JP2003515419A - 心臓駆出率および心室拡張期容積の評価 - Google Patents

心臓駆出率および心室拡張期容積の評価

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JP2003515419A JP2001542813A JP2001542813A JP2003515419A JP 2003515419 A JP2003515419 A JP 2003515419A JP 2001542813 A JP2001542813 A JP 2001542813A JP 2001542813 A JP2001542813 A JP 2001542813A JP 2003515419 A JP2003515419 A JP 2003515419A
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ルーチー ディー. ロテリューク,
ラッセル マッカウン,
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、下流インジケータ濃度信号y(t)を感知することにより、心臓機能値(例えば、心拍出量(CO)および心臓駆出率(EF))を評価する。上記下流インジケータ濃度信号y(t)は、患者の血液チャネル中の上流に注入されるインジケータ(好適には熱)信号x(t)に対応する。上記信号x(t)は好適には、高状態と低状態との間の一連の交互の遷移(例えば、RRBS信号)として生成される。その後、上記信号y(t)は、x(t)と同期する少なくとも1つのサブ信号に分割される。その後、時間ドメインチャネル弛緩モデルを含むコスト関数を最小かさせる減衰パラメータτを計算する。次いで、τの値に基づいて上記心臓機能値を計算する。上記インジケータ注入信号が遷移するたびに、上記インジケータ濃度信号の対応するセグメントを分離させるのが好ましく、次いでセグメント弛緩パラメータを計算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、心臓の駆出率または拡張末期容量あるいはこれら両方の推定値のイ
ンビボ決定および表示に関する。
【0002】 (関連技術の説明) 患者の心拍出量に関する情報は、患者に手術を施す手術チームまたは病気を診
断したり患者の状態をモニタリングしようとする医師にとって非常に有益である
。したがって、心拍出量をモニタリングする何らかの形態の従来の機器がない病
院はほとんどない。
【0003】 心拍出量を決定する一つの通常の方法は、カテーテル上に所定の流量測定デバ
イスを取り付けて、次いで、患者の体内にカテーテルを通し、デバイスが患者の
心臓内または心臓の近傍にあるように操作することである。所定のこのようなデ
バイスは、右心房にあるような上流位置でボーラスまたは熱のいずれかを注入し
て、肺動脈などにあるような下流位置で注入された材料またはエネルギーの特徴
に基づいて流量を決定する。
【0004】 例えば、米国特許第4,236,527号(Newbowerら、1980年
12月2日)および米国特許第4,507,974号(Yelderman、1
985年4月2日)は、熱がインジケータとして用いられる心拍出量を測定する
システムを記載する。このような熱ベースのシステムにおいて、バルーンカテー
テルは、通常、右心房および右心室を介して、肺動脈の枝の近傍に配置される。
カテーテルは、心房および/または心室内に配置される抵抗加熱要素および動脈
内に配置されるサーミスタを含む。次いで、心拍出量は、感知された下流温度プ
ロファイルの関数として計算される。
【0005】 米国特許第5,146,414号(McKownら、1992年9月8日)は
、流路(熱などのインジケータが血液上流に付与される領域から、温度などのイ
ンジケータ濃度が感知される下流位置まで)の伝達関数をモデル化し、ノイズの
近似スペクトルを決定し、システムの出力をフィードバックループ内に用いてモ
デルのパラメータを適応するように更新し、これにより、心拍出量(CO)の推
定値を向上させるシステムを記載する。米国特許第5,687,733号(Mc
Kownら、1997年11月18日)は、COのトレンドおよび瞬時CO値の
両方を推定する初期のMcKown‘414のシステムに対する改良品を記載す
る。さらに、McKownのシステムにおいて、心拍出量(CO)の推定値を得
るには、チャネルの周波数0(DCまたは定常状態)のゲインのみが必要である
【0006】 これらの公知のシステムが異なる正確さで心拍出量の推定値を提供するが、こ
れらのシステムは心臓の駆出率(EF)(通常、心臓の心拍血液量(SV)と拡
張末期容量(EDV)との比率として規定される右駆出率(REF))のいかな
る推定値も提供することができない。したがって、駆出率は、心臓が含み得る血
液をいかに効率的に排出するかを測定することである。
【0007】 この診断が重要であるため、EFを測定するいくつかの公知の方法がある。し
かし、このようなシステムは、注入されたボーラスの使用および血管中の洗浄(
熱希釈)曲線の評価に基づくことが多い。米国特許第4,858,618号(K
onnoら、1989年8月22日発行)は、例えば、右心室の駆出率を決定す
る熱希釈システムを記載する。この公知のシステムにおいて、低温のボーラスイ
ンジケータが右心室内に注入される。ボーラス注入前の温度およびボーラス注入
後の温度が肺動脈中で感知される。温度差を用いて駆出率を決定する。
【0008】 EFを決定するためにボーラスを用いる一つの問題は、測定が開始する位置を
感知されたボーラス曲線上で設定することが困難なことである。なぜならば、曲
線の前部が、混合、心拍数、さらには、投与する看護婦がボーラスを注入しなが
ら、注射器の内筒を押す速度に大きく依存するからである。すべてのこのような
公知のシステムが直面する別の問題は、このようなシステムは心臓のサイクルと
の同期化を必要とし、EFの推定値を生成する場合に心拍作用が減少することで
ある。いくつかのシステムは、洗浄曲線におけるプラトーに基づいて同期化を行
うが、これは高速で非常に正確なサーミスタを前提とする。他のシステムは、E
KGトリガーの同期化に依存する。しかし、EKGの同期化は困難である。なぜ
ならば、EKGの同期化は、他の器具を従属制御する(slave in)ため
、他の器具(それぞれが固有のデータを収集する)のタイミングを正確に調整す
る必要があるからである。
【0009】 EFを決定する既存のシステムのさらなる問題は、心拍によって生成される希
釈プロファイルで別個のプラトーを識別する必要性から生じる。これが必要であ
るのは、これらのシステムがプラトーをマーカーとして用いて、指数関数の曲線
または比率ベースの曲線をデータに当てはめるからである。次いで、プラトーを
用いて希釈減衰が評価される。しかし、このアプローチは、実際には、比較的遅
い心拍数および応答が減衰パラメータτより著しく速いサーミスタに対してのみ
正確である。
【0010】 事実上、これらの従来のシステムは、方形波希釈曲線を想定する。しかし、こ
れは、通常、非現実的な想定である。第一に、病院でEF測定が必要な患者のほ
とんどは、最良の健康状態にない。むしろ、これらの患者は、比較的高く、不規
則な心拍数を有する傾向にある。さらに、比較的冷たい流体のボーラスを用いる
システムにおいて、感知された心拍数は不正確である場合が多い。これは、冷た
いボーラス自体が心拍数だけでなくその規則性にも影響を与える傾向にあるから
である。第二に、実際のサーミスタはプラトーを歪ませるため、指数関数の当て
はめ自体が歪む。第三に、EFが上昇するにつれて、プラトー内の降下も上昇す
る。これにより、システムが用いるプラトーがより少なくなるため、正確さが減
少する。なぜならば、これらのシステムの信号対雑音比が制限されているからで
ある。
【0011】 例えば、一つの公知のシステムは、速い応答のインジェクテート心拍出量(i
njectate cardiac output)の肺動脈カテーテルと共に
心電図のR波検出器を用いて、EFおよびEDVを測定する。次いで、REFを
測定する指数関数法は、R波事象と熱希釈曲線のダウンスロープの間に生じたプ
ラトーとの同期化を行い、曲線の減衰と指数関数とを当てはめる。したがって、
T(i)がi番目のR波の後のPA温度であって、かつ、T(i−n)がT(i
)より前のn番目のR波の温度である場合、 T(i)=T(i−n)exp(−t/τ) (式1) であり、tは時間、およびτは減衰パラメータである。
【0012】 次いで、生理学的洗浄減衰は(1−EF)によって表され得、nは観測間隔
(例えば、ピークの80%から30%に下がる)におけるR波の数である。次い
で、心拍数(HR)で時間を表すことも可能である。
【0013】 t=n60/HR (式2) HRは、一分当たりの心拍が(i−n)番目から(i)番目までのR波の局所
平均である。これらの関係を考慮すると、以下が示され得る。
【0014】 EF=1−exp(−60/(τHR)) (式3) このシステムの問題のうちの一つは、サーミスタが十分に速い応答時間を有し
て、実際の生理学的減衰時間の測定を可能にする必要があることである。これに
よって、低い心拍数では、収縮(減衰パラメータτを決定する際に処理する必要
がある)の間に温度データ内にプラトーが生成される。これは、実際、R波の同
期化に関する主な理由である。なぜならば、この他には、必要なものは局地平均
HRのみだからである。
【0015】 この公知のシステムの別の問題は、これらのシステムがボーラスベースであり
、かつ本来、断続的なことである。さらに、温度データの一部分(R波の約80
%の洗浄からR波の約30%の洗浄:通常、1個〜5個のR波)しか用いないこ
とである。これは、不規則なR波の間隔または呼吸の通気などの大きな雑音源に
起因して、変異性または正確さの欠如をインジェクテート心拍出量(ICO)の
測定値に導入する。
【0016】 初期のMcKownシステムは、代わりに入力インジェクテート信号(好適に
は、擬ランダムバイナリー熱信号の形態)を生成して、次いで、入力−出力チャ
ネルの伝達関数モデルのパラメータを推定することによって、このようなボーラ
スベースのアプローチを改良する。用いられる好適なモデルは、(以下に説明す
る)遅延された正規伝達関数である。伝達関数モデルの測定およびモデリングの
両方は、周波数ドメイン内で好適な入力インジェクテート信号の高調波で実行さ
れる。これらのシステムの欠点を理解するには、伝達関数の遅延された正規モデ
ルの少なくとも基本的な理解を有することが有益である。
【0017】 心拍出量を推定する文脈において、Bassingthwaighteらの「
Application of Lagged Normal Density
Curve as a Model for Arterial Dilut
ion Curves」、Circulation Research、vol
.18(1996年)に記載される「遅延された正規モデル」は、特に、正確で
有用であることが証明されている。したがって、遅延された正規モデルは、例え
ば、McKown‘733に用いられる心拍出量のモデルである。遅延された正
規モデルは、インパルス応答がユニティエリアのガウス(正規分布)関数とユニ
ティエリアの減衰指数関数とのたたみこみである線形の時間不変システム(LT
IS)として規定される。ガウス関数は二つのパラメータ:平均μおよび標準偏
差σを有する。指数関数は一つのパラメータ:時間減衰パラメータτを有する。
したがって、サンプリングされた各周波数ω(ωは、このモデルにおいて独立変
数である)におけるユニティゲイン、遅延された正規伝達関数H_LNは、以下
のようにμ、σおよびτに依存する。
【0018】 H_LN(ω|μ,σ,τ)=exp[−j,−ω・μ−(ω・σ)/2]
/(1+j・ω−τ) (式4) expは指数関数であり、パラメータの物理的意味は、 μ:並進流を表す純粋なタイムディレイ σ:ランダム分散の測定値 τ:減衰パラメータ、すなわち、分布容積内の混合と関連付けられた時定数(
この例では、血管) μ、σおよびτの単位は時間(秒)であり、ωの単位はラジアン/秒である。
【0019】 このモデルは、例えば、McKown‘733システムだけでなく、1998
年6月9日に出願された同時係属出願中の米国特許出願第09/094,390
号であり、現在、本発明の発明者らと同じ発明者らのMcKown‘733技術
に基づいた米国特許第6,045,512号として発行されている特許に記載さ
れるより近年のシステムにも用いられる。
【0020】 これらのシステムの好適な実施形態において他のインジケータを用いることも
可能であるが、熱がインジケータとして用いられ、インジケータドライバ信号は
擬ランダムバイナリーシーケンス(PRBS)である。したがって、ドライバ/
センサの対は、好適には、ヒータおよびサーミスタからなる。次いで、H_LN
は、複素数Hxy(ω)のベクトルの最適化された当てはめとして推定され、
これらの複素数はそれぞれ、ヒータ電力信号xとサーミスタ温度信号yとの伝達
関数の測定値を表す。各ベクトルは、10個の周波数ω(最初の10個のPR
BS高調波)のそれぞれで測定された温度データに合うパラメータを含む。
【0021】 具体的には、McKown‘733のシステムは、状態ベクトルX=[dc,
μ,σ,τ]を計算して、費用関数Cost_Hxyを最小限に留める。費用関
数Cost_Hxyは、 Cost_Hxy=SUM[Hxy_SAE(ω|X)・W(ω)] (
式5) として定義される。合計はN=1〜10に対して計算される(しかし、多くの高
調波も用いられる)。W(ω)は重量であり、 Hxy_SAE(ω|X)=[Hxy_avg(ω)−dc・Hxy_L
N(ω|X)] (式6) である。式6は、状態ベクトルX=[dc,μ,σ,τ]である場合に、PRB
S高調波の周波数ωにおいて、遅延された正規伝達関数モデルHxy_LN(
ω│X)に対して、平均化された測定伝達関数Hxy_avg(ω)の2乗
絶対誤差(SAE)である。
【0022】 μ、σおよびτが既知である場合、10個の測定された複素数Hxy(ω
はそれぞれ、式7によって心拍出量(CO)の推定値を個々に提供する。
【0023】 CO(n)=K・H_LN(ω)/Hxy(ω) n=1〜10 (式
7) Kは既知または実験的に決定可能な変換定数である。
【0024】 この関係を適用するには、McKown‘733のシステムはまず、μ,σお
よびτがあるべき値だけでなく、CO(n)が組み合わされるべき10個の心拍
出量をいかに推定するかも決定する。心拍出量はH(ω)またはHxy(ω)の
形状に依存せず、Hxyの0周波数ゲイン、dcのみに依存することに留意され
たい。しかし、実験的な伝達関数Hxyが0でない10個の周波数ωで測定さ
れるため、McKown‘733のシステムは、本質的に、測定されたHxy(
ω)を補間して0周波数のゲインを得る。次いで、公知の最適化ルーチンを用い
て、10個のモデルリングされた伝達関数値H_xyの最適な当てはめを観測値
に提供する。次いで、COに関して上述した関係は、CO=K/dcまで減少さ
れ得る。dcは摂氏温度/ワットの単位での0周波数(ω=0)のゲイン値であ
り、Kは(リットル/分)/(摂氏温度/ワット)の単位で、実験的に決定され
た定数である。
【0025】 McKown‘733のシステムは、継続CO値(DC値に等しい)および減
衰パラメータτを提供することに留意されたい。ここで「継続」は、表示された
値は、「継続的に変化する」ことを意味せず、初期化期間の後、処理サイクル(
好適には、PRSBサイクル)ごとに更新され得ることを意味することに留意さ
れたい。
【0026】 しかし、周波数ドメイン(通常、相互相関)に基づいた伝達関数測定およびモ
デリングである従来技術には問題がある。これらの従来技術の主な制限は、W.
D.Daviesによって「System Identification f
or Self−Adaptive Control」、Wiley−Inte
rscience(1970年)に記載される制限である。すなわち、「ここで
説明する技術が未知のシステムの周波数応答を識別する技術としても考慮され得
るため、この技術は、残念ながら最終の推定値でシステムの帯域幅内に存在する
雑音の周波数コンポーネントも組み込むが、今日まで信号と雑音との分離を可能
にする理論は存在しない。」という制限である。
【0027】 例えば、McKown‘414のシステムおよび‘733のシステムにおいて
、伝達関数のdcゲインのみが用いられるが、同時係属出願中の米国特許出願第
09/094,390号であり、現在では米国特許第6,045,512号とし
て発行されている特許にあるような他のシステムにおいては、インジケータの減
衰時間定数τと共に心拍数の推定値が用いられる。しかし、これらの従来技術の
アプローチの問題は、推定誤差がパラメータdc、τ、σおよびμ間で結合され
る程度である。この結合は、主に低周波の熱(インジケータ)雑音(例えば、自
然呼吸であろうと機械的呼吸であろうと、患者の呼吸によって生成される雑音)
に起因する。次いで、パラメータの推定値は、心拍出量の推定値に悪影響を与え
、かつ、しばしば推定されたREFおよびEDVの正確さをひどく落とすため、
測定値が臨床的に許容されなくなる。
【0028】 これらの初期の技術の別の問題は、遅延された正規周波数ドメインモデルに対
して4つのパラメータ(dc、μ、σ、τ)を用いて、伝達関数データを分析す
ることである。通常、十分な雑音が存在する場合、最適化ルーチン(例えば、2
乗誤差費用関数の最少化)は、形状パラメータのベクトル(μ、σ、τ)に対す
る局所極小値すなわち偽極小値(false minima)に収束され得る。
すなわち、μ、σおよびτのいくつかの「最良の」組み合わせが存在し得、これ
らのほとんどまたはさらにはすべてが真の値から離れすぎてあるという意味で好
ましくない。これは(所定のDC−τ結合に起因して)継続心拍出量(CCO)
の測定値の質にわずかにしか影響を与えないが、τの正確な推定値が必要なため
、継続EF/EDVの既存のシステムによる正確な決定の主な障害となっている
【0029】 遅延された正規モデルを用いる上述の周波数ドメイン技術のもう一つの欠点は
、この周波数ドメイン技術が限られた高調波数のみに基づいて推定値を計算する
ことである。この結果、主な(最初の10個の)PRBS高調波の帯域幅外に存
在する、より速い時間定数の決定が悪化する。
【0030】 したがって、必要なのは、EFまたはEDVあるいはこれら両方の継続推定値
を生成し得、この推定値がDCおよびτの推定値における低周波によって生じる
誤差によって実質的に影響を受けず、これにより、より正確なCO測定値および
EF/EDV測定値をそれぞれ提供するシステムである。本発明は、COおよび
EF/EDVを決定するシステムおよび対応する方法を提供する。
【0031】 (発明の要旨) 本発明は、患者の心拍出量COおよび/または心拍出率EFなどの心臓機能の
値を推定する方法を提供し、それによって、インジケータ(好適には、熱)が、
所定の注入されたインジケータ信号x(t)によって、患者の心臓内の上流位置
に注入される。次いで、サーミスタなどのインジケータ濃度センサが、局所的な
インジケータ濃度信号y(t)を下流位置で感知する。上流位置からの領域およ
び上流位置を含む領域、ならびに、下流位置への領域および下流位置を含む領域
は、血液の通路を形成する。
【0032】 インジケータ濃度信号は、次いで、注入インジケータ信号と同期的な少なくと
も1つの副信号に分割される。次いで、処理システムが、入力として各副信号を
有する第1の時間領域のチャネル緩和モデルを計算する。次いで、処理システム
はさらに、第1の時間領域のチャネル緩和モデルの既定関数として減衰パラメー
タτを計算する。このプロセッサは、次いで、減衰パラメータτの既定関数とし
て心臓機能の値を推定する。
【0033】 本発明の好適な実施形態において、注入インジケータ信号x(t)は、高い状
態と低い状態との間の一連の交互する遷移として生成される。適切な注入インジ
ケータ信号の例として、周期的かつ擬似ランダムなバイナリシーケンス(好適な
実施形態)、ランダムまたは周期的かつランダムな一連の方形波、三角関数およ
び拡散スペクトル信号などの非バイナリ信号さえもが含まれる。
【0034】 注入インジケータ信号の各遷移に関するy_tau統合(integrati
on)と呼ばれる本発明のある局面によって、インジケータ濃度信号の対応する
セグメントは、各セグメントが副信号の1つを含む状態で分離される。インジケ
ータ濃度信号の各セグメントに関して、次いで、セグメント緩和パラメータが計
算される。次いで、プロセッサは、セグメント緩和パラメータの既定関数として
減衰パラメータτを計算する。
【0035】 注入インジケータ信号が周期的であり、各期間に複数の遷移を有する本発明の
実現において、インジケータ濃度信号の各副信号は、注入インジケータ信号の1
つの期間に対応する。
【0036】 本発明のy_tau統合実施形態はさらに、好適には、減衰パラメータτが計
算される前の全てのセグメントの符号修正(sign−rectificati
on)を含む。
【0037】 y_tau統合において、減衰パラメータτを計算する工程は、好適には、減
衰パラメータの時間領域の指数関数として第1の時間領域のチャネル緩和モデル
を生成する副工程と、減衰パラメータの指数関数とインジケータ濃度信号のそれ
ぞれのセグメントとの間の差の合計の既定関数である費用関数を計算する副工程
と、最低限の費用関数を決定することにより減衰パラメータτを計算する副工程
とを含む。
【0038】 COが推定される本発明の実施形態において、本発明によるシステムは、心拍
数モニタを含む。次いで、費用関数は、好適には、減衰パラメータτと定常状態
チャネルゲインパラメータ(dc)との両方の既定関数である。次いで、本発明
による処理システムは、費用関数を最小化する減衰パラメータτおよび定常状態
チャネルゲインパラメータdcの最適値を判定する。本発明による処理システム
は、次いで、定常状態チャネルゲインパラメータの最適値の既定関数として心拍
出量(CO)値を計算し、定常状態チャネルゲインパラメータの最適値および測
定された心拍数(HR)の既定関数として心拍出率(EF)を計算する。
【0039】 y_avg統合と呼ばれる本発明の第2の局面によって、プロセッサは、イン
ジケータ濃度信号y(t)を複数の副信号に分割して、各副信号を注入インジケ
ータ信号の1つの期間に対応させる。次いで、副信号の平均が、平均化されたイ
ンジケータ濃度信号を形成するために計算される。その結果、チャネル緩和モデ
ルは、減衰パラメータτと定常状態チャネルゲインパラメータ(dc)との両方
の時間領域の遅延正規化関数として生成される。次いで、注入インジケータ信号
に関係する平均化インジケータ濃度信号と時間領域の遅延正規化関数との間の差
の既定関数である費用関数が測定される。次いで、システムは、費用関数を最小
化する減衰パラメータτおよび定常状態チャネルゲインパラメータdcの最適値
を判定する。次いで、COおよびEFの値が、(COの)定常状態チャネルゲイ
ンパラメータならびに(EFの)定常状態チャネルゲインパラメータと測定され
た心拍数との最適値の既定関数として計算される。
【0040】 総合的なパラメータ推定を含む本発明の別の実施形態において、減衰パラメー
タτおよび定常状態ゲインdcの推定値は、3つの異なる方法で判定される。こ
れらの方法は、y_tau統合を使用する方法、y_avg統合を使用する方法
、および、チャネルの周波数領域の遅延正規化モデルに基づいて費用関数を最小
化する最適値を判定する方法である。これらの3つの異なる推定値は、次いで、
正規化され、重み付き平均を使用して組み合わせられる。
【0041】 (詳細な説明) 本発明の2つの主な実施形態について下記で説明する。最も広範な観点から、
好適なインジケータ注入信号x(t)の擬似ランダム性質を時間領域内で利用し
て、dcゲイン(dcゲインから、心拍出量COが計算され得る)と、インジケ
ータ緩和の時定数τ(時定数から、比較的簡単に決定される心拍数HRを想定し
、EF/EDVが計算され得る)との正確な推定が抽出される。これは、統合、
すなわち、注入インジケータ信号x(t)と同期された、感知されたインジケー
タ信号y(t)の累積の組み合わせを使用して達成される。本発明の好適な実施
形態において、入力信号x(t)は、擬似ランダムな雑音キャンセレーションを
提供する擬似ランダム信号である。従来技術によるシステムにおいて、入力信号
に結合されている低周波雑音は、効果的にデカップリングされる。同期信号統合
に関する2つの主な補足的(complimentary)な方法について、下
記に別々に説明する。
【0042】 しかし、これらの方法を掘り下げる前に、本発明の主なハードウェア構成要素
が規定かつ説明される。本発明の特定の実施形態に特有のハードウェア構成要素
について、それぞれの実施形態の他の詳細と共に規定する。
【0043】 (一般的なシステム構成要素) 図1は、本発明によるシステムの第1の実施形態のブロック図であり、このシ
ステムは、患者の心臓の拍出率(EF)もしくは拡張終期の量(EDV)または
その両方を継続的に推定する。このシステムはまた、心拍出量(CO)の推定も
行う。しかし、図1はまた、本発明の両方の主な実施形態で使用されるシステム
構成要素を示す。患者の心拍出量(CO)を正確に測定するために、患者の右心
棒/心室100の中または近傍の血液内へとインジケータを注入し、肺動脈10
2の支流の中または近位のインジケータ濃度信号を感知することが有益である。
従って、これらの注入および感知位置は、本発明の好適な実施形態を示すために
下記に想定される。右心棒/心室から肺動脈を通る血液の流れは、平行な矢印に
よって図1に示される。
【0044】 正確さを増すために、COの測定の基本として熱信号を使用することが好適で
ある。しかし、下記に説明するように、これは、使用され得る唯一の可能なイン
ジケータである。インジケータ注入装置104は、右心棒100内に配置される
。インジケータが熱である好適な実施形態において、注入装置は、電気加熱エレ
メント104である。加熱エレメント104は、好適には、その温度が駆動回路
106を介してエレメントに供給される電流または電圧によって測定される電気
抵抗エレメントであり、この駆動回路は、加熱エレメント104を駆動させて、
その温度を所定の信号プロファイルに従わせる。
【0045】 インジケータ濃度センサ108は、肺動脈102の下流位置に配置される。イ
ンジケータが熱である好適な実施形態において、センサは、サーミスタまたは同
様の温度感知エレメント108である。加熱エレメント104およびサーミスタ
108は、好適には、カテーテルの遠位端でまたはその近傍で互いに間をあけて
取り付けられ、次いで、患者の血管内へと送り込まれ、かつ、加熱エレメントお
よびサーミスタがそれぞれの動作位置に達するまで血管内へと突き通される。こ
の技術は周知であり、従って、詳細に説明されない。
【0046】 従来の電力および時計の装置が好適に含まれ、駆動回路106および本発明の
他の構成要素に電力およびタイミング信号を供給する。これらの装置は周知であ
るため、図示もこれ以上の説明もされない。
【0047】 ここで、サーミスタ108が高速応答をすることが想定され、このことは、そ
の瞬間温度信号y(t)が、その温度が測定されている血液の実際の瞬間温度を
厳密かつ予測可能に反映することを意味する。この想定が有効でない場合、「逆
」の伝達関数工程が次のフィルタリングに含まれ得、センサの遅い応答時間の影
響を補正し得る。このオプション手順の概略を下記に示す。
【0048】 インジケータ濃度信号y(t)を測定するサーミスタ108からの電気出力信
号は、入力信号として主要処理システム(プロセッサ)112に適用される。プ
ロセッサ112は、任意の公知のアーキテクチャを用いて実施され得る。例えば
、処理システム112は、メモリ113などの標準補助構成要素と専用ボード上
の調整回路と共に単一の専用マイクロプロセッサを含み得る。他方で、本発明で
使用される処理システム112はまた、患者のモニタリングのための他の機器な
どの他の無関係のシステムとそのリソースを共有し得る。プロセッサ112の種
々の副処理構成要素について、本発明の異なる実施形態に関して下記に説明する
。当業者が理解するように、任意または全てのこれらの構成要素は、ハードウェ
アまたはソフトウェアのいずれかで実施され得る。
【0049】 本発明の全ての実施形態に共通する1つの副処理構成要素は、注入信号ジェネ
レータ114である。この副プロセッサ(ソフトウェアまたはハードウェアのい
ずれかにおいて、一般的な処理システム112自体として実施される)は、加熱
エレメント104が従うべきON−OFF状態のパターンを生成する。
【0050】 プロセッサ112はまた、従来のディスプレイ(および/または印刷)ユニッ
ト120に接続されるか、または、それを含み、それによって、計算されたCO
ならびにEFおよび/またはEDVの値がユーザに表示される。ディスプレイ1
20は、任意の従来の表示ドライバまたは他の標準回路を含む。
【0051】 (注入インジケータ信号x(t)) 本発明の好適な実施形態において、注入装置が従う注入インジケータ信号(好
適には、熱)プロファイルx(t)は、McKown’733特許に記載の通り
である。このシステムにおいて、上記のYeldermanシステムと同様に、
擬似ランダムバイナリシーケンス(PRBS)に基づいて熱信号が生成されて、
スペクトル含有量が高いが、平均加熱温度が低く、従って、外傷が少ないような
効率的に感知可能な濃度信号y(t)(好適には、熱)が下流の感知位置に提供
される。さらに、信号は擬似ランダムであるが、常にシステムに既知であり、そ
の結果、それに基づく計算の特徴は、周知であり、かつ、よく調整されている。
【0052】 PRBSの数学的な構造および他の特性は周知である。一般的には、PRBS
は、2”−1バイナリ状態からなり、「ON」または「1」状態の総数は、「O
FF」または「0」状態の数より1だけ多いまたは少なく、これらの状態は、擬
似ランダムに分配される。本発明の図示の実施形態において、15の状態を有す
るPRBS(n=4)が、30〜60秒の期間にわたって想定される。この長さ
は、心臓(heart=s)の生理学的ウォッシュアウト特性の帯域幅に一致す
る。しかし、本発明において他のPRBSの長さが使用され得、異なるPRBS
シーケンスに調整するために必要な下記の方程式の修正は、当業者に明らかであ
る。所定のアプリケーションに関する最高のPRBSの長さは、通常の実験的な
方法を用いて選択され得る。
【0053】 本発明の種々の実施形態の下記の説明において、血液内へと注入されるインジ
ケータとして熱が使用されることが想定される。このようにして、上流のインジ
ケータドライバは加熱エレメントであり、下流のインジケータセンサはサーミス
タである。これは、この技術が確立されており、かつ、本発明の原型およびテス
トからの選択であったため、好適な選択である。McKown’733に記載の
方法を使用すること、さらには、インジケータとして熱を使用することは、非常
に正確なCO推定値をもたらす。それにも関わらず、熱は、本発明に使用され得
るたった1つの可能なインジケータである。使用されているインジケータ注入器
およびセンサが、測定可能な、十分に明確に規定された、かつ、雑音のない信号
(通常の実験によって測定され得る)を生成する限り、この信号は、残りのシス
テムへの修正を全く行わないか、または、簡単に実現可能な修正を行うことによ
り本発明に使用され得る。
【0054】 本発明に使用され得る異なるインジケータの一例として、公知の装置を使用す
る代わりに、公知の発光材料が患者の心臓内へと注入され得る。次いで、ルミネ
センスは、公知のセンサを使用して下流で感知され得、ルミネセンスの変化例は
、インジケータ濃度信号として機能し得る。弱放射性染料または薬剤が同様に使
用され得る。
【0055】 同様の注入パターンに従うために流体を注入することも可能である。注入期間
が十分に遅い限り、例えば、小さなボーラスが血液の流れの中へと放出されて、
PRBSプロファイルが見積られ得、インジケータ濃度信号を確立するために、
対応する公知のセンサを使用してボーラス材料の濃度が下流で感知され得る。要
するに、使用されているインジケータ注入器およびセンサが、測定可能な、十分
に明確に規定された、かつ、雑音のない信号(通常の実験によって測定され得る
)を生成する限り、この信号は、残りのシステムの修正を全く行わないか、また
は、簡単に実現可能な修正を行うことにより本発明で使用され得る。
【0056】 (y_avg統合) 本発明の第1の実施形態は、x(t)と同期の測定された出力信号y(t)の
複数のサイクルを平均化することにより、完全に時間領域内のdcおよびτパラ
メータの正確な推定を行う。信号統合化の形式で行われる平均化プロセスは、正
確さを増し、低周波雑音の影響を取り除くことを支援する。次いで、平均化され
た出力信号は、好適には、チャネルの遅延正規化モデルの「時間領域」バージョ
ンを含む費用関数において使用される。これらの工程について、ここで、図1と
図2A〜図2Bとの両方を参照して詳細に説明する。
【0057】 図2Aは、本発明の好適な実施形態に使用される15の状態を有するPRBS
入力信号x(t)の1つの期間を示す。「1」または「ON」状態は、加熱エレ
メント104が、許容可能な最大電力であることを示す。「0」または「OFF
」状態は、加熱エレメントへの電力が切断されていることを示す。PRBSの隣
接する(時間的)状態が、時として同じであることに留意されたい。従って、状
態4〜7は全て「ON」であり、状態8〜10は全て「OFF」である。
【0058】 本発明のある原型において、x(t)の全体の期間に関して、従って、y(t
)の1サイクルに関して、全体の時間が30〜60秒である場合、PRBS状態
は2〜4秒で変化し得る。この時間の範囲は、本発明の好適な実施形態において
使用されるいくつかの期間において、信頼性および安定性のある読取りを行うこ
とが保証されている。
【0059】 図2Bは、熱雑音がほとんどない、または、全くないという条件下で、図2A
の入力信号に応じて、血液の感知された温度に対応する典型的なサーミスタ信号
y(t)を示す。予想されるように、推定されるが、しかし、下記のような最適
化ルーチンを使用するそれぞれの遷移において、対応(遅延正規化モデルのパラ
メータτに対応する)にわずかな遅れが生じる。
【0060】 y(t)に基づく遅延された正規化形状パラメータ(lagged norm
al shape parameters)を評価する際の厄介な問題は、y(
t)の単測法が、自然通気または機械的通気によって引き起されるような低周波
ノイズによって強く影響され得ることである。本発明の好適な実施形態において
、y(t)のいくつかのサイクルは、好適には、処理システム112によって感
知および記録され、その後、これらは平均化される。各出力信号y(t,i)は
、同じ入力信号x(t)プロファイルから引き出され、同じチャネルを通って、
好適には周期的に伝送されることに留意されるべきである。従って、x(t)の
各周期は、y(t)の周期を与える。換言すると、y(t)は、y(t,i)に
解析され、x(t)上で各々トリガーされる。y(t,i)をN個の検知された
出力信号y(t)のi番目とし、y(t,i)は、x(t)のi番目の入力サイ
クルx(t,i)への応答に対応する。各y(t,i)が同じ開始点、すなわち
、iから独立した同じx(t,i)開始時間から観察されると想定すると、ノイ
ズがなく、血液チャネルのすべての特性が一定の状態で保持されるとするならば
、y(t,i)のすべての値は理想的に一致する。
【0061】 ノイズの影響を低減するために、いくつかのy(t,i)値は、従って、好適
に計測および記録され、その後、算術的に平均化され、単一の積算された出力信
号yavg(t)を形成する。この信号は、次の計算において用いられる。従っ
て、 yavg(t)=1/NSUM y(t,i) (式8) ここで、合計は、i=1〜Nにわたって取られる。
【0062】 y(t,i)計測値の必要な蓄積、および平均化ステップは、例えば、出力平
均化下位処理ブロック(処理モジュール)またはルーチン210において実行さ
れる。注入信号発生器(injection signal generato
r)114は、(ハードウェアトリガリングを用いてか、または単にソフトウェ
アによって)この出力平均化ブロック210と好適に接続され、各y(t,i)
計測の開始時間および終了時間のトリガリング、従って、一致した定義を提供す
る。
【0063】 通気ノイズは擬似ランダムではなく、x(t)(従って、y(t)の応答)は
擬似ランダムであるので、y(t,i)ランが何度平均化されたかに依存して、
通気ノイズは、この平均化(積分)プロセスによって低減される。臨床試験は、
通気ノイズの著しい抑制はn=7のときに達成され得ることを示した。しかしな
がら、出力信号が平均化されるほど、CO、EFおよびEDV評価を得るのによ
り長くかかり、システムがこれらの値における短期の変化を検出しないことにな
る可能性が高まる。従って、nの「最良」値は患者および用途に依存し、通常の
臨床的方法および実験方法を用いて選択され得る。
【0064】 値yavgが決定されると、本発明の、この第1の実施形態において、この値
は費用関数において用いられる。この費用関数は、遅延正規化モデルを含むが、
ここでは、遅延正規化モデルh_LNとしてタイムドメインで表される。このモ
デルのパラメータは、モデル下位処理ブロックまたはルーチンモジュール216
に格納され得る。遅延正規化モデルの一般的な構造は周知である。すなわち、遅
延正規化モデルの1つのタイムドメイン式であり、これはdcの正確な結果を与
え、τは以下のように定義されることが臨床試験で判明した。 h_LN(t|dc,μ,s,t)=dc1/(2τ)exp{−(t−μ)
/ τ+1/2(s/t){erf[(t−μ−s/τ)/(sSQRT
2)]+erf[(μ+s/τ)/(sSQRT2)]}/fs (式9) ここで、erfは、標準誤差関数である、 SQRTは平方根を示す、 fsは周波数であり、これを用いてy(t)が、例えば、y(t,i)平均化
ブロック210によってサンプリングされるか、あるいは、処理システム112
における、または処理システムに接続された従来の調整回路(conditio
ning circuitry)およびサンプリング回路のいずれかが、サーミ
スタ108出力信号y(t)を受信、調整およびサンプリングするために含まれ
る。
【0065】 定常状態温度はdc利得を決定し、その結果、緩和曲線の形状は、遅延正規化
形状パラメータ(μ,s,t)によって決定される。
【0066】 本発明のこの実施形態において、yavg(t)の波形は、その後、このタイ
ムドメインを用いて費用計算下位処理ブロックまたはルーチン220によって解
析され、遅延正規化形状モデルインパルス応答h_LNは、公知の任意の最適化
アルゴリズムを発見および用いることによって分析される。状態ベクトルX=(
dc,μ,s,t)は、以下の費用関数を最小化する。
【0067】
【数1】 ここで、 ymodel_aνg=x(t)はh_LN(X)で畳み込まれ、 関数yavg(t)およびymodel_aνg=x(t)は、点ごとに、す
なわちサンプルごとに区別される。
【0068】 この最適化は、その後、所望のパラメータdcおよびtの、ならびにμおよびs
の推定を提供する。
【0069】 例えば、McKown‘733から公知のように、システムは、tおよび心拍
数HRの推定も有する限り、EFを推定し得る。説明されたばかりの最適化ルー
チンはτを与える。HRは、好適には、処理システム212と接続された任意の
従来のモニタリングシステム230によって供給される。従って、心臓機能(c
ardiac performance)下位処理ブロックまたは処理モジュー
ル240は、その後、式EF=1−exp(−60/(t・HR))を計算する
ことによってEFを決定する。CO=HR・SVをさらに観察すると、SVは心
搏血液量であり、COは毎分の容積単位(リットル)で計測される。これは、単
に、心臓が1分間に排出する血液量が、各拍子(心搏)において排出する血液量
、毎分の拍子(心搏)数と等しいことを表す。最終的に、最終拡張期容積(ED
V)および駆出率(EF)は、以下のように関係付けられることに留意するべき
である。 EF=SV/EDV これは直観関係も表す。この関係は、心臓のポンピング効率(pumping
efficiency)(EF)が拍子毎にどれだけの血液が心臓から排出さ
れるか(収縮)と、拍子を打つ直前の心室においてどれだけの血液が存在するか
との比率である。この表現を再整理すると、EDV=SV/EFであることがわ
かる。
【0070】 CO=K/dcであるので、心臓機能下位処理システム240は、さらに、最
適化ルーチンおよび公知の所定の変換定数(conversion const
ant)Kから受け取られた値dcに基づいてCOを計算する。COを心拍数H
Rで割る(心拍数モニタ230から取得され、下位処理システム240は、その
後、SV=CO/HRを計算し、SVがわかると、下位処理システム220は、
その後、SV/EFすなわち1−exp(−60/(t−HR)を計算すること
によって既に推定されたEFとしてEDVを計算し得る。当然、本発明はCOお
よび/またはEF/EDVのみを計算するために用いられるのではなく、COお
よび/またはEF/EDVの公知の関数である任意の他の心臓機能パラメータを
計算するために用いられ得る。
【0071】 下位処理システム216、240は別個のユニットである必要はない。むしろ
、これらの両方は、単一の処理デバイスとして実行され得る。実際、これらは、
単に、プロセッサ212の異なったソフトウェアモジュールとして実施され得る
【0072】 (サーミスタデフィルタリング) 上述のように、本発明のいくつかの実施において、センサ(例えば、サーミス
タ)108の応答は、センサの瞬間インジケータ(例えば、温度)濃度信号y(
t)(concentration signal)が血液中の実際の瞬間イン
ジケータ濃度(温度)をきっちりと予想どおりに反映するという仮説を証明する
のには十分な速さではあり得ない。これを補償するために、本発明によると、セ
ンサ108(ここではサーミスタ)の伝達関数(ステップ応答に相当)は予め計
算され、この伝達関数の「逆」はHxyに付与され、速度の遅いセンサの応答時
間の影響を「デフィルタ」または補償する。伝達関数のステップ応答を特徴付け
るいくつかの公知の方法が存在する。その中で最も容易なのは、単に、一連のイ
ンパルス入力信号をステップ応答に付与し、各応答を計測し、その後、その結果
を平均化することである。伝達関数のパラメータは、その後、個々のセンサと関
連付けられたEEPROM等の既存のメモリ113か、または別個の常駐メモリ
デバイスにおけるプロセッサ112に格納され得る。 (yタウ積分) 本発明の第2の実施形態において、注入入力信号x(t)のオン−オフ状態に
対応する出力信号y(t)の立ち上がりセグメントおよび立ち下がりセグメント
は分離され、その後、y(t)のこれらの立ち上がりセグメントおよび立ち下が
りセグメントの費用関数は最小化され、dcおよびτの推定を提供する。この実
施形態は、次に、図2A〜図2Dおよび図3を参照して説明される。
【0073】 15の状態PRBSにおいて、8個の遷移(transition)、すなわ
ち「オン」から「オフ」(負進行)または「オフ」から「オン」(正進行)が存
在する。これらの遷移は、図2Aにおいて括弧で表示される。遷移(1)、(3
)、(5)および(7)は正であり、遷移(2)、(4)、(6)および(8)
は負である。インジケータ濃度信号(indicator concentra
tion signal)は、各オン−オフ遷移における主に指数関数的減衰の
プロファイルを示す。各オフ−オン遷移に関して、この信号は指数関数的立ち上
がりのプロファイルを示す。媒体に対する摂動が小さいので、チャネルはこれら
の用途において、線形で、時間に独立なシステムを形成することが想定され、し
たがって、各遷移における時定数は減衰であろうと立ち上がりであろうと同じで
あり、すなわち、常にパラメータτである。従って、各遷移は別個の緩和を特徴
付けるので、各遷移は、τを決定するための基礎を提供する。低周波ノイズは、
通常、いくつかの状態にわたって広がり、従って、いくつもの「オン−オフ境界
」を通過するので、低周波ノイズはキャンセルされる。高周波ノイズは、PRB
Sの擬似ランダムな性質およびセグメンテーションの両方、および付随的な積分
(下記参照)のためにキャンセルされる。
【0074】 上述の実施形態y_angにおけるように、サーミスタ出力信号y(t)のいく
つかの(n)サイクルは、好適には、蓄積および平均化され出力信号y1(t)
を形成する。この出力信号は、後述される最適化の計算において用いられる。従
って、 上記のようにi=1,・・・,nのとき、y(t)=1/nSUMy(t,
i) nは1であり得、すなわち、この実施形態に関して、平均化ステップは全く省
略され得、すなわち、本発明は、入力信号の単一サイクルに対応して、出力信号
からのy_タウ積分(後述)を用いてREFおよびCOの推定を生成することが
できること留意されたい。これは、いくつかのPRBS周期を待つ必要がなく、
システムがdcおよびτの正確な値を生成することを可能にする。
【0075】 次に、図2A〜図2Cを再び考察する。x(t)における各遷移に関して、各
y(t,i)において、従って、y(t)において対応する極大(負の遷移に
関する)または極小(正の遷移に関する)が存在する。従って、各遷移は、y (t)に関する新しい緩和セグメントの1終点を特徴付ける。y(t)の遷移の
これらの点は、いくつかの公知の方法で決定され得るが、処理システム112に
とって最も容易なのは、例えば、セグメント分離下位処理ブロック315または
ルーチンにおいて、蓄積され計測されたy(t)のデータ点を走査し、局所極
小および局所極大を識別し、最小/最大の連続する対の各々の間に配置されるデ
ータ点を別個のセグメントとして表示することである。
【0076】 負の遷移の直後、y(t)の対応するセグメントは減衰プロファイルを示す
。正の遷移の直後、y(t)は立ち上がりプロファイルを示す。システムは、
線形および時間に独立であることが想定されるので、立ち上がりのパラメータ(
+τ)は、単に、減衰のパラメータ(−τ)に対して負である。例えば、符号修
正下位処理ブロックまたはルーチン214において、各立ち上がりセグメントに
−1を乗算することは、従って、同じ時定数τを用いて、立ち上がりセグメント
を「減衰」セグメントに変換する。セグメント(1)、(3)、(5)および(
7)は、これらの始めの遷移の数によって数が定められ、従って、好適には、−
1を乗算することによって、符号修正下位処理ブロックまたはルーチン325に
おいて「反転」される。(当然、同様に、すべての減衰セグメントに−1を乗算
することによってすべてのセグメントを「立ち上がり」セグメントに変えること
ができる。あるいは、セグメントを符号修正する必要は全くない。後述の費用関
数モデルにおける個々のセグメントに対する正しい符号を保証するのに必要とさ
れる「ブックキーピング」を増加させる。後述のモデル式(modeling
expression)におけるすべてのこのような符号調整は、冗漫でエラー
の傾向があるが、これは当業者にとって明白である)。
【0077】 図2Cは、図2Bのy(t)の8個のセグメントを別々に、時間合わせし、
符号修正して図示するので、これらのすべてのセグメントは減衰プロファイルを
示す。y(t,m)をy(t)のm番目のセグメントとする。図2Aにおい
て理解され得るように、セグメント(1)、(2)、(5)および(8)は単一
状態の持続時間に対応し、セグメント(6)および(7)は各々x(t)の2個
の状態周期に対する応答を表し、セグメント(4)および(3)は、各々、PR
BS入力信号x(t)の3つの状態周期および4つの状態周期を表す。
【0078】 遷移間の実際の各出力計測の1部のみが含まれるセグメント分離プロセスが原
因で、各セグメントは、異なった計測時間周期または範囲を表し得る。従って、
各セグメントy(t,m)は、(すべてのセグメントに対して0に設定され得
る)初期時間tから時間tに広がる。これらの周期は、すべてのセグメント
に対して同じであることが公知でない場合、例えば、メモリ113またはセグメ
ント分離下位処理ブロック315において、各セグメントごとに格納される必要
がある。
【0079】 y(t)のセグメントの緩和プロファイルは、異なった方法でモデリングさ
れ得る。選択されたモデルに関するパラメータおよび関数は、先のように、下位
処理ブロックまたはルーチン316において格納され得る。例えば、各緩和セグ
メントは、スケーリングされた、遅延正規化ステップ応答としてモデリングされ
得る。 yMODEL_TAU(t)=A{1−[EXP1(ERF1−ERF2)
+ERF3]} このとき EXP1=exp((μ−t)/τ+0.5(s/t))) ERF1=erf((μ−t)√2s)+s/(√2t)) ERF2=erf(μ/(√2s)+s/(√2t)) ERF3=erf((t−μ)/(√2s)) expは標準指数関数 erfは標準エラー関数 SQRTは平方根を示す。
【0080】 しかしながら、実際には、各セグメントに関するデータがセグメントの減衰/
立ち上がり部分における点を真に表すことを保証するために、y(t)データ
セグメントとして、頂点および谷から離れた各「曲線」の部分のみを選択するこ
とが望ましい。これは、いくつかの方法で行なわれ得、信号処理分野において周
知の技術である。例えば、システムは、各立ち上がり/減衰セグメントの部分を
、頂点値の80%と最低値よりも30%上との間か、または頂点の80%と30
%との間で分離し得る。あるいは、セグメントは、例えば、極大と極小との間の
タイムスライスとして、隣接する各頂点と谷との間の時間の中央の50%の部分
が選択され得る。当然、これらの割合または時間は、通常の実験的方法および設
計の検討を用いて別々に選択され得、以下の計算において用いられるy(t)
の部分が遷移効果および低レベルのノイズから離れた真の緩和曲線の部分を表す
ことを保証する。
【0081】 本発明の、この第2の実施形態において、好適なモデルは単純な指数であり、
すなわち、チャネルは以下の一般的な緩和式によってモデリングされる。 yMODEL_TAU(t)= Aexp(−t/τ) (式1
1) この場合、Aが開始振幅かまたはベースライン振幅であり、τは、減衰パラメ
ータである。符号修正ステップの後、すべてのセグメントは下にある同じ減衰パ
ラメータτと共に減衰応答を示す。
【0082】 図2Dは、図2Cにおいて示された、8個の減衰曲線(セグメント)y(t
,1)...y(t,8)の複合体として形成される。8個のすべてのセグメ
ントは、少なくとも、1つの状態の間持続し、4個のセグメント((3)、(4
)、(6)および(7))は少なくとも2つの状態の間持続し、2個のセグメン
ト((3)および(4))は3つの状態の間持続し、セグメント(3)のみは4
つの状態の間持続する。しかしながら、各セグメントはセグメントが延びる状態
の間、減衰の有効な計測を表す。従って、減衰パラメータτの1個の状態の長さ
の8個の計測値、2つの状態の長さの4つの計測値、3つの状態の2つの計測値
、および4つの状態の1つの計測値が存在する。
【0083】 従って、複合体τ測定値を生成する1つの方法は、各状態周期中にセグメント
(または曲線セグメントの対数から形成された線分)の部分を平均化することで
ある。これは、4つのτ推定を提供する。第1の状態周期における8つのセグメ
ント部分の平均に関する1つの推定、第2の状態周期(第1の終わりから第2の
始めまで)において存在する4つのセグメント部分((3)、(4)、(6)お
よび(7))の平均に関する1つの推定、第3の状態周期(第2の終わりから第
3の始めまで)において存在する2つのセグメント部分((3)および(4))
の平均に関する1つの推定、および第4の状態周期において存在するy(t,
3)の部分に基づく1つの推定である。これらの4つのτ推定は、その後、これ
らの異なった持続時間を考慮するために正規化され、τの複合体推定が提供され
るように平均化される。
【0084】 (yタウ積分) 本発明の第2の実施形態において、注入入力信号x(t)のオン−オフ状態に
対応する出力信号y(t)の立ち上がりセグメントおよび立ち下がりセグメント
は分離され、その後、y(t)のこれらの立ち上がりセグメントおよび立ち下が
りセグメントの費用関数は最小化され、dcおよびτの推定を提供する。この実
施形態は、次に、図2A〜図2Dおよび図3を参照して説明される。
【0085】 15の状態PRBSにおいて、8個の遷移(transition)、すなわ
ち「オン」から「オフ」(負進行)または「オフ」から「オン」(正進行)が存
在する。これらの遷移は、図2Aにおいて括弧で表示される。遷移(1)、(3
)、(5)および(7)は正であり、遷移(2)、(4)、(6)および(8)
は負である。インジケータ濃度信号(indicator concentra
tion signal)は、各オン−オフ遷移における主に指数関数的減衰の
プロファイルを示す。各オフ−オン遷移に関して、この信号は指数関数的立ち上
がりのプロファイルを示す。媒体に対する摂動が小さいので、チャネルはこれら
の用途において、線形で、時間に独立なシステムを形成することが想定され、し
たがって、各遷移における時定数は減衰であろうと立ち上がりであろうと同じで
あり、すなわち、常にパラメータτである。従って、各遷移は別個の緩和を特徴
付けるので、各遷移は、τを決定するための基礎を提供する。低周波雑音は、通
常、いくつかの状態にわたって広がり、従って、いくつもの「オン−オフ境界」
を通過するので、低周波雑音はキャンセルされる。高周波雑音は、PRBSの擬
似ランダムな性質およびセグメンテーションの両方、および付随的な積分(下記
参照)のためにキャンセルされる。
【0086】 上述の実施形態y_angにおけるように、サーミスタ出力信号y(t)のいく
つかの(n)サイクルは、好適には、蓄積および平均化され出力信号y1(t)
を形成する。この出力信号は、後述される最適化の計算において用いられる。従
って、 上記のようにi=1,・・・,nのとき、y(t)=1/nSUMy(t,
i) nは1であり得、すなわち、この実施形態に関して、平均化ステップは全く省
略され得、すなわち、本発明は、入力信号の単一サイクルに対応して、出力信号
からのy_タウ積分(後述)を用いてREFおよびCOの推定を生成することが
できること留意されたい。これは、いくつかのPRBS周期を待つ必要がなく、
システムがdcおよびτの正確な値を生成することを可能にする。
【0087】 次に、図2A〜図2Cを再び考察する。x(t)における各遷移に関して、各
y(t,i)において、従って、y(t)において対応する極大(負の遷移に
関する)または極小(正の遷移に関する)が存在する。従って、各遷移は、y (t)に関する新しい緩和セグメントの1終点を特徴付ける。y(t)の遷移の
これらの点は、いくつかの公知の方法で決定され得るが、処理システム112に
とって最も容易なのは、例えば、セグメント分離下位処理ブロック315または
ルーチンにおいて、蓄積され計測されたy(t)のデータ点を走査し、局所極
小および局所極大を識別し、最小/最大の連続する対の各々の間に配置されるデ
ータ点を別個のセグメントとして表示することである。
【0088】 負の遷移の直後、y(t)の対応するセグメントは減衰プロファイルを示す
。正の遷移の直後、y(t)は立ち上がりプロファイルを示す。システムは、
線形および時間に独立であることが想定されるので、立ち上がりのパラメータ(
+τ)は、単に、減衰のパラメータ(−τ)に対して負である。例えば、符号修
正下位処理ブロックまたはルーチン214において、各立ち上がりセグメントに
−1を乗算することは、従って、同じ時定数τを用いて、立ち上がりセグメント
を「減衰」セグメントに変換する。セグメント(1)、(3)、(5)および(
7)は、これらの始めの遷移の数によって数が定められ、従って、好適には、−
1を乗算することによって、符号修正下位処理ブロックまたはルーチン325に
おいて「反転」される。(当然、同様に、すべての減衰セグメントに−1を乗算
することによってすべてのセグメントを「立ち上がり」セグメントに変えること
ができる。あるいは、セグメントを符号修正する必要は全くない。後述の費用関
数モデルにおける個々のセグメントに対する正しい符号を保証するのに必要とさ
れる「ブックキーピング」を増加させる。後述のモデル式(modeling
expression)におけるすべてのこのような符号調整は、冗漫でエラー
の傾向があるが、これは当業者にとって明白である)。
【0089】 図2Cは、図2Bのy(t)の8個のセグメントを別々に、時間合わせし、
符号修正して図示するので、これらのすべてのセグメントは減衰プロファイルを
示す。y(t,m)をy(t)のm番目のセグメントとする。図2Aにおい
て理解され得るように、セグメント(1)、(2)、(5)および(8)は単一
状態の持続時間に対応し、セグメント(6)および(7)は各々x(t)の2個
の状態周期に対する応答を表し、セグメント(4)および(3)は、各々、PR
BS入力信号x(t)の3つの状態周期および4つの状態周期を表す。
【0090】 遷移間の実際の各出力計測の1部のみが含まれるセグメント分離プロセスが原
因で、各セグメントは、異なった計測時間周期または範囲を表し得る。従って、
各セグメントy(t,m)は、(すべてのセグメントに対して0に設定され得
る)初期時間tから時間tに広がる。これらの周期は、すべてのセグメント
に対して同じであることが公知でない場合、例えば、メモリ113またはセグメ
ント分離下位処理ブロック315において、各セグメントごとに格納される必要
がある。
【0091】 y(t)のセグメントの緩和プロファイルは、異なった方法でモデリングさ
れ得る。選択されたモデルに関するパラメータおよび関数は、先のように、下位
処理ブロックまたはルーチン316において格納され得る。例えば、各緩和セグ
メントは、スケーリングされた、遅延正規化ステップ応答としてモデリングされ
得る。 yMODEL_TAU(t)=A{1−[EXP1(ERF1−ERF2)
+ERF3]} このとき EXP1=exp((μ−t)/τ+0.5(s/t))) ERF1=erf((μ−t)√2s)+s/(√2t)) ERF2=erf(μ/(√2s)+s/(√2t)) ERF3=erf((t−μ)/(√2s)) expは標準指数関数 erfは標準エラー関数 SQRTは平方根を示す。
【0092】 しかしながら、実際には、各セグメントに関するデータがセグメントの減衰/
立ち上がり部分における点を真に表すことを保証するために、y(t)データ
セグメントとして、頂点および谷から離れた各「曲線」の部分のみを選択するこ
とが望ましい。これは、いくつかの方法で行なわれ得、信号処理分野において周
知の技術である。例えば、システムは、各立ち上がり/減衰セグメントの部分を
、頂点値の80%と最低値よりも30%上との間か、または頂点の80%と30
%との間で分離し得る。あるいは、セグメントは、例えば、極大と極小との間の
タイムスライスとして、隣接する各頂点と谷との間の時間の中央の50%の部分
が選択され得る。当然、これらの割合または時間は、通常の実験的方法および設
計の検討を用いて別々に選択され得、以下の計算において用いられるy(t)
の部分が遷移効果および低レベルの雑音から離れた真の緩和曲線の部分を表すこ
とを保証する。
【0093】 本発明の、この第2の実施形態において、好適なモデルは単純な指数であり、
すなわち、チャネルは以下の一般的な緩和式によってモデリングされる。 yMODEL_TAU(t)= Aexp(−t/τ) (式1
1) この場合、Aが開始振幅かまたはベースライン振幅であり、τは、減衰パラメ
ータである。符号修正ステップの後、すべてのセグメントは下にある同じ減衰パ
ラメータτと共に減衰応答を示す。
【0094】 図2Dは、図2Cにおいて示された、8個の減衰曲線(セグメント)y(t
,1)...y(t,8)の複合体として形成される。8個のすべてのセグメ
ントは、少なくとも、1つの状態の間持続し、4個のセグメント((3)、(4
)、(6)および(7))は少なくとも2つの状態の間持続し、2個のセグメン
ト((3)および(4))は3つの状態の間持続し、セグメント(3)のみは4
つの状態の間持続する。しかしながら、各セグメントはセグメントが延びる状態
の間、減衰の有効な計測を表す。従って、減衰パラメータτの1個の状態の長さ
の8個の計測値、2つの状態の長さの4つの計測値、3つの状態の2つの計測値
、および4つの状態の1つの計測値が存在する。
【0095】 従って、複合体τ測定値を生成する1つの方法は、各状態周期中にセグメント
(または曲線セグメントの対数から形成された線分)の部分を平均化することで
ある。これは、4つのτ推定を提供する。第1の状態周期における8つのセグメ
ント部分の平均に関する1つの推定、第2の状態周期(第1の終わりから第2の
始めまで)において存在する4つのセグメント部分((3)、(4)、(6)お
よび(7))の平均に関する1つの推定、第3の状態周期(第2の終わりから第
3の始めまで)において存在する2つのセグメント部分((3)および(4))
の平均に関する1つの推定、および第4の状態周期において存在するy(t,
3)の部分に基づく1つの推定である。これらの4つのτ推定は、その後、これ
らの異なった持続時間を考慮するために正規化され、τの複合体推定が提供され
るように平均化される。
【0096】 この実施形態において、パラメータdcおよびτは、好適には、費用関数の最
小値を得ることによって決定される。費用関数は、各セグメントy*(t、m)
と時間間隔t〜tm−間の対応するyMODEL_TAU(t)との差を積分
したもの(点ごとの合計)に2乗したもの、それぞれの合計である。本発明の一
実現において、各セグメントに関するyMODEL_TAU(t)を有する費用
関数は、費用評価下位処理ブロックすなわちルーチン318における標準最適化
アルゴリズムを用いて最小化され、
【0097】
【数2】 である。
【0098】 総和はmのすべての値を越え、積分(この場合、数、または点ごとの加算およ
び減算)がセグメントmに対する時間間隔[t、t]にわたる。
【0099】 kは、実験的な所定の電力定数であり、平均値0の期待値を提供する。本発明
の一実現において、kは最大入力PRBS電力を2で除算し、これを所定の流量
定数(リットル/分)で乗算し、これを入力信号のON状態に対して(1−1/
15)を乗算、または入力信号のOFF状態に対して(1+1/15)を乗算し
た(全15個の状態のうち8個がONであるが7個のみがOFFであるため)値
に等しい。したがって、(dc、k)の項はオフセットおよび流量を電力および
流量の関数として示す。
【0100】 Aは、各セグメントに対する指数の振幅である。
【0101】 他のパラメータは上に規定したとおりである。
【0102】 この費用関数において、dc、τおよびAは未知である。しかし、振幅値A は、COまたはEF/EDVの計算に無関係であり無視してもよい。あるいは
、種々のy*(t、m)曲線をすべて、同じ振幅値Aに事前にスケーリングし得
る。しかし、通常、単にこれらの値を「浮動小数表示(float)」させ、最
適化ルーチンにAを決定させ、単に結果を無視することがより容易である。−
−これは実験的に示され、dcおよびτのよりよい推定値を提供する。したがっ
て、最小化はdcおよびτに対する推定値を提供し、この推定値から、COおよ
びED/EDVが上述したように下位処理ブロック220によって計算され得る
【0103】 各緩和(relaxation)セグメントy*(t、m)が指数であるため
、dcおよびτに対する識別ルーチンを考えるもう一つの方法はy*(t、m)
の対数を考慮することである。これらの曲線に対数を当てはめると、ラインセグ
メントが生成される。セグメントの傾斜はすべての減衰パラメータτである。し
かし、「y交点」(tの値)は異なる。なぜならば、異なるセグメントに対す
る開始振幅が最後の遷移からどのぐらいの時間がたっているかに依存するからで
ある。図2Bにおいて、例えば、遷移(3)において、血液は次の正の遷移が開
始する前にベースラインの温度まで下がるだけの時間を有さない。したがって、
種々のセグメントはログ空間において平行なラインセグメントであるが、必ずし
も一致するラインセグメントである必要はない。次いで、上述の関数の代わりに
、同等の対数費用関数を用いることが可能である。log y*(t、m)の傾
斜は、例えば、平均化され得て、τに対する値を提供する。
【0104】 本発明のy_tauの実施形態の一つの利点は、雑音を白色化および減少させ
る傾向にある様態で雑音信号y(t)をそれ自体に畳み込むことである。これは
、緩和が最も大きな曲率を有する最初の二つの状態期間(それぞれ8個のセグメ
ントおよび4個のセグメントを有する期間)において特に当てはまる。
【0105】 本発明の実施形態の両方、上述のB y_avgおよびy_tauの推定値B
において、出力信号y(t)はセクションまたは「下位信号」(それぞれは入力
信号x(t)における状態変化と同期性を有する)に分割または「分解」される
。y_avgの推定方法の場合、下位信号は全y(t、i)出力信号である。y
_tauの推定方法の場合、出力信号は、入力信号の期間に対応する下位信号に
も分割されるが、各下位信号は、次いで、入力信号の個々の状態変化(0〜1ま
たは1〜0)に対応する境界線を有するセグメントにさらに分解される。
【0106】 セクションが入力信号x(t)と同期性を有するが、セクションはいかなる特
定の雑音源とも同期性を有さない。さらに、導入されたインジケータ信号x(t
)と患者の心臓自体(例えば、特定のR波事象)との同期を取る必要はない。し
たがって、インジケータ濃度信号y(t)も通常、心臓サイクルと同期性を有さ
ない。導入されたインジケータ信号とのこの同期化(必ずしも心臓との同期化で
ある必要はない)は、dcおよびτの計算の際の雑音の影響を減少させる。
【0107】 (組み合わされたパラメータ推定) 図4に説明する、本発明のさらに別の実施形態において、dc、τのパラメー
タ推定値は、公知の数値最適化技術を用いて得られ、McKown’733に記
載される周波数ベースの遅延された正規化モデリング技術と、以下に記載するy
_avgおよびy_tauの積分技術のいずれかまたは好適には両方との組み合
わせによって規定される費用関数を最小限に留める。
【0108】 図4において、本発明のコンポーネントのうち、この実施形態を説明するため
に関係のないほとんどのコンポーネントを説明を明らかにするために省略するが
、実際には存在し、上述したようなものであると仮定されるべきである。図4が
示すように、通常の入力信号調整回路410は、必要に応じて設けられ、サンプ
リングおよびアナログ−デジタル変換のような従来の処理工程を処理する。費用
決定を含むyavgおよびytau積分工程は、各下位処理ブロック420、4
22および下位処理ルーチン430、432それぞれで実行される。周波数ドメ
インの遅延された正規化モデルのパラメータとともに費用関数を計算するのに必
要な処理ルーチンは、下位処理ブロック440内に含まれる。本発明のこの実施
形態において用いられる三つの異なる推定下位ルーチンの重み付けを備えた下位
処理ブロック(すなわちメモリ位置)をブロック450、452、454として
示す。これらのコンポーネントおよび関数を以下に示す。
【0109】 この実施形態において、組み合わされた費用関数を以下のように規定する。
【0110】 Cost_total=Cost_HxyW_Hxy/df_Hxy+ Cost_yavgW_yavg/df_yavg+ Cost_ytauW_ytau/df_ytau (式13) Cost_Hxyを以下に規定し、かつ、これは式5に対応する。
【0111】 Cost_yavgを式10にあるように規定する。
【0112】 Cost_ytauを式12にあるように規定する。
【0113】 W_Hxy、W_yavgおよびW_ytauは所定の、固定または可変の費
用重み付けである。
【0114】 df_Hxy、df_yavgおよびdf_ytauは以下に規定する正規化
の項である。
【0115】 Cost_Hxy費用関数は好適には式14のように規定される。
【0116】 Cost_Hxy(X)=PowerSUM(n){(Hxy(ω)−H
xy_LN(ω|X))2*W(ω)}/df_Hxy (式14) Hxy(ω)は、PRBSx(t)入力信号のn番目の高調波でy(t)を
x(t)に関連付ける測定された周波数ドメインの伝達関数である。
【0117】 Hxy_LN(ω)は、周波数ドメインの伝達関数モデル、好適には、式4
による遅延された正規化モデルである。
【0118】 W(ω)は、式5にあるように、ωにおいて入力信号対出力雑音電力比を
測定する重み付けである。
【0119】 因子Powerは、x(t)のON状態の間のワットでのヒータ電力である。
−−これにより、Cost_Hxyが任意の温度(摂氏温度)の2乗誤差(Co
st_yavgおよびCost_ytauにあるような誤差と同じ誤差)を有す
るようになる。df_Hxy正規化は自由度を示す。直交性に関して通常の統計
的仮定を行えば、 df_Hxy=Nfreq−Nstate−1 (式15) が得られる。
【0120】 Nfreqは高調波数(ω(n=1〜Nfreqである))であり、Nfr
eq=10であり、 Nstateは推定中のパラメータ数であり、4つのパラメータの遅延された
正規状態ベクトルX=[dc、μ、σ、τ]に関して、Nstate=4であり
、df_Hxy=5を提供する。
【0121】 df_yavg正規化の項も同様に自由度を示す。例えば以下の自由度を示す
【0122】 df_yavg=SPR−Nstate−1 であり、SPR(一試行(Run)ごとのサンプル)はyavgにおけるサン
プル数である。Fs=10Hz、かつ、1分間のPRBSサイクル(SPR=6
00)の通常のサンプリング速度を用いると、df_yavg=595となる。
【0123】 好適な実施形態において用いられるようなCost_ytauは、8個のデー
タセグメントそれぞれに対して、個々の振幅正規化パラメータAを含む必要が
ある。システムが状態変化の前に定常状態に達することが可能である場合、これ
らの振幅はすべて一致して等しい。しかし、通常、このようなことがないため、
セグメントを同じ振幅に正規化して減衰を開始する必要がある。この正規化に対
するいくつかの経験的方法および/または解析方法(例えば、レシオメトリック
)を用いることが可能である。しかし、好適な実施形態において、上述したよう
に、正規化は最適化/当てはめルーチン自体によって決定される。
【0124】 上述したように、SPSを状態当たりのサンプル数とし、セグメントがピーク
値の80%で「クリッピング」されると仮定すると、y*(t,m)におけるサ
ンプル数、N_ytauは、 SPS−n80 (m=1,2,3,6の場合) 2SPS−n80 (m=7,8の場合) 3SPS−n80 (m=5の場合)、かつ、 4SPS−n80 (m=4の場合) に等しく、n80は各セグメントのレベルが80%になる前のサンプル数である
。ここで、(ここでも例示を目的として)任意の特定のレベル以下のデータセグ
メントの「クリッピング」がないと仮定される。
【0125】 df_ytau正規化の項はまた自由度も示す。例えば、 df_ytau=4(SPS−n80)+2(2SPS−n80)+3 SPS−n80+4SPS−n80−10−1 通常、SPS=40、かつ、n80=10であり、df_ytau=509が
得られる。
【0126】 Cost_HxyおよびCost_yavgの両方がデータおよび遅延された
正規状態ベクトルX=[dc、μ、σ、τ]に依存し、Cost_ytauがデ
ータおよびX_ytau=[dc、τ、A、...A]に依存することに留
意されたい。重み付けW_Hxy、W_yavgおよびW_ytauの選択は、
本発明の種々の実施形態を規定する。例えば、重み付けのうちの任意の一つまた
は二つを0に設定すると、計算から各モデルが排除される。本発明の一原型にお
いて、すべての重み付けを1/3に等しく設定すると、十分な性能が得られるこ
とが見受けられる。しかし、正規化のために、重み付けは好適には常に1になる
ように合計する必要がある。
【0127】 本発明によって’x(t)のy(t)’との信号の同期性の統合によって、最
も低い周波数の雑音の影響が最小限に抑えられるが、この期間中の約10%の間
は、機械的呼吸器がPRBSの高い高調波に設定され、これにより、呼吸器がP
RBS自体と同期を取り、本発明の利益を減少させることが実験的に観察された
。雑音がもはや同期性を有さないように状態期間を調整することは一つの可能な
解決策である。しかし、McKown’414のシステムおよび’733のシス
テムに見られるように、y(t)用の信号調整回路部内にノッチフィルタを設け
ることが好適である。このようなノッチフィルタは、同期性の呼吸器の雑音の残
留効果を最小限に留める。
【0128】 x(t)およびy(t)の正規化された電力スペクトル密度の測定値を PSDx(f)=PSD(x(t))/sum(PSD(x(t))、かつ、P
SDy(f)=PSD(y(t))/sum(PSD(y(t)) と規定すると、従来のFFTベースのノッチフィルタを、公知の技術を用いて実
現し得る。従来のFFTベースのノッチフィルタは、以下の条件の場合にFFT
(y)ビンを無効にする。この条件は、 PSDy(f)−PSDx(f)>Null−Threshold であり、周波数fは機械的呼吸器の期待される設定(例えば、11呼吸/分)範
囲内にある。さらに、PRBSサイクル時間が60秒に設定された場合、測定さ
れたHxyの最初の10個の高調波が0.1666Hz以下になり、これは、1
1呼吸/分すなわち0.183Hzの最も低い呼吸器の期待される設定値より低
い。これにより、呼吸器がHxyデータに影響を与えないことが保証される。C
O/EF/EDVの推定値を一分ごとに常に更新する役得も有する。
【0129】 (別の純粋に時間ドメインのみが組み合わされたパラメータ推定) 式13に規定された、組み合わされた費用関数または合成費用関数において、
二つの時間ドメインの費用関数および一つの周波数ドメインの費用関数が重み付
け、正規化および合計されて、全費用関数が得られる。この全費用関数から、減
衰パラメータτおよび定常状態のチャンネルゲインパラメータ(dc)の推定値
が得られる。費用関数Bの三つすべてではなく、これらの費用関数Bのうちの任
意の二つを組み合わせて、τおよびdcの推定値を得ることも可能である。多く
の場合、この推定値は一つの費用関数を用いた場合より正確である。特に、τお
よびdcは、二つの時間ドメインの費用関数の重み付け、正規化された合計とし
て全費用関数を形成することによって時間ドメイン内でもっぱら推定される。全
費用関数は、 Cost_total=Cost_yavgW_yavg/df_yavg+
Cost_ytauW_ytau/df_ytau である。
【0130】 重み付け因子および正規化因子に対する必要な変化は、通常の実験および当業
者に公知の理論的技術を用いて決定され得る。
【0131】 (別の導入された入力信号) 本発明の好適な実施形態のすべてにおいて、導入された入力信号は擬ランダム
バイナリー連続(PRBS)の形態である。これは、例えば、低平均が付与され
た熱を有する高スペクトルコンテンツなどの上述の利点を有するが、PRBS入
力の連続により必ずしも緩和現象(この緩和現象からdcおよびτが計算される
)が生じない。同様に、入力信号を周期的にすることも好適である。なぜならば
、これにより、y(t)に対して異なって測定された値の適切な同期化、および
y(t)の異なる測定値の平均化を含む本発明の実施形態における有意義な平均
化が可能になるからである。適切に調整すること(これは当業者に明白である)
によって、緩和につながるON−OFF信号の任意のパターンが、任意の連続の
開始点および終了点が適切に規定される限り用いられ得る。別の入力信号の例は
、単純な方形波およびON−OFF状態のランダムトレイン(random t
rain)を含む。
【0132】 三角プロファイル(例えば、正弦波)を有する入力信号、または「チャープ入
力」などの広帯域信号など、二つの状態(ON−OFF)以外の入力信号を用い
ることも可能である。次いで、さらなる公知の処理ブロックまたは信号調整回路
部は、通常、チャンネルの伝達関数上のこのような信号の影響を補償するために
必要である。
【0133】 本発明は、本発明の意図または本質的な特徴から逸脱せずに、他の特定の形態
で実現され得る。説明した実施形態は、あらゆる点で、例示としてのみ考えられ
るべきであり、本発明を限定するものとは考えられるべきではない。したがって
、本発明の範囲は、上述の説明によってではなく上掲の特許請求の範囲によって
示される。特許請求の範囲の均等物の意図および範囲内にあるすべての変更は本
発明の範囲内に含まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明によるシステムの第1の実施形態のブロック図であり、このシ
ステムは、患者の心臓の心拍出量、ならびに、拍出率もしくは拡張終期またはそ
の両方を継続的に推定する。
【図2A】 図2Aは、多重緩和波形(multiple relaxation wav
eform)を得るために複数の緩和波形を生成かつ評価する本発明による方法
を示す。
【図2B】 図2Bは、多重緩和波形を得るために複数の緩和波形を生成かつ評価する本発
明による方法を示す。
【図2C】 図2Cは、多重緩和波形を得るために複数の緩和波形を生成かつ評価する本発
明による方法を示す。
【図2D】 図2Dは、多重緩和波形を得るために複数の緩和波形を生成かつ評価する本発
明による方法を示す。
【図3】 図3は、本発明の第2の実施形態のブロック図である。
【図4】 図4は、本発明の総合的な推定実施形態のブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ロテリューク, ルーチー ディー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92630, レイク フォレスト, ビア ロボ 21612 (72)発明者 マッカウン, ラッセル アメリカ合衆国 テキサス 75080, リ チャードソン, ピッツバーグ ランディ ング 1104

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者の心臓機能値を評価する方法であって、 心臓に対して上流の位置に、所定のインジケータ注入信号x(t)に従ってイ
    ンジケータを注入する工程と、 下流位置における局所的なインジケータ濃度信号y(t)をインジケータ濃度
    センサによって感知する工程であって、該下流位置は、該上流位置以降の領域で
    あり、血管を形成する下流位置を含む、工程と、 該インジケータ濃度信号から少なくとも1つのサブ信号を分離させる工程であ
    って、該サブ信号は該インジケータ注入信号と同期する、工程と、 各サブ信号を入力として有する第1の時間ドメインチャネル弛緩モデルを計算
    する工程と、 1つ以上のモデルパラメータを該第1の時間ドメインチャネル弛緩モデルの所
    定の関数として計算する工程と、 該心臓機能値を該1つ以上のパラメータの所定の関数として評価する工程と、
    を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記計算された1つ以上のモデルパラメータは、定常状態チ
    ャネル利得パラメータ(dc)を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記患者の心臓機能値は心拍出量(CO)である、請求項2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記計算された1つ以上のモデルパラメータは、減衰(de
    acay)パラメータτを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記患者の心臓機能値は心臓駆出率である、請求項4に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 前記1つ以上のモデルパラメータを評価する工程は、前記複
    数のサイクルの局所的なインジケータ濃度信号y(t)を前記インジケータ注入
    信号x(t)と同期した状態で平均化することによって行われる、請求項1に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 前記平均化された出力信号はコスト関数において用いられ、
    該コスト関数は、前記1つ以上のモデルパラメータの評価が得られるように最小
    化される、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記コスト関数は、前記チャネルの遅延正規化モデルの時間
    ドメインバージョンを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記コスト関数は、前記出力信号y(t)の上昇セグメント
    および下降セグメントから生成される、請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 高状態と低状態との間の一連の交互の遷移として前記イン
    ジケータ注入信号x(t)を生成する工程と、 該インジケータ注入信号の遷移のたびに、該インジケータの濃度信号の対応す
    るセグメントを分離させる工程であって、各セグメントは前記サブ信号の1つを
    含む、工程と、 該インジケータ濃度信号の各セグメントについて、定常状態のチャネル利得パ
    ラメータ(dc)を計算する工程であって、 該インジケータ注入信号は周期的であり、各期間の間複数回にわたって遷移
    し、 該インジケータ濃度信号の各サブ信号は、該インジケータ注入信号の一期間
    に対応し、 該チャネル弛緩モデルを該定常状態チャネル利得パラメータ(dc)の時
    間ドメイン指数関数として生成するサブ工程と、 コスト関数を計算する工程であって、該コスト関数は、該定常状態のチャ
    ネル利得パラメータ(dc)の指数関数と、該インジケータの濃度信号の各セグ
    メントとの間の差の合計である所定の関数である、サブ工程と、 該コスト関数の最小値を判定することにより、該定常状態チャネル利得パ
    ラメータ(dc)を計算するサブ工程と、 を包含する、工程と、 をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 高状態と低状態との間の一連の交互の遷移として前記イン
    ジケータ注入信号x(t)を生成する工程と、 該インジケータ注入信号の遷移のたびに、該インジケータの濃度信号の対応す
    るセグメントを分離させる工程であって、各セグメントは前記サブ信号の1つを
    含む、工程と、 該インジケータ濃度信号の各セグメントについて、セグメント弛緩パラメータ
    を計算する工程と、 該セグメント弛緩パラメータの所定の関数として該減衰パラメータを計算する
    工程と、 をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記インジケータ注入信号は周期的であり、各期間におい
    て複数回遷移し、 前記インジケータ濃度信号の各サブ信号は、前記インジケータ注入信号の一期
    間に対応する、 請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記インジケータ注入信号は、擬似乱数のバイナリシーケ
    ンスとして生成される、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記セグメントを全て符号整流した後に前記減衰パラメー
    タτを計算する工程をさらに包含する、請求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記減衰パラメータτを計算する工程は、 前記第1の時間ドメインのチャネル弛緩モデルを該減衰パラメータの時間ドメ
    イン指数関数として生成するサブ工程と、 コスト関数を計算する工程であって、該コスト関数は、該減衰パラメータの指
    数関数と該インジケータ濃度信号の各セグメントとの間の差の合計である所定の
    関数である、サブ工程と、 該コスト関数の最小値を判定することにより、該減衰パラメータτを計算する
    サブ工程と、 を包含する、請求項11に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記患者の心臓機能値は前記心臓駆出率である、請求項1
    5に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記患者の心拍度数(HR)を測定する工程をさらに包含
    する、請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記減衰パラメータτおよび定常状態チャネル利得パラメ
    ータ(dc)の両方の所定の関数として前記コスト関数を生成する工程と、 前記減衰パラメータτおよび前記定常状態チャネル利得パラメータdcの最適
    値を判定する工程であって、該最適値は該コスト関数を最小化させる、工程と、 該定常状態チャネル利得パラメータの最適値の所定の関数として心拍出量(C
    O)値を計算する工程と、 該定常状態チャネル利得パラメータの最適値と、該測定された心拍度数(HR
    )との間の所定の関数として心臓駆出率(EF)を計算する工程と、 をさらに包含する、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記インジケータ注入信号x(t)を高状態と低状態との
    間の一連の交互の遷移として生成する工程と、 該インジケータ注入信号の各遷移について該インジケータの濃度信号の対応す
    るセグメントを分離させる工程であって、該セグメントはそれぞれ、前記サブ信
    号のうち1つを含む、工程と、 該インジケータの濃度信号の各セグメントについてセグメント弛緩パラメータ
    を計算する工程と、 前記減衰パラメータを該セグメントの弛緩パラメータの所定の関数として計算
    する工程と、 をさらに包含し、 該インジケータ注入信号は、各期間の間に複数の遷移を伴う周期的な信号で
    あり、 該インジケータ濃度信号の各サブ信号は、該インジケータ注入信号の1つの
    期間に対応し、 該減衰パラメータを計算する工程は、 前記チャネル弛緩モデルを該減衰パラメータの時間ドメイン指数関数として
    生成するサブ工程と、 該減衰パラメータの指数関数と該インジケータ濃度信号の各セグメントとの
    間の差の合計の所定の関数であるコスト関数を計算するサブ工程と、 該コスト関数の最小値を判定することにより、該減衰パラメータτを計算す
    るサブ工程と、 を包含する、 請求項1に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記患者の心拍度数(HR)を測定する工程と、 前記減衰パラメータτおよび定常状態チャネル利得パラメータ(dc)の両方
    の所定の関数として前記コスト関数を生成する工程と、 該減衰パラメータおよび該定常状態チャネル利得パラメータdcの最適値とし
    て該コスト関数を最小化する値を判定する工程と、 該定常状態チャネル利得パラメータの最適値の所定の関数として心拍出量(C
    O)値を計算する工程と、 該減衰パラメータおよび該測定された心拍度数(BR)の最適値の所定の関数
    として心臓駆出率(EF)を計算する工程と、 をさらに包含する、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 各期間の間に高状態と低状態との間を複数回交互に遷移す
    る周期的信号として前記インジケータ注入信号x(t)を生成する工程と、 前記インジケータ濃度信号y(t)を複数の前記サブ信号に分割して、これに
    より、該サブ信号をそれぞれ、該インジケータ注入信号の一期間に対応させる、
    工程と、 該サブ信号の平均値を計算して、平均化されたインジケータ濃度信号を形成す
    る工程と、 前記減衰パラメータおよび定常状態チャネル利得パラメータ(dc)の両方の
    時間ドメインの遅延正規化関数(lagged−normal functio
    n)としてチャネル弛緩モデルを生成する工程と、 コスト関数を、該平均化されたインジケータ濃度信号と、該該インジケータ注
    入信号にたたみこまれる時間ドメインの遅延正規化関数との間の差の所定の関数
    として計算する工程と、 該減衰パラメータと該定常状態チャネル利得パラメータdcの最適値を、該コ
    スト関数を最小化する値として判定する工程と、 該定常状態チャネル利得パラメータの最適値の所定の関数として心拍出量(C
    O)値を計算する工程と、 該減衰パラメータτおよび該測定された心拍度数(HR)の最適値の所定の関
    数として心臓駆出率(EF)を計算する工程と、 をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記インジケータ注入信号は、擬似乱数のバイナリシーケ
    ンスとして生成される、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 A)前記インジケータ注入信号x(t)は、各期間におい
    て高状態と低状態との間で複数回交互に遷移する周期的入力信号として生成され
    、前記インジケータ濃度信号の各サブ信号は、該インジケータ注入信号の一期間
    に対応し、 B)前記時間ドメインのチャネル弛緩モデルは第1のチャネルモデルであり、 C)該第1のチャネルモデルを各サブ信号について評価する工程であって、 i)該インジケータ注入信号が遷移するたびに、該インジケータ濃度信号
    の対応する時間ドメインセグメントを分離させるサブ工程と、 ii)該インジケータ濃度信号の各セグメントについて、セグメント弛緩
    パラメータを計算するサブ工程と、 iii)該第1のチャネルモデルを前記減衰パラメータの時間ドメイン指
    数関数として生成するサブ工程と、 iv)該減衰パラメータの指数関数と該インジケータ濃度信号の各セグメ
    ントとの間の差の合計の所定の関数である第1のコスト関数を計算するサブ工程
    と、 v)該第1のコスト関数の最小値を判定することにより、該減衰パラメー
    タの第1の評価を計算するサブ工程と、 に従って評価を行うC)工程と、 D)第2の時間ドメインチャネルモデルを評価する工程であって、 i)複数の該サブ信号の平均を計算して、平均化されたインジケータ濃度
    信号を掲載するサブ工程と、 ii)該第2のチャネルモデルを該減衰パラメータおよび定常状態チャネ
    ル利得パラメータ(dc)の両方の時間ドメイン遅延正規化関数数として生成す
    るサブ工程と、 iii)第2のコスト関数を計算する工程であって、該第2のコスト関数
    は、該インジケータ濃度信号の平均と、該インジケータ注入信号にたたみこまれ
    る該時間ドメインの遅延ノミナル関数との間の差の所定の関数である、サブ工程
    と、 iv)該減衰パラメータおよび該定常状態チャネル利得パラメータdcの
    第2の最適値を判定するサブ工程であって、該第2の最適値は、該第2のコスト
    関数を最小化させる、サブ工程と、 に従って評価を行うD)工程と、 E)第3のn−調和周波数−ドメインチャネルモデルを評価する工程であっ
    て、 i)該チャネルの平均化された伝達関数を測定するサブ工程と、 ii)該平均化された伝達関数と、周波数ドメインのチャネルの遅延正規
    化時のモデルとの間のエラーを計算するサブ工程と、 iii)該n−調和それぞれについて測定された該エラーの所定の関数と
    して第3のコスト関数を計算するサブ工程と、 iv)該減衰パラメータτおよび該定常状態チャネルの利得パラメータd
    cの第3の最適値を該第3のコスト関数を最小化させる値として判定するサブ工
    程と、 に従って評価を行うE)工程と、 F)該第1のコスト関数、該第2のコスト関数および該第3のコスト関数の
    重み付けおよび正規化がなされた合計として合計コスト関数を計算する工程と、 G)該減衰パラメータτおよび該定常状態チャネル利得パラメータdcの合
    成最適値を該合計コスト関数を最小化させる値として判定する工程と、 H)前記患者の心拍度数(HR)を測定する工程と、 I)心拍出量(CO)値を該定常状態チャネル利得パラメータdcの合成最
    適値の所定の関数として計算する工程と、 J)該合成最適減衰パラメータτおよび該測定された心拍度数(HR)の定
    常状態チャネル利得パラメータdcの合成最適値の所定の関数として心臓駆出率
    (EF)を計算する工程と、 をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記インジケータ注入信号x(t)を周期的信号として生
    成する工程であって、該周期的信号は、各期間において高状態と低状態との間の
    複数回交互に遷移する、工程と、 該インジケータ注入信号と同期する複数のサブ信号に前記インジケータ濃度信
    号を分割し、これにより、各サブ信号と該インジケータ注入信号の一期間とを対
    応させる工程と、 該サブ信号の平均値を計算して、平均化されたインジケータ濃度信号を形成す
    る工程と、 第1の時間ドメインのチャネル弛緩モデルを計算する工程であって、該チャネ
    ル弛緩モデルは、定常状態チャネル利得パラメータ(dc)の時間ドメインの遅
    延正規化関数としての入力として各サブ信号を有する、工程と、 該平均化されたインジケータ濃度信号と、該インジケータ注入信号にたたみこ
    まれる該時間ドメインの遅延正規化関数との間の差の所定の関数であるコスト関
    数を計算する工程と、 該定常状態チャネル利得パラメータdcの最適値を該コスト関数を最小化させ
    る値として判定する工程と、 該定常状態チャネル利得パラメータの最適値の所定の関数として心拍出量(C
    O)値を計算する工程と、 をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  25. 【請求項25】 患者の心臓機能値を評価するシステムであって、 所定のインジケータ注入信号x(t)を生成する入力信号生成器と、 該インジケータ注入信号x(t)に従って心臓中の上流位置にインジケータを
    注入する信号注入手段と、 下流位置における局所的なインジケータ濃度信号y(t)を感知するインジケ
    ータ濃度センサであって、該下流位置は、該上流位置以降の領域であり、血管を
    形成する下流位置を含む、インジケータ濃度センサと、 該インジケータ濃度信号から少なくとも1つのサブ信号y(t、i)を分離
    させる工程であって、該サブ信号y(t、i)は該インジケータ注入信号x(t
    )と同期する、工程と、 入力として各サブ信号を有する第1の時間ドメインのチャネル弛緩モデルを
    計算する工程と、 該第1の時間ドメインチャネル弛緩モデルの所定の関数として1つ以上のモ
    デルパラメータを計算する工程と、 該心臓機能値を該1つ以上のモデルパラメータの所定の関数として評価する
    工程と、 を行うために設けられる処理手段と、 を備える、システム。
  26. 【請求項26】 前記入力信号生成器は、高状態と低状態との間の一連の交
    互の遷移として前記インジケータ注入信号x(t)を生成する際にもさらに用い
    られ、 セグメント分離(separation)サブ処理モジュールは、該インジケ
    ータ注入信号x(t)が遷移するたびに該インジケータ濃度信号の対応するセグ
    メントを分離させる処理手段中に設けられ、各セグメントは、前記サブ信号のう
    ち1つを備え、 コスト計算サブ処理モジュールを形成する手段は、該インジケータ濃度信号の
    各セグメントについてコスト計算パラメータを計算し、 心臓機能サブ処理モジュールを形成する手段は、該1つ以上のモデルパラメー
    タを該セグメント弛緩パラメータの所定の関数として計算する、 請求項25に記載のシステム。
  27. 【請求項27】 前記コスト計算サブ処理モジュールは、 前記第1の時間ドメインのチャネル弛緩モデルを前記1つ以上のモデルパラメ
    ータの時間ドメイン指数関数として生成する手段と、 該1つ以上のモデルパラメータの指数関数と前記インジケータ濃度信号の各セ
    グメントとの間の差の合計の所定の関数であるコスト関数を計算する手段と、 該コスト関数の最小値を判定することにより、該1つ以上のモデルパラメータ
    を計算する手段と、 とをさらに形成する、請求項26に記載のシステム。
  28. 【請求項28】 前記処理手段に接続された心拍度数モニタであって、前記
    患者の心拍度数(HR)を測定し、 該患者の心臓機能値は心臓駆出率であり、 前記コスト関数は、減衰パラメータおよび定常状態チャネル利得パラメータ
    (dc)の両方の所定の関数であり、 前記コスト計算サブ処理モジュールは、該コスト関数を最小化させる該減衰
    パラメータおよび該定常状態チャネル利得パラメータdcの最適値を検出する際
    にもさらに用いられる、 心拍度数モニタと、 該定常状態チャネル利得パラメータの最適値の所定の関数として心拍出量(
    CO)値を計算する工程と、 該減衰パラメータおよび該測定された心拍度数(HR)の最適値の所定の関
    数として心臓駆出率(EP)を計算する工程と、 を行うためにさらに設けられる前記心臓機能処理モジュール をさらに備える、請求項27に記載のシステム。
  29. 【請求項29】 前記計算された1つ以上のモデルパラメータは、定常状態
    チャネル利得パラメータ(dc)を含む、請求項25に記載のシステム。
  30. 【請求項30】 前記患者の心臓機能値は心拍出量(CO)である、請求項
    29に記載のシステム。
  31. 【請求項31】 前記計算された1つ以上のモデルパラメータは減衰パラメ
    ータである、請求項25に記載のシステム。
  32. 【請求項32】 前記患者の心臓機能値は心臓駆出率を含む、請求項31に
    記載のシステム。
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