JP2003522648A - 金属の中空鋳造体を製造する方法および装置 - Google Patents
金属の中空鋳造体を製造する方法および装置Info
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Abstract
Description
ような用途には、中空鋳造体またはインゴットを必要とする。非合金または低合
金鋼の場合に有益な事例としては、予め鋳造体が製造されない場合、固体ブロッ
クを鋳造して、高温でそれに穴を空け、その後、別の高温成形加工を施す場合で
ある。
イト腐食、および耐熱鋼のようなさらに高合金の鋼を処理する場合、また大幅に
異なる成分の工具鋼を処理する場合、オプションの可能性がほとんど無い。その
理由は、それらが高温穴あけ方法のための適正な高温成形能力を持たないためで
ある。これは、作業がより困難になるNiベースおよびCoベースの合金を処理
するときには、さらに可能性が少なくなる。困難な作業を要する合金および鋼か
ら中空体を製造するには、多くの場合、固体鋳造ブロックを穴あけするか、また
は前もって機械加工で中空にする必要があり、この時だけそれにさらに高温作業
を施すことができる。しかし、この加工モードは高合金鋼としてはコストが高く
、合金を困難を伴なう機械加工によってだけ加工でき、さらに、多くの場合熱処
理後に機械加工する必要がある。
意図した高合金の中空体および中空ブロックを、自己消耗電極を用いるエレクト
ロスラグ再溶解方法を使用して製造することが提案されてきた。エレクトロスラ
グ再溶解方法は高品質の中空ブロックを製造できるからである。
造する方法を述べている。前記方法は、短い、円形断面の水冷チルモールド内に
、上から、水冷されている円錐形の棒またはマンドレルを、環状空隙をチルモー
ルドとマンドレルとの間に形成するような同心関係で挿入することを含む。中空
ブロックを製造するために、棒状の摩耗電極が環状空隙内に同心的に配置され、
その電極により、溶解電流が空隙内のスラグ・バスに流れ込み、溶解されたバス
および底板から流出する。電極は電流がスラグ・バスを通り流れるときに発生す
るジュール熱によって溶解する。下方に落下する液体金属は環状空隙内に収集さ
れ、連続的に硬化して、中空ブロックを形成する。この方法を用いて、満足でき
る品質の中空ブロックが製造可能になる。しかし、長くて細い棒状の電極の製造
および準備の面での費用は高く、環状空隙内の同心配列は、特に薄い壁厚の中空
ブロックを製造する場合、かなりの困難性を伴なう。したがって、スラグ・バス
内で、漏斗(じょうご)形状で上方に広くなっている、いわゆるT型チルモール
ドが有効である。このモールドは中空ブロックの壁厚に比較して厚い消耗電極を
使用できるからである。
ブロックを底板上に形成するように、底板の開口を通過して下方から上方に移動
する。この場合、マンドレル上端はスラグ・バス中に突き出るが、常にバスによ
り完全に覆われたままである。この方法で、大きい電極をスラグ・バス内でマン
ドレルの上に溶解できる。電極から溶解される金属は、マンドレルの曲面上に落
下し、そこからチルモールドとマンドレルとの間の環状空隙に流れ込み、再度中
空ブロックを形成する。この方法において、消耗電極の製造は本質的に簡単にな
るが、比較的長いブロックを製造するとき、マンドレルをチルモールドに対して
同心に設定するのが難しくなる。そのために、穴の偏心率が大きくなる。さらに
、穴の表面形態の不良が別の処理に関しての困難性をたびたび引き起こす。それ
らを回避するには、多くの場合、内部穴を機械加工し、その後高温成形作業が必
要となる。
る溶解電流をスラグ・バス内に流し込むことであり、また望ましい硬化構造を得
るのに必要な溶解速度を監視する方法で溶解電流を調整する必要があることであ
る。しかし、その方法で調整される電流またはパワーをスラグ・バスに供給する
ことは、穴内のブロックおよび外面に対し良好な表面を発生させるスラグ・バス
温度に必ずしもならない。したがって、これらの方法を用いて、望ましい鋳造構
造および良好な表面の両方を有する中空ブロックまたは鋳造体を製造することは
ほとんど不可能である。
を目的とした。
している。本発明の範囲は発明の詳細な説明、図面および/または特許請求の範
囲で開示された形態の少なくとも2つの組合せすべてを包含している。
、導電性の、水冷式チルモールドの原理を利用――を使用して金属、特に鋼、N
iベースおよびCoベース合金の中空鋳造体を製造する方法を含む。この場合、
中空鋳造体は、チルモールドの開口内に配置され、かつチルモールドと水冷され
るマンドレルとの間に生じる空隙内で形成される。金属のレベル(上面)はスラ
グ・バスにより覆われており、前記スラグ・バスは、電流を通電し、チルモール
ドの壁および/または水冷されたマンドレルに組み込まれかつ直接水冷されない
複数の導電性素子を通してスラグ・バスに流れ込む直流電流または交流電流によ
り加熱される。この電流は、チルモールドとマンドレルの導電性素子のうち前記
電流の導入に使用されない導電性素子および/または鋳造体を通して取り出され
る。この場合、前記導電性素子の少なくとも1つが、水冷されたチルモールドお
よびマンドレルそれぞれの他の部分から電気的に絶縁されている。
領域内に完全に入るように配置され、スラグ・バスで覆われることが好ましい。
スラグのレベル(上面)を導電性素子の領域内に常に維持するには、チルモール
ドとマンドレルとの間の環状空隙内で形成される中空ブロックが下方に引き抜か
れるかまたは――ブロック固定状態で――前記レベルが上昇するときに、チルモ
ールドがマンドレルと共に引き上げられるか、のどちらかが必要である。
下方に、鋳造体レベルが導電性素子に対しほぼ一定レベルを維持する速度で引き
抜かれる。
よびその底板上に製造される中空鋳造体を固定して、チルモールドおよびマンド
レルを、導電性素子に対し鋳造体レベルがほぼ一定レベルを維持するような速度
で上昇させる。この場合、好ましくはチルモールドおよびマンドレルを金属のレ
ベルの上昇速度で上昇させる。
ラグ・バスへの溶解電流の供給はチルモールド壁の導電性素子により実行され、
それら素子は、中空ブロックの外面を形成するチルモールドの水冷部分に対し電
気的に絶縁される必要がある。電流の回収は水冷マンドレルの導電性素子、およ
び/または形成される中空ブロックおよび底板により実行される。しかし、導電
性素子がマンドレルの他の水冷部分に対し電気的に絶縁されている場合、電流の
供給はマンドレルの導電性素子により実現できる。この場合、電流の回収はチル
モールドの導電性素子、および/またはブロックおよび底板により実行される。
原理的には――導電性エレメントが電気絶縁状態で取り付けられている場合――
電流供給はチルモールドとマンドレルとを接続することで実現できる。この場合
、全電流の回収はブロックおよび底板により実現する。電流を導通させる方法の
詳細に関しては、特に請求項6〜16の内容に示している。
ニングもしくはチップ、または微粒材料の形状の固体状態に関係なく、本明細書
に述べる本発明による方法を使用して効果的に回避できる。
を実施する装置を包含する。前記チルモールドは、水冷され、チルモールドの開
口内に配置されるマンドレルと共に中空鋳造のための空隙を形成しており、また
底板を有し、その底板が、チルモールドとの間隔を変化できるように、マンドル
に関連付けて配置されている。チルモールドおよび底板、チルモールド内に絶縁
して備えられた導電性素子ならびにマンドレルが、スイッチを持つ大電流電線に
より電流源に接続されている。
装置全体の縦断面を示す単一の図面とによる、好ましい実施形態の以後の説明か
ら明らかになるであろう。
10中に上から突入している。その棒またはマンドレルは、中空であり、鋳造方
向に沿ってテーパが付けられており、外形eが、マンドレル壁14とチルモール
ドとの間に空隙幅bの環状空隙を形成するように設定されている。
レル14における前記上端面13と同一平面上にある表面16との両方に載って
おり、その一方で、環状構造である導電性素子24、26が絶縁素子20,22
のそれぞれの上に載っている。前記導電性素子は上部絶縁素子20a,22aに
より、上方の水冷中空リング28からと、平面視でマンドレル14の外形に一致
する中空ブロック30から分離している。チルモールド10内のマンドレル14
の配置を固定する芯合わせデバイス32が、中空リング28および中空ブロック
30の上に係合している。
って下方に移動できる底板36のシリンダ壁34も水冷される。全体高さhの底
板36は、外径fがチルモールド10の内径dより僅かに小さく、それにより底
板36は、据付けの開始に当り、高さiのチルモールド10の開口または内部空
間11内に下から挿入し、底板36の上端38が下方の絶縁素子20、22の直
ぐ下に配置されるまで挿入できる。
形eより僅かに大きく、そのため前記マンドレル14は、底板36が上昇すると
き、底板の内部空間40に突き出て、底板の内側上端42で密封を形成する。
空隙18内に導入されるとき、スラグ・バス44は導電性素子24,26の領域
内で形成され、回路の選択に依存して、電流が流れる。別の結果として、例えば
、液体金属46をチルモールド10とマンドレル14との間の鋳造空隙18内で
、製造される鋳造体である中空体48に適正な硬化構造を保証する鋳造速度で鋳
造できる。
電線52、54により、スイッチ56,60を介して、チルモールド10の導電
素子24,26およびマンドレル14のそれぞれに接続され、他方を大電流スイ
ッチにより底板36に接続されている。スイッチは、対応するスイッチ接点57
,58;61,62;65,66を交互に閉じることにより、一連のスイッチ・
オプションを可能にする。以下の詳細は直流電流の使用に関するものである(交
流電流に関連するものは、追加変形形態1〜3および5〜7にかっこ内で追加し
ている)。
性素子、36…底板、44…スラグ・バス、48…鋳造体、50…電流源、52
,54…大電流電線、56,60,64…スイッチ
Claims (17)
- 【請求項1】 短い導電性水冷式チルモールドであって、チルモールドの開
口内に置かれ、かつ水冷されているマンドレルと共に、中空鋳造用の鋳造空隙を
形成しているチルモールドを使用して、エレクトロスラグ溶解または鋳造方法に
より金属、特に鋼、NiベースおよびCoベースの合金の中空鋳造体を製造する
方法において、 金属レベルを覆い、前記チルモールドの壁および/または水冷マンドレルに組
み込まれ、かつ直接水冷されない複数の導電性素子を通して電流を導くスラグ・
バス内に、直流または交流電流を導入し、 前記電流によりスラグ・バスを加熱し、 前記電流を、チルモールドとマンドレルの導電性素子のうち前記電流の導入に
使用されない導電性素子および/または製造される鋳造体の導電性素子を通して
回収し、 導電性素子の少なくとも1つが水冷チルモールドまたはマンドレルそれぞれの
他の部分に対し電気的に絶縁されている、 ことを特徴とする方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記チルモールドの壁および/または水
冷マンドレルに組み込まれている前記導電性素子がスラグ・バスにより完全に覆
われていることを特徴とする方法。 - 【請求項3】 請求項1または2において、前記中空鋳造体がチルモールド
とマンドレルとの間の鋳造空隙から下方に、前記鋳造体レベルが前記導電性素子
に対しほぼ一定レベルを維持する速度で引き抜かれることを特徴とする方法。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載された方法であって、チル
モールドに対する間隔を変化できる底板を使用して鋳造する方法において、 前記底板およびその上に形成される前記中空鋳造体が固定されており、前記チ
ルモールドおよびマンドレルを、前記鋳造体レベルが前記導電性素子に対しほぼ
一定レベルを維持する速度で上昇させることを特徴とする方法。 - 【請求項5】 請求項4において、前記チルモールドおよびマンドレルが、
金属レベルの上昇速度で上昇することを特徴とする方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スラグ・バスへの溶
解電流の供給がマンドレルの前記導電性素子によりなされ、電流源への回収がチ
ルモールドの前記導電性素子によりなされることを特徴とする方法。 - 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スラグ・バスへの溶
解電流の供給がマンドレルの前記導電性素子によりなされ、電流源への回収が前
記中空鋳造体と前記底板とによりなされることを特徴とする方法。 - 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スラグ・バスへの溶
解電流の供給がマンドレルの前記導電性素子によりなされ、電流源への回収が前
記中空鋳造体および前記底板と、チルモールドの前記導電性素子とによりなされ
ることを特徴とする方法。 - 【請求項9】 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スラグ・バスへの溶
解電流の供給がチルモールドの前記導電性素子によりなされ、回収が前記マンド
レルによりなされることを特徴とする方法。 - 【請求項10】 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スラグ・バスへの
溶解電流の供給がチルモールドの前記導電性素子によりなされ、電流源への回収
が前記中空鋳造体と、前記底板とによりなされることを特徴とする方法。 - 【請求項11】 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スラグ・バスへの
溶解電流の供給がチルモールドの前記導電性素子によりなされ、電流源への回収
がマンドレルの前記導電性素子と、前記中空鋳造体および前記底板とによりなさ
れることを特徴とする方法。 - 【請求項12】 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スラグ・バスへの
溶解電流の供給がチルモールドおよびマンドレルの前記導電性素子によりなされ
、前記導電性素子が他の部材に対して電気的に絶縁されており、電流源への回収
が前記中空鋳造体と、前記底板とによりなされることを特徴とする方法。 - 【請求項13】 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スラグ・バスへの
溶解電流の供給が前記底板と鋳造体とによりなされ、回収が前記マンドレルおよ
び/またはチルモールドによりなされることを特徴とする方法。 - 【請求項14】 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スラグ・バスへの
溶解電流の供給が前記底板とマンドレルの前記導電性素子とによりなされ、電流
源への回収がチルモールドの前記導電性素子によりなされることを特徴とする方
法。 - 【請求項15】 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スラグ・バスへの
溶解電流の供給が前記底板とチルモールドの前記導電性素子とによりなされ、電
流源への回収がマンドレルの前記導電性素子によりなされることを特徴とする方
法。 - 【請求項16】 請求項6〜13のいずれかにおいて、直流電流を使用する
とき、その極性が変化可能であることを特徴とする方法。 - 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかに記載の方法を実施する装置で
あって、 前記装置は短い導電性水冷式チルモールド(10)を備え、前記チルモールド
はそれの開口内に置かれ、かつ水冷されているマンドレルと共に中空鋳造用の鋳
造空隙を形成しており、かつ、チルモールドとの間隔を可変できるようにチルモ
ールド(10)に関連付けて設定されている底板(36)を持ち、 前記底板および導電性素子(24、26)の両方がチルモールド(10)内で
分離して設けられており、 マンドレル(14)が、スイッチ(64、56、60)を持つ大電流電線(5
2、54)により、電流源(50)に接続されている、 ことを特徴とする装置。
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