JP2003521249A - 薬剤に対して改変された感受性を示す変異型b型肝炎ウイルス(hbv)を検出する検定法 - Google Patents

薬剤に対して改変された感受性を示す変異型b型肝炎ウイルス(hbv)を検出する検定法

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JP2003521249A JP2001555867A JP2001555867A JP2003521249A JP 2003521249 A JP2003521249 A JP 2003521249A JP 2001555867 A JP2001555867 A JP 2001555867A JP 2001555867 A JP2001555867 A JP 2001555867A JP 2003521249 A JP2003521249 A JP 2003521249A
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ロカルニニ,スティーブン,アリスター
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イソム,ハリエット
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般的に、薬剤に対して改変された感受性を示す変異型B型肝炎ウイルス(HBV)を検出する検定法に関する。この変異型HBVはバキュロウイルスベクターを用いて細胞に送達される。この同じ薬剤は一般に対照のHBVに対して特定の効果を持ち又は効果を持たない。この改変された感受性はウイルスの感染、複製、組立、及び/又は放出の過程の間のどの中間段階をも含むウイルス又はウイルス様粒子の感染、複製、組立、又は放出の一以上の段階に対する該薬剤の効果に関するものである。抗HBV剤に対する感受性が改変された変異型HBVの同定により、交差耐性を監視する手段、又は他の抗HBV剤に対する感受性が変化した変異型HBVに対して効果的な新規な治療法の開発、並びに適切な抗HBV剤の投与が保証されるように改良する必要のある治療法を監視することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、一般的に、薬剤に対して改変された感受性を示す変異型B型肝炎ウ
イルス(HBV)を検出する検定法に関する。該変異型HBVはバキュロウイル
スベクターを用いて細胞に送達される。この同じ薬剤は一般に対照のHBVに対
して特定の効果を持っていたり持っていなかったりする。この改変された感受性
は、ウイルスの感染、複製、組立、及び/又は放出の過程の間のどの中間段階を
も含むウイルス又はウイルス様粒子の感染、複製、組立、又は放出の一以上の段
階に対する該薬剤の効果に関するものである。抗HBV剤に対する感受性が改変
された変異型HBVの同定により、交差耐性を監視する手段や他の抗HBV剤に
対する感受性が変化した変異型HBVに対する効果的な新規治療法の開発が可能
になり、更には適切な抗HBV剤が投与されること又は適切な治療法が実施され
ることを保証するために改良する必要のある治療法の監視が可能となる。本発明
はさらに本発明の検定法により検出されるHBV変異型及びその成分並びに該成
分の組換え体、化学アナログ、同族体及び誘導体形を提供する。
【0002】 発明の背景 本明細書におけるいずれの先行技術についての言及も、この先行技術がオース
トラリア又は任意の他国での一般的常識の一部をなすという認識又は任意形式の
示唆ではなく、そのように解釈されるべきではない。
【0003】 本明細書において数字で言及される刊行物の書誌的詳細は本記載の終わりにまと
めて付記する。
【0004】 アミノ酸配列の特定の突然変異は本明細書において「Xaa1nXaa2」と表される
。ここでXaa1は突然変異前の元のアミノ酸残基であり、nは残基の番号であり、
Xaa2は突然変異後のアミノ酸である。略語「Xaa」は三文字又は一文字のアミノ
酸コードであってよい。一文字コードの突然変異は例えばX1nX2と表される。こ
こでX1及びX2はそれぞれXaa1及びXaa2と同一である。B型肝炎ウイルスのDNA
ポリメラーゼのアミノ酸残基は番号がつけられており、モチーフ「Tyr Met Asp
Asp (YMDD)」におけるメチオニン残基は、残基番号が550である。
【0005】 本明細書において、対照のHBVは、HBV遺伝子型のAからGまでの混成又
は共通のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列を含むと考えられる(1、2)。
【0006】 組換えDNA技術の急速に高まる精巧性は、医学分野及び関連する保健分野の
進歩を非常に促進している。これはとりわけ治療用組成物及び組換えワクチンの
作製の場合にそうである。組換え技術は治療用組成物に有用な成分をスクリーニ
ング又は同定するための遺伝的基礎を提供する。
【0007】 B型肝炎ウイルス(HBV)は、準臨床的な感染から活動性慢性肝炎までに及
ぶ消耗性の病状を惹起でき、急性肝不全又は劇症肝炎に至らせることができる。
【0008】 ほとんどの患者は、該ウイルスが除去されるまでの間、急性肝炎を患う。劇症
肝炎において、患者は急性肝不全に罹り、これはしばしば患者を死に至らしめる
。北米及び欧州の患者の約5%は該ウイルスを除去できない一方、西アフリカで
は感染患者の15%までがHBVを排除できない(3)。潜伏期の長いHBV感
染により、該宿主は慢性肝疾患及び肝細胞癌になりやすくなる(4)。
【0009】 該HBVゲノムは、環状で且つ部分的に二重鎖のDNA分子に一連の重なり合
う遺伝子を含む(5)[図1も参照せよ]。これらの遺伝子は四つの重なり合うオ
ープン・リーディング・フレームをコードしている。例えば、該DNAポリメラ
ーゼをコードする遺伝子は、該ウイルスのエンベロープ遺伝子(プリS1、プリ
S2及びS)と重なり合い、部分的にX遺伝子及びコア遺伝子と重なり合う。小
さなHBV表面タンパク質のタンパク質成分は通常HBV表面抗原(HBsAg
)と呼ばれS遺伝子配列によりコードされる。該プリS1遺伝子配列及び該プリ
S2遺伝子配列は他のエンベロープ成分をコードする(6)。該コアのオープン
・リーディング・フレームは該B型肝炎コアタンパク質(HBcAg)及びHB
eAgの両方をコードし、HBeAgはプリコアの開始コドンから始まる。変異
型HBVは一つ以上のオーバーラップ遺伝子に単数又は複数の突然変異を持つこ
とができる。
【0010】 このHBVのDNA(以下HBV・DNAと略記する)ポリメラーゼは、逆転
写酵素(即ち、RNA依存性DNAポリメラーゼ)であり、DNA依存性DNA
ポリメラーゼ並びにプライマーゼ及びRNアーゼHの活性も有する。ヌクレオシ
ドアナログ類はHBVのDNA複製を阻害するために用いられてきた。しかしな
がら、HBV・DNAポリメラーゼをコードする遺伝子に突然変異が生じ、該ヌ
クレオシドアナログに耐性のある変異型HBVが発生する。耐性は一つのヌクレ
オシドアナログに生じうるし、交差耐性はヌクレオシドアナログの全ファミリー
にも生じうる。さらに、該突然変異がHBsAgをコードする遺伝子と重なり合
う領域に生じた場合、該HBsAg自体に変化が起きワクチン回避突然変異体が
発生しうる。
【0011】 幾つかのプリコア変異型HBVはB型肝炎e抗原(HBeAg)が陰性のB型
肝炎を生じる。世界中で慢性HBVに感染した患者の7%から30%はHBeA
gが陰性であり且つ市販の試験を用いたハイブリダイゼーションによりHBV・
DNAは陽性である。このような変異体の一つはHBeAgを合成できない。ヌ
クレオチド1896(A1896;ユニークなEcoRI部位から数えて)での単塩
基置換(GからA)は、プリコア遺伝子の最後から二番目のコドン(コドン28
)に翻訳停止コドンを生じる。他のプリコア及び基底コアプロモーター(BCP
)の突然変異を表1に記載する。該コア遺伝子自体は影響されないため、該コア
タンパク質の合成は正常に続行しビリオンを生産できる。プリコアのA1896の突
然変異は軽病の抗HBe陽性患者と高レベルのウイルス血症及び重篤な慢性肝炎
の患者との両方に起こる。これは慢性の進行性疾患と直接的な因果関係がないこ
とを示唆する。しかしながら、プリコア突然変異ウイルスの感染は劇症肝炎及び
移殖の硬化、移殖の失敗と関連している(15)。
【0012】 該HBsAgは「a」決定基と呼ばれる抗原性領域を含む(7)。この「a」
決定基は、複合体であり、立体配座であり、並びに高度に保存されたシステイン
残基間のジスルフィド結合に依存している。「a」決定基の変化を導く遺伝的変
異は従来のワクチンに対して生じる免疫学的応答を回避するHBVの突然変異と
関わっている(8〜12)。特によくある突然変異の一つはHBsAgのアミノ
酸位置145でのグリシン(G)からアルギニン(R)への置換(G145R)
である。この突然変異は「a」エピトープ領域に影響を及ぼす。
【0013】 HBV感染の治療又は予防に際して、化学的介入及び免疫学的介入への依存が
増大することから、干渉主義治療に抵抗する変異型HBVの出現に対してはより
強い選択圧がかかる結果となる。HBVの重なり合うゲノム構造のため、変異型
HBVは化学薬剤又はワクチンの使用により直接的又は間接的に選択されうる。
【0014】 治療法を変更するために適切な手段が採択できるように変異型HBVを検出で
きることが重要である。これは、既知の耐性変異型HBVに対して有効な新規の
治療薬剤の開発にもとりわけ重要であり、化学的に関連性のある抗ウイルス薬剤
のファミリーの中で交差耐性が現れる場合にも重要である。
【0015】 HBVバキュロウイルスが媒介するHBV複製は、一過性のシステムであり、
HBVウイルスゲノムの組込みを必要としない。このシステムは最近デラニーら
(13、14)により記述された。該HBVバキュロウイルス系はHBVを発現
する標準的な一過性トランスフェクション系及び細胞系統を凌ぐ幾つかの利点を
有する。
【0016】 HBV複製の研究及びHBVに対する治療薬剤の開発において、HBV・DN
Aを発現できる幾つかの細胞系統が開発されてきた。しかしながら、これらの細
胞系統は、天然で感染した細胞の状態に似ていそうにない異型プロモーター又は
異型調節配列の制御下でのHBV・DNA配列を用いて開発された。
【0017】 更に、HBVを研究するために通常用いられる細胞系統は組込まれたHBV・
DNAの多重コピーを含む。ヘパドナウイルスゲノムはエピソーム状の共有結合
で閉鎖された環状(CCC)DNA分子のプールとしてインビボで感染細胞の核
に保持される。ヒトの肝臓におけるHBV・DNAの組込みが報告されてきたが
、これは該HBVの生活環の必須部分ではなく、組み込みはHBVの複製に必要
ではない。さらに、組込まれたHBV・DNAが見出される場合、それはしばし
ば再配列されており大抵転写が休止している。HBVを発現する細胞系統は安定
に組込まれたHBV・DNAを含むため、ウイルス遺伝子の発現及び複製は連続
的であり、従って、これらの過程が開始される時間又は条件を実験的に制御する
ことはできない。安定なHBVを発現する細胞系統は一定数の通常頭−尾方向で
組込まれたHBVゲノムを含み、その状態ではHBV遺伝子の発現及び複製のレ
ベルは調節され得ず、各細胞系統が含む組込コピーの数に制限される。従って、
該細胞系統にトランスフェクションすること及び/又は新規な細胞系統を選択す
ることなしには、組込まれたHBVゲノムのコピー数を増加又は減少させる影響
を研究することはできない。
【0018】 高い多重度でのHBVバキュロウイルス感染でさえHepG2又はHuh−7
などの細胞には毒性でない。HBVの発現は、単なる培養の重感染によりHBV
バキュロウイルスに感染した細胞集団で促進又は延長できる。
【0019】 バキュロウイルスが媒介するHepG2細胞へのHBVの遺伝子転移と安定に
トランスフェクションされた細胞系統との間の主な差異の一つは複製過程を同時
に開始するその能力である。「2.2.15」と呼ばれるHepG2細胞系統の誘導体
などの安定にトランスフェクションされたHBV細胞系統においては、各々の細
胞は複製周期の全ての相でウイルスを含む。対照的に、HBVバキュロウイルス
の感染は、例えばHepG2細胞でのHBV複製を同時に開始させるために用い
ることができる。なぜなら、これらの細胞は感染前にウイルス産物を含有しない
ためである。HBVバキュロウイルスに感染したHepG2細胞では、適切な組
換えHBVバキュロウイルスを用いて感染後の時間とHBsAg及びHBeAg
の両方の分泌について経時的推移を追跡できる。
【0020】 従って、特定の薬剤に対して改変された感受性を有する特異的な変異型HBV
をスクリーニングするためのバキュロウイルス系を開発する必要がある。
【0021】 発明の概要 本明細書を通して、文脈が他の意味を要しない限り、「含む(comprise)」という
単語、又は「含む(comprises)」若しくは「含む(comprising)」などの変形は、
明記した要素若しくは整数又は要素若しくは整数の群の包含を意味するが、任意
の他の要素若しくは整数又は要素若しくは整数の群の排除を意味するものではな
いと理解されるものである。
【0022】 ヌクレオチド及びアミノ酸の配列は、配列同定子、即ち<400>1、<40
0>2などにより言及される。配列表は請求の範囲の後ろに提供する。
【0023】 本発明は一般的に薬剤に対して改変された感受性を示す変異型HBVを検出す
る検定法に関する。具体的には、この検定法は特定の薬剤に対する変異型HBV
の感受性についてスクリーニングするためにバキュロウイルス系の使用を含む。
本明細書で意図される薬剤は、ヌクレオチドアナログ及びヌクレオシドアナログ
及び非ヌクレオシドアナログなどの化学薬剤、抗体及びサイトカインなどの免疫
学的薬剤並びに他の治療用分子を含む。これらの薬剤は、一般的に、HBV感染
、複製及び/又はウイルス又はウイルス様粒子の組立又は放出を阻害又は低減す
るなど、対照のHBVに対して既知の効果を有するが、それに限定されない。該
検定法は、一般的に、細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む
又はそれに融合した該変異型HBV由来のゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子
構築物を最初に作成することにより、ある薬剤に対して改変された感受性を示す
変異型HBVを検出する工程を含む。該細胞が感染する前、間又は後に、試験す
べき薬剤を該細胞と接触させる。該細胞が同一構築物で又はHBV野性型若しく
は他のHBV変異型のゲノムを含む遺伝子構築物で再度感染させる任意選択の更
なる工程がある。次に、該細胞は、該薬剤に耐性であるならば、該変異型HBV
が遺伝子配列を複製し、発現し、及び/又はウイルス若しくはウイルス様粒子を
組み立て、及び/又は放出するのに十分な時間及び条件の下で培養される。次い
で、該変異型HBVが、薬剤の存在下で、遺伝物質を複製し、発現し、及び/又
は組み立て及び/又は放出されるか否かを決定するため、該細胞、細胞溶解物若
しくは培養上清液はウイルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にかけられ
る。検出可能な成分の存在又は不存在により、該薬剤に対する耐性又は感受性の
指示が得られる。
【0024】
【外1】
【0025】
【外2】
【0026】
【外3】
【0027】 好ましい実施態様の詳細な説明 本発明は、特定の薬剤に対する変異型HBVの感受性についてスクリーニング
するためにHBVバキュロウイルス変異型を用いる検定法を提供する。これらの
薬剤は、一般的に、ウイルス又はウイルス様粒子のHBV感染、複製及び/又は
組立及び/又は放出を阻害又は低減するなど、対照のHBVに対して既知の効果
を有するが、それに限定されない。本発明は、特定の薬剤に対する変異型HBV
の感受性についてスクリーニングするための検定法を提供する。これらの薬剤は
、一般的に、ウイルス又はウイルス様粒子のHBV感染、複製及び/又は組立及
び/又は放出を阻害又は低減するなど、対照のHBVに対して既知の効果を有す
るが、それに限定されない。
【0028】 本発明は、普通の条件下では対照のHBVに対して特定の効果を有しており又
は効果を有していない薬剤に対して改変された感受性を有する変異型HBVの同
定に一部基づくものである。
【0029】 一般的に、しかし排他的ではないが、該薬剤はウイルス又はウイルス様粒子の
HBV感染、複製及び/又は組立及び/又は放出を阻害又は低減する。該検定法
は該薬剤が特定の変異型HBVに同一の効果を有するか否かを決定する。該検定
法は化学的に又は機能的に関連した抗ウイルス薬剤のグループ内での交差耐性の
程度を決定する際にも有用である。一つの実施態様においては、この変異型HB
Vは回避突然変異体である。しかしながら、本発明は、ある薬剤が対照のHBV
に対してほとんど効果を有さないが変異型HBVに対して効果的である場合にも
及ぶ。本目的のため、「対照」HBVは便宜上「野性型」HBVとみなされる。
【0030】 「変異型」という用語は、その最も広い文脈で用いられ、突然変異体、誘導体
、対照HBVと比べて修飾された及び改変されたHBVの形態を含む。変異型は
通常ウイルスゲノムにおける単数又は複数のヌクレオチド置換、付加及び/又は
欠失又は先端切除の突然変異、並びにウイルスのペプチド、ポリペプチド又はタ
ンパク質において対応する単数又は複数のアミノ酸の置換、付加及び/又は欠失
又は先端切除を含む。
【0031】 従って、本発明の一側面はある薬剤に対して改変された感受性を示す変異型H
BVを検出する方法であって、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合した
該変異型HBV由来のゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成する工
程、次いで該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前、間及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させる工程、 同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノムを含
む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子配列を複製し、発現し
、及び/又はウイルス若しくはウイルス様粒子を組み立て、及び/又は放出する
のに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、並びに 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、及
び/又は組み立て及び/又は放出されるか否かを決定するため、該細胞、細胞溶
解物若しくは培養上清液をウイルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にか
ける工程、 を含む方法を意図する。
【0032】 この改変された感受性は、ウイルスの感染、複製及び/又はウイルス若しくは
ウイルス様粒子の組み立て及び/又は放出に対する効果又は感染、複製、組立、
及び/又は放出の過程間の中間段階に対する効果を含むことが好ましい。特に好
ましい実施態様において、該変異型HBVが薬剤に対して耐性であるか否かの確
認が行なわれる。ある一つの薬剤に対する耐性は、交差耐性が発達する間に生じ
うるので、二つ以上の化学的又は機能的に関連した薬剤に対する耐性をも含む。
【0033】 従って、本発明の他の側面は、対照HBVの感染、複製、組立て及び/又は放
出を阻害又は低減する薬剤の存在下で、感染、複製、組み立て及び/又は放出で
きる変異型HBVを検出する方法であって、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合した
該変異型HBVゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成する工程、次
いで該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は間及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させ
る工程、 同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノムを含
む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子物質を複製し、発現し
、及び/又はウイルス若しくはウイルス様粒子を組み立て、及び/又は放出する
のに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、並びに 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、及
び/又は組み立て及び/又は放出されるか否かを決定するため、該細胞又は細胞
溶解物をウイルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にかける工程、 を含む方法を提供する。
【0034】 上で言及された任意選択の工程は同一のHBV又は他のHBVによる共感染の
効果の試験を包含する。
【0035】 従って、本発明の他の側面は、対照HBVの感染、複製、組立て及び/又は放
出を阻害又は低減する薬剤の存在下で、感染、複製、組み立て及び/又は放出で
きる変異型HBVを検出する方法であって、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合した
該変異型HBVゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成する工程、次
いで該構築物で細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は間及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させ
る工程、 初期感染後に一回以上同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHB
V変異型のゲノムを含む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる
工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子物質を複製し、発現し
、及び/又はウイルス若しくはウイルス様粒子を組み立て、及び/又は放出する
のに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、並びに 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、又
は組み立て及び/又は放出されるか否かを決定するため、該細胞又は細胞溶解物
をウイルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にかける工程、 を含む方法を提供する。
【0036】 上で言及された任意選択の工程は同一のHBV又は他のHBVによる重感染の
効果の試験を包含する。
【0037】 細胞、細胞溶解物及び培養上清液におけるHBV又はその成分の検出は任意の
簡便な手段によりなされうる。例えば、HBVの全DNA又は全RNAが測定さ
れ、複製中間体が検出され又はHBVに特異的な産物又は遺伝子転写物が測定さ
れうる。適切な検定手段にはPCR、ノーザン・ブロット及びサザン・ブロット
などの核酸ハイブリダイゼーション法並びにELISAなどの抗体手法が含まれ
、ウェスタン・ブロットが用いられてもよい。
【0038】 本発明の変異型HBVの例は、臨床環境における選択圧をかけた後に得られる
変異型である。選択圧の一形態は、HBV・DNAポリメラーゼをコードする遺
伝子での突然変異を選択するHBV・DNAポリメラーゼに対する化学圧(例え
ばヌクレオシドアナログを介して)である。該HBVゲノムの重なり合うという
性質により、対応する突然変異はHBsAgをコードする遺伝子にも生じうる(
図1Bを参照)。従って、HBV・DNAポリメラーゼをコードする一つ以上の
ヌクレオチドにおける突然変異はHBsAgをコードするヌクレオチド配列に対
して効果を有しうる。
【0039】 本発明の変異型ウイルスは、DNAポリメラーゼ又は表面抗原にのみ突然変異
を有しうるし、あるいは両遺伝子に突然変異を有しうる。「突然変異」という用
語は、その最も広い文脈で解釈されるべきであり、DNAポリメラーゼ又は表面
抗原の正常な機能に実質的に影響を及ぼさないサイレント突然変異を含み、又は
ヌクレオシドアナログ耐性又はワクチン回避突然変異の表現型の選択に影響を及
ぼす活性の突然変異でありうる。本発明にしたがって複数の突然変異が生じる場
合又は複数の表現型が一つの突然変異に起因する場合、少なくとも一つの突然変
異は活性でなければならず、又は該ウイルスはヌクレオシドアナログの耐性など
の少なくとも一つの改変された表現型若しくは対照のHBVの表面抗原に対して
低減された抗HBsの免疫学的相互作用を示さなければならない。
【0040】 本発明は、本明細書で対照のHBVを定義すると考えられる式Iで示すアミノ
酸配列と比較してHBV・DNAポリメラーゼの触媒領域のアミノ酸配列におい
て単数又は複数の置換、付加及び/又は欠失又は先端切除を有する任意のHBV
突然変異を検定することにも及ぶ。
【0041】
【化1】
【0042】 上式中、 X は任意のアミノ酸であり; Z1 はN又はDであり; Z2 はI又はPであり; Z3 はI又はVであり; Z4 はS又はDであり; Z5 はT又はNであり; Z6 はR又はNであり; Z7 はN又はIであり; Z8 はN又はY又はHであり; Z9 はH又はYであり; Z10 はG又はRであり; Z11 はD又はNであり; Z12 はD又はNであり; Z13 はS又はYであり; Z14 はN又はQであり; Z15 はL又はMであり; Z16 はK又はQであり; Z17 はY又はFであり; Z18 はR又はWであり; Z19 はY又はLであり; Z20 はS又はAであり; Z21 はI又はVであり; Z22 はI又はLであり; Z23 はV又はGであり; Z24 はC又はLであり; Z25 はA又はSであり; Z26 はV又はMであり; Z27 はV又はTであり; Z28 はR又はCであり; Z29 はF又はPであり; Z30 はL又はVであり; Z31 はA又はVであり; Z32 はS又はAであり; Z33 はV又はL又はMであり; Z34 はK又はRであり; Z35 はS又はTであり; Z36 はV又はGであり; Z37 はQ又はEであり; Z38 はL又はS又はRであり; Z39 はS又はFであり; Z40 はF又はYであり; Z41 はT又はAであり; Z42 はA又はSであり; Z43 はV又はIであり; Z44 はT又はCであり; Z45 はN又はSであり; Z46 はF又はVであり; Z47 はS又はDであり; Z48 はL又はVであり; Z49 はN又はQであり; Z50 はV又はIであり;並びに M* はアミノ酸550である。
【0043】 従って、本発明の他の側面は、ある薬剤に対して改変された感受性を有する変
異型HBVを検出する検定法であって、該変異型HBVは式Iで示すアミノ酸配
列と比較して単数又は複数のアミノ酸の置換、付加及び/又は欠失又は先端切除
を含むものであり、該変異型HBVは該HBV・DNAポリメラーゼのヌクレオ
シドアナログにより選択されるものであり、該方法は、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合した
該変異型HBVに由来するゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成す
る工程及び該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は間及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させ
る工程、 同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノムを含
む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子配列を複製し、発現し
、及び/又はウイルス若しくはウイルス様粒子を組み立て、及び/又は放出する
のに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、並びに 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、又
は組み立て及び/又は放出されるか否かを決定するため、該細胞、細胞溶解物又
は細胞上清液をウイルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にかける工程、
を含むものである検定法を提供する。
【0044】 関連する実施態様において、本発明は変異型HBVの検定法であって、該変異
型HBVは、対照のHBVによる感染、複製又は組立て及び/又は放出を他の方
法で阻害又は低減する薬剤に対して低減された感受性を示すものであり、該変異
型HBVは式Iで示すアミノ酸配列と比較して単数又は複数のアミノ酸の置換、
付加及び/又は欠失又は先端切除を含むものであり、該方法は、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合した
該変異型HBVゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成する工程、次
いで該構築物で細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は間及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させ
る工程、 同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノムを含
む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝物質を発現し、及び/又
はウイルス若しくはウイルス様粒子を組み立て及び/又は放出するのに十分な時
間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、並びに 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、又
は組み立て及び/又は放出されるか否かを決定するため、該細胞又は細胞溶解物
をウイルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にかける工程、 を含むものである検定法に関する。
【0045】 本発明により意図される他の変異型HBVは、プリコア配列又は基底コアのプ
ロモーター配列にある。本発明により意図されるプリコア突然変異は、表1に記
載されるものを含む。具体的なプリコア遺伝子及び基底コアプロモーター(BC
P)の突然変異には、A1814T、C1856T、G1896A、G1897
A、G1898A、G1899A、G1896A/G1899A、A1762T
/G1764A、T1753C、G1757A及びC1653T(番号はHBV
の唯一のEcoRI部位からのものである)が含まれる。
【0046】 従って、本発明の他の側面は、薬剤に対して改変された感受性をもつ変異型H
BVについての検定法であって、該変異型HBVはプリコアヌクレオチド配列に
対して単数又は複数のヌクレオチドの置換、付加及び/又は欠失を含むヌクレオ
チド配列を含むものであり、該方法は、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合した
該変異型HBVに由来するゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成す
る工程、及び該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は間及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させ
る工程、 同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノムを含
む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子配列を複製し、発現し
、又は組み立てるのに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、並び
に 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、又
は組み立てるか否かを決定するため、該細胞、細胞溶解物又は培養上清液をウイ
ルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にかける工程、 を含むものである検定法を提供する。。
【0047】 本発明のこの側面にしたがう変異型HBVは、表1に記載されるようにプリコ
ア遺伝子又はBCPの突然変異を有することが好ましい。特に好ましい実施態様
において、プリコア又はBCPの突然変異は、A1814T、C1856T、G
1896A、G1897A、G1898A、G1899A、G1896A/G1
899A、A1762T/G1764A、T1753C、G1757A及びC1
653T(番号はHBVの唯一のEcoRI部位からのものである)から選択さ
れる。
【0048】 関連する実施態様において、本発明は、薬剤に対して低減された感受性を示す
変異型HBVについての検定法であって、該薬剤は対照HBVによる感染、複製
又は組立て及び/又は放出を他の方法で阻害又は低減するものであり、該変異型
HBVはプリコアヌクレオチド配列に対して単数又は複数のヌクレオチドの置換
、付加及び/又は欠失を含むヌクレオチド配列を含むものであり、該方法は、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合した
該変異型HBVに由来するゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成す
る工程、及び該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は間及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させ
る工程、 同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノムを含
む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子配列を複製し、発現し
、又は組み立てるのに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、並び
に 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、又
は組み立てるか否かを決定するため、該細胞、細胞溶解物又は培養上清液をウイ
ルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にかける工程、 を含むものである検定法を意図する。
【0049】 他の実施態様において、変異型HBVはDNAポリメラーゼの突然変異又はB
型肝炎表面抗原(HBsAg)の対応する突然変異とともにプリコア突然変異を
含む。この実施態様の好ましい突然変異は、L526M+M550V[M195
I]とプリコア突然変異又はM550I[W196L、W196S又はW196S
TOP]とプリコア突然変異などのラミヴゥディン(LAM)に対する耐性に起
因するものであるが、これらに限定されない。括弧内の突然変異はHBV・DN
Aポリメラーゼ遺伝子の突然変異後の対応するHBsAgの突然変異である。好
ましいプリコア遺伝子及びBCPの突然変異は、A1814T、C1856T、
G1896A、G1897A、G1898A、G1899A、G1896A/G
1899A、A1762T/G1764A、T1753C、G1757A、G1
653T(表1)である。
【0050】 従って、本発明の他の側面は、LAM又は他の薬剤に対して改変された感受性
をもつ変異型HBVについての検定法であって、該変異型HBVは該プリコアヌ
クレオチド配列、該DNAポリメラーゼ遺伝子及び任意選択の重複するHBsA
gヌクレオチド配列に対して単数又は複数のヌクレオチドの置換、付加及び/又
は欠失を含むヌクレオチド配列を含むものであり、該方法は、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合した
該変異型HBVに由来するゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成す
る工程、及び該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は間及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させ
る工程、 同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノムを含
む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子配列を複製し、発現し
、又は組み立てるのに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、並び
に 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、又
は組み立てるか否かを決定するため、該細胞、細胞溶解物又は培養上清液をウイ
ルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にかける工程、 を含むものである検定法を提供する。
【0051】 関連する実施態様において、本発明は、LAM又は他の薬剤に対して低減され
た感受性を示す変異型HBVについての検定法であって、該薬剤は対照のHBV
による感染、複製又は組立て及び/又は放出を他の方法で阻害又は低減するもの
であり、該変異型HBVは該プリコアヌクレオチド配列、該DNAポリメラーゼ
遺伝子及び任意選択のHBsAgヌクレオチド配列に対して単数又は複数のヌク
レオチドの置換、付加及び/又は欠失をコードするヌクレオチド配列を含むもの
であり、該方法は、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合した
該変異型HBVに由来するゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成す
る工程、及び該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は間及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させ
る工程、 同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノムを含
む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子配列を複製し、発現し
、又は組み立てるのに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、並び
に 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、又
は組み立てるか否かを決定するため、該細胞、細胞溶解物又は培養上清液をウイ
ルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にかける工程、 を含むものである検定法を意図する。
【0052】 本発明のこれらの側面の変異型HBVは、表1に記載されるようにプリコア遺
伝子及びBCPの突然変異を有することが好ましい。特に好ましい実施態様にお
いて、プリコア又はBCPの突然変異は、A1814T、C1856T、G18
96A、G1897A、G1898A、G1899A、G1896A/G189
9A、A1762T/G1764A、T1753C、G1757A及びC165
3T(番号はHBVの唯一のEcoRI部位からのものである)から選択される
。該DNAポリメラーゼ遺伝子(及びHBsAg)の突然変異はL526M+M
550V[M195I]又はM550I[W196L、W196S又はW196S
TOP]であることが好ましい。
【0053】 本発明にしたがって試験されるべき変異体の他の例は改変された免疫プロフィ
ールをもつものである。このような変異体は、対照のHBV又はその表面成分を
含むワクチンなどの従来のHBVワクチンに対する免疫応答を中和することによ
り実質的に影響されない。同様に、該変異型HBVは、感染、複製、組立て若し
くは放出のレベルで又は該HBVの生活環での他のレベルで対照のHBVの感染
、複製、組立て又は放出を阻害又は低減できる薬剤により実質的に影響されえな
い。「実質的に影響されない」という表現は、ワクチンにより生じた免疫応答に
対する低減した感受性又は該DNAポリメラーゼなどのHBV遺伝子を標的とす
るヌクレオシドアナログなどの化学薬剤に対する低減した感受性を含む。DNA
ポリメラーゼ及びあるウイルス表面成分のリーディング・フレームが重なり合う
という性質により、改変された表面成分は該DNAポリメラーゼにおいて対応す
る改変を有しうる。
【0054】 本発明のHBVの好ましい表面成分はHBsAgである。本発明のこの側面に
したがって、該変異型HBVのHBsAgは対照のHBVに由来するHBsAg
と比べて改変された免疫プロフィールを示すことが提唱される。本発明の目的の
ため、対照のHBVはノルダーら(1)及びスチュイベルら(2)により述べら
れているアミノ酸配列を実質的にもつHBsAgを便宜上含む。これはあらゆる
既知のHBVの遺伝子型を包含する(現在AからGまで)。本発明の検定法は、
特定の薬剤に対する変異型HBVの感受性に及ぼす改変されたHBsAgの効果
をスクリーニングするために用いることができる。
【0055】 従って、本発明は、式Iで上述したHBV・DNAポリメラーゼの触媒領域に
対する単数又は複数のアミノ酸の置換、付加及び/又は欠失により定義されたよ
うな、下記の式IIで示すアミノ酸配列と比較した場合のHBsAgのアミノ酸配
列における任意の単数又は複数のアミノ酸の置換、付加及び/又は欠失又は先端
切除に及ぶ。
【0056】 対照のHBVを定義すると考えられるHBsAgのアミノ酸配列は以下に式II
に示す。
【0057】
【化2】
【0058】 上式中、 X1 は E又はG又はDであり、 X2 は N又はS又はKであり、 X3 は I又はTであり、 X4 は T又はAであり、 X5 は F又はLであり、 X6 は G又はRであり、 X7 は L又はRであり、 X8 は G又はVであり、 X9 は F又はCであり、 X10は L又はS又はWであり、 X11は R又はKであり、 X12は L又はRであり、 X13は T又はKであり、 X14は Q又はKであり、 X15は D又はHであり、 X16は G又はE又はAであり、 X17は S又はA又はV又はT又はLであり、 X18は P又はTであり、 X19は V又はR又はT又はK又はGであり、 X20は L又はPであり、 X21は Q又はL又はKであり、 X22は S又はLであり、 X23は P又はQであり、 X24は T又はIであり、 X25は N又はSであり、 X26は S又はLであり、 X27は T又はIであり、 X28は S又はCであり、 X29は I又はTであり、 X30は P又はAであり、 X31は R又はQであり、 X32は F又はCであり、 X33は Y又はCであり、 X34は P又はH又はSであり、 X35は I又はLであり、 X36は G又はRであり、 X37は S又はTであり、 X38は T又はSであり、 X39は T又はV又はAであり、 X40は G又はE又はQであり、 X41は P又はA又はSであり、 X42は K又はRであり、 X43は T又はMであり、 X44は T又はI又はS又はAであり、 X45は P又はT又はA又はI又はLであり、 X46は A又はVであり、 X47は N又はTであり、 X48は M又はK又はLであり、 X49は F又はY又はIであり、 X50は S又はYであり、 X51は C又はSであり、 X52は T又はI又はSであり、 X53は T又はSであり、 X54は D又はAであり、 X55は S又はTであり、 X56は F又はLであり、 X57は A又はG又はVであり、 X58は K又はR又はTであり、 X59は Y又はFであり、 X60は W又はGであり、 X61は A又はGであり、 X62は V又はAであり、 X63は F又はLであり、 X64は S又はNであり、 X65は V又はAであり、 X66は P又はQであり、 X67は W又はC又はSであり、 X68は F又はCであり、 X69は V又はD又はAであり、 X70は G又はEであり、 X71は S又はFであり、 X72は T又はIであり、 X73は L又はPであり、 X74は S又はLであり、 X75は A又はVであり、 X76は M又はIであり、 X77は M又はIであり、 X78は Y又はFであり、 X79は G又はEであり、 X80は S又はN又はKであり、 X81は L又はQであり、 X82は Y又はF又はH又はCであり、 X83は S又はG又はN又はD又はTであり、 X84は V又はLであり、 X85は S又はNであり、 X86は I又はM又はLであり、 X87は F又はCであり、 X88は C又はYであり、 X89は W又はRであり、 X90は V又はAであり、及び X91は Y又はI又はSである。
【0059】 従って、本発明の他の側面は、ある薬剤に対して改変された感受性を有する変
異型HBVを検出する方法であって、該変異型HBVは対照のHBVに由来する
表面抗原と比較して単数又は複数のアミノ酸の置換、付加及び/又は欠失又は先
端切除をもつアミノ酸配列を有する表面抗原を含み、その結果、該対照の表面抗
原に対して生じる抗体は該変異型HBVを中和するための改変された能力を示す
ものであり、該方法は、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合した
該変異型HBVに由来するゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成す
る工程、及び該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は間及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させ
る工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子配列を複製し、発現し
、又は組立てるのに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、並びに 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、又
は組み立てるか否かを決定するため、該細胞、細胞溶解物又は培養上清液をウイ
ルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にかける工程、 を含む方法を提供する。。
【0060】 対照のHBVのHBsAgのアミノ酸配列は上記の式IIで示される。
【0061】 一般的に、本発明の方法は回避突然変異体とみなしうる変異型HBVを検出で
きる。この回避突然変異体は該HBVポリメラーゼに対する化学治療又は該表面
抗原に対するワクチン治療により実質的に悪影響を受けることはあり得ない。「
回避」突然変異体という用語は対照のHBVに対する化学治療又はワクチン治療
への感受性の低減をも包含する。
【0062】 より具体的には、本発明の別の一側面は、対照のHBVの複製を阻害又は低減
する薬剤の存在下で複製できる変異型HBVを検出する方法であって、この対照
のHBVは対照のHBVに由来する表面抗原と比較して単数又は複数のアミノ酸
の置換、付加及び/又は欠失又は先端切除をもつアミノ酸配列を有する表面抗原
を含み、その結果、該対照の表面抗原に対して生じる抗体は該変異型HBVを中
和するための改変された能力を示すものであり、該方法は、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合した
該変異型HBVゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成する工程、次
いで該構築物で細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は間及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させ
る工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子物質を複製し、発現し
、又は組立てるのに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、並びに 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、又
は組み立てるか否かを決定するため、該細胞又は細胞溶解物をウイルス検出手段
若しくはウイルス成分検出手段にかける工程、 を含む方法を提供する。
【0063】 本発明はHBsAg若しくはその誘導体を含むワクチン又はそれらを含むHB
Vに基づいた免疫選択後の該HBsAgにおける変化にも及ぶ。ここで該HBs
Agは実質的に式IIで示されるアミノ酸配列を含む。
【0064】 従って、「薬剤」は化学薬剤(例えばヌクレオチドアナログ及びヌクレオシド
アナログ及び非ヌクレオシドアナログ)、免疫薬剤(例えば抗体又はサイトカイ
ン)又は他の治療用分子に及ぶ。本発明により意図される薬剤の一群は非ヌクレ
オシドアナログの逆転写酵素阻害剤(フェニルプロペンアミド誘導体のAT−6
1などだがこれに限定されない;16)及び非ヌクレオシドアナログのDNA依
存性DNAポリメラーゼ阻害剤である。本明細書で意図されるヌクレオシドアナ
ログの群は3TC、PMEA及びPCV並びに関連分子を含む。
【0065】 該表面抗原に関する本発明の改変された免疫プロフィールについての言及は、
改変された体液性応答又はT細胞の応答についての言及を含む。改変された免疫
プロフィールの例は、抗体に対する改変された特異性、エピトープ又は「a」決
定基内の改変されたアミノ酸配列、対照のHBVに由来するHBsAgに感作さ
れたT細胞の増殖の改変された誘導能を含む。改変された免疫プロフィールとは
、対照のHBVの血清レベル又は血中レベルを実質的に中和できる又は他の方法
で低減できる中和抗体が該変異型HBVを実質的に中和及び/又は除去できない
又は低減された中和能及び/又は除去能を示すことを意味することが好ましい。
【0066】 本発明のHBsAg突然変異は該HBV・DNAポリメラーゼの対応する突然
変異の点から定義されてもよい。該HBV・DNAポリメラーゼの突然変異は、
アミノ酸421〜431、426〜436、431〜441、436〜446、
441〜451、446〜456、451〜461、456〜466、461〜
471、466〜476、471〜481、476〜486、481〜491、
486〜496、491〜501、496〜506、501〜511、506〜
516、511〜521、516〜526、521〜531、526〜536、
531〜541、536〜546、541〜551、546〜556、551〜
561、556〜566、561〜571、566〜576、571〜581、
576〜586、581〜591、586〜596、591〜601、596〜
601(図2のアミノ酸の番号について言及する)に存在しうる。
【0067】 HBV・DNAポリメラーゼの突然変異には、L426I/V、L428I/
V、Q476、N480G、N485K、K495R、R499Q、G499E
、W499Q、F512L、I515L、V519L、L526M、M550V
、M550I、V553I、S565Pが含まれることが好ましい。有用な多重
突然変異としては、L526M/M550I、L526M/M550V、V51
9L/L526M/M550V及びV519L/L526M/M550Iが挙げ
られる。
【0068】 HBsAgのアミノ酸配列における突然変異は、HBsAgの1〜10、5〜
15、10〜20、15〜25、20〜30、25〜35、30〜40、35〜
45、40〜50、45〜55、50〜60、55〜65、60〜70、65〜
75、70〜80、75〜85、80〜90、85〜95、90〜100、95
〜105、100〜110、105〜115、110〜120、115〜125
、120〜130、125〜135、130〜140、135〜145、140
〜150、145〜155、150〜160、155〜165、160〜170
、165〜175、170〜180、175〜185、180〜190、185
〜195、190〜200、195〜205、200〜210、205〜215
、210〜220、215〜225、220〜226のアミノ酸におけるアミノ
酸の置換、欠失及び/又は付加又は先端切除であることが好ましい(式IIの番号
について言及する)。特に有用な突然変異はG112R、T123P、Y/F1
34S、D144E、G145R、A157D、E164D、F170L、M1
95I、W196L、W196S、W196STOP、M198I、W199S
、S204T及びS210Rである。「STOP」という用語は停止コドンを意
味する。
【0069】 更により好ましい突然変異はD144E、G145R、A157D、E164
D、M195I、W196L、W196S、W196STOP、M198I、W
199S及びS210Rである。
【0070】 特に好ましいプリコア遺伝子及びBCPの突然変異はA1814T、C185
6T、G1896A、G1897A、G1898A、G1899A、G1896
A/G1899A、A1762T/G1764A、T1753C、G1757A
及びC1653T(番号はHBVの唯一のEcoRI部位からのものである)か
ら選択される。
【0071】 本発明は、プリコアの突然変異並びに該DNAポリメラーゼ及び任意選択の重
なり合うHBsAgのヌクレオチド配列における突然変異などの上記突然変異の
二つ以上の組合わせに及び、例えばLAMに対する感受性を低減するが、これら
に限定されない。後者の例はL526M+M550V[M195I]又はM550
I[W196L、W196S又はW196STOP]とG1896Aなどのプリコ
アの突然変異を含むが、これらに限定されない。
【0072】 本発明の変異型HBVの改変されたHBsAg分子はヌクレオチドのレベルで
も定義されうる。対照のHBVに由来するHBsAgをコードするヌクレオチド
配列は以下に式III に示す。
【0073】
【化3】
【0074】 上式中、 N1 はA又はCであり; N2 は T又はAであり; N3 は C又はTであり; N4 は C又はTであり; N5 は C又はTであり; N6 は C又はTであり; N7 は A又はGであり; N8 は T又はCであり; N9 は C又はGであり; N10は G又はAであり; N11は T又はAであり; N12は T又はGであり; N13 はT又はCであり; N14は C又はTであり; N15は T又はCであり; N16は T又はCであり; N17は T又はCであり; N18は A又はTであり; N19は A又はGであり; N20は T又はGであり; N21は A又はTであり; N22は A又はGであり; N23は T又はGであり; N24は A又はGであり; N25は T又はCであり; N26は T又はCであり;並びに N27は T又はCである。
【0075】 従って、本発明の他の一側面は、ある薬剤に対して改変された感受性を有する
変異型HBVについての検定法であって、該変異型HBVは式III で示されるヌ
クレオチド配列に対して単数又は複数のヌクレオチドの置換、付加及び/又は欠
失を含むヌクレオチド配列を含むものであり、該変異型HBVは式IIにより定義
された表面抗原と比べて改変された免疫プロフィールを示す表面抗原を有するも
のであり、該方法は、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合した
該変異型HBVに由来するゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成す
る工程及び該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は間及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させ
る工程、 同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノムを含
む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝配列を複製し、発現し、
又は組立てるのに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、並びに 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、又
は組み立てるか否かを決定するため、該細胞、細胞溶解物又は細胞上清液をウイ
ルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にかける工程、 を含むものである方法を提供する。。
【0076】 一般的に、バキュロウイルスゲノム内に挿入する必要のあるHBVゲノムの有
効量は、HBVゲノムの100%と機能的に同等であるが、100%以上を含ん
でもよい。例えば、HBVゲノムのおよそ1.05倍、1.1倍、1.2倍、1.28倍、1.3
倍、1.4倍、1.5倍及び1.6〜1.9倍、2.0倍及び3.0倍を含む構築物が特に有用であ
る。
【0077】 バキュロウイルスにより感染され得る任意の細胞が本発明の実施に使用しうる
。胚芽腫細胞系統のHepG2、又はその誘導体は、特に有用であり、インビト
ロで細胞培養できる。Huh−7細胞も使用しうる。または、任意の肝細胞の細
胞系統及び初代の肝細胞の細胞培養が使用しうる。
【0078】 便宜上、HBVゲノム及びバキュロウイルスゲノムの感染に有効な量を含む遺
伝子構築物は、本明細書で「HBVバキュロウイルス」、「組換えHBVバキュ
ロウイルス」及び「HBVバキュロウイルスベクター」と呼ばれる。組換えHB
Vバキュロウイルスは、ヒトの細胞へのHBVの遺伝情報の送達に有効なベクタ
ーであり、該細胞におけるHBVの遺伝子発現及び複製を開始するために用いら
れ得る。HBVの転写産物、細胞内のHBV抗原及び分泌されるHBV抗原が生
産され、培地中における高レベルの細胞内の複製中間体及び保護されたHBV・
DNAの存在により証明されるように複製が起きる。この系において、HBVの
コア粒子が新しく合成されたHBVゲノムを感染細胞の核内に戻すことができる
ことを示すウイルスCCC・DNAが検出され得る。早くも感染の後(p.i.)一
日目に強力なHBV遺伝子の発現が検出できる。高レベルのHBVの複製中間体
、細胞外DNA、及びCCC・DNAは少なくとも感染の11日後にも残存する
。内因性HBVのエンハンサー及びプロモーターは細胞で高レベルのHBVの発
現及び複製を得るために使用されうる。
【0079】 HBVバキュロウイルスに感染した細胞におけるHBVの発現及び複製のレベ
ルは、単に感染多重度を変更することにより相当の範囲にわたって改変できる。
【0080】 さらに、共感染又は重感染は、二つ以上の変異型HBV又は一つの変異型と一
つの野性型株など二つ以上のHBV型に由来するゲノムを用いて起こり得る。こ
の点で、幾つかのHBV準種は通常二つ以上の変異型HBV又は一つの変異型(
若しくは複数の変異型)と一つの野性型株から構成されるHBVに感染した患者
から単離される。ある状況ではこれらの準種について試験すること並びに該治療
用薬剤に対する該準種の改変された感受性又は抵抗性を測定することが重要であ
る。核酸又は抗体の検出系は異なるHBVの相対量を検出するために使用しうる
。これは、単一種の変異型HBV並びに野性型株を含む複数の変異型HBVに対
して効果的であるために必要な治療法の開発に重要である。
【0081】 該検出検定法に関する「HBV」又はその「成分」についての言及は、RNA
、DNA、抗原性分子又はHBVに特異的な活性の存在についての言及を含む。
便宜上、該検定法は定量的、部分的に定量的、又は定性的に実施される。HBV
の全RNA又は全DNAを検出することが最も好ましく、これは特定の薬剤の存
在下におけるRNA又はDNAの量を提供する。変異型HBVが野性型株と比べ
て特定の薬剤に対してより耐性である場合、全RNA又は全DNA対薬剤濃度の
図式表示から、減少した阻害の勾配及び/又はRNA又はDNAの生成阻害のた
めに必要な薬剤濃度の増加が得られる可能性がある。
【0082】 本発明の他の側面は、変異型HBVバキュロウイルスに感染した細胞から単離
されたHBV粒子に由来するポリメラーゼ活性の検出方法を提供する。該方法は
ヌクレオシド三リン酸アナログ若しくは非ヌクレオシドアナログである逆転写酵
素阻害剤又は非ヌクレオシドアナログであるDNA依存性DNAポリメラーゼ阻
害剤に対する該ポリメラーゼの感受性を測定する。該HBV粒子は変異型HBV
の細胞培養液、細胞溶解物又は感染細胞から採取できる。この検定法は、対照の
HBV及び変異型HBVに対するヌクレオシド三リン酸アナログ若しくは非ヌク
レオシドアナログである逆転写酵素阻害剤又は非ヌクレオシドアナログであるD
NA依存性DNAポリメラーゼ阻害剤の効果を測定する。
【0083】 従って、本発明のこの側面は、ある薬剤に対して改変された感受性を示すDN
Aポリメラーゼを含む変異型HBVを検出する方法であって、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合
した該変異型HBV由来のゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成す
る工程、次いで該構築物で該細胞を感染させる工程、 同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノム
を含む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが遺伝子配列を複製し、発現し、及び/又はウイルス若し
くはウイルス様粒子を組み立て及び/又は放出するのに十分な時間及び条件の下
で該細胞を培養する工程、及び ヌクレオシド三リン酸アナログ若しくは非ヌクレオシドアナログの逆転写
酵素阻害剤又は非ヌクレオシドアナログのDNA依存性DNAポリメラーゼ阻害
剤の存在下若しくは非存在下で、該細胞、細胞溶解物若しくは培養上清液又はそ
れから精製されたHBV粒子をHBV・DNAポリメラーゼ検定法にかける工程
、 を含む方法を提供する。。
【0084】 本発明の更なる側面は、ある薬剤に対して改変された感受性を示すDNAポリ
メラーゼを含む変異型HBVを検出する方法であって、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合
した該変異型HBV由来のゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成す
る工程、次いで該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と任意選択的に接触
させる工程、 同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノム
を含む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子配列を複製し、発
現し、及び/又はウイルス若しくはウイルス様粒子を組み立て及び/又は放出す
るのに十分な時間及び条件の下で該細胞を培養する工程、及び ヌクレオシド三リン酸アナログ若しくは非ヌクレオシドアナログの逆転写
酵素阻害剤又は非ヌクレオシドアナログのDNA依存性DNAポリメラーゼ阻害
剤の存在下若しくは非存在下で、該細胞、細胞溶解物若しくは培養上清液又はそ
れから精製されたウイルスをHBV・DNAポリメラーゼ検定法にかける工程、
を含む方法を提供する。
【0085】 その上、本発明の更なる側面は抗ウイルス剤の存在下でDNAポリメラーゼ活
性を検出する方法であって、 該DNAポリメラーゼを生産できるHBV由来のゲノムの複製可能量を含
む遺伝子構築物を作成する工程であって、該ゲノムが細胞に感染できるバキュロ
ウイルスゲノムのある量を含み又はそれに融合しているものである工程、及び次
いで該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前及び/又は後に、テストすべき抗ウイルス剤と該細胞を接触させ
る工程、 同一遺伝子構築物で若しくはHBV野性型若しくは別のHBV株のゲノム
を含む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子配列を複製し、発現し、
及び/又はウイルス若しくはウイルス様粒子を組立て及び/又は放出するのに十
分な時間及び条件の下で該細胞を培養する工程、及び ヌクレオシド三リン酸アナログ若しくは非ヌクレオシドアナログの逆転写
酵素阻害剤又は非ヌクレオシドアナログのDNA依存性DNAポリメラーゼ阻害
剤の存在下若しくは非存在下に、該細胞、細胞溶解物若しくは培養上清液又はそ
れから精製されたウイルスをHBV・DNAポリメラーゼ検定法にかける工程、
を含む方法を意図する。
【0086】 本発明は下記の非制限的な実施例によりさらに説明される。
【0087】 実施例1 HBVの重なり合うゲノム HBVの重なり合うゲノムは図1に示される。DNAポリメラーゼ(P)をコ
ードする遺伝子は、ウイルスのエンベロープ遺伝子であるプリ−S1及びプリ−
S2と重なり、そして部分的にはX遺伝子及びコア(C)遺伝子と重なる。HB
Vエンベロープは小、中及び大のHBV表面抗原を含む。この大タンパク質成分
はHBV表面抗原(HBsAg)と呼ばれ、S遺伝子配列によって囲まれている
。プリ−S1及びプリ−S2遺伝子配列は他のエンベロープ成分をコードする。
【0088】 実施例2 HBV・DNAポリメラーゼのアミノ酸コンセンサス配列 遺伝子型AからGまでのHBV・DNAポリメラーゼタンパク質のアミノ酸コ
ンセンサス配列は図2に示す。
【0089】 実施例3 HBsAgのコンセンサス配列 表面抗原をコードするHBVの種々の株からのヌクレオチド配列を図3に示す
。アミノ酸108で始まる表面抗原のアミノ酸配列はヌクレオチド配列の上に示
す。
【0090】 実施例4 部位特異的突然変異誘発により作成されたHBV変異型 表1は部位特異的突然変異誘発により作成されたHBV変異型の一部の概要を
示す。
【0091】
【表1】
【0092】
【外4】
【0093】
【外5】
【0094】 実施例5 細胞培養 Sf21昆虫細胞は補充したグレース昆虫培地にさらに10%(v/v)の加
熱失活牛胎仔血清(ギブコBRL,ガイザースブルグ,MD)を補充した培地で
加湿インキュベーター中でCO2 と共に28℃で維持した。HepG2細胞は1
0%(v/v)の加熱失活牛胎仔血清(MEM−FBS)を補充した最小必須培
地中で維持した。HepG2細胞は37℃の加湿インキュベーター中5%(v/
v)CO2 で成長させた。
【0095】 実施例6 バキュロウイルス・トランスファー・ベクターの調製 組換えトランスファーベクターは、変異型HBVゲノム構築物の必要量を含む
断片を切断し、それをpBlueBac4.5(インビトロゲン社,カールスバ
ド,CA)などのバキュロウイルスベクターの多重クローニング領域中にクロー
ニングすることにより作成した。図4A及び4Bは組換えトランスファーベクタ
ー1.28及び1.5HBVゲノム構築物をそれぞれコードするプラスミドの表
示である。同様のバキュロウイルストランスファーベクターはHBV1.3構築
物からも構築しうる。組換えトランスファーベクターHBV1.3の図式的表示
は国際特許出願番号PCT/US99/01153〔WO99/37821〕の
図1に示してある。制限地図による組換えトランスファーベクターの解析から、
該構築物にはHBVゲノム部分のたった1個のコピーしか存在しないことが証明
された。このプラスミドのヌクレオチド配列、及び部位特異的突然変異誘発によ
り作成された点突然変異はABIプリズム・ビッグ・ダイ・ターミネーター・サ
イクル・シーケンシング・レディ・リアクション・キットを用い、製造業者(パ
ーキン・エルマー,シータス ノルウォーク,CT)の説明に従って配列決定す
ることにより確認した。
【0096】 実施例7 1.28HBVゲノム及び1.5HBVゲノムの配列 1.28HBVゲノム及び1.5HBVゲノムの配列(それぞれ、図5A及び
5B)はABIプリズム・ビッグ・ダイ・ターミネーター・サイクル・シーケン
シング・レディ・リアクション・キットを用い、製造業者(パーキン・エルマー
,シータス ノルウォーク,CT)の説明に従って解明された。
【0097】 実施例8 1.28HBV構築物、1.5HBV構築物、及び1.3HBV構築物 を含む組換えバキュロウイルスの作成 精製した組換えトランスファーベクター及び直鎖状のAcMNPVバキュロウ
イルスDNAを、インビトロゲン社(カールスバド,CA)のBacNBlue
・トランスフェクション・キットを用いて、Sf21細胞中に同時にトランスフ
ェクトした。組換え体ウイルスは製造業者の指示に従ってプラークアッセイによ
り単離した。一連の組換え体ウイルスは、100mm皿のSf21細胞に感染さ
せることにより単離したプラークから増幅させた。標準的手順を用いて増幅した
ウイルスからウイルスDNAを抽出した。精製したウイルスDNAを制限酵素で
消化し、次いで1.0%(v/v)アガロースゲル中電気泳動により分画した。
どのウイルス単離物が完全な1.28、1.5、又は1.3HBV構築物を含む
かを決定するため、サザン・ブロッティングを行なった。ベーリンガー・マンハ
イム・ランダム・プライム・DNA・ラベリング・キット(インディアナポリス
,IN)を用いて〔P32〕−放射標識プローブを作成した。全ての放射標識プロ
ーブのために完全長の二本鎖HBVゲノムを鋳型として用いた。ウイルスDNA
配列は、センスプライマー5’GCC TCA TTT TGT GGG TC
A CCA TA−3’〔<400>1〕(HBVゲンバンク受託番号M384
54のヌクレオチド1408から1430まで)及びアンチセンスプライマー5
’−TCT CTG ACA TAC TTT CCA AT−3’〔<400
>2〕(HBVゲンバンク受託番号M38454のヌクレオチド2817から2
798まで)を用いてポリメラーゼ触媒領域のPCR増幅により確認した。内部
領域の配列決定には次のプライマーを利用した。5’−TGC ACG AT
T CCT GCT CAA−3’〔<400>3〕(HBVゲンバンク受託番
号M38454のヌクレオチド2345から2362まで)及び5’−TTT
CTC AAA GGT GGA GAC AG−3’〔<400>4〕(HB
Vゲンバンク受託番号M38454のヌクレオチド1790から1810まで)
である。
【0098】 実施例9 調製のためのバキュロウイルスの増幅及び精製 バキュロウイルスは、対数期にあるSf21細胞の懸濁培養に0.5pfu/
細胞の感染多重度(moi)で感染させることにより増幅した。感染は、フラス
コ中の細胞の大部分が感染の可視的徴候を示すまで行なわせた(4〜5日)。感
染したSf21培地から80,000×gで遠心分離することによりビリオンを
濃縮し、次いで20〜60%(w/v)の蔗糖勾配を通して精製した。精製した
ウイルスは端点希釈法によりSf21細胞中で4連で滴定した。高力価貯蔵品そ
れぞれの部分標本を用いてDNA抽出を行なった。このポリメラーゼ遺伝子を増
幅し、実施例8と同様に部位特異的突然変異誘発の存在を確認するため配列決定
を行なった。
【0099】 実施例10 組換えHBVを発現するバキュロウイルスを用いてのHepG2細胞の感染 HepG2細胞を約20〜40%のコンフルーエンシーで播き、16〜24時
間増殖させた後感染させた。感染の日に、3連の細胞プレートをトリプシン処理
し、生存細胞の数をトリパン・ブルー排除を用い血球計で測定した。平均的細胞
数を計算し、用いて、示されたmoiで細胞を感染させるために必要な高力価ウ
イルス貯蔵品の量を決定した。HepG2細胞を無血清MEMで1回洗浄して微
量の血清を除いた。100mm、60mm、及び35mmの皿のそれぞれを感染
させるため1.0、0.5、及び0.25mlの容量を用い、適切なmoiを得
るため、バキュロウイルスを血清を含まないMEM中に希釈した。バキュロウイ
ルスを、種ウイルスが均等に分布するように15分毎にゆっくりと揺さぶりなが
ら37℃で1時間、HepG2細胞に吸着させた。次いで種ウイルスを吸引し、
HepG2細胞をリン酸塩緩衝化食塩水で2回洗浄した後、種々の濃度の薬剤を
添加した又は添加してないMEM−FBSに再投入した。
【0100】 実施例11 分泌されたHBV抗原の分析 B型肝炎表面抗原(HBsAg)及びB型肝炎e抗原(HBeAg)の検出は
アボットラボラトリーズ(アボット・パーク,IL)から購入したキットを用い
て放射免疫検定及び微粒子酵素免疫検定により行なった。HepG2細胞からの
培地を集め、6,000gで遠心分離して細胞破砕物を除き、クリーンな試験管
に移し、分析するまで20℃で貯蔵した。HBsAgの量は既知量のHBsAg
(該キットと共に供給される)を用いて作成された標準曲線から計算した。HB
eAgの値は陽性対照の倍数として表される。培地試料は、放射免疫検定の結果
が標準曲線(HBsAg)の中に納まるように、又は陽性対照の値(HBeAg
)の下になるように適当に希釈した。
【0101】 実施例12 細胞内の複製中間体の検出 HBVコア粒子は、0.5%(w/v)NP−40中で溶解されたHepG2
細胞の細胞質画分から単離された。細胞質抽出液を10ミリモル/リットルのM
cC12に調節し、500μg/mlのプロテイナーゼKと37℃で1.5時間
インキュベートすることにより保護されていないDNAを除去した。フェノール
及びクロロホルムによる逐次抽出の後に、核酸をエタノール沈殿により回収した
。核酸を50μl/リットルTE(10ミリモル/リットルのトリス、1ミリモ
ル/リットルのエチレンジアミンテトラ酢酸)に再懸濁し、OD260により規
格化し、ついで100μg/mlのRNアーゼ(ベーリンガー・マンハイム,イ
ンディアナポリス,IN)で、37℃で1時間消化した後、電気泳動及びサザン
ブロッティングにより分析した。BioRad・GS−670イメージング・デ
ンシトメータ及びモレキュラー・アナリスト・ソフトウエア(バイオラッド、ヒ
キュルズ,カリフォルニア)を用いてサザン・ブロットの適当な曝露を分析した
。デンシトメトリーのデータはジャンデル・サイエンティフィックのテーブル・
カーブ2D・ソフトウエア・パッケージを用いて、ロジスティック用量応答曲線
に適合させた。ロジスティック用量応答方程式を用いてIC50値及びIC90値、
及び変動係数を計算した。
【0102】 実施例13 細胞外HBV・DNAの分析 HepG2細胞からのコンディション化培地を集め、これを6,000gで5
分間遠心分離して細胞破砕物を除去した。HBV粒子を10%(w/v)PEG
8000で沈殿させ、12,000×gで遠心分離により濃縮した。ウイルスの
ペレットを1mlのMEM−FBS中に再懸濁し、二つの等分に分割した。1セ
ットの部分標本を750μg/mlのプロナーゼで1時間処理し、次いで500
mg/mlのDNアーゼ1で1時間処理した。次に、両方のセットの標本をプロ
テイナーゼKで消化し、フェノール及びクロロホルムで抽出した。DNAを0.
1容量の3モル/リットルの酢酸ナトリウム及び1容量のイソプロパノールで沈
殿させた。転移RNAの10μgを沈殿の間の担体として添加した。ペレットを
25μlのTEに再懸濁し、0.5mg/mlのRNアーゼで1時間消化した。
次にDNAを電気泳動及びサザンブロッティングにより分析した。
【0103】 実施例14 3TC、PMEA及びPCV処理 3TC及びPCVはスミスクラインビーチャム(カレッジヴィル,PA)のエ
ッサー,クラウスから恵与された。PMEAはギリード(フォスター市,カリフ
ォルニア)から入手した。3TCは、この薬物の反復凍結融解を避けるために、
無菌水に再懸濁し、等分に分け、−20℃で凍結させた。PMEAは、NaOH
でpHを7.0に調節した後、無菌水に再懸濁した。PCVはジメチルスルホキ
シドに再懸濁した。3TCを含む培地は、新鮮な3TCの標品を用いて必要なと
きに毎日調製した。ウイルス感染の後に3TC処理が開始された実験では、He
pG2細胞は、HBVバキュロウイルスで感染させた直後に3TCの指示された
濃度に曝された。3TCでの前処理を利用する実験では、細胞は、HBVバキュ
ロウイルス感染の16時間前に、3TCを含む培地に投入された。HBVバキュ
ロウイルス感染は3TCを含む培地中でも行なわれた。細胞は感染が完了し、洗
浄操作の直後に3TCを含む新鮮な培地に再投入された。PMEA及びPCVで
の処理は同様に行なわれた。
【0104】 実施例15 1.野性型HBVバキュロウイルスを用いて行なわれた抗ウイルス試験 野性型HBVに及ぼす3TC及びPMEAの用量効果は図6(A、B)にグラ
フで示してあり、PCVの次第に増加する濃度の存在下で野性型HBV−バキュ
ロウイルスで形質導入されたHepG2細胞により生産された細胞内HBV複製
中間体及び細胞外ウイルスのサザンブロットは図6Cに示し、抗ウイルス剤それ
ぞれのIC50は表2に示してある。3TCは野性型HBV複製に対して最も強い
効果を有していたが、PCVは中程度の効果を有していた。
【0105】 2.L526M・HBVバキュロウイルスを用いる抗ウイルス試験 図7Aは図1Aの野性型に比べてL526Mが3TCに対して強い耐性を持つ
ことを示す。そこでは、IC50の0.5より大きな対数シフトが見られた。PM
EA又はPCVでは有意の変化は観察されなかった(図7B、7C)。
【0106】 3.L526M/M550V・HBVバキュロウイルスを用いる抗ウイルス試験 図8AはL526M/M550Vが3TCに対して完全に耐性であることを示
す。PMEA又はPCVに対しては実質的な変化は見られなかった(図8B、8
C)。
【0107】 4.M550I・HBVバキュロウイルスを用いる抗ウイルス試験 M550Iは3TCに対して完全に耐性である(図9A)。このM550I・
HBVバキュロウイルスは、図9Bに示すように、PMEAに対して野性型ウイ
ルスと同様の感受性を持っていた。
【0108】
【表2】
【0109】表2の脚注 測定は各オートラジオグラフ中の二本鎖(ds)HBV・DNAバンドのイメ
ージ密度を評価し、その結果を無処理の対照の平均密度の百分率として表すこと
により行なった。 ロジスティック用量応答(LDR)方程式はこれらのデータのセットを正確に
記述しなかった。そうではなくて、a及びbというパラメータは1個の指数減衰
方程式 y=a(-bx) に対するものである。 示した値は平均値又は平均値±標準誤差である。幾つかのケースでは、低濃度
の阻害剤がHBV複製を刺激し、100%より大きなa値に反映された。1μM
の薬物濃度で起こる百分率阻害は適合曲線のそれぞれから評価された。負の値( ** )は、対照と比較した場合の複製の刺激を表す。 *** 外挿値。 「耐性係数(Resistance Factor)」は、突然変異体に対して評価されたIC50 値が野性型に対して評価された対応値とそれだけ異なっているという係数(最も
近い整数)であって、突然変異体のIC50を野性型のIC50で割って求められる
【0110】 実施例16 1.HBVバキュロウイルス感染細胞からのHBV粒子の調製 HepG2細胞を50〜200のmoiで1.5HBVバキュロウイルスで感
染させた。感染3日後に開始し、コンディション化された培地を感染細胞から集
め、3000×gで遠心分離して細胞破砕物を除去し、−20℃で凍結保存した
。HBV粒子はSW28ロータ中27,000rpmで5時間の超遠心分離によ
りコンディション化培地から濃縮した。ペレット状のウイルスを小容量のリン酸
塩緩衝化食塩水中に再懸濁し、等分に分け、−20℃で凍結した。
【0111】 2.HBVバキュロウイルス感染細胞から調製されたHBV粒子を用いる内因性
ポリメラーゼの検定 ウイルスの部分標本を融解し、最終濃度が0.5 %NP−40、2.5 mMトリス
pH7.5 、6 mMのDTTとし室温に10分間置いてウイルスエンベロープを破
砕した。このウイルス溶液を次に 150mMのNaCl、10mMのMgCl2 、20
mMのKCl及び10mMのdATP、dGTP及びdTTPとした。10mCの32 P標識化dCTP(約 0.2mM) を添加し、この反応物を37℃で40分間イン
キュベートしてHBVポリメラーゼをウイルスDNAゲノムに伸長させた。この
反応を停止させるため、 0.5%SDS、25mMトリス、及び10mMのEDTAに
調整した。この反応混合物を 500μg/mlのプロテイナーゼKにより37℃で
一晩消化し、HBV・DNAを1:1フェノール:クロロホルムで1回抽出した
後エタノール沈殿により精製した。DNAペレットを小容量の水中に再懸濁し、
1%(w/v)アガロースゲルを通す電気泳動に2時間かけた。ゲルをバイオラ
ッド・ゲル・ドライヤーを用いて乾燥し、乾燥したゲルのオートラジオグラフィ
を行なってHBVポリメラーゼによりHBVゲノム中に組み込まれた32P標識化
dCTPの量を可視化した。
【0112】 3.バキュロウイルス感染細胞から調製された「HBV粒子」を用いる内因性ポ
リメラーゼ検定法を用いる、放射標識化〔α32P〕−dCTP組み込みと冷dC
TP組み込みとの競争を測定するための検定法 ポリメラーゼ検定は、標識化dCTPの組み込みと競争させるため冷dCTP
が各反応に添加されたことを除き上述のように行なった。別の反応では、0.1 、
1、10、 100、及び1000mMの濃度が標識化dCTPと同時に添加され、ついで
ポリメラーゼ反応が進行させられた。ウイルスDNAの抽出及びゲル電気泳動と
オートラジオグラフィによる分析の後、各反応からの標識化DNAの量をオート
ラジオグラムのデンシトメトリーにより定量した。デンシトメトリーデータをT
ablecurve2Dソフトウエアを用いてロジスティック用量応答曲線に適
合させた。図10は32P標識化dCTPに及ぼす冷dCTPの競争の効果を示す
【0113】 4.バキュロウイルス感染細胞から調製されたHBV粒子を用いる、内因性ポリ
メラーゼ検定法における抗ウイルス剤の効力を測るために使用できる検定法 上の実施例で記述したものと同様にして、HBVポリメラーゼの触媒活性を阻
害する際の、ヌクレオシド三リン酸や非ヌクレオシドアナログポリメラーゼ阻害
剤などの抗ウイルス剤の効力は、この検定法を用いて試験することができる。ヌ
クレオシド三リン酸には、3TC−三リン酸、PMEA−三リン酸、又はPCV
−三リン酸などの化合物が含まれる。ポリメラーゼ検定は、標識化dCTP又は
別の放射標識化デオキシヌクレオチド三リン酸の組み込みと競争させるため、抗
ウイルス剤の種々の濃度が各反応に添加できることを除き、実施例20(2)部
で記述されたように行なうことができる。別の反応では、該薬剤の種々の濃度が
標識化dCTPと同時に添加され、ついでポリメラーゼ反応を進行させる。ウイ
ルスDNAの抽出及びゲル電気泳動とオートラジオグラフィーによる分析の後、
各反応からの標識化DNAの量がオートラジオグラムのデンシトメトリーにより
定量される。デンシトメトリーのデータはTablecurve2Dソフトウエ
アを用いてロジスティック用量応答曲線に適合させる。
【0114】 実施例17 1.プリコア突然変異(G1869A)HBVバキュロウイルスの抗ウイルス試
験 この研究では、組換えHBVバキュロウイルス系を用いて、野性型(1.3 ×ゲ
ノム長HBV)及びプリコア突然変異HBVによる匹敵するHBV・DNAの生
産が見出された。ラミヴゥディン、アデフォヴィル、及びペンシクロヴィルの、
野性型HBV/バキュロウイルスウイルス及びプリコア突然変異(G1896A
)HBVに及ぼす用量効果は図11(A、B、C)に示し、計算されたIC50
表3に示す。G1896Aという特定の突然変異を持つHBVは、アデフォヴィ
ルに対して少なくとも感受性であるように見え、ラミヴゥディン及びペンシクロ
ヴィルに対しては野性型HBVと比べてより一層感受性であるように見える。
【0115】 2.プリコア突然変異(G1869A)、及びL526M/M550V又はM5
50IのHBVバキュロウイルスを用いる抗ウイルス試験 種々の組換えHBV/バキュロウイルス(L526M/M550V、プリコア
/L526M/L550V、M550I及びプリコア/M550Iを含む)で形
質導入されたHepG2細胞により生産される細胞内HBV・DNA及び細胞外
ウイルスは、図12に示す。種々の突然変異体からのHBV・DNAの収率は、
野性型及びプリコア突然変異体が匹敵すること、M550IとL526M/M5
50V突然変異体は野性型よりも遙に低いHBV・DNA生産を示すこと、そし
てプリコア/M550Iとプリコア/L526M/M552V突然変異体はプリ
コア突然変異体として類似のレベルのDNAを生産(細胞内及び細胞外の両者と
も)することを示した。M550IとL526M/M550Vの変化の存在は、
プリコア突然変異体と比べてそれらの複製適合性を低減させるようには見えなか
った。
【0116】 種々の組換えHBVバキュロウイルス(M550I、プリコア/M550I、
L526M/M550V、及びプリコア/L526M/L550Vを含む)で形
質導入されたHepG2細胞により、アデフォヴィル又はラミヴゥディン又はペ
ンシクロヴィルの存在下で生産される細胞内HBV・DNA及び細胞外ウイルス
は、図13(A〜F)に示し、アデフォヴィルの計算されたIC50は表4に示す
。50%だけHBV複製(細胞内一本鎖DNA)を阻害するのに必要なアデフォ
ヴィルの濃度(IC50)は、組換えHBV−バキュロウイルス突然変異体M55
0I及びL526M/M550Vに対してそれぞれ0.94μM及び0.93μ
M、プリコア/M550I及びプリコア/L526M/M550Vに対してそれ
ぞれ0.28μM及び0.47μMであった。それぞれの組換えHBV−バキュ
ロウイルスで形質導入されたHepG2細胞により生産された細胞内HBV複製
中間体及び細胞外ウイルスのサザンブロットにより、M550I又はL526M
/M550Vに突然変異をコードするいかなるHBV/バキュロウイルス変異型
についても、これらの変化はラミヴウディン及びペンシクロヴィルに対する高度
の耐性を与えることが示された。従って用量応答はプロットできなかった。
【0117】
【表3】
【0118】a 2実験(0.25及び0.22μM) の平均b 2実験(0.20及び0.19μM) の平均c 2実験(0.06及び 0.047μM) の平均 d 2実験(0.02及び 0.03 μM) の平均 e 3実験(0.067 、0.085 及び 0.0572 μM) の平均f 3実験(0.014 、0.014 及び 0.032μM) の平均 g 3実験(0.022 、0.0293 及び 0.0095 μM) の平均 h 3実験(0.012 、0.01 及び 0.01 μM) の平均 i 細胞内一本鎖HBV・DNAj 細胞外の弛緩環HBV・DNA
【0119】
【表4】
【0120】 NDR 用量応答なし* 低過ぎて測定できないHBV・DNA生産 IC SS 細胞内一本鎖HBV・DNA EC RC 細胞外弛緩環HBV・DNA
【0121】 当業者は、本明細書に記述された発明が具体的に記述されたもの以外への変更
や修飾を受け易いことを認めるであろう。本発明はそのような変更及び修飾をす
べて包含するものと理解されるべきである。本発明は本明細書において個別的に
又は集合的に参照し又は指摘した工程、特徴、組成物及び化合物の全て及びこれ
らの工程又は特徴の如何なる2以上の任意の又は全ての組合せをも包含する。
【0122】 参照文献 1.ノルダーら,J. Gen. Virol. 74: 341-1348 (1993)。 2.ステュイバーら,"A new genotype of hepatitis B virus: complete gen ome and phylogenetic relatedness" J Gen Virol. 81: 67-74 (2000) 。 3.ライダーら,Lancet ii(8400): 449-52 (1984)。 4.ベースレイら,Lancet ii; 1159-63 (1981) 。 5.チオライスら,Nature 317: 489-495 (1985) 。
【0123】 6.ガーリッチら,Viral Hepatitis and Liver Disease. F.B. Hollinger et al. eds Williams-Wilkens, Baltimore, MD, pp121-134 (1991) 。 7.カーマンら,Gastroenterology 102: 711-719 (1992)。 8.カーマンら,Lancet 336: 325-329 (1990)。 9.オカモトら,Paediatric Research 32: 264-268 (1992) 。 10. マクマホンら,Hepatology 15: 757-766 (1992)。
【0124】 11. フジイら,Biochem. Biophys. Res. Commun. 184: 1152-1157 (1992)。 12. ハリソンら,J. Hepatol. 13: 5105-5107 (1991)。 13. デラニーとイソム,エイチシー,Hepatology 28: 1134-46 (1998) 。 14. デラニーら,Antimicrob Agents Chemother 43: 2017-26 (1999)。 15. アングスら,Hepatology 21: 14-8 (1995)。 16. キングら,Antimicrob Agents Chemother. 42: 3179-86 (1998)。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは、HBVの重なり合うゲノムを示す図式的表示である。
【図1B】 図1Bは、プリコア、エンベロープ及びポリメラーゼの遺伝子中に検出される
主要な突然変異の例を示す図式的表示である。
【図2】 図2は、HBV・DNAポリメラーゼタンパク質取り巻き領域由来のアミノ酸
コンセンサス配列の表示である。このコンセンサス配列はRNAポリメラーゼタ
ンパク質でも保存されている。これらの領域はドメインA〜Eとして示され、下
線が引いてある。このコンセンサス配列では、YMDDモチーフのMはアミノ酸
番号550と命名される。3TC及び/又はFCV処理の間に突然変異を受ける
このアミノ酸は太線で示してある。星印(* )はコンセンサス配列のこの位置の
3より大きなアミノ酸の可能性があることを示す。中和ドメインを含むHBsA
gの主要な親水性領域は二重線で示され、HBsAgを改変するポリメラーゼ突
然変異はイタリックで示してある。
【図3】 図3は、表面抗原をコードするHBVの種々の株からのヌクレオチド配列の表
示である。アミノ酸108で始まる表面抗原のアミノ酸配列はヌクレオチド配列
の上方に示してある。
【図4A】 図4Aは、HBV1.28ゲノムを保持するpBBHVB1.28の図式的表
示である。
【図4B】 図4Bは、HBV1.5ゲノムを保持するpBBHVB1.5の図式的表示で
ある。
【図5A】 図5Aは、HBV1.28ゲノムのヌクレオチド配列の表示である。
【図5B】 図5Bは、HBV1.5ゲノムのヌクレオチド配列の表示である。
【図6A】 図6Aは、3TCを用い、野性型HBVバキュロウイルスを用いて行なわれた
抗ウイルステストのグラフ表示である。
【図6B】 図6Bは、PMEAを用い、野性型HBVバキュロウイルスを用いて行なわれ
た抗ウイルステストのグラフ表示である。
【図6C】 図6Cは、野性型HBVバキュロウイルスに及ぼすPCVの効果を示すサザン
ブロットの写真である。
【図7A】 図7Aは、3TCを用い、L526M・HBVバキュロウイルスで行なわれた
抗ウイルステストのグラフ表示である。
【図7B】 図7Bは、PMEAを用い、L526M・HBVバキュロウイルスで行なわれ
た抗ウイルステストのグラフ表示である。
【図7C】 図7Cは、PCVを用い、L526M・HBVバキュロウイルスで行なわれた
抗ウイルステストのグラフ表示である。
【図8A】 図8Aは、3TCを用い、L526M/M550V・HBVバキュロウイルス
で行なわれた抗ウイルステストのグラフ表示である。
【図8B】 図8Bは、PMEAを用い、L526M/M550V・HBVバキュロウイル
スで行なわれた抗ウイルステストのグラフ表示である。
【図8C】 図8Cは、PCVを用い、L526M/M550V・HBVバキュロウイルス
で行なわれた抗ウイルステストのグラフ表示である。
【図9A】 図9Aは、3TCを用い、M550I・HBVバキュロウイルスで行なわれた
抗ウイルステストのグラフ表示である。
【図9B】 図9Bは、PMEAを用い、M550I・HBVバキュロウイルスで行なわれ
た抗ウイルステストのグラフ表示である。
【図9C】 図9Cは、PCVを用い、M550I・HBVバキュロウイルスで行なわれた
抗ウイルステストのグラフ表示である。
【図10】 図10は、バキュロウイルス感染細胞から調製された粒子と内因性ポリメラー
ゼ検定法を用いる放射標識〔α32P〕−dCTPと冷dCTPとの競争を示すグ
ラフ表示である。
【図11A】 図11Aは、次第に増加する濃度のアデフォヴィル(adefovir)に曝した野性
型(WT)及びプリコア(G1896A)組換えHBVバキュロウイルスで形質
導入されたHepG2細胞からの細胞内及び細胞外HBV・DNA生産のサザン
ブロットを示す写真である。ICは細胞内、ECは細胞外、RCは弛緩環HBV
・DNA、DSは直鎖状二本鎖HBV・DNA、SSは一本鎖HBV・DNAを
指す。
【図11B】 図11Bは、次第に増加する濃度のラミヴゥディン(lamivudine) に曝した野
性型(WT)及びプリコア(G1896A)組換えHBVバキュロウイルスで形
質導入されたHepG2細胞からの細胞内及び細胞外HBV・DNA生産のサザ
ンブロットを示す写真である。ICは細胞内、ECは細胞外、RCは弛緩環HB
V・DNA、DSは直鎖状二本鎖HBV・DNA、SSは一本鎖HBV・DNA
を指す。
【図11C】 図11Cは、次第に増加する濃度のペンシクロヴィル(penciclovir)に曝した
野性型(WT)及びプリコア(G1896A)組換えHBVバキュロウイルスで
形質導入されたHepG2細胞からの細胞内及び細胞外HBV・DNA生産のサ
ザンブロットを示す写真である。ICは細胞内、ECは細胞外、RCは弛緩環H
BV・DNA、DSは直鎖状二本鎖HBV・DNA、SSは一本鎖HBV・DN
Aを指す。
【図12】 図12は、種々の組換えHBVバキュロウイルスM550I、プリコア/M5
50I、L526M/M550V及びプリコア/L526M/M550Vで形質
導入されたHepG2細胞からの細胞内及び細胞外HBV・DNA生産のサザン
ブロットを示す写真である。
【図13A〜13F】 図13A〜13Fは、種々の濃度のアデフォヴィル、又はラミヴゥディン、又
はペンシクロヴィルに曝された組換えHBVバキュロウイルス〔M550I及び
プリコア/M550I(図13A、13C、13E)、L526M/M550V
及びプリコア/L526M/M550V(図13B、13D、13F)で形質導
入されたHepG2細胞からの細胞内及び細胞外HBV・DNA生産のサザンブ
ロットを示す写真である。L526M/M550Vで形質導入された細胞からの
細胞外ウイルス生産は余りに低レベルで測定できなかった。ICは細胞内、EC
は細胞外、RCは弛緩環HBV・DNA、DSは直鎖状二本鎖HBV・DNA、
SSは一本鎖HBV・DNAを指す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年3月27日(2002.3.27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 ザ ペン ステート リサーチ ファウン デーション THE PENN STATE RESE ARCH FOUNDATION 米国,ペンシルヴァニア州 16802,ユニ ヴァーシティ パーク,オールド メイン 304 304 Old Main, Univer sity Park, PA 16802, US (72)発明者 デラニー,ウィリアム四世 アメリカ合衆国、カリフォルニア州 94402、サン マテオ、パーム アベニュ ー 1217番地 (72)発明者 ロカルニニ,スティーブン,アリスター オーストラリア国、ビクトリア州 3183、 セント キルダ イースト、 カーリッス ル アベニュー 13番地 (72)発明者 チェン,ロバート,ヤング,ミング オーストラリア国、ビクトリア州 3031、 フレミントン、シールズ ストリート 28 番地 (72)発明者 バルトロメウス,アンジェリン オーストラリア国、ビクトリア州 3163、 カーネギー、ミラー ストリート 64番地 (72)発明者 イソム,ハリエット アメリカ合衆国、ペンシルベニア州 17033、ハーシー、ユニバーシティ ドラ イブ 500番地、ハーシー メディカル センター、ペン ステート カレッジ オ ブ メディシン、デパートメント オブ マイクロバイオロジー アンド イミュノ ロジー Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 BA10 BA33 BA80 CA02 DA02 DA03 DA20 EA02 EA04 FA02 GA11 GA25 HA11 4B063 QA01 QA06 QQ10 QQ28 QR67 QR68 QR77 QR79 QR80 QS36 QX07 QX10 4B065 AB01 AC14 AC20 BA02 BA16 BA30 CA46

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ある薬剤に対して改変された感受性を示す変異型HBV(
    B型肝炎ウイルス)を検出する方法であって、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合
    した該変異型HBV由来のゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成す
    る工程、次いで該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は間、及び/又は後に該細胞とテストすべき薬剤とを
    接触させる工程、 同一遺伝子構築物で又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノム
    を含む遺伝子構築物で該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子配列を複製し、発
    現し、及び/又はウイルス若しくはウイルス様粒子を組み立て、及び/又は放出
    するのに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、及び 変異型ウイルスが、該薬剤の存在下で、遺伝子物質を複製し、発現し、及
    び/又は組み立て及び/又は放出されるか否かを決定するため、該細胞、細胞溶
    解物若しくは培養上清をウイルス検出手段若しくはウイルス成分検出手段にかけ
    る工程、 を含む方法。
  2. 【請求項2】 該変異型HBVが対照HBVの感染、複製又は組み立てを
    阻害し若しくは低減させる薬剤の存在下で複製することができるものである、請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該薬剤がヌクレオシドアナログ又は非ヌクレオシドアナロ
    グである、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 該薬剤が非ヌクレオシドアナログである逆転写酵素阻害剤
    及び/又は非ヌクレオシドアナログであるDNA依存性DNAポリメラーゼ阻害
    剤である、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 該ヌクレオシドアナログが3TC、PMEA又はPCVで
    ある、請求項3記載の方法。
  6. 【請求項6】 該薬剤が免疫相互作用性分子である、請求項2記載の方法
  7. 【請求項7】 該免疫相互作用性分子が抗体である、請求項6記載の方法
  8. 【請求項8】 該変異型HBVが改変されたHBV・DNAポリメラーゼ
    を含むものである、請求項1〜請求項7いずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 該改変されたHBV・DNAポリメラーゼが、L426I
    /V、L428I/VN480G、N485K、K495R、R499Q、G4
    99E、W499Q、F512L、I515L、V519L、L526M、M5
    50V、M550I、V553I、S565Pから選択されるものである、請求
    項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 該改変されたHBVが、L526M/M550I、L5
    26M/M550V、V519L/L526M/M550V及びV519L/L
    526M/M550Iから選択される多重突然変異体である、請求項1〜請求項
    7いずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 該変異型HBVが改変されたHBVプリコア遺伝子又は
    基底コアプロモーターを含むものである、請求項1〜請求項7いずれか1項に記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 該改変されたHBVのプリコアプロモーター又は基底コ
    アプロモーターが、A1814T、C1856T、G1896A、G1897A
    、G1898A、G1899A、G1896A/G1899A、A1762T/
    G1764A、T1753C、G1757A及びC1653T(番号はHBVの
    ユニークなEcoRI部位からのものである)から選択されるものである、請求
    項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 該変異型HBVが改変されたHBsAgを含むものであ
    る、請求項1〜請求項7いずれか1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 該改変されたHBsAgが、G112R、T123P、
    Y/F134S、D144E、G145R、A157D、E164D、F170
    L、M195I、W196L、W196S、W196STOP、M198I、W
    199S、S204T、S210Rから選択されるものである、請求項13記載
    の方法。
  15. 【請求項15】 該改変されたHBsAgが、D144E、G145R、
    A157D、E164D、M195I、W196L、W196S、W196ST
    OP、M198I、W199S及びS210Rから選択されるものである、請求
    項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 該変異型HBVが改変されたHBVプリコアプロモータ
    ー又は基底コアプロモーター及び改変されたHBV・DNAポリメラーゼを含む
    ものである、請求項1〜請求項7又は請求項8〜請求項12のいずれか1項に記
    載の方法。
  17. 【請求項17】 該変異型HBVが改変されたHBVプリコアプロモータ
    ー又は基底コアプロモーター及び改変されたHBV・HBsAgを含むものであ
    る、請求項1〜請求項7のいずれか1項、又は請求項11又は請求項12、又は
    請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 該変異型HBVが改変されたHBV・HBsAg及び改
    変されたHBV・DNAポリメラーゼを含むものである、請求項1〜請求項7、
    請求項8〜請求項10又は請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載の方法
  19. 【請求項19】 該変異型HBVが改変されたHBVプリコアプロモータ
    ー又は基底コアプロモーター及び改変されたHBV・HBsAg及び改変された
    HBV・DNAポリメラーゼを含むものである、請求項1〜請求項7、又は請求
    項8〜請求項15のいずれか1項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 請求項1〜請求項19いずれか1項に記載の方法によっ
    て検出されるHBV変異型若しくはその組換え体若しくは誘導体若しくはその化
    学的等価物又はその成分の組換え体若しくは化学的等価物。
  21. 【請求項21】 該細胞が、改変されたHBVプリコアプロモーター又は
    基底コアプロモーター及び/又は改変されたHBV・HBsAg及び/又は改変
    されたHBV・DNAポリメラーゼ又はそれらの組合せを含む変異型HBVの複
    数の組合せで共感染されるものである、請求項1〜請求項7のいずれか1項、又
    は請求項8〜請求項19いずれか1項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 該細胞が、改変されたHBVプリコアプロモーター又は
    基底コアプロモーター及び/又は改変されたHBV・HBsAg及び/又は改変
    されたHBV・DNAポリメラーゼ又はそれらの組合せを含む変異型HBVの複
    数の組合せで重感染されるものである、請求項1〜請求項7のいずれか1項、又
    は請求項8〜請求項19いずれか1項に記載の方法。
  23. 【請求項23】 ある薬剤に対して改変された感受性を示すDNAポリメ
    ラーゼを含む変異型HBVを検出する方法であって、 細胞に感染できるバキュロウイルスゲノムのある量を含む又はそれに融合
    した該変異型HBV由来のゲノムの複製能力ある量を含む遺伝子構築物を作成す
    る工程、次いで該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前、及び/又は後に該細胞をテストすべき薬剤と接触させる工程、 同一遺伝子構築物で、又はHBV野性型若しくは別のHBV変異型のゲノ
    ムを含む遺伝子構築物で、該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該変異型HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子配列を複製し、発
    現し、及び/又はウイルス若しくはウイルス様粒子を組み立て、及び/又は放出
    するのに十分な時間及び条件の下で、該細胞を培養する工程、及び ヌクレオシド三リン酸アナログ若しくは非ヌクレオシドアナログである逆
    転写酵素阻害剤又は非ヌクレオシドアナログであるDNA依存性DNAポリメラ
    ーゼ阻害剤の存在下若しくは非存在下で、該細胞、細胞溶解物若しくは培養上清
    又はそれから精製されたウイルスをHBV・DNAポリメラーゼ検定法にかける
    工程、 を含む方法。
  24. 【請求項24】 抗ウイルス剤の存在下でDNAポリメラーゼ活性を検出
    する方法であって、 該DNAポリメラーゼを生産できるHBV由来のゲノムの複製可能量を含
    む遺伝子構築物を作成する工程であって、該ゲノムが細胞に感染できるバキュロ
    ウイルスゲノムのある量を含み又はそれに融合しているものである工程、及び次
    いで該構築物で該細胞を感染させる工程、 感染の前及び/又は後に、テストすべき抗ウイルス剤と該細胞を接触させ
    る工程、 同一遺伝子構築物で、又はHBV野性型若しくは別のHBV株のゲノムを
    含む遺伝子構築物で、該細胞を任意選択的にさらに感染させる工程、 該HBVが、該薬剤に耐性であるならば、遺伝子配列を複製し、発現し、
    及び/又はウイルス若しくはウイルス様粒子を組立て及び/又は放出するのに十
    分な時間及び条件の下で該細胞を培養する工程、及び ヌクレオシド三リン酸アナログ若しくは非ヌクレオシドアナログである逆
    転写酵素阻害剤又は非ヌクレオシドアナログであるDNA依存性DNAポリメラ
    ーゼ阻害剤の存在下若しくは非存在下で、該細胞、細胞溶解物若しくは培養上清
    又はそれから精製されたウイルスをHBV・DNAポリメラーゼ検定法にかける
    工程、 を含む方法。
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