JP2003511038A - 単純化したaav産生のための材料および方法 - Google Patents

単純化したaav産生のための材料および方法

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ヴァラヴァニ ドワーキ,
マーサ ラドナー,
ジェイミー エスコベド,
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カイロン コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、精製された複製欠損組換えAAVビリオンを産生するための方法を提供する。本方法は、適切な宿主細胞にAAVベクター、AAVヘルパー構築物およびアデノプラスミドアクセサリー構築物を導入する工程を包含する。アデノプラスミドアクセサリープラスミドは、アデノウイルス粒子にパッケージされ得ないアデノウイルスプラスミドDNAを構成される。なぜなら、これは、パッケージングシグナル配列を欠くかまたはパッケージするためには大きすぎるさらなる配列を含むからである。宿主細胞は、粗製のrAAVビリオンを産生するために培養され、次いで、溶解される。生じる細胞溶解物は、スルホン化したセルロースを含むクロマトグラフィーカラムに適用されるか、または塩化セシウム平衡勾配遠心分離に供され、そして精製されたrAAVビリオンは回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (背景) (A.発明の分野) 本発明は、目的の遺伝子を含む組換えAAVビリオンの産生のための方法に関
する。より特定すると、本発明は、野生型AAVおよびヘルパーウイルスのない
rAAVビリオンを産生するための方法に関する。本発明は、遺伝子治療プロト
コールの評価のため、および/または遺伝子治療における使用のために適した、
高度に純粋なrAAVビリオンを産生するので、有用である。
【0002】 (B.発明の背景) アデノ随伴ウイルス(AAV)は、二相性の生活環を有する、非病原性の複製
欠損パルボウイルスである。ヘルパーウイルスの非存在下では、AAVゲノムは
、宿主細胞のゲノムに取り込まれて、潜在性感染を確立する。ヘルパーウイルス
(例えば、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルスまたはワクシニアウイルス)
の存在下では、AAVゲノムは、潜伏期間からレスキューされ、そして再生され
て、溶解性感染を確立する。Muzyczka,Curr.Topics Mi
crobiol Immunol.158(1992)97−129;Bern
sおよびLinden,BioEssays 17(1995)237−245
を参照のこと。ヘルパーウイルスは、AAV複製のために必要な機能を提供する
ことが公知である。ヘルパーウイルスの非存在下では、AAVは、ヒト染色体1
9に部位特異的に安定に取り込まれる。Kotin,Proc.Natl.Ac
ad.Sci.87(1990)2211−15;Samulski,EMBO
J 10(1991)3941−50を参照のこと。AAVゲノムは、各末端
において145bpの逆方向末端反復を有する、4.7kbの直鎖状の一本鎖D
NA分子から構成される。残りの非反復配列は、repおよびcapと呼ばれる
、ウイルスの複製およびパッケージングに関与するウイルスタンパク質をコード
する。AAV ITRは、ウイルスの複製、パッケージングおよび取り込みのた
めに必要とされる、唯一のシスエレメントである;repおよびcapの機能は
、トランスで提供され得る。McLaughlin,J.Virol.62(1
988)1963−73;Samulski J.Virol.63(1989
)3822−28を参照のこと。
【0003】 組換えAAV(rAAV)ベクターは、ヒト遺伝子治療のための魅力的なビヒ
クルである。なぜなら、これらのベクターは、AAVコード配列が発現されるウ
イルスコード配列である必要がなく、ウイルス(ウイルス粒子)が分裂していな
い細胞および分裂している細胞を効率的に感染し得、広範な宿主範囲を有し、そ
してこれらのビリオンは、高い物理的安定性を有するからである。Carter
,Curr.Opin.Biotech 3(1992)533−39;Bac
hman,Intervirology 11(1979)248−54を参照
のこと。rAAV粒子を作製する最も広範に使用される方法は、感染(inve
ntion)/トランスフェクション法と呼ばれる。この方法は、宿主細胞(代
表的には293細胞)の、AAVベクタープラスミド(すなわち、AAV IT
Rにより結合された目的の遺伝子を有するプラスミド)およびヘルパープラスミ
ド(すなわち、AAVヘルパー機能repおよびcapを提供するがITRを欠
くプラスミド)でのトランスフェクション、ならびにアデノウイルスまたはヘル
ペスウイルスでの感染を包含する。McCown,Brain Res.713
(1996)99−107;McLaughlin,J.Virol 62(1
988)1963−73を参照のこと。この標準的な方法において、ヘルパーウ
イルスは、密度勾配遠心分離によってAAVベクターから分離され得、そして任
意の残りの感染性ヘルパーウイルスは、熱によって不活化され得る。しかし、得
られるAAVベクター調製物は、依然として、低レベルの感染性ヘルパーウイル
スおよびタンパク質を含み得、このことは、この組成物の免疫原性に寄与し得、
そしてヒトへの投与に関する潜在的な危険性を提示し得る。また、ヘルパーウイ
ルスは、病原性ウイルスであり、そして製造プロセスに関与する実験室の人員に
対して、健康の危険性を呈する。さらに、感染プロセスの間に生成する、多量の
ヘルパーウイルス粒子およびタンパク質は、高レベルの純度を達成することを困
難にする。熱処理は、感染性アデノウイルスを不活化し得るが、この処理は、機
能的rAAVビリオンの力価(tier)の30〜40%の低下をもたらし、そ
して複数ラウンドのCsCl勾配精製によってさえも、全てのアデノウイルスタ
ンパク質を除去することは、困難である。
【0004】 近年、rAAVのパッケージングのために必要なヘルパー機能を提供する細胞
株を使用する、rAAV産生の報告がなされた。例えば、Clark,Gene
Therapy 3(1996)1124−32;Chiorini,Hum
an Gene Therapy 6(1995)1531−42;Clark
,Gene Therapy 6(1995)1329−41;Flotte,
Gene Therapy 2(1995)29−37およびTamayose
,Human Gene Therapy 7(1995)507−13を参照
のこと。この方法は、同様に、感染性のアデノウイルスまたはヘルパーウイルス
の生成を導き、これらは、rAAV粒子から精製により除去されなければならな
い。rAAV粒子は、CsCl勾配で精製し得るが、しばしば、最終調製物は、
アデノウイルスで汚染される。また、CsCl勾配遠心分離プロトコールは、大
規模の製造に順応させるには、厄介である。
【0005】 AAV産生のために必要なアデノウイルス(ヘルパーウイルス)の種々の領域
の役割を描写するアデノウイルス変異体を使用する、いくつかの研究が存在する
。アデノウイルスDNA複製遺伝子である、E2b、E3およびいくつかのアデ
ノウイルス後期遺伝子はAAV複製のために必要とされないことを実証する証拠
が存在する。Laughlin,J.Virol.41(1982)868−8
76;Myers,J.Virol.35(1980)65−75;Jay,P
roc.Natl.Acad.Sci.78(1981)2927−31;Ca
rter,Virology 126(1983)505−16;Itoおよび
Sazuki,J.Gen.Virol.9(1970)243−45;Str
auss,J.Virol.17(1975)140−48;ならびにJani
k,Virology 168(1989)320−29を参照のこと。これら
の結果から、AAV複製を支持するために必要であり得る「アクセサリー(ac
cessory)」機能として、アデノタンパク質E2aおよびE4、ならびに
VA I RNAが挙げられることを予測し得る。rAAVを産生する代替の方
法は、PCT公開WO97/17458(1997年5月15日公開)に開示さ
れている。この文献において、rAAVビリオン産生を支持し得るアクセサリー
機能は、アデノウイルスVA配列、アデノウイルスE4 ORF6コード領域お
よび/またはアデノウイルスE2a 72kDコード領域を含む1つ以上のベク
ターの形態で提供される。しかし、rAAVビリオンの産生の際に、上記配列に
よりコードされる多数のアデノウイルスタンパク質が産生され、そして除去され
なければならない。さらに、WO97/17458に記載されるヘルパーベクタ
ーを用いるrAAVの産生は、所望ではない。なぜなら、ベクターの連続的な存
在および作動性を確認するために、周期的な検査を必要とするからである。従っ
て、当該分野において、産業的に有意なレベルのrAAVビリオンを単純かつ効
率的に産生し得る系を提供する必要性が、残っている。
【0006】 (発明の要旨) 本発明は、生存アデノウイルスの産生、複数のアデノウイルスアクセサリー機
能のモニタリングの必要性、および厄介な精製プロトコールの必要性を回避する
、複製欠損AVVビリオンの産生のための方法に関する。より具体的には、本発
明は、野生型AAVおよびヘルパーアデノウイルスを実質的に含まない、複製欠
損組換えAAVビリオンを産生するための方法に関し、この方法は、以下: a.適切な宿主細胞に、(i)AAVコード配列がなく、かつ2つのAAV
ITRの間に操作可能に位置される異種遺伝子を含む、AAVベクター、(ii
)AAVカプシドタンパク質をコードする少なくとも1つの遺伝子を有する、複
製欠損AAVヘルパー構築物、および(iii)パッケージングシグナルを欠く
かまたはパッケージされ得ないようにするに十分なさらなるヌクレオチドを含む
かのいずれかであるアデノウイルスゲノム全長を有する、アデノプラスミドアク
セサリー構築物を導入して、形質転換された宿主細胞を産生する工程; b.この形質転換した宿主細胞を培養して、この異種遺伝子を有する複製欠損
組換えAAVビリオンを産生する工程;ならびに c.この培養された宿主細胞を溶解して、野生型AAVおよびアデノウイルス
粒子が実質的にない複製欠損組換えAAVビリオンを得る工程、 を包含する。
【0007】 本発明の方法における使用に適した宿主細胞は、哺乳動物宿主細胞であり、好
ましくはヒト宿主細胞である。
【0008】 別の局面において、本発明は、精製された組換えAAVビリオンを産生する方
法に関し、この方法は、以下: a.適切な宿主細胞に、(i)AAVコード配列がなく、かつ2つのAAV
ITRの間に操作可能に位置される異種遺伝子を含む、AAVベクター、(ii
)AAVカプシドタンパク質をコードする少なくとも1つの遺伝子を有する、複
製欠損AAVヘルパー構築物、および(iii)パッケージングシグナルを欠く
かまたはパッケージされ得ないようにするに十分なさらなるヌクレオチドを含む
かのいずれかであるアデノウイルスゲノム全長を有する、アデノプラスミドアク
セサリー構築物を導入して、形質転換された宿主細胞を産生する工程; b.この形質転換した宿主細胞を培養して、この異種遺伝子を有する複製欠損
組換えAAVビリオンを産生する工程; c.この培養された宿主細胞を溶解して、野生型AAVおよびアデノウイルス
粒子が実質的にない複製欠損組換えAAVビリオンを得る工程; d.工程(c)の溶解物をスルホン化したセルロースを含むカラムに適用する
工程;ならびに e.宿主細胞タンパク質および宿主細胞の破片が実質的にない、精製された複
製欠損組換えAAVビリオンを回収する工程、 を包含する。
【0009】 あるいは、工程(c)からの溶解物は、塩化セシウム平衡勾配遠心分離に供さ
れ、そして精製された、異種遺伝子を含む複製欠損rAAVビリオンが回収され
る。AAVベクター、複製欠損AAVヘルパー構築物およびアデノプラスミドア
クセサリー構築物は、同時にかまたは逐次的にかのいずれかで組み合わせられる
【0010】 本発明の方法において利用される3連(triple)トランスフェクション
プロトコールの利点は、CsCl勾配精製の後の有意な純度のrAAV調製物で
ある。ウェスタンブロット分析は、3連トランスフェクション法が、最初の溶解
物と最終の精製された製品との両方において、標準的なトランスフェクション/
感染プロトコールと当量のrAAV粒子を産生しながら、ずっと低いアデノウイ
ルスタンパク質産生を生じることを示す。このことは、3連トランスフェクショ
ンプロトコールの、標準的な先行技術のトランスフェクション/感染プロトコー
ルより優れた利点を示し、ここで、培養物中でのアデノウイルスの有意な増幅お
よび強いアデノウイルス遺伝子発現が存在する。さらに、この実施例の方法にお
いて使用されるアデノプラスミドアクセサリー構築物は、パッケージングシグナ
ルを欠くので、精製された材料にはアデノウイルス粒子が存在しない。このプロ
トコールはまた、生存アデノウイルスの使用により引き起こされる健康および安
全の懸念を排除し、そして安全な様式でrAAV粒子を産生することを可能にす
る。重要なことには、この方法は、下流の精製プロセスを単純化し、これによっ
て、比較的効率的かつ経済的な大規模の製造を可能にする。
【0011】 (発明の詳細な説明) 第一の局面において、本発明は、野生型AAVおよびヘルパーアデノウイルス
を実質的に含まない、複製欠損組換えAAVビリオンを産生するための方法に関
し、この方法は、以下: a.適切な宿主細胞に、(i)AAVコード配列がなく、かつ2つのAAV
ITRの間に操作可能に位置される異種遺伝子を含む、AAVベクター、(ii
)AAVカプシドタンパク質をコードする少なくとも1つの遺伝子を有する、複
製欠損AAVヘルパー構築物、および(iii)パッケージングシグナルを欠く
かまたはパッケージされ得ないようにするに十分なさらなるヌクレオチドを含む
かのいずれかであるアデノウイルスゲノム全長を有する、アデノプラスミドアク
セサリー構築物を導入して、形質転換された宿主細胞を産生する工程; b.この形質転換した宿主細胞を培養して、この異種遺伝子を有する複製欠損
組換えAAVビリオンを産生する工程;ならびに c.この培養された宿主細胞を溶解して、野生型AAVおよびアデノウイルス
粒子が実質的にない複製欠損組換えAAVビリオンを得る工程、 を包含する。
【0012】 上記方法が、さらに以下の工程を含むことは、本発明の範囲内である: d.工程(c)の溶解物をスルホン化したセルロースを含むカラムに適用する
工程;ならびに e.宿主細胞タンパク質および宿主細胞の破片が実質的にない、精製された複
製欠損組換えAAVビリオンを回収する工程。
【0013】 本発明の方法における使用に適した宿主細胞は、哺乳動物宿主細胞であり、好
ましくは、ヒト宿主細胞である。
【0014】 本発明の方法の工程(a)の、AAVベクター、複製欠損AAVヘルパー構築
物およびアデノプラスミドアクセサリー構築物は、ウイルス学、分子生物学、微
生物学および組換えDNA技術の従来の方法を使用して、調製される。このよう
な技術は周知であり、そして例えば以下を含む文献に、十分に説明されている:
Sambrook,Molecular Cloning:A Laborat
ory Manual(現在の版);DNA Cloning:A Pract
ical Approach(D.Glover編);Oligonucleo
tide Synthesis(現在の版、N.Gait編);Nucleic
Acid Hybridization(現在の版、B.HamesおよびS
.Higgins編);Transcription and Transla
tion(現在の版、B.HamesおよびS.Higgins編);CRC
Handbook of Parvoviruses(P.Tijessen編
);Fundamental Virology,第2版(B.N.Field
sおよびD.M.Knipe編);Current Protocols in
Human Genetics,第1巻(N.Dracopoli編)。これ
らの刊行物および本明細書全体にわたって参照される他の全ての刊行物は、明白
に、本明細書中に参考として援用される。
【0015】 遺伝子移入、遺伝子治療または遺伝子送達とは、宿主細胞に異種もしくは外来
のDNAまたは通常は発現されないDNAを確実に挿入するための、方法、技術
またはシステムをいう。生じる挿入は、宿主細胞ゲノムDNAへの移入された遺
伝物質の取り込み、移入されたレプリコンの染色体外複製および発現、または取
り込まれない様式により得る。
【0016】 ベクターとは、適切なコントロールエレメントと会合する場合に複製し得、そ
して細胞間でDNA配列またはRNA配列を移動させ得る、任意の遺伝エレメン
トを意味する。例としては、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド
、染色体、ウイルス、およびビリオンが挙げられ、クローニングビヒクルおよび
発現ビヒクルならびにウイルスベクターを含む。
【0017】 本発明の方法によって産生される、複製欠損AAVビリオンは、一対のアデノ
随伴ウイルス逆方向末端反復(「AAV ITR」)間に作動可能に位置する治
療タンパク質をコードする遺伝子(DNA)を含む。AAV ITRは、AAV
ゲノムの各末端において見出される、当該分野で認識された領域であり、これら
は、DNA複製のためおよびAAVコートにAAVベクターをパッケージングす
るための認識シグナルとして、シスで一緒に機能する。種々のAAV血清型(す
なわち、AAV−1〜AAV−7)に対するAAV ITR領域のヌクレオチド
配列は、当該分野において公知であり、そして血清型とともに大きさが変動する
。代表的に、AAV ITRは、大きさが約125〜145bpの範囲である。
例えば、Kotin,Human Gene Therapy 5(1994)
693−801およびBerns「Parvoviridae and the
ir Replication」Fundamental Virology,
第2版(B.N.FieldsおよびD.M.Knipe編)を参照のこと。本
明細書中において使用される場合に、本出願人らの組換え複製欠損レトロウイル
スのAAV ITRは、ネイティブな、すなわち野生型の配列のヌクレオチド配
列と同一である必要はなく、ヌクレオチドの挿入、欠失または置換によって変更
され得る。さらに、2つのAAV ITRは、AAVの血清型の任意のもの(例
えば、AAV−1、AAV−2、AAV−3、AAV−4、AAV5およびAA
V−7)に由来し得、そしてAAV rep遺伝子産物が細胞内に存在する場合
に、これらがレシピエント細胞ゲノムへの目的の異種配列の組み込みを可能にす
る限り、同一である必要も同じ血清型に由来する必要もない。
【0018】 AAV repコード領域は、ウイルスゲノムの複製および潜在性感染の間の
宿主ゲノムへのウイルスゲノムの挿入のために必要とされるタンパク質をコード
する、AAVゲノムの当該分野において認識されている領域である。repコー
ド領域は、2つの長い形態のrep(rep78およびrep68)ならびに2
つの短い形態のrep(rep52およびrep40)をコードする、少なくと
も4つの遺伝子を含む。より詳細には、例えば、Muzyczka,Curre
nt Topics in Microbiol.158(1992)97−1
29およびKotin,Human Gene Therapy 5(1994
)793−801を参照のこと。repコード領域は、任意のAAV血清型また
は機能的ホモログ(例えば、ヒトヘルペスウイルス6rep遺伝子)に由来し得
る。この領域は、適切なレシピエント細胞において発現される場合に存在する配
列が十分な取り込みを提供する限り、ネイティブな配列の全てを含む必要はなく
、ヌクレオチドの挿入、欠失または置換によって、変更され得る。好ましくは、
本発明において利用されるAAVベクターおよびビリオンは、1つ以上のrep
タンパク質を欠き、これによって複製欠損にする。より好ましくは、本発明のA
AVベクターは、4つ全てのrepタンパク質を欠く。
【0019】 AAV capコード領域は、ウイルスゲノムをパッケージするカプシドまた
はコートタンパク質、VP1、VP2およびVP3をコードする、AAVゲノム
の当該分野において認識された領域である。より詳細には、例えば、Muzyc
zka,Current Topics in Microbiol.158(
1992)97−129およびKotin,Human Gene Thera
py 5(1994)793−801を参照のこと。capコード領域は、任意
のAAV血清型または機能的ホモログに由来し得る。capコード領域は、適切
なレシピエント細胞において発現される場合に存在する配列が十分な取り込みを
提供する限り、ヌクレオチドの挿入、欠失または置換によって、変更され得る。
capコード領域は、好ましくは、本発明において使用されるAAVベクターお
よび複製欠損AAVビリオンに含まれないが、ITRおよびこれらの間に位置す
る遺伝子を認識およびパッケージするパッケージング細胞において発現される、
ヘルパーベクターに含まれる必要がある。
【0020】 従って、本明細書中で使用される場合、用語「AAVベクター」とは、アデノ
随伴ウイルス血清型由来のベクターを意味し、このベクターは、少なくとも、複
製およびパッケージングのためにシスに(in cis)必要とされる配列(例
えば、異種(すなわち、非AAV)ヌクレオチド配列に隣接する、機能的ITR
対)を含む。この基準内では、任意の血清型の任意のAAVが、本発明の方法に
おいて使用され得る。本発明における使用のためのベクターの例は、AAV−2
ベースのベクター(Srivastava、PCT特許出願WO93/0923
9に開示される)または単にAAV−7 ITRの対(これは、その間に1つ以
上の遺伝子が作動可能に配置される)である。
【0021】 本発明のベクターおよびビリオンにおいて使用されるAAV ITRは、ネイ
ティブ(野生型)AAV ITRであり得るか、またはそれらは、改変され得る
。ITRが改変されている場合、これらは、好ましくは、そのD配列で改変され
る。AAV ITRのネイティブD配列は、HP形成において関与しない各AA
V ITRにおける20個連続するヌクレオチドの配列(すなわち、各末端に1
つの配列が存在する)である。ITRのD配列は、ヌクレオチドの置換によって
改変され得、その結果、5〜18個のネイティブヌクレオチド、好ましくは、1
0〜18個のネイティブヌクレオチド、最も好ましくは、10個のネイティブヌ
クレオチドが保持され、そしてD配列の残りのヌクレオチドは、欠失されるかま
たは非ネイティブ(すなわち、外因性)ヌクレオチドで置換される。保持される
5ネイティブヌクレオチドの好ましい配列の1つは、5’CTCCA 3’であ
る。外因性または非ネイティブの置換ヌクレオチドは、その同じ位置でネイティ
ブD配列に見い出されるヌクレオチド以外の任意のヌクレオチドであり得る。例
えば、ネイティブD配列ヌクレオチドCに対する適切な置換ヌクレオチドは、A
、TおよびGであり、そしてネイティブD配列ヌクレオチドAに対する適切な置
換ヌクレオチドは、T、GおよびCである。4つのこのようなAAVベクターの
構築が、米国特許出願番号08/921,467(1997年9月2日出願)に
開示される。他の使用可能な例示的なベクターは、pWP−19およびpWN−
1であり、これらは両方とも、Nahreini、Gene 124(1993
)257−262に開示される。このようなAAVベクターの別の例は、psu
b201(Samulski、J.Virol.61(1987)3096に開
示される)である。
【0022】 他の適切なAAVベクターは、Double−D ITRベクターである。D
ouble−D ITRベクターを作製するための方法は、米国特許第5,47
8,745号に開示される。さらに他の適切なAAVベクターは、米国特許第4
,797,368号(Carter)、米国特許第5,139,941号(Mu
zyczka)、米国特許第5,474,935号(Chartejee)およ
びPCTとっきょしゅつがんWO94/28157(Kotin)に開示される
AAVベクターである。本発明の方法において使用可能なAAVベクターのなお
さらなる例は、SSV9AFABTKneoであり、これは、α−フェトプロテ
イン(AFP)エンハンサーおよびアルブミンプロモーターを含み、そして肝臓
において優性に単純ヘルペスチミジンキナーゼ(TK)遺伝子の発現を指向する
。その構造および作製するための方法は、Su、Human Gene The
rapy 7 (1996)463−470に開示される。
【0023】 複製欠損AAVベクターは、本発明の方法において使用される複製欠損AAV
ビリオンヘルパーウイルスを産生するために、空のAAVカプシド内にパッケー
ジングされる。代表的に1以上の遺伝子がITRの対の間に配置されている、複
製欠損AAVベクターをパッケージングするために、AAV複製を可能にするよ
うにトランスで(in trans)機能するAAV由来コード配列を有しそし
てAAV rep配列およびcap配列を含む、ヘルパー構築物またはヘルパー
ウイルスを使用する。このヘルパーウイルスは、AAVコード配列を有するが、
AAV ITRを欠失し、従って、産生されるカプシドにパッケージングされな
い。次いで、このヘルパーウイルスは、このAAVベクターに存在しないAAV
rep遺伝子およびcap遺伝子の一過性の発現を提供する。例示的AAVヘ
ルパー構築物を含む、さらなる詳細については、例えば、Samulski,J
.Virol.63(1989)3822−28;McCarty,J.Vir
ol 65(1991)2936−45および米国特許第5,139,941を
参照のこと。1つのこのようなAAVヘルパー構築物としては、pKS rep
/capが挙げられ、これは、AAV−2のrepおよびcapポリペプチド配
列をコードする遺伝子を含む。使用され得るヘルパーウイルス、ヘルパー構築物
およびヘルパー機能のさらなる例としては、プラスミドpAAV/Adおよびp
IM29+45(Samulski,J.Virol.63(1989)382
2−28およびMcCarty,J.Virol 65(1991)2936−
45を参照のこと)および米国特許第5,622,856号に開示されるものが
挙げられる。
【0024】 アクセサリー機能およびアクセサリー機能ベクターは、非AAV由来の機能お
よびベクターであり、これらは、AAVがその複製のために依存するような機能
をコードする配列を含む。このようなアクセサリー機能は、任意の公知のヘルパ
ーウイルス(例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイル
ス1型を除く)およびワクシニアウイルス)から誘導または獲得され得、そして
、遺伝子転写の活性化、DNA複製、cap発現産物の合成およびカプシド構築
に関与する部分および/または配列を含む。例えば、Carter、「Aden
o−Associated Virus Hepler Functions」
、CRC handbook of Parvoviruses、第I巻(19
90)(P.Tijssen編);Muzyczka、Current Top
ics in Microbiol.158(1992)97−129;Jan
ik,Proc.Natl.Acad Sci 78(1981)1925−2
9;Young,Prog.Med Virol.25(1979)1213お
よびSchlehofer,Virology 152(1986)110−1
7を参照のこと。
【0025】 本発明の方法において使用されるアデノプラスミドアクセサリー構築物として
は、アデノウイルス粒子内にパッケージングされることを不可能にされた、アデ
ノウイルスプラスミドDNAが挙げられ、例えば、このアデノプラスミドアクセ
サリー構築物は、感染性アデノウイルス粒子の産生に必要とされるアデノウイル
スパッケージングシグナルを欠失するが、rAAVビリオン産生に必要されるア
デノウイルス遺伝子を含む。あるいは、アデノプラスミドアクセサリー構築物は
、さらなる異種配列、プラスミドまたは他の構築物によって、パッケージングさ
れないような大きさにされる。このようなアデノプラスミドアクセサリー構築物
の使用は、先行技術の方法と比較して、類似の感染活性およびパッケージング効
率を有するrAAVビリオンの生成を生じる。
【0026】 1つのこのような構築物としては、血清型5アデノウイルスのDNA配列の全
てを含むが、塩基対194〜398との間にある血清型5パッケージングシグナ
ルを欠失する、アデノウイルス5型プラスミドが挙げられる。Hearingお
よびShenk、Cell 33(1983)695−703;Hearing
,J.Virol.61(1987)2555−58;GrableおよびHe
aring、J.Virol.64(1990)2047−56;Grable
およびHearing,J.Virol.64(1990)723−31を参照
のこと。代替的な構築物としては、血清型2アデノウイルスのDNA配列の全て
を含むが、類似の位置にある血清型2パッケージングシグナルを欠失する、アデ
ノウイルス2型プラスミドが挙げられる。同様に、任意の他のアデノウイルス血
清型を含む構築物が、そのパッケージングシグナルが除去されている限り、使用
され得る。使用され得る例示的な血清型としては、血清型Ad1、Ad6、Ad
8、Ad9、Ad10、Ad11、Ad12、Ad13、Ad15、Ad17、
Ad19、Ad20、Ad22、Ad23、Ad24、Ad25、Ad26、A
d27、Ad28、Ad29、Ad30、Ad32、Ad33、Ad367、A
d37、Ad38、Ad39、Ad40、Ad41およびAd42が挙げられる
。Fields Virology,2(FieldsおよびKnipe編)1
990を参照のこと。
【0027】 別のこのような構築物としては、異種配列を含み、この異種配列がプラスミド
を大きくしてパッケージングされなくする、アデノウイルス5プラスミドが挙げ
られる。例えば、アデノウイルス5配列における塩基対(bp)1339(3.
7mu)でのプラスミドpBR322またはその誘導体のうちの1つの挿入は、
この得られるウイルスゲノムを大きくしてパッケージングされなくする。Bet
t,Proc.Natl.Acad.Sci.91(1994)8802−06
およびMcGrory,Virology 163(1988)614−17を
参照のこと。代替的な構築物としては、血清型2アデノウイルスのDNA配列の
全てを含むが、類似の位置でpBR322の挿入を含む、アデノウイルス2型プ
ラスミドが挙げられる。同様に、任意の他のアデノウイルス血清型を含む構築物
が、その構築物がパッケージングされないような大きさにされる限り、使用され
得る。使用され得る例示的な血清型としては、Ad1、Ad6、Ad8、Ad9
、Ad10、Ad11、Ad12、Ad13、Ad15、Ad17、Ad19、
Ad20、Ad22、Ad23、Ad24、Ad25、Ad26、Ad27、A
d28、Ad29、Ad30、Ad32、Ad33、Ad367、Ad37、A
d38、Ad39、Ad40、Ad41およびAd42が挙げられる。Fiel
ds Virology,2(FieldsおよびKnipe編)1990を参
照のこと。
【0028】 アデノプラスミドアクセサリー構築物は、代替的に、ネイティブアデノウイル
ス配列を置換する、そのネイティブ配列と実質的に同一の機能を有する1以上の
ポリヌクレオチド相同体を含み得る。このような相同体は、異なるアデノウイル
ス血清型に由来し得るか(なぜなら、アデノウイルス5型ゲノムのヌクレオチド
配列は、アデノウイルス2型ゲノムに99%相同であると考えられるからである
)、別のアクセサリーウイルスまたは別の適切な供給源に由来し得る。
【0029】 アデノプラスミドは、適切な制御エレメントと結合された場合に複製可能であ
りかつ宿主細胞中で転写および発現され得る、環状または直線状のDNAフラグ
メントの形態であり得る。これは、従来の組換え技術を使用して操作され得る。
例えば、アデノプラスミドは、アクセサリー機能を有するアデノウイルスヌクレ
オチド配列(これは、アデノウイルスゲノムに由来するか、アデノウイルスベク
ターに由来するか、または化学合成されたかのいずれかである)を、任意の所望
の順序でベクター構築物に挿入する(例えば、ポリリンカーオリゴヌクレオチド
を使用して、このプラスミドに制限フラグメントを連結させることによって)こ
とによって、構築され得る。次いで、この配列は、当該分野で周知の技術を使用
して、ベクターから切り出され得、そして適切な発現プラスミドに挿入され得る
。本実施例で使用されるこのような1つの構築物としては、プラスミドpBHG
10が挙げられ、これは、293細胞のトランスフェクションに際して感染性ウ
イルスを産生するのに必要とされるAd5配列を含むが、ウイルスDNAをカプ
シド化するのに必要とされるパッケージングシグナル(塩基対194〜358)
を欠失する(なぜなら、これは、塩基対188〜塩基対1339(0.5から3
.7mu)のAd5配列を欠失しているからである)、細菌プラスミドである。
アンピシリン耐性遺伝子および細菌の複製起点は、その欠失されたAd5配列に
置き換わり、そしてこのプラスミドはまた、Ad5 E3領域(78.3から8
5.8地図単位(mu))を欠失する。この構造およびこの構築の詳細は、Be
tt,Proc.Natl.Acad.Sci.91(1994)8802−0
6に記載される。これは、Microbix Biosystems,Inc.
,Ontario,Canadaから入手可能である。
【0030】 利用され得る他のアデノプラスミド構築物には、プラスミドpBG11が含ま
れ、これは、293細胞にトランスフェクトされた場合、非感染性である。なぜ
なら、それは、pBHG10と、Ad5パッケージングシグナル配列の同じ欠失
を含むが、77.5から86.2muのAd5 E3領域を欠失するからである
。その構造およびその構築物の詳細は、Bett、Proc.Natl.Aca
d.Sci.91(1994)8802−06に記載される。本発明において使
用を意図される別の例示的なアデノプラスミド構築物は、pJM17である。構
築物pjM17は、そのアデノウイルス5配列における塩基対(bp)1339
(3.7mu)でプラスミドpBR322の誘導体のインサートを含有し、これ
は、得られるウイルスゲノムを、パッケージングのためには大きすぎるものにす
る。Bett、Proc.Natl.Acad.Sci.91(1994)88
02−06およびMcGrory,Virology 163(1988)61
4−17を参照のこと。構築物pJM17は、pFG140(Graham、E
MBO J 3(1984)2917−22)に由来し、その結果、pJM17
を用いて生成したベクターはまた、ベクターdl309に存在するように、その
Ad5配列のE3領域に存在する同じ欠失(単数または複数)および置換(単数
または複数)を含有する(Jones、Cell 17(1979)683−8
9を参照のこと)。
【0031】 アデノプラスミドにおけるアデノウイルス遺伝子領域は、その転写または発現
を指向する制御配列に作動可能に連結している。このような制御配列は、野生型
アデノウイルス遺伝子の遺伝子領域と結合したアデノウイルス制御配列を含み得
るか、または哺乳動物またはウイルス遺伝子に由来する異種プロモーターのよう
な異種制御配列を含み得る。例示的な異種プロモーターには、相同なアデノウイ
ルスからの(すなわち、異なるアデノウイルス血清型からの)アデノウイルスプ
ロモーター、SV40初期プロモーター、マウス乳癌ウイルスLRTプロモータ
ー;アデノウイルス主要後期プロモーター;単純ヘルペスウイルスプロモーター
、サイトメガロウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、合成
プロモーターもしくはハイブリッドプロモーターが含まれる。このようなプロモ
ーターは、市販されている。
【0032】 アデノプラスミドアクセサリー構築物はまた、1つ以上の選択マーカーを含み
得る。適切なマーカーは、適切な選択培地において増殖した場合、抗生物質耐性
または感受性を付与するか、色を与えるか、またはトランスフェクト細胞の抗原
性特性を変化させる配列である。例示的な選択マーカーには、ハイグロマイシン
B耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、およびカナマイシン耐性遺伝子が含ま
れる。他の適切なマーカーは、当該分野で周知である。
【0033】 あるいは、適切な宿主細胞は、必要なアクセサリー機能の1つ以上を提供し得
る。例えば、ヒト293細胞株は、それがアデノウイルスE1aおよびE1b遺
伝子を発現するように、5型アデノウイルスDNAフラグメントで形質転換され
ているヒト胎児腎臓細胞株である。したがって、1つの実施形態において、パッ
ケージングシグナルならびにE1aおよびE1b遺伝子領域を欠失するアデノプ
ラスミドが提供される。293宿主細胞へのトランスフェクションの際に、アデ
ノプラスミドは、感染性のアデノウイルス粒子の形成なしに、rAAVビリオン
産生を支持するアクセサリー機能を提供する。
【0034】 本発明のアデノプラスミドは、rAAVビリオンの産生のための方法に利用さ
れ得る。1つのこのような方法は、適切な宿主細胞に、AAVベクター、AAV
ヘルパー構築物およびアデノプラスミドアクセサリー構築物を、宿主細胞に導入
する工程を包含する。アデノプラスミドアクセサリープラスミドは、パッケージ
ングシグナル配列を欠くアデノウイルスプラスミドDNAから構成される。宿主
細胞は、粗rAAVビリオンを生成しそして溶解するために培養される。得られ
る細胞溶解物を、クロマトグラフィーカラムにかけるか、または塩化セシウム密
度勾配にかけ、そして精製したrAAVビリオンをカラムから回収する。
【0035】 本発明の複製欠損AAVベクターおよびビリオンに挿入された異種ヌクレオチ
ド配列は、治療タンパク質、ポリペプチド、アンチセンスRNAもしくはリボザ
イムまたはそれらの組み合わせを含む1つ以上の治療剤をコードする。代表的に
は、ベクターもしくはビリオンは、レシピエント細胞に対して天然または非天然
であるが、所望の生物学的もしくは治療的効果を有する1つから2つまでの治療
剤を含有する。
【0036】 上記のように、本発明の複製欠損AAVベクターおよびビリオンに導入された
異種ヌクレオチド配列は、治療タンパク質もしくはポリペプチド、好ましくは、
ヒトタンパク質またはポリペプチドをコードする遺伝子を含む。本発明の方法に
おける発現のために適切な治療的タンパク質およびポリペプチドの例には、LD
Lレセプター、第VIII因子、第IX因子、フェニルアラニンヒドロキシラー
ゼ、オルニチントランスカルバミラーゼ、またはα1アンチトリプシン;サイト
カイン(例えば、インターロイキン(IL)−1、IL−2、IL−3、IL−
4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−
11、IL−12、IL−13.IL−14、およびIL−15、αインターフ
ェロン、βインターフェロン、γインターフェロン、腫瘍壊死因子CD3、IC
AM−1、LFA−1、またはLFA−3、ケモカイン(RANTES1αまた
はMIP−1β(Cocci,Science 70(1996)を参照)を含
む));コロニー刺激因子(例えば、G−CSF、GM−CSF、およびM−C
SF);成長因子(IGF−1およびIGF−2);ヒトホルモン(例えば、成
長ホルモン、インスリン、カルシトニン、プロラクチン、卵胞刺激ホルモン、黄
体形成ホルモン、絨毛性ゴナドトロピン、または甲状腺刺激ホルモン);肝炎遺
伝子のうちの任意のもの;トロンボポエチン、エリスロポエチン、またはレプチ
ン、あるいは上記の組み合わせが含まれる。これらのタンパク質およびポリペプ
チドのヌクレオチドコード配列は、すでに当該分野で公知である。本発明の方法
および組成物において発現可能なさらに多くの配列には、プロテインSおよびG
as6、トロンビン、Xa凝固因子、酸性線維芽細胞増殖因子(FGF−1)、
塩基性FGF(FGF−2)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、TGF、血
小板由来増殖因子(PDGF)、上皮増殖因子(EGF)、肝細胞増殖因子(H
GF)、およびHGF活性化因子、PSA、神経細胞増殖因子(NCGF)、グ
リア細胞由来神経成長因子(GDNF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、Ar
gバソプレシン、甲状腺ホルモンアゾキシメタン(thyroid hormo
nes asoxymethane)、トリオドサイロニン(triodoth
yronine)、LIF、アンフィレグリン、可溶性トロンボモジュリン、肝
細胞因子、骨形成タンパク質1、骨形態形成タンパク質、MFG、MGSA、ヘ
レグリン、およびメラノトロピンが含まれる。好ましいタンパク質には、エリス
ロポエチン、トロンボポエチン(G−CSF)、第VIII因子、第IX因子、
第Xa因子、ヒト成長ホルモン、レプチン、およびIL−2が含まれるが、これ
らに限定されず、これらのDNA配列、特にヒトDNA配列は、当該分野ですべ
て公知である。
【0037】 AAVベクターはまた、プロモーターおよびポリアデニル化部位のような制御
配列、選択マーカー、レポーター遺伝子、エンハンサーおよび転写の誘導および
/または選択を可能にするその他の制御エレメントを含み得る。このようなAA
Vベクターは、当該分野で周知の技術を使用して構築し得る。
【0038】 複製欠損AAVヘルパー構築物は、AAVビリオンの産生に必要である遺伝子
(特に、cap構造遺伝子)を提供することによってAAVベクターを相補する
ために使用される。相補的な機能を有する適切なヘルパー構築物は、当該分野で
周知である。
【0039】 AAVベクター、複製欠損AAVヘルパー構築物、およびアデノプラスミドア
クセサリー構築物は、同時にかまたは逐次的に、任意の周知の当該分野で認識さ
れたトランスフェクション技術を使用して(例えば、リン酸カルシウム共沈によ
り)、宿主細胞中に導入される。培養条件には、35〜40℃の範囲で、約48
〜120時間、インキュベートすることを含む。その細胞を収集し、そして溶解
物を、3回の凍結解凍サイクルおよび/または超音波処理を使用して生成する。
次いで、その溶解物を遠心分離して、細胞破片を除去し、そしてrAAVビリオ
ンを塩化セシウム平衡勾配遠心分離によって精製する。任意の残渣のアデノウイ
ルス粒子を、精製rAAV調製物を少なくとも56℃まで20〜30分間加熱す
ることによって不活化する。あるいは、rAAVビリオンは、Tamayose
、Human Gene Therapy 7(1996)507−513に記
載されるプロトコールに従って、スルホン化セルロースカラムクロマトグラフィ
ーによって精製し得る。
【0040】 上記に提供される記載の実施例は、以下に提供される。
【0041】 (実施例1:AAVベクターpCMVAAV−lacZ、ヘルパープラスミド
PKSrep/capおよびアデノウイルスプラスミドpJM17、pBHG1
0およびpBHG11の構築) ベクターpKm201CMVは、CMV最初期エンハンサー、プロモーターお
よびイントロンを含む発現カセットならびにウシ成長ホルモンポリアデニル化部
位がAAV−2 ITRに隣接されるクローニングベクターである。pKm20
1CMVは、改変されたAAVベクタープラスミドであるpKm201由来であ
って、ここでpEMBL−AAV−ITR(Srivastava(1989)
)のアンピシリン耐性遺伝子がカナマイシン耐性についての遺伝子と置換された
。pCMV6c(Chapman(1991))の誘導体であるpCMVlin
k由来の発現カセット(ここで、bGHポリA部位はSV40終止部位に置換さ
れた)を、pKm201のITRの間に挿入してpKm201CMVLINKを
作製した。pCMVAAV−lacZを構築するために、lacZ cDNA配
列を、プラスミドpCMVβ(Clontech,Palo Alto CA)
から切除してpKm201CMVLINKに挿入した。プラスミドpKm201
CMVLINKは、ATCCに(受託番号98335として)寄託されたベクタ
ーpAAV−TK−MCSFaに同一の骨格を有する。
【0042】 AAVヘルパープラスミドであるpKSrep/capを、ITRを伴わない
AAV−2ゲノムをクローニングすることによって(すなわち、AAV−2のヌ
クレオチド192〜4493(Srivastava,J.Virol.45(
1983)555−64を参照のこと)をpBluescriptII KS+
(Strategene,La Jolla,CA)に)構築した。
【0043】 アデノウイルスプラスミドpJM17、pBHG10およびpBHG11は、
Bett,Proc.Natl.Acad.Sci.91(1994)8802
−06に記載される。プラスミドpJM17は、ヒト胚性腎細胞(293細胞)
にトランスフェクトした場合、非感染性(複製欠損)であるアデノウイルスプラ
スミドである。なぜなら、これは、そのアデノウイルス−5配列に塩基対(bp
)1339(3.7mu)において、生じるウイルスゲノムをパッケージするに
は大きすぎるようにするプラスミドpBR322の誘導体の挿入を含むからであ
る。プラスミドpBHG10は、293細胞にトランスフェクトした場合に非感
染性である、アデノウイルス−5プラスミドである。なぜなら、これは、bp1
88〜bp1339(0.5〜3.7mu)のアデノウイルス5型(Ad5)配
列の欠失(これは、アデノウイルスDNAをカプシド化するに必要なパッケージ
ングシグナル(psi)を除去する)を含むからである。アンピシリン耐性遺伝
子(Ap)および細菌性複製起点(Ori)は、欠失した(bp188〜bp1
339)Ad5配列を代用する。このプラスミドはまた、Ad5 E3領域(7
8.3〜85.8mu)を欠失する。プラスミドpBHG11は、293細胞に
トランスフェクトした場合に感染性である、Ad5プラスミドである。なぜなら
、これは、bp188〜bp1339(0.5〜3.7mu)のAd5配列の欠
失(これは、アデノウイルスDNAをカプシド化するに必要なパッケージングシ
グナル(psi)を除去する)を含むからである。アンピシリン耐性遺伝子(A
mp’)および細菌性複製起点(Ori)は、欠失したAd5配列を代用する。
このプラスミドはまた、Ad5 E3領域(77.5〜86.2mu)を欠失す
る。
【0044】 (実施例2:3連トランスフェクションによるrAAV粒子の作製) 本発明の3連トランスフェクション法による複製欠損rAAV粒子(ビリオン
)の作製について、Zhou(1994)に開示されるプラスミドの一過性のト
ランスフェクションプロトコールを、一部改変して従った。受託番号CRL15
73でATCCから入手可能なヒト胚性腎細胞(293細胞)(またGraha
m,J.Gen.Virol.36(date)59−72を参照のこと)を、
10%ウシ胎仔血清を含む、滅菌したIMDM培地(Biowhittaker
,MA)中で、37℃にて5%CO2中で増殖した。一旦、細胞が、15cmデ
ィッシュ上で60〜70%コンフルエントに達したら、これらの細胞をAAVベ
クター、複製欠損AAVヘルパープラスミドおよびアデノウイルスプラスミドを
含む混合物で、リン酸カルシウム同時沈降法によって、3連トランスフェクトし
た。特に、10μgのAAVベクタープラスミドの混合物、10μgの複製欠損
AAVヘルパープラスミドおよび20μgのアデノプラスミドpBHG10を、
2.5mlの250mM CaCl2に添加して、そして2.5mlの2×HB
S(Jordan,Nucleic Acids.Res.24(1996)5
96−601)と混合した。沈殿物を、8時間細胞上に放置し、そして10%ウ
シ胎仔血清(FBS)を含む新鮮なIMDM培地と置換した。トランスフェクシ
ョンの24、48、72、96および120時間後、細胞を、Hepes緩衝液
(2.5ml/ディッシュ)で収集し、そして3回の凍結融解サイクルによって
溶解した。この細胞溶解物を、12,000×gで20分間遠心分離し、細胞破
片を除去した。パッケージングされたAAV粒子を、2回の塩化セシウム平衡勾
配遠心分離を通じて精製し、そして残存したアデノウイルス粒子を、56℃で3
0分間の熱処理によって不活性化した。あるいは、パッケージされたAAV粒子
を、Tamayose,Human Gene Therapy 7(1996
)507−13に記載されるように、スルホン化セルロースカラムクロマトグラ
フィーによって精製する。
【0045】 別のセットのトランスフェクションは、アデノプラスミドDNAを使用しない
ことを除いて同一のプロトコールに関し;代わりに、トランスフェクションの8
時間後に、細胞を、感染の多重度(multiplicity)(MOI)が2
であるアデノウイルス dl312で、感染した。アデノウイルスdl312は
、E1a遺伝子において欠失を有し、そしてアデノウイルス配列の左末端(le
ft−end)で形質転換された293細胞において増殖される。これは、E1
a転写物およびE1b転写物を発現する。Moran Cell 48(198
7)177−78を参照のこと。形質転換された細胞を、感染72時間後に収集
し、そして上記のように精製した。
【0046】 産生されたベクター粒子の総数の概数について、精製されたベクターストック
を、DNAse Iで処理して、そしてカプシド化したDNAを、フェノール−
クロロホルムで抽出し、エタノールで沈殿し、そしてNahreiniおよびS
rivastava,Interviriology 30(1989)74−
85に記載されるように、ドットブロット分析に供した。次いで、293細胞を
、ベクターストックの連続希釈物で感染した。陽性細胞を計数し、そして機能的
な力価を評価した。野生型AAV試験について、rAAVストックを、連続的に
希釈し、そして293細胞(2×105)を、MOI2でのAdとともに感染し
た。3日後に、細胞を収集し、3回の凍結融解サイクルで溶解し、そして細胞破
片を遠心分離によって除去した。上清を、10分間にわたって熱不活性化し、新
鮮な293細胞(6×106)を、MOI2でのAdの存在下で感染した。感染
の48時間後、低分子量DNAを、Hirt,J.Mol.Biol.26(1
967)365−69の方法に従って単離し、アガロースゲル上に分画し、そし
てナイロン膜に転写した。ブロットを、AAVカプシド領域に特異的なビオチン
化オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズした。AAVカプシドDNAに
ついて陽性シグナルを示すベクターストックの最大希釈に基づいて、力価を報告
した。
【0047】 調製物中のアデノタンパク質およびAAVタンパク質の量をウエスタンブロッ
ト分析によって可視化するために、粗製溶解物および最終調製物(5μl(総量
の0.008%)の凍結融解溶解物および5μl(総量の0.5%)の最終調製
物)からのアリコートを、10%Tris−グリシンゲル(Novex,San
Diego,CA)上で電気泳動し、そしてニトロセルロース上に電気的にブ
ロットした。これらのブロットを、AAVカプシドタンパク質に対するモノクロ
ーナル抗体(ARP Inc.,Belmont,MA)およびヤギ抗マウスI
gG HRP結合体(Bio−Rad Laboratories,Richm
ond,CA)か、アデノウイルス5型に対するポリクローナル抗体(DAKO
,Denmark)およびヤギ抗ウサギIgG HRP結合体かのいずれかでプ
ローブした。シグナルを、化学発光検出キット(ECTL,Amersham,
Bukinghamshire,Great Britain)を使用して検出
した。
【0048】 アデノウイルスタンパク質のウエスタンブロット分析の結果は、以下である。
レーン1、これは、標準的プロトコールからの粗製調製物(総量の0.008%
)を含み、約29kD〜140kDを超えて広がる広範囲のタンパク質のスミア
を示した。同様の試験条件下で、レーン2、これは、3連トランスフェクション
プロトコールからの粗製調製物(0.008%)を含み、非常に低いレベルのア
デノタンパク質を示した。アデノウイルスタンパク質夾雑物について分析した場
合、精製されたAAV産物は、標準プロトコールにおいてなおいくつかのアデノ
タンパク質夾雑物を示した(レーン3)が、本発明の3連トランスフェクション
プロトコールは、検出可能なアデノタンパク質の夾雑物を有さなかった(レーン
4)。アデノウイルス夾雑物試験について、サンプルを希釈して、そして50%
コンフルエントな293細胞(1×105細胞で12ウェルディッシュ上に播か
れた)に添加した。これらの培養物を、少なくとも3週間にわたってか、または
これらの培養物が細胞変性効果を示すまでパッセージした。コントロールは、既
知の量のアデノウイルスストックで感染された293細胞を含んだ。このアッセ
イにおける検出の限界は、100pfu/mlであった。これらの結果は、3連
トランスフェクションプロトコールがアデノウイルス夾雑物を導かないことを示
した。
【0049】 複製欠損アデノプラスミドアクセサリー構築物を複製コンピテントな(ヘルパ
ー)アデノウイルスの代わりに使用してAAVビリオン産生を阻害するか否かを
決定するために、本発明者らは、先行技術の標準的プロトコールと本発明の3連
トランスフェクションプロトコールとについて、10cm培養ディッシュ当たり
の凍結融解溶解物から得られた「合計」のrAAVビリオンの数と「機能的」な
rAAVビリオンの数とを比較した。粒子の合計を、ドットブロット分析によっ
て決定した。機能的粒子を、X−gal活性についての染色および陽性細胞の計
数によって決定した。
【0050】
【表1】 表1からのデータは、産生性(複製コンピテント)なアデノウイルス感染の不存
在下でさえ、rAAV粒子のカプシド化を、アデノプラスミドアクセサリー構築
物からのアデノウイルスDNAを提供される、ヒト293細胞において効率的に
得ることを示す。この実験はまた、アデノプラスミドアクセサリーエレメントで
形質転換された細胞が、72〜120時間の間に同様の数の総ウイルス粒子を有
したこと、および72時間時において、両方の方法によって作製された粒子の総
数は比較可能であり、かつディッシュ当たりの細胞数は類似したことを示す。
【0051】 (実施例3:3連トランスフェクション法の拡大) 大規模トランスフェクションを、実施例2に記載されるように実施した。目的
の遺伝子をコードするがAAVタンパク質についてのコード配列がない、複製欠
損AAV粒子(ビリオン)を、20個の15cmディッシュから回収し、そして
CsCl勾配上で精製した。総粒子および機能的粒子を、実施例2に記載される
ように評価した。結果を以下に示す。
【0052】
【表2】 CsCl勾配精製の後に、アデノウイルスタンパク質夾雑物は、3連トランス
フェクションプロトコールによって調製されたrAAV調製物において、ウエス
タンブロット技術によって検出不可能であった。
【0053】 本明細書中に言及される全ての特許、特許公開、特許出願および科学論文は、
本明細書中に参考として援用される。本発明は、完全に記載され、多くの変化お
よび改変が、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなくなさ
れ得ることは、当業者には明白である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 7/04 A61K 37/36 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA ,ZW (72)発明者 エスコベド, ジェイミー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94507, アラモ, ラボルナ ロード 1470 (72)発明者 チョウ, シャン−チェン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94502, アラメダ, ファンド ベイ 125 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA03 BA27 BA30 BA32 CA02 DA03 EA02 HA17 4B065 AA93X AA93Y AA95Y AB01 CA24 CA44 4C084 AA06 AA13 CA53 CA56 DA14 DB22 DB56 NA20 4C087 AA03 BB64 BB65 BC83 CA12 NA20

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 野生型AAVおよびヘルパーアデノウイルスを実質的に含ま
    ない、複製欠損組換えAAVビリオンを産生するための方法であって、該方法は
    以下の工程: a.適切な宿主細胞に、(i)AAVコード配列がなく、かつ2つのAAV
    ITRの間に操作可能に位置される異種遺伝子を含む、AAVベクター、(ii
    )AAVカプシドタンパク質をコードする少なくとも1つの遺伝子を有する、A
    AVヘルパー構築物、および(iii)パッケージングシグナルを欠くかまたは
    パッケージされ得ないようにするに十分なさらなるヌクレオチドを含むかのいず
    れかであるアデノウイルスゲノム全長を有する、アデノプラスミドアクセサリー
    構築物を導入して、形質転換された宿主細胞を産生する工程; b.該形質転換した宿主細胞を培養して、該異種遺伝子を有する複製欠損組換
    えAAVビリオンを産生する工程;ならびに c.該培養された宿主細胞を溶解して、野生型AAVおよびアデノウイルス粒
    子が実質的にない該複製欠損組換えAAVビリオンを得る工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、前記アデノプラスミドアク
    セサリー構築物が、パッケージングシグナルを欠くアデノウイルスゲノム全長を
    有する、方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法であって、前記アデノプラスミドアク
    セサリー構築物が、パッケージされ得ないようにするに十分なさらなるヌクレオ
    チドを含むアデノウイルスゲノム全長を有する、方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法であって、前記異種遺伝子がヒトタン
    パク質をコードする、方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の方法であって、前記ヒトタンパク質が、エ
    リスロポエチン、トロンボポエチン(G−CSF)、第VIII因子、第IX因
    子、第Xa因子、ヒト成長ホルモン、レプチンまたはIL−2である、方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の方法であって、前記アデノプラスミドアク
    セサリー構築物が、pJM17、pBHG10またはpBHG11である、方法
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の方法であって、以下の工程: d.工程(c)の溶解物をスルホン化したセルロースを含むカラムに適用する
    工程;ならびに e.宿主細胞タンパク質および宿主細胞の破片が実質的にない、精製された複
    製欠損組換えAAVビリオンを回収する工程、 をさらに包含する、方法。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の方法であって、前記異種遺伝子がヒトタン
    パク質をコードする、方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の方法であって、前記ヒトタンパク質が、エ
    リスロポエチン、トロンボポエチン(G−CSF)、第VIII因子、第IX因
    子、第Xa因子、ヒト成長ホルモン、レプチンまたはIL−2である、方法。
  10. 【請求項10】 請求項2に記載の方法であって、前記アデノプラスミドア
    クセサリー構築物が、pJM17、pBHG10またはpBHG11である、方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項2に記載の方法であって、以下の工程: d.工程(c)の溶解物をスルホン化したセルロースを含むカラムに適用する
    工程;ならびに e.宿主細胞タンパク質および宿主細胞の破片が実質的にない、精製された複
    製欠損組換えAAVビリオンを回収する工程、 をさらに包含する、方法。
  12. 【請求項12】 請求項3に記載の方法であって、前記異種遺伝子がヒトタ
    ンパク質をコードする、方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の方法であって、前記ヒトタンパク質が
    、エリスロポエチン、トロンボポエチン(G−CSF)、第VIII因子、第I
    X因子、第Xa因子、ヒト成長ホルモン、レプチンまたはIL−2である、方法
  14. 【請求項14】 請求項3に記載の方法であって、前記アデノプラスミドア
    クセサリー構築物が、pJM17、pBHG10またはpBHG11である、方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項3に記載の方法であって、以下の工程: d.工程(c)の溶解物をスルホン化したセファロースを含むカラムに適用す
    る工程;ならびに e.宿主細胞タンパク質および宿主細胞の破片が実質的にない、精製された複
    製欠損組換えAAVビリオンを回収する工程、 をさらに包含する、方法。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の方法であって、前記2つのAAV IT
    Rが野生型である、方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の方法であって、前記2つのAAV I
    TRがAAV−2 ITRである、方法。
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