JP2003521898A - 廃液中のポリリン酸蓄積生物を検出するためのプローブおよびプライマー - Google Patents

廃液中のポリリン酸蓄積生物を検出するためのプローブおよびプライマー

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リンダ ルイス ブラックオール,
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シーアールシー フォー ウェイスト マネージメント アンド ポリューション コントロール リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、廃液からリンを生物学的に除去できるポリリン酸蓄積生物の同定に関する。 具体的には、本発明は、試料中のポリリン酸蓄積生物を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーを提供するものである。 これらのオリゴヌクレオチドは、ポリリン酸蓄積生物の16S rDNAに特有の少なくとも12個のヌクレオチドからなる配列を有する。 本発明はさらに、ポリリン酸蓄積生物を検出するための方法を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、廃液からリンを生物学的に除去することができるポリリン酸蓄積生
物の同定に関する。 特に、本発明は、廃液試料中における当該生物の存在また
は数を迅速に評価するための方法に関する。 これら生物の数は、廃液中の微生
物集団によるリン除去性能を示す。
【0001】 緒 言 家庭廃液は、一般に、炭素(C)、窒素(N)、リン(P)などの栄養塩を廃液から除
去して広範囲にわたる富栄養化を防止するように設計された活性汚泥プロセスで
処理される(MetcalfおよびEddy、1991)。 このプロセスは、微生物が当該栄
養塩を廃液から吸い上げて増殖および分裂時の細胞への取り込みや、栄養塩を揮
発させることを利用した、生物学的に行われるプロセスである。 例えば、硝酸
塩を還元して二窒素ガスに変え、大気中に放出することが可能である(Seviour
およびBlackall、1999)。
【0002】 活性汚泥プロセスにおける微生物は、フロック、すなわち、直径約100μmの三
次元凝集物として増殖する。 重力沈降を利用すれば、これらのフロックを処理
廃液から分離することが可能であるが、このような分離プロセスでは問題が起こ
りやすく、オーストラリアだけでも修復活動に毎年数十万ドルの費用を要してい
る。 こうした問題が発生する主な理由には、次の2つがある。
【0003】 1.バイオマスが処理水から分離されない、固形分分離面での問題。
糸状菌がフロック間に絡み付いてフロックの沈降圧密が阻害されると、バルキン
グと呼ばれる現象が発生する。 液面に選択的に浮遊する疎水的な糸状菌によっ
てバイオマスが過剰増殖した場合も、バイオマスを固形画分と液分とに完全に分
離することはできなくなる。 後者の問題は発泡と呼ばれている。
【0004】 2.適切な活性微生物群集の消失。 廃液の微生物群集中における微生
物の個体群それぞれが、PまたはNの摂取および除去に関与している。 これら
の個体群が一定数より少なくなると、それに応じて、PとNの除去率も低下して
しまう。
【0005】 廃液からのPの除去については、ENHANCED生物学的リン除去(EBPR)と呼ばれ
るプロセスにおいて、化学的沈殿または生物学的機序によって達成することがで
きる。 EBPR活性汚泥処理プラントの基本構成では、嫌気槽に送られる流入廃液と二次ク
ラリファイヤーから戻される微生物バイオマスとが嫌気槽にて混合され、いわゆ
る、曝気槽内混合液が得られる。 この曝気槽内混合液を好気槽に供給した後、
二次浄化器において処理廃液からバイオマスを分離する。 これらの系では、ポ
リリン酸蓄積生物(PAO)(van Loosdrechtら、1997)が選択的に濃縮され、好気
槽で余分なリン酸塩の蓄積が発生する。 増殖しているバイオマス(廃活性汚泥
)の一部を除去すると、結局は廃液からPをすべて除去することになる。
【0006】 EBPR作業での過去30〜40年におよぶ経験から、プラントオペレータらが以前よ
り上手にEBPRプロセスを行うことができるようになった(Hartley & Sickerdick
、1994)。 しかしながら、このような経験にもかかわらず、EBPRプロセスは時
折機能しなくなるため、EBPR微生物学に関する研究が重要であることに変わりは
ない。 Pレベルを監視している廃液処理プラントオペレータが、EBPRプロセス
の障害を検出する頃には、障害の原因となった微生物群集の変化から一定時間が
経過しているばかりか、微生物群集に入ることができないほどPAOのレベルが低
下してしまう場合もある。 さらに、PAOは完全には同定されておらず、P除去
の生化学的経路も分かっていない。 研究者らは、EBPRプロセスで観察される化
学変換全体に適応する生化学的モデルを構築した(Comeauら、1986;Wentzelら
、1991)。
【0007】 分離菌の代謝能とEBPR用に提案された生化学的モデルとを整合させようとする
研究調査が、数多くなされてきた。 これらの研究調査は、ほとんどがAcinetob
acter属の単離物に焦点を絞っていた。 この属のメンバはEBPR汚泥からの単離
が容易であり(Fuhs & Chen、1975;Kerdachi & Healey, 1987;Wentzelら、198
8)、単離物の中にはEBPRにとって重要な特性を呈するものがある(Deinemaら、
1985;Streichanら、1990)ことがその理由である。 しかしながら、Acinetoba
cterがEBPRに関与していない場合があることを示す証拠として、生物学的モデル
とは相関しない純培養の特性(Bond、1997;Tandoiら、1998)ならびに、EBPRを
説明できるほど十分な数のAcinetobacterが存在しないことを示す、EBPR細菌群
集に関する分析結果(Bond、1997;Cloete & Steyn、1987;Kampferら、1996;M
elasniemiら、1999;Wagnerら、1994)があげられる。 他のEBPR関連微生物に
関する研究調査は乏しいが、Microlunatus phosphovorus (Nakamuraら、1995;
Ubutaka、1994)などのグラム陽性菌、グラム陰性Lampropedia(Stanteら、1997
)およびActinobacteriaおよびα−Proteobacteria(Kawaharasakiら、1999)に
多少なりとも関心がもたれている。 しかしながら、これらの細菌がPAOの一例
であるという共通認識は得られておらず、特に、Minoら(1998)は単一の優勢PA
Oではなく、何種類かの細菌群が重要である可能性があるという結論を下した。
【0008】 単離戦略にてP除去表現型を用いる簡単な方法を欠いているため、推定された
PAOを単離することができずにいる。
【0009】 処理系を効率よく管理するには、廃液からの生物学的リン除去の促進に関与す
る微生物について知ることができると望ましい。 また、万が一、EBPRプロセス
に障害が発生しはじめた場合の早期警告システムのように、当該生物の数を迅速
に判定して微生物群集のリン除去能を評価できると望ましい。
【0010】 発明の要旨 本発明の目的は、試料中に含まれるポリリン酸蓄積生物の検出に利用できるオ
リゴヌクレオチドを提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、試料中
での上記生物のレベルを検出または定量化する方法を提供することにある。
【0011】 本発明の第1の実施形態によれば、試料中のポリリン酸蓄積生物を検出するた
めのオリゴヌクレオチドプローブであって、前記オリゴヌクレオチドがポリリン
酸蓄積生物の16S rDNAに特有で、少なくとも12個のヌクレオチドからなる配列を
有する、オリゴヌクレオチドプローブが得られる。
【0012】 本発明の第2の実施形態によれば、ポリリン酸蓄積生物の16S rDNAに特有で、
かつ少なくとも12個のヌクレオチドからなる配列を有する、ポリリン酸蓄積生物
のDNAのPCR増幅用のオリゴヌクレオチドプライマーが得られる。
【0013】 本発明の第3の実施形態によれば、ポリリン酸蓄積生物の16S rDNAのPCR増
幅用のプライマー対であって、 (a) 前記16S rDNAの一方の鎖から選択される配列を有する、少なくとも
12個のヌクレオチドからなる第1のオリゴヌクレオチドと、 (b) 前記第1のオリゴヌクレオチド配列よりも下流の、前記16S rDNAの
他方の鎖から選択される配列を有する、少なくとも12個のヌクレオチドからなる
第2のオリゴヌクレオチドと、を含み、 前記第1および第2のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一方が、ポ
リリン酸蓄積生物の16S rDNAに特有の配列を有する、前記プライマー対が得られ
る。
【0014】 本発明の第4の実施形態によれば、試料中のポリリン酸蓄積生物細胞を検出す
る方法であって、 (a) 前記試料中の細胞を処理し、細胞内容物を固定し、 (b) 前記プローブが前記固定した細胞内で16S rRNAとハイブリダイズで
きる条件下にて、工程(a)で得られる前記固定した細胞を、第1の実施形態によ
るオリゴヌクレオチドである標識オリゴヌクレオチドプローブと接触させ、 (c) ハイブリダイズしなかったプローブを前記固定した細胞から除去し
、 (d) 前記標識プローブ−RNAハイブリッドを検出する工程と、を含む
方法が得られる。
【0015】 本発明の第5の実施形態によれば、試料中のポリリン酸蓄積生物を検出する方
法であって、 (a) 前記生物の細胞から核酸を得、 (b) 前記プローブが16S核酸分子にハイブリダイズできる条件下にて、
工程(a) で得られた核酸と、第1の実施形態によるオリゴヌクレオチドである標
識オリゴヌクレオチドプローブまたは固定化オリゴヌクレオチドプローブとを接
触させ、 (c) 必要に応じて、ハイブリダイズしなかったプローブと標識プローブ
−核酸ハイブリッドとを分離し、 (d) 前記標識プローブ−核酸ハイブリッドを検出する工程と、を含む方
法が得られる。
【0016】 本発明の第6の実施形態によれば、試料中のポリリン酸蓄積生物を検出する方
法であって、 (a) 生物の細胞を溶解させ、ゲノムDNAを放出し、 (b) 工程(a) で得られた変性ゲノムDNAを第3の実施形態によるプラ
イマー対と接触させ、 (c) 前記プライマー対と前記rDNAとを周期的に反応させて、前記生物の
16S rDNAを増幅し、増幅産物を産生せしめ、 (d) 前記増幅産物を検出する工程と、を含む方法が得られる。
【0017】 本発明の他の実施形態では、試料中のポリリン酸蓄積生物数を数量詞で表す方
法が得られる。 また、本発明は、ポリリン酸蓄積生物の検出または数量詞表現
に適したオリゴヌクレオチドプローブを同定する方法も提供するものである。
【0018】 発明を実施するための裁量の形態および他の形態 本願明細書では以下の略記号を使用する。
【0019】 bp 塩基対 C 炭素 CH 炭水化物 EBPR enhanced生物学的リン除去 FID GC 水素炎イオン化検出器ガスクロマトグラフィ FISH 蛍光in situハイブリダイゼーション HRT 水理学的滞留時間 N 窒素 P リン PAO ポリリン酸蓄積生物 PCR ポリメラーゼ連鎖反応 PHA ポリヒドロキシアルカン酸 Pns 不溶性リン酸塩 Psol 可溶性オルトリン酸塩 Pt 全オルトリン酸塩 rDNA リボソームDNA RFLP 制限酵素断片長多型 rRNA リボソームRNA SBR 配列決定用回分反応槽 SEP サンフランシスコ市南東地区汚水処理プラン
ト SRT 汚泥滞留時間 Tm 融点 Td 解離点 TSS 全浮遊物質 VSS 揮発性浮遊物質 DNAにおけるヌクレオチドの1文字コードは、Biochemical Journal 219、3
45〜373(1984)に記載されているIUPAC−IUB標準に準拠している。
【0020】 本願明細書では、文脈または用法から特定の内容を除外して解釈する必要があ
る場合を除き、ここに明記した1つの整数またはここに明記した複数の整数を含
むが、他の1つの整数または他の複数の整数を除外するものではないことを示す
目的で、「comprise(含む)」という用語ならびに「comprises」や「comprisin
g」など当該語句の派生形を使用する。
【0021】 以下に引用する刊行物または文献それぞれの内容全体を本願明細書に援用する
【0022】 しかしながら、文献または刊行物の相互参照は、当該文献または刊行物が一般
的な共通認識をなすことを意味するものではない。
【0023】 本願発明者らは、実験室規模の配列決定用回分反応槽(SBR)を利用して、ポ
リリン酸蓄積生物(PAO)を豊富に含む汚泥を生成し、これらの汚泥および他の
汚泥から16S rDNAクローンライブラリーを調製した。 特徴決定を行った16S rD
NA配列が、細菌亜門β−2 Proteobacteriaに属するPAOに由来するものであり、1
6S rRNA配列はRhodocyclus spp.およびPropionibacter pelophilusと最も密接
に関連しているという証拠が提供される。 本願発明者らは、意外なことにPAO
の16S rDNAには特有の配列があり、この配列をオリゴヌクレオチドプローブまた
はプライマー用の配列として利用できるということを見出した。 PAOを検出す
るためのさまざまなハイブリダイゼーション法や当該生物のDNAをPCR増幅
するためのプライマーに、上記のプローブを利用することができる。
【0024】 本発明の第1の実施形態による16S rRNAまたはrDNAに特異的なオリゴヌクレオ
チドプローブまたはプライマーは一般に、約12〜50ヌクレオチド長である。 15
〜25ヌクレオチドが好ましい長さである。 第1の実施形態の特に好ましいオリ
ゴヌクレオチドは以下のとおりである。
【0025】 5’−CCGTCATCTACWCAGGGTATTAAC−3’ 5’−CCCTCTGCCAAACTCCAG−3’ 5’−GTTAGCTACGGCACTAAAAGG−3’ また、本発明は、PAOと密接に関連する生物を検出するためのプローブまたは
プライマーも提供するものである。 このようなプライマーを用いることで、プ
ライマーの5’末端におけるミスマッチが問題にならなくなる。 PAOと密接に
関連する生物を検出するのに好ましいプライマーとは、以下の配列を有するもの
である。
【0026】 5’−AGGATTCCTGACATGTCAAGGG−3’ 図3に示す配列アライメントから他の好適な配列を選択してもよい。
【0027】 本発明によるプライマーおよびプローブの設計時には考慮すべき要素がいくつ
かある。以下、これらの要素について簡単に説明する。
【0028】 特異性。 特異性は、プローブおよびプライマーを設計する上での最も重要か
つ最優先の考慮事項である。 ミスマッチが全くない(規範的ではない塩基対形
成)、標的生物の16S rRNAおよびまたは16S rDNAと相補な配列を選択することで
達成される。ハイブリダイゼーションの発生を確実に防止するためには、非標的
生物はプローブまたはプライマー配列に対してミスマッチを少なくとも1つ有す
るものでなければならない。 ハイブリダイゼーションプローブにおけるミスマ
ッチの最適な位置はオリゴヌクレオチドの中央部分にあり、PCRプライマーに
おけるミスマッチの最適な位置は3'(伸長)末端にある。 本発明のプローブに
ついては、いずれもARBソフトウェアパッケージ(Strunkら、未公開)を用い
て特異性に合わせて設計した。 続いて、ARBでの初期設計後に以下のパラメ
ータを評価した。
【0029】 熱力学的な検討事項。 プローブまたはプライマーのハイブリダイゼーション
は物理的なパラメータに左右され、このうち最も重要なのが温度である。 した
がって、融点(Tm)または解離点(Td)など、プローブまたはプライマーの熱力
学的パラメータ(Keller、1993)によって、オリゴヌクレオチドの特定のハイブ
リダイゼーションが発生する条件が決まる。
【0030】 受容性。 FISHの場合、本発明の第2の実施形態によれば、設計上の重要な考
慮事項にリボソームの受容性がある(Fuchsら、1998)。 リボソーム内にある1
6S rRNAの領域の中には、他の領域よりも受容性が低いものがあり、最悪の場合
にはこれらの部位に対するオリゴヌクレオチドの進入が妨害されると検出ができ
なくなる。
【0031】 二次構造についての考慮事項。 オリゴヌクレオチドは、ダイマーの形成また
はヘアピン構造につながる自己相補性を持つ場合がある。 イオンチャンネル膜
バイオセンサと併用する場合、プローブの二次構造は設計上の重要なパラメータ
のひとつである。
【0032】 本発明の第2の実施形態によるプライマーは、第1の実施形態のプローブと同
様に、一般に12〜50ヌクレオチド長である。 好ましい長さは、12〜22ヌクレオ
チドである。
【0033】 本発明の第3の実施形態によるオリゴヌクレオチドプライマー対は、標的配列
の一方の鎖にアニールするオリゴヌクレオチドプライマーと、標的配列の他方の
相補鎖とアニールする第2のオリゴヌクレオチドプライマーとを含む。 PCR
で二本鎖増幅産物を生成するには、第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、相
補鎖に発生する第1のオリゴヌクレオチドプライマー配列よりも下流の相補鎖と
アニールしなければならないことは理解できよう。 増幅産物は検出しやすいよ
うなサイズのものである。 一般に、標的DNAにおける第1のオリゴヌクレオチドプライマー部位と第2の
オリゴヌクレオチドプライマー部位とは、50〜1,400bp離れている。 400〜1,00
0bpが、好ましい分離距離である。
【0034】 上述したように、本発明の第1の実施形態によるプローブを、PAOを検出する
ためのハイブリダイゼーションプローブとして利用することができる。 好まし
いハイブリダイゼーション法のひとつにFISHがあり、これには上記した特定のオ
リゴヌクレオチドが特に適している。 しかしながら、後述するような他のどの
ようなハイブリダイゼーション法においても、これらのプローブを利用すること
ができる。
【0035】 本発明によるプローブを利用した方法を、第4の実施形態に定義する。 この
プローブ標識は、プローブ−RNAハイブリッドのin situ検出に適したものであれ
ば、どのような標識であってもよい。 フルオレセインなどの蛍光標識が、好ま
しい標識である。 FISH法についての詳細な説明が、De Longら(1989)による
文献に記載されており、その詳細情報を参考文献一覧にあげておく。
【0036】 本発明の第5の実施形態によれば、第1の実施形態のプローブを、一層汎用的
なハイブリダイゼーション法またはイオンチャンネルバイオセンサなどの特定の
技法に利用することができる。 具体的には、PAO由来の核酸を膜などの不活性
支持体に固定化することができる。 プローブを固定化核酸にハイブリダイゼー
ションした後、標識によってハイブリッドを検出する。 特に便利なハイブリダ
イゼーション法では、Stahlら(1988)によって説明されている定量的方法のよ
うな、スロットブロットマニホールドを活用する。
【0037】 汎用的なハイブリダイゼーション法で使用されるプローブは、50ヌクレオチド
以内という一般的な長さよりも長いものであってもよい。
【0038】 イオンチャンネルバイオセンサでは、プローブをイオンチャンネル膜バイオセ
ンサに結合する。 標的16S rDNAまたはrRNAがプローブに結合すると、イオンチ
ャンネルスイッチが入れられる。 スイッチング事象が起こると導電率が降下し
、これによって標的核酸が存在することが示されている。 バイオセンサの機序
については、Cornellら(1997)による文献に詳細に説明されている。
【0039】 本発明によるプローブの標識は、当業者間で周知のどのような標識であっても
よい。 たとえば、この標識には、放射性標識、レポーター基またはハプテンが
可能である。
【0040】 第5の実施形態の方法を利用して試料中のPAO細胞数を定量化することも可能
である。 普及が進んでいるハイブリダイゼーション法を利用する場合、定量化
は、プローブ−核酸ハイブリッドから得られるシグナルと参照標準または複数の
標準とを比較することによって行われる。 すなわち、細胞数が分かっているか
PAO DNA量が分かっており、かつ被検試料中の細胞またはDNAの定量的な測定に用
いる標準から得られるシグナルを含む標準を構築する。 スイッチングイベント
のトリガ時における導電率の降下から定量的な測定値が得られるため、細胞数の
定量的な判定にはイオンチャンネルバイオセンサが特に適している。
【0041】 本発明の第6の実施形態では、PCRを利用し、オリゴヌクレオチドプライマ
ーを用いて16S rDNA配列を指数的に増幅する。 微生物の検出にこれを利用した
例が、 Burrellら(1998)に記載されている。 増幅DNAの検出については、当業者
間で周知のどのような方法によって行ってもよい。 例えば、増幅DNAをアガ
ロースゲル電気泳動によって分析した後染色して、予想したサイズのDNAバン
ドを識別することが可能である。 増幅産物を検出するための他の方法としては
、ハイブリダイゼーション、特に、増幅DNAの末端間にあるDNAの一部と相
補である、標識内部オリゴヌクレオチドプローブを用いる溶液ハイブリダイゼー
ションがあげられる。 内部オリゴヌクレオチドについては、当業者間で周知の
どのような標識を用いて標識してもよい。 例えば、この標識は放射性標識であ
ってもよいしビオチンなどの非放射性標識であってもよい。 ニックトランスレ
ーションを利用して内部プローブを標識することもできる。
【0042】 本発明によるプローブおよびプライマーは従来の方法で作出できるものである
。 必要があれば、プローブまたはプライマーをなすオリゴヌクレオチドの合成時に
標識を行ってもよいし、合成後に行ってもよい。 プライマーを標識するための
方法については、Sambrookら(1989)などの標準的なテキストに記載されている
【0043】 プローブおよびプライマーを、本発明の方法で使用するキットとして提供する
ことができる。 キットには、プローブまたはプライマー1種と、この方法を実
施するのに必要な適当な試薬とを同梱することができる。 標的DNAのPCR
増幅用のキットには、第3の実施形態によるプライマー対が少なくとも1種含ま
れるようにしておくと都合がよい。 定量的な方法の場合、少なくとも1種の参
照標準を含むキットが都合がよい。
【0044】 本発明による方法を用いることで、汚泥試料または廃液試料にPAOが含まれて
いるか否かを迅速かつ好都合に評価することが可能になり、試料中のPAO細胞レ
ベルを定量かすることも可能になる。 したがって、廃液系の管理者らは、PAO
レベルにより系の障害をすみやかに診断することができる。 本発明によるキッ
トは、この点で特に有用なものである。
【0045】 PAO特異的プローブおよびプライマーを開発するには配列情報が必要である。
【0046】 PAO 16S rDNA配列および他の生物由来の16S rDNA配列のパネルを構築しなけれ
ばならない。 このパネルから、PAO 16S rDNAに一意な配列を選択することがで
きる。 図3に示す配列アライメントは、PAOに特有の配列の同定に特に適した
パネルをなしている。 本発明のさまざまな実施形態で利用する汎用的な技法は
当業者間で周知のものとなろう。 このような技法は、Sambrookら(1989)など
に説明されている。
【0047】 限定の意図を伴わない本発明の実施例を、以下にあげる。
【0048】 実施例1 ポリリン酸蓄積生物を検出するためのプローブの開発 本実施例では、さまざまな汚泥をポリリン酸蓄積生物を豊富に含むものとする
にはどうすればよいか、また、これらの汚泥から16S rDNAクローンライブラリを
作出して特徴付けを行い、FISHプローブを開発することについて説明する。1.1 方法 ポリリン酸蓄積微生物を増やした汚泥の生成 オーストラリアのクイーンズランド州ブリズベンにおいて2種類の汚泥(A汚
泥およびGRC汚泥)を得て、また、1種類(B汚泥)を米国カリフォルニア州
サンフランシスコで得た。 A汚泥およびGRC汚泥に用いた反応槽および培地
ならびにその評価方法については、Bondら(1999a)によって報告されているも
のと同一である。
【0049】 簡単に説明すると、ENHANCED生物学的リン除去(EBPR)に合った周期的な嫌気
/好気条件で合成廃液混合物を利用して、1.8〜2リットル容の配列決定用回分
反応槽(SBR)を稼働させた(Bondら、1999a)。 SBRにはpH電極および携帯式
溶存酸素電極を設け、嫌気に2時間、好気に3.5時間、沈殿に0.5時間の合計6時
間の稼働サイクルを維持した。 嫌気時間の最初の10分で培地900mlまたは1リ
ットルを供給し、沈殿ステージの最後の5分で処理上清900mlまたは1リットル
を引き抜いて、12時間の水理学的滞留時間(HRT)を確保した。 曝気中は、汚
泥滞留時間(SRT)が8〜10日になるように曝気槽内混合液を廃棄した。
【0050】 A汚泥への流入物のPO4−P濃度は57mg PO4−P/リットルまで増加したが、GR
C汚泥では28mg/リットルであった。 A汚泥での排出物のPO4−P濃度は常に検
出限界(0.05mg PO4−P/リットル)以下であった。 この時点で、混合A培養
のP%は、 15.1%であった。 安定した規則的な稼働時間で12ヶ月の期間にわたってGRC反
応槽のパフォーマンスを変動させ、FISHによって汚泥を分析し、P%を求めた。
【0051】 GRC汚泥から得られた、図1に示す画像は、反応槽の排出物が6.7mg PO4−P/
リットルで汚泥にPが6.7%含まれていた時点のものである。
【0052】 作業容積1リットル、温度23.5℃±2℃にて、反応槽BもSBRとして稼働させ
、1%HClまたは40g/リットルのNa2CO3溶液を添加してpHを7.15〜7.25の範囲
に調節した。 6時間のサイクルを、嫌気に1.83時間、好気に3時間、沈殿に0.5時間、吸引、
投入、窒素ガスの揮散に0.67時間で構成した。 沈殿段階ごとに反応槽内容物50
0mlを引き抜き、新たな供給栄養塩500mlと交換することによって、12時間のHRT
を確保した。 供給ポンプおよび排出ポンプ、空気流および窒素流、混合での時
間の決まった動作を、プログラム可能なコントローラー(カリフォルニア州サン
ディエゴ、Chrontrol社のモデルCD−4)によって行った。 同じサイクルで
の沈殿段階の直前に反応槽の混合内容物の一部を1日1回手作業で引き抜くこと
によって、4日のSRTを確保した(1日あたり25%のバイオマスを廃棄)。 反
応槽内の汚泥のP%は17.2%であった。
【0053】 多孔性散気装置を通してN2ガスを連続通気し、嫌気条件を保持した。 供給
汚泥を加える約30分前に酸素のN2揮散が開始された。 多孔性散気装置を通し
て大気を通気し、好気条件を保持した。 空気とN2の流量は約500ml/分とした
。 反応槽内酸素電極(ニュージャージー州エジソン、New Brunswick Scientif
ic社、M1016−0770)、溶存酸素計(New Brunswick Scientific社、型番DO-40
)およびストリップチャートレコーダ(ニューハンプシャー州マンチェスター、
Rustrak社、型番288)を用いた連続測定によって、嫌気条件および好気条件を確
認した。
【0054】 供給栄養塩と供給炭素とを別々に加えた。 供給栄養塩については、(1リッ
トル当たり)NaH2PO4・2H2Oを259mg(50mg P/リットル)と、KClを117mgと、
NH4Clを119mgと、MgCl2・6H2Oを219mgと、MgSO4・7H2Oを14.4mgと、CaCl2を45
.9mgと、酵母エキスを8.3mgと、10%HClを0.24mlと、微量元素溶液0.20mlと、Fe
SO4溶液0.15mlとで構成した。 微量元素溶液は、(1リットル当たり)H3BO3
300mgと、ZnSO4・7H2Oを1500mgと、KIを75mgと、CuSO4・5H2Oを300mgと、Co(
NO3)2・6H2Oを367mgと、Na2MoO4・2H2Oを150mgと、MnSO4・H2Oを1,679mgとで
構成した。 FeSO4溶液は、FeSO4・7H2Oを2,054mg/リットルであった。 供給
炭素については、濃縮ストック溶液(1サイクル当たり10ml)として添加した。
【0055】 供給炭素は、供給栄養塩1リットル当たりCH3COONa・3H2Oを425mgとカサミノ
酸30mgとで構成したものであった。
【0056】 6槽が直列に設けられ、最初の1槽が嫌気分離選別機として機能する純酸素活
性汚泥処理プラントである、サンフランシスコ市南東地区汚水処理プラント(SE
P)から得た曝気槽内混合液を反応槽に入れた。 嫌気分離選別機の可溶性P濃
度が高いことから、SEP内にEBPR生物が存在することが分かった。
【0057】 反応槽の分析。 排出物のP濃度および汚泥のP%によって嫌気時間と好気時
間の終了時に上澄のP濃度および酢酸塩濃度を求め、3つの反応槽(A、GRCお
よびB)すべての性能を表面的に評価した。 P濃度および酢酸塩濃度について
は、調製した供給物のバッチごとにも求めた。 反応槽での作業時に毎週または
隔週の周期でサイクル研究を行った。 上澄の酢酸塩濃度とP濃度ならびに細胞
の炭水化物およびポリヒドロキシアルカン酸(PHA)含有量を求める不連続な1
サイクルの間、試料を0.5時間ごとに反応槽から回収した。 A反応槽およびGRC
反応槽では、Bondら(1999a)によって報告された分析方法を用いたが、B反応
槽で利用した方法は以下のとおりである。 化学分析 リン酸塩。 可溶性オルトリン酸塩(Psol)を、モリブデン青比色法(方法45
00−P C;APHA他、1992)によって、GF/B濾過(英国メードストンのWhatman
International社、P/N 1821025)試料または0.45μm膜濾過(ニューヨーク
州イーストヒルのGelman Sciences、P/N 60172)試料で求めた。 全オルトリン
酸塩(Pt)を過硫酸塩消化法(方法4500-P B.5;APHA他、1992)によって求め
た。 好気段階の終了時に採取した試料の不溶性リン酸塩(Pns)量を(Pt-Psol
)として算出した。
【0058】 酢酸塩。 J & W Scientific DB-FFAP 0.53mmキャピラリーカラムを用いる水
素炎イオン化検出器ガスクロマトグラフィ(FID GC)によって、酸性化濾過(GF
/Bまたは0.45μm膜フィルタ)試料で酢酸塩を分析した。 濃H3PO4を用いて
試料を酸性化し、試料2μlを注入する分析を行うまで4℃にて保存した。 流
量15ml/分のN2をキャリアガスとし、FIDへのH2流量を20ml/分、空気流量を2
50ml/分とした。 90℃の時点でオーブン温度を50℃/分で110℃までの勾配と
し、110℃で30秒間保持し、50℃/分で130℃までの勾配とした。 インジェクタ
温度を250℃とし、FIDの方は加熱せずにおいた。
【0059】 ポリヒドロキシアルカン酸。 RiisおよびMai(1988)のGC方法を以下のよう
に変更し、PHAを求めた。 25mmのワットマンGF/Bフィルタで試料10mlを回収し
、100℃にて1時間すみやかに乾燥させた後、分析を行うまでデシケータで4℃
にて保存した。 4:1の1−プロパノール:HClを1mlとトリクロロエテン1mlとを、10ml容の
試料バイアルで各試料に添加し、バイアルに蓋をして3〜4時間かけて95〜100
℃まで加熱した。 試料を冷却し、続いて脱イオン水2mlで抽出した。 FID GC
(ガラス充填カラム、10%AT−1000樹脂 Chromosorb W-AW 80〜100メッシュ、
Varian製型番3700 GC)に2μLを注入して下相のPHAを測定した。 以下の温度
で2L容の試料を分析した。
【0060】 オーブン250℃、インジェクタポート250℃;FID 220℃。 内部標準には安息
香酸を用いた。
【0061】 炭水化物(CH)。 Jenkinsら(1993)に記載のあるアントロン法を、以下
のように変更して全CHを求めた。 15ml容の試験管にて試料を1mlまで希釈し分
析を行うまで冷凍しておいた。 代謝活性を急激に停止させるために希釈水を試
験管内で事前に冷凍した。 ワットマンGF/B濾過試料で可溶性CHを測定した。
試料のバッチごとに全く同じグルコース標準試料を組にして分析した。
【0062】 全浮遊物質(TSS)および揮発性浮遊物質(VSS)。 TSSおよびVS
Sについては、それぞれ標準的な方法2540Bおよび2540E(APHA他、1992)で求
めた。 微生物学的分析 混合培養の顕微鏡検査。 Bondら(1999a)が説明しているようにして、A反
応槽、GRC反応槽およびB反応槽ならびに他の反応槽から得た混合培養(汚泥)
を回収し、固定し、プローブ化した。 プローブ化した汚泥を時折手作業で計数
した。 この混合微生物培養には、プロセスを容易にするための光超音波処理(
Bondら、1999)が必要であった。 A汚泥では、α−Proteobacteria、β−Prot
eobacteria(β−1およびβ−2を含む)およびγ−Proteobacteria、Actinoba
cteria、Cytophaga−Flavobacteriumをすべての細菌の比率として求めた(プロ
ーブEUB338による;Bondら、1999a−プローブの詳細については下記を参照のこ
と)。 A汚泥およびGRC汚泥ならびに選択した他の汚泥について、メチレンブ
ルーおよびグラム染色(Bondら、1999a)も実施した。 B汚泥では、Eikelboo
mおよびvan Buijsen(1981)に記載されているようにしてナイセル染色、Hucker
変法によってグラム染色、Jenkinsら(1993)からインディアンインク染色を行
い、Murray(1981)に記載されているようにしてPHB染色を行った。 Nikon Mic
rophot FXA顕微鏡でPCに接続された電荷結合素子を介してグラム染色およびメ
チレンブルー染色の結果を示す光顕微鏡写真を撮影した。 Adobe Photoshopで
画像を作成した。 FISHプローブ化試料をZeiss LSM510とZeiss Axiophotの両方
で可視化した。 Zeiss LSM 510共焦点レーザ走査顕微鏡では、Axiovert 100M S
P研究用倒立型光顕微鏡およびPlan-Neofluar 63×/1.25開口数の対物レンズを
利用した。 走査時間は1フレームあたり31.8秒、4.48μs画素のドウェル時間
とした。 波長488nmのアルゴンレーザと、波長543nmのHeNeとを画像形成に用い
た。 フレームサイズを512×512画素とした。 図1に示す画像は、LSM510で撮
影してAdobe Photoshopで作成したものである。
【0063】 クローンライブラリ。 冷凍したA汚泥、P汚泥(Bondら、1999)およびB汚
泥から抽出したゲノムDNAから細菌16S rDNAクローンライブラリを作出し、各
クローンから得られるインサートを増幅し、過去に説明がなされている方法(Bu
rrellら、1998)を用いる制限酵素断片長多型(RFLP)分析に基づいて分類した
。 RFLP群を代表するクローンをプライマー530fで部分的に配列決定し、系統発
生学的に分析した(Bondら、1995;Burrellら、1998)。 選択したクローンイ
ンサートを、一定範囲のプライマーで完全に配列決定した(Blackall、1994)。
【0064】 過去に説明されているようにして(Dojkaら、1998)16S rDNA配列を系統発生
学的に分析した。 簡単に説明すると、ソフトウェアパッケージSeqEd(オース
トラリア、Applied Biosystems)を利用して配列をコンパイルした。 コンパイ
ルした配列を各々、基本的なローカルアライメント検索ツール(BLAST;Altschu
lら、1990)を用いて利用可能なデータベースと比較し、近い系統発生学的親和
性を判定した。 CHECK#CHIMERAプログラム(Maidakら、1999)ですべてのクロ
ーン配列を試験し、キメラ配列をすべて同定した。 コンパイルした配列をARB
ソフトウェアパッケージ(Strunkら、未公開)で整列させ、手作業でアライメン
トからノイズを取り除いた。 ARBデータベースに含まれる適当なツールを用
いて、16S rDNAアライメントについての進化距離分析を実施することで、系統樹
を構築した。 Kimuraの2−パラメータ法を用いる近隣接合法と節約法とを利用
して、ブートストラップ分析によって樹形トポロジーの信頼性を試験した(PAUP * のバージョン4.0b2a、Swofford、1999)。 プローブの設計、合成および使用 ARBソフトウェアパッケージ(Strunkら、未公開)のプローブ設計ツールを
用いてPAO特異的プローブを設計した。 データベースに含まれるすべての配列
についての比較分析結果に基づいて、他のどの参照配列とも区別できる推定PAO
配列内の特定の領域をプログラムで選択した。 次に、BLAST(Altschulら、199
0)を用いて配列の特異性を確認した。 設計したオリゴヌクレオチドを合成し
、ジェンセット(フランス)のインドシアニン染料CY3で5’末端を標識した。
【0065】 これらの蛍光標識プローブを、パラホルムアルデヒド固定A汚泥で評価した。
【0066】 0%ホルムアミドから開始して5%ホルムアミド増分で一連のFISH実験を実施
し、最適なプローブストリンジェンシーのホルムアミド濃度を求めた。 最低値
を除くすべてのストリンジェンシー条件下で、形態学的に異なるメチレンブルー
陽性球桿菌のクラスターが、PAOプローブを結合した唯一の細胞であった。 し
たがって、球桿菌クラスターを基準にして最適なホルムアミド濃度を求めた。
これが必要なのは、16S rRNAがPAOプローブを結合する純粋なクラスターが存在
しなかったためであった。 Erhartら(1997)が同様の方法を用いていた。 概
して、設計した3種類のPAOプローブ、すなわち、PAO462、PAO651およびPAO846
(下記参照)はいずれも、スライドガラスに滴下した個々の試料のどれでも適用
された。
【0067】 設計したプローブと他の汚泥との併用。 最適なプローブストリンジェンシー
のホルムアミド濃度を求めた後、実験室規模のプロセスならびに本格的規模のEB
PRプラントから得られる一定範囲の汚泥を回収し、固定し、新たに設計したプロ
ーブPAO462、PAO651およびPAO846を用いてプローブ化した。
【0068】 スロットブロットハイブリダイゼーション プローブの標識。 ディゴキシゲニン(DIG)オリゴヌクレオチド3’末端標
識キットを使用して、製造業者の指示に従い(ドイツのマンハイムにあるBoehri
nger Mannheim)、オリゴヌクレオチドプローブをディゴキシゲニン−ddUTPで標
識した。 標準的な20μlの標識反応は、未標識オリゴヌクレオチド100pmoleを
、25mM CoCl2 4μl、50Uターミナルトランスフェラーゼ、1mMディゴキシゲ
ニン-11-ddUTP 1μl、滅菌蒸留水に加える(最終容量20μlまで)ものであっ
た。 標識反応を37℃で15分間インキュベートし、続いて20mg/mlのグリコーゲ
ン溶液1μlと200mM EDTA 1μlとを加えて反応を停止させた。 0.1容の3M
酢酸ナトリウムと3容の100%エタノールとを加えて標識オリゴヌクレオチドを
沈殿させた後、−70℃にて30分間インキュベートした。 12,000gにて5分間遠
心した後、エタノールを除去し、70%冷エタノール50μlを用いてペレットを洗
浄した。 軽く遠心した後、70%エタノールを除去し、ペレットを真空下で乾燥
させた。 最後に、steril milli Q水20μl中に標識プローブを再懸濁させた
。 標識した対照DNA(製造業者が提供)の希釈液と新たな標識プローブの希
釈液とをナイロン膜に滴下し、各標識反応の収率を推定した。 化学ルミネセン
ス検出後、対照と比較することで標識プローブの収率を推定することが可能であ
った。
【0069】 膜へのRNAの適用。 96℃にて10分間加熱することで、すべてのRNA試料
を変性させた。 PR648スロットブロット装置(米国サンフランシスコ、Hoefer
Scientific Instruments)を使用して、若干の減圧下にて、変性RNA試料50μ
l容を正に荷電した湿ったナイロン膜(ドイツのマンハイムにあるBoehringer M
annheim)に区分け(slot)した。 続いて、5分間の紫外線放射または80℃に
て1時間の焼成によって、RNA試料をナイロン膜に固定化した。 定量的なハ
イブリダイゼーションを行うために、変性RNA標識(標準RNAを含む)各々
の10ng〜40ngの倍々希釈物を固定化した。
【0070】 ハイブリダイゼーションおよび洗浄。 ハイブリダイゼーション緩衝液(DIG
Easy Hyb、5×SSC、0.1%N−ラウリルサルコシン、0.02%SDSおよび1%ブロ
ッキング用緩衝液)5ml中にて40℃にて2時間、膜を予備ハイブリダイズさせた
。 ハイブリダイゼーション緩衝液5mlに入れたプローブ2〜5μl(1スロッ
トあたりプローブ0.1μl;10倍過剰)を用いて、40℃にて12〜16時間ハイブリ
ダイゼーションを行った。 ハイブリダイゼーション工程はいずれも、Hybaid M
ini 10ハイブリダイゼーションオーブン(英国ハイベイド)中にて実施した。
次に、1×SSC(150mM NaCl、15mMクエン酸ナトリウム、pH 7に調節)と1%SD
Sとを含有する洗浄用緩衝液中にて、同一の温度(40℃)で15分間、膜を2回洗
浄した後、プローブごとに定められたTd値で10分間洗浄した。
【0071】 化学ルミネセンス検出。 ハイブリダイゼーションおよびストリンジェンシー
洗浄に続いて、0.1Mマレイン酸、0.15M NaClおよび0.3%Tween 20を含有し、Na
OHでpH 7.5に調節した洗浄用緩衝液中にて、膜を5分間すすいだ。 高バックグ
ラウンドを排除するために、1%Diploma脱脂粉乳を含有するマレイン酸緩衝液
(0.1Mマレイン酸、0.15M NaCl、pH 7.5に調節)で構成されるブロッキング用
緩衝液25ml中にて膜を30分間ブロックした。 ブロッキング後、抗DIGアルカリ
ホスファターゼ溶液(ドイツのマンハイムにあるBoehringer Mannheim)2μl
をブロッキング用緩衝液20mlに溶解したものを用いて、室温にて膜を30〜60分間
インキュベートした。 洗浄用緩衝液25ml中で室温にて15分間、上述したように
して膜を2回洗浄し、検出緩衝液(0.1M Tris-HCl、0.1M NaCl、pH 9.5)25ml
中で5分間かけて平衡させた。 化学ルミネセンス基質であるCSPD(二ナトリウ
ム3-(4-メトキシスピロ{1,2-ジオキセタン-3,2'-(5'-クロロ)トリシクロ[3.3
.1.1]デカン}-4-イル)フェニルホスフェート)(ドイツのマンハイムにあるBoe
hringer Mannheim)を検出緩衝液中にて1/100に希釈し、CSPD溶液1〜2mlが
入ったハイブリダイゼーションバッグにそれぞれの膜を封入して、37℃にて5分
間インキュベートした。 ハイブリダイゼーションバッグから膜を軽く取り除き
、ワットマン3MM紙にブロットして過剰なCSPD溶液を除去し、37℃にてさらに15
分間インキュベート(再度ハイブリダイゼーションバッグに封入した後)し、発
光反応を促進した。 次に、LumiImager(ドイツのマンハイムにあるBoehringer
Mannheim)を用いて膜を可視化し、各スロットから得られる化学ルミネセンス
シグナルのレベルをLumiAnalystソフトウェアで定量化した。
【0072】 定量的ハイブリダイゼーション解析。 化学ルミネセンスシグナル(BLU=Beoh
ringer Light Unit)対ng RNAをプロットし、各RNA倍々希釈物の勾配値を生
成した。回帰係数が0.85であるという前提で、勾配データを利用してPAOの比率
(%PAO)を算出した。 各汚泥RNA試料での%PAOの算出には以下の式を用い
た。
【0073】 θx=[(Px/Pc)×(P’x/P’c-1]×100 (式中、θxは具体的なハイブリダイゼーション比率(プローブxにハイブリダ
イズしているRNA試料の比率)、Pは試料RNAに対するプローブのハイブリ
ダイゼーションの勾配、P’は純粋な既知の対照RNA(PAOクローンから得ら
れるRNA転写物)に対するプローブのハイブリダイゼーションの勾配、xは特
定のプローブ、cはユニバーサル細菌プローブEUB338である。 1.2 結果 A汚泥、GRC汚泥およびB汚泥の操作 反応槽の稼働データを表1に示す。 A汚泥およびB汚泥については、比較デ
ータをいくつか表2に示す。 比較データは、表の第1列目に示してある複数の
文献を出典としている。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】 実験室規模の系は、EBPRプロセスの良好なモデルであった。
【0077】 表1を参照すると、初期嫌気ステージでのバイオマスによるPの放出ならびに
酢酸塩の取り込みが認められることから、3種類のSBRではいずれもEBPRが行わ
れていることが分かる。 これは、供給時と嫌気ステージ終了時のPO4−Pデー
タおよび酢酸塩データを比較することで確認できる(表1)。 嫌気ステージ終
了時のPO4−P値を排出物の場合と比較すると分かるように、以後の好気時間で
はすべての汚泥が過剰量のPを取り込んでいた。 A汚泥およびB汚泥は、汚泥
のPO4−P含有量が15%を上回るP除去過剰状態であった。 これは無機ポリリ
ン酸約50%に相当する。 GRC汚泥は、廃液から20mg/Lを上回るPO4−Pを除去
できる良好なP除去汚泥であり(流入物中28mg PO4−P/Lおよび排出物中6.7m
g/Lに相当)、6.7%のPを含有していた(表1)。
【0078】 ここに示す結果から、A汚泥およびB汚泥は、最も過去に報告された汚泥より
も多くのPを除去でき、従来技術におけるどの汚泥よりも高比率(%)のPを含
有していた(表2参照)であることが分かる。 上記2種類の汚泥に匹敵するの
はWentzelらの汚泥(1988)のみであり、これらの汚泥すべてについて化学量論
的な比較結果が入手できる限りにおいて、データは著しく類似している(表2)
。 クローンライブラリー A汚泥から得た合計281の細菌16S rDNAクローン、P汚泥から得た89のクロー
ン、B汚泥から得た250のクローンを、RFLPによって評価した。 これらの汚泥
は高性能EBPR系(表1)であり、よって特定のFISHプローブを設計し得る良好な
PAO配列ソースであったため、16S rDNA配列を生成するように当該汚泥を選択し
た。 グループの代表を部分的に配列決定し、全体の結果を表3に示す。
【0079】
【表3】
【0080】 プローブ開発 複数の既知のFISHプローブを用いてグループプローブ化(group probing)実
験を行った。 これらのプローブの詳細を、表4に示す。 表5は、P除去能の
異なるA汚泥および複数の他の汚泥から得られたグループプローブ化の結果を示
すものである。PAOの存在を強く示唆しているA汚泥群集に目立つβ Proteobact
eria、特にβ2-Proteobacteriaは、この細菌亜門のメンバである。 いずれの
場合も、GRC汚泥のグループプローブ化の定量化は実施しなかったが、図2C(下
記参照)に、そのメチレンブルー染色によって得られた結果を示す。 顕微鏡検
査したEBPR汚泥には、ローガンホルム汚水処理プラント(本格的規模)や、改良
型廃液管理センター(A、P、GRC、生理食塩EBPRおよび反硝化用EBPR汚泥;こ
れらの汚泥の入手源については表2を参照のこと)で研究者らが稼働させている
多くの実験室規模の反応槽で入手したものが含まれていた。 このEBPR汚泥では
、いずれにおいてもPAOプローブ結合細胞のクラスターが、図2Aおよび2Cを参照
して後述するように、明確に認識できる均一かつ類似の細胞であった。
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】 上述したように、グループプローブ化ではPAOがβ−2 Proteobacteriaとして
広範囲にわたって傑出していた(表5参照)。 しかしながら、β−2 Proteob
acteriaプローブ(BTWO23a)はもともと、β−1 Proteobacteriaプローブ(BO
NE23a、Amannら、1996)に対する競合としてのみ設計されたものであった。
その特異性が広いのは、β−2 Proteobacteriaのみならず、β−3 Proteobact
eria、いくつかのγ Proteobacteriaおよび緑色非硫黄門クローン、OPB9を標的
する(ミスマッチなし)ためである。 したがって、β−2 Proteobacteria群
を標的するには一層特異的な別のプローブが必要であった。 この目的のために
、β−2 Proteobacteriaに属する、A、PおよびBの汚泥ライブラリーから得
られるすべてのクローンを完全に配列決定し、プローブ設計が可能なようにした
。 また、過去に報告されている2種類のEBPRおよび非EBPRクローンライブラリ
ー(Bondら、1995)から得られるβ−2 Proteobacteriaに属する、部分的に配
列決定したクローンと、未公開のライブラリーから得られる汚泥クローンSBRH14
7とを、完全に配列決定した。
【0084】 A汚泥クローンライブラリーにおける系統発生学的グループの組成比(表3参
照)が、FISHプローブ化によって判定されたもの(表5参照)とは、一致しなか
ったことに注意されたい。 本願発明者らは、クローンライブラリーでは分析対
象となる試料の微生物グループ集構造についての定量的なデータが得られるとは
限らないことを知っている。 特に、このことは、PAOに特異なプローブが必要
であることを強調するものである。
【0085】 図1は、PAOプローブの設計に用いた、ほぼ完全に配列決定したβ−2 Proteo
bacteriaクローンの系統樹と、プローブの特異性とを示している。 汚泥A、B
、P、SBRH、SBR1、SBR2およびGC(オーストラリアクイーンズランド州のゴー
ルドコースト)から16S rDNA配列を求めた。 公にアクセス可能なデータベース
から他の配列を得た。 分析時の外集団にはRubrivivax gelatinosus(D16213
)を使用したが、系統樹には示していない。 2000のブートストラップリサンプ
リングを用いて、PAUP*で進化距離と倹約度を分析した。 ノードの黒丸は、両
方の分析での>75%ブートストラップ支持を示す。 白丸は両方の解析での50〜
75%、半分塗りつぶした丸は一方のアルゴリズムで>75%ブートストラップ支持
、他方で50〜75%となる分析を示す。 コードP+++は、P除去過剰汚泥(汚泥
中にP約15%)から得られたクローンを示し、P++は良好なP除去汚泥、P+は
普通のP除去汚泥を示し、P−は非P除去汚泥を示す。 公開されているβ−2
Proteobacteriaプローブ(BTWO23a)の特異性と、この作業で設計したプロー
ブ(PAOプローブおよびRc988)の特異性を実線で示す。 配列に対する点線は、
プローブが、その配列と100%同一のものではないことを示す。 たとえば、Rc9
88にはSBRP112配列との間にミスマッチが1ヶ所(1009位)ある。 系統樹に示
された配列を特異的に標的するだけでなく、プローブBTWO23aは、β−3 Prote
obacteria、γ Proteobacteria、Iodobacter spp.、Chromobacterium spp.、Chr
omatium spp.、緑色非硫黄門クローン、OPB9のメンバも標的する(ミスマッチ
なし)。 目盛りは、1ヌクレオチド位置あたり0.02ヌクレオチドの変化を示す。
【0086】 EBPR汚泥クローンの2つの主なクラスターを観察した(SBRA 220クラスターお
よびGC4クラスター、図1)。 しかしながら、高性能EBPR汚泥から得られたク
ローンのみで構成されていたのは、SBRA 220クラスターだけであった。 これは
プローブ設計の中心的なグループとなった。 SBRA 220クラスターを特異的に標
的するために、3種類のPAOプローブを設計し、これよりも特異性が広くRc988(
表5)と呼ばれる別のプローブも設計した。 すべてのPAOプローブを、経験か
ら求めたそれぞれの最適なストリンジェンシーと共に表4にあげておく。
【0087】 P除去過剰汚泥クローンP+++ SBRA 220、P+++ SBRA 245A、P+++ SBRB34
およびP+++ SBRP112のほぼ完全な16S rDNA配列ならびに他の配列をアライメン
トとして図3に示す。 同図にでは、これらの配列由来のPAOプローブおよびRc
988プローブの逆相補をハイライト表示してある。 設計したプローブの使用 表4に示す設計したPAOプローブを利用して、異なる作業時期のA汚泥、GRC汚
泥ならびにローガンホルム汚泥を含む一連の固定汚泥を評価した。 図2Aおよび
2Bは、EUB338(25ng、フルオレセイン標識)とデュアルプローブ化した汚泥およ
び当該3種類のPAOプローブすべての混合物(表4、各25ng、CY3標識)の共焦
点レーザ走査顕微鏡写真を示す。 フルオレセインおよびCY3チャネルについて
画像を収集し、人工的に着色して重ね合わせた。 EUB338(灰色に着色した細胞
)とPAOプローブ(画像では白く見える明るい色の細胞)で二重標識されている
ことから、矢印で示した細胞がPAOである。 図2Aは、表1に示す稼働データを
用いてSBR Aから得られた曝気槽内混合液を示す。 図2Bは、魚介類加工処理廃
液での研究時に3.5%NaClで稼働しているEBPR SBR(汚泥中にP約10%)から得
られた、軽く音波処理した曝気槽内混合液を示す。
【0088】 図2Cは、表1に示すデータで稼働した場合のGRC汚泥の明るい部分の顕微鏡写
真である。 図2Cにおいて、ポリリン酸を染色するメチレンブルーで細胞を染色
した。 図2Cにおいて矢印で示す細胞は、細胞のサイズ、形態および配置が図
2Aの明るい細胞の場合と一致する、ポリリン酸を含む細胞である。 図2Cにおい
て先端が菱形の矢印で示す細胞にはポリリン酸が含まれていない。 図2Cの線の
長さは6μmである。
【0089】 図2Dおよび2Eに示す顕微鏡写真は、まず標識PAOプローブでプローブ化(図2D
)し、続いてメチレンブルーで染色(図2E)した、SBR A汚泥から得られる細胞
の単一のクラスターの写真である。 図2Dにおいて矢印で示す細胞は、「明るい
細胞」であり、図2Eにおいてメチレンブルーで染色され、ここでも矢印で示した
細胞に相当することが明らかになった。 顕微鏡写真のモノトーンでの再現画像
から判定するのは困難であるが、PAOプローブを結合しなかった細胞は相当に濃
くなり、メチレンブルーでは染色されなかった。 これらの細胞を、ここでも先
端が菱形の矢印で示す。 図2Dの線は4μmを示す。
【0090】 図2Dおよび図2Eの結果は、PAOプローブがポリリン酸蓄積生物に特異的である
ことを明確に示すものである。
【0091】 図2は、すべての汚泥において、球桿菌の特徴的なクラスターがPAOプローブ
を結合し、EBPR性能次第で、さらに多くのクラスターまたは少ないクラスターが
存在したことを示している。 たとえば、ローガンホルム汚泥、すなわち、約10
mgのPO4−P/リットルを含有する流入物に対して家庭廃液を処理する本格的規
模の活性汚泥処理プラントでは、ごく普通の数のクラスターが観察された。 A
汚泥などのP除去過剰系では多数のクラスターが観察された(図2A)。 実験室
規模の生理食塩EBPR汚泥では、細胞を計数するには光超音波処理が必要であった
ことから、図2Bに示すPAOプローブ結合細胞が一般的なクラスターの形になって
いないのは何故なのかが分かる。 それにもかかわらず、すべての汚泥と同様に
生理食塩汚泥でも3種類のPAOプローブはβ−2 Proteobacteriaプローブを結合
したものと同一の細胞に結合した。
【0092】 汚泥試料中のPAOプローブ結合細胞の比率と汚泥のP%との間に相関があるか
否かを評価するための実験を行った。 この実験を、本質的に上述したようにし
て実施したFISH分析とスロットブロット分析とで構成した。 FISH分析では3種
類のPAOプローブをすべて使用したが、スロットブロットハイブリダイゼーショ
ンではPAO−651を使用した(表4参照)。 特定の試料に含まれる細菌細胞の総
数を知るための基準にはEUB338プローブを用いた。
【0093】 スロットブロット分析では、いくつかの16S rDNAクローンからRNA転写物を
生成した。 このうちの1つが標準として利用したSBRA 220(上記参照)であっ
た。 インサートをフランキングするベクタープライマーまたはユニバーサル細
菌プライマーである1492Rを用いて、M13ベクターの16S rDNAインサートをPC
R増幅した。 必要に応じてT7またはSP6 RNAポリメラーゼを使用し、精製P
CR産物をin vitro転写の鋳型として用いた。 精製RNA転写物のサイズを、
E. coliから抽出した16S rRNAと等価な約1,500bpであると推定した。 転写調製
物におけるRNAの濃度は320〜660ng/μlであった。
【0094】 試験試料としては、すべてのRNAを、細胞の溶解、高度に変性させたグアニ
ジンイソチオシアネート含有緩衝液の存在下でのホモジネーション、RNeasyミニ
スピンカラムへのエタノールホモジネートの適用によって、活性汚泥試料から抽
出した。 各試料から抽出したRNAの濃度を、GeneQuant RNA/DNA計算機を用
いて求めたところ、50ng/μlから400ng/μlの範囲にあることが分かった。
【0095】 セクション1.1で述べたようにして、スロットブロットハイブリダイゼーショ
ンを実施した。 実験反応槽汚泥試料(上記参照)と、オーストラリアの南西ク
イーンズランドにある7ヶ所の廃液処理設備で収集した本格的規模の活性汚泥試
料からRNA抽出物を得た。
【0096】 P除去効率は異なるが安定しているGRC汚泥、A汚泥(上記参照)、さらにはB
ondらのQ汚泥、P汚泥およびS汚泥(Bondら、1999a;Bondら、1999b;Bond
ら、1998)について、FISH分析を行った。 FISH分析およびスロットブロット分
析の結果をそれぞれ図4Aおよび図4Bに示す。 黒い大きな三角形は、両方の方法
で得られた結果を示し、灰色の三角形は本格的規模の汚泥でのスロットブロット
ハイブリダイゼーションの結果を示す。 図4Aの小さな三角形は、対応するスロ
ットブロットデータが存在しなかった結果である。
【0097】 図4から、PAOプローブ結合細胞の比率と汚泥のP%との間には、疑問の余地
なく明らかな相関があることが分かる。 FISH分析では回帰値0.937が得られ、
スロットブロットハイブリダイゼーションではさらに高い値の0.979が得られた
。 それにもかかわらず、FISHおよびスロットブロットでの評価には共通点が認
められた。 スロットブロット分析でも、このようなハイブリダイゼーション手
法によって環境RNA試料中のPAOの比率を正確に判定できることが示された。
1.3 PAO特異的プローブの用途 β−2 Proteobacteriaと密接に結びついた、極めて関連性の高いクローン配
列(相同性98%以上)のグループから設計したPAOプローブは、A汚泥中におい
て、β−2 Proteobacteriaに対するプローブが結合するものと同一の細胞クラ
スターを結合した。 β−2 Proteobacteriaクローン配列(図1)に関連する
最も近い純培養細菌はRhodocyclus(R. tenuisおよびR. purpureus)およびProp
ionibacter pelophilus由来である。 現時点では未公開のスイスEBPR汚泥(R6
、Hesselmannら、1998)由来のクローン配列は、A、PおよびB汚泥(図1)か
ら得られる完全クローンインサートを含むグループに入っていた。 P除去過剰
A汚泥中の微生物バイオマスのほぼ80%がβ Proteobacteriaプローブ(BET42a
)を結合し、これらはいずれもβ−Proteobacteria(表5)およびPAOプローブ
陽性であった。 したがって、この考案されたプローブ化法(図1参照)を利用
して、設計したプローブはA汚泥中の優勢β−2 Proteobacteriaに対して極め
て高い特異性を持つことが示された。 また、PAOプローブ陽性細胞は、メチレ
ンブルー染色によるポリリン酸に対する染色陽性の形態、サイズ、配置と一致し
た(図2)。 他の汚泥と併用する場合、PAOプローブおよびβ−2 Proteobact
eriaプローブは常に同一の細胞を結合した。 3種類のPAOプローブを他の汚泥
と同時に併用した例を図2に示す。
【0098】 P汚泥(8.8%P、45%β Proteobacteria)、S汚泥(12.3%P、56%β Pro
teobacteria)、A汚泥(15.1%P、80%β Proteobacteria)に対するデータを
比較した(表5参照)ところ、汚泥中のP%で判定したP除去性能の亢進とProt
eobacteriaレベルとの間に表記の相関が観察された。 Q汚泥、P汚泥およびA
汚泥についてのデータは特にβ Proteobacteriaをβ−2 Proteobacteriaまで
絞っていた(表5)。GRC、Q、P、SおよびAの各汚泥について特定のPAOプロ
ーブを使用して上記の相関を一層掘り下げて調査したところ、汚泥中のP%とPA
Oプローブ結合細胞数との間の関連性が明確に示された(図4)。 特定のβ−
2 Proteobacteria用に設計したPAOプローブを利用して汚泥試料中の真のPAOを
検出できることは間違いない。
【0099】 本発明の広義の範囲および趣旨を逸脱することなく上記にて例示した以外の多
くの異なるプローブを作出できることは、当業者であれば理解できよう。
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【0101】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 さまざまな汚泥由来のほぼ完全な16S rDNA配列、および公にアク
セス可能なデータベースで取得した配列から構築した系統樹である。
【図2】 配列決定用回分反応槽から得られる曝気槽内混合液での蛍光in s
ituハイブリダイゼーション顕微鏡写真を示す。
【図3】 16S rDNA配列のアライメントである。
【図4】 汚泥のP含有量(乾燥質量の%)と、表4に示す3種類のPAOプ
ローブすべてと結合する細胞(%)をEUB338プローブ陽性細胞としての比率で表
したものとの関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/78 G01N 33/483 C 27/447 F 33/483 33/53 M 33/566 33/53 33/58 A 33/566 C12N 15/00 ZNAA 33/58 G01N 27/26 315Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 クロセッティ, グレゴリー ロバート オーストラリア 4101 クイーンズランド ウエスト エンド ハードグレイブ ロ ード 1/173 (72)発明者 タイソン, ジーン ウィリアム オーストラリア 4161 クイーンズランド アレクサンダー ヒルズ クイーンズコ ート ロード 50 (72)発明者 ブラックオール, リンダ ルイス オーストラリア 4104 クイーンズランド イェロンガ サイモン ストリート 19 Fターム(参考) 2G045 AA35 BB01 BB24 CB01 DA13 DA14 DB04 FA16 FA20 FB02 FB05 2G054 AA02 AA10 CA10 CA20 EA03 4B024 AA17 BA80 CA09 HA12 4B063 QA18 QQ01 QQ05 QQ42 QR08 QR32 QR42 QR55 QR62 QS16 QS25 QS34 QX01 QX04 4D054 FA08

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中のポリリン酸蓄積生物を検出するためのオリゴヌクレ
    オチドプローブまたはプライマーであって、前記オリゴヌクレオチドが、ポリリ
    ン酸蓄積生物の16S rDNAに特有の少なくとも12個のヌクレオチドからな
    る配列を有する、オリゴヌクレオチドプローブまたはプライマー。
  2. 【請求項2】 前記オリゴヌクレオチドが、12〜50ヌクレオチド長であ
    る請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 前記オリゴヌクレオチドが、15〜25ヌクレオチド長であ
    る請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 前記オリゴヌクレオチドの配列が、図3に示す配列(配列番
    号:1から配列番号:10)のいずれか1つから選択される請求項1に記載のオリ
    ゴヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 前記オリゴヌクレオチドが、 5'-CCGTCATCTACWCAGGGTATTAAC-3'(配列番号:11)
    、 5'-CCCTCTGCCAAACTCCAG-3'(配列番号:12)、 5'-GTTAGCTACGGCACTAAAAGG-3'(配列番号:13)、 から選択される配列を有する請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 ポリリン酸蓄積生物に関連する試料中の生物を検出するため
    のオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーであって、前記オリゴヌクレオ
    チドが、 5'-AGGATTCCTGACATGTCAAGGG-3'(配列番号:14) の配列を有するオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマー。
  7. 【請求項7】 ポリリン酸蓄積生物の16S rDNAのPCR増幅用のプラ
    イマー対であって、 (a) 前記16S rDNAの一方の鎖から選択される配列を有する、少な
    くとも12個のヌクレオチドからなる第1のオリゴヌクレオチドと、 (b) 前記第1のオリゴヌクレオチド配列よりも下流の、前記16S rD
    NAの他方の鎖から選択される配列を有する、少なくとも12個のヌクレオチドか
    らなる第2のオリゴヌクレオチドと、を含み、 前記第1および第2のオリゴヌクレオチドのうち少なくとも一方が、ポリリン
    酸蓄積生物の16S rDNAに特有の配列を有する、前記プライマー対。
  8. 【請求項8】 前記対の少なくとも一方のオリゴヌクレオチドが、請求項1
    に記載のオリゴヌクレオチドである請求項7に記載のプライマー対。
  9. 【請求項9】 試料中のポリリン酸蓄積生物細胞を検出する方法であって、 (a) 前記試料中の細胞を処理し、細胞内容物を固定し、 (b) 前記プローブが前記固定した細胞内で16S rRNAとハイブリダ
    イズできる条件下にて、工程(a) で得られる前記固定した細胞を、請求項1に記
    載のオリゴヌクレオチドである標識オリゴヌクレオチドプローブと接触させ、 (c) ハイブリダイズしなかったプローブを前記固定した細胞から除去し
    、 (d) 前記標識プローブ−RNAハイブリッドを検出する、工程を含む方
    法。
  10. 【請求項10】 前記標識が、放射性標識、レポーター基またはハプテンで
    ある請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記検出が、蛍光in situハイブリダイゼーションによる
    ものである請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 試料中のポリリン酸蓄積生物を検出する方法であって、 (a) 前記生物の細胞から核酸を得、 (b) 前記プローブが16S核酸分子にハイブリダイズできる条件下にて、
    工程(a) で得られた核酸と、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドである標識オ
    リゴヌクレオチドプローブまたは固定化オリゴヌクレオチドプローブとを接触さ
    せ、 (c) 必要に応じて、ハイブリダイズしなかったプローブと標識プローブ
    −核酸ハイブリッドとを分離し、 (d) 前記標識プローブ−核酸ハイブリッドを検出する、工程を含む方法
  13. 【請求項13】 前記固定化が、不活性支持体に対するものである請求項12
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記検出が、イオンチャンネルバイオセンサによるもので
    ある請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記試料中のポリリン酸蓄積生物の細胞数を定量する工程
    をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】 試料中のポリリン酸蓄積生物を検出する方法であって、 (a) 生物の細胞を溶解させ、ゲノムDNAを放出し、 (b) 工程(a) で得られた変性ゲノムDNAを請求項7に記載のプライマ
    ー対と接触させ、 (c) 前記プライマー対と前記rDNAとを周期的に反応させて、前記生
    物の16S rDNAを増幅し、増幅産物を産生し、 (d) 前記増幅産物を検出する、工程を含む方法。
  17. 【請求項17】 前記増幅産物のサイズが、50〜1,400bpである請求項16に
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記増幅産物のサイズが、400〜1,000bpである請求項16に
    記載の方法。
  19. 【請求項19】 ゲル電気泳動後またはハイブリダイゼーションによって前
    記増幅産物を検出する、請求項16に記載の方法。
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