JP2003510376A - 網状重合体の調製方法 - Google Patents

網状重合体の調製方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、網状重合体を調製するための方法に関するものであり、当該方法では、(i) 共有結合又は非共有結合によって、分子内もしくは分子間、又は分子内と分子間とで互いに架橋することができる1種類以上のポリマーを利用可能にし、(ii)当該ポリマーの少なくとも1種類のポリマーの配座を、少なくとも1種類の鋳型化合物に適合させて、少なくとも1種類のポリマーの少なくとも1つの好ましい配座を得て、そして(iii)架橋結合によって、(ii)にしたがって得られた好ましい配座の少なくとも1つを固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、網状重合体を調製する方法、本発明にしたがう方法によって得られ
る網状重合体、及び様々な工業用途領域における網状重合体の使用に関する。
【0002】 所定の支持体(substrate)を選択的に結合することができる細孔を有する網状
重合体は、すべての一連の工業用途で関心が持たれている。この点について、物
質分離法、触媒法又はセンサーとしてのこれらの網状重合体の使用を参照するこ
とができる。
【0003】 WO 93/09075は、網状重合体の調製法を記載しており、架橋剤の存
在下且つ同時に支持体の存在下で、モノマーから遊離基重合によってポリマーが
調製される。バイオセンサー又は合成抗体として、クロマトグラフィーにおいて
、及び触媒作用法において用いるためのインプリンティングポリマー(imprinti
ng polymers)を提案している。G. Wulff は、Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 3
4 (1995) 1812-1832. で概観している。
【0004】 しかしながら、インプリンティング法は多くの短所を有する。而して、インプ
リントは、許容できないピークの広がり、及び一般に、クロマトグラフィー試験
における不完全な物質溶離を示し、後者は、更なる生成物分画の相互汚染を引き
起こす。而して、クロマトグラフィーにおけるインプリントの工業用途は実質的
に排除される。同様に、一般にインプリントは、実質的に1000当たりの範囲
で支持体を充填する能力が低く、その結果として、明らかに、処理量は非常に少
量であり、工業的分離法は不経済に行われていると考えられる。
【0005】 Menger ら による J. Org. Chem. 63 (1998) 7578-7579 では、コンビナトリ
アル混合物から出発し、ポリアクリル酸無水物を、ある程度無作為に選択された
3又は4種類のアミンと反応させ、96の異なる濃度比において14種類の異な
るアミンの組合せから1344種類の異なるポリマーを導く。ポリマーは、ベー
タ−ヒドロキシケトンの接触脱水素において用いたが、反応速度の故に、触媒法
に適していたのは、すべてのポリマーの1%未満であった。実験では、ポリマー
が、支持体の存在下で、より良い触媒活性を徐々に発現することが観察された。
しかしながら、向上した活性を有するポリマー構造は安定化されなかったが、p
H又は温度の変化によって触媒的により活性な構造が破壊されるような不安定な
構造は得られた。
【0006】 而して、上記方法の短所を有しない方法を利用可能にすることは、本発明の目
的であった。 而して、本発明は、網状重合体を調製するための方法に関する。当該方法では
、 (i) 共有結合又は非共有結合によって、分子内もしくは分子間、又は分子
内と分子間とで互いに架橋することができる1種類以上のポリマーを利用可能に
し、 (ii)当該ポリマーの少なくとも1種類のポリマーの配座を、少なくとも1
種類の鋳型化合物に適合させて、少なくとも1種類のポリマーの少なくとも1つ
の好ましい配座を得て、 (iii)架橋結合によって、(ii)にしたがって得られた好ましい配座の
少なくとも1つを固定する。
【0007】 本出願の文脈で用いられる「鋳型化合物」という用語は、用いられる少なくと
も1種類のポリマーの少なくとも1つの配座に適合させることができるすべての
化合物を含む。而して、可能な化合物は、ポリマーと相互作用することによって
、用いられた少なくとも1種類のポリマーを好ましい配座へと導くすべての化合
物である。更に以下で説明するように、この場合、その相互作用は、ポリマー自
体とだけ相互作用するのではなく、用いたポリマーから誘導体化されるポリマー
構造とも相互作用することができる。
【0008】 而して、可能な鋳型化合物は、化学的化合物と、例えば微生物、とりわけ例え
ば病原性生物、好ましくはウィルス、細菌又は寄生生物が挙げられる生物学的構
造との両方である。同様に、例えば細胞、フラグメント、又は細胞成分、エピト
ープ、抗原決定基又は受容体も挙げることができる。
【0009】 本発明にしたがう方法では、溶液又は懸濁液で用いられる鋳型化合物の濃度は
、基本的に自由に選択することができる。好ましくは濃度は、用いられる溶媒又
は溶媒混合物を基準として、0.25 〜 300ミリモル/リットルである。同
様に、鋳型を用いる溶媒は、実質的に自由に選択することができる。有機で水溶
性の溶液が好ましく、好ましい溶媒は、とりわけ、3個以下の炭素原子を有する
クロロヒドロカーボン、例えばアセトニトリルのようなニトリル、例えば酢酸エ
チルのようなエステル、例えばメチルエチルケトンもしくはアセトンのようなケ
トン、例えばTHFもしくはジオキサンのような非環式もしくは環式のエステル
、又は例えばトルエンもしくはキシレンのような芳香族化合物、又はそれらの化
合物の2種類以上から成る混合物である。溶液のpH範囲は、実質的に自由に選
択することができ、ポリマー及び鋳型化合物によって調整することができる。好
ましくは、固定中のpH範囲は、3 〜 12、好ましくは4 〜 9、特に好まし
くは6 〜 8である。
【0010】 本発明の文脈で用いられる「好ましい配座」とは、本発明にしたがう方法の1
つ以上の工程から生じるポリマーの配座を指している。好ましい配座と鋳型化合
物との間の相互作用エンタルピーは、鋳型化合物と、この1つの工程前に又はこ
のいくつかの工程前にポリマーが有する配座との間の相互作用エンタルピーに比
べて大きい。
【0011】 好ましくは、相互作用エンタルピーのこの差は、0.1kcal/mol超であり、特
に好ましくは1kcal/mol超、非常に好ましくは3kcal/mol超である。 既に説明し、また以下でも更に説明しているように、本発明にしたがって調製
される網状重合体は、とりわけ物質分離法で用いることができる。ここで、網状
重合体の調製中に生じる反応状態下において分離しようとする物質は、安定では
なく、又はわずかに不充分に安定であり、又は例えば利用可能ではないことは明
らかに予想される。この場合、例えば、分離しなければならない物質と同族であ
るか、又は構造的に関連があって、好ましくは等配電子である化合物を、鋳型化
合物として用いることができる。
【0012】 ここで、とりわけ、ポリマーと鋳型化合物とを相互作用させることによって配
座を適合させることができる。また、互いに同じか又は異なるポリマーの2種類
以上のポリマーストランドを架橋させ、生成したポリマー構造を、少なくとも1
種類の鋳型化合物と相互作用させ、而して、ポリマー構造の配座及び而して用い
られるポリマーの配座を鋳型化合物に適合させることもできる。
【0013】 更に、ポリマーストランドの分子内架橋結合によって、少なくとも1種類の鋳
型化合物と相互作用する配座が形成され、ポリマーの配座をその少なくとも1種
類の鋳型化合物に適合させることもできる。そのような分子内架橋結合が生じる
態様では、すべての適当なポリマーの場合において、本発明の文脈において可能
である。10000g/mol超、更に好ましくは30000g/mol超、特に好ましく
は100000g/mol超のモル質量を有するポリマーが特に好ましい。
【0014】 更に、本発明は、少なくとも1種類の鋳型化合物の非存在下で、分子間架橋又
は分子内架橋させることによってポリマー構造が合成され、当該ポリマー構造の
配座は、少なくとも1種類のポリマー及び/又は用いられる少なくとも1つの架
橋剤を特に選択することによって、少なくとも1種類の鋳型化合物に適合させる
ように配座の適合が行われる態様も含む。この場合、例えば、上記した工程(i
i)及び(iii)を1つの工程で行うことができる。少なくとも1種類の鋳型
化合物の非存在下で架橋させる場合では、少なくとも1種類の鋳型化合物におお
よそ適合されるポリマー構造を合成することもできる。その場合、より正確な適
合は、少なくとも1種類の鋳型化合物の存在下又は非存在下における更なる架橋
工程によって行うことができる。
【0015】 而して、分子内及び/又は分子間で架橋することができ、且つそれ自体で相互
作用することができるか又は架橋後に少なくとも1種類の鋳型化合物と相互作用
することができるすべてのポリマーを、本発明にしたがう方法で用いることがで
きる。
【0016】 本発明の文脈では、「相互作用」という用語は、すべての適当な共有結合及び
非共有結合の相互作用を意味していると理解される。 上記したように、例えば分子内又は分子間の架橋によって合成される少なくと
も1種類のポリマー又は用いられる1種類のポリマー構造と、少なくとも1種類
の鋳型化合物との起こり得る相互作用は、とりわけ: 水素結合; 双極子・双極子相互作用; ファンデルワールス結合; 疎水性相互作用; 電荷移動相互作用、例えばπ−π相互作用; イオン相互作用; 配位結合、例えば遷移金属に対する配位結合; これらの相互作用の組合せ である。
【0017】 明らかに、ポリマー及び/又はポリマー構造及び少なくとも1種類の鋳型化合
物との間の共有結合が生じ得る。本発明にしたがう方法で調製される網状重合体
を、例えば物質分離法で用いる場合、ポリマー及び/又はポリマー構造及び少な
くとも1種類の鋳型化合物との間の相互作用は、特に好ましく、それによって、
少なくとも1種類の鋳型化合物は可逆的に結合される。
【0018】 用いられた少なくとも1種類のポリマーそれ自体が少なくとも1種類の鋳型化
合物と相互作用する場合、本発明による方法にしたがって、当該ポリマーは、こ
の相互作用を生じさせることができる少なくとも1つの官能基を有する。少なく
とも1種類の鋳型化合物との相互作用によって形成されるポリマーの配座が架橋
結合によって固定される場合、とりわけ、少なくとも1種類の鋳型化合物との相
互作用が形成される官能基を介して当該架橋結合が生成することが可能である。
好ましくは、当該ポリマーは、架橋結合が生成する少なくとも1つの更なる官能
基を有する。
【0019】 而して、本発明の文脈で用いられる「官能基」という用語は、それによって共
有結合相互作用及び/又は非共有結合相互作用を生起させることができるすべて
の化学構造を含む。特に、ファンデルワールス相互作用を形成することができる
炭化水素鎖及び更なる構造単位も官能基という用語に包含される。
【0020】 而して、相互作用することができるポリマー中の官能基が、タイプ及び/又は
数及び/又は密度及び/又は分散にしたがって、特定の鋳型化合物を結合するこ
とができる場合、用いられるポリマーの特に適当な構造が存在する。非常に特に
適当なポリマーは、特定の鋳型化合物を、1つ以上の位置において、二価、三価
、オリゴ価(oligovalently)及び/又は多価で結合することができるポリマー
である。而して、相互作用に対して不活性である少なくとも1つの基によって任
意に空間的に分離された2種類以上の官能基が、相互作用の原因であることがで
きる。
【0021】 本発明の文脈で用いられる「ポリマー中(in the polymer)」という用語は、
とりわけ、支持体との相互作用形成のために及び/又は架橋のために用いられる
少なくとも1つの官能基が、ポリマーストランド中に存在しているポリマーに関
するものである。同様に、当該用語は、少なくとも1つの官能基が、ポリマース
トランドの少なくとも1つの側鎖中に存在しているポリマーに関するものであり
、また、官能基の少なくとも1つのタイプが、ポリマーストランド中及び当該ポ
リマーストランドの少なくとも1つの側鎖中の双方に存在しているポリマーにも
関する。
【0022】 而して、本発明にしたがう方法では、一般的に、誘導体化ポリマー及び非誘導
体化ポリマーの双方を用いることができる。 少なくとも1種類の鋳型化合物と相互作用を形成するための及び/又は架橋結
合のためのポリマーにおいて必要とされる少なくとも1つの官能基は、元のポリ
マー中に既に存在していることができ、その後の誘導体化によってポリマー中に
必ずしも導入する必要は無い。とりわけ、例えばポリビニルアミン中にあるアミ
ノ基もしくはホルミル基、例えばポリビニルアルコール中にあるヒドロキシル基
もしくはアセチル基を例として挙げることができる。
【0023】 本発明にしたがう方法では、とりわけ、誘導体化形態で本方法で用いられる少
なくとも1種類のポリマーを誘導体化することによって、特注の受容体基を用い
る受容体・鋳型相互作用を「指定」することができる。本発明の文脈では、鋳型
化合物との最良の可能な相互作用が達成されるように誘導体化度に影響を与える
ことができる。同様に、ある一定の架橋可能性又は相互作用可能性を、例えば誘
導体化によって導入される官能基によって、ポリマー中に特に導入することによ
って、少なくとも1種類の鋳型化合物の非存在下で、少なくとも1種類のポリマ
ーの配座の適合を指定することができる。
【0024】 まず最初に本発明にしたがう方法で1種類以上のポリマーを誘導体化し、次に
本発明にしたがう方法で用いる場合、すべての適当な方法、例えば従来技術にお
いて公知の方法にしたがって誘導体化を起すことができる。
【0025】 官能基を有するポリマーに受容体基を組み込み、そのようにしてそれらを誘導
体化することに関して、とりわけ M. Antonietti, S. Heinz, Nachr. Chem. Tec
h. Lab. 40 (1992) No. 3, pp. 308-314 に列記されている3つの経路を挙げる
ことができる。この出版物によると、ランダム重合又は共重合によって、ブロッ
クコポリマーの調製によって、及び界面官能化ポリマー粒子の調製によって、誘
導体化ポリマーを得ることができる。これらの調製経路は、ポリマーが得られる
誘導体化モノマーから出発する。
【0026】 誘導体化ポリマーの更なる可能性は、官能基を有するポリマーと誘導体化化合
物とのポリマー類似反応である。 ポリマー誘導体化は、例えば、不均一反応によって固体表面上で行われる。こ
の基は、とりわけ、例えば P. Mohr, M. Holtzhauer, G. Kaiser, Immunosorpti
on Techniques, Fundamentals and Applications, Akademie Verlag, Berlin (1
992), pp. 34-40 において記載されているように、担体活性化及び担体固定化を
含み、当該基においては、求核性物質は、ポリマーに対して、例えばエポキシポ
リアクリル酸エステル又はBrCN−セファロースに対して普通に均一に結合さ
れる。
【0027】 好ましい態様では、本発明にしたがう方法(i)において、少なくとも1種類
の官能基を有するポリマーを、少なくとも1つの活性化剤又は活性化剤の誘導体
と反応させることによって調製される誘導体化ポリマーを利用することができる
。当該反応は、均一に又は不均一に、好ましくは均一に生起させることができる
【0028】 一般に、この場合、活性化剤は、ポリマーの少なくとも1つの官能基が、反応
中に活性化剤と反応し、それによって、その後の誘導体化剤との反応における反
応性が向上するように選択される。
【0029】 而して、本発明は、少なくとも1種類の官能基を有するポリマーと活性化剤と
から得られる反応生成物を誘導体化剤と反応させる方法も説明する。 本発明にしたがう方法この態様の文脈において、少なくとも1種類の官能基を
有するポリマーは、同時に、すなわち「ワンポット反応(one-pot reaction)」
という意味で、少なくとも1つの活性誘導体化剤及び/又は少なくとも1つの非
活性誘導体化剤及び/又は活性化剤と反応することができる。
【0030】 少なくとも1つの官能基を有する活性ポリマーと誘導体化剤とのこの反応によ
って、所望の基を当該ポリマー中に導入することができる。 異なる活性化剤とポリマーを反応させた場合、これらの活性化された官能基は
、1つ以上の誘導体化剤に対して異なる反応性を有することができる。而して、
本発明にしたがう方法の文脈では、この様式で官能基を選択的に誘導体化するこ
とができる。この点に関して、「選択的に」という用語は、例えば互いに異なる
2種類以上の官能基を有するポリマーを、例えば2種類の活性化剤と反応させ、
その結果として、誘導体化するための誘導体化剤とのその後の反応が、これらの
2つの活性化剤の1つによって、原則として誘導体化剤に関してより反応的に活
性化された官能基(単数又は複数)上において活性化される活性官能基(単数又
は複数)上において、主として独占的に起こることを意味している。
【0031】 本発明にしたがう方法では、更に、少なくとも1種類の官能基を有するポリマ
ーと反応させる前に活性化剤を反応させ、次にこの反応生成物を、少なくとも1
種類の官能基を有するポリマーと反応させることができる。
【0032】 而して、本発明は、上記したように、活性化剤を誘導体化剤と予め反応させる
ことによって活性化剤の誘導体が得られる方法も説明する。 本発明の更なる態様では、少なくとも1種類の官能基を有するポリマーを、活
性化剤と誘導体化剤との反応から得られる様々な生成物と反応させる。而して、
例えば、化合物の混合物をポリマーと反応させることができ、反応生成物の当該
混合物は、活性化剤及び2種類以上の異なる誘導体化剤を含む。同様に、誘導体
化剤と2種類以上の異なる活性化剤との反応生成物を含む混合物も可能である。
もちろん、必要であるならば、2種類以上の異なる活性化剤と、2種類以上の異
なる誘導体化剤とを含む混合物を用いることもできる。明らかに、本発明の文脈
では、混合物としてでなく、活性化剤と誘導体化剤との異なる反応生成物を反応
させることもできるが、別々に及び所望の順番で、少なくとも1種類の官能基を
有するポリマーと反応させることもできる。
【0033】 而して、本発明は、上記したように、少なくとも1種類の官能基を有するポリ
マーを、活性化剤の少なくとも2種類の異なる誘導体と反応させ、且つ各場合に
おいて、1種類の誘導体と連続して反応させる方法も説明する。
【0034】 原則として用いることができる活性化剤は、文献から公知であるすべての活性
化剤である。本特許出願の文脈において参照として完全にこの点において包含さ
れる既に記載したP. Mohr, M. Holtzhauer, G. Kaiserによる論文は、例えば、
様々な官能基を活性化するために用いることができる活性化剤の全ての系列に関
して概観している。
【0035】 特に、本明細書では、クロロ蟻酸エステルと、電子吸引基を有するクロロ蟻酸
エステルとを挙げることができる。 特に、本発明は、活性化剤を、以下の構造(I):すなわち
【0036】
【化1】
【0037】 (式中、R1及びR2は、同じか又は異なっていて、直鎖、枝分れ鎖であることが
できるか、又は架橋して炭素環又は複素環を与えることができ、またR1及びR2 は、活性化剤又は活性化剤の誘導体が、少なくとも1種類の官能基を有するポリ
マーと均一相で反応できるように選択され、例えば30個以下の炭素原子を有す
るシクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルキル基、アリール基又はアラル
キル基であることができる)で表される化合物から誘導する方法を説明する。
【0038】 好ましい態様では、本発明は、活性化剤を、以下の構造(I′)
【0039】
【化2】
【0040】 (式中、R3〜R10は、同じか又は異なっていて、水素、30個以下の炭素原子
を有する直鎖もしくは枝分れ鎖アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、複
素環式基及びアラルキル基であることができ、又はそうでなければ、R3〜R10
の2つ以上は架橋して炭素環もしくは複素環を形成することができ、またR3
10は、活性化剤もしくは活性化剤の誘導体が、均一相において、少なくとも1
種類の官能基を有するポリマーと反応できるように選択される)で表される化合
物から誘導する方法を説明する。
【0041】 更に、本発明は、活性化剤を、以下の構造(II)
【0042】
【化3】
【0043】 (式中、R3〜R10は上で既に規定したものである)を有する方法も更に説明す
る。 同じく好ましい態様では、本発明は、活性化剤を、上記した構造(II)(式
中、R3〜R10は各場合において水素である)で表される化合物から誘導する方
法を説明する。
【0044】 構造(I),(I′)及び(II) を有する化合物は、従来技術において公
知であるすべての普通の方法によって調製することができる。ONB−Clの調
製方法は、例えばP. Henklein et al., Z. Chem. 9 (1986), p.329 ffに記載さ
れている。
【0045】 上記した活性化剤又は活性化剤の誘導体を用いて、活性化剤に関して反応性で
ある少なくとも1つの官能基を有するすべてのポリマーを原則として反応させる
ことができる。
【0046】 非常に一般的には、少なくとも1つの官能基として、少なくとも1つの求核性
単位を有する基を有するポリマーを、本発明にしたがう方法で用いる。 挙げることができる少なくとも1種類の官能基を有するポリマーに関して好ま
しい官能基は、とりわけ、OH基、任意に置換されたアミン基、SH基、OSO 3 H基、SO3H基、OPO32基、OPO3HR11基、PO32基、PO3HR11 基、COOH基及びそれらの2種類以上から成る混合物である。前記式中、各場
合において、R11は、活性化剤又は活性化剤の誘導体が、均一相及び/又は不均
一相で、少なくとも1種類の官能基を有するポリマーと反応することができるよ
うに選択される。同様に、少なくとも1種類の官能基を有するポリマーは、更な
る極性基、例えば−CNを含むこともできる。
【0047】 天然ポリマー及び合成ポリマーの双方を、少なくとも1種類の官能基を有する
ポリマーとして用いることができる。ポリマーを選択する場合の予想される制限
により、ポリマーの反応は、本発明にしたがう方法の文脈において均一相で行わ
れるという結果にのみ帰着し、また当該制限により、誘導体化ポリマーの後の意
図される使用をもたらす。
【0048】 本発明の文脈では、「ポリマー」という用語は、本明細書では、「オリゴマー
」とポリマー化学で呼ばれているより高分子量の化合物も明らかに包含する。 ある種のポリマーに限定することを望まないが、少なくとも1つの官能基を有
する可能なポリマーとして、とりわけ以下のポリマー;すなわち 多糖類、例えばセルロース、アミロース及びデキストラン; オリゴ糖、例えばシクロデキストリン; キトサン; ポリビニルアルコール、ポリトレオニン、ポリセリン; ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリビニルイ
ミダゾール、ポリアニリン、ポリピロール、ポリリシン; ポリ(メタ)アクリル酸(エステル)、ポリイタコン酸、ポリアスパラギン
酸; ポリシステイン を挙げることができる。
【0049】 同様に、原則として、ホモポリマーのみならず、コポリマー及び特にブロック
コポリマー及びランダムコポリマーも、本発明で用いるのに適する。非官能化成
分を有する双方のコポリマー、例えばコ・スチレン又はコ・エチレン、又は別の
コポリマー、例えばコ・ピロリドンを挙げることができる。
【0050】 本発明にしたがう方法におけるポリマーを均一液相で誘導体化して最適な溶解
度を得る場合、好ましくは、混合官能ポリマー又は別に予め誘導体化されたポリ
マーを用いる。これらの例としては、例えば: 部分的に又は完全にアルキル化又はアシル化されたセルロース; ポリビニルアセテート/ポリビニルアルコール; ポリビニルエーテル/ポリビニルアルコール; N−ブチルポリビニルアミン/ポリビニルアミン が挙げられる。
【0051】 同様に、ポリマー/コポリマー混合物を用いることもできる。本発明では、す
べての適当なポリマー/コポリマー混合物、例えば既に上記したポリマーとコポ
リマーとの混合物を用いることができ、とりわけ、例えば以下の混合物:すなわ
ち ポリ(アクリル酸)/コ・ビニルアセテート; ポリビニルアルコール/コ・エチレン; ポリオキシメチレン/コ・エチレン; 改質ポスチレン、例えばスチレンと(メタ)アクリル酸(エステル)とのコ
ポリマー; ポリビニルピロリドン、及びポリ(メタ)アクリレートとポリビニルピロリ
ドンとのコポリマー が挙げられる。
【0052】 誘導体化し易いこれらの上記ポリマーのすべてを、明らかに、本発明にしたが
う方法において、誘導体化形態で用いることもできる。 上記したように、少なくとも1種類の官能基を有するポリマーを、例えば構造
(II)の化合物のような活性化剤と反応させる場合、次に同様に上記したよう
に、この反応生成物を誘導体化剤と反応させることができる。
【0053】 原則として、活性化ポリマーと反応し、所望の誘導体化ポリマーへと直接又は
間接に導くことができるすべての試薬を用いることができる。とりわけ、本発明
にしたがう方法では、少なくとも1つの求核性基を有する成分を、誘導体化剤と
して用いる。
【0054】 例えば、一般組成HY−R12を有する誘導体化剤を用いる。前記式中、Yは、
例えばO,NH,NR13又はSであり、R12及びR13は一般的には自由に選択す
ることができる。例えば、R12及びR13は、任意に適当に置換されるアルキル基
又はアリール基である。
【0055】 更に、活性化ポリマーを求核性キラル化合物と反応させることもできる。その
ようなキラル求核性化合物としては、例えば:ボルネオール、(−)−メタノー
ル、(−)−エフェドリン、α−フェニルエチルアミン、アドレナリン、ドーパ
ミンを挙げることができる。
【0056】 更なる可能性は、本発明にしたがう方法で、活性化ポリマーを、アミノ基を含
む一価アルコールもしくは多価アルコール又はアミノ基を含む一価チオールもし
くは多価チオールと反応させることである。少なくとも1つの官能基を含むポリ
マーを、例えばONB−Clで活性化する場合、アミノ基を含む一価アルコール
もしくは多価アルコール又はアミノ基を含む一価チオールもしくは多価チオール
を、アミノ基と選択的に反応させる。次に、このようにしてポリマー中に導入さ
れたOH基又はSH基を、更なる工程で、例えば上記活性化剤の1つで再び活性
化させることができ、それによって、最初に用いられたアルコール又はチオール
の官能価にしたがって、鎖の延長及び分岐が促進される。
【0057】 既に上で説明した本発明にしたがう方法の別の態様では、少なくとも1種類の
官能基を有するポリマーを、活性化剤と誘導体化剤との反応から得られる活性化
された誘導体化剤と反応させる。
【0058】 本発明にしたがう方法では、アミン、アルコール、チオール、カルボン酸、ス
ルホン酸、スルフェート、ホスフェート又はホスホン酸の活性誘導体を、好まし
くは、少なくとも1種類の官能基を有するポリマーと反応させる。その場合、好
ましい態様では、当該化合物はONBClで活性化される。
【0059】 而して、とりわけ、少なくとも1種類の官能基を有するポリマーと反応するこ
とができるこれらの活性化された誘導体化剤は、以下の一般式(III)〜(I
X):すなわち
【0060】
【化4】
【0061】
【0062】 (式中、R3 〜 R10は既に上で規定したものであり、R14 〜 R20は、一般的
には限定は無く、例えばキラリティーを有することもでき、また本発明にしたが
う方法では、少なくとも1種類の官能基を有するポリマーとの反応を均一相で行
うことができるように選択される。置換基R14 〜 R20は、原則として、支持体
との所望の相互作用にしたがって選択される。R14 〜 R20は、同じか又は異な
っていることができ、水素、30個以下の炭素原子又は対応ヘテロ原子を有する
直鎖又は枝分れ鎖アルキル基、アリール基又はアラルキル基を含む基である)を
有する。
【0063】 同様に、多価のアミン、アルコール、チオール、カルボン酸、スルホン酸、ス
ルフェート、ホスフェート又はホスホン酸を、活性化剤と反応させることができ
、またその反応生成物を、少なくとも1種類の官能基を有するポリマーと反応さ
せることができ、特にポリオールが挙げられる。
【0064】 明らかに、上記官能基の2種類以上の異なるタイプを有する誘導体化剤を活性
化し、それらを、少なくとも1種類の官能基を有するポリマーと反応させること
もできる。例えば、とりわけ、アミノアルコールを挙げることができる。
【0065】 本発明の文脈では、活性化剤を用いて選択的に上記の多価誘導体化剤を部分的
に又は完全に活性化し、少なくとも1種類の官能基を有するポリマーと反応させ
ることができる。
【0066】 (i)にしたがう適当なポリマーが利用可能であるという事実に加えて、少な
くとも1種類の官能基を有するポリマーと、活性化された多価誘導体化剤との反
応は、ポリマーを架橋するために、更にポリマーを安定化させるために及び/又
はポリマーを枝分れさせるために、本発明にしたがう方法で用いることもできる
【0067】 少なくとも1種類の官能基を有するポリマーと活性化された誘導体化剤との反
応、及び少なくとも1種類の官能基を有するポリマーと活性化剤との反応の双方
、及び本発明にしたがう方法による当該生成物と誘導体化剤とのその後の反応に
よって、非常に異なる空間配置を有するポリマー誘導体を調製することができ、
而して、この空間配置が非常に重要な多くの用途で当該反応を用いることができ
る。
【0068】 而して、例えば、毛様ロッド(hairy rids)、櫛形ポリマー(comb polymers)
ネット、バスケット、皿、チューブ、漏斗(funnel)又はケージのように作られ
る配置を実現することができる。
【0069】 同様に好ましい態様では、本発明は、ここで考察しているタイプの誘導体を説
明する。当該誘導体は、生物学的又は合成化学的な支持体を結合するために決定
的に重要な結合単位を有する少なくとも1つの受容体基を有する。
【0070】 生物学的支持体用のこのタイプの特注誘導体は、例えば、自然界にも存在する
構造又は結合に関与し、次に生物学的支持体と相互作用することができるこのタ
イプの構造部分を有する対応受容体基を有する。特に、例えば、酵素、アミノ酸
、ペプチド、糖、アミノ糖、糖酸及びオリゴ糖の群又はそれらの誘導体が挙げら
れる。受容体と自然界に存在する支持体との結合原理が独占的に維持され、その
結果として、この態様によって、例えば合成酵素、抗体の結合ドメイン、又は他
の生理学的エピトープを得ることができるということは、上記受容体基にとって
重要である。とりわけ、本発明の文脈では、上記したように、少なくとも3つの
官能基を有するポリマーの誘導体が選択され、少なくとも1つの受容体基は、ア
ミノ酸残基又はアミノ酸誘導体残基である。アミノ酸としては、例えば: 脂肪族残基を有するアミノ酸、例えばグリシン、アラニン、バリン、ロイシ
ン、イソロイシン; 1つ以上のヒドロキシル基を含む脂肪族側鎖を有するアミノ酸、例えばセリ
ン、スレオニン; 芳香族側鎖を有するアミノ酸、例えばフェニルアラニン、チロシン、トリプ
トファン; 塩基性側鎖を含むアミノ酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン; 酸性側鎖を有するアミノ酸、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸; アミド側鎖を有するアミノ酸、例えばアスパラギン、グルタミン; 硫黄含有側鎖を有するアミノ酸、例えばシステイン、メチオニン; 改質アミノ酸、例えばヒドロキシピロリン、γ−カルボキシグルタメート、
O−ホスホセリン; 上記したアミノ酸の誘導体、又は任意に更なるアミノ酸の誘導体、例えば、
任意に適当に置換することができる例えばアルキル基もしくはアリール基によっ
てカルボキシル基又は任意にカルボキシル基をエステル化されたアミノ酸 が挙げられる。
【0071】 アミノ酸の代わりに、1つ以上のジペプチド又はオリゴペプチドの使用も可能
であり、特に、同じアミノ酸からのみ合成されるホモペプチドが挙げられる。ジ
ペプチドとしては、例えば馬尿酸が挙げられる。更に、ベータ、ガンマ−又は他
の構造的に異性体のアミノ酸、及びそれらから誘導されるペプチド、例えばデプ
シペプチドを用いることもできる。
【0072】 非常に一般的には、本発明にしたがう方法で用いられる活性化剤は、以下に示
した一般式(X)
【0073】
【化5】
【0074】 [式中、R0はハロゲン原子であるか、又は基(X′)
【0075】
【化6】
【0076】 (式中、R1′,R2″R1″及びR2″は、同じか又は異なっていて、水素、30
個以下の炭素原子を有する直鎖もしくは枝分れ鎖アルキル基、アリール基、シク
ロアルキル基、複素環式基もしくはアラルキル基であるか、又はR1′及びR2
もしくはR1″及びR2″のいずれかが、又はR1′及びR2′とR1″及びR2″の
双方が、少なくとも1つの炭素環に対してもしくは少なくとも1つの複素環に対
して、又は少なくとも1つの炭素環に対して且つ少なくとも1つの複素環に対し
て結合される)であることを特徴とする]で表される化合物であることができる
。特に、例としては、以下の構造(X1)〜(X39):
【0077】
【化7】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】 (式中、R’’’は、水素、又は30個以下の炭素原子を有する直鎖もしくは枝
分れ鎖の、任意に置換されたアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基であ
る )を有する化合物が挙げられる。
【0087】 本発明の文脈では、(iii)にしたがう架橋結合は、例えば、誘導体化され
た又は非誘導体化されたポリマーの2つ以上のストランドを互いに直接に反応さ
せることによって得ることができる。それは、例えば、誘導体化によって導入さ
れる基を、共有結合及び/又は非共有結合がそれらの基の間に接続されるように
形成することで達成することができる。非常に一般的には、これらの共有結合及
び/又は非共有結合は、2種類以上のポリマーストランドが架橋結合によって1
つ以上の部位を介して互いに接続されるように、1種類のポリマーストランドに
対して結合される基の間に形成することができ、及び/又は2種類以上のポリマ
ーストランドに対して結合される基の間に形成することができる。
【0088】 明らかに、少なくとも1種類のポリマーの担体材料に対する結合は、上記した
ように、当該ポリマーそれ自体中に存在するか、又は適当な誘導体化によって当
該ポリマー中に導入された官能基を介して形成することもできる。
【0089】 同様に、架橋させるために、1つ以上の適当な架橋剤、それと共に、上記した
ように、ポリマーストランド内に存在する基及び/又は任意に異なる多数のスト
ランドに対して結合される基を用いることもでき、任意に誘導体化されたポリマ
ーを共有結合及び/又は非共有結合で架橋することができる。
【0090】 とりわけ、少なくとも1種類のポリマーを選択するときでも、後の架橋結合の
ために当該ポリマーの組成を設計することができる。更に、本発明の文脈では、
誘導体化中でも、誘導体化剤を、その化学組成に関して、とりわけ後の架橋結合
に関して特に設計することができる。特に、誘導体化剤は、共有結合架橋及び/
又は非共有結合架橋に関して選択的である基を含むことができる。
【0091】 原則として、可能な架橋剤は、従来技術で公知の全ての適当な化合物である。
而して、架橋結合は、例えば電子対を共有する可逆的な様式で、電子対を共有す
る不可逆的な様式で、又は非共有様式で達成することができ、非共有様式での架
橋結合の場合、例えばイオン相互作用又は電荷移動相互作用による架橋結合を挙
げることができる。このタイプの架橋法又は架橋剤は、とりわけHan, K.K., et
al., Int. J. Biochem., 16, 129 (1984), Jr, T.H., et al., Meth. Enzymol.,
91, 580 (1983) and Means, G. and Feeney, R.E. Bioconj. Chem., 1,2 (1990)
に記載されている。
【0092】 非共有架橋結合に関して、例としては、少なくとも1つの塩基性基と少なくと
も1つの酸性基とが互いに架橋するpH移動による架橋結合が挙げられる。同様
に、例えば、非共有架橋結合は、例えばポリアリルアミンの2つの塩基性基が互
いに架橋される場合に、例えばグルタル酸のような二塩基酸を加えるときか、又
は例えばポリアクリル酸の2つの酸性基が互いに架橋される場合に、例えばエチ
レンジアミンのような二官能化合物を加えるときに、形成することができる。同
様に、非共有架橋結合は、例えば、錯体形成金属イオンによって又は遊離配位部
位を有する金属錯体によっても形成することができる。非共有架橋結合は、好ま
しくは可逆的であり、而して、高速な組織的相互作用を研究するために、本発明
にしたがって調製された網状重合体が好ましく利用される場合に用いることがで
きる。非常に一般的に、非共有架橋結合に関して、鋳型化合物と網状重合体との
間の相互作用について既に上で提出したすべての可能な相互作用を参考にするこ
とができる。
【0093】 電子対を共有する可逆的な結合に関して、とりわけ、二硫化物架橋による結合
又は例えばシッフ塩基もしくはエナミンのような不安定なエステルもしくはイミ
ンによる結合を例として挙げることができる。
【0094】 架橋剤の鎖長は、一般的に任意であり、特定の方法の要求条件に合わせること
ができる。好ましくは、炭素鎖を有する架橋剤の場合における鎖長は、炭素原子
が2 〜 24個、好ましくは2 〜 12個、特に好ましくは2 〜 8個である。
【0095】 電子対を共有する不可逆的な架橋結合を導くことができる架橋剤としては、と
りわけ、二価又は多価の化合物、例えばジオール、ジアミン又はジカルボン酸が
挙げられる。ここで、例えば、二価の架橋剤は、活性化されたポリマー誘導体と
反応するか、又は少なくとも二価の活性化された架橋剤は、活性化されていない
ポリマー誘導体と反応する。電子対を共有する可逆的な架橋結合は、例えば、1
種類以上のポリマーストランドに対して結合された2つの基の間に存在する二硫
化物架橋に対して硫黄・硫黄結合を結合させることによって、又はシッフ塩基を
形成させることによって、実現することができる。イオン相互作用による架橋は
、例えば、2つの基によって形成することができ、そのうちの1つの基は構造単
位として第四アンモニウムイオンを有し、もう一方の基は構造単位として、例え
ば−COO-又は−SO3 -を有する。
【0096】 水素架橋による架橋結合は、例えば、2つの相補的塩基対の間に、例えば以下
の構造:すなわち
【0097】
【化8】
【0098】 によって形成することができる。 非常に一般的に、非共有結合的に架橋されるポリマーは、架橋部位に関して相
補的様式で合成することができる。互いに相補的な構造単位は、例えば酸/トリ
アミン又はウラシル/メラミンである。同様に、非共有結合による架橋結合の場
合、架橋剤は、ポリマーストランド上にある架橋部位に対して相補的であること
ができる。例としては、ポリマーストランド上に存在するアミノ基及び架橋剤と
してジカルボン酸が挙げられる。
【0099】 架橋工程に関して、架橋結合中に含まれる官能基の少なくとも1つを活性化す
ることは、本発明にしたがう方法の文脈では必要であり、それは、従来技術で公
知のすべての方法により実質的に可能である。特に、官能基の活性化は、ポリマ
ーの活性化及び誘導体化において上で詳述してある方法にしたがって行うことが
できる。
【0100】 本発明にしたがう方法において、架橋結合を、少なくとも1つの架橋剤を用い
ることによって生成させる場合、この架橋剤は、特に、少なくとも2つの官能基
を有する第一低分子量化合物の少なくとも1つの官能基と、少なくとも2つの官
能基を有する少なくとも1つの更なる第二低分子量化合物の少なくとも1つの官
能基とを反応させることによって調製される縮合化合物であることができる。当
該第二低分子量化合物は、当該第一低分子量化合物と同じか又は異なっているこ
とができ、縮合化合物の入手に関して、当該方法の特徴は、この反応に含まれる
官能基の少なくとも1つを、反応前に、既に上で規定した以下の構造(X)
【0101】
【化9】
【0102】 の化合物と反応させることによって活性化した点にある。 (活性化された)架橋剤としては、例えば、以下で説明する構造(XI1)〜
(XI17
【0103】
【化10】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】 の化合物が挙げられる。 以下に示したように、本発明にしたがって用いられる架橋剤としては、例えば
、上記した方法によってフェニルアラニンとロイシンとから調製される二量体架
橋剤が挙げられる:
【0108】
【化11】
【0109】 本発明にしたがう方法によって架橋剤として用いられる縮合化合物の合成例と
しては、以下の反応経路(A)及び(B)が挙げられ、当該経路において、BN
Oは、以下の構造単位(XII):
【0110】
【化12】
【0111】 を表している。 反応経路(A):
【0112】
【化13】
【0113】 反応経路(B):
【0114】
【化14】
【0115】 活性化された又は活性化されていない架橋剤を調製することができるこのプロ
セスによって、もちろん、特に、本発明にしたがう方法で用いることができ、且
つその配座を少なくとも1種類の鋳型化合物に対して適合させることができるポ
リマーを調製することもできる。縮合化合物を合成するこの方法によって、既に
上で説明した方法によって誘導体化されるポリマーを調製することができる。同
様に、既に誘導体化されたポリマーを調製することもできる。
【0116】 非常に一般的に、共有結合による架橋結合の場合、とりわけ、エステル、アミ
ド、カーボネート、ヒドラジド、ウレタンもしくは尿素化合物、又はチオ類似結
合もしくは窒素同族(nitrogen-homologous)結合を形成することができる。
【0117】 本発明にしたがう方法の好ましい態様では、ポリマーの少なくとも1種類のポ
リマーの配座を、(ii)にしたがう鋳型化合物の少なくとも1つの存在下で適
合させる。
【0118】 而して、本発明は、鋳型化合物の少なくとも1つの存在下で(ii)にしたが
う適合を行う上記方法に関する。 とりわけ、1種類以上の適当な溶媒中で少なくとも1種類のポリマーを溶解又
は懸濁させ、少なくとも1種類の鋳型化合物と一緒に混合することができる。
【0119】 とりわけ、同時に、少なくとも1種類の溶媒中に溶解された少なくとも1種類
の鋳型化合物が存在する溶液に対して少なくとも1種類のポリマーを加えること
ができ、その場合、当該鋳型化合物は懸濁形態で存在していることもできる。懸
濁形態で存在する鋳型化合物として、たとえば、微粒子を挙げることができる。
【0120】 とりわけ、少なくとも1種類の溶媒中に溶解形態又は懸濁形態で、少なくとも
1種類のポリマーが存在している溶液に対して少なくとも1種類の鋳型化合物を
加えることもできる。
【0121】 明らかに、2つ以上の溶液を一緒に混合することもでき、その場合、少なくと
も1つの溶液中には少なくとも1種類のポリマーが溶解形態又は懸濁形態で存在
し、また少なくとも1つの更なる溶液中には少なくとも1種類の鋳型化合物が溶
解形態又は懸濁形態で存在する。
【0122】 互いに異なる2種類以上のポリマー及び/又は2種類以上の異なる鋳型化合物
を用いる場合、各ポリマー及び/又は各鋳型化合物を、1種類以上の適当な溶媒
中で別々に溶解又は懸濁させることができ、またその個々の溶液及び/又は懸濁
液を一緒に混合することができる。
【0123】 この点において、少なくとも1種類のポリマー及び/又は少なくとも1種類の
鋳型化合物の両方が溶解形態又は懸濁形態で存在している2種類以上の溶媒を含
む溶液を用いる態様も可能である。
【0124】 明らかに、少なくとも1種類のポリマーに対して結合されて既に存在している
、例えば錯体の形態で又は共有結合、好ましくは共有結合で可逆的に結合されて
既に存在している鋳型化合物から出発することもできる。同時に、鋳型化合物が
結合されるポリマーは、その配座が、更なる方法で、この鋳型化合物又は別の鋳
型化合物に適合されるポリマーであることができる。同様に、このポリマーを介
して鋳型化合物を当該方法に導入することもできるが、当該ポリマーの配座は、
更なる方法において、この鋳型化合物又は別の鋳型化合物に適合せず、当該ポリ
マーは当該網状重合体中に残留するか又は適当な方法によって網状重合体から除
去される。
【0125】 本発明にしたがう方法の1つの態様では、少なくとも1種類の鋳型化合物の存
在下で、溶液中で又は懸濁液中で、又は溶液及び懸濁液中で形成される少なくと
も1種類のポリマーの少なくとも1つの配座を架橋によって固定する。架橋に関
しては、すべての適当な方法が可能である。
【0126】 本発明にしたがう方法の1つの態様では、1種類以上の架橋剤を、溶液に又は
懸濁液に、又は溶液及び懸濁液に加える。 本発明にしたがう方法の更なる態様では、1つ以上の共有結合又は非共有結合
、又は共有結合及び非共有結合が、少なくとも1種類のポリマーの少なくとも1
種類の官能基と、少なくとも1種類の更なるポリマーの1種類以上の官能基との
間に形成されるように、架橋結合を生起させる。この場合、反応条件は、好まし
くは、最初にポリマーの少なくとも1種類の配座が鋳型化合物の少なくとも1種
類に適合し、得られる好ましい配座が、反応条件を特に選択することにより架橋
結合によって固定されるように、選択しなければならない。
【0127】 その間に結合が形成される各ポリマーの官能基は、この場合、各ポリマースト
ランド中に存在することができる。同様に、含まれる官能基の少なくとも1種類
は、各ポリマーの1つ以上の側鎖の成分であることもできる。同様に、含まれる
ポリマーの少なくとも1種類の少なくとも1つの側鎖は、共有結合又は非共有結
合を形成することができる2種類以上の官能基を有する。
【0128】 明らかに、含まれるポリマーの2種類以上の官能基(当該官能基は互いに同じ
か又は異なっていることができる)が、分子内又は分子間で互いに直接に反応し
て、少なくとも1つの共有結合又は非共有結合を形成するプロセス態様、及び含
まれるポリマーの2種類以上の官能基(同様に当該官能基は互いに同じか又は異
なっていることができる)が、少なくとも1種類の架橋剤を介して分子内又は分
子間で互い架橋されるプロセス態様も可能である。
【0129】 明らかに、本発明は、例えば、最初に少なくとも2種類の同類の又は異なる架
橋剤を互いに反応させて、少なくとも1つの共有結合及び/又は非共有結合を形
成させ、新しい架橋剤を得る態様も含む。次に、得られた新しい架橋剤を、最初
に少なくとも1種類のポリマーの少なくとも1種類の官能基と反応させ、次に、
少なくとも1種類の更なるポリマーの少なくとも1種類の更なる官能基と反応さ
せることができる。同様に、新しい架橋剤のこれらの反応は同時に進行させるこ
ともできる。明らかに、本発明は、(ii)にしたがう適合が(iii)にした
がう固定によって行われ、この場合(ii)及び(iii)は少なくとも1つの
共同工程と見なすことができる態様も含まれる。
【0130】 架橋剤を用いて又は用いずに、2種類以上の官能基間の反応による架橋結合を
、分子内及び分子間との双方で明らかに生起させることができる。而して、本発
明は、独占的に分子内又は独占的に分子間で架橋結合を行う態様も含む。更に、
本発明は、分子内及び分子間の双方で架橋が起こり、その場合2種類以上の異な
るポリマーを用い、分子間架橋結合は、独占的に同類のポリマーとの間で、又は
独占的に異なるポリマーの間で、又は同類のポリマーと異なるポリマーの双方の
間で起こる。
【0131】 本発明にしたがう方法の同様に好ましい態様では、少なくとも1種類のポリマ
ーの配座の適合と、得られた少なくとも1つの好ましい配座の結合を、一緒に行
う。
【0132】 これは、少なくとも1種類の架橋剤を、少なくとも1種類の鋳型化合物と共に
、少なくとも1種類のポリマーと接触させることによって実現できる。 架橋剤を用いずに架橋結合を達成する場合、例えば、ポリマーの少なくとも1
種類の配座の適合と、架橋結合とが一緒に起こるように反応条件を選択すること
ができる。
【0133】 非常に一般的に、用いられる架橋剤の少なくとも1種類は、ポリマーの架橋結
合へと導く共有結合又は非共有結合を形成するために用いられない少なくとも1
種類の官能基を有することができる。この少なくとも1種類の官能基に関して、
当該官能基は、鋳型化合物の少なくとも1種類と相互作用することもできる。而
して、本発明にしたがう方法は、少なくとも1種類のポリマーに加えて、少なく
とも1種類の架橋剤も、少なくとも1種類の鋳型化合物と相互作用する。而して
、本発明の文脈では、ポリマーと架橋剤の双方を相互作用させることによって、
少なくとも1種類の鋳型化合物に対してポリマーの少なくとも1種類の配座を適
合させることもでき、ポリマーは更なるポリマーと分子間で架橋するか、又はポ
リマーは少なくとも1種類の鋳型化合物と分子内で架橋する。
【0134】 而して、(ii)にしたがって得られ、(iii)にしたがって固定される好
ましい配座に対して、架橋剤によって影響を与えることもでき、その場合、とり
わけ、架橋剤、ポリマー及び鋳型化合物が結合前に互いに相互作用するように、
好ましい配座を合成する態様も可能である。
【0135】 本発明にしたがう方法の好ましい態様では、まず最初に、相互作用が生じるが
、架橋による結合が充分に抑制されるように、架橋剤、ポリマー及び鋳型化合物
を、低温で、好ましくは0℃ 〜 −70℃で一緒に混合する手順を用いる。更な
る工程では、次に、結合が起こるように温度を上昇させる。
【0136】 本発明にしたがう方法の文脈では、更に、(ii)にしたがう好ましい配座の
みを、架橋剤の少なくとも1種類と、少なくとも1種類の鋳型化合物との相互作
用から得ることもできる。而して、とりわけ、まず最初に、少なくとも1種類の
架橋剤を、少なくとも1種類のポリマーと反応させて、少なくとも1つの共有結
合又は非共有結合を生成させ、また同時に又はその後に、鋳型化合物の少なくと
も1種類と相互作用させ、それによって、架橋剤とポリマーとの反応生成物の好
ましい配座を生成させ、更にその好ましい配座を、架橋剤とポリマーとの反応生
成物を更なるポリマーと反応させることによって又は分子内架橋結合によって結
合させることが可能である。
【0137】 而して、本発明は、(ii)にしたがう好ましい配座が、少なくとも1種類の
架橋剤と少なくとも1種類の鋳型化合物との相互作用によって影響される上記の
方法も説明する。
【0138】 もちろん、好ましい配座は、1種類以上のポリマーの1種類以上の側基の成分
であることができる2種類以上の官能基の反応によって、少なくとも1種類の架
橋剤と架橋結合することによって又は好ましい配座を含む少なくとも1種類のポ
リマーの少なくとも2種類の官能基の反応によって結合される好ましい配座が生
成する方法で、少なくとも1種類の鋳型化合物と相互作用する構造が生成すると
いう事実から、得ることもできる。
【0139】 更に好ましい態様では、本発明にしたがう方法の文脈において、(ii)にし
たがう配座の適合を2つ以上の工程で行う。 而して、本発明は、少なくとも1種類のポリマーの配座の適合を少なくとも2
つの工程で行うことを特徴とする上記方法にも関する。
【0140】 とりわけ、例えば、この点に関して、少なくとも1種類のポリマーを、既に上
で詳細に説明した方法にしたがう第一工程において、少なくとも1種類の鋳型化
合物と接触させ、それによって少なくとも1種類のポリマーの配座を変形させる
ことができる。次に、例えば、第二工程では、異なる、例えば第一工程で加えた
少なくとも1種類の鋳型化合物とは異なる少なくとも1種類の更なる鋳型化合物
を加えることができる。それによって、少なくとも1種類のポリマーの配座を少
なくとも第二の鋳型化合物に対して適合させることもできる。
【0141】 同様に、互いに異なる少なくとも2種類のポリマーを用い、また第一工程にお
いて少なくとも1種類の鋳型化合物を加えることによって、ポリマーの配座を、
少なくとも1種類の第一鋳型化合物に対して適合させ、また第二工程において少
なくとも1種類の更なる鋳型化合物を加えることによって、もう一方のポリマー
の配座を、少なくとも1種類の更なる鋳型化合物に対して適合させることができ
る。
【0142】 同様に、互いに異なる2種類を超えるポリマーを、各場合において1つの工程
で用いて、各場合において1つの工程で加えられた少なくとも1種類の鋳型化合
物に対して、ポリマーの配座を適合させることもできる。
【0143】 とりわけ、この点において、互いに異なる多くのポリマーを用いて、また反応
条件を特に選択して、1つの工程で第一ポリマーの配座を鋳型化合物に対して適
合させ、また変更された反応条件下、更なる工程において、同じ鋳型化合物に対
して、第一工程とは異なるポリマーの配座を適合させることができる。鋳型化合
物は、第一工程及び第二工程の双方において、各場合で加えることができる。し
かしながら、ポリマー配座を適合させるために次の工程の1つで鋳型化合物をも
はや加える必要が無いように、既に第一工程で充分な鋳型化合物を加えることも
できる。明らかに、本発明は、同じポリマーの配座又は更なるポリマーの配座を
外部から反応条件に影響を与えずに、鋳型化合物に対して同じポリマーの配座あ
るいは更なるポリマーの配座に適合させるような仕方で、1つの工程で、変形に
よって、自然に反応条件が変化する方法の態様も含む。とりわけ、留意しておき
たいことは、例えば、系における温度変化及び/又は粘度変化である。同様に、
配座を適合させることによって、反応体の内の1つの凝集状態が1つの工程で変
化する。而して、鋳型化合物の添加及び配座の変化によって、溶解形態で存在す
るポリマーは、固体として懸濁された状態へと変化することが可能である。
【0144】 本発明にしたがう方法の好ましい態様では、少なくとも1つの工程において、
適合から得られる少なくとも1種類のポリマーの配座を架橋結合によって固定す
る。而して、本発明は、(ii)にしたがう配座の適合が少なくとも2つの工程
で起こり、その配座が架橋結合によって少なくとも一度固定されることを特徴と
する上記方法も説明する。
【0145】 とりわけ、少なくとも1種類のポリマーの配座を上記したように1つの工程で
適合させ、この少なくとも1つの配座を上記したように架橋結合によって固定す
ることが可能である。更なる工程では、同じポリマー又は別のポリマーの少なく
とも1つの配座を、少なくとも1種類の鋳型化合物に対して適合させる。その場
合、この少なくとも1種類の鋳型化合物は、第一工程で用いられる鋳型化合物と
同じか又は異なっていることができる。この更なる工程で得られる好ましい配座
は、架橋結合によって固定することができ、又は固定しないとすることができる
【0146】 本発明にしたがう方法の好ましい態様では、最後の適合工程から得られる少な
くとも好ましい配座を、架橋結合によって固定する。更に好ましい態様では、網
状重合体の例えば外側に位置している存在していても良い官能基を、少なくとも
1種類のエンドキャッピング剤(end-capping agent)と反応させる。エンドキ
ャッピング基として、原則として、官能基を不活性にするか、又はある種の相互
作用に関して官能基を最大程度まで不活性にする任意の基を選択することができ
る。用いることができるエンドキャッピング基は、従来技術にしたがう任意の適
当な基である。支持体にしたがって、例えば、選択されるエンドキャッピング基
はH供与体ではない基であることができる。好ましくは
【0147】
【化15】
【0148】 を用い、特に好ましくは
【0149】
【化16】
【0150】 を用いる。 例えばt−ブチル基又は任意に適当に置換されたベンジル基のような立体要求
(sterically demanding)エンドキャッピング基が更に好ましい。
【0151】 エンドキャッピング法によって又は他の適当な後続反応によって、追加の、原
則として非特異的な相互作用部位を網状重合体に導入することは非常に一般的に
可能である。
【0152】 同様に、適合を2つ以上の工程で行う場合、この工程後に、当該工程から得ら
れる好ましい配座を架橋結合によって固定する方法も好ましい。 而して、本発明は、各工程後に、この工程から得られた好ましい配座を架橋結
合によって固定することを特徴とする上記方法にも関する。
【0153】 その手順に関しては、上記したように、適合及び架橋結合に関して上記した説
明を参照することができる。特に、同様に上記したように、連続して、又は1つ
の工程で同時に、適合及び架橋結合を行うことができる。
【0154】 明らかに、本発明にしたがう方法の文脈では、少なくとも1種類のポリマーの
配座を少なくとも1種類の鋳型化合物に対して適合させる1つの工程で又はその
代わりに複数工程で、鋳型化合物の少なくとも1種類も存在していないことも可
能である。
【0155】 而して、本発明は、少なくとも1種類の鋳型化合物の非存在下で、少なくとも
1つの工程を行うことを特徴とする上記方法にも関する。 而して、とりわけ、ポリマー又は2種類以上の異なるポリマーの分子内架橋結
合によって、又はポリマー又は2種類以上の異なるポリマーの分子間架橋結合に
よって、架橋結合から生じる好ましい配座を1種類以上の鋳型化合物に対して適
合させるように、配座に影響を与えることができるということが可能である。特
に、架橋結合から生じる少なくとも1つの好ましい配座が少なくとも1種類の鋳
型化合物に対して適合するように、ポリマーの化学構造及び/又は少なくとも1
種類の架橋剤の特定の性質を選択することが可能である。
【0156】 更に、この点において、1つ以上の工程で、少なくとも1種類の鋳型化合物の
非存在下で架橋結合を用いずに、配座を適合させることもできる。とりわけ、架
橋を起さずに、少なくとも1種類の架橋化合物を加えることによって、最初の工
程で配座に影響を与えることができ、その場合、ここでも、例えば架橋剤が1種
類以上のポリマーと反応するが、好ましい配座はまだ固定されない場合が含まれ
る。
【0157】 好ましい態様では、本発明にしたがう方法は、少なくとも1種類の鋳型化合物
の存在又は非存在下で適合が行われるかどうかに関わらず、架橋によって各工程
で得られる少なくとも1つの好ましい配座を固定するという仕方で実行される。
【0158】 適合が行われる1つ以上の工程において少なくとも1種類の鋳型化合物が存在
しない態様に関して、とりわけ、少なくとも1種類のポリマーの少なくとも1つ
の配座を少なくとも1種類の鋳型化合物に対して段階的に適合させることができ
る。第一工程では、例えば、少なくとも1種類の鋳型化合物に対してだいたい適
合する配座を固定することができる。更なる工程では、第一工程で固定された配
座に対して再び影響を与えることができ、その得られた配座は、第一工程で固定
された配座に比べてより良好に、少なくとも1種類の鋳型化合物に対して適合し
、固定することができる。この方法は、配座が所望の好ましい配座に対応するま
で続けることができる。
【0159】 配座のこの段階的適合のためにすべての適当な方法を用いることができる。 段階的適合の例として、とりわけ、その鎖長が前の工程の架橋剤の鎖長に比べ
て短い1種類以上の架橋剤を、ある工程で用いることの可能性について言及する
ことができる。この様式において、例えば、二次元又は三次元の細孔の形態で架
橋結合から得られる配座を、段階的により狭くすることが可能である。明らかに
、本発明は、任意の2つ以上の工程において、同じ架橋剤を用い、これらの架橋
剤は、例えば、異なる工程の各場合において異なるポリマーを架橋して、ポリマ
ー中の部位で異なる分子内架橋結合を生起させるか、又は1つの工程で分子内架
橋結合を生起させ、別の工程で分子間架橋結合を生起させる方法の態様も含む。
【0160】 明らかに、鎖長の代わりに又は鎖長に加えて、架橋剤の化学構造を変化させる
こともでき、その結果として、様々な工程で、各場合において様々なポリマーを
架橋することができ、及び/又は各場合において、ポリマーを互いに様々な部位
で分子内及び/又は分子間で架橋することができる。
【0161】 本発明は、更に、第一工程で架橋を行い、任意の更なる工程で架橋結合が生成
し、当該架橋結合は、少なくとも1種類の架橋剤(当該架橋剤によって架橋結合
が更なる工程で生成する)を、架橋結合において、例えば第一工程における架橋
結合の故に得られる少なくとも1種類の官能基と反応させることによって実現さ
れるか、又は第一工程で用いられた架橋剤の少なくとも1種類によって第一架橋
工程から得られたポリマー構造中に組み込まれる態様も含む。
【0162】 非常に一般的には、段階的な適合では、少なくとも1種類の架橋剤の性質及び
架橋剤の少なくとも1種類の濃度は、各工程で変化させることができる。同様に
、これの代わりに及び/又はこれに加えて、反応条件を、例えば架橋結合が起こ
る溶液及び/又は懸濁液の溶媒の性質、圧力、温度、pH又は1つ以上の更なる
適当なパラメーターを変化させることもできる。
【0163】 適合及び/又は結合が多くの工程で起こる場合、1つの架橋工程当たりに起こ
る架橋の程度は実質的に任意である。好ましい態様では、一工程当たりの架橋度
は2% 〜 5%であり、合計では好ましくは8% 〜 30%の架橋度が達成され
る。本明細書では、1つの工程に関する百分率は、各場合において、1つの更な
るポリマー鎖と架橋されるだけであるポリマー鎖のモノマー単位の数を基準とし
ている。総架橋度に関する百分率は、網状重合体中に存在するすべてのモノマー
単位の合計を基準としている。2つの更なるポリマー鎖と架橋されるポリマー鎖
の架橋度について、一工程当たりの架橋結合度の値は4% 〜 10%である。
【0164】 架橋結合の結果として、本発明にしたがう方法の文脈において、二次元又は三
次元のセルを有し、当該セルによってポリマー構造が少なくとも1種類の鋳型化
合物と相互作用する網状重合体が作られる。特に好ましくは、多層溶媒和物シェ
ルがポリマー構造のこれらの相互作用セルにおいて形成されるように架橋度及び
/又は架橋剤を選択する。好ましくは、用いられるポリマー及び/又は架橋剤の
化学的性質によって相互作用セルのこの特性が影響を受けることがあり、例えば
親水基により、極性溶媒を用いるときに相互作用セルへの溶媒の接近が難しくな
る。
【0165】 用いられる少なくとも1種類のポリマー、少なくとも1種類の架橋剤の性質、
鎖長の変化及び/又は架橋剤の化学構造、達成される架橋度、及びすべての更な
る反応パラメーター、例えば、例として上記したパラメーターを特に選択する限
りは、本発明にしたがう方法において、例えばコンピュータモデリング手順によ
って予測又は評価が可能である。
【0166】 明らかに、1つの工程のために必要な反応条件を系の外部から与える必要は無
いが、前の工程で自然に確立される可能性もある。例えば、発熱反応又は吸熱反
応による温度変化、架橋反応からの反応生成物によるpHの変化、又は例えば架
橋結合の故に、ポリマーもしくは任意のポリマー構造がもはや溶解しないが、固
体として懸濁された存在する場合に起こり得る均一反応から不均一反応への遷移
が挙げられる。
【0167】 段階的な調整及び結合が鋳型化合物の存在下で行われる場合、特に、各工程後
に、生成したポリマー構造から鋳型化合物を除去し、次の工程で、同じ又は別の
鋳型化合物を再び加えることができる。この点において、鋳型化合物は、濾過、
浸透又は透析によって、例えば溶液として除くか又は固体支持材(support)から
除くことができる。
【0168】 少なくとも1種類の鋳型化合物の非存在下で行われる工程について上記されて
いるすべての態様は、明らかに、少なくとも1種類の鋳型化合物が存在すること
によって特定の態様が可能である場合、少なくとも1種類の鋳型化合物が存在す
る工程で用いることもできる。
【0169】 好ましい態様では、互いに異なる多数の鋳型化合物に対して適合可能であるポ
リマー構造は、少なくとも1種類の鋳型化合の非存在下、1つ以上の工程におい
てポリマー構造を架橋結合することによって、創出される。例えば、これは、こ
れらの鋳型化合物にアクセスすることができる二次元及び/又は三次元の細孔を
有し、且つこれらの細孔が、鋳型化合物が当該細孔と相互作用することができる
ように構成されているポリマー構造を架橋結合することによって製造することに
より、行うことができる。とりわけ、すべての細孔は、同様であり、すべての異
なる鋳型化合物にアクセス可能であり、また鋳型化合物がこれらの細孔と相互作
用することができるように構成されることが可能である。明らかに、互いに異な
る2種類以上の細孔が形成され、各細孔タイプが、所望の鋳型化合物の少なくと
も1種類の鋳型化合物に対してアクセス可能であることもできる。同様に、細孔
のいくつかは、所望の鋳型化合物に対してアクセス不可能であるが、更なる適合
後に、例えば上記したように架橋結合によって、所望の鋳型化合物の少なくとも
1種類に対してアクセス可能となることができる。
【0170】 本発明にしたがう方法の更に好ましい態様では、少なくとも1種類の適当な支
持材料を網状重合体の調製時に用いる。 本明細書において、「適当な支持材料」という用語は、用いられるポリマーの
少なくとも1種類と、及び/又は(ii)にしたがう適合及び/又は(iii)
にしたがう結合が起こる少なくとも1つの工程から得られる少なくとも1種類の
構造と共有結合又は非共有結合によって相互作用することができるすべての支持
材料を含む。同様に、この用語は、用いられるポリマーの少なくとも1種類と、
及び/又は(ii)にしたがう適合及び/又は(iii)にしたがう結合が少な
くとも1種類の架橋剤を用いて起こる少なくとも1つの工程から得られる少なく
とも1種類の構造と共有結合又は非共有結合によって架橋できるすべての支持材
料も含む。
【0171】 而して、とりわけ、網状重合体が、調製され又は固体として懸濁されて存在す
る少なくとも1種類の溶媒中に可溶性である支持材料が可能である。同様に、網
状重合体の調製中に、溶媒交換が起こるか又は溶媒が加えられる場合において、
まず最初に固体として懸濁されて存在する少なくとも1種類の支持材料は、溶液
に入れることができるか、又はまず最初に溶解されて存在し、次に固体として懸
濁されて存在することが可能である。2種類以上の異なる支持材料を用いる場合
、これらは、明らかに、溶液中で互いに分離して存在することができるか、又は
固体として懸濁させることができる。
【0172】 少なくとも1種類の支持材料が固体である場合、その表面は、実質的に任意の
所望の形状であることができる。例えば、とりわけ、例えばガラスプレートもし
くは金属プレートの場合のような平面、又は曲面もしくは多孔質材料中に埋め込
まれた表面、例えば管表面もしくはスポンジ表面、例えばゼオライト、シリカゲ
ルもしくはセルロースビーズが可能である。
【0173】 特に、本発明は、これらの適当な支持材料の少なくとも1種類の上で網状重合
体を調製する本発明にしたがう方法の態様を含む。 而して、本発明は、少なくとも1種類の支持材料上で網状重合体を調製するこ
とを特徴とする上記方法にも関する。
【0174】 とりわけ、まず最初に網状重合体を調製し、次に少なくとも1種類の支持材料
に対して施用することが可能である。同様に、少なくとも1種類の支持材料の存
在下で網状重合体を調製し、次に例えばこの支持材料又は別の支持材料に対して
架橋結合させることによって網状重合体を施用することが可能である。上記のよ
うに、網状重合体の調製を2つ以上の段階で実行する場合、任意の工程から得ら
れるポリマー構造を少なくとも1種類の支持材料と接触させ、そして例えば当該
ポリマー構造を架橋結合によって支持材料に施用することができる。2種類以上
の異なる支持材料を用いる場合、これらを一緒に又は互いに別々に用いることが
できる。網状重合体を段階的に調製する場合、例えば、各工程後に支持材料を加
えることができ、その場合、適当ならば、異なる支持材料を各場合で用いること
ができる。
【0175】 而して、本発明にしたがう方法により、少なくとも1種類の支持材料によって
少なくとも1つの工程で少なくとも1種類の鋳型化合に対して適合される少なく
とも1種類のポリマーの配座に影響を与える可能性が生じる。特に、少なくとも
1種類の支持材料はポリマー又は網状重合体であることができ、その場合、本発
明にしたがって調製される網状重合体を支持材料として用いることもできる。こ
こで、とりわけ、例えば多くの連続した陰画及び陽画を生成することができる一
般的なコピー法が利用し易い。
【0176】 好ましい態様では、少なくとも1種類の支持材料に対して少なくとも1種類の
ポリマーを層の状態で施用する方法にしたがって網状重合体を調製する。 本発明の文脈で用いられる「層」という用語は、とりわけ、少なくとも1種類
のポリマーが緩やかにもつれるように施用されている層と、少なくとも1種類の
ポリマーが殆どもつれていない状態で施用されている層の双方を含む。
【0177】 第一の態様では、殆どもつれていない構造であるが、支持材料及び/又はシー
タ点を超えてできる限り接近させて既に施用されたポリマー層と接触するように
、少なくとも1種類のポリマーを施用する。この態様では、この少なくとも1種
類のポリマーを溶かし、支持材料及び/又はポリマー層と接触させる溶液のため
に、ポリマーが殆どもつれていない形態で存在する溶媒又は溶媒混合物を選択す
る。ポリマー層のもつれていない形態は、他の反応条件、例えば温度、圧力又は
pHを特に選択することによって促進することができる。好ましくは、最適化は
、ポリマーの折畳みと、できる限り大きいポリマーの分配係数との間で起こる。
この好ましい態様のために、約30000g/mol未満のモル質量を有するポリマ
ーが非常に特に好ましく用いられる。この態様によって、殆ど単分子のポリマー
層の施用が奨励される。
【0178】 第二の態様では、少なくとも1種類のポリマーがシータ点を超えた附近で溶液
中に認められるように、溶媒又は溶媒混合物又は他の反応条件を選択する。約3
0000g/mol超の範囲でモル質量を有するポリマーによって非常に特に好まし
く与えられるこの特定の態様によって、ゆるくポリマーがもつれている状態でポ
リマーを施用することを奨励することができる。
【0179】 第三の態様では、少なくとも1種類のポリマーがシータ点より下の附近で溶液
中に認められるように、溶媒又は溶媒混合物又は他の反応条件を選択する。とり
わけ、少なくとも1種類のポリマーから形成されたナノ粒子を施用することがで
きる。
【0180】 とりわけ少なくとも1種類の適当な支持材料を適当なポリマーと接触させるこ
とによって層における施用が可能であり、当該ポリマーは、選択された反応条件
下で層の状態で少なくとも1種類の支持材料上に自然に配置され、その場合、当
該ポリマーの少なくとも1つの配座は、上記したように、少なくとも1種類の鋳
型化合の存在下又は非存在下で適合させ固定することができる。同様に、2種類
以上の異なる適当なポリマーを同時に用いることができ、当該ポリマーは、選択
された反応条件下で層の状態で支持材料上に自然に配置される。ここでも、ポリ
マーの少なくとも1種類のポリマーの少なくとも1つの配座を、上記したように
、少なくとも1種類の鋳型化合の存在下又は非存在下で適合させ固定することが
できる。
【0181】 施用するときには、原則として、既に上で説明したすべてのポリマーを用いる
ことができる。用いられるポリマーのモル質量は、好ましくは2000 〜 10
0000g/mol、更に好ましくは5000 〜 30000g/molである。
【0182】 好ましくは、独立した工程で層の状態で1種類以上のポリマーを施用する。 而して、本発明は、上記したように、少なくとも1種類のポリマーを、少なく
とも2つの連続工程で、層にある少なくとも1種類の支持材料に対して施用する
ことを特徴とする方法にも関する。
【0183】 既に説明したように、とりわけ、まず最初に2つ以上の層から成るポリマー構
造を調製することができ、その場合、その調製は1つの工程で又はその代わりに
多数の工程で行うことができる。1つ以上の更なる工程では、次に、このポリマ
ー構造を少なくとも1種類の支持材料に対して施用することができ、その場合、
適当ならば、少なくとも1つの更なる層を、1つ以上更なる工程で、当該ポリマ
ー構造に対して施用することができる。含まれるポリマーの少なくとも1種類の
少なくとも1つの配座の適合は、既に上で説明した態様の1つ以上にしたがって
行うことができる。本発明にしたがう方法でナノ粒子を調製することができるの
で、溶解された形態、コロイド状に溶解された形態又は懸濁された形態で存在す
る支持材料に対してナノ粒子を施用することができる。
【0184】 好ましい態様では、第一工程で、少なくとも1種類のポリマーの1つ以上の層
を少なくとも1種類の支持材料に対して施用する。少なくとも1つの更なる工程
では、次に少なくとも1つの更なる層を得られた構造に対して施用する。ここで
、各層は、同じポリマー又はその代わりに互いに異なる2種類以上のポリマーを
含むことができる。含まれるポリマーの少なくとも1種類の少なくとも1つの配
座の適合は、既に上で説明した態様の1つ以上にしたがって行うことができる。
【0185】 特に好ましい態様では、まず最初にポリマー層を少なくとも1種類の支持材料
に対して共有結合で、好ましくは非共有結合で施用する方法にしたがって、層の
状態で、少なくとも1種類のポリマーを少なくとも1種類の支持材料に対して施
用する。更なる工程では、架橋剤が、少なくとも1種類の更なる官能基を介して
、支持材料に対して施用されたポリマーと反応し、その結果、好ましくは、架橋
剤の主用部分が、各場合において、少なくとも1種類の更なる官能基を介して、
次の層の状態で施用される少なくとも1種類の更なるポリマーと反応することが
できる仕方で、少なくとも1種類の架橋剤を、少なくとも1種類の鋳型化合の存
在下又は非存在下で加える。次の工程では、少なくとも1種類の更なるポリマー
の更なる層を施用し、既に説明した官能基と反応させることによって第一ポリマ
ー層と架橋する。この後に、架橋剤が各場合においてポリマー層と反応し、少な
くとも1種類の更なるポリマーが加えられ、新しいポリマー層が、予め施用され
たポリマー層との架橋によって形成される1つ以上の更なる工程を行うことがで
きる。各工程は、少なくとも1種類の鋳型化合物の存在又は非存在下で行うこと
ができる。
【0186】 少なくとも1種類の鋳型化合物の存在又は非存在下で層の状態で網状重合体を
調製する場合、ある種の条件下で、新しい層を形成する場合には、支持材料に対
して既に施用された層の少なくとも1つの中では、及び/又は新しい層を形成す
ることを意図されるポリマー間では、架橋結合を避ける必要がある。この点にお
いて、層の状態で施用することができ、(a)及び(b)に関して非特異的又は
非選択的な架橋剤と共に更に特に好ましく用いることができる3つの特に好まし
い態様(a) 〜 (c)を挙げることができる: (a)第一変法では、既に施用されたポリマー層の反応が、低温で、少なくと
も1種類の架橋剤によって起こり、当該架橋剤は主に一端で反応する。次に、次
の工程のための少なくとも1種類の好ましくは溶解されたポリマーを加え、反応
が加えられた当該ポリマーと主として起こる適当な様式において反応条件を変化
させる。
【0187】 (b)第二変法では、少なくとも1種類の支持材料に対して施用された少なく
とも1種類のポリマー層を含むポリマー構造を、第二ポリマー層が形成されるポ
リマー溶液と、少なくとも1種類の架橋剤と共に混合する。反応条件を適当に変
えることによって(ゆっくりと又は迅速に行うことができる)、条件が確立され
、当該条件では、少なくとも1種類の架橋剤が、既に存在するポリマー層と、次
の層を形成することを意図されているポリマーと同時に反応し、避けなければな
らないこの層の形成は、すなわち上記した架橋結合の形成は、新しい層の形成へ
と導く好ましい架橋結合によって、エントロピーの故に超えられる。
【0188】 (c)第三の変法では、2つの異なる温度又はpH又は溶媒又溶媒混合物、又
は特異的又は選択的な架橋剤を用いる反応条件における他の違いによって、反応
が行われる。
【0189】 非常に特に好ましい態様では、方法(a)は、架橋剤が既に存在しているポリ
マー層にわたって統計的に均一に分配され、且つ架橋剤と既に存在しているポリ
マー層との反応が大いに温度で、架橋剤を、最後に施用されるポリマー層と接触
させるように行われる。この点において、反応が行われる温度は、原則として、
0℃ 〜 −70℃である。
【0190】 他の反応条件、例えばpH、溶媒の性質、溶媒における架橋剤の濃度を選択す
る場合には、本方法のこの好ましい態様では、架橋剤と、存在しているポリマー
層との反応は、架橋剤が、既に存在しているポリマー層にわたって統計的に均一
に分配されるまで殆ど起こらないことにも留意すべきである。
【0191】 反応条件を適当に変化させることによって、次の工程において、統計的に均一
に分配された架橋剤を、当該架橋剤の1種類以上の官能基及び少なくとも1種類
の官能基を介して主として反応する仕方で、既に存在しているポリマー層と反応
させ、それにより、次のポリマー層に対する架橋結合が生成するが、当該架橋結
合は、既に存在しているポリマー層とは反応しない。原則として、前記反応は、
原則として0℃ 〜 −10℃の低温で起こる。更に、この反応は、短鎖架橋剤の
使用及び/又はポリマー層の不動化によって有利になる。この架橋結合を誘発さ
せる方法としては、例えば、超音波架橋結合又は光化学架橋結合の使用がある。
【0192】 明らかに、適当な架橋剤の場合及び/又は既に存在している適当なポリマー層
の場合では、pHを変える及び/又は溶媒を変える及び/又は改質剤を添加する
ことによって、上記した反応手順を制御することもできる。明らかに、ある方法
又はすべての方法を組合わせることもできる。
【0193】 この点において、最初にポリマーの結合を抑制し、更なる工程でポリマーを刺
激するために上記の用いることができる特定の方法を参照することもできる。 方法(a)にしたがって、次の工程で、少なくとも1種類のポリマーを含む溶
液を、次のポリマー層として施用し、架橋剤と既に存在しているポリマー層との
反応生成物と接触させる。次に、反応が、既に存在しているポリマー層に結合さ
れた架橋剤の反応していない官能基と、次のポリマー層として施用されるポリマ
ー層との間で、特に好ましく起こるように、反応条件を変更する。とりわけ、反
応条件の更なる変更が必要無いように、次のポリマー層として施用される少なく
とも1種類のポリマーを含む溶液を加えることによって、反応条件に対して影響
を与えることもできる。
【0194】 次のポリマー層を施用するこの工程に関して、とりわけ、最初にポリマーの結
合を抑制し、更なる工程でポリマーを刺激するために、上記の用いることができ
る特定の方法を参照することができる。
【0195】 同様に特に好ましい態様では、最初は反応が起こらないが、架橋剤及び施用さ
れるポリマーの双方が、既に存在しているポリマー層にわたって統計的に均一に
分配される反応条件下で、少なくとも1種類の架橋剤と少なくとも1種類のポリ
マーとを含む溶液を、少なくとも1種類のポリマーの最後に施用される層と接触
させる仕方で、(b)にしたがう方法を行う。
【0196】 方法(a)に関連して既に説明したように、好ましい態様では、この接触は、
低温で、原則として、0℃ 〜 −70℃で行う。 他の反応条件、例えばpH、溶媒の性質、溶媒中における架橋剤の濃度、又は
溶媒中における施用されたポリマーの濃度を選択する場合には、本方法のこの好
ましい態様において、架橋剤と存在しているポリマーとの反応及び施用されるポ
リマーと架橋剤との反応が殆ど起こらず、架橋剤及び施用されるポリマーは、既
に存在しているポリマー層にわたって統計的に均一に分配されるということにも
留意すべきである。
【0197】 次の工程では、架橋剤が、既に存在しているポリマー層と、次の層として施用
されるポリマーの双方と反応するように、反応条件を変更する。とりわけ、架橋
剤は、既に存在しているポリマー層とまず最初に反応し、次に、施用されたポリ
マーと反応して、新しいポリマー層を形成することができる。同様に、架橋剤は
、既に存在しているポリマー層と反応し、それと同時に、施用されたポリマーと
も反応して、新しいポリマー層を形成することができる。更に、統計的に均一に
分配された架橋剤は、まず最初に、統計的に均一に分配されたポリマーと反応し
、次に、その反応生成物が、既に存在しているポリマー層と反応して、新しいポ
リマー層を形成することもできる。架橋剤と、一方で既に存在しているポリマー
層との反応、及びもう一方で施用されたポリマー層との反応が同時に行われる場
合、反応条件を変えることによって、一方の反応を最初に行い、また反応条件を
更に変えることによって、もう一方の反応を行うことができる。
【0198】 反応条件の変更に関する限り、すべての可能性及び既に説明した組合わせを参
照することができる。特に、次のポリマー層を施用するこの工程に関して、とり
わけ、最初にポリマーの結合を抑制し、更なる工程でポリマーを刺激するために
上記の用いることができる特定の方法を参照することもできる。この架橋結合を
誘発させる方法としては、例えば、超音波架橋結合又は光化学架橋結合の使用が
ある。
【0199】 明らかに、超音波架橋結合又は光化学架橋結合の使用は、原則として、例えば
本発明の文脈で行われる任意の架橋工程において非常に一般的に用いることがで
きる。
【0200】 本発明の文脈において、「選択的な/特定の架橋剤」という用語は、2種類以
上の異なる官能基を有する架橋剤であって、異なる少なくとも1種類の基と比較
して、それらのうちの少なくとも1種類の基は、好ましくは、所定の反応条件下
で、更なるポリマー又は支持材料の官能基と反応する架橋剤を意味していると理
解される。当該用語は、2種類以上の同じ官能基を有するが、化学的環境は異な
り、及び/又は立体的配置が異なっていて、而して、好ましくは、当該官能基の
少なくとも1種類の官能基が、所定の条件下で、更なるポリマー又は支持材料の
官能基と反応する架橋剤を更に含む。同様に、当該用語は、互いに同じ又は異な
る官能基を有し、上記方法にしたがって官能基のいくつかが活性化剤で活性化さ
れるので、異なる選択性/特異性を有する架橋剤を含む。明らかに、2種類以上
の異なる官能基を有する化合物において、任意に活性化された基の一部分の反応
性が任意に活性化された基の別部分の反応性と異なっているように、当該官能基
の1つ又は別の多くの官能基を反応性基で活性化することができる。特異性及び
/又は選択性に関して作用する上記影響の2つ以上の組合わせが、明らかに同様
に可能である。
【0201】 特に好ましい態様では、不溶性へと導くが、少なくとも1種類の鋳型化合物と
相互作用できる相互作用セルを好ましく有する膨潤可能な網状重合体へと導く架
橋度が層間に存在するように、層おける施用は、鋳型化合物の存在下で、好まし
くは非存在下で行われる。これらの相互作用セルにおいては、一般的に、膨潤可
能な網状重合体の官能基は、平均して、少なくとも1種類の鋳型化合物との相互
作用に関して距離及び角度にしたがって有利な立体配置をとっている。
【0202】 更に好ましい態様では、この膨潤可能なポリマー構造の配座は、少なくとも1
種類の鋳型化合物の存在下、少なくとも1つの層の状態で、少なくとも1種類の
鋳型化合物に対して適合され、架橋結合によって固定される。
【0203】 而して、本発明は、層における施用によって、膨潤可能な網状重合体が導かれ
、且つ当該膨潤可能な網状重合体が、少なくとも1種類の鋳型化合物の存在下で
、少なくとも1つの更なる工程において、少なくとも1種類の鋳型化合物に対し
て適合され、そして架橋結合によって固定される配座を有することを特徴とする
上記方法にも関する。
【0204】 少なくとも1種類の支持材料に対する層状態での施用に関して、例えば既に上
記したようなすべての適当な架橋剤を用いることができる。 例として、二価のエポキシド、イソシアネート、アミジン、クロロトリアジン
又はアルデヒドを挙げることができ、好ましくは、例えばスクシニミド誘導体、
特に好ましくはONB−及びN−ヒドロキシフタルイミドで活性化された試薬で
ある。更なる好ましい態様では、二価の、対称又は非対称の架橋剤が用いられ、
例えば活性ジカルボン酸が挙げられる。更なる態様では、特異的又は選択的な架
橋剤が用いられる。これらは、例えば多塩基カルボン酸、ジアミン、ジオール又
は異なる反応性基で活性化される更なる適当な化合物であることができる。同様
に、架橋剤は、互いに異なる少なくとも2種類の官能基を有し、1つの化合物に
よる活性化時に、又は互いに異なる活性化された基に関して互いに異なる2種類
以上の化合物による活性化時に、異なる反応性を有する化合物であることができ
る。
【0205】 架橋剤の鎖長は、実質的に任意であり、反応手順の特定の要求条件に対して及
び/又は用いられるポリマーに対して及び/又は少なくとも1種類の鋳型化合物
に対して適合させることができる。本発明では、鎖長は、2、例えばオキサレー
トから、オリゴマー又はポリマーの鎖長まで達することができる。架橋剤それ自
体の鎖は、脂肪族及び/又は芳香脂肪族及び/又は芳香族であることができ、そ
の鎖部分は、例えば上記した重縮合生成物を調製するための方法によって当該鎖
中に特に導入された官能基、且つ少なくとも1種類の鋳型化合物と相互作用する
のに適する及び/又は例えばとりわけオリゴエチレンオキシドの場合と同様に更
なる架橋結合に適する官能基を運ぶことができる。
【0206】 非常に特に好ましい態様では、網状重合体の配座を適合させ、及び網状重合体
の好ましい配座を固定するときに行われる最後の架橋工程は、硬質架橋剤、例え
ばテレフタル酸又はビフェニルカルボン酸によって実行される。明らかに、硬質
架橋剤による異なるの架橋結合は、溶液中又は支持材上で調製される網状重合体
と共に行うことができる。
【0207】 膨潤可能な網状重合体を調製するために、とりわけ、4 〜 24個の原子、特
に好ましくは8 〜 12個の原子の鎖長を有する柔軟な鎖を有する架橋剤が好ま
しく用いられる。
【0208】 少なくとも1種類のポリマーの層を少なくとも1種類の支持材料に対して施用
する場合、少なくとも1種類のポリマーが、例えばシータ点を超えて、変性した
形態で大部分存在している溶媒又は溶媒混合物を非常に特に好ましく用いる。こ
の非常に特に好ましい態様によって、少なくとも1種類のポリマーの単分子層を
少なくとも1種類の支持材料上に堆積させることは有利である。同様に非常に特
に好ましい態様では、単分子層のこの堆積は、30000g/mol未満のモル質量
を有するポリマーを特に用いることによって、更に促進される。
【0209】 明らかに、シータ点近傍で作用し、それによって、例えば、少なくとも1種類
の支持材料上へのゆるいポリマーのもつれの堆積をもちろん達成することもでき
る。この態様に関して、モル質量が約30000 〜 約100000g/molであ
るポリマーが好ましい。
【0210】 この点において、少なくとも1種類の貧溶媒を加えることによって及び/又は
pHを変更することによって及び/又は付加もしくは緩衝によって及び/又は塩
及び/又は適当な有機助剤によって、堆積を促進することもできる。同様に、少
なくとも1種類のポリマーが、溶解された又は懸濁された形態で存在している溶
液を濃縮することもでき、その場合、特に好ましい態様では、液相における少な
くとも1種類のポリマーの濃度をほぼ一定に保つ。このために、少なくとも1種
類の支持材料上に層として少なくとも1種類のポリマーをほぼ定量的に施用する
ことができる。
【0211】 少なくとも1種類のポリマーの配座を好ましい配座へと変形させ、その後に架
橋することに関して、好ましくは、それは、溶液中又は支持材上で、上で概説し
たすべての手順における本発明にしたがう方法で行われ、非常に特に好ましくは
、鋳型化合物の存在下でポリマーの好ましい配座を確立するために、当該反応を
、高温で、好ましくは50℃を超える温度で、特に好ましくは60 〜 105
℃で、更に特に好ましくは70℃ 〜 80℃で行う。明らかに、この温度範囲は
、用いられる溶媒又は溶媒混合物に合わせて調整できる。更なる工程では、架橋
剤を、低温で、好ましくは0℃ 〜 −70℃で加え、それによって、好ましくは
、ポリマーにわたって架橋剤の静的な均一分散が達成される。既に上で説明した
ように反応条件を適当に変化させることによって、この後に、ポリマーと架橋剤
との反応が誘発される。
【0212】 同じく好ましい態様では、ポリマーを施用する場合、ポリマーが不溶性限界に
近づいている溶媒又は溶媒混合物を用い、それによって、ポリマーの施用のため
の分配係数が有利な値を取るような仕方で、方法をすべての手順に関して実行す
る。特に好ましくは、ポリマーがシータ点近傍にあるように方法を実行する。反
応を実行するこの好ましい様式では、とりわけ、ポリマーが沈殿することが避け
られる。
【0213】 更に好ましくは、本発明の文脈で説明されているような相互作用セルと、溶媒
との相互作用が、相互作用セルと鋳型化合物との相互作用と比較して、殆ど無視
できるように、少なくとも1種類の溶媒を選択する。
【0214】 更に好ましくは、鋳型化合物の存在下における変形は、上記相互作用セルを形
成する、架橋剤に関して及び/又はポリマーストランドにおいて及び/又はポリ
マーの側鎖において官能基に左右される規定された極性を有する溶媒混合物中で
行う。特に、有機及び/又は水性の溶媒が適当であり、当該溶液のpHは、更に
好ましくは4 〜 9、特に好ましくは6 〜 8である。好ましい溶媒としては、
とりわけ、3個以下の原子を有するクロロヒドロカーボン、例えばクロロホルム
、又はニトリル、例えばアセトニトリル、又はエステル、例えば酢酸エチル、又
はケトン、例えばメチルエチルケトンもしくはアセトン、又は非環式もしくは環
式エーテル、例えばメチルt−ブチルエーテル、又はテトラヒドロフラン又はジ
オキサン、又は任意に適当に置換された芳香族化合物、例えばトルエンもしくは
キシレン、又はそれらの2種類以上の混合物が挙げられる。
【0215】 特に好ましい態様では、ポリマーが大部分不溶性であるが、鋳型化合物が可溶
性である溶媒混合物中及び反応条件下で、本発明にしたがう方法によって、ポリ
マーの配座を鋳型化合物に対して適合させる。
【0216】 好ましい態様では、とりわけ、すべてのプロセス工程を、個々に又は適当に組
合わせて、コンビナトリアル試験法として実行することができる。 例えば、コンビナトリアル試験法において好ましくは支持材に対して施用され
るポリマーの配座又はポリマー構造の配座を、多くの異なる鋳型化合物に対して
適合させ、得られた好ましい配座を架橋させることができ、各場合における同じ
ポリマー又はポリマー構造を、各場合における異なる鋳型化合物と接触させるこ
とができる。
【0217】 同様に、例えば、同じ鋳型化合物を、各場合における多くの異なるポリマー又
は網状重合体と反応させて、例えば、得られた好ましい配座を架橋させることが
できる。
【0218】 明らかに、コンビナトリアル試験法において網状重合体を調製する場合にプロ
セス工程を実行することもでき、その場合、とりわけ、支持材、例えば誘導体化
度及び/又は受容体基の数及び性質に関するポリマー、例えば鎖長に関する架橋
剤、官能基の数及び/又は性質、網状重合体における架橋度、又は支持材に対し
て施用される層の数を変えることができる。
【0219】 更に、好ましくは、これらのコンビナトリアル試験法は、統計的実験計画と共
に用いることができる。而して、前記のコンビナトリアル法又は統計的/コンビ
ナトリアル法は、上記したポリマー誘導体及び架橋剤の調製のために、支持材上
もしくは溶液中における網状重合体の調製のために、又は下記したような用途領
域において網状重合体を試験するために用いることもできる。
【0220】 これらのコンビナトリアル試験法又は統計的/コンビナトリアル試験法に特に
適するのは、とりわけ、流れ工程であり、例えばバルブ回路によるオートメーシ
ョン、試薬の再循環又はストップ−フロー技術のような変体も可能である。これ
らの流れ工程は、比較的大量の上記ポリマー誘導体、架橋剤及び支持材上もしく
は溶液中において網状重合体を製造するためにも、適当な境界条件下で用いるこ
とができる。
【0221】 網状重合体を調製する方法に加えて、本発明は、上記方法にしたがって調製す
ることができる網状重合体それ自体にも関する。 同様に好ましい態様では、網状重合体は、クラスター、ミクロ格子及び/又は
ナノ粒子が、本発明にしたがう方法から得られる。これらは、真溶液として、又
はコロイド状の溶液もしくは懸濁液として更に加工することができる。特に、こ
れらのクラスター、ミクロ格子及び/又はナノ粒子は、例えば多孔質であること
ができる層に対して、例えば膜もしくは固体に対して共有結合及び/又は非共有
結合で架橋できる。また、この架橋結合は、本発明にしたがう方法によって生起
させることもでき、得られた構造を、1種類以上の鋳型化合物に対して適合させ
、この架橋結合によって固定することができる。例えば調製法及び手順を特に選
択することによって、例えば、例えば適当な細孔形成剤(pore formers)、安定
剤、難燃剤、保護コロイド、適当な溶媒混合物を添加することによって、撹拌様
式によって、例えば超音波処理によって、又は噴霧による粒子発生によって、特
定の多孔度を有する丸い粒子を好ましく調製することができる。
【0222】 とりわけ、クラスター、ミクロ格子及び/又はナノ粒子を調製するための2つ
の方法が、本発明にしたがう方法の文脈では特に好ましい。 1つの方法では、充分なモル質量、好ましくは30000 〜 100000g/
molのモル質量を有するポリマーを、当該ポリマーがもつれた形態で大部分存在
するような高い希釈度及び/又は更なる反応条件で導入する。特に、このもつれ
た形態を促進する溶媒の選択は重要である。架橋剤を添加することによって、こ
れらのポリマーのもつれあいを、もし適当であるならば鋳型化合物の存在下で、
分子間架橋結合を生起させずに、分子内架橋させる。また、ポリマーのもつれあ
いの外側に存在する官能基を架橋剤と反応させる。このように活性化されたこれ
らの外側の官能基によって、更なる工程で、ナノ粒子を分子間で架橋することが
でき、その場合、架橋結合が生起する架橋剤の鎖長にしたがって及び/又は分子
内架橋結合中に任意に存在する少なくとも1種類の鋳型化合物にしたがって、得
られる構造の、例えば多孔質膜のメッシュ幅を調節することができる。
【0223】 他の方法では、分子内架橋されたポリマーのもつれの外側に存在する官能基が
架橋剤と反応しないように、当該方法を行う。更なる工程では、ポリマーのもつ
れを含む溶液を濃縮し、それによって、充分な濃度により、外側に存在している
官能基の反応によって、ポリマーのもつれが凝集して三次元構造が生じる。
【0224】 従来技術にしたがって調製されるインプリンティング相とは異なり、本発明に
したがって調製される網状重合体は、利点として、例えば充分により高い充填能
を有する。充填能とは、被覆された支持材料の1g当たりに何グラムの支持体が
含まれているかを示している。本発明では、4% 〜 7%の値が典型的である。
実際に活性なポリマー層の質量に関して、この充填能は、既に、3つの層で好ま
しくは30% 〜 50%の大きさである。更なるポリマー層を施用することによ
って、被覆された支持材料の充填能%を再び著しく増加させることもできる。
【0225】 インプリンティング相が、習慣的に千当たりの範囲にある充填能を有する限り
は、100当たりの範囲にある充填能を有する本発明にしたがう方法によって網
状重合体を問題無く調製することができる。本発明にしたがって調製されたポリ
マーの工業的用途では、有意により高い経済性も達成することができる。
【0226】 原則として、本発明にしたがって調製された網状重合体は、全ての適当な方法
で用いることができる。架橋剤によって固定され、少なくとも1種類の鋳型化合
物に対して適合される少なくとも1つの好ましい配座を用いる方法が特に好まし
い。而して、用途領域としては、例えば、好ましくは物質分離法、例えば液体ク
ロマトグラフィー法又はガスクロマトグラフィー法、膜分離法、透析法、又は物
質転換法、例えば均一又は不均一の触媒が挙げられる。
【0227】 本発明にしたがって調製されるポリマーは、 分析法又は診断法、コース(courses)及び/又は検出試薬と組合わせたア
ッセイとして又は(迅速)試験で 例えば制御された様式で、とりわけ、規定された条件下で放出されなければ
ならない物質のための支持材として(「薬剤放出」はキーワードとして言及すべ
きである) 表面上もしくはキャビティにおいてセンサー、インジケーターもしくは検出
素子として、又は 例えば抗原基を拮抗阻害もしくはブロックするための薬物もしくはワクチン
として、例えば受容体、細胞上にある受容体もしくはエピトープ、細胞成分、微
生物、アレルゲンを拮抗阻害もしくはブロックするための薬物もしくはワクチン
として(それによって受動免疫を得ることができる)、 用いることもできる。
【0228】 同様に好ましい使用では、本発明にしたがって調製された網状重合体を物質調
製法で用いる。物質調製法としては、例えば、とりわけ、再生産法が挙げられる
。本発明にしたがって調製されたポリマーを用いて、殆ど任意の(巨大)分子パ
ターンのコピーを調製することができ、次に、今度はそれらをコピーすることが
でき、例えば好ましくはナノ環境に関して等配電子である元のパターンの複製複
写(duplicate)が得られる。本発明にしたがう方法の文脈では、パターンと関
連のある受容体をスキャンし、この負の等配電子を、受容体に対して正の等配電
子へと転換させた。而して、本発明は、物質調製法における本発明にしたがう方
法の使用も説明する。この態様を薬物設計で用いる場合、新規の薬理学的に活性
な物質を、例えば副作用も無く、試験又は触媒を用いて合成された正の等配電子
に対して結合させることができる。而して、本発明は、ナノ範囲におけるスープ
ラリソグラフ再生産(supralithographic reproduction)技術を含むこともでき
、次にその生成物を例えば能動免疫のために用いることができる。
【0229】 而して、本発明は、物質分離法、物質転換法、物質調製法、物質認識法におけ
る、又は信号を検出するための、上記方法にしたがって調製することができる網
状重合体の使用にも関する。検出できる信号に関しては、とりわけ光学的、電気
的又は機械的な信号を挙げることができる。
【0230】 以下、実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明する。 実施例 実施例1:誘導体化度14%を有するポリ(ベンジルN−アリルカルバメー
ト)によるシリカゲル SP 300−15/30の被覆、及び当該ポリマーと、
ドデカン二酸ビス(N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシ
イミド)エステルとのその後の架橋 誘導体化度14%(1.60g)を有するポリ(ベンジルN−アリルカルバメ
ート)を、沸騰している氷酢酸(100mL,約117℃)中に溶かし、冷却後
にジクロロメタン(100mL,1.18モル)で希釈し、及びピリジン(11
2mL,1.42モル)で処理して、前記ポリマーの溶解性を低下させた。続い
て、生じた混濁を、数滴の氷酢酸で除いた。300Åのシリカゲル20□m(Da
isogel SP 300-15/30)(10.02g)を添加した後、その混合物を、30分
間、震盪機で撹拌し、ガラスフリットを用いて吸引濾過して濾別した後、ジクロ
ロメタン(4□50mL)で洗浄した。
【0231】 架橋結合のために、ジクロロメタン(60mL)中ドデカン二酸ビス(N−ヒ
ドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)エステル(46m
g,83□モル)とトリエチルアミン(36mg,0.35ミリモル)との溶液
に対して、被覆シリカゲルを加え、その懸濁液を真空(85ミリバール,0℃の
水浴)中で乾燥させて濃縮させた。その被覆シリカゲルを、テトラヒドロフラン
(60℃,4□25mL)で洗浄し、吸引して濾別し、続いてジクロロメタン(
50mL)で洗浄した。
【0232】 第二の被覆のために、誘導体化度14%(1.60g)を有するポリ(ベンジ
ルN−アリルカルバメート)を、沸騰している氷酢酸(100mL,約117℃
)中に溶かし、冷却後にジクロロメタン(100mL,1.18モル)で希釈し
、次にピリジン(100mL,1.26モル)で処理して、前記ポリマーの溶解
性を低下させた。次に、ジメチルアミノピリジン(DMAP,80mg,0.6
5ミリモル)及び更にピリジン(12mL,0.15モル)を加えた。続いて、
生じた混濁を、数滴の氷酢酸で除いた。上記のように架橋剤と反応し被覆された
シリカゲルを加えた後、その混合物を、30分間、震盪機で撹拌し、ガラスフリ
ットを用いて吸引濾過して濾別した後、ジクロロメタン(4□50mL)で洗浄
した。
【0233】 第二の方法にしたがって、被覆シリカゲルを再び上記したように架橋し、次に
、第三ポリマー層で被覆した。 その混合物を、フリットにおいてジメチルホルムアミド中で膨潤させた(30
分)。DMF(40mL)中ジエチルアミン(2mL,1.42g,19.41
ミリモル)溶液の中にゆっくりと通すことによって、残留している活性化された
架橋基を奪活した。完全に奪活するために、当該混合物を、濾液溶液で更に4回
すすいだ。次に、その混合物を、テトラヒドロフラン(60℃,HPLCグレー
ド,4□50mL)及びジクロロメタン(4□50mL)で洗浄し、そして吸引
乾燥させた。
【0234】 被覆シリカゲルを、氷酢酸(100mL)で処理し、その懸濁液を加熱して沸
騰させ、固体を吸引濾過して分離させ、ジクロロメタン(5□50mL)で洗浄
し、乾燥させ(110℃,16時間)、45□mシーブで篩い分けた。 最終重量は9.4gであった。
【0235】 実施例2:ポリマーの変形及びその後の架橋 化合物の説明: 誘導体化度7%を有するポリ(ベンジルN−アリルカルバメート)の3つ
の層で被覆され、且つドデカン二酸ビス(N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボキシイミド)エステルと2%まで架橋させた300Åのシリカ
ゲル20□m(Daisogel SP 300-15/30) =(1)。
【0236】 琥珀酸ビス(N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシ
イミド)エステル =(2)。 (1)で充填されたカラムを、CHCl3中0.2%濃度(10.5mmol
/L)5−メチル−5−フェニルヒダントイン溶液(支持体)及び0.6mL/
分の流量で状態を整えた。当該支持体の約40mgがカラム上に吸着されている
。次に、氷酢酸80□Lを注入し、流出が2つの分画で集められた: 第一分画:注入から支持体ピーク後のベースラインの再到達まで(6.1分
)。
【0237】 この分画中には支持体18.2mgが含まれていた。このうち、このときに溶
離剤によって洗い流された支持体の量7.32gを引くと、氷酢酸によって洗い
出された量は10.9mgであった。
【0238】 第二分画:支持体ピーク後のベースラインの再到達から、注入前に存在して
いる平衡の新たな調整まで(6.1 〜 80分)。 この分画中には、支持体72.2mgが見出された。今度は溶離剤によって8
8.7mgが洗い流されたので(73.9分)、固定相から吸収された支持体の
量は16.5mgであった。
【0239】 注入の完了後に、カラムを取り外し、0℃まで冷却した(約30分)。 架橋剤溶液を調製するために、(2)(186.2mg,0.423ミリモル
)を、0.2%濃度(10.5mmol/L)5−メチル−5−フェニルヒダントイン
溶液19.24mL中に溶かし、トリエチルアミン(0.76mL)を加えた。
この溶液を、0℃まで冷却された貯蔵容器からシステム(カラム無し)中に流し
入れた。
【0240】 ベースラインが一定になったら、再びカラムをシステム中に組み込み、0℃の
温度に保った。架橋溶液を5mL/分でカラム中に流し入れた。架橋剤の前面が
下まで到達したら(UV265nm)、流れを止めた。
【0241】 再びカラムを取り外し、30分間0℃で更に冷却し、次にカラムサーモスタッ
ト中に配置した(120分、25℃)。 テトラヒドロフランでシステム(カラム無し)をすすぎ、120分間反応させ
た後、カラムをシステム中に再び組み込み、テトラヒドロフラン50mLですす
いだ(1mL/分)。
【0242】 架橋剤であって、なお残留している遊離N−オキシ−5−ノルボルネン−2,
3−ジカルボキシイミド基を奪活するために、ジエチルアミン(40.2mg,
0.55ミリモル)(形成された最大N−オキシ−5−ノルボルネン−2,3−
ジカルボキシイミドを基準として5当量)をテトラヒドロフラン(20mL)中
に溶かし(急冷溶液)、カラムの中に流し入れ(1mL/分)、カラム流出から
の溶液を5時間再びカラムの中に流し入れ、次にテトラヒドロフランに切り替え
た。ベースラインが一定になったら、ポンプを停止し、カラムサーモスタットを
50℃に設定し、この温度を30分間維持した。その後テトラヒドロフランを、
純粋なテトラヒドロフランが流出するまで、追加的に1mL/分でポンピングし
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU ,ZA,ZW

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程、すなわち (i) 共有結合又は非共有結合によって、分子内もしくは分子間、又は分子
    内と分子間とで互いに架橋することができる1種類以上のポリマーを利用可能に
    する工程、 (ii)当該ポリマーの少なくとも1種類のポリマーの配座を、少なくとも1
    種類の鋳型化合物に適合させて、少なくとも1種類のポリマーの少なくとも1つ
    の好ましい配座を得る工程、及び (iii)架橋結合によって、(ii)にしたがって得られた好ましい配座の
    少なくとも1つを固定する工程 を含む、網状重合体を調製するための方法。
  2. 【請求項2】 (ii)にしたがう適合を、鋳型化合物の少なくとも1種類
    の存在下で行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1種類のポリマーの配座の適合を、少なくとも2
    つの工程で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 各工程の後に、この工程から得られた好ましい配座を、架橋
    結合によって固定することを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの工程を、少なくとも1種類の鋳型化合物の
    非存在下で行う請求項3又は4記載の方法。
  6. 【請求項6】 当該網状重合体を、少なくとも1種類の支持材料上で調製す
    る請求項1 〜 5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも1種類のポリマーを、少なくとも2つの連続工程
    で、層の状態で、少なくとも1種類の支持材料に対して施用することを特徴とす
    る請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 層の状態で施用することによって、少なくとも1種類の鋳型
    化合物の存在下、少なくとも1つの更なる工程で少なくとも1種類の鋳型化合物
    に対して適合され、そして架橋結合によって固定された配座を有する主として架
    橋された網状重合体が得られることを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1 〜 8の一つにしたがって調製することができる網
    状重合体。
  10. 【請求項10】 物質分離法、物質転換法、物質調製法、物質認識法におけ
    る、又は信号を検出するための方法における、請求項1 〜 8の一つにしたがっ
    て調製することができる網状重合体の使用。
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