JP2003521296A - 心臓外科手術用装置および心臓外科手術方法 - Google Patents

心臓外科手術用装置および心臓外科手術方法

Info

Publication number
JP2003521296A
JP2003521296A JP2001555543A JP2001555543A JP2003521296A JP 2003521296 A JP2003521296 A JP 2003521296A JP 2001555543 A JP2001555543 A JP 2001555543A JP 2001555543 A JP2001555543 A JP 2001555543A JP 2003521296 A JP2003521296 A JP 2003521296A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm
heart
foot
flexible
links
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001555543A
Other languages
English (en)
Inventor
ギャノー・ジェームズ・アール
ブラウンスタイン・ダニエル・エム
モーシェ・メイア
コンテベッド・ジャン
エバンス・デビッド
ハンコック・アンドリュー
Original Assignee
ハートポート インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US09/492,558 external-priority patent/US6994669B1/en
Application filed by ハートポート インコーポレイテッド filed Critical ハートポート インコーポレイテッド
Publication of JP2003521296A publication Critical patent/JP2003521296A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/02Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for holding wounds open; Tractors
    • A61B17/0206Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for holding wounds open; Tractors with antagonistic arms as supports for retractor elements
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/02Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for holding wounds open; Tractors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/02Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for holding wounds open; Tractors
    • A61B2017/0237Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for holding wounds open; Tractors for heart surgery
    • A61B2017/0243Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets for holding wounds open; Tractors for heart surgery for immobilizing local areas of the heart, e.g. while it beats
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B90/00Instruments, implements or accessories specially adapted for surgery or diagnosis and not covered by any of the groups A61B1/00 - A61B50/00, e.g. for luxation treatment or for protecting wound edges
    • A61B90/50Supports for surgical instruments, e.g. articulated arms

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Surgical Instruments (AREA)
  • Prostheses (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 この発明は、患者の心臓を固定するための脚部を有する安定具を提供する。安定具は、第2の脚部より長い第1の脚部を有する。第1の脚部は、心臓のその他の部分を後退させるために用いられる水平面を有し、一方、接触面が目標の動脈を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【関連出願】
この出願は、1999年4月16日に出願された米国特許出願第09/293
,630号の一部継続出願であると共に上記出願の優先権を主張するものであり
、上記出願の開示内容は全て言及したことによりこの出願の一部とされる。
【0002】
【発明の分野】
この発明は、大まかに言って外科用器具に関し、より詳しくは心臓外科手術を
行うための開創器(retractor)および器具に関する。
【0003】
【発明の背景】
従来の心臓外科手術では、胸骨を通して(正中胸骨切開術)もしくは肋骨の間
を通して(開胸術)、胸腔(chest cavity)内へアクセスできるようにしている
。開創器が胸の切開に配置されて、開創器によって胸骨と組織が広げられて大き
な開口が形成される。外科用器具がその開口を通して配置されて、心臓の外科手
術が行われる。
【0004】 最も一般的な心臓外科手術のひとつは、大動脈冠動脈バイパス移植術(cornar
y artery bypass grafting:CABG)である。CABGでは、ひとつもしくは
複数の冠動脈内の妨害物が、その妨害物の下流側の冠動脈に移植血管を接続する
ことによってバイパスされる。冠動脈に移植血管を接続する技術は、吻合術とし
て知られている。移植血管は、胸の壁から切開された胸動脈であってよく、胸動
脈の上流側の端部は無傷のまま残され、胸動脈の下流側の端部が冠動脈に取付け
られる。代わりに、移植血管は、患者の体のいずれかの部分からの動脈もしくは
静脈、または人工血管移植片であってよく、その場合、移植片の上流側の端部は
大動脈などの動脈に取付けられ、下流側の端部は冠動脈に接続される。このよう
にして、心臓の正面、側面および背面のさまざまな位置の複数の冠動脈の妨害物
が、複数の移植血管を用いてバイパスされる。
【0005】 従来では、CABGは、患者が両心バイパスによって支持されながら、心臓を
停止して行われるので、患者の血液は体外のポンプおよび酸素添加装置を用いて
循環されている。しかし、あるケースでは、CABGは、「鼓動する心臓(beat
ing heart)」または「オフポンプ(off-pump)」大動脈冠動脈バイパス(OP
CAB)として知られている技術によって心臓を鼓動させながら行われてもよく
、これにより両心バイパスを避けることができる。OPCABでは、心臓を鼓動
させながら、冠動脈の吻合部位に近い心臓の表面を特別な器具を用いて固定する
。この局部的な固定により、移植血管が冠動脈に接続される間、吻合部位をでき
るだけ動かないように保つ。冠動脈は、吻合手術の間一時的に閉塞されもしくは
一時的なシャント(血液を別の血管に流すこと)が冠動脈に行われて、吻合部位
に血液が流れないようにされる。
【0006】 OPCAB手術で必要とされる基本的な機能には、胸骨または肋骨の後退、心
臓の操作、心臓の固定、心膜の後退、冠動脈の牽引、およびホメオスタシス(生
体恒常性)が含まれている。胸骨の後退は、分割された胸骨の向かい合う半分の
部分を引き離して、胸腔を開くことが含まれる。心臓の操作は、心臓の正面、背
面、および側面のいずれかの冠動脈にアクセスするために、心臓を移動し、回転
させ、および持ち上げることを含む。心臓の固定は、吻合手術を実行できるよう
にするために、吻合部位に近い鼓動している心臓の表面を固定する過程である。
心膜の後退は、心臓へのアクセスをより良好にするための通路から、切開された
心膜を取り除くために行われる。冠動脈の牽引は、吻合部位に近い冠動脈の下に
縫合糸またはシラスティック(silastic)を配置して、縫合糸またはシラスティ
ックに牽引力を及ぼして、冠動脈をより良好に露出させることを含む。この牽引
は、ホメオスタシスを提供するために、吻合部位の上および下の冠動脈を閉塞す
るように働いてもよい。いくつかのケースでは、冠動脈の動脈切開を通して一時
的なシャントが挿入されて、手術の間に吻合部位を通過せずに血液が流れるよう
にされてもよい。
【0007】
【発明の概要】
この発明は、従来の装置の問題点の多くを解決する、OPCABおよびその他
のタイプの心臓外科手術を行うための装置を提供する。この装置は、従来入手で
きる装置に比べて、より大きい自由度および位置範囲を提供する。この発明は、
単一の一体形成された装置を用いて、胸骨または肋骨の後退、心膜の後退、心臓
の操作、冠動脈の牽引、および心臓の固定を行えるようにする。そのような機能
を提供すると共に、この発明の装置は、好ましくは、全体として再利用可能な後
退プラットホームを用いるので、従来装置に関連した浪費およびコストを削減す
る。
【0008】 第1の実施の形態では、この発明は、第1のアームと、第2のアームと、第1
のアームを第2のアームに対して移動させるアクチュエータとを有する患者の心
臓に外科手術を行うための装置を提供する。この装置は、第1のアームに設けら
れた第1のブレードと、第2のアームに設けられた第2のブレードとを更に有し
、第1のブレードおよび第2のブレードは、互いに向かい合った第1の表面およ
び第2の表面を有し、第1の表面および第2の表面は、組織もしくは骨を後退さ
せるために組織もしくは骨と非外傷的に係合するようになっている。この装置は
、第1のアームおよび第2のアームに取付けられるようになっていると共に脚部
を供えた安定具を更に含み、脚部は心臓の表面に非外傷的に係合するように構成
されている。ある好ましい実施の形態では、第1のブレードおよび第2のブレー
ドは、第1のアームおよび第2のアームに取り外し可能に取付けられていて、第
1のブレードおよび第2のフレードが取り外されて代わりのブレードと交換でき
るようになっている。ブレードを迅速かつ容易に取り外して交換できることによ
り、外科医が個々の患者と実行される手術とに応じた最適なブレードを選択でき
るようになる。したがって、この発明の装置は、さまざまな寸法、形状、および
材料のブレードを交換できるようにする。好ましくは、アームおよびブレードは
、繰り返し消毒して繰り返し使用できるような生体適合性の材料からなり、また
それとは異なり、アームおよびブレードの一方もしくは両方がプラスチックまた
はその他の適切な材料からなり、一回限りの使用のために個別に包装され消毒さ
れていてもよい。
【0009】 第2の実施の形態では、この発明の装置は、第1のアームおよび第2のアーム
の少なくともいずれかに設けられた受容器を有する。縫合糸の支柱が受容器に取
り外し可能に取付けられ、手術の間、心膜の後退のためのおよびその他の目的の
ための縫合糸が縫合糸の支柱に配置されて受容器に保持されるようになっている
。好ましくは、縫合糸の支柱は、プラスチックもしくはその他の使い捨て可能な
材料からなり、使用後に縫合糸の支柱が受容器から取り外されて、廃棄できるよ
うになっている。通常、縫合糸の支柱は複数の別々の縫合糸を受容するようにな
っているか、アームが複数の受容器を含んでいて複数の別々の縫合糸を受容する
ようになっているかのいずれかもしくは両方であってよい。例示的な実施の形態
では、受容器は縫合糸の支柱を受容するようにされたアーム内に設けられた空隙
からなる。保持機構が縫合糸の支柱およびアームのいずれかもしくは両方に設け
られていて、支柱を空隙内に取り外し可能に保持する。
【0010】 縫合糸の支柱は、好ましくは、内側エッジおよび外側エッジを備えた本体と、
外科用開創器のブレードに本体を保持するための本体に設けられた保持構造とを
有する。少なくともひとつの溝が、内側エッジから外側エッジまで本体を通って
延在して、縫合糸を取り外し可能に受容するようにされている。加えて、クラン
プが溝に隣接して本体に連結されていて、溝内に縫合糸を取り外し可能に保持す
るようにされている。通常、縫合糸の支柱は、アームおよび装置のその他の構成
要素とは別に、バッグ、ポーチまたはその他の容器内に配置され消毒されている
【0011】 更に別の実施の形態では、患者の心臓に外科手術を行うための装置が、ラック
と、第1のアームと、ラックに取付けられた第2のアームとを有し、第1のアー
ムは、ラックに対しておよび第2のアームに対して移動可能となっている。第1
のブレードが第1のアームに取付けられていて、第2のブレードが第2のアーム
に取付けられていて、第1のブレードおよび第2のブレードは、互いに向かい合
った第1の表面および第2の表面を有し、第1の表面および第2の表面は、組織
もしくは骨を後退させるために組織もしくは骨と非外傷的に係合するようになっ
ている。第1のレールが第1のアームに配置されていて、第2のレールが第2の
アームに配置されていて、第3のレールがラックに配置されている。この装置は
、第1のレール、第2のレールおよび第3のレールのいずれかに連結されるよう
に適合された安定具を更に含み、安定具は、心臓の表面に非外傷的に係合するよ
うに構成された脚部を備えている。
【0012】 この発明は、患者の心臓の外科手術を容易にするために患者の心臓の外側面の
部位を固定するための安定装置を更に提供する。ある実施の形態では、この安定
装置は、シャフトと、心臓の外側面に非外傷的に係合するための接触面を備える
と共にシャフトに連結された脚部と、胸の開創器に取付けるための第1の連結部
、シャフトに取付けるための第2の連結部、第1の連結部と第2の連結部との間
を結合するための移動可能な第1のジョイント部、および第1のジョイント部お
よび第2の連結部との間を結合するための第2のジョイント部を備えた取付け台
とを有する。好ましくは、第1のジョイント部および第2のジョイント部の各々
は、少なくとも2つの回転軸に関して移動可能である。例えば、第1のジョイン
ト部および第2のジョイント部は、球面継手(spherical joint)または玉継手
(ball-in-socket joint)からなる。ある実施の形態では、第1のジョイント部
は、第1の軸を中心として配置された第1の半球面部材からなり、第2のジョイ
ント部は、第2の軸を中心として配置された第2の半球面部材からなり、第1の
軸および第2の軸は、互いに平行ではなく、好ましくは互いにほぼ直角をなして
配置されている。
【0013】 この発明の他の側面では、心臓の表面を固定するための装置が、シャフトおよ
び脚部を有する。脚部は、第1のアームと、第2のアームと、第1のアームおよ
び第2のアームの間の空間とを有する。第1のアームおよび第2のアームは各々
、心臓と係合するための接触面と、近位の端部と、遠位の端部と、近位の端部お
よび遠位の端部との間で定義される長さとを有する。第1のアームの長さは、第
2のアームの長さによりも、好ましくは長く、より好ましくは少なくとも30%
長い。
【0014】 本発明のさらに別の側面によれば、脚部は水平面と略平行な接触面を有する底
面を含む。側面は平面から離れる方向で先細りとなり隣接する組織を開創させる
【0015】 本発明のさらに別の側面によれば、脚部は接触面およびスロットを有しており
スロット内に心臓の血管が位置する。スロットは中心軸と軸合わせされており脚
部は中心軸に対して非対称の形状を有する。本発明のさらに別の側面によれば、
アームは軸から離れた位置においてアームに取り付けられている。
【0016】 本発明のさらに別の側面によれば、医療器具を保持する可撓性アームが設けら
れる。アームはそれぞれ貫通孔を有する複数のリンクを有する。細長の部材が貫
通孔に延在し細長部材にかかる張力によってリンクの方位が固定される。ワイヤ
スクリーンのような摩擦部材が隣接するリンク間に配置されケーブルに張力がか
かったときに隣接するリンク間の摩擦による嵌合が促進される。リンクの柔らか
い面に対して比較的硬くて組織化された面を対向させるために、摩擦部材はリン
クの片側に当接、接着もしくは埋め込むものとしてもよい。
【0017】 本発明のさらに別の側面によれば、アームは本体に対して軸まわりに回転可能
な基部リンクを持つ。基部リンクは細長部材が軸に対して一定の角度となるよう
に案内し、中心軸から少なくとも0.3インチ、より好ましくは少なくとも0.
5インチ離間している。好ましくは、基部リンクは細長部材が中心軸に対して4
5度乃至90度となるように案内する。
【0018】 本発明のさらに別の側面によれば、医療器具を安定させる器具には基部および
アームが含まれる。医療器具はアームの遠位端に取り付けられ、アームによって
形成される軸に対して好ましくは70度乃至110度の角度を形成しつつ離間し
た軸を回転軸としてアームに対して回転する。
【0019】 本発明のさらに別の側面によれば、患者の心臓を安定させるための吸引部材を
設ける。吸引部材は可撓性の骨格を有し骨格上にコーティングが施されている。
可撓性の骨格はコーティングの薄い部分(好ましくは露出部分)によって形成さ
れるヒンジを有しており、ヒンジによってユーザが吸引部材を折り曲げたり歪ま
せたりすることができる。
【0020】 本発明の本質および利点ならびに本発明のさらなる側面および利点については
、明細書の以下の部分および図面を参照することによってさらに理解されるであ
ろう。
【0021】
【具体的な実施の形態の詳細な説明】
本発明による心臓手術実施システムは胸骨切開術あるいは開胸手術における開
創を行う開創器を含むものである。開創器は、互いに接近・離間可能な一対のア
ームとアームに取り付けられた手術刃を有して成り、手術刃を胸部切開部に配置
する。手術刃は対向した接触面を有しており、接触面は切開部の向かい合う各側
と嵌合して開創を行う。アームは複数の歯を有するラックに取り付けられており
、アームのうち少なくとも一つはピニオンギアを有している。ピニオンギアはラ
ックの歯に嵌合しアームの一つが他のアームに対して動くことを可能にしている
。別の実施例では、ラックアンドピニオンの代わりにケーブル駆動機構を用いて
もよい。あるいはアーム直接互いに対して取り付けるか、もしくは回転軸受けを
介して第3の部材に対して取り付けてもよい。
【0022】 好ましい実施例によれば、開創器の各アームにはレールを取り付ける。2つの
アームがラックに接続される場合、レールもラック上に配置される。心臓安定具
、心臓開創器、マニピュレータ、CO2ブロア、灌注器、吸引具、血管クランプ
、照明装置、カテーテルその他の種々の補助的部品をレールの上に取り付けるこ
ともできる。レールはそのような補助的部品がアーム上を摺動し選択された位置
につくよう構成する。
【0023】 本発明のシステムはさらに心臓の表面を安定させる安定具を含む。安定具は開
創器の所望の位置に取り付ける。好ましくは開創器のアームのレールの一つもし
くはラックに取り付ける。安定具は軸および脚部を備える。脚部は心臓の表面に
自動的に嵌合し心臓が鼓動を行っている間表面を安定させるよう構成されている
。脚部は分岐形状、部分的または全面的環状、多角形状等様々な構成が可能であ
るが、吻合部位に近接した心臓を安定させ、移植血管を冠状動脈に吻合させるも
のとする。脚部は把持性を高めるため摩擦促進面を有し、心外膜上の移動を最小
限とする。摩擦促進面は組織化、きざみ付け、粗仕上げなどの処理を施すかもし
くは摩擦促進材で被覆・塗布してもよい。好ましい実施例では、脚部は軸の近位
端に接続されたアクチュエータによって固定・開放される継ぎ手によって軸に取
り付ける。これにより、軸に対して、接近角度や心臓の吻合個所によって異なる
様々な方位に脚部を置くことができる。
【0024】 安定具は、吻合手術等実施中に縫合材もしくはサイラスティクスを配置するこ
とを目的とする一つまたは複数の保持具を有するものとしてもよい。保持具は手
術部位に近いことから脚部自体に配置するのが好ましい。保持具は縫合材やサイ
ラスティクスの張力を保持するよう構成し、クランプ機構を有するかもしくは縫
合材もしくはサイラスティクスと摩擦嵌合するよう寸法を設計する。別の実施例
では、保持具は安定具の脚部に着脱可能に取り付けられ、必要でないときもしく
は術後処分する際に保持具を取り除くことができるようにする。
【0025】 好ましくは、安定具は開創器のレールに取り付ける基部と接続する。取り付け
基部は、レールへの取り付け部と安定具への取り付け部の間に少なくとも2つの
可動継ぎ手を有し、各継ぎ手は少なくとも2つの回転軸を有する。好ましくは、
継ぎ手は球面継ぎ手か球―ソケット継ぎ手とし、安定具の位置決めにおいて最大
限の自由度が確保されるようにする。取り付け基部は開創器のレールに取り付け
る継ぎ手を有し、レール上で摺動可能であり、取り付け基部をレール上の選択さ
れた位置に固定する固定機構を有している。
【0026】 システムは心臓手術に有用な他の様々な部品および補助具を備える。好ましく
は可撓性の軸および心臓と嵌合するパドルを有する心臓開創器がその一例である
。好ましくはパドルはガーゼその他非外傷性の摩擦促進材料で被覆し、心臓表面
に対する把持性を高め、心臓の転動もしくは持ち上げを行いやすくする。システ
ムはさらに、吻合術部位にガスを吹き付けて乾燥を維持し液体や異物がない状態
で外科医が目視できるようにするCO2ブロアを備えてもよい。好ましくはブロ
アは安定具に取り付けるかもしくは安定具と一体形成とし、ブロアの排気口を吻
合部位に近接させる。開創器のレールに血管クランプを取り付けてもよい。クラ
ンプは、乳腺内動脈などの移植血管の端を一時的にクランプし外科医が使うまで
手術部位から離しておくために用いる。レールその他のシステム部品には他の様
々な器具を取り付けることができる。これには照明、灌注、縫合維持、開創用の
各器具、カテーテルや手術器具などがある。
【0027】 図面について説明する。図1はこの発明による心臓手術を行うシステムの第1
の実施例を示す図である。このシステムは、クロスビーム22、固定アーム24
および可動アーム26を有する20を備える。固定アーム24および可動アーム
26はその上面に沿って配置されたレール28,29を具備し、このレール28
,29はアーム24,26の外側および内側エッジに沿って1対のリップ32を
形成する1対の対向した側溝30によって特徴づけられている。固定アーム24
および可動アーム26は、横側面から外の方へ伸張したウイング34,36をさ
らに備える。複数の溝37は、固定アーム24および可動アーム26の上面を横
切って延び、以下により完全に記載されるように、囲心腔や他の組織の収縮用の
縫合を受容する大きさと構造になっている。
【0028】 可動アーム24は、クロスビーム22に摺動可能に載せられた往復台38に取
り付けられている。キー40は回動可能に往復台38に載せられ、クロスビーム
22のラック(下記参照)とかみ合うピニオン・ギア(下記参照)に結合してい
る。このようにして、可動アーム26は、キー40を回転することにより、固定
アーム24に近づく方と離れる方とに移動可能である。固定アーム24は非可動
なようにクロスビーム22に搭載されるのが好ましいが、双方のアームがクロス
ビーム22に可動に載せられてもよい実施例もあり、上記あるい他の如何なる方
法であってよい。クロスビーム22は、その前面および後部エッジ(それぞれに
上リップ44と下リップ46が形成されている)に1対の側溝42をさらに備え
、これにより固定アーム24および可動アーム26のレール28,29と構造が
類似したレールを成している。
【0029】 図2について説明する。クロスビーム22の後部エッジには、線状に配置され
た複数のギア歯50を有するラック48を形成している。キー40はラック48
とかみ合うピニオン・ギア(ファントムにて示す)52と結合し、これによりキ
ー40の回転で可動アーム26の移動を可能にする。側溝42はラック48を介
して縦方向に伸張し、これにより平行に走る2本のギア歯50を成している。
【0030】 図1について再度説明する。第1のブレード52が固定アーム24に取り付け
られ、第2のブレード54が移動アーム26に取り付けられている。第1のブレ
ード42および第2のブレード54はアーム24,25に除去可能に結合し、各
種のブレードの除去および交換が可能なのが好ましい。固定ブレード24および
可動ブレード26が、明瞭化のためクロスビーム22から削除して見せる図3に
示すように、第1のブレード52および第2のブレード54はそれぞれ、固定ア
ーム24および可動アーム26のホール48中で摺動可能に収容される1対のピ
ン56を有している。このようにして、さまざまの大きさ・形をしたブレードは
、当該装置が適用される個別の患者と手順にしたがい容易に交換ができる。ブレ
ード52,54は、その収縮用の組織または骨とアトローマティカルに(atrauma
tically)かみ合うように構成される外方向を向いた表面55,578を有してい
る。
【0031】 好ましい実施例においては、クロスビーム22、固定アーム24、可動アーム
26および第1のブレード52および第2のブレード54は全て、ステンレス・
スチール、アルミニウムやチタニウムなどの生体適合性があって滅菌可能な金属
から成るもので、各手順後の再滅菌と再使用を可能にする。なお、これらの部品
のいずれもが、プラスチックなどの大量生産に適した安価な金属から作られても
よく、その結果、このような部品は1回の使用後に処分することができる。他の
代表的な実施例においては、クロスビーム22は再利用可能なような金属であり
、その一方、アーム24,26は単一使用のためプラスチックであり、クロスビ
ーム22と往復台37にそれぞれ除去可能に取り付けられている。あるいはまた
、クロスビーム22とアーム24,26は再利用可能な金属でよく、一方、ブレ
ード52,54は単一使用のため使い捨てのプラスチックである。
【0032】 固定アーム24と可動アーム25の上面にある凹部60が図3にも示されてお
り、縫合ステー62を受容するように構成されている。縫合ステー62は、凹部
60への挿入用に形作られた本体64と、アーム24,26の溝37を整列した
複数のスロットとを備える。図4A乃至図4Bに示すように、クランプ61は各
スロット55に隣接した本体64に結合し、スロット66内で縫合線とかみ合い
保持するように構成されている。ある代表的な実施例においては、各クランプ6
1は、ポスト(柱)65から伸張したリーフ(はね板)63を備える。本体62
の底面には、開口67が各スロット66を全体に横切って配されており、これに
隣接した穴69がある。ポスト65がボア69に嵌合して、リーフ63が開口6
7に嵌合するように歪曲する。このようにして、リーフ63は前装填されており
、外側エッジ71がスロット66の壁とかみ合うクランプ位置に付勢される。外
側エッジ71は矢印73方向に歪曲可能で、縫合がスロット66に引き入れられ
るようにするが、縫合とかみ合って付勢戻しがなされ、適所にこれを固定するこ
とができる。
【0033】 図1について説明する。この発明のシステムはさらに、外科手術の手順の最中
に、心臓や他の臓器の表面を滅菌するための安定器70を備えている。安定器7
0は、据え付けベース72によってレール28,29か、クロスビーム22かに
搭載することができる。図5乃至図8により明瞭に示すように、安定器70は遠
位端76と近位端78を有するシャフト74を備える。フット(足部)80は、
ボール・ジョイント(球継ぎ手)によって遠位端76に枢着されている。フット
80は、吻合位置の対向面にて心臓の表面にかみ合うように構成されており、全
体的に互いに平行な1対のアーム84を備え、約1cm乃至5cmの範囲で距離
が離隔しているのが好ましい。アーム84は、心臓とかみ合う全体的に平坦な部
分86、平坦な部分86より上向きの傾斜した角度付き部分88およびアーム8
4に接続する近位部分90を備えており、ボール・ジョイント82と結合するス
テム92への取り付けのために曲がっていたり、角度がついていたり、他の適当
な形状をしていてもよい。アーム84の底面は、心膜とのアトローマティック(a
traumatic)な係合に適合し、通常、滑らかで平坦である。好ましい実施例におい
ては、摩擦向上要素が平坦な部分86の底面に配置される。例えば、底面は、溝
、リブ、ぎざぎざ、突出部、あるいは他の特徴を使って表面をだしてもよく、あ
るいは、フォーム、ダクロン(Dacron)(商標)ガーゼ、ノースリップ材料、また
はざらざらした表面をした金属やプラスチック板などの摩擦向上材料で被覆して
もよい。このような材料は、心膜との摩擦を十分に向上し、フットの滑りと移動
を防止するが、心膜組織を傷めるような程度には至らない。
【0034】 シャフト74に関連して選択された位置にフット80を係止するため、図7に
示すように、ロッド(棒)89がシャフト74の溝93内部に摺動可能に配置さ
れる。ロッド89はボール・ジョイント82のボール97とかみ合う遠位端95
を備える。シャフト74の近位端のアクチュエータは回動可能ノブ99を有し、
これはシャフト74に取り付けられたねじ切り(threaded)ソケット103に受容
されるねじ切り本体101を有する。ねじ切り本体101の遠位端は、ロッド8
9の近位端105に取り付けられている。このようにして、ノブ99が回転する
ことにより、ロッド89は遠位方面でボール97ときつく係止したかみ合い状態
に余儀なくされ、これにより適所にフット80を固定する。
【0035】 安定器70とフット80はさまざまな他の構成や特徴部分を備えることができ
ることを理解すべきである。例えば、フット80は、環状のリング形状ないしは
角度付きの多角形状をしていてもよく、あるいは、単一の心臓かみ合いアームで
あってもよい。安定器70はさらに、フット80の底面に吸入管腔と吸入穴やカ
ップを有してもよく、安定度と不動性が向上した心膜に対して吸入を行うためで
ある。他の特徴部分と構成も同様に与えることができるが、例えば、米国特許第
5,807,243号に記載されており、本願の譲受人に譲渡され、ここに参考
文献として援用されている。
【0036】 搭載ベース72は、レール28,29と摺動可能にかみ合うように適合した往
復台90、往復台90に回動可能に取り付けられたタレット92、およびタレッ
ト92に回動可能に取り付けられたクランプ94を備える。往復台90は、図7
に示すように、溝96を備え、レール28,29またはクロスビーム22を手動
するように構成される。溝96は、1対の内方向に突出したリップ98を備え、
アーム24,26の側溝30またはクロスビーム22の側溝42内部に位置決め
するように構成されている。レール28,29やクロスビーム22沿いに選択し
た位置に往復台90を固定するために、往復台90はリビング・ヒンジを備え、
往復台90の外側部分が内側部分104に近づく方面と離れる方面に回転できる
。レバー106は往復台90に回動可能に取り付けられ、外側部分102のカム
運動表面109とかみ合う傾斜付のカム108を備え、レバー106が時計方向
に始動したとき外側部分102を内側部分104の方に押しつけてくれる(図8
参照)。これによりレール28,29やクロスビーム22沿いの適所に往復台9
0が固定される。反対方向にレバー104を回転すれば、外側部分102が内側
部分104から離れる方面に回転し、これにより往復台90がレール28,29
やクロスビーム22沿いに摺動したり、それから除去したりできる。固定フィン
ガーグリップ110は、往復台90の外側部分102に取り付けられ、レバー1
04の作動中に梃子の作用を高めることができる。
【0037】 図9について説明する。タレット92は、少なくとも2つの軸を中心に回転す
るのが好ましい。代表的な実施例においては、タレット92は、半球の上面11
6で往復台90に取り付けられたベース114を有する球形ジョイント112と
、キャビティ120を有するソケット118とを備え、これにより、ソケット1
15はベース114に相対する多軸を中心に回転可能となる。ソケット118を
ベース114に相対する所定の位置に固定するために、ねじ切りポスト122は
、ベース114に固定され、ソケット118を介して内側に伸張し、ソケット1
18と係合する下端を有するねじ切りキャップ124に結合している。このよう
にして、ソケット118は、ポスト122のキャップ124を締め付けることに
より、選択位置に固定することができ。これによりベース114と係合するソケ
ットを押圧することができる。
【0038】 図10について説明する。クランプ94が安定装置70のシャフト74を保持
するように構成されている。その他の各種手術器具及び装置は本発明で使用され
る。タレット92のように、クランプ94は好ましく少なくとも2つの軸の周り
で回転させる。一実施例において、クランプ94は内部部材130と外部部材1
32とを備えている。外部部材132には穴134が設けられ、ここにシャフト
74が摺動可能に装着されている。外部部材132の円柱状延長部は、内部部材
130の空洞138の中に摺動可能に装着されている。円柱状延長部136は先
細面142を空洞138に係合している先細の内部端140を有している。先細
の内部面140には開口144が設けられており、内部部材130にも開口14
6が設けられており、ここを通してロッド148が延びている。ロッド148は
円柱状延長部136にある外部端の上にボール150を有しており、先細の内部
端140によりその内部に保持されている。開口144はボール150よりも小
さい。ロッド148はタレット92のソケット118を通して延びており、ボー
ル150の反対側にネジが切られた端部151を有している。ネジが切られたノ
ブ152はネジが切られた端部151を係合し、ノブ152を回転させることに
より外部部材132を内部部材130の方向に引っ張り、シャフト7を穴134
の中に固定させる。ネジが切られた端部151の周囲にはバネが設けられ、これ
を使用してノブ152を外側に係合させる。これによりノブ151が緩められた
ときでも、ほんの小さな力でシャフト74を固定させることができ、不注意によ
る手術部位への安定装置70の滑りを防ぐことができる。
【0039】 クランプ94は安定装置70に位置付けにさらなる自由度を提供するため円形
のジョイント156を備えるのが好ましい。内部部材130はタレット92のソ
ケット118に結合されたクランプソケット160に装着されている半円形状の
外部端158を有している。クランプソケット160は、内部及び外部部材13
0,132がタレット92に対し複数軸の周囲に回転できる円錐形、円形、ある
いはその他の先細りのくぼみでもよい。内部部材130の開口146は先細の縁
を有しており、内部部材130が軸148の周りを回転運動するのに充分なだけ
大きい。球状の接合部156は、固定ノブ152によりクランプ94と同様に選
択した位置に固定され、これによりロッド148が食い込み、内部部材130を
クランプソケット160と係合させる。
【0040】 図16と図19について説明する。リトラクタ20を備えた別の安定装置20
0が示されている。安定装置200はリトラクタ20とともに使用するのが好ま
しいが、もちろんそれ以外の任意のリトラクタといっしょに使用してもよい。さ
らに、リトラクタは中央肋骨切開に使用されるが、安定装置200は、本発明の
範囲から逸脱することなく、小さく、体内にそれほど侵入いない切開口から胸部
の他の部位に挿入されるリトラクタとともに使用してもよい。
【0041】 安定装置200は柔軟性のあるアーム204に結合した脚部202を有してい
る。なお、脚部202はここに記載した、あるいはその他の任意の適切な脚部で
あってもよい。アーム204は、アーム204を曲げたり、変形させることがで
きる複数の接合体206によって形成されている。ケーブル210すなわちワイ
ヤ等の細長い要素208は接合体206を通して延びている。底部接合体28に
より、以下に述べるように、最初にアーム204を異なる方向に向けることがで
きる。細長い要素208が固定位置に引っ張られたとき、接合体206の間の摩
擦係合によってアーム204を固定するように接合体206がいっしょに引っ張
られる。接合体206を互いにスライドさせるために引っ張り力を軽減させ、ア
ーム104を位置付けるときにアーム204が柔軟なる。このように、アーム2
04はいくつかの異なる方向に固定され、心臓の異なる部位に到達する。
【0042】 安定装置200はアクチュエータ212を備えており、ユーザにより動作され
ると通常の位置(図16と図17参照)から動作後の位置(図18参照)へ移動
可能な手で操作可能なレバーすなわちトリガーが好ましい。アクチュエータ21
2はハンドル207を備えている本体205に搭載される。以下に述べるように
、本発明の安定装置200の利点は、リトラクタ20へのアーム24の取り付け
及び取り外し、アーム204それ自身、底部接合体228および脚部202はア
クチェータ212により達成される。もちろん、アクチュエータ212は、本発
明の範囲から逸脱することなく、これらの機能を多少なりとも装備してもよい。
【0043】 図16乃至図18について説明する。細長い要素208はホルダ214に装着
された端部213を有している。ホルダ214は、移動させるため適切な接続に
よりアクチュエータ214に結合されている。ホルダはブロック215にも結合
されており、これは1つ以上のバネを使用することができるにもかかわらず、第
1のバネ216と第2のバネ218に従って動作させられる。バネ216,21
8は、アーム204が正常に固定されるように、アクチュエータ212を図7の
固定位置に保持する。アクチュエータ212が動作したとき、ホルダ214が近
接して移動し細長い要素208の引っ張り力を軽減し、これによりアーム204
の固定を解除する。
【0044】 本発明の利点は、アクチュエータ212がアーム204が固定される位置に自
然に保持される点にある。ユーザが脚部202を移動させる用意ができていると
き、アクチュエータ212を操作して細長い要素208の引っ張り力を軽減し、
これによりアーム204と脚部202の固定を解除する。こうすることで脚部2
02とアーム204が所望の位置に移動される。ユーザが単にアクチェータ21
2を離すと、バネ216,218がアーム204、脚部202、安定装置212
をリトラクタ20のレール28に自動的に固定する。これによりアーム204及
び/又は脚部200を固定する正の力が必要な従来の多くの装置には見られない
利点を有する。このような装置の動作中、アクチュエータ212を動作させるの
に必要な力を加えるとき、ユーザが不注意により装置の一部を移動させる可能性
がある。一方、この装置は単にアクチュエータ212を離すだけで1つ以上の部
分を固定する。
【0045】 図19について説明する。接合体216は凹側218と凸側220とを有して
いる。摩擦増大層222は隣接する接合体206の間にある。摩擦増大層222
はステンレススチールメッシュから成るスクリーン224が好ましいが、それ以
外の適切な構造であってもよい。細長い要素208が引っ張られ、アーム204
が固定されたとき、この層222は隣接する接合体206の間の滑りに対する高
い摩擦抵抗を生じる。高い摩擦抵抗はこのような滑りを軽減し、アーム204が
固定されたときアーム204の緩みを低減する。アーム204の緩みを低減する
ことはアーム204を冠状動脈の安定に用いる場合は特に重要である。接合体2
06を少し移動させると、アーム204の先端が比較的大きく移動してしまう。
これは小さな血管を扱うときに問題となり得る。
【0046】 層222は凸側220のような接合体206の1側面に装着できる。このよう
に凸側220は硬く、凹側218よりもざらざらしている。層222は接合体2
06に埋め込まれるか、単に接合体206に形成される層であってもよい。もち
ろん、層222は異なる硬さ及び/又は質感にするため任意の方法で形成しても
よい。層222により発生された高い摩擦係数によりアーム204を固定するの
に必要な細長い要素8の引っ張り力を低減する。好適な実施例において、アーム
を固定するのに必要な引っ張り力は200ポンド以下であるのが好ましいが、1
50ポンド以下がより好ましく、120ポンド以下が最も好ましい。
【0047】 図20乃至図24について説明する。アーム204の近接端226が示されて
いる。アーム204の近接端226は、本体に対し第1の軸230の周りに回転
する底部接合体228を有している。底部接合体228は細長い要素208を第
1の軸から分岐している第2の軸に沿って細長い要素208の向きを定める。第
2の軸232は、第1の軸230に対して45度乃至90度、好ましくは約70
度の角度を成すのが好ましい。このように、底部接合体228は、基本的に細長
い要素208を第1の軸230の周りに回転したとき弧状部に沿って向きを定め
る。もちろん、底部接合体は細長い要素208を基本的に第1の軸230に垂直
に向きを定めてもよい。
【0048】 底部接合体228の利点は、最初にアーム204を所望の目的の部位に向ける
ことができる点にある。多くの従来のアームは、底部接合体228が短い距離に
わたって提供することのできる迎角を達成する前に、比較的大きな曲げ径の周囲
で曲げなければならない。底部接合体228は、接合体の数を低減させる第1の
軸230からかなり離れて相対的に延びており、こうすることでアーム204の
緩みとアーム204を固定するのに必要な引っ張り力を軽減させる。底部接合体
228は少なくとも0.3インチの距離だけ延びるのが好ましいく、第1の軸2
30から少なくとも0.3インチだけ延びるのがより好ましい。底部接合体のさ
らにその他の利点は、アーム204位置の調整が単にアーム204と底部接合体
228を操作するだけで行える点にある。
【0049】 底部接合体228は第1の歯238の細長い面236と対をなす細長い面23
4を有している。細長い要素206に引っ張り力を加えたとき、細長い面234
、236が互いに係合して底部接合体228を第1の歯238に固定し、底部接
合体228が回転するのを防ぐ。このように、底部接合体228は細長い要素2
08が引っ張られたとき回転しないように固定する。この細長い面234は第1
の軸に対して20度乃至60度の角度を成すのが好ましく、34度乃至45度の
角度を成すのがより好ましく、約40度の角度を成すのが最も好ましい。バネ2
40は面234,236に斜めに力を加えて離し、アーム204の固定が解除さ
れたとき底部接合体228が回転しないようにする。
【0050】 さらに図20について説明する。アーム204が固定機構241によりリトラ
クタ22に固定されている。固定機構241も細長い要素208によって固定お
よび固定を解除するのが好ましい。細長い要素208が固定位置に引っ張られた
とき、細長い要素208に蓄積された引っ張り力が底部接合体228から第1の
歯238に伝達され、これにより本体205に結合された第1の歯238と第2
の歯243との間にレールが捕捉される。図22乃至図24について説明する。
バネ240を押すため本体205が引っ張られ、リトラクタ20から安定装置2
00が離すのに充分なだけ第1の歯238と第2の歯243を引き離す。
【0051】 図25乃至図28において、脚部202は、以下の方法で駆動しうる状態で釈
放自在にアーム204に取り付けらている。脚部202は、末端ハウジング24
8の開口部246に伸びるピン242を有する。この末端ハウジング248は、
末端リンク250と結合している。ボール254を有するボールプランジャー2
52は、ピン242に周辺溝256を係合させている。ピン242と、ボールプ
ランジャー252と開口部246間の係合は、脚部202を駆動することを可能
にし、それによって、ユーザは、適度の力で脚部202を取り外しや取り替えが
可能になる。
【0052】 ピン242は、アーム204が固定されているときは、駆動しないようにロッ
クされる。伸張部品208は、末端ハウジング248中でスライドするヨーク2
66の穴264を通って伸びている。伸張部品208が張力をかけられるときは
、ピン242は、ヨーク266、末端ハウジング248内の開口部246のサイ
ド268及びボールプランジャー252によって必然的に固定される。テンショ
ンが伸張部品208中で減少するときに開口部246と穴264をそろえるため
、ヨーク266は、ヨーク266をハウジング248と接触させるべく遠方に加
圧するスプリング270で押し付けられている。螺合プラグ272は、必要によ
り末端ハウジング248とヨーク266の間の調整をするためハウジング248
内の螺合溝274中に置かれている。ハウジングの開口部は好ましくは,開口部
246中のピンをくさびで留めて、固定する最近の末端に向かって細くなってい
る。以上のように、作動装置212が作動するまで、伸張部品208は, 好まし
くはいつも張力をかけられる。この様に、脚部202はアーム204と共にアン
ロックされて、且つロックされる。
【0053】 脚部202は、末端リンク250及び/又は伸張部品208の中央軸262に
よって画定される軸260に比例して非共線であって、好ましくは傾けられるか
、またはずれている軸258の周りを駆動する。好ましい実施態様では、軸25
8は、末端リンク250の中央軸262及び又は心臓の様々な部分に達するとき
に利益を提供する延長部品208によって70度乃至110度、好ましくはおよ
そ90度の角度を形成する。他言すると、軸258は脚部202(図28A,図
27B)の下部表面263に垂直であるが、軸260に比例してずれている。脚
部202が周りを駆動する軸258は、好ましくは第1アーム263及び第2ア
ーム265から伸びている想像線259間に規定される領域の外にある。第1ア
ーム263及び第2アーム265は好ましくは平行であるが、以下で記載される
様々な構成に向かって、傾くか、しなやかに延びていてもよい。他言すると、軸
258は、アーム263,265間の中央軸261から少なくとも0.20イン
チ、好ましくは少なくとも0.40インチずれている。この様に、アーム204
と脚部202との接続は外科の領域の外にさらに容易に置かれうる。本発明の別
の利点は,図27乃至図28で示され様にピン242を脚部202のいずれの側
にも置くことが出来ることであり、且つユーザは好ましくは異なる形状又は搭載
構成を有する少なくとも取り外し交換可能な脚部202を提供されることである。
ピン242は少なくとも0.050インチ好ましくは0.100もインチ下部表
面 263から高くされた脚部202の高くしている部分に取り付けられる。
【0054】 図29乃至図35で吸引脚部280を示す。脚部280は、心臓の表面に脚部
280を付着させるように吸引を供給する吸引ル-メン281を有する。脚部2
80は吸引ルーメン281と結合される吸引溝282を有する。吸引ルーメン28
1はクリップ283でアーム204に保たれて、接続284で脚部足280に付
いている。脚部280は、安定装置200によって好ましくは保持されて、上で
記載された利点を提供するために安定装置を係合させるためにピン242を有す
る。本発明の様々な態様から出発しないで、脚部280はもちろんいかなる他の
アームと共に使用されうる。
【0055】 脚部280は好ましくは高分子である物体286で部分的か完全に覆われてい
る可鍛性のフレーム285を有する。フレーム285は300シリーズステンレ
スで好ましくは作られており、いかなる他の適当な材料も使用さうるが、高分子
は好ましくはポリカーボネートである。脚部280はフレーム285の部分で蝶
番290によって形成されたフレキシブルなチップ287を有する(図31と図
32)。また、蝶番290がボデイ286の、より細い部分に単にあるかもしれ
ないが、蝶番290はフレーム285の露出している部分によって好ましくは形
成される。更に、アーム288,289は図33および図35で示されるように
離れて広げられるか、または一緒に動かされてもよい。図35はアーム288,
289の領域の外に上で記載された利点を提供するために上で記載された方法で
取り付けられるピンを示す。
【0056】 使用中に、脚部280は、心臓に脚部280を付着させるように動かされるタ
ーゲット部位と吸引に隣接して置かれる。ユーザが脚部280のために機械的な
力の量に比例して適切な位置を知見したとき、ユーザが、心臓に適用するのをい
くらか望んでいるならば、そのとき脚部280はある位置にロックされる。代わ
りに、吸引がその後動かされている状態で、脚部280は機械的な力だけで必要
なサイトに置かれてもよい。最終的に、脚部280は吸引安定化を提供する能力
を有するが、また、脚部280は簡単な機械的な安定化によく使用されうる。
【0057】 チップ287は目標サイトに隣接して収縮するのに使用されて、心臓の、そし
て、他の構造の部を安定させるのにも使用される。チップ287の利点は、隣接
している構造の必要なやりかたで目標サイトを安定させる能力を変えないで、必
要な置換を提供できることである。この様に、隣接構造は、アクセス及び/又は
露出を改良するためにを引っ込めることができる。脚部280の特定の使用で、
脚部280が目標サイトに置かれた後にチップ287は置き換えられてもよい。
これは必要である取消しそして/又は加えられた安定化の量だけを供給する能力
をユーザに与える。代わりに、最適のオリエンテーションが達成されるまでユー
ザが様々な異なったオリエンテーションを試みていて脚部が安定する前に当然、
チップは曲げられてもよい。チップ287は脚部280の可動部292を形成す
る。可動部292はアームの先で好ましくは形成されるが、脚部280の上の脚
部280の側面などのいかなる他の適当な位置にも置かれてもよい。
【0058】 蝶番290は吸気ルーメン281を含まず、チップ237は吸気溝282を有しなく
とも、吸気ルーメン281は本発明の範囲から出発しないでチップ287に提供される
溝282があるチップ287に達してもよい。チップ目287は好ましくはスキーチップ
又はV字形であるが、もちろんいかなる他の形も取りうる。チップ287は、好まし
くは少なくとも0.25インチ、更に好ましくは少なくとも0.50インチだけ蝶番290
から末端エンドまで広がっている。最終的に、蝶番290はフレーム285の不可欠の
部分によって好ましくは形成されるが、また、蝶番は機械的な接続であってもよ
い。
【0059】 図36乃至図40において、別の安定装置300を示す。どんなタイプの装置もフレ
キシブルなアーム204とレトラクタ20などの本発明の範囲から出発しないで、上
で記載されている状態で、安定装置300は所定の位置で修理されうる。図36乃至
図40の実施の形態では、安定装置は堅いシャフトかアームと結合されるが、シャ
フトかアームは、可鍛性であっても、間接つなぎであっても蝶番を付けらてもよ
い。
【0060】 安定装置300は最初のアームに304と2番目のアーム306を有する脚部302を有す
る。第1アーム304は第2アーム306とは異なって形成され、また好ましくは第2
アーム306より大きいが、このことが下記の利点をもたらす。安定装置300は以下
で記載された方法で曲折アクセントの冠状動脈の動脈を安定させるために特に合
われるが、もちろん心臓のいかなる他の部分にも使用されてもよい。第1アーム
304は、冠状動脈の動脈を安定させるだけでなく、アペックスような心臓の別の
ペールをも引っ込め、視覚化及び/又はアクセスを改良する。脚部302はどんな適
当な材料でも作られるし、好ましくは注射の成型されたプラスチックかステンレ
スで作られる。また、脚部302も、外科医が脚部302を形成することができるよう
に、可鍛性であってもよい。脚部302は、離せるようにアームかシャフトと脚部
を結合するためにコネクタ305を有する。
【0061】 脚部302は、一般に、凸状である下部表面310を有し、中央の表面312と側部の
表面314によって形成される。側部表面314は中央表面312から離れるに従いテー
パがついている。側部の表面314は好ましくは平坦であり中央表面312が横たわる
平面316で5度乃至15度の角度をつくる。下部の表面310は一般に平坦な表面によ
って形成されるが、側部の表面314はもちろん曲がってもよい。
【0062】 第1、第2アーム304、306、および特に第1アーム304は、冠状動脈の動脈の
改良された安定化を提供して、心臓の他の部分を引っ込めるために比較的大きい
下部の表面310を有する。第1アーム304の底面310は、好ましくは第2アーム306
の底面310より少なくとも30%、更に好ましくは少なくとも50%大きいのが
よい。表面積は下部の表面のとぎれない自然を示すが、脚部302は一般に上で記
載された表面積を同封している間穴か開口部を有してもよい。
【0063】 側部の表面314は心臓の何らかの追加安定化を提供するが、より重要に、側部
の表面314は、改良されたアクセスそして/又は想像を提供するために心臓の隣接
している部を引っ込める。下部表面 310の利点は側部の表面314が心臓をそれら
が中央の表面312に比例して上げられないならば圧縮するくらいには圧縮しない
ということである。そく部表面314を触表面312から離して曲げ、傾斜させたり及
び/又はテーパをかけて、側部表面314は心臓を圧縮して、そうでなければ、そう
するだろうというほど制限しない。側部の表面314は中央の表面312から遠くで好
ましくは先細りになるが側部表面314は,本発明の範囲から出発しないで,平面か
或いは凹面さえ含んでもよい。
【0064】 心臓を係合させる摩擦表面320は、中央表面312にある。摩擦表面320は、摩擦
表面320がいかなる他の適当な方法でも形成されるかもしれなくて、取替え可能
な要素でさえあるかもしれないが、エッチングによって、好ましくは形成される
。摩擦表面320は中央表面312のわずかに下ではみ出ているが、一般に、中央表面
312と同じ平面316の上に横たわっている。また、摩擦表面320は、脚部302の両側
に置かれてもよい。
【0065】 第2アーム306が、好ましくは曲げられ、しかしいかなる他の形も取りうるア
ウタエッジを有する。アウタエッジ322はおよそ0.200インチの湾曲した半径を有
する。第1アーム304は、第2アーム306のアウタエッジ322と同じ湾曲半径を有
する湾曲部部326の付いたアウタエッジ324を有する。第2アーム306のアウタエ
ッジ322は、遠位末端330に延びる比較的まっすぐな延長部328を有する。スロッ
ト332は第1及び第2アーム304、306の間に形成される。スロット32は好ましく
は遠位末端330に向かってテーパがついている。スロット332は、好ましくは5度
乃至20度、 より好ましくは約10度の角度を形成する。スロット332は、直立(ま
っすぐ)の側面を有するが、スロット332は、また、末端でテーパした湾曲表面
を有してもよい。
【0066】 脚部302好ましくは、アイレット334、フック、スロットまたは他の適当な構造
を有する(縫合やシラスチックなどのフィラメント336を受けいれる)。フィラメ
ント336は、追加安定化力を脚部302に適用するために張力をかけられる。フィラ
メント306は好ましくはレトラクタ20と結合されるが、もちろんいかなる他の構
造にも取り付けられてもよい。
【0067】 図41から図43において、同等もしくは同様の構造に対する同等もしくは同
様の参照番号で、他の足部302Aが示されている。足部302Aの第1及び第
2アーム304A及び306Aは、本質的に前記スタビライザー300の第2足
部302と同等であり、この足部302は足部302と同じ多くの利点がある。
この足部302はシャフトもしくはアームと接続するコネクター305を持つ。
このコネクター305は、中心軸338に関して50度から90度、より好まし
くは60度から80度、最適値は70度の角度を形成する。この足部302Aは
特に、右冠状動脈の末端分岐を安定させるのに役立つ。
【0068】 足部302及び302Aは、好ましくはアームもしくはシャフトに移動自在に
取付けられる。本発明の特長は、一つ以上の足部302及び302Aを複数の導
管による冠状動脈バイパスの作業に使用できることである。この足部302及び
302Aは、心臓の異なる導管や異なる部分を適切な足部302によって安定さ
せるために、異なる形状を持つ。図27及び図28に関して説明したように、コ
ネクター305は心臓の各部位へ適切なアームを提供するため、足部302の反
対側に位置させてもよい。
【0069】 本発明であるリトラクター20は、図11に示すように、胸骨切開術に用いら
れる。適切なサイズと形状の第1及び第2ブレード52及び54は、据え付けの
アーム24及び移動自在なアーム26に取付けられている。移動自在なアーム2
6は、ブレード52及び54が切開部に挿入可能なように、据え付けのアーム2
4の近傍に位置する。そしてキー40を回し、移動自在なアーム26を据え付け
のアーム24から引き離し、これによって第1及び第2ブレード52及び54が
相対する組織の端を引き戻して、胸部の開口を露出させるため切開部を広げる。
この切開部は心膜に形成され(図11には図示せず)、縫合は、心膜のフラップ
に施される。この縫合糸は胸部から出され溝37を通じて縫合支え62のスロッ
ト66に掛けられ、心臓の手術部分を露呈させるために心膜のフラップが出てく
るまで引っ張る。この心膜の縫合糸は、縫合支え62の位置にクランプすること
ができる。
【0070】 冠状吻合のとき、スタビライザー70の据え付けベース72はレール28及び
29の一つもしくは所望の位置のクロスビーム22に沿って配置され、レバー1
04が据え付けベース72をその位置にロックするように動作する。スタビライ
ザー70はこのとき足部80が吻合近くの心外膜に絡むように位置させる。通常
、アーム84は吻合のため並べられた目標の冠状動脈の反対側に位置させる。選
択的に、吻合中止血するため冠状動脈を閉鎖するように、アーム84の一つを吻
合の上行の冠状動脈に噛み合わせるように位置させても良い。一度位置決めされ
ると、スタビライザー70は固結キャップ124及びノブ152によってその位
置にロックされる。心臓が鼓動し続けて心臓壁の残りが収縮しながら、スタビラ
イザー70は吻合範囲における心臓壁の相対的静寂さを保たせる。
【0071】 図12A及び図12Bは、本発明のスタビライザー70のさらなる実施例を示
す図である。この実施例において、スタビライザー70は一対の縫合固定装置1
64を含み、これは足部80に取り付けても良い。好ましくは、スタビライザー
70は固定装置164の有無に関わらず使用できるように、固定装置164を足
部80から移動可能にしてもよい。固定装置164は、本体166及び縫合糸も
しくは特に外科手術用のシラスティックを受けるように形成された複数の溝16
8を持つ。この溝168は、縫合糸もしくはシラスティックを張ったときの部材
を支えるに十分な力で摩擦されるような面に形成されており、好ましくは使用す
る縫合糸もしくはシラスティックのサイズに関わらず、ほぼ0.010から0.0
30インチの幅と0.10から0.20インチの深さを持つ。このようにして縫合
糸もしくはシラスティックは、吻合の片側若しくは両側でスリングを形成するよ
うに目標の冠状動脈の下部に位置させてもよく、また縫合糸もしくはシラスティ
ックは冠状動脈をより露呈させるためや冠状動脈の止血のために心筋に対して張
っても良い。そして縫合糸もしくはシラスティックは、溝168に位置され、手
術中張りを保つ。より好ましい実施例においては、固定装置164はその底面か
ら伸びて足部80の穴172に受け入れられる2本のピンを持つ。ピン170は
穴172にスナップしピン170を固定するフランジ174を備える。固定装置
164トピン170は、金属、ゴムもしくはプラスチックでも良い。
【0072】 図13は、本発明のスタビライザー70の他の実施例を示す図である。この実
施例において、ブロワ176がスタビライザー70に結合され、外科手術時にC
2 のようなガスを送り込む。これは手術部位の液体や残骸を排除するのに役立
ち、冠状動脈切開で酸素の供給を抑制するのにも役立つ。ブロワ?176は少な
くとも一つの貫通した内部管腔のあるシャフト178を持つ。好ましくは、第二
の内部管腔も備えている。この内部管腔は、少なくとも一つの開口とシャフト1
78の最遠端180で、また吸入口182および184とシャフト178の最近
端で通じている。吸入口182はCO2のようなガスを供給するために接続され
ており、吸入口184は手術部位を洗浄する生理食塩水の元へ、若しくは液体や
残骸を排除する吸入器の元へ接続しても良い。両方の吸入口182および184
はシャフト178の一つの管腔と接続してもよく、また各吸入口はシャフト中の
分離した管腔と接続してもよい。少なくとも一つのクリップ186は、シャフト
178に取付けられ、スタビライザー70のシャフト78に移動自在に取付けら
れている。好ましくは、アーム84と足部80の間で最遠端180が配置され、
吻合の邪魔にならによう手術部位から液体を吸入もしくは引き出すためにの近傍
にブロワ176が設置されている。
【0073】 図14Aから図14Cは、心臓リトラクターを示す図であり、本発明のシステ
ムに用いることができる。心臓リトラクター188は、最遠端でパドル192を
持つシャフト190を備え最近端でハンドル194を備える。パドル192は柔
軟で摩擦に強い、好ましくは裏面に粘着在のあるダクロンゲージのような吸収性
の部材196のカバーをされる。パドル192は心臓の外壁に合うように形成さ
れ、回転、持ち上げ、プッシュ等で所望の位置へ運ぶ。好ましくは、1インチか
ら3インチの幅と2インチから4インチの長さを持つ。ハンドル194は外科医
の手により掴むように形成され、軽く、コンパクトで、軽量プラスチックが好ま
しい。心臓リアクター188はスタビライザー70と共に使用されるベース72
により、レール28及び29上でクランプされる。このようにして、心臓リアク
ター188は、心臓を所望の位置に操作可能であり、心臓リトラクターは吻合若
しくはその他の操作において心臓の位置を保つためリアクター20にロックされ
る。これは、複数の導管による冠状動脈バイパスの作業を可能にするための心臓
の側面及び後方の吻合を容易にする。
【0074】 図15Aから図15Bは、管クランプを示す図であり、本発明のシステムに用
いることができる。管クランプホルダー200は、フォガティークランプのよう
な汎用の管クランプ203を移動自在に取付けられたクリップ202を備えてい
る。クリップ202は管クランプ上のボタン206を受けるスロット204とシ
ャフト209が伸張する軸溝208を備える。軸溝208は、シャフト209が
溝にはまる開口210を備え、脇の開口はシャフト209よりわずかに小さいの
で、そこに一旦入るとこのシャフトは溝208に保持される。ロッド212はク
リップ202を所望の位置へおさめるためにクリップ202からマウント214
へ伸びている。マウント214はレール28及び29もしくはクロスビーム22
に取付けられ、以上説明したようにベース72と同様に形成されている。しかし
ながら、マウント214はマウントベース72と同じ位置決め度合いを必要とせ
ず、両方の球状のジョイントを考慮しなくとも良い。このように、マウント21
4は、カートリッ90のような運搬部216を持ち、レール28及び29もしく
はクロスビーム22とスライド可能に設置されている。運搬部216は外部22
0が内部222に対し回転するヒンジ218を備える。回転レバー224はカム
226を備え、カム表面228都と合う外部220をレール28及び29もしく
はクロスビーム22に対して付勢し、マウント214はその位置にロックされる
【0075】 上記が本発明における実施例の完全な説明でなく、本発明の範囲を逸脱するこ
となく各種同様な形態もしくは変型例等も本発明と同等である。従って、本発明
の範囲は請求の範囲に限定されるべきではない。例えば、ここで定義された足部
はアームやシャフトであっても良い。さらに、「アーム」や「シャフト」は相互
に置換可能である。また、本発明は各種の見方を提供するが、一つの絶対必要構
成、利点及び様相に限定されるものではない。このように、本発明の各構成もし
くは見方は、他の構成、利点及び様相独立していると考慮できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による開創および安定システムを示す斜視図である。
【図2】 図1のシステムにおける開創器の背面を示す斜視図である。
【図3】 図1のシステムにおける静止アームおよび可動アームを示す組み立て図である
【図4A】 図1のシステムにおける縫合用支柱を示す上面斜視図である。
【図4B】 図1のシステムにおける縫合用支柱を示す底面斜視図である。
【図5】 図1のシステムにおけるアームに取り付けされた安定具および取り付け基部を
示す斜視図である。
【図6】 図5の安定具および取り付け基部を示す正面図である。
【図7】 図5の安定具および取り付け基部を示す側面図である。
【図8】 図5の安定具および取り付け基部を示す平面図である。
【図9】 図5の取り付け基部の内部を示す側面断面図である。
【図10】 図5の取り付け基部の内部を示す正面断面図である。
【図11】 患者の胸部内の切開部に配置された図1のシステムを示す斜視図である。
【図12A】 本発明による安定具の別の実施例を示す斜視図である。
【図12B】 図12Aの安定具の遠位端を示す斜視組み立て図である。
【図13】 本発明による安定具およびブロアを示す斜視図である。
【図14A】 本発明による心臓開創器を示す斜視図である。
【図14B】 本発明による心臓開創器を示す側面図である。
【図14C】 本発明による心臓開創器を示す側面図である。
【図15A】 本発明の血管クランプホルダを示す斜視図である。
【図15B】 本発明の血管クランプホルダを示す側面図である。
【図15C】 本発明の血管クランプホルダを示す側面図である。
【図16】 本発明による別の安定具を示す図である。
【図17】 一対のばねによって本来の位置に移動させられたアクチュエータを示す図であ
る。
【図18】 ばねの力に逆らってアクチュエータを作用させ可撓性アームを開放する様子を
示す図である。
【図19】 リンクおよび摩擦促進層を示す可撓性アームを示す分解斜視図である。
【図20A】 本体に固定された基部リンクを示すアーム近位端を示す斜視図である。
【図20B】 基部リンクを示す図である。
【図21】 基部リンクが本体に対して回転自在であることを図示した基部リンクを示す斜
視図である。
【図22】 本体が移動して歯を互いに離間させている状態の基部リンクを示す断面図であ
る。
【図23】 開創器のレールから部分的に離間した安定具を示す図である。
【図24】 開創器から完全に離間した安定具を示す図である。
【図25】 アームの遠位端に取り付けられた脚部を示す図である。
【図26】 アームの遠位端を示す断面図である。
【図27A】 脚部を示す平面図である。
【図27B】 図27Aの脚部を示す側面図である。
【図28A】 別の脚部を示す図である。
【図28B】 図28Aの脚部を示す平面図である。
【図29】 吸引部の脚部を保持する安定具を示す図である。
【図30】 吸引部の脚部に吸引腔を保持するクリップを示す図である。
【図31】 吸引部の脚部を示す平面図である。
【図32】 延長部が離間した状態の吸引部の脚部を示す図である。
【図33】 アームが展開した状態の吸引部の脚部を示す図である。
【図34】 吸引部の脚部の底面を示す図である。
【図35】 別の吸引部の脚部を示す図である。
【図36】 別の脚部を示す図である。
【図37】 図36の脚部を示す図である。
【図38】 図36の脚部を示す端面図である。
【図39】 図36の脚部を示す平面図である。
【図40】 図36の脚部を示す等角投影図である。
【図41】 別の脚部を示す端面図である。
【図42】 図41の脚部を示す平面図である。
【図43】 図41の脚部を示す等角投影図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 モーシェ・メイア アメリカ合衆国、94803 カリフォルニア 州、エル・ソブロンテ、フルムーン・ドラ イブ 4840 (72)発明者 コンテベッド・ジャン アメリカ合衆国、95033 カリフォルニア 州、ロス・ガトス、ディアフィールド・ロ ード 23360 (72)発明者 エバンス・デビッド アメリカ合衆国、46038 インディアナ州、 フィッシャーズ、チェイス・コート 10731 (72)発明者 ハンコック・アンドリュー アメリカ合衆国、94539 カリフォルニア 州、フレモント、ヘイシェンダ・コート 40231 Fターム(参考) 4C060 AA02 BB05

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトと、 前記シャフトに連結された、第1のアーム、第2のアーム並びに前記第1のア
    ーム及び第2のアーム間のスペースを有する足部とを備え、 前記第1及び第2のアームは、それぞれ心臓にかみ合うための接触面、近位端
    、遠位端並びに前記近位端及び遠位端間に規定された長さを有し、前記第1のア
    ームの長さは前記第2のアームの長さより長いことを特徴とする心臓の心外膜面
    の固定装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のアームは、前記第2のアームより少なくとも30
    %長いことを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記足部は底面を有し、前記底面は前記第1のアーム及び第
    2のアームの前記接触面を含み、前記接触面全体は平面であり、前記底面はまた
    前記平面から先細になる側面を有することを特徴とする請求項1記載の装置。
  4. 【請求項4】 アームと、 前記アームに連結された第1の足部とを備え、 前記足部は心臓にかみ合うための接触面及び心臓の血管を置くことが可能なス
    ロットを有し、前記スロットは中心軸と整列し、前記足部は前記中心軸に対して
    非対称の形状を有することを特徴とする心臓の心外膜面の固定装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の足部は第1のアーム及び第2のアームを有し、前
    記第1のアーム及び第2のアームは異なる形状を有することを特徴とする請求項
    4記載の装置。
  6. 【請求項6】 さらに、前記第1の足部と異なる形状を有する第2の足部を
    備えたことを特徴とする請求項4記載の装置。
  7. 【請求項7】 アームと、 前記アームに連結された足部とを備え、 前記足部は心臓にかみ合うための接触面及び心臓の血管を置くことが可能なス
    ロットを有し、前記スロットは軸を規定し、前記足部は前記軸からずれた位置で
    前記アームに取り付けられていることを特徴とする心臓の心外膜面の固定装置。
  8. 【請求項8】 前記足部は側面を有し、前記アームは前記側面に沿って前記
    足部に取り付けられていることを特徴とする請求項7記載の装置。
  9. 【請求項9】 アームと足部とを備え、前記足部は心外膜面にかみ合うため
    の接触面と前記足部を前記アームに分離可能に接続するための連結具を有するこ
    とを特徴とする心臓の心外膜面の固定装置。
  10. 【請求項10】 さらに、心外膜面にかみ合うための第2の接触面を有する
    第2の足部を備え、前記第2の足部は前記第1の足部と異なる形に作られ、前記
    第2の足部は前記連結具でシャフトに接続する形に作られていることを特徴とす
    る請求項9記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の足部及び第2の足部は前記アームに分離可能に
    かみ合う接続具を有し、前記第1の足部用及び第2の足部用の前記接続具は逆側
    に置かれていることを特徴とする請求項9記載の装置。
  12. 【請求項12】 アームと、 心臓にかみ合うための接触面を有する底面及び心臓の血管を置くことが可能な
    スロットを含む第1の足部とを備え、 前記底面の少なくとも一部が凸面であることを特徴とする心臓の心外膜面の固
    定装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の足部全体は、前記スロットによって規定される
    中心軸に沿って見たとき、凸面であることを特徴とする請求項12記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記底面は前記接触面から先細になる側面を有することを
    特徴とする請求項12記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記側面は2度乃至15度の角度内で先細になることを特
    徴とする請求項14記載の装置。
  16. 【請求項16】 さらに、前記第1の足部と異なる第2の足部を備え、前記
    第1の足部及び第2の足部は前記アームから分離可能であることを特徴とする請
    求項14記載の装置。
  17. 【請求項17】 患者の心臓の冠状動脈吻合を行なう方法であって、 シャフトと足部とを有し、前記足部が第1のアーム、第2のアーム及びそれら
    の間のスロットを有するスタビライザーを用意する工程と、 患者の心臓の冠状動脈にアクセスする工程と、 前期冠状動脈が前記スロットに置かれ、前記第1のアームが心臓の頂上を引っ
    込めるように、前記足部を心臓とかみ合わせて配置する工程と、 前記冠状動脈に吻合を行なう工程とを備えた方法。
  18. 【請求項18】 前記配置工程は、回旋動脈及び右冠状動脈の枝管からなる
    群の動脈から選択された動脈である前記冠状動脈に実行されることを特徴とする
    請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 患者の心臓の冠状動脈吻合を行なう方法であって、 シャフト、第1の足部及び第2の足部を有するスタビライザー装置を用意する
    工程と、 前記第1の足部を前記シャフトに連結する工程と、 心臓の表面を固定するように前記第1の足部を心臓とかみ合せて配置する工程
    と、 前記第1の足部によって固定されている第1の冠状動脈に吻合を行なう工程と
    、 前記第1の足部を前記シャフトから切り離す工程と、 前記第2の足部を前記シャフトに連結する工程と、 心臓の表面を固定するように前記第2の足部を心臓とかみ合せて配置する工程
    と、 前記第2の冠状動脈を固定する前記第2の足部で前記第2の冠状動脈に吻合を
    行なう工程とを備えた方法。
  20. 【請求項20】 各々が貫通孔を有する複数のリンクと、 前記孔を通って延在する細長い部材と、 隣接したリンク間に置かれた摩擦部材とを備え、 前記細長い部材を引っ張ることによって、前記複数のリンクが定まった方位に
    固定され、 前記摩擦部材は、前記細長い部材が引っ張られたとき、隣接したリンク間の摩
    擦によるかみ合わせを増大することを特徴とする医療器具を保持する可撓性アー
    ム。
  21. 【請求項21】 前記摩擦部材はスクリーンであることを特徴とする請求項
    20記載の可撓性アーム。
  22. 【請求項22】 前記スクリーンはリンクに取り付けられていないことを特
    徴とする請求項21記載の可撓性アーム。
  23. 【請求項23】 前記層はリンクの側面に取り付けられ、リンクの他の側面
    より硬い側面を形成することを特徴とする請求項21記載の可撓性アーム。
  24. 【請求項24】 複数のリンクを有しており可撓性を持ったアームと、 前記複数のリンクを貫通して延びる長尺の可撓性部材と、 前記複数のリンクを固定状態にロックするように引っ張る第1の位置と、前記
    複数のリンクを互いに移動可能にする第2の位置との間を移動可能な引っ張り具
    と、 前記可撓性を持ったアームが支持されるボディと、 前記ボディに対して、ある軸線を中心にして回動可能なベースリンクとを備え
    、前記ベースリンクは、前記軸線に対して、ある角度を持つように前記長尺の可
    撓性部材を向けることを特徴とする医療器具を保持する装置。
  25. 【請求項25】 前記ベースリンクは、前記軸線に対して45度乃至90度
    の角度を持つように前記長尺の可撓性部材を向けることを特徴とする請求項24
    に記載の装置。
  26. 【請求項26】 前記ベースリンクを解放位置に向けて付勢するバネをさら
    に備えることを特徴とする請求項24に記載の装置。
  27. 【請求項27】 前記ベースリンクは、前記軸線から少なくとも0.30イ
    ンチ(7.62mm)離れた位置に前記長尺の可撓性部材を向けることを特徴と
    する請求項24に記載の装置。
  28. 【請求項28】 前記ベースリンクは、前記軸線から少なくとも0.50イ
    ンチ(12.7mm)離れた位置に前記長尺の可撓性部材を向けることを特徴と
    する請求項24に記載の装置。
  29. 【請求項29】 複数のリンクを有しており可撓性を持ったアームと、 前記複数のリンクを貫通して延びる長尺の可撓性部材と、 前記複数のリンクを固定状態にロックする第1の位置と、前記複数のリンクを
    互いに移動可能にする第2の位置との間を移動可能な引っ張り具と、 前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記引っ張り具を移動させるために
    前記引っ張り具に連結されたアクチュエータを備えており、 前記アクチュエータは、前記可撓性を持ったアームが固定状態に配置されるよ
    うに前記第1の位置に向けて付勢されており、前記アクチュエータの起動によっ
    て、前記引っ張り部材が第2の位置に移動して、前記可撓性を持ったアームが自
    由に移動可能となることを特徴とする医療器具を保持する装置。
  30. 【請求項30】 退縮部をさらに備え、 前記可撓性を持ったアームは、ロック位置と解放位置との間で移動可能なよう
    にロック機構を介して前記退縮部に連結されており、 前記アクチュエータは、前記ロック機構に操作可能に連結されており、前記ア
    クチュエータの起動によって、前記ロック機構が解放状態に移動することを特徴
    とする請求項29に記載の装置。
  31. 【請求項31】 前記可撓性を持ったアームに対して回動可能なように、前
    記可撓性を持ったアームに連結された医療器具をさらに備え、 前記アクチュエータは、前記医療器具に連結されており、前記アクチュエータ
    の起動によって、前記医療器具が前記可撓性を持ったアームに対して回動するこ
    とを特徴とする請求項29に記載の装置。
  32. 【請求項32】 前記アクチュエータがバネによって前記第1の位置に向け
    て付勢されていることを特徴とする請求項29に記載の装置。
  33. 【請求項33】 ベースと、 前記ベースに連結されており、複数のリンクを有しており、各リンクが中心軸
    線を有しており、先端のリンクの中心軸線が第1の軸線に配置されている可撓性
    を持ったアームと、 前記複数のリンクを貫通して延びる長尺の可撓性部材と、 前記可撓性部材に連結された引っ張り具と、 前記アームの先端に連結された医療器具とを備えており、前記医療器具は前記
    第1の軸線から離れた第2の軸線を中心にして前記可撓性を持ったアームに対し
    て回動可能であることを特徴とする医療器具を固定する装置。
  34. 【請求項34】 前記第1の軸線は、前記第2の軸線に70度乃至110度
    の角度をなすことを特徴とする請求項33に記載の装置。
  35. 【請求項35】 患者の体の開口部を開いた状態に維持するように形成され
    た挿入具(access device)と、 複数のリンクと、長尺部材と、ロック機構を有する可撓性を持ったアームと、 アクチュエータとを備えており、 前記長尺部材が、前記複数のリンクを貫通して延びて、前記アームをロックす
    るように引っ張られており、前記ロック機構は前記挿入具に対して前記アームを
    ロックし、 前記アクチュエータは前記長尺部材に連結され、第1の位置と第2の位置との
    間で移動可能にされており、前記アームと前記ロック機構は前記第1の位置でロ
    ックされ、前記第2の位置で解放されることを特徴とする医療器具を保持する装
    置。
  36. 【請求項36】 前記アームに回動可能に取り付けられた医療器具をさらに
    備え、前記アクチュエータは、前記第1の位置にあるときには回動を防止して、
    前記第2の位置にあるときには回動を可能とするように、前記医療器具に操作可
    能に連結されていることを特徴とする請求項35に記載の装置。
  37. 【請求項37】 柔軟性を持つ骨組構造部と、 前記骨組構造部を覆うコーティングとを備えており、 前記柔軟性を持つ骨組構造部は、前記コーティングの薄肉の部分によって形成
    されたヒンジを有しており、前記ヒンジによって前記柔軟性を持つ骨組構造部は
    変形可能であることを特徴とする患者の心臓を安定化させる吸引装置。
  38. 【請求項38】 前記コーティングは前記骨組構造部を部分的に覆っており
    、前記ヒンジは前記骨組構造部の露出した部分によって形成されていることを特
    徴とする請求項37に記載の吸引装置。
  39. 【請求項39】 第1のアームと、この第1のアームから間隔をおいて配置
    されており第1のアームとの間に開放部を有する第2のアームを備えており、前
    記第1のアームと前記第2のアームの少なくとも一方が可動部を有する安定化脚
    部を準備する工程と、 目標部位が前記第1のアームと前記第2のアームとの間に位置するように、患
    者の心臓に前記脚部を接触させて配置する工程と、 前記目標部位に近接した構造を収縮させるように前記脚部の前記可動部を移動
    させる工程と、 心臓を固定するように定位置で前記脚部を保持する工程とを備えることを特徴
    とする手術部位を固定する方法。
  40. 【請求項40】 前記準備する工程における前記脚部は、前記脚部を心臓に
    吸着するための少なくとも一つの吸引凹部を有しており、前記吸引凹部が吸引管
    腔に接続されており、 前記脚部を前記患者の心臓に吸着するために前記吸引管腔に吸引力を与える工
    程をさらに備えることを特徴とする請求項39に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記移動させる工程は、前記配置する工程の後に行われる
    ことを特徴とする請求項39に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記移動させる工程は、前記配置する工程の前に行われる
    ことを特徴とする請求項39に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記準備する工程における前記可動部はヒンジを有するこ
    とを特徴とする請求項39に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記準備する工程における前記脚部は、フレームと前記フ
    レームに取り付けられたボディとを有しており、前記ヒンジは前記フレームに一
    体に形成された部分から設けられていることを特徴とする請求項43に記載の方
    法。
  45. 【請求項45】 前記準備する工程における前記可動部は、前記第1のアー
    ムと前記第2のアームの少なくともいずれかの先端部に設けられていることを特
    徴とする請求項39に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記準備する工程における前記可動部は、前記第1のアー
    ムの先端部と前記第2のアームの先端部の両方に設けられていることを特徴とす
    る請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記準備する工程における前記可動部は、少なくとも0.
    25インチ(6.35mm)延びていることを特徴とする請求項45に記載の方
    法。
  48. 【請求項48】 前記準備する工程における前記可動部は、少なくとも0.
    50インチ(12.7mm)延びていることを特徴とする請求項47に記載の方
    法。
JP2001555543A 2000-01-27 2001-01-26 心臓外科手術用装置および心臓外科手術方法 Pending JP2003521296A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/492,558 US6994669B1 (en) 1999-04-15 2000-01-27 Apparatus and method for cardiac surgery
US09/492,558 2000-01-27
PCT/US2001/002815 WO2001054562A2 (en) 2000-01-27 2001-01-26 Apparatus and methods for cardiac surgery

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003521296A true JP2003521296A (ja) 2003-07-15

Family

ID=23956734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001555543A Pending JP2003521296A (ja) 2000-01-27 2001-01-26 心臓外科手術用装置および心臓外科手術方法

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP1185193A4 (ja)
JP (1) JP2003521296A (ja)
KR (1) KR20020007347A (ja)
AU (2) AU3121701A (ja)
BR (1) BR0104305A (ja)
CA (1) CA2366831A1 (ja)
NO (1) NO20014706L (ja)
WO (1) WO2001054562A2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008188112A (ja) * 2007-02-01 2008-08-21 Olympus Corp スタビライザ
JP2011152282A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Sumitomo Bakelite Co Ltd 多関節式アーム及びこれを具備する冠状動脈バイパス術用処置具
US8545389B2 (en) 2007-02-01 2013-10-01 Olympus Corporation Operating field securing device
JP2013545493A (ja) * 2010-06-14 2013-12-26 マッケ カーディオバスキュラー エルエルシー 手術器具、システムおよび使用方法
WO2020129868A1 (ja) * 2018-12-17 2020-06-25 株式会社八木熊 開創器、及び開創器の製造方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7883539B2 (en) 1997-01-02 2011-02-08 Edwards Lifesciences Llc Heart wall tension reduction apparatus and method
US6332893B1 (en) 1997-12-17 2001-12-25 Myocor, Inc. Valve to myocardium tension members device and method
US6260552B1 (en) 1998-07-29 2001-07-17 Myocor, Inc. Transventricular implant tools and devices
US6723038B1 (en) 2000-10-06 2004-04-20 Myocor, Inc. Methods and devices for improving mitral valve function
US20030083555A1 (en) * 2001-10-29 2003-05-01 Scott Hunt Segmented arm support system and method for stabilizing tissue
US6764510B2 (en) 2002-01-09 2004-07-20 Myocor, Inc. Devices and methods for heart valve treatment
US7112219B2 (en) 2002-11-12 2006-09-26 Myocor, Inc. Devices and methods for heart valve treatment

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USRE34150E (en) * 1985-11-12 1992-12-29 Kapp Surgical Instrument, Inc. Cardiovascular and thoracic retractor
US5894843A (en) * 1996-02-20 1999-04-20 Cardiothoracic Systems, Inc. Surgical method for stabilizing the beating heart during coronary artery bypass graft surgery
CA2197614C (en) * 1996-02-20 2002-07-02 Charles S. Taylor Surgical instruments and procedures for stabilizing the beating heart during coronary artery bypass graft surgery
US5976080A (en) * 1996-09-20 1999-11-02 United States Surgical Surgical apparatus and method
US6102854A (en) * 1997-08-27 2000-08-15 Coroneo Inc. Sternum retractor for performing bypass surgery on a beating heart
US6013027A (en) * 1997-10-07 2000-01-11 Ethicon Endo-Surgery, Inc. Method for using a tissue stabilization device during surgery
US6102853A (en) * 1998-01-23 2000-08-15 United States Surgical Corporation Surgical instrument
US6099468A (en) * 1999-01-15 2000-08-08 Kapp Surgical Instrument, Inc. Retractor for partial sternotomy

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008188112A (ja) * 2007-02-01 2008-08-21 Olympus Corp スタビライザ
US8545389B2 (en) 2007-02-01 2013-10-01 Olympus Corporation Operating field securing device
JP2011152282A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Sumitomo Bakelite Co Ltd 多関節式アーム及びこれを具備する冠状動脈バイパス術用処置具
JP2013545493A (ja) * 2010-06-14 2013-12-26 マッケ カーディオバスキュラー エルエルシー 手術器具、システムおよび使用方法
US9655605B2 (en) 2010-06-14 2017-05-23 Maquet Cardiovascular Llc Surgical instruments, systems and methods of use
JP2017094139A (ja) * 2010-06-14 2017-06-01 マッケ カーディオバスキュラー エルエルシー 手術器具、システムおよび使用方法
US10398422B2 (en) 2010-06-14 2019-09-03 Maquet Cardiovascular Llc Surgical instruments, systems and methods of use
US11284872B2 (en) 2010-06-14 2022-03-29 Maquet Cardiovascular Llc Surgical instruments, systems and methods of use
US12004732B2 (en) 2010-06-14 2024-06-11 Maquet Cardiovascular Llc Surgical instruments, systems and methods of use
WO2020129868A1 (ja) * 2018-12-17 2020-06-25 株式会社八木熊 開創器、及び開創器の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
NO20014706L (no) 2001-11-22
AU3121701A (en) 2001-08-07
EP1185193A2 (en) 2002-03-13
CA2366831A1 (en) 2001-08-02
AU2005229720A1 (en) 2005-12-01
EP1185193A4 (en) 2004-09-15
WO2001054562A2 (en) 2001-08-02
NO20014706D0 (no) 2001-09-27
BR0104305A (pt) 2002-06-25
KR20020007347A (ko) 2002-01-26
WO2001054562A3 (en) 2001-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6994669B1 (en) Apparatus and method for cardiac surgery
US6331157B2 (en) Apparatus and methods for off-pump cardiac surgery
US6013027A (en) Method for using a tissue stabilization device during surgery
US6500116B1 (en) Surgical retractor having improved blades
AU734407B2 (en) A tissue stabilization device for use during surgery having a segmented shaft
AU758709B2 (en) A tissue stabilization device for use during surgery
EP0908138B1 (en) Surgical tissue stabilization device having remotely actuated feet
AU734835B2 (en) A tissue stabilization device for use during surgery having spherical curved feet
US8734320B2 (en) Methods and apparatus providing suction-assisted tissue engagement through a minimally invasive incision
US8377082B2 (en) Methods and apparatus for making precise incisions in body vessels
US6348036B1 (en) Surgical retractor and tissue stabilization device
AU2005229720A1 (en) Apparatus and methods for cardiac surgery
US20020193666A1 (en) Surgical retractor
US20020095067A1 (en) Method and device for organ positioning
WO2000042936A1 (en) Irrigator for use with surgical retractor and tissue stabilization device and methods related thereto
EP1324704B1 (en) Apparatus for temporarily immobilizing a local area of tissue

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071203