JP2003517541A - 封じ込め性および軸方向強度の改良された複合パイプ構造体 - Google Patents

封じ込め性および軸方向強度の改良された複合パイプ構造体

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JP2003517541A JP2000551945A JP2000551945A JP2003517541A JP 2003517541 A JP2003517541 A JP 2003517541A JP 2000551945 A JP2000551945 A JP 2000551945A JP 2000551945 A JP2000551945 A JP 2000551945A JP 2003517541 A JP2003517541 A JP 2003517541A
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ライザ マリー−アンドリー モネット
マイケル ポール アンダーソン
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Abstract

(57)【要約】 微小亀裂および離層に対する耐性の改良された複合積層型繊維強化プラスチックパイプが開示されている。このパイプは、パイプ壁構造を形成する積層された複数の層を備えており、これらの層には、熱硬化樹脂バインダ中に埋め込まれ長手方向パイプ軸に対して0°から+/-30°までの角度で配置された強化用連続繊維を含有する外側軸方向支持層と、この外側層の内面に接触してなり、熱硬化樹脂バインダ中に埋め込まれ長手方向パイプ軸に対して+/-30°よりも大きい角度で配置された強化用連続繊維を含有する内側層とが含まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、繊維強化ポリマ複合積層体を含む壁構造を有してなるパイプおよび
チューブに関する。
【0002】 関連技術の説明 繊維強化プラスチックパイプ(FRPパイプ)は、化学プラントにおけるパイ
プとしての用途のほかに、油井およびガス井の掘削で使用されるケーシングなら
びに坑井から原油および天然ガスを輸送するためのケーシングおよびチューブと
しての用途が増大している。
【0003】 油/ガス用途においてFRPパイプが炭素鋼パイプよりも優れている点として
は、卓越した耐食性、機械的性質の設計目標を達成する上での柔軟性、および改
良された耐疲労性が挙げられる。また、FRPパイプは、所定の壁厚さに対して
、その対応する鋼パイプよりもかなり軽量である。
【0004】 原油パイプラインや油井用チューブのような高圧パイプまたはケーシングに使
用すべく設計されたFRPパイプは、一般的には、連続ガラスフィラメントのよ
うな高強度材料のフィラメントのロービングをエポキシ樹脂のような熱硬化性樹
脂組成物で含浸させ、含浸したフィラメントを張力下で行ったり来たりさせなが
らマンドレルに巻き取って複数のかみ合ったフィラメント巻線を形成することに
よって調製される。フィラメントは、パイプ軸に対して90°の角度でまたはパ
イプ軸に対して0°から±約90°(+/−90°)までの角度で巻き取ること
が可能である。巻き角が長手方向パイプ軸に対して0°〜90°の間にある場合
、螺旋状フィラメント巻線パターンが形成される。所望のパイプ壁厚さになった
後、巻取り操作を停止し、樹脂を硬化させ、そしてマンドレルを引き抜くと、そ
の結果、繊維強化壁構造を有する円筒形パイプが得られる。このタイプのFRP
パイプおよびそれらの製造方法は、例えば、米国特許第2,843,153号お
よび同第5,330,807号に開示されている。これらの特許の全開示内容は
、参照により本明細書に組み入れる。
【0005】 陸上または海洋での化石燃料の回収に使用すべく設計されたFRPパイプは、
それに加わる2つの基本的な力に耐えるように作製しなければならない。第1の
力は、中圧〜高圧の下でパイプ中を通って搬送される流体(油または掘削泥水)
によってパイプ壁の法線ベクトルに沿って加えられる外向き半径方向荷重であり
、フープ荷重としても知られている。第2の力は、パイプ軸に平行なベクトルに
沿って加えられる軸方向引張荷重であり、この力は、流体の圧力によって、なら
びに/あるいは坑井の地中部分におよび/または陸上での回収作業において坑井
と地上プラットホームとの間に吊り下げされた連結パイプ材の長いストリングの
重量によって、引き起こされる。これらのストリングは、しばしば、3,000
〜10,000フィート(約850〜2800メートル)の長さで吊り下げられ
、この場合、運転時およびパイプストリングが化石燃料の回収プロセス中に挿入
および除去される時に引き起こされる1平方インチあたり約2500ポンド(す
なわち2.5ksi)を超える長期軸方向応力に耐えることができなければなら
ない。
【0006】 最大フープ強度を有するFRPパイプは、強化用繊維がパイプ軸に対して90
°に近い角度、例えば、+/−70°から90°までの角度で巻き取られる場合
に設計することができる。これとは逆に、最大引張強度は、強化用繊維がパイプ
軸に対して0°に近い角度、例えば、+/−30°から0°までの角度で適用さ
れる場合に得られる。しかしながら、90°またはそれに近い角度で巻き取られ
たパイプは軸方向引張強度の著しい低下を呈し、一方、0°またはそれに近い角
度で巻き取られたパイプはフープ強度の著しい低下を呈する。+/−30°〜+
/−70°の中間パイプ軸角度で巻き取られたパイプ(例えば、米国特許第2,
843,153号に開示されているパイプ)は、一般に、フープ強度と特に軸方
向強度との妥協の産物であり、多くの化石燃料回収作業で実用するには強度が不
十分であると考えられる。
【0007】 フープ強度および軸方向強度の両方を最大化すべく試行されている方法の1つ
は、強化用繊維複合体を別々の積層として互いに積み重ねる方法である。この場
合、各層は、フープ応力または軸方向応力に対する耐性を最大化するとともに複
合パイプの膨張率を最小化するように設計された異なるパイプ軸方向の角度で繊
維を含有する。+/−20°〜+/−60°の繊維層と90°の層とを交互に含
有してなるこうした構成体の例は、米国特許第5,330,807号に開示され
ている。このほかに類似の層構成の積層体が米国特許第4,728,224号お
よび同第4,385,644号に開示されている。
【0008】 複数(例えば、3〜9)の別々の層を含有してなるこのタイプの積層体は、一
般的には、フープ剛性または軸方向剛性を最適化するように設計されており、従
って、一方向繊維複合体の異方性の利点は得られない。例えば、0°の層と+/
−70°の層とを交互に積み重ねた場合、+/−70°の層の最大フープ強度の
利点も得られないし0°の層の最大軸方向強度の利点も得られない。
【0009】 また、現在市販されている複合積層体は、中程度のパイプ応力レベルを生じる
用途に使用した場合でさえも費用効率が悪いという重大な欠点を呈する。パイプ
接合部もしくはその近傍および/またはパイプの長さに沿ってパイプ壁構造に微
小亀裂や離層が起こると、流体の漏洩経路が形成される。この現象は、一般に、
「ウィーピング」と呼ばれ、パイプの短期破裂圧力の1/5〜1/10の流体圧
力でも起こる可能性がある。これらの微少亀裂を介してパイプ壁構造中に水が進
入すると、ガラス繊維表面および/またはバインダ樹脂が攻撃を受けて離層や早
期パイプ破損が誘発される恐れがある。
【0010】 パイプ壁厚さを増大させることによって微小亀裂を軽減することができるが、
この解決策では、炭素鋼のコストと比較して複合パイプおよびチューブのコスト
が増大する。コストの増大は、中圧〜高圧(注入)用途において炭素鋼の代わり
に複合型のパイプおよびチューブを使用する上で障害になる。また、ダウンホー
ル用途では、壁厚さが増大すると、坑井の直径が制約を受ける場合に複合体を使
用することが難しくなる。なぜなら、流体を流動させるために利用できる横断面
積が炭素鋼の場合よりも小さくなるからである。これらの用途で複合体を使用す
るには、より大きな直径の掘削穴が必要であり、これが原因で掘削コストは更に
増大するであろう。
【0011】 壁厚さを増大させることによって複合パイプの軸方向強度を有意に増大させる
ことはできない。このため、深さが約5000フィートを超えない坑井への複合
型のダウンホールチューブ、ケーシング、および注入チューブの適用が制限され
る。
【0012】 従って、本発明の主な目的は、許容しうるフープ強度および軸方向強度を有す
る層状複合FRPパイプであって、微小亀裂および離層に対する耐性が増大され
ていると同時にパイプが炭素鋼の坑井/ケーシングの寸法に適合するように壁厚
さが低減されている上記パイプを提供することである。
【0013】 発明の概要 本発明は、複数の層から形成された壁構造をもつ細長い中空管状体を有してな
り、各層が各層ごとに同じってあっても異なっていてもよい繊維を含有し、該繊
維が樹脂バインダ中に固定されているとともにパイプの長手方向軸に対して所定
の角度で配向している、繊維強化プラスチックパイプであって、約1μmから1
4μm未満までの範囲の太さ(直径)を有し0°から約+/−30°までの範囲
の角度で配置されている複数の第1の繊維を含有する外側軸方向荷重支持層と、
約+/−30°よりも大きい角度で配置され約1μmから約24μmまで範囲の
太さ(直径)を有する複数の第2の繊維を含有する第2の層とを備えてなる上記
パイプを提供する。
【0014】 このパイプは、雄ねじ型接合部をパイプの一端または両端の外側壁表面に成形
または切削によって設けるときに、成形/切削されたねじ山をパイプの軸方向荷
重支持層の内部/表面に延在させて、この層が化石燃料の回収作業時に発生する
軸方向応力の実質的にすべてに耐えるように設計される。これにより、軸方向荷
重支持層とパイプのフープ強度を最大化すべく設計されている隣接層(1層また
は複数層)との間で生じる剪断応力と軸方向歪みの不整合が低減される。
【0015】 発明の詳細な説明 次に図面について説明する。図1は、本発明の実施形態に従って作製されたパ
イプの雄ねじ型端部の部分断面立面図を示している。図から分かるように、パイ
プは、それぞれ2、3、および4で示されている3層の積層された繊維強化ポリ
マ層ならびに5で示されている任意の第4の保護層またはラッピング層から作製
された細長い中空管状体から成る。6で示されているパイプの端部には、外側強
化層4中に切削または成形により設けられた雄ねじ型テーパ状接合部が含まれて
いる。2および3では螺旋状パターンを形成し4では水平パターンを形成してい
る図中の強化用繊維は、繊維の巻線パターンを例示するために描かれたものであ
り、繊維の巻線密度については所定の尺度で描かれているわけではない。繊維(
本明細書中ではフィラメントとも記す)は、パイプ作製前に、束ねたり、巻いた
り、または撚りを加えたりしてもよい。
【0016】 図1の層4は、パイプの軸方向荷重支持層であり、いくつかのパイプセグメン
トを連結してストリングを形成しストリングを水平(すなわち、地上または地下
)あるいは垂直(すなわち、水中および/または坑井中)に配置した場合にパイ
プに加わる軸方向荷重の実質的にすべてに耐えるように設計されている。軸方向
荷重は、パイプストリングの作製時に連結される2つのパイプ端部と嵌合させる
のに適合した雌ねじ型コネクタまたはカプラ(図示せず)を介して層4に沿って
伝達される。雄ねじ型接合部6のテーパおよび切込みは、軸方向荷重支持層4中
に、好ましくは、下層3に到達しない程度まで延在している。
【0017】 バインダ層4中に存在している繊維は、約1μmから14μm未満までの範囲
の太さを有し、長手方向パイプ軸に対して所定の角度で配置されている。この角
度は、この層の軸方向引張荷重に対する耐性を最大化すべく設計されており、例
えば、0°から+/−30°まで、より好ましくは約+/−15°まで、最も好
ましくは約0°の角度をとる。図1中の4の繊維は、パイプ軸に対して0°の角
度で配置された形で示されているが、この角度は+/−30°を含めて+/−3
0°まで変化しうるものと考えられる。この層に対するの好ましい繊維太さは、
約1μmから約10μmまでの範囲であるが、7μmが特に好ましい。
【0018】 図1中に示されている層3は、パイプのフープ荷重支持層であり、層4に固定
接触した第2の層を構成し、層4の半径方向内側に配置されている。層3中に存
在している強化用繊維は、長手方向パイプ軸に対して+/−30°よりも大きい
角度、より好ましくはパイプ軸に対して+/−40°よりも大きくかつ90°ま
での角度で配置される。層3が唯一のフープ荷重支持層である場合、繊維は、パ
イプ軸に対して少なくとも+/−55°、より好ましくは約+/−70°の角度
で配置される。層3の強化用繊維の太さは、約1μmから約24μmまで、好ま
しくは約10μmから約16μmまでの範囲である。
【0019】 図1中に示されている層3は、唯一のフープ荷重支持層であってもよいし、層
3の半径方向内側に配置され層3と固定接触した層2のような1層以上の別の層
が更に追加されていてもよい。層2は、好ましくは層3中の繊維の配置角度より
も大きい角度かつ長手方向パイプ軸に対して90°までの角度で配置された強化
用繊維を含有する。最も好ましくは、層2中の繊維は、パイプ軸に対して少なく
とも+/−60°の角度で配置される。各フープ応力層の繊維は同じであっても
異なっていてもよく、繊維の太さは、約1μmから約24μmまで、好ましくは
約10μmから約16μmまでの範囲である。
【0020】 パイプが3層の複合強化層を含む本発明の好ましい実施形態では、いずれも長
手方向パイプ軸に対して、層4中の繊維は約0°の角度で配置され、層3中の繊
維は+/−40°から+/−60°、好ましくは約+/−55°で配置され、層
2中の繊維は+/−60°よりも大きい角度、好ましくは約+/−70°で配置
される。
【0021】 図1に示されている層5は、層4中の繊維を樹脂バインダ中にしっかりと結合
させるための保護層または繊維強化巻き層として適用しうる任意の層である。層
5は、軸方向荷重支持層として設計されたものではなく、テーパ状雄ねじ型接合
部6を形成する前にパイプ端部で切り取られている。
【0022】 本発明の複合積層パイプは、先に記載の米国特許第2,843,153号に開
示されているような周知の湿式フィラメント巻取りプロセスによって作製される
。この方法によると、連続強化用フィラメントの束は、流動性樹脂材料(好まし
くは未硬化の熱硬化性樹脂)で含浸され、回転するマンドレル上を行ったり来た
りするシャトルを介して張力下で供給される。このほか、回転するマンドレル自
体が行ったり来たりして、シャトルは固定位置にあってもよい。
【0023】 含浸された繊維の束は、マンドレルに沿って互いに近接または当接した状態で
重ねられ、所望の層厚さになるまで交互に各層上に重ねられて十字形に交差した
(螺旋状の)パターンを形成する。マンドレルの長手方向軸に対する繊維の配置
角度は、シャトルがマンドレルを横切るときのシャトルの横方向速度の関数とし
て広範囲に制御可能である。最初の層の所望の厚さが得られた後(図1中の層2
)、樹脂で含浸された繊維の第2の層(図1中の層3)を層2の場合と異なる角
度で重ねるべくプロセスの調整を行い、順次、積み重ねの作業を繰り返す。また
、フィラメント巻取り法を用いて軸方向荷重支持層4を適用してもよい。ただし
、繊維はマンドレル軸に対して0°の角度で配置される。後者の場合、所望の厚
さの軸方向荷重支持層は、手でレイアップ可能な樹脂飽和プレプレグテープまた
はスリーブとして適用される。このほか、図1中の5に記されているような90
°の外側ラップで保持しながらマンドレルを用いて層3上に0°の繊維を重ねる
場合、長手方向レイダウン法を使用することが可能である。
【0024】 強化用繊維の結合剤としての働きをする樹脂質は、好ましくは、エポキシなど
の熱硬化樹脂である。本発明を実施するのに好ましいエポキシ樹脂としては、ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールグリシジルエーテル、ノ
ボラック樹脂グリシジルエーテル、および脂肪族ポリエポキシドが挙げられるが
、他の好適なエポキシ樹脂を使用してもよい。エポキシ樹脂以外の好適な熱硬化
性のポリマとしては、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、およびポリイミド
が挙げられる。これらの樹脂の縮合度は、樹脂生成物の粘度が管状体の形成に必
要な作業条件に適合するように選択される。熱硬化性のポリマは、好適な硬化剤
と混合される。好適な硬化剤としては、芳香族ポリアミン、ポリアミド、脂肪族
ポリアミン、ポリ酸、ポリ無水物、ジシアンジアミド、第1級もしくは第2級ア
ミン、これらの混合物、または熱硬化性樹脂用の架橋剤として一般に使用される
任意の他の硬化剤が挙げられる。
【0025】 管状パイプ体を形成する際に繊維に適用される樹脂の量は、硬化生成物中に存
在する繊維の体積分率が少なくとも約40%、より好ましくは約50〜70%の
範囲、更に好ましくは約55〜65%の範囲であり残りがエポキシ樹脂組成物で
あるという条件を満たすのに十分な量でなければならない。
【0026】 強化用の繊維、フィラメント、繊維束、またはフィラメント束には、極めて高
い引張強度を呈するガラス繊維、グラファイト繊維、アラミド繊維、もしくはK
evlar(登録商標)繊維の連続フィラメント、またはそれらの組合せが含ま
れていてもよい。軸方向荷重支持層に有用なフィラメントの太さ(直径)は、約
1μmから14μm未満までの範囲であるが、約1μm〜約10μmが好ましく
、7μmが特に好ましい。フープ荷重支持層に有用なフィラメントの太さは、約
1μmから約24μmまでの範囲であるが、約10μm〜約16μmが好ましい
。ガラス繊維は、好ましくは、樹脂バインダに対する繊維表面の湿潤性および接
着性を向上させるアミノポリシロキサンのような材料で被覆される。
【0027】 樹脂で湿潤させた複合パイプをマンドレル上に集成した後、樹脂を硬化させる
のに十分な温度(100〜170℃)まで約30分間から12時間までの範囲の
時間にわたり構造体を加熱することによって樹脂を硬化させ、その後、集成体を
マンドレルから取り出す。
【0028】 再び、図1に戻って説明する。軸方向荷重支持層4の相対厚さは、予想される
長期使用時のパイプへの軸方向荷重(例えば、少なくとも20ksi)に耐える
のに十分なものでなければならない。一般的には、軸方向荷重支持層は、パイプ
壁厚さの50%以下、最も好ましくはパイプ壁厚さの約20%から50%までを
占めるであろう。
【0029】 パイプ壁の残りの部分には、フープ荷重支持層3または層3および2が含まれ
る。フープ荷重支持層(1層または複数層)は、約15ksiを超える長期フー
プ応力に耐えることができるが、好ましくは、約4ksiの最小軸方向応力にも
耐えられるように構成される。
【0030】 本発明に従って作製されるFRPパイプは、約2〜36インチの範囲の外径を
有することができ、通常、油/ガスの製造用および輸送用として使用される。ダ
ウンホール用途に使用されるパイプは、2種類:すなわち、4.5インチ(公称
)以下の外径を有するチューブと、4.5インチ(公称)を超える外径を有する
ケーシングとに分類される。
【0031】 先に述べたように、本発明に従って作製されるFRPパイプは、パイプ壁断面
に沿った軸方向応力およびフープ応力のそれぞれに対処するためのビルトイン型
パイプを提供する。これにより、パイプ壁厚さの低減が可能であると同時に、フ
ープ強度および軸方向強度の両方を100%まで増大させることが可能である。
【0032】 例えば、図2は、外側半径1.37インチおよび内側半径0.97インチなら
びに壁厚さ0.4インチを有する2,000psig規格の市販のチューブの断
面を示している。壁は、+/−70°巻きガラス繊維を含有する交互層を内側か
ら外側へ5層有してなり、0°に配置されたガラス繊維を含有する薄い交互層を
取り囲んでいる。
【0033】 図4は、本発明に従って作製された類似のパイプの断面図を示しているが、壁
厚さはわずか0.25インチにすぎず、内側から外側へ、厚さ0.15インチを
有する単一の+/−70°巻きガラス繊維層と、0°に配置されたガラス繊維を
含有し層厚さ0.10インチを有する単一の軸方向荷重支持層とを備えている。
いずれの場合においても、繊維の体積分率は、各層とも約60%である。
【0034】 各パイプ構成の引張応力およびフープ応力の比較評価から分かるように、図4
の構成では、図2の市販のデザインと比較して、フープ強度が約60%増大し、
軸方向強度が約70%増大する。このことは、本発明のチューブを用いると費用
効率が60〜70%増大するのみならず、現用の市販のチューブを用いて達成さ
れる深さ5000フィートよりも約60〜70%深い距離まで到達できることを
意味する。
【0035】 本発明に従って構成されたパイプにより提供される更なる利点は、軸方向応力
に耐える主要層が単一の外側層であるため、種々の層間の軸方向歪みの不整合が
低減されることである。軸方向荷重は、パイプ壁の断面を横切って剪断荷重とし
て加えられ、結果として軸方向歪み(変形)となって現れる。パイプ壁の断面全
体にわたって軸方向歪みを生じた場合、時間が経つと、パイプ壁の離層および微
小亀裂が起こり、ウィーピングおよび早期パイプ破損として知られている現象を
生じる恐れがある。
【0036】 2種の市販の多層パイプ構成に対する軸方向歪みの不整合が、図2および3に
示されている。また、パイプ接合(略図で示されている)を介してパイプに加わ
る軸方向荷重についても示されている。これらの図は、直接的な引張荷重に耐え
る外側層で生じる歪みおよび種々の層の境界で生じる他の歪みを明確に示してい
る。
【0037】 図4は、本発明のパイプ設計により軸方向歪みの不整合が低減されることを示
している。この場合、軸方向荷重は実質的にすべて、0°の外側層によって支え
られている。
【0038】 以下の実施例により本発明について更に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0039】 実施例1 当技術分野で知られている方法に従って形成された複合パイプについてフープ
応力および軸方向応力の計算を行った。この計算は、樹脂バインダ中に0°の角
度で配置された市販の直径14μmの繊維から形成された外側層を備えてなる繊
維強化パイプに基づいて行った。層中の繊維の体積分率は約60%であった。外
側層は、外側層と同じ繊維から形成された内側層に接触している。内側層の繊維
は、樹脂バインダ中に体積分率60%で存在し、+/−70°の角度で巻かれて
いる。
【0040】 このようなパイプは、長期(10〜30年間)にわたる油生産作業で使用した
場合、約2,000psiの平均外圧および21,000Lbの平均引張荷重を
受けるであろう。従って、このようなパイプの外側層は、2.6ksiのフープ
応力および約21.8ksiの平均軸方向応力に耐えなければならない。内側層
は、15ksiのフープ応力および4.9ksiの平均軸方向応力に耐えなけれ
ばならない。
【0041】 計算結果を表1に示す。これから分かるように、従来の直径14μmの繊維か
ら形成された0°の層は、長期の使用に耐えるに十分な強度を有していない。
【0042】
【表1】
【0043】 表から分かるように、0°の層に対する長期フープ強度の計算値2ksiは、
フープ強度2.6ksiという使用時の要件を十分に満たしていない。繊維の体
積分率を高くすることによってフープ強度を増大させることは実用的でない。な
ぜなら、体積分率が高くなるとボイドの含有率が不必要に大きくなるからである
。このほか、繊維の全量を増加させることによって、従って、外側層の全厚さを
増加させることによって、フープ強度を増大させることも実用的でない。なぜな
ら、繊維を増量すると材料費が高くなり、厚さを増加させると、製造、輸送、お
よび設置にかかるコストが増大するからである。
【0044】 実施例2 本発明の複合パイプについてもフープ応力および軸方向応力の計算を行った。
実施例1の場合と同じように、0°の外側繊維層は+/−70°の内側繊維層と
接触しており、これらの層はいずれも樹脂バインダを有し、バインダ中の繊維の
分率は60%であった。しかしながら、本発明に係る外側繊維層の繊維は直径が
7μmであった。強度計算の結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】 表1と表2の比較から明らかなように、0°の層中で7μmの繊維を使用した
パイプが0°の層中で14μmの繊維を使用した対応するパイプよりも40%大
きいフープ強度を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合パイプエレメントの部分断面立面図である。
【図2】 交互の繊維方向を有する複数の層を備えた異なる市販の複合パイ
プ2種の壁部分の概略断面図である。
【図3】 交互の繊維方向を有する複数の層を備えた異なる市販の複合パイ
プ2種の壁部分の概略断面図である。
【図4】 各層の繊維の方向が本発明に適合している2層複合パイプの壁部
分の概略断面図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年7月10日(2000.7.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】 陸上または海洋での化石燃料の回収に使用すべく設計されたFRPパイプは、
それに加わる2つの基本的な力に耐えるように作製しなければならない。第1の
力は、中圧〜高圧の下でパイプ中を通って搬送される流体(油または掘削泥水)
によってパイプ壁の法線ベクトルに沿って加えられる外向き半径方向荷重であり
、フープ荷重としても知られている。第2の力は、パイプ軸に平行なベクトルに
沿って加えられる軸方向引張荷重であり、この力は、流体の圧力によって、なら
びに/あるいは坑井の地中部分におよび/または陸上での回収作業において坑井
と地上プラットホームとの間に吊り下げされた連結パイプ材の長いストリングの
重量によって、引き起こされる。これらのストリングは、しばしば、3,000
〜10,000フィート(約850〜2800メートル)の長さで吊り下げられ
、この場合、運転時およびパイプストリングが化石燃料の回収プロセス中に挿入
および除去される時に引き起こされる1平方インチあたり17237.5kPa
(2500ポンドまたは2.5ksi)を超える長期軸方向応力に耐えることが
できなければならない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】 壁厚さを増大させることによって複合パイプの軸方向強度を有意に増大させる
ことはできない。このため、深さが1524m(5000フィート)を超えない
坑井への複合型のダウンホールチューブ、ケーシング、および注入チューブの適
用が制限される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】 発明の概要 本発明は、複数の層から形成された壁構造をもつ細長い中空管状体を有してな
り、各層が各層ごとに同じってあっても異なっていてもよい繊維を含有し、該繊
維が樹脂バインダ中に固定されているとともにパイプの長手方向軸に対して所定
の角度で配向している、繊維強化プラスチックパイプであって、1μmから14
μm未満までの範囲の太さ(直径)を有し0°から+/−30°までの範囲の角
度で配置されている複数の第1の繊維を含有する外側軸方向荷重支持層と、約+
/−30°よりも大きい角度で配置され1μmから約24μmまで範囲の太さ(
直径)を有する複数の第2の繊維を含有する第2の層とを備えてなる上記パイプ
を提供する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】 バインダ層4中に存在している繊維は、約1μmから14μm未満までの範囲
の太さを有し、長手方向パイプ軸に対して所定の角度で配置されている。この角
度は、この層の軸方向引張荷重に対する耐性を最大化すべく設計されており、例
えば、0°から+/−30°まで、より好ましくは+/−15°まで、最も好ま
しくは約0°の角度をとる。図1中の4の繊維は、パイプ軸に対して0°の角度
で配置された形で示されているが、この角度は+/−30°を含めて+/−30
°まで変化しうるものと考えられる。この層に対するの好ましい繊維太さは、1
μmから10μmまでの範囲であるが、7μmが特に好ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】 図1中に示されている層3は、パイプのフープ荷重支持層であり、層4に固定
接触した第2の層を構成し、層4の半径方向内側に配置されている。層3中に存
在している強化用繊維は、長手方向パイプ軸に対して+/−30°よりも大きい
角度、より好ましくはパイプ軸に対して+/−40°よりも大きくかつ90°ま
での角度で配置される。層3が唯一のフープ荷重支持層である場合、繊維は、パ
イプ軸に対して少なくとも+/−55°、より好ましくは約+/−70°の角度
で配置される。層3の強化用繊維の太さは、約1μmから約24μmまで、好ま
しくは10μmから約16μmまでの範囲である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】 図1中に示されている層3は、唯一のフープ荷重支持層であってもよいし、層
3の半径方向内側に配置され層3と固定接触した層2のような1層以上の別の層
が更に追加されていてもよい。層2は、好ましくは層3中の繊維の配置角度より
も大きい角度かつ長手方向パイプ軸に対して90°までの角度で配置された強化
用繊維を含有する。最も好ましくは、層2中の繊維は、パイプ軸に対して少なく
とも+/−60°の角度で配置される。各フープ応力層の繊維は同じであっても
異なっていてもよく、繊維の太さは、約1μmから24μmまで、好ましくは1
0μmから約16μmまでの範囲である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】 パイプが3層の複合強化層を含む本発明の好ましい実施形態では、いずれも長
手方向パイプ軸に対して、層4中の繊維は約0°の角度で配置され、層3中の繊
維は+/−40°から+/−60°、好ましくは+/−55°で配置され、層2
中の繊維は+/−60°よりも大きい角度、好ましくは+/−70°で配置され
る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】 管状パイプ体を形成する際に繊維に適用される樹脂の量は、硬化生成物中に存
在する繊維の体積分率が少なくとも40%、より好ましくは50〜70%の範囲
、更に好ましくは55〜65%の範囲であり残りがエポキシ樹脂組成物であると
いう条件を満たすのに十分な量でなければならない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】 強化用の繊維、フィラメント、繊維束、またはフィラメント束には、極めて高
い引張強度を呈するガラス繊維、グラファイト繊維、アラミド繊維、もしくはK
evlar(登録商標)繊維の連続フィラメント、またはそれらの組合せが含ま
れていてもよい。軸方向荷重支持層に有用なフィラメントの太さ(直径)は、1
μmから14μm未満までの範囲であるが、1μm〜10μmが好ましく、7μ
mが特に好ましい。フープ荷重支持層に有用なフィラメントの太さは、約1μm
から約24μmまでの範囲であるが、10μm〜16μmが好ましい。ガラス繊
維は、好ましくは、樹脂バインダに対する繊維表面の湿潤性および接着性を向上
させるアミノポリシロキサンのような材料で被覆される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】 再び、図1に戻って説明する。軸方向荷重支持層4の相対厚さは、予想される
長期使用時のパイプへの軸方向荷重(例えば、少なくとも20ksi)又は13
7900kPaに耐えるのに十分なものでなければならない。一般的には、軸方
向荷重支持層は、パイプ壁厚さの50%以下、最も好ましくはパイプ壁厚さの約
20%から50%までを占めるであろう。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】 パイプ壁の残りの部分には、フープ荷重支持層3または層3および2が含まれ
る。フープ荷重支持層(1層または複数層)は、約15ksiを超える長期フー
プ応力に耐えることができるが、好ましくは、6895kPa(4ksi)の最
小軸方向応力にも耐えられるように構成される。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】 本発明に従って作製されるFRPパイプは、5.08〜91.44cm(2〜
36インチ)の範囲の外径を有することができ、通常、油/ガスの製造用および
輸送用として使用される。ダウンホール用途に使用されるパイプは、2種類:す
なわち、11.43cm(4.5インチ)(公称)以下の外径を有するチューブ
と、11.43cm(4.5インチ)(公称)を超える外径を有するケーシング
とに分類される。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】 例えば、図2は、外側半径1.37インチ、3.4798cmおよび内側半径
2.46cm(0.97インチ)ならびに壁厚さ1.016cm(0.4インチ
)を有する2101.33kPa(2,000psig)規格の市販のチューブ
の断面を示している。壁は、+/−70°巻きガラス繊維を含有する交互層を内
側から外側へ5層有してなり、0°に配置されたガラス繊維を含有する薄い交互
層を取り囲んでいる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】 図4は、本発明に従って作製された類似のパイプの断面図を示しているが、壁
厚さはわずか0.635cm(0.25インチ)にすぎず、内側から外側へ、厚
さ0.381cm(0.15インチ)を有する単一の+/−70°巻きガラス繊
維層と、0°に配置されたガラス繊維を含有し層厚さ0.254cm(0.10
インチ)を有する単一の軸方向荷重支持層とを備えている。いずれの場合におい
ても、繊維の体積分率は、各層とも約60%である。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】 このようなパイプは、長期(10〜30年間)にわたる油生産作業で使用した
場合、13790kPa(2,000psi)の平均外圧および95256kg
(21,000Lb)の平均引張荷重を受けるであろう。従って、このようなパ
イプの外側層は、17927kPa(2.6ksi)のフープ応力および150
311kPa(21.8ksi)の平均軸方向応力に耐えなければならない。内
側層は、103425kPa(15ksi)のフープ応力および33785.5
(4.9ksi)の平均軸方向応力に耐えなければならない。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
【表1】
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】 表から分かるように、0°の層に対する長期フープ強度の計算値2ksiは、
フープ強度17927kPa(2.6ksi)という使用時の要件を十分に満た
していない。繊維の体積分率を高くすることによってフープ強度を増大させるこ
とは実用的でない。なぜなら、体積分率が高くなるとボイドの含有率が不必要に
大きくなるからである。このほか、繊維の全量を増加させることによって、従っ
て、外側層の全厚さを増加させることによって、フープ強度を増大させることも
実用的でない。なぜなら、繊維を増量すると材料費が高くなり、厚さを増加させ
ると、製造、輸送、および設置にかかるコストが増大するからである。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
【表2】
【手続補正書】
【提出日】平成13年7月5日(2001.7.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】削除
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンダーソン マイケル ポール アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08809−1143 クリントン ウェストウェ イ 10 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA15 BA25 BA26 BA28 CB04 CB08 CB14 CC12 DA07 DB08 4F100 AK01A AK01B AK01C AK53A AK53B BA03 BA07 BA10A BA22 DA11 DG01A DG01B DG01C DH02A DH02B DH02C GB07 GB31 GB51 JB13A JB13B JK02 JK05 YY00A YY00B YY00C

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の層から形成された壁構造をもつ長手方向軸を同心とし
    た細長い中空管状体を有してなり、該層のうちの少なくとも2層が樹脂バインダ
    中に固定された繊維を含有し、該繊維がパイプの長手方向軸に対して角度をなし
    て配置されている、繊維強化プラスチックパイプであって、約1μmから14μ
    m未満までの範囲の太さを有し0°から約+/−30°までの範囲の角度で配置
    されている複数の第1の繊維を含有する外側層と、約+/−30°よりも大きい
    角度で配置され約1μmから約24μmまで範囲の太さを有する複数の第2の繊
    維を含有する第2の層とを備えてなる上記パイプ。
  2. 【請求項2】 前記第1の繊維が前記長手方向パイプ軸に対して約+/−1
    5°未満の角度で配置され約1μmから約10μmまでの範囲の太さを有する、
    請求項1に記載のパイプ。
  3. 【請求項3】 前記第1の繊維が前記長手方向パイプ軸に対して約0°の角
    度で配置され7μmの太さを有する、請求項1に記載のパイプ。
  4. 【請求項4】 前記軸方向荷重支持層が前記パイプ壁厚さの50%以下を占
    める、請求項1に記載のパイプ。
  5. 【請求項5】 前記第2の繊維が前記長手方向パイプ軸に対して約+/−4
    0°よりも大きくかつ90°までの角度で配置され約10μmから約16μmま
    での範囲の太さを有する、請求項1に記載のパイプ。
  6. 【請求項6】 前記第2の繊維が前記長手方向パイプ軸に対して約+/−5
    5°よりも大きい角度で配置されている、請求項5に記載のパイプ。
  7. 【請求項7】 前記第2の層の半径方向内側で前記第2の層に固定接触した
    状態で配置されている第3の層を更に備えてなり、該第3の層が第3の繊維を含
    有し、該第3の繊維が前記第2の繊維の配置角度よりも大きい角度かつ90°ま
    での角度で配置され約1μmから約24μmまで範囲の太さを有する、請求項1
    に記載のパイプ。
  8. 【請求項8】 前記第2の繊維が前記長手方向パイプ軸に対して約+/−4
    0°よりも大きくかつ約+/−60°までの角度で配置され、前記第3の繊維が
    前記長手方向パイプ軸に対して約+/−60°よりも大きくかつ90°までの角
    度で配置されている、請求項7に記載のパイプ。
  9. 【請求項9】 前記樹脂バインダが熱硬化樹脂である、請求項1に記載のパ
    イプ。
  10. 【請求項10】 前記熱硬化樹脂がエポキシ樹脂である、請求項1に記載の
    パイプ。
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