JP2002512811A - 遺伝子スクリーニング法及び関連アッセイ法 - Google Patents

遺伝子スクリーニング法及び関連アッセイ法

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JP2002512811A JP2000546049A JP2000546049A JP2002512811A JP 2002512811 A JP2002512811 A JP 2002512811A JP 2000546049 A JP2000546049 A JP 2000546049A JP 2000546049 A JP2000546049 A JP 2000546049A JP 2002512811 A JP2002512811 A JP 2002512811A
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    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、プログラム細胞死に必要とされる遺伝子である細胞死遺伝子、異所性プログラム細胞死が通常よりも大きな程度で胚において起こる変異生物、及び細胞のプログラム細胞死をモデュレートする能力を変化させる薬剤に関する。キイロショウジョウバエ(Drosophia melanogaster)におけるDaktlの変異体、Daktlqが同定された。Daktl及びその哺乳動物ホモログPKBは、アポトーシスから細胞を防御することが知られている。Daktlの変異体と遺伝学的に相互作用する能力により、プログラム細胞死に関連した遺伝子を同定するための遺伝学的スクリーニングが記載される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願に対する相互参照 本願は、1998年4月27日に出願された米国仮出願第60/083,077号に基づく優先
権を主張する。その内容は参照として完全に本明細書に組み入れられる。
【0002】 発明の分野 本発明は一般的に、遺伝学及び分子生物学の分野に関し、特に、昆虫細胞及び
ヒト細胞におけるプログラム細胞死(PCD)又はアポトーシスの遺伝学的調節に
関する。
【0003】 発明の背景 生存と死亡の決定は、発達及び悪性化の間において細胞制御の重要な局面であ
る。この調節の中心となるのが、多細胞生物において保存されているプログラム
細胞死(PCD)又はアポトーシスの過程である(Jacobson MD,et al.Cell 1997,8
8:347-354)。カスパーゼのように細胞アポトーシス過程の解明は急速に進展し
たが、この重要な過程を制御するメカニズムは明確には理解されていない(Harr
ington et al.EMBO J.1994,13:3286-3295)。ホスファチジルイノシトール3'キ
ナーゼ(PI3'K)経路を含む多様なシグナル伝達経路が、PCDのモデュレーション
に関与していることが示されている。脂質キナーゼであるPI3'Kの活性化はPCDを
抑制し、その阻害はPCDを増強する(Yao R,et al.Science 1995,267:2003-2006.
Kaufmann-Zeh et al.Nature 1997.385:544-548.Kennedy et al.Genes Dev.1997,
11:701-713.Kulik et al.Mol.Cell.Biol.1997 17:1595-1606.Dudek et al.Scien
ce 1997,275:661-665.Marte et al.TIBS 1997,22:355-358)。最近、哺乳動物細
胞におけるPI3'Kの抑制効果が、PKB又はAKTと呼ばれるプロテインキナーゼの活
性化と関連づけられている(Bellacosa et al.Science 1991,254,274-277)。PK
B/AKT遺伝子は、急性形質転換レトロウイルスAKT8から単離された、v-Aktと名付
けられたレトロウイルス癌遺伝子のヒトホモログ(homolog)として同定された
(Bellacosa et al.Science 1991,254,274-277)。PKBは、脳、胸腺、心臓、及
び肺において発現していることが示されている。PKBは、いくつかの哺乳動物の
膵臓癌、前立腺癌、卵巣癌、及び乳癌において、ならびに膠芽腫及び白血病にお
いて過剰発現していることも報告されている。インスリンシグナル伝達経路の欠
陥は、PKBにおける変異と相関していることが知られている。そのような疾患に
は、肥満、高血圧、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症などを含みう
る関連障害;例えば癌、再狭窄、リウマチ性関節炎による増殖障害;又は例えば
骨粗鬆症による骨密度の不足による、高血糖症、特に非インスリン依存性糖尿病
(NIDDM)が含まれうる。PKBは血管形成にも関与していることが示されている。
哺乳動物におけるPKB/AKTの活性化及び機能のためのシグナル伝達経路に関して
多くの研究がなされているが、この酵素の下流作用周辺の精力的な研究にも関わ
らず、インビボのリン酸化標的はほとんど同定されていない。哺乳動物における
PKB/AKTの活性化は、PCDの抑制と関連づけられているが、PCDにおけるこのキナ
ーゼの決定的な役割は未だ確立されていない。PKB/AKTは、PCDとは無関係の他の
未知の生理学的役割を有している可能性もある。
【0004】 ノックアウト・マウスの使用は、インビボの遺伝子の機能に関する情報を見出
すための強力な道具である。この方法においては、残りのゲノムは影響を受けな
いまま、選択された遺伝子が不活化される。ノックアウト・マウスの作製には、
いくつかの欠点が存在する。多大の時間及び費用を要するのに加え、マウスにお
ける遺伝学的解析は遅く、複雑である。また、ノックアウト・マウス作製の方法
は、多くの場合において、初期の胚発生にとって重要な遺伝子を欠失させる。そ
のような場合、ノックアウトされた遺伝子を保持する胎児は、子宮内で死亡する
と思われる。PKB/AKTにおける特定の場合においては、PKB/AKTが、PKBα/AKT1、
PKBβ/AKT2、及びPKBγ/AKT3と名付けられた3つの異なる遺伝子によりコードさ
れる3つのイソ型として既に存在するという事実により、ノックアウト法の適用
はさらに困難となる。これらの遺伝子によりコードされたタンパク質は、相互に
高い相同性を有する。
【0005】 哺乳動物における遺伝子の機能研究は困難であるため、多くの研究者は、遺伝
学的操作がより行い易いモデル系において研究を行っている。ショウジョウバエ
(Drosophila)の遺伝学的研究は、シグナル伝達経路及び調節経路の詳細な研究
における強力なツールである。ショウジョウバエを用いた組換えDNA実験は、数
十年にわたる古典的な遺伝学的研究及び発生学的研究により確立された原理及び
概念の解明に役立てられている。PCDの生理学が、哺乳動物と節足動物との間で
極めて高度に保存されていることを示唆する証拠が存在する。プログラム細胞死
と関連した形態学的変化は、脊椎動物及び無脊椎動物の両方において類似してい
る(Kerr,et al.Br.J.Cancer,26:239-257)。宿主、例えばp35及びcrmAにおいて
PCDを抑制する多数のウイルス・タンパク質が、ある範囲の異種において強力な
抗アポトーシス活性を示す(Hay et al Development 120:2121-2129; Pronk,et
al.Science 271:808-810)。哺乳動物PCD因子の多数の機能性ホモログが、ショ
ウジョウバエにおいて同定されている。例えば、カスパーゼのカウンターパート
が、アポトーシス(iap)タンパク質の阻害剤として表されている(Harrington
et al.,EMBO J.1994,13:3286-3295; Sanson et al.Nature 1996,383:627-633; H
eitzler et al.Genetics 1996,143:1271-1286; Chou et al.Genetics 1996,144:
1673-1679)。PKB/AKTのショウジョウバエ・ホモログ(Dakt1)も、生化学的に
特徴付けされているが、対応する変異体は同定されていない(Franc et al.Immu
nity 1996,4:431-443; Grether et al.Genes Dev.1995,9:1694-1708)。Dakt1遺
伝子は約5.6KbのDNAであり、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaste
r)の第3染色体の右腕上の細胞学的位置89Bにマッピングされている。その哺乳
動物ホモログと同様に、Dakt1は、N末端PHドメイン、中央の触媒キナーゼドメイ
ン、並びにThr342及びSer505における2つの活性化部位を含有する。Dakt1は、哺
乳動物PKBと、アミノ酸レベルで75%の相同性を有し、DNAレベルで64%の同一性
を有する。特に、N末端PHドメインは71%の相同性を有し、触媒ドメインは、ATP
結合のための、キナーゼ活性においてSer/Thr特異性の決定のための保存された
モチーフと86%の相同性を示す。転写及び内因性キナーゼ活性の両方が、胚形成
、幼虫成長、蛹化中、および成体における性差間で異なる制御を受ける。
【0006】 PCDの生物学を理解することには、臨床的な意義がある。多細胞生物の正常な
発達においては、成熟又は成体の組織において必要とされるより多くの細胞が産
生される。従って、細胞誕生の過程である有糸分裂は、細胞数を減少させるため
の過程と平衡していなければならない。正常細胞死経路の破壊が役割を果たして
いる可能性がある広範囲の疾患が存在する。発作及び頭部外傷のような神経系障
害においては、酸素欠乏のような外的死亡誘発因子によりニューロンが死亡する
。最近の研究により、このニューロン死の少なくとも一部がPCDにより起こる可
能性が示唆された。アルツハイマー病及び筋萎縮性側索硬化症のような他のニュ
ーロン疾患においては、誘発因子は同定されていないが、PCDが関与しているか
もしれない変性過程の一部としてニューロンが死亡する。対照的に、癌及び超免
疫疾患のような障害においては、通常ならば死亡するような情況で細胞が生存す
る。これにより、腫瘍(癌)又は過剰活性免疫系(自己免疫疾患)が生じる。従
って、細胞死経路に薬理学的に介入することができれば、広範囲のヒト疾患にお
いて有用な新規な治療剤のセットの可能性が提供される。動物の発生におけるそ
の重要性にもかかわらず、PCDに関与している遺伝学的及び分子的メカニズムに
ついては不明な点が多く残っている。
【0007】 従って、破壊されたPCD機能を有する細胞において、PCD遺伝子の回復により、
PCDを調節する遺伝子及びそれらの産物を同定する方法が必要とされている。シ
ョウジョウバエの研究から得られる結果は、哺乳動物細胞、特にヒト細胞を含む
他の種に関する所見を与えることができる。
【0008】 発明の概要 本発明の一つの局面は、プログラム細胞死を増強することができる変異がキイ
ロショウジョウバエに存在するか否かを決定する方法である。
【0009】 本方法は、劣性の第一の変異を有する第一のハエ突然変異体を調製することを
含む。その変異の存在は、変異のためホモ接合のハエの胚においてプログラム細
胞死を誘導することが既知である。第二のハエ突然変異体が調製される。この第
二のハエは変異を有し、そのような変異がプログラム細胞死を増強することがで
きるか否かを決定するため、本方法が適用される。第一のハエと第二のハエとが
互いに交配される。次に、異所性プログラム細胞死を受けた、ハエの交配により
得られた胚が存在するか否かが決定される。異所性細胞死を受けた胚が存在する
ことが決定された場合、これを、プログラム細胞死を増強することができる変異
が第二のハエ突然変異体に存在することの指標とする。
【0010】 以下に詳細に記載される特定の方法に従い、胚が異所性プログラム細胞死を受
けたか否かの決定は、形成された胚の総数の少なくとも約5パーセントが異所性
細胞死を受けたか否かを決定する段階を含む。この決定において、いくつかの胚
は発生して孵化に至ることを考慮に入れなければならない。いずれにせよ、異所
性細胞死を受けることが見出される胚の割合が高いほど、第二のハエ突然変異体
がプログラム細胞死を増強することができる変異を有している確実性は大きい。
観察される割合は、6パーセント、7パーセント又はそれ以上であってもよい。遺
伝学的交配の統計値に基づき、全体の観察可能な割合は25パーセントになると思
われるが、この最大値はたとえ観察されたとしても稀であると思われる。
【0011】 例示された態様において、本方法において用いられる第一のハエは、それがDA
kt1遺伝子の変異を有していることが既知であり、かつその変異が変異について
ホモ接合のハエの胚においてプログラム細胞死を誘導することが既知であるとい
う範囲まで特徴付けされている。変異は、遺伝子によりコードされるタンパク質
である「遺伝子産物」のキナーゼ活性を消失させることが観察されている。特に
、変異はタンパク質の327位におけるフェニルアラニンからイソロイシンへの置
換をもたらす。遺伝子自体に関して、この変異は下記のように決定された。
【0012】 もう一つの例示された態様において、第一のハエは、プログラム細胞死を誘導
することが既知のDPP2A遺伝子において、少なくとも一つの変異を有することが
既知である。
【0013】 DPP2Aはホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードすることが知られて
いるため、遺伝子は、それによりコードされるタンパク質のホスファターゼ活性
を消失させる変異を含有すると考えられる。
【0014】 プログラム細胞死を増強することができる遺伝子変異が存在するか否かが決定
される変異を有する第二のハエは、従来の方法により入手可能である。特にハエ
突然変異体は、野生型ハエの電離放射線への曝露により、野生型ハエの化学的突
然変異誘発によって、又は野生型ハエのゲノムへのP因子の挿入によって入手可
能である。
【0015】 以下に詳細に例示される本発明の方法において、ハエの交配により得られた胚
は(顕微鏡下で)視覚的に検査される。クチクラの消失を示す死亡胚が、異所性
プログラム細胞死を受けたか否かの決定のため選択される。そのようなクチクラ
の消失を示す胚は、胚の卵殻(chorion)を分解又は除去するために処理される
。これにより、異所性プログラム細胞死を視覚的に決定するため、卵殻の内部の
胚細胞を染色することが可能となる。従って、処理された胚が色素などにより処
理され、プログラム細胞死を受けたか否かを決定するため視覚的に検査される。
【0016】 特定の胚処理には、ターミナル・デオキシ・トランスフェラーゼ媒介ハプテン
標識dUTPニック末端標識(TUNEL)又はアクリジンオレンジ染色が含まれる。
【0017】 本方法に従い、プログラム細胞死を増強することができる変異をハエ突然変異
体が有することが決定された後は、ハエにおける変異の染色体位置が決定されう
る。変異の位置が決定された後は、変異のヌクレオチド配列が決定されうる。変
異配列に対応する(一つ又は複数の)野生型配列を決定するため、変異体から得
られた配列情報が、配列データベースに含まれている可能性のある野生型配列と
比較されうる。これにより、潜在的なカウンターパート配列が位置決定されうる
。変異体について決定された配列の潜在的なカウンターパートである野生型配列
によりコードされるタンパク質の機能が既知である場合、変異配列に基づくタン
パク質が作出され、潜在的カウンターパートに対応する活性について試験されう
る。また、変異配列の基となる野生型ハエ配列も決定されうる。
【0018】 もう一つの広い局面において、本発明は、発生を途絶させることができる変異
がキイロショウジョウバエに存在するか否かを決定する方法である。本方法は、 (a)劣性の第一の変異を有する第一のハエ突然変異体を調製する段階(該変異
の存在は、該変異のためにホモ接合のハエの胚においてプログラム細胞死を誘導
することが既知である)、 (b)決定のための第二のハエ突然変異体を調製する段階、 (c)(a)のハエと(b)のハエとを交配させる段階、 (d)第一又は第二のハエ突然変異体のいずれかと異なる表現型の死亡胚が存在
するか否かを決定するため、段階(c)において得られた死亡胚を検査する段階
、 (e)該異なる表現型が観察された場合、発生を途絶させることができる変異が
第二のハエ突然変異体に存在するものと見なす段階を含む。
【0019】 途絶された又は異常な発生は、胚において正常な細胞の運命を経ることができ
ない胚の存在により証明される。以下に例示される特定の態様において、段階(
d)は、気管が消失しているか否かを決定するため、段階(c)において得られた
胚を視覚的に検査する段階を含む。
【0020】 もう一つの広い局面において、本発明は、 (a)劣性の第一の変異を有する第一のハエ突然変異体を調製する段階(該変異
の存在は、該変異のためにホモ接合のハエの胚において発生を途絶させることが
既知である)、 (b)決定のための第二のハエ突然変異体を調製する段階、 (c)(a)のハエと(b)のハエとを交配させる段階、 (d)第一又は第二のハエ突然変異体のいずれかと異なる表現型の死亡胚が存在
するか否かを決定するため、段階(c)において得られた死亡胚を検査する段階
、 (e)該異なる表現型が存在する場合、発生を途絶させることができる変異が第
二のハエ突然変異体に存在するものと見なす段階を含む、 発生を途絶させることができる変異がキイロショウジョウバエに存在するか否か
を決定する方法である。
【0021】 以下に例示される特定の態様において、第一のハエは、変異のためにホモ接合
のハエの胚において発生を途絶させることが既知の、trachealess遺伝子の少な
くとも一つの変異を有することが既知である。
【0022】 簡便のため、第二のハエに導入された変異を同定することができるように、第
二のハエ突然変異体の染色体の適当な位置にマーカーを導入することが可能であ
り、この場合、本方法は変異を同定する段階をさらに含む。これにより、変異配
列に対応する野生型配列を決定するため、ハエの染色体の該マーカー近傍を配列
決定し、野生型配列で得られた配列と比較することにより、変異を同定すること
が可能となる。
【0023】 もう一つの局面において、本発明は、DAkt1タンパク質のキナーゼ活性を阻害
することにより、細胞におけるプログラム細胞死を誘導する方法である。特に、
本方法は、細胞内に存在するDAkt1 mRNAの翻訳を阻害するために十分な程度に相
補的な核酸分子を投与する段階を含みうる。
【0024】 もう一つの局面において、本発明は、PP2Aタンパク質のホスファターゼ活性を
阻害することにより、細胞におけるプログラム細胞死を誘導する方法である。特
に、本方法は、細胞内に存在するPP2A mRNAの翻訳を阻害するために十分な程度
に相補的な核酸分子を投与する段階を含みうる。
【0025】 もう一つの広い局面において、本発明は、 キナーゼ活性を有するDAkt1を物質に曝露する段階と、 キナーゼ活性に対する物質の効果を定量的にアッセイする段階と、 該アッセイの結果に基づき、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻
害における活性成分としての物質の潜在的適当性を決定する段階とを含む、 物質が、プログラム細胞死の誘導又は細胞死の阻害における活性成分として使用
するために潜在的に適当である否かを決定するためのアッセイ法である。
【0026】 特に、キナーゼ活性を定量的に阻害することが決定された場合、該物質は、プ
ログラム細胞死の誘導における活性成分として潜在的に適当である。
【0027】 又は、キナーゼ活性を定量的に増強することが決定された場合、該物質は、プ
ログラム細胞死の阻害における活性成分として潜在的に適当である。
【0028】 アッセイ法は、 キイロショウジョウバエの胚を物質に曝露する段階と、 胚における異所性細胞死に対する物質の効果を定量的にアッセイする段階と、 該アッセイの結果に基づき、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻
害における活性成分としての物質の潜在的適当性を決定する段階とをさらに含み
うる。
【0029】 もう一つの局面において、本発明は、 ホスファターゼ活性を有するPP2Aを物質に曝露する段階と、 ホスファターゼ活性に対する物質の効果を定量的にアッセイする段階と、 該アッセイの結果に基づき、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻
害における活性成分としての物質の潜在的適当性を決定する段階とを含む、 物質が、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻害における活性成分
として使用するために潜在的に適当であるか否かを決定するためのアッセイ法で
ある。
【0030】 特に、ホスファターゼ活性を定量的に阻害することが決定された場合、そのよ
うな物質は、プログラム細胞死の誘導における活性成分として潜在的に適当であ
る。
【0031】 特に、ホスファターゼ活性を定量的に増強することが決定された場合、そのよ
うな物質は、プログラム細胞死の阻害における活性成分として潜在的に適当であ
る。
【0032】 そのようなアッセイ法はまた、 キイロショウジョウバエの胚を物質に曝露する段階と、 胚における異所性細胞死に対する物質の効果を定量的にアッセイする段階と、 該アッセイの結果に基づき、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻
害における活性成分としての物質の潜在的適当性を決定する段階とを含みうる。
【0033】 本発明のもう一つのアッセイ法は、物質が、生物の発生の阻止における活性成
分として使用するために潜在的に適当である否かを決定するためのものであり、
本アッセイ法は、 転写を開始することができるtrachealessタンパク質を物質に曝露する段階と、 タンパク質の転写開始能に対する物質の効果を定量的にアッセイする段階と、 該アッセイの結果に基づき、生物の発生の阻止における活性成分としての物質の
潜在的適当性を決定する段階とを含む。
【0034】 本アッセイ法は、 キイロショウジョウバエの胚を物質に曝露する段階と、 胚の派生に対する物質の効果を定量的にアッセイする段階と、 該アッセイの結果に基づき、生物の発生の阻止における活性成分としての物質の
潜在的適当性を決定する段階とをさらに含みうる。
【0035】 胚の発生に対する物質の効果のアッセイ法は、気管発達に対する物質の効果を
決定する段階を含みうる。
【0036】 本発明は、 対象における遺伝材料の試料を調製する段階と、 転写を開始することができる変異trachealessタンパク質をコードするヌクレオ
チド配列を遺伝材料が含むか否かを決定する段階と、 該ヌクレオチド配列の存在を、異常な発生に関する素因をその子孫に与える潜在
性の存在の指標とする段階とを含む、 発生の途絶に関する素因をその子孫に与える潜在性の存在を、対象において予測
する方法を含む。
【0037】 本発明のこの局面の特定の態様において、本方法は、 転写を開始することができるtrachealessタンパク質をコードするヌクレオチド
配列を遺伝材料が含むか否かを決定する段階も含む。
【0038】 特定の局面において、転写を開始することができるtrachealessタンパク質は
、配列番号:1として同定されるアミノ配列を含む。
【0039】 もう一つの局面において、本発明は、 対象の遺伝材料の試料を調製する段階と、 ホスファターゼ活性を欠く変異PP2Aタンパク質をコードするヌクレオチド配列を
遺伝材料が含むか否かを決定する段階と、 該ヌクレオチド配列の存在を、該潜在的素因の指標とする段階とを含み、 異常な発生に関する素因をその子孫に与える潜在性の存在を、対象において予測
する方法である。
【0040】 もう一つの局面において、本発明は、 対象の遺伝材料の試料を調製する段階と、 野生型dakT/PKBの活性よりも低いキナーゼ活性を有する変異Dakt1/PKBタンパク
質をコードするヌクレオチド配列を遺伝材料が含むか否かを決定する段階と、 該ヌクレオチド配列の存在を、該潜在的素因の指標とする段階とを含む、 異常な発生に関する素因をその子孫に与える潜在性の存在を、対象において予測
する方法である。
【0041】 本発明は、細胞におけるPP2Aの活性を阻害することを含む、細胞においてプロ
グラム細胞死を誘導する方法を含む。細胞におけるPP2Aの活性の阻害は、その翻
訳を減少させるために十分な程度にPP2AをコードするmRNAと相補的なアンチセン
ス核酸分子を有効量、細胞に投与する段階を含みうる。細胞におけるPP2Aの活性
の阻害は、ホスファターゼ阻害剤を有効量、細胞に投与する段階を含みうる。
【0042】 阻害剤は、ミクロシスチンLR及びカリキュリン(caliculin)からなる群より
選択されうる。
【0043】 もう一つの重要な局面において、本発明は、 天然においてはプロモーター/エンハンサー配列と機能的に連結していないレポ
ーター遺伝子が、trachealessが作用するプロモーター/エンハンサーと機能的
に連結している細胞を調製する段階と、 細胞を物質に曝露する段階と、 レポーター遺伝子の発現に対する物質の効果を定量的にアッセイする段階と、 該アッセイの結果に基づき、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻
害における活性成分としての物質の潜在的適当性を決定する段階とを含む、 物質が、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻害における活性成分
として使用するために潜在的に適当である否かを決定するためのアッセイ法であ
る。
【0044】 細胞は、好ましくは、キイロショウジョウバエの細胞である。
【0045】 特定の態様において、プロモーター/エンハンサーは、配列番号:3として同
定されるヌクレオチド配列を含む。
【0046】 特定の態様において、決定段階は、レポーター遺伝子の発現に対する物質の効
果を、物質の非存在下におけるレポーター遺伝子の発現と比較することを含む。
【0047】 アッセイされる物質は、キナーゼ阻害剤又はホスファターゼ阻害剤でありうる
【0048】 本発明のこのアッセイ法の特定の局面に従い、レポーター遺伝子の発現を定量
的に阻害することが決定された場合、該物質は、プログラム細胞死の誘導におけ
る活性成分として使用するために潜在的に適当である。又は、レポーター遺伝子
の発現を定量的に増強することが決定された場合、該物質は、プログラム細胞死
の阻害における活性成分として使用するために潜在的に適当である。
【0049】 もう一つの局面において、本発明は、 細胞を物質に曝露する段階、 trachealess遺伝子の発現に対する物質の効果を定量的にアッセイする段階と、 該アッセイの結果に基づき、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻
害における活性成分としての物質の潜在的適当性を決定する段階とを含む、 物質が、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻害における活性成分
として使用するために潜在的に適当である否かを決定するためのアッセイ法であ
る。
【0050】 そのようなアッセイ法は、物質の存在下で細胞により産生されたtrachealess
をコードするRNAの量を決定し、その量と物質の非存在下で細胞により産生され
たtrachealessをコードするRNAの量とを比較する段階とを含みうる。
【0051】 trachealessをコードするRNAの量の決定は、それと相補的なプライマーの存在
下でRNAを増幅する段階を含みうる。
【0052】 発現を定量的に阻害することが決定された場合、該物質は、プログラム細胞死
の誘導における活性成分として潜在的に適当である。発現を定量的に増強するこ
とが決定された場合、該物質は、プログラム細胞死の阻害における活性成分とし
て潜在的に適当である。
【0053】 本明細書において、アミノ酸配列間の相同性(%)は、「ベストフィット(be
st fit)」コマンドを用いたGCGソフトウェアを用いて決定される。
【0054】 図面の詳細な説明 図1 スクリーニングは、第二部位の致死変異による接合Dakt1表現型の優性増
強に焦点を当てている。これらの致死突然変異の起源は、野生型ハエの電離放射
線への曝露、化学的突然変異誘発、又はゲノムへのP因子挿入のいずれかにより
作製されうる変異体ストックから選択されうる。このスクリーニング法は、Dakt
1変異体が、胚形成中に死亡しない幼虫期接合体致死であるという観察から恩典
を受ける。交配は、ヘテロ接合Dakt1/+雌と様々な劣性致死突然変異体ハエ系統
とで実施される。子孫は孵化の不全について分析されると思われる。相互作用す
る遺伝子座のみが死亡胚を作製し、次に、クチクラ分析のため調製される。例え
ば、P因子挿入を有するハエ系統は、正常に発生することが期待される(0〜1%
の胚致死率)Dakt1変異体ヘテロ接合胚において、胚致死率を増強する能力につ
いて試験される。P因子及びそれらにより誘導された突然変異体は、それぞれの
染色体上で安定化され、バランサー染色体(balancer chromosome)に対してト
ランスに保持されることによりストックとして維持される。ヘテロ接合胚は通常
の半分の量である母系Dakt1を有しているのみであり(発現が1遺伝子のみに限定
されているため)、Dakt1およびP因子変異遺伝子の両方の野生型コピーを一つだ
けしか持たないと思われる。変異遺伝子がDakt1シグナル伝達において野生型機
能を有する場合、母系に起因するDakt1の半分の欠失が変異遺伝子の正常な接合
発現の欠失と組み合わされ、トランスへテロ接合体において、ある程度は致死性
になりうる。有意な数の胚が孵化および表現型を生じることができない場合に、
増強としてスコア化される。
【0055】 図2 (A)野生型及びq幼虫におけるDakt1タンパク質の発現及び活性の結果。
(B)抗Dakt1抗体を用いた、野生型及びq幼虫由来のDakt1タンパク質のイムノブ
ロット解析。(C)Dakt1のq対立遺伝子のアミノ酸327におけるフェニルアラニン
からイソロイシンへの(F→I)変化を示すDakt1アミノ酸配列、並びにウシ及び
ヒトのPKBホモログにおける関連領域の配列の概略図。(D)ウシPKBにおけるF29
3からIへの対応する配列変化は、キナーゼ活性を欠くタンパク質を作出する。He
LaS3細胞におけるPKB(F293I)変異体及び野生型PKBのキナーゼ活性及び発現の試
験。「+」はペルバナデートの添加を示す。
【0056】 図3 第1齢野生型幼虫のクチクラ。(B)クチクラのほぼ完全な消失を示す、
接合Dakt1活性の非存在下におけるDakt1 GLC胚の表現型。(C)頭構造及び背構
造のほぼ完全な消失を示す、接合Dakt1活性を有するDakt1 GLC胚の表現型。腹ク
チクラの一部のみが残存しており、体節形成における拡張的な欠陥は示さない。
(D)母系から接合により誘導されたHsDakt1によりレスキューされたDakt1 GLC
胚の表現型。表現型の機能的レスキューを示す、ほとんどのクチクラの構造の再
現に注目されたい。(E)野生型後期第12期胚のアクリジンオレンジ(AO)染色
。羊膜漿膜(amnioserosa)及び頭の領域に存在するシグナルに注目されたい。
(F)普遍的なAOシグナルを示す第12期Dakt1 GLC胚のAO染色。
【0057】 図4 (A)第11期野生型胚におけるTUNELシグナル。このステージにおいては
、ほんの少数の細胞が、TUNELシグナル陽性である。(B)第8期Dakt1 GLC胚にお
けるTUNELシグナル。第8期までに、TUNELによりアッセイされたように、拡張的
なDNA切断断片がDakt1の非存在下で開始していた。(C)アポトーシス部位付近
(例えば、推定される羊膜漿膜)にCrq発現マクロファージの存在を示す第11期
野生型胚。(D、E)Crqシグナルによりアッセイされたように、拡張的かつ広範
なマクロファージの存在を示す第11期Dakt1 GLC胚。(F)(E)の拡大図。(H)
野生型第10期胚と比較して(G)第10期qGLC胚において認めうる程に改変されて
いないRprの発現。(I)H99についてホモ接合のDakt1 GLC胚のクチクラ表現型は
、Dakt1変異体と類似している。(J)hs-p35トランスジーン由来の異所性バキュ
ロウイルスp35を発現するDakt1 GLC胚のクチクラ表現型。これは、p35によるDak
t1 GLC表現型の抑制を示しているが、H99欠損は示していない。
【0058】 図5 HAタグ付加PKB不活型キナーゼ(△、レーン1及び4)又はHAタグ付加PKB
野生型(WT、レーン2、3、5、及び6)のいずれかをコードする核酸配列を、293
細胞にトランスフェクションした。トランスフェクションの48時間後、細胞を50
ng/mlのIGF-1(活性化「+」、レーン1、3、4、及び6)又は100nmolのウォルトマ
ンニン(活性化「-」、レーン2及び5)で15分間処理した。HAタグ付加PKBを抗HA
12CA5抗体により細胞溶解物から免疫沈降させた。両方のtrachealessタンパク質
、TrhN末端(1〜175aa)及びTrhI(477〜728aa、2つの推定PKBホスホセリン、Se
r571及びSer665を含有する領域)を大腸菌株BL21DE3で発現させ、Ni-アガロース
カラム上で6Xヒスチジン融合タンパク質として精製した。trachealessタンパク
質を、[γ-32P]ATPの存在下で、PKBキナーゼ・アッセイ法にかけた。反応混合物
を15%SDS-PAGE上で分離し、γ-32P取り込みをモレキュラー・ダイナミクス・ホ
スホールイメージャー(Molecular Dynamics Phosphorimager)において可視化
した。
【0059】 図6 PKBによるtrachealessタンパク質のリン酸化を、図5の記載と本質的に同
様にして実施した。この実験においては、trachealessタンパク質のもう一つの
断片、TrhIIをPKBの基質として試験した。TrhIIの核酸配列も、PKBリン酸化のた
めの2つの推定セリン残基を包含する断片(アミノ酸546〜728位)をコードする
。TrhIIもPKBキナーゼ活性によりリン酸化された(レーン6、上パネル)。γ-32 Pが取り込まれたTrhIIは、タンパク質であるセリン/トレオニン・ホスファター
ゼの添加により排除されうる(レーン7)。下パネルは、等量のtrachealessタン
パク質(TrhI対TrhII)が各アッセイ法において添加されたことを示す、クマシ
ーブルー染色のゲルである。
【0060】 図7 trachealessタンパク質のSer571→アラニン(レーン4〜6)、Ser665→ア
ラニン(レーン7〜9)における部位特異的突然変異、またはSer571→アラニン及
びSer665→アラニン(レーン10〜12)における二重突然変異を、当技術分野にお
いて周知の方法により作成した。(上パネル)活性型PKBによるこれらの基質の
リン酸化を前記と同様にしてアッセイし、野生型trachealessタンパク質(レー
ン1〜3)と比較した。PKBによるリン酸化は、Ser665→アラニンにより消失し、
当然ながら二重突然変異によっても消失し、PKBがtrachealessのSer665を標的と
することが確立された。下パネルは、trachealess基質の等量のローディングを
示す。
【0061】 図8 ショウジョウバエの分析からの遺伝学的証拠は、trachealess/dARNTヘテ
ロダイマーが、ショウジョウバエbreathlessプロモーター/エンハンサー配列を
認識し、breathless遺伝子の発現をトランス活性化することを示す。従って、そ
れ自体による、又はdARNTとの協力によるtrachealessのトランス活性化活性は、
breathlessプロモーター/エンハンサー(B123)からのトランス活性化により評
価されうる。
【0062】 図9 breathlessプロモーター−ルシフェラーゼ・レポーターと共に、trachea
less及び/又はdARNTを、SL-2細胞にトランスフェクションした。トランスフェ
クションの48時間後、細胞溶解物をルシフェラーゼアッセイ法にかけた。両方の
trachealess、野生型及びSer665→Asp(Ser665→D)変異体(負に荷電したAsp残
基は、ホスホセリンを部分的に模倣し、trachealessの構成性活性を与える)、
並びにdARNTはbreathlessプロモーターからトランス活性化する。このトランス
活性化は、trachealess/dARNTの協力により協同的に上昇する。しかし、標的の
セリンが不活型変異であるアラニン(Ser665→A)に変異している場合には、tra
chealessは、単独でも、又はdARNTと共同でも、レポーターに対するトランス活
性化に寄与しない。
【0063】 発明の詳細な説明 本発明は、本明細書において、PCD経路の制御構成要素の遺伝学的分析を開始
することを目的として、PCDを破壊することが既知の核酸配列の変異を有するキ
イロショウジョウバエ突然変異体を得るための方法を記載する。本発明は、本明
細書において、ショウジョウバエにおけるPCD経路に関与する他の遺伝子、並び
にそれによりコードされるRNA及びタンパク質産物をスクリーニングするための
、ハエ突然変異体を用いた遺伝学的スクリーニングをさらに記載する。拡張的に
は、これらの遺伝子の哺乳動物カウンターパートは、哺乳動物におけるPKBシグ
ナル伝達の構成要素であると考えられ、PKBに関連した疾患又は過程のための薬
物発見の過程のため操作されうる。
【0064】 キイロショウジョウバエDakt突然変異体の核酸配列の入手及び特徴付けのため の方法 ショウジョウバエDakt1突然変異体は、Daktトランスジーンによりレスキュー
されうる、細胞学的位置89Bにおける大きな欠失を相補することができないため
、致死性ショウジョウバエ系統を用いて同定されうる。致死性ハエ系統は、電離
放射線、化学的突然変異誘発のいずれかに野生型ハエを曝露することにより、又
はP因子形質転換により作製される。分子的分析により、Dakt1がDf(3R)sbd45
位置することが示されたため、Df(3R)sbd45にマッピングされた変異体のコレク
ションをスクリーニングすることにより、幼虫致死突然変異を同定することがで
きる。その致死突然変異は、その後、Dakt1トランスジーンによりレスキューさ
れうる。核酸配列における変異は、変異幼虫から単離されたゲノムDNA由来のコ
ード領域を配列決定することにより、このように同定され、野生型配列と比較さ
れる。核酸の配列決定するための方法は、当技術分野において周知であり、Curr
ent Protocols in Molecular Biology 1995に記載されている。
【0065】 又は、既知になった後、当業者は、部位特異的突然変異誘発法を用いて、Bran
d et al.Methods Cell Biol.44:635-654により記載されたようなpUAST形質転換
ベクターへのクローニングにより、核酸配列において変異を操作することができ
る。P因子形質転換のため、トランスジェニック・ハエは、普遍的プロモーター
−GAL4トランスジーンと組み合わされた転写物−偽Dakt1変異体のバックグラウ
ンドへと交配される。転写物−偽Dakt1変異体は、X線突然変異誘発を用いて作製
され、サザンブロッティングを用いてアッセイされる。
【0066】 本明細書に記載のDakt1以外の変異体が単離され、キナーゼ死亡点突然変異体
として特徴付けされた場合にも、本明細書に記載のショウジョウバエDakt1突然
変異体を得ることができる。そのような変異体も、本明細書において利用された
ものと比較可能な対立遺伝子を提供するはずである。
【0067】 突然変異誘発 化学的変異原には、エチルメタンスルホネート(EMS)、メチルメタンスルホ
ネート(MMS)、メチルニトロソグアニジン(NTG)、4-ニトロキノリン-1-オキ
シド(NQO)、2-アミノプリン、5-ブロモウラシル、ICR191、及びその他のアク
リジン誘導体、重亜硫酸ナトリウム、臭化エチジウム、硝酸、ヒドロキシルアミ
ン、N-メチル-N'-ニトロソ-N-ニトログアニジン、及びアルキル化剤が含まれる
。物理的変異原には、紫外線及びX線が含まれる。
【0068】 突然変異誘発は、当技術分野において周知の方法に従い達成される(例えば、
Current Protocols in Molecular Biology 1995.Vol.2,Section 13.3を参照。こ
こに引用された全ての参照が1990以前のものである)。濃度(化学的変異誘発)
又は強度(例えば、紫外線突然変異誘発)及び持続時間のような突然変異誘発の
ための条件は、好ましくは、曝露されたハエの死亡の量を最少限に抑えつつ、高
い変異率が生じるよう最適化される。一般に、非最適温度では細胞の死亡が減少
することが見出されているため、突然変異誘発は、生物にとっての最適増殖温度
未満の温度で実施される。
【0069】 P因子は、ショウジョウバエ・ゲノムの異なる部分への挿入により、変異を生
じる転移可能な遺伝因子である。P因子及びそれらの導入された変異体は、それ
ぞれの染色体上で安定化され、バランサー染色体に対してトランスに保たれるこ
とによりストックとして維持される。P因子を有するハエ突然変異体を作製する
ための方法は、当技術分野において周知であり、(Drosophila,a Laboratory Ha
ndbook,Michael Ashburner.Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)に記
載されている。
【0070】 遺伝学的スクリーニング スクリーニングは、第二部位致死性突然変異又は「致死性突然変異体」による
接合Dakt1表現型の優性の増強に焦点を当てる。これらの致死性突然変異体の起
源は、電離放射線、化学的突然変異誘発のいずれかに野生型ハエを曝露すること
により、又はゲノムへのP因子挿入により作製されうる変異体ストックから選択
されうる。一般的に、眼スクリーニングの成功のため、胚のスクリーニングは行
われない(Doyle et al.Genes & Dev.7.633-646: Verheyen et al.Genetics 144
,1127-1141; Karim et al.Genetics 143,315-329; Dickson et al.Genetics 142
.163-171; Ma et al.Genetics 142,1199-1213)。しかし、現在までのところ、
スクリーニングにおいて容易にスコア化されうる、眼におけるDakt1過剰発現又
は優性ネガティブ表現型を作製することはできていない。このように、胚スキー
ムが現時点で可能な唯一のものである。このスクリーニング法は、Dakt1変異体
が、胚形成中に死亡しない幼虫期接合体致死であるという観察により恩典を受け
ている。その理由は、Dakt1ホモ接合変異胚においては、ヘテロ接合母系由来の
母系に起因するDakt1が、野生型母系が寄与する量の半分のみであるが、ホモ接
合体胚は、それでも、死亡前に第1齢又は第2齢の幼虫にそれらをレスキューする
ために十分な母系由来Dakt1を有しているためである。発生中のこの時点より以
前には、接合体発現したDakt1の要求性が、母系由来酵素の存在によりマスクさ
れている。おそらく発生中に母系由来酵素が次第に減少することにより、接合発
現が必要となるのは、おそらく発生のこの段階においてである。ヘテロ接合胚は
、生存可能であり、正常な幼虫、さなぎ、及び成虫へと発生する。
【0071】 交配は、ヘテロ接合Dakt1/+雌を用いて、電離放射線、化学的突然変異誘発に
野生型ハエを曝露することにより、又はP因子挿入により作製された様々な劣性
致死突然変異系統に対して行われる。子孫は、孵化能の不全について分析される
と思われる(スクリーニングの概略については図1を参照のこと)。相互作用性
遺伝子座のみが、クチクラ分析のため調製される死亡胚を作製すると思われる。
本発明者らは、クチクラの発達の程度が、異所性PCFのための良好な第一指標で
あることを観察した。Staverley et al.Current Biology,1998 8:599-602。例え
ば、P因子変異を有するハエ系列が、正常に発生すると予想されるDakt1変異ヘテ
ロ接合胚(0〜1%の胚致死率)において胚致死率を増強すること能力について試
験される。ヘテロ接合胚は、(発現が一つの遺伝子にのみ限定されているため)
正常量の半分の母系Dakt1しか有さず、Dakt1及びP因子変異遺伝子の両方の野生
型コピーを1つだけ保持していると思われる。変異遺伝子がDakt1シグナル伝達に
おける野生型機能を有する場合、母系に帰因するDakt1の半分の消失が、変異遺
伝子の正常な接合体発現の半分の消失と組み合わされ、トランス・ヘテロ接合体
におけるある程度の致死をもたらすかもしれない。有意な数の胚が孵化し表現型
を生じることができない場合に、増強はスコア化される。
【0072】 スクリーニングにおいて陽性である変異体は、以下のように分析される。変異
体は、(有糸分裂により、又は欠損により)マッピングされ、多糸染色体位置に
従い組織化される。P因子により誘導された対立遺伝子は、最初に分子的に分析
されると思われる。しかし、バークレー・ショウジョウバエ・ゲノム・プロジェ
クト(Berkeley Drosophila Genome Project)(BDGP)の急速な進歩により、化
学的に誘導された変異体の多くが分子マーカー内に含まれ、そのため、BLASTNア
ルゴリズムを用いてバークレー・ブラスト・サーバー(Berkeley Blast Server
)を検索することにより分子レベルで分析可能となるかもしれない(Altschul e
t al.J.Mol.Biol(1990)215:403-10)。それぞれの新規な変異体相補グループの
ために、一連の遺伝学が実施される。(1)スクリーニングにおいて概要が示さ
れた相互作用が、結果を確認するため反復される。(2)付加的な対立遺伝子が
同定又は作製されうる。(3)ターミナル・デオキシ・トランスフェラーゼ媒介
ハプテン標識dUTPニック末端標識(TUNEL)又はアクリジンオレンジ染色により
、各変異体の胚表現型が、発生及び異所性アポトーシスにおける可能性のある関
与について評価される。(4)変異体の母系効果表現型を評価するためGLC分析が
用いられる。(5)可能であれば、遺伝学的エピスタシス試験がDakt1を用いて行
われうる。Dakt1のエンハンサーが、活性化されたDakt1(例えば、CAAX変異体及
びDD変異体)を用いて試験され、抑制因子がDakt1変異体を用いて試験されうる
【0073】 生物学的機能性等価物 本発明のベクター及びDNAセグメントにおいて用いられるコードされたポリペ
プチドの構造において、修飾及び変化を行うことが可能であり、所望の特徴を有
するタンパク質又はペプチドをコードする機能性分子を入手することができる。
以下は、等価物、又は改良された第二世代分子を作出するためのタンパク質のア
ミノ酸の変化に基づく考察である。アミノ酸変化は、以下のコドン表に従い、DN
A配列のコドンを変化させることにより達成されうる。
【表1】
【0074】 例えば、基質分子上の結合部位のような構造との相互作用的結合能を認めうる
程に消失させることなく、タンパク質構造内においてある種のアミノ酸を他のア
ミノ酸と置換することが可能である。そのタンパク質の生物学的機能活性を決定
するのはタンパク質の相互作用能及び性質であるため、タンパク質配列、及び、
当然、基となるDNAコード配列において、ある種のアミノ酸配列置換を行うこと
ができ、それにもかかわらず、類似した形質を有するタンパク質が得ることがで
きる。従って、本発明者らは、アポトーシス・タンパク質のペプチド配列、又は
生物学的な利用可能性もしくは活性を保持している該タンパク質をコードする対
応するDNA配列において、様々な変化が作成されうると考える。
【0075】 そのような変化の作成においては、アミノ酸のハイドロパシー・インデックス
(hydropathic index)が考慮されうる。タンパク質に相互作用的生物学的機能
を与える際のハイドロパシー・アミノ酸インデックスの重要性は、一般的に当技
術分野において理解されている(Kyte and Doolittle,1982)。アミノ酸の相対
的なハイドロパシー特性は、得られるタンパク質の二次構造に寄与し、それが次
にタンパク質と他の分子、例えば、酵素、基質、受容体、DNA、抗体、抗原など
との相互作用を決定することが認められている。各アミノ酸は、その疎水性及び
電荷特性に基づき親水性指数を与えられている(Kyte and Doolittle,1982)。
これらは、イソロイシン(+4.5)、バリン(+4.2)、ロイシン(+3.8)、フェニ
ルアラニン(+2.8)、システイン/シスチン(+2.5)、メチオニン(+1.9)、ア
ラニン(+1.8)、グリシン(-0.4)、トレオニン(-0.7)、セリン(-0.8)、ト
リプトファン(-0.9)、チロシン(-1.3)、プロリン(-1.6)、ヒスチジン(-3
.2)、グルタミン酸(-3.5)、グルタミン(-3.5)、アスパラギン酸(-3.5)、
アスパラギン(-3.5)、リジン(-3.9)、及びアルギニン(-4.5)である。
【0076】 類似したハイドロパシー・インデックス又はスコアを有する他のアミノ酸と、
ある種のアミノ酸を置換することができ、それでも類似した生物学的活性を有す
るタンパク質、即ち、生物学的機能性等価タンパク質を得ることができることは
当技術分野において既知である。そのような変化の作成において、.+-.2以内の
ハイドロパシー・インデックスを有するアミノ酸の置換が好ましく、.+-.1以内
の置換がより好ましく、.+-.0.5以内の置換がさらに特に好ましい。
【0077】 類似したアミノ酸の置換が、親水性に基づき効率的に作成されうることも当技
術分野において理解されている。参照として本明細書に組み入れられる米国特許
第4,554,101号は、その隣接アミノ酸の親水性により支配される、タンパク質の
最も高い局所的平均親水性が、タンパク質の生物学的性質と相関することを記述
している。
【0078】 米国特許第4,554,101号に詳述されているように、以下の親水性値がアミノ酸
残基に与えられている。アルギニン(+3.0)、リジン(+3.0)、アスパラギン酸
(+3.0+-.1)、グルタミン酸(+3.0+-.1)、セリン(+0.3)、アスパラギン(+0
.2)、グルタミン(+0.2)、グリシン(0)、トレオニン(-0.4)、プロリン(-
0.5+-.1)、アラニン(-0.5)、ヒスチジン(-0.5)、システイン(-1.0)、メ
チオニン(-1.3)、バリン(-1.5)、ロイシン(-1.8)、イソロイシン(-1.8)
、チロシン(-2.3)、フェニルアラニン(-2.5)、トリプトファン(-3.4)。
【0079】 アミノ酸を、類似した親水性値を有する他のアミノ酸と置換することができ、
それでも生物学的に等価な、特に免疫学的に等価なタンパク質が得られることが
理解される。そのような変化において、.+-.2以内の親水性値を有するアミノ酸
の置換が好ましく、.+-.1以内の置換がより好ましく、.+-.0.5以内の置換がさら
に特に好ましい。そのタンパク質の生物学的機能活性を決定するのはタンパク質
の相互作用能及び性質であるため、タンパク質配列(又は、当然、基となるDNA
コード配列)において、ある種のアミノ酸配列置換を行うことができ、それにも
かかわらず、類似した(アゴニスト)特性を有するタンパク質を得ることができ
る。同様に、対抗する(例えば、アンタゴニスト)特性を有するタンパク質又は
ポリペプチドを作出するためにも、同じ考慮を使用しうる。従って、本発明者ら
は、生物学的な利用可能性又は活性を認めうる程に消失させることなく、Dakt1
、trachealess、又はDPP2Aのタンパク質又はペプチド(又は基となるDNA)の配
列において、様々な変化が作成されうると考える。
【0080】 核酸組成物 核酸組成物に関する本発明の範囲は、これらに必ずしも限定されることはない
が、本発明の方法によりPCDの増強活性を有することが証明された配列のうちの
一つに記載された配列を有する核酸、高ストリンジェントな条件下で提供された
配列にハイブリダイズする核酸、提供された核酸に対応する遺伝子、提供された
核酸及びそれらの対応する遺伝子の変異体、特に、コードされた遺伝子産物の生
物学的活性を保持している変異体を含む。本発明により考慮される、本発明の範
囲に含まれるその他の核酸組成物は、本明細書の開示が提供されたならば、当業
者に容易に明らかになると思われる。
【0081】 本発明の核酸は、配列類似性又は配列同一性を有する核酸も含む。配列類似性
を有する核酸は、低ストリンジェントな条件下、例えば50℃及び1.0×SSC(0〜9
M NaCl/0.09Mクエン酸ナトリウム)におけるハイブリダイゼーションにより検出
され、1.0×SSC中55℃における洗浄にかけられた場合に結合されたままである。
配列同一性は、高ストリンジェントな条件下、例えば50℃以上及び1.0×SSC(9m
M NaCl/0.9mMクエン酸ナトリウム)におけるハイブリダイゼーションにより決定
されうる。ハイブリダイゼーションの方法及び条件は、当技術分野において周知
である。提供された核酸配列と実質的に同一な核酸、例えば対立遺伝子変異体、
遺伝学的に改変された遺伝子型などは、高ストリンジェントなハイブリダイゼー
ション条件下で、提供された核酸配列と結合する。プローブ、特にDNA配列の標
識されたプローブを用いることにより、相同遺伝子又は関連遺伝子を単離するこ
とが可能である。相同遺伝子の起源は、任意の腫でありうる。
【0082】 好ましくは、ハイブリダイゼーションは、PCD増強配列のうちの少なくとも一
つの少なくとも15個の連続ヌクレオチドを用いて実施される。プローブは、相補
的配列を含む核酸又はmRNAと優先的にハイブリダイズし、選択されたプローブと
特異的にハイブリダイズする生物学的材料の核酸を同定し、回収することを可能
とする。15ヌクレオチドより長いプローブ、例えば約18ヌクレオチドから最大10
0ヌクレオチドまでのプローブが用いられうるが、一般的には15ヌクレオチドが
特異的な同定にとって十分な配列となる。
【0083】 本発明の核酸は、ヌクレオチド配列の天然に存在する変異体、例えば縮重変異
体、対立遺伝子変異体なども含む。本発明の核酸の変異体は、推定変異体と、本
明細書に開示されたヌクレオチド配列とのハイブリダイゼーション、好ましくは
高ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションにより同定される。例
えば、適当な洗浄条件を用いることにより、対立遺伝子変異体が選択された核酸
プローブと比較して多くて約25〜30%の塩基対ミスマッチを示す場合、本発明の
核酸の変異体は同定されうる。一般に、対立遺伝子変異体は5〜25%の塩基対ミ
スマッチを含有し、少なくとも2〜5%、又は1〜2%の塩基対ミスマッチ、及び単
一の塩基対ミスマッチを含有しうる。
【0084】 本発明は、提供された核酸配列に対応するホモログも包含する。ここで、ホモ
ログ遺伝子の起源は、同一の属又は群内の任意の関連種でありうる。群内では、
ホモログは、ヌクレオチド配列間の実質的配列類似性、例えば少なくとも75%、
通常では少なくとも90%、さらに通常では少なくとも95%の配列同一性を有する
。配列類似性は、保存されたモチーフ、コード領域、隣接領域などのような、よ
り大きい配列のサブセットでありうる参照配列に基づき計算される。参照配列は
、通常少なくとも約18連続ヌクレオチド長であり、さらに通常少なくとも約30ヌ
クレオチド長であり、比較される配列全長までの長さでありうる。Altschul et
al.,J.Mol.Biol.(1990)215:403-10に記載されたBLASTのような配列分析のための
アルゴリズムは、当技術分野において既知である。
【0085】 一般に、本発明の変異体は、MPSRCHプログラム(Oxford Molecular)において
実行されるスミス・ウォーターマン(SmithWaterman)相同性検索アルゴリズム
により決定した場合、少なくとも約65%、好ましくは少なくとも約75%、より好
ましくは少なくとも約85%の配列同一性を有し、少なくとも約90%又はそれ以上
より大きくてもよい。本発明の目的のため、好ましい同一性(%)の計算法は、
以下を用いたスミス・ウォーターマン・アルゴリズムである。全体的なDNA配列
同一性は、ギャップ・オープン・ペナルティ(gap open penalty)12及びギャッ
プ・エクステンション・ペナルティ(gap extension penalty)1という検索パラ
メータを用いたアフィン・ギャップ検索(affine gap search)を用いて、MPSIR
CHプログラム(Oxford Molecular)において実行されるスミス・ウォーターマン
相同性検索アルゴリズムにより決定した場合、65%より大きくなければならない
【0086】 本発明の核酸は、cDNA又はゲノムDNAであってよく、それらの断片、特に生物
学的に活性な遺伝子産物をコードし、かつ/又は本明細書に開示された方法にお
いて有用な断片であってもよい。本明細書において用いられるように「cDNA」と
いう用語は、天然の成熟mRNA種において見出される配列因子の配置を共有する全
ての核酸を含むものとする。ここで、配列因子とは、エキソン並びに3'及び5'の
非コード領域である。通常、mRNA種は、本発明のポリペプチドをコードする連続
的なオープンリーディングフレームを作出するため、介在イントロンが存在する
場合には、それが核RNAスプライシングにより除去されている、連続したエキソ
ンを有する。
【0087】 目的のゲノム配列は、天然の染色体内に通常存在するイントロンが全て含まれ
る、列挙された配列に定義されたような、開始コドンと終止コドンとの間に存在
する核酸を含む。それは、成熟mRNA内に見出される3及び5の非翻訳領域をさらに
含みうる。それは、転写される領域の3末端及び5末端のいずれかに、約1kb、お
そらくはそれ以上の隣接ゲノムDNAを含む、プロモーター、エンハンサーなどの
ような特定の転写及び翻訳の調節配列をさらに含みうる。ゲノムDNAは、100kbp
又はそれよりも小さく、隣接する染色体配列を実質的に含まない断片として単離
されうる。コード領域の3'及び5'のいずれかに隣接するゲノムDNA、又はイント
ロン内に見出されることがある内部調節配列は、発現に必要な配列を含有する。
【0088】 本発明の核酸組成物は、本発明の異なる様式で発現するポリペプチドの全部又
は一部をコードしうる。二本鎖又は一本鎖の断片は、従来の方法に従いオリゴヌ
クレオチドを化学的に合成することにより、制限酵素消化により、又はPCR増幅
などにより、DNA配列から得ることができる。本発明の単離核酸及び核酸断片は
、少なくとも約15から最大約100連続ヌクレオチド、又は最大提供された配列の
全長を含む。多くの場合において、断片は、少なくとも16nt、通常では少なくと
も18nt又は26nt、最大では少なくとも約50連続nt又はそれ以上の長さであると思
われる。
【0089】 本発明の核酸に特異的なプローブは、開示された核酸配列及び前記のような断
片を用いて作製されうる。プローブは、化学的に合成されてもよいし、又は制限
酵素を用いてより長い核酸から作製されてもよい。プローブは、例えば放射性、
ビオチン化、又は蛍光タグにより標識されていてもよい。好ましくは、プローブ
は、核酸の同定配列に基づき設計される。より好ましくは、プローブは、低い複
雑度をマスクするためのマスキング・プログラム(例えば、XBLAST)を配列に適
用した後にマスクされていないままである本発明の核酸のうちの一つの連続配列
に基づき設計される。即ち、マスキング・プログラムにより作製されたマスクさ
れた配列のポリnストレッチの外部の核酸により示されるような、マスクされて
いない領域が選択されると思われる。
【0090】 本発明の核酸は、一般的には完全な染色体以外のものとして、実質的に純粋に
単離され入手される。通常、核酸は、DNA又はRNAのいずれかとして、他の天然に
存在する核酸配列を実質的に含まず、一般的に少なくとも約50%、通常少なくと
も約90%純粋に得られ、そして典型的には、例えば天然に存在する染色体上で通
常は相関していない一つ又は複数のヌクレオチドが隣接した、「組換え体」であ
る。
【0091】 本発明の核酸は、直鎖状の分子として又は環状分子内に提供されうる。それら
は、自律複製性分子(ベクター)内、又は複製配列を含まない分子内に提供され
うる。それらは、当技術分野において既知のように、自己又は他の調節配列によ
り調節されうる。本発明の核酸は、トランスフェリン・ポリカチオン媒介DNA導
入、裸の核酸又はカプセル化された核酸のトランスフェクション、リポソーム媒
介DNA導入、DNAコーティングされたラテックス・ビーズの細胞内輸送、プロトプ
ラスト融合、ウイルス感染、エレクトロポレーション、遺伝子銃、リン酸カルシ
ウム媒介トランスフェクションなどのような、当技術分野において利用可能な多
様な技術を用いて、適当な宿主細胞に導入されうる。
【0092】 本発明の核酸組成物は、例えば、付加的な核酸コピーを作製するため、リボザ
イム又はアンチセンス・オリゴヌクレオチドを作製するために、生物学的試料(
例えば、細胞抽出物)中の本発明のmRNAの検出のためのプローブとして、および
一本鎖DNAプローブ又は3本鎖形成オリゴヌクレオチドとして、ポリペプチドを作
製するために用いられうる。本明細書に記載のプローブは、例えば、試料中に核
酸配列又はその変異体が存在するか否かを決定するために用いられうる。本明細
書に記載のプローブは、ゲノム核酸ライブラリー及び相補的DNAライブラリーか
らゲノム核酸配列及び相補的DNA配列を検出するためにも用いられうる。そのよ
うなライブラリーを検索し作製する方法は、当技術分野において周知であり、Cu
rrent Protocols in Molecular Biology 1995に記載されている。
【0093】 プログラム細胞死アッセイ法 PCDのアッセイ法は、当技術分野において周知の方法により達成されうる。生
存色素アクリジンオレンジ(AO)、蛍光色素、及びナイルブルー(NB)は、生存
ショウジョウバエ胚におけるプログラム細胞死を可視化するために用いられうる
。色素は、死亡した細胞を染色するための選択的親和性を有し、胚の組織に浸透
することができる。色素は、食細胞自体は染色せずに、取り込み中の食細胞内部
のアポトーシス細胞死骸を染色することが見出されている。アッセイ法は、漂白
剤により胚の卵殻(chorion)を予め除去した後、ヘプタン又はオクタンを用い
てワクシー・コート(waxy coat)を透過性化することを必要とする。染色され
た細胞は、次に、NBの場合には従来の顕微鏡及びノマルスキー光学により、又は
AOの場合には蛍光顕微鏡により可視化される。細胞構造の高度の解像を得るため
、染色された胚から組織切片を調製してもよい。
【0094】 AOは、アポトーシス細胞を選択的に染色することが見出されているが、NBはア
ポトーシス細胞及びネクローシス細胞の両方を染色する。プログラム細胞死の大
部分がアポトーシスであるため、いずれの生存色素もプログラム細胞死を可視化
するために有用であることが見出された。
【0095】 このアッセイ法を用いて、いずれの胚が異所性PCDを受けたのかを定量的にア
ッセイするため、ある種の臓器及び全身の発達に影響を与えるものを含む、ショ
ウジョウバエの胚形成中に起こる異所性PCDの程度及びパターンを決定すること
が可能であった。
【0096】 組換え宿主細胞、ベクター、及びそれらのプロモーター/エンハンサー 本明細書において用いられるように、「操作された」又は「組換え」細胞とい
う用語は、前記の遺伝学的スクリーニングにより同定されたタンパク質をコード
する核酸配列のような、組換え核酸配列が導入されている細胞をさすものとする
。従って、操作された細胞は、組換え導入された遺伝子を含有しない天然に存在
する細胞と区別可能である。組換え導入された核酸配列は、cDNA核酸配列(即ち
、それらはイントロンを含有しないと思われる)、ゲノム核酸配列のコピーのい
ずれかの形態であり、特定の導入された核酸配列と天然には関係していないプロ
モーターと隣接した位置にある核酸配列を含むと思われる。
【0097】 プロモーターという用語は、本明細書において用いられるように、RNAポリメ
ラーゼIIのための開始部位周辺にクラスター化した転写調節モデュールの群をさ
す。いかにしてプロモーターが組織されているかについての考察の大部分は、HS
Vチミジンキナーゼ(tk)及びSV40初期転写ユニットのプロモーターのような、
いくつかのウイルス・プロモーターの分析から導き出される。さらに最近の研究
により強化されたこれらの研究により、プロモーターが、別々の機能性モデュー
ルからなることが示された。これらモデュールは、それぞれ、約7〜20bpのDNAか
らなり、転写活性化タンパク質のための一つ又は複数の認識部位を含有する。各
プロモーター内の少なくとも一つのモデュールは、RNA合成のための開始部位を
位置づけるよう機能する。これの最もよく知られた例がTATAボックスであるが、
哺乳動物ターミナル・デオキシ・ヌクレオチジル・トランスフェラーゼ遺伝子の
プロモーター及びSV40後期遺伝子のプロモーターのような、TATAボックスを欠く
いくつかのプロモーターにおいては、開始部位自体と重複している別の因子が開
始の場所を固定する補助をする。
【0098】 付加的なプロモーター因子が、転写開始の頻度を制御する。典型的には、これ
らは開始部位の30〜110bp上流の領域に位置するが、最近、開始部位下流の機能
性因子を含有するプロモーターも多数存在することが示された。因子間の間隔は
変動可能であるため、因子が互いに関して転移又は移動した場合にも、プロモー
ター機能は保存される。tkプロモーターにおいては、因子間の間隔は、活性が減
退し始めるまでに、50bpまで増加しうる。プロモーターによるが、個々の因子は
、転写を活性化するため協調的又は独立に機能することができるようである。
【0099】 エンハンサーは、最初、同一DNA分子上の遠位に位置するプロモーターからの
転写を増加させる遺伝因子として検出された。遠距離にわたり作用することがで
きるこの能力は、原核生物の転写制御の古典的な研究においては、ほとんど先例
がなかった。その後の研究で、エンハンサー活性を有するDNA領域が、プロモー
ターとよく類似して構成されていることが示された。即ち、それらはそれぞれが
一つ又は複数の転写タンパク質に結合する、多くの個々の因子からなる。
【0100】 エンハンサーとプロモーターとの基本的な区別は機能性である。エンハンサー
領域は、全体として、遠位の転写を刺激することができる。これは、プロモータ
ー領域又はその構成因子にはない機能である。他方、プロモーターは、特定の部
位及び特定の方向におけるRNA合成の開始を指図する一つ又は複数の因子を有し
なければならないが、エンハンサーはこれらの特性を欠いている。この機能性の
差異を除けば、エンハンサーとプロモーターとは極めて類似している。それらは
、細胞における転写を活性化するという同一の一般的機能を有する。それらは、
重複し、連続していることが多く、しばしば極めて類似したモジュール組織を有
しているようである。これらを考え合わせると、エンハンサーとプロモーターと
は相同物であり、これらの配列に結合した転写活性化タンパク質は基本的に同一
の様式で細胞転写機構と相互作用することが示唆される。
【0101】 一般的に述べると、組換え核酸配列としてcDNA型の核酸配列を使用することが
より好都合である。cDNA型の使用は、典型的にはcDNA核酸配列よりも1桁大きい
と思われるゲノム核酸配列よりも、核酸配列のサイズが一般的にはるかに小さく
、標的細胞をトランスフェクションするために容易に使用されるという利点を提
供すると考えられる。しかし、望ましい場合には、ゲノム型の特定の核酸配列を
使用することも可能である。
【0102】 原核生物系又は真核生物系における発現のための(一つ又は複数の)DNAセグ
メントの操作は、組換え発現における当業者に一般的に既知の技術により実施さ
れうる。事実上任意の発現系が、同定されたPCD核酸配列の発現において使用さ
れうると考えられる。一般に、宿主細胞と適合性の種に由来するレプリコン及び
調節配列を含有するプラスミド・ベクターが、これらの宿主と共に用いられる。
ベクターは、通常、複製部位、及び形質転換された細胞における表現型の選択を
提供することができるマーカー配列を保持する。例えば、大腸菌は、典型的には
、大腸菌種由来のプラスミドであるpBR322を用いて形質転換される(Bolivar et
al.,1977)。pBR322は、アンピシリン及びテトラサイクリンに対する耐性のた
めの核酸配列を含有するため、形質転換された細胞を同定するための容易な手段
を提供する。pBRプラスミド又はその他の微生物のプラスミドもしくはファージ
も、自己のタンパク質の発現のため微生物により用いられうるプロモーターを含
有しているか、又は含有するよう修飾されている必要がある。
【0103】 さらに、宿主微生物と適合性のレプリコン及び制御配列を含有するファージ・
ベクターが、これらの宿主と共に、形質転換ベクターとして用いられうる。例え
ば、ファージ・ラムダGEM.TM.-11が、大腸菌LE392のような宿主細胞を形質転換
するために用いられうる組換えファージ・ベクターの作成において利用されうる
【0104】 組換えDNA構築物において多く用いられるこれらのプロモーターは、B-ラクタ
マーゼ(ペニシリダーゼ)及びラクトースのプロモーター系(Chang et al.,197
8; Itakura et al.,1977; Goeddel et al.,1979)、並びにトリプトファン(trp
)プロモーター系(Goeddel et al.,1980; EPO出願第0036776号)を含む。これ
らが最も多く用いられるが、他の微生物プロモーターが発見され利用されており
、それらのヌクレオチド配列に関する詳細が公開されているため、当業者はそれ
らをプラスミド・ベクターと機能的にライゲーションさせることができる(EPO
出願第0036776号)。
【0105】 原核生物に加え、酵母培養物のような真核微生物も用いられうる。サッカロミ
セス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)又は一般的なパン酵母が、真核
微生物の中で最も多く用いられるが、多数の他の株も一般的に利用可能である。
サッカロミセスにおける発現のために、例えばプラスミドYRp7が多く用いられる
(Stinchcomb et al.,1979; Kingsman et al.,1979; Tschemper et al.,1980)
。このプラスミドは、トリプトファン存在下において増殖する能力を欠いた酵母
の変異株、例えばATCC番号44076又はPEP4-1(Jones,1977)のための選択マーカ
ーを提供するtrpl核酸配列を既に含有している。酵母宿主細胞ゲノムの特徴とし
てのtrpl傷害の存在によって、次に、トリプトファン非存在下における増殖によ
る形質転換を検出するための有効な環境が提供される。
【0106】 酵母ベクターにおける適当なプロモーター配列は、3-ホスホグリセリン酸キナ
ーゼ(Hitzeman et al.,1980)、又はエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン
酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホ
フルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセリン酸
ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコ
ースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼのような、その他の解糖系酵素(Hess e
t al.,1968; Holland et al.,1978)のためのプロモーターを含む。適当な発現
プラスミドの構築において、これらの核酸配列に関連した終結配列も、mRNAのポ
リアデニル化及び終結を提供するため、発現ベクターの、発現させたい配列の3'
にライゲーションされる。転写が増殖条件により調節されるという付加的な利点
を有する他のプロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロー
ムC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関連した分解酵素、及び前述のグリセル
アルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、並びにマルトース及びガラクトース利
用を担う酵素のためのプロモーター領域である。酵母適合性プロモーター、複製
開始点、及び終結配列を含有する任意のプラスミド・ベクターが適当である。
【0107】 微生物に加えて、多細胞生物由来の細胞培養物も、宿主として用いられうる。
原則として、脊椎動物培養物であっても無脊椎動物培養物であっても、任意のそ
のような細胞培養物が利用可能である。しかし、脊椎動物細胞が最も重要であり
、培養(組織培養)における脊椎動物細胞の増殖は近年日常的な手法となってい
る(Tissue Culture,1973)。そのような有用な宿主細胞系の例は、VERO細胞及
びHeLa細胞、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞系、W138細胞系、BHK細
胞系、COS-7細胞系、293細胞系、及びMDCK細胞系である。そのような細胞のため
の発現ベクターは、通常、(必要に応じて)必要なリボソーム結合部位、RNAス
プライス部位、ポリアデニル化部位、及び転写終結配列と共に、複製開始点、発
現させる核酸配列の前に位置するプロモーターを含む。
【0108】 DNA輸送 本明細書に記載の発明による新規な制御構成要素の同定の後、次に、本発明は
一般的には、形質転換細胞を作製するため、cDNA又は遺伝子のような外因性核酸
配列を受容細胞へ導入させるために用いられうる。外因性核酸配列を受容する細
胞の発生頻度は、低いと考えられている。さらに、核酸配列を受容する細胞の全
てが、核酸が動物ゲノムに安定的に組み込まれ、かつ/又は発現されるような形
質転換細胞となる可能性が、極めて高いというわけではない。いくつかは、初期
の一過性の遺伝子発現のみを示す可能性がある。しかし、いくつかの真核細胞は
安定的に形質転換され、これらの細胞はトランスジェニックな動物、又は節足動
物、好ましくは昆虫へと発生する。
【0109】 核酸配列を細胞へ導入するための多くの方法が存在するが、全てが真核細胞へ
の核酸配列の輸送にとって適当であるわけではない。適当な方法は、核酸配列の
直接輸送、乾燥(desiccation)/阻害媒介核酸配列取り込み、エレクトロポレ
ーション、シリコン炭化物繊維による攪拌、核酸配列によりコーティングされた
粒子の加速、化学的トランスフェクション、リポフェクション又はリポソーム媒
介トランスフェクション、塩化カルシウム媒介核酸配列取り込みなどにより、核
酸配列を細胞へ導入することができる事実上任意の方法を含むと考えられる。い
くつかの態様において、加速法が好ましく、それは例えばマイクロプロジェクタ
イル・ボンバードメント(microprojectile bombardment)などを含む。
【0110】 薬物候補を同定するための薬学的解析及び方法 本発明は、薬物候補、即ちPCD関連疾患の治療のための薬物として有用である
かもしれない化学化合物を同定するための薬学的解析及び方法も提供する。その
ような解析及び方法は、本明細書に記載の本発明の方法により同定された制御構
成要素の活性に対する効果について化合物を試験することを含み、その哺乳動物
カウンターパートは哺乳動物におけるPKBシグナル伝達の成分であると思われる
。試験が行われる効果の例には、酵素活性、例えばDakt1のキナーゼ活性もしく
はDPP2Aのホスファターゼ活性の阻害、活性化、又は増強が含まれる。
【0111】 従って、野生型Dakt1もしくはDPP2A又はそれらの哺乳動物カウンターパートで
あるPKBもしくはPP2Aの発現を増大させるか、これらのタンパク質の変異体又は
改変型の発現を阻害するか、又はこれらのタンパク質の活性と拮抗するタンパク
質を阻害する薬物は、PCDが阻害されることが好ましい疾患の治療において有用
である可能性がある。さらに、タンパク質の発現又は活性を改変する化学的薬剤
を検出するために、RNA又はDNAプローブが用いられうる。さらに、Dakt1又はDPP
2A核酸も、タンパク質の発現又は活性を改変する化学物質の検出にとって有用で
あると考えられる細胞を操作するために用いられうる。最も好ましくは、Dakt1
又はDPP2Aタンパク質が、その活性を活性化又は改変する薬剤のための直接的な
生化学的アッセイ法において用いられうる。本明細書に記載の遺伝学的スクリー
ニングにより同定された構成要素の一つが転写因子である場合、Dakt1発現をモ
デュレートすることができる薬剤を同定するためにレポーター・アッセイ法が設
計されうる。例えば、レポーター遺伝子(大腸菌lacZ、又はルシフェラーゼ)が
、Dakt1/PKB経路に含まれることが既知の転写因子のプロモーター/エンハンサ
ー・モジュールと融合しているプラスミド・レポーター遺伝子と共に、Dakt1又
はPKBを含有することが既知の宿主細胞をトランスフェクションすることができ
る。次に細胞は、ある時間薬剤に曝露され、発現したレポーター遺伝子産物のレ
ベルが薬物に曝露されていない細胞(参照細胞)において発現したレポーター遺
伝子産物のレベルと比較される。薬物に曝露された細胞において発現したレポー
ター遺伝子産物が、参照細胞におけるレポーター遺伝子産物のレベルと比較して
多い場合、その薬剤は、Dakt1/PKBの発現を増強するか、又はDakt1/PKBを構成性
活性状態に維持することができる。そのような薬剤は、PCDを阻害することが望
ましい疾患の治療において有用であると考えられる。反対に、レポーター遺伝子
産物の発現を阻害することができる薬剤の同定も、PCDを誘導するための薬剤の
同定のため、この方法によりアッセイされうる。
【0112】 Dakt1/PKBの活性に対する薬剤の効果を決定するための別の方法は、転写因子
が結合し転写を開始するプロモーター/エンハンサー・モジュールと融合した天
然遺伝子産物のレベルをアッセイすることである。例えば、trachealessのタン
パク質産物は、B123プロモーター/エンハンサー・モジュールの接触によりbrea
thless遺伝子の転写を開始する。レポーター遺伝子構築物を操作する代わりに、
ある時間、薬剤に曝露された細胞において産生されたRT-PCRによるbreathless D
NAのレベルをアッセイし、それを、薬物に曝露されていない細胞においてRT-PCR
により産生されたbreathless DNAのレベルと比較することにより、trachealess
の活性に対する薬剤の効果が決定されうる。
【0113】 インビトロ研究は、阻害薬物について大きな化合物ライブラリーをスクリーニ
ングするため、精製された標的巨大分子を用いることができ、又は精製された標
的分子を合理的薬物設計プログラムのために用いることができ、最初に、巨大分
子標的の構造、又は通常の基質もしくはリガンドと会合した巨大分子標的の構造
を決定することを必要とする。次にこの情報が合成され、さらに試験されなけれ
ばならない阻害化合物を設計するために用いられる。試験結果は、リード化合物
が出現するまで、相互作用的に分子モデル及び薬物設計過程を改良するために用
いられる。
【0114】 キナーゼ、特にプロテインキナーゼB及びそのホモログは、複数の生物学的に
重要な過程に関与している。特定のキナーゼ活性にのみ影響を与えるよう設計さ
れた薬理学的薬剤が特に重要である。現在利用可能な化合物は、非特異的であり
、陽性反応と陰性反応の両方を誘導する傾向があるため、臨床的有効性は低い。
本発明の変異は、新規化合物、並びにキナーゼに作用することが既知の化合物の
アナログもしくは誘導体の特異性を試験するため、インビトロ及びインビボのモ
デルにおいて用いられうる。多数の薬理学的薬剤が、キナーゼ活性に対して明白
な影響を与える。
【0115】 特に重要であるのは、ヒト細胞にとって低い毒性を有する薬剤のためのスクリ
ーニング・アッセイ法である。細胞の励起及びコンダクタンスのモニタリング、
標識インビボタンパク質−タンパク質結合アッセイ法、電気泳動移動度シフトア
ッセイ法、タンパク質結合に関するイムノアッセイ法などを含む、極めて多様な
アッセイ法がこの目的のため用いられうる。精製されたタンパク質も、分子間相
互作用をモデリングするため用いられうる、3次元結晶構造の決定のため用いら
れうる。
【0116】 本明細書において用いられるように、「物質」又は「薬剤」という用語は、ス
クリーニングされた遺伝子産物と関連したキナーゼ活性を阻害、改変、又は模倣
する能力を有する任意の分子、例えば、タンパク質又は医薬品を記述するもので
ある。一般的に、様々な濃度に対する異なる様式の反応を得るため、異なる薬剤
濃度を用いて、複数のアッセイ混合物が平行して実施される。典型的には、これ
らの濃度の一つは、陰性対照として機能する、即ちゼロ濃度又は検出レベル未満
である。
【0117】 候補薬剤には、多数の化学物質クラスが包含されるが、典型的にはそれらは有
機分子、好ましくは、50ダルトンを超える約2,500ダルトン未満の分子量を有す
る有機小化合物である。候補薬剤は、タンパク質との構造的相互作用、特に水素
結合にとって必要な官能基を含み、典型的には少なくとも1つのアミン基、カル
ボニル基、水酸基、又はカルボキシル基を含み、好ましくは化学的官能基のうち
の少なくとも2つを含む。候補薬剤は、前記官能基のうちの一つ又は複数で置換
された、環状炭素もしくは複素環構造及び/又は芳香族もしくは多重芳香族(po
lyaromatic)の構造を含むことが多い。候補薬剤は、ペプチド、糖、脂肪酸、ス
テロイド、プリン、ピリミジン、それらの誘導体、構造的アナログ、又は組み合
わせを含む生物学的分子の中にも見出される。
【0118】 候補薬剤は、合成化合物又は天然化合物のライブラリーを含む極めて多様な起
源から得られる。例えば、ランダム化されたオリゴヌクレオチド及びオリゴペプ
チドの発現を含む、多数の手段が、極めて多様な有機化合物及び生物学的分子の
ランダム合成及び特異的合成のため利用可能である。又は、細菌、真菌、植物、
及び動物の抽出物の形態の天然化合物のライブラリーが利用可能であるか、又は
容易に作製される。さらに、天然又は合成により作製されたライブラリー及び化
合物は、従来の化学的、物理的、及び生化学的手段により容易に修飾され、コビ
ナトリアル・ライブラリーを作製するために用いられうる。構造アナログを作製
するため、既知の薬理学的薬剤に対して、アシル化、アルキル化、エステル化、
アミド化などのような定方向又はランダムな化学的修飾を施すことができる。
【0119】 スクリーニング・アッセイ法が結合アッセイ法である場合、標識が検出可能な
シグナルを直接的又は間接的に提供することができるよう、一つ又は複数分子を
標識のため結合させることができる。様々な標識には、放射性同位体、蛍光、化
学発光、酵素、特異的結合分子、粒子、例えば磁気粒子などが含まれる。特異的
結合分子には、ビオチンとストレプトアビジン、ジゴキシンとアンチジゴキシン
などのような対が含まれる。特異的結合メンバーのため、通常、相補的メンバー
が、既知の手段により、検出を提供する分子で標識されると思われる。
【0120】 その他の多様な試薬がスクリーニング・アッセイ法に含まれうる。これらには
、最適なタンパク質−タンパク質結合を促進するため及び/又は非特異的又はバ
ックグラウンドの相互作用を減少させるため用いられる、塩、例えばアルブミン
のような中性タンパク質、界面活性剤などが含まれる。プロテアーゼ阻害剤、ヌ
クレアーゼ阻害剤、抗微生物剤などのような、アッセイ法の効率を改善する試薬
が用いられうる。構成要素の混合物は、必要な結合を提供する任意の順序で添加
される。インキュベーションは、任意の適当な温度、典型的には4℃と40℃の間
で実施される。インキュベーション時間は、最適な活性のため選択されるが、迅
速な高スループット・スクリーニングを促進するために最適化されてもよい。典
型的には、0.1時間と1時間の間で十分であると思われる。
【0121】 実施例1 分子的分析により、Dakt1がstubbloid(sbd)遺伝子の約30kb内に位置するこ
とが示され(Franke et al.Oncogene 1994,9:141-148; Andjelkovic et al.J.Bi
ol.Chem.1995,270:4066-4075)、Dakt1がDf(3R)sbd45内に位置づけられた(Appe
l et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1993,90:4937-4941)。従って、Dakt1突然変
異体の探究は、キイロショウジョウバエの第3染色体の右腕上の細胞学的位置89B
における大きな欠失を相補することができない致死突然変異体に焦点を当てた。
Dakt1は恒常的に発現しているため(Franke et al.Oncogene 1994,9:141-148; A
ndjelkovic et al.J.Biol.Chem.1995,270:4066-4075)、上流活性化配列Dakt1(
UAS-Dakt1)トランスジーンを用いて極めて恒常的なパターンでのDakt1の発現を
可能にするため、armadilloプロモーターにより駆動されるGAL4トランスジーン
(arm-GAL4)が用いられた。Df(3R)sbd45にマッピングされた変異体コレクショ
ンをスクリーニングすることにより、arm-GAL4トランスジーン及びUAS-Dakt1ト
ランスジーンの組み合わせによりレスキューされる一つの幼虫致死突然変異l(3)
89Bq1が同定された(レスキュー%=34.1)。PKB/AKTとDakt1とは、アミノ酸レ
ベルで76.5%の類似性を有しているため(Franke et al.Oncogene 1994,9:141-1
48; Andjelkovic et al.J.Biol.Chem.1995,270:4066-4075; Coffer et al.Eur.J
.Biochem.1991,201:475-481)、UAS-PKB/AKTトランスジーンを用いて、l(3)89Bq 1 突然変異体をレスキューする能力についてウシPKB/AKTを試験した。arm-UAS-PK
Bの組み合わせは、低効率ではあったが(レスキュー%=17.8)、l(3)89Bq1のレ
スキューにおいて有効であった。このことにより、l(3)89Bq1又は単純に「q」が
、PKB/AKTの機能的ホモログであるDakt1をコードしていることが証明された。レ
スキューはホモ接合のq染色体を有するハエの割合としてスコア化された。Dakt1
、ウシPKB、及びPKB DDの両方について、変異cDNAがpUAST P因子形質転換ベクタ
ーへクローニングされ、形質転換体を作製するためww118胚へ注入された。熱シ
ョック誘導性HsDakt1系統が、pHSCasper P因子ベクターを用いて作製された。レ
スキュー実験のため、以下の交配が行われた。(A)q/TM6B=q1/TM6B Tb e Hu(
★X★)、(B)(arm-Dakt1)q/TM6B=armGAL4;q1/TM6B Tb e Hu X UASDakt1/CyO;q 1 /TM6B Tb e Hu。交配Bの結果は、(UASDakt1を保持していないと思われる)CyO
子孫がデータから除去されたCyO染色体に関して補正された。(C)(arm-PKB)q/T
M6B=GAL4;q/TM6B Tb e Hu X UASPKB;q1/TM6B Tb e Hu。(D)(HsDakt1)q/TM6B=H
sDakt1;q1/TM6B Tb e Hu(★X★)。熱により誘導されるレスキューのため、ガラ
ス・バイアル中に卵を置いた後、1日に30分間、ハエに熱ショックを与えた。
【0122】 FRT82βを用いた3RのためのGLC分析は、(Chou Et al.Genetics 1996,144:167
3-1679)に記載されているようにして実施された。接合体/父系レスキューの程
度を決定するため、l(3)89Bq1GLC雌を野生型、l(3)89Bq1、TM3、Sb、l(3)89Bq2
、及びDf(3R)sbd45の雄と交配させ、胚の表現型を比較した。l(3)89Bq1及びDf(3
R)sbd45の染色体は同一の挙動を示すため、l(3)89Bq1はDakt1の遺伝学的ヌル対
立遺伝子であると考えられる。又、第二のDakt1対立遺伝子(q2と名付けられた
)も、これらの実験に用いられた。しかし、q2はTM3染色体上で誘導されたため
、この対立遺伝子を用いてGLC実験を実施することは不可能であった。
【0123】 Df(3L)H99 FRT82βl(3)89Bq1染色体は、当技術分野において周知の標準的な組
換え技術を用いて構築され、次にGLCの誘導のためFRT82βovoD雄と交配された。
GLC雌は、次に、Df(3L)H99 FRT82βl(3)89Bq1染色体と交配され、その子孫が分
析された。
【0124】 オートグラフィカ・カリフォルニカ(Artographica californica)P35(Clem
et al.Mol.Cell.Biol.1994,14:5215-5222)の全長コード領域を含有するpBSPSの
1kbのBamHI断片を、pHS CasperのBglII部位にクローニングし、形質転換した。
エピスタシス実験のため、q1GLC雌をHsP35;q1/TM3雄と交配させ、その子孫をナ
イロンふるい(nylon sieve)上に収集した。次に胚をステージ分類し(第10〜1
2期)、水浴中37℃で8分間熱ショックを与え、25℃で回復させた。次に胚を、ク
チクラを発達させて分析した。
【0125】 活性化されたPKB(PKB DD)の異所性発現のため、arm-PKB DD胚を作製するた
めに、armGAL4雌をUAS PKB DD雄と交配させた。次に、胚を収集し、アクリジン
オレンジ(AO)染色又は抗体染色のいずれかのため処理した。
【0126】 実施例2 Dakt1に対する抗血清が、ヒスチジンタグ付加Dakt1融合タンパク質(His-Dakt
1)に対して作製された。His-Dakt1は、Dakt1全長コード領域の1590bp断片(530
アミノ酸)を、pET 15bベクター(Novagen)のBamHI部位へクローニングするこ
とにより構築された。融合タンパク質は、大腸菌株(BL21)において作製され、
製造業者(Novagen)の指示に従い、ニッケル・キレート化樹脂への結合により
、細菌溶解物から精製された。ウサギに、フロイント完全アジュバント中の精製
組換えタンパク質を皮下免疫し、4週間の間隔で追加注射を行った。キナーゼ・
アッセイ法のため、ジェントル・ソフト(Gentle Soft)緩衝液(20mM PIPES pH
7.4、10mM NaCl、0.5% NP-40、5mM EDTA、0.05% 2-メルカプトエタノール、5m
g/ml ロイペプチン、1mM ベンズアミジン、0.5mM NaF、及び100mM バナデートNa
)中で胚を溶解させることにより調製された胚の溶解物から、前記のようにして
作製されたDakt1に対する抗体を用いて、Dakt1及びその変異体、Dakt1qを免疫沈
降させた。TM6Bバランサー染色体に従い、qについてホモ接合の(Dakt1qを発現
する)幼虫を同定した。免疫沈降の前に、溶解物を全タンパク質に対して標準化
した。4℃で2時間、5mlのウサギ・ポリクローナル抗血清を細胞溶解物に添加し
た。プロテインA-セファロース(Sigma)に予備結合した免疫複合体を、溶解緩
衝液で5回洗浄した後、キナーゼ・アッセイ法を実施した。インビトロDakt1、Da
kt1q(図1(A))。HAタグ付加ウシ野生型PKB及びキナーゼ不活型HA-PKB F2931(
図1(D))のキナーゼ・アッセイ法は、PKBによりリン酸化されるSer9部位周辺のG
SK3β内の配列に相当するGSK3ペプチド基質をリン酸化するキナーゼの能力によ
り測定された。Dakt1、Dakt1q、及びHAタグ付加ウシPKBの免疫複合体を、50mM P
IPES、pH7.4、10mM MgCl2、及び1mM EGTA中の50mM[γ-32P]ATPの存在下で、30mM
GSK3ペプチドと共に30℃でインキュベートした。トリシン-SDS-PAGEにより、取
り込まれていない[γ-32P]ATPからリン酸化ペプチドを分離し、モレキュラー・
ダイナミクス・ホルホールイメージャー(Molecular Dynamics Phosphorimager
)における分析により定量した。
【0127】 イムノブロット分析のため、前記のようにして溶解物を調製し、全タンパク質
に対して標準化した後、イムノブロッティングのためSDS-PAGEにより分離した。
Dakt1及びその変異体Dakt1qのタンパク質を、ECLシステム(Amersham)を用いて
可視化した(図1(B))。
【0128】 実施例3 Dakt1と相互作用する遺伝子を同定することを目的として、P因子により誘導さ
れたハエ突然変異体系統及びその他の致死突然変異体コレクションに対して、前
記のような遺伝学的スクリーニングを実施した。本発明者らは、ハエ突然変異体
系統P1747が、Dakt1とトランスでありながら平均7.4%の致死率を生じることを
発見した。この変異体は、第3染色体の細胞学的領域61Cにおけるtrachealess(t
rh)遺伝子(配列番号:1)の5'非翻訳領域へのP因子挿入を有する。驚くべきこ
とに、前記の標準的な方法によりPCDに関してアッセイした場合、異所性PCDは、
trh/Dakt1交配からの死亡胚と相関していなかった。このことから、Daktのtrhタ
ンパク質(配列番号:2)との関与が、PCDにおける役割とは別であり、Dakt1がt
rf媒介経路にも関与しているのかもしれないことが示唆された。trhタンパク質
のアミノ酸配列の推定から、それが、PKBリン酸化のための2つのコンセンサス配
列を含有することが示された。1つ目は、Ser571がリン酸化されうるアミノ酸配
列RGRGRS571 AAである。2つ目は、Ser665がリン酸化されうるアミノ酸配列RSRLPS 665 IVである。
【0129】 trachealessタンパク質がPKBキナーゼ活性の基質であるか否かを決定するため
、実施例2に記載され、図5の詳細に説明されているようにして、キナーゼとして
PKBを用い、被検基質としてtrachealessタンパク質又はその断片を用いて、キナ
ーゼ・アッセイ法を実施した。図5は、2つの推定セリン残基を含有するTrhIのみ
が、活性型PKBによりリン酸化され、キナーゼ不活性型PKB、又はPI3'K阻害剤ウ
ォルトマンニンにより不活化された野生型PKBによってはリン酸化されないこと
を示している。これらのデータから、trachealessタンパク質がPKBの基質である
ことが確認される。図6及び図7に表されたデータから、trachealessタンパク質
断片基質のSer665におけるPKBリン酸化が確証される。
【0130】 要約すると、これらのデータから、前記の遺伝学的スクリーニングから得られ
た予想外の結果が示される。異所性PCDを受けていない死亡胚の同定は、前記の
遺伝学的スクリーニングが接合Dakt1表現型のエンハンサー、即ち第二部位致死
突然変異により増強されたPCDを同定するために設計されていることを考慮する
と、完全な驚きであった。スコア化された胚は死亡していたが、異所性PCDは観
察されなかった。その代わり、死亡が異常な胚形成の結果であることが決定され
た。従って、このことから、Daktのtrachealessとの関与がアポトーシスにおけ
る役割とは別であることが示された。Dakt又はその哺乳動物ホモログPKBに関す
るそのような役割は、先行技術においては同定されていない。
【0131】 trachealessは、ショウジョウバエにおける外胚葉前駆細胞からの胚気管系の
分化を誘導するマスター調節遺伝子である。胚形成の第10期(孵化の4時間後(A
EL))において、10個の背側パラセグメント(T2〜A8)のそれぞれの両側におけ
る細胞クラスターは、気管特異的運命を負っている。第10及び第11期(4〜5h AE
L)の間、各前駆細胞クラスターは2つの後胞胚葉有糸分裂を受ける。第1の有糸
分裂イベントは、気管プラコードと呼ばれる胞胚葉の領域を確立し、第2の有糸
分裂イベントは気管プラコードの陥入及び気管孔の形成と同時に起こる。気管系
のその後の形成は、さらなる細胞分裂なしに細胞移動及び形状変化により起こる
。気管の分布は、2つの一般的ステージ、第一気管分布及び終末気管分布で起こ
る。第一気管分布(第11〜第16期[5時間 AEL〜孵化])は、各気管体節を構成
する主な多細胞気管及び単細胞気管のステレオタイプ分岐パターンの確立である
。終末気管分布は、第15期(11〜13時間 AEL)において始まり、幼虫期間まで続
く。この重複するステージは、気管系の主要構成要素から分岐する、又はその続
きである微細な単細胞及び細胞内の気管の発達により特徴付けられる。終末分岐
は、胚内の個々の標的細胞又は組織に達する細胞内チューブの拡張的なアレイで
ある。第一分岐のパターンはステレオタイプであるが、終末分岐は高度に多様性
であり、標的組織の酸素要求性に依存している可能性が極めて高い。胚内の気管
ネットワーク全体は、連続しており、パラセグメントA8における気管孔と背側気
孔との融合により第11期(5h AEL)において形成される単一の開口部、背側気孔
により供給される。
【0132】 第10期における気管細胞運命の確立と同時に、気管前駆細胞におけるTrh及びV
vl(Ventral Veinless/Drifter)の発現が起こる。免疫学的染色は、Trhタンパ
ク質が気管前駆体の核に局在しており、開始後は残りの胚形成及び幼虫発達の大
部分を通して発現することを示している。Trhタンパク質は、気管プラコードの
初期の気管分布、管形成、及び気管特異的遺伝子の発現に必要である。Trhとの
初期の共発現にも関わらず、Vvl POUドメイン含有転写因子は、第一分岐の移動
及びいくつかの気管特異的マーカーの発現のため、発生後期に必要であるが、初
期イベントには必要でない。体節極性遺伝子wg(wingless)及びdpp(decapenta
plegic)は、パラセグメントにおけるTrhシグナルの局在に対する効果を有する
ようであり、ホメオティック遺伝子も、14のパラセグメントのうちの10個におい
てのみ発現するため、Trhの初期空間的発現の決定において役割を果たすかもし
れない。
【0133】 Trhは、転写因子のbHLH-PASファミリーに属する。949アミノ酸からなるタンパ
ク質は、bHLH(塩基性ヘリックス−ループ−ヘリックス)ドメイン、PAS(Per、 A rnt、及びSimとの相同性)ドメイン、及び転写活性化ドメインを含有し、核移
行シグナル(NLS)も含有する。bHLHドメインは、DNAと接触し、ダイマーを形成
するタンパク質の能力を決定するが、PASドメインの機能は不明である。
【0134】 Trh発現が開始した後は、タンパク質は核へ移行し、自己を含む核標的遺伝子
の転写を活性化するため、ショウジョウバエArnt(DArnt)/Tango(Tgo)遺伝子
産物とヘテロダイマー化しなければならない。Trhは、初期シグナルを増幅する
ため自己制御性フィードバック・ループを開始し、次に下流標的の転写の効率的
な活性化のためその発現レベルを維持しなければならない。やはりbHLH-PASタン
パク質であるTgoは、哺乳動物における芳香族炭水化物受容体(Ahr)転写因子の
ダイマー化の相手として機能する哺乳動物Arnt遺伝子のホモログである。ヘテロ
ダイマー化及び核移行の後、Trh::Tgo転写活性化因子は、気管特異的転写を運命
付けられた標的遺伝子内のシス調節CNS中線因子(CME)を認識する。Trhは、bre
athless(Btl)FGF受容体及びtracheae defective(tdf)bZIP転写因子を含む多
くの気管特異的遺伝子の発現に必要である。Btlは、branchless(bnl)リガンド
に結合し、最高のbnl発現の部位に向けた第一分岐の非方向特異的走化的伸長に
必要である。Vvlにより転写活性化されるthick veins及びrhomboidのようなその
他の遺伝子の発現、並びにそれらの標的遺伝子(それぞれ、dpp及びspitz)の発
現は、第一分岐の方向性のある移動運命を決定するよう機能する。sprouty遺伝
子は、Btl/Bnl活性に応答して活性化されるようであり、最高のbtl活性化の領域
に分岐活性を限定するよう機能する。
【0135】 実施例4 前記のような遺伝学的スクリーニングは、Dakt1と相互作用する遺伝子を同定
することを目的として、P因子により誘導されたハエ突然変異体系統及びその他
の致死突然変異体コレクションに対して実施される。ハエ突然変異体系統P1193
は、Dakt1とトランスでありながら、平均7.6%の致死率を生じることが決定され
る。この変異体は、第2染色体の細胞学的領域61CにおけるDPP2A遺伝子の5'非翻
訳領域へのP因子挿入である。前記の標準的な方法によりPCDに関してアッセイし
た場合、異所性PCDは、DPP2A/Dakt1交配からの死亡胚と相関している。
【0136】 DPP2Aタンパク質がPKB/AKT/Dakt1キナーゼ活性の基質であるか否かを決定する
ため、実施例2に記載され、図5の詳細に説明されているようにして、キナーゼと
してPKBを用い、被検基質としてtreachelessタンパク質又はその断片を用いて、
キナーゼ・アッセイ法が実施される。
【0137】 本明細書中に言及された全ての引用は、それらの関連する内容が本明細書にお
いて直接的に再現されているかのごとく、完全に本明細書に組み入れられる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 Dakt1と相互作用する変異を同定するために実施された遺伝学的
スクリーニングの概略図。
【図2】 野生型及びq幼虫におけるDakt1タンパク質の発現及び活性の分析
【図3】 Dakt1生殖系クローン(GLC)変異体の表現型。
【図4】 Dakt1 GLC胚におけるPCDマーカーのモニタリング。
【図5】 PKB(I)によるtrachealessのリン酸化。
【図6】 PKB(II)によるtrachealessのリン酸化。
【図7】 PKBは、trachealessをセリン665で特異的にリン酸化する。
【図8】 trachealess/dARNT(tango)ヘテロダイマーによるショウジョウ
バエbreathless遺伝子のトランス活性化及び気管発達の促進の概略図。
【図9】 trachealessのS665を介したtrachealess/dARNTによるトランス活
性化の制御。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年7月28日(2000.7.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ジン ジン カナダ国 オンタリオ州 トロント チャ ールズ ストリート ウェスト 30 アパ ートメント 905 (72)発明者 ウェッシュ ベン カナダ国 オンタリオ州 トロント ヒュ ーロン ストリート 593 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA12 AA20 CA01 CA09 CA11 CA20 DA02 GA11 GA25 HA11 HA19 4B063 QA01 QA13 QA17 QA18 QQ08 QQ12 QQ42 QQ52 QQ60 QQ79 QR41 QR55 QR59 QR62 QR66 QR67 QR72 QR75 QS24 QX01 4B065 AA90X AA90Y AA93X AA93Y AB01 BA01 BA16 BA17 BA18

Claims (97)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の段階を含む、プログラム細胞死を増強することができ
    る変異がキイロショウジョウバエ(Drosophia melanogaster)に存在するか否か
    を判定する方法: (a)劣性の第一の変異を有する第一のハエ突然変異体を準備する段階であって
    、該変異の存在は、変異についてホモ接合のハエの胚においてプログラム細胞死
    を誘導することが知られている段階、 (b)判定のための第二のハエ突然変異体を準備する段階、 (c)第一のハエと第二のハエとを交配させる段階、 (d)段階(c)において得られた胚が異所性プログラム細胞死を受けたか否かを
    判定する段階、 (e)段階(d)において得られた胚が異所性細胞死を受けた場合、プログラム細
    胞死を増強することができる変異が第二のハエに存在するものと見なす段階。
  2. 【請求項2】 第一のハエが、変異についてホモ接合のハエの胚においてプ
    ログラム細胞死を誘導することが既知の、DAkt1遺伝子の少なくとも一つの変異
    を有することが既知のものである、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 DAkt1遺伝子の少なくとも一つの変異が、それによりコードさ
    れるタンパク質のキナーゼ活性の消失をもたらす、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも一つの変異が、タンパク質の327位におけるフェニ
    ルアラニンからイソロイシンへの置換をもたらす、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 変異がTTC→ATCである、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 第一のハエが、プログラム細胞死を誘導することが既知の、D
    PP2A遺伝子の少なくとも一つの変異を有することが既知のものである、請求項1
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 DPP2A遺伝子の少なくとも一つの変異が、それによりコードさ
    れたタンパク質のホスファターゼ活性の消失をもたらす、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 野生型ハエの電離放射線への曝露により、野生型ハエの化学
    的突然変異誘発により、又は野生型ハエのゲノムへのP因子の挿入により、第二
    のハエが得られる、請求項1から7のいずれか一項記載の方法。
  9. 【請求項9】 段階(d)が、段階(c)において得られた胚をクチクラの消
    失について視覚的に検査することを含む、請求項1から8のいずれか一項記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 卵殻(chorion)の内部の胚細胞の染色を可能にするため、
    胚の卵殻を分解又は除去することにより、クチクラの消失を有する胚を処理する
    段階をさらに含む、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 処理された胚を色素で染色し、該胚の視覚的診査により、該
    胚がプログラム細胞死を受けたか否かを決定することをさらに含む、請求項10記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 ターミナル・デオキシ・トランスフェラーゼ媒介ハプテン標
    識dUTPニック末端標識による、又はアクリジンオレンジを用いたアッセイ法によ
    り、該処理された胚がプログラム細胞死を受けたか否かを決定することをさらに
    含む、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 第二のハエにおける変異の染色体位置を決定する段階をさら
    に含む、請求項1から12のいずれか一項記載の方法。
  14. 【請求項14】 位置決定された変異のヌクレオチド配列を決定する段階をさ
    らに含む、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 変異配列に対応する野生型配列を決定するため、変異の近傍
    におけるハエの染色体を配列決定し、野生型配列で得られた配列と比較する段階
    をさらに含む、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 野生型配列が既知の配列である場合、野生型配列の機能が既
    知であるか否かを決定する段階をさらに含む、請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 野生型配列のコード部分を決定する段階をさらに含む、請求
    項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 コード部分を他の種の既知の配列と比較し、ハエ野生型配列
    によりコードされるタンパク質と共通の機能を有するタンパク質をコードする可
    能性のある配列を選択する段階をさらに含む、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 野生型配列が既知の配列でない場合、変異の近傍におけるハ
    エ突然変異体の配列を他の種の配列と比較し、ハエ野生型配列によりコードされ
    たタンパク質と共通の機能を有するタンパク質をコードする可能性のある配列を
    選択する段階をさらに含む、請求項15記載の方法。
  20. 【請求項20】 プローブとして使用するための核酸分子を作製し、プローブ
    を用いて核酸分子のライブラリーをスクリーニングする段階をさらに含む、請求
    項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 段階(e)の後、死亡胚の表現型を決定する段階をさらに含
    む、請求項1から20のいずれか一項記載の方法。
  22. 【請求項22】 段階(c)が、胚の少なくとも約5パーセント、より好ましく
    は少なくとも約6パーセント、より好ましくは少なくとも約7パーセントが異所性
    細胞死を受けたか否かを決定することを含む、請求項1から21のいずれか一項記
    載の方法。
  23. 【請求項23】 下記の段階を含む、発生を途絶させることができる変異がキ
    イロショウジョウバエに存在するか否かを決定する方法: (a)劣性の第一の変異を有する第一のハエ突然変異体を準備する段階であって
    、該変異の存在は、変異についてホモ接合のハエの胚においてプログラム細胞死
    を誘導することが知られている段階、 (b)決定のための第二のハエ突然変異体を準備する段階、 (c)(a)のハエと(b)のハエとを交配させる段階、 (d)第一又は第二のハエ突然変異体のいずれかと異なる表現型の死亡胚が存在
    するか否かを決定するため、段階(c)において得られた死亡胚を検査する段階
    、 (e)該異なる表現型が観察された場合、発生を途絶させることができる変異が
    第二のハエ突然変異体に存在するものと見なす段階。
  24. 【請求項24】 第一のハエが、変異についてホモ接合のハエの胚においてプ
    ログラム細胞死を誘導することが既知の、DAkt1遺伝子の少なくとも一つの変異
    を有することが既知のものである、請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 DAkt1遺伝子の少なくとも一つの変異が、それによりコード
    されたタンパク質のキナーゼ活性の消失をもたらす、請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】 少なくとも一つの変異が、タンパク質の327位におけるフェ
    ニルアラニンからイソロイシンへの置換をもたらす、請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 変異がTTC→ATCである、請求項26記載の方法。
  28. 【請求項28】 第一のハエが、プログラム細胞死を誘導することが既知の、
    DPP2A遺伝子の少なくとも一つの変異を有することが既知のものである、請求項2
    3記載の方法。
  29. 【請求項29】 DPP2A遺伝子の少なくとも一つの変異が、それによりコード
    されたタンパク質のホスファターゼ活性の消失をもたらす、請求項28記載の方法
  30. 【請求項30】 野生型ハエの電離放射線への曝露により、野生型ハエの化学
    的突然変異誘発により、又は野生型ハエのゲノムへのP因子の挿入により、第二
    のハエが得られる、請求項23から29のいずれか一項記載の方法。
  31. 【請求項31】 段階(d)が、胚から気管が消失しているか否かを決定する
    ため、段階(c)において得られた胚を視覚的に検査することを含む、請求項23
    から30のいずれか一項記載の方法。
  32. 【請求項32】 第二のハエにおける変異の染色体位置を決定する段階をさら
    に含む、請求項23から31のいずれか一項記載の方法。
  33. 【請求項33】 位置決定された変異のヌクレオチド配列を決定する段階をさ
    らに含む、請求項32記載の方法。
  34. 【請求項34】 変異配列に対応する野生型配列を決定するため、変異の近傍
    におけるハエの染色体を配列決定し、野生型配列で得られた配列と比較する段階
    をさらに含む、請求項33記載の方法。
  35. 【請求項35】 野生型配列が既知の配列である場合、野生型配列の機能が既
    知であるか否かを決定する段階をさらに含む、請求項34記載の方法。
  36. 【請求項36】 野生型配列のコード部分を決定する段階をさらに含む、請求
    項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 コード部分を他の種の既知の配列と比較し、ハエ野生型配列
    によりコードされるタンパク質と共通の機能を有するタンパク質をコードする可
    能性のある配列を選択する段階をさらに含む、請求項36記載の方法。
  38. 【請求項38】 野生型配列が既知の配列でない場合、変異の近傍におけるハ
    エ突然変異体の配列を他の種の配列と比較し、ハエ野生型配列によりコードされ
    たタンパク質と共通の機能を有するタンパク質をコードする可能性のある配列を
    選択する段階をさらに含む、請求項34記載の方法。
  39. 【請求項39】 プローブとして使用するための核酸分子を作製し、プローブ
    を用いて核酸分子のライブラリーをスクリーニングする段階をさらに含む、請求
    項38記載の方法。
  40. 【請求項40】 段階(e)の後、死亡胚の表現型を決定する段階をさらに含
    む、請求項23から39のいずれか一項記載の方法。
  41. 【請求項41】 段階(c)が、死亡胚の少なくとも約3パーセント、より好ま
    しくは少なくとも約4パーセント、より好ましくは少なくとも約5パーセント、よ
    り好ましくは少なくとも約6パーセントが、互いに共通の、第一又は第二のハエ
    突然変異体のいずれかと異なる表現型を有するか否かを決定することを含む、請
    求項23から40のいずれか一項記載の方法。
  42. 【請求項42】 下記の段階を含む、発生を途絶させることができる変異がキ
    イロショウジョウバエに存在するか否かを決定する方法: (a)劣性の第一の変異を有する第一のハエ突然変異体を準備する段階であって
    、該変異の存在は、変異についてホモ接合のハエの胚において発生を途絶させる
    ことが知られている段階、 (b)決定のための第二のハエ突然変異体を準備する段階、 (c)(a)のハエと(b)のハエとを交配させる段階、 (d)第一又は第二のハエ突然変異体のいずれかと異なる表現型の死亡胚が存在
    するか否かを決定するため、段階(c)において得られた死亡胚を検査する段階
    、 (e)該異なる表現型が存在する場合、発生を途絶させることができる変異が第
    二のハエ突然変異体に存在するものと見なす段階。
  43. 【請求項43】 第一のハエが、変異についてホモ接合のハエの胚において発
    生を途絶させることが既知の、trachealess遺伝子の少なくとも一つの変異を有
    することが既知のものである、請求項42記載の方法。
  44. 【請求項44】 変異が、染色体樹の細胞学的領域61Cに位置するtrachealess
    遺伝子の5’非翻訳領域へのP因子の挿入を含む、請求項43記載の方法。
  45. 【請求項45】 野生型ハエの電離放射線への曝露により、野生型ハエの化学
    的突然変異誘発により、又は野生型ハエのゲノムへのP因子の挿入により、第二
    のハエが得られる、請求項42から44のいずれか一項記載の方法。
  46. 【請求項46】 段階(d)が、気管を消失した胚が存在するか否かを決定す
    るため、段階(c)において得られた胚を視覚的に検査することを含む、請求項4
    2から44のいずれか一項記載の方法。
  47. 【請求項47】 第二のハエにおける変異の染色体位置を決定する段階をさら
    に含む、請求項23から46のいずれか一項記載の方法。
  48. 【請求項48】 位置決定された変異のヌクレオチド配列を決定する段階をさ
    らに含む、請求項47記載の方法。
  49. 【請求項49】 変異配列に対応する野生型配列を決定するため、変異の近傍
    におけるハエの染色体を配列決定し、野生型配列で得られた配列と比較する段階
    をさらに含む、請求項48記載の方法。
  50. 【請求項50】 野生型配列が既知の配列である場合、野生型配列の機能が既
    知であるか否かを決定する段階をさらに含む、請求項49記載の方法。
  51. 【請求項51】 野生型配列のコード部分を決定する段階をさらに含む、請求
    項50記載の方法。
  52. 【請求項52】 コード部分を他の種の既知の配列と比較し、ハエ野生型配列
    によりコードされるタンパク質と共通の機能を有するタンパク質をコードする可
    能性のある配列を選択する段階をさらに含む、請求項51記載の方法。
  53. 【請求項53】 野生型配列が既知の配列でない場合、変異の近傍におけるハ
    エ突然変異体の配列を他の種の配列と比較し、ハエ野生型配列によりコードされ
    たタンパク質と共通の機能を有するタンパク質をコードする可能性のある配列を
    選択する段階をさらに含む、請求項49記載の方法。
  54. 【請求項54】 プローブとして使用するための核酸分子を作製し、プローブ
    を用いて核酸分子のライブラリーをスクリーニングする段階をさらに含む、請求
    項53記載の方法。
  55. 【請求項55】 段階(e)の後、死亡胚の表現型を決定する段階をさらに含
    む、請求項42から54のいずれか一項記載の方法。
  56. 【請求項56】 段階(c)が、死亡胚の少なくとも約5パーセント、より好ま
    しくは少なくとも約6パーセント、より好ましくは少なくとも約7パーセントが、
    互いに共通の、第一又は第二のハエ突然変異体のいずれかと異なる表現型を有す
    るか否かを決定することを含む、請求項42から55のいずれか一項記載の方法。
  57. 【請求項57】 請求項1から12、23から32、42から44、又は46のいずれか一
    項記載の方法において、第二の変異ハエの染色体に、第二のハエに導入された変
    異を同定することが可能になるよう適当な位置においてマーカーが導入されてお
    り、且つ該変異を同定する段階をさらに含む方法。
  58. 【請求項58】 変異を同定する段階が、変異配列に対応する野生型配列を決
    定するため、前記マーカーの近傍にあるハエの染色体を配列決定することと、野
    生型配列により得られる配列と比較することとを含む、請求項57記載の方法。
  59. 【請求項59】 野生型配列の機能が既知であるか否かを決定する段階をさら
    に含む、請求項58記載の方法。
  60. 【請求項60】 野生型配列のコード部分を決定する段階をさらに含む、請求
    項58記載の方法。
  61. 【請求項61】 コード部分を他の種の既知の配列と比較し、ハエ野生型配列
    によりコードされるタンパク質と共通の機能を有するタンパク質をコードする可
    能性のある配列を選択する段階をさらに含む、請求項60記載の方法。
  62. 【請求項62】 DAkt1タンパク質のキナーゼ活性を阻害することにより、細
    胞におけるプログラム細胞死を誘導する方法。
  63. 【請求項63】 細胞内に存在するDAkt1 mRNAの翻訳を阻害するために十分な
    程度に相補的な核酸分子を投与することを含む、請求項62記載の方法。
  64. 【請求項64】 PP2Aタンパク質のホスファターゼ活性を阻害することにより
    、細胞におけるプログラム細胞死を誘導する方法。
  65. 【請求項65】 細胞内に存在するPP2A mRNAの翻訳を阻害するために十分な
    程度に相補的な核酸分子を投与することを含む、請求項64記載の方法。
  66. 【請求項66】 下記の段階を含む、ある物質が、プログラム細胞死の誘導又
    は細胞死の阻害における活性成分として使用するために潜在的に適当である否か
    を決定するためのアッセイ法: キナーゼ活性を有するDAktを物質に曝露する段階、 物質のキナーゼ活性に対する効果を定量的にアッセイする段階、及び 該アッセイの結果に基づき、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻
    害における活性成分としての物質の潜在的適当性を決定する段階。
  67. 【請求項67】 キナーゼ活性を定量的に阻害することが決定された場合、前
    記物質は、プログラム細胞死の誘導における活性成分として潜在的に適当である
    、請求項66記載のアッセイ法。
  68. 【請求項68】 キナーゼ活性を定量的に増強することが決定された場合、前
    記物質は、プログラム細胞死の阻害における活性成分として潜在的に適当である
    、請求項66記載のアッセイ法。
  69. 【請求項69】 キイロショウジョウバエの胚を物質に曝露する段階、 物質の胚における異所性細胞死に対する効果を定量的にアッセイする段階、及び 該アッセイの結果に基づき、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻
    害における活性成分としての物質の潜在的適当性を決定する段階をさらに含む、
    請求項66記載のアッセイ法。
  70. 【請求項70】 下記の段階を含む、ある物質が、プログラム細胞死の誘導又
    はプログラム細胞死の阻害における活性成分として使用するために潜在的に適当
    である否かを決定するためのアッセイ法: ホスファターゼ活性を有するPP2Aを物質に曝露する段階、 物質のホスファターゼ活性に対する効果を定量的にアッセイする段階、及び 該アッセイの結果に基づき、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻
    害における活性成分としての物質の潜在的適当性を決定する段階。
  71. 【請求項71】 ホスファターゼ活性を定量的に阻害することが決定された場
    合、前記物質は、プログラム細胞死の誘導における活性成分として潜在的に適当
    である、請求項70記載のアッセイ法。
  72. 【請求項72】 ホスファターゼ活性を定量的に増強することが決定された場
    合、前記物質は、プログラム細胞死の阻害における活性成分として潜在的に適当
    である、請求項70記載のアッセイ法。
  73. 【請求項73】 キイロショウジョウバエの胚を物質に曝露する段階、 物質の胚における異所性細胞死に対する効果を定量的にアッセイする段階、及び
    該アッセイの結果に基づき、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻
    害における活性成分としての物質の潜在的適当性を決定する段階をさらに含む、
    請求項70記載のアッセイ法。
  74. 【請求項74】 下記の段階を含む、ある物質が、生物の発生の阻止における
    活性成分として使用するために潜在的に適当であるか否かを決定するためのアッ
    セイ法: 転写を開始することができるtrachealessタンパク質を物質に曝露する段階、 タンパク質の転写を開始する能力に対する物質の効果を定量的にアッセイする段
    階、及び 該アッセイの結果に基づき、生物の発生の阻止における活性成分としての物質の
    潜在的適当性を決定する段階。
  75. 【請求項75】 キイロショウジョウバエの胚を物質に曝露する段階、 胚の発生に対する物質の効果を定量的にアッセイする段階、及び 該アッセイの結果に基づき、生物の発生の阻止における活性成分としての物質の
    潜在的適当性を決定する段階をさらに含む、 請求項74記載のアッセイ法。
  76. 【請求項76】 胚の発生に対する物質の効果のアッセイが、気管発達に対す
    る物質の効果を決定することを含む、請求項75記載のアッセイ法。
  77. 【請求項77】 下記の段階を含む、異常な発生に関する素因をその子孫に与
    える潜在性の存在を対象において予測する方法: 対象の遺伝材料の試料を準備する段階、 転写を開始することができる変異trachealessタンパク質をコードするヌクレオ
    チド配列を遺伝材料が含むか否かを決定し、該ヌクレオチド配列の存在を、異常
    な発生に関する素因をその子孫に与える潜在性の存在の指標とする段階。
  78. 【請求項78】 転写を開始することができるtrachealessタンパク質をコー
    ドするヌクレオチド配列を遺伝材料が含むか否かを決定する段階をさらに含む、
    請求項77記載の方法。
  79. 【請求項79】 転写を開始することができるtrachealessタンパク質が、配
    列番号:1として同定されるアミノ配列を含む、請求項77記載の方法。
  80. 【請求項80】 対象の遺伝材料の試料を準備する段階、 ホスファターゼ活性を欠くPP2A変異タンパク質をコードするヌクレオチド配列を
    遺伝材料が含むか否かを決定し、該ヌクレオチド配列の存在を、該潜在的素因の
    指標とする段階を含む、異常な発生に関する素因をその子孫に与える潜在性の存
    在を対象において予測する方法。
  81. 【請求項81】 対象の遺伝材料の試料を準備する段階、 対象の対応する野生型DAkT/PKBの活性よりも低いキナーゼ活性を有する変異DAk
    T/PKBタンパク質をコードするヌクレオチド配列を遺伝材料が含むか否かを代替
    的に決定し、該ヌクレオチド配列の存在を、該潜在的素因の指標とする段階を含
    む、異常な発生に関する素因をその子孫に与える潜在性の存在を対象において予
    測する方法。
  82. 【請求項82】 細胞におけるPP2Aの活性を阻害することを含む、細胞におい
    てプログラム細胞死を誘導する方法。
  83. 【請求項83】 細胞におけるPP2Aの活性の阻害が、該細胞に、その翻訳を減
    少させるためにそれに結合するPP2AをコードするmRNAに十分に相補的であるアン
    チセンス核酸分子の有効量を投与することを含む、請求項82記載の方法。
  84. 【請求項84】 細胞におけるPP2Aの活性の阻害が、ホスファターゼ阻害剤を
    有効量、細胞に投与することを含む、請求項82記載の方法。
  85. 【請求項85】 阻害剤がミクロシスチンLR及びカリキュリン(caliculin)
    からなる群より選択される、請求項84記載の方法。
  86. 【請求項86】 下記の段階を含む、ある物質が、プログラム細胞死の誘導又
    はプログラム細胞死の阻害における活性成分として使用するために潜在的に適当
    である否かを決定するためのアッセイ法: 天然においては配列プロモーター/エンハンサーと機能的に連結していないレポ
    ーター遺伝子が、trachealessが作用するプロモーター/エンハンサーと機能的
    に連結している細胞を準備する段階、 細胞を物質に曝露する段階、 レポーター遺伝子の発現に対する物質の効果を定量的にアッセイする段階、及び 該アッセイの結果に基づき、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻
    害における活性成分としての物質の潜在的適当性を決定する段階。
  87. 【請求項87】 細胞がキイロショウジョウバエの細胞である、請求項86記載
    のアッセイ法。
  88. 【請求項88】 プロモーター/エンハンサーが配列番号:3なるヌクレオチ
    ド配列を含む、請求項87記載のアッセイ法。
  89. 【請求項89】 決定段階が、レポーター遺伝子の発現に対する物質の効果を
    、物質の非存在下におけるレポーター遺伝子の発現と比較することを含む、請求
    項86から88のいずれか一項記載のアッセイ法。
  90. 【請求項90】 物質がキナーゼ阻害剤又はホスファターゼ阻害剤である、請
    求項86から89のいずれか一項記載のアッセイ法。
  91. 【請求項91】 レポーター遺伝子の発現を定量的に阻害することが決定され
    た場合、前記物質は、プログラム細胞死の誘導における活性成分として使用する
    ために潜在的に適当である、請求項86から90のいずれか一項記載のアッセイ法。
  92. 【請求項92】 レポーター遺伝子の発現を定量的に増強することが決定され
    た場合、前記物質は、プログラム細胞死の阻害における活性成分として使用する
    ために潜在的に適当である、請求項86から91のいずれか一項記載のアッセイ法。
  93. 【請求項93】 下記の段階を含む、ある物質が、プログラム細胞死の誘導又
    はプログラム細胞死の阻害における活性成分として使用するために潜在的に適当
    であるか否かを決定するためのアッセイ法: 細胞を物質に曝露する段階、 trachealess遺伝子の発現に対する物質の効果を定量的にアッセイする段階、及
    び 該アッセイの結果に基づき、プログラム細胞死の誘導又はプログラム細胞死の阻
    害における活性成分としての物質の潜在的適当性を決定する段階。
  94. 【請求項94】 アッセイ段階が、物質の存在下で細胞により産生されたtrac
    healessをコードするRNAの量を決定すること、及び該量を、物質の非存在下で細
    胞により産生されたtrachealessをコードするRNAの量と比較することを含む、請
    求項93記載のアッセイ法。
  95. 【請求項95】 trachealessをコードするRNAの量の決定が、それと相補的な
    プライマーの存在下でRNAを増幅することを含む、請求項94記載のアッセイ法。
  96. 【請求項96】 発現を定量的に阻害することが決定された場合、前記物質は
    、プログラム細胞死の誘導における活性成分として潜在的に適当である、請求項
    94記載のアッセイ法。
  97. 【請求項97】 発現を定量的に増強することが決定された場合、前記物質は
    、プログラム細胞死の阻害における活性成分として潜在的に適当である、請求項
    94記載のアッセイ法。
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