JP2003523171A - 乳房の疾患を検出するために有用な試薬と方法 - Google Patents

乳房の疾患を検出するために有用な試薬と方法

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Abstract

(57)【要約】 BU101と称し、乳房組織から転写される、一連の隣接し、部分的に重複するcDNA配列およびそれにコードされるポリペプチドについて記載する。これらの配列は乳房の疾患および症状、例えば乳癌の検出、診断、病期決定、モニター観察、予知、インビボイメージング、予防もしくは処置、または個体の素因決定に有用である。またBU101にコードされるポリペプチドまたはタンパク質に特異的に結合する抗体、および組織特異的BU101ポリペプチドの作用を防御するアゴニストまたは阻害因子をも提供し、これらの分子は乳房疾患、腫瘍または転移の治療的処置に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願との前後参照) 本願は、35U.S.C.β120に従って出願優先権を主張する、1996
年8月19日出願の米国特許願通し番号第08/697,105号の一部継続出
願である、1997年8月15日出願の米国特許願通し番号第08/912,,
276号の一部継続出願であり、前記出願はそれらの全体が参照してここに組み
込まれる。
【0002】 (発明の背景) 本発明は一般に乳房の疾患の検出に関する。さらに、本発明はまた、乳房の疾
患を検出するための試薬と方法に関する。より特定すると、本発明はポリヌクレ
オチド配列及びそれらによってコードされるポリペプチド配列のような試薬、な
らびにこれらの配列を用いる方法に関する。ポリヌクレオチド及びポリペプチド
配列は、乳癌のような乳房の疾患又は状態を検出する、診断する、病期分類する
、監視する、予後判定する、生体内で画像化する、予防する又は治療する、ある
いは乳房の疾患又は状態への素因を判定するのに有用である。
【0003】 乳癌は米国では女性において発生する最も一般的な形態の癌である。米国にお
ける乳癌の発生率は、1998年の間に乳癌と診断された症例が180,300
例、乳癌に関連する死亡が43,900例と報告されている(米国癌協会(Am
erican Cancer Society)統計)。世界的に見ると、乳癌
の発生数は1985年の700,000から1990年には約900,000に
増加した。G.N.Hortobagyiら、CA Cancer J Cli
n 45:199−226(1995)。
【0004】 乳癌のような乳房の疾患又は状態を検出する、診断する、病期分類する、監視
する、予後判定する、生体内で画像化する、予防する又は治療する、あるいは乳
房の疾患又は状態への素因を判定するために使用される手順は、患者の結果にと
って決定的な重要性を持つ。例えば、早期乳癌と診断された患者は5年間の相対
生存率が90%以上であるのに比べて、遠隔転移乳癌と診断された患者について
は約20%の生存率である。(米国癌協会統計)。現在、早期乳癌の最良の初期
指標は乳房の理学的検査とマンモグラフィである。J.R.Harrisら、「
Cancer:Principles and Practice of On
cology」、第4版より、p.1264−1332,Philadelph
ia,PA:J/B.Lippincott Co.(1993)。マンモグラ
フィは理学的検査で検出できるよりも前に乳癌を検出しうるが、限界がある。例
えば、マンモグラフィの予測的価値は観察者の技術と乳房X線像(マンモグラム
)の質に依存する。さらに、疑わしいマンモグラムの80から93%が偽陽性で
あり、乳癌を有する女性の10から15%がマンモグラムで偽陰性である。C.
J.Wrightら、Lancet 346:29−32(1995)。明らか
に、早期乳癌を検出するためのより感受性の高い特異的な新しい診断方法が求め
られている。
【0005】 乳癌患者は、初期治療後及び補助療法の間、治療に対する応答を調べ、存続又
は再発疾患、あるいは遠隔転移を検出するために厳重に監視される。乳癌を監視
するための現在の診断方法は、マンモグラフィ、骨スキャン、胸部X線写真、肝
機能検査及び血清マーカーに関する検査を含む。患者を監視するために最も一般
的に使用される血清腫瘍マーカーは、癌胎児抗原(CEA)及びCA 15−3
である。CEAの限界として、転移性疾患を有する女性の約40%において血清
レベルの上昇がないことが含まれる。さらに、補助療法中のCEA上昇は再発に
は相関せず、臨床的に重要でない他の因子に相関すると考えられる。CA 15
−3も、かなりの数の進行性疾患の患者において陰性の場合があり、それ故転移
を予測することができない。CEA及びCA 15−3のいずれも、悪性ではな
い良性状態でも上昇することがあり、偽陽性の結果をもたらす。それ故、癌の再
発を検出する上でより感受性が高く、特異的な乳房関連マーカーを発見すること
は臨床的に有益であろう。J.R.Harrisら、前出。M.D.Schwa
rtz:Cancer:Principles and Practice o
f Oncology,第1巻、第4版、p.531−542,Philade
lphia,PA:J/B.Lippincott Co.1993。
【0006】 乳癌を管理する際のもうひとつの重要なステップは患者の疾患の病期を判定す
ることである。というのは病期判定は潜在的な予後的価値を持ち、至適治療をデ
ザインするための判定基準を提供するからである。現在、乳癌の病理学的病期分
類は、より正確な予後判定をもたらすことから、臨床的病期分類よりも好ましい
。J.R.Harrisら、前出。他方で、臨床的病期分類は、病理学的評価の
ために組織を採取するという観血的手順に依存しないため、病理学的病期分類と
少なくとも同程度に正確であれば好ましいであろう。浸潤の異なる段階を識別で
きる血清中又は尿中の新しいマーカーを検出することにより、乳癌の病期分類を
改善できるであろう。そのようなマーカーは、乳房の原発腫瘍に由来するが、血
中、骨髄又はリンパ節に存在する細胞によって発現されるmRNA又はタンパク
マーカーであり、これらの遠位器官への転移に関する感受性の高い指標として用
いることができる。例えば、乳房上皮細胞に関連する特異的タンパク抗原及びm
RNAは、免疫組織化学的手法及びRT−OCRにより、それぞれ乳癌患者の骨
髄、リンパ節及び血液において検出され、転移を示唆した。K.Pantelら
、Onkologie 18:394−401(1995)。
【0007】 そのような診断方法はまた、最小限に侵襲的な手順で得られる血液、血漿、血
清又は尿などの試験サンプルにおける、免疫学的方法によって検出しうる様々な
疾患マーカーの発現に基づいた免疫学的アッセイを含みうる。これらの診断方法
は、医師が乳癌患者を管理する助けとなる情報を、患者にとっては低いコストで
提供するであろう。前立腺特異抗原(PSA)やヒト絨毛性ゴナドトロピン(h
CG)のようなマーカーが存在し、それぞれ前立腺癌と精巣癌に関して患者をス
クリーニングするために臨床的に使用される。例えば、PSAは通常前立腺によ
って高いレベルで精液中に分泌されるが、正常な前立腺を有する男性の血液中に
も非常に低いレベルで存在する。血清中の高レベルのPSAタンパクは、無症候
男性における前立腺癌又は前立腺疾患の早期検出に用いられる。例えば、G.E
.Hanksら、「Cancer:Principles and Pract
ice of Oncology」第1巻、第4版より、p.1073−111
3,Philadelphia,PA:J.P.Lippincott Co.
1993、M.K.Schwartzら、「Cancer:Principle
s and Practice of Oncology」第1巻、第4版より
、p.531−542,Philadelphia,PA:J.P.Lippi
ncott Co.1993参照。同様に、通常は乳房で発現されるが、乳房疾
患の結果として不適切な体画分において高い量で認められる新しいマーカーを使
用することにより、乳癌の管理を改善することができるであろう。
【0008】 さらに、早期乳癌の生物学的挙動を予測しうる新しいマーカーも重要な価値を
持つであろう。患者の生活を脅かす又は将来脅かすことになる早期乳癌は、脅威
ではない又はその恐れのないものよりも臨床的に重要である。G.E.Hank
s,前出。リンパ節が組織学的に陰性である患者が癌の再発を経験することにな
るかどうかを予測するため、また原位置での腺管癌の症例が侵襲性乳癌に進行す
るかどうかを予測するために、そのようなマーカーが必要とされる。より正確な
予後マーカーは、臨床医が、乳房に限局されているが、攻撃的治療を行わなけれ
ば進行して転移するであろう早期癌を正確に同定することを可能にする。さらに
、患者に攻撃的癌についてのマーカーが存在しなければ、その患者は費用がかか
って恩恵のない治療を免れることができるであろう。J.R.Harrisら、
前出。E.R.Frykbergら、Cancer 74:350−361(1
994)。
【0009】 それ故、乳房の疾患又は状態を検出する、診断する、病期分類する、監視する
、予後判定する、生体内で画像化する、予防する又は治療する、あるいは乳房の
疾患又は状態への素因を判定するために有用な特異的方法と試薬を提供すること
は有益であろう。そのような方法は、癌を含めて、乳房に関連する疾患及び状態
において過剰発現される遺伝子産物に関して試験サンプルを検定することを含む
。そのような方法はまた、癌を含めて、乳房に関連する疾患及び状態によって変
化した遺伝子産物に関して試験サンプルを検定することを含みうる。そのような
方法はさらに、癌を含めて、乳房に関連する疾患及び状態によって体内の様々な
組織及び画分における分布が変化した遺伝子産物に関して試験サンプルを検定す
ることを含みうる。そのような方法は、試験サンプル中のmRNAからcDNA
を作製し、必要に応じて遺伝子又はその断片に対応するcDNAの部分を増幅し
て、癌を含めた疾患又は状態が存在する指標としてcDNA産物を検出する、あ
るいは疾患が存在する指標として遺伝子配列を含むmRNAの翻訳産物を検出す
ることを含むであろう。有用な試薬は、生検組織、血液又は他の試験サンプルか
ら抽出されたmRNAの逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、
PCR、又はハイブリダイゼーションアッセイのような診断方法において使用し
うるポリヌクレオチド又はその断片;あるいはそのようなmRNAの翻訳産物で
あるタンパク質;あるいはこれらのタンパク質に対する抗体を含む。そのような
アッセイは、遺伝子産物に関してサンプルを検定し、乳房疾患の指標としてかか
る産物を検出するための方法を含むであろう。癌を含めた乳房の疾患及び状態の
ための薬物治療及び遺伝子治療は、これらの同定された遺伝子配列又はそれらが
発現するタンパク質に基礎づけることができ、個々の治療の効果をモニターする
ことができる。さらに、癌のような初期段階の乳房疾患を検出することができる
使用可能な代替的、非外科的診断法が得られることは有益であろう。
【0010】 (発明の概要) 本発明は、試験サンプルを少なくとも1個のBU101特異的ポリヌクレオチ
ドに接触させ、試験サンプル中の標的BU101ポリヌクレオチドの存在を検出
することを含む、試験サンプルにおいて標的BU101ポリヌクレオチドを検出
する方法を提供する。BU101特異的ポリヌクレオチドは、配列番号1、配列
番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、及びそれらの断片
又は相補体から成る群から選択されるポリヌクレオチドと少なくとも50%の同
一性を持つ。また、BU101特異的ポリヌクレオチドは、当該方法を実施する
前に固相に結合することもできる。
【0011】 本発明はまた、cDNAを作製するために少なくとも1個のプライマーで逆転
写(RT)を実施し、BU101オリゴヌクレオチドをセンス及びアンチセンス
プライマーとして用いて、そのようにして得たcDNAを増幅してBU101ア
ンプリコン(増幅単位)を入手し、そして試験サンプル中のBU101mRNA
の存在の指標としてBU101アンプリコンの存在を検出することを含み、前記
BU101オリゴヌクレオチドが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列
番号4、配列番号5、配列番号6、及びそれらの断片又は相補体から成る群から
選択される配列と少なくとも50%の同一性を持つ、試験サンプルにおいてBU
101mRNAを検出するための方法を提供する。増幅はポリメラーゼ連鎖反応
によって実施することができる。また、当該方法を実施する前、増幅の前又は検
出の前に試験サンプルを固相と反応させることもできる。この反応は直接又は間
接反応のいずれでもよい。さらに、検出段階は、測定可能なシグナルを生じるこ
とができる検出可能標識を利用することを含みうる。検出可能標識は固相に結合
することができる。
【0012】 本発明はさらに、次の事柄を含む、標的BU101ポリヌクレオチドを含むこ
とが疑われる試験サンプルにおいて標的BU101ポリヌクレオチドを検出する
方法を提供する:(a)センスプライマーとして少なくとも1個のBU101オ
リゴヌクレオチドとアンチセンスプライマーとして少なくとも1個のBU101
オリゴヌクレオチドに試験サンプルを接触させ、それを増幅して第一段階反応産
物を得る;(b)他のBU101オリゴヌクレオチドが(a)段階で使用される
BU101オリゴヌクレオチドの3’側に位置し、第一段階反応産物に相補的で
あることを条件として、第一段階反応産物を少なくとも1個の他のBU101オ
リゴヌクレオチドに接触させて第二段階反応産物を得る;そして(c)試験サン
プルにおける標的BU101ポリヌクレオチドの存在の指標として第二段階反応
産物を検出する。当該方法において試薬として選択されるBU101オリゴヌク
レオチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、
配列番号6、及びそれらの断片又は相補体から成る群から選択される配列と少な
くとも50%の同一性を持つ。増幅はポリメラーゼ連鎖反応によって実施するこ
とができる。試験サンプルを、当該方法を実施する前、増幅の前又は検出の前に
固相と直接又は間接的に反応させることができる。検出段階はまた、測定可能な
シグナルを生じることができる検出可能標識を利用することを含む;さらに、検
出可能標識を固相に結合することができる。
【0013】 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6
、及びそれらの断片又は相補体から成る群から選択される少なくとも1個のBU
101特異的ポリヌクレオチドが入った容器を含む、試験サンプルにおいて標的
BU101ポリヌクレオチドを検出するために有用な試験キットも提供する。こ
れらの試験キットはさらに、試験サンプル(例えば、血液、尿、唾液及び便など
)を採集するために有用なツールが入った容器を含む。そのようなツールは、血
液を採集し、安定させるためのランセット及び吸収紙又は布;唾液を採集し、安
定させるための綿棒;及び尿又は便のサンプルを採集し、安定させるコップを含
む。紙、布、綿棒、コップ等のような採集材料は、サンプルの変性又は不可逆的
吸着を避けるため任意に処理してもよい。採集材料はまた、標本の完全性を維持
するのを助けるために保存剤、安定剤又は抗菌剤で処理する又はそれらを含むこ
とができる。
【0014】 本発明はまた、BU101遺伝子から誘導される精製ポリヌクレオチド又はそ
の断片を提供する。精製ポリヌクレオチドはBU101遺伝子の核酸又はその相
補体に選択的にハイブリダイズすることができる。当該ポリヌクレオチドは、配
列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、及
びそれらの断片又は相補体から成る群から選択されるポリヌクレオチドと少なく
とも50%の同一性を持つ。さらに、精製ポリヌクレオチドは組換え及び/又は
合成手法によって作製することができる。精製組換えポリヌクレオチドを組換え
ベクター内に組み込むことができる。本発明はさらに、組換えベクターでトラン
スフェクションした宿主細胞を含む。
【0015】 本発明はさらに、BU101から誘導されるオープンリーディングフレームを
含む核酸配列を包含する組換え発現系を提供する。核酸配列は、配列番号1、配
列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、及びそれらの断
片又は相補体から成る群から選択される配列と少なくとも50%の同一性を持つ
。核酸配列は所望する宿主と適合性である制御配列に機能的に連結される。この
組換え発現系でトランスフェクションされた細胞も提供する。
【0016】 本発明はまた、BU101によってコードされるポリペプチドを提供する。ポ
リペプチドは、精製形態で提供される、組換えテクノロジーによって作製するか
、又は合成手法によって作製することができる。当該ポリペプチドは、配列番号
20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号2
5、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29(配列番号20
−29)、及びそれらの断片から成る群から選択されるアミノ酸配列と少なくと
も50%の同一性を持つアミノ酸配列を含む。
【0017】 また、少なくとも1個のBU101エピトープに特異的に結合する、抗体のよ
うな特異的結合分子を提供する。当該エピトープは、配列番号20−29及びそ
れらの断片から成る群から選択されるアミノ酸配列から誘導される。試験サンプ
ルにおけるBU101抗原又は抗BU101抗体の存在を判定するためのアッセ
イキットも包含される。1つの実施形態では、アッセイキットは、配列番号20
−29及びそれらの断片から成る群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも5
0%の同一性を持つ少なくとも1個のBU101ポリペプチドが入った容器を含
む。さらに、試験キットは、試験サンプル(血液、尿、唾液及び便など)を採集
するために有用なツールが入った容器を含みうる。そのようなツールは、血液を
採集し、安定させるためのランセット及び吸収紙又は布;唾液を採集し、安定さ
せるための綿棒;及び尿又は便のサンプルを採集し、安定させるコップを含む。
紙、布、綿棒、コップ等のような採集材料は、サンプルの変性又は不可逆的吸着
を避けるため任意に処理してもよい。これらの採集材料はまた、標本の完全性を
維持するのを助けるために保存剤、安定剤又は抗菌剤で処理する又はそれらを含
むことができる。また、ポリペプチドは固相に結合することができる。
【0018】 本発明のもう1つの実施形態では、BU101に対する抗体又はその断片のよ
うな特異的結合分子を使用して、疾患又は状態を検出する又は診断するために患
者における抗原の局在を検出する又は画像化することができる。そのような抗体
は、ポリクローナル又はモノクローナルであるか、若しくは分子生物学手法によ
って作製することができ、放射性同位元素及び常磁性金属を含むが、これらに限
定されない、様々な検出可能標識で標識することができる。さらに、モノクロー
ナル、ポリクローナル、又は分子生物学手法によって作製される抗体又はその断
片は、BU101抗原の発現を特徴とする疾患の治療のための治療薬として使用
することができる。治療適用の場合には、抗体は誘導体化せずに使用するか、若
しくは放射性同位元素、酵素、毒素、薬剤、プロドラッグ等のような細胞傷害性
物質で誘導体化することができる。
【0019】 試験サンプル中のBU101抗原又は抗BU101抗体の存在を調べるための
もう1つのアッセイキットは、BU101抗原に特異的に結合する抗体が入った
容器を含み、かかるBU101抗原は少なくとも1個のBU101コードエピト
ープを含む。BU101抗原は、配列番号20−29及びそれらの断片から成る
群から選択されるBU101コード抗原の配列と少なくとも約50%の配列類似
性を持つ。これらの試験キットはさらに、試験サンプル(血液、尿、唾液及び便
など)を採集するために有用なツールが入った容器を含みうる。そのようなツー
ルは、血液を採集し、安定させるためのランセット及び吸収紙又は布;唾液を採
集し、安定させるための綿棒;及び尿又は便のサンプルを採集し、安定させるコ
ップを含む。紙、布、綿棒、コップ等のような採集材料は、サンプルの変性又は
不可逆的吸着を避けるため任意に処理してもよい。これらの採集材料はまた、標
本の完全性を維持するのを助けるために保存剤、安定剤又は抗菌剤で処理する又
はそれらを含むことができる。当該抗体は固相に結合することができる。
【0020】 発現ベクターでトランスフェクションした宿主細胞をインキュベーションする
ことを含む、BU101の少なくとも1個のエピトープを含むポリペプチドを作
製するための方法を提供する。このベクターはポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド配列を含み、かかるポリペプチドは、配列番号20−29及びそれら
の断片から成る群から選択されるBU101アミノ酸配列と少なくとも約50%
の同一性を持つアミノ酸配列を含む。
【0021】 BU101抗原を含むことが疑われる試験サンプルにおいてBU101抗原を
検出するための方法も提供する。かかる方法は、BU101抗原の少なくとも1
個のエピトープに特異的に結合する抗体又はその断片に、抗体/抗原複合体を形
成するのに十分な時間と条件下で試験サンプルを接触させ、試験サンプル中にB
U101抗原が存在することの指標としてそのような抗体を含む複合体の存在を
検出することを含む。抗体は固相に結合することができ、モノクローナル又はポ
リクローナル抗体のいずれでもよい。さらに、当該抗体は、配列番号20−29
及びそれらの断片から成る群から選択される少なくとも1個のBU101抗原に
特異的に結合する。
【0022】 これらの抗体を含むことが疑われる試験サンプルにおいて、BU101抗原に
特異的に結合する抗体を検出するもう1つの方法を提供する。かかる方法は、少
なくとも1個のBU101エピトープを含むポリペプチドに試験サンプルを接触
させることを含み、かかるBU101エピトープは、BU101ポリヌクレオチ
ドによってコードされるアミノ酸配列又はその断片と少なくとも50%の同一性
を持つアミノ酸配列を含む。接触は、抗原/抗体複合体を形成するのに十分な時
間と条件下で実施される。当該方法はさらに、ポリペプチドを含む複合体を検出
することを必要とする。ポリペプチドは固相に結合することができる。さらに、
ポリペプチドは、配列番号20−29及びそれらの断片から成る群から選択され
るアミノ酸配列と少なくとも50%の同一性を持つ組換えタンパク又は合成ペプ
チドでありうる。
【0023】 本発明は、BU101抗原の少なくとも1個のエピトープ又はその断片をコー
ドするBU101核酸配列でトランスフェクションした細胞を提供する。核酸配
列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番
号6、及びそれらの断片又は相補体から成る群から選択される。
【0024】 BU101抗原に対する抗体を産生するための方法も提供する。かかる方法は
単離した免疫原性ポリペプチド又はその断片を個体に投与することを含み、前記
の単離した免疫原性ポリペプチドは少なくとも1個のBU101エピトープを含
む。免疫応答を生じるのに十分な量で免疫原性ポリペプチドを投与する。単離し
た免疫原性ポリペプチドは、配列番号20−29及びそれらの断片から成る群か
ら選択されるアミノ酸配列を含む。
【0025】 BU101抗原に特異的に結合する抗体を産生するためのもう1つの方法も開
示する。かかる方法は、配列番号20−29及びそれらの断片から成る群から選
択されるアミノ酸から誘導される、少なくとも1個のBU101エピトープをコ
ードする核酸配列を含むプラスミドを個体に投与することを含む。プラスミドは
、プラスミドが個体内で細胞によって取り込まれ、免疫応答を生じるのに十分な
レベルで発現されるような量で投与する。
【0026】 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6
、及びそれらの断片又は相補体から成る群から選択されるポリヌクレオチドと少
なくとも50%の同一性を持つ、少なくとも約10−12個のヌクレオチドから
成るBU101ポリヌクレオチドを含む組成物も提供する。BU101ポリヌク
レオチドは、少なくとも1個のBU101エピトープを持つアミノ酸配列をコー
ドする。本発明によって提供されるもう1つの組成物は、約8−10個のアミノ
酸から成る少なくとも1個のBU101エピトープを持つポリペプチドを含む。
当該ポリペプチドは、配列番号20−29及びそれらの断片から成る群から選択
されるアミノ酸配列と少なくとも50%の同一性を持つアミノ酸配列を含む。ま
た、配列番号20と少なくとも50%の同一性を持つBU101ポリペプチドを
コードする遺伝子又はその断片、及び配列番号4、配列番号5、又は配列番号6
と少なくとも50%の同一性を持つDNAを含む遺伝子又はその断片も提供する
【0027】 (図面の簡単な説明) 図1は、クローン2083578H1(配列番号1)、603148H1(配
列番号2)、604290H1(配列番号3)のヌクレオチド整列化、クローン
2083578H1及び603148H1の完全長配列[それぞれ、20835
78inh(配列番号4)及び603148inh(配列番号5)と称される]
、及びそれらから誘導されるコンセンサス配列(配列番号6)を示す。
【0028】 図2は、オーバーラップクローン2083578H1(配列番号1)、603
148HI(配列番号2)、604290H1(配列番号3)、2083578
inh(配列番号4)、603148inh(配列番号5)のヌクレオチド整列
化からのコンセンサスヌクレオチド配列(配列番号6)の形成を表わすコンティ
グ地図を示す。
【0029】 図3Aは、乳房組織と非乳房組織抽出物からのRNAのエチジウムブロマイド
染色アガロースゲルのスキャンを示す。図3Bは、BU101放射性同位元素標
識プローブとのハイブリダイゼーション後の対応するRNAのノーザンブロット
である。
【0030】 図4は、正常乳房、乳癌、結腸及び肺組織のRNAをテンプレートとして使用
した、BU101 RNA特異的RT−PCR増幅産物のSYBR(登録商標)
Green染色アガロースゲルのスキャンである。
【0031】 図5は、BU101 RNA特異的RT−PCR増幅産物のSYBR(登録商
標)Green染色アガロースゲルのスキャンである。この図は、胎盤DNAを
RNA対照とし、水を試薬対照として使用した、MDA 361細胞系のRNA
による268塩基対のBU101特異的アンプリコンを示す。
【0032】 図6は、BU101アンプリコンが、LCx(登録商標)Analyzer系
(Abbott Laboratories,Abbott Park,ILよ
り入手可能)を用いて、MDA 361細胞系からの200フェムトグラム(f
g)のRNAで容易に検出されたことを示す。
【0033】 図7は、LCx(登録商標)系を用いてBU101活性に関して検定した正常
乳房、乳癌、正常結腸、結腸癌、正常肺及び肺癌組織からの10ピコグラム(p
g)のRNAの結果を示す。
【0034】 図8は、BU101合成ペプチド(配列番号28)に対する抗血清でプローブ
した一連の組織タンパク抽出物に関して実施したウエスタンブロットの結果を示
す。
【0035】 (発明の詳細な説明) 本発明は、配列番号20と少なくとも約50%の同一性を持つBU101ポリ
ペプチドをコードする遺伝子又はその断片を提供する。本発明はさらに、配列番
号4、配列番号5、又は配列番号6と少なくとも50%の同一性を持つDNAを
含むBU101遺伝子又はその断片を包含する。
【0036】 本発明はまた、試験サンプル中のmRNAからcDNAを作製し、乳房組織遺
伝子BU101の存在の指標としてcDNAを検出することを含む、BU101
と称される乳房組織遺伝子の産物に関して試験サンプルを検定するための方法を
提供する。かかる方法は、当該遺伝子又はその断片に対応する、BU101から
のmRNAの1つ又はそれ以上の部分を増幅する増幅段階を含みうる。また、B
U101の翻訳産物に関して検定するための方法も提供する。ここで提供する方
法によって検定しうる試験サンプルは、組織、細胞、体液及び分泌物を含む。本
発明はまた、これらの方法を実施する上で有用な、オリゴヌクレオチドプライマ
ー及びポリペプチドのような試薬を提供する。
【0037】 ここで開示する核酸配列の部分は、RNAの逆転写又はcDNAの増幅のため
のプライマーとして、あるいは試験サンプルにおける特定mRNA配列の存在を
調べるためのプローブとして有用である。また、診断的免疫測定法における標準
又は試薬として、製薬的スクリーニングアッセイのための標的として及び/又は
様々な治療のための成分又は標的部位として有用な、コードポリペプチド配列を
作製することを可能にする核酸配列も開示する。これらのポリペプチド配列内に
含まれる少なくとも1個のエピトープに対して特異的なモノクローナル及びポリ
クローナル抗体は、BU101に関連する疾患又は状態、特に乳癌のための治療
薬の送達物質として、ならびに診断試験のため及びスクリーニングのために有用
である。当該遺伝子の他の部分の配列の単離は、これらの核酸配列から誘導され
るプローブ又はPCRプライマーを利用して実施できる。このことは、目的とす
るmRNA又はcDNAの付加的なプローブを作製すること、ならびに対応する
コードポリペプチド配列を確立することを可能にする。これらの付加的な分子は
、ここで開示するような、BU101によって特徴づけられる乳癌のような乳房
の疾患又は状態を検出する、診断する、病期分類する、監視する、予後判定する
、生体内で画像化する、予防する又は治療する、あるいは乳房の疾患又は状態へ
の素因を判定する上で有用である。
【0038】 ここで述べる組成物及び方法は、乳房組織の疾患又は状態の指標としていくつ
かのマーカーの同定を可能にし、そこから得られる情報は、BU101に関連す
る疾患又は状態、特に乳癌を検出する、診断する、病期分類する、監視する、予
後判定する、生体内で画像化する、予防する又は治療する、あるいは判定するの
を助けるであろう。試験方法は、例えば、ここで提供される配列を使用し、同時
にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)及びハイブリ
ダイゼーションのような核酸増幅方法が使用できる、プローブアッセイを含む。
【0039】 さらに、ここで提供するヌクレオチド配列は、免疫原性エピトープが見出され
るオープンリーディングフレームを含む。このエピトープは、BU101に関連
する疾患又は状態にユニークであると考えられる。また、BU101遺伝子によ
ってコードされるポリヌクレオチド又はポリペプチド及びタンパクはマーカーと
して有用であると思われる。このマーカーは、乳癌のような疾患では上昇又は変
化するか、あるいは正常タンパクとして存在するが不適切な体画分に現われる。
エピトープの独自性は、(i)BU101遺伝子によってコードされるタンパク
及びポリペプチドに対する抗体との免疫学的反応性及び特異性、及び(ii)他
のいかなる組織マーカーとも反応性がないことによって判定されうる。免疫学的
反応性を測定するための方法は周知であり、例えば、放射免疫測定法(RIA)
、酵素結合免疫吸着剤検定法(ELISA)、血球凝集反応(HA)、蛍光偏光
免疫測定法(FPIA)、化学発光免疫測定法(CLIA)及びその他を含むが
、これらに限定されない。適当な方法のいくつかの例をここで述べる。
【0040】 特に異なる記載がないかぎり、下記の用語は下記の意味を持つものとする: 指定配列「から誘導される」又は「に特異的な」ポリヌクレオチドは、指定ヌ
クレオチド配列の領域に対応する、すなわち指定ヌクレオチド配列と同一又は相
補的な、一般に少なくとも約6個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも約8個
のヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約10−12個のヌクレオチド、さ
らに一層好ましくは少なくとも約15−20個のヌクレオチドの隣接配列を含む
ポリヌクレオチド配列を指す。かかる配列は、当分野において既知の手法によっ
て決定されるような特定ポリヌクレオチド配列に独自の配列に相補的又は同一で
ありうる。指定配列の独自性を判定するための方法として、例えば、データバン
ク中の配列との比較が使用できる。配列を誘導しうる領域は、特異的エピトープ
をコードする領域、ならびに非翻訳及び/又は非転写領域を含むが、これらに限
定されない。
【0041】 誘導ポリヌクレオチドは、必ずしも検討下にある目的のヌクレオチド配列から
物理的に誘導されるわけではなく、ポリヌクレオチドが由来する領域の塩基配列
によって提供される情報に基づいた、化学合成、複製、逆転写又は転写を含むが
これらに限定されない方法で生成されうる。それ自体で、もとのポリヌクレオチ
ドのセンス又はアンチセンス方向を表わしうる。さらに、指定配列の領域に対応
する領域の組合せは、意図する用途に一致するように当分野において既知の方法
で改変しうる。
【0042】 特定のポリヌクレオチドの「断片」は、特定ヌクレオチド配列の領域に対応す
る、すなわち特定ヌクレオチド配列と同一又は相補的な、一般に少なくとも約6
個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも約8個のヌクレオチド、より好ましく
は少なくとも約10−12個のヌクレオチド、さらに一層好ましくは少なくとも
約15−20個のヌクレオチドの隣接配列を含むポリヌクレオチド配列を指す。
【0043】 「プライマー」という用語は、標的ヌクレオチド配列に相補的であり、標的ヌ
クレオチド配列にハイブリダイズするために使用される特異的オリゴヌクレオチ
ド配列を意味する。プライマーは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又
は逆転写酵素によって触媒されるヌクレオチド重合のための開始点として働く。
【0044】 「プローブ」という用語は、相補的配列を担う、サンプル中に存在する特異的
ポリヌクレオチドを同定するために使用できる規定された核酸セグメント(又は
ヌクレオチドアナログセグメント、例えば下記に定義されるようなPNA)を意
味する。
【0045】 「によってコードされる」は、ポリペプチド配列をコードする核酸配列を指し
、かかるポリペプチド配列又はその部分は、当該核酸配列によってコードされる
ポリペプチドからの少なくとも3−5個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも
8−10個のアミノ酸、さらに一層好ましくは少なくとも15−20個のアミノ
酸を含む。また、当該配列によってコードされるポリペプチドで免疫学的に同定
可能なポリペプチド配列も包含される。それ故、「ポリペプチド」、「タンパク
」又は「アミノ酸」配列は、BU101アミノ酸配列と少なくとも約50%の同
一性、好ましくは約60%の同一性、より好ましくは約75−85%の同一性、
最も好ましくは約90−95%又はそれ以上の同一性を持つ。さらに、BU10
1「ポリペプチド」、「タンパク」又は「アミノ酸」配列は、BU101のポリ
ペプチド又はアミノ酸配列と少なくとも約60%の類似性、好ましくは少なくと
も約75%の類似性、より好ましくは約85%の類似性、最も好ましくは約95
%又はそれ以上の類似性を持つと考えられる。このアミノ酸配列は、配列番号2
0−29及びそれらの断片から成る群から選択できる。
【0046】 ここでは交換可能に使用しうる語である「組換えポリペプチド」、「組換えタ
ンパク」又は「組換え手法によって生成されるポリペプチド」は、その由来又は
操作によって、天然において結合しているポリペプチドの全部又は一部に結合し
ていない及び/又は天然において連結している以外のポリペプチドに連結してい
るポリペプチドを表わす。組換え又はコードポリペプチド又はタンパクは、必ず
しも指定核酸配列から翻訳されるわけではない。化学合成又は組換え発現系の発
現を含めた何らかの方法によっても生成されうる。
【0047】 ここで使用するとき、「合成ペプチド」という用語は、当業者に周知の方法に
よって化学合成されうる、あらゆる長さのポリマー形態のアミノ酸を意味する。
これらの合成ペプチドは様々な適用において有用である。
【0048】 ここで使用するとき、「ポリヌクレオチド」という用語は、あらゆる長さのポ
リマー形態のヌクレオチド、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドの
いずれかを意味する。この用語は分子の一次構造だけを指す。従って、この用語
は、二本鎖及び一本鎖DNA、ならびに二本鎖及び一本鎖RNAを含む。また、
メチル化又はキャップ構造のような修飾形態及び非修飾形態のポリヌクレオチド
も包含する。「ポリヌクレオチド」、「オリゴマー」、「オリゴヌクレオチド」
及び「オリゴ」という用語はここでは交換可能に使用される。
【0049】 「cDNAに対応する配列」は、当該配列が、指定DNA中の配列と同一又は
相補的であるポリヌクレオチド配列を含むことを意味する。cDNAとの同一性
又は相補性の度合(又は「パーセント」)は、約50%又はそれ以上、好ましく
は少なくとも約70%又はそれ以上、より好ましくは少なくとも約90%又はそ
れ以上である。同定されたcDNAに対応する配列は、少なくとも約50ヌクレ
オチドの長さ、好ましくは少なくとも60ヌクレオチドの長さ、より好ましくは
約70ヌクレオチドの長さである。目的とする遺伝子又は遺伝子断片とcDNA
間の対応性は当分野において既知の方法によって決定することができ、例えば配
列決定された物質と上記cDNAの直接比較、又はハイブリダイゼーションと一
本鎖ヌクレアーゼによる消化、それに続く消化断片のサイズ決定を含む。
【0050】 アミノ酸配列の「類似性」を決定するための手法は当分野において周知である
。一般に「類似性」は、アミノ酸が同一であるか若しくは電荷又は疎水性のよう
な類似した化学的及び/又は物理的特性を有する適当な部位での、2個又はそれ
以上のポリペプチドの正確なアミノ酸対アミノ酸の比較を意味する。その後、比
較したポリペプチド配列間でいわゆる「パーセント類似性」を決定することがで
きる。核酸とアミノ酸配列の同一性を決定するための手法も当分野において周知
であり、その遺伝子に関するmRNAのヌクレオチド配列を決定し(通常はcD
NA中間体を通して)、それによってコードされるアミノ酸配列を決定して、こ
れを第二のアミノ酸配列と比較することを含む。一般に「同一性」という用語は
、それぞれ2個のポリヌクレオチド又はポリペプチド配列の正確なヌクレオチド
対ヌクレオチド又はアミノ酸対アミノ酸の対応性を指す。2個又はそれ以上のポ
リヌクレオチド配列は、それらの「パーセント同一性」を決定することによって
比較できる。2個又はそれ以上のアミノ酸配列は、同様にそれらの「パーセント
同一性」を決定することによって比較できる。核酸又はペプチド配列のいずれで
も、2つの配列のパーセント同一性は、2つの整列化した配列間の正確な一致数
を短い方の配列の長さで割って、100を掛けたものである。核酸配列に関する
およその整列化は、SmithとWaterman,Advances in
Applied Mathematics 2:482−489(1981)の
局所相同性アルゴリズムによって提供される。Dayhoff,Atlas o
f Protein Sequences and Structure,M.
O.Dayhoff編集、補遺5、3:353−358,National B
iomedical Research Foundation,Washin
gton,D.C.,USAによって開発され、Gribuskov,Nucl
.Acids Res.14(6):6745−6763(1986)によって
規格化されたスコアリングマトリックスを用いて、このアルゴリズムをペプチド
配列に関して使用するように拡大することができる。核酸及びペプチド配列に関
するこのアルゴリズムの実施は、Genetics Computer Gro
up(Madison,WI)により、そのBestFit utility適
用において提供される。この方法についてのデフォルトパラメータがWisco
nsin Sequence Analysis Package Progr
am Manual,Version 8(1995)(Genetics C
omputer Group,Madison,WIより入手可能)の中に述べ
られている。配列間のパーセント同一性又は類似性を算定するための他の同等に
適切なプログラムは、当分野において一般的に知られている。
【0051】 「精製ポリヌクレオチド」は、ポリヌクレオチドが自然の状態で結合している
タンパク質を基本的に含まない、例えば約50%未満、好ましくは約70%未満
、より好ましくは約90%未満含む目的ポリヌクレオチド又はその断片を指す。
目的とするポリヌクレオチドを精製するための手法は当分野において周知であり
、例えば、カオトロピック剤によるポリヌクレオチド含有細胞の破壊、及びイオ
ン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー及び密度に従っ
た沈降によるポリヌクレオチドとタンパクの分離を含む。
【0052】 「精製ポリペプチド」又は「精製タンパク」は、目的のポリペプチドが自然の
状態で結合している細胞成分を基本的に含まない、例えば約50%未満、好まし
くは約70%未満、より好ましくは約90%未満含む目的のポリペプチド又はそ
の断片を意味する。目的とするポリペプチドを精製するための方法は当分野にお
いて既知である。
【0053】 「単離」という用語は、物質をそのもとの環境(例えば、物質が天然に生じる
場合には天然環境)から取り出すことを意味する。例えば、生体動物中に存在す
る、天然に生じるポリヌクレオチド又はポリペプチドは単離されていないが、自
然系において共存する物質の一部又は全部から切り離された同じポリヌクレオチ
ド又はDNA又はポリペプチドは、単離されている。そのようなポリヌクレオチ
ドがベクターの一部である及び/又はそのようなポリヌクレオチド又はポリペプ
チドが組成物の一部である場合あり、かかるベクター又は組成物はその自然環境
の一部ではないという意味で、さらに単離することができる。
【0054】 「ポリペプチド」及び「タンパク」はここでは交換可能に使用され、共有及び
/又は非共有結合を通して連結されたアミノ酸の少なくとも1つの分子鎖を表わ
す。かかる用語は特定の長さの物質を意味しない。それ故、ペプチド、オリゴペ
プチド及びタンパクはポリペプチドの定義内に包含される。かかる用語は、ポリ
ペプチドの翻訳後修飾、例えばグリコシル化、アセチル化、リン酸化等を含む。
さらに、タンパク断片、アナログ、突然変異タンパク又は変異体タンパク、融合
タンパク等もポリペプチドの意味の中に包含される。
【0055】 特定ポリペプチドの「断片」は、特定ポリペプチドから誘導される少なくとも
約3−5個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも約8−10個のアミノ酸、さ
らに一層好ましくは少なくとも約15−20個のアミノ酸を含むアミノ酸配列を
指す。
【0056】 「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞系」、「細胞培養」及
び単細胞単位として培養される微生物又は高等真核細胞系を表わす他のそのよう
な用語は、組換えベクター又は他のDNA導入のためのレシピエントとして使用
されうる又は使用されてきた細胞を指す。
【0057】 ここで使用されるとき「レプリコン(複製単位)」は、細胞内でのポリヌクレ
オチド複製の自律単位として働くプラスミド、染色体又はウイルスのような何ら
かの遺伝的要素を意味する。
【0058】 「ベクター」は、結合されたセグメントの複製及び/又は発現をもたらすよう
に、もう1つ別のポリヌクレオチドセグメントが結合されているレプリコンであ
る。
【0059】 「制御配列」という用語は、それがライゲーションされているコード配列の発
現を生じさせるために必要なポリヌクレオチド配列を指す。そのような制御配列
の性質は宿主生物に依存して異なる。原核生物では、そのような制御配列は一般
にプロモーター、リボソーム結合部位及びターミネーターを含む;真核生物では
、そのような制御配列は一般にプロモーター、ターミネーター及び、一部の場合
には、エンハンサーを含む。従って「制御配列」という用語は、最小限として、
その存在が発現のために必要であるすべての成分を含むことが意図されており、
同時にその存在が有益である付加的な成分、例えばリーダー配列も含みうる。
【0060】 「機能的に連結された」は、記述されている成分が意図されているように機能
することができる関係にある状況を指す。それ故、例えば、コード配列に「機能
的に連結された」制御配列は、制御配列と適合性である条件下でコード配列の発
現が実現されるようにライゲーションされている。
【0061】 「オープンリーディングフレーム」又は「ORF」という用語は、ポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチド配列の領域を指す。この領域は、コード配列の
一部又はコード配列全体でありうる。
【0062】 「コード配列」は、適切な調節配列の制御下においたときmRNAに転写され
、ポリペプチドに翻訳されるポリヌクレオチド配列である。コード配列の境界は
、5’末端の翻訳開始コドンと3’末端の翻訳終止コドンによって決定される。
コード配列は、mRNA、cDNA及び組換えポリヌクレオチド配列を含むが、
これらに限定されない。
【0063】 「に関して/として免疫学的に同定可能」という用語は、指定ポリペプチド中
にも存在し、指定ポリペプチドに独自であるエピトープ及びポリペプチドの存在
を指す。免疫学的同一性は、抗体結合及び/又は結合における競合によって決定
されうる。これらの手法は当業者には既知であり、またここでも説明する。エピ
トープの独自性はまた、当該エピトープをコードするポリヌクレオチド配列に関
してGenBankのような既知のデータバンクをコンピュータ検索することに
よって、及び他の既知のタンパクとのアミノ酸配列比較によっても決定できる。
【0064】 ここで使用するとき、「エピトープ」は、ポリペプチド又はタンパクの抗原決
定基を意味する。推定上、エピトープは、当該エピトープに独自の空間コンフォ
メーションに3個のアミノ酸を含むと考えられる。一般に、エピトープは少なく
とも5個のそのようなアミノ酸から成り、より一般的には少なくとも8−10個
のアミノ酸から成る。空間コンフォメーションを調べる方法は当分野において既
知であり、例えば、x線結晶構造解析及び二次元核磁気共鳴を含む。
【0065】 「配座エピトープ」は、免疫学的に認識可能な構造のアミノ酸の特異的近位か
ら成るエピトープであり、そのようなアミノ酸は隣接する又は隣接しない順序で
同じポリペプチド上に又は異なるポリペプチド上に存在する。
【0066】 ポリペプチド内に含まれる特異的エピトープの抗体認識によって抗体に結合す
るとき、ポリペプチドは抗体と「免疫学的に反応性」である。免疫学的反応性は
抗体結合によって、より明細には抗体結合の動態によって、及び/又は抗体が特
異的であるエピトープを含む既知のポリペプチドを競合物質として使用した結合
における競合によって、決定しうる。ポリペプチドが抗体と免疫学的に反応性で
あるかどうかを決定するための方法は当分野において既知である。
【0067】 ここで使用するとき、「目的のエピトープを含む免疫原性ポリペプチド」とい
う用語は、天然に生じる目的のポリペプチド又はその断片、ならびに他の手段に
よって、例えば化学合成又は組換え生物におけるポリペプチドの発現によって調
製されるポリペプチドを意味する。
【0068】 「トランスフェクション」という用語は、導入のために使用する方法に関わり
なく、原核又は真核宿主細胞への外因性ポリヌクレオチドの導入を指す。「トラ
ンスフェクション」という用語はポリヌクレオチドの安定な導入と一過性導入の
両方を指し、ポリヌクレオチドの直接取り込み、形質転換、形質導入、及びf交
配を包含する。ひとたび宿主細胞に導入されると、外因性ポリヌクレオチドは、
統合されないレプリコン、例えばプラスミドとして保持されるか、又はその代わ
りに宿主ゲノム内に組み込まれうる。
【0069】 「治療」は、予防及び/又は療法を指す。
【0070】 ここで使用するとき、「個体」という用語は、脊椎動物、特に哺乳動物種のメ
ンバーを指し、家畜、競技用動物、霊長類及びヒトを含むがこれらに限定されな
い;より特定すると、かかる語はヒトを指す。
【0071】 ここで使用するとき、「センス鎖」又は「プラス鎖」(又は「+」)は、ポリ
ペプチドをコードする配列を含む核酸を表わす。「アンチセンス鎖」又は「マイ
ナス鎖」(又は「−」)は、「プラス」鎖の配列に相補的な配列を含む核酸を表
わす。
【0072】 「試験サンプル」という用語は、分析物(目的とする抗体又は目的とする抗原
など)の供給源である個体の身体の成分を指す。これらの成分は当分野において
周知である。試験サンプルは、典型的には標的配列を含むことが疑われる何らか
のものである。試験サンプルは、個体から標本を採取し、必要に応じてそれに含
まれる細胞を破壊して標的核酸を放出させることのような、当分野において周知
の方法を用いて調製できる。これらの試験サンプルは、ここで述べる本発明の方
法によって試験することができる生物学的サンプルを含み、全血、血清、血漿、
脳脊髄液、痰、気管支洗浄液、気管支吸引液、尿、リンパ液のようなヒト及び動
物の体液、ならびに気道、腸管及び泌尿生殖管の様々な外分泌物、涙、唾液、乳
汁、白血球、骨髄腫等;細胞培養上清のような生物学的液体;固定されうる組織
標本;及び固定されうる細胞標本を包含する。
【0073】 「精製産物」は、当該産物が正常に結合している細胞成分から、及び目的サン
プル中に存在しうる他の細胞型から分離された産物の試料を指す。
【0074】 「PNA」は、標的の存在を調べるためにここで述べたアッセイのような手順
において使用できる「ペプチド核酸アナログ」を意味する。「MA」は、標的の
存在を調べるためのここで述べたアッセイのような手順において使用できる「モ
ルホリンアナログ(morpholino analog)」を意味する。例え
ば、参照してここに組み込まれる米国特許第5,378,841号参照。PNA
は、RNA標的又はDNAに対して特異的でありうる中性荷電成分である。例え
ば、本発明のDNAプローブの代わりにアッセイにおいて使用されるPNAプロ
ーブは、DNAプローブを使用するときに達成できない利益を提供する。これら
の利益は、大量製造の可能性、大規模標識化、再現性、安定性、イオン強度の変
化に対して感受性がないこと、ならびにDNA又はRNAを使用する方法におい
て存在する酵素的分解への抵抗性を含む。これらのPNAは、フルオレセイン、
放射性ヌクレオチド、化学発光化合物等のようなシグナルを生じる化合物で標識
する(化合物「に結合する」)ことができる。PNA又はMAのような他の核酸
アナログは、それ故、DNA又はRNAの代わりにアッセイ法において使用する
ことができる。ここではDNAプローブを使用するアッセイが記述されているが
、アッセイ試薬に必要に応じて適切な変更を加えて、DNA又はRNAをPNA
又はMAに置き換えることは当業者の範囲内である。
【0075】 ここで使用するとき、「分析物」は、試験サンプル中に存在する可能性のある
、検出すべき物質である。分析物は、それに対して天然に生じる特異的結合メン
バー(抗体のような)が存在する、又はそれに対する特異的結合メンバーを調製
することができる物質でありうる。従って、分析物は、アッセイにおいて1つ又
はそれ以上の特異的結合メンバーに結合しうる物質である。「分析物」はまた、
抗原性物質、ハプテン、抗体及びそれらの組合せも含む。特異的結合対のメンバ
ーとして、分析物は、ビタミンB12を測定するための特異的結合対のメンバー
としての内性因子タンパクの使用、葉酸を測定するための葉酸結合タンパクの使
用、あるいは炭水化物を測定するための特異的結合対のメンバーとしてのレクチ
ンの使用のような、天然に生じる結合パートナー(対)によって検出することが
できる。分析物はタンパク、ポリペプチド、アミノ酸、ヌクレオチド標的等を含
みうる。分析物は、血液、血漿又は血清、尿等のような体液に可溶性でありうる
。分析物は、細胞表面上又は細胞内のいずれかで組織中に存在しうる。分析物は
、血液、尿、乳房吸引液のような体液中に分散しているか、又は生検サンプルと
して得られる、細胞上又は細胞中に存在しうる。
【0076】 「乳房の疾患」、「乳房疾患」及び「乳房の状態」という用語は、非定型過形
成、線維腺腫、嚢胞性乳房疾患及び癌を含むがこれらに限定されない、乳房の何
らかの疾患又は状態を表わすためにここでは交換可能に使用される。
【0077】 ここで使用するとき、「乳癌」は、上皮内腺管癌、上皮内小葉癌、浸潤性腺管
癌、管状腺癌、粘液性癌腫、浸潤性小葉癌及び炎症性乳癌を含むがこれらに限定
されない、乳房の何らかの悪性疾患を指す。
【0078】 「発現配列標識(TAG)」又は「EST」は、組織から抽出されたmRNA
の逆転写とそれに続くベクターへの挿入によって作製されたcDNA挿入物の部
分配列を指す。
【0079】 「転写産物像」は、ライブラリーにおけるESTの量的分布を示す表又はリス
トを指し、ライブラリーが作製された組織において活性な遺伝子を表わす。
【0080】 本発明は、特異的結合メンバーを使用するアッセイを提供する。ここで使用す
るとき「特異的結合メンバー」とは特異的結合対のメンバーである。すなわち、
分子の1つが化学的又は物理的手段を通して第二の分子に特異的に結合する、2
つの異なる分子である。それ故、一般的な免疫測定法における抗原と抗体の特異
的結合対に加えて、他の特異的結合対としてビオチンとアビジン、炭水化物とレ
クチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターとレセプター分子、補因子と酵
素、酵素阻害因子と酵素、等を含みうる。さらに、特異的結合対は、もとの特異
的結合メンバーのアナログであるメンバー、例えば分析物−アナログを含みうる
。免疫反応性特異的結合メンバーは、組換えDNA分子によって形成されるもの
を含めて、抗原、抗原断片、モノクローナルとポリクローナルの両方の抗体と抗
体断片及びそれらの複合体を含む。
【0081】 特異的結合メンバーは「特異的結合分子」を含む。「特異的結合分子」はあら
ゆる特異的結合メンバー、特に免疫反応性特異的結合メンバーを意図する。それ
自体で、「特異的結合分子」という用語は、抗体分子(ポリクローナルとモノク
ローナルの両方の標本から得られる)ならびに次のものを包含する:ハイブリッ
ド(キメラ)抗体分子(例えば、Winterら、Nature 349:29
3−299(1991)、及び米国特許第4,816,567号参照);F(a
b’)2及びF(ab)断片;Fv分子(非共有結合ヘテロダイマー)(例えば
、Inbarら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 69:26
59−2662(1972)、及びEhrlichら、Biochem.19:
4091−4096(1980)参照);一本鎖Fv分子(sFv)(例えば、
Hustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:58
79−5883(1988)参照);人体抗体分子(例えば、Riechman
nら、Nature 332:323−327(1988)、Verhoeya
nら、Science 239:1534−1536(1988)、及び199
4年9月21日公開の英国特許公開第GB2,276,169号参照);ならび
に、そのような分子から得られる機能的断片、但し、かかる断片は親抗体分子の
免疫結合特性を保持する。
【0082】 ここで使用するとき「ハプテン」という用語は、抗体に結合することができる
が、キャリアタンパクに結合しなければ抗体産生を惹起することができない部分
抗原又は非タンパク結合メンバーを指す。
【0083】 ここで使用するとき「捕獲試薬」は、サンドイッチアッセイにおけるように分
析物に対して、競合アッセイにおけるように指示試薬又は分析物に対して、若し
くは間接アッセイにおけるようにそれ自体が分析物に特異的である補助的な特異
的結合メンバーに対して特異的である、標識していない特異的結合メンバーを指
す。捕獲試薬は、アッセイを実施する前又はアッセイの実施中に直接又は間接的
に固相物質に結合することができ、それによって固定化された複合体を試験サン
プルから分離することを可能にする。
【0084】 「指示試薬」は、特異的結合メンバーに複合した(「結合した」)、外的手段
によって検出しうる測定可能なシグナルを生じることができ、且つそのようなシ
グナルを発する「シグナル発生化合物」(「標識」)を含む。特異的結合対の抗
体メンバーであることに加えて、指示試薬は同時に、ビオチン又は抗ビオチン、
アビジン又はビオチン、炭水化物又はレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフ
ェクター又はレセプター分子、酵素補因子及び酵素、酵素阻害因子又は酵素、等
のようなハプテン−抗ハプテン系を含めて、何らかの特異的結合対のメンバーで
もありうる。免疫反応性特異的結合メンバーは、サンドイッチアッセイにおける
ように目的のポリペプチドに結合する、競合アッセイにおけるように捕獲試薬に
結合する、若しくは間接アッセイにおけるように補助の特異的結合メンバーに結
合することができる抗体、抗原、又は抗体/抗原複合体でありうる。プローブ及
びプローブアッセイについて述べるとき、「レポーター分子」という用語を使用
することがある。レポーター分子は、カルバゾール又はアダマンタンのような、
特異的結合対の特異的結合メンバーに複合した、上述したようなシグナル発生化
合物を含む。
【0085】 想定される様々な「シグナル発生化合物」(標識)は、色原体、酵素のような
触媒、フルオレセインやローダミンのような発光化合物、ジオキセタン、アクリ
ジニウム、フェナントリジニウム及びルミノールのような化学発光化合物、放射
性元素及び直接眼に見える標識を含む。酵素の例は、アルカリホスファターゼ、
ホースラディシュペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、等を含む。個々の
標識の選択は決定的に重要ではないが、それ自体であるいは1つ又はそれ以上の
付加物質と組み合わせて、シグナルを生じることができなければならない。
【0086】 「固相」(「支持体」)は当業者には既知であり、反応トレーのウエルの壁、
試験管、ポリスチレンビーズ、磁性又は非磁性ビーズ、ニトロセルロースストリ
ップ、膜、ラテックス粒子のような微粒子、ヒツジ(又は他の動物の)赤血球及
びDuracyteR(ピルビン酸アルデヒドとホルムアルデヒドによって「固
定された」赤血球、Abbott Laboratories,Abbott
Park,ILより入手可能)その他を含む。「固相」は決定的に重要ではなく
、当業者によって選択されうる。それ故、ラテックス粒子、微粒子、磁性又は非
磁性ビーズ、膜、プラスチックチューブ、マイクロタイターウエルの壁、ガラス
又はシリコンチップ、ヒツジ(又は他の適当な動物の)赤血球及びDuracy
te(登録商標)は、すべて適当な例である。ペプチドを固相に固定するための
適当な方法は、イオン性、疎水的、共有結合性相互作用等を含む。ここで使用す
るとき、「固相」は、不溶性であるか、若しくはその後の反応によって不溶性に
することができる物質を指す。固相は、捕獲試薬を誘引して固定するその内在能
力によって選択することができる。その代わりに、固相は、捕獲試薬を誘引して
固定する能力を持つ付加レセプターを保持しうる。付加レセプターは、捕獲試薬
そのものに関して又は捕獲試薬に複合した荷電物質に関して反対の電荷を持つ荷
電物質を含みうる。さらにもう1つの選択肢として、レセプター分子は、固相に
固定されて(結合されて)おり、特異的結合反応を通して捕獲試薬を固定する能
力を持つ、何らかの特異的結合メンバーでありうる。レセプター分子は、アッセ
イの実施前又はアッセイの実施中に捕獲試薬が固相材料に間接結合することを可
能にする。従って固相は、プラスチック、誘導体化されたプラスチック、磁性又
は非磁性金属、試験管のガラス又はシリコン表面、マイクロタイターウエル、シ
ート、ビーズ、微粒子、チップ、ヒツジ(又は他の適当な動物の)赤血球、Du
racyte(登録商標)及び当業者に既知の他の構造でありうる。
【0087】 固相はまた、検出抗体によるアクセスを可能にする十分な多孔度と抗原に結合
するための適切な表面親和性を備えた適当な多孔性材料も含みうることが想定さ
れ、それは本発明の範囲内である。一般に微小孔構造が好ましいが、水和状態で
ゲル構造を持つ物質も使用しうる。そのような有用な支持体は、ニトロセルロー
ス及びナイロンを含むがこれらに限定されない。ここで述べるそのような多孔性
支持体は、好ましくは、厚さ約0.01−0.5mm、好ましくは約0.1mm
のシートの形態である。孔の大きさは広い範囲で変化しうるが、好ましくは約0
.025−15ミクロン、特に好ましくは約0.15−15ミクロンである。そ
のような支持体の表面は、支持体への抗原又は抗体の共有結合を生じさせる化学
的プロセスによって活性化されうる。しかしながら、一般に、十分には理解され
ていない疎水性の力による多孔性物質への吸着によって、抗原又は抗体の不可逆
的結合が得られる。他の適当は支持体は当分野において既知である。
【0088】 試薬 本発明は、目的とする、BU101と称される乳房組織から誘導されるポリヌ
クレオチド配列、それによってコードされるポリペプチド、及びそれらのポリペ
プチドに特異的な抗体のような試薬を提供する。本発明はまた、開示されるポリ
ヌクレオチド及びこれらのポリヌクレオチドに相補的な核酸配列から誘導される
オリゴヌクレオチド断片のような試薬を提供する。本発明のポリヌクレオチド、
ポリペプチド又は抗体は、乳癌のような乳房の疾患及び状態の検出、診断、病期
分類、監視、予後判定、生体内での画像化、予防又は治療、あるいは乳房の疾患
及び状態に対する素因の判定を導く情報を提供するために使用しうる。ここで開
示する配列は、アッセイにおいて、又は遺伝子転写活性の特異的プロフィールを
作製するために使用できるユニークポリヌクレオチドである。そのようなアッセ
イは、参照してここに組み込まれる、欧州特許第0373203B1号及び国際
特許公開WO95/11995号に開示されている。
【0089】 選択したBU101由来のポリヌクレオチドは、正常な又は変化した遺伝子発
現を検出するためのここで述べる方法において使用できる。そのような方法は、
BU101ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド、それらの断片又は誘導体
、あるいはそれらに相補的な核酸配列を使用しうる。
【0090】 ここで開示するポリヌクレオチド、それらの相補的配列、又はそのいずれかの
断片は、関連する乳房組織の疾患及び状態に関する遺伝子、核酸、cDNA又は
mRNAを検出する、増幅する又は定量するためのアッセイにおいて使用できる
。それらはまた、BU101ポリペプチドの全体又は部分的コード領域を同定す
るために使用できる。それらはさらに、個々の容器においてアッセイ用のキット
の形態で、又は個々の組成物として提供されうる。アッセイ用のキットとして提
供される場合には、緩衝剤、複合体(conjugate)等のような他の適当
な試薬も含みうる。
【0091】 当該ポリヌクレオチドはRNA又はDNAの形態をとりうる。DNA、cDN
A、ゲノムDNA、核酸アナログ及び合成DNAの形態のポリヌクレオチドは本
発明の範囲内である。DNAは二本鎖又は一本鎖のいずれでもよく、また一本鎖
の場合には、コード(センス)鎖又は非コード(アンチセンス)鎖のいずれでも
よい。ポリペプチドをコードするコード配列は、ここで提供するコード配列と同
一であってもよく、あるいは遺伝子コードの重複又は縮退の結果として、コード
配列がここで提供するDNAと同じポリペプチドをコードする異なるコード配列
であってもよい。
【0092】 このポリヌクレオチドは、当該ポリペプチドのコード配列だけ、あるいは当該
ポリペプチドのコード配列とリーダー又は分泌配列又はプロタンパク配列のよう
な付加コード配列、あるいは当該ポリペプチドのコード配列(及び任意に付加コ
ード配列)とポリペプチドのコード配列の5’側及び/又は3’側非コード配列
のような非コード配列を含みうる。
【0093】 さらに、本発明は、ポリヌクレオチドの欠失、置換又は付加のような修飾を含
む変異体ポリヌクレオチド、及び変異体ポリヌクレオチド配列から生じるポリペ
プチド修飾を包含する。本発明のポリヌクレオチドはまた、ここで提供するコー
ド配列の天然に生じる対立遺伝子変異体であるコード配列を持ちうる。
【0094】 さらに、ポリペプチドのコード配列を同じ読み枠内で、宿主細胞からのポリペ
プチドの発現と分泌を助けるポリヌクレオチド配列、例えば細胞からのポリペプ
チドの輸送を制御するための分泌配列として機能するリーダー配列に融合するこ
とができる。リーダー配列を持つポリペプチドはプロタンパクであり、宿主細胞
によって開裂されてポリペプチドを産生するリーダー配列を持ちうる。ポリヌク
レオチドはまた、タンパクプラス付加的な5’アミノ酸残基であるプロタンパク
をコードしうる。プロ配列を持つタンパクはプロタンパクであり、一部の場合に
は、タンパクの不活性形態でありうる。ひとたびプロ配列が開裂されれば、活性
タンパクが残存する。従って本発明のポリヌクレオチドは、タンパク、又はプロ
配列を持つプロタンパク、又はプレ配列(リーダー配列)とプロ配列の両方を持
つタンパクをコードしうる。
【0095】 本発明のポリヌクレオチドはまた、フレーム内で、本発明のポリペプチドの精
製を可能にするマーカー配列に融合したコード配列を持ちうる。マーカー配列は
、細菌宿主の場合にはマーカーに融合したポリペプチドの精製を提供するための
pQE−9によって供給されるヘキサヒスチジン標識でありうる、又は例えば、
哺乳類宿主、例えばCOS−7細胞系を使用するときにはマーカー配列は血球凝
集素(HA)でありうる。HA標識は、インフルエンザ血球凝集素タンパクから
誘導されるエピトープに相当する。例えば、I.Wilsonら、Cell 3
7:767(1984)参照。
【0096】 ポリヌクレオチドと配列間に少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%
、より好ましくは少なくとも90%の同一性が存在する場合、ポリヌクレオチド
をここで提供する配列にハイブリダイズすると見なされるであろう。
【0097】 2つの核酸分子間の配列同一性の度合は、そのような分子間のハイブリダイゼ
ーション事象の効率と強さに大きく影響する。部分的に同一な核酸配列は、完全
に同一な配列が標的分子にハイブリダイズするのを少なくとも部分的に阻害する
配列である。完全同一配列のハイブリダイゼーションの阻害は、当分野において
周知のハイブリダイゼーションアッセイを用いて評価できる(例えば、サザンブ
ロット、ノーザンブロット、溶液ハイブリダイゼーション、原位置(in si
tu)ハイブリダイゼーション、等、Sambrookら、Molecular
Cloning:A Laboratory Manual、第2版、(19
89)Cold Spring Harbor,N.Y.参照)。そのようなア
ッセイは、様々な度合の選択性、例えば低ストリンジェンシーから高ストリンジ
ェンシーまでにわたる条件を用いて実施できる。低ストリンジェンシー条件を用
いる場合には、非特異的結合事象が存在しなければ第二プローブが標的にハイブ
リダイズしないように、部分的な度合の配列同一性さえも持たない第二プローブ
(例えば、標的分子と約30%未満の配列同一性を持つプローブ)を用いて、非
特異的結合が存在しないことを評価できる。
【0098】 ハイブリダイゼーションに基づく検出系を用いるときには、標的核酸配列に相
補的である核酸プローブを選択し、次に適当な条件を選択することによってプロ
ーブと標的配列を「選択的にハイブリダイズする」又は互いに結合させてハイブ
リッド分子を形成する。本発明の1つの実施形態では、核酸分子は、中等度に厳
密なハイブリダイゼーション条件下で標的配列に選択的にハイブリダイズするこ
とができる。本発明に関して、中等度ストリンジェンシーのハイブリダイゼーシ
ョン条件は、選択した核酸プローブの配列と少なくとも約70%の配列同一性を
持つ、少なくとも14ヌクレオチドの長さの標的核酸配列を検出することが可能
である。もう1つの実施形態では、厳密なハイブリダイゼーション条件下でその
ような選択的ハイブリダイゼーションを実施する。厳密なハイブリダイゼーショ
ン条件は、選択した核酸プローブの配列と90%以上の配列同一性を持つ、少な
くとも14ヌクレオチドの長さの標的核酸配列を検出することができる。プロー
ブと標的が特定の度合の配列同一性を持つ場合、プローブ/標的ハイブリダイゼ
ーションに有用なハイブリダイゼーション条件は、当分野において知られている
ように決定できる(例えば、Nucleic Acid Hybridizat
ion:A Practical Approach、B.D.HamesとS
.J.Higgins編集、(1985)Oxford;Washington
,DC;IRL Press)。ハイブリッド分子は、例えば、支持体上、溶液
中、及び組織切片中に形成されうる。ハイブリッドの形成は、レポーター分子、
典型的にはプローブ内への取込みによってモニターできる。そのようなレポータ
ー分子又は検出可能要素は、放射性元素、蛍光マーカー、及び酵素複合リガンド
が結合しうる分子を含むが、これらに限定されない。
【0099】 ハイブリダイゼーションのためのストリンジェンシー条件に関して、数多くの
等価条件を用いて、例えば次の因子を変化させることにより、特定のストリンジ
ェンシーを確立できることは当分野において周知である:プローブの長さと性質
、様々な配列の塩基組成物、塩及び他のハイブリダイゼーション溶液成分の濃度
、ハイブリダイゼーション溶液中の遮断剤(例えば、ホルムアミド、硫酸デキス
トラン、及びポリエチレングリコール)の存在又は不在、ハイブリダイゼーショ
ン反応の温度及び時間パラメータ、ならびに様々な洗浄条件。ハイブリダイゼー
ション条件の特定セットの選択は十分に当業者の技術範囲内である(例えば、S
ambrookら、Molecular Cloning:A Laborat
ory Manual、第2版、(1989)Cold Spring Har
bor,N.Y.参照)。
【0100】 本発明はまた、ポリペプチドの少なくとも一部がここで提供されるポリヌクレ
オチドから選択されるBU101ポリヌクレオチドによってコードされる、精製
BU101ポリペプチドを使用することによって産生される抗体を提供する。こ
れらの抗体は、試験サンプル中のBU101抗原を検出するためのここで提供さ
れる方法において使用しうる。試験サンプル中にBU101抗原が存在すること
は、乳房の疾患又は状態が存在することの指標である。抗体はまた、治療のため
、例えば発現の変化又は異常に関連する状態においてBU101ポリペプチドの
活性を中和する際に使用しうる。
【0101】 本発明はさらに、ここで提供するような推定アミノ酸配列を持つBU101ポ
リペプチド、ならびにそのようなポリペプチドの断片、アナログ及び誘導体に関
する。本発明のポリペプチドは、組換えポリペプチド、天然精製ポリペプチド又
は合成ポリペプチドでありうる。BU101ポリペプチドの断片、誘導体又はア
ナログは、1個又はそれ以上のアミノ酸残基が保存された又は保存されないアミ
ノ酸残基(好ましくは保存されたアミノ酸残基)で置換されているものでありう
るが、そのような置換されたアミノ酸残基は遺伝子コードによってコードされる
もの又はそうでないもののどちらでもよい;あるいは、1個又はそれ以上のアミ
ノ酸残基が置換基を含むものであってもよい;あるいは、ポリペプチドが、ポリ
ペプチドの半減期を延長させる化合物(例えばポリエチレングリコール)のよう
なもう1つの化合物と融合しているものであってもよい;あるいは、リーダー又
は分泌配列あるいはポリペプチド又はプロタンパク配列の精製のために用いられ
る配列のような、付加的なアミノ酸がポリペプチドに融合しているものであって
もよい。そのような断片、誘導体及びアナログは本発明の範囲内である。本発明
のポリペプチド及びポリヌクレオチドは、好ましくは分離形態で、且つ好ましく
は精製されて提供される。
【0102】 それ故、本発明のポリペプチドは、天然に生じるポリペプチドと同一であるか
、又は1個又はそれ以上のアミノ酸置換による小さな変化によって異なるアミノ
酸配列を持ちうる。変化は、典型的には約1−5個のアミノ酸の範囲の「保存的
置換」であって、置換アミノ酸は類似した構造又は化学特性を持ち、例えばイソ
ロイシンによるロイシンの置換又はセリンによるトレオニンの置換でありうる。
これに対し、変化は非保存的変化、例えばトリプトファンによるグリシンの置換
を含みうる。同様の小さな変化はまた、アミノ酸の欠失又は挿入、又はその両方
を含みうる。生物学的又は免疫学的活性を変化させずに、いずれのアミノ酸残基
がどの程度の数まで置換、挿入又は欠失されうるかを決定する上での指針は、当
分野において周知のコンピュータプログラム、例えばDNASTARソフトウエ
ア(DNASTAR Inc.,Madison,WI)を用いて見出すことが
できる。
【0103】 本発明のポリヌクレオチド配列に従って構築されるプローブは、様々な種類の
分析を提供する様々なアッセイ法において使用できる。例えば、そのようなプロ
ーブは、染色体分析を実施するための蛍光原位置ハイブリダイゼーション(FI
SH)テクノロジーにおいて、また染色体の拡大によって眼に見える、あるいは
PCRで作製した及び/又は対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブ、対
立遺伝子特異的増幅を用いて又は直接配列決定によって検出しうる欠失又は転座
のような、染色体における癌特異的構造変化を同定するために使用できる。プロ
ーブはまた、放射性標識、直接又は間接的に検出可能なハプテン、又は蛍光分子
で標識することができ、組織標本又は細胞においてポリヌクレオチドを含む遺伝
子のmRNA発現を評価するための原位置ハイブリダイゼーション試験のために
利用できる。
【0104】 本発明はまた、ここで提供するポリヌクレオチドとポリペプチドの製造に関す
る教示も提供する。
【0105】 プローブアッセイ ここで提供する配列は、試験サンプル中の核酸を検出するためのアッセイにお
いて使用できるプローブを作製するために使用しうる。プローブは、目的とする
ポリヌクレオチドの保存ヌクレオチド領域から、又は目的とするポリヌクレオチ
ドの非保存ヌクレオチド領域から設計することができる。アッセイに至適化する
ようにそのようなプローブを設計することは常套的技術の範囲内である。一般に
、核酸プローブは、最大の特異性を所望するときには非保存又はユニーク領域か
ら開発され、また例えば、多遺伝子ファミリーの異なるメンバーに緊密に関連す
るヌクレオチド領域に関して又はマウスとヒトのような関連種においてアッセイ
するときには保存領域から開発される。
【0106】 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、核酸又はその混合物に含まれる所望核酸
配列(標的)を増幅するための手法である。PCRでは、1組のプライマーを過
剰に使用して標的核酸の相補鎖にハイブリダイズする。プライマーは、標的核酸
をテンプレートとして用いてポリメラーゼによって各々伸長される。伸長産物は
、もとの標的鎖から分離したあと、それ自体が標的配列となる。その後新しいプ
ライマーがハイブリダイズされてポリメラーゼによって伸長され、そのサイクル
を繰り返して標的配列分子の数が幾何学的に増加する。PCRは、参照してここ
に組み込まれる米国特許第4,683,195号及び同第4,683,202号
に開示されている。
【0107】 リガーゼ連鎖反応(LCR)は核酸増幅のための代替法である。LCRでは、
2個の一次(第一及び第二)プローブと2個の二次(第三及び第四)プローブを
含むプローブ対を使用し、これらはすべて標的に対して過剰モルで用いられる。
第一プローブは標的鎖の第一セグメントにハイブリダイズし、第二プローブは標
的鎖の第二セグメントにハイブリダイズして、第一と第二セグメントは、一次プ
ローブが5’リン酸−3’ヒドロキシル関係で互いに接するように、そしてリガ
ーゼが共有結合によって2つのプローブを融合産物に融合する又はライゲートす
ることができるように、隣接している。さらに、同様に隣接するように、第三(
二次)プローブは第一プローブの一部にハイブリダイズすることができ、第四(
二次)プローブは第二プローブの一部にハイブリダイズすることができる。言う
までもなく、標的がもともと二本鎖であれば、第二プローブも最初の時点で同時
に標的相補体にハイブリダイズする。ひとたび一次プローブのライゲートされた
鎖が標的鎖から分離されれば、それを第三と第四プローブにハイブリダイズし、
それらをライゲートして相補的な第二のライゲーション産物を形成することがで
きる。ライゲーション産物は標的又はその相補体のいずれかと機能的に等しいこ
とを認識することが重要である。ハイブリダイゼーションとライゲーションのサ
イクルの繰り返しによって標的配列の増幅が達成される。この手法は、1989
年6月16日公開のK.BackmanへのEP−A−320 308号及び1
991年7月31日公開のK.BackmanらへのEP−A−439 182
号の中でより詳細に記述されており、これらはいずれも参照してここに組み込ま
れる。
【0108】 mRNAの増幅に関しては、mRNAをcDNAに逆転写して、その後ポリメ
ラーゼ連鎖反応を実施すること(RT−PCR);あるいは、参照してここに組
み込まれる米国特許第5,322,770号に述べられているように、両方の段
階に単一の酵素を使用すること;あるいは、やはり参照してここに組み込まれる
R.L.Marshallら、PCR Methods and Applic
ations 4:80−84(1994)に述べられているように、mRNA
をcDNAに逆転写したあと非対称ギャップリガーゼ連鎖反応(RT−AGLC
R)を実施することは、本発明の範囲内である。
【0109】 ここで使用できる他の既知の増幅法は、J.C.Guatelliら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878(199
0)が述べた、またJ.Compton,Nature 350(6313号)
:91−92(1991)によっても記述されている、いわゆる「NASBA」
又は「3SR」手法;公開欧州特許願(EPA)第4544610号に述べられ
ているようなQ−β増幅;鎖置換増幅(G.T.Walkerら、Clin.C
hem.42:9−13[1996]及び欧州特許願第684315号に述べら
れているような);ならびに国際特許願公開第WO93/22461号に述べら
れているような標的仲介増幅を含むが、これらに限定されない。
【0110】 BU101の検出は、現在当分野において周知の検出方法ならびに将来考案さ
れるかもしれない検出戦略を含めて、何らかの適当な検出方法を用いて実施でき
る。前記の現在既知の検出方法の例は、参照してここに組み込まれる。例えば、
Caskeyら、米国特許第5,582,989号、Gelfandら、米国特
許第5,210,015号参照。そのような検出方法の例は、標的増幅法ならび
にシグナル増幅テクノロジーを含む。現在既知の検出方法の例は、PCR、LC
R、NASBA、SDA、RCR及びTMAと称される核酸増幅テクノロジーを
含むであろう。例えば、Caskeyら、米国特許第5,582,989号、G
elfandら、米国特許第5,210,015号参照。前記はすべて参照して
ここに組み込まれる。検出はまた、Snitmanら、米国特許第5,273,
882号に開示されているようなシグナル増幅を用いて実施しうる。標的又はシ
グナルの増幅は現時点では好ましいが、増幅を必要としない超高感度検出法がこ
こで使用できることが想定され、それは本発明の範囲内である。
【0111】 増幅を行う検出と増幅を行わない検出はいずれも、多様な異質及び均質検出様
式を用いて実施できる。異質検出様式の例は、Snitmanら、米国特許第5
,273,882号、Albarellaら、EP−84114441.9号よ
り、Urdeaら、米国特許第5,124,246号、Ullmanら、米国特
許第5,185,243号及びKourilskyら、米国特許第4,581,
333号に開示されている。前記はすべて参照してここに組み込まれる。均質検
出様式の例は、参照してここに組み込まれる、Caskeyら、米国特許第5,
582,989号、Gelfandら、米国特許第5,210,015号に開示
されている。その使用によってBU101シグナルの感受性と増幅が改善される
、ハイブリダイゼーションアッセイでの複数プローブの使用も想定され、本発明
の範囲内である。例えば、参照してここに組み込まれる、Caskeyら、米国
特許第5,582,989号、Gelfandら、米国特許第5,210,01
5号参照。
【0112】 1つの実施形態では、本発明は一般に、標的ポリヌクレオチド配列を含むこと
が疑われる試験サンプルを、増幅プライマー及びアンプリコン配列の内部領域と
ハイブリダイズすることができる検出プローブを含む増幅反応試薬と接触させる
段階を含む。ここで提供する方法に従って用いられるプローブとプライマーは捕
獲及び検出標識で標識されるが、但し、プローブはある1つの種の標識で標識さ
れ、プライマーはもう1つ別の種類の標識で標識される。さらに、プライマーと
プローブは、プローブ配列がプライマー配列よりも低い融解温度を持つように選
択される。増幅試薬、検出試薬及び試験サンプルを増幅条件下に置くと、それに
よって、標的配列の存在下では標的配列のコピー(アンプリコン)が産生される
。通常の場合、プライマーは標的配列とその相補鎖を増幅するように提供される
ので、アンプリコンは二本鎖である。次に二本鎖アンプリコンを熱変性させて一
本鎖アンプリコンメンバーを生成する。一本鎖アンプリコンメンバーが生成され
れば、混合物を冷却してプローブと一本鎖アンプリコンメンバーとの間に複合体
を形成させる。
【0113】 一本鎖アンプリコン配列とプローブ配列を冷却すると、プローブ配列は一本鎖
アンプリコンメンバーに選択的に結合する。プローブ配列は一般にプライマー配
列よりも短くなるように選択され、それ故プライマーよりも低い融解温度を持つ
と考えられるので、この所見は反直観的である。そこで、プライマーによって作
製されるアンプリコンもプローブより高い融解温度を持つはずである。それ故、
混合物を冷却すると、二本鎖アンプリコンの再形成が予想される。しかし先に述
べたように、実際にはそうならない。プローブは一本鎖アンプリコンメンバーに
選択的に結合することが認められる。さらに、このプローブ/一本鎖アンプリコ
ン結合の選択性は、プライマー配列をプローブより過剰に加えたときでも存在す
る。
【0114】 プローブ/一本鎖アンプリコンメンバーのハイブリッドが形成されたあと、そ
れらを検出する。プライマーとプローブ上に存在する検出標識と捕獲標識を使用
する標準均質アッセイ様式がハイブリッドを検出するに適している。ハイブリッ
ドは捕獲標識によって固相試薬に結合され、検出標識によって検出することがで
きる。検出標識が直接検出可能である場合には、必要に応じて標識に検出可能な
シグナルを生じさせ、そのシグナルを検出することによって固相上のハイブリッ
ドの存在を検出することができる。標識が直接検出できない場合には、捕獲した
ハイブリッドを、一般に直接検出可能な標識に結合した結合メンバーを含むコン
ジュゲートに接触させることができる。コンジュゲートは複合体に結合し、複合
体上のコンジュゲートの存在を直接検出可能標識で検出することができる。この
ようにして、固相試薬上のハイブリッドの存在を判定することができる。当業者
は、洗浄段階を用いてハイブリダイズしていないアンプリコン又はプローブなら
びに結合していないコンジュゲートを除去しうることを認識するであろう。
【0115】 1つの実施形態では、核酸分子の整列(アレー)を有する固相支持体を用いて
均質アッセイを好都合に実施することができる。そのようなアレーは高収量及び
/又は多重アッセイ様式のために有用である。あらかじめ生成した核酸分子から
そのようなアレーを作製するための方法、又はインサイチュ合成手法を用いてア
レーを生成する方法は、当分野において一般的に知られている[例えば、Dat
taguptaら、EP特許公開第0234,726A3号;Southern
、米国特許第5,700,637号;Pirrungら、米国特許第5,143
,854号;PCT国際特許公開第WO92/10092号;及びFodorら
、Science 251:767−777(1991)参照]。
【0116】 標的配列は一本鎖と記述されているが、標的配列が実際には二本鎖であるが増
幅プライマー配列とのハイブリダイゼーションの前に単にその相補体から分離さ
れるケースも含むと想定される。この方法においてPCRを用いる場合、標的配
列の末端は通常既知である。好ましい方法においてLCR又はその修正を用いる
場合には、標的配列全体が通常既知である。典型的には、標的配列は、例えばR
NA又はDNAのような核酸配列である。
【0117】 ここで提供する方法は、熱サイクル反応混合物を含む周知の増幅反応、特にP
CR及びギャップLCR(GLCR)において使用することができる。増幅反応
は、典型的にはプライマーを用いて標的核酸配列のコピーを繰り返し生成させる
が、標的配列は通常、はるかに大きな核酸配列の小さな領域である。プライマー
は、それ自体が標的配列の領域に相補的な核酸配列である。増幅条件下で、これ
らのプライマーは標的配列の相補的領域にハイブリダイズする又は結合する。標
的配列のコピーは、典型的には、ポリメラーゼ又はリガーゼ活性を持つ酵素を別
々に又は組み合わせて使用して、ハイブリダイズしたプライマーにヌクレオチド
を付加する及び/又は隣接プローブ対をライゲートする、プライマー伸長及び/
又はライゲーションのプロセスによって生成される。モノマーとして又は前形成
されたオリゴマーとしてプライマー又はプローブに付加されるヌクレオチドは、
標的配列に対しても相補的である。ひとたびプライマー又はプローブが十分に伸
長される及び/又はライゲーションされれば、例えば、相補的核酸鎖が解離する
温度である「融解温度」まで反応混合物を加熱することによって、それらを標的
配列から分離する。このようにして、標的配列に相補的な配列が形成される。
【0118】 その後新しいアンプリコンサイクルが起こり、二本鎖配列を分離することによ
って標的配列の数がさらに増幅され、プライマー又はプローブをそれぞれの標的
にハイブリダイズさせて、ハイブリダイズしたプライマー又はプローブを伸長及
び/又はライゲートし、再び分離することができる。増幅サイクルによって生成
される相補的配列は、標的配列の数をさらに増幅するためのプライマー伸長又は
2つのプローブのギャップ充填のテンプレートとして用いることができる。典型
的には反応混合物を20−100回循環させ、より典型的には反応混合物を25
−50回循環させる。サイクル数は当業者が決定できる。このようにして、標的
配列とその相補的配列の多数のコピーが作製される。従って、プライマーは、増
幅条件下で存在するときには標的配列の増幅を開始させる。
【0119】 一般に、PCRでは標的鎖とその相補体の一部に相補的である2個のプライマ
ーが用いられる。LCRについては、一般に4個のプローブが使用され、その内
の2個は標的配列に相補的であり、他の2個は標的の相補体に対して同様に相補
的である。先に述べたプライマーセットと酵素に加えて、核酸増幅反応混合物は
また、周知であって、次のものを含むがそれらに限定されない、他の試薬を含む
こともできる:マンガンのような酵素補因子;マグネシウム;塩;ニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチド(NAD);及び、例えばデオキシアデニン三リン酸
、デオキシグアニン三リン酸、デオキシシトシン三リン酸及びデオキシチミン三
リン酸のようなデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)。
【0120】 増幅プライマーは標的配列の増幅を開始させるが、検出(又はハイブリダイゼ
ーション)プローブは増幅に関与しない。検出プローブは一般に核酸配列、又は
、例えば国際特許公開第WO92/20702号に開示されているペプチド核酸
;米国特許第5,185,444号、同第5,034,506号及び同第5,1
42,047号に述べられているモルホリンアナログ等のような荷電していない
核酸アナログである。プローブが担う標識の種類に依存して、増幅反応によって
生成されるアンプリコンを捕獲又は検出するためにプローブを利用する。プロー
ブは標的配列の増幅には関与せず、それ故、余分なdNTPがプローブに付加す
ることができないように、「伸長不能」にしておかねばならないと考えられる。
それ自体で、アナログは通常伸長不能であり、核酸プローブは、ヒドロキシル基
が伸長に関わることができないようにプローブの3’末端を修飾することによっ
て伸長不能にすることができる。例えば、プローブの3’末端を捕獲又は検出標
識で官能基化し、それによってヒドロキシル基を消費又は遮断することができる
。その代わりに、3’ヒドロキシル基を単に開裂する、置換する又は修飾するこ
ともできる。参照してここに組み込まれる、1993年4月19日出願の米国特
許出願番号第07/049,061号は、プローブを伸長不能にするために使用
できる修飾を記述している。
【0121】 プライマーとプローブの比率は重要ではない。すなわち、プローブ又はプライ
マーを反応混合物に過剰に加えることができ、それによって一方の濃度が他方の
濃度よりも高くなる。その代わりに、プライマーとプローブを等しい濃度で用い
ることもできる。好ましくは、しかしながら、プライマーをプローブよりも過剰
に反応混合物に加える。従って、プライマー対プローブの比率は、例えば5:1
及び20:1が好ましい。
【0122】 プライマー及びプローブの長さは変化しうるが、プローブの配列はプライマー
配列よりも低い融解温度を持つように選択される。それ故、プライマー配列は一
般にプローブ配列よりも長い。典型的には、プライマー配列は20−50ヌクレ
オチドの範囲の長さ、より典型的には20−30ヌクレオチドの範囲の長さであ
る。典型的なプローブは10−25ヌクレオチドの範囲の長さである。
【0123】 プライマーとプローブを合成するための様々な方法が当分野において周知であ
る。同様に、プライマー又はプローブに標識を結合するための方法も当分野で周
知である。例えば、従来のヌクレオチドホスホルアミダイト化学とApplie
d Biosystems,Inc.(Foster City,CA)、Du
Pont(Wilmington,DE)又はMilligen(Bedfor
d,MA)から入手しうる装置を用いて所望する核酸プライマー又はプローブを
合成することは常套事象である。本発明のプライマー又はプローブのようなオリ
ゴヌクレオチドに標識するための多くの方法が記述されている。Enzo Bi
ochemical(New York,NY)及びClontech(Pal
o Alto,CA)はどちらも、プローブ標識手法を記述し、市販している。
例えば、第一アミンは3’−Amine−ON CPGTM(Clontech
,Palo Alto,CA)を用いて3’オリゴ末端に結合することができる
。同様に、第一アミンはAminomodifier II(登録商標)(Cl
ontech)を使用して5’オリゴ末端に結合することができる。アミンは、
従来の活性化と結合化学を用いて様々なハプテンと反応させることができる。さ
らに、それぞれ参照してここに組み込まれる、共同審理中の1990年12月1
1日出願の米国特許願通し番号第625,566号及び1990年12月20日
出願の同第630,908号は、それぞれ5’末端と3’末端でプローブを標識
する方法を教示している。1992年6月25日公開の国際特許公開第WO92
/10505号及び1992年7月9日公開の同第WO92/11388号は、
それぞれ5’末端と3’末端でプローブを標識する方法を教示している。オリゴ
ヌクレオチドを標識するための既知の方法に従って、標識ホスホルアミダイト試
薬を調製し、使用して、オリゴヌクレオチドの合成の間に標識を付加する。例え
ば、N.T.Thuongら、Tet.Letters 29(46):590
5−5908(1988);又はJ.S.Cohenら、公開米国特許願07/
246,688号(NTIS ORDER番号PAT−APPL−7−246,
688)(1989)参照。好ましくは、プローブをその3’末端と5’末端で
標識する。
【0124】 捕獲標識はプライマー又はプローブに結合され、固相試薬の特異的結合メンバ
ーと結合対を形成する特異的結合メンバーでありうる。プライマー又はプローブ
自体が捕獲標識として働きうることは明白である。例えば、固相試薬の結合メン
バーが核酸配列である場合には、プライマー又はプローブの相補的部分に結合し
て、プライマー又はプローブを固相に固定するように選択することができる。プ
ローブ自体が結合メンバーとして働く場合には、当業者は、プローブが一本鎖ア
ンプリコンメンバーに相補的でない配列又は「テール」を含むことを認識するで
あろう。プライマー自体が捕獲標識として働く場合には、プローブがプライマー
配列に完全に相補的ではないように選択されるので、少なくともプライマーの一
部は固相上の核酸に自由にハイブリダイズする。
【0125】 一般に、プローブ/一本鎖アンプリコンメンバー複合体は、均質免疫測定法を
実施するのに一般的に用いられる手法を使用して検出できる。好ましくは、この
実施形態では、市販されているAbbott LCx(登録商標)装置(Abb
ott Laboratories,Abbott Park,IL)によって
使用されるプロトコールに従って検出が行われる。
【0126】 ここで開示するプライマーとプローブは、試験サンプルを1対のプライマーに
接触させ、増幅を行って、ハイブリダイゼーションプローブを加えて検出を実施
する、典型的PCRアッセイにおいて有用である。
【0127】 本発明によって提供されるもう1つの方法は、少なくとも1個のポリヌクレオ
チドがここで述べたようなBU101分子である、複数のポリヌクレオチドに試
験サンプルを接触させ、試験サンプルを複数のポリヌクレオチドとハイブリダイ
ズして、ハイブリダイゼーション複合体を検出することを含む。ハイブリダイゼ
ーション複合体を同定し、定量して、乳癌のような乳房組織疾患の指標であるプ
ロフィールを収集する。発現されたRNA配列は、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)を含めた当分野において周知の手法による逆転写とDNA産物の増幅によっ
てさらに検出しうる。
【0128】 薬剤スクリーニングと遺伝子治療 本発明はまた、乳房組織疾患又は状態、特に乳癌に関連したポリヌクレオチド
の異常発現に結びつく状態を有する患者に、本発明のポリヌクレオチド又はオリ
ゴヌクレオチドのようなアンチセンスBU101由来分子を導入するための遺伝
子治療法の使用を包含する。アンチセンスRNA及びDNA断片及びリボザイム
を含めたこれらの分子は、BU101 mRNAの翻訳を阻害するように設計さ
れ、BU101ポリヌクレオチド発現の変化又は異常に結びつく状態の処置にお
いて治療的に使用しうる。
【0129】 その代わりに、上述したオリゴヌクレオチドを、アンチセンスRNA又はDN
Aが上述したように生体内で発現されてBU101ポリヌクレオチドの産生を阻
害するように、当分野において既知の手法によって細胞に送達することができる
。BU101ポリヌクレオチドに対するアンチセンス構築物は、それ故、BU1
01転写産物の作用を逆転させ、乳癌のような乳房組織疾患状態を治療するため
に使用できる。これらのアンチセンス構築物はまた、腫瘍転移を治療するために
も使用しうる。
【0130】 本発明はまた、BU101ポリペプチドに特異的に結合する少なくとも1つの
化合物を同定するために、BU101ポリペプチド又はその断片への特異的結合
に関して複数の化合物をスクリーニングする方法を提供する。そのような方法は
、少なくとも1つの化合物を提供し;適当な条件下で、結合を生じさせるのに十
分な時間、BU101ポリペプチドを各々の化合物と組み合わせ;そして各化合
物へのBU101ポリペプチドの結合を検出する、という段階を含む。
【0131】 そのような試験で用いるポリペプチド又はペプチド断片は、溶液中に遊離して
いるか、支持体に固定されている、細胞表面に付着している、又は細胞内に位置
する場合がありうる。スクリーニングの1つの方法は、ポリペプチド又はペプチ
ド断片を発現しうる組換え核酸で安定にトランスフェクションされた真核又は原
核宿主細胞を使用する。薬剤、化合物、又は他の何らかの作用物質を、競合結合
アッセイにおいてそのようなトランスフェクション細胞に対してスクリーニング
することができる。例えば、ポリペプチドと試験する作用物質間の複合体形成を
生存細胞又は固定細胞のいずれかで測定することができる。
【0132】 本発明は、それ故、BU101に関連する疾患を治療するために使用できる薬
剤、化合物、又は他の作用物質に関するスクリーニングの方法を提供する。これ
らの方法は、作用物質をポリペプチド又はその断片に接触させ、作用物質とポリ
ペプチド間の複合体の存在に関して、又はポリペプチドと細胞間の複合体の存在
に関して検定することを含む。適当なインキュベーション後、遊離(又は複合体
化していない)ポリペプチド又はその断片を結合形態で存在するものから分離し
、遊離又は複合体化していない標識の量を、個々の作用物質がポリペプチドに結
合する又はポリペプチド/細胞複合体に干渉する能力の測定として使用する。
【0133】 本発明はまた、ポリペプチドに結合することができる中和抗体が、ポリペプチ
ド又はその断片への結合に関して試験作用物質と特異的に競合する、競合的スク
リーニングアッセイの使用を包含する。このようにすると、抗体を使用して、こ
こで提供するようなBU101ポリペプチドと1つ又はそれ以上の抗原決定基を
共有する試験サンプル中のポリペプチドの存在を検出することができる。
【0134】 スクリーニングのためのもう1つの手法は、ここで開示するBU101の少な
くとも1個のポリペプチドに対して適当な結合親和性を有する化合物についての
高流量スクリーニングを提供する。簡単に述べると、多数の異なる小さなペプチ
ド試験化合物を、プラスチックピン又は他の何らかの表面のような固相上で合成
する。ペプチド試験化合物をポリペプチドと反応させ、洗浄する。その後固相に
結合したポリペプチドを当分野において周知の方法によって検出する。精製ポリ
ペプチドはまた、ここで述べるスクリーニング手法で使用するためにプレート上
に直接被覆することもできる。さらに、非中和抗体を使用してポリペプチドを捕
獲し、固相上に固定することができる。例えば、参照してここに組み込まれる、
1984年9月13日公開のEP84/03564号参照。
【0135】 合理的な薬剤デザインの目標は、目的とする生物活性ポリペプチド又はそれら
と相互作用する作用物質、拮抗物質又は阻害因子を含めた小分子の構造アナログ
を生成することである。そのような構造アナログを使用して、より活性な又は安
定な形態のポリペプチドである、又は生体内でポリペプチドの機能を高める又は
機能に干渉する薬剤をデザインすることができる。参照してここに組み込まれる
、J.Hodgson,Bio/Technology 9:19−21(19
91)。
【0136】 例えば、1つのアプローチでは、ポリペプチド又はポリペプチド−阻害因子複
合体の三次元構造を、x線結晶構造解析、コンピュータモデリング、又は最も典
型的には2つのアプローチの組合せによって決定する。分子の構造を解明し、活
性部位を決定するためには、ポリペプチドの形状と電荷の両方が確認されねばな
らない。それらより頻度は低いが、相同タンパクの構造に基づくモデリングによ
ってポリペプチドの構造に関する有用な情報が得られることもある。どちらの場
合も、類似ポリペプチド様分子をデザインするため、又は効率的な阻害因子を同
定するために適切な情報が使用される。
【0137】 合理的薬剤デザインの有用な例は、参照してここに組み込まれる、S.Bra
xtonら、Biochemistry 31:7796−7801(1992
)が示したような改善された活性又は安定性を持つ分子、あるいはS.B.P.
Athaundaら、J Biochem.(Tokyo)113(6):74
2−746(1993)が示したような天然ペプチドの阻害因子、作用物質又は
拮抗物質として働く分子を含みうる。
【0138】 また、上述したようなアッセイによって選択された標的特異的抗体を単離して
、その後その結晶構造を決定することも可能である。原則として、このアプロー
チはその後の薬剤デザインの基礎となりうるファーマコフォア(pharmac
ophore)を生じる。さらに、機能的な、薬理学的活性抗体に対する抗イデ
ィオタイプ抗体(「抗id」)を生成することによってタンパクの結晶構造解析
を回避することも可能である。鏡像の鏡像のように、抗idの結合部位はもとの
レセプターのアナログである。そこで抗idを使用して、化学的又は生物学的に
産生されたペプチドのバンクからペプチドを同定し、単離することができる。単
離されたペプチドはその後ファーマコフォア(すなわち基本型薬剤)として働く
ことができる。
【0139】 X線結晶構造解析のような分析試験を実施するのに十分な量の本発明の組換え
ポリペプチドを使用可能にすることができる。さらに、ここで提供する核酸配列
から誘導しうるポリペプチドアミノ酸についての知識は、x線結晶構造解析の代
わりに又はそれに加えて、コンピュータモデリング手法を使用する分析試験への
指針を提供する。
【0140】 BU101ポリペプチドに特異的な抗体(例えば、抗BU101抗体)は、さ
らに、ポリペプチドに結合することによってポリペプチドの生物学的作用を阻害
するために使用しうる。このように、抗体は治療において、例えば乳癌とその転
移を含めた乳房組織疾患を治療するために使用できる。
【0141】 さらに、そのような抗体は、試験サンプル中にBU101ポリペプチドの存在
又は非存在を検出でき、それ故、乳房組織疾患又は状態、特に乳癌の診断のため
の診断マーカーとして有用である。そのような抗体はまた、乳癌のような乳房組
織疾患状態のための診断マーカーとしても機能しうる。
【0142】 本発明はまた、本発明のポリペプチドの拮抗物質及び阻害因子を対象とする。
かかる拮抗物質及び阻害因子は、ポリペプチドの機能を阻害する又は排除するも
のである。それ故、例えば、拮抗物質は本発明のポリペプチドに結合して、その
機能を阻害する又は排除することができる。拮抗物質は、例えば、BU101ポ
リペプチドに結合することによってBU101ポリペプチドの活性を排除する、
ポリペプチドに対する抗体でありうる、又は一部の場合には拮抗物質はオリゴヌ
クレオチドでありうる。小分子阻害因子の例は、小ペプチド又はペプチド様分子
を含むがこれらに限定されない。
【0143】 拮抗物質及び阻害因子は、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセ
ロール、エタノール及びそれらの組合せを含めて、製薬上許容される担体と共に
組成物として使用されうる。BU101ポリペプチド阻害因子の投与は好ましく
は全身性である。本発明はまた、そのようなポリペプチドの作用を阻害する抗体
を提供する。
【0144】 アンチセンステクノロジーを使用して、三重らせんの形成又はアンチセンスD
NA又はRNAを通して遺伝子発現を低減することができ、前記の方法はいずれ
もDNA又はRNAへのポリヌクレオチドの結合に基づく。例えば、本発明のポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の5’コード領域を使用して、1
0−40塩基対の長さのアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドがデザインされ
る。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関わる遺伝子の領域に相補的であるよ
うに設計され、それによってBU101ポリペプチドの転写と産生を妨げる。三
重らせんについては、例えば、Leeら、Nuc.Acids Res.6:3
073(1979);Cooneyら、Science 241:456(19
88);及びDervanら、Science 251:1360(1991)
参照。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは生体内でmRNAにハイブリダ
イズして、mRNA分子のBU101ポリペプチドへの翻訳を遮断する。アンチ
センスについては、例えば、Okano,J.Neurochem.56:56
0(1991);及びOligodeoxynucleotides as A
ntisense Inhibitors of Gene Expressi
on,CRC Press,Boca Raton,Fla.(1988)参照
。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、分子を核溶解性開裂に対して耐性にする
、人工的ヌクレオチド間結合を含むように改変したとき、より高い効率で作用す
る。そのような人工的ヌクレオチド間結合は、メチルホスホネート、ホスホロチ
オレート及びホスホロアミデートヌクレオチド間結合を含むが、これらに限定さ
れない。
【0145】 組換えテクノロジー 本発明は、本発明のBU101ポリヌクレオチドを含む宿主細胞と発現ベクタ
ー、及びそれらがコードするポリペプチドの産生のための方法を提供する。その
ような方法は、BU101ポリヌクレオチドの発現に適した条件下で宿主細胞を
培養し、細胞培養からBU101ポリペプチドを回収することを含む。
【0146】 本発明はまた、本発明のBU10ポリヌクレオチドを含むベクター、本発明の
ベクターで遺伝学的に構築された宿主細胞、及び組換え手法による本発明のポリ
ペプチドの産生を提供する。
【0147】 宿主細胞は、クローニングベクター又は発現ベクターである本発明のベクター
で遺伝学的に構築される(トランスフェクション、形質導入又は形質転換される
)。ベクターはプラスミド、ウイルス粒子、ファージ等の形態でありうる。構築
された宿主細胞は、プロモーターを活性化する、トランスフェクションされた細
胞を選択する、又はBU101遺伝子を増幅するために適宜修正した従来の栄養
培地で培養できる。温度、pH等のような培養条件は、発現のために選択した宿
主細胞に関してこれまで使用されているものであり、当業者には明白である。
【0148】 本発明のポリヌクレオチドは、組換え手法によってポリペプチドを産生するた
めに使用できる。すなわち、ポリヌクレオチド配列はポリペプチドを発現するた
めの様々な発現媒体のいずれか1つ、特にベクター又はプラスミドに組み込まれ
うる。そのようなベクターは、染色体、非染色体及び合成DNA配列、例えばS
V40の誘導体;細菌プラスミド;ファージDNA;酵母プラスミド;プラスミ
ドとファージDNAの組合せから誘導されるベクター;ワクシニアウイルス、ア
デノウイルス、鶏痘ウイルス及び仮性狂犬病ウイルスのようなウイルスDNAを
含む。しかし、他のどのようなプラスミド又はベクターも、宿主細胞において複
製可能であり且つ生存可能であるかぎり使用できる。
【0149】 適切なDNA配列は様々な手順によってベクターに挿入しうる。一般に、DN
A配列は、当分野において既知の手順によって適切な制限エンドヌクレアーゼ部
位に挿入される。そのような手順その他は当業者の範囲内であると考えられる。
発現ベクター内のDNA配列は、mRNA合成を指令する適切な発現制御配列(
プロモーター)に機能的に連結される。そのようなプロモーターの代表的な例は
、LTR又はSV40プロモーター、大腸菌(E.coli)lac又はtrp
、ファージλPサブLプロモーター、及び原核又は真核細胞又はそれらのウイル
スにおいて遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモーターを含む
が、これらに限定されない。発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソーム
結合部位及び転写タミネーターを含む。ベクターはまた、発現を増幅するための
適切な配列を含みうる。さらに、発現ベクターは、好ましくはジヒドロ葉酸レダ
クターゼ又は真核細胞培養のためのネオマイシン耐性のような、又は大腸菌にお
けるテトラサイクリン又はアンピシリン耐性のような、トランスフェクションさ
れた宿主細胞の選択のための表現型特性を提供する遺伝子を含む。
【0150】 上述したような適切なDNA配列ならびに適切なプロモーター又は制御配列を
含むベクターは、適切な宿主をトランスフェクションして、宿主にタンパクを発
現させるために使用しうる。適切な宿主の代表的な例として、次のものが挙げら
れるであろう:大腸菌、ネズミチフス菌(Salmonella typhim
urium);ストレプトミセス属(Streptomyces sp.);酵
母のような真菌細胞;ショウジョウバエ(Drosophila)及びSf9の
ような昆虫細胞;CHO、COS又はバウズ(Bowes)黒色腫のような動物
細胞;植物細胞、等々。適切な宿主の選択は、ここで提供する教示から当業者の
範囲内であると考えられる。
【0151】 より特定すると、本発明はまた、ここで広く述べたような配列の1つ又はそれ
以上を含む組換え構築物を含む。構築物は、正方向又は逆方向に、本発明の配列
が挿入された、プラスミド又はウイルスベクターのようなベクターを含む。この
実施形態の好ましい態様では、構築物はさらに、当該配列に機能的に連結された
、例えばプロモーターを含めた調節配列を含む。多数の適当なベクター及びプロ
モーターが当業者に既知であり、市販されている。例として、下記のベクターが
提供される。細菌:pINCY(Incyte Pharmaceutical
s Inc.,Palo Alto,CA)、pSPORT1(Life Te
chnologies,Gaithersburg,MD)、pQE70、pQ
E60、pQE−9(Qiagen)、pBs、ファージスクリプト、psiX
174、pBluescript SK、pBsKs、pNH8a、pNH18
a、pNH46a(Stratagene);pTrc99A、pKK223−
3pKK233−3pDR540pRIT5(Pharmacia);Euka
ryotic;pWLneo、pSV2cat、pOG44、pXT1、pSG
(Stratagene)pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pha
rmacia)。しかし、他のいかなるプラスミド又はベクターも、宿主におい
て複製可能であり、生存可能であるかぎり使用しうる。
【0152】 プラスミドpINCYは、一般に、ポリリンカー(マルチクローニングサイト
)に2つの修飾を持つことを除いて、プラスミドpSPORT1(Life T
echnologies,Gaithersburg,MDより入手可能)と同
一である。これらの修飾は、(1)HindIII制限部位を欠く、そして(2
)そのEcoRI制限部位が異なる位置にある、ことである。pINCYは、H
indIIIとEcoRIの両方でpSPORT1を開裂し、ポリリンカーの切
り出した断片を合成DNA断片(配列番号7及び配列番号8)で置換することに
よって、pSPORT1から創造される。この置換は当業者に既知のどのような
方法で行ってもよい。例えば、2個のヌクレオチド配列、配列番号7と配列番号
8を5’末端リン酸で合成的に作製し、一緒に混合して、ねじれ末端(stag
gered end)ライゲーションを実施するための標準条件下で、Hind
IIIとEcoRIで切断したpSPORT1プラスミドにライゲートすること
ができる。次に適当な宿主細胞(大腸菌DH5μ細胞など)をライゲートしたD
NAでトランスフェクションし、組換えクローンをアンピリシン耐性に関して選
択する。その後個々のクローンからプラスミドDNAを調製して、正しい方向に
挿入配列が存在することを確認するため、制限酵素分析又はDNA塩基配列決定
に供する。当業者に既知の他のクローニング戦略も使用しうる。
【0153】 CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベクター又は選択可能マ
ーカーを持つ他のベクターを用いて、所望する遺伝子からプロモーター領域を選
択することができる。2つの適当なベクターはpKK232−8とpCM7であ
る。個々に命名されている細菌プロモーターは、lacI、lacZ、T3、S
P6、T7、gpt、λPサブR、PサブL及びtrpを含む。真核プロモータ
ーは、即時初期サイトメガロウイルス(CMV)、単純ヘルペスウイルス(HS
V)チミジンキナーゼ、初期及び後期SV40、レトロウイルスからのLTR及
びマウスメタロチオネイン−Iを含む。適切なベクターとプロモーターの選択は
、十分に当分野における通常技術のレベル内である。
【0154】 さらなる実施形態では、本発明は上述した構築物を含む宿主細胞を提供する。
宿主細胞は、哺乳類細胞のような高等真核細胞又は酵母細胞のような下等真核細
胞であるか、又は細菌細胞のような原核細胞でありうる。宿主細胞への構築物の
導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン仲介
トランスフェクション、又は電気穿孔法によって実施できる(L.Davisら
、Basic Methods in Molecular Biology、
第2版、AppletonとLang,Paramount Publishi
ng,East Norwalk,CT(1994)]。
【0155】 宿主細胞中の構築物は、組換え配列によってコードされる遺伝子産物を生成す
るために従来のように使用することができる。その代わりに、本発明のポリペプ
チドを従来のペプチドシンセサイザーによって合成的に産生することもできる。
【0156】 組換えタンパクは、適切なプロモーターの制御下で哺乳類細胞、酵母、細菌、
又は他の細胞において発現されうる。細胞不含翻訳系も、本発明のDNA構築物
から誘導したRNAを用いてそのようなタンパクを産生するために使用できる。
原核及び真核宿主に関して使用するための適切なクローニング及び発現ベクター
は、参照してここに組み込まれる、Sambrookら、Molecular
Cloning:A Laboratory Manual、第2版、(Col
d Spring Harbor,NY,1989)に記述されている。
【0157】 ベクターにエンハンサー配列を挿入することによって、高等真核細胞による本
発明のポリペプチドをコードするDNAの転写が高められる。エンハンサーは通
常約10−300bpのDNAのシス作用性要素であり、プロモーターに作用し
てその転写を高める。例としては、複製起点の後期側(塩基100−270)の
SV40エンハンサー、サイトメガロウイルス早期プロモーターエンハンサー、
複製起点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノウイルスエンハンサーが
含まれる。
【0158】 一般に、組換え発現ベクターは、宿主細胞のトランスフェクションを可能にす
る複製の起点と選択可能マーカー、例えば大腸菌のアンピシリン耐性遺伝子やビ
ール酵母菌(S.cerevisiae)TRP1遺伝子、及び下流構造配列の
転写を指令する高度発現遺伝子から誘導されるプロモーターを含む。そのような
プロモーターは、中でも特に、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)、α
因子、酸性ホスファターゼ、又は熱ショックタンパクのような解糖酵素をコード
するオペロンから誘導できる。非相同構造配列を、適当なフェーズで、翻訳開始
及び終止配列、そして好ましくは翻訳されたタンパクのペリプラズム空隙又は細
胞外媒質中への分泌を指令することができるリーダー配列と共に構築する。任意
に、非相同配列は、所望する特性、例えば発現される組換え産物の安定化又は精
製の単純化をもたらすN末端同定ペプチドを含む融合タンパクをコードしうる。
【0159】 細菌での使用のために有用な発現ベクターは、所望するタンパクをコードする
構造的DNA配列を適当な翻訳開始及び終止シグナルと共に、機能的プロモータ
ーを持つ作動可能なリーディングフェーズに挿入することによって構築される。
ベクターは、1つ又はそれ以上の表現型選択可能マーカー、及びベクターの維持
を確保し、所望する場合には、宿主内での増幅を提供するための複製起点を含む
。トランスフェクションのための適当な原核宿主は、大腸菌、枯草菌(Baci
llus subtilis)、ネズミチフス菌(Salmonella ty
phimurium)及びPseudomonas、Streptomyces
及びStaphylococcus属の様々な種を含むが、他のものも常套的選
択肢として使用しうる。
【0160】 細菌での使用のために有用な発現ベクターは、選択可能マーカーと、周知のク
ローニングベクターpBR322(ATCC37017)の遺伝的要素を含むプ
ラスミドから誘導される細菌複製起点を含む。他のベクターは、PKK223−
3(Pharmacia Fine Chemicals,Uppsala,S
weden)及びGEM1(Promega Biotec,Madison,
WI)を含むが、これらに限定されない。これらのpBR322の「バックボー
ン」部分を適切なプロモーター及び発現される構造配列と組み合わせる。
【0161】 適当な宿主をトランスフェクションし、宿主を適切な細胞密度まで増殖させた
あと、選択したプロモーターを適当な手段(例えば温度変化又は化学誘導)によ
って抑制解除し、さらなる期間、細胞を培養する。細胞を典型的には遠心分離に
よって収集し、物理的又は化学的手段によって破壊して、生じた粗抽出物をさら
なる精製のために保持する。タンパクの発現において用いられる微生物細胞は、
凍結融解サイクル、音波破砕、機械的破壊、又は細胞溶解剤の使用を含めた何ら
かの高都合な方法によって破壊することができる。そのような方法は当業者には
周知である。
【0162】 様々な哺乳類細胞培養系も、組換えタンパクを発現するために使用できる。哺
乳類発現系の例は、Gluzman,Cell 23:175(1981)が述
べたサル腎線維芽細胞のCOS−7系統、及びC127、HEK−293、3T
3、CHO、HeLa及びBHK細胞系統のような、適合性ベクターを発現する
ことができる他の細胞系統を含む。哺乳類発現ベクターは、複製起点、適当なプ
ロモーターとエンハンサー、そして同時に何らかの必要なリボソーム結合部位、
ポリアデニル化部位、スプライス供与部位及び受容部位、転写終止配列及び5’
隣接非転写配列を含む。SV40ウイルスゲノムから誘導されるDNA配列、例
えばSV40起点、早期プロモーター、エンハンサー、スプライス、及びポリア
デニル化部位を使用して、必要とされる転写されない遺伝的要素を提供すること
ができる。代表的な有用ベクターはpRc/CMV及びpcDNA3(Invi
trogen,San Diego,CA)を含む。
【0163】 BU101ポリペプチドは、アフィニティークロマトグラフィー、硫酸アンモ
ニウム又はエタノール沈降、酸抽出、陰イオン又は陽イオン交換クロマトグラフ
ィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィ
ー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー又はレクチンクロマトグラフィー
を含めた既知の方法によって組換え細胞培養から回収され、精製される。精製中
に存在するカルシウムイオンは低濃度(約0.1−5mM)であることが好まし
い[Priceら、J.Biol.Chem.244:917(1969)]。
ポリペプチドの構造を完成させるために、必要に応じて、タンパクの再折りたた
み段階が使用できる。最後に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が最終
精製段階に使用できる。
【0164】 本発明のポリペプチドは、高発現細胞系統から発現される天然精製産物、又は
化学合成手順の産物、あるいは原核又は真核宿主から組換え手法によって(例え
ば培養中の細菌、酵母、高等植物、昆虫及び哺乳類細胞によって)産生される産
物でありうる。組換え製造法で用いる宿主に依存して、本発明のポリペプチドは
哺乳類又は他の真核細胞の炭水化物でグリコシル化してもよく、又はグリコシル
化しなくてもよい。本発明のポリペプチドはまた、初期メチオニンアミノ酸残基
を含みうる。
【0165】 出発プラスミドは、公開されている既知の手法に従って入手可能なプラスミド
から構築できる。さらに、記述されているものと等価のプラスミドが当分野にお
いて既知であり、当業者には明白であろう。
【0166】 下記は、cDNAクローンの単離と分析のための一般的手順である。ここで開
示する特定実施形態では、乳房組織からmRNAを単離して、cDNAライブラ
リーを構築するために使用する。乳房組織は外科的切除によって患者から入手し
、病理学者が腫瘍又は非腫瘍組織として分類する。
【0167】 乳房組織ライブラリーのランダムな単離物からのcDNAインサートを部分的
に配列決定し、実施例で述べるように詳細に分析して、配列番号1、配列番号2
及び配列番号3として配列表に開示する。また、クローン2083578H1及
び603148HIの完全長配列[それぞれ2083578inh(配列番号4
)及び603148inh(配列番号5)と称される]も、実施例で述べるよう
に詳細に分析して、配列表に開示する。これらのインサートのコンセンサス配列
を配列番号6として示す。これらのポリヌクレオチドは、特定遺伝子についての
関連調節配列を伴う又は伴わないオープンリーディングフレーム全体を含むこと
があり、又は目的遺伝子の一部だけをコードすることもある。これは、多くの遺
伝子が数百、時には数千塩基の長さであって、現在のテクノロジーでは、ベクタ
ーの制限、第一鎖の不完全な逆転写又は第二鎖の不完全な複製のためにその全体
をクローニングすることができないという事実に帰せられる。付加的ヌクレオチ
ド配列を含む隣接二次クローンは、当業者に既知の様々な方法を用いて入手しう
る。
【0168】 DNA塩基配列決定のための方法は当分野において周知である。従来の酵素的
方法は、目的とするDNAテンプレートにアニーリングしたオリゴヌクレオチド
プライマーからDNA鎖を伸長するために、DNAポリメラーゼ、クレノー断片
、Sequenase(US Biochemical Corp,Cleve
land,OH)又はTaqポリメラーゼを使用する。一本鎖及び二本鎖テンプ
レートの使用のための方法が開発されている。鎖停止反応産物を尿素/ポリアク
リルアミドゲル上で電気泳動し、オートラジオグラフィー(放射性ヌクレオチド
標識した前駆物質に関して)又は蛍光(蛍光標識した前駆物質に関して)によっ
て検出することができる。機械化された反応調製法、蛍光検出法を用いた配列決
定と分析にもたらされた最近の改善は、Applied Biosystems
377DNA Sequencers(Applied Biosystem
s,Foster City,CA)のような機器を使用して1日当りに決定で
きる配列数を拡大することを可能にした。
【0169】 ヌクレオチド配列の読み枠はいくつかの種類の分析によって確認できる。まず
最初に、コード配列内に含まれる読み枠は、開始コドンATG及び終止コドンT
GA、TAA又はTAGの存在に関して分析できる。典型的には、1つの読み枠
がcDNA配列の主要部分を通じて継続し、他の読み枠は多数の終止コドンを含
む傾向にある。そのような場合、読み枠の決定は容易である。他のより難しい場
合には、さらなる分析が必要である。
【0170】 各々の推定上のコドントリプレットでの個々のヌクレオチド塩基の発生を分析
するためのアルゴリズムが作り出された。例えば、J.W.Fickett,N
uc.Acids Res.10:5303(1982)参照。特定生物(細菌
、植物及び動物)についてのコードDNAは、第三コドン位置でのピリミジンの
有意の選択性のように、特定トリプレット周期内に特定ヌクレオチドを含む傾向
がある。これらの選択性は、所与の長さのDNAのコード潜在能(及びフレーム
)を決定するために使用できる、広く使用可能なソフトウエアに組み込まれてい
る。開始/停止コドン情報と組み合わせたアルゴリズム由来の情報を使用して、
正しいフレームを高い度合の確実性で決定することができる。このことによって
、今度は、正しい読み枠内の配列を適切な発現ベクターに容易にクローニングす
ることが可能となる。
【0171】 ここで開示する核酸配列は、十分に確立された組換えDNA手法によって様々
な他のポリヌクレオチド配列及び目的とするベクターに連結することができる。
J.Sambrookら、前出参照。目的ベクターは、プラスミド、コスミド、
ファージ誘導体、ファージミドのようなクローニングベクター、ならびに配列決
定、複製及び発現ベクター、等を含む。一般に、そのようなベクターは、少なく
とも1つの生物において機能性である複製起点、都合のよい制限エンドヌクレア
ーゼ消化部位及び個々の宿主細胞に適した選択可能マーカーを含む。ベクターは
当業者の既知の様々な手段によって適当な宿主細胞に移入され、その後かかる宿
主細胞が所望するDNA、RNA又はポリペプチドを産生する。
【0172】 時として、配列決定又はランダム逆転写の誤りが適切なオープンリーディング
フレーム又は調節要素の存在を隠してしまうことがある。そのような場合には、
ポリペプチドを発現させることを試みて、標準的なペプチドマッピング及び配列
決定手法によってアミノ酸配列を決定することにより、正しい読み枠を決定する
ことが可能である。F.M.Ausubelら、Current Protoc
ols in Molecular Biology,John Wiley
& Sons,New York,NY(1989)参照。さらに、所与のヌク
レオチド配列の実際の読み枠を、3つの潜在的読み枠すべてを含むベクターで宿
主細胞をトランスフェクションすることによって決定できる。正しい読み枠内の
ヌクレオチド配列を持つ細胞だけが予想された長さのペプチドを産生する。
【0173】 ここで提供するヌクレオチド配列は、現在の技術水準の自動化された方法で調
製され、それ自体で、同定されていないヌクレオチドを含みうる。これらが、本
発明を実施しようとする当業者に問題を呈することはない。J.Sambroo
k(前出)又はその定期的最新化資料に述べられている標準的な組換え手法を用
いたいくつかの方法が、欠如している配列情報を完全にするために使用できる。
ここで述べるような完全長の配列を得るために使用される同じ手法が、ヌクレオ
チド配列を入手するために使用しうる。
【0174】 特定cDNAの発現は、適切な発現ベクターにcDNAをサブクローニングし
、このベクターを適切な発現宿主にトランスフェクションすることによって実現
しうる。乳房組織cDNAライブラリーの作製のために使用されるクローニング
ベクターが特定cDNAのmRNAを転写するために使用でき、かかるベクター
は、β−ガラクトシダーゼのためのプロモーター、アミノ末端met及びその後
のβ−ガラクトシダーゼの7個のアミノ酸残基を含む。これら8個の残基のすぐ
後は、人工的プライミングと転写のために有用な構築バクテリオファージプロモ
ーター、ならびにEcoRIを含めたクローニングのための多数のユニーク制限
部位である。大腸菌の適切な宿主菌株にベクターをトランスフェクションするこ
とができる。
【0175】 標準的な方法を用いて単離された細菌株をイソプロピルチオガラクトシド(I
PTG)で誘導すると、β−ガラクトシダーゼの最初の7個の残基、約15残基
のリンカー及びcDNA内にコードされるペプチドを含む融合タンパクが生成さ
れる。cDNAクローンインサートは基本的にランダムなプロセスによって生成
されるので、組み込まれたcDNAが適切な翻訳のための正しいフレーム内に位
置する可能性は3回に1回である。cDNAが正しい読み枠にない場合には、試
験管内突然変異誘発、エキソヌクレアーゼIII又は大豆ヌクレアーゼによる消
化、又はオリゴヌクレオチドリンカーの組み込みを含めた周知の方法によって適
切な数の塩基を欠失又は挿入することにより、正しい読み枠を得ることができる
【0176】 上記のcDNAを、特異的宿主でのタンパクの発現に有用であることが知られ
る他のベクターにシャトルさせることができる。クローニング部位及び標的cD
NAの両末端の伸長部にハイブリダイズするのに十分なDNAのセグメントを含
むオリゴヌクレオチドプライマーは、標準的な方法によって化学合成できる。次
にこれらのプライマーを使用して、PCRにより所望する遺伝子セグメントを増
幅することができる。生じた新しい遺伝子セグメントを標準条件下で適切な制限
酵素を用いて消化し、ゲル電気泳動によって単離することができる。その代わり
に、cDNAを適切な制限酵素で消化し、欠落している遺伝子セグメントに化学
合成したオリゴヌクレオチドを充填することによって類似した遺伝子セグメント
を作製することができる。1個以上の遺伝子からのコード配列のセグメントを相
互にライゲーションして、適切なベクターにクローニングし、組換え配列の発現
を至適化することができる。
【0177】 そのようなキメラ分子のための適当な発現宿主は、チャイニーズハムスターの
卵巣(CHO)及びヒト胚の腎(HEK)293細胞のような哺乳類細胞、Sf
9細胞のような昆虫細胞、ビール酵母菌(Saccharomyces cer
evisiae)のような酵母細胞、及び大腸菌のような細菌を含むが、これら
に限定されない。これらの細胞系の各々に関して、有用な発現ベクターはまた、
細菌中での増殖を可能にする複製起点、及び細菌中での選択を可能にする、β−
ラクタマーゼ抗生物質耐性のような選択可能マーカーも含みうる。さらにベクタ
ーは、トランスフェクションした真核宿主細胞における選択を可能にするための
、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子のような第二の選択可能マーカ
ーを含みうる。真核宿主細胞において使用するためのベクターは、目的配列がポ
リAを欠く場合には3’ポリAテールの添加を必要とする。
【0178】 さらに、当該ベクターは遺伝子発現を高めるプロモーター又はエンハンサーを
含みうる。そのようなプロモーターは宿主特異的であり、CHO細胞に関するM
MTV、SV40又はメタロチオネインプロモーター;細菌宿主に関するtrp
、lac、tac又はT7プロモーター;あるいは酵母に関するα因子、アルコ
ールオキシダーゼ又はPGHプロモーターを含むが、これらに限定されない。ラ
ウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサーのような転写エンハンサーを持つ又は
持たないアデノウイルスベクターは、哺乳類細胞系におけるタンパク発現を推進
するために使用しうる。ひとたび組換え細胞の均質な培養が得られれば、順化培
地から大量の組換え産生タンパクを回収し、当分野で周知のクロマトグラフィー
法を使用して分析することができる。分泌タンパクを大量に生産するための代替
的な方法は、哺乳類の胚をトランスフェクションし、トランスジェニック雌ウシ
、ヤギ、ヒツジ等によって産生される乳から組換えタンパクを回収することを含
む。タンパクの精製を容易にするように、ポリペプチド及び緊密に関連する分子
を組換えによって発現することができる。1つのアプローチは、天然ではヒトポ
リペプチド上に存在しない1つ又はそれ以上の付加的なポリペプチドドメインを
含むキメラタンパクの発現を包含する。そのような精製促進ドメインは、固定化
された金属上での精製を可能にするヒスチジン−トリプトファンドメインのよう
な金属キレート化ペプチド、固定化された免疫グロブリンでの精製を可能にする
プロテインAドメイン、及びFLAGS伸長/アフィニティー精製系(Immu
nex Corp,Seattle,WA)において使用されるドメインを含む
が、これらに限定されない。ポリペプチド配列と精製ドメイン間の、第XA因子
又はInvitrogen(San Diego,CA)からのエンテロキナー
ゼのような開裂可能なリンカー配列は、ポリペプチドを回収するために有用であ
ると考えられる。
【0179】 イムノアッセイ その断片、誘導体、およびアナログを含むBU101ポリペプチド、またはか
かるポリペプチドを発現する細胞は乳房組織に対する抗体を検出するための種々
のアッセイにおいて利用でき、その多くを本明細書において記載する。またこれ
らを抗体を作るための免疫原としても用いることができる。これらの抗体は例え
ばポリクローナルまたはモノクローナル抗体、キメラ、一本鎖およびヒト化抗体
並びにFab断片またはFab発現ライブラリーの生成物でよい。当該分野で周
知の種々方法を用いてかかる抗体および断片を作ることができる。
【0180】 例えば本発明の配列を含んでなるポリペプチドに対して生じた抗体を、ポリペ
プチドを動物、例えばマウス、ウサギ、ヤギまたはヒトに直接注射するか、また
はポリペプチドを動物に投与することにより得ることができる。マウス、ウサギ
またはヤギが好ましい。ポリペプチドおよびその断片は配列番号20ないし29
からなる群から選択される。このようにして得られた抗体はペプチドそのものに
結合する。このように、ポリペプチドの断片のみをコードする配列を用いて元来
のポリペプチドに結合する抗体を作ることさえできる。次いでかかる抗体を用い
て試験サンプル例えばそのポリペプチドを含有することが疑われる組織からポリ
ペプチドを単離できる。モノクローナル抗体を製造するために、連続細胞系統培
養により製造される抗体を提供するいずれかの技術を用いることができる。実例
を挙げると、KohlerおよびMilstein、Nature,256:4
95−497(1975)により記載されたハイブリドーマ技術、Kozbor
ら、Immun.Today,4:72(1983)により記載されたヒトB細
胞ハイブリドーマ技術、並びにColeら、Monoclonal Antib
odies and Cancer Therapy(アラン・アール・リス・
インコーポレーティッド、ニューヨーク、ニューヨーク州)77−96頁(19
85)に記載されたヒトモノクローナル抗体を製造するためのEBVハイブリド
ーマ技術などがある。一本鎖抗体の製造に関して記載された技術を適用して本発
明の免疫原性ポリペプチド生成物に対する一本鎖抗体を製造できる。例えば米国
特許第4946778号(参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
【0181】 種々のアッセイ様式、例えば「サンドウィッチ」イムノアッセイおよびプロー
ブアッセイを本発明の抗体に利用できる。例えば本発明の抗体またはその断片を
種々のアッセイ系で用いて、試験サンプル中あるとすればBU101抗原の存在
を決定できる。例えば、第1のアッセイ様式では、固相にコーティングしたポリ
クローナルもしくはモノクローナル抗体またはその断片、またはこれらの抗体の
組合わせを試験サンプルと接触させ、第1の混合物を形成する。抗原/抗体複合
体を形成するのに十分な時間および条件下、第1の混合物をインキュベートする
。次いでシグナル発生化合物を結合したモノクローナルもしくはポリクローナル
抗体またはその断片、またはその組合わせを含んでなる指示試薬を抗原/抗体複
合体と接触させて第2の混合物を形成する。次いで抗体/抗原/抗体複合体を形
成するのに十分な時間および条件下、第2の混合物をインキュベートする。ある
とすれば、固相上に捕捉された試験サンプル中のBU101抗原の存在を、シグ
ナル発生化合物により生じる測定可能なシグナルを検出することにより決定する
。試験サンプル中に存在するBU101抗原の量は生じたシグナルに比例する。
【0182】 別のアッセイ様式では(1)BU101抗原に特異的に結合するポリクローナ
ル抗体、モノクローナル抗体、もしくはその断片または固体支持体に結合するか
かる抗体の組み合わせ;(2)試験サンプル;および(3)シグナル発生化合物
が結合した異なるBU101抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体、ポリ
クローナル抗体、もしくはその断片(またはこれらの抗体の組み合わせ)を接触
させることにより混合物を形成する。抗体/抗原/抗体複合体を形成するのに十
分な時間および条件下、この混合物をインキュベートする。あるとすれば、試験
サンプルに存在し、固相上に捕捉されたBU101抗原の存在を、シグナル発生
化合物により生じた測定可能なシグナルを検出することにより決定する。試験サ
ンプル中に存在するBU101抗原の量は生じたシグナルに比例する。
【0183】 別のアッセイ様式では少なくとも二つの本発明のモノクローナル抗体の一つま
たは組み合わせをBU101抗原に対する抗体の検出用競合プローブとして用い
ることができる。例えばBU101ポリペプチド例えば本明細書に開示する組換
え抗原を単独で、または組み合わせて固相をコーティングする。次いでBU10
1抗原に対する抗体を含有することが疑われる試験サンプルをシグナル発生化合
物および少なくとも一つの本発明のモノクローナル抗体を含んでなる指示試薬と
共に、固相に結合した試験サンプルおよび支持試薬か、または固相に結合した支
持試薬の抗原/抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下でインキュベ
ートする。モノクローナル抗体の固相への結合の低下を定量的に測定できる。
【0184】 さらに別の検出法では、本発明のモノクローナルまたはポリクローナル抗体を
免疫組織化学的分析による組織切片および細胞中のBU101抗原の検出に用い
ることができる。凍結または化学的に固定した組織サンプルから組織切片を切り
取ることができる。細胞中で抗原を検出する場合、細胞を血液、尿、乳房吸引液
、またはその他の体液から単離できる。外科手術または針のいずれかによるバイ
オプシにより細胞を得ることができる。磁性粒子または鉄液で標識した後、遠心
または磁気引力により細胞を単離し、本発明の抗体で染色した細胞の特定の分画
を濃縮できる。これらの抗体を直接標識する(例えば蛍光、金コロイド、西洋ワ
サビペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ等用いる)かまたは2次標識
抗種抗体を用いて標識(本明細書に実例を示す種々標識を用いる)して疾患の組
織病理学を追跡する細胞化学分析もまた本発明の範囲内である。
【0185】 加えて、これらのモノクローナル抗体をCNBr−活性化セファロースに類似
するマトリックスに結合でき、細胞培養物または生物学的組織からの特異的BU
101ポリペプチドのアフィニティー精製に用い、例えば組換えおよび元来のB
U101タンパク質を精製できる。
【0186】 また本発明のモノクローナル抗体を用いて治療用またはその他の類似の適用の
ためのキメラ抗体を生成することもできる。
【0187】 モノクローナル抗体またはその断片をBU101抗原を検出するために別個に
提供できる。本明細書において提供するモノクローナル抗体(およびその断片)
の組み合わせを、少なくとも一つの本発明のBU101抗体をその他のBU10
1領域に特異的に結合する抗体と共に(各抗体は異なる結合特性を有している)
混合物または「カクテル」の構成成分として一緒に用いることもできる。このよ
うに、このカクテルは本明細書で開示するBU101ポリペプチドを指向する本
発明のモノクローナル抗体、およびBU101抗原またはその他の関連するタン
パク質のその他の抗原決定基に特異的なその他のモノクローナル抗体を含んでよ
い。
【0188】 アッセイ様式で用いることができるポリクローナル抗体またはその断片はBU
101ポリペプチドまたはさらにアッセイで用いられる別のBU101ポリペプ
チドに特異的に結合すべきである。好ましく用いられるポリクローナル抗体はB
U101ポリペプチドに結合する哺乳動物起源、例えばヒト、ヤギ、ウサギまた
はヒツジポリクローナル抗体である。最も好ましくはウサギ起源のポリクローナ
ル抗体である。アッセイで用いられるポリクローナル抗体は単独で、またはポリ
クローナル抗体のカクテルとしてのいずれかで用いることができる。アッセイ様
式で用いられるカクテルはBU101ポリペプチドに対して異なる結合特異性を
有するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体のいずれかから成るので、
これらは乳房の疾患および症状例えば乳癌の診断、病期決定、モニター観察、予
知、インビボイメージング、予防もしくは処置、または素因決定に有用である。
【0189】 組換え抗原の使用および、ペプチドがBU101のアミノ酸配列を含んでなる
合成ペプチドまたは精製ペプチドの使用によりアッセイにおいてBU101抗原
を検出できるのは本発明の範囲内であることを企図する。かかるポリペプチドお
よびその断片のアミノ酸配列は配列番号20ないし29からなる群から選択され
る。また異なるBU101エピトープを同定する異なる合成、組換えまたは精製
ペプチドを組み合わせて乳房の疾患および症状例えば乳癌の診断、病期決定、モ
ニター観察、予知、インビボイメージング、予防もしくは処置、または素因決定
のためのアッセイに用いることができることも本発明の範囲内である。この場合
、これらのペプチド全てを一つの固相にコーティングでき;または各々別個のペ
プチドを別個の固相、例えば微粒子にコーティングでき、次いで組み合わせて後
にアッセイで用いることができるペプチド混合物を形成できる。さらに異なる抗
原のエピトープを規定する複数のペプチドを乳房の疾患および症状例えば乳癌の
診断、病期決定、モニター観察、予知、予防もしくは処置、または素因の決定に
用いることができることが企図される。次いで固相にコーティングされたまたは
検出可能な標識で標識されたペプチドを限定量の抗体に関して、(あるとすれば
)患者サンプル中に存在する抗原と競合させる。合成、組換えまたは精製ペプチ
ドと抗体(または複数の抗体)との結合の低下は患者サンプル中のBU101抗
原の存在を示している。BU101抗原の存在により患者における乳房組織疾患
、とりわけ乳癌の存在が示される。種々のアッセイ様式が当業者に周知であり、
多くを本明細書後記にて論じる。
【0190】 別のアッセイ様式では抗BU101抗体および/またはBU101抗原の存在
を以下に示す同時アッセイにおいて検出できる。試験サンプルを第1の分析物質
の捕捉試薬と同時に接触させ、ここで該捕捉試薬は、固相に結合した第1の分析
物質に特異的な第1の結合メンバーおよび第2の分析物質のための捕捉試薬を含
んでなり、ここで該捕捉試薬は第2の固相に結合した第2の分析物質のための第
1の結合メンバーを含んでなり、それにより混合物を形成する。この混合物を捕
捉試薬/第1分析物質および捕捉試薬/第2の分析物質複合体を形成するのに十
分な時間および条件下でインキュベートする。次いでこれらのこのように形成し
た複合体を、シグナル発生化合物で標識した第1の分析物質に特異的な結合ペア
のメンバーを含んでなる指示試薬、およびシグナル発生化合物で標識した第2の
分析物質に特異的な結合ペアのメンバーを含んでなる指示試薬と接触させて第2
の混合物を形成する。この第2の混合物を捕捉試薬/第1分析物質/指示試薬複
合体および捕捉試薬/第2の分析物質/指示試薬複合体を形成するのに十分な時
間および条件下でインキュベートする。試験サンプル中の一つまたはそれ以上の
分析物質の存在の指標としていずれかまたは両方の固相に形成された複合体に関
連して発生するシグナルを検出することにより、一つまたはそれ以上の分析物質
の存在を決定する。このアッセイ様式では本明細書に開示する発現系に由来する
組換え抗原、および本明細書に開示する発現系に由来するタンパク質から製造さ
れるモノクローナル抗体を利用する。例えばこのアッセイ系においてBU101
抗原を第1の分析物質にできる。かかるアッセイ系についてはEP公開番号04
73065においてより詳細に記載されている。
【0191】 さらに別のアッセイ様式では、本明細書に開示されるポリペプチドを利用して
試験サンプル中のBU101抗原に対する抗体の存在を検出できる。例えば試験
サンプルを少なくとも一つのポリペプチド例えば組換えタンパク質または合成ペ
プチドが結合している固相と共にインキュベートする。ポリペプチドおよびその
断片は配列番号20ないし29からなる群から選択される。これらを抗原/抗体
複合体を形成するのに十分な時間および条件下で反応させる。インキュベーショ
ンの後、抗原/抗体複合体を検出する。選択したアッセイ系に応じ、指示試薬を
用いて検出を容易にできる。別のアッセイ様式では、試験サンプルを本明細書に
記載されるように生成された組換えタンパク質が結合している固相と接触させ、
また指示試薬で好ましく標識されているタンパク質に特異的なモノクローナルま
たはポリクローナル抗体とも接触させる。抗体/抗原複合体を形成するのに十分
な時間および条件下でインキュベートした後、遊離相から固相を分離し、固相ま
たは遊離相のいずれかにおいてBU101抗原に対する抗体の存在の指標として
標識を検出する。本明細書に開示される組換え抗原を用いる別のアッセイ様式も
企図される。これらには試験サンプルを、第1の供給源に由来する少なくとも一
つの抗原が結合している固相と接触させ、固相および試験サンプルを、抗原/抗
体複合体を形成するのに十分な時間および条件下でインキュベートし、次いで固
相を、第1の供給源とは異なる第2の供給源に由来する、標識した抗原と接触さ
せる。例えば第1の供給源例えば大腸菌(E.coli)に由来する組換えタン
パク質を捕捉用抗原として固相上で用い、試験サンプルをこのように調製した固
相に加え、続いて判断されるかまたは必要とされる場合、標準的なインキュベー
ションおよび洗浄工程を実施し、異なる供給源(すなわち大腸菌以外)に由来す
る組換えタンパク質を続いて検出される指示試薬の一部として用いる。同様に固
相上の組換え抗原および指示物質相の合成ペプチドの組み合わせもまた可能であ
る。捕捉抗原として第1の供給源から生成されるかまたは由来するBU101に
特異的な抗原および異なる第2の供給源からのBU101に特異的な抗原を利用
するいずれかのアッセイ様式が企図される。このように、組換え抗原の種々組み
合わせおよび合成ペプチド、精製タンパク質等の使用は本発明の範囲内である。
このおよびその他のアッセイのごときアッセイが米国特許第5254458号に
記載されており、これは所有権を共有し、参照により本明細書に組み込まれる。
【0192】 種々のその他の固相を利用するその他の態様もまた企図され、本発明の範囲内
である。例えば負に荷電した重合体(EP公開番号0326100およびEP公
開番号0406473)で固定化できる反応複合体を固定するためのイオン捕捉
法を本発明に従って用い、高速液相免疫化学反応を行うことができる。負に荷電
したポリアニオン/免疫複合体および予め処理した、正に荷電した多孔性マトリ
ックス間のイオン相互作用により、残りの反応混合物から固定可能な免疫複合体
を分離し、前記した種々シグナル発生系、例えばEPO公開番号0273115
に記載される化学ルミネサンスシグナル測定に記載されるものなどを用いて検出
する。
【0193】 また、本発明の方法を、固相が微粒子(磁性または非磁性)を含んでなる自動
および半自動システムなどの微粒子技術を利用する系に適用できる。かかる系に
は例えば各々公開EPO出願番号EP0425633およびEP0424634
に記載されるものなどがある。
【0194】 イムノアッセイのための走査プローブ顕微鏡(SPM)の使用もまた本発明の
モノクローナル抗体を容易に適用できる技術である。走査プローブ顕微鏡、とり
わけ原子力顕微鏡では、捕捉相例えば少なくとも一つの本発明のモノクローナル
抗体を固相に付着させ、走査プローブ顕微鏡を用いて固相表面に存在し得る抗原
/抗体複合体を検出する。トンネル顕微鏡の使用により抗原/抗体複合体を検出
するために通常多くのイムノアッセイ系において用いなければならない標識の必
要性が排除される。特異的結合反応をモニター観察するためにSPMが多くの方
法において使用できる。一つの態様では、特異的結合パートナーの一つのメンバ
ー(本発明のモノクローナル抗体である分析物質特異的物質)を走査に適当な表
面に結合する。プラスティック性または金属性表面の固相からなる試験片に吸着
させることにより分析物質特異的物質を結合でき、続いて当業者に周知の方法を
実施する。または、特異的結合パートナー(分析物質特異的物質)の、誘導プラ
スティック、金属、シリコンもしくはガラスの固相からなる試験片への共有結合
を利用できる。共有結合法は当業者に周知であり、特異的結合パートナーを試験
片に非可逆的に結合する種々の手段を含む。試験片がシリコンまたはガラスであ
る場合、特異的結合パートナーに結合する前に表面を活性化しなければならない
。また、高分子電解質相互作用を用いる技術および化学により特異的結合パート
ナーを試験片表面に固定できる。好ましい結合方法は共有結合的手段による。特
異的結合メンバーの結合に続いて、表面をさらに血清、タンパク質または非特異
的結合を最低にするその他の遮断物質のごとき物質と反応させることができる。
またアッセイ目的でその適合性を変化させるために製品の部位または使用する点
のいずれかで表面をも走査できる。走査方法により試験片の特異的結合特性は変
化しないと予測される。
【0195】 本発明は固相の使用が好ましいことを開示しているが、試薬例えば本発明の抗
体、タンパク質およびペプチドを非固相アッセイ系において利用できることを企
図している。これらのアッセイ系は当業者に周知であり、本発明の範囲内である
と考えられる。
【0196】 アッセイに用いられる試薬を一つまたはそれ以上の容器例えばバイアルまたは
ビンを含む試験キットの形態で提供でき、各々の容器はアッセイで用いられる別
個の試薬例えばプローブ、プライマー、モノクローナル抗体もしくはモノクロー
ナル抗体のカクテル、またはポリペプチド(例えば組換えにより、合成的に製造
されたまたは精製された)を含有する。ポリペプチドおよびその断片は配列番号
20ないし29からなる群から選択される。その他の構成成分例えばバッファー
、対照等は当業者に周知であり、かかる試験キットに含んでよい。入手可能な体
液例えば血液、尿、唾液および便を含んでなる試験サンプルを収集する手段を有
する試験キットを提供することをも企図する。収集に有用なかかる手段(「収集
用材料」)には血液を収集および安定化するためのランセットおよび吸収用紙ま
たは布;唾液を収集および安定化するための綿棒;尿または便を収集および安定
化するためのカップなどがある。サンプルの変性または非可逆的な吸着を避ける
ために、収集用材料、紙、布、綿棒、カップ等を処理してもよい。また標本の完
全性の維持を補助するために、収集用材料は保存剤、安定化剤または抗菌剤で処
理されるか、またはこれらを含有できる。外科手術または針によるバイオプシで
得られる試験標本を収集、安定化および保存するために設計されたキットもまた
有用である。すべてのキットは別個に提供され得る二つの構成部分から構成され
ており;一つの構成部分は標本の収集および輸送のためのものであり、もう一つ
の構成部分は標本の分析のためのものである。例えば収集用の構成部分は一般市
場の利用者に提供され、一方分析用構成部分は分析物質の存在、不在または量を
決定する研究者などに提供される。さらに試験標本の収集、安定化および保存の
ためのキットは熟練者以外の人による使用のために構成され、家庭で使用し、続
いて試験サンプルの分析のために研究室に輸送されるためのもので、一般市場で
入手できる。
【0197】 インビボ抗体使用 本発明の抗体をインビボで用いることができる;すなわち、乳房の疾患を有す
ることが疑われるまたは乳房の疾患を有する患者に診断または治療用途でこれら
を注射できる。インビボ診断のための抗体の使用は当該分野で周知である。Su
merdonら、Nucl.Med.Biol.,17:247−254(19
90)では標識としてインジウムIIIを用いる胎児性癌抗原(CEA)発現腫
瘍の放射性免疫シンチグラフィーによる画像化のために最適化された抗体キレー
ト化剤について記載している。Griffinら、J.Clin.Onc.,9
:631−640(1991)では再発性結腸直腸癌が疑われる患者の腫瘍の検
出におけるこの薬物の使用について記載している。磁気共鳴による画像化のため
の標識として常磁性イオンを有する類似の物質の使用は当該分野で周知である(
R.B.Lauffer、Magnetic Resonance in Me
dicine,22:339−342(1991))。BU101抗原に対して
指向する抗体を乳房の疾患例えば乳癌が疑われる患者に、患者の病態の診断また
は病期決定の目的で注射できる。用いる標識は選択した画像化様式に依存する。
放射性標識例えばインジウムIII、テクネチウム99mまたはイオダイン13
1を平面走査または単光子放出コンピューター断層撮影(SPEC)に用いるこ
とができる。陽電子放出標識例えばフルオリン19を陽電子放出断層撮影(PE
T)に用いることもできる。MRIでは常磁性イオン例えばガドリニウム(II
I)またはマンガネーゼ(II)を用いることができる。乳房内または乳房外の
標識の局在により疾患の拡散を決定できる。乳房内の標識の量により乳癌の存在
または不在を決定できる。
【0198】 乳房の疾患を有することが解っている患者にBU101抗原に対して指向する
抗体を注射するのは治療上有効である。抗体は組織または器官上または内に発現
するBU101抗原に結合することにより結合物質を用いることなく抗体は効果
を奏することができる。また別に、治療効果を高めるために抗体を細胞毒例えば
薬物、毒素または放射性核種に結合できる。GarnettおよびBaldwi
n、Cancer Research,46:2407−2412(1986)
では薬物−モノクローナル抗体結合体の調製について記載している。Pasta
nら、Cell,47:641−648(1986)では種々癌の治療のための
モノクローナル抗体に結合した毒素の使用について説明している。Goodwi
nおよびMeares、Cancer Supplement,80:2675
−2680(1997)では、腫瘍に対する用量は最大であるが、正常組織毒性
を制限する種々ストラテジーにおけるイトリウム90標識モノクローナル抗体の
使用について記載している。その他の周知の細胞毒性放射性核種にはコパー67
、イオダイン131およびレニウム186などがあり、これらは全て乳癌の治療
のためのBU101抗原に対して指向するモノクローナル抗体の標識に用いるこ
とができる。
【0199】 大腸菌(E.coli)(クローン603148H1および2083578H
1)を各々1996年10月7日および1998年3月9日にアメリカン・タイ
プ・カルチャー・コレクション(A.T.C.C.)、10801ユニバーシテ
ィー・ブールバード、マナサス、バージニア州に寄託した。寄託はブダペスト条
約のもとでなされ、寄託日から30年間または寄託の最後の要請の後5年間、ま
たは米国特許の強制期間の間、いずれかの長い期間維持される。本明細書に記載
する寄託およびその他の寄託物質は便宜的にのみ提供されるものであって、本明
細書に提供される教示の観点で本発明の実施に必要ではない。寄託物質全てにお
けるcDNA配列を参照により本発明書に組み込まれる。クローン603148
H1はA.T.C.C.寄託番号98185に一致する。クローン208357
8H1はA.T.C.C.寄託番号98684に一致する。
【0200】 本発明をここで実施例により記載するが、これは説明を意味するものであり、
本発明の範囲を限定するものではない。
【0201】 実施例 実施例1:乳房組織ライブラリーBU101遺伝子特異的クローンの同定 A.発現配列タグ(EST)または転写イメージのライブラリー比較 cDNAクローンインサートの部分配列、いわゆる「発現配列タグ」(EST
)を乳房腫瘍組織、乳房非腫瘍組織および腫瘍および非腫瘍の両方の多くのその
他の組織から作ったcDNAライブラリーから誘導し、遺伝子転写イメージとし
てデータベース(ライフセック(商標)データベース、インサイト・ファーマシ
ューティカルズ、パロアルト、カリフォルニア州より入手可能)に入力した。国
際公開番号WO95/20681を参照のこと。(転写イメージは所定の組織ラ
イブラリーにおける代表的な遺伝子の各々のESTの番号の一覧である。成熟配
列重複のEST共有領域をクラスタに分類する。クラスタに代表的な5’EST
からクローン番号を割り当てる。しばしば、そのコンセンサス配列を自動クラス
タ化の基準に合致しなかったその他のESTの配列と比較することにより、目的
のクラスタを拡大できる。全ての可能なクラスタおよび単一のESTのアライン
メントはコンセンサス配列を誘導するコンティグを表す)。次いで転写イメージ
を評価して主に乳房組織ライブラリーを代表するEST配列を同定する。次いで
標的ライブラリーにおける存在度(発生量)およびバックグラウンドライブラリ
ーの不在度に従ってこれらの標的クローンをランク分けした。バックグラウンド
の発生量が低い存在度の高いクローンを優先的に高次の研究に用いた。BU10
1のコンセンサス配列に対応するESTは乳房組織ライブラリーの25.6%(
39のうち10)に見出された。コンセンサス配列、配列番号6(またはその断
片)に対応するESTはデータベースのその他の非乳房ライブラリーの1.06
%(754のうち8)にしか見出されなかった。従って、コンセンサス配列また
はその断片が非乳房組織よりも乳房組織において24.1倍以上多く見出された
。重複クローン2083578H1(配列番号1)、603148H1(配列番
号2)、604290H1(配列番号3)の各々がさらなる研究のために同定さ
れた。これらは、コンティグを形成するのに必要な最低数のクローン(クローン
2083578H1および603148H1の配列全長[各々2083578i
nh(配列番号4)および603148inh(配列番号5)と称する]に沿っ
て)を示し、そこから本明細書において提供されるコンセンサス配列(配列番号
6)が誘導された。
【0202】 B.コンセンサス配列の生成 クローン2083578H1のヌクレオチド配列(配列番号1)、60314
8H1のヌクレオチド配列(配列番号2)、604290H1のヌクレオチド配
列(配列番号3)およびクローン2083578H1および603148H1の
ヌクレオチド配列の配列全長[各々2083578inh(配列番号4)および
603148inh(配列番号5)と称する]をシークエンチャー(商標)プロ
グラム(ジーン・コーズ・コーポレーョン、アンアボール、ミシガン州)に入力
してヌクレオチドアラインメントシ(コンティグマップ)を作成し、次いでその
コンセンサス配列(配列番号6)を作った。図1はこれらのクローンのヌクレオ
チド配列アラインメントおよび得られたヌクレオチドコンセンサス配列(配列番
号6)を示す。図2はクローン2083578H1(配列番号1)、60314
8H1(配列番号2)、604290H1(配列番号3)およびクローン208
3578H1および603148H1の配列全長[各々2083578inh(
配列番号4)および603148inh(配列番号5)と称する]を示すコンテ
ィグマップを表し、グラフィックディスプレイでBU101遺伝子の重複領域お
よびこれらのクローンの得られたコンセンサスヌクレオチド配列(配列番号6)
を形成する。これに従い、コンセンサス配列(配列番号6)で3フレーム翻訳を
実施した。第1の順行フレームは配列番号20として表される90残基のアミノ
酸配列をコードするオープン・リーディング・フレームを有することが見出され
た。オープン・リーディング・フレームは配列番号6のヌクレオチド97ないし
366に対応する。当業者に周知のソフトウェアおよび技術を用いて配列番号2
0の90残基アミノ酸配列を確立された配列と比較した。ラット前立腺ステロイ
ド結合タンパク質(psc.1.pep)のポリペプチド配列が配列番号20の
BU101ポリペプチド配列に部分的に相同であることが見出された。このラッ
ト前立腺ステロイド結合タンパク質はParkerら、Nature,298:
92−94(1982)に記載されている。
【0203】 ライフセック(商標)データベースの分析によりコンセンサスヌクレオチド配
列(配列番号6)の254位置におけるT/C多型の可能性が示された。データ
ベースにおいてCヌクレオチド変種が33発生し、Tヌクレオチド変種が8発生
した。ヌクレオチド254におけるこの多型性の結果、プロリン(CCG)およ
びロイシン(CTG)間でアミノ酸がシフトする。
【0204】 実施例2:BU101EST特異的クローンのシークエンシング 周知の方法[F.Sangerら、PNAS U.S.A.74:5463(
1977)]に従って、色素ターミネーターを用いるジデオキシ終止シークエン
シングによりBU101遺伝子コンティグのクローン2083578H1、60
3148H1のDNA配列を決定した(各々配列番号4および配列番号5)。
【0205】 ベクター例えばpSPORT1(ライフ・テクノロジーズ・ガイザースブルグ
、メリーランド州)およびpINCY(インサイト・ファーマシューティカルズ
・インコーポレーティッド、パロアルト、カリフォルニア州から入手可能)がイ
ンサートの3‘および5’ライゲーション接合部にちょうど隣接するユニバーサ
ル・プライミング部位を含有するので、ユニバーサルプライマー、配列番号9お
よび配列番号10(各々ニューイングランド・バイオラブス、ベバリー、メリー
ランド州およびアプライド・バイオシステムズ・インコーポレーティッド、フォ
スター・シティー、カリフォルニア州)を用いて両方向でインサートをシークエ
ンシングした。ポリアクリルアミド変性ゲルにシークエンシング反応物を流し、
アプライド・バイオシステムズ377シークエンサー(アプライド・バイオシス
テムズ、フォスター・シティー、カリフォルニア州より入手可能)により配列を
決定した。コンセンサス配列、配列番号6の配列情報から別のシークエンシング
プライマー、配列番号11および配列番号12を設計した。次いで、前記するよ
うに、これらのプライマーを用いて各DNA鎖からクローン化したインサートの
残りのDNA配列を決定した。
【0206】 実施例3:核酸 A.組織からのRNA抽出 全RNAを乳房組織および乳房以外の組織から単離した。当該分野で周知のK
atoら(J.Virol.61:2182−2191(1987))に記載さ
れている塩化リチウム/尿素技術およびトリゾール(商標)(ギブコ・ビー・ア
ール・エル、グランドアイランド、ニューヨーク州)など(これに限定するもの
ではない)の種々方法を用いることができる。
【0207】 簡単には、組織を滅菌コニカルチューブ中氷上に置き、3M LiCl、6M 尿素、5mM EDTA、0.1M メルカプトエタノール、50mM トリ
スHCl(pH7.5)を加えた。ポリトロン(登録商標)ホモジナイザー(ブ
リンクマン・インストラメンツ・インコーポレーティッド、ウェストベリー、ニ
ューヨーク州)で氷上30ないし50秒間、組織をホモジナイズした。溶液を1
5mlプラスティック遠心チューブに移し、−20℃で一晩放置した。チューブ
を9000xg、0ないし4℃で90分間遠心し、上澄を即座にデカンテーショ
ンした。3M LiCl10mlを加え、チューブを5秒間攪拌した。チューブ
を11000xg、0ないし4℃で45分間遠心した。デカンテーション、Li
Cl中への再懸濁および遠心を繰り返し、最終的に得られたペレットを空気乾燥
し、1mM EDTA、0.5% SDS、10mM トリス(pH7.5)2
mlに懸濁した。プロテイナーゼK(20mg/ml)20μlを加え、溶液を
37℃で30分間時々混合しながらインキュベートした。3M NaClの10
分の1容量(0.22ないし0.25ml)を加え、溶液を攪拌し、その後フェ
ノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(PCI)2mlを含有する別の
チューブに移した。チューブを1ないし3秒間攪拌し、3000xg、10℃で
20分間遠心した。PCI抽出を繰り返し、続いてクロロホルム/イソアミルア
ルコール(CI)で2回類似の抽出を行った。最終的に得られた水溶液を予め冷
却した、無水エタノール6mlを含有する15mlコレックスガラスチューブに
移し、チューブをパラフィンで覆い、−20℃で一晩放置した。チューブを10
000xg、0ないし4℃で30分間遠心し、エタノール上澄を即座にデカンテ
ーションした。RNAペレットを75% 氷冷エタノール10mlで4回洗浄し
、最終的に得られたペレットを室温で15分間空気乾燥した。RNAを10mM
TE(pH7.6、1mM EDTA)0.5mlに懸濁し、分光測光法によ
りその濃度を測定した。RNAサンプルを等分し、エタノール沈殿物として−7
0℃で保存した。
【0208】 RNAの品質をアガロースゲル電気泳動(実施例5、ノーザン・ブロット分析
を参照のこと)により決定し、0.5μg/ml臭化エチジウムで1時間染色し
た。完全なリボソームRNAを含有しないRNAサンプルはこの研究から排除し
た。
【0209】 別法として、RT−PCR分析では、ウルトラスペックRNA試薬1mlを2
.0mlポリプロピレンマイクロヒュッジチューブ中の微粉砕した組織120m
gに加え、ポリトロン(登録商標)ホモジナイザー(ブリンクマン・インストラ
メンツ・インコーポレーティッド、ウェストベリー、ニューヨーク州)で50秒
間ホモジナイズし、氷上に5分間置いた。次いで各サンプルにクロロホルム0.
2mlを加え、続いて15秒間攪拌した。氷上にさらに5分間サンプルを置き、
続いて12000xg、4℃で15分間遠心した。上層を収集し、別のRNアー
ゼ不含2.0mlマイクロヒュッジチューブに移した。イソプロパノールの等容
量を各サンプルに加え、溶液を氷上に10分間置いた。サンプルを12000x
g、4℃で10分間遠心し、上澄を捨てた。残ったペレットを冷75% エタノ
ールで2回洗浄し、攪拌して再懸濁し、次いで再懸濁した物質を7500xg、
4℃で5分間遠心してペレット化した。最後に、RNAペレットをスピードバッ
ク(サバント、ファーミングデール、ニューヨーク州)中5分間乾燥し、RNア
ーゼ不含水中で再構築した。
【0210】 B.血液単核細胞からのRNA抽出 以下のとおりフィコール・ハイパークを用いて遠心により患者の血液サンプル
から単核細胞を単離する。全血10ml容量を等容量のRPMIメジウム(ギブ
コ・ビー・アール・エル、グランドアイランド、ニューヨーク州)と混合する。
次いでこの混合物の下にフィコール・ハイパーク(ファルマシア、ピスカッタウ
ェイ、ニュージャージー州)10mlを層化し、200xgで30分間遠心する
。単核細胞を含有するバッフィーコートを取り除き、ダルベッコPBS(ギブコ
・ビー・アール・エル、グランドアイランド、ニューヨーク州)で50mlに希
釈し、混合物を200xgで10分間遠心する。2回洗浄した後、得られたペレ
ットをダルベッコPBSに再懸濁し最終容量を1mlにする。
【0211】 N.Katoら、J.Virology,61:2182−2191(198
7)に記載されるように、単離された単核細胞からRNAを調製する。簡単には
、ペレット化した単核細胞を最終容量1mlにし、次いでPBS250μlに再
懸濁し、3M LiCl、6M 尿素、5mM EDTA、0.1M 2−メル
カプトエタノール、50mM トリスHCl(pH7.5)2.5mlと混合す
る。得られた混合物をホモジナイズし、20℃で一晩インキュベートする。ベッ
クマンJ2−21Mローター中ホモジネートを8000rpm、0ないし4℃で
90分間遠心する。ペレットを3M LiCl10ml中攪拌して再懸濁し、次
いでベックマンJ2−21Mローター中10000rpm、0ないし4℃で45
分間遠心する。次いで再懸濁およびペレット化を繰り返す。ペレットを1mM
EDTA、0.5% SDS、10mM トリス(pH7.5)および400μ
gプロテイナーゼK2mlに攪拌しながら再懸濁し、次いで振盪しながら37℃
で30分間インキュベートする。次いで3M NaClの10分の1容量を加え
、混合物を攪拌する。フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(PC
I)を用いて抽出サイクルを2回行い、続いてクロロホルム/イソアミルアルコ
ール(CI)を用いて1回抽出してタンパク質を除去する。無水エタノール6m
lを添加してRNAを沈殿させ、続いて−20℃で一晩インキュベートする。遠
心により沈殿したRNAを収集した後、ペレットを75%エタノールで4回洗浄
する。次いでペレット化したRNAを1mM EDTA、10mM トリスHC
l(pH7.5)を含有する溶液に溶解する。
【0212】 陰性対照として乳房以外の組織を用いる。市販により入手可能なキット例えば
ポリアデニル化RNAを単離するためのオリゴdTセルローススピンカラム(フ
ァルマシア、ウプサラ、スウェーデンのレディコール(商標))を用いることに
より全RNAからmRNAをさらに精製できる。リボヌクレアーゼ保護アッセイ
で分析するために、溶解バッファー(5M グアニジンチオシアネート、0.1
M EDTA、pH7.0)に全RNAまたはmRNAを溶解する。
【0213】 C.ポリソームからのRNA抽出 組織をセイライン中4℃で切り刻み、6mM 2−メルカプトエタノール含有
TK150M(150mM KCl、5mM MgCl、50mM トリスH
Cl、pH7.4)溶液中0.8M スクロース2.5容量と混合する。B.M
echler、Methods in Enzymology,152:241
−248(1987)に記載されるように、組織をテフロン(登録商標)・ガラ
ス・ポッター・ホモジナイザーで100ないし200rpmで5ストローク、続
いてドウンス・ホモジナイザーで6ストーロークでホモジナイズする。次いでホ
モジネートを12000xg、4℃で15分間遠心し、核を沈殿させる。TK
50M中2.5M スクロース6mlで上澄2mlを混合することによりポリソ
ームを単離し、38mlポリアロマーチューブ中TK150M中2.5M スク
ロース4mlの上にこの混合物を層化する。抽出物分画の上にさらに連続して2
回スクロースTK150M溶液を層化する;第1の層、2.05Mスクロース1
3ml、続いて第2の層、1.3M スクロース6ml。90000xg、4℃
で5時間グラジエントを遠心してポリソームを単離する。次いでシリコン処理し
たパスチュールピペットで1.3M スクロース/2.05M スクローロス接
触面から分画を取り、等容量のTE(10mM トリスHCl、pH7.4、1
mM EDTA)で希釈する。等容量の90℃ SDSバッファー(1% SD
S、200mM NaCl、20mM トリスHCl、pH7.4)を加え、沸
騰水浴中2分間溶液をインキュベートする。次にプロテイナーゼK消化(50m
g/ml)を用いて37℃で15分間タンパク質を消化する。フェノール−クロ
ロホルム抽出物3等容量でmRNAを精製し、続いて2M 酢酸ナトリウム(p
H5.2)0.1容量および100%エタノール2容量で−20℃で一晩沈殿さ
せる。12000xg、4℃で10分間遠心して沈殿したRNAを回収する。R
NAを乾燥し、TE(pH7.4)または蒸留水に再懸濁する。次いで再懸濁し
たRNAをスロットブロットまたはドットブロットハイブリダイゼーションアッ
セイに用いてBU101 mRNAの存在を確認する(実施例6を参照のこと)
【0214】 核酸及びタンパク質の品質は用いる調製法に依存する。標的分子の単離効率を
最大にするために各サンプルに異なる調製技術が必要であろう。これらの調製技
術は通常の技術範囲内である。
【0215】 実施例4:リボヌクレアーゼ保護アッセイ A.標識した相補的RNA(cRNA)ハイブリダイゼーションプローブおよ
び標識していないセンス鎖の合成 キアゲン・プラスミド・精製キット(キアゲン、チャッツウォース、カリフォ
ルニア州)を用いて記載した、BU101遺伝子cDNA配列を含有し、対立す
るSP6およびT7ポリメラーゼプロモーターでフランキングされたpPORT
1プラスミド、クローン603148H1を精製した。次いでDde I制限酵
素10単位を用いて37℃で1時間切断することによりプラスミド10μgを直
線化した。QIAプレップキット(キアゲン、チャッツウォース、カリフォルニ
ア州)を用いて直線化したプラスミドを精製し、これを用いて供給者の指示書に
記載されるように、リボプローブ(登録商標)インビトロ転写システム(プロメ
ガ・コーポレーション、マジソン、ウィスコンシン州)を用いてSP6プロモー
ターから6.3μM(アルファ32P)UTP(アマーシャム・ライフ・サイエ
ンシズ・インコーポレーティッド、アーリントン・ハイツ、イリノイ州)で標識
したアンチセンス転写物を合成した。センス鎖を作るために、精製プラスミド1
0μgを制限酵素Xba I 10単位およびNotI 10単位で切断し、前
記のようにT7プロモーターから転写した。センス鎖およびアンチセンス鎖の両
方をスピンカラムクロマトグラフィーにより単離した。260nmにおけるUV
吸収により未標識センス鎖を定量した。
【0216】 B.標識プローブの標的へのハイブリダイゼーション 液体窒素下凍結組織を粉末に粉砕し、100ないし500mgを、ダイレクト
プロテクト(商標)ライゼートRNアーゼ保護キット(アンビオン・インコーポ
レーティッド、オースティン、テキサス州)の構成成分と同様に利用できる溶解
バッファー1mlに溶解した。さらに組織ホモジナイザーを用いて溶解を達成し
た。加えて、陽性対照として使用するためにマウス肝臓ライゼートのセンス鎖の
既知の量からなる一連の希釈物を作った。最終的に、溶解した組織すなわち希釈
したセンス鎖45μlを溶解バッファー5μl中放射性標識プローブ1x10 cpmと直接混合した。37℃で一晩ハイブリダイゼーションを進行させた。
【0217】 C.RNアーゼ消化 ダイレクト・プロテクト(商標)プロトコルに従ってRNアーゼAおよびRN
アーゼT1の溶液を用いて37℃で30分間でプローブにハイブリダイズしなか
ったRNAを反応物から除去し、続いてサルコシルナトリウムの存在下プロテイ
ナーゼK消化によりRNアーゼを除去した。次いで消化から保護されたハイブリ
ダイズされた断片を等容量のイソプロパノールを添加することにより沈殿させ、
−70℃で3時間放置した。12000xgで20分間の遠心により沈殿物を収
集した。
【0218】 D.断片分析 染料(80% ホルムアミド、10mM EDTA(pH8.0)、1mg/
ml キシレンシアノール、1mg/ml ブロモフェノールブルー)を加えた
変性ゲルに沈殿物を溶解し、熱変性し、6% ポリアクリルアミドTBE、8M
尿素変性ゲルで電気泳動した。ゲルを画像化し、ストーム(商標)保存蛍光体
オートラジオグラフィーシステム(モレキュラー・ダイナミクス、サニーベール
、カリフォルニア州)を用いて分析した。試験サンプルから得られたピーク面積
を陽性対照センス鎖の周知の希釈物(前記のセクションBを参照のこと)から得
られたピーク面積と比較することによりフェムトグラム(fg)に現れた保護断
片のバンドを定量した。加えて、ライゼート中のDNA濃度を評価して試験サン
プルライゼート中の細胞数を推測した。結果をBU101 RNA分子/細胞の
画像評価スコアとして表した(表1)。
【0219】
【表1】 保護断片が検出されなかったサンプルを「−」と評し;保護断片が検出され
、そのfg値が標準曲線内にあったサンプルを「+」と評し;保護断片が検出さ
れ、そのfg値が標準曲線の2ないし10倍であったサンプルを「2+」と評し
;保護断片が検出され、そのfg値が標準曲線の10倍またはそれ以上であった
サンプルを「3+」と評した。
【0220】 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6
およびその断片または相補体からなる群から選択される配列からなる生成物の検
出はBU101 mRNAの存在を示すものであり、乳房組織疾患または症状例
えば乳癌の診断を示唆するものである。
【0221】 実施例5:ノーザンブロッティング ノーザンブロッティングは当該分野で周知の技術である。ノーザンブロット技
術を用いて、ゲル電気泳動および核酸ハイブリダイゼーションを用いてRNAの
複合集団から規定の大きさのRNA断片を同定した。簡単には、全RNA(実施
例3を参照のこと)5ないし10μgを40mM モルフォリノプロパンスルフ
ォン酸(MOPS)(pH7.0)、10mM 酢酸ナトリウム、1mM ED
TA、2.2M ホルムアルデヒド、50容量/容量% ホルムアミドを含有す
る溶液15μl中65℃で15分間インキュベートした。変性RNAをローディ
ングバッファー(50% グリセロール、1mM EDTA、0.4% ブロム
フェノールブルー、0.4% キシレンシアノール)2μlと混合し、40mM
MOPS(pH7.0)、10mM 酢酸ナトリウム、1mM EDTAおよ
び2.2M ホルムアルデヒドを含有する変性1.0% アガロースゲルに装填
した。ゲルを60Vで1.5時間電気泳動し、RNAアーゼ不含水ですすいだ。
下方アルカリ性キャピラリー移動法(Chomczynski、Anal.Bi
ochem.201:134−139(1992))を用いてRNAをゲルから
ナイロン膜(ブライトスター・プラス、アンビオン・インコーポレーティッド、
オースティン、テキサス州)に1.5時間移した。フィルターを1X SSCで
すすぎ、自動架橋化様式のストラッタリンカー(ストラッタジーン・インコーポ
レーティッド、ラジョーラ、カルフォルニア州)を用いてRNAをフィルターに
架橋した。次いで予め加熱したプレハイブリダイゼーション溶液(5X SSC
、50% ホルムアミド、5Xデンハーツ溶液、100μg/ml変性サケ精子
DNA)20mlを含有するハイブリダイゼーションチューブ内に膜を置き、4
2℃のハイブリダイゼーションオーブンで少なくとも3時間インキュベートした
。ブロットをプレハイブリダイズしたが、製造者の指示書に従って、ランダムプ
ライマーDNAラベリングシステム(ライフ・テクノロジーズ・インコーポレー
ティッド、ガイザースブルグ、メリーランド州)を用いて、BU101インサー
ト断片(XbaIおよびNotIでクローン603148H1を消化することに
より得られる)を用いて32P標識ランダムプライムプローブを作った。プロー
ブの半分を10分間煮沸し、氷上で迅速に冷却し、ハイブリダイゼーションチュ
ーブに加えた。42℃で少なくとも12時間ハイブリダイゼーションを行った。
ハイブリダイゼーション溶液を捨て、フィルターを3X SSC、0.1% S
DS30ml中42℃で15分間洗浄し、続いて3X SSC、0.1% SD
S30ml中42℃で15分間洗浄した。フィルターをサランラップで包み、コ
ダックXAR−Oマットフィルムに8ないし96時間暴露し、分析のためにフィ
ルムを現像した。
【0222】 臭化エチジウム染色アガロースゲルを用いるRNA品質分析並びに乳房組織お
よび非乳房組織からのRNAにハイブリダイズするBU101プローブを用いる
対応するノーザンブロットの結果を各々図3Aおよび3Bに示す。RNAサイズ
標準の位置(キロ塩基対)をパネルの左に示す。BU101プローブはレーン1
の乳房サンプルにおいてのみ0.5キロ塩基対でRNAバンドにハイブリダイズ
したが、レーン3の乳房組織のRNAまたはレーン4ないし10の7つの非乳房
サンプル(各々結腸、結腸、肺、肺、卵巣、前立腺および脾臓)(図3B)では
ハイブリダイズしなかった。レーン2はブランクである。
【0223】 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6
およびその断片または相補体に対応するmRNAの高レベルの発現はBU101
mRNAの存在を示すものであり、乳房組織疾患または症状、例えば乳癌の診
断を示唆するものである。
【0224】 実施例6:ドットブロット/スロットブロット ドットおよびスロットアッセイは核酸の複合混合物中の特定の核酸配列の存在
を評価するための迅速な方法である。かかるアッセイを実施するために、50μ
gまでのRNAを50% ホルムアミド、7% ホルムアルデヒド、1X SS
C50μlと混合し、68℃で15分間インキュベートし、次いで氷上で冷却す
る。次いでRNA混合物に20X SSC100μlを加え、調製ニトロセルロ
ースまたはナイロン膜を有する多機能装置に真空下装填する。膜を水、20X
SSCに1時間浸し、20X SSCで予め湿らせた2枚のワットマン#3フィ
ルターペーパー上に置き、スロットブロットまたはドットブロット真空多機能装
置に装填する。前記の実施例4に記載のとおりに調製および標識したプローブで
スロットブロットを分析する。配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号
4、配列番号5、配列番号6およびその断片または相補体からなる群から選択さ
れる配列に対応するmRNAの検出はBU101の存在の指標であり、乳房組織
疾患または症状、例えば乳癌の診断を示唆するものである。
【0225】 実施例5および6に記載の方法において利用できるその他の方法およびバッフ
ァーは、本明細書に特記したもの以外は周知であり、J.Sambtookら(
前記で引用)に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0226】 実施例7:イン・シトゥ・ハイブリダイゼーション この方法は検出可能な核酸ハイブリダイゼーションプローブを用いて細胞にお
ける特異的標的核酸配列を直接検出するのに有用である。
【0227】 細胞性RNAの保持を最大にするために架橋固定剤例えばパラホルムアルデヒ
ドまたはグルタルアルデヒドで組織を調製する。L.Angererら、Met
hods in Cell Biol.,35:37−71(1991)を参照
のこと。簡単には、50mM リン酸ナトリウム(pH7.5)中1% グルタ
ルアルデヒド5容量以上の中に組織を4℃で30分間置く。溶液を新鮮なグルタ
ルアルデヒド溶液(50mM リン酸ナトリウム(pH7.5)中1% グルタ
ルアルデヒド)と交換してさらに30分間固定する。固定溶液はおよそ0.37
5% NaClのモル浸透圧を有していなければならない。組織を等張NaCl
で1回洗浄し、リン酸塩を除去する。
【0228】 次いで以下のように固定した組織をパラフィンに包埋する。一連の漸増濃度の
エタノールで組織を各々15分間脱水する:50%(2回)、70%(2回)、
85%、90%、次いで100%(2回)。次に、組織をキシレンに、2回交換
して、室温で各20分間浸す。次いで組織をキシレンおよびパラフィンの1:1
混合物に、2回交換して、60℃で各20分間浸し;次いでパラフィンに、最後
に3回交換して、各15分間浸す。
【0229】 次に、標準的なミクロトームを用いて組織を5μm切片に切断し、予め組織付
着剤例えば3−アミノプロピルトリエトキシシランで処理したスライドに載せる
【0230】 10分間2回のキシレン浸漬により組織からパラフィンを除去し、一連の漸減
濃度のエタノールで再水和する:99%(2回)、95%、85%、70%、5
0%、30%、次いで蒸留水(2回)。切片を0.2M HClで10分間、前
処理し、2μg/ml プロテイナーゼKで37℃で15分間、浸透化する。
【0231】 BU101遺伝子プラスミドから転写した標識リボプローブ(実施例4を参照
のこと)を調製した組織切片にハイブリダイズさせ、3X 標準セイライン抽出
物および50% ホルムアミドルデヒド中56℃で一晩インキュベートする。2
X標準セイラインクエン酸塩および50% ホルムアミドで洗浄することにより
過剰なプローブを除去し、続いて100μg/ml RNアーゼAで37℃で3
0分間消化する。顕微鏡下紫外(UV)光の照明により蛍光プローブを可視化す
る。細胞質中の蛍光はBU101 mRNAを示している。別法としてオートラ
ジオグラフィーにより切片を可視化できる。
【0232】 実施例8:逆転写PCR A.1工程RT−PCRアッセイ 当該分野で周知の方法を用いて逆転写PCRにより前記の標的配列を検出する
ための標的特異的プライマーを設計する。1工程RT−PCRは単一の反応混合
物においてRTおよびPCRの両方を実施する連続的な方法である。50mM(
N,N,−ビス[2−ヒドロキシエチル]グリシン)、pH8.15、81.7
mM KOAc、33.33mM KOH、0.01mg/ml ウシ血清アル
ブミン、0.1mM エチレンジアミンテトラ酢酸、0.02mg/ml Na
、8重量/容量% グリセロール、150μM 各dNTP、0.25μM
各プライマー、rTthポリメラーゼ5単位、3.25mM Mn(OAc) および標的RNA(実施例3を参照のこと)5μlを含有する反応混合物20
0μlでこの方法を実施する。RNAおよびrTthポリメラーゼ酵素がMn(
OAc)の存在下不安定なので、Mn(OAc)は標的を添加する直前に加
えるべきである。cDNA合成および熱循環に最適な条件は当業者に容易に決定
できる。反応物をパーキン−エルマー・サーマル・サイクラー480中でインキ
ュベートする。有用であることが解っている条件には、60℃ないし70℃、1
5ないし45分間のcDNA合成および94℃、1分間;55℃ないし70℃、
1分間;72℃、2分間の30ないし45増幅サイクルなどがある。またTaq
ポリメラーゼおよび逆転写酵素例えばMMLV(モロニー・ネズミ白血病ウイル
ス)またはAMV(鳥類の骨髄芽球症ウイルス)RT(逆転写)酵素を用いる二
重酵素法を用いて1工程RT−PCRを実施することもできる。
【0233】 B.従来のRT−PCR 別法として、K.Q.Huら、Virology,181:721−726(
1991)に記載されるように従来の2工程RT−PCR反応を実施した。簡単
には、1X PCRIIバッファー(パーキン−エルマー)、5mM MgCl 、1mM dNTP、RNアシン 20単位、2.5μM ランダムヘキサマ
ー、およびMMLV 50単位(モロニー・ネズミ白血病ウイルス)逆転写酵素
(RT)を含有する反応混合物20μl中抽出したmRNA(実施例3を参照の
こと)0.5μgを逆転写した。MJリサーチ・サイクラー・モデルPTC−2
00で42℃、60分間逆転写を実施し、続いて95℃で5分間インキュベート
してRTを不活性化した。cDNA反応物2μlを用いて、10mM トリスH
Cl(pH8.3)、50mM KCl、2mM MgCl、200μM d
NTP、0.5μM 各センスおよびアンチセンスプライマー、各々配列番号1
3および配列番号14、並びにTaqポリメラーゼ 2.5単位を含有する最終
PCR反応物50μl容量中でPCRを実施した。MJリサーチモデルPTC−
200で以下のとおり反応物をインキュベートした:増幅40サイクル(94℃
、20秒間;58℃、30秒間;72℃、30秒間);最終伸長(72℃、10
分間);および4℃で浸漬。
【0234】 C.PCR断片分析 SYBR(登録商標)グリーンI蛍光インターカレーター(モレキュラー・プ
ローブズ、ユージーン、オレゴン州)を含むゲル電気泳動を用いてサイズ決定す
ることにより正確な生成物を確認し、ストーム・イメージングシステムを用いて
画像化した(図4)。図4は正常な乳房組織(レーン1ないし5)および乳癌組
織(レーン6ないし10)の両方でBU101特異的PCR生成物の指標である
こと201を塩基でのDNAバンドを示している。これはいずれの結腸組織(レ
ーン12ないし16)でも存在しない。5個の肺組織(レーン17ないし21)
のうち1個(レーン20)でBU101を示唆するバンドが観察された。
【0235】 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6
およびその断片または相補体からなる群から選択される配列を含んでなる生成物
の検出はBU101 mRNAの存在を示すものであり、乳房組織疾患または症
状、例えば乳癌の診断を示唆するものである。
【0236】 実施例9:OH−PCR A.プローブ選別および標識 オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションPCRにより前記した標的配列を
検出するために、標的特異的プライマー(配列番号15および配列番号16)お
よびプローブ(配列番号17)を設計した。国際公開番号WO92/10505
、1992年6月25日公開、およびWO92/11388、1992年7月9
日公開では各々5‘および3’末端でオリゴヌクレオチドを標識する方法を教示
している。標識ホスホラミダイト試薬を調製し、これを用いてオリゴヌクレオチ
ドの合成中にそこに標識を加える。[N.T.Thuongら、Tet.Let
ters,29(46):5905−5908(1988);J.S.Cohe
nら、公開米国特許出願07/246688(NTIS受付番号PAT−APP
L−7−246688)(1989)を参照のこと]。プローブを3‘末端で標
識し、PCR中の沈殿および望ましくない伸長生成物の形成を防御した。1工程
OH−PCRではプローブは少なくとも15℃でプライマーのTM以下のTMを
有した。当業者に周知の標準的なホスホラミダイト化学および/または合成後標
識法を用いて検出標識を有するまたは有さない特異的結合メンバーとしてプライ
マーおよびプローブを利用した。
【0237】 B.1工程オリゴハイブリダイゼーションPCR 50mM KCl、10mM トリスHCl(pH8.3)、5mM MgC
、1mM dGTP、1mM dATP、1mM dCTP、1mM dT
TP、RNアーゼ阻害因子 0.5単位、2.5μM オリゴd(T)16のバ
ッファー中MuLV逆転写酵素2.5単位を用いて42℃で30分間、続いて9
9℃で5分間、および4℃で5分間全RNA(実施例3を参照のこと)からcD
NAを調製した。次いで50mM N,N,−ビス[2−ヒロキシエチル]グリ
シン(pH8.15)、81.7mM KOAc、33.33mM KOH、0
.01mg/mlウシ血清アルブミン、0.1mM エチレンジアミンテトラ酢
酸、0.02mg/ml NaN、8重量/容量% グリセロール、150μ
M 各dNTP、0.25μM 順行プライマー(配列番号15)、0.5μM
逆行プライマー(配列番号16)、10.0nM プローブ(配列番号17)
、rTthポリメラーゼ 5単位および1.63mM Mn(Cl)、190
μlを含有するOH−PCR反応物に調製したcDNAを加えた。rTthポリ
メラーゼ酵素はMn(Cl)の存在下不安定であるので、Mn(Cl)は標
的を添加する直前に加えた。別法としてcDNAの代わりに標的として全RNA
(実施例3)を用いることができる。パーキン−エルマー・サーマル・サイクラ
ー480中反応物をインキュベートした。cDNA合成および熱循環に最適な条
件は当業者に容易に決定できる。有用であると解っている条件にはRNAで出発
した場合の、cDNA合成(60℃、30分間)、および45増幅サイクル(9
4℃、40秒間;62℃、100秒間)などがある。オリゴハイブリダイゼーシ
ョンの前にSYBR(登録商標)グリーンで染色した2% アガロースゲル上で
PCR生成物を可視化した(図5)。増幅(97℃、5分間;12℃、5分間;
12℃浸漬)の後、オリゴハイブリダイゼーションを実施した。正確な反応生成
物は少なくとも一つのPCR生成物の鎖および内的にハイブリダイズされたプロ
ーブを含有した。
【0238】 図5はBU101 RNA特異的PCR増幅生成物のSYBR(登録商標)グ
リーン染色アガロースゲルの走査である。この図はMDA361細胞系統RNA
(レーン1)を有する268塩基対BU101特異的アンプリコンを示している
。MDA361細胞系統(#HTB27)は転移性ヒト乳房腺癌に由来する(A
.T.C.C.、ロックビル、メリーランド州)。胎盤のDNA(レーン2)を
RNA対照として用い、一方水(レーン3)を試薬対照として用いた。ヒト胎盤
DNA対照は268塩基対のアンプリコンを示さず、これはレーン1で観察され
た268塩基対がDNAではなくmRNAの増幅の結果であることを示唆してい
る。試薬対照はアンプリコンを全く生じず、OH−PCR試薬自体が増幅された
のではないことを示した。
【0239】 C.OH−PCR生成物分析 LCx(登録商標)アナライザーシステム(アボット・ラボラトリーズ、アボ
ットパーク、イリノイ州から入手可能)で増幅反応生成物を検出した。簡単には
、ハイブリダイゼーションプローブの捕捉可能な部位で抗体標識微粒子により特
異的反応生成物を捕捉し、PCR生成物に結合する検出可能な抗体の結合により
複合体を検出した。内部プローブとハイブリダイズするPCR鎖を含有する複合
体のみを検出できた。図6はBU101アンプリコンがMDA361細胞系統の
RNAの200フェムトグラムで容易に検出されたことを示している。正常なP
BLのRNA抽出物を陰性対照として用い、100ナノグラムでさえ検出されな
かった。
【0240】 LCx(登録商標)システムを用いてBU101活性に関して種々組織からの
RNA10ピコグラムを検定した。図7はBU101マーカーの組織全体の分布
を示している。11全ての正常な乳房および乳癌組織RNA(カラム1ないし1
1)はBU101 LCx(登録商標)アッセイにおいて反応性であり、一方正
常な結腸および結腸癌組織並びに肺組織RNA(カラム12ないし15)は非反
応性であった。この複合体の検出はBU101 mRNAの存在を示しており、
これは乳房疾患または症状例えば乳癌の診断を示唆している。多くのその他の検
出様式が存在し、当業者はこれを用いて、および/または修飾して増幅されたま
たは増幅されていないBU101誘導核酸配列の存在を検出でき、例えばリガー
ゼ連鎖反応(LCR、アボット・ラボラトリーズ、アボットパーク、イリノイ州
);Q−ベータレプリカーゼ(ジーン−トラック(商標)、ナッパービル、イリ
ノイ州)、分岐鎖反応(キロン、エメリービル、カリフォルニア州)および鎖置
換アッセイ(ベックトン・ディッキンソン、リサーチ・トライアングル・パーク
、ノースキャロライナ州)などがあるが、これらに限定するものではない。
【0241】 実施例10:合成ペプチド生成 合成ペプチドをモデル化し、BU101ポリペプチドコンセンサス配列の予想
されるアミノ酸配列に基づいて製造した(実施例1を参照のこと)。とりわけ、
配列番号20から誘導される多くのBU101ペプチドが製造され、配列番号2
1ないし29のペプチドなどがある。全てのペプチドをシンフォニー・ペプチド
・シンセサイザー(レイニン・インストラメント・カンパニー、エメリービル、
カリフォルニア州)、またはFMOC化学、標準サイクルおよびイン・シトゥー
HBTU活性化を用いる類似の装置で合成した。切断および脱保護条件は以下の
とおりである:切断試薬(77.5容量/容量% トリフルオロ酢酸、15容量
/容量% エタンジチオール、2.5容量/容量% 水、5容量/容量% チオ
アニソール、1ないし2重量/容量% フェノール)2.5ml容量を樹脂に加
え、室温で2ないし4時間攪拌した。次いで濾液を除去し、冷ジエチルエーテル
で切断試薬からペプチドを沈殿させた。各ペプチドを濾過し、水/アセトニトリ
ル/0.1% TFAグラジエントを用いて逆相調製用HPLCにより精製し、
凍結乾燥した。質量分析法により生成物を確認した。
【0242】 精製したペプチドを用いて動物を免疫した(実施例14を参照のこと)。
【0243】 実施例11a.プラスミド577を用いる細胞系統におけるタンパク質発現 A.BU101発現プラスミドの構築 永久細胞系統で分泌される抗原を発現するために米国特許出願第08/478
073号(1995年6月7日提出)(参照により本明細書に組み込まれる)に
記載のプラスミド577を構築した。このプラスミドは以下のDNAセグメント
を含有する:(a)細菌性β−ラクタマーゼおよびDNA複製起点を含有するp
BR322の2.3キロ塩基対断片;(b)HSV−1チミジンキナーゼプロモ
ーターおよびポリA付加シグナルの調節下にあるネオマイシン抵抗性遺伝子の発
現を指向する1.8キロ塩基対のカセット;(c)シミアンウイルス40(SV
40)プロモーターおよびポリA付加シグナルの調節下にあるジヒドロ葉酸レダ
クターゼ遺伝子の発現を指示する1.9キロ塩基対のカセット;(d)シミアン
ウイルス40T−Agプロモーターおよび転写エンハンサー、ポリA付加シグナ
ルを提供する単純疱疹ウイルス1型(HSV−1)ゲノムに続くB型肝炎ウイル
ス表面抗原(HBsAg)エンハンサーIの調節下にある修飾C型肝炎ウイルス
(HCV)E2タンパク質に融合したウサギ免疫グロブリン重鎖シグナル配列の
発現を指向する3.5キロ塩基対のカセット;および(e)このプラスミドでは
機能を持たないSV40ゲノム後期領域の残りの0.7キロ塩基対の断片。ベク
ターの全てのセグメントは分生物学の当業者に周知の標準的な方法により組み立
てられた。
【0244】 以下のようにプラスミド577のC型肝炎ウイルスE2タンパク質コーディン
グ配列を、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配
列番号6およびその断片または相補体からなる群から選択されるBU101ポリ
ヌクレオチド配列と置換して分泌可能なBU101タンパク質を発現するための
プラスミドを構築する。プラスミド577をXbaIで消化することによりC型
肝炎ウイルスE2遺伝子断片を放出する。得られたプラスミドバックボーンによ
り、発現したタンパク質を細胞の分泌経路に導くウサギ免疫グロブリン重鎖シグ
ナル配列の下流でBU101 cDNAインサートを挿入できるようになる。標
準的な方法を用いてPCRによりBU101 cDNA断片を生成する。センス
PCRプライマー配列でコードされるのはXbaI部位であり、アミノ酸配列S
er−Asn−Glu−Leu(「SNEL」)をコードする12個のヌクレオ
チド配列にすぐ続き、シグナルプロテアーゼプロセシング、効率的な分泌および
培養液中の最終生成物の安定性を促進する。この12個のヌクレオチド配列にす
ぐ続いて、プライマーはBU101遺伝子のアミノ酸をコードする鋳型配列に相
補的なヌクレオチドを含有する。アンチセンスプライマーは以下の8個のアミノ
酸をコードする配列を停止コドンの直前に組み込んでいる:Asp−Tyr−L
ys−Asp−Asp−Asp−Asp−Lys(配列番号30)。この配列内
でBu101タンパク質生成物の分析および生成を助ける認識部位が組み込まれ
ている。すなわち抗フラッグM2(イーストマン・コダック・カンパニー、ニュ
ーヘブン、コネチカット州)と称する市販により入手可能なモノクローナル抗体
により認識される認識部位(「フラッグ」と称する)をその他の匹敵する配列お
よび対応する抗体と同様に利用できる。例えばパーキン−エルマー−セツスから
入手したジーンアンプ(登録商標)を供給者の指示書に指示されるように使用し
てPCRを実施する。PCRプライマーは最終濃度0.5μMで使用する。10
0μl反応物中BU101プラスミド鋳型で35サイクル(94℃、30秒間;
55℃、30秒間;72℃、90秒間)、続いて72℃で10分間伸長サイクル
でPCRを実施する。
【0245】 B.ジヒドロ葉酸レダクターゼ欠損チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞のトラ
ンスフェクション 前記したプラスミドをCHO/dhfr−細胞[DXB−111、Uriac
ioら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4451−4
466(1980)]にトランスフェクトさせる。これらの細胞はA.T.C.
C.、10801ユニバーシティー・ブールバード、マナサス、バージニア州か
ら受け入れ番号CRL9096で入手可能である。P.L.Felgnerら、
Proc.Natl.Acd.Sci.USA,84:7413−7414(1
987)に記載されるカチオン性リポソーム媒介法を用いてトランスフェクショ
ンを実施する。とりわけ10% ウシ胎児血清、L−グルタミン(1mM)を補
充したハムF−12培地でCHO/dhfr−細胞を培養し、フラスコあたり5
ないし8x10セルの密度でフラスコに新たに播種する。細胞をトランスフェ
クションに関して全面成長の60から80%まで成長させる。プラスミドDNA
20μgをオプティ−MEM I培地1.5mlに加え、リポフェクチン試薬(
ギブコ・ビー・アール・エル;グランドアイランド、ニューヨーク州)100μ
lをオプティ−MEM I培地の第2の1.5ml部分に加える。二つの溶液を
混合し、室温で20分間インキュベートする。細胞から培養培地を除去した後、
オプティ−MEMI培地5mlで3回細胞をすすぐ。次いでオプティ−MEMI
−リポフェクチン−プラスミドDNA溶液を細胞上に積層する。細胞を37℃で
3時間インキュベートし、その後、選別前にさらに24時間オプティ−MEMI
−リポフェクチン−DNA溶液を培養培地と置換する。
【0246】 C.選別および増幅 トランスフェクションの1日後、細胞を1:3で継代培養し、dhfr/G4
18選別培地(以後「F−12マイナス培地G」)と共にインキュベートする。
選別培地はL−グルタミンを含有、ヒポキサンチン、チミジンおよびグリシン不
含ハムF−12(ジェイ・アール・エッチ・バイオサイエンシズ、レネクサ、カ
ンサス州)、および300μg/ml G418(ギブコ−ビー・アール・エル
;グランドアイランド、ニューヨーク州)である。表面面積に対する培地容量の
比率は25cmあたり5mlを維持する。およそ2週間後、DHFR/G14
18細胞を広げて継代培養させ、F−12マイナス培地Gでさらに維持し続ける
【0247】 トランスフェクトされたBU101 cDNA配列の各々を、メトトレキセー
トを用いてDHFR、G418細胞を段階的に選別することにより増幅する
(R,Schimke、Cell,37:705−713(1984)に概説さ
れている)。150nM メトトレキセート(MTX)(シグマ、セントルイス
、ミズーリー州)含有F−12マイナス培地Gと共に細胞をおよそ2週間、抵抗
性コロニーが出現するまでインキュベートする。150nM 適合細胞を5μM MTXにより選別することによりさらに遺伝子を増幅する。
【0248】 D.抗原生成 5μM MYXを補充したF−12マイナス培地Gを5% CO中37℃で
12ないし24時間、ちょうど全面成長した単層の上に積層する。成長培地を除
去し、ダルベッコ・リン酸バッファーセイライン(PBS)(カルシウムおよび
マグネシウム含有)(ギブコ−ビー・アール・エル;グランドアイランド、ニュ
ーヨーク州)で3回すすぎ、存在し得る残留培地/血清を除去する。次いで細胞
をVASカスタム培地(L−グルタミン含有、HEPES含有、フェノールレッ
ド不含のVASカスタム処方、ジェイ・アール・エッチ・バイオサイエンス;レ
ネクサ、カンサス州より入手可能、製品番号52−08678P)と共に5%
CO2中、37℃で1時間インキュベートする。次いでTフラスコあたり5ml
の生成物に関して細胞をVASで積層する。インキュベーションの7日後、培地
を取り出し、保持し、次いで回収物2、3および4と共に精製するまで凍結する
。単層をVASで、7日回収より3多く積層する。
【0249】 E.乳房組織遺伝子BU101抗原発現の分析 当該分野で周知の標準的な方法および試薬を用いるSDSポリアクリルアミド
ゲル電気泳動(SDS−PAGE)(ラエムリ非連続性ゲル)によるか、または
質量分析法により、BU101タンパク質構築物を発現する細胞のVAS上澄の
アリコートを分析する。
【0250】 F.精製 ハイブリダイズされた結合によりアガロースに共有結合している抗フラッグM
2モノクローナル抗体を含んでなるアフィニティーマトリックスを用いて、イム
ノアフィニティークロマトグラフィーによりフラッグ配列を含有するBU101
タンパク質の精製を実施する(イーストマン・コダック・カンパニー、ニューヘ
ブン、コネティカット州)。アフィニティ精製の前に、ローラーボトルから回収
した、プールしたVAS培地中タンパク質をセファデックスG−25(ファルマ
シア・バイオテック・インコーポレーティッド、ウプサラ、スウェーデン)カラ
ムを用いて50mM トリスHCl(pH7.5)、150mM NaClバッ
ファーに交換する。このバッファー中のタンパク質を抗フラッグM2抗体アフィ
ニティーカラムに適用する。50mM トリスHCl(pH7.5)、150m
M NaClバッファーを用いてカラム洗浄することにより非結合性タンパク質
を溶出する。50mM トリスHCl(pH7.5)、150mM NaCl中
過剰のフラッグペプチドを用いて結合性タンパク質を溶出する。ゲル電気泳動ま
たはHPLCにより精製されたBU101タンパク質から過剰のフラッグペプチ
ドを除去できる。
【0251】 プラスミド577をこの実施例で利用するが、その他の適合する発現系例えば
CMVを試薬および/または技術を適当に修飾して本発明において利用できるこ
とは当業者に周知であり、通常の技術範囲内である。
【0252】 BU101遺伝子のコーディング領域を含有する最大のクローン化インサート
を次いで(i)例えばサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターおよび/ま
たはタンパク質発現および検出を補助する可融性タンパク質配列を含有できる真
核生物発現ベクター、または(ii)スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)
およびCMP−KDOシンセターゼ(CKS)またはその他のタンパク質配列の
発現のためのタンパク質融合遺伝子を含有する細菌性発現ベクターのいずれかに
サブクローニングする。SODの融合配列を含有するポリペプチドの生成に有用
な方法およびベクターはEPO 0196056(1986年10月1日公開)
に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれ、CKSの融合配列
を含有するものはEPO公開番号0331961(1989年9月13日公開)
に記載されており、これもまた参照により本明細書に組み込まれる。このように
精製したタンパク質を動物免疫研究、固相イムノアッセイ等(これらに限定する
ものではない)の種々の技術に用いることができる。
【0253】 実施例11b:pcDNA3.1/Myc−Hisを用いる細胞系統における
タンパク質発現 A.BU101発現プラスミドの構築 従来はたいていの哺乳動物の細胞系統により分泌抗原を発現するために、プラ
スミドpcDNA3.1/Myc−His(Cat.#V855−20、インビ
トローゲン、カールスバッド、カリフォルニア州)を構築していた。発現された
タンパク質インサートをmyc−hisペプチドタグに融合する。myc−hi
sタグ(配列番号31)は抗mycもしくは抗hisアフィニティーカラム、ま
たはメタロプロテイン結合カラムのいずれかを用いて発現した融合タンパク質を
精製するのに有用なc−mycオンコプロテインエピトープおよびポリヒスチジ
ン配列を含んでなる。
【0254】 クローン603148H1(配列番号2)からpcDNA3.1/Myc−H
isベクターへのBU101ポリヌクレオチド配列を挿入して分泌可能なBU1
01タンパク質を発現するためのプラスミドを構築した。(このプラスミドをp
c−603148M/Hと称する)。pc−603148M/Hの構築の前に、
以下のようにBU101 cDNA配列を最初にpCR(登録商標)−ブラント
・ベクターにクローニングした:標準的な方法を用いるPCRによりBU101
cDNA断片を作った。PCRプライマーは最終濃度0.5μMで用いた。p
fuポリメラーゼ 5単位(ストラッタジーン、ラジョーラ、カリフォルニア州
)を用いるPCRを、50μl反応物中BU101プラスミド鋳型(実施例2を
参照のこと)に関して30サイクル(94℃、1分間;65℃、1.5分間;7
2℃、3分間)、続いて72℃で8分間の伸長サイクルで実施した。センスPC
Rプライマー配列、配列番号18はBU101遺伝子インサートのすぐ上流でp
SPORTベクターに同一であるヌクレオチドを含んでなる。アンチセンスプラ
イマー、配列番号19はたいてい3’のインフレーム停止コドンのちょうど上流
で5’NotI制限配列およびBU101 cDNAインサートの3’末端に相
補的な配列を組み込んでいた。得られたブラント末端PCR生成物5μlを直線
化pCR(登録商標)ブラントベクター(インビトローゲン、カールスバード、
カリフォルニア州)25ngにライゲートし、ベクターの致死ccdB遺伝子を
妨害した。ワンショット(商標)形質転換キット(インビトローゲン、カールス
バード、カリフォルニア州)を用いて、製造者の指示書に従い、得られたライゲ
ートされたベクターをTOP10大腸菌(E.coli)(インビトローゲン、
カールスバッド、カリフォルニア州)に形質転換した。形質転換した細胞をLB
−Kan(50μg/ml カナマイシン)選別プレート上37℃で成長させた
。形質転換後妨害されたccdB遺伝子を有するプラスミドを含有する細胞のみ
を成長させる(Grant,S.G.N.、Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,87:4645−4649(1990))。形質転換されたコロ
ニーを採り、LB−Kanブロス3ml中37℃で成長させる。QIAプレップ
(登録商標)(キアゲン・インコーポレーティッド、サンタクラリタ、カリフォ
ルニア州)法を用いて、製造者の指示に従い、プラスミドDNAを単離した。E
coRIおよびNotI制限酵素でDNAを消化し、BU101インサート断片
を遊離した。断片を1% シーケム(登録商標)LEアガロース/0.5μg/
ml 臭化エチジウム/TEゲルの電気泳動に供し、UV照射により可視化し、
切り取り、QIAクイック(商標)(キアゲン・インコーポレーティッド、サン
タクラリタ、カリフォルニア州)法を用いて製造者に指示されるように精製した
【0255】 pcDNA3.1/Myc−HisプラスミドDNAをプラスミドDNAのポ
リリンカー領域においてEcoRIおよびNotIで消化することにより直線化
した。哺乳動物細胞のタンパク質の発現を指示するCMVプロモーターの下流で
、前記のBU101精製cDNA断片を得られたプラスミドDNAバックボーン
にライゲートした。ライゲートされたプラスミドを製造者に指示されるように、
DH5アルファ(商標)細胞(ギブコ・ビー・アール・エル、グランドアイラン
ド、ニューヨーク州)に形質転換した。簡単には、BU101インサートを含有
するpcDNA3.1/Myc−His 10ngをコンピテントDH5アルフ
ァ細胞50μlに加え、内容物を穏やかに混合した。混合物を氷上で30分間イ
ンキュベートし、37℃で20秒間熱ショックを与え、さらに2分間氷上に置い
た。LB培地0.95mlを添加したときに、混合物を225rpmで振盪しな
がら37℃で1時間インキュベートした。次いで形質転換した細胞を100mm
LB/Amp(50μg/ml アンピシリン)プレートに載せ、37℃で成長
させた。コロニーを取り、LB/Ampブロス3ml中で成長させた。QIAプ
レップキットを用いてプラスミドDNAを精製した。当該分野で周知の技術、例
えば制限消化およびゲル分析など(これらに限定するものではない)を用いてイ
ンサートの存在を確認する。(J.Sambrookら、前記で引用)。
【0256】 B.ヒト胎児腎細胞293細胞のトランスフェクション 前記のセクションAで記載したBU101発現プラスミドをDH5アルファ細
胞に形質転換し、LB/アンピシリン寒天に載せ、前記するようにLB/アンピ
シリンブロス10ml中で成長させた。QIAフィルター(商標)マキシキット
(キアゲン、チャッツウォース、カリフォルニア州)を用いてプラスミドを精製
し、HEK293細胞にトランスフェクトした(F.L.Grahamら、J.
Gen.Vir.36:59−72(1977))。これらの細胞はA.T.C
.C.、10801 ユニバーシティー・ブールバード、マナサス、バージニア
州から、受け入れ番号CRL1573で入手できる。P.Hawley−Nel
sonら、Focus,15:73(1993)に記載されているカチオン性リ
ポフェクタミン媒介法を用いてトランスフェクションを実施した。10% ウシ
胎児血清(FBS)、L−グルタミン(2mM)を補充したDMEM培地10m
l中HEK293細胞を培養し、プレートあたり9x10セルの密度で100
mm培養プレートに新たに播種した。37℃でトランスフェクションに関して全
面成長の70%から80%まで細胞を成長させた。プラスミドDNA8μgをオ
プティMEMI(登録商標)培地(ギブコ−ビー・アール・エル、グランドアイ
ランド、ニューヨーク州)800μlに加え、リポフェクトアミン(商標)試薬
(ギブコ−ビー・アール・エル、グランドアイランド、ニューヨーク州)48な
いし96μlをDMEM血清不含培地の第2の800μl部分に加えた。二つの
溶液を混合し、室温で15ないし30分間インキュベートした。細胞から培養培
地を除去した後、細胞を血清不含DMEM10mlで1回洗浄した。オプティM
EMI−リポフェクトアミン−プラスミドDNA溶液を血清不含DMEM6.4
mlで希釈し、次いで細胞の上に積層した。細胞を37℃で5時間インキュベー
トし、その後さらに20% FBSを含むDMEM8mlを加えた。18ないし
24時間後、古い培地を吸引し、5%FBSを含む新鮮DMEM5mlで細胞を
積層した。トランスフェクションの72時間後、BU101遺伝子活性に関して
上澄および細胞抽出物を分析した。
【0257】 C.乳房組織遺伝子BU101抗原発現の分析 前記の培養上澄をサイトチューブに移し、氷上で保存した。冷ダルベッコPB
S10mlで2回洗浄してHEK293細胞を回収し、CAT溶解バッファー(
ベーリンガー・マンハイム、インディアナポリス、インディアナ州)1.5ml
を添加して溶解し、続いて室温で30分間インキュベートした。ライゼートを1
.7mlポリプロピレンマイクロヒュッジチューブに移し、1000xgで10
分間遠心する。上澄を新しいサイトチューブに移し、氷上で保存する。BU10
1タンパク質構築物を発現する細胞の上澄および細胞のライゼートのアリコート
をBU101組換えタンパク質の存在に関して分析する。当該分野で周知の標準
的な方法および試薬を用いてアリコートをSDSポリアクリルアミドゲル電気泳
動(SDS−PAGE)に流すことができる。(J.Sambrookら、前記
で引用)。次いでこれらのゲルを固体培地例えばニトロセルロース、ニトラン等
にブロットし、BU101タンパク質のバンドを抗mycエピトープまたは抗ヒ
スチジンモノクローナル抗体(インビトローゲン、カールスバッド、カリフォル
ニア州)または抗BU101ポリクローナル血清を用いるウェスタンブロッティ
ング技術を用いて可視化できる(実施例14を参照のこと)。別法として、発現
されたBU101組換えタンパク質を質量分析法により分析できる(実施例12
を参照のこと)。
【0258】 D.精製 myc−his配列を含有するBU101組換えタンパク質を、ポリヒスチジ
ン残基に特異的に結合するニッケル荷電アガロース樹脂を含有するエクスプレス
(登録商標)アフィニティークロマトグラフィーシステム(インビトローゲン、
カールスバッド、カリフォルニア州)を用いて精製する。前記のように調製した
10x100mmプレートの上澄をプールし、ニッケル荷電カラムを通す。50
mM トリスHCl(pH7.5)/150mM NaClバッファーでカラム
を洗浄することにより非結合性タンパク質を溶出し、myc−his融合タンパ
ク質のみを残す。次いで過剰のイミダゾールもしくはヒスチジン、または低pH
バッファーのいずれかを用いて結合性BU101組換えタンパク質をカラムから
溶出する。別法として、myc−his配列でヒドラジドまたはその他の結合に
よりアガロース樹脂に結合した抗mycかまたは抗ヒスチジンモノクローナル抗
体からなるアフィニティーカラムに結合させ、各々過剰のmycペプチドまたは
ヒスチジンで溶出することにより組換えタンパク質を精製することもできる。
【0259】 次いで精製した組換えタンパク質を供給者の指示書に従って固相、例えばN−
ヒドロキシサクシンイミド活性化セファロースカラム(ファルマシア・バイオテ
ック、ピスカッタウェイ、ニュージャージー州)に共有結合的に架橋できる。次
いで共有結合したBU101組換えタンパク質を含有するこれらのカラムを用い
て、ウサギまたはマウス血清から抗BU101抗体を精製できる(実施例13お
よび14を参照のこと)。
【0260】 E.BU101発現タンパク質でのマイクロタイタープレートのコーティング 前記するように、100mmプレートからの上澄をPBSで1:3に希釈した
。次いで得られた混合物をリアクチ−バインド(商標)金属キレートマイクロタ
イタープレート(ピアース、ロックフォード、イリノイ州)の各ウェルに入れ、
室温でインキュベートし、続いて脱イオン水で4回洗浄した。次いで調製したマ
イクロタイタープレートを用いてBU101抗体の存在に関してポリクローナル
抗血清をスクリーニングした(実施例17を参照のこと)。
【0261】 未精製細胞上澄に加え、精製BU101(前記のように調製)をも用いてポリ
クローナル抗血清をスクリーニングした(実施例17を参照のこと)。簡単には
、精製BU101を50mM 炭酸塩バッファー、pH9.6で1:3に希釈し
、この溶液100μlを用いてマイクロタイタープレートをコーティングした(
実施例17)。これらの実験ではポリクローナル抗血清を試験用に1:500に
希釈した。
【0262】
【表2】
【0263】 実施例12:乳房組織タンパク質の化学的分析 A.MSを用いるトリプシンペプチド断片の分析 乳房疾患、例えば乳癌の患者の血清、乳房疾患のない患者の血清、乳房疾患、
例えば乳癌の患者の乳房組織または細胞の抽出物、乳房疾患のない患者の乳房組
織または細胞の抽出物、およびその他の疾患のないまたは疾患のある患者の器官
の組織または細胞の抽出物を標準的な方法を用いてポリアクリルアミドゲルに流
し、クーマシーブルーで染色する。未知のポリペプチドを含有している疑いのあ
るゲルの部分を切除し、インゲル還元、アセトアミド化およびトリプシン消化に
供した。P.Jenoら、Anal.Bio.224:451−455(199
5)およびJ.Rosenfeldら、Anal.Bio.203:173−1
79(1992)。ゲル切片を100mM NHHCOおよびアセトニトリ
ルで洗浄する。縮んだゲル片を消化バッファー(50mM NHHCO、5
mM CaCl2および12.5μg/mlトリプシン)中4℃で45分間膨張
させる。上澄を吸引し、トリプシン不含の消化バッファー5ないし10μlと置
換し、37℃で一晩インキュベートした。5%葉酸およびアセトニトリルで3回
変換してペプチドを抽出し、蒸発乾固する。ペプチドをポロスR2ソルベント(
ペルセプティブ・バイオシステムズ、フラミングハム、マサチューセッツ州)お
よそ0.1μlに吸収させ、5% 葉酸10μlに溶解することにより吸引ガス
クロマトグラフィーキャピラリーチューブのチップに捕捉し、それをキャピラリ
ーに通す。吸収したペプチドを水で洗浄し、60% メタノール中5% 葉酸で
溶出する。ナノエレクトロスプレイ質量分析法により分析するために、溶出液を
API III質量分析器(パーキン−エルマー・サイエックス、ソーンヒル、
オンタリオ、カナダ)のスプレイキャピラリーに直接通す。M.Wilmら、I
nt.J.Mass Spectrom.Ion Process,136:1
67−180(1994)およびM.Wilmら、Anal.Chem.,66
:1−8(1994)。第1の4極子から得られた質量スペクトルからトリプシ
ンペプチドの質量を決定する。予測したペプチドに対応する質量をさらにMS/
MSモードで分析し、ペプチドのアミノ酸配列を得る。
【0264】 B.LC/MSを用いるペプチド断片分析 過形成疾患組織で見出されるmRNA配列から予測されるポリペプチドの存在
もまた液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法(LC/MS/MS)を用
いて確認できる。D.Hessら、METHODS.A Companion
to Methods in Enzymology 6:227−238(1
994)。患者の血清標本または腫瘍抽出物をSDSで変性し、ジチオスレイト
ール(1.5mg/ml)で90℃、30分間還元し、続いてヨードアセタミド
(4mg/ml)で25℃、15分間アルキル化する。アクリルアミド電気泳動
の後、ポリペプチドをカチオン性膜にエレクトロブロッティングし、クーマシー
ブルーで染色する。染色後、膜を洗浄し、未知ポリペプチドを含有すると考えら
れる部分を切除し、細片に切断する。膜を500μlマイクロ遠心管中に置き、
タンパク質溶解消化バッファー(0.1M NaCl、10% アセトニトリル
、2mM CaClおよび5μg/ml トリプシンを含有する100mM
トリスHCl、pH8.2)(シグマ、セントルイス、ミズーリー州)10ない
し20μlに浸す。37℃で15時間の後、飽和尿素3μlおよび100μg/
mlトリプシン1μlを加え、37℃でさらに5時間インキュベートする。消化
混合物を10% トリフルオロ酢酸3μlで酸性にし、遠心して膜から上澄を分
離する。上澄をマイクロボア逆相HPLCカラムに直接注入し、0.05% ト
リフルオロ酢酸中アセトニトリルの直線グラジエントで溶出する。溶出液をエレ
クトロスプレイ質量分析器に直接供給し、分流器に通した後必要であれば物質の
容量を調整する。実施例12、セクションAに示した方法に従ってデータを分析
する。
【0265】 実施例13:遺伝子免疫プロトコル A.インビボ抗原発現 遺伝子免疫では適当な発現ベクターを接種した後、インビボ抗原を直接発現す
ることによりタンパク質精製工程を回避する。また、この方法による抗原生成で
は、タンパク質を哺乳動物組織において生成するので、正確なタンパク質のフォ
ールディングおよびグリコシル化が可能である。この方法では遺伝子配列のCM
Vプロモーターを含有するプラスミドへの挿入、プラスミドの伸長および精製、
並びにプラスミドDNAの動物筋肉組織への注射を行う。好ましい動物にはマウ
スおよびウサギなどがある。例えばH.Davisら、Human Molec
ular Genetics,2:1847−1851(1993)を参照のこ
と。1回または2回ブースター免疫の後、次いで動物を出血させ、腹水を収集す
ることができるか、またはハイブリドーマ生成のために動物の脾臓を回収できる
【0266】 B.プラスミド調製および精製 実施例11に記載される方法に従って、適切な5’制限部位を含有する適当な
PCRプライマーを用いて、BU101 cDNA含有ベクターからBU101
cDNA配列を作る。適当な制限酵素でPCR生成物を切断し、CMVプロモ
ーターを含有するベクター(例えば、インビトローゲン、サンディエゴ、カリフ
ォルニア州のpRc/CMVまたはpcDNA3ベクター)に挿入する。次いで
このプラスミドを適当な細菌性株で伸長し、CsClグラジエントまたはキアゲ
ンプラスミドDNA精製カラムを用いて細胞ライゼートから精製する。これらの
技術は全て分子生物学の分野の通常の技術者に周知である。
【0267】 C.免疫プロトコル 麻酔した動物をPBSで希釈した精製プラスミドまたはその他のDNA取り込
みエンハンサー(カルディオトキシン、25% スクロース)0.1ないし10
0μgで免疫する。例えばH.Davisら、Human Gene Ther
apy,4:733−740(1993);およびP.W.Wolffら、Bi
otechniques,11:474−485(1991)を参照のこと。ブ
ースター注射を月間隔で1ないし2回行う。
【0268】 D.抗血清の試験および使用 動物を出血させ、既知遺伝子配列(実施例16を参照のこと)から合成したペ
プチドを用いて当該分野で周知の技術例えばウェスタンブロッティングまたはE
IA技術により、抗体に関して得られた血清を試験する。次いでこの方法により
生成した抗血清を用いて、実施例15ないし18に記載の技術のごときELIS
Aまたはウェスタンブロッティング技術により患者組織もしくは細胞抽出物中ま
たは患者血清中の抗原の存在を検出できる。
【0269】 実施例14:BU101に対する抗体の生成 A.ポリクローナル抗血清の生成 BU101コンセンサスヌクレオチド配列(配列番号6)の予測アミノ酸配列
から誘導されたペプチドでウサギに注射することによりBU101に対する抗血
清を調製した。ペプチド配列番号21ないし29の合成については実施例10に
記載されている。免疫原として用いたペプチドは本明細書において後記するよう
に調製した担体タンパク質例えばキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)
に結合していたか、または結合していなかった(すなわちKLHのごとき担体に
結合していない)。
【0270】 1.ペプチド結合 ペプチドをマレイミド活性化キーホールリンペットヘモシアニン(KLH、イ
ムジェクト(登録商標)として市販により入手可能、ピヤース・ケミカル・カン
パニー、ロックフォード、イリノイ州から入手可能)に結合させた。イムジェク
ト(登録商標)はヘモシアニンのモルあたり約250モルの反応性マレイミド基
を含有する。活性化KLHを約7.7mg/mlの濃度でリン酸塩緩衝セイライ
ン(PBS、pH8.4)に溶解した。ペプチドはペプチド配列に生じたシステ
インを介してか、または点結合を提供するために合成されたペプチドに予め加え
られたシステインに結合した。ペプチドをジメチルスルホキシド(DMSO、シ
グマ・ケミカル・カンパニー、セントルイス、ミズーリー州)に溶解し、KLH
に結合した反応性マレイミドのモルあたりペプチド約1.5モルのモル比で活性
化KLHと反応させた。ペプチド配列番号21ないし27および配列番号29の
結合方法は本明細書において後記する。かかる方法の量、時間および条件を変化
させてペプチド結合を最適化できることは当業者に周知である。
【0271】 本明細書において後記する結合反応は、約0.77マイクロモルの反応性マレ
イミド基を含有するKLHペプチド結合体(「結合ペプチド」)3mgを得るこ
とに基づいている。このペプチド結合体の品質は通常、ウサギにおいてポリクロ
ーナル抗血清を生成するための1回の初回注射および4回のブースター注射に十
分であった。簡単にはペプチド(配列番号21ないし27および配列番号29)
をDMSO100μlあたり1.16マイクロモルの濃度でDMSOに溶解した
。DMSO溶液100μlを前記のように調製した活性化KLH溶液380μl
に加え、PBS(pH8.4)20μlを加えて500μlの容量にした。反応
物を攪拌しながら室温で一晩インキュベートした。反応混合物中の未反応チオー
ルの量を測定することにより反応の程度を決定した。チオールの出発濃度と最終
濃度の差を活性化KLHに結合したペプチド濃度と仮定した。エルマン試薬(5
,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、ピヤース・ケミカル・カンパニー
、ロックフォード、イリノイ州)を用いて残存するチオールの量を測定する。シ
ステインHCl(ピヤース・ケミカル・カンパニー、ロックフォード、イリノイ
州)35mgをPBS(pH7.2)10mlに溶解し、保存溶液を望ましい濃
度に希釈することにより、0、0.1、0.5、2、5および20mMの濃度の
システイン標準を作った。イムロン2(登録商標)マイクロウェルプレート(ダ
イネックス・テクノロジーズ、チャンティリー、バージニア州)の各ウェルにP
BS(pH8.4)200μlを入れることにより、光度測定法でチオール濃度
を決定した。次に標準または反応混合物10μlを各ウェルに加えた。最後にP
BS(pH8.4)中1mg/mlの濃度のエルマン試薬20μlを各ウェルに
加えた。ウェルを室温で10分間インキュベートし、マイクロプレート・リーダ
ー(例えばバイオラッド・モデル3550、バイオラッド、リッチモンド、カリ
フォルニア州)を用いて赤色415nmで全ウェルの吸光度を測定した。標準の
吸光度を用いて標準曲線を構築し、標準曲線から反応混合物のチオール濃度を決
定した。遊離チオールの濃度の減少により連続的な結合反応が示された。室温で
6時間PBS(pH7.2)に対して透析することにより未反応ペプチドを除去
した。すぐに使用する場合は結合体を2ないし8℃で保存し、そうでない場合は
−20℃以下で保存した。
【0272】 2.動物免疫 体重2kgまたはそれ以上の雌白色ニュージーランドウサギを用いてポリクロ
ーナル抗血清を上昇させた。1匹の動物を結合(配列番号21ないし27および
配列番号29)ペプチドまたは結合していない(配列番号26ないし29)ペプ
チドにより免疫した。第1回の免疫の1週間前に動物から血液5ないし10ml
を採り、非免疫出血前サンプルとして供した。
【0273】 結合ペプチド(配列番号21ないし27および配列番号29)および非結合ペ
プチド(配列番号26ないし29)を用いて、完全フロイントアジュバント(C
FA)(ディフコ、デトロイト、ミシガン州)0.5mlを含有するPBS(p
H7.2)中2mg/mlの濃度でペプチド0.5mlを乳化することにより1
次免疫原を調製した。皮下、腹腔内および筋肉内の投与経路により動物のいくつ
かの部位に免疫原を注射した。1次免疫の4週間後、ブースター免疫を行った。
ブースター免疫用量に用いる免疫原を、今度はペプチドを不完全フロイントアジ
ュバント(IFA)(ディフコ、デトロイト、ミシガン州)0.5mlで1mg
/mlに希釈した以外は1次免疫原に用いたのと同一の結合または結合していな
いペプチド0.5mlを乳化することにより調製した。再度、ブースター用量を
皮下、腹腔内および筋肉内型の注射によりいくつかの部位に投与した。ブースタ
ー免疫の2週間後、動物を出血させ(5ml)、各血清を以下に記載するように
ペプチドに対する免疫反応性に関して試験した。ブースターおよび出血スケジュ
ールを4週間隔で十分な力価が得られるまで繰り返した。以下の実施例17に記
載するように、マイクロタイターEIAにおいて非結合ペプチドを用いることに
より抗血清の力価または濃度を決定した。1:500またはそれ以上の抗体力価
はさらに使用および研究するのに十分な力価であると考えられた。加えて、いく
つかのペプチド抗血清に関して見かけの親和性[Kd(app)](以下の実施
例17に記載)をも決定した(表3)。
【0274】
【表3】
【0275】 B.モノクローナル抗体の生成 1.免疫プロトコル マウス(6ないし8週齢の雌Balb/c)を担体例えばKLHに結合してい
る(前記のように調製)かまたは結合していない(すなわちKLHのごとき担体
に結合していない)のいずれかのペプチドを用いて免疫したが、マウスにおいて
モノクローナル抗体生成するための非結合、または結合ペプチドの量はウサギに
おいてポリクローナル抗血清を生成するために用いた量のおよそ10分の1であ
った。このように、1次免疫原はCFA乳剤0.1ml中非結合または結合ペプ
チド100μgからなり、一方ブースター免疫で用いる免疫原はIFA0.1m
l中非結合または結合ペプチド25μgからなる。標準的な技術を用いてモノク
ローナル抗体を作るためのハイブリドーマを調製およびスクリーニングした。モ
ノクローナル抗体を発達させるために用いられる方法はKohlerおよびMi
lstein、Nature,256:494(1975)に詳記される方法の
ごとき当該分野で周知の方法に従い、J.G.R.Hurrel編、Monoc
lonal Hybridoma Antibodies:Technique
s and Applications、シー・アール・シー・プレス・インコ
ーポレーティッド、ボッカラートン、フロリダ州(1982)に概説されている
。KohlerおよびMilstein法に基づくモノクローナル抗体を発達さ
せるための別の方法はL.T.Mimmsら、Virology,176:60
4−619(1990)の方法であり、これは参照により本明細書に組み込まれ
る。
【0276】 免疫レジュメ(マウスによる)は1次免疫にさらにブースター免疫を加えたも
のからなる。1次免疫に用いられる1次免疫原は予めCFA50μlで乳化した
PBS(pH7.2)50μl中非結合または結合ペプチド100μgからなる
。ブースター免疫は1次免疫後およそ4週に実施され、IFA50μlで乳化し
たPBS(pH7.2)50μl中非結合または結合ペプチド25μgからなる
。この免疫原全100μlを各マウスに腹腔内接種した。3回めの免疫のおよそ
4週後に実施例17に記載されるようにマイクロタイタープレート酵素イムノア
ッセイ(EIA)により免疫応答に関して個々のマウスをスクリーニングした(
表4)。
【0277】
【表4】
【0278】 3回めの免疫のおよそ15週後、PBS(pH7.2)中非結合または結合ペ
プチド25μgでマウスを静脈内接種した。この静脈内ブースター投与の3日後
、ポリエチレングリコール(PEG)法を用いて脾細胞を、Sp2/0−Ag1
4ミエローマ細胞(ミルステイン・ラボラトリーズ英国)と融合した。10%
ウシ胎児血清(FCS)Sp2/0−Ag14ミエローマ細胞(ミルステイン・
ラボラトリーズ+1% ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジン(HA
T)を含有するダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM)中融合体を培養した。
実施例17のプロトコルに従ってマイクロタイタープレートEIAによりバルク
培養物をスクリーニングした。免疫原として用いたペプチドと反応するクローン
およびその他のペプチド(すなわち免疫原として用いなかったBU101ペプチ
ド)と反応しないクローンを最終的な伸長のために選別した。このように選別し
たクローンを伸長し、等分し、10% FCSおよび10% ジメチルスルフォ
キシドを含有するDMEM中凍結した。
【0279】 2.モノクローナル抗体を含有する腹水の生成 前記のように調製した凍結ハイブリドーマを解凍し、伸長培地に置いた。生存
ハイブリドーマ細胞をプリスタン処理したマウスの腹腔内に接種した。マウスか
ら腹水を除去し、プールし、0.2μフィルターを通して濾過し、免疫グロブリ
ンGクラス(IgG)分析に供し、精製に必要なプロテインAカラムの容量を決
定した。
【0280】 3.腹水からのモノクローナル抗体の精製 簡単には、濾過し、解凍した腹水をプロテインAセファロース結合バッファー
(1.5M グリシン、3.0M NaCl、pH8.9)の等容量と混合し、
0.2μフィルターを通して再度濾過した。腹水に存在するIgGの量によりプ
ロテインAカラムの容量を決定する。次いで溶出液をPBS(pH7.2)に対
して2ないし8℃で一晩透析する。透析したモノクローナル抗体を除菌し、アリ
コートに分配する。このように調製した精製された抗BU101モノクローナル
を2ないし8℃で短期保存かまたは−80℃で長期保存する。モノクローナル抗
体のさらなる特性化。前記のように生成したモノクローナル抗体のアイソタイプ
およびサブタイプを実施例17に記載のEIAマイクロタイタープレートアッセ
イを用いて決定した。簡単には、マイクロタイタープレートをペプチドでコーテ
ィングし、ハイブリドーマ細胞培養上澄と反応させる。アルカリ性ホスファター
ゼヤギ抗マウスアイソタイプ試薬(抗IgG1、抗IgG2a、抗IgG2b、
および抗IgG3)(サザン・バイオテック、バーミンガム、アラバマ州)を用
いて結合抗体を特異的に検出した。アイソタイプの決定に加えて、モノクローナ
ル抗体をペプチドマッピングしてさらに特性化した。再度、実施例17に記載さ
れるEIAマイクロタイタープレートアッセイを用いてマイクロタイタープレー
トを各々の合成ペプチド(配列番号21ないし29)でコーティングし、モノク
ローナル抗体の結合を決定した。アイソタイプ化およびペプチド特異性の結果を
表5にまとめる。
【0281】
【表5】
【0282】 モノクローナル抗体のアリコートを2ないし8℃で連続保存し、所定の期間中
の光学密度(OD)の値評価することにより、モノクローナル抗体において安定
性試験を実施することもできる。
【0283】 C.免疫原としての組換えタンパク質の使用 本明細書に記載するように作った組換えタンパク質を免疫原として用いて、当
業者に周知の試薬および技術に相応の変化を加えてポリクローナルおよびモノク
ローナル抗体を生成するのは本発明の範囲内である。
【0284】 実施例15:BU101ペプチドに特異的に結合する血清抗体の精製 実施例13および/または14で前記するように得られた免疫血清を実施例1
0に記載されるように調製された固定合成ペプチド、または実施例11に記載さ
れるように調製された組換えタンパク質を用いてアフィニティー精製する。抗血
清のIgG分画は希釈した粗製抗血清をプロテインAカラム(アフィ−ゲル・プ
ロテインA、バイオラッド、ヘルクレス、カリフォルニア州)に通すことにより
得られる。バッファー(結合バッファー、製造者により供給)で溶出することに
より、免疫グロブリンでない全てのタンパク質が実質的に除去される。0.1M
緩衝グリシン(pH3)で溶出することにより、実質的にアルブミンおよびそ
の他の血清タンパク質を含まない免疫グロブリン調製物が得られる。
【0285】 免疫アフィニティークロマトグラフィーを実施して特異的抗原結合抗体のより
高度な分画を有する調製物が得られる。抗血清を上昇させるために用いられるペ
プチドをクロマトグラフィー樹脂に固定し、そのエピトープを指向する特異的抗
体を樹脂に吸着する。非結合性構成成分を洗い流した後、0.1M グリシンバ
ッファー、pH2.3で特異的抗体を溶出する。抗体分画を即座に1.0M ト
リスバッファー(pH8.0)で中和し、免疫反応性を維持する。クロマトグラ
フィー樹脂の選択はペプチドに存在する反応基に依存する。ペプチドがアミノ基
を有する場合、アフィ−ゲル10またはアフィ−ゲル15(バイオ−ラッド、ヘ
ルクレス、カリフォルニア州)のごとき樹脂を用いる。カルボキシ基を介してペ
プチドに結合するのが望ましい場合、アフィ−ゲル102を用いることができる
(バイオ−ラッド、ヘルクレス、カリフォルニア州)。ペプチドが遊離のスルフ
ヒドリル基を有する場合、有機水銀樹脂例えばアフィ−ゲル501を用いること
ができる(バイオ−ラッド、ヘルクレス、カリフォルニア州)。
【0286】 別法として、脾臓を回収し、ハイブリドーマ生成に用いて本明細書に前記する
ように当該分野で周知の常法に従ってモノクローナル抗体を生成できる。
【0287】 実施例16:組織サンプルのウェスタンブロッティング 0.1M トリスHCl(pH7.5)、15重量/容量% グリセロール、
0.2mM EDTA、1.0mM 1,4−ジチオスレイトール、10μg/
ml ロイペプチンおよび1.0mM フッ化フェニルメチルスルフォニル中組
織サンプルをホモジナイズすることによりタンパク質抽出物を調製した(Kai
nら、Biotechniques,17:982(1994))。ホモジナイ
ズした後、ホモジネートを4℃で5分間遠心し、破片から上澄を分離した。タン
パク質を定量するために上澄3ないし10μlをビシンコニン酸試薬(シグマ、
セントルイス、ミズーリー州)1.5mlに加え、562nmで得られる吸光度
を測定した。
【0288】 SDS−PAGEのために、トリシンバッファー(ノベックス、サンディエゴ
、カリフォルニア州)でサンプルを望ましいタンパク質濃度に調整し、等容量の
2Xトリシンサンプルバッファー(ノベックス、サンディエゴ、カリフォルニア
州)と混合し、サーマル・サイクラーで100℃、5分間加熱した。次いでサン
プルを電気泳動用のノベックス10−20%プレキャスト/トリシン・ゲルに供
した。電気泳動の後、ノベックス・トリス−グリシン・トランスファーバッファ
ー中サンプルをゲルからニトロセルロース膜に移した。次いでウェスタン・ライ
ツ・プラスまたはウェスタン・ライツ(トロピックス、ベッドフォード、マサチ
ューセッツ州)化学発光検出キットで提供される試薬および方法を用いて特異的
抗ペプチド抗体で膜をプロービングした。展開した膜をハイパーフィルムECL
(アマーシャム、アーリントンハイツ、イリノイ州)に暴露することにより化学
発光バンドを可視化した。
【0289】 フィルム上でバンドを可視化した後、発色性基質5−ブロモ−4−クロロ−3
−インドールホスフェート(BCIP)を添加し、展開することによりバンドを
膜上で直接可視化することもできた。この発色性溶液は100mM NaCl、
5mM MgClおよび100mM トリスHCl、pH9.5を含有する溶
液中0.016% BCIPを含有する。バンドが望ましい強度に展開されるま
で(1ないし2日間)、フィルターを溶液中室温でインキュベートした。ライト
ボックスで徹照し、アルファ・イメージャー2000(アルファ・イノテック・
コーポレーション、サンレアンドロ、カリフォルニア州)で画像を記録すること
により画像を捕捉した。予め染色した分子量標準(ノベックス、サンディエゴ、
カリフォルニア州)およびビオチン化分子量標準(トロピックス、ベッドフォー
ド、マサチューセッツ州)の可動性に基づいて分子量を決定した。
【0290】 図8はBU101合成ペプチド、配列番号28(実施例14を参照のこと)に
対する抗血清を用いて組織タンパク質抽出物のパネルで実施したウェスタンブロ
ッティングの結果を示している。図8の各レーンは異なる組織タンパク質抽出物
を示している:1、胃;2、ブランク;3、心臓;4、胎盤;5、脾臓;6、脳
;7、腎臓;8、乳癌;9、肺;10、肝臓;11、卵巣;12、マーカー分子
量(キロダルトン)。6.5キロダルトン近くのバンド(矢印)は、タンパク質
サイズマーカー(レーン12)により決定されるように、乳房組織抽出物(レー
ン8)においてのみ検出され、その他のいずれの組織抽出物においても検出され
なかった。その他のウェスタンブロッティングでは(データは示していない)、
また9個の乳癌組織タンパク質抽出物のうち5個で、および6個の正常乳房組織
タンパク質抽出物のうち1個で6.5キロダルトンのバンドが観察された。
【0291】 1次抗体(抗ペプチドポリクローナル抗血清)はニトロセルロースフィルター
に暴露する前にペプチド免疫原の濃度を変化させて、室温で30分間プレインキ
ュベートする以外は前記と類似の方法で競合実験を実施した。前記のようにウェ
スタンの展開を続ける。乳房サンプルでは6.5キロダルトンのバンドに結合す
る抗体はBU101ペプチド配列番号23100nMの濃度で阻害された。
【0292】 実施例17:EIAマイクロタイタープレートアッセイ 実施例14に記載されるように好ましくはウサギおよびマウスから得た抗血清
の免疫反応性を以下のようにマイクロタイターEIAにより決定した。簡単には
実施例10に記載されるように調製した合成ペプチド、配列番号21ないし29
を炭酸塩バッファー(50mM、pH9.6)に溶解し、最終濃度2μg/ml
にした。次にペプチドまたはタンパク質溶液100μlをイムロン2(登録商標
)マイクロタイタープレート(ダイネックス・テクノロジーズ、チャンティリー
、バージニア州)の各ウェルに入れた。プレートを室温で一晩インキュベートし
、次いで脱イオン水で4回洗浄した。適当なタンパク質遮断剤、例えばスーパー
ブロック(登録商標)(ピヤース・ケミカル・カンパニー、ロックフォード、イ
リノイ州)125μlを各ウェルに添加することによりウェルを遮断し、次いで
溶液を即座に捨てた。この遮断方法を3回実施した。前記のように調製した免疫
したウサギおよびマウスから得られた抗血清を0.05% トゥィーン−20(
登録商標)(モノラウレート・ポリオキシエチレンエーテル)(シグマ・ケミカ
ル・カンパニー、セントルイス、ミズーリー州)および0.05% アジドナト
リウムを含有するPBS中タンパク質遮断剤(例えば3% スーパーブロック(
登録商標)溶液)に1:100、1:500、1:2500、1:12500お
よび1:62500の希釈で希釈し、コーティングしたマイクロタイタープレー
トの各ウェルに入れた。次いでウェルを室温で3時間インキュベートした。各ウ
ェルを脱イオン水で4回洗浄した。アルカリ性ホスファターゼ結合ヤギ抗ウサギ
IgGまたはヤギ抗マウスIgG抗血清(サザン・バイオテック、バーミンガム
、アラバマ州)100μlを0.05% トゥィーン20(登録商標)および0
.05% アジドナトリウムを含有するリン酸塩緩衝セイライン中3% スーパ
ーブロック(登録商標)溶液で1:2000に希釈し、各ウェルに加えた。ウェ
ルを室温で2時間インキュベートした。次に各ウェルを脱イオン水で4回洗浄し
た。次いでパラニトロフェニルホスフェート基質(キルケガード・アンド・ペリ
ー・ラボラトリーズ、ガイザースブルグ、メリーランド州)100μlを各ウェ
ルに加えた。ウェルを室温で30分間インキュベートした。各ウェルで405n
mの吸光度は赤色であった。試験ウェルでは405nmにおける吸光度が非免疫
血清(陰性対照)により得られる吸光度以上に上昇することにより陽性反応を同
定した。陽性反応は検出可能な抗BU101抗体が存在していることを示した。
抗ペプチド抗血清の力価は前記した抗血清の希釈から算出し、A405nm=0
.5ODである算出希釈として定義した。
【0293】 力価に加え、見かけの親和性[Kd(app)]をもいくつかの抗ペプチド抗
血清に関して決定した。EIAマイクロタイタープレートアッセイの結果を用い
てミカエリス・メンテンの等式に類似の等式に基づいて見かけの解離定数(Kd
)を誘導した(V.Van Heyningen、Methods in En
zymology,121:472(1986)およびさらにX.Qiuら、J
ournal of Immunology,156:3350(1996)に
記載):
【0294】
【数1】 式中、[Ag−Ab]は抗原−抗体複合体濃度、[Ag−Ab]maxは最大複
合体濃度、[Ab]は抗体濃度、およびKは解離定数である。曲線が適合する
間は[Ag−Ab]は所定のAb濃度におけるOD405nmの値からバックグ
ランドを減じたもので置き換えた。Kdおよび[Ag−Ab]maxに対応する
[OD405nm]maxを適合パラメーターとして処理した。ソフトウェアプ
ログラムオリジン(商標)(マイクロカル・ソフトウェア・インコーポレーティ
ッド、ノーザンプトン、メリーランド州)を曲線適合に用いた。
【0295】 実施例18:固相粒子のコーティング A.BU101抗原に特異的に結合する抗体での微粒子のコーティング BU101タンパク質(実施例15を参照のこと)に特異的に結合するアフィ
ニティ精製した抗体で、半径が0.1ないし20μmの範囲であるポリスチレン
、カルボキシル化ポリスチレン、ポリメチルアクリレートの微粒子または類似の
粒子をコーティングする。微粒子を受動的または能動的のいずれかでコーティン
グできる。あるコーティング法は、以下に示すように、EDAC(塩酸1−(3
−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)(アルドリッヒ・ケ
ミカル・カンパニー、ミルウォーキー、ウィスコンシン州)活性化カルボキシル
化ラテックス微粒子をBU101タンパク質に特異的に結合する抗体でコーティ
ングすることからなる。簡単には、適当な容器中で樹脂洗浄カルボキシル化ラテ
ックス微粒子(バングズ・ラボラトリーズ、カーメル、インディアナ州またはセ
ロディン、インディアナポリス、インディアナ州)の最終0.375% 固体懸
濁液を50mM MESバッファー、pH4.0および150mg/lのアフィ
ニティー精製した抗BU101抗体(実施例14を参照のこと)を含有する溶液
中15分間混合する。EDACカップリング剤を最終濃度5.5μg/mlで混
合物に加え、室温で2.5時間混合する。
【0296】 次いで0.2μm マイクロゴン濾過モジュールを用いる接線流濾過(tan
gential flow filtration)により8容量のトゥィーン
20(登録商標)/リン酸ナトリウム洗浄バッファー(pH7.2)で微粒子を
洗浄した。洗浄した微粒子を通常希釈した表面活性剤および遮断剤として無関係
のタンパク質を含有する適当なバッファー中必要時まで保存する。
【0297】 B.1/4インチビーズのコーティング またBU101抗原に特異的に結合する抗体を当該分野で周知の常法に従って
1/4インチポリスチレンビーズの表面にコーティングし(Snitmanら、
米国特許第5273882号、参照により本明細書に組み込まれる)、競合結合
またはEIAサドウィッチアッセイにおいて使用することもできる。
【0298】 最初にポリスチレンビーズを10mM NaHCOバッファー(pH8.0
)中約15秒間超音波処理することにより清浄する。次いで全ての微細物質が除
去されるまでビーズを脱イオン水で洗浄する。次いで10mM 炭酸塩バッファ
ー(pH8ないし9.5)の抗体溶液中にビーズを浸す。抗体溶液は高親和性モ
ノクローナル抗体の場合の1μg/mlほどの希釈に、またはアフィニティー精
製しなかったポリクローナル抗体では約500μg/mlほどの濃度にできる。
ビーズを室温で少なくとも12時間コーティングし、次いで脱イオン水で洗浄す
る。ビーズを空気乾燥するか、またはぬれた状態(PBS中、pH7.4)で保
存してもよい。またこれらをタンパク質安定剤(例えばスクロース)または非特
異的結合遮断剤として用いられるタンパク質遮断剤(例えば無関係のタンパク質
、カルナチオン・スキムミルク、スーパーブロック(登録商標)等)で保護コー
ティングしてもよい。
【0299】 実施例19:微粒子酵素イムノアッセイ(MEIA) 標準抗原競合EIAまたは抗体サンドウィッチEIAを実施し、固相例えば微
粒子を利用することにより(MEIA)、患者の試験サンプル中のBU101抗
原を検出する。アッセイは自動分析器例えばIMx(登録商標)アナライザー(
アボット・ラボラトリーズ、アボットパーク、イリノイ州)で実施できる。
【0300】 A.抗体サンドウィッチEIA 簡単には、BU101抗原を含有することが疑われるサンプルを抗BU101
抗体コーティング微粒子(実施例17に記載のように調製)の存在下インキュベ
ートして抗原/抗体複合体を形成させる。次いで微粒子を洗浄し、シグナル発生
化合物(すなわちアルカリ性ホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼ
のごとき酵素)に結合した抗体を含んでなる指示試薬を抗原/抗体複合体または
微粒子に加え、インキュベートする。微粒子を洗浄し、シグナル発生化合物と反
応して測定可能なシグナルを生じる基質(例えば各々、4−メチルアンベリフェ
リルホスフェート(MDP)、またはOPD/パーオキサイド)を添加すること
により結合抗体/抗原/抗体複合体を検出する。陰性対照で生じたシグナルと比
較して、試験サンプル中のシグナル上昇によりBU101抗原の存在が検出され
る。試験サンプル中のBU101抗原の存在は乳房疾患または症状例えば乳癌の
診断の指標である。
【0301】 B.競合結合アッセイ 競合結合アッセイでは、標識ペプチドが抗ペプチド抗体コーティング微粒子と
接触した場合に、測定可能なシグナルを発生するペプチドまたはタンパク質を使
用する。このアッセイをIMx(登録商標)アナライザー(アボット・ラボラト
リーズ、アボットパーク、イリノイ州より入手可能)で実施できる。BU101
抗原を含有することが疑われる試験サンプルの存在下、標識ペプチドをBU10
1抗体コーティング微粒子(実施例17に記載されるように調製)に加え、標識
BU101ペプチド(または標識タンパク質)/結合抗体複合体および/または
患者のBU101抗原/結合抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下
でインキュベートする。試験サンプル中のBU101抗原は標識BU101ペプ
チド(またはBU101タンパク質)と、微粒子上の結合部位に関して競合する
。アッセイにおいて、試験サンプル中の抗原およびBU101ペプチドまたはB
U101タンパク質は抗体結合部位に関して競合するので、試験サンプル中のB
U101抗原は標識ペプチドおよび抗体コーティング微粒子の結合を低下させる
。低下したシグナル(対照と比較して)試験サンプル中のBU101抗原の存在
を示している。BU101抗原の存在は乳房疾患または症状、例えば乳癌の診断
を示唆している。
【0302】 前記で提供され、論じられたBU101ポリヌクレオチドおよびそれによりコ
ードされるタンパク質は乳房組織疾患、とりわけ乳癌のマーカーとして有用であ
る。試験は試験サンプル例えば血液、血漿または血清におけるこのマーカーの出
現に基づき、低コスト、非侵害的に医師が癌の診断をし、治療プロトコルを選択
するか、または選択した治療の有効性をモニター観察する助けとなる診断情報を
提供できる。このマーカーは容易に入手できる体液例えば血液、尿または便中に
疾患組織に由来する抗原として出現し、免疫学的方法により検出できる。このマ
ーカーは疾病状態で上昇し、疾病状態で変化するか、または不適切な身体部分に
おいて出現する乳房の正常タンパク質である。
【0303】 実施例20:BU101タンパク質の免疫組織化学的検出 前記の実施例14で記載された配列番号23に対する抗血清を用いて、標準的
な方法により種々の正常および疾患組織を免疫組織化学的に染色した。簡単には
、組織の凍結塊を6ミクロンの切片に切断し、顕微鏡スライドに載せた。冷アセ
トンで固定した後、切片を室温で乾燥し、次いでリン酸塩緩衝セイラインで洗浄
し、遮断した。スライドを1:100希釈した配列番号23に対する抗体と共に
インキュベートし、洗浄し、ビオチン化ヤギ抗ウサギ抗体と共にインキュベート
し、再度洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼで標識したアビジンと共にインキ
ュベートした。最後の洗浄の後、スライドを赤色の色素を提供する3−アミノ−
9−エチルカルバゾール基質と共にインキュベートした。スライドをヘマトキシ
リンで対比染色し、マウントして、病理学者が顕微鏡により試験した。
【0304】 良性および悪性の上皮細胞を含む全ての乳房標本の上皮細胞においてドット様
から広汎性のパターンで中程度から強度の免疫反応性が観察された。実際には全
ての細胞が染色された。間質細胞では免疫反応性はほとんどまたは全く認められ
なかった。散在する好中球および組織球もまた陽性であった。陰性対照では適当
な結果が得られた。結腸の上皮細胞では中程度から強度の免疫反応性であった。
間質細胞では低から中程度の免疫反応性をも示した。単球は、結腸の固有筋層お
よび脈管中膜などのたいていの器官で中程度の免疫反応性を示した。マクロファ
ージは通常中程度の免疫反応性であった。
【0305】 試験した全ての組織の結果を表6にまとめる。縦軸の「#陽性/全数」表示は
標本の全数のうちの陽性標本の数を意味する。縦軸の「%」表示は試験した全組
織に対して平均化した陽性細胞のパーセントを意味する。
【0306】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】 クローン2083578H1(配列番号1)、603148H1(配列番号2
)、604290H1(配列番号3)のヌクレオチド整列化、クローン2083
578H1及び603148H1の完全長配列[それぞれ、2083578in
h(配列番号4)及び603148inh(配列番号5)と称される]、及びそ
れらから誘導されるコンセンサス配列(配列番号6)を示す。
【図2】 オーバーラップクローン2083578H1(配列番号1)、603148H
I(配列番号2)、604290H1(配列番号3)、2083578inh(
配列番号4)、603148inh(配列番号5)のヌクレオチド整列化からの
コンセンサスヌクレオチド配列(配列番号6)の形成を表わすコンティグ地図を
示す。
【図3A】 図3Aは、乳房組織と非乳房組織抽出物からのRNAのエチジウムブロマイド
染色アガロースゲルのスキャンを示す。
【図3B】 図3Bは、BU101放射性同位元素標識プローブとのハイブリダイゼーショ
ン後の対応するRNAのノーザンブロットである。
【図4】 正常乳房、乳癌、結腸及び肺組織のRNAをテンプレートとして使用した、B
U101 RNA特異的RT−PCR増幅産物のSYBR(登録商標)Gree
n染色アガロースゲルのスキャンである。
【図5】 BU101 RNA特異的RT−PCR増幅産物のSYBR(登録商標) G
reen染色アガロースゲルのスキャンである。この図は、胎盤DNAをRNA
対照とし、水を試薬対照として使用した、MDA 361細胞系のRNAによる
268塩基対のBU101特異的アンプリコンを示す。
【図6】 図6は、BU101アンプリコンが、LCx(登録商標) Analyzer
系(Abbott Laboratories,Abbott Park,IL
より入手可能)を用いて、MDA 361細胞系からの200フェムトグラム(
fg)のRNAで容易に検出されたことを示す。
【図7】 LCx(登録商標)系を用いてBU101活性に関して検定した正常乳房、乳
癌、正常結腸、結腸癌、正常肺及び肺癌組織からの10ピコグラム(pg)のR
NAの結果を示す。
【図8】 BU101合成ペプチド(配列番号28)に対する抗血清でプローブした一連
の組織タンパク抽出物に関して実施したウエスタンブロットの結果を示す。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 35/00 4C084 A61P 35/00 C07K 14/47 4C085 C07K 14/47 16/18 4C086 16/18 C12N 1/15 4H045 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 21/08 C12P 21/02 C12Q 1/68 A 21/08 G01N 33/53 M C12Q 1/68 N G01N 33/53 33/574 Z 33/58 A 33/574 37/00 102 33/58 C12N 15/00 ZNAA 37/00 102 5/00 A (72)発明者 コーエン,モーリス アメリカ合衆国、イリノイ・60035、ハイ ランド・パーク、デイアフイールド・ロー ド・2026 (72)発明者 コルピツツ,トレイシー・エル アメリカ合衆国、イリノイ・60073、ラウ ンド・レイク、ノース・サークル・ドライ ブ・34365 (72)発明者 フリードマン,ポーラ・エヌ アメリカ合衆国、イリノイ・60015、デイ アフイールド、カムノー・コート・462 (72)発明者 ゴードン,ジユリアン アメリカ合衆国、イリノイ・60044、レイ ク・ブラフ、イースト・シエリダン・ロー ド・307 (72)発明者 グラナドス,エドワード・エヌ アメリカ合衆国、イリノイ・60061、バー ノン・ヒルズ、モンゴメリー・レイン・19 (72)発明者 ホツジス,ステイーブン・シー アメリカ合衆国、イリノイ・60089、バツ フアロー・グローブ、ストーンゲイト・ロ ード・169 (72)発明者 クラス,マイケル・アール アメリカ合衆国、イリノイ・60048、リバ テイビル、マルベリイ・ドライブ・1606 (72)発明者 クラトクビル,ジヨン・デイー アメリカ合衆国、ミズーリ・63088、ワイ ルドウツド、カントリートツプ・コート・ 1706 (72)発明者 ロバーツ−ラツプ,ライザ アメリカ合衆国、イリノイ・60031、ガー ニー、ウエストフイールド・ドライブ・ 2090 (72)発明者 ラツセル,ジヨン・シー アメリカ合衆国、ウイスコンシン・53158、 プレザント・プレイリイ、シツクステイフ オース・コート・8275 (72)発明者 シエツフエル,クリステイ・ピー アメリカ合衆国、イリノイ・60060、マン デライン、バンバリー・ロード・925 (72)発明者 ストロープ,ステイーブン・デイー アメリカ合衆国、イリノイ・60048、リバ テイビル、ウイルシヤー・ドライブ・945 Fターム(参考) 2G045 AA25 BA14 CA25 CA26 CB03 CB04 CB07 DA12 DA13 DA14 DA36 FA16 FB02 FB03 FB07 JA04 4B024 AA12 BA80 CA03 DA02 DA03 EA04 GA11 HA12 HA15 4B063 QA19 QQ43 QR08 QR36 QR42 QR56 QS25 QS34 QX01 4B064 AG01 AG26 AG27 CA10 CA19 CA20 CC24 DA13 DA14 4B065 AA91X AA93X AB01 BA02 CA46 4C084 AA13 AA17 MA01 NA14 ZB262 4C085 AA13 AA14 CC32 EE01 GG01 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA16 MA01 MA04 NA14 ZB26 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 CA40 DA75 DA76 EA50 EA51 FA72 FA74

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験サンプル中の標的BU101ポリヌクレオチドの存在を
    検出する方法であって: (a)試験サンプルを少なくとも一つのBU101特異的ポリヌクレオチドま
    たはその相補体と接触させること、ここで該BU101特異的ポリヌクレオチド
    は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6
    およびその断片または相補体からなる群から選択されるポリヌクレオチドと少な
    くとも50%の同一性を有する;および (b)試験サンプルから該BU101特異的ポリヌクレオチドと結合する標的
    BU101ポリヌクレオチドの存在を検出すること; を含む方法。
  2. 【請求項2】 工程(a)を実施する前に該標的BU101ポリヌクレオチ
    ドが固相に結合される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程(a)を実施する前に該BU101特異的ポリヌクレオ
    チドが固相に結合される請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 試験サンプル中のBU101 mRNAを検出する方法であ
    って: (a)少なくとも一つのプライマーを用いて該サンプルで逆転写を実施し、c
    DNAを生成すること; (b)BU101オリゴヌクレオチドをセンスおよびアンチセンスプライマー
    として用いて工程(a)から得られたcDNAを増幅し、BU101アンプリコ
    ンを得ること;および (c)該BU101アンプリコンの存在を検出すること、ここで工程(a)お
    よび(b)で用いたBU101オリゴヌクレオチドは配列番号1、配列番号2、
    配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6およびその断片または相補体
    からなる群から選択される配列と少なくとも50%の同一性を有する; を含む方法。
  5. 【請求項5】 工程(a)、(b)または(c)の一つを実施する前に該試
    験サンプルを固相と反応させる請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 該検出工程が測定可能なシグナルを発生することができる検
    出可能な標識を利用することからなる請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 標的BU101ポリヌクレオチドを含有することが疑われる
    試験サンプル中の該標的ポリヌクレオチドを検出する方法であって: (a)試験サンプルをセンスプライマーとして少なくとも一つのBU101オ
    リゴヌクレオチドとまたはアンチセンスプライマーとして少なくとも一つのBU
    101オリゴヌクレオチドと接触させ、増幅して第1段階の反応生成物を得るこ
    と; (b)該第1段階の反応生成物を少なくとも一つの別のBU101オリゴヌク
    レオチドと接触させて第2段階の反応生成物を得ること、但し、別のBU101
    オリゴヌクレオチドは工程(a)で用いたBU101オリゴヌクレオチドの3‘
    に位置し、該第1段階反応生成物に相補的であることを条件とし;および (c)該第2段階反応生成物を標的BU101ポリヌクレオチドの存在の指標
    として検出すること、ここで工程(a)および(b)で用いたBU101オリゴ
    ヌクレオチドは配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5
    、配列番号6およびその断片または相補体からなる群から選択される配列と少な
    くとも50%の同一性を有する; を含む方法。
  8. 【請求項8】 工程(a)、(b)または(c)の一つを実施する前に該試
    験サンプルを固相と反応させる請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 該検出工程が測定可能なシグナルを発生することができる検
    出可能な標識を利用することを含む請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 該検出可能な標識が固相と反応する請求項9に記載の方法
  11. 【請求項11】 試験サンプル中のBU101ポリヌクレオチドを検出する
    のに有用な試験キットであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番
    号4、配列番号5、配列番号6およびその断片または相補体からなる群から選択
    される配列と少なくとも50%の同一性を有する少なくとも一つのBU101ポ
    リヌクレオチドを含有する容器を含む該試験キット。
  12. 【請求項12】 BU101核酸分子から誘導される精製されたポリヌクレ
    オチドであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号
    5、配列番号6およびその断片または相補体からなる群から選択される配列と少
    なくとも50%の同一性を有するポリヌクレオチド。
  13. 【請求項13】 該ポリヌクレオチドがBU101核酸配列に特異的にハイ
    ブリダイズする請求項12に記載のポリヌクレオチド。
  14. 【請求項14】 該ポリヌクレオチドが約20ないし約50個のヌクレオチ
    ドの全長を有する請求項12に記載のポリヌクレオチド。
  15. 【請求項15】 該ポリヌクレオチドが約10ないし約25個のヌクレオチ
    ドの全長を有する請求項12に記載のポリヌクレオチド。
  16. 【請求項16】 該ポリヌクレオチドが組換え技術により生成された請求項
    12に記載のポリヌクレオチド。
  17. 【請求項17】 該ポリヌクレオチドが合成技術により生成された請求項1
    2に記載のポリヌクレオチド。
  18. 【請求項18】 該ポリヌクレオチドが少なくとも一つのBU101エピト
    ープをコードする配列を含んでなる請求項12に記載のポリヌクレオチド。
  19. 【請求項19】 該ポリヌクレオチドが固相に結合している請求項12に記
    載のポリヌクレオチド。
  20. 【請求項20】 該固相がそこに結合したポリヌクレオチド分子のアレイを
    含んでなる請求項19に記載のポリヌクレオチド。
  21. 【請求項21】 BU101ポリヌクレオチドに由来するオープン・リーデ
    ィング・フレームを含む核酸配列を含んでなる組換え発現系であって、ここで該
    オープン・リーディング・フレームは望ましい宿主に適合する調節配列に機能的
    に連結されており、該核酸配列は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番
    号4、配列番号5、配列番号6およびその断片または相補体からなる群から選択
    される配列と少なくとも50%の同一性を有する組換え発現系。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の組換え発現系でトランスフェクトされ
    た細胞。
  23. 【請求項23】 配列番号20ないし29およびその断片からなる群から選
    択されるアミノ酸配列と少なくとも50%の同一性を有するBU101ポリペプ
    チド。
  24. 【請求項24】 該ポリペプチドが組換え技術により製造される請求項23
    に記載のポリペプチド。
  25. 【請求項25】 該ポリペプチドが合成技術により製造される請求項23に
    記載のポリペプチド。
  26. 【請求項26】 配列番号20ないし29およびその断片からなる群から選
    択されるアミノ酸配列と少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列に由来
    するBU101エピトープの少なくとも一つに結合する特異的結合分子。
  27. 【請求項27】 特異的結合分子が抗体分子である請求項26に記載の特異
    的結合分子。
  28. 【請求項28】 試験サンプル中のBU101抗原または抗BU101抗体
    の存在を検出するための試験キットであって、配列番号20ないし29およびそ
    の断片からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも50%の同一性を有
    するBU101ポリペプチドを含有する容器を含む該試験キット。
  29. 【請求項29】 該BU101ポリペプチドが固相に結合している請求項2
    8に記載のキット。
  30. 【請求項30】 試験サンプル中のBU101抗原の存在を検出するための
    キットであって、少なくとも一つのBU101エピトープを有するBU101抗
    原に結合する特異的結合分子を含有する容器を含むキット。
  31. 【請求項31】 該特異的結合分子が固相に結合している請求項30に記載
    のキット。
  32. 【請求項32】 少なくとも一つのBU101エピトープを含んでなるポリ
    ペプチドを製造する方法であって、配列番号20ないし29およびその断片から
    なる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも50%の同一性を有するアミノ
    酸配列を含んでなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含有する
    発現ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞をインキュベートすることを含
    む該方法。
  33. 【請求項33】 該BU101抗原を含有することが疑われる試験サンプル
    中のBU101抗原を検出する方法であって: (a)試験サンプルを配列番号20ないし29およびその断片からなる群から
    選択されるBU101抗原の少なくとも一つのエピトープに結合する特異的結合
    分子と接触させること、該接触は結合分子/抗原複合体を形成するのに十分な時
    間および条件下で実施する;および (b)該BU101抗原の存在の指標である該複合体存在を検出すること; を含む方法。
  34. 【請求項34】 該特異的結合分子が抗体分子またはその断片である請求項
    33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 該特異的結合分子が固相に結合している請求項33に記載
    の方法。
  36. 【請求項36】 かかる抗体を含有することが疑われる試験サンプル中のB
    U101抗原に特異的な抗体の存在を検出する方法であって: (a)試験サンプルを配列番号20ないし29およびその断片からなる群から
    選択されるアミノ酸配列と少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列に由
    来する少なくとも一つのBU101エピトープを含有するBU101ポリペプチ
    ドと接触させること、該接触は抗原/抗体複合体を形成するのに十分な時間およ
    び条件下で実施する;および (b)該BU101抗原に特異的な抗体の存在の指標として該複合体の存在を
    検出すること; を含む方法。
  37. 【請求項37】 該BU101ポリペプチドが固相に結合している請求項3
    6に記載の方法。
  38. 【請求項38】 少なくとも一つのBU101エピトープをコードする核酸
    配列であって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5
    、配列番号6およびその断片または相補体からなる群から選択される核酸配列で
    トランスフェクトされた細胞。
  39. 【請求項39】 免疫応答を引き起こすのに十分な量の単離された免疫原性
    ポリペプチドまたはその断片を個体に投与することを含むBU101抗原に特異
    的に結合する抗体を製造する方法であって、ここで該免疫原性ポリペプチドは少
    なくとも一つのBU101エピトープを含んでなり、配列番号20ないし29お
    よびその断片からなる群から選択される配列と少なくとも50%の同一性を有す
    る方法。
  40. 【請求項40】 配列番号20ないし29およびその断片からなる群から選
    択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに由来する少なくとも一つのBU1
    01エピトープをコードする配列を含んでなるプラスミドを個体に投与すること
    を含むBU101抗原に特異的に結合する抗体を製造する方法。
  41. 【請求項41】 ランセット、吸収ペーパー、布、綿棒およびカップからな
    る群から選択される、該サンプルを収集するのに有用な手段を有する容器をさら
    に含んでなる請求項11に記載の試験キット。
  42. 【請求項42】 ランセット、吸収ペーパー、布、綿棒およびカップからな
    る群から選択される、該サンプルを収集するのに有用な手段を有する容器をさら
    に含んでなる請求項28に記載の試験キット。
  43. 【請求項43】 ランセット、吸収ペーパー、布、綿棒およびカップからな
    る群から選択される、該サンプルを収集するのに有用な手段を有する容器をさら
    に含んでなる請求項30に記載の試験キット。
  44. 【請求項44】 該特異的結合分子が抗体またはその断片である請求項30
    に記載の試験キット。
  45. 【請求項45】 該ポリヌクレオチドが配列番号20に少なくとも50%の
    同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるBU101タンパク質をコードする請
    求項12に記載のポリヌクレオチド。
  46. 【請求項46】 該ポリヌクレオチドが配列番号4、配列番号5または配列
    番号6と少なくとも50%の同一性を有するDNAを含んでなる請求項12に記
    載のポリヌクレオチド。
  47. 【請求項47】 試験サンプル中該標的BU101ポリヌクレオチドの存在
    が乳房疾患の指標である請求項1に記載の方法。
  48. 【請求項48】 該アンプリコンが乳房疾患の指標である請求項4に記載の
    方法。
  49. 【請求項49】 該第2段階の反応生成物が乳房疾患の指標である請求項7
    に記載の方法。
  50. 【請求項50】 該複合体の検出が乳房疾患の指標である請求項33に記載
    の方法。
  51. 【請求項51】 該複合体の検出が乳房疾患の指標である請求項36に記載
    の方法。
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