JP2003510048A - 破骨細胞で発現されるg−タンパク質レギュレーターであるrgs10b - Google Patents

破骨細胞で発現されるg−タンパク質レギュレーターであるrgs10b

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JP2003510048A JP2001525355A JP2001525355A JP2003510048A JP 2003510048 A JP2003510048 A JP 2003510048A JP 2001525355 A JP2001525355 A JP 2001525355A JP 2001525355 A JP2001525355 A JP 2001525355A JP 2003510048 A JP2003510048 A JP 2003510048A
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スタシェンコ,フィリップ
リー,イー−ピン
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フォーシス デンタル インファーマリー フォー チルドレン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒト破骨細胞腫cDNAライブラリー由来の核酸分子を提供する。該核酸分子は、診断方法、スクリーニングアッセイなどの用途や、ハイブリダイゼーションのプローブおよびプライマーとして使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 G−タンパク質ファミリーは、細胞内の信号発生経路に細胞外レセプターと結
合(link)することによって信号伝達に重要な役割を果す。Gタンパク質は、α
、βおよびγサブユニットから構成される。不活性状態では、αサブユニットは
、GDPに結合する。それらがG−タンパク質結合レセプター(リガンドに結合
)によって活性化されると、GDPの解離および続くGTPの結合を引き起こさ
れ、αサブユニットが活性化される。活性化状態は、αサブユニット内に含まれ
る固有GTPアーゼ活性がGTPをGDPに加水分解すると終結する(Gold
ら、J.Neurosci 17(20):8024〜8037頁(1997年
))。
【0002】 αサブユニットのGTPアーゼ活性を活性化することによって、G−タンパク
質機能を調節する、G−タンパク質信号発生(RGS)タンパク質のレギュレー
ターと称されるタンパク質のファミリーが同定された(DohlmanおよびT
horner、J.Biol.Chem.272巻:3871〜3874頁(1
997年);Koelle、Curr.Opin.Cell.Biol.9巻:
143〜147頁(1997年);Neer、Curr.Biol.7巻:R3
1〜R33頁(1997年))。これらのタンパク質は、αサブユニットの活性
化状態の期間を減少させ、G−タンパク質機能を阻害する。
【0003】 発明の概要 様々のスクリーニング・アプローチ法を使用して、破骨細胞で選択的に発現さ
れる遺伝子をコードする部分的cDNA配列が同定された。これらのクローンの
1つ(クローン140と称する)について、完全長cDNA(RGS10Bと称
される)は、破骨細胞腫のライブラリーから同定された。このクローンは、RG
S10として知られた、以前に記述された分子の異型であると思われる181個
のアミノ酸ポリペプチドをコードする。RGS10は、Gα1 GTPアーゼ活
性の選択的アクチベーターとして特徴づけられ、したがって、G−タンパク質信
号発生の阻害剤である(Huntら、Nature 383巻:175〜177
頁(1996年))。RGS10は、進化を通して高度に保存されるG−タンパ
ク質阻害剤の大型ファミリーのメンバーである。
【0004】 RGS10B配列のアミノ末端は、RGS10のものと区別され、16個の残
基の内のわずか3個が同一である(図1)。対照的に、残基17〜181は、2
つの分子で同一であり、そしてRGS10Bは、高度に保存されたRGSドメイ
ンを保有する。さらに、RGS10Bの3’非翻訳領域(UTR)も、RGS1
0のものと特徴的(unique)であり、RGS10Bが、少なくとも2個の新規エ
キソンの選択的スプライシングによって生じるようであることを示す。
【0005】 RGS10Bのアミノ末端に対する90塩基対プローブを用いて、多組織ノー
ザン解析を行った。RGS10Bの1kb mRNAを、破骨細胞腫で非常に強
力に検出したが、腫瘍の基質(stromal )細胞成分では検出されなかった。RG
S10B mRNAは、HSB−2(Bリンパ球細胞株)およびU937(骨髄
性単球細胞株)でわずかに発現された。試験された他の全てのヒト組織および細
胞株は、RGS10B mRNAに対して陰性であった。これらのデータは、R
GS10Bが、ヒト破骨細胞で選択的に発現されることを示す。したがって、R
GS10Bは、破骨細胞のためのマーカーを提供し、そして重要な調節機能をも
示しうる。RGS10Bを阻害することは、それが通常阻害する経路に応じて、
骨吸収をアップレギュレートまたはダウンレギュレートしうる。
【0006】 したがって、本発明は、配列番号:1;配列番号:1の相補体;配列番号:1
のヌクレオチド1〜48;配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補体;配列
番号:1のヌクレオチド547〜831;および配列番号:1のヌクレオチド5
47〜831の相補体からなる群より選ばれるヌクレオチド配列を含む単離核酸
分子に関する。これらのヌクレオチド配列は、RGS10のものと区別され、そ
してRGS10Bに特異的なプローブとして利用されうる。
【0007】 本発明は、配列番号:1;配列番号:1の相補体;配列番号:1のヌクレオチ
ド1〜48;配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補体;配列番号:1のヌ
クレオチド547〜831;および配列番号:1のヌクレオチド547〜831
の相補体からなる群より選ばれるヌクレオチド配列から本質的になる単離核酸分
子または該ヌクレオチド配列からなる単離核酸分子にも関する。
【0008】 本発明は、さらに、配列番号:1;配列番号:1の相補体;配列番号:1のヌ
クレオチド1〜48;配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補体;配列番号
:1のヌクレオチド547〜831;および配列番号:1のヌクレオチド547
〜831の相補体からなる群より選ばれるヌクレオチド配列と高ストリンジェン
ト条件下でハイブリダイズする核酸分子に関する。本発明は、さらに、配列番号
:1のヌクレオチド配列と実質的に同一であり、かつ配列番号:1のヌクレオチ
ド1〜48を含有する核酸分子に関する。
【0009】 本発明は、さらに、選択的ハイブリダイゼーションに適切な条件下で、配列番
号:1;配列番号:1の相補体;配列番号:1のヌクレオチド1〜48;配列番
号:1のヌクレオチド1〜48の相補体;配列番号:1のヌクレオチド547〜
831;および配列番号:1のヌクレオチド547〜831の相補体からなる群
より選ばれるヌクレオチド配列を含む第2の核酸分子と上記試料を接触させるこ
とを含む、試料中の核酸分子(例えば、RGS10B)の存在をアッセイする方
法を提供する。
【0010】 本発明は、調節配列に作動可能に連結された本発明の単離核酸分子を含むベク
ターならびに該ベクターを含む組換え宿主細胞にも関する。本発明は、核酸分子
の発現に適切な条件下で、本発明の組換え宿主細胞を培養することを含む、単離
核酸分子によってコードされるポリペプチドを作製する方法をも提供する。
【0011】 本発明は、さらに、本発明の単離核酸分子によってコードされる単離ポリペプ
チドを提供する。特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号:2のアミノ
酸配列および配列番号:2のアミノ酸1〜16、またはその部分からなる群より
選ばれるアミノ酸配列を含有する。本発明は、配列番号:2のアミノ酸配列と実
質的に同一であり、かつ配列番号:2のアミノ酸1〜16を含むアミノ酸配列を
含む単離ポリペプチドにも関する。
【0012】 本発明はまた、本発明のポリペプチドに選択的に結合する抗体、またはその抗
原結合断片に関し、コードされたポリペプチドに特異的に結合する抗体と試料を
接触させることを含む、試料中の本発明の単離核酸分子によってコードされるポ
リペプチドの存在をアッセイする方法に関する。
【0013】 本発明は、細胞中でRGS10Bまたはその活性部分の発現を高め、それによ
りRGS10Bが、Gタンパク質のGαサブユニットの固有GTPアーゼ活性を
活性化し、それによりGタンパク質活性を阻害することを含む、細胞においてG
タンパク質機能を阻害する方法にも関する。
【0014】 本発明は、さらに、上記GαサブユニットをRGS10Bまたはその活性部分
と接触させることを含む、GαサブユニットのGTPアーゼ活性を活性化する方
法に関する。本発明は、さらに、細胞においてRGS10Bまたはその活性部分
の発現を高めることを含む、細胞中のGαサブユニットのGTPアーゼ活性を活
性化する方法に関する。
【0015】 発明の詳細な説明 本明細書で記述される場合、RGS10BをコードするcDNAは、以下のよ
うにして同定した。第一に、骨のヒト巨大細胞腫は、1)cDNAライブラリー
を構築し、2)基質細胞+ 、破骨細胞+ プローブとして使用される32P標識cD
NAを生じ、そして3)破骨細胞を欠く基質細胞集団を生じる(培養によって)
ために使用された。巨大細胞腫中の破骨細胞の存在は、モノクローナル抗体試薬
を使用し、破骨細胞マーカー5型酒石酸耐性酸ホスファターゼ(tartrate-resis
tant acid phophatase)(TRAP)に対する組織学的染色によって確認され
た。
【0016】 破骨細胞を欠く基質細胞集団は、巨大細胞腫の細胞を解離し、その後、細胞集
団が均質で線維芽細胞のようになるまで、組織培養中の細胞を成長および継代す
ることによって産生した。培養基質細胞集団は、破骨細胞を含まなかった。その
後、培養基質細胞を、基質細胞+ 破骨細胞- 32P標識cDNAプローブを作製す
るために使用された。
【0017】 その後、骨の巨大細胞腫から作製したcDNAライブラリーは、cDNAプロ
ーブとのハイブリダイゼーションについて二連でスクリーニングされた。1つの
スクリーニングは、巨大細胞腫cDNAプローブ(基質細胞+ 、破骨細胞+ )を
用いて行われる一方で、2度目のスクリーニングは、培養された基質細胞cDN
Aプローブ(基質細胞+ 、破骨細胞- )を用いて行われた。基質細胞+ 、破骨細
- プローブにはハイブリダイズしない基質細胞+ 、破骨細胞+ プローブに対す
るハイブリダイゼーションは、クローンが、破骨細胞によって特徴的または選択
的に発現される核酸配列を含むことを示した。選択したクローンは、破骨細胞腫
ライブラリーをスクリーニングし、そして完全長cDNA配列を同定するために
使用された。本明細書で記述される通り、選択したクローンの内の1つ(クロー
ン140)は、RGS10Bと称される完全長cDNA配列を同定するために使
用された。
【0018】 本発明は、ゲノムDNAを含む、RGS10B DNAを同定するために有用
な核酸プローブの作製および同定について有用性を示す。本明細書で記述される
核酸分子、ポリペプチドおよび抗体も、十分に確立された技術を用いて破骨細胞
を同定するために有用である。本発明の核酸分子は、遺伝子治療にも有用である
。例えば、それらは、異常型RGS10B遺伝子産物の例えば破骨細胞での発現
を改変させるか、またはRGS10Bの異常型発現を修正するために使用されう
る。ここに記述される配列は、さらに、例えば、破骨細胞でない細胞中では通常
起らないRGS10B発現を引起すために使用されうる。
【0019】 本発明は、配列番号:1;配列番号:1の相補体;配列番号:1のヌクレオチ
ド1〜48;配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補体;配列番号:1のヌ
クレオチド547〜831;および配列番号:1のヌクレオチド547〜831
の相補体からなる群より選ばれるヌクレオチド配列を含む単離核酸分子に関する
。これらの核酸配列は、RGS10のものと区別され、そしてRGS10Bに特
異的なプローブとして利用されうる。本発明は、配列番号:1;配列番号:1の
相補体;配列番号:1のヌクレオチド1〜48;配列番号:1のヌクレオチド1
〜48の相補体;配列番号:1のヌクレオチド547〜831;および配列番号
:1のヌクレオチド547〜831の相補体からなる群より選ばれるヌクレオチ
ド配列から本質的になる単離核酸分子または該ヌクレオチド配列からなる単離核
酸分子にも関する。
【0020】 適宜、本発明の単離核酸分子は、RNA、例えば、mRNA、またはcDNA
およびゲノムDNAのようなDNAでありうる。DNA分子は、二本鎖または一
本鎖でありうる。一本鎖RNAまたはDNAは、コーディングもしくはセンス鎖
、または非コーディングもしくはアンチセンス鎖のいずれかでありうる。核酸分
子としては、遺伝子のコーディング配列の全部または部分が挙げ得て、そしてさ
らに、イントロンおよび非コーディング3’および5’配列(例えば、調節配列
を含む)のようなさらなる非コーディング配列を包含する。さらに、核酸分子は
、マーカー配列、例えばポリペプチドの単離または精製を補助するポリペプチド
をコードする配列に融合されうる。このような配列としては、それに限定されな
いが、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質をコー
ドするもの、およびインフルエンザ由来のヘマグルチンA(HA)ポリペプチド
マーカーをコードするものが挙げられる。
【0021】 ここで使用される場合、「単離」核酸分子は、通常天然で該核酸分子に隣接す
る核酸から分離されるものである。ゲノムDNAに関して、語句「単離」は、天
然でゲノムDNAが会合している染色体から分離される核酸分子をいう。例えば
、単離核酸分子は、該核酸分子が誘導される細胞のゲノムDNAで該核酸分子と
隣接する約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kbまたは0.1
kbより少ないヌクレオチドを含有しうる。
【0022】 さらに、cDNAまたはRNA分子のような本発明の単離核酸分子は、他の細
胞性材料、または組換え技術によって産生される場合は培養培地、または化学的
に合成される場合に化合物前駆体もしくは他の化合物を実質的に含まない可能性
がある。しかし、核酸分子は、他のコーディング配列または調節配列に融合して
いることもあり得るが、なお単離されたとみなしうる。ある種の場合には、単離
された材料は、組成物(例えば、他の物質を含む粗抽出物)、バッファーシステ
ムまたは試薬混合物の一部を構成する。他の環境で、材料は、例えば、PAGE
またはHPLCのようなカラムクロマトグラフィーによって測定される場合に本
質的に均質になるまで精製されうる。好ましくは、単離核酸分子は、存在する全
ての巨大分子種の少なくとも約50、80または90%(モル基準で)を包含す
る。
【0023】 さらに、ベクターに含まれる組換えDNAは、本明細書で使用される「単離」
の定義に含まれる。さらに、単離核酸分子としては、溶液中の部分的または実質
的に精製されたDNA分子ならびに異種宿主細胞での組換えDNA分子が挙げら
れる。「単離」核酸分子は、本発明のDNA分子のインビボおよびインビトロR
NA転写物をも包含する。
【0024】 1つの実施形態では、バリアントが、配列番号:1、配列番号:1の相補体、
配列番号:1のヌクレオチド1〜48、配列番号:1のヌクレオチド1〜48の
相補体、配列番号:1のヌクレオチド547〜831、およびヌクレオチド54
7〜831の相補体から選択されるヌクレオチド配列を含有するヌクレオチド配
列に高ストリンジェントハイブリダイゼーション条件(例えば、選択的ハイブリ
ダイゼーションのための)下でハイブリダイズする。
【0025】 本発明は、さらに、配列番号:1、配列番号:1の相補体、配列番号:1のヌ
クレオチド1〜48、配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補体、配列番号
:1のヌクレオチド547〜831、および配列番号:1のヌクレオチド547
〜831の相補体から選択されるヌクレオチド配列にストリンジェント条件、好
ましくは高ストリンジェント条件下でハイブリダイズする核酸分子に関する。
【0026】 核酸分子に対するストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、当業者に
十分に知られており、そしてCurrent Protocols in Mo
lecular Biology、ジョン・ウイリー・アンド・サンズ、ニュー
ヨーク(1998年)、2.10.1〜2.10.16頁および6.3.1〜6
.3.6頁のような標準テキストに見ることができ、そしてその教示は、参照に
より本明細書に組込まれる。当業者によって理解される通り、正確な条件は、経
験的に決定され得て、そしてイオン強度、温度およびホルムアミドのような不安
定化剤またはSDSのような変性剤の濃度による。所望のハイブリダイゼーショ
ン条件を決定する上で考慮される他の因子としては、核酸配列の長さ、塩基組成
、ハイブリダイズ配列の間のミスマッチ率、および他の非同一配列内の配列のサ
ブセットの発生の頻度が挙げられる。したがって、同等の条件は、2つの核酸分
子の間の類似の程度の同一性または類似性を維持しながら、1つまたはそれ以上
のこれらのパラメーターを変化させることによって決定されうる。典型的には、
互いに少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なく
とも約90%または少なくとも約95%またはそれ以上同一な配列が、互いにハ
イブリダイズされたままであるような条件が使用される。1つの制限されない例
では、核酸分子は、約45℃で6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SS
C)中でハイブリダイズさせた後、室温で0.2×SSC/0.1%SDSで1
回またはそれ以上の低ストリンジェント洗浄、または42℃で0.2×SSC/
0.1%SDSで1回またはそれ以上の中程度のストリンジェント洗浄、または
高ストリンジェントでは65℃で0.2×SSC/0.1%SDSで洗浄される
【0027】 本発明は、さらに、配列番号:1のヌクレオチド配列に実質的に同一(好まし
くは、約85パーセントより多く、より好ましくは約90パーセントより多く、
そしてより好ましくは約95パーセントより多い同一性)であり、そして配列番
号:1のヌクレオチド1〜48を含む酢酸分子に関する。2つのヌクレオチド配
列またはアミノ酸配列の同一性の割合は、最適な比較目的のために配列を並置す
ること(例えば、ギャップが、第一配列の配列に導入されうる)によって決定さ
れうる。その後、対応の位置でのヌクレオチドまたはアミノ酸が、比較され、そ
して2つの配列の間の同一性の割合は、配列によって共有される同一位置の数の
関数である(すなわち、同一率(%)=同一位置の数/位置の総数×100)。
ある種の実施形態では、比較目的のために並置される配列の長さは、対照配列の
少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも
60%、そしてより好ましくは少なくとも70%、80%、または90%の長さ
である。2つの配列の実際の比較は、例えば、数学的アルゴリズムを用いて、周
知の方法によって遂行されうる。そのような数学的アルゴリズムの好ましい、制
限されない例は、Karlinら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA、90巻:5873〜5877頁(1993年)で記述される。このような
アルゴリズムは、Altschulら、Nucleic Acids Res.
、25巻:389〜3402頁(1997年)で記述される通りNBLASTお
よびXBLASTプログラム(2.0版)に組込まれている。BLASTおよび
ギャップ(Gapped)・BLASTプログラムを利用する場合、それぞれの
プログラム(例えば、NBLAST)のデフォルト・パラメーターが使用されう
る。http://www.ncbi.nlm.nih.gov.参照。1つの
実施形態では、配列比較についてのパラメーターは、スコア=100、語長=1
2に設定されうるか、または変更(例えば、W=5またはW=20)しうる。
【0028】 配列の比較のために利用される数学的アルゴリズムの別の好ましい、制限され
ない例は、MyersおよびMiller、CABIOS(1989年)のアル
ゴリズムである。このようなアルゴリズムは、CGC配列並置ソフトウエアパッ
ケージの一部であるALIGNプログラム(2.0版)に組込まれている。アミ
ノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを利用する場合、PAM120
重量残渣表(weight residue table)、ギャップ長ペナルティー12、およびギ
ャップペナルティー4が使用される。配列解析のためのさらなるアルゴリズムは
、当該技術分野で知られており、そしてTorellisおよびRobotti
(1994年)Comput.Appl.Biosci.、10巻:3〜5頁に
記述されるようなADVANCEおよびADAM;およびPearsonおよび
Lipman(1988年)PNAS、85巻:2444〜8頁に記述されるよ
うなFASTAが挙げられる。
【0029】 別の実施形態では、2つのアミノ酸配列の間の同一性の割合は、Blosso
m63マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれかを用いたCGC
ソフトウエアパッケージ(http://www.cgc.comで入手可能)
中のGAPプログラムならびに12、10、8、6または4のギャップ重さ(gap
weight) 、および2、3または4の長さ重量(length weight) を用いて達成
されうる。さらに別の実施形態では、2つの核酸配列の間の同一性の割合は、ギ
ャップ重さ50および長さ重量3を用いて、CGCソフトウエアパッケージ(h
ttp://www.cgc.comで入手可能)中のGAPプログラムを用い
て達成されうる。
【0030】 本発明は、配列番号:1、配列番号:1の相補体、配列番号:1のヌクレオチ
ド1〜48、配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補体、配列番号:1のヌ
クレオチド547〜831、および配列番号:1のヌクレオチド547〜831
の相補体から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸配列に、高ストリンジェン
ト条件下でハイブリダイズする断片または部分を含む単離核酸分子をも提供する
。本発明の核酸断片は、長さ、少なくとも約15、好ましくは少なくとも約18
、20、23または25ヌクレオチドであり、そして30、40、50、100
、200またはそれ以上のヌクレオチドでありうる。長い断片、例えば、本明細
書で記述される抗原性タンパク質またはポリペプチドをコードする長さ30また
はそれ以上のヌクレオチドは有用である。
【0031】 関連局面では、本発明の核酸分子は、ここに記述されるもののようなアッセイ
でのプローブまたはプライマーとして使用される。「プローブ」は、塩基特異的
様式で、核酸分子の相補鎖にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドである。こ
のようなプローブとしては、Nielsenら、Science、254巻、1
497〜1500頁(1991年)で記述されるようなポリペプチド核酸が挙げ
られる。典型的には、プローブは、配列番号:1、配列番号:1の相補体、配列
番号:1のヌクレオチド1〜48、配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補
体、配列番号:1のヌクレオチド547〜831、および配列番号:1のヌクレ
オチド547〜831の相補体から選択されるヌクレオチド配列を含む核酸分子
の少なくとも約15、典型的には約20〜25、そしてより典型的には約40、
50または75の連続したヌクレオチドに、高ストリンジェント条件下でハイブ
リダイズするヌクレオチド配列の領域を包含する。プローブは、好ましくは、ヌ
クレオチド配列にハイブリダイズする分子の能力を妨害しない、該分子の片方ま
たは両方の末端に別のヌクレオチドをも包含しうる。より典型的には、プローブ
は、さらに、標識、例えば放射性同位体、蛍光化合物、酵素、または酵素補因子
を含有する。
【0032】 ここで使用される場合、語句「プライマー」は、周知の方法(例えば、PCR
、LCR)を用い、鋳型指向性DNA合成の開始の時点として作用する一本鎖オ
リゴヌクレオチドをいい、そしてここに記述されるものに限定されないがそれを
含めたものが挙げられる。プライマーの適切な長さは、具体的な用途に依存する
が、しかし、典型的には、約15から30ヌクレオチドの範囲である。
【0033】 上に記述されるもののような本発明の核酸分子は、標準的な分子生物学的技術
および配列番号:1で提供される配列情報を用いて同定および単離されうる。例
えば、核酸分子は、配列番号:1、配列番号:1の相補体、配列番号:1のヌク
レオチド1〜48、配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補体、配列番号:
1のヌクレオチド547〜831、および配列番号:1のヌクレオチド547〜
831の相補体で提供される配列の内の1つまたはそれ以上に基づいて設計され
る合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応によって
増幅および単離されうる。概略は、PCR技術:DNA増幅についての原理およ
び応用(PCR Technology:Principles and Ap
plications for DNA Amplification)(H.
A.Erlich編、フリーマン・プレス、ニューヨーク州、ニューヨーク、1
992年);PCRプロトコール:方法および応用についての指針(PCR P
rotocols:A Guide to Methods and Appl
ications)(Innisら編、アカデミック・プレス、カリフォルニア
州サンディエゴ、1990年);Mattilaら、Nucleic Acid
s Res.、19巻:4967頁(1991年);Eckertら、PCR
Methods and Applications、1巻:17頁(1991
年);PCR(McPhersonら編、IRLプレス、オックスフォード);
および米国特許第4,683,202号参照。核酸分子は、鋳型としてcDNA
、mRNAまたはゲノムDNAを用いて増幅され、適切なベクターにクローニン
グされ、そしてDNA配列解析によって特徴づけられうる。
【0034】 他の適切な増幅方法としては、リガーゼ連鎖反応(LCR)(WuおよびWa
llace、Genomics、4巻:560頁(1989年)、Landeg
renら、Science、241巻:1077頁(1988年)参照)、転写
増幅(Kwohら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86巻:
1173(1989年))、および自家配列複製(self-sustained sequence re
plication )(Guatelliら、Proc.Nat.Acad.Sci.U
SA、87巻:1874(1990年)および核酸基本の配列増幅(nucleic ac
id based sequence amplification )(NASBA)が挙げられる。後者の2つ
の増幅方法は、等温転写に基づいた等温反応を伴い、そしてそれは、それぞれ、
約30または100対1の比で、増幅産物として一本鎖RNA(ssRNA)お
よび二本鎖DNA(dsDNA)の両方を生じる。
【0035】 増幅DNAは、放射性標識され得、破骨細胞、例えばヒト破骨細胞に由来する
cDNAライブラリーをスクリーニングするためのプローブ、zap発現におけ
るmRNA、ZIPLOXまたは他の適切なベクターとして使用されうる。対応
するクローンは、単離され得て、DNAは、インビボ切除後に得られ、クローン
化挿入物は、適切な分子量のタンパク質をコードする正しい読み枠を同定ための
、当該技術分野で認識された方法により、一方向または両方向で配列決定されう
る。例えば、本発明の核酸分子のヌクレオチド配列の直接解析は、市販で入手で
きる周知の方法を用いて達成されうる。例えば、Sambrookら、分子クロ
ーニング、実験室マニュアル(Molecular Cloning,A La
boratory Manual)(2版、CSHP、ニューヨーク、1989
年);Zyskindら、組換えDNA実験室マニュアル(Recombina
nt DNA Laboratory Manual)(アカデミック・プレス
、1988年)参照。これらまたは類似の方法を用いて、タンパク質およびタン
パク質をコードするDNAは、単離され、配列決定され、そしてさらに特徴づけ
られうる。
【0036】 本発明のアンチセンス核酸分子は、配列番号:1のヌクレオチド配列、配列番
号:1の相補体、または配列番号:1のヌクレオチド1〜48のような、その部
分、配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補体、配列番号:1のヌクレオチ
ド547〜831、および配列番号:1のヌクレオチド547〜831の相補体
を用いて設計され得て、そして当該技術分野で知られる手順を用いて、化学的合
成および酵素的連結反応を用いて構築しうる。例えば、アンチセンス核酸分子
(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然のヌクレオチドまたは分
子の生物学的安定性を増大するため、もしくはアンチセンスとセンス核酸、例え
ばホスホロチオエート誘導体とアクリジン置換ヌクレオチドとの間で形成される
二本鎖の物理的安定性を増大するために設計された種々に修飾されたヌクレオチ
ドを用いて、化学的に合成されうる。あるいは、アンチセンス核酸分子は、核酸
分子が、アンチセンス方向でサブクローニングされた(すなわち、挿入核酸分子
から転写されたRNAは、目的の標的核酸に対してアンチセンス方向となる)発
現ベクターを使用して生物学的に作製しうる。
【0037】 一般に、単離核酸配列は、サザンゲルでの分子量マーカーとして、そして関連
する遺伝子の位置の地図作成をするために標識される染色体マーカーとして使用
されうる。核酸配列は、遺伝性疾病を同定するために患者における内因性DNA
配列と比較するために、そして関連DNA配列をハイブリダイズおよび発見する
か、または試料から既知配列を減じる(subtract out)ようなプローブとしても
使用されうる。核酸配列は、さらに、遺伝的フィンガープリンティングのための
プライマーを誘導し、DNA免疫化技術を用いて抗タンパク質抗体を生じさせる
ため、および抗DNA抗体を生じるか、または免疫応答を引出すための抗原とし
て使用されうる。さらに、本発明のヌクレオチド配列は、解析、特徴付け、また
は治療用途のための組換えタンパク質を同定および発現するために、または対応
タンパク質が、構成的に、組織分化の間中、または病気に罹った状態のいずれか
で発現される組織のためのマーカーとして使用されうる。
【0038】 本発明の別の態様は、配列番号:1および配列番号:1の相補体(またはその
部分)からなる群より選ばれる核酸分子を含む核酸構築物に関連する。構築物は
、本発明の配列が、センスまたはアンチセンス方向に挿入されたベクター(例え
ば、発現ベクター)を包含する。本明細書で使用される場合、語句「ベクター」
は、それが結合される別の核酸を輸送する能力のある核酸分子のことをいう。ベ
クターの1つの型は、「プラスミド」であり、別のDNAセグメントが連結され
うる環状二本鎖DNAループのことをいう。別の型のベクターは、別のDNAセ
グメントが連結されうるウイルスベクターである。特定のベクターは、それらが
導入される宿主細胞で自律複製の能力がある(例えば、複製の細菌性起点を有す
る細菌性ベクターおよびエピソームの哺乳動物ベクター)。他のベクター(例え
ば、非エピソームの哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入によって宿主細胞
のゲノムに組込まれ、それにより宿主ゲノムと一緒に複製される。さらに、特定
のベクター、発現ベクターは、それらが作動可能に結合される遺伝子の発現を指
示する能力がある。一般に、組換えDNA技術での有益な発現ベクターは、しば
しば、プラスミドの形態にある。しかし、本発明は、等価の機能の役割を果すウ
イルスベクター(例えば、複製欠陥レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデ
ノ随伴ウイルス)のような発現ベクターのかかる他の形態を含むことが意図され
る。
【0039】 本発明の好ましい組換え発現ベクターは、宿主細胞における核酸分子の発現に
適する形態の本発明の核酸分子を含む。これは、組換え発現ベクターが、発現の
ために使用されるべき宿主細胞に基づいて選択される1つまたはそれ以上の調節
配列を含むことを意味し、それは発現されるべき核酸配列に作動可能に連結され
る。組換え発現ベクター内で、「作動可能に連結した」は、目的のヌクレオチド
配列がヌクレオチド配列の発現(例えば、インビトロ転写/翻訳系で、またはベ
クターが宿主細胞に導入されるときに宿主細胞で)を可能にする手段で調節配列
(群)に連結されることを意味することが意図される。語句「調節配列」は、プ
ロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御要素(例えば、ポリアデニル化シ
グナル)を含むことが意図される。このような調節配列は、例えば、Goedd
el、Gene Expression Technology:Method
s in Enzymology 185、アカデミック・プレス、カリフォル
ニア州サンディエゴ、(1990年)で記述されている。調節配列としては、多
くの型の宿主細胞のヌクレオチド配列の構成的発現を指示するもの、および特定
の宿主細胞(例えば、組織特異的調節配列)でのみ核酸配列の発現を指示するも
のが挙げられる。発現ベクターの設計が、形質転換されるべき宿主細胞の選択、
および望まれるタンパク質の発現レベルのような因子に依存しうることは、当業
者に認識される。本発明の発現ベクターは、宿主細胞に導入されて、それにより
本明細書に記述される核酸分子によってコードされる融合タンパク質またはペプ
チドを含むタンパク質またはペプチドを産生し得る。
【0040】 本発明の組換え発現ベクターは、原核細胞または真核細胞、例えば大腸菌のよ
うな細菌細胞、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを用いた)、酵母細胞
または哺乳類細胞で本発明のポリペプチドの発現のために設計されうる。適切な
宿主細胞は、Goeddel、上記でさらに検討される。選択的には、組換え発
現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを用
いて、インビトロで転写され、翻訳されうる。
【0041】 本発明の別の態様は、本発明の組換え発現ベクターが導入された宿主細胞に関
する。語句「宿主」および「組換え宿主細胞」は、本明細書で相互変換可能に使
用される。このような語句は、特定の対象細胞に対するのみでなくこのような細
胞の子孫または潜在的子孫こともいうことが理解される。特定の修飾は、突然変
異または環境の影響のいずれかにより世代を継ぐ上で起りうるので、このような
子孫は、実際に、親細胞と同一でないであろうが、しかし、なお、本明細書に使
用される語句の範囲内に含まれる。
【0042】 宿主細胞は、いずれかの原核細胞または真核細胞でありうる。例えば、本発明
の核酸分子は、細菌細胞(例えば、大腸菌)、昆虫細胞、酵母または哺乳類細胞
(チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)またはCOS細胞など)で発現
されうる。他の適切な宿主細胞が、当業者に知られている。
【0043】 ベクターDNAは、従来の形質転換または形質移入技術を介して、原核細胞ま
たは真核細胞に導入されうる。本明細書で使用される場合、語句「形質転換」お
よび「形質移入」は、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共同沈殿、DEA
E−デキストラン指向性形質移入、リポフェクション、またはエレクトロポレー
ションを含めて、外来核酸分子(例えば、DNA)を宿主細胞に導入するための
当該技術分野で認識された技術をいうことが意図される。宿主細胞を形質転換ま
たは形質移入するための適切な方法は、Sambrookら(上記)、および他
の実験室マニュアルに見出しうる。
【0044】 哺乳類細胞の安定な形質移入に対して、使用される発現ベクターおよび形質移
入技術によって、細胞のほんの小さな分画が、外来DNAをそれらのゲノムに組
み込みうることが分かる。これらの組込み体を同定および選択するために、選択
マーカー(例えば、抗生物質に対する耐性について)をコードする遺伝子は、一
般に、目的の遺伝子と一緒に、宿主細胞に導入される。好ましい選択マーカーと
しては、G418、ヒグロマイシン(hygromycin)およびメトトレキサートのよう
な薬物に対する耐性を付与するものが挙げられる。選択マーカーをコードする核
酸分子は、本発明の核酸分子と同じベクターで宿主細胞に導入されうるか、また
は別のベクターで導入されうる。導入された核酸分子で安定に形質移入された細
胞は、薬物選択性(例えば、選択マーカー遺伝子を組込んだ細胞は生存する一方
で、他の細胞は死滅する)によって同定されうる。
【0045】 培養での原核宿主細胞または真核宿主細胞のような本発明の宿主細胞は、本発
明のポリペプチドを産生(すなわち、発現)するために使用されうる。したがっ
て、本発明は、さらに、本発明の宿主細胞を用いてポリペプチドを産生する方法
を提供する。1つの実施形態では、その方法は、ポリペプチドが産生されるよう
な適切な培地で本発明の宿主細胞(本発明のポリペプチドをコードする組換え発
現ベクターが導入されている)を培養することを包含する。別の実施形態では、
その方法は、さらに、培地または宿主細胞からポリペプチドを単離することを包
含する。
【0046】 本発明の宿主細胞は、非ヒト・トランスジェニック動物を産生するためにも使
用されうる。例えば、1つの実施形態では、本発明の宿主細胞は、本発明の核酸
分子が導入された受精卵細胞または胚性幹細胞である。その後、このような宿主
細胞は、外因性ヌクレオチド配列がゲノムに導入された非ヒト・トランスジェニ
ック動物、または内因性核酸配列が改変された相同組換え動物を作り出すことに
使用されうる。このような動物は、ヌクレオチド配列および配列によってコード
されるポリペプチドの機能および/または活性を研究するために、そしてそれら
の活性のモジュレーターを同定および/または評価するために有用である。本明
細書で使用される場合、「トランスジェニック動物」は、動物の細胞の1つまた
はそれ以上が、導入遺伝子を含む、非ヒト動物、好ましくは哺乳動物、さらに好
ましくはラットまたはマウスのようなげっ歯類である。トランスジェニック動物
の他の例としては、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ヤギ、トリおよび両生
類が挙げられる。導入遺伝子は、トランスジェニック動物が発生し、そして成熟
動物のゲノムで残り、それによりトランスジェニック動物の1つまたはそれ以上
の細胞型または組織におけるコードされた遺伝子産物の発現を指示する、細胞の
ゲノムに組込まれる内因性DNAである。本明細書で使用される場合、「相同組
換え動物」は、内因性遺伝子が、動物の発生の前に、動物の細胞、例えば動物の
胚性細胞に導入される内因性遺伝子と外因性DNA分子の間の相同組換えによっ
て改変された、非ヒト動物、好ましくは哺乳動物、さらに好ましくはマウスであ
る。
【0047】 胚操作およびマイクロインジェクションを介してトランスジェニック動物、特
にマウスのような動物を発生する方法は、当該技術分野で常套になり、そして例
えば、米国特許第4,736,866号および第4,870,009号、米国特
許第4,873,191号で、そしてHogan、マウス胚の操作(Manip
ulating the Mouse Embryo)(コールド・スプリング
・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニュー
ヨーク、1986年)に記述されている。相同組換えベクターを構築する方法お
よび相同組換え動物は、Bradley(1991年)Current Opi
nion in Bio/Technology、2巻:823〜829頁で、
そしてPCT公開番号WO90/11354号、WO91/01140号、WO
92/0968号、およびWO93/04169号でさらに記述される。本明細
書で記述される非ヒト・トランスジェニック動物のクローンはまた、Wilmu
tら(1997年)Nature、385巻:810〜813頁およびPCT公
開番号WO97/07668号およびWO97/07669号で記述される方法
によって産生されうる。
【0048】 本発明は、本発明の核酸分子によってコードされる単離ポリペプチドおよびバ
リアントおよびその断片をも提供する。例えば、上に記述される通り、ヌクレオ
チド配列は、本発明のポリペプチドをコードするcDNAをクローン化および発
現するプライマーを設計するために使用されうる。
【0049】 本明細書で使用される場合、ポリペプチドは、それが組換えおよび非組換え細
胞から単離されるときに細胞の材料を実質的に含まないか、またはそれが化学的
に合成されるときに化合物前駆体または他の化合物を含まない場合に、「単離」
または「精製」されると言われる。しかし、ポリペプチドは、それが、細胞内で
通常に会合(associated)されない別のポリペプチドに連結されうるが、「単離」
または「精製」されたものでありうる。
【0050】 本発明のポリペプチドは、等質になるまで精製されうる。しかし、ポリペプチ
ドが、等質になるまで精製されない調製品が有用であることは理解される。重要
な特徴は、調製品が、他の成分の相当量の存在下でさえ、そのポリペプチドの所
望の機能を可能にすることである。したがって、本発明は、種々の程度の純度を
包含する。1つの実施形態では、ポリペプチドは、細胞の材料を実質的に含まず
、約30%(乾燥重量で)未満の他のタンパク質(すなわち、混入タンパク質)
、約20%未満の他のタンパク質、約10%未満の他のタンパク質、または約5
%未満の他のタンパク質を有するポリペプチド調製品を含む。
【0051】 ポリペプチドが組換え的に産生される場合、それはまた培養培地を実質的に含
まない可能性があり、すなわち、培養培地は、タンパク質製品の約20%未満、
約10%未満、または約5%未満の容積を表わす。1つの実施形態では、ポリペ
プチドは、化合物前駆体または他の化合物を実質的に含まず、それの合成に関与
される化合物前駆体または他の化合物から分離されるポリペプチドの調製品を含
む。1つの実施形態では、言語「化合物前駆体または他の化合物を実質的に含ま
ない」は、約30%(乾燥重量で)未満の化合物前駆体または他の化合物、約2
0%未満の化合物前駆体または他の化合物、約10%未満の化合物前駆体または
他の化合物、または約5%未満の化合物前駆体または他の化合物を有するポリペ
プチドの調製品を含む。
【0052】 1つの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号:1および配列番号:1のヌ
クレオチド1〜48およびその相補体および部分、例えば配列番号:2またはそ
の部分(例えば、配列番号:2のアミノ酸1〜16)からなる群より選ばれるヌ
クレオチド配列を含む核酸分子によってコードされるアミノ酸配列を包含する。
しかし、配列が、RGS10B配列(例えば、配列番号:2のアミノ酸1〜16
)の特徴的特性を含む場合には、本発明は、配列バリアントをも包含する。バリ
アントとしては、生物の同じ遺伝子座によってコードされる実質的に相同なタン
パク質、すなわち、対立遺伝子バリアントが挙げられる。バリアントは、生物で
の他の遺伝子座に由来するが、配列番号:1およびその相補体および部分からな
る群より選ばれるヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされるポリペ
プチドに実質的に相同性を有するタンパク質をも包含する。バリアントは、これ
らのポリペプチドと実質的に相同または同一であるが、別の生物に由来するタン
パク質、すなわち、オーソログ(ortholog)をも含む。バリアントは、化学的合成
によって生成されるこれらのポリペプチドに実質的に相同または同一であるタン
パク質も挙げられる。バリアントは、組換え方法によって産生されるこれらのポ
リペプチドに実質的に同一であるタンパク質も挙げられる。
【0053】 2つのアミノ酸配列の、または2つの核酸配列の相同性または同一性の割合を
測定するために、配列は、最適な比較目的のために整列される(例えば、ギャッ
プが、1つのタンパク質または核酸分子の配列で、他のタンパク質または核酸分
子との最適な整列のために導入されうる)。その後、対応のアミノ酸位置または
ヌクレオチド位置でアミノ酸残基またはヌクレオチドが比較される。1つの配列
での位置が、他の配列の対応する位置の同じアミノ酸残基またはヌクレオチドに
よって占められる場合、分子は、その位置に相同である。本明細書で使用される
場合、アミノ酸または核酸の「相同性」は、アミノ酸または核酸の「同一性」と
等価である。2つの配列の間の相同性の割合は、配列によって共有される同一の
位置の数の関数である(すなわち、相同性または同一性の割合は、同一の位置の
数/位置の総数の100倍に等しい)。
【0054】 本発明は、低い程度の同一性を有するが、本発明の核酸分子によってコードさ
れるポリペプチドによって行われるのと同じ機能の1つまたはそれ以上を行うた
めに十分な類似性を有するポリペプチドをも包含する。類似性は、保存アミノ酸
置換によって測定される。このような置換は、ポリペプチドでの所定のアミノ酸
を同様の特徴の別のアミノ酸によって置換するものである。保存的置換は、表現
型でサイレントであるようである。保存的置換として一般に見られるのは、脂肪
族アミノ酸Ala、Val、LeuおよびIleの間の、1つのものから別のも
のへの置換;水酸残基SerおよびThrの相互交換、酸性残基AspおよびG
luの交換、アミド残基AsnおよびGlnの間の置換、塩基性残基Lysおよ
びArgの相互交換、および芳香族残基Phe、Tyrの間での置換である。ア
ミノ酸交換が、表現型でサイレントのようであることに関する指針は、Bowi
eら、Science 247巻:1306〜1310頁(1990年)で見出
される。
【0055】 バリアントポリペプチドは、1つまたはそれ以上の置換、欠失、挿入、逆位、
融合、および切断またはこれらのいずれかの組合せによってアミノ酸配列が異な
りうる。さらに、バリアントポリペプチドは、十分に機能性があるか、または1
つまたはそれ以上の活性で機能を欠く可能性がある。十分に機能性のあるバリア
ントは、典型的に、保存的変異、または非決定的(non-critical)残基もしくは非
決定的領域での変異のみを含む。機能性のあるバリアントは、機能において変化
がないか、またはわずかな変化を生じる類似のアミノ酸の置換をも含みうる。あ
るいは、このような置換は、ある程度まで機能にポジティブまたはネガティブに
影響を及ぼしうる。非機能性バリアントは、典型的に、1つまたはそれ以上の非
保存的アミノ酸置換、欠失、挿入、逆位、または切断、または決定的残基または
決定的領域における置換、挿入、逆位、または欠失を含む。
【0056】 機能に必須であるアミノ酸は、部位特異的突然変異誘発またはアラニン−走査
突然変異誘発(Cunninghamら、Science、244巻:1081
〜1085頁(1989年))のような当該技術分野で知られる方法によって確
認されうる。後者の手段は、分子中の各々の残基で単一アラニン突然変異を導入
する。その後、生じる突然変異分子を、インビトロでの生物学的活性、またはイ
ンビトロ増殖活性について試験した。ポリペプチド活性について重要である部位
は、結晶化、核磁気共鳴または光親和性標識(Smithら、J.Mol.Bi
ol.、224巻:899〜904頁(1992年);de Vosら、Sci
ence、255巻:306〜312頁(1992年))のような構造的解析に
よっても決定されうる。
【0057】 本発明は、ポリペプチドの部分および本発明のポリペプチドの断片をも包含す
る。本明細書で使用される場合、語句「断片」および「部分」は、等価であるこ
とが意図される。断片は、配列番号:1またはその部分およびその相補体を含む
核酸分子によってコードされるポリペプチドから誘導されうる。しかし、本発明
は、本明細書に記述されるポリペプチドの全てのバリアントの断片をも包含する
。本明細書で使用される場合、断片または部分は、少なくとも6個の隣接アミノ
酸を含む。有用な断片としては、ポリペプチドの生物学的活性の1つまたはそれ
以上を保有するもの、並びにポリペプチド特異的抗体を生じる免疫原として使用
されうる断片が挙げられる。
【0058】 生物学的に活性な断片(例えば、6、9、12、15、16、20、30、3
5、36、37、38、39、40、50、100またはそれ以上の長さのアミ
ノ酸であるペプチド)は、周知の方法を用いてポリペプチド配列の解析によって
同定されたドメイン、セグメント、またはモチーフ、例えばシグナルペプチド、
細胞外ドメイン、1つまたはそれ以上の膜貫通セグメントまたはループ、リガン
ド結合領域、ジンクフィンガードメイン、DNA結合ドメイン、アシル化部位、
グリコシル化部位、またはリン酸化部位を包含しうる。
【0059】 断片は、はっきり分離されうるか(他のアミノ酸またはポリペプチドに融合さ
れていない)、またはより大きなポリペプチド内にありうる。さらに、数種の断
片が、単一のより大きなポリペプチド内に含まれうる。1つの実施形態では、宿
主での発現について設計される断片は、ポリペプチド断片のアミノ末端に融合さ
れる異種のプレ−およびプロ−ポリペプチド領域、および断片のカルボキシル末
端に融合される別の領域を有しうる。
【0060】 したがって、本発明は、キメラまたは融合タンパク質を提供する。これらは、
ポリペプチドに実質的に相同でないアミノ酸配列を有する異種タンパク質に作動
可能に結合される本発明のポリペプチドを包含する。「作動可能に結合した」は
、ポリペプチドタンパク質および異種タンパク質が、インフレームで融合される
ことを示す。異種タンパク質は、ポリペプチドのN−末端またはC−末端に融合
されうる。1つの実施形態では、融合タンパク質は、本質的にはポリペプチドの
機能に影響を及ぼさない。例えば、融合タンパク質は、ポリペプチド配列がGS
T配列のC−末端に融合されるGST−融合タンパク質でありうる。他の型の融
合タンパク質としては、それに制限されないが、酵素的融合タンパク質、例えば
β−ガラクトシダーゼ融合、酵母2−ハイブリッドGAL融合、ポリ−His融
合およびIg融合が挙げられる。このような融合タンパク質、特にポリ−His
融合は、組換えポリペプチドの精製を促進しうる。ある種の宿主細胞(例えば、
哺乳類宿主細胞)では、タンパク質の発現および/または分泌は、異種シグナル
配列を用いることによって増大されうる。したがって、別の実施形態では、融合
タンパク質は、そのN末端に異種シグナル配列を含む。
【0061】 EP−A−O 465 533号は、免疫グロブリン定常領域の種々の部分を
含む融合タンパク質を開示する。Fcは治療および診断で有用であり、したがっ
て、例えば、改善された薬物動態特性(EP−A 0232 262号)をもた
らす。薬剤の発見において、例えば、ヒトタンパク質は、アンタゴニストを同定
する高処理量スクリーニングアッセイの目的のためにFc部分と融合された。B
ennettら、Journal of Molecular Recogni
tion、8巻:52〜58頁(1995年)およびJohansonら、Th
e Journal of Biological Chemistry,27
0、16:9459〜9471頁(1995年)。したがって、本発明は、本発
明のポリペプチドおよび免疫グロブリンの種々のサブクラス(IgG、IgM、
IgA、IgE)の重鎖および軽鎖の定常領域の種々の部分を含む可溶性融合タ
ンパク質をも包含する。
【0062】 キメラまたは融合タンパク質は、標準組換えDNA技術によって産生されうる
。例えば、様々のタンパク質配列をコードするDNA断片を、従来の技術によっ
てインフレームで一緒に連結させる。別の実施形態では、融合遺伝子は、自動化
DNA合成装置を含む従来の技術によって合成されうる。代替的に、核酸断片の
PCR増幅は、2つの連続的核酸断片の間の相補的オーバーハングを生じるアン
カープライマーを用いて行われえ、それは続いてアニーリングされ、そして再増
幅されて、キメラ核酸配列を生じうる(Ausubelら、Current P
rotocols in Molecular Biology、1992年参
照)。さらに、融合部分(例えば、GSTタンパク質)をすでにコードする多く
の発現ベクターが、市販で入手できる。本発明のポリペプチドをコードする核酸
分子は、融合部分が、ポリペプチドタンパク質にインフレームで連結されるよう
な発現ベクターにクローニングされうる。
【0063】 単離ポリペプチドは、破骨細胞からのようなそれを自然に発現する細胞から精
製されえ、それ(組換え体)を発現するために改変された細胞から精製されえ、
または既知タンパク質合成方法を用いて合成されうる。1つの実施形態では、タ
ンパク質は、組換えDNA技術によって産生される。例えば、ポリペプチドをコ
ードする核酸分子が発現ベクターにクローニングされ、発現ベクターが宿主細胞
に導入され、そしてタンパク質が宿主細胞で発現される。その後、タンパク質は
、標準タンパク質精製技術を用いた適切な精製スキームによって細胞から単離さ
れうる。
【0064】 一般に、本発明のポリペプチドまたはタンパク質は、当該技術分野で認識され
た方法を用いて、SDS−PAGEゲルでの、または分子ふるいゲル濾過カラム
での分子量マーカーとして使用されうる。本発明のポリペプチドは、抗体を生じ
るか、または免疫応答を引出すために使用されうる。ポリペプチドは、生物体液
中でそれが結合するタンパク質または分子(例えば、レセプターまたはリガンド
)のレベルを定量的に測定するアッセイで、試薬、例えば標識試薬としても使用
されうる。ポリペプチドは、組織分化の間に構築的に、または疾患状態でのいず
れかで、対応するタンパク質が優先的に発現される細胞および組織についてのマ
ーカーとしても使用されうる。ポリペプチドは、例えば相互作用トラップアッセ
イでのように、対応する結合相手、例えばレセプターまたはリガンドを単離する
ために、そして結合相互作用のペプチドまたは小型分子アンタゴニストもしくは
アゴニストについてスクリーニングするために使用されうる。
【0065】 別の局面では、本発明は、例えば、配列番号:1の全部または部分を含む核酸
分子によってコードされるアミノ酸配列を有する、本発明のポリペプチドおよび
ポリペプチド断片に対する抗体を提供する。本明細書で使用される場合、語句
「抗体」は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な
部分、すなわち、抗原に特異的に結合する抗原結合部位を含む分子のことをいう
。本発明のポリペプチドに特異的に結合する分子は、該ポリペプチドまたはその
断片に結合するが、試料、例えば生物学的試料中で他の分子に実質的に結合しな
い分子であり、そしてそれは、ポリペプチドを当然含む。免疫グロブリン分子の
免疫学的に活性な部分の例は、抗体をペプシンのような酵素によって処理するこ
とによって発生されうるF(ab)およびF(ab’)2 断片が挙げられる。本
発明は、本発明のポリペプチドに結合するポリクローナルおよびモノクローナル
抗体を提供する。本明細書で使用される場合、語句「モノクローナル抗体」また
は 「モノクローナル抗体組成物」は、本発明のポリペプチドの特定のエピトー
プと免疫反応しうる1種のみの抗原結合部位を含む抗体分子の集団のことをいう
。したがって、モノクローナル抗体組成物は、それが免疫反応する本発明の特定
のポリペプチドについての単一結合親和性を典型的に示す。
【0066】 ポリクローナル抗体は、所望の免疫原、例えば本発明のポリペプチドまたはそ
の断片で適切な対象を免疫化することによって上に記述される通り作製されうる
。免疫された対象での抗体力価は、固定化ポリペプチドを用いた固相酵素免疫測
定法(ELISA)を用いるような標準技術によって時間に対して監視されうる
。所望の場合、ポリペプチドに対する抗体分子は、哺乳動物から(例えば血液か
ら)単離され得て、そしてさらに、IgG分画を得るためのプロテインAクロマ
トグラフィーのような周知の方法によって精製される。免疫化の後の適切な時点
で、例えば抗体力価が最高である場合、抗体産生細胞は、対象から得ることがで
き、そしてKohlerおよびMilstein(1975年)Nature、
256巻:495〜497頁によって最初に記述されたハイブリドーマ技術、ヒ
トB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら(1983年)Immunol.
Today、4巻:72頁)、EBV−ハイブリドーマ技術(Coleら、(1
985年)、「モノクローナル抗体および癌療法」(Monoclonal A
ntibodies and Cancer Therapy)、Alan R
,Liss,Inc.、77〜96頁)またはトリオーマ技術のような標準技術
によってモノクローナル抗体を作製するために使用されうる。ハイブリドーマを
産生する技術は周知である(一般に、「免疫学における最近のプロトコール」(
Current Protocols in Immunology)(199
4年)、Coliganら(編)、ジョン・ウイリー・アンド・サンズ,インク
.、ニューヨーク州ニューヨーク、参照)。簡潔には、不死化細胞株(典型的に
、骨肉腫)を、上に記述されるような免疫原で免疫化された哺乳動物から得られ
るリンパ球(典型的に、脾臓細胞)に融合させ、生じたハイブリドーマ細胞の培
養上清を、スクリーニングして、本発明のポリペプチドに結合するモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマを同定する。
【0067】 リンパ球および不死化細胞株を融合するために使用される多くの周知のプロト
コールのいずれかは、本発明のポリペプチドに対するモノクローナル抗体を発生
させる目的のために使用されうる(例えば、「免疫学における最近のプロトコー
ル」、上記;Galfreら(1977年)Nature、266巻:5505
2頁;R.H.Kenneth、モノクローナル抗体で:生物学的解析における
新たな次元(A New Dimension In Biological
Analyses)、プレナム・パブリッシング,コープ.、ニューヨーク州ニ
ューヨーク(1980年);およびLener(1981年)Yale J.B
iol.Med.、54巻:387〜402頁参照)。さらに、当業者は、有用
でもあるような方法の多くの変動があることを理解するだろう。
【0068】 モノクローナル抗体分泌ハイブリドーマ、本発明のポリペプチドに対するモノ
クローナル抗体を作製する代替手段は、ポリペプチドを用いて組換えコンビナト
リアル免疫グロブリンライブラリー(例えば、抗体ファージ表示ライブラリー)
をスクリーニングすることによって同定および単離され、それによりポリペプチ
ドに結合する免疫グロブリンライブラリーメンバーを単離しうる。ファージディ
スプレイライブラリーを作製およびスクリーニングのためのキットは、市販で入
手可能である(例えば、Pharmacia Recombinant Pha
ge Antibody System、カタログ番号27−9400−01号
;およびStratageneのSurZAP(登録商標)ファージ・ディスプ
レイ・キット、カタログ番号240612号)。さらに、抗体ディスプレイライ
ブラリーを作製およびスクリーニングする上で使用するために特に扱いやすい方
法および試薬の例は、例えば、米国特許第5,223,409号;PCT公開番
号第WO92/18619号;PCT公開番号第WO91/17271号;PC
T公開番号第WO92/20791号;PCT公開番号第WO92/15679
号;PCT公開番号第WO93/01288号;PCT公開番号第WO92/0
1047号;PCT公開番号第WO92/09690号;PCT公開番号第WO
90/02809号;Fuchsら、(1991年)、Bio/Technol
ogy、9巻:1370〜1372頁;Hayら(1992年)、Hum.An
tibod.Hybridomas、3巻:81〜85頁;Huseら(198
9年)、Science、246巻:1275〜1281頁;Griffith
sら(1993年)EMBO J.、12巻:725〜734頁に見出されうる
【0069】 さらに、標準的な組換えDNA技術を用いて作製されうるヒトおよび非ヒト部
分の両方を包含する、キメラモノクローナル抗体およびヒト化モノクローナル抗
体のような組換え抗体は、本発明の範囲内にある。このようなキメラおよびヒト
化モノクローナル抗体は、当該技術分野で知られる組換えDNA技術によって産
生されうる。
【0070】 一般に、本発明の抗体(例えば、モノクローナル抗体)は、アフィニティーク
ロマトグラフィーまたは免疫沈降のような標準技術によって本発明のポリペプチ
ドを単離するために使用されうる。ポリペプチド特異的抗体は、細胞から天然ポ
リペプチドの、および宿主細胞で発現される組換え生産されたポリペプチドの精
製を促進できる。さらに、本発明のポリペプチドに特異的である抗体は、ポリペ
プチドの発現の量およびパターンを評価するために、ポリペプチド(例えば、細
胞の溶解物、細胞上清、または組織試料中)を検出するために使用されうる。抗
体は、臨床試験手順の一部として組織でのタンパク質濃度をモニターするために
、例えば、所定の治療計画の効力を測定するために、診断で使用されうる。検出
は、抗体を、検出可能な物質に結合させることによって促進されうる。検出可能
な物質の例は、種々の酵素、補欠分子団、蛍光材料、発光材料、生物発光材料、
および放射性材料が挙げられる。適切な酵素の例としては、西洋ワザビ・ペルオ
キシダーゼ、アルカリホスファターゼ、(−ガラクトシダーゼ、またはアセチル
コリンエステラーゼが挙げられる;適切な補欠分子団複合体の例としては、スト
レプトビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられる;適切な蛍光材
料の例としては、アンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオ
シアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシ
ルクロリドまたはフィコエリスリンが挙げられる;発光材料の例としては、ルミ
ノールが挙げられる;生物発光材料の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリ
ンおよびエクオリンが挙げられ、そして適切な放射性材料の例は、125I、131
35S、または3Hが挙げられる。
【0071】 本明細書で同定されるヌクレオチド配列(および対応の完全遺伝子配列)の部
分または断片が、ポリヌクレオチド試薬として数多くの方法で使用されうる。例
えば、これらの配列は、(i)染色体上でそれらの個々の遺伝子をマッピングし
、したがって、遺伝子疾患に関連した遺伝子領域を位置付けし;(ii)ごくわ
ずかの生物学的試料から個体を同定し(組織タイプ分け);そして(iii)生
物学的試料の法医学的同定で支援するために使用されうる。
【0072】 本発明は、生物学的試料(例えば、血液、血清、細胞、組織)という状況では
、本発明のタンパク質および/または核酸発現、並びにタンパク質の活性を測定
する診断的アッセイにも関し、それにより個体が、疾患または障害にさいなまれ
るかどうか、または異常な発現または活性に関連して障害を発生する危険にある
かを決定する。本発明は、個体が、本発明のタンパク質または核酸分子の活性ま
たは発現に関連した障害を発生する危険にあるかどうかを決定する予後(または
推定)アッセイをも提供する。
【0073】 本明細書に記述される方法によって治療または診断されうる障害としては、そ
れに限定されないが、大理石骨病、骨硬化症、ピクノダイソストシス(pyknodyso
stosis) 、骨髄硬化、高ホスファターゼ症、進行性骨幹形成異常、メロレオスト
ーシス、オステオポイキリー、内前頭骨過骨症、硬化症、マックキューン−オー
ルブライト症候群、および脊椎骨端形成異常を含む骨密度における増加によって
特徴づけられる疾患;変形性関節症、マロトー−ラミー症状群および骨粗鬆症を
含めた骨密度における減少によって特徴づけられる障害;骨形成不全、縫合頭蓋
骨癒合(sutural craneosynostosis)、骨軟化症、および鎖骨頭蓋骨形成不全(cle
idocranial dysplasia) を含む骨形成の障害、および骨肉種のような骨の癌が挙
げられる。さらに、本明細書に記述される方法は、癌、神経性食欲不振、および
自己免疫障害に関連した骨障害の治療または診断のために有用でありうる。
【0074】 例えば、遺伝子における突然変異は、生物学的試料でアッセイされうる。この
ようなアッセイは診断的または推定目的のために使用され、それにより本発明の
核酸分子またはタンパク質の発現または活性によって特徴づけられるか、または
関連した障害の発生の前に個体を予防的に治療しうる。
【0075】 生物学的試料における本発明のタンパク質または核酸分子の存在または非存在
を検出する例示の方法は、試験対象から生物学的試料を得て、そして生物学的試
料を、タンパク質または核酸分子の存在が生物学的試料で検出されるように、タ
ンパク質もしくはタンパク質をコードする核酸分子(例えば、mRNA、ゲノム
DNA)を検出する能力のある化合物または薬剤に接触させることを含む。mR
NAまたはゲノムDNAを検出するための好ましい薬剤は、本明細書に記述され
るmRNAまたはゲノムDNA配列にハイブリダイズする能力のある標識された
核酸プローブである。例えば、核酸プローブは、完全長核酸分子、または少なく
とも長さ15、30、50、100、250または500ヌクレオチドのオリゴ
ヌクレオチドのようなその部分であり得、そして適切なmRNAまたはゲノムD
NAに、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズするのに十分であ
りうる。例えば、核酸プローブは、配列番号:1の全部もしくは一部、または配
列番号:1の相補体、もしくはその一部でありうる。本発明の診断的アッセイで
使用するための他の適切なプローブは、本明細書に記述される。
【0076】 1つの実施形態では、本発明のタンパク質を検出する薬剤は、タンパク質に結
合する能力のある抗体、好ましくは検出可能な標識を有する抗体である。抗体は
、ポリクローナル、またはより好ましくはモノクローナルでありうる。無傷の抗
体、またはその断片(例えば、FabまたはF(ab’)2 )が使用されうる。
プローブまたは抗体に関して、語句「標識された」は、検出可能な物質をプロー
ブまたは抗体と結合させる(すなわち、物理学的に連結させる)ことによるプロ
ーブまたは抗体の直接標識、並びに直接的に標識される別の試薬との反応性によ
るプローブまたは抗体の間接標識を包含することが意図される。間接標識の例と
しては、蛍光で標識された二次抗体を用いた一次抗体の検出、および蛍光で標識
されたストレプトビジンで検出されうるようにビオチンを用いたDNAプローブ
の末端標識が挙げられる。語句「生物学的試料」は、対象から単離される組織、
細胞および生物体液、並びに、対象内に存在する組織、コールズ(calls )およ
び体液を含むことが意図される。すなわち、本発明の検出方法は、インビトロ並
びにインビボで生物学的試料中の本発明のmRNA、タンパク質、またはゲノム
DNAを検出するために使用されうる。例えば、mRNAの検出のためのインビ
トロ技術は、ノーザン・ハイブリダイゼーションおよびインサイチュー・ハイブ
リダイゼーションが挙げられる。タンパク質の検出のためのインビトロ技術は、
固相酵素免疫測定法(ELISA)、ウエスタン・ブロット、免疫沈降、および
免疫蛍光が挙げられる。ゲノムDNAの検出のためのインビトロ技術は、サザン
・ハイブリダイゼーションが挙げられる。さらに、タンパク質の検出のためのイ
ンビボ技術は、標識抗タンパク質抗体を、対象に導入することが挙げられる。例
えば、抗体は、対象におけるその存在および位置が、標準画像形成技術によって
検出されうる放射活性マーカーで標識されうる。
【0077】 1つの実施形態では、生物学的試料は、試験対象由来のタンパク質分子を含む
。あるいは、生物学的試料は、試験対象から得られるmRNA分子、または試験
対象から得られるゲノムDNA分子を含みうる。好ましい生物学的試料は、血清
試料または対象から従来の手段により単離される肺組織生検である。
【0078】 別の実施形態では、方法は、さらに、対照対象から対照生物学的試料を得るこ
と;タンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの存在が、生物学的試料で検出さ
れるように、本発明のタンパク質、mRNAまたはゲノムDNAを検出する能力
のある化合物または薬剤に対照試料を接触させること;および対照試料中のタン
パク質、mRNAまたはゲノムDNAの存在を、試験試料中のタンパク質、mR
NAまたはゲノムDNAの存在と比較することを含む。
【0079】 本発明は、生物学的試料中の本発明のタンパク質または核酸分子の存在を検出
するためのキットをも包含する。例えば、キットは、生物学的試料中のタンパク
質またはmRNAを検出する能力のある標識化合物または薬剤;試料中の量を測
定するための手段;および試料中の量を、標準と比較するための手段とを含みう
る。化合物または薬剤は、適切な容器に包装されうる。キットは、さらに、タン
パク質または核酸分子を検出するキットを使用するための説明書を含みうる。
【0080】 本明細書に記述される診断方法は、さらに、本発明のタンパク質および核酸分
子の異常な発現または活性に関連した疾患または障害を有するか、またはその発
生の危険のある対象を同定するために利用されうる。例えば、先述の診断的アッ
セイまたは以下のアッセイのような本明細書に記述されるアッセイは、増殖性障
害のようなタンパク質または核酸発現または活性に関連した障害、分化または発
生の障害、または造血障害を有するか、またはその発生の危険のある対象を同定
するために利用されうる。他方、診断用アッセイは、分化または増殖性疾患(例
えば、癌)、特に骨の疾患を有するか、またはその発生の危険のある対象を同定
するために利用され得る。したがって、本発明は、試験試料が、対象から得られ
、そしてタンパク質または核酸分子(例えば、mRNA、ゲノムDNA)が検出
され、タンパク質または核酸分子の存在が、本発明のタンパク質または核酸配列
の異常な発現または活性に関連した疾患または障害を有するか、またはその発生
の危険のある対象の診断的に役立つ、本発明のタンパク質または核酸分子の異常
な発現または活性に関連した疾患または障害を同定する方法を提供する。本明細
書で使用される場合、「試験試料」は、目的の対象から得られる生物学的試料を
いう。例えば、試験試料は、生物体液(例えば、血清)、細胞試料(例えば、破
骨細胞)または組織試料でありうる。
【0081】 本発明は、本明細書に記述される核酸分子、ポリペプチドまたはタンパク質に
結合するか、または例えば、本発明の核酸分子、ポリペプチドまたはタンパク質
の発現または活性に対し刺激または阻害効果を示すモジュレーター、すなわち、
候補または試験化合物または薬剤(例えば、アンチセンス、ポリペプチド、ペプ
チド模倣体、小分子または他の薬物)を同定する方法(「スクリーニングアッセ
イ」としてもここに称される)を提供する。
【0082】 1つの実施形態では、本発明は、本明細書に記述されるタンパク質またはポリ
ペプチドまたはその生物学的に活性な部分の活性に結合またはそれを調節する候
補または試験化合物をスクリーニングするアッセイを提供する。本発明の試験化
合物は、当該技術分野で知られるコンビナトリアルライブラリー法での数多くの
アプローチ法のいずれかを使用して得られ得、当該ライブラリー法には、生物学
上のライブラリー;スペイシャリー アドレッサブル パラレル ソリッド フ
ェーズ オア ソリューション フェーズ ライブラリー(spatially addressa
ble parallel solid phase or solution phase libraries);デコンボリューシ
ョン(deconvolution) 脱旋回を必要とする合成ライブラリー法;「1ビーズ・1
化合物」ライブラリー法;およびアフィニティークロマトグラフィー選択を用い
た合成ライブラリー法が挙げられる。生物学上のライブラリーアプローチ法は、
ポリペプチドライブラリーに限定される一方で、他の4つのアプローチ法は、ポ
リペプチド、非ペプチドオリゴマー、または化合物の小分子ライブラリーに使用
できる(Lam,K.S.(1997年)、Anticancer Drug
Des.,12巻:145頁)。
【0083】 別の実施形態では、アッセイは、本明細書に記述される特定の標的分子を発現
する細胞を、試験化合物と接触させ、そして標的分子の活性を調節または改変
(例えば、刺激または阻害)する試験化合物の能力を決定することを含む細胞系
のアッセイである。標的分子の活性を調節する試験化合物の能力を決定すること
は、例えば、標的分子に結合するか、またはそれを相互作用する既知リガンドの
能力を測定することによって達成されうる。例えば、GαサブユニットのGTP
アーゼ活性と相互作用するおよび/またはそれを活性化するRGS10Bの能力
が測定されうる。
【0084】 さらに別の実施形態では、本発明のアッセイは、本発明のタンパク質またはそ
の生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させ、そしてタンパク質またはその
生物学的に活性な部分に結合する試験化合物の能力を測定する無細胞アッセイで
ある。タンパク質に対する試験化合物の結合は、上に記述される通り直接的に、
または間接的にのいずれかで測定されうる。1つの実施形態では、アッセイは、
タンパク質を結合してアッセイ混合物を形成する既知化合物と、タンパク質また
はその生物学的に活性な部分を接触させること、試験化合物とアッセイ混合物と
を接触させること、そしてタンパク質と相互作用する試験化合物の能力を測定す
ることを含む。タンパク質と相互作用する試験化合物の能力を決定することは、
既知化合物に比べると、タンパク質またはその生物学的に活性な部分に優先的に
結合する試験化合物の能力を測定することを含む。
【0085】 別の実施形態では、アッセイは、本発明のタンパク質またはその生物学的に活
性な部分を試験化合物と接触させ、そしてタンパク質またはその生物学的に活性
な部分の活性を調節または改変(例えば、刺激または阻害)する試験化合物の能
力を測定する無細胞アッセイである。タンパク質の活性を調節する試験化合物の
能力を決定することは、例えば、直接結合を決定するための上に記述される方法
の内の1つにより、既知標的分子に結合するタンパク質の能力を測定することに
よって、達成されうる。他の実施形態では、本発明のタンパク質の活性を調節す
る試験化合物の能力を測定することは、標的分子の活性をさらに調節するタンパ
ク質の能力を測定することによって達成されうる。例えば、適切な基質での標的
分子の触媒的/酵素的活性は、先に記述される通り測定されうる。
【0086】 さらに別の実施形態では、無細胞アッセイは、タンパク質を結合してアッセイ
混合物を形成する既知化合物と、本発明のタンパク質またはその生物学的に活性
な部分を接触させること、試験化合物とアッセイ混合物とを接触させること、お
よびタンパク質と相互作用する試験化合物の能力を測定することを含み、タンパ
ク質と相互作用する試験化合物の能力を測定することには、標的分子の活性に優
先的に結合またはそれを調節するタンパク質の能力を測定することを含む。
【0087】 本発明の上記アッセイ法の1つ以上の実施形態では、1つまたは両方のタンパ
ク質の未複合形態からの複合体の分離を促進し、並びにアッセイの自動化を提供
するために、タンパク質またはその標的分子のいずれかを固定することが望まし
いと考えられる。タンパク質への試験化合物の結合、または候補化合物の存在お
よび非存在下での標的分子とのタンパク質の相互作用は、反応体を含むのに適す
る任意の容器中で達成されうる。このような容器の例としては、マイクロタイタ
ープレート、試験管、および微小遠心管が挙げられる。1つの実施形態では、一
方または両方のタンパク質がマトリックスに結合するのを可能にするドメインを
加える融合タンパク質(例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合タ
ンパク質)が提供されうる。
【0088】 別の実施形態では、本発明の核酸分子の発現のモジュレーターは、細胞を候補
化合物と接触させ、そして細胞中の適切なmRNAまたはタンパク質の発現を測
定する方法で同定される。候補化合物の存在下での適切なmRNAまたはタンパ
ク質の発現レベルは、候補化合物の非存在下でのmRNAまたはタンパク質の発
現レベルと比較される。その後、候補化合物は、この比較に基づいた発現のモジ
ュレーターとして同定されうる。例えば、mRNAまたはタンパク質の発現が、
候補化合物の非存在下より候補化合物の存在下でより大きい(統計的に有意に大
きい)場合、候補化合物は、mRNAまたはタンパク質発現のスティミュレータ
ーまたはエンハンサーとして同定される。他方、mRNAまたはタンパク質の発
現が、候補化合物の非存在下より候補化合物の存在下でより少ない(統計的に有
意に少ない)場合、候補化合物は、mRNAまたはタンパク質発現の阻害剤とし
て同定される。細胞中のmRNAまたはタンパク質の発現レベルは、mRNAま
たはタンパク質を検出するための本明細書で記述される方法によって測定されう
る。
【0089】 本発明は、さらに、上に記述されるスクリーニングアッセイによって同定され
る新規薬剤に関する。したがって、適切な動物モデルでの本明細書に記述される
通り同定される薬剤をさらに使用することは、本発明の範囲内である。例えば、
本明細書に記述される通り同定される薬剤(例えば、調節剤、アンチセンス核酸
分子、特異的抗体、またはタンパク質結合パートナー)は、このような薬剤での
治療の効力、毒性または副作用を測定する動物モデルで使用されうる。他方、本
明細書で記述される通り同定される薬剤は、このような薬剤の作用機序を測定す
るために動物モデルで使用されうる。さらに、本発明は、本明細書で記述される
通り治療のための、上で記述されるスクリーニングアッセイによって同定される
新規薬剤の使用に関する。
【0090】 本発明は、本発明のタンパク質または核酸分子の異常な発現または活性に関連
した障害の危険性がある(または罹りやすい)か、または障害を有する対象を治
療する予防法および治療法の両方を提供する。1つの態様では、本発明は、本発
明の遺伝子またはタンパク質の発現または少なくとも1つの活性を調節する薬剤
を対象に投与することによって、対象で、本発明の遺伝子またはタンパク質の異
常な発現または活性に関連した疾患または症状を予防する方法を提供する。異常
な遺伝子発現またはタンパク質活性によって引き起こされるか、または寄与され
る疾患の危険がある対象は、例えば、本明細書に記述される診断的アッセイまた
は予後アッセイのいずれか、または組合せによって同定されうる。予防剤の投与
は、疾患または障害が防止されるか、あるいはその進行が遅延されるように異常
に特徴的な徴候が明示される前に起りうる。異常性の型により、例えば、アゴニ
スト剤またはアンタゴニスト剤が、対象を治療するために使用されうる。適切な
薬剤は本明細書で記述されるスクリーニングアッセイに基づいて決定されうる。
【0091】 本発明の別の態様は、治療目的について本発明の遺伝子またはタンパク質の発
現または活性を調節する方法に関する。本発明の調節方法は、細胞に関連した特
異的タンパク質の活性の1つまたはそれ以上を調節する薬剤と細胞を接触させる
ことを含む。タンパク質活性を調節する薬剤は、核酸分子またはタンパク質、本
明細書中に記述されるタンパク質の天然に存在する標的分子、ポリペプチド、ペ
プチド模倣体、または他の小型分子のような本明細書中に記述される薬剤であり
うる。1つの実施形態では、薬剤は、1つまたはそれ以上のタンパク質活性を刺
激する。このような刺激剤の例としては、活性タンパク質、並びに細胞に導入さ
れたタンパク質をコードする核酸分子が挙げられる。別の実施形態では、薬剤は
、1つまたはそれ以上のタンパク質活性を阻害する。このような阻害剤の例とし
ては、アンチセンス核酸分子および抗タンパク質抗体が挙げられる。これらの調
節方法は、インビトロ(例えば、細胞を薬剤と共に培養することによって)で、
またはあるいは、インビボ(例えば、対象に薬剤を投与することによって)で行
われうる。このように、本発明は、本発明のタンパク質または核酸分子の異常な
発現または活性によって特徴づけられる疾患または障害に罹った個体を治療する
方法を提供する。1つの実施形態では、本方法は、薬剤(例えば、本明細書に記
述されるスクリーニングアッセイによって同定される薬剤)、または本発明の遺
伝子またはタンパク質の発現または活性を調節(例えば、上方調節または下方調
節)する薬剤の組合せを投与することに関与する。別の実施形態では、本方法は
、タンパク質または核酸分子の減少したもしくは異常な発現または活性を補う治
療として、本発明のタンパク質または核酸分子を投与することを含む。
【0092】 タンパク質活性の刺激は、タンパク質が、異常に下方調節され、および/また
は増大したタンパク質活性が、有益な効果を示すようであるという状況で望まし
い。同様に、タンパク質活性の阻害は、タンパク質が、異常に上方調節され、お
よび/または減少したタンパク質活性が、有益な効果を示すようであるという状
況で望ましい。このような状況の1つの例は、対象が、異常な発生または細胞の
分化によって特徴づけられる障害を有する場合である。本明細書で記述されるス
クリーニングアッセイによって同定されるタンパク質活性(例えば、遺伝子発現
)に対する刺激または阻害効果を有する本発明の分子、並びに薬剤、またはモジ
ュレーターは、異常なタンパク質活性に関連した障害(例えば、増殖または発生
障害)を治療(予防的にまたは治療的に)するために個体に投与されうる。
【0093】 本発明は、以下の限定されない実施例によって、さらに記述される。本明細書
に引用される全ての出版物の教示は、それらの全体を参照して本明細書に組込ま
れる。
【0094】 実施例 破骨細胞cDNAライブラリー構築物 ヒト・破骨細胞腫(骨の巨大細胞腫瘍)から得られるメッセンジャーRNA
(mRNA)は、破骨細胞腫cDNAライブラリーを構築するために使用された
。破骨細胞腫は、活性な骨吸収性腫瘍であるが、しかし通常には非転移性である
。低温槽区分では、破骨細胞腫は、破骨細胞についてインビボで特異的な、広範
に利用される表現型マーカーである、酒石酸耐性酸ホスファターゼ(TRAP)
に陽性である約30%多核細胞から構成される(Minkin、Calcif.
Tissue Int.34巻:285〜290頁(1982年))。残りの細
胞は、線維芽細胞/間葉の形態学を示す細胞型の混合物である特徴付けされてな
い基質細胞である。
【0095】 モノクローナル抗体試薬は、長骨の巨大細胞腫瘍における多核細胞の表面表現
型を部分的に特徴付けるために使用された。凍結切片、全ての多核細胞は、破骨
細胞およびマクロファージの両方に特異的な抗原を定義することが先に報告され
た(Horton,M.A.およびM.H.Helfrich、破骨細胞の生物
学および生理学で(In Biology and Physiology o
f the Osteoclast),B.R.RifkinおよびC.V.G
ay編集者、シーアールシー・プレス,インク.フロリダ州ボカラトン(Boc
a Raton,FL)、33〜54頁(1992年))、CD68を発現した
。対照的に、巨大細胞の染色は、CD11bまたはCD14表面抗原について観
察されず、そしてそれは、単細胞/マクロファージおよび顆粒細胞(Arnao
ut,M.A.ら、J.Cell.Physiol.137巻:305頁(19
88年);Haziot,A.ら、J.Immunol.141巻:547頁
(1988年))で現れる。ヒト末梢血単細胞の細胞遠心調製物は、CD68、
CD11bおよびCD14に陽性であった。これらの結果は、破骨細胞腫の多核
巨大細胞が、マクロファージのものと区別される表現型を示し、そして破骨細胞
のものと一致することを示す。
【0096】 破骨細胞腫組織は、液体窒素で素早く凍結され、そして標準方法によってポリ
+ mRNAを製造するために使用された。pcDNAIIベクターへのcDN
Aクローニングは、市販で入手可能なキット(Librarian、インビトロ
ゲンを使用して行われた。およそ2.6×106 個のクローンが得られ、その>
95%は、平均長0.6kBの挿入物を含んだ。
【0097】 基質細胞mRNA製品 各破骨細胞腫の部分は、mRNA調製物のために液体窒素で素早く凍結された
。腫瘍の残りは、簡潔なトリプシン処理および機械的解離を用いて解離され、そ
して組織培養に注いだ。これらの細胞を、10%新生仔ウシ血清(MAバイオプ
ロダクツ)、ゲンタマイシン(0.5mg/ml)、1−グルタミン(2mM)
および非必須アミノ酸(0.1mM,ジブコ(Gibco))で補足されたダル
ベッコのMEM(高グルコース、シグマ)で拡張された。基質細胞集団を、少な
くとも5回で継代し、その後、多核細胞を含まない同種の線維芽細胞探査細胞集
団を示した。基質細胞は、単核であり、酸ホスファターゼに陰性と試験され、そ
してアルカリ性ホスファターゼ陽性と可変に(variably)試験された。これらの知
見は、増殖した基質細胞(すなわち、培養中に継代される基質細胞)が、非破骨
細胞および非活性化であることを示す。
【0098】 破骨細胞腫cDNAライブラリーの差次的スクリーニングによるDNAの同定 破骨細胞腫cDNAライブラリーから抜取られた総数12,000個のクロー
ンは、(1)巨大細胞腫瘍mRNA(基質細胞+ 、OC+ )および(2)同じ腫
瘍から培養された基質細胞(基質細胞+ 、OC- )から得られるmRNAから誘
導される混合32P標識cDNAプローブを用いて、差次的ハイブリダイゼーショ
ンによってスクリーニングした。プローブを、約109 CPM/μgの活性にラ
ンダム初回感作によって32[P]dCTPで標識した。これらの12,000ク
ローンの中で、195は、巨大細胞(すなわち、破骨細胞および基質細胞)mR
NAで陽性ハイブリダイゼーションシグナルが得られたが、しかし基質細胞mR
NAでは得られなかった。さらに、これらのクローンは、上皮細胞、線維芽細胞
、リンパ球、骨髄単球細胞、破骨細胞、および神経芽腫細胞を含めた多様な無関
連のヒト細胞型から誘導されるmRNAから産生されるcDNAにハイブリダイ
ズしなかった。他の細胞型から由来するmRNAから産生されるcDNAにこれ
らのクローンがハイブリダイズしなかったことは、これらのクローンが、破骨細
胞に独特または選択的にのいずれかで発現されるという結論を支持する。
【0099】 破骨細胞(OC)cDNAライブラリーを、以下のとおり、OC cDNA(
基質細胞+ 、OC+ )に対する差次的ハイブリダイゼーション、および基質細胞
cDNA(基質細胞+ 、OC- )についてスクリーニングした。
【0100】 NYTRANフィルター(SchleicherおよびSchuell)を、
成長培地およびアンピシリンを含む寒天プレートに載せた。OCライブラリーか
ら得られる個々の細菌コロニーを、任意に取り出し、そして三連で、予め決定さ
れる格子を有するフィルターに、そしてその後マスター寒天プレートに移行させ
た。200個までのコロニーを、これらの技術を使用して単90mmフィルター
/プレートに接種させた。プレートを、逆転(invert)させ、そして細菌接種物が
、0.5〜1.0mmの直径まで(フィルターで)成長するまで、37℃でイン
キュベートした。
【0101】 その後、コロニーを溶解させ、そしてDNAを、最初に、5分間、0.5N
NaOHで飽和された2片のワットマン3MMペーパーの頂上にフィルターを置
くことによって、フィルターに結合させた。フィルターを、3〜5分間、1Mト
リス−HCL(pH8.0)で飽和された2片のワットマン3MMペーパーに載
せることによって中和した。中和後、3〜5分間、1Mトリス−HCL(pH8
.0)/1.5M NaClで飽和された別の組のワットマン3MMペーパー上
でインキュベートした。その後、フィルターは、2×SSCで簡潔に洗浄された
【0102】 DNAを、30分間、80℃でフィルターをベークすることによって、フィル
ターに固定した。フィルターは、すぐに良好に使用されたが、しかしそれらは、
室温で、真空瓶で1週間まで保存され得た。
【0103】 フィルターを、加熱封印性バッグで2〜4時間、フィルター当たり5〜8ml
のハイブリダイゼーション溶液で予備ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼー
ションバッグに添加された各々の別のフィルターについて別の2mlの溶液を添
加した。ハイブリダイゼーション緩衝液は、5×SSC、5×ダルベッコ溶液、
1%SDSおよび100μg/ml変性異種DNAから構成された。
【0104】 ハイブリダイゼーションの前に、100℃で5分間、1×SSCで加熱するこ
とによって、標識プローブを変性させ、その後すぐに氷で冷却させた。変性プロ
ーブを、ハイブリダイゼーション溶液中のフィルターに添加し、そしてフィルタ
ーを、65℃で、12〜20時間、連続通気させながらハイブリダイズさせた。
【0105】 ハイブリダイゼーションの後に、フィルターを、30分間、50〜60℃で2
×SSC/0.2%SDSで洗浄し、続いて60分間、60℃で0.2×SSC
/0.2%SDSで洗浄した。その後、フィルターを、空気乾燥させ、そして一
夜−70℃で、増感スクリーンを用いてオートラジオグラフィーにかけた。
【0106】 選択クローンのDNA配列決定 腫瘍細胞cDNAにハイブリダイズするが、しかし基質細胞cDNAに対して
はハイブリダイズしないクローンは、シーケナーゼ(ユーエス・バイオケミカル
(US Biochemical))を用いてSangerら、Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA74巻:5463頁(1977年)のジデオキ
シ鎖終結法によって配列決定された。DNASIS(ヒタチ)プログラムを、配
列解析およびジーンバング/EMBLデータベースでのホモロジー検索を行うた
めに使用した。
【0107】 この方法によって同定されるクローンの1つ(クローン140と命名)につい
て、完全長cDNA(RGS10Bと命名)を、破骨細胞腫cDNAライブラリ
ーから同定した。RGS10Bのヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列は、図2
に示される。RGS10Bは、RGS10として知られる先に記述された分子の
イソ型を表すようである181個のアミノ酸ペプチドをコードする。しかし、R
GS10B配列のアミノ末端は、RGS10のものと異なり、そして16残基の
3つのみが同一である(図1)。対照的に、残基17〜181は、2つの分子で
同一であり、そしてRGS10Bは、高度に保存されたRGSドメインを保有す
る。さらに、RGS10Bの3’非翻訳領域(UTR)は、RGS10のものと
は異なり、RGS10Bが、少なくとも2つの新規エキソンのオルタナティブス
プライシングによって発生されるようであることを示す。
【0108】 ノーザンブロット解析 多組織ノーザン解析を、RGS10Bのアミノ末端に対する90塩基対プロー
ブを用いて行った。RGS10Bについての1kb mRNAは、破骨細胞腫で
非常に強力に検出されたが、しかし、腫瘍の基質細胞成分では検出されなかった
。RGS10B mRNAは、HSB−2(Bリンパ球細胞株)およびU937
(骨髄単球細胞株)で最小限に発現された。試験された全ての他のヒト組織およ
び細胞株は、RGS10BmRNAについて陰性であった。これらのデータは、
RGS10Bが、ヒト破骨細胞で選択的に発現されることを示す。
【0109】 本発明は、その好ましい実施形態に関して特に示されそして記述したが、形態
および詳細での種々の変更が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明
の概念および範囲から逸脱せずに、本明細書で行われうることは当業者に理解さ
れる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、RGS10B(上部列;配列番号:2)とRGS10(下部列;配列
番号:3)とのアミノ酸配列の比較を示す。ダッシュ記号は、アラインメントを
最大限にするために導入されたギャップを示す。
【図2】 図2は、RGS10B cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:1)とRG
S10Bの推定アミノ酸配列(配列番号:2)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/53 D C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/53 5/00 A Fターム(参考) 4B024 AA11 CA04 CA12 HA12 4B063 QA01 QA17 QQ02 QQ08 QQ27 QQ43 QR08 QR14 QR31 QR42 QR56 QR62 QR72 4B065 AA90Y CA23 CA46 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 CA40 DA01 DA75 EA50

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a) 配列番号:1、 b) 配列番号:1の相補体、 c) 配列番号:1のヌクレオチド1〜48、 d) 配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補体、 e) 配列番号:1のヌクレオチド547〜831、および f) 配列番号:1のヌクレオチド547〜831の相補体 からなる群より選ばれるヌクレオチド配列を含有してなる単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 DNAである請求項1記載の単離された核酸分子。
  3. 【請求項3】 a) 配列番号:1、ならびに b) 配列番号:1の相補体、 c) 配列番号:1のヌクレオチド1〜48、 d) 配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補体、 e) 配列番号:1のヌクレオチド547〜831、および f) 配列番号:1のヌクレオチド547〜831の相補体 からなる群より選ばれるヌクレオチド配列から本質的になる単離された核酸分子
  4. 【請求項4】 a) 配列番号:1、ならびに b) 配列番号:1の相補体、 c) 配列番号:1のヌクレオチド1〜48、 d) 配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補体、 e) 配列番号:1のヌクレオチド547〜831、および f) 配列番号:1のヌクレオチド547〜831の相補体 からなる群より選ばれるヌクレオチド配列からなる単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】 a) 配列番号:1、ならびに b) 配列番号:1の相補体、 c) 配列番号:1のヌクレオチド1〜48、 d) 配列番号:1のヌクレオチド1〜48の相補体、 e) 配列番号:1のヌクレオチド547〜831、および f) 配列番号:1のヌクレオチド547〜831の相補体 からなる群より選ばれるヌクレオチド配列に高ストリンジェント条件下でハイブ
    リダイズする核酸分子。
  6. 【請求項6】 試料を、 a) 配列番号:1、 b) 配列番号:1の相補体、 c) 配列番号:1のヌクレオチド1〜16、 d) 配列番号:1のヌクレオチド1〜16の相補体、 e) 配列番号:1のヌクレオチド547〜831、および f) 配列番号:1のヌクレオチド547〜831の相補体 からなる群より選ばれるヌクレオチド配列を含有してなる第2の核酸分子と選択
    的ハイブリダーゼーションに適した条件下で接触させる工程を含む、試料中の核
    酸分子の存在をアッセイする方法。
  7. 【請求項7】 調節配列に作動可能に連結した請求項1記載の単離された核
    酸分子を含有してなるベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のベクターを含んでなる組換え宿主細胞。
  9. 【請求項9】 単離された核酸分子にコードされるポリペプチドを調製する
    方法であって、該核酸分子の発現に好適な条件下で請求項8記載の組換え宿主細
    胞を培養する工程を含む方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の単離された核酸分子にコードされる単離さ
    れたポリペプチド。
  11. 【請求項11】 配列番号:2のアミノ酸配列を含有する単離されたポリペ
    プチド。
  12. 【請求項12】 配列番号:2の配列のアミノ酸1〜16を含有する単離さ
    れたポリペプチド。
  13. 【請求項13】 配列番号:2のアミノ酸配列との同一性が約93%を超え
    るアミノ酸配列を含有する単離されたポリペプチド。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の単離された核酸分子にコードされるポリペ
    プチドもしくは該ポリペプチドの部分に選択的に結合する抗体またはその抗原結
    合断片。
  15. 【請求項15】 配列番号:2のアミノ酸配列もしくは該アミノ酸配列の部
    分に選択的に結合する抗体またはその抗原結合断片。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の単離された核酸分子にコードされるポリペ
    プチドの存在を試料中においてアッセイする方法であって、該コードされたポリ
    ペプチドに特異的に結合する抗体と試料を接触させる工程を含む方法。
  17. 【請求項17】 RGS10Bまたはその活性部分の該細胞での発現を高め
    、それによりRGS10BがGタンパク質のGαサブユニットの固有GTPアー
    ゼ活性を活性化することによりGタンパク質活性を阻害する工程を含む、細胞に
    おいてGタンパク質機能を阻害する方法。
  18. 【請求項18】 GαサブユニットをRGS10Bまたはその活性部分と接
    触させる工程を含む、GαサブユニットのGTPアーゼ活性を活性化する方法。
  19. 【請求項19】 細胞におけるRGS10Bまたはその活性部分の発現を高
    める工程を含む、細胞におけるGαサブユニットのGTPアーゼ活性を活性化す
    る方法。
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