JP2003509374A - 骨髄細胞を用いる筋ジストロフィーの治療方法 - Google Patents

骨髄細胞を用いる筋ジストロフィーの治療方法

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Abstract

(57)【要約】 筋疾患に影響を与えるジストロフィンまたは他の遺伝子産物を発現するように操作された同種細胞または自己細胞のいずれかの骨髄移植を介して筋疾患を治療する方法が開示される。骨髄細胞および骨髄SP細胞(造血幹細胞の高純度集団)の両方が、本方法で使用されうる。筋疾患としては、デュシェーヌ筋ジストロフィー、ベッカー筋ジストロフィーおよび肢帯筋ジストロフィー等の筋ジストロフィーが挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 政府による支援 本発明は、全部または一部が、米国立保険研究所からの許諾番号HL5478
5による支援を受けたものである。米国政府は本発明にいくらかの権利を有する
【0002】 関連出願 本出願は1999年9月14日に出願された米国仮出願第60/153,82
1号の利益を主張するものであり、その教示は参照により本明細書に完全に組み
入れられる。
【0003】 発明の背景 約3000の筋蛋白が存在し、それぞれ異なる遺伝子によりコードされている
。いくつかの筋蛋白は筋線維の構造部分であり、他の筋蛋白は筋線維中の化学反
応に影響を及ぼす。筋蛋白遺伝子の欠損は筋疾患につながる。筋蛋白遺伝子の明
確な欠損は筋疾患の性質および重篤性を意味する。
【0004】 筋ジストロフィーは筋蛋白遺伝子の欠損により生じ、典型的には、主に筋統合
の崩壊につながる横紋筋の進行性疾患であり死に至ることが多い。この組織写真
からは、線維の大きさの変化、筋細胞の壊死および再生、ならびに多くの場合、
結合組織および脂肪組織の増殖が見られる。筋蛋白遺伝子の明確な欠損は、筋ジ
ストロフィーの性質および重篤性を決定する。例えば、主要な2つのタイプの筋
ジストロフィー、すなわちデュシェーヌ( Duchenne) 筋ジストロフィー
(DMD)およびベッカー( Becker) 筋ジストロフィー(BMD)は対立
遺伝子の致命的な変性筋疾患である。DMDはX−染色体上のジストロフィン遺
伝子の変異から生じ(Hoffmanら、N.Engl.J.Med.、318
:1363−1368( 1988) )、通常結果としてジストロフィン、骨格筋
の細胞骨格蛋白および心筋の欠損を生じる。BMDは同じ遺伝子の変異の結果生
じるが(Hoffmanら、N.Engl.J.Med.、318:1363−
1368( 1988) )、通常ジストロフィンは筋に発現するもののそのレベル
は小さくおよび/または短く、内部が削られた形をしており、結果的に穏やかな
表現型になっている。
【0005】 細胞移植(Karpati,G.ら、Am.J.Pathol.、135:2
7−32(1989);Morgan,J.E.ら、J.Cell Biol.
111:2437−2449( 1990) ;およびPartridge,T.A
.ら、337:176−179(1989))またはインビボ遺伝子導入(Ac
sadi,G.ら、Nature,352:815−818(1991);Ra
got,T.ら、Nature,361:647−650(1993);Vin
cent,N.ら、Nat.Genet.、5:130−134(1993))
;およびKochaneck,S.ら、Proc.Natl.Acad Sci
.USA、93:5731−5736(1996))のいずれかによってX連鎖
(X−linked)筋ジストロフィー(mdx)マウスにおけるジストロフィ
ン発現を回復しようとするこれまでの試みはほとんど成功したが、驚くようなも
のではなく、細胞またはベクターの注射部位近傍のジストロフィン発現の回復の
み生じた(Partridge,T.A.、Muscle Nerve、14:
197−212(1991))。
【0006】 細胞またはベクターの注射部位を超えて、特定の筋疾患において影響を受けた
ジストロフィン発現ならびに他の遺伝子産物の発現を回復する能力は、筋疾患の
治療のために重要な治療的適用を有するであろう。このため、哺乳動物の筋疾患
において影響を与える遺伝子産物の発現を回復するための代替的なアプローチを
開発する必要性はきわめて高い。
【0007】 発明の概要 本発明は、骨髄移植を介してそれを必要とする哺乳動物(例えば、ヒトまたは
他の哺乳動物、あるいは脊椎動物)の筋疾患を治療するための方法を提供するも
のである。一実施形態では、本発明の方法は哺乳動物に有効量の骨髄細胞を投与
することを含む。第2の実施形態では、本発明の方法は哺乳動物に有効量の骨髄
SP細胞(高純度な造血幹細胞の集団)を投与することを含む。第3の実施形態
では、本発明の方法は(a)所望の核酸産物をコードする目的の核酸配列を哺乳
動物由来の骨髄細胞に導入すること;および(b)哺乳動物に(a)で生産した
細胞を投与することを含む。第4の実施形態では、本発明の方法は(a)所望の
核酸産物をコードする目的の核酸配列を哺乳動物由来の得られた骨髄SP細胞に
導入すること;および(b)哺乳動物に(a)で生産した細胞を投与することを
含む。第5の実施形態では、本発明の方法は(a)ドナーの骨髄細胞に所望の核
酸産物をコードする目的の核酸配列を導入すること;および(b)哺乳動物に(
a)で生産された細胞を投与することを含む。第6の実施形態では、本発明の方
法は(a)ドナーの骨髄SP細胞に所望の核酸産物をコードする目的の核酸配列
を導入すること;および(b)哺乳動物に(a)で産生された細胞を投与するこ
とを含む。
【0008】 また、本発明は、哺乳動物の筋疾患治療での使用のための薬剤の製造のための
骨髄細胞および骨髄SP細胞の使用を提供する。特定の実施形態では、所望の核
酸産物をコードする目的の核酸配列は、骨髄細胞または骨髄SP細胞に導入され
る。
【0009】 さらに本発明は、本明細書に記載した方法および使用に用いられる骨髄細胞お
よび骨髄SP細胞に関する。
【0010】 本明細書で用いられているように、所望の核酸産物とは哺乳動物の筋疾患治療
における、哺乳動物で発現される所望の蛋白質またはポリペプチド、DNAまた
はRNA(例えば、遺伝子産物)を意味する。これ以外の場合、所望の核酸産物
とは哺乳動物において欠陥があるか、または存在しないものである。特定の実施
形態では、所望の核酸産物とはジストロフィンである。他の所望の核酸産物には
カルパイン−3、サルコグリカン複合体膜(例えば、α―サルコグリカン、β―
サルコグリカン、γ―サルコグリカンおよびδ−サルコグリカン)およびラミニ
ンα2鎖を含む。
【0011】 一般に、所望の核酸産物をコードする核酸配列は、DNAまたはRNA(レト
ロウイルス)などのウイルスベクターを用いて、骨髄細胞または骨髄SP細胞に
導入される。レトロウイルスは組み換えベクターとして機能するのに特に適した
特性を有していることが分かっており、このベクターを介して所望の核酸産物を
コードする核酸配列を哺乳動物(例えば、ヒトまたは他の哺乳動物、あるいは脊
椎動物)の細胞に導入することができる。例えば、所望の核酸産物の送達に用い
る組換えレトロウイルスは、所望の組換え型RNAをカプシド包含(encapsidat
ion )するのに必要なウイルス蛋白を生産する線維芽細胞に、所望の核酸産物を
コードするのに適したプロウイルスDNAベクターを導入することによって生成
される。この方法は、哺乳動物の筋疾患を治療するために、骨髄細胞または骨髄
SP細胞に所望の核酸産物をコードする核酸配列を導入(送達)するのに用いる
ことができる方法の1つである。例えば、Mann,R.ら、Cell,33:
153−159( 1983) ;Watanabe,S.とH.M.Temin、
Mol.Cell.Biol.、3:2241−2249( 1983) ;Con
e,R.DとR.C.Mulligan、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA、81:6349−6353( 1984) ;Soneoka.Y.ら
、Nucl.Acids Research、123:628−633(199
5);およびDanos,O.とR.C.Mulligan、米国特許第5,4
49,614号を参照すること。
【0012】 本発明の方法を用いて治療されうる筋疾患は、筋ジストロフィーを含む。本発
明の方法を用いて治療される筋ジストロフィーには、デュシェーヌ筋ジストロフ
ィー(DMD)、ベッカー筋ジストロフィー(BMD)、筋緊張性ジストロフィ
ー(シュタイネルト病としても知られている)、肢帯筋ジストロフィー、顔面肩
甲上腕筋ジストロフィー(FSH)、先天性筋ジストロフィー、眼咽頭筋ジスト
ロフィー(OPMD)、遠位筋ディストロフィーおよびエメリー−ドレフェス
(Emery−Dreifuss)筋ジストロフィーを含む。
【0013】 発明の詳細な説明 本明細書に記載した結果は、正常な(細分化されていない)骨髄細胞または骨
髄SP細胞と呼ばれるX連鎖筋ジストロフィー(mdx)レシピエントに移植し
た後に、ジストロフィン陰性筋線維はジストロフィン陽性筋線維に変換されうる
。両例では、ジストロフィン発現は約1〜10%の筋線維で回復した(表1およ
び2)。ある動物では、ジストロフィン発現はすべての筋線維の10%近くにな
ることが明らかとなっており(表1)、回復のレベルは臨床的に有用な可能性が
あると思われた(Phelps,S.F.ら、Hum.Mol.Genet.、
4:1251−1258(1995))。また、両例においてドナー由来の核は
、筋線維内の中心および周辺の両方に位置していることが認められ、再生中およ
び成熟した筋線維の両方でジストロフィンの回復を示した(表3)。全体的に、
これらの結果は、ジストロフィンまたは他の関連する筋疾患において影響を受け
た遺伝子産物を発現するように設計された同種細胞または自己細胞のいずれかを
骨髄移植を用いて送達することによって、筋ジストロフィーおよび他の破壊的な
筋疾患の治療のため新しい方法が提供されうることを示唆している。
【0014】 結果として、本発明は骨髄移植を用いてそれを必要とする哺乳動物(例えば、
ヒトまたは他の哺乳動物、あるいは脊椎動物)の筋疾患を治療する方法を提供す
る。また、ここで哺乳動物とはレシピエントを意味する。一実施形態では、本発
明の方法は哺乳動物に有効量のドナー骨髄細胞を投与することを含む。第2の実
施形態では、本発明の方法は哺乳動物に有効量のドナー骨髄SP細胞(高純度な
造血幹細胞の集団)を投与することを含む。第3の実施形態では、本発明の方法
は(a)所望の核酸産物をコードする目的の核酸配列を哺乳動物から骨髄細胞に
導入すること;および(b)哺乳動物に(a)で生産した細胞を戻すことを含む
。第4の実施形態では、本発明の方法は(a)所望の核酸産物をコードする目的
の核酸配列を哺乳動物から得られた骨髄SP細胞に導入すること;および(b)
哺乳動物に(a)で生産された細胞を戻すことを含む。第5の実施形態では、本
発明の方法は(a)ドナー骨髄細胞に所望の核酸産物をコードする目的の核酸配
列を導入すること;および(b)哺乳動物に(a)で生産された細胞を投与する
ことを含む。第6の実施形態では、本発明の方法は(a)ドナーの骨髄SP細胞
に所望の核酸産物をコードする目的の核酸配列を導入すること;および(b)哺
乳動物に(a)で生産された細胞を投与することを含む。
【0015】 本明細書で用いられる時、筋疾患は、限定されないが、筋ジストロフィーなど
の劣性または遺伝性筋障害を含み、これに限定されない。筋ジストロフィーは遺
伝疾患であり、運動を制御する骨格筋または随意筋の進行性の衰弱および変性に
より特徴付けられる。また、心臓および他の不随意筋の筋は、いくつかの筋ジス
トロフィーの形態で影響を受ける。筋ジストロフィーは、当該分野において記載
されており、デュシェーヌ筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー筋ジストロフ
ィー(BMD)、筋緊張性ジストロフィー( シュタイネルト病としても知られて
いる)、肢帯筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕筋ジストロフィー(FSH)、先
天性筋ジストロフィー、眼咽頭筋ジストロフィー(OPMD)、遠位筋ディスト
ロフィーおよびエメリー−ドレフェス筋ジストロフィーを含む。例えば、Hof
fmanら、N.Engl.J.Med.、318:1363−1368(19
88);Boennemann,C.G.ら、Curr.Opin.Ped.、
8:569−582(1996);Worton,R.、Science、27
0:755−756(1995);Funakoshi,M.ら、Neurom
uscul.Disord.、9(2):108−114(1999);Lim
,L.E.とCampbell,K.P.、Curr.Opin.Neurol
.、11(5):443−452( 1998) ;Voit,T、Brain D
ev.、20(2):65−74(1998);Brown,R.H.、Ann
u.Rev.Med.、48:457−466(1997);Fisher,J
.とUpadhyaya,M.、Neuromuscul.Disord.、7 (1):55−62(1997)を参照すること。これらの参照例は本明細書
に参照によりすべて組み込まれる。
【0016】 骨髄細胞は当該分野では一般的に知られている方法に従って任意の哺乳動物か
ら得ることができる。例えば、骨髄は髄腔に針を挿入し、骨髄を吸引することに
よってドナーから得ることができる。骨髄細胞を分離するために、骨髄はスクリ
ーンに通される。
【0017】 骨髄SP細胞および任意の哺乳動物から骨髄SP細胞を得る方法は、Good
ell,M.A.ら、J.Exp.Med.、183:1797−1806(1
996);およびGoodell,M.A.ら、国際公報第WO9639489
号(1996年12月12日発行)に記載されており、これらの参照例は本明細
書に参照によりすべて組み込まれている。また、本明細書では骨髄SP細胞とは
骨髄幹細胞の高純度な造血幹細胞の集団を意味する。
【0018】 本発明の方法で用いられる骨髄細胞および骨髄SP細胞は、生きたもの(例え
ば、有核)である必要がある。使用される細胞はそれが戻される哺乳動物から、
または同種または異種(ドナー)の別の/異なる哺乳動物から採取され得、レシ
ピエントに導入される。例えば、この細胞はブタから採取し、ヒトに導入するこ
とができる。
【0019】 本明細書で用いられているように「哺乳動物」および「哺乳類の」という用語
は、子に授乳しかつ生きた子を産む(真獣類または有胎類)か、または卵生(後
獣類(metatharian)または無胎類)のいずれかである単孔類、有袋
類および有胎動物などの脊椎動物を意味する。哺乳類種の例には、ヒトおよび他
の霊長類(例えば、サル、チンパンジー)、齧歯類(例えば、ラット、マウス、
モルモット)、および反芻動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ)が含まれる。
【0020】 本明細書で用いられているように「ドナー」という用語は、骨髄細胞または骨
髄SP細胞の天然の採取源である哺乳動物を意味する。ドナーは健常な哺乳動物
(すなわち、筋疾患に罹患していない哺乳動物)でありうる。代替的には、この
ドナーは筋疾患のある哺乳動物である。レシピエントは筋疾患に罹患している哺
乳動物である。特定の実施形態では、このレシピエントは筋ジストロフィーに罹
患した哺乳動物である。特定の目的のある一実施形態では、このレシピエントは
ヒト患者である。
【0021】 特定の実施形態では、ドナーおよびレシピエントは免疫適合性(immunocompat
ibility )について適合される。好適には、ドナーおよびレシピエントは、主要
組織適合遺伝子複合体(MHC)(ヒト白血球抗原)(HLA))−クラスI(
例えば、座A,B,C)および−クラスII(例えば、座DR,DQ,DRW)
抗原について適合性が一致する。ドナーとレシピエントの間の免疫適合性は、当
該分野に一般に知られている方法に従って決定される(例えば、Charron
,D.S.、Curr.Opin.Hematol.、3:416−422 (
1996);Goldman,J.、Curr.Opin.Hematol.、
5:417−418(1998);およびBoisjoly,H.M.ら、Op
thalmology、93:1290−1297(1986)を参照すること
)。
【0022】 本明細書で核酸配列は核酸分子のヘテロポリマーとして定義されている。この
核酸分子は、二本鎖または一本鎖であってよく、cDNAまたはゲノムDNAな
どのデオキシリボヌクレオチド(DNA)分子あるいはリボヌクレオチド(RN
A)分子であってよい。このように、核酸配列は、例えば、該当する場合にはイ
ントロンをもつかもたない1つまたは複数のエキソンならびに1つまたは複数の
適切な制御配列を含む。一例では、この核酸分子は所望の核酸産物をコードする
単一のオープンリーディングフレームを含む。この核酸配列は操作して適切なプ
ロモータに結び付けられる。
【0023】 所望の核酸産物をコードする核酸配列は、例えば、Ausbelら、Curr
ent Protocols in Molecular Biology,ニ
ューヨークのJohn Wiley&Sons社(1988);およびSamb
rookら、Molecular Cloning:A Laboratory
Manual、第2版、ニューヨークCold Spring Harbor
University Press(1989)に記載されているように、天
然から分離されるか、天然の配列から改変されるか、デノボで製造される。核酸
は適合性クローニングや限定部位を開発、製造するといった当分野において公知
の方法により分離、融合されうる。
【0024】 典型的には、この核酸配列は所望の核酸産物をコードする遺伝子である。この
場合、所望の核酸産物は遺伝子産物である。このような遺伝子は、典型的には、
骨髄細胞および骨髄SP細胞を所望の核酸産物を発現させることができる適切な
制御配列に作動可能に連結させる。本明細書で用いられているように「作動可能
に連結させる」という言葉は、遺伝子(または核酸配列)の発現が可能になるよ
うな方法で、遺伝子(または核酸配列)を制御配列に連結させることを意味する
ものと定義される。一般に、「作動可能に連結させる」とは「近接」を意味する
【0025】 制御配列は転写プロモーター、転写を制御する任意のオペレーター配列、適切
なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、ならびに転写および翻訳の終
結を制御する配列を含む。特定の実施形態では、所望の核酸産物をコードする組
換え遺伝子(または核酸配列)は、誘導または抑制されうるプロモーターの調節
制御の下に置かれ得、これにより骨髄細胞または骨髄SP細胞においてこの産物
のレベルに関して程度の高い制御が提供される。
【0026】 本明細書で用いられているように、「プロモーター」という用語はDNAの配
列、通常は構造遺伝子のコード領域の上流(5’)を意味し、転写の開始に必要
となるRNAポリメラーゼおよび他の因子に認識および結合部位を提供すること
によってコード領域の発現を制御する。適切なプロモーターは当該分野でよく知
られている。模範的なプロモーターには、SV40およびヒト成長因子(EFI
)を含む。他の適切なプロモーターが当該分野で容易に入手可能である(例えば
、Ausubelら、Current Protocols in Molec
ular Biology,ニューヨークJohn Wiley&Sons社
(1988);Sambrookら、Molecular Cloning:A
Laboratory Manual、第2版、ニューヨークのCold S
pring Harbor University Press(1989);
および米国特許第5,681,735号を参照)。
【0027】 本明細書で用いられている所望の核酸産物とは、哺乳動物の筋疾患の治療にお
ける、哺乳動物での発現対象の所望の蛋白質またはポリペプチド、DNAまたは
RNA(例えば、遺伝子産物)をいう。さもなくば、所望の核酸産物は哺乳動物
で欠如(defective )もしくは欠損(absent)している。特定の実施形態では、
所望の核酸産物とは特定の筋疾患において影響を受けた遺伝子産物である。例え
ば、DMDまたはBMDの哺乳動物を治療する場合、所望の核酸産物はジススト
ロフィンであり得る。肢帯筋ジストロフィーの哺乳動物を治療する場合、所望な
核酸産物にはカルパイン−3およびサルコグリカン複合体メンバー(例えば、α
−サルコグリカン、β−サルコグリカン、γ−サルコグリカンおよびδ−サルコ
グリカン)を含むが、これに限定されるものではない。先天性筋ジストロフィー
の哺乳動物を治療する場合、所望の核酸産物には、ラミニンα2鎖を含むが、こ
れに限定されるものではない。
【0028】 所望の核酸産物をコードする核酸配列は、種々の方法(例えば、リポソームを
用いたトランスフェクション、感染、形質転換、直接的取込、プロジェクタイル
ボンバードメント)によって、骨髄細胞または骨髄SP細胞に導入されうる。特
定の実施形態では、所望の核酸産物をコードする核酸配列は、核酸ベクター、例
えば、DNAプラスミド、ウイルスまたは他の適したレプリコン(例えば、ウイ
ルスベクター)に挿入される。特定の例として、所望の核酸産物をコードする核
酸配列はウイルスのゲノムに組み込まれ、続いてこのゲノムは精製された骨髄細
胞または骨髄SP細胞に導入される。ここで用いる「組み込まれた」という用語
は、ウイルスの天然の配列に対し両側で共有結合された領域としてのウイルスの
ゲノムへの核酸配列(例えば、DNAまたはRNA配列)の挿入を意味する。ウ
イルスベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、パルボウイルス(例え
ば、アデノ随伴ウイルス)、コロナウイルス、オルトミキソウイルス(例えば、
インフルエンザウイルス)等の負鎖RNAウイルス、ラブドウイルス(例えば、
狂犬病ウイルスおよび水疱性口内炎ウイルス)、パラミキソウイルス(例えば、
ハシカおよびセンダイ)、ピコルナウイルスおよびアルファウイルス等の正鎖R
NAウイルス、およびアデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、ヘルペスシ
ンプレックスウイルス1型または2型、エプスタイン−バールウイルス、サイト
メガロウイルス)およびポックスウイルス(例えば、ワクシニア、鶏痘およびカ
ナリーポックス)などの二本鎖DNAウイルスを含む。他のウイルスには、例え
ば、ノルウォークウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、レオウィルス、パ
ポバウイルス、ヘパドナウイルス、および肝炎ウイルスを含む。レトロウイルス
の例には:トリ白血病−肉腫、哺乳動物のC型、B型およびD型ウイルス、HT
LV−BLVグループ、レンチウイルス、スプマウイルスを含む(Coffin
,J.M.,のRetroviridae:The viruses and
their replication.In Fundamental Vir
ology第3版、B.N.Fieldsら、Eds.,Lippincott
−Raven Publishers.Philadelphia 1996年
)。他の例には、マウス白血病ウイルス、マウス肉腫ウイルス、マウス乳癌ウイ
ルス、ウシ白血病ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ肉腫ウイルス、トリ白血
病ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、ヒヒ内在性ウイルス、ギボンザル白血
病ウイルス、Mason Pfizerサルウイルス、サル免疫不全ウイルス、
サル肉腫ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、およびレンチウイルスを含む。他のベ
クターの例は、例えば、Mc Veyら、米国特許第5,801,030号に記
載されており、その教示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】 所望の核酸産物をコードする核酸配列(RNAまたはDNA)を含む組換え型
ゲノムから構成される組換え型ウイルスベクターを生成するために、パッケージ
ング細胞株が用いられる。パッケージング細胞株を用いれば、製造された組換え
ウイルスの感染性の効率およびスペクトルは共に大きくなる。
【0030】 所望の核酸産物をコードする核酸配列を含む組換えゲノムから構成された、組
換え型ウイルスベクターを生成するのに有用なパッケージング細胞株は、本明細
書に記載されているように、ウイルスのゲノムに組み込まれる所望の核酸産物を
コードする核酸配列を含むウイルスベクターを用いて哺乳動物の宿主細胞などの
宿主細胞をトランスフェクションすることによって生成される。細胞株を生成す
るのに適した宿主細胞には、ヒト(HeLa細胞等)、ウシ、ヒツジ、ブタ、ネ
ズミ(胚性幹細胞等)、ウサギおよびサル(COS1細胞等)の細胞を含む。細
胞株を生成するのに適した宿主細胞は、胚細胞、骨髄幹細胞または他の前駆細胞
であってよい。この細胞が体細胞の場合、その細胞は、例えば、上皮細胞、線維
芽細胞、平滑筋細胞、血球(造血細胞、赤血球、T細胞、B細胞等を含む)、腫
瘍細胞、心筋細胞、マクロファージ、樹状細胞、神経細胞(例えば、膠細胞また
は星状細胞)、または病原体感染細胞(例えば、細菌、ウイルス、ウィルソイド
、寄生虫、またはプリオンが感染した細胞)でありうる。このような細胞は市販
のものであるかまたは寄託所から、または、生検によるなど個人から直接入手可
能である。ウイルスストックは当該分野で一般的に知られる方法に従って採取す
ることができる。例えば、Ausubelら編Current Protoco
ls In Molecular Biology,ニューヨークのJohn
Wiley&Sons社(1998);Sambrookら、Eds.,Mol
ecular Cloning:A Laboratory Manual、第
2版、ニューヨークのCold Spring Harbor Univers
ity Press(1989);DanosとMulliganの米国特許第
5,449,614号;およびMulliganとWilsonの米国特許第5
,460,959号を参照すること。その教示は参照により本明細書に組み込ま
れる。
【0031】 細胞をトランスフェクトまたは形質転換する適切な方法の例には、感染法、リ
ン酸カルシウム沈殿法、エレクロポレーション法、マイクロインジェクション法
、リポフェクション法および直接的取込法を含む。このような方法は、例えば、
Sambrookら、Molecular Cloning:A Labora
tory Manual、第2版、ニューヨークのCold Spring H
arbor University Press(1989);Ausubel
ら、Current Protocols in Molecular Bio
logy,ニューヨークのJohn Wiley&Sons社(1998);お
よびDanosとMulliganの米国特許第5,449,614号に詳細に
記載されており、その教示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】 所望の核酸産物をコードする核酸(DNAまたはRNA)配列を含む組換えゲ
ノムを含む組換えウイルスベクターから構成されたウイルスストックは、トラン
スフェクトされた細胞をウイルス生産に適した条件下(例えば、適切な成長媒質
において、適切な時間)で維持することによって生産される。このような条件は
本発明にとって重要ではないが、一般に当該分野で公知である。例えば、Sam
brookら、Molecular Cloning:A Laborator
y Manual、第2版、ニューヨークのCold Spring Harb
or University Press(1989);Ausubelら、C
urrent Protocols in Molecular Biolog
y,ニューヨークのJohn Wiley&Sons社(1998);米国特許
第5,449,614号;および米国特許第5,460,959号を参照するこ
と。その教示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】 また、所望の核酸産物をコードする核酸配列を含むベクターは、ベクターを細
胞膜リン脂質に標的化することによって骨髄細胞または骨髄SP細胞に導入され
うる。例えば、ベクターの標的化は、すべての細胞膜リン脂質に対し親和性を有
するウイルスタンパク質をVSV−G蛋白質に該ベクターを連結することによっ
て達成される。このような構築物は当業者にはよく知られた方法を用いて製造す
ることができる。
【0034】 前述の方法の特定の例として、所望の核酸産物をコードし、骨髄細胞または骨
髄SP細胞において所望の核酸産物の発現を行なうことができる制御配列と作動
可能に連結された組換え遺伝子(または核酸配列)を、目的の特定の細胞に侵入
するウイルスのゲノムに組み込むことができる。感染によって骨髄細胞および骨
髄SP細胞は遺伝的に改変され、所望の核酸産物をコードする安定的に組み込ま
れた組換え遺伝子(または核酸配列)を含むようにすることができる。次に、こ
のように遺伝的に改変された骨髄細胞および骨髄SP細胞(組換え骨髄細胞およ
び組換え骨髄SP細胞)は、哺乳動物(レシピエント)への投与に先立って組換
え遺伝子の発現の有無を検査されうる。例えば、発現された所望の核酸産物の量
は、標準的方法(例えば、免疫沈降法)に準じて測定される。このような方法で
、所望の核酸産物が哺乳動物への投与に先立って骨髄細胞または骨髄SP細胞に
おいて適切なレベル(所望の量)まで発現できるかどうかがインビトロで測定さ
れる。適切なレベルまで所望の核酸産物を発現している遺伝的に改変された骨髄
細胞(組換え骨髄細胞)および遺伝的に改変された骨髄SP細胞(組換え骨髄S
P細胞)は、哺乳動物への導入(注入)のために増殖(成長)させることができ
る。細胞を増殖(成長)させる方法は当該分野ではよく知られている。
【0035】 本明細書に記載したように遺伝的に改変されたかまたは改変されていない骨髄
細胞および骨髄SP細胞は、当業者には知られた方法に従って哺乳動物に投与
(移植、埋め込み、導入)される。例えば、骨髄移植(BMT)は、白血病(G
orin,N.C.ら、Br.J.Haematol、64:385−395
(1986)、Ringden,O.ら、Leuk Lymphoma、24:
71−79(1996))、再生不良性貧血(O' Reilly,R.J.のB
lood62:941−964(1983)、およびGordon−Smith
,E.C.、Hematol.Oncol.、5:255−263(1987)
)、サラセミアメジャー(Thomas,E.D.、Prog Clin. B
iol. Res.、309:187−191(1989));およびLuca
relli,G.ら、Exp.Hematol.,12:676−681(19
84);および免疫不全症(Kenny,A.B.とHitzig,W.H.の
Eur J.Pediatr、131:155−177(1979);およびP
arkman,R.ら、N.Eng.J.Med.、298:921−927(
1978))などの造血細胞に係わる多数の疾患に関して記載されている。好適
には、投与形態は注入および/またはボーラス注射などの静脈内投与か、または
注射による腹腔内投与である。他の投与形態(腸管外、経粘膜、体内埋め込み、
筋内、皮内、経皮(例えば、徐放性高分子を用いて))は、一般に当該分野では
知られている。好適には、この細胞はリン酸緩衝生理食塩水などの、哺乳動物へ
の投与の特定の形態および経路に適した媒体で投与される。
【0036】 本明細書に記載したように遺伝的に改変されたか、または改変されていない骨
髄細胞または骨髄SP細胞の「有効量」とは、ここでは、哺乳動物に投与する場
合は、治療的有効性に十分な骨髄細胞の量(例えば、疾患に関連する症状および
/または徴候を著しく低減するか削減するのに十分な量)として定義される。投
与頻度を含めて、哺乳動物に投与される、本明細書に記載したように遺伝的に改
変されたかまたは改変されていない骨髄細胞または骨髄SP細胞の量は、投与の
形態および経路などの種々の因子によって変動するであろう。すなわち、レシピ
エントの大きさ、年齢、性別、健康状態、体重および食事、治療される筋疾患の
症状の性質および程度、同時に行う治療の種類、治療頻度、および所望の効果で
ある。
【0037】 骨髄由来細胞によるジストロフィンの回復の程度に影響を及ぼす多数の因子お
よび再形成プロセスの時間的動態は知られていない。かなり多数のジストロフィ
ン陽性筋線維をはっきりと生じることのできる骨髄SP細胞の数は非常に少なく
、かつ細胞の注射と検出可能なジストロフィン陽性筋線維の発現との間にはかな
りのタイムラグがあるという事実を考えれば、通常はBMTの後に起こるように
、移植された細胞は骨髄の微小環境内に入植(colonize)しかつ増殖するに違い
ないと思われる。移植に用いる細胞の最適な調整法および、ある場合にはジスト
ロフィン陽性細胞が有効に生着するのを達成するようにレシピエントを調整する
ための必要条件の性質が決定されてよい。このような決定は、例えば、注射を行
う前にレシピエントの筋にダメージを与えるかまたは損傷させることによって行
われうる。細胞が筋に有効に働くために骨髄コンパートメントの再形成が不可欠
な条件である場合、骨髄由来造血幹細胞は筋を生着させるための前駆細胞の唯一
の移植源であることが分かる。
【0038】 本明細書に報告したすべての実験において、すべてのジストロフィン陽性筋線
維はY−陽性(ドナー)核に関与しうるとは限らないことは注目に値する。これ
は多数の因子によるものと考えられる。第1に、オス由来組織標本へのY染色体
プローブのハイブリダイゼーションの効率はリンパ球の場合の90%以上と比較
して、70%〜80%であることが観察され、したがって、すべてのY陽性核が
本明細書に記載した方法によって検出されるとは限らないと思われる(Guss
oni, E.ら、Nat. Biotechnol.、14:1012−10
16(1996))。さらに、管状筋細胞内の核の領域に関する研究は、単一の
核が180μmもの筋線維に沿って発現する膜関連蛋白質を産生しうることを示
した(Gussoni, E.ら、Nature Medicine、3:97
0−977(1997)、Hall,Z.W.とRalston,E.、Cel
l、59:771−772(1989)、Pavlath,G.K.ら、Nat
ure、337:570−573(1989)、およびRalston,E.と
Hall,Z.W.、J.Cell Biol.、109:2345−2352
(1989))。実際、本明細書に記載した研究では、約1mmの長さまで延び
ているジストロフィン陽性線維が観察され、これはジストロフィン発現に寄与す
るドナー核を探すのをより困難にしている。最後に、これまでに報告されている
ように、Y−陽性核を含まないジストロフィン陽性線維のいくつかの比率は、復
帰突然変異ジストロフィン(revertant dystrophyn)の発現から得ることができ
る可能性がある(Hoffman,E.P.ら、J.Neurol.Sci.、
99:9−25(1990))。
【0039】 前述のように、mdxマウスにおいて、筋細胞移植(Karpati,G.ら
、Am.J.Pathol.、135::27−32(1989);Morga
n,J.E.ら、J.Cell Biol.、111:2437−2449( 1
990) およびPartridge,T.Aら、337:176−179(19
89))またはインビボ遺伝子導入(Acsadi,G.ら、Nature、3
52:815−818(1991);Ragot,T.ら、Nature、36
1:647−650(1993);Vincent,N.ら、Nat.Gene
t.、5:130−134(1993)およびKochanek,Sら、Pro
c.Natl.Acad Sci. USA、93:5731−5736:(1
996))のいずれかによって、ジストロフィン発現を回復しようとするこれま
での試みは完全に成功したが、驚くべきものではなく、細胞またはベクターの注
射部位近傍のジストロフィン発現の回復のみにとどまった(Partridge
,T.A.のMuscle Nerve、14:197−212号(1991年
))。本明細書に示した結果から、骨髄および/またはHCSの移植によって、
治療用細胞の全身送達は循環を介して唯一の可能性が得られ、これにより全体的
な個別の筋量までジストロフィン陽性細胞の分布が改善されることは明白である
【0040】 非常に少数の高純度な造血幹細胞を移植に用いるための必要条件は、遺伝子導
入または遺伝子修復を必要とする治療計画を著しく促進するであろう。細胞治療
および/または遺伝子治療に造血幹細胞を用いる上で考えられるもう一つの利点
は、血液由来細胞に保管されるように、個体の寿命にわたって筋原性前駆体を継
続して生産してもよいということである。新しい筋原性細胞が時間経過と共に組
み込まれると、筋機能の改善が進行する。この点に関し、本明細書に記載した試
験では、ジストロフィン発現を示す筋線維の比率は移植後長時間経過した時点で
上昇したように見えたたことは興味深い。
【0041】 最後に、本明細書に記載した骨髄由来SP細胞を用いた試験は、致死的に放射
線照射したレシピエントを完全に再形成する能力を有する造血幹細胞は、筋に分
化する潜在性を有しているという第1の直接的な証拠を提供する。また、本明細
書に記載した試験は、通常造血幹細胞は造血幹細胞由来ではない種々の細胞およ
び組織を修復かつ補完する手段を提供するという興味深い可能性を上げるもので
ある。この場合、BMTは種々の範囲の細胞タイプを含む細胞治療およびエキソ
ビボ治療に適用可能であることが最終的は証明されるであろう。
【0042】 本発明を以下の実施例によって説明するが、それはいかなる限定をも意図しな
い。
【0043】 実施例 実施例1、2および3に以下の方法を用いた。
【0044】 動物 本明細書に記載した実験に用いたジストロフィン−欠損mdxマウスは、デュ
シェーヌ筋ジストロフィー(DMD)の動物モデルであり(Sicinski,
P.ら、Science、244:1578−1580(1989);およびB
ulfield,G.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、8
1:1189−1192(1984))、ヒト疾患に非常に近似したものとして
の役割をする。このmdxマウスは、DMDに生じるような同じ遺伝子欠損を有
する。DMDにみられるように、その筋線維は蛋白ジストロフィンを欠如してお
り(Hoffman,E.P.ら、Cell.51:919−928(1987
))、広範な変性を起こす。
【0045】 6〜8週齢でマウスを用意し、6〜12週齢で用いた。C57BL/10マウ
スおよびC57BL/10ScSn−Dmdmdx /J (Z連鎖筋ジストロフィー
)マウスは、共にJackson Laboratory(Bar Harbo
r,ME)から入手した。
【0046】 骨髄および造血幹細胞の精製 骨髄は大腿骨および脛骨から抽出し、赤血球は塩化アンモニウム溶液(Sig
ma社)を用いて除去した。前述のように、造血幹細胞を精製するために、2%
ウシ胎仔血清(FCS)、1mMのHEPESおよび5μg/mlのHoech
st33342(Sigma社)を含有するHBBSに106 細胞/mlで骨髄
細胞を再懸濁し、37℃で90分間インキュベートした(Goodell,M.
A.ら、J.Exp.Med.、183:1797−1806(1996);お
よびGoodell,M.A.ら、国際公報第WO9639489号(1996
年12月12日発行)、これらの教示は参照により本明細書に全体的に組み込ま
れる)。
【0047】 染色後、MACS(Milteny;Biotec)およびストレプトアビジ
ンマイクロビーズを用いて、細胞をSca−1−陽性細胞について磁気的にプレ
富化した。細胞を分別する前に、2%FCSおよび2μg/mlヨウ化プロピジ
ウム(PI)を含むHBSSに細胞を再懸濁した。
【0048】 フローサイトメトリー分析および細胞分別は、デュアル・レーザーFACSV
antageフローサイトメータ(Becton Dickinson)で行っ
た。Hoechst色素およびヨウ化プロピジウムは共に350nmで励起し、
その蛍光発光を450nmおよび600nmで測定した。前述のように造血幹細
胞集団の分別ゲートを確立した(Goodell,M.A.ら、J.Exp.M
ed.、183:1797−1806(1996);およびGoodell,M
.A.ら、国際公報第WO9639489号(1996年12月12日発行)を
参照のこと。これらの参照例は参照により本明細書に全体的に組み入れられる。
【0049】 骨髄および造血幹細胞の移植 メスX連鎖筋ジストロフィー(mdx)レシピエントは、3時間の間隔をあけ
て2回の放射線照射(各600rad)において1200radで致死的に放射
線照射した。骨髄または造血幹細胞を尾静脈を介して静脈に与えた。移植後、マ
ウスを酸性水に保持した。すべての動物の管理は施設のガイドラインに準拠して
行った。
【0050】 免疫組織化学法 ジストロフィン検出は前述のように行った(Gussoni,E.ら、Nat
.Biotechnol.、14:1012−1016(1996)、この教示
は参照により本明細書に組み込まれる)。すなわち、前脛骨(TA)筋をmdx
マウスから抽出し、イソペンタンで直ちに凍結し、−70℃で保管した。10μ
mの切片を−20℃で採取し、シラン処理したスライド(DAKO)に載せた。
切片をメタノールで3分間固定した後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に移し
た。10%FCSおよび0.05%アジ化ナトリウムを含むPBS中で20分間
切片を遮断した。少なくとも12時間、4℃、希釈率1対500で、ジストロフ
ィンの遠位杆体領域(distal rod domain )(cDNA残留物6181−954
4)が認められる抗6〜10の抗体(Lidov,H.G.ら、Nature、
348:725−728(1990))を用いてこの切片をインキュベートし、
ジストロフィンを検出した。PBSを用いて3〜10分間洗浄した後、FITC
−結合抗−ウサギIgG抗体を用いて切片をインキュベートし、前述のように洗
浄した。
【0051】 蛍光インサイチュハイブリダイゼーション ジストロフィンおよびドナー由来Y染色体を同時に検出するために、前述した
ものと同じ切片に対し、Y染色体特異的プローブ(ボストンのChildren
' s HospitalのEvan Snyder医師の提供)を用いてインサ
イチュハイブリダイゼーションを行った(また、例えば、Nishioka,Y
、Teratology、38:181−185(1988);Harvey,
A.R.ら、Brain Res. Mol. Brain Res.、12:
339−343(1992);Prado,V.F.ら、Cytogenet.
Cell Genet.、61:87−90(1992);およびHarvey
,A.R.ら、Int.J.Dev.Neurosci.、11:509−58
1(1993)を参照のこと)。
【0052】 前述のように、ジゴキシゲニン−11−dUTP(Boehringer M
annheim)を用いニックトランスレーション法によってプローブを標識し
た(Gussoni,E.ら、Nat.Biotechnol.、14:101
2−1016(1996)、これらは参照により本明細書に全体的に組み込まれ
る)。
【0053】 免疫組織化学法に続き、切片をHistochoice(Amresco)に
45分間室温で固定し、PBSで洗浄し、50%、70%、90%および100
%のエタノールで脱水した。切片を12分間変性させ、Y染色体プローブを用い
て、加湿したチャンバー内で、少なくとも12時間、37℃でハイブリダイゼー
ションを行った。洗浄および遮断した後、切片をローダミン結合−抗−ジゴキシ
ゲニン抗体(Boehringer Mannheim)を用いて30分間イン
キュベートした。切片を洗浄し、Vectashield封入剤(Vector
Labs)で希釈した4’−6’ジアミノ−2−フェニルインドール(DAP
I)(200ng/ml)を用いて核を対比染色した。Zeiss Axiop
hot顕微鏡を用いて三帯域通過フィルタ(Omega)を通して切片を調べた
。CCDカメラ(Photometrics)を用いて、FITC、DAPIお
よびローダミンシグナルに関して同じ顕微鏡視野の画像を別々に撮り、Maci
ntosh製コンピュータを使用し、IPLab Spectrum SU2ソ
フトウェア(Signal Analytics)を用いて重ね合せた。
【0054】 実施例1 致死的に放射線照射したmdxマウスの骨髄移植後の、ジストロフィ
ン発現およびY染色体陽性ドナーの核の検出のための前脛骨筋の免疫組織化学分
析およびFISH分析 野生型ジストロフィン遺伝子を有する骨髄細胞の移植がmdxマウスの筋線維
内でジストロフィン発現を回復するかどうかを測定するために、雌mdxマウス
9匹を致死的に放射線照射した後、雄C57BL/10マウス(ジストロフィン
陽性)由来の5×105 または1〜5×107 個の骨髄細胞を尾静脈経由で注射
した。骨髄移植の5、8および12週間後、前脛骨(TA)筋を免疫組織化学分
析法によりジストロフィン発現を分析し、続いて、Y染色体特異的プローブを用
いて蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)によりドナー由来(
雄)細胞を検出した。高倍率(100X)で観察したところ、ジストロフィン−
陽性筋線維にドナー核が認められた。Y特異的プローブを用いて、骨髄移植5週
間後の骨髄の細胞上でFISHを行い、雄ドナー細胞によりレシピエントの骨髄
が完全に再形成されたかどうかを検証した。
【0055】 骨髄移植5週間後、筋線維の1%未満がジストロフィンを発現し、バックグラ
ウンドレベルと同様であった(表1)。しかし、骨髄移植8週間後には、筋線維
の1%が正常な筋細胞膜の場所でジストロフィンを発現し、25〜63%の検出
可能な融合したドナー由来核を含むジストロフィン発現線維を有した(表1)。
骨髄移植12週間後、各マウスで10%もの筋線維がジストロフィンを発現し、
10〜30%の検出可能な融合したY染色体−陽性核を含むジストロフィン−陽
性筋線維を有した(表1)。
【0056】
【表1】
【0057】1 骨髄移植後の週数2 ジストロフィン−陽性線維対線維総数の数を計算することにより測定したジ
ストロフィン陽性線維の割合3 Y染色体−陽性核を含むジストロフィン−陽性線維の割合
【0058】 実施例2 致死的に放射線照射した雌mdxレシピエントへの造血幹細胞移植1
2週間後の前脛骨筋におけるジストロフィン発現およびY染色体−陽性核の検出 致死的に放射線照射したレシピエントを完全に再形成することのできる高純度
の造血幹細胞(HSC)が、骨髄移植(BMT)後にジストロフィン−陽性筋線
維を形成することができるかどうかを直接測定するために、前述のように、正常
雄C57BL/10マウスからHSCを精製した(Goodell,M.A.ら
、J.Exp.Med.、183:1797−1806(1996);およびG
oodell,M.A.ら、国際公報第WO9639489号(1996年12
月12日発行)を参照のこと。これらの教示は本明細書に参照により全体的に組
み込まれる)。このような骨髄SP細胞と呼ばれるHSCは、Sca−1+、直
系マーカー(lineage marker)(B220,Mac−1,Gr−1,CD4,C
D5およびCD8)低/陰性であり、かつきわめて少ない細胞数(100−50
0細胞/マウス)でレシピエントの生着を完全にすることがすでに示されている
(Goodell,M.A.ら、J.Exp.Med.、183:1797−1
806(1996);Goodell,M.A.ら、Nat.Med.、3:1
337−1345(1997);およびGoodell,M.A.ら、国際公報
第WO9639489号(1996年12月12日発行))。また、いくつかの
骨髄SP細胞はCD34−陰性である(Goodell,M.A.ら、J.Ex
p.Med.、183:1797−1806(1996);Goodell,M
.A.ら、Nat.Med.、3:1337−1345(1997);およびG
oodell,M.A.ら、国際公報第WO9639489号(1996年12
月12日発行))。
【0059】 2000〜5000個の雄由来の骨髄SP細胞(造血幹細胞)を9匹の致死的
に放射線照射した雌mdxマウスの尾静脈に注射した。実施例1に示すように、
幹細胞注射5、8および12週間後に再度マウスを屠殺し、TA筋を、免疫組織
化学法によりジストロフィン発現に関して分析し、Y染色体−特異的プローブを
用いてFISHにより雄ドナー細胞の存在に関して分析した。骨髄のFISH分
析からは、幹細胞注射5週間後までに、雌宿主は雄ドナー細胞で完全に再形成さ
れることが確認された。
【0060】 細分化されていない骨髄細胞が生着したレシピエントでの場合と同じく、筋線
維の1%未満が5週間でジストロフィンを発現した(表2)。8週間で、筋線維
の1%までジストロフィンが発現し、20〜40%の融合したY染色体−陽性核
を含んだジストロフィン−発現線維を有した(表2)。12週間で、筋線維の4
%までジストロフィンが検出されえ、10〜30%の融合したドナー核を含むこ
れらを有した(表2)。一例では、このドナー核はジストロフィン−陽性線維の
さらに上流で融合していることが観察された。
【0061】
【表2】
【0062】1 造血幹細胞移植後の週数2 ジストロフィン−陽性線維対線維総数の数を計算することにより測定したジ
ストロフィン−陽性線維の割合3 Y染色体−陽性核を含むジストロフィン陽性線維の割合
【0063】 実施例3 ジストロフィン−陽性筋線維における融合したドナー核の位置 細分化していない骨髄細胞または精製したSP細胞のいずれかを用いた動物移
植の場合では、Y+核は筋線維の中心および周辺に位置していることが認められ
たが、衛星細胞、すなわち通常さらなる筋線維の修復のための局所的な予備とし
て機能する筋幹細胞の位置では観察されなかった(Bischoff,R.、M
yology,Engel,A.G.とFranzini−Armstrong
,C.、Eds、New York:McGraw Hill,pp97−11
9:1994;およびMauro,A.J.、Biophys.Biochem
.Cytol.、9:493−495(1961))(表3)。
【0064】
【表3】
【0065】1 基底膜と筋細胞膜との間に位置する。2 筋線維内で融合し、筋細胞膜直下に存在する。3 筋線維内で融合し、筋線維中心部に位置している。4 筋線維内で融合し、中心部と周辺領域との間の領域に位置している。
【0066】 以上の結果はmdxマウスにおける両方の骨髄移植は、両方の再生においてジ
ストロフィン発現を回復させているが(中心に位置する核の存在により示される
ように)、骨髄由来筋前駆細胞が実際に衛星細胞を発生するかどうかという重要
な問題を生じる。衛星細胞は、筋の損傷により損傷した線維を再生するために複
製および融合が導入されるまで、筋線維の基底膜と筋細胞膜との間の静止状態に
正常に存在する(Bischoff,R.、Myology,Engel,A.
G.とFranzini−Armstrong,C.、Eds、New Yor
k:McGraw Hill,pp97−119、1994);およびMaur
o,A.、J.Biophys.Biochem.Cytol.、9:493−
495(1961))。骨髄由来細胞によって誘導される修復プロセスは、衛星
細胞に関連するものとは明らかに異なる。
【0067】 本明細書に引用したすべての、論文、特許および特許出願の教示は、参照によ
り全体的に組み入れられる。
【0068】 本発明をその好適な実施形態を参照して詳細に示し、かつ記載してきたが、添
付した特許請求の範囲に規定された本発明の精神および範囲から逸脱せずに、そ
こで形態および詳細の種々の変更がなされうることが当業者に理解されよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 105 A61P 43/00 105 C12N 5/10 C12N 15/00 A 15/09 5/00 B (72)発明者 グッソーニ,エマニュエラ アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01890 ウィンチェスター,ウッドサイド ロード 46 (72)発明者 ムリガン,リチャード,シー. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01773 リンカーン,サンディー ポンド ロード 2 (72)発明者 ソネオカ,ユーコ アメリカ合衆国 ワシントン,ディーシー 20009 ユニット 200 アール ストリ ート エヌ.ダブリュ. 1759 1/2 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 DA02 EA02 GA11 HA17 4B065 AA92X AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 4C084 AA13 MA66 ZA942 ZB222 ZC612 4C087 AA02 BB44 BB65 BC83 MA66 ZA94 ZB22 ZC61

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨髄細胞または骨髄SP細胞の有効量を哺乳動物に投与する
    ことを含む、それを必要とする哺乳動物における筋疾患の治療方法。
  2. 【請求項2】 a)所望の核酸産物をコードする目的の核酸配列を骨髄細胞
    または骨髄SP細胞に導入すること、ならびに b)哺乳動物にa)で生産された細胞を投与すること を含む、それを必要とする哺乳動物における筋疾患の治療方法。
  3. 【請求項3】 該核酸配列がウイルスベクターに組み込まれる請求項2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 該骨髄細胞または骨髄SP細胞が治療対象の哺乳動物から得
    られる請求項1〜3いずれか記載の方法。
  5. 【請求項5】 該骨髄細胞または骨髄SP細胞がドナー哺乳動物から得られ
    る請求項1〜3いずれか記載の方法。
  6. 【請求項6】 該哺乳動物がヒトである請求項1〜5いずれか記載の方法。
  7. 【請求項7】 該筋疾患が筋ジストロフィーである請求項1〜6いずれか記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 該筋ジストロフィーが肢帯筋ジストロフィーである請求項7
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 該筋ジストロフィーが、デュシェーヌ筋ジストロフィーおよ
    びベッカー筋ジストロフィーからなる群より選ばれる請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 該所望の核酸産物がジストロフィンである請求項9記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 骨髄細胞または骨髄SP細胞の有効量を哺乳動物に投与す
    ることを含む、それを必要とする哺乳動物における筋ジストロフィーの治療方法
  12. 【請求項12】 a)所望の核酸産物をコードする目的の核酸配列を骨髄細
    胞または骨髄SP細胞に導入すること、ならびに b)哺乳動物にa)で生産された細胞を投与すること を含む、それを必要とする哺乳動物における筋ジストロフィーの治療方法。
  13. 【請求項13】 該核酸配列がウイルスベクターに組み込まれる請求項12
    記載の方法。
  14. 【請求項14】 該骨髄細胞または骨髄SP細胞が治療対象の哺乳動物から
    得られる請求項11〜13いずれか記載の方法。
  15. 【請求項15】 該骨髄細胞または骨髄SP細胞がドナー哺乳動物から得ら
    れる請求項11〜13いずれか記載の方法。
  16. 【請求項16】 該哺乳動物がヒトである請求項11〜15いずれか記載の
    方法。
  17. 【請求項17】 該筋ジストロフィーが肢帯筋ジストロフィーである請求項
    11〜16いずれか記載の方法。
  18. 【請求項18】 該筋ジストロフィーが、デュシェーヌ筋ジストロフィーお
    よびベッカー筋ジストロフィーからなる群より選ばれる請求項11〜16いずれ
    か記載の方法。
  19. 【請求項19】 該所望の核酸産物がジストロフィンである請求項18記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 哺乳動物における筋疾患の治療での使用のための薬剤の製
    造のための骨髄細胞または骨髄SP細胞の使用。
  21. 【請求項21】 哺乳動物における筋ジストロフィーの治療での使用のため
    の薬剤の製造のための骨髄細胞または骨髄SP細胞の使用。
  22. 【請求項22】 所望の核酸産物をコードする目的の核酸配列が骨髄細胞ま
    たは骨髄SP細胞に導入される請求項20または21記載の使用。
  23. 【請求項23】 哺乳動物における筋疾患の治療での使用のための骨髄細胞
    または骨髄SP細胞。
  24. 【請求項24】 該骨髄細胞または骨髄SP細胞が、それに導入された所望
    の核酸産物をコードする目的の核酸配列を含有してなる請求項23記載の骨髄細
    胞または骨髄SP細胞。
  25. 【請求項25】 該筋疾患が筋ジストロフィーである請求項23または24
    記載の骨髄細胞または骨髄SP細胞。
  26. 【請求項26】 請求項23〜25いずれか記載の骨髄細胞または骨髄SP
    細胞を含有してなる組成物。
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