene 9:1537−44;Fernandezら(
1994)Oncogene 9:2009−17;Harringtonら(
1994)EMBO J.,13:3286−3295;およびItohら、(
1993)J.Biol.Chem.268:10932−7によって開示され
ている。
【0060】 ニューロン細胞におけるアポトーシスについてのアッセイは、Melinoら
(1994)Mol.Cell Biol.14:6584−6596;Ros
enblaumら(1994)Ann.Neurol.36:864−870;
Satoら(1994)J.Neurobiol.25:1227−1234;
Ferrariら(1995)J.Neurosci.1516:2857−2
866;Talleyら(1995)Mol.Cell Biol.1585:
2359−2366;Talleyら(1995)Mol.Cell.Biol
.15:2359−2366;およびWalkinshawら(1995)J.
Clin.Invest.95:2458−2464によって開示されている。
【0061】 昆虫細胞におけるアポトーシスについてのアッセイは、Clemら(1991
)Science 254:1338−90;Crookら(1993)J.V
irol:67:2168−74;Rabizadehら(1993)J.Ne
urochem.61:2318−21;Birnbaumら(1994)J.
Virol.68:2521−8,1994;およびClemら(1994)M
ol.Cell.Biol.14:5212−5222によって開示されている
【0062】 C. スルビビンのp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体との会合をブ
ロックする薬剤についての使用 発明の背景のセクションで提供したように、スルビビンは、細胞のアポトーシ
スを阻害する。スルビビンのリン酸化、スルビビンのp34cdc2−サイクリンB
1キナーゼ複合体との相互作用、またはスルビビンとカスパーゼ−9との相互作
用を低減またはブロックする薬剤を用いて、スルビビンの機能および活性に関係
する生物学的および病理学的プロセスを調節することができる。
【0063】 詳細には、スルビビンによって媒介される生物学的または病理学的プロセスは
、スルビビンのp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体との相互作用、スル
ビビンのリン酸化、またはスルビビンとカスパーゼ−9との相互作用をブロック
する薬剤を被験者に投与することによって、調節することができる。
【0064】 本明細書中で用いる「被験者」とは、その哺乳動物にスルビビンによって媒介
される病理学的または生物学的プロセスの調節が必要である限り、あらゆる哺乳
動物であることができる。用語「哺乳動物」は、哺乳類に属する個体を意味する
。本発明は、特に、ヒト被験者の治療に有用である。
【0065】 本明細書中で用いる「細胞のスルビビンのリン酸化、スルビビン/p34cdc2 −サイクリンB1キナーゼ複合体またはスルビビン/カスパーゼ−9の相互作用
によって媒介される生物学的および病理学的プロセス」とは、スルビビンによっ
て媒介される多種多様な細胞の事象を指す。「病理学的プロセス」とは、有害作
用を生じる生物学的プロセスの一つのカテゴリーである。例えば、スルビビンに
よって媒介される病理学的プロセスは、腫瘍細胞における細胞のアポトーシスの
阻害である。この病理学的プロセスは、スルビビンのリン酸化、スルビビン/p
34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の結合、またはスルビビン/カスパー
ゼ−9の結合を低減またはブロックする薬剤を用いて調節することができる。
【0066】 本明細書中で用いる場合、その薬剤が、そのプロセスの度合いまたは重度を軽
減するとき、「薬剤が、病理学的プロセスを調節する」と言う。例えば、その薬
剤が細胞分裂の速度または程度を低下させる時、「薬剤が、腫瘍細胞の増殖を調
節する」と言う。
【0067】 D. スルビビン拮抗物質を用いて腫瘍の成長を抑制する方法 本明細書で用いる用語「スルビビン拮抗物質」は、スルビビンの発現またはス
ルビビンの活性を拮抗するあらゆる化合物を包含する。スルビビン拮抗物質の例
には、スルビビン突然変異体、スルビビン抗体、スルビビンアンチセンス核酸、
およびスルビビンの活性または発現を拮抗または阻害するあらゆる化合物が挙げ
られる。スルビビン拮抗物質の特定の例には、ドミナントネガティブスルビビン
突然変異体Thr34→Alaおよび特定の配列を有するスルビビンアンチセンス
核酸が挙げられるが、それらに限定されない。
【0068】 アンチセンススルビビン分子は、スルビビン遺伝子(「センス遺伝子」)によ
ってコードされるRNAと相補的であり、前記RNAとハイブリダイズすること
ができる。アンチセンススルビビン分子を用いて、スルビビン遺伝子の発現を阻
害し、それによって、腫瘍の成長を抑制することができ、腫瘍の成長に関連する
疾病を予防し、治療することができる。
【0069】 アンチセンス核酸は、好ましくは、その補体、従って、これらのDNAによっ
てコードされる各RNAの相補性を転写できるように、転写のための正常な表示
を基準としてセンス遺伝子のコーディング領域を逆転させることによって構成す
ることができる。センス遺伝子によって生産されるmRNAの生産を阻止するた
めに、アンチセンス核酸が細胞内で発現されることになる場合には、好ましくは
、アンチセンスDNAがセンス遺伝子とほぼ同時に発現されるべきである。セン
ス遺伝子によってコードされるRNAの機能をブロックするために、アンチセン
スRNAが細胞内に存在しなければならないという意味で、それらのタイミング
は、近似していなければならない。この結果を達成するために、アンチセンスD
NAのコーディング領域は、多くの場合、センス遺伝子において見られるものと
同じプロモータの制御下に置かれ、それによって、同時に両方が転写されること
となる。
【0070】 設計の考察およびアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用の総説としては、U
hlmannらの文献(1990)およびMilliganらの文献(1993
)を参照のこと。本明細書には、これらの文献の開示を参考文献として援用する
【0071】 原則として、スルビビン遺伝子のいずれかの領域に対して相補的な配列を有す
るアンチセンス核酸は、本発明の腫瘍成長抑制法に有用であり得るが、翻訳開始
コドンを含むスルビビン mRNAの転写部分に対して相補的な核酸分子が、特
に好ましい。翻訳開始コドンから上流(5’方向)に約40ヌクレオチドまたは
下流(3’方向)に約40ヌクレオチドの範囲内にあるスルビビン mRNA転
写位置に対して相補的な核酸分子も好ましい。
【0072】 もう一つの実施形態において、細胞内の少なくともスルビビン mRNAの位
置に対してハイブリダイズまたはアニールするアンチセンスオリゴヌクレオチド
を本発明の方法に用いることができる。こうしたオリゴヌクレオチドは、典型的
に、長さが短く、細胞に相当容易に拡散しうる。こうしたアンチセンスオリゴヌ
クレオチドには、2’−デオキシ−D−リボースを含むポリデオキシヌクレオチ
ド、D−リボースを含むポリリボヌクレオチド、プリンまたはピリミジン塩基の
N−グリコシドである他のあらゆるタイプのポリヌクレオチド、またはポリマー
が、DNAおよびRNAに見られるような塩基対合および塩基の積み重ねを可能
ならしめる立体配置でヌクレオチドを含むことを条件として、非ヌクレオチド主
鎖(例えば、タンパク質核酸および市販の合成配列特異的核酸ポリマー)もしく
は非標準的結合を含む他のポリマーが挙げられるが、それらに限定されない。こ
れらには、2本および1本鎖DNA、ならびに2本および1本鎖RNA、および
DNA:RNAハイブリッドが含まれ、およびポリヌクレオチドもしくはオリゴ
ヌクレオチドの非修飾形態はもちろん、既知のタイプの修飾、例えば、当業者に
知られている標識、「キャップ」、メチル化、類似体での一つ以上の天然ヌクレ
オチドの置換、例えば、非荷電結合を有するもの(例えば、ホスホン酸メチル、
ホスホロトリエステル、ホスホラアミデート、カルバメートなど)および荷電結
合または硫黄含有結合を有するもの(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジ
チオエートなど)、例えばタンパク質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ阻害因子、
トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リシンなどを含む)および糖類
(例えば、単糖類)などのペンダント部分を含むもの、インターカレーター(例
えば、アクリジン、ソラレンなど)を有するもの、キレート化剤(例えば、金属
、放射性金属、ホウ素、酸化性金属など)を含有するむもの、アルキル化剤を含
むもの、修飾結合を有するもの(例えば、α−アノマー核酸など)などのヌクレ
オチド間修飾も含まれる。
【0073】 スルビビンアンチセンス核酸分子に関連して用いられる用語「ヌクレオシド」
、「ヌクレオチド」および「核酸」には、既知プリンおよびピリミジン塩基ばか
りでなく、修飾されている他の複素環塩基も含有する部分も含まれる。こうした
修飾には、メチル化プリンおよびピリミジン、アシル化プリンおよびピリミジン
、または他の複素環が挙げられる。修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドには、
例えば、一つ以上のヒドロキシル基がハロゲン、脂肪族基で置換されるか、また
はエーテル、アミンその他として官能化される糖部分に対する修飾も含まれる。
【0074】 本発明は、スルビビン拮抗物質を腫瘍成長部位に投与することによって腫瘍成
長を抑制する方法を提供する。実施例に示すように、テトラサイクリン(tet
)調節性プロモータの制御下で、スルビビン拮抗物質、スルビビンアンチセンス
またはドミナントネガティブスルビビン突然変異体(Thr34→Ala)で安定
にトランスフェクトしたYUSAC−2ヒト黒色腫細胞のサブクローンを作製し
た。これらのスルビビン拮抗物質を発現する細胞は、インビトロで自発性アポト
ーシスを被り、CB.17マウスに皮下注射しても腫瘍を形成しなかった。確立
した腫瘍におけるスルビビンThr34→Alaの発現は、黒色腫細胞において、
それらの成長を遅速させ、アポトーシスおよび異常有糸分裂進行をもたらした。
スルビビンをターゲットにすることによるアポトーシス経路の操作は、癌治療に
有益でありうる。本発明のスルビビン拮抗物質を用いて、癌の診断を受けた患者
を治療することができる。
【0075】 E. スルビビン/p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の相互作用お
よびスルビビン/カスパーゼ−9の相互作用を調節する薬剤の投与 スルビビンのリン酸化、スルビビン/p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複
合体の会合、またはスルビビン/カスパーゼ−9の相互作用をブロックする薬剤
などの本発明の薬剤は、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、または
口腔内経路で投与することができる。あるいは、または同時に、投与は、経口経
路によることが可能である。投与される用量は、受容者の年齢、健康状態および
体重、もしあれば併用療法の種類、治療の頻度、および望まれる効果の性質に依
存するであろう。例えば、腫瘍細胞におけるアポトーシスに対するスルビビン阻
害をブロックする一つの手段として、スルビビンのリン酸化、スルビビン/p3
cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の会合をブロックする薬剤が、治療を受
ける個体に全身または局所投与される。下で説明するように、こうした薬剤を容
易に投与できるようにする多くの方法がある。
【0076】 本発明は、さらに、スルビビンのリン酸化、スルビビン/p34cdc2−サイク
リンB1キナーゼ複合体の会合、またはスルビビン/カスパーゼ−9の会合をブ
ロックする一つ以上の薬剤を含有する組成物を提供する。個々の要求は変化する
が、その組成物中の各成分の有効量の最適な範囲の決定は、当業者の裁量内であ
る。典型的な投与量は、0.1〜100μg/(体重1kg)を含む。好ましい
投与量は、0.1〜10μg/(体重1kg)を含む。最も好ましい投与量は、
0.1〜1μg/(体重1kg)を含む。
【0077】 薬理学的に活性な薬剤に加え、本発明の組成物は、作用部位に送達するために
薬学的用いることができる、製剤への活性化合物の加工を助長する賦形剤および
添加剤を含む、適する薬学的許容されうる担体を含有することができる。非経口
投与に適する処方には、水溶性形態、例えば水溶性塩での活性化合物の水溶液が
挙げられる。さらに、適切な油性注射懸濁液のような活性化合物の懸濁液を投与
することができる。適する親油性溶媒またはビヒクルには、脂肪油、例えばゴマ
油、または合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチルまたはトリグリセリ
ドが挙げられる。水性注射懸濁液は、その懸濁液の粘度を上げる、例えば、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストラ
ンなどの物質を含有することができる。任意に、前記懸濁液は、安定剤も含有す
ることができる。リポソームを用いて、細胞に送達するための薬剤を内包するこ
ともできる。
【0078】 本発明による全身投与用の製剤は、腸内、腸管外または局所投与用に処方する
ことができる。実際に、3タイプすべての処方を同時に用いて、有効成分の全身
投与を達成することができる。
【0079】 経口投与に適する処方には、硬質または軟質ゼラチンカプセル、ピル、コーチ
ング錠を含む錠剤、エリキシル、懸濁液、シロップまたは吸入薬およびそれらの
制御放出形態が挙げられる。
【0080】 本発明の方法の実施において、本発明の化合物は、単独で、または組み合わせ
て、すなわち、他の治療もしくは治療薬と組み合わせて用いることができる。あ
る好適な実施の形態において、本発明の化合物は、化学療法剤などの、一般に許
容される医療行為に従ってこれらの状態のために典型的に処方される他の化合物
と共に投与することができる。
【0081】 F. スルビビン拮抗物質を送達する方法 核酸分子ではないスルビビン拮抗物質は、上のセクションEで論議したように
ターゲット部位に送達することができる。核酸分子であるスルビビン拮抗物質は
、以下で論議するようにターゲット部位に送達することができる。
【0082】 遺伝子療法は、機能的に活性な治療用または他の形態の遺伝子をターゲット細
胞に送達する方法である。体組織への遺伝子伝達の最初の努力は、ターゲット細
胞を体から除去し、組換え遺伝子を保持するベクターでトランスフェクトまたは
感染させて、再び体に移植する、エクスビボと呼ばれる間接的手段に頼っていた
。DNAを細胞にインビトロで伝達するために最近用いられる手法には、リン酸
カルシウム−DNA沈降法、DEAE−デキストラントランスフェクション、エ
レクトロポレーション、リポソーム媒介DNA伝達または組換えウイルスベクタ
ーでの形質導入が挙げられる。これらのトランスフェクションプロトコルを用い
て、上皮細胞(米国特許第4,868,116号;Morganら、1987)
、内皮細胞(WO98/05345)、肝細胞(Ledleyら、1987;W
ilsonら、1990)、繊維芽細胞(Rosenbergら、1988;米
国特許第4,963,489号)、リンパ球(米国特許第5,399,346号
;Blaeseら、1995)および造血幹細胞(Limら、1989;米国特
許第5,399,346号)を含む、異なる細胞タイプにDNAを導入してきた
【0083】 直接インビボ遺伝子導入は、リポソーム内(Ledleyら、1987)、ウ
イルス外皮膜受容体タンパク質を含有するプロテオリポソーム内(Nicola
uら、1987)に捕捉されたDNAの製剤を用いて、およびポリリジン−グリ
コプロテイン運搬複合体に結合したDNAを用いて行われてきた。さらに、細胞
への遺伝子導入のために「遺伝子銃」が用いられてきた(オーストラリア特許第
9068389号)。最後に、裸のDNA、またはリポソームと会合したDNA
は、細胞へDNAを導入するために間質腔に注射するための液状担体溶液に処方
することができる(WO90/11092)。
【0084】 ウイルスベクターは、多くの場合、最も有効な遺伝子治療システムであり、組
換え複製欠陥ウイルスベクターは、エクスビボとインビボの両方で細胞を形質導
入する(すなわち、感染させる)ために用いられてきた。こうしたベクターには
、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベク
ターおよびヘルペスウイルスベクターが挙げられる。従って、一つの実施の形態
では、スルビビントランスジーンまたはスルビビンアンチセンス分子を適切なベ
クターにサブクローニングし、上で論議した遺伝子導入手法によって細胞または
組織に導入することができる。
【0085】 もう一つの実施の形態では、望ましいポリヌクレオチドを含むカチオン性リポ
ソームなどのトランスフェクション促進組成物を用いて、スルビビンアンチセン
ス分子を細胞または組織に提供することができる。
【0086】 G. 併用療法 本発明の薬剤およびスルビビン拮抗物質は、単独で、または特定の生物学的ま
たは病理学的プロセスを調節する他の薬剤と組み合わせて提供することができる
。例えば、スルビビン/p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の会合、ス
ルビビンのリン酸化、またはスルビビン/カスパーゼ−9の相互作用を阻害する
本発明の薬剤は、癌細胞の増殖を制御するための方法において、抗癌剤と組み合
わせて投与することができる。同様に、スルビビン拮抗物質を抗癌剤と組み合わ
せて投与して、腫瘍の成長を抑制することができる。本明細書中で用いる場合、
二つの薬剤を同時に投与するか、または薬剤が同時に作用するような方法で別々
に投与する時、「二つの薬剤を組み合わせて投与する」と言う。
【0087】 スルビビン活性の阻害は、通常の化学療法または抗脈管形成薬と組み合わせて
用いることができる。スルビビン活性を阻害する薬剤と組み合せてこうした薬剤
を用いるためのタイミングは、用いられる化学療法剤および治療される腫瘍細胞
のタイプに依存する。スルビビン活性を生じさせる薬剤と組み合わせて用いるこ
とができる化学療法剤の例には、シクロホスファミド(CTX;シトキサン)、
クロラムブシル(CHL;ロイケラン)、シスプラチン(CisP;プラチノー
ル)、ブスルファン(マイレラン)、メルファラン、カルムスチン(BCNU)
、ストレプトゾトシン、トリエチレンメラミン(TEM)、ミトマイシンC、お
よびこれらに類するアルキル化剤などのアルキル化剤;メトトリキセート(MT
X)、エトポシド(VP16;ベピシド)、6−メルカプロプリン(6MP)、
6−チオグアニン(6TG)、シラタビン(Ara−C)、5−フルオロウラシ
ル(5FU)、ダカルバジン(DTIC)、およびこれらに類する代謝拮抗物質
などの代謝拮抗物質;アクチノマイシンD、ドキソルビシン(DXR;アドリア
マイシン)、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイ
シン、およびこれらに類する抗生物質などの抗生物質;ビンクリスチン(VCR
)、ビンブラスチン、およびこれらに類するものなどのビンカアルカノイドのよ
うなアルカロイド;タキソールおよびタキソール誘導体、デキサメタゾン(DE
X;デカドロン)などのグルココルチコイドおよびプレドニゾンなどのコルチコ
ステロイドのような細胞増殖阻害剤、ヒドロキシ尿素などのヌクレオシド酵素阻
害剤、アスパラギナーゼなどのアミノ酸消耗酵素、およびこれらに類する多種多
様な抗腫瘍剤などの他の抗腫瘍剤が挙げられるが、それらに限定されない。
【0088】 化学療法薬養生法における上記載細胞毒剤の使用は、一般に、癌治療の技術分
野においてよく特性付けられており、本願におけるそれらの使用は、寛容性およ
び有効性をモニターするため、および何らかの調整で投与経路および投与量を調
節するために同じ考慮のもとで行われる。例えば、細胞毒剤の実際の投与量は、
本組織培養法を用いて測定される患者の培養細胞応答に依存して変化しうる。一
般に、投与量は、スルビビンの活性/発現を生じさせる薬剤が不在の状態で用い
た量と比較して減少するであろう。
【0089】 有効な細胞毒剤の典型的な投与量は、製造者によって推奨された、およびイン
ビトロ応答または動物モデルにおける応答によって示される範囲であることがで
き、約一桁の濃度または量までに減少させることができる。従って、実際の投与
量は、医者の判断、患者の状態、および初代培養された悪性細胞または組織培養
された組織サンプルのインビトロ応答性または適切な動物モデルにおいて観察さ
れた応答に基づく治療法の有効性に依存するであろう。
【0090】 さらに説明しなくとも、当業者は、前の説明および以下の例示的な実施例を用
いて、本発明の化合物を製造、利用して、特許請求の範囲に記載の方法を実施す
ることができる。従って、以下の実施例は、本発明の好ましい実施の形態を特に
指摘するものであり、いかなる点においても残りの開示を制限するものと見なさ
れるべきではない。本願全体を通して引用するすべての論文、出版物、特許およ
び文献は、それらの全体が参考文献として、本明細書に援用される。
【0091】
【実施例】
(材料および方法) 細胞系: 子宮頚癌HeLa細胞(American Type Cultu
re Collection)を、10%のウシ胎仔血清(FCS,Gemin
i Bio−Products,Calabasas,CA)および抗生物質を
含有するDulbeccoの変性Eagle最小必須培地(DMEM;GIBC
O BRL,Grand Island,NY)中で維持した。内在性スルビビ
ンを発現するYUSAC−2黒色腫細胞系は、以前に特性決定されている(Gr
ossmanら、1999)。400μMのミモシン(G1)、2mMのチミジ
ン(S)または0.4μg/mLのノコダゾール(G2/M)の存在下で、16
時間、37℃で培養することによって、報告されている(Liら、1998)よ
うに、細胞周期の同調化を行った。多様な条件のもとでの細胞周期停止を、ヨウ
化プロピジウム染色およびフローサイトメトリーによるDNA含量分析によって
確認した。
【0092】 抗体: 野生型組換えスルビビンに対する親和カラム精製ウサギ抗体は、以前
に報告されている(Grossmanら、1999)。報告されている(Lie
ら、1998)ように、抗スルビビン mAb 8E2(IgG1)を免疫蛍光
検査法に用いた。カスパーゼ−9に対するウサギ抗体(1:2000希釈)およ
びカスパーゼ−8に対するウサギ抗体(1μg/mL)は、Pharminge
n,San Diego,CAから購入した。p34cdc2に対するウサギ抗体(
1〜10μg/mL)およびCdk2に対するウサギ抗体(10μg/mL)は
、Zymed,San Francisco,CAおよびSanta Cruz
からそれぞれ購入した。HAに対するラット抗体(0.1〜5μg/mL)は、
Boehringer Mannheim,San Diego,CAからのも
のである。発表されているプロトコル(Grossmanら、1999)に従っ
て、リン酸化Thr34*)を含むスルビビンペプチド配列L28EGCACT*
ERMAEAGFI44(配列番号1)に対してウサギ抗体を作製した。一定量の
免疫血清を、4℃で一定攪拌のもと、セファロース2Bと共に一晩インキュベー
トすることによって、予備浄化して、親非リン酸化スルビビンペプチドL28EG
CACTPERMAEAGFI44(配列番号1)を含有するセファロースカラム
にかけ、非結合材料を、リン酸化L28EGCACT*PERMAEAGFI44
配列番号1)スルビビンペプチドカラムを用いてさらに親和カラム精製した。結
合免疫グロブリンを0.1Mのグリシン(pH2.5)で溶出し、中和して、P
BS(pH7.4)に一晩透析して、10μg/mLで免疫ブロット実験に用い
た。リン酸化スルビビンを認識する抗体は、本発明の方法に用いることができ、
スルビビンリン酸化の拮抗物質を用いる治療の有効性をモニターするために用い
てもよいし、または免疫組織化学法またはウエスタンブロット法によって腫瘍サ
ンプルなどの細胞サンプルにおいてリン酸化スルビビンを検出するために用いて
もよい。
【0093】 オリゴヌクレオチド、プラスミドおよび組換えタンパク質: 製造者の仕様書に従って、Thr34→Ala(T34A)置換を挿入したター
ゲティングオリゴヌクレオチド5’GGCTGCGCCTGCgCCCCGGA
GCGGATG3’(配列番号2)で、GeneEditorシステム(Pro
mega,Madison,WI)を用いて、野生型スルビビンcDNAの部位
特異的突然変異誘発(Ambrosiniら、1997)を行った。抗生物質選
択後、変異プラスミドDNAを単離し、DNAシークエンスによって確認した。
スルビビン(T34A)cDNAを、別途、pcDNA3(Invitroge
n,San Diego,CA)およびpEGFPc1(Clontech,S
an Francisco,CA)ベクターのHinDIII/EcoRI部位
にも挿入した。野生型スルビビンおよびスルビビン(T34A)をコードするH
A標識された構築体は、HA標識を含む5’−オリゴヌクレオチド5’CCCA
AGCTTATGTATCCGTATGATGTTCCTGATTATGCTG
GTGCCCCGACGTTGCCC3’(配列番号3)および3’−オリゴヌ
クレオチド5’CGGGATCCGGAAGTGGTGCAGCCACTCTG
3’(配列番号4、野生型スルビビン)または5’ACGAATTCAATCC
ATGGCAGCCAG3’(配列番号5、スルビビン(T34A))を用い、
PCRによって得た。PCR産物をHindIII/BamHI(522bp、
HA−スルビビン)またはHindIII/EcoRI(473bp、HA−ス
ルビビン(T34))のいずれかで消化し、pcDMA3中で指向性クローニン
グして、DNAシークエンスによって確認した。pEGFPc1中の野生型スル
ビビン cDNAは、以前に特性決定されている(Liら、1999)。
【0094】 Met1−Asp330をコードするカスパーゼ−9 cDNAを、オリゴヌクレ
オチド(5’CCCAAGCTTCCATGGACGAAGCGGATCGG3
’、配列番号6、順方向)および(5’CGGAATTCTTAGTCCAGC
TGGTCGAAGGTC3’、配列番号7、逆方向)を用いてPCRによって
増幅させ、HindIII/EcoRIで消化して、pEGFPc1中で指向性
クローニングし、DNAシークエンシによって確認した。オリゴヌクレオチド
5’CCCAAGCTTCCATGGACGAAGCGGATCGG3’(配列
番号6、順方向)および5’GTCTTTCTGCTCCCCACCggcGG
CCTGGATGAAAAAGAGC3’(配列番号8、逆方向)で892nt
のカスパーゼ−9 cDNAの5’産物を増幅すると共に、オリゴヌクレオチド
5’GCTCTTTTTCATCCAGGCCgccGGTGGGGAGCA
GAAAGAC3’(配列番号9、順方向)および5’CGGAATTCTTA
TGATGTTTTAAAGAAAAGTTTTTTCC3’(配列番号10、
逆方向)で422ntの3’産物を増幅することによるオーバーラッッピングP
CRによって、カスパーゼ−9ドミナントネガティブ突然変異体(Cys287
Ala)を作製した。オリゴヌクレオチド 5’CCCAAGCTTCCATG
GACGAAGCGGATCGG3’(配列番号6、順方向)および5’CGG
AATTCTTATGATGTTTTAAAGAAAAGTTTTTTCC3’
(配列番号10、逆方向)を用いて、PCRにより等濃度の各ゲル精製カスパー
ゼ−9断片を増幅した。1272nt PCRから得られた産物をHindII
I/EcoRIで消化し、pcDNA3またはpEGFPc1中で指向性クロー
ニングして、DNAシークエンスによって確認した。すべてのプラスミドをイオ
ン交換クロマトグラフィー(Qiagen,Valencia,CA)によって
精製した。pGEX2T(Pharmacia,Piscataway,NJ)
中の野生型スルビビンまたはスルビビン(T34A)を、以前に報告されている
ように(Liら、1998)、BL21 E.Coli中でGST融合タンパク
質として発現させた。トロンビンを用いて一晩分解し、その後、1−M ベンズ
アミジン中で中和して、pH7.4のPBS中で一晩透析することによって、組
換えタンパク質をGSTフレームから遊離させた。カスパーゼ−8(C360C
)ドミナントネガティブ突然変異体(Boldinら、1996)は、V.Di
xit博士(Genentech Inc.San Francisco)から
入手した。
【0095】 トランスフェクション実験: 一過性トランスフェクションのために、C−6組織培養プレート(Costa
r,Cambridge,MA)中、集密度〜60から70%でのHeLa細胞
を、1mLの無血清OptiMEM培地(Life Technologies
,Gaithersburg,MD)中で20分間インキュベートし、2.5μ
gの多様なプラスミド cDNAおよび9μLのリポフェクタミン(Life
Technologies)でトランスフェクトした。37℃で5時間インキュ
ベートした後、混合物をアスピレートし、48から72時間、完全増殖培地で置
換した。安定なYUSAC−2トランスフェクタントを作製するために、Tet
耐性オペロン(TetO)の調節配列の下流のpTet−スプライスベクター(
D.Schatz博士,Yale University School of
Medicine)のHindIII−SpeI部位にスルビビン(T34A
)cDNAを挿入した。1mLのOptiMem中の0.8μgのpTet−T
34A、0.8μgのトランスアクチーベション/選択プラスミドptTA−N
eoおよび5μLのリポフェクタミンでYUSAC−2細胞をトランスフェクト
した。トランスフェクション48時間後、1.5mg/mLのGenetici
n(G418,Life Technologies)、2mMの水酸化ナトリ
ウムおよび0.5μg/mLのTet(Sigma,St.Louis,MO)
(選択培地)を含有する増殖培地中で、細胞を低密度で15×150mmのプレ
ートに再びプレーティングした。培養3週間後、Tetの存在下または不在の状
態での増殖差について、96の個体のクローンをスクリーニングした。三つのク
ローンは、Tetが不在の状態で増殖を示さず、それらのうちの一つ(F5.C
4)を限界希釈法により再びクローニングした。
【0096】 フローサイトメトリー: 広範囲なカスパーゼ阻害因子Z−VAD−fmk(20μM)の存在下または
不在の状態で種々のGFP構築体でトランスフェクトしたHeLa細胞を48時
間後に回収し(非接着および接着細胞)、pH7.0のPBS中で洗浄して、氷
を用いて30分間、70%冷エタノール中に固定した。PBS中で洗浄後、細胞
(10×106/mL)を22℃で45分間、25μg/mLのヨウ化プロピジ
ウム(Sigma)、0.05%のTriton X−100および100μg
/mLのRNAse A(Boehringer Mannheim,Indi
anapolis,IN)を用いて染色した。Ceel Questソフトウエ
アを用いるFACSort(Becton Dickinson,San Jo
se,CA)を用いたフローサイトメトリーによって、ゲーテッドGFP発現細
胞をDNA含量について分析した。他の実験では、Tetの存在下または不在の
状態で、16時間37℃で5mMのチミジンを用いて培養することによって、F
5−C4細胞をG1/S境界で同調化した。インキュベーション終了時に、細胞
をチミジンブロックから遊離させて、ヨウ化プロピジウム染色およびフローサイ
トメトリーによるDNA含量分析のため、あるいはウエスタンブロット法(以下
参照)によるカスパーゼ−9処理のために、3時間間隔で回収した。
【0097】 TUNEL染色: Tetの存在下または不在の状態でのF5.C4細胞のヌクレオソーム間DN
A分断を、以前に報告された(Grossmanら、1999)ように、Apo
pTagキット(Intergen,Purchase,NY)を用いて末端デ
オキシヌクレオチドトランスフェラーゼ(TdT)およびペルオキシダーゼ抱合
抗ジゴキシゲニン抗体で末端標識することによって行った。
【0098】 免疫沈降およびウエスタンブロット法: 30分間、4℃で、50mMのTris(pH7.5)、1%のNP−40、
0.25%のDOC、150mMのNaCl、1mMのPMSF、10μg/m
Lのアプロチン、10μg/mLのロイペプチン、10μg/mLのペプスタチ
ン、1mMのNa3VO4、20mMのNaF、0.2mMのEGTA、1mMの
EDTA(pH8.0)を含有する200mLの溶解バッファーにHeLa細胞
を溶解した。14,000rpmで15分間遠心分離することによって不溶性物
質を除去し、一定攪拌しながら3時間、4℃で、25μLの50:50プロテイ
ンAセファローススラリー(Pharmacia)を用いて、200μgのタン
パク質溶解産物を予備吸収させた。予備浄化溶解産物を、一定攪拌しながら4℃
で16時間、p34cdc2、Cdk2またはHAに対する抗体と共に別々にインキ
ュベートした。4℃で2時間、50μLの50:50プロテインAスラリーを添
加することによって、免疫複合体を沈降させ、350mMのNaCl/溶解バッ
ファー中で三回洗浄し、さらに150mMのNaCl/溶解バッファー中で三回
洗浄した。12%のSDS−ポリアクリルアミドゲルを用いる電気泳動法によっ
てサンプルを分離し、イモビロン膜(Millipore Corp.)にトラ
ンスファして、4℃で、16時間、TBSとTween−20の中で、p34cd c2 に対する抗体(1μg/mL)、カスパーゼ−9、カスパーゼ−8、スルビビ
ン、またはHAに対する抗体(0.1μg/mL)と共に別々にインキュベート
した。洗浄後、化学発光(Amersham)によって免疫反応性バンドを視覚
化しながら、トランスファ膜を、HRP抱合抗マウス(Amersham)、抗
ウサギ(Amersham)、または抗ラット(Boehringer)二次抗
体(1:2000)と共に別々にインキュベートした。再プローブのために、膜
は、100mMの2−βメルカプロエタノール、2%のDSD、62.5mMの
Tris−HCl(pH6.7)中、50℃で、30分間ストリッピングした。
別の系列の実験では、集密度60%のHeLa細胞をHA−スルビビンまたはH
A−スルビビン(T34A)でトランスフェクトし、8時間、37℃で完全増殖
培地を補給した。16時間、37℃で2mMのチミジンを用いて処理することに
よって、細胞をG1/S境界で同調化し、完全増殖培地中で解除して、上で説明
したような免疫沈降およびフローサイトメトリーによるDNA含量分析のために
漸増時間間隔で回収した。
【0099】 スルビビンリン酸化およびインビトロキナーゼアッセイ: 指数増殖HeLa細胞をHA−スルビビンで一過的にトランスフェクトし、完
全DMEM中で44時間、回復させた。1時間、37℃で、細胞に無リン酸塩D
MEM(Life Technologies)を補給した。さらに5時間、3
7℃で、10%の無リン酸塩血清の存在下で、200μCi/mL32I(NE
N Life Science Products Inc.)を用いて細胞を
標識した。標識細胞を冷PBS(pH7.4)中で2回洗浄し、溶解バッファー
に溶解して、HAに対する抗体を用いて免疫沈降させ(上記参照)、その後、オ
ートラジオグラフィーに付した。インビトロキナーゼアッセイのために、バキュ
ロウイルス発現ヒトp34cdc2−サイクリンB1またはCdk2−サイクリンE
キナーゼ複合体を、30分間、30℃で、20mMのHEPES(pH7.4)
、10mMのMgCl2、0.5mMのDTT、10μMのATPおよび10μ
Ciの32P−ATP(Amersham)を含有する25μLの反応混合物中で
、1μgのヒストンH1、6μgの野生型スルビビンまたはスルビビン(T34
A)と共に、別々にインキュベートした。25μLの2xLaemmliサンプ
ルバッファの添加によって、反応を停止させた。5〜20%のSDSポリアクリ
ルアミドゲルを用いてサンプルを電気泳動し、オートラジオグラフィーによって
リン酸化バンドを視覚化した。各キナーゼ反応において等しいタンパク質の使用
量をゲルのクマシーブルー染色によって確認した。
【0100】 免疫蛍光検査法および共焦点顕微鏡検査法: 多様なGFP構築体でトランスフェクトしたHeLa細胞を48時間後に回収
し、22℃で10分間、0.25%のTriton X−100を含有する4%
のp−ホルムアルデヒド中に固定した。6.5μg/mLの4,6−ジアミジノ
−2−フェニルインドール(DAPI、Sigma)、16%のポリビニルアル
コール(Air Products and Chemicals,Allen
town,PA)、および40%のグリセロールを用いて細胞核を染色した。報
告されている(Liら、1999)ように、Zeiss蛍光顕微鏡を用いて、G
EP発現細胞を、個々に、アポトーシスの核形態(染色質濃度、DNA分断)に
ついて点数付けした。共焦点顕微鏡分析のために、光学グレードのカバーガラス
上にHeLa細胞を固定し、報告されている(Liら、1998)ように、スル
ビビンに対するmAb 8E2で、またはp34cdc2に対するウサギ抗体で標識
した。FITC標識ヤギ抗マウスIgG(スルビビン)およびTexas Re
d(RT)抱合ヤギ抗ウサギIgG(p34cdc2)(Molecular Pr
obes,Junction City,OR)の添加によって、一次抗体の結
合を明らかにした。他の実験では、HeLa細胞を、HA−スルビビン、HA−
スルビビン(T34A)、またはスルビビン(L64A)でトランスフェクトし
、HAに対する抗体、mAb 8E2(L64A)、またはカスパーゼ−9、続
いて、抗マウス(FITC)または抗ウサギ(TR)抱合抗体をそれぞれ用いて
染色した。全ての実験に対して、非結合マウスまたはウサギを対照として使用し
た。Mowiol 4−88(Hoechst,Frankfurt/Main
,Germany)に装着したカバーガラスを、Zeiss Axiophot
顕微鏡を用いて、または共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM Bio−Rad
1024)によって分析した。ファイルをアセンブルし、ADOBE Pho
toshop 5.0を用いて印刷した。
【0101】 (実施例1) スルビビンのリン酸化 A.p34cdc2−サイクリンB1によるThr34でのスルビビンのリン酸化 スルビビンの一次配列を調べると、p34cdc2のための潜在的リン酸化部位が
Thr34と明らかになった(図1A)。Clustal整列によって、p34cd c2 コンセンサスリン酸化配列S/T−P−X−R(配列番号11;Holmes
and Solomon,1996)にマッチする領域T34−P−E−R(配
列番号11)は、ヒトおよびマウススルビビンにのみ見出され、多様な種からの
IAPタンパク質中には不在であった(図1AおよびDeveraux and
Reed,1999)。インビトロキナーゼアッセイにおいて、バキュロウイ
ルス発現p34cdc2−サイクリンB1は、組換え野生型スルビビンを容易にリン
酸化し、これに対して、Thr34→Alaの置換、すなわち、スルビビン(T3
4A)は、p34cdc2−サイクリンB1によるリン酸化を完全にやめさせた(図
1B)。対照実験において、バキュロウイルス発現Ddk2−サイクリンEは、
野生型スルビビンまたはスルビビン(T34A)をリン酸化しなかったのに対し
て、p34cdc2−サイクリンB1またはCdk2−サイクリンEは、ヒストンH
1を容易にリン酸化した(図1B)。リン酸化Thr34(T*)を含むスルビビ
ンペプチド配列L28EGCACT*PERMAEAGFI44(配列番号1)に対
してウサギ抗体を作製し、連続的に、非リン酸化/リン酸化ペプチド−セファロ
ースカラムを用いて親和カラム精製して、免疫ブロット法に用いた。リン酸化T
hr34に対する抗体は、p34cdc2−サイクリンB1によるインビトロでのリン
酸化後には野生型スルビビンを認識したが、p34cdc2−サイクリンB1とのイ
ンキュベーション後には非リン酸化スルビビンまたはスルビビン(T34A)を
認識しなかった(図1C)。対照的に、スルビビンに対する抗体(Grossm
anら、1999)は、p34cdc2−サイクリンB1媒介リン酸化を伴う、また
は伴わない野生型スルビビンまたはスルビビン(T34A)を見分けがつかない
ほど認識した(図1D)。他の実験において、HA標識スルビビンをHeLa細
胞内でトランスフェクトし、32Piオルトリン酸塩で代謝標識した。HAに対す
る抗体での免疫沈降は、インビボで16.5kDa スルビビンの顕著なリン酸
化を示したのに対し、対照の非結合抗体は、HeLa細胞からの放射標識バンド
を免疫沈降しなかった(図1D)。
【0102】 B.スルビビンとp34cdc2の間の物理的会合 G1、S,またはG2/Mで停止させたHeLa細胞を清浄溶解し、p34cd c2 に対する抗体を用いて免疫沈降させた。G2/M停止HeLa細胞からのp3
cdc2免疫沈降物のウエスタンブロット法は、会合した16.5kDa スルビ
ビンの存在を示し、これは、非同調増殖培養物と比較して有糸分裂細胞が豊富で
あった(図2A)。対照的に、G1−またはS−停止培養物からのp34cdc2
疫沈降物では、スルビビンバンドは、免疫ブロットされなかった(図2A)。ス
ルビビンのp34cdc2リン酸化の特異性(図1)と一致して、G1−,S−また
はG2/M−同調化HeLa細胞からのCdk2免疫沈降物は、ウエスタンブロ
ット法によると、16.5kDa スルビビンを含まなかった(図2A)。相互
的な実験において、HA−スルビビンまたはHA−スルビビン(T34A)は、
ウエスタンブロット法によると、顕著なp34cdc2バンドを含むHeLa細胞か
ら免疫沈降せず、従って、スルビビン−p34cdc2の相互作用は、Thr34とは
無関係であることが実証された。二重免疫蛍光標識および共焦点顕微鏡検査法に
よると、内在性p34cdc2およびスルビビンは、前期および中期には有糸分裂紡
錐体微小管上に強く共局在化し、終期には中間体内に集中した(図2C)。
【0103】 (実施例2) アポトーシスのスルビビン調節 A.リン酸化不能スルビビン(T34A)の発現によって誘導される自発性アポ
トーシス 外因性アポトーシス刺激が不在の状態で、グリーン蛍光タンパク質(GFP)
に融合させたスルビビン(T34A)でのHeLa細胞のトランスフェクション
によって、〜80%のGFP発現細胞において自発染色質凝縮およびDNA分断
が生じた(図3A、B)。同様の結果が、GFP−カスパーゼ−9(Met1
Asp330)のトランスフェクションで得られたのに対し、GFPベクターまた
は野生型スルビビンの発現は、HeLa細胞の核形態に作用しなかった(図3A
、B)。HeLa細胞における多様な構築体の同等の発現が、GFP発現個体群
に対するゲーティングによるフローサイトメトリーによって確認された(図示せ
ず)。他の実験では、GEP−スルビビン(T34A)の発現の結果、広範囲な
カスパーゼ阻害因子、Z−VAD−fmkによって逆行させた反応において、ヨ
ウ化プロピジウム染色およびフローサイトメトリーによる低二倍体(sub−G
1)DNA含量を有するHeLa細胞が出現した(図3C)。β−チューブリン
に対する抗体でのHeLa細胞発現スルビビン(T34A)の免疫蛍光標識は、
多極性で肉眼的に異常な有糸分裂紡錐体の集合を特徴とする有糸分裂トランジシ
ョンの深在性異常調節を示した(図3D)。対照的に、野生型スルビビンでトラ
ンスフェクトしたHeLa細胞は、正常二極性紡錐体を形成した(図3D)。
【0104】 B.スルビビン(T34A)によって誘導されるアポトーシスは、有糸分裂と
同時に起きる。 内在性スルビビンを発現するYUSAC−2黒色腫細胞(Grossmanら
、1999)を安定にトランスフェクトして、テトラサイクリン(Tet)調節
プロモータ(Tet−offシステム)(Shockettら、1995)の制
御のもとでスルビビン(T34A)を発現させた。三つの独立したトランスフェ
クトテッド細胞系からのTetの抜取り(Tet−)の結果、ウエスタンブロッ
ト法による〜16.5kDa スルビビン(T34A)の強い誘導を生じたが、
Tet含有培養物(Tet+)では生じなかった(図示せず)。スルビビン(T
34A)の誘導後、Tet細胞系は、ヨウ化プロピジウム染色およびフローサイ
トメトリーにより、有糸分裂(G2/M)細胞のほぼ完全な欠失、およびアポト
ーシス(sub−G1)DNA含量を有する顕著な個体群の出現を示した(図4
A)。対照的に、Tet+系は、正常なG2/M DNA含量を有し、アポトー
シス(sub−G1)画分の増加は示さなかった(図4A)。一つのトランスフ
ェクトされたYUSAC−2細胞系(F5.C4)を、限界希釈法によって再び
クローニングし、その後の実験で用いた。真性アポトーシス形態(図2)と一致
して、F5.C4細胞系は、Tegが不在の状態ではTUNELによるヌクレオ
ソーム間DNA分断について強く標識されたが、Tetの存在下ではされなかっ
た(図4B)。
【0105】 Tetを伴い、または伴わずに、F5.C4細胞をG1/S境界で同調化し、
遊離させて、ヨウ化プロピジウム染色およびフローサイトメトリーによって3時
間間隔で細胞周期の移行をモニターした。Tetの存在下(Tet+)で、F5
.C4細胞は、細胞周期全体を通してアポトーシス(sub−G1)画分に有意
な変化を伴わず、チミジン遊離9時間後に第一有糸分裂に近づき、15〜18時
間までに細胞分裂を完了して、21時間後に再びG1に入った(図4C)。Te
tが不在の状態で、(Tet−)F5.C4細胞は、類似の細胞周期進行速度を
示した(図4C)。しかし、Tet−F5.C4細胞の有糸分裂への突入は、有
糸分裂全体を通しておよび後のG1ピークが相当減少する次の有糸分裂期におい
て着実に増加するsub−G1 DNA含量を伴うアポトーシス個体群の出現と
正確に一致した(図4C)。
【0106】 (実施例3) スルビビンおよびカスパーゼ−9 A.スルビビン−カスパーゼ−9の相互作用のリン酸化依存性調節 有糸分裂時のスルビビンとターゲットカスパーゼ(類)の潜在的な会合を研究
した。トランフェクション24時間後、HeLa生細胞からのHA−スルビビン
またはHA−スルビビン(T34A)の免疫沈降物は、ウエスタンブロット法に
より、会合した〜46kDaプロフォームカスパーゼ−9の存在を示した(図5
A)。対照的に、野生型スルビビンまたはスルビビン(T34A)の免疫沈降物
は、ウエスタンブロット法によると、上流の別のイニシエーター・カスパーゼ、
カスパーゼ−8を含まなかった(図5B)。共免疫沈降法およびウエスタンブロ
ット法の実験を、トランスフェクション後48時間の接着または非接着、すなわ
ち有糸分裂/アポトーシスHeLa細胞から繰り返した。図5Cに示すように、
接着または非接着HeLa細胞抽出物からのHA−スルビビン免疫沈降物は、ウ
エスタンブロット法により、会合した〜35kDa 活性カスパーゼ−9の存在
を明らかにした(図5C)。これらの免疫沈降物からの上清の分析は、接着細胞
からの抽出物において主46kDaプロフォームカスパーゼ−9バンドを、およ
び有糸分裂/アポトーシス抽出物において〜35kDa活性カスパーゼ−9を明
らかにした(図5C)。対照的に、接着細胞、すなわちHeLa生細胞からのリ
ン酸化不能HA−スルビビン(T34A)の免疫沈降物は、ウエスタンブロット
法によると、ほとんど検出できない量の〜35kDa活性カスパーゼ−9を含有
し、〜46kDaプロフォームカスパーゼ−9を含有しなかった(図5)。有糸
分裂/アポトーシスHeLa細胞抽出物を用いて同様の実験を繰り返したとき、
HA−スルビビン(T34A)の免疫沈降物は、ウエスタンブロット法によると
、会合したプロフォームバンドまたは活性カスパーゼ−9バンドを含まなかった
(図5C)。上で提供したデータと一致して、これらの免疫沈降からの上清は、
接着細胞において〜46kDaプロフォームカスパーゼ−9を、および有糸分裂
/アポトーシス抽出物において〜35kDa活性カスパーゼ−9を含有した(図
5C)。Thr34リン酸化が有糸分裂時に活性/プロフォームカスパーゼ−9に
ついてのスルビビンの認識に影響を及ぼすかどうかを決定するために、共免疫沈
降法およびウエスタンブロット法の実験を、細胞周期進行中に同調化したHeL
a細胞から行った。チミジン遊離後0または6時間の中期HeLa細胞からの野
生型スルビビンまたはスルビビン(T34A)の免疫沈降物は、〜46kDaお
よび〜35kDaのプロフォーム/活性カスパーゼ−9バンドをそれぞれ含有し
ていた(図5D)。しかし、チミジン遊離の12時間後、有糸分裂に入った同調
化HeLa細胞において、HA−スルビビン免疫沈降物は、〜35kDa活性カ
スパーゼ−9としか会合しなくなったのに対し、プロフォームと活性、両方のカ
スパーゼ−9バンドが、上清において検出された(図5D)。対照的に、有糸分
裂HeLa細胞からのリン酸化不能スルビビン(T34A)の免疫沈降物は、関
係する上清中に蓄積した会合プロフォームまたは活性カスパーゼ−9バンドを含
有していなかった(図5D)。対照実験において、チミジン遊離の12時間後、
同調化HeLa細胞の有糸分裂への突入が、DNA含量分析およびフローサイト
メトリーによって実証された(図示せず)。
【0107】 B.インビボでのスルビビン−カスパーゼ−9複合体のリン酸化依存性局在化 免疫蛍光検査法および共焦点顕微鏡検査法によると、HA−スルビビンおよび
HA−スルビビン(T34A)は、中期において、有糸分裂紡錐体微小管に結合
したHeLa細胞中でトランスフェクトし(図示せず)、後期において、内在性
スルビビンと見分けがつかないほど中間体内に蓄積された(図6A、B)。HA
−スルビビントランスフェクト体において、カスパーゼ−9についての同時標識
は、終期の異なるステップでの中間体において分散した細胞質の反応性およびカ
スパーゼ−9のスルビビンとの顕著な共局在化を明らかにした(図6A)。これ
は、上で提供した免疫沈降データと一致する。HA−スルビビン(T34A)で
トランスフェクトしたHeLa細胞も、細胞質全体にわたってカスパーゼ−9に
ついての分散した標識を示した(図6B)。しかし、リン酸化不能HA−スルビ
ビン(T34A)の存在下では、カスパーゼ−9は、選択的に中間体へのその局
在化を喪失し、終期においてスルビビン(T34A)と共に会合しなかった(図
6B)。このことは、スルビビン(T34A)−活性カスパーゼ−9複合体の解
離と一致する(上記参照)。対照実験において、バイキュロウイルスIAP反復
(BIR)、における別のスルビビン点突然変異体(Leu64→Ala)は、ア
ポトーシスをもたらさず(図示せず)、終期において中間体内に内在性カスパー
ゼ−9と共に物理的に局在化した(図6C)。
【0108】 C.有糸分裂時のカスパーゼ−9依存性アポトーシスのチェックポイント 活性カスパーゼ−9がリン酸化不能スルビビン(T34A)によって誘導され
るアポトーシスに関与したかどうかを決定すること。ウエスタンブロット法によ
って、細胞周期同調化Tet−F5.C4のアポトーシスは、〜46kDaプロ
フォームカスパーゼ−9の時間依存性分解ならびに〜35kDaおよび〜37k
Da活性カスパーゼ−9バンドの生成と関係付けられた(図7A)。Tet−F
5.C4細胞のアポトーシスの動態と一致して、活性カスパーゼ−9バンドの生
成は、チミジン遊離9時間後に始まり、有糸分裂に増加して、遊離24時間後の
後期有糸分裂細胞において、〜46kDaプロフォームカスパーゼ−9バンドの
ほぼ完全な消失とともに、ピークに達した(図7A)。TNFα/シクロヘキシ
ミドで処理したHeLa細胞では、見分けがつかないカスパーゼ−9分解の結果
が観察された(図7A)。対照的に、Tet+F5.C4細胞は、有糸分裂時に
〜46kDa カスパーゼ−9のタンパク質分解性の分解を示さなかった(図7
A)。他の実験において、カスパーゼ−9(C287A)ドミナントネガティブ
突然異性体(Duanら、1996)でのHeLa細胞のトランスフェクション
は、エトポシドによって誘導される核分断およびクロマチン凝縮を阻害した(図
7B)。これは、以前の観察と一致する(Panら、1998)。カスパーゼ−
9(C287A)の発現は、スルビビン(T34A)によって誘導されるHeL
a細胞アポトーシスをベクター対照トランスフェクト体で観察されるバックグラ
ウンドレベルに逆行し(図7B)、中間体でのカスパーゼ−9と内在性スルビビ
ンとの共局在化を回復させた(図示せず)。対照実験において、HeLa細胞の
カスパーゼ−8(C360S)ドミナントネガティブ突然変異体(Boldin
ら、1996)でのコ・トランスフェクションは、スルビビン(T34A)によ
って誘導されるアポトーシスを減少させなかったのに対し、TNFα/シクロヘ
キシミドによって誘導される細胞死を完全に阻害した(図7B)、これは、以前
の観察と一致する(Boldinら、1996)。
【0109】 実施例1から3の結果は、スルビビン、癌において過発現される(Ambro
siniら、1997;Velulescuら、1999)IAPアポトーシス
阻害因子(Deveraux and Reed,1999)が、サイクリン依
存性キナーゼ複合体、p34cdc2−サイクリンB1(Nurse,1994)と
物理的に会合し、Thr34においてp34cdc2によってリン酸化されることを示
している。リン酸化不能スルビビン(T34A)突然変異体を発現する表現型の
細胞に基づき、Thr34に対するリン酸化は、活性対プロフォームカスパーゼ−
9に対するスルビビンの親和性を切り換え、有糸分裂時にこの抗アポトーシス複
合体を安定化する(図13)。逆に言えば、p34cdc2によるスルビビンリン酸
化の喪失は、スルビビン−活性カスパーゼ−9複合体の解離、中間体からのカス
パーゼ−9の選択的異常局在化、および有糸分裂を通り抜ける細胞のカスパーゼ
−9依存性アポトーシスをもたらす(図13)。
【0110】 (実施例4) スルビビンのリン酸化を調節する薬剤を特定する方法 スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体との間の上記相互作
用によって、スルビビンのリン酸化を調節する薬剤を特定するためのアッセイを
開発することができる。こうしたアッセイは、共通のステップとして、薬剤の存
在下でスルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体とを接触させる
ステップおよびその薬剤が前記キナーゼ複合体によるスルビビンのリン酸化を調
節するかどうかを決定するステップを用いる。スルビビンのリン酸化を定量する
ためのあらゆる手段を用いることができる。
【0111】 一つの方式において、スルビビンのリン酸化を調節する薬剤の能力を検定する
。20mMのHEPES(pH7.4)、10mMのMgCl2、0.5mMの
DTT、10μMのATPおよび10μCiの32P−ATP(Amersham
)を含有する25μLの反応混合物中、薬剤の存在下および不在の状態で、バキ
ュロウイルス発現p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体を、1μgのヒス
トンH1、6μgの野生型スルビビンと共に、30℃で30分間インキュベート
する。この二つの反応を、25μLの2xLaemmliサンプルバッファーの
添加によって停止させる。リン酸化したスルビビンの量を定量するために、上記
サンプルを5から20%SDSポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動にかけ
、リン酸化バンドをオートラジオグラフィーによって視覚化する。ゲルのクマシ
ーブルー染色によって、各キナーゼ反応において等しいタンパク質使用量を確認
する。次に、p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体によるスルビビンのリ
ン酸化を調節する薬剤の能力を、薬剤にさらしたサンプルにおけるリン酸化スル
ビビンの量または分量と、対照(薬剤にさらしていない)サンプル中のリン酸化
スルビビンの量または分量とを比較することによって決定する。リン酸化スルビ
ビンの量は、スルビビンゲルバンドを切り出すことによって定量し、シンチレー
ションカウンターでカウント(計数)する。リン酸化スルビビンの量は、定量デ
ンシトメトリーによって決定することもできる。
【0112】 (実施例5) スルビビン/p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の会
合またはリン酸化スルビビン/カスパーゼ−9複合体の会合を調節する薬剤を特
定する方法 スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体との間の、およびリ
ン酸化スルビビンとカスパーゼ−9との間の上記相互作用によって、スルビビン
と34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の会合およびスルビビンとカスパー
ゼ−9の会合を調節する薬剤を特定するためのアッセイを開発することができる
。こうしたアッセイは、共通のステップとして、薬剤の存在下でスルビビンとp
34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体とを接触させるステップ、およびその
薬剤がスルビビンの前記キナーゼとの結合またはスルビビンとカスパーゼ−9と
の結合を調節かどうかを決定するステップを用いる。
【0113】 一つの方式において、スルビビン/p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合
体の会合を調節する薬剤の能力を検定する。非同調増殖HeLa細胞を、スルビ
ビンをコードする核酸でトランスフェクトし、24時間後に清浄溶解する。清浄
溶解細胞のサンプルの一つを試験薬剤とともにインキュベートする。第二のサン
プルは、いずれの試験薬剤ともインキュベートしない。サンプルを、p34cdc2 に対する抗体を用いて免疫沈降させ、電気泳動法によって分離して、ナイロン膜
にトランスファし、p34cdc2抗体で免疫ブロットする。その後、スルビビン/
p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の相互作用を調節する薬剤の能力を
、その薬剤の存在下および不在の状態でのゲル上のp34cdc2−サイクリンB1
キナーゼ複合体の位置を比較することによって、決定する。
【0114】 別法として、スルビビン/p34cdc2−サイクリンB1キナーゼを調節する薬
剤は、実施例4のもとで説明したものに類似したインビトロキナーゼアッセイを
用いることによって特定することができる。例えば、上記のリン酸化スルビビン
特異的抗体を用いることによってリン酸化スルビビンの量を決定すること、およ
び試験薬剤の存在下および不在の状態でリン酸化スルビビンの量を比較すること
によって、当業者は、その薬剤がスルビビンのリン酸化および/またはスルビビ
ンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼの間の相互作用を阻害するかどうかを
決定することができる。
【0115】 もう一つの方式において、リン酸化スルビビン/カスパーゼ−9の会合を調節
する薬剤の能力を検定する。20mMのHEPES(pH7.4)、10mMの
MgCl2、0.5mMのDTT、10μMのATPおよび10μCiの32P−
ATP(Amersham)を含有する25μLの反応混合物中で、バキュロウ
イルス発現p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体を、1μgのヒストンH
1、6μgの野生型スルビビンと共に30℃で30分間インキュベートする。反
応を停止させる。カスパーゼ−9および試験薬剤をそのサンプルに添加する。バ
キュロウイルス発現p34cdc2−サイクリンB1およびスルビビンを含有する対
照サンプルには、カスパーゼ−9のみを添加する。その後、リン酸化スルビビン
とカスパーゼ−9の間の会合を検出する。例えば、カスパーゼ−9に対する抗体
を用いてサンプルを免疫沈降させ、電気泳動法によって分離して、ナイロン膜に
トランスファし、カスパーゼ−9抗体で免疫ブロットする。その後、スルビビン
/カスパーゼ−9の相互作用を調節する薬剤の能力を、その薬剤の存在下および
不在の状態でのゲル上のカスパーゼ−9の位置を比較することによって決定する
【0116】 (実施例6) ヒト黒色腫細胞に対するスルビビン拮抗物質の影響 内在性スルビビンを構成的に発現するYUSAC−2ヒト黒色腫細胞(Gro
ssmanら、1999b)を、テトラサイクリン(tet)調節(「tet−
オフ」)プロモータ系(Shockettら、1995)の制御のもとで、スル
ビビン拮抗物質を用いて安定にトランスフェクトした。
【0117】 オリゴヌクレオチド5’GGCTGCGCCTGCgCCCCGGAGCGG
ATG3’(配列番号2)および製造者の指示書に従ってGeneEditor
システム(Promega,Madison,WI)を用いて、部位特異的突然
変異誘発により、Thr34→Ala突然変異を1.6kbヒトスルビビンcDN
Aに導入した(Ambrosiniら、1997)。この突然変異体を、他のス
ルビビンBIRドメイン突然変異体と共に、報告されている(Liら、1998
)ように一過性トランスフェクション基づく自発性アポトーシスを誘導する能力
によって、ドミナントネガティブ機能について評価し、特に有効であることがわ
かった。Thr34→Ala突然変異を含むスルビビンcDNAを、pTetスプ
ライスのHindIII−Spe1部位にクローニングした(Stratage
ne,La Jlla,CA)。アンチセンス構築体を作製するために、野生型
スルビビン cDNAをpTetスプライスに逆方向でクローニングした。
【0118】 これら二つのスルビビン拮抗物質は、tet耐性オペロン(TetO)の調節
配列の下流でpTetスプライスにクローニングした。プラスミドpTA−Ne
oは、TetOの下流のtet調節トランスアクチベータ(tTA)配列、およ
びネオマイシン耐性遺伝子を含む。このタンデムプラスミド系において、tet
は、TetOに対するtTAの結合およびトランスジーンの転写を防止し、te
tが不在の状態において、tTAは、その固有転写をアップレギュレートして、
トランスジーンを発現させる。
【0119】 1ウエルにつき、0.8μgの拮抗物質ベクター、0.8μgのpTA−Ne
o、0.5μgのtet(Sigma,St.Louis,MO)、および5μ
gのリポフェクタミン(Life Technologies,Gaither
sburg,MD)を同時に添加することによって、YUSAC−2細胞(Gr
ossmmanら、1999)を6ウエルのプレート内でトランスフェクトした
。9時間後、トランスフェクション培地をアスピレートし、0.5μg/mLの
tetを含有する標準培地で置換した。トランスフェクションの開始から48時
間で、細胞をトリプシン処理し、洗浄して、1.5mg/mLのG418(Li
fe Technologies)、2mMの水酸化ナトリウムおよび0.5μ
g/mLのtetを含有する培地中、低濃度で、15×150mmのプレートに
、再びプレーティングした。この選択培地を6日ごとに交換し、三週間後、te
tの存在下と不在の状態での増殖差に基づく拡大およびスクリーニングのために
、96のコロニーをU底マイクロタイターウエルにトランスファした。BIR突
然変異体トランスフェクテッドクローンのうち、三つはtetが不在の状態で増
殖せず、そのうち二つ(F5.C4およびF5.E5と呼ぶ)を限界希釈法によ
って再びクローニングした。アンチセンスでトランスフトされたクローンのうち
、一つ(B8と呼ぶ)だけがtet依存性増殖を示した。細胞は、G418およ
びtetを含有する選択培地中で維持した。
【0120】 培地からtetを抜くと、Thr34→Ala突然変異体でトランスフェクトし
たYUSAC−2サブクローンF5.C4は、ウエスタンブロット法により16
.5kDa誘導スルビビンバンドを強く発現した(図8A)。対照してみると、
tetが培地中に存在した時、スルビビン発現の調節は観察されなかった(図8
A)。Thr34→Ala突然変異体でトランスフェクトしたもう一つのサブクロ
ーン、F5.E5は、同様に、tet調節性トランスジーン発現を実証した(図
示せず)。スルビビンアンチセンスでトランスフェクトしたサブクローンB8に
おいて、培地からのtetの除去は、RT−PCRによって評価されるように、
スルビビンアンチセンスRNAの急速な発現と関連した(図示せず)。Thr34 →Ala突然変異体またはスルビビンアンチセンスのtet調節性発現の結果、
ヨウ化プロピジウム染色およびフローサイトメトリー(図8B、および図示なし
)によって評価されるように、有糸分裂(G2/M)細胞の進行時間依存性損失
および低二倍体(sub−G1)DNA含量を有するアポトーシス細胞の一致し
た蓄積を生じた。Tet無摂取F5.C4細胞は、TUNELによって、アポト
ーシス核形態を示し、ヌクレオソーム間DNA分断について強く染色された(図
8C)。対照的に、tetの存在下で培養したF5.C4細胞は、正常な有糸分
裂進行(図8B)およびTUNEL反応性の欠如(図8C)を実証した。
【0121】 (実施例7) CB.17免疫不全マウスに対するスルビビン拮抗物質の影響 スルビビン拮抗物質の調節発現によるスルビビン機能の干渉が、CB.17免
疫不全マウスにおける黒色腫腫瘍形成をブロックしうるかどうかを決定するため
に、マウスを皮下注射後8週間モニターし、腫瘍の測定を4週および8週の時点
で行った(表I)。YUSAC−2細胞は、1〜3×106の細胞を皮下注射後
約3から4週間の、週齢6〜8歳の雌CB.17 SCID/ベージュマウス(
Taconic Farms,Germantown,NY)に、局在性腫瘍を
一貫して形成することが測定された。4ヶ月までの間、動物をモニターし、死亡
率または著しい転移のいずれかを、増大する腫瘍サイズ(5000mm3まで)
または腫瘍形成と関係づけた。注射の一日前、マウスの右側腹部を剃り、報告さ
れている(Shockettら、1995)ように、いつもの飲み水を、単独の
または100μg/mLのtetを含有する5%のスクロースに替えた。細胞は
、対数増殖期に回収し、PBS中で2回洗浄して、PBS中に再び浮遊させ(1
mLあたり12×106の細胞)、皮下注射した(0.25mL、3×106の細
胞)。飲み水を2から3日ごとに交換した。腫瘍のサイズは、二つの垂直径と皮
膚表面上の高さとの積によって決定した。
【0122】 トランスフェクトされていないYUSAC−2細胞は、局在性小結性メラニン
欠乏性腫瘍を容易に形成し、腫瘍形成は、飲み水からのtetの追加または不在
による影響を受けなかった(図8)。組織分析によってHMB−45、ヒト黒色
腫細胞のマーカーをポジティブに染色した大きな類上皮悪性細胞のシートが明ら
かとなった(図示せず;Kikuchiら、1996)。HMB−45抗体(Z
ymed Laboratories,San Francisco,CA)は
、製造者の指示書に従って用いた。対照的に、tetを飲み水から与えなかった
時、スルビビン Thr34→AlaでトランスフェクトしたF5.C4細胞は、
動物15匹中13匹(87%)に腫瘍を形成しなかった(図8D、図I)。これ
らの動物は、さらに3ヶ月の観察期間の間、腫瘍がないままであった。tetを
摂取していない動物に形成された腫瘍は、サイズが相当小さく、tetを与えた
動物のものと比較して著しく遅延した発症が現れた(表I)。スルビビン Th
34→Alaおよびスルビビンアンチセンスでそれぞれトランスフェクトしたサ
ブクローンF5.E5およびB8を注射した動物で同様の結果を得た(表I)。
【0123】 表I すべての動物についての腫瘍形成の概要 CB.17マウスに細胞を注射し、tetを飲み水から追加したかまたは与え
なかった。この「tet−オフ」プロモータ系において、トランスジーンは、t
etが不在の状態でのみ発現さる。腫瘍発生率は、指示したように4および8週
で観察した動物について報告する。平均腫瘍サイズ(mm3)±標準偏差は、指
示した観察時点で腫瘍を形成していたマウスについてのみ書きとめた。トランス
フェクトされていないYUSAC−2細胞と比較してスルビビン拮抗物質サブク
ローンによって形成された腫瘍のサイズがわずかに小さいのは、プロモータ系の
なんらかの漏出または解明されていないトランスジーンインサーションの結果の
ためであろう。
【0124】
【表1】
【0125】 (実施例8) 確立腫瘍に対するスルビビン拮抗物質の影響 次に、確立腫瘍に対するスルビビン拮抗物質の影響を評価した。15匹のマウ
スにF5.C4細胞を注射し、tetを提供して、腫瘍を形成させた。腫瘍が現
われて(20〜50mm3)きたら、tetを飲み水を与えず、腫瘍を5週間の
間モニターした。tetを用いて維持した動物では、F5.C4腫瘍に匹敵する
速度で成長した腫瘍はなかった(図10A)。それよりは、tetの投与を中止
した後、少しも成長しなかった幾つかの腫瘍で一定範囲の成長曲線を観察した(
図10A)。組織分析は、TUNELによって、スルビビン Thr34→Ala
の導入が、広範囲のネクローシスおよび顕著な細胞アポトーシスに関係付けられ
ることを示した。これは、これらの動物における腫瘍量の変化が実際の腫瘍成長
に反映されなかったことを示唆している。F5.C4腫瘍からのtetの撤回、
正常な有糸分裂像の欠如および異常有糸分裂の存在にも関係付けられた。これは
インビトロでのスルビビンのターゲティングに関連する有糸分裂進行の異常調節
と一致する(Lieら、1998)。tetが不在の状態で形成された二つの小
さなF5.C4腫瘍(表I)において、類似パターンのアポトーシス細胞死が見
られた(図示せず)。
【0126】 次に、インビボで観察される腫瘍の成長および生存性に対するこれらの影響が
、スルビビン Thr34→Alaのtet調節性発現によって誘導される自発性
アポトーシスに起因するかどうかを決定した。細胞をこれらの腫瘍の幾つから再
び確立し、インビトロでのアポトーシスのtet調節性導入について評価した。
腫瘍を外科手術によって摘出し、皮膚および皮下組織を切除した。次に、安全カ
ミソリの刃を用いて腫瘍を小片に切断し、PBS中で激しく渦巻き攪拌すること
によって、解離させて単個細胞浮遊液にした。細胞をPBS中で二回洗浄し、G
418およびtetを含有する選択培地中に再び浮遊させて、2から3継代培養
した。培地からtetを除去した時にtet応答性を保持したこれらの細胞は、
DNA含量分析によって低二倍体(アポトーシス)細胞の発生に関係付けられた
(図10B)。tet無摂取腫瘍における一部の生細胞の残存は、動物から完全
にtetを除去するおよびインビボで最大のトランスジーン発現を達成すること
が不可能であることを反映しうる。さらに、スルビビンの阻害は、細胞周期のG
2/M期の間の選択的作用をもたらすので非分割細胞を排除することができない
(Liら、1999)。
【0127】 上の実施例を参照しながら本発明を詳細に説明してきたが、本発明の精神から
逸脱することなく多様な修正を施すことができることが理解される。従って、本
発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【0128】 (追加参考文献) 以下の論文は、本明細書において、参考文献としてそれら全体が援用される。
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【図面の簡単な説明】
【図1A】 スルビビンおよびIAPタンパク質(配列番号11〜21)のクラスター整列
を示す図である(Thr34でのスルビビンのp34cdc2−サイクリンB1リン酸
化)。スルビビンにおけるThr34周辺のコンセンサスp34cdc2リン酸化配列
(S/TPXR/K、配列番号11)を四角で囲まれている。
【図1B】 インビトロでのキナーゼアッセイを示す図である(Thr34でのスルビビンの
p34cdc2−サイクリンB1リン酸化)。野生型(WT)スルビビン、スルビビ
ン(T34A)(T34A)、または対照(H1)を、キナーゼバッファと10
μCiγ−32P−ATPの中で、30分間、30℃で、バキュロウイルス発現p
34cdc2−サイクリンB1またはcdk2−サイクリンEと共にインキュベート
した。SDSゲル電気泳動によってサンプルを分離し、オートラジオグラフィー
によって放射活性バンドを視覚化した。ゲルのクマシーブルー染色によって、等
しいタンパク質の使用量を確認した。
【図1C】 リン酸化スルビビンThr34に対する抗体との反応性を示す図である(Thr 34 でのスルビビンのp34cdc2−サイクリンB1リン酸化)。リン酸化Thr34 (T*)を含むスルビビンペプチド配列L28EGCACT*PERMAEAGFI 44 (配列番号1)に対して作製された抗体でサンプルを免疫ブロットし、続いて
、非リン酸化/リン酸化ペプチド−セファロースカラム(α−phosph.T
34)を用いて親和カラム精製したこと、または組換えスルビビン(α−スルビ
ビン)(Grossmanら、1999)に対して作製された抗体でサンプルを
免疫ブロットしたことを除き、キナーゼアッセイについての実験条件は、Bの場
合と同じである。
【図1D】 インビボでのスルビビンのリン酸化を示す図である(Thr34でのスルビビン
のp34cdc2−サイクリンB1リン酸化)。リン酸塩を含まないDMEM媒質中
で、200μCi/mLの32Piで標識したHA−スルビビンでHeLa細胞を
トランスフェクトし、オートラジオグラフィーによって放射活性バンドを視覚化
しながら、対照IgGまたは抗HA抗体を用いて免疫沈降させた。実験を少なく
とも三回繰り返して、比較可能な結果を得た。すべてのパネルについて、比分子
量マーカーを左側に示す。
【図2A】 サイクリン依存性キナーゼの免疫沈降を示す図である(スルビビンとp34cd c2 の間の物理的会合)。非同調増殖(Async.)またはG1、S、またはG
2/Mに同調したHeLa細胞を清浄溶解し、p34cdc2(左のパネル)または
Cdk2(右のパネル)に対する抗体を用いて免疫沈降させた。サンプルを電気
泳動にかけ、ナイロン34膜へトランスファして、スルビビン、p34cdc2また
はCdk2に対する抗体をそれぞれ用いて、別々に免疫沈降させた。
【図2B】 スルビビンの免疫沈降を示す図である(スルビビンとp34cdc2の間の物理的会
合)。非同調増殖HeLa細胞をHA−スルビビンまたはHA−スルビビン(T
34A)でトランスフェクトし、HAに対する抗体で免疫沈降させて、p34cd c2 またはHAに対する抗体で免疫ブロットしたことを除き、実験手順は、Aの場
合と同じである。
【図2C】 インビボでのスルビビンとp34cdc2の共局在化を示す図である(スルビビン
とp34cdc2の間の物理的会合)。アセトン/メタノール中で光学グレードのカ
バーガラス上にHeLa細胞を固定して、スルビビンに対するmAb 8E2お
よびp34cdc2に対するウサギ抗体と共に同時にインキュベートし、その後、F
ITC抱合ヤギ抗マウス抗体(スルビビン)およびTR抱合ヤギ抗ウサギ抗体(
p34cdc2)と共にインキュベートした。指示した細胞周期で、共焦点レーザー
走査顕微鏡によって画像を分析した。画像マージ分析を各パネルの右側に示す。
パネルAおよびBについては、比分子量マーカーを左側に示す。
【図3A】 核の形態を示す図である(リン酸化不能スルビビン(T34A)の発現は、自
発性アポトーシスおよび有糸分裂の異常調節を誘導する)。GFPベクター(ベ
クター)、GFP−スルビビン(T34A)(T34A)、またはGFP−カス
パーゼ−9(Met1−Asp330)(カスパーゼ−9)でトランスフェクトした
HeLa細胞を、48時間後に、DAPI染色によって核の完全性について形態
学的に点数付けした。矢印:GFP発現細胞における核分断および染色質凝縮。
【図3B】 スルビビン(T34A)の発現によって誘導されるHeLa細胞アポトーシス
の要約を示す図である(リン酸化不能スルビビン(T34A)の発現は、自発性
アポトーシスおよび有糸分裂の異常調節を誘導する)。実験手順は、Aの場合と
同じである。データは、4つの独立した実験の平均±SEMである。
【図3C】 スルビビン(T34A)によって誘導されるカスパーゼ依存性アポトーシスを
示す図である(リン酸化不能スルビビン(T34A)の発現は、自発性アポトー
シスおよび有糸分裂の異常調節を誘導する)。20μMのカスパーゼ阻害因子、
Z−VAD−fmkの存在下または不在の状態で、GFP−スルビビン(T34
A)を用いてHela細胞をトランスフェクトした。トランスフェクション48
時間後に、ヨウ化プロピジウム染色およびフローサイトメトリーによって、ゲー
テッドGFP発現細胞をDNA含量について分析した。sub−G1(低二倍体
)35DNA含量を有するアポトーシス細胞の百分率を示す。GEPベクタート
ランスフェクト体中のアポトーシスHeLa細胞は、8%であった。データは、
少なくとも三回の独立した測定のうちの一つの実験を表わす。
【図3D】 異常有糸分裂を示す図である(リン酸化不能スルビビン(T34A)の発現は
、自発性アポトーシスおよび有糸分裂の異常調節を誘導する)。野生型スルビビ
ン(WT)またはスルビビン(T34A)(T34A)でトランスフェクション
したHeLa細胞を微小管安定化バッファ(Liら、1998)中で固定し、β
−チューブリンに対するmAb 20C6、続いて、FITC抱合ヤギ抗マウス
IgGで標識した。図2Cで説明したように、共焦点顕微鏡によって像を分析し
た。
【図4A】 tet調節YUSAC−2トランスフェクト体を示す(スルビビン(T34A
)によって誘導されるアポトーシスは、有糸分裂と一致する)。pTetスプラ
イス中でスルビビン(T34A)で安定にトランスフェクションした3つのYU
SAC−2黒色腫細胞系を、Tetの存在下(Tet+)、または不在の状態(
Tet−)で、ヨウ化プロピジウム染色およびフローサイトメトリーによってD
NA含量について分析した。37℃で立体培養後の、sub−G1(アポトーシ
ス)DNA含量を有する細胞のパーセンテージを示す。
【図4B】 TUNEL標識化を示す図である(スルビビン(T34A)によって誘導され
るアポトーシスは、有糸分裂と一致する)。末端デオキシリボヌクレオチドトラ
ンスフェラーゼ(TdT)およびペルオキシダーゼ抱合抗ジゴキシゲニン抗体で
末端標識することによって、YUSAC−2トランスフェクト体のサブクローン
、F5.C4をTetの存在下(Tet+)、または不在の状態(Tet−)で
ヌクレオソーム間DNA分断について分析したことを除き、実験条件は、Aの場
合と同じである。
【図4C】 細胞周期分析を示す図である(スルビビン(T34A)によって誘導されるア
ポトーシスは、有糸分裂と一致する)。F5.C4細胞をTetの存在下(Te
t+)、または不在の状態(Tet−)でG1/S境界で同調させ、解除して、
ヨウ化プロピジウム染色およびフローサイトメトリーによって3時間間隔でDN
A含量の変化を分析した。分析した各時点についてのsub−G1(アポトーシ
ス)、G1、S、またはG2/M DNA含量を有する細胞の百分率を示す。デ
ータは、少なくとも三回の独立した測定のうちの一つの実験を表わす。
【図5A】 分裂間期細胞におけるスルビビン−プロフォームカスパーゼ−9のリン酸化非
依存性会合を示す図である(Thr34リン酸化は、有糸分裂時にスルビビン−カ
スパーゼ−9の相互作用の特異性を変化させる)。非同調増殖HeLa細胞をH
A−野生型スルビビン(WT)またはHA−スルビビン(T34A)(T34A
)でトランスフェクションし、24時間後に清浄溶解して、HAに対する抗体を
用いて免疫沈降し、続いて、カスパーゼ−9に対する抗体でウエスタンブロッテ
ィングした。矢印:〜46kDaプロフォームカスパーゼ−9の位置。
【図5B】 スルビビン−カスパーゼ−9相互作用の特異性を示す図である(Thr34リン
酸化は、有糸分裂時にスルビビン−カスパーゼ−9の相互作用の特異性を変化さ
せる)。HA−スルビビンとHA−スルビビン(T34A)免疫沈降物を、別々
に、カスパーゼ−8に対する抗体またはHA.S、HA−スルビビン免疫沈降物
の上清を用いて免疫ブロットしたことを除き、実験条件は、Aの場合と同じであ
る。矢印:〜55kDaプロフォームカスパーゼ−8の位置。
【図5C】 細胞周期におけるスルビビン−カスパーゼ−9の相互作用の調節を示す図であ
る(Thr34リン酸化は、有糸分裂時にスルビビン−カスパーゼ−9の相互作用
の特異性を変化させる)。接着(A)または非接着(N−A)、すなわち有糸分
裂/アポトーシスHeLa細胞からの抽出物をトランスフェクションの48時間
後に回収したことを除き、実験条件は、Aの場合と同じである。免疫沈降物(ペ
レット、P)またはそれらの上清(S)の一定量をカスパーゼ−9またはHAに
対する抗体で免疫ブロットした。矢印:〜46kDaプロフォームカスパーゼ−
9および〜35kDa活性カスパーゼ−9の位置。W:有糸分裂/アポトーシス
HeLa細胞からの全抽出物。
【図5D】 有糸分裂時のスルビビン−活性カスパーゼ−9認識のリン酸化依存性調節を示
す図である(Thr34リン酸化は、有糸分裂時にスルビビン−カスパーゼ−9の
相互作用の特異性を変化させる)。示したHA構築体でHeLa細胞をトランス
フェクトし、チミジンで16時間処理することによってG1/S境界に同調させ
て、解除した。多様な培養物の一定量を示した時間間隔でHAに対する抗体を用
いて免疫沈降させ、カスパーゼ−9に対する抗体またはHA.P(ペレット)、
S(上清)で免疫ブロットした。すべてのパネルについて、分子量マーカー左側
に示す。すべてのパネルについて、実験を少なくとも二回繰り返し、比較可能な
結果を得た。
【図6A】 スルビビン(T34A)の発現は、終期に中間体からカスパーゼ−9を異常局
在させることを示す図である。
【図6B】 スルビビン(T34A)の発現は、終期に中間体からカスパーゼ−9を異常局
在させることを示す図である。
【図6C】 スルビビン(T34A)の発現は、終期に中間体からカスパーゼ−9を異常局
在させることを示す図である。 HA野生型スルビビン(スルビビン)(A)、スルビビン(T34A)(B)
、またはスルビビン(L64A)(C)でトランスフェクションしたHeLa細
胞をHAに対するmAb(A,B)、またはmAb 8E2(C)およびカスパ
ーゼ−9に対するウサギ抗体で標識した。FITC抱合ヤギ抗マウス抗体(スル
ビビン)またはTR抱合抗ウサギ抗体(カスパーゼ−9)を添加することによっ
て一次抗体の結合を検出し、共焦点顕微鏡によって分析した。各パネルの右側に
個々の染色の画像マージ分析を示す。矢印:終期の中間体における野生型/突然
変異体スルビビンおよびカスパーゼ−9の局在化。実験を少なくとも四回繰り返
し、比較可能な結果を得た。
【図7A】 有糸分裂時のカスパーゼ−9のタンパク質分解活性化を示す図である(細胞分
裂時のカスパーゼ−9依存性アポトーシスチェックポイント)。図4で説明した
ような特徴を有するTet+およびTet− F5.C4細胞を、チミジン遊離
後、示した時間間隔で回収し、カスパーゼ−9に対する抗体で免疫ブロットした
。TNF+CHX:10ng/mLのTNFαと10μg/mLのシクロヘキシ
ミドで処理したHeLa細胞の抽出物。矢印:〜46kDaのプロフォームカス
パーゼ−9バンド、ならびに〜35kDaおよび〜37kDaの活性カスパーゼ
−9バンドの位置。
【図7B】 スルビビン(T34A)によって誘導されるアポトーシスに対するカスパーゼ
−9(C287A)ドミナントネガティブ突然変異体の影響を示す図である(細
胞分裂時のカスパーゼ−9依存性アポトーシスチェックポイント)。エトポシド
(10μg/mL)またはTNFα(10ng/mL)とシクロヘキシミド(1
0μg/mL)を有する、または有さない、示した多様な組み合わせのGFP構
築体でHeLaをトランスフェクトし、48時間後に回収して、図2Bで説明し
たようにDAPI染色によってGEP標識細胞を核分断について形態学的に点数
付けした。DN:ドミナントネガティブ。データは、四回の独立した実験の平均
±SEMである。
【図8A】 tet(0.5μg/mL)の存在下または不在の状態でF5.C4細胞を培
養し、示した時間間隔で回収したことを示す図である(スルビビンBIR突然変
異体、F5.C4細胞におけるアポトーシス、およびCB.17マウスにおける
腫瘍形成のTet調節誘導)。説明されている(Grassmanら、1999
)ように、溶解物を、スルビビン(上のパネル)またはβ−アクチン(下のパネ
ル)に対する抗体を用いてウエスタンブロットティングした。BIR突然変異体
の大量発現を想定して、個別のバンドを視覚化するためにオートラジオグラフィ
ーの照射時間を制限した。非誘導(+tet)細胞において、内在性野生型スル
ビビンタンパク質は、この照射レベルでは出現しなかったが、より長い照射時間
では出現した。
【図8B】 tetの存在下または不在の状態で、示した時間間隔でF5.C4細胞を培養
し、非接着細胞と接着細胞の両方を回収したことを示す図である(スルビビンB
IR突然変異体、F5.C4細胞におけるアポトーシス、およびCB.17マウ
スにおける腫瘍形成のTet調節誘導)。その後、細胞を固定し、透過性にして
、説明されているように(Grossmanら、1999)DNA含量のために
ヨウ化プロピジウムで染色した。マーカーは、アポトーシス細胞に対応するサブ
G1画分を示す。
【図8C】 2%のゼラチン(Sigma)で処理したカバーガラス上にF5.C4細胞を
プレーティングし、tetの存在下または不在の状態で、48時間、インキュベ
ートしたことを示す図である(スルビビンBIR突然変異体、F5.C4細胞に
おけるアポトーシス、およびCB.17マウスにおける腫瘍形成のTet調節誘
導)。細胞を10分間、室温で、1%p−ホルムアルデヒド中に固定し、その後
、5分間、−200℃で、酢酸およびエタノールを用いて透過性にした。矢印は
、アポトーシス形態を有するTUNEL反応性(Shockettら、1995
)細胞を示す。
【図8D】 YUSAC−2親細胞(3×106、上のパネル)またはスルビビン Thr3 4 →Ala突然変異体でトランスフェクトしたF5.C4細胞(下のパネル)を
CB.17マウスに皮下注射し、示したように、飲み水からtet(100μg
/mL)を追加した(パネルの左側)、または与えなかった(パネルの右側)こ
とを示す図である(スルビビンBIR突然変異体、F5.C4細胞におけるアポ
トーシス、およびCB.17マウスにおける腫瘍形成のTet調節誘導)。写真
は、注射の8週間後に撮影した代表的なものである。
【図9A】 図1で説明したように行ったDNA含量分析を示す図である(スルビビンアン
チセンスでトランスフェクションしたサブクローンB8のインビトロでのキャラ
クタリゼーション)。
【図9B】 示したようにtetの存在下または不在の状態で培養した細胞のRT−PCR
分析を示す図である(スルビビンアンチセンスでトランスフェクションしたサブ
クローンB8のインビトロでのキャラクタリゼーション)。RNAは、TriT
eagentを用いて調製し、逆転写は、スルビビンセンスプライマーでプライ
ムした。
【図10A】 tetを用いて飼われた5匹の動物におけるF5.C4腫瘍の成長(黒三角)
を示す図である(インビボでの確立腫瘍におけるスルビビンBIR突然変異体発
現の影響、およびインビトロで再確立した腫瘍系のTet調節アポトーシス)。
誤差棒は、標準偏差を示す。腫瘍形成時(当日)にtetを与えなかった15匹
の動物からの5つの代表的成長曲線(記号なし)も示す。
【図10B】 代表的なF5.C4腫瘍を示す図である(インビボでの確立腫瘍におけるスル
ビビンBIR突然変異体発現の影響、およびインビトロで再確立した腫瘍系のT
et調節アポトーシス)。tet除去後のF5.C4腫瘍をインビトロでG41
8およびtetの存在下で拡大させて、72時間培養した後、tetの存在下(
上のパネル)または不在の状態(下のパネル)で、図1の場合のようにDNA含
量について試験した。 腫瘍を外科手術で摘出し、皮膚および皮下組織を切除した。次に、腫瘍を安全
かみそりの刃で小片に切断し、PBS中で激しく渦攪拌することによって、解離
させて、単個細胞浮遊液にした。細胞をPBS中で2回洗浄し、選択培地G41
8およびtet中に再浮遊させて、2〜3継代、培養した。
【図11A】 YUSAC−2腫瘍の組織分析図である。
【図11B】 YUSAC−2腫瘍の組織分析図である。トランスフェクトしていないYUS
AC−2細胞によって形成された腫瘍を、(A)ヘマトキシリンおよびエオシン
、ならびに(B)HMB−45抗体で染色した。
【図12】 F5.E5細胞を有するCB.マウスにおける腫瘍形成を示す図である。F5
.E5細胞(3×106、上のパネル)またはB8細胞(下のパネル)をCB.
17マウスに皮下注射し、飲み水からtet(100mg/mL)を追加した(
パネルの左側)か、または与えなかった(パネルの右側)。
【図13】 細胞周期進行中のスルビビンの役割を表す略図である(細胞周期進行中のスルビ
ビンの役割の要約)。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61P 43/00 105 4H045 43/00 105 C07K 16/18 C07K 16/18 C12N 1/00 F C12N 1/00 C12Q 1/02 C12Q 1/02 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/53 D 33/53 33/573 A 33/573 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA40 BA13 BB03 BB20 DA15 DA20 DA36 DA37 FB01 FB08 4B063 QA18 QQ08 QQ27 QQ30 QQ36 QQ63 QR77 QS03 QS33 QX02 QX07 4B065 AA01X AA57X AA87X AA93Y AB01 AB02 CA24 CA44 4C084 AA13 AA17 BA19 CA59 DC32 MA52 MA55 MA66 NA14 ZB211 ZB261 ZC781 4C086 AA01 AA02 EA16 MA04 MA55 MA66 NA14 ZB21 ZB26 ZC78 4H045 AA10 AA11 AA30 BA09 CA40 DA75 EA20 EA28 EA50 FA72 FA74

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルビビンのリン酸化を調節する薬剤を特定する方法であっ
    て、 (a) 薬剤の存在下で、スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ
    複合体をインキュベートするステップ;および (b) 前記薬剤が、p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体によるスル
    ビビンのリン酸化を調節するかどうかを決定し、それによって、スルビビンのリ
    ン酸化を調節する薬剤を特定するステップ を含むことを特徴とする前記方法。
  2. 【請求項2】 ステップ(a)が、ATPの存在下で行われる、請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ATPが放射標識されている、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ステップ(b)が、前記薬剤の存在下および前記薬剤が存在
    しない状態で、リン酸化スルビビンの量を定量することを含む、請求項1に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 ステップ(b)が、抗体を用いて、スルビビンのリン酸化を
    検出することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記抗体がリン酸化Thrを認識する、請求項5に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 配列番号1に記載の配列を含み、リン酸化Thr34(T*
    を含むスルビビンペプチドを用いて前記抗体を生成する、請求項5に記載の方法
  8. 【請求項8】 無細胞環境で、スルビビンおよびp34cdc2−サイクリンB
    1キナーゼ複合体を薬剤にさらす、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 ステップ(a)が、スルビビンを発現する細胞とp34cdc2 −サイクリンB1キナーゼ複合体とを薬剤の存在下で、インキュベートすること
    を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記薬剤が、スルビビンポリペプチドまたはその小分子擬
    似体である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 薬剤が、スルビビンアミノ酸配列の34位に対応するトレ
    オニンを含むスルビビンポリペプチドである、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 スルビビンのリン酸化が、p34cdc2−サイクリンB1キ
    ナーゼ複合体とスルビビンの結合を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体
    との間の相互作用を調節する薬剤を有効量投与することを含む、スルビビンとp
    34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体の間の相互作用を調節する方法。
  14. 【請求項14】 スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体
    の間の相互作用を調節する薬剤を有効量、細胞に投与することを含む、細胞のス
    ルビビン依存性アポトーシスを調節する方法。
  15. 【請求項15】 p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体によるスルビ
    ビンのリン酸化を調節する薬剤を有効量、細胞に投与することを含む、細胞のア
    ポトーシスを調節する方法。
  16. 【請求項16】 p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体によるスルビ
    ビンのリン酸化、またはp34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合体へのスルビ
    ビンの結合を阻害することを含む、スルビビンによって媒介される病状の重度を
    低下させる方法。
  17. 【請求項17】 前記調節が、スルビビンとp34cdc2−サイクリンB1キ
    ナーゼ複合体の間の相互作用を阻害する薬剤を有効量、細胞に投与することを含
    む、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 リン酸化スルビビンとカスパーゼ−9の間の相互作用を調
    節する薬剤を特定する方法であって、 (a)スルビビンとカスパーゼ−9を薬剤の存在下でインキュベートするステ
    ップ;および (b)前記薬剤がスルビビンとカスパーゼ−9の相互作用を調節するかどうか
    を決定し、それによって、リン酸化スルビビンとカスパーゼ−9の間の相互作用
    を調節する薬剤を特定するステップを含むことを特徴とする前記方法。
  19. 【請求項19】 スルビビンが、p34cdc2−サイクリンB1キナーゼ複合
    体を用いてスルビビンをリン酸化することによって得られる、請求項18に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 スルビビンとカスパーゼ−9の間の相互作用を調節する薬
    剤を、有効量投与することを含む、リン酸化スルビビンとカスパーゼ−9の間の
    相互作用を調節する方法。
  21. 【請求項21】 スルビビンとカスパーゼ−9の間の相互作用を調節する薬
    剤を有効量、細胞に投与することを含む、細胞におけるルビビン依存性アポトー
    シスを調節する方法。
  22. 【請求項22】 前記調節が、スルビビンとカスパーゼ−9の間の相互作用
    を阻害する薬剤を有効量、細胞に投与することを含む、請求項21に記載の方法
  23. 【請求項23】 カスパーゼ−9へのスルビビンの結合を阻害することを含
    む、スルビビンによって媒介される病状の重度を低下させる方法。
  24. 【請求項24】 有効量のスルビビン拮抗物質を腫瘍に投与することを含む
    、腫瘍の増殖を抑制する方法。
  25. 【請求項25】 前記スルビビン拮抗物質が、アンチセンススルビビン核酸
    またはスルビビン Thr34→Alaをコードする核酸である、請求項24に記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 前記腫瘍が哺乳動物に存在する、請求項25に記載の方法
  27. 【請求項27】 34位でリン酸化したスルビビンに結合する抗体。
  28. 【請求項28】 配列番号1に記載のアミノ酸を有し、リン酸化Thr34
    *)を含むペプチドを用いて前記抗体を生成させる、請求項27に記載の抗体
  29. 【請求項29】 単離された請求項28に記載の抗体。
JP2001564234A 2000-02-29 2001-02-28 スルビビン・アポトーシス経路の選択的調節法 Pending JP2003525060A (ja)

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