JP2003518367A - 細胞周期の変調物質をスクリーニングするための方法及び組成物 - Google Patents

細胞周期の変調物質をスクリーニングするための方法及び組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、Cdc25が媒介する遺伝子調節を変調できる化合物をスクリーニングするための方法及び組成物を提供するものである。本発明は、強力なレポータ遺伝子シグナルの復帰の出現又は「レスキュー」により候補変調物質を同定できる強健な細胞培養系に依拠する、Cdc25の変調物質をスクリーニングする新規な検定法を提供することにより、上述の問題を解決するものである。本検定法は、強力な遺伝子発現を駆動する所定のプロモータを抑制することのできる、触媒として活性な型のCdc25を利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本明細書を通じて引用された特許、特許出願及び参考文献の内容全体を、その
言及をもってここに編入することとする。
【0002】 発明の背景 真核生物の細胞周期でカギとなる移行点は、サイクリン依存性キナーゼ(cycl
in dependent kinases (cdks) の活性によって調節されている(Nurse, P., (199
0) Nature 344(6266):503-508 レビューは Fisher, R.P. (1997) Curr Opin Gen
et Dev 7(1):32-38を参照されたい)。これらキナーゼ分子の活性は、リン酸化
や、たんぱく質対たんぱく質の相互作用を含め、数多くの機序による調節を受け
る (Lew, et al., (1996) Curr Opin Cell Biol 8:795-804)。例えば、Cdk7によ
りCdkが(例えばスレオニン残基160で)リン酸化すると、Cdk活性が活性化する
が、他方、 Myt1 及び Wee1 (Thr-14 及び Tyr-15上で)によるリン酸化は、阻害
の方向に働く(Gould, K.L., et al. (1989) Nature 42(6245):39-45; Krek, W.
, et al. (1991) EMBO J 10(2):305-16; Russell, P., et al., (1987) Cell 49
(4):559-567)。さらに、Cdk の活性は、例えば細胞周期の移行を促進する高度に
関連した一群の二重特異性ホスファターゼの一員であるCdc25二重特異的たんぱ
く質ホスファターゼなどによって、これらの残基が脱リン酸化することでも、調
節を受ける (Galaktionov, et al., (1991) Cell 67:1181-1194; Millar, J.B.,
et al., (1991) EMBO J 10(13):4301-4309)。
【0003】 Cdc25ホスファターゼはあらゆる真核生物で発現する。酵母では一種類の型のC
dc25が発現し (Russell, P., et al. (1986) Cell 45(1):145-153) 、ドゥロソ
フィラでは二つの種類の型が存在する (Edgar, B.A., et al. (1989) Cell 57(1
):177-187; Alphey, L., et al., (1992) Cell 69, 977-988)。哺乳類では、三
種類の型 (A, B 及び C) のCdc25が存在するが、これらは三つの関連が高い、し
かし別々の遺伝子にコードされている(レビューは、Draetta, et al., (1997)
Biochem et Biophys Acta 1332:M53-M63)。最近、四番目の型のCdc25がC.エ
レガンスで報告され、他の型が哺乳動物細胞でも存在する可能性が出てきた (As
hcrot, N.R., et al., (1998) Gene 214:59-66)。ヒトCdc25Aについては結晶構
造が推定されている(Fauman, E. B., et al., (1998) Cell 93, 617-625)。
【0004】 各型のCdc25には、別々の、しかしおそらくは重複する機能があるとされてき
た。Cdc25AはG1期からS期への移行を媒介するとの報告がある(Jinno, S., et a
l., (1994) EMBO Journal 13, 1549-1556)。Cdc25B は、G1/S期の移行及び G2M
期の移行の両方で 役割を果たしているとされており (Sebastian et al. (1993)
Proc Natl Acad Sci USA 90(8):3521-3524; Galaktionov, K., et al., (1995)
Genes & Development 9, 1046-1058; Gabrielli, B.G., et al., (1996) J Cel
l Sci 109(Pt 5):1081-1093; Garner-Hamrick, et al., (1998) Int J Cancer 7
6:720-728)、そしてCdc25Cは有糸分裂の開始に必要である (Karlsson C., et al
., (1999) J Cell Biol 146(3):573-584)。
【0005】 遺伝子破壊研究によれば、Cdc25ホスファターゼは、明らかに、酵母及びドゥ
ロソフィラで細胞周期の進行に役割を果たしている(Russell, P., et al. (1986
) Cell 45(1):145-153; Edgar, B.A., et al. (1989) Cell 57(1):177-187; Alp
hey, L., et al., (1992) Cell 69, 977-988)。哺乳動物細胞では、少なくとも
一つの報告で、Cdc25Aが、DNAのダメージが原因のG1 期停止の調節に関連付けら
れている (Terada, Y., et al., (1995) Nature 376, 358-362)。さらに、Cdc25
A は血清因子に応答した細胞周期進行の調節に役割を果たしているとの報告があ
る。例えば、TGFb は、特定の細胞種において、Cdc25Aの発現を阻害することに
よりG1期の停止を引き起こすと、提案されている (Iavarone, A., et al, (1999
) Mol Cell Biol 19, 916-922; Hoffman, I., et al., (1994) EMBO Journal 13
, 4302-4310)。またCdc25A は、マイトジェンにより活性化するシグナル伝達経
路の最後の部分に参与しているとの報告もある(Galaktionov, K., et al., (199
6) Nature 382, 511-517; Galaktionov, K., et al., (1995) Genes & Developm
ent 9:1046-1058)。
【0006】 マウスでは、Cdc25A及びBは、成体だけでなく胚でも、重複する、しかし個別
のパターンで発現する (Wickramasinghe, D., et al., (1995) Development 121
, 2047-2056; Kakizuka, A., et al., (1992) Genes & Development 6, 578-590
)。マウス成体では、Cdc25Aは精巣及び腎臓で最も多量に発現し、肺及び脾臓で
はかすかに検出できる程度である(Wickramasinghe, D., et al., (1995) Develo
pment 121, 2047-2056)。ラット成体では、Cdc25Bが最も多量に発現しているの
は脾臓及び肺であり、腎臓では検出できない (Kakizuka, A., et al., (1992) G
enes & Development 6, 578-590)。マウス成体では、Cdc25Cは胸腺で最も多量に
発現し、肺又は腎臓では検出されなかった (Nargi, J. L., et al., (1994) Imm
unogenetics 39, 99-108).。
【0007】 細胞周期の調節物質として働いているとした報告と一致して、Cdc25Cではそう
ではないが、Cdc25A及びBの過発現が、乳癌(Galaktionov, K., et al., (1995)
Genes & Development 9, 1046-1058)、非ホジキンリンパ種(Hern ndez, S., et
al., (1998) Cancer Research 58, 1762-1767)、頭部及び頸部の癌 (Gasparotto
, D., et al., (1997) Cancer Research 57, 2366-2368)、及びヒトの胃癌 (Kud
o, Y., et al., (1997) Japanese Journal of Cancer Research 88, 947-952)で
見られたことが報告されている。さらに、Cdc25Cでは当てはまらないが、Cdc25A
及びBは、活性化ras腫瘍遺伝子と協働してマウス胚線維芽細胞を不死化させる可
能性があるとの報告がある (Galaktionov, et al., (1995) Science 269:1575-1
577)。
【0008】 Cdc25ポリペプチドが細胞周期を調節する仕組みはまだ完全には解明されてい
ない。その上、Cdc25活性の変調物質を同定するための現在の方法は、1)Cdc25
ホスファターゼ活性、又は、2)Cdc25ポリペプチドが、アポトーシスなどの表
現型上の影響を起こす能力、のいずれかを変更する化合物を探すスクリーニング
することを狙いとした検定を含む。
【0009】 Cdc25ホスファターゼ活性の変調物質を同定する技術の例が、例えば米国特許
第5,695,950号に説かれており、この例では、阻害物質としての候補化合物をCdc
25及び基質と一緒にインキュベートし、このCdc25の、基質を脱リン酸化する上
での能力に変化が起きれば、その変化を、このテスト化合物がCdc25ホスファタ
ーゼ活性の変調物質であることの指標と捉える。同様に、米国特許第5,294,538
号では、Cdc25ホスファターゼと、例えばp-ニトロフェニルなどのテスト基質と
を用いて、抗有糸分裂化合物をスクリーニングする検定を行い、候補化合物の存
在下又は不存在下で、この基質に対するCdc25ホスファターゼの活性を調べる。
さらに、米国特許第5,856,506号及び米国特許第5,700,821号では、Cdc25A及びCd
c25Bなどのたんぱく質ホスファターゼのホスファターゼ活性を阻害する化合物が
紹介されている。
【0010】 Cdc25ポリペプチドがアポトーシスなどの表現型上の影響を起こす能力を検定
する技術のいくつかの例が、米国特許第5,443,962号に紹介されており、これら
の例では、アポトーシスを起こすCdc25ホスファターゼの阻害物質を同定する検
定が、当該阻害物質が細胞に増殖を起こさせる能力に基づいて、採点されている
。表現型を調べるもう一つの検定法が米国特許第5,861,249号に紹介されており
、この方法では、Cdc25の変調物質は、Cdc25誘導性アポトーシスを変化させる上
でのそれらの能力をコントロールと比べた比較に基づいて同定される。
【0011】 要約すると、前述の検定法はすべて、p-ニトロフェニルなどの人工的な基質な
ど、基質に対するホスファターゼ活性を変化させるか、又は、アポトーシスなど
、表現型上の影響に起きる、Cdc25が関連する変化を変える上での当該変調物質
の能力を変化させる化合物のスクリーニングに関するものである。
【0012】 このように、これらの検定法にはいくつかの限界がある。これらの検定は、ホ
スファターゼ活性を、あらゆる下流もしくは生物学的効果から切り離して観察す
るものであるか、あるいは、成長が著しく抑えられた細胞から開始し、定性的な
結果を得るようにデザインされている。従って、ホスファターゼ検定で機能する
可能性のある候補化合物であっても、下流もしくは生物学的効果については何ら
検定されたことがないかも知れない。さらに、潜在的には有用な化合物であって
も、細胞成長とは適合性のないレベル又は形で検定されれば、効果なしと誤って
切り捨てられる可能性もある。
【0013】 このように、Cdc25の変調物質を同定するためのより優れた検定法が求められ
ている。
【0014】 発明の概要 本発明は、強力なレポータ遺伝子シグナルの復帰の出現又は「レスキュー」に
より、候補変調物質を同定できる強健な細胞培養系に依拠する、Cdc25の変調物
質をスクリーニングする新規な検定法を提供することにより、上述の問題を解決
するものである。本検定法は、強力な遺伝子発現を駆動する所定のプロモータを
抑制することのできる、触媒として活性な型のCdc25を利用する。
【0015】 平行して、プロモータの活性は抑制しないが、強力な基線シグナルは確立され
得るような、触媒として不活性な型のCdc25を用いたコントロールも行う。この
重要なコントロール検定により、あるテスト化合物が、Cdc25とは独立に、プロ
モータ活性を阻害しているかどうかを調べることができる。コントロールのシグ
ナルが実質的に影響を受けなければ、触媒として活性な型のCdc25を含有するテ
スト反応で測定されたシグナルを精確に解釈することができる。さらに、例えば
Cdc25が媒介する遺伝子調節の阻害物質など、Cdc25の候補変調物質により、強力
なシグナルが現れるであろう。
【0016】 従って、本発明は、限定はしないが、以下: *シグナルがほとんどもしくは全くないバックグラウンドからの強力なシグナ
ルの出現を測定する検定法を提供する; *変動のある細胞成長もしくは他の生物学的作用が含まれてしまう定性的シグ
ナルではなく、定量可能なシグナルの出現を測定する検定法を提供する; *偽陽性の化合物(例えば、テスト反応中の当該シグナルを救出するだけでな
く、当該シグナルを増加させるような化合物など)や、又は偽陰性の化合物(例
えば、細胞傷害性化合物など、シグナルを全く生じないだけでなく、コントロー
ルのシグナルまで低下させるような化合物)を精確に同定できる、コントロール
を含めた検定法を提供する。これにより、適切でない化合物についてそれ以上調
べたり、候補化合物を誤って検査対象から外すことを、防ぐことができる; *Cdc25が媒介する遺伝子調節を、例えばプロモータ制御レベルなどで、測定
し、Cdc25が媒介するプロモータ(例えばp21/WAF プロモータ; SV40 プロモータ
) や、媒介しないコントロール・プロモータ(例えばグロビン・プロモータなど
)を判明させる検定法を提供する;及び *上述の検定などを用いて行う検査をさらに拡張して、Cdc25自己調節に関す
る研究、及び/又は、Cdc25ポリペプチドのレベルを低下させたもしくは無くし
た細胞又は動物モデルを必要とする研究、を行うための、Cdc25Aゲノム核酸及び
cDNA核酸や、ポリペプチド 、並びに、Cdc25遺伝子を破壊してあるトランスジェ
ニック動物を提供する、といった点を含め、数々の長所を有する。
【0017】 従って、一態様では、本発明は、組換え型Cdc25ホスファターゼ遺伝子を有す
る細胞を提供することにより、Cdc25活性の変調物質を同定する方法を提供する
ものであり、このとき前記遺伝子が発現すると、所定の遺伝子の転写が変更され
る。本方法はさらに、前記組換え型Cdc25ホスファターゼ遺伝子が発現して所定
の遺伝子の転写が変更されるような条件下で、前記テスト細胞を一化合物に接触
させるステップと、前記テスト細胞中の所定の遺伝子の転写量を、前記化合物の
不存在時の前記所定の遺伝子の転写量に比較して調べるステップと、を含み、こ
のとき前記所定の遺伝子の転写量に起きた統計上有意な変化は、当該化合物が、
Cdc25が媒介する転写を変調する物質であることの指標となる。
【0018】 ある一つの実施例では、本検定はさらに、組換え型の、触媒としては不活性な
Cdc25ホスファターゼが発現はするが、所定の遺伝子の転写を大きくは変更しな
いような条件下で、前記触媒として不活性なCdc25ホスファターゼを有するコン
トロールテスト細胞で測定された転写に、上述の態様で測定された 転写に起き
た変化を比較するステップと、テスト化合物の不存在時の、コントロールテスト
細胞における所定の遺伝子の転写量を、当該化合物の存在時の所定の遺伝子の転
写量に比較して、調べるステップと、を含み、このとき所定の遺伝子の転写量に
起きた統計上有意な変化は、当該化合物が、Cdc25からは独立の転写変調物質で
あることの指標となる。
【0019】 一実施例では、前記の所定の遺伝子は真核生物のプロモータ因子を含有するか
、又は、同因子に機能的に連結させた真核生物の遺伝子である。ある一つの関連
する実施例では、前記の所定の遺伝子は、p21/WAF、pGK、又はCdc25である。
【0020】 ある関連する実施例では、前記の所定の遺伝子は、好ましくはルシフェラーゼ
であるレポータ遺伝子を含有する。ある関連する実施例では、前記レポータ遺伝
子は、p21/WAF プロモータ、pGKプロモータ、又はCdc25 プロモータなど、細胞
プロモータによる制御を受ける。
【0021】 別の実施例では、前記のレポータ遺伝子は、ウィルスプロモータ、好ましくは
SV40 プロモータ、による制御を受ける。
【0022】 別の実施例では、上述の態様の 組換え型 Cdc25 ホスファターゼ遺伝子は、哺
乳動物Cdc25 ホスファターゼ、好ましくはマウスCdc25 ホスファターゼ、より好
ましくはヒトCdc25 ホスファターゼをコードするものである。ある関連する実施
例では、前記Cdc25 ホスファターゼ、好ましくはヒトホスファターゼ、は、Cdc2
5A、Cdc25B、及びCdc25Cからなる群より選択される。
【0023】 さらに別の実施例では、上述の態様で、哺乳動物細胞、好ましくはマウス細胞
、そしてより好ましくはヒト細胞である、テスト細胞を利用する。
【0024】 さらに別の実施例では、本方法は、レポータ遺伝子の活性、好ましくはルシフ
ェラーゼの活性、を測定することにより転写を調べることを含む。
【0025】 ある好適な実施例では、調べられた転写量における統計上有意な上昇が、テス
ト化合物がCdc25活性の阻害物質であることの指標となる。
【0026】 別の好適な実施例では、調べられた転写量における統計上有意な低下が、テス
ト化合物がCdc25活性の賦活物質であることの指標となる。
【0027】 本発明の他の特徴及び長所は、以下の詳細な説明及び請求項から明らかとなる
であろう。
【0028】 発明の詳細な説明 明細書及び請求の範囲を、このような呼称で呼ばれる範囲を含め、明確かつ矛
盾無く理解できるよう、以下に定義を設ける。
【0029】 定義 ここで用いる用語「Cdc25」は、当業で認識されている、あらゆる細胞分裂制
御(cell division control)25遺伝子及び/又はそこから発現する対応するポ
リペプチドを包含するものと、意図されている。さらに上述の用語は、特にそう
でないと明示した場合を除き、例えばCdc25A、Cdc25B、及びCdc25Cなど、関連す
るcdc25遺伝子及び/又はポリペプチドを言うものと、意図されている。
【0030】 用語「Cdc25活性」は、直接的な触媒活性、即ちホスファターゼ活性、たんぱ
く質対たんぱく質の相互作用、及び/又は、転写上の変調などの間接的な活性を
含め、cdc25ポリペプチドに起因するあらゆる活性を包含するものと、意図され
ている。
【0031】 用語「所定の遺伝子」は、例えば細胞内の遺伝子又はウィルス遺伝子など、あ
らゆる真核生物の遺伝子や、又は、真核細胞もしくは細胞ライセート中で転写上
調節を受けることのできる遺伝子を包含するものと、意図されている。従って、
この所定の遺伝子は、特にそうでないと明記する場合を除き、典型的には、当該
遺伝子の転写にとって必要な、例えばイントロン、終止配列、ポリアデニレーシ
ョン配列、等々、少なくとも最小プロモータ等の調節因子に機能上、連結してい
ることが多い。従って、この所定の遺伝子は、例えば染色体上にコードされてい
るなど、天然の細胞内遺伝子であっても、又は、プラスミドなどの上にコードさ
れている場合もある。
【0032】 用語「転写」には、DNA分子上の遺伝情報がメッセンジャRNA(mRNA)分子に写
し取られるときに起きる測定可能なあらゆる転写が含まれるものと、意図されて
いる。この転写は細胞内で起きたり、又は、細胞ライセート中で起きる場合があ
る。加えて、転写レベルは、例えばRNA転写産物の生成などの関数として直接測
定しても、又は、このRNA転写産物から生ずるポリペプチドの関数などとして間
接的に測定してもよい。さらにこの用語は、例えばDNAseフットプリンティング
及び電気泳動度シフトアッセイ(EMSA)などを用いて、プロモータ因子などの遺
伝子因子のポリペプチド占有率における変調を測定するなどによる、転写の間接
的な検査も包含するものと、意図されている。
【0033】 用語「統計上有意な変化」には、最小値の統計有意で測定の可能な、Cdc25活
性に起きる再現可能なあらゆる変化が含まれるものと、意図されている。典型的
には、10%、より好ましくは20%、そしてより好ましくは30% 乃至50%、そして最
も好ましくは100%、200%、300%、又はそれ以上、の変化を、有意な変化であると
見なす。
【0034】 用語「真核性プロモータ因子」とは、それだけでは正常な転写を開始すること
はできないが、プロモータの全体的活性の活性に貢献していると決定されている
、あらゆる部分的プロモータ配列を包含するものと、意図されている。
【0035】 用語「レポータ遺伝子」とは、簡単に検定することができる遺伝子産物をコー
ドする、あらゆる異種のヌクレオチド配列を包含するものと意図されており、例
えば、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、緑
色蛍光たんぱく、等々、がこれに含まれる。
【0036】 用語「細胞プロモータ」には、開始コドンの近くに位置する、真核性遺伝子の
5’末端側領域に一般にあると言われるDNA配列が含まれるものと、意図されて
いる。隣接する遺伝子の転写は、このプロモータ領域で開始される。
【0037】 用語「ウィルスプロモータ」には、ウィルスポリペプチドの転写を調節したり
、又は、真核細胞又は細胞抽出物内の異種の遺伝子に連結したときには、この異
種の遺伝子の転写を調節する、と判定されたあらゆるプロモータ因子が含まれる
ものと、意図されている。本発明に包含されるものと意図された典型的なウィル
スプロモータには、SV40、アデノウィルス、CMV、疱疹ウィルス、HIV、パピロー
マウィルス、AAV、等々を由来とするプロモータがある。
【0038】 用語「細胞」には、例えば酵母細胞、植物細胞、真菌細胞、昆虫細胞、例えば
シュナイダー細胞及びsF9細胞、哺乳動物細胞、例えばヒーラ細胞(ヒト)、NIH
3T3 (マウス)、RK13 (ウサギ) 細胞、胚性幹細胞 (例えば D3 及び J1)、並びに
造血幹細胞、筋原細胞、肝細胞、リンパ球及び上皮細胞などの細胞種など、あら
ゆる真核細胞が包含されるものと、意図されている。
【0039】 用語「触媒として不活性なCdc25」は、対応する野生型Cdc25ポリペプチドに比
較してホスファターゼ活性レベルが減少した又は無いような、Cdc25AなどのCdc2
5を包含するものと意図されている。
【0040】 用語「テスト細胞」には、例えば哺乳動物Cdc25A、BもしくはCなど、触媒とし
て活性な型のCdc25ポリペプチドを有する真核細胞が包含されるものと、意図さ
れている。
【0041】 用語「コントロールテスト細胞」には、対応する野生型のCdc25ポリペプチド
に比較して、ホスファターゼの活性レベルが減少した又は無いような、哺乳動物
Cdc25A、BもしくはCなど、触媒として不活性な型のCdc25ポリペプチドを有する
真核細胞が包含されるものと、意図されている。
【0042】 方法及び組成物 以下、本発明を、Cdc25(例えば哺乳動物Cdc25A、Cdc25B、又はCdc25C、又は
これらの組合せ)の転写;Cdc25活性(例えばホスファターゼ活性、たんぱく質
対たんぱく質の相互作用);Cdc25が媒介する遺伝子調節(例えばプロモータの
抑制などを含む)、Cdc25が媒介する細胞周期活性(例えばアポトーシス、増殖
)、及び、一般的なCdc25経路、を変調する(例えば小分子、ペプチド、ポリペ
プチド、及び遺伝子、を含む)組成物をスクリーニングするための方法、及び核
酸、核酸作成物、このような核酸を含有する細胞、トランスジェニック動物、及
び、このトランスジェニック動物由来の細胞、として詳細に説明する。
【0043】 本発明の実施には、特に他に明示しない限り、当業者の技術範囲にあり、文献
に完全に解説された化学、分子生物学、微生物学、組換えDNA技術、細胞培養、
及び、家畜学の従来技術を利用することとなるであろう。例えば、Sambrook, Fr
itsch and Maniatis, Molecular Cloning: Cold Spring Harbor Laboratory Pre
ss (1989); DNA Cloning, Vols. 1 and 2, (D.N. Glover, Ed. 1985); Oligonuc
leotide Synthesis (M.J. Gait, Ed. 1984); Nucleic Acid Hybridization (B.D
. Hames and S.J. Higgins, Eds. 1984); the series Methods In Enzymology (
Academic Press, Inc.), particularly Vol. 154 and Vol. 155 (Wu and Grossm
an, Eds.; Large-Scale Mammalian Cell Culture Technology, Lubiniecki, A.,
Ed., Marcel Dekker, Pub., (1990); Molecular and Cell Biology of Yeasts,
Yarranton et al., Ed., Van Nostrand Reinhold, Pub., (1989); Yeast Physi
ology and Biotechnology, Walker, G., John Wiley & Sons, Pub., (1998); Ba
culovirus Expression Protocols, Richardson, C., Ed., Humana Press, Pub.,
(1998); Methods in Plant Molecular Biology: A Laboratory Course Manual,
Maliga, P., Ed., C.S.H.L. Press, Pub., (1995); and Current Protocols in
Molecular Biology, eds. Ausubel et al., John Wiley & Sons (1992))を参照
されたい。
【0044】 本発明の他の特徴は、以下の実施例から明白になるであろうが、以下の実施例
を限定的なものとして捉えられてはならない。
【0045】 実施例 実施例全体を通じて、他に特に明示しない限り、以下の材料及び方法を用いた
【0046】 材料及び方法 細胞の同期化及びノーザンブロット法 − 約2 x 106 3T3の細胞を、二重チ
ミジンブロック・プロトコル (Pagano, M. (ed.) Cell Cycle Materials and
Methods. New York: Springer-Verlag, 1995)により、G1/S の境界で同期化さ
せた。解除後0、3、6、9 及び12時間目の時点で細胞を採集した。そのうちのあ
る割合の細胞を固定し、プロピジウムイオジン(原語propidium iodine)着色し
、FACS解析を行って、細胞周期の段階を調べた。残りの細胞の全RNAを、175cm2 入りのフラスコに入った同期化させた3T3細胞から、メーカのプロトコルに従い
、RNAgents トータルRNAアイソレーション・システム(プロメガ社製)を用いて
、単離した。一時点当たり20マイクログラムの全RNA と5.5μgの0.59kbのRNAマ
ーカ(ニューイングランド・バイオラブズ社製)を、1.2% のアガロース/ホル
ムアルデヒドゲル上で電気泳動させ、Nytranナイロン・メンブレン(シュライヒ
ャー・アンド・シュエル社製)上に、10倍のSSC中で移し取った。5倍のSSPE、10
倍のデンハーツ液、50% のホルムアミド、100 μg/ml のサケ精子DNA、及び2%
のSDS 中で、42℃で20時間かけて、プレハイブリダイゼーション及びハイブリ
ダイゼーションを行った。プローブは、ランダムプライマ法(ストラータジーン
社製)を用いて[アルファ32P]で標識してある、マウスCdc25A cDNA の1.7kbの
C末端断片であった。20時間のハイブリダイゼーション後、ブロットを2倍のSS
C、0.05% のSDS 中で、室温で洗浄した。二回目の洗浄は、50°C で、0.1倍のSS
C、0.1% のSDS中で行った。このブロットを、負荷コントロールとして、上記の
ハイブリダイゼーション及び洗浄の条件を用いて、[アルファ32P]で標識して
あるS14 cDNA PCR産物で再度プローブした。
【0047】 ルシフェラーゼ検定 − 1 ' 105 細胞/ウェルになるように、6ウェル皿で成
長させた哺乳動物293T細胞に、1 mg/ウェルのエフェクタDNA (活性及び不活性の
Cdc25A) 及び1μg/ウェルのレポータDNA(Cdc25A ルシフェラーゼ、p21 ルシフ
ェラーゼ、及びガンマグロビン)を、3μl/ウェルのFuGENE (ベーリンガー−マン
ハイム社製)を100μl/ウェルの無血清培地に加えたものを用いて同時トランス
フェクトした。トランスフェクトから48時間後に、細胞を採集し、プロメガ社
のルシフェラーゼ・アッセイ・システムを用いて溶解させた。細胞は250μlの細
胞培養溶解試薬中に溶解させ、検定で必要になるまで-80℃で保存された。96ウ
ェル・プレートで、25μlのルシフェラーゼ・アッセイ試薬(ルシフェリン)を
、25μlの解凍後細胞抽出液に加えた。その後すぐに、このプレートをルミノメ
ータで読み取った。
【0048】 S1ヌクレアーゼ解析 − 1.5fモル(約 9x106 cpm)量の、5’末端を標識し
たプローブを、129sv マウスES 細胞から単離された50μgの全RNA(51oC、80%
のホルムアミド)にハイブリダイズさせ、150単位の S1ヌクレアーゼで1時間、
31℃で消化させた。このS1ヌクレアーゼ消化で出来た生成物を、8Mの尿素を含有
する6%のポリアクリルアミドゲルで分離し、オートラジオグラフィで視覚化した
【0049】 イムノブロット解析 − 様々なCdc25Aプラスミドでトランスフェクトした29
3T細胞の抽出液を電気泳動で分離し、ニトロセルロースに写し取り、ウサギポリ
クローナル抗ヒトCdc25A ホスファターゼ (1 μg/ml、アップステート・バイオ
テクノロジー社製)でプローブした。これらたんぱく質を、HRPに共役させたロ
バ、抗ウサギ、二次抗体と、化学発光検出システム(ピアース社のSuperSignal
)を用いて視覚化した。
【0050】 実施例1 マウスCdc25A遺伝子の特徴付け この実施例では、マウスCdc25Aのゲノム上遺伝子座、cDNA配列、及びアミノ酸
配列の特徴付けを解説する。
【0051】 マウスCdc25A遺伝子の配列及び構造 マウスCdc25Aの完全なゲノム上配列(図10)及びその転写単位を、ゲノムDN
A、cDNAの配列決定をし、そしてRNAのマッピングをすることで、決定した。Cdc2
5Aのコドン配列(図1)は、15個のエキソンを含む、18,314bpのゲノムDNAか
ら発現されると判断した。
【0052】 前述の判断を行うために、DNA配列決定用のゲノムクローンを、既に公開され
ているcDNA配列から得たオリゴヌクレオチドを用いて、全Cdc25A遺伝子座を含有
するP1ベクタから作製したショットガンライブラリをハイブリダイゼーション・
スクリーニングすることで、単離した (Wickramasinghe, D., et al., (1995) D
evelopment 121, 2047-2056)。
【0053】 これらのクローンを配列決定すると、Cdc25遺伝子のうちの転写される部分は
、すべてがコドン領域を有する15個のエクソンを含有する、18,314bpのゲノム
DNAにコードされていることが判明した。このCdc25A遺伝子のエクソンの構造を
表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】 15個のエクソンのうちの12個がGenscan遺伝子同定アプリケーションを用
いて予測可能であった(Burge, C., et al., (1997) J Mol Biol 268(1):78-94)
(http://bioweb.pasteur.fr/seqanal/interfaces/genscan-simple.html) (表1)
。コーディングエキソンは反対側の鎖では予測されなかった。イントロンの大き
さ、エキソンの大きさ、及びスプライス・ジャンクションの配列を、表2に示す
【0056】
【表2】
【0057】 エクソンの配列及びイントロンの配列を、それぞれ大文字及び小文字で示す。
スプライス受容側配列及び供与側配列を太字で示す。
【0058】 正準ポリアデニレーション部位AATAAA(Wickens, M., et al., (1984) Scienc
e 226(4678):1045-1051) は、開始配列メチオニンコドンの17,893bp下流に同定
された。NCBI dbEST データベースで、マウスESTの最も3'末端側にあるクラスタ
は、この部位に重複していると判断され、これがこの遺伝子の3'末端であるとい
うことと一致した。これまでのいくつかの報告では、さらに上流の3'末端が提案
されている。この結論はおそらく、転写された領域に存在するポリAの尾から誤
って転写反応が起きた結果によるものであろう。3'末端の非翻訳領域は、位置16
,811及び16,939に、mRNAを不安定にするモチーフATTTAのコピーを二つ、含有す
る (Wilson, T., et al. (1988) Nature 336(6197):396-399)。これらのモチー
フは、ラットcDNAの対応する配列でも保存されている。マウス細胞におけるCdc2
5A mRNAの安定性は確かめられなかったが、MCF7細胞では、ヒトCdc25A mRNAの半
減期が約2時間であることは、注目に値する。
【0059】 マウス腎臓からクローンしたゲノム配列及びCdc25A cDNAの配列に基づいて、
マウスCdc25Aの推定上のアミノ酸配列を決定し、これを図1に示す。この配列は
、いくつかの位置で、cDNA配列のみに基づいている既に公開されている配列とは
、異なる (Wickramasinghe, D., et al., (1995) Development 121, 2047-2056)
【0060】 実施例2 マウスCdc25Aプロモータの構造上の特徴付け この実施例では、マウスCdc25A プロモータの特徴付けを説明する。
【0061】 上で行った配列決定に基づき、マウスCdc25Aプロモータの構造を決定できた。
特に、このCdc25Aプロモータの様々な主要な構造モチーフを同定した。例えば、
このCdc25A転写開始部位を、S1ヌクレアーゼ保護解析を用いて決定した。二つの
ゲノムDNAプローブをこの解析に用いたが、その一方は翻訳開始部位に一致するN
coI部位で標識し、もう一方は、152ヌクレオチド上流のNotI部位で標識されてい
た(図2A)。図2Bに示すように、NotIのプローブにより、約260ヌクレオチ
ドの保護された断片が生ずるが、他方、NcoIプローブでは、約420ヌクレオチド
の産物が生ずる。これらの結果から、翻訳開始部位の約420ヌクレオチド5’末
端側で転写開始があることになる。これは、ヒトCdc25A cDNAの公開されている
配列に基づいて予測された5’末端 (Galaktionov, K., et al., (1996) Nature
382, 511-517) に、ざっとではあるが一致する(ただしマウスとヒトの間では
、この開始部位の近傍にある正確な配列は、あまり保存されていない)。この領
域は、コンセンサスTATAボックスを含んでいないが、配列AATTAAは含んでいる。
この配列は、大変微弱ではあるが酵母で機能することが示されている縮重TATA因
子に似ている (Arndt et al., 1994, Mol. Cell Biol. 14:3719-3728)。TATA独
立転写開始は、コンセンサス配列 PyPyAN(T/A)PyPy (Javahery et al., (1994)
Mol Cell Biol (14(1):116-127)を含有する「イニシエータ」(Inr)因子によ
り命令される。このコンセンサス配列に対する完全な対合が、この翻訳開始部位
に対して位置-420に見られる。Inr配列因子には、しばしば、隣接するSp1結合部
位が伴う(Faber et al., 1993, J. Biol. Chem. 268:9296-9301)。これと合致
するように、Sp1結合部位は、Cdc25A転写開始部位及びコンセンサスInr因子に対
して、-40に位置している。
【0062】 推定上のSP1結合部位のすぐ隣にあるのは、ケラチノサイトでTGFβによる細胞
周期停止を媒介するとの報告があったE2Fの結合部位である(Iavarone, A., et a
l., (1999) Mol Cell Biol 19:916-922)。さらに、ヒトCdc25Aレポータ遺伝子活
性は、TGFβ での処置で誘導された細胞周期停止の間、75%減少することが観察
されている (Iaverone, A., et al. (1999) Mol Cell Biol 19:916-922)。
【0063】 前述のモチーフの同定に加え、GRAIL予測解析 (http://grail.lsd.ornl.gov/G
rail-1.3/) を行い、そこで、転写開始部位からエキソン1の終点までをほぼ包
含する領域である、ヌクレオチド852と1612との間に様々なCpGアイランドが存在
すると、判断した。
【0064】 実施例3 Cdc25Aプロモータの機能上の特徴付け この実施例では、マウスCdc25Aプロモータの機能上の特徴付けを解説する。
【0065】 Cdc25Aプロモータの機能を調べるために、1.3KbのNotI Cdc25Aゲノム断片(転
写開始部位に対して+260/-1040)を、レポータ遺伝子ルシフェラーゼに融合させ
た。Cdc25Aは、組織種に応じて幅広い範囲のレベルで発現することが観察されて
いる。例えば、腎臓での発現度は大変高いが、肺ではほとんど検出できない。こ
の1.3Kbの断片でもこのような発現パターンが再現されるかどうかを調べるため
に、一時的トランスフェクション実験を行った。
【0066】 Cdc25Aルシフェラーゼ作成物を、哺乳動物293腎細胞及びNCI H460 肺細胞に、
五つの他のコントロール作成物と平行してトランスフェクトした。これらのコン
トロール作成物は、細胞種特異性がほとんどないウィルス又はハウスキーピング
遺伝子プロモータを含有していた。図3に示すように、コントロール作成物の相
対的活性は、二つの細胞種間でほとんど違わない。しかし、Cdc25Aにより駆動さ
れるルシフェラーゼ活性は、両方の細胞種で検出されたが、腎細胞では、肺細胞
よりも少なくとも10倍高く、コントロールレポータ作成物群とは対照的だった
【0067】 これらのデータは、細胞種特異的な発現レベルは、転写開始部位の約1Kb、5
’末端側に延びたCdc25Aの上流の配列によりもたらされることを示唆している。
【0068】 マウスCdc25Aプロモータの組織特異的調節に加え、Cdc25Aプロモータの自己調
節も調べた。よって、Cdc25Aプロモータにより駆動される上述の哺乳動物ルシフ
ェラーゼレポータ作成物と、触媒として活性なCdc25Aホスファターゼか、又は、
触媒として不活性なホスファターゼか、のいずれかをコードするプラスミドとを
、細胞に同時トランスフェクトした。Cdc25Aプロモータからの転写は、触媒とし
て活性なCdc25Aホスファターゼの過発現では抑制されたが、触媒として不活性な
Cdc25Aホスファターゼでは抑制されなかった。
【0069】 このように、触媒として活性なCdc25Aホスファターゼは、Cdc25Aプロモータの
転写活性を抑制できると、結論した。この結果は、Cdc25Aホスファターゼ活性を
通じた、Cdc25A媒介型プロモータ抑制による仕組みで自己調節されるかも知れな
い。この態様のプロモータ抑制を、Cdc25ホスファターゼの変調物質を探すスク
リーニング検定としてさらに調べ、それらの結果を実施例4で解説する。
【0070】 実施例4 細胞内及びウィルス遺伝子転写のCdc25Aによる調節の変調物質をスクリーニン
グするための検定 この実施例では、Cdc25が媒介する遺伝子調節を測定し、その変調物質を同定
するための検定法を解説する。
【0071】 Cdc25Aは、転写リプレッサCut1の結合部位を含有する遺伝子の発現に影響を与
えると観察されている(Coqueret, O., et al., (1998) EMBO Journal 17, 4680
-4694)。例えば、Cdc25Aは、Cut1を脱リン酸化することで、p21/Waf 遺伝子など
、プロモータ中の結合部位に対するその親和性を高めることができる。
【0072】 その上、実施例3で行ったCdc25Aプロモータの機能上の特徴付けに基づき、Cd
c25Aホスファターゼは、Cdc25Aプロモータを調節できることが発見された。従っ
て、数多くの様々な真核性プロモータのCdc25A媒介型遺伝子調節の研究を、Cdc2
5A自己調節の解析に加えて、行った。特に、重要な細胞周期遺伝子のプロモータ
、即ち、p21、ホスホグリセレートキナーゼ(pGK) プロモータ、組織制限型遺伝
子、即ちβ-グロビン、のプロモータ、及び、SV40由来のウィルスプロモータ、
を調節する能力について、Cdc25Aを検定した。
【0073】 従って、いくつかのレポータ作成物のうちの一つと、触媒として活性なCdc25
ホスファターゼか、又は、触媒として不活性なCdc25ホスファターゼか、のいず
れかをコードするプラスミドとを、哺乳動物細胞に同時トランスフェクトした。
トランスフェクト後、細胞を採集し、上の小項の材料及び方法の欄で解説したよ
うに、レポータ遺伝子の活性を、ルシフェラーゼ活性の関数として調べた。
【0074】 図4Aに示すように、触媒として活性なCdc25Aがp21 プロモータの発現を抑制
することが、一時的トランスフェクション実験で示された。同様に、Cdc25Aプロ
モータは、触媒として活性なCdc25Aでは阻害されたが、触媒として不活性なCdc2
5Aでは阻害されなかった。Cdc25A プロモータの配列解析を行った結果、コンセ
ンサスCut1結合部位が、-625、-551 及び -482 にあることが分かった(Andres,
V., et al., (1994) Genes Dev 8(2):245-257)。このことは、Cdc25Aが発現する
ことが、それ自身の発現をフィードバック機構を介して抑制できたことを示した
。Cdc25A ホスファターゼ発現が、ホスホグリセレートキナーゼ(pGK)遺伝子プロ
モータ及びβ-グロビンプロモータ (-108) に及ぼす作用も解析した (図4A)。そ
の結果から、触媒として不活性な型ではなく触媒として活性な型のCdc25Aは、pG
K プロモータを抑制できたが、Cut1結合部位を含有しないグロビン遺伝子作成物
はできなかったことが分かる。
【0075】 Cdc25Aが他のプロモータの遺伝子転写に影響を与えるかどうかを調べるために
、SV40 (シミアンウィルス40)由来のウィルスプロモータをテストした。図4(
下側のパネル)に示すように、触媒として不活性な型ではなく触媒として活性な
型のCdc25Aホスファターゼは、SV40 プロモータの転写を抑制することができ、
これは、大変強いレベルの抑制であった(42分の1の抑制)。
【0076】 この293細胞にcdc25Aをコードする等量の作成物がトランスフェクトされてい
ることを確認するために、ポリクローナル抗血清を用いてCdc25Aポリペプチドレ
ベルをイムノブロット解析した(図4B)。
【0077】 このように、これらの結果から、Cdc25の発現により、Cdc25発現を含む遺伝子
発現がCdc25ポリペプチドのホスファターゼ活性を介して、調節されることが分
かる。このレベルの調節は、周期中細胞の調節が、特に、E2F活性などに影響を
与える他の型の調節と調和した状態で行われるのに、重要だと考えられる (Iave
rone, et al., (1999) Mol Cell Biol 19:916-922)。
【0078】 さらにこれらの実験から、Cdc25Aが、それ自体のプロモータなどの様々な細胞
プロモータ(しかしグロビンプロモータなどがそうではないように、全ての細胞
プロモータという訳ではない)だけでなく、SV40プロモータを用いて例示したよ
うに、ウィルスプロモータも調節できることが実証された。
【0079】 従って、この検定法には、Cdc25が媒介する遺伝子調節の変調物質をスクリー
ニングする上で幅広い実用性があることが、理解されよう。特に、ウィルスプロ
モータSV40を用いると、検定の可能なはっきりとしたシグナルが得られ、また、
Cdc25Aの阻害物質はシグナルの出力、即ちレポータ遺伝子の発現、を救出するた
め、好ましいであろう。このプロモータのCdc25A抑制量は42倍の大きさである
ため、Cdc25A活性の微弱又は部分的な阻害物質でも容易に検定できる。
【0080】 さらに、この検定法では、偽陽性の化合物(例えば、当該シグナルを救出する
だけでなく、テスト反応中のシグナルまでも増加させる化合物など)や、偽陰性
の化合物(例えば、シグナルを生じないだけでなく、コントロールシグナルを下
げるような化合物、例えば細胞毒性化合物など)を正確に同定できるコントロー
ルを提供するため、不適切な化合物についてそれ以上調べたり、候補化合物を誤
って検査対象から外してしまうことを、防ぐことができる。
【0081】 さらに、例えばたんぱく質ベース、糖質ベース、脂質ベース、核酸ベース、天
然有機物ベース、合成の有機物ベース、又は抗体ベースであるテスト化合物など
を含有する、当業で公知の化合物又は化合物ライブラリを、SV40プロモータなど
のプロモータの、Cdc25が媒介する調節に影響を与える候補化合物として、スク
リーニングしてもよいことは理解されよう。従って、本検定法を行うにあたって
、数多くある当業で公知の高処理能検定技術のいずれを用いてもよい。
【0082】 実施例5 Cdc25A発現による細胞周期調節の特徴付け この実施例では、Cdc25Aによる細胞周期調節を解説する。
【0083】 マウスCdc25Aレベルが、細胞周期中に変化したかどうかを調べるために、Cdc2
5A RNAレベルを、二重チミジンブロックで同期化させたマウス細胞の細胞周期中
に測定した(Pagano, M. (ed.) Cell Cycle Materials and Methods. New Yor
k: Springer-Verlag, 1995)。図5は、G1/S期(0時間)で停止させた細胞にお
けるCdc25A mRNAレベルに対して、大半の細胞がG2又はM期にある時点におおよそ
ではあるが相当する解除後9時間目にピークを迎えたCdc25A mRNAレベルに比較
して示す。さらに、mRNAレベルは、細胞が解除後一回目の細胞周期の終わりを迎
えようとするときに低下し始めることが観察された。これらの結果は、ヒーラ細
胞及びNCI H460 細胞を用いてヒトCdc25Aたんぱく質レベルで行われた観察と一
致している。さらに、Cdc25A mRNA レベルは、ラットNRK細胞では細胞周期の調
節を受けることも観察されている (Jinno, S., et al., (1994) EMBO Journal 1
3, 1549-1556)。
【0084】 このように、ラット及びヒト細胞と同様に、マウスCdc25Aレベルは、細胞周期
の進行に影響を与える因子により変調されるようである。さらにこれらの発見は
、マウスCdc25Aが細胞種特異的態様で幅広く発現し、その発現はチェックポイン
ト停止の影響を受けることを示している。Cdc25Aのインビボでの役割を調べるた
めに、トランスジェニック動物を実施例7で説明するように作製した。
【0085】 実施例6 Cdc25A遺伝子ターゲティングのための新規なベクタ この実施例では、上記の配列情報を用いて作製される遺伝子ターゲティングベ
クタの作製及び組換え頻度について、解説する。
【0086】 Cdc25A遺伝子座からゲノム配列を得られることで、Cdc25A遺伝子座を破壊する
ための新規な遺伝子ターゲティングベクタを容易に作成することができた。まず
、従来のターゲティングベクタを作成し、エクソン1及びエクソン2のいくつか
の部分が削除されることで、コーディング配列が破壊されるように設計した(図
6)。さらに、テトラサイクリントランス活性化因子のコーディング配列が、Cd
c25Aプロモータの制御下に挿入され (Gossen, M., et al., (1993) Trends Bioc
hem Sci 18(12):471-475)、それと同時に、Cdc25A遺伝子の隣接したコーディン
グ配列がテトラサイクリン応答因子tet-o-7の制御下に配置される (Gossen, M.,
et al., (1993) Trends Biochem Sci 18(12):471-475)よう、デザインされたカ
セット(tNT)を含有するベクタを作成した(図6)。二番目の作成物は、テト
ラサイクリンの有無に基づき、Cdc25Aを条件的に発現すると予測された。胚性幹
細胞EL1にこれらの作成物の各々を電気穿孔注入し、G418耐性について淘汰を行
った(陰性の淘汰株は用いなかった)。驚くべきことに、tNT挿入を含有する作
成物の頻度は高かった(25%を越えた(14/54)(図6)。従来のターゲティング
ベクタの一本の腕とCdc25A遺伝子座との間の組換えは検出されたが、210個のG41
8耐性クローンの中に相同組換え体は全く同定されなかった(図6)。
【0087】 これらの結果は、エキソン1、2、及び3内にある配列が、相同組換えの頻度に
影響するか、又は、この遺伝子座の遺伝的安定性にとって必要であることを示す
ものであろう。従って、Cdc25ターゲティングベクタのデザインに相対的には微
妙な違いがあっても、組換え頻度に大きな影響を与える場合があると、判断した
【0088】 実施例7 Cdc25ホスファターゼ欠損マウスの作成及び解析 この実施例では、Cdc25ポリペプチドを欠いたトランスジェニックマウスの作
成及び解析を解説する。
【0089】 サイクリン依存性キナーゼ(CDK)活性は、真核生物の細胞分裂を制御し、二
重特異性ホスファターゼの一ファミリーであるCDC25による正の調節を受ける。
マウスでは、三種類のCdc25遺伝子、即ちCdc25A、B、及びCが同定されており、
発生中に重複する、しかし別個な態様で発現する(Sadhu, K., et al. (1990) PN
AS USA 87:5139-5143; Kakizuka, A., et al. (1992) Genes and Development 6
:578-590; Wickramasinghe, D., et al. (1995) Development 121:2047-2056; W
u, S., et al. (1995) Dev Biol 170:195-206)。マウス発生におけるこれらの遺
伝子の具体的な役割及び潜在的な重複を調べるために、Cdc25A欠損マウスを作成
した。致命的な表現型がCdc25A欠損胚で観察されたが、対照的に、Cdc25B変異体
は生存できた。これらの結果から、Cdc25Aは必須であり、マウスの初期発生にと
って重複しておらず、Cdc25Bとは対照的であり、これら個々のファミリーメンバ
ーが果たす固有の役割の明確な差になっていることが分かる。
【0090】 ターゲティング戦略 胚性幹細胞で、Cdc25A遺伝子座を位置指定変異誘発法で狙った。三つのポリア
デニレーションシグナル及び翻訳終止コドンを三つの読み取り枠全てに含有した
PGK-ネオマイシンr(PGK-NEOr)カセットを挿入して、エキソン1を破壊した。そ
れぞれ1.3kb及び3.2kbの5'末端及び3'末端相同領域を含有するターゲティングベ
クタを電気穿孔法で胚性幹(ES)細胞に注入し(図7)、300μg/mlのG418で淘
汰した。陰性の淘汰は行わなかった。これらのクローンのうちの相同組換えをサ
ザンブロット解析で同定し、3種類の独立の細胞系を展開させた。これらのクロ
ーンを胞胚に注入し、レシピエント母に移した。キメラマウスを同定し、C57BL6
マウスと交配した。これらの交配でできたヘテロ接合型の子は健康かつ生殖能が
あり、この解析を9ヶ月間行った間も、そのままであった。この三種類の別々の
細胞系を由来とするヘテロ接合型の異種交配の子から出た複数の同腹子を遺伝子
型検査した。ホモ接合型になった変異マウスはおらず、ヘテロ接合型及び野生型
の子であることが分かった(表3)。これらの観察は、ホモ接合型の変異表現型
は、胚の段階の致死に関連があることを示唆した。
【0091】
【表3】
【0092】 三種類の独立した系(#2、#9、#36)のCdc25Aヘテロ接合型異種交配子
を、サザンブロット解析で、図7に示した3'末端プローブP2を用いて遺伝子型検
査した。いずれの系でも、ホモ接合型であるヌルの子は出なかった。
【0093】 表現型解析 胚の致死が起きる発生上の段階を特定するために、E6.5からE12.5までの範囲
の様々な段階の胚をヘテロ接合型異種交配子から切除した。E6.5胚を調べると、
全ての胚が、卵筒の段階まで成長しており、正常(n=57)に見えた。しかし、E7
.5では、解析した胚の25%で、おしなべて、組織形成が起きていない胚に再吸収
が進んでいる様が観察された(n=62)。胚の死は、E.85及びそれより発生上後の
段階で同じような比率で観察された(n=100)。E6.5及びE7.5のヘテロ接合型異
種交配の胚を組織検査して、これらの観察を確認した(図2)。さらに、野生型
マウス及びヘテロ接合型マウスのコントロール交配子はE7.5の段階でも胚の段階
の致死を呈さず、ヘテロ接合型の異種交配子の胚とは対照的であった。
【0094】 これらの観察は、野生型及びヘテロ接合型の胚は、胚の段階での致死的な表現
型に寄与しないことを示している。
【0095】 E6.5の野生型胚は成長して卵筒段階に至った(M. H. Kaufman (1995) The Atl
as of Mouse Development, Acad. Press. p1-41)。ヘテロ接合型の異種交配子の
胚はすべて、この段階まで成長し、相互に区別がつかなかった(図8A−J)。
E7.5では、正常な胚は成長して後期原始線条段期に至った。柔毛膜、尿膜、羊膜
及び神経板に加え、外胚葉、中胚葉及び内胚葉層の存在によりこの段階の胚を容
易に区別することができる(図8K−Q)。しかし、対照的に、我々は、胚のう
ちの約25%に組織形成が起きておらず、個別の胚層の形成も神経板の形成もな
く、その結果、初期の胚が死に至ったことを観察した。
【0096】 インシチューハイブリダイゼーション解析 胚の致死率をより詳細に調べるために、インシチューハイブリダイゼーション
解析をE7.5胚で( J. Coligan et al., (1993) Cur. Protocol Immunol (Wiley
) Unit 12.8.1 - 21に解説されているように)行った。Cdc25A RNA は、正常に見
えると共に成長した後期原始線条段階に至った胚のすべてに広汎に検出された(
図2C、C’)。全体的なCdc25A 発現が、内胚葉、中胚葉、及び外胚葉層、栄
養膜小胞、胚外層、及び尿膜、羊膜及び神経板で観察された。Cda25bにハイブリ
ダイズさせた同じ胚の隣接する切片では、全体的な発現は低いが、Cdc25B RNAが
、胚外−胚中胚葉細胞のうちの小集団に特異的に局在化していることが、分かっ
た(図8D、D’)。対照的に、組織形成のない胚は、正常な同胞胚で観察され
るような広汎な発現パターンでは、Cdc25Aを発現しない(図9E、E’)。しか
しながら、Cdc25B RNAが、同じ胚の隣接切片に検出された(図9F、F’)。こ
の胚組織は組織形成していないが、Cdc25Bの特異的な発現は簡単に判別すること
ができ、他方、Cdc25Aの発現は、バックグラウンドレベルより上には、検出でき
ない。
【0097】 これらの観察は、Cdc25Aの発現(野生型又はヘテロ接合型)は、胚の発生と相
関するが、他方、Cdc25Aの発現がないことは、初期の胚の致死に直接相関してい
ることを、明らかにするものである。従って、Cdc25Aは胚の発生にとって必須で
あり、重複していない。
【0098】 他の細胞周期遺伝子がヘテロ接合型になったマウスで、いくつかの表現型が明
らかになっているため、我々は、Cdc25Aがヘテロ接合型になったマウスで、細胞
周期プロファイル及びDNA損傷応答を調べた (A. Clarke et al. (1992) Nature
359: 328-330; L. Donehower et al., (1992) Nature 356: 215-221; T. Jacks
et al.(1992) Nature 359: 295-300)。同期化させた又はDNAが損傷したヘテロ接
合型マウス胚線維芽細胞(MEF)のFACS解析による細胞周期プロファイルは、そ
れらの野生型のものとは、区別がつかなかった。さらに、胚のRNA及びたんぱく
質のそれぞれノーザンブロット及びイムノブロット解析でも、野生型及びヘテロ
接合型の胚で、Cdc25Aが同じようなレベルで見られる。cDNA発現アレイもまた、
野生型及びヘテロ接合型の胚で類似の発現パターンが示され、前出の我々のノー
ザン解析データを裏付けている。
【0099】 これらの結果は、Cdc25Aが初期の胚の発生に必須であることを明確に実証して
いる。e7.5では、全体的な発生上の停止が、変異胚で観察され、Cdc25Aが、急速
な増殖を行うこの時点で重要な役割を果たすことを示唆している。これらの結果
は、さらに、Cdc25Bの役割と、Cdc25Aの役割の差を、浮き彫りにしている。Cdc2
5Bは、G1/Sにおいて一つの役割を果たすとの示唆があったため、G/Sでは、Cdc25
Bにより、Cdc25Aの働きの不足が補われると予測されていた。しかし、Cdc25A変
異胚で発現するCdc25Bのレベルは低く、補償が行われるには足りないとの反論も
たしかにできるであろうが、これらの胚では、Cdc25Bによる補償は起きない。さ
らに、Cdc25A変異体の表現型は、Cdc25Bのそれとはくっきりと対照的である。Cd
c25Bは、胚の発生において必須でもなく、また重複していることもない。Cdc25B
-/-マウスは成長して成体になるが、有糸分裂表現型は呈さない。
【0100】 これらの観察は、Cdc25Aが、その後の成長及び分化に向けた組織増殖と一致し
た初期の胚発生において、中心的な役割を果たすことを示唆している。Cdc25Aの
接合体発現は、発生上の胞胚段階で起きると考えてよい (D. Wickramasinghe et
al., (1995) Development 121:2047-2056)。従って、Cdc25Aホモ接合型変異体
は、母胎からもらったCdc25Aがあるために、着床前期の発生段階は生き延びるの
であろう。そうでなければ、Cdc25Aはこれらの初期の胚の分裂には必須ではない
のである。初期の発生の母胎からの支援はよく文献化されており、 着床前期胚
が生き延びることは、マウスのノックアウト解析でも珍しくない (Telford, N.,
et al., (1990) Mol Reprod Dev 26:90-100)。例えば、サイクリンA2-/-胚は、
胞胚段階でこのたんぱく質を発現する。このサイクリンA2はおそらくは、母胎の
蓄えを由来とするものであるが、胚の発生をE6.5になるまで支える(Murphy, M.
et al. (1997) Nature Genetics 15:83-86)。さらに、例えばBRCA1、BRCA2 及び
RAD51など、細胞分裂及びDNA損傷の修復にとって重要な遺伝子をノックアウトし
た胚は、E6.5乃至8.5 の範囲の初期胚の致命的な表現型を示す(Gowen, L., et a
l. (1996) Nature Genetics 12:191-194)。
【0101】 ここに紹介した結果は、急速な増殖と一時的に一致するマウス発生中にCdc25A
が果たす中心的な役割を説明するものである。Cdc25Aは数多くのヒトの癌への関
与も示唆されているため、これらの変異体は、悪性腫瘍状態を作成する上で他の
細胞周期調節因子及び腫瘍抑制因子との遺伝的相互作用を調べるための枠組みを
拡張するものである。特に、これらの細胞及び得られる動物は、Cdc25が媒介す
る遺伝子調節を検定するための貴重なツールになる。
【0102】 等価物 当業者であれば、ごく日常的な実験を用いるのみで、ここに解説した本発明の
具体的な実施例の等価物を数多く認識され、又は確認できることであろう。この
ような等価物は、以下の請求の範囲の包含するところと、意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マウスcdc25AのcDNA配列及び推定上のアミノ酸配列を示す。
【図2】 S1ヌクレアーゼ保護解析に用いたプローブの概略図を示す(パネル
A)。パネルBは、S1ヌクレアーゼ保護解析のオートラジオグラフを示す。ゲノ
ム断片を単離し、図示した制限部位で5’末端を標識した。これらを、ここで解
説したように、129svマウスES細胞から単離したRNAにハイブリダイズした。NcoI
部位で標識したプローブにより、420(nt)ヌクレオチドの保護断片(700ntが消
化されない)が得られ、他方、NotI部位で標識したプローブで、260nt(1100nt
が消化されない)の産物が得られた。50μgの酵母tRNAにハイブリダイズしたプ
ローブでは、保護が起きなかった。
【図3】 Cdc25Aプロモータ活性の柱状図である。 哺乳動物293腎細胞(パネ
ル A) 及びH460 肺細胞(パネルB)に、三重にして、図示したレポータ作成物
をトランスフェクトした。図示したのは三重にして行った各トランスフェクショ
ンの平均値である。誤差棒は、平均値の標準偏差であり、Y軸の大きさは、二つ
の細胞系のトランスフェクション効率の違いを反映するように調節してある。
【図4】 Cdc25Aホスファターゼの自己調節活性を示す柱状図である。哺乳動
物293T 細胞に、図示のCdc25A発現ベクタか、又は、空のベクタ(pcDNA、インビ
トロジェン社製)のいずれかと、1.0μgの図示のルシフェラーゼ(luc) レポータ
遺伝子作成物とを同時トランスフェクトした。細胞を48時間後に採集し、ルシ
フェラーゼ活性について検定した。誤差棒は、平均値の標準偏差を示す。Cdc25A
では luc n=8であり、p21/WAFでは、luc n=7 であり、そしてβグロビンでは、n
=3である。下側のパネルは、ウィルスプロモータSV40及び真核生物プロモータ p
GKについて行った同様の解析を示す。
【図5】 細胞周期中のCdc25A RNAレベルのオートラジオグラフを示す。RNA
試料を、細胞同期化ステップ(二重チミジンブロック)からの放出前後の提示し
た時点で単離し、ノーザンブロットで解析した。複製ブロットをCdc25A cDNA (
パネルA)又はリボソームたんぱくS14 cDNA (パネルB)でプローブし、ホスホ
イメージャを用いて定量死、数値を正規化した(パネルC)。
【図6】 二種類のCdc25Aターゲティングベクタの概略図を、相同組換えに成
功した頻度と一緒に示す。条件的ターゲティングベクタは、tNTカセットを、Cdc
25A遺伝子の非翻訳リーダ配列にあるNotI部位(+260)に挿入させて含有する。
このtNTカセットは、tTA遺伝子のコーディング配列と、ホスホグリセレートキナ
ーゼ遺伝子プロモータにより調節されるネオマイシン(G418)耐性遺伝子と、Te
t-o-7テトラサイクリン応答性プロモータとを含有する(Gossen, M., et al., (1
992) Proc Natl Acad Sci USA 89(12):5547-5551)。このTet応答性プロモータは
、Cdc25A遺伝子の非翻訳リーダ配列のNotI部位に(+62で)融合されている。さ
らにこのカセットは、全ての三つの読み取り枠内に、三つのポリアデニレーショ
ン部位及び終止コドンを含有していた。tTAにより駆動される、このtet応答性プ
ロモータのテトラサイクリン依存的調節を実証することができる。この従来のタ
ーゲティング・ベクタは、2396bpのXcmI断片を除去してエキソン1、2及び3を破
壊し、pPNT由来のpGK調節型G418耐性遺伝子を含有するPvuI-BsteII断片に置換す
ることにより、作成された。 G418耐性に基づき淘汰を行った後、これらのベク
タを電気穿孔注射したEL1 ES 細胞を展開させ、サザンブロットで解析して相同
組換えを調べた。
【図7】 マウスCdc25A及びターゲティング・ベクタのゲノム遺伝子座の概略
図を示す。tNTカセットに含まれ、エキソン1のNotI部位に挿入されたネオマイシ
ン転移酵素(Neo')を、正の淘汰に用いた。マウスゲノム配列の1.3kbの5’末
端及び3.2kbの3’末端相同領域を、黒く塗り潰した四角で表す。サザンブロッ
ト解析で用いたP1及びP2プローブを示す。ヘテロ接合型のES細胞DNAを同定する
のに行ったサザンブロット解析を示す(パネルB)が、このとき、P1でプローブ
したBglII消化産物により、7.5kbの野生型のバンド及び11.5kbの変異型のバンド
が検出され(パネルB、上側のパネル)、そして、P2でプローブしたEcoRI消化
産物により、それぞれ6.5kb及び9.5kbの野生型及び変異型のバンドが検出される
(パネルB、下側のパネル)。
【図8】 Cdc25Aヘテロ接合型異種交配胚(A-J)の組織解析の顕微写真を示
す。母親の子宮から採取したE6.5の胚をホルムアルデヒド中に固定し、連続切片
にし、ヘモトキシリン及びエオシンで染色した。E6.5の8個の胚(A-J)はすべ
て、健康に見え、初期原始線条期(K-T;100X)胚(R-T)になるまで正常な移植
後の成長を見せたが、組織形成はせず、隣接する正常な胚とは対照的に、後期原
始線条期(K-Q;40X)までは成長しなかった。
【図9】 E.7.5のヘテロ接合型の異種交配胚(A-F)のインシチュー・ハイブ
リダイゼーション解析の顕微写真を示す。暗視野及び部分的明視野の像は、Cdc2
5A(C、E)及びCdc25B(D、F)でプローブした隣り合う切片で重複している。Cd
c25A(A、A')及びCdc25B(B、B')のコントロール・センス・プローブを示す。
パネルIでCdc25A及びCdc25Bプローブにハイブリダイズした領域を強調した前の
パネルの数値化した暗視野像をパネルA'-F'に示す。矢印は、D、D'、F及びF'で
胚外中胚葉細胞にCdc25Bハイブリダイゼーションが強く起きた位置を示す。
【図10】 マウスCdc25Aゲノム遺伝子座の完全な配列を示す。
【配列表】
SEQUENCE LISTING <110> BASF Aktiengesellschaft <120> METHODS AND COMPOSITIONS FOR THE SCREENING OF CELL CYCLE MODULATORS <130> BBI-135PC <140> pct/us00/24838 <141> 2000-09-11 <150> 09/659,535 <151> 1999-09-13 <160> 31 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 1542 <212> DNA <213> Mus musculus <220> <221> CDS <222> (1)..(1542) <400> 1 atg gaa ctg ggc ccg gag ccc ccc cac cgc cgc cgc ctg ttc ttc gct 48 Met Glu Leu Gly Pro Glu Pro Pro His Arg Arg Arg Leu Phe Phe Ala 1 5 10 15 tgc agc ccc acg cct gcg ccg cag ccc acg ggg aag atg ctg ttt ggc 96 Cys Ser Pro Thr Pro Ala Pro Gln Pro Thr Gly Lys Met Leu Phe Gly 20 25 30 gcg tca gct gct ggc gga ctg tcc cct gtc acc aac ctg acg gtc acc 144 Ala Ser Ala Ala Gly Gly Leu Ser Pro Val Thr Asn Leu Thr Val Thr 35 40 45 atg gac cag ctg gaa gga ctg ggc agt gac tgt gag aaa atg gaa gtg 192 Met Asp Gln Leu Glu Gly Leu Gly Ser Asp Cys Glu Lys Met Glu Val 50 55 60 aga aat aac agc agt cta cag aga atg ggc tcc tca gaa tcg acc gat 240 Arg Asn Asn Ser Ser Leu Gln Arg Met Gly Ser Ser Glu Ser Thr Asp 65 70 75 80 tca ggt ttc tgt cta gat tct cct ggg ccc ttg gac agt aaa gaa aac 288 Ser Gly Phe Cys Leu Asp Ser Pro Gly Pro Leu Asp Ser Lys Glu Asn 85 90 95 ctt gaa att tcc ctg acg aga ata aat tcc cta cct cag aag ctc ctg 336 Leu Glu Ile Ser Leu Thr Arg Ile Asn Ser Leu Pro Gln Lys Leu Leu 100 105 110 gga tgt agc cca gcc ctg aag agg agc cac tct gat tct cta gac cac 384 Gly Cys Ser Pro Ala Leu Lys Arg Ser His Ser Asp Ser Leu Asp His 115 120 125 gac acc ttt cac ctc atc gac cag gat gaa aat aaa gaa aat gaa gca 432 Asp Thr Phe His Leu Ile Asp Gln Asp Glu Asn Lys Glu Asn Glu Ala 130 135 140 ttt caa ttt aaa aag cca ata cga cct gca tct cgt cac atc tac gag 480 Phe Gln Phe Lys Lys Pro Ile Arg Pro Ala Ser Arg His Ile Tyr Glu 145 150 155 160 gag agt aaa gat ccc ttt aca cac agg cag aat tca gcc cca gct cgg 528 Glu Ser Lys Asp Pro Phe Thr His Arg Gln Asn Ser Ala Pro Ala Arg 165 170 175 atg cta tct tca aat gaa agt gaa tca gga aat ttc agt cct ctt ttt 576 Met Leu Ser Ser Asn Glu Ser Glu Ser Gly Asn Phe Ser Pro Leu Phe 180 185 190 ata ccc cag tca cct gta aaa gcc act ttg tcc gat gag gat gat ggc 624 Ile Pro Gln Ser Pro Val Lys Ala Thr Leu Ser Asp Glu Asp Asp Gly 195 200 205 ttc ata gac ctt ctg gat ggc gag aat atg aag aat gat gag gag acc 672 Phe Ile Asp Leu Leu Asp Gly Glu Asn Met Lys Asn Asp Glu Glu Thr 210 215 220 cca tca tgc atg gca agc ctc tgg aca gct ccc ctt gtc atg agg aga 720 Pro Ser Cys Met Ala Ser Leu Trp Thr Ala Pro Leu Val Met Arg Arg 225 230 235 240 cct gca aac ctt gcc gat cgt tgc ggg ctg ttt gac tcc cct tcc ccg 768 Pro Ala Asn Leu Ala Asp Arg Cys Gly Leu Phe Asp Ser Pro Ser Pro 245 250 255 tgc ggc tcc agc act cgg gcg gtg ttg aag aga gca gac cgg tct cac 816 Cys Gly Ser Ser Thr Arg Ala Val Leu Lys Arg Ala Asp Arg Ser His 260 265 270 gag gag cct cct cgg ggt aca aag agg agg aag agt gtg ccc agc cct 864 Glu Glu Pro Pro Arg Gly Thr Lys Arg Arg Lys Ser Val Pro Ser Pro 275 280 285 gtg aag gcg aag gcg gat gtt ccg gag ccc gcc cag ctt cca tcc cag 912 Val Lys Ala Lys Ala Asp Val Pro Glu Pro Ala Gln Leu Pro Ser Gln 290 295 300 tct cta tcc ctg atg tct tcc ccc aaa gga acc att gag aac att ttg 960 Ser Leu Ser Leu Met Ser Ser Pro Lys Gly Thr Ile Glu Asn Ile Leu 305 310 315 320 gac agt gac cca aga gac ctt ata gga gat ttc tcc aag ggt tat ctc 1008 Asp Ser Asp Pro Arg Asp Leu Ile Gly Asp Phe Ser Lys Gly Tyr Leu 325 330 335 ttt aat aca gtc tct ggg aag cat cag gat ttg aaa tat att tct cca 1056 Phe Asn Thr Val Ser Gly Lys His Gln Asp Leu Lys Tyr Ile Ser Pro 340 345 350 gaa att atg gca tct gtt ttg aat ggc aag ttt gcc att ctc att aaa 1104 Glu Ile Met Ala Ser Val Leu Asn Gly Lys Phe Ala Ile Leu Ile Lys 355 360 365 gag ttt gtt atc att gac tgc cga tac cca tat gag tat gaa gga ggt 1152 Glu Phe Val Ile Ile Asp Cys Arg Tyr Pro Tyr Glu Tyr Glu Gly Gly 370 375 380 cac atc aag ggt gcc gtg aat ctg cac atg gaa gaa gag gtt gaa gac 1200 His Ile Lys Gly Ala Val Asn Leu His Met Glu Glu Glu Val Glu Asp 385 390 395 400 ttc tta ctt aag aac cct att gtg cct act gat ggc aag cgt gtc att 1248 Phe Leu Leu Lys Asn Pro Ile Val Pro Thr Asp Gly Lys Arg Val Ile 405 410 415 gtc gtg ttc cac tgt gag ttt tcc tct gaa aga ggc cct cga atg tgc 1296 Val Val Phe His Cys Glu Phe Ser Ser Glu Arg Gly Pro Arg Met Cys 420 425 430 cga tat gtg aga gag aga gat agg ctc ggc aat gag tac ccc aag ctc 1344 Arg Tyr Val Arg Glu Arg Asp Arg Leu Gly Asn Glu Tyr Pro Lys Leu 435 440 445 cac tac cct gag ctg tat gtc ctg aag ggg gga tac aag gag ttc ttt 1392 His Tyr Pro Glu Leu Tyr Val Leu Lys Gly Gly Tyr Lys Glu Phe Phe 450 455 460 ttg aag tgc cag tct cac tgt gaa ccc ccc agc tac cgg cca atg cac 1440 Leu Lys Cys Gln Ser His Cys Glu Pro Pro Ser Tyr Arg Pro Met His 465 470 475 480 cat gaa gac ttt aaa gaa gac cta aag aag ttc cgc acc aag agc cgg 1488 His Glu Asp Phe Lys Glu Asp Leu Lys Lys Phe Arg Thr Lys Ser Arg 485 490 495 acc tgg gca gga gaa aag agc aaa aga gag atg tac agt cgc ctg aag 1536 Thr Trp Ala Gly Glu Lys Ser Lys Arg Glu Met Tyr Ser Arg Leu Lys 500 505 510 aag ctc 1542 Lys Leu <210> 2 <211> 514 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 2 Met Glu Leu Gly Pro Glu Pro Pro His Arg Arg Arg Leu Phe Phe Ala 1 5 10 15 Cys Ser Pro Thr Pro Ala Pro Gln Pro Thr Gly Lys Met Leu Phe Gly 20 25 30 Ala Ser Ala Ala Gly Gly Leu Ser Pro Val Thr Asn Leu Thr Val Thr 35 40 45 Met Asp Gln Leu Glu Gly Leu Gly Ser Asp Cys Glu Lys Met Glu Val 50 55 60 Arg Asn Asn Ser Ser Leu Gln Arg Met Gly Ser Ser Glu Ser Thr Asp 65 70 75 80 Ser Gly Phe Cys Leu Asp Ser Pro Gly Pro Leu Asp Ser Lys Glu Asn 85 90 95 Leu Glu Ile Ser Leu Thr Arg Ile Asn Ser Leu Pro Gln Lys Leu Leu 100 105 110 Gly Cys Ser Pro Ala Leu Lys Arg Ser His Ser Asp Ser Leu Asp His 115 120 125 Asp Thr Phe His Leu Ile Asp Gln Asp Glu Asn Lys Glu Asn Glu Ala 130 135 140 Phe Gln Phe Lys Lys Pro Ile Arg Pro Ala Ser Arg His Ile Tyr Glu 145 150 155 160 Glu Ser Lys Asp Pro Phe Thr His Arg Gln Asn Ser Ala Pro Ala Arg 165 170 175 Met Leu Ser Ser Asn Glu Ser Glu Ser Gly Asn Phe Ser Pro Leu Phe 180 185 190 Ile Pro Gln Ser Pro Val Lys Ala Thr Leu Ser Asp Glu Asp Asp Gly 195 200 205 Phe Ile Asp Leu Leu Asp Gly Glu Asn Met Lys Asn Asp Glu Glu Thr 210 215 220 Pro Ser Cys Met Ala Ser Leu Trp Thr Ala Pro Leu Val Met Arg Arg 225 230 235 240 Pro Ala Asn Leu Ala Asp Arg Cys Gly Leu Phe Asp Ser Pro Ser Pro 245 250 255 Cys Gly Ser Ser Thr Arg Ala Val Leu Lys Arg Ala Asp Arg Ser His 260 265 270 Glu Glu Pro Pro Arg Gly Thr Lys Arg Arg Lys Ser Val Pro Ser Pro 275 280 285 Val Lys Ala Lys Ala Asp Val Pro Glu Pro Ala Gln Leu Pro Ser Gln 290 295 300 Ser Leu Ser Leu Met Ser Ser Pro Lys Gly Thr Ile Glu Asn Ile Leu 305 310 315 320 Asp Ser Asp Pro Arg Asp Leu Ile Gly Asp Phe Ser Lys Gly Tyr Leu 325 330 335 Phe Asn Thr Val Ser Gly Lys His Gln Asp Leu Lys Tyr Ile Ser Pro 340 345 350 Glu Ile Met Ala Ser Val Leu Asn Gly Lys Phe Ala Ile Leu Ile Lys 355 360 365 Glu Phe Val Ile Ile Asp Cys Arg Tyr Pro Tyr Glu Tyr Glu Gly Gly 370 375 380 His Ile Lys Gly Ala Val Asn Leu His Met Glu Glu Glu Val Glu Asp 385 390 395 400 Phe Leu Leu Lys Asn Pro Ile Val Pro Thr Asp Gly Lys Arg Val Ile 405 410 415 Val Val Phe His Cys Glu Phe Ser Ser Glu Arg Gly Pro Arg Met Cys 420 425 430 Arg Tyr Val Arg Glu Arg Asp Arg Leu Gly Asn Glu Tyr Pro Lys Leu 435 440 445 His Tyr Pro Glu Leu Tyr Val Leu Lys Gly Gly Tyr Lys Glu Phe Phe 450 455 460 Leu Lys Cys Gln Ser His Cys Glu Pro Pro Ser Tyr Arg Pro Met His 465 470 475 480 His Glu Asp Phe Lys Glu Asp Leu Lys Lys Phe Arg Thr Lys Ser Arg 485 490 495 Thr Trp Ala Gly Glu Lys Ser Lys Arg Glu Met Tyr Ser Arg Leu Lys 500 505 510 Lys Leu <210> 3 <211> 21429 <212> DNA <213> Mus musculus <220> <223> Any occurrences of N may be any nucleotide <400> 3 actagtagag ttatcacaca tgaaacactg tcatgtacat aaacactaaa tgttgcctag 60 tacttttaca gtgatttgaa tggctcccat gggctcatat gattgaatgc ttgatcccca 120 actgtttggg agggatttta gagaaggtgt ggccttgttg gaacaggtgt gtagatggga 180 gtgggttttg agttcttaaa aacccacacc aggcaaagtc tctctctctc tctctctctc 240 tctctctctc tctctctctc tctctctctc tctctctctc tnnnnnnnnn nnnnnnnnnn 300 nnnnnnnnnn nnnnnnnnnn nnnnnnnnnn nnnnnnnnnn nnnnnnnnnn 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catccaaatg atctttacaa 12120 ctcaaatctt gttttcttac aaaaaccttc cttatcagaa gttcaggaac tctactgaga 12180 taaagtaatt atgtgttatt ttgtgagata catgacaatg atcttctgtt acagtgtcag 12240 gttcaggttt tgatttggtt tttggttttt taatttttat ttttaaggca gattcttgcc 12300 atatagccct ggctaggctc aacattgtgg cagtcctcct gcctctggga ttgtatctca 12360 cgcctgtctt ggtatcacct caacagttct cattgcgaac agtaaaagag gacaggtgct 12420 ggttggtgtg tcggcatgcc ggtgatctct gtgcactctt tgagtttgag actatcctga 12480 tctacattat caagttccag gccaaccaga gattcgtggg tttcagggaa attcaactag 12540 ttactagata gcatggagct atccttcctc tgcttaagtc acagtacaga atcttttact 12600 tactataggc attcatattt cagtttcctt ttcttggcat ggtaaaggta aataattgta 12660 gagcttttaa tcaaaaccct ggtctcattc tctaccttgg atttcttaca gcttccatcc 12720 cagtctctat ccctgatgtc ttcccccaaa ggaaccattg agaacatttt ggacagtgac 12780 ccaagagacc ttataggaga tttctccaag gtaactgcaa gcagagtcac tctagtccgg 12840 tggtgttggc aaggggtgct agaaccccac ttaccttgct ccttccttcc tcaaggcagc 12900 ccctgggtgc cgccaaggca gcagttttaa 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tgcatttaag tgatttctca tactaagatg agaattcctg 13800 ataaaaaaac aggagggggg tgggggaagg tgccgggcgg tgctgcagct actgcacacc 13860 tttaatctca gcattccaac ggcaggcagg tctctgtgtc tgaggataca tagagaaacc 13920 ctgtcttgaa aaacaaaaca aaacaaaaca gtaacaaaag aaaagccagt ggagaaagga 13980 aatgacctgt ggtttctgtg ttcagatcta gactcgggac tccttaggtg gtaagaccag 14040 acccagaggg tgagcataat catttactaa cttaccccag gagcaggctc acctcggagt 14100 ctggagctgg actgctctac ataatgaaaa catatctcct taaacaataa taattaaata 14160 tctagatgtt gattaagtgc atagaaaggt aattagcata tagtattgac ttatgtttgt 14220 ttctcggttt gtttttcaag ctgcttccta ccacacaggc agcagaataa accttaatat 14280 ttgcaagctt tcacgttcct ctaaatattt tctgtttcct ttttttcatt ttctaaaggg 14340 ttatctcttt aatacagtct ctgggaagca tcaggatttg aaatatattt ctccagaaat 14400 tgtaagtcag gcttttggaa cccactgcat ttggggagtt ggaatctcgt tacctgacag 14460 ccagcaaatg acaccctctt ccctctctct tcatagatgg catctgtttt gaatggcaag 14520 tttgccagtc tcattaaaga gtttgttatc attgactgcc gatacccata tgagtatgaa 14580 ggaggtcaca tcaaggtttg gattcttgag acttattatc ttgggagtct tagaaggtgg 14640 gatagtgaca tctcttggct gacggccaat atacacaaac tgaatgaata ttcccaccag 14700 ttccacttca ctccctcata ctgtcctgtt tcagggcatt tctaggtggc atccctgatg 14760 tctaagctat tcagtggggc cacaaagagt tccacagcat ttgggatatt taaatatgaa 14820 tgtttgagca ccccagagct cctgagtaaa agaagccagt ttggcagcat ggccctggta 14880 tctgtaccaa ggctctgctg ttgagtcagg ctgcctacct tgggaaggga catgttggaa 14940 caccagattt ctagaaggaa ggagctggtc atgcctgttt agtattacca taaaaagcag 15000 gatttaaatg tgagtgggga ttagcttctg actttatgaa gtgacattta gaaatggcct 15060 acagagaaag cctcactgac ataacaggca ggtggtctac tgcgctgctg ggccgtggga 15120 cctacagact cctgggtgtg gcttagcagg tgctcagtgt ctgctgtctc cacagggtgc 15180 cgtgaatctg cacatggaag aagaggttga agacttctta cttaagaacc ctattgtgcc 15240 tactgatggc aagcgtgtca ttgtcgtgtt ccactgtgag ttttcctctg aaagaggccc 15300 tcgaatgtga gtaccacaga gaataaggct ttggggcgga ggcttcctga cagtggagag 15360 cagggcacac gtcacaaccc taacacaggc acctttcaca aagtcacaag gcgctccagt 15420 gctgctccag tctacacatt atgtgtatac atggcttttg tggaaactat aattcctatt 15480 ataacatagt ttcccttagt tggacttctg tccactgatt tgtctttcaa acagcctttt 15540 tttttcccct tcaaaaaagg gtttcactgt gtaaccctgg ctattctgga actcagtctg 15600 tagaataggc tggctggcct cagggattta ggcacccggc caaatagaca tttttacgat 15660 tagtatttat tttatacttt tttttatttt gtgcacgcgc aaagtgccct accatagtgt 15720 gtatatggag ttcagaagtc agcttggggg agtgctctgc tgtgtggatt tctgagcagc 15780 ttttacccat cttgctctcc caaacatttt tcctcctttc ttggtggaga aggggttcaa 15840 ggtagtgttt ctctgttgag tcctaaatgt tctggaactc aggacatgta gatgatgcta 15900 gcctccaacc caaagatcca tcttcattgc ctcctgggtg ctgggtatag aggcctgtga 15960 cactaccacc cagcccagac atatttcttg aatgtagttg atgaacttaa cctttacgtt 16020 ttgattgcaa atgattttca ggcttctcca gttcagtctt acggtgatac cagttgtaac 16080 tttgtagtat caccatgggt tcagcctctt tccaaatgac tcactcttgt tggtccttta 16140 tattgatttt tacttcggct ctcccagttt cccccactgt attgcgttct accgactagt 16200 ctcataacgt ccaagcagtt gttccttaag caaagggcag aaaagtctgg agagcttcct 16260 ctgcagatgt tgatgtgctg gcgatactct aaaacagcat ctggcatggt ggtgcatgtc 16320 tggttccagc cctggggaag ctaaggcaga ggatcagaag tgtaaagcca gcctgagctg 16380 catgcgatcc tataagaagc acactaacgt actgttaggc taggagtgtg gctcatatca 16440 gatagagcac ttctctagta tttgtgaagt cctgggttca agggcaggta tgatggcgca 16500 tgcctttaat ttcagcactc agattcaagg tcagtctaga ctactacagg atctcattac 16560 agtgacatag tgagatcctg tcacccaaac aacaacaaca aaaaagaaaa caacccaccc 16620 atttgagtag gactgaatat tcacacatga atggagatag tgggggcttg catccactct 16680 caaattctta ttgttattta acactaacaa catagcaaac caaaagtcta gcttcctgga 16740 gggacatttc agagtagaca ggaggcagac aagcatattt taaaaactta gaattgtaca 16800 aaatgttcac aagtccttca aaatgaggtc aatgagtgga agctcccaga tagaggacag 16860 gagacgagtg gggtgaatga gatgtgaggc ggcacacagt aggacactga aaactgtggc 16920 tttcgtgccg ctcaggcaga gtgcagagag acacggggtt ctagtagcta ccggggaagt 16980 agaaggcctc ggctgtttaa aggcacaaga aggaagactt ctacttgggt gagaggagca 17040 gaatgagggg accatggaca gaatggagag cacgctggct ctaagctatt gctgcagatg 17100 gtgtcggcag caggcaggtg gaaggagtgc caggacacca cctgtgttgt gtcctgtccc 17160 ctagcctgaa ggaggtgacc cgactgtgtc cttcacttct tttcactagg tgccgatatg 17220 tgagagagag agataggctc ggcaatgagt accccaagct ccactaccct gagctgtatg 17280 tcctgaaggg gggatacaag gagttctttt tgaagtgcca ggtgagatgt ctgtgagcat 17340 gtccccacgc ccccatgctg ggccattggg tcggttgtgg ctgctgcttg ccggggtctg 17400 ggggcgcact atgcatctgc taagtgccag gctcctgctc actggcacct gcttgctgcc 17460 ttcccagcct tgcagctcta ggcagaggaa gccagatgat atgaggcagg cgtatcctga 17520 ccgtgtctct cctgttcctt tagtctcact gtgaaccccc cagctaccgg ccaatgcacc 17580 atgaagactt taaagaagac ctaaagaagt tccgcaccaa gagccggacc tgggcaggag 17640 aaaagagcaa aagagagatg tacagtcgcc tgaagaagct ctgaagccaa atggtagcag 17700 cctgagcttc cctctgcccc gtcccttttc cctttgctgc agagcagtaa gcaaaggggc 17760 cagctgtacg gtacctggag aaagacctgg gccttccatt ccttggacct gtctcctaca 17820 ctcccaggtt ggagcctagg gcaccctgcc gttacactct tctgttctgt aagagtcctt 17880 ccctgtcagg actgtctgcc aaagctggac aagcacagca cagactggag tctgcaacac 17940 cgtgttaggc tgctctcact gagcatccca tgaagaaggc cttattgggt agaccctggc 18000 ctgtcacgag gagagaaaag ccgcccaagt gctgctggcc aaataccaaa gataggctgg 18060 aagggaggag agggcctcgt ggatgactct taactttaat ttattcagct tcatcaatta 18120 ttttattatt gttttaattc aagactttta cttttctgct tcattaagtc aaaatactgc 18180 cattctaggt agagttttat catcctagga gctacctcta cttttaattt aaaaaaaaaa 18240 aaaatggggc agggataaga aaaaggcaaa cttgttaagt tgtgaacagc gcaaggagct 18300 cagtcacccc taggaggcgc tgcagaccag tattgctgct actcaaagtc aaggactgag 18360 atgctggtaa gagcctgcac cagatccagg cttggctaca ggacataagc taaccttccc 18420 agacctactt ctgcattttg cagtgttcct cggggaaagt cttgtctcca ctcctcaccc 18480 cacgtcccca tgacagtggc tggtgtagga gtcacaggaa ggcactttag gcagcttcca 18540 tcaggccagt actggaatgc tgtagtgtgc cccaaggtgg aagagggggg gcatgaaaga 18600 gtggagtcca cagagtgagg gaggagcatg cccactgaat gtccttttaa aaaaaaaaaa 18660 gtcattttat gagtcggaat atccaatcag tgttgggtgg gcacccaagg gtgagcaggg 18720 gggcgggaag cccaggctgt tatgtatcct ggcctacaga caactgtgga atttctcagg 18780 agggcgtagt aaattttgaa gtcaaaggtt cagagtttat catgttttaa tttgagggtc 18840 agagagtggt gaatcacatc agttaccccc taatctaatc ccatggaagt gaggctctcg 18900 gaaacacctc tcgtctgagg ggccaggctg ctttgattct gcacagcctg ttttggtgcc 18960 tgcctgttga tatccttgga caccagcctc tctgctatct ttgctccatt ggggtctagc 19020 caggtttttc ttaggaagag tctcccctct tccctctgct ttctattctg ggggcgggga 19080 gggaatcagt gatattgaag atggctagtt gctttgttat gggtttgagt tgcatttggc 19140 tattaaacaa atcttgtttg aaaatatgtg gagagcaagg gaatgagcag ccccttccct 19200 ggcgtgttga agtatgtccc agttggtccc tggtctggtt tgtagagatt ctgttagctg 19260 aatgctttcc aggagaatgg cttgcagatt gtaccagcat agctagcatt gttaaccaac 19320 agttgcaggc tctgcaaata aaagtgatct tgaacccttg ttctctgcct agttcctaat 19380 atactcaact gggagtctca tttgccttta gggtcccagg gtcacatagc taaattaagc 19440 cagccatatt tcttcaagag gatattaata aaaaaaattc agtttgcctt taggaatagc 19500 cgaaacaatc ccccaaaaac aggcggttga caggatgaaa tggccttcta ggtcagtcag 19560 agtcgcatga tgggacctat taaaatagtt ttctcagtac tccatgtggt cttacagcct 19620 agtccttggg ttgctaaagg cctgaggatt ggcattcaag gccatccccc acatgataga 19680 gaaacaactc atgaattatc ctctggctcc cacatatagt ctgtggtgtg tgtgttcata 19740 ccaagtaagt tttttaaatg taaatttctt agtacttggg ccaaggtggg aggatatcag 19800 attcaggacc gccctgatct caaagagatt ccaaggcctg gggtggacct cggtggtaga 19860 gggctgtcca gcatcagtta cacatgccag tccctgggaa acaggaggag agaaactaaa 19920 ggtggtcttt atcctgacaa ctgttttgct tggtatttca aaggaaatat tggggggaaa 19980 gtgagggagg gctatagata gccagggtgg gtgtgaacag tggactagcc aggtagccta 20040 gatggctggg gtgcctgctg tagggaaata gccaggctct aaacattaac tcatcccaag 20100 caaacccgaa gagccagaca aggtgaataa ctgaggcaga aactgacagc agacgggcca 20160 ggactggtga actgggatcc tgtgagaaaa ccttaagacc ttgggcaaac agagactcct 20220 agaggtgcag agcccctggc tgaactaggg ctcccagaac agcacaaaca gtccctccgg 20280 tgaccctggg aagccagccc agctctccag tcagcctctg cgaggactcc cctttgtctt 20340 ctcagatttc agtcagcact ttgactgctg ccatagctac actgtggcca caagatggtg 20400 gtggtgtacc cagtttagtt ccctcacaga gggcttgcaa ctcctcccag gaaggcagct 20460 gagaggtgac gcctgggcct tccttccttg tagctcaggt taacttagtt gttagacccc 20520 agccccttat ggtgtattcg aatgacacag tgaagggatc cacttcagtt tgctcttgtt 20580 agatcactta ttatttctag tctgtgtgaa gatgtcagat tccctggagc tggagtcaga 20640 cagtggtggc agaggtgcaa ctgttgggaa ttgaatctag gttctctgta agagcagcca 20700 gcgtactcct aaccacagag ctatccagtc ccacttcagc ctttttgatg tctaactcca 20760 caaactacct gggaggctga aactgacaga atttggaatt tggggcaaga atttgaaata 20820 tatagatgct gctctccttc tttaaagctt tttctttttc tttttttttt tccaagacag 20880 ggtttctctg tgtatccctg gctgtcctag aactcactct gtagaccagg ctggcctcga 20940 actcagaaat ccgcctgcct ctgcctccca agtgctggga ttaaaggcgt gcaccaccac 21000 gcccggcttt tctttttgtt agaagtaaat aaattcttaa aaagagaatc actagtccag 21060 ataagttgga gacacccaca ttaaacagct tacttgaggt ttggtttgtt tcccaggcct 21120 tttgcatagc cactgtttgt aggtttggtg ctgatgccga ctgcccacgt tttatgaatg 21180 ggaacaccca tgctccatta gttcctgagt tcctcttgtt actcattaac aaatggtgga 21240 agtgggagta ggcctttgct ctccggttcc aagtcctcgg ctctttccca actttctctt 21300 gctttcaact cgtcttccaa agaactcagc tagtgagctt gtttcttgcc tgaccagtac 21360 agtatgaaaa ggaaatgttt agggaatcac caaaggatgg cattgcagct agtcactggg 21420 acagagctc 21429 <210> 4 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 4 tgggcaggtg agagacc 17 <210> 5 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 5 ttggtttcag tgactgt 17 <210> 6 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 6 gattcaggta ttgccat 17 <210> 7 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 7 tttctcaaag gtttctg 17 <210> 8 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 8 aagaaaagta tgtattc 17 <210> 9 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 9 ctcattacag ccttgaa 17 <210> 10 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 10 cctacctgta agttctg 17 <210> 11 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 11 actttgatag cagaagc 17 <210> 12 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 12 agaaaatgtt tgctgag 17 <210> 13 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 13 tgttttgcag gaagcat 17 <210> 14 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 14 tcggatggta cgtggtt 17 <210> 15 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 15 tgtctttcag ctatctt 17 <210> 16 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 16 tatgaaggta cagtctg 17 <210> 17 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 17 cttgctctag aatgatg 17 <210> 18 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 18 aaaccttgta agttact 17 <210> 19 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 19 tgaccctaag gccgatc 17 <210> 20 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 20 cgcccaggtt agttacc 17 <210> 21 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 21 tttcttacag cttccat 17 <210> 22 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 22 ctccaaggta actgcaa 17 <210> 23 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 23 ttttctaaag gtttatc 17 <210> 24 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 24 agaaattgta agtcagg 17 <210> 25 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 25 ctcttcatag atggcat 17 <210> 26 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 26 catcaaggtt tggattc 17 <210> 27 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 27 gtctccacag ggtgccg 17 <210> 28 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 28 ctcgaatgtg agtacca 17 <210> 29 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 29 ttttcactag gtgccga 17 <210> 30 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 30 gtgccaggtg agatgtc 17 <210> 31 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 31 gttcctttag tctcact 17
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/15 G01N 33/50 Z 33/50 A61K 45/00 // A61K 45/00 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ティム ジェニファー アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01520 ホルデン メイン ストリート 965−6 Fターム(参考) 2G045 AA40 4B024 AA11 CA04 CA12 DA03 EA04 FA02 FA10 GA11 4B063 QA18 QQ08 QQ13 QQ20 QQ22 QQ33 QR59 QR77 QR80 QS24 QS34 QS36 QS38 QX02 4C084 AA16 MA01 ZB21 ZC20 ZC41

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cdc25活性の変調物質を同定する方法であって、 発現すると所定の遺伝子の転写が変更されるような組換えCdc25ホスファター
    ゼ遺伝子を有する細胞を提供するステップと、 前記テスト細胞をある化合物に接触させるステップであって、ただしこのとき
    、前記組換えCdc25ホスファターゼ遺伝子が発現し、前記化合物がCdc25の媒介す
    る転写の変調物質であることの指標として、所定の遺伝子の転写が変更されるよ
    うな条件下で、接触させるステップと、 を含む、方法。
  2. 【請求項2】 発現しても、所定の遺伝子の転写は変更されないような触媒と
    して不活性の組換えCdc25ホスファターゼ遺伝子を有するコントロールテスト細
    胞を提供するステップと、 前記の触媒として不活性の組換えCdc25ホスファターゼ遺伝子が発現するよう
    な条件下で、前記コントロールテスト細胞をある化合物に接触させるステップと
    、 前記化合物の存在下での前記所定の遺伝子の転写量を、前記化合物の不存在下
    で起きる転写量に比較するステップであって、前記化合物の存在下で、前記所定
    の遺伝子の転写量に統計上有意な変化があれば、前記化合物が、Cdc25の媒介す
    る転写とは独立の変調物質であることの指標となる、ステップと をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記所定の遺伝子が、真核生物のプロモータ因子を含む、請求
    項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記所定の遺伝子が、p21/WAF、pGK、及びCdc25からなる群よ
    り選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記所定の遺伝子が、レポータ遺伝子を含む、請求項1に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 前記レポータ遺伝子がルシフェラーゼである、請求項5に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 前記レポータ遺伝子が、細胞プロモータの制御を受ける、請求
    項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記細胞プロモータが、p21/WAF、pGK、及びCdc25からなる群
    より選択される、請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記細胞プロモータが、p21/WAF プロモータである、請求項7
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記細胞プロモータがpGK プロモータである、請求項7に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 前記細胞プロモータがCdc25 プロモータである、請求項7に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記レポータ遺伝子が、ウィルスプロモータの制御を受ける
    、請求項5に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記ウィルスプロモータがSV40 プロモータである、請求項
    12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記組換え型 Cdc25 ホスファターゼ遺伝子が、哺乳動物Cdc
    25 ホスファターゼをコードする、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記哺乳動物Cdc25 ホスファターゼがヒトCdc25 ホスファタ
    ーゼである、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記ヒトCdc25ホスファターゼが、Cdc25A、Cdc25B、及びCdc
    25Cからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記テスト細胞が哺乳動物細胞である、請求項1に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 前記テスト細胞がヒト細胞である、請求項17に記載の方法
  19. 【請求項19】 前記転写が、ルシフェラーゼ活性を測定することにより決定
    される、請求項6に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記変化が、前記化合物がCdc25活性の阻害物質であること
    の指標である上昇である、請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記変化が、前記化合物がCdc25活性の賦活物質であること
    の指標である低下である、請求項1に記載の方法。
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