JP2003509058A - T−dna組込みに関与する宿主遺伝子の付加による、向上した植物細胞形質転換 - Google Patents
T−dna組込みに関与する宿主遺伝子の付加による、向上した植物細胞形質転換Info
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Abstract
Description
ストンH2Aの過剰発現に起因する、植物の向上したAgrobacteriu
m形質転換頻度に関する。Agrobacterium tumefacien
sは、植物へ外来DNAを導入するために、植物生物学者によって利用されてい
る、グラム陰性の土壌細菌である。しかし、この形質転換ベクターの使用にはい
くつかの制限(例えば、単子葉植物を形質転換することの困難性および有用であ
るためには形質転換頻度が低すぎるかもしれないこと)がある。この実際の適用
については公知であるが、細菌から植物へのDNA移入の実際の機構は完全には
理解されていない。
ミドの一部(T−DNAと称される)を植物に移入し、そしてこのT−DNAを
植物ゲノムに組込むことによって、植物細胞を遺伝的に形質転換する。T−DN
A組込みプロセスについてはほとんど知られておらず、そして組込みに関与する
植物遺伝子はこれまで同定されていない。Agrobacteriumから植物
細胞へと移入されるDNAは、T−DNA(移入されるDNA)と呼ばれる、T
i(すなわち、腫瘍誘導性)プラスミドのセグメントである。T−DNAのプロ
セシングおよび移入を担うビルレンス(vir)遺伝子は、Tiプラスミド上の
どこかに存在することが報告されている。T−DNAのプロセシング、T−DN
Aの搬出のための細菌チャネルの形成、および植物細胞への細菌の付着における
vir遺伝子の役割が報告されている(ShengおよびCitovsky,1
996;ZupanおよびZambryski,1997)。対照的に、T−D
NAの移入および組込みにおける植物因子の役割についてはほとんど知られてい
ない。推定の植物因子の単離は近年報告されている。BallasおよびCit
ovskyは、植物のカリオフェリンα(karyopherin α(AtK
AP α))が、酵母ツーハイブリッド相互作用系においてVirD2核局在配
列と相互作用し得、そしておそらく、T複合体の核トランスロケーションに関与
することを示した。同様のアプローチを用いて、VirD2 NLSと相互作用
し得る、トマトの2C型プロテインホスファターゼであるDIG3が同定された
。AtKAP αとは異なり、DIG3は、核への移入において負の役割を果た
す。T−DNA/T複合体が核に入った後、これらは、植物の染色体に組込まれ
なければならない。植物の染色体DNAは、主にヒストンタンパク質からなるヌ
クレオソームになるようにパッケージングされている。入ってくるT−DNAは
、組込みプロセスの間にこのヌクレオソーム構造と相互作用しなければならない
かもしれない。しかし、T−DNAは、ゲノムのうちの転写される領域に優先的
に組込まれ得る。これらの領域は、ヒストンを一時的に含まないと考えられる。
正確には、T−DNA組込みがどのようにして生じるかは不明である。近年の報
告は、T−DNA組込みプロセスにおけるVirD2タンパク質の関与を示した
。植物のタンパク質もまた、このプロセスに関与するようである(Dengら,
1998;BallasおよびCitovsky,1997;Taoら)。T−
DNAの移入および組込みにおける植物因子の関与についての他の証拠は、Ag
robacterium形質転換に抵抗性である、Arabidopsisのい
くつかの生態型の同定からもたらされている。
めに、T−DNAタグ化Arabidopsisライブラリーを、Agroba
cterium形質転換に抵抗性である変異体(rat変異体)についてスクリ
ーニングした。植物遺伝子が、Agrobacterium媒介形質転換プロセ
スに関与するようであるいくつかの段階が存在する。第1に、植物によってコー
ドされる因子は、植物細胞表面への細菌付着の最初の段階に関与し得る。細菌付
着が欠損した変異体および生態型が同定されており、そして細菌付着に関与した
遺伝子が現在特徴付けられている。植物因子が関与し得る次の段階は、細菌から
植物細胞への、植物の細胞壁および細胞膜を横切ったT鎖の移入である。T−D
NA/T複合体が植物細胞の細胞質に侵入した後、植物因子は、T複合体を核へ
と輸送するために必要とされる。
形質転換に抵抗性である、Arabidopsis T−DNAタグ化変異体r
at5が特徴付けられた。遺伝的分析およびDNAブロット分析の両方は、ra
t5中の単一遺伝子座で縦列反復配列として組込まれた2コピーのT−DNAが
存在することを示した。T−DNA挿入部位を直接取り囲むrat5植物DNA
には主な再配列は存在しない。これらのデータは、rat5において、T−DN
Aが、Agrobacterium媒介形質転換に必要な遺伝子に挿入されたこ
とを強く示唆する。T−DNAレフトボーダー−植物連結部の配列は、T−DN
AがヒストンH2A遺伝子の3’非翻訳領域に挿入されたことを示した。この挿
入は、コンセンサスなポリアデニル化シグナルの上流である。Arabidop
sis生態型WsのcDNAライブラリーをスクリーニングし、そして20個の
異なるヒストンH2AのcDNAクローンを配列決定し、そしてコンピュータデ
ータベース検索を行うことによって、少なくとも6個の異なるヒストンH2A遺
伝子が示された。これらの遺伝子は、アミノ酸配列レベルで90%より高い同一
性のタンパク質をコードする。従って、ヒストンH2A遺伝子は、Arabid
opsisにおける小さな多重遺伝子ファミリーを含む。
は、原核生物および下等真核生物における最も一般的な外来DNA組込み方法で
あると考えられる)。なぜなら、T−DNAと標的配列との間に大きな相同性が
見出されないからである。T−DNAは、非正統的組換えによって組込まれると
報告されている(Matsumotoら,1990;Gheysenら,199
1;Mayerhoferら,1991;Ohbaら,1995)。非正統的組
換えは、高等植物のゲノムへのDNA組込みの主な機構である(Britt,1
996;Offringaら,1990;Paszkowskiら,1988)
。
ついての情報は、この方法の性能を改善するために必要である。
植物への付加に起因した、植物における増大したAgrobacterium形
質転換頻度に関する。1つの実施形態では、Arabidopsis RAT5
遺伝子によってコードされる少なくとも1つのヒストンH2A遺伝子の付加は、
ほぼ恐らく、宿主の天然の発現レベルと比較したヒストンの過剰発現に起因して
、形質転換頻度を向上させる。この遺伝子は、トランスジェニック植物中に存在
するか、または本発明の実施のための形質転換因子であるT−DNAによって運
搬されるかのいずれかであり得る。
acteriumの使用を制限する乏しい性能を克服する。多くの植物は、Ag
robacteriumによって一過性に形質転換され得、その結果、形質転換
遺伝子を一定の期間発現するが、T−DNA組込みの問題のために安定には形質
転換されない。それゆえ、トランスジェニック植物が産生されない。遺伝子H2
A(RAT5)は、植物ゲノムへのT−DNAの非正統的組換えにおいて重要な
役割を果たし、そして遺伝子の過剰発現は、形質転換を増強する。
野生型Arabidopsis植物およびrat5のArabidopsis植
物のゲノムへと組込まれたT−DNA量の評価は、rat5変異体が、形質転換
に必要とされるT−DNA組込みを欠損していることを示した。rat5変異の
補完は、野生型RAT5ヒストンH2A遺伝子をこの変異体植物において発現さ
せることによって達成された。驚くべきことに、野生型植物におけるRAT5の
過剰発現は、Agrobacteriumの形質転換効率を増大させた。さらに
、入ってくるT−DNAからのRAT5遺伝子の一過性の発現は、rat5変異
体を補完し、そして野生型Arabidopsis植物の形質転換効率を増大さ
せるのに十分であった。本発明は、T−DNA組込みにおける植物のヒストン遺
伝子の直接的な関与を用いて植物における安定な形質転換頻度を増大させる方法
および組成物を提供する。
のいくつかのT−DNAタグ化[T−DNAの組込みによって遺伝子がランダム
に破壊されている植物]変異体が、同定された。これらは、rat変異体(Ag
robacterium形質転換に抵抗性)と呼ばれる。これらの変異体の大部
分では、Agrobacterium形質転換は、植物細胞への細菌付着の間ま
たはT−DNA核移入の前のいずれかの、初期段階でブロックされる。しかし、
変異体のうちのいくつかでは、T−DNA組込み段階がブロックされている可能
性が最も高い。植物ゲノムへのT−DNAの非正統的組換えに関与する植物因子
はこれまで同定されていないので、T−DNA組込みが欠損しているT−DNA
タグ化Arabidopsis変異体rat5の特徴付けは、本発明の1つの局
面である。
bacteriumの根の形質転換に対して抵抗性であるとして以前に同定され
た。インビトロでの根接種アッセイを、野生型Agrobacterium株A
208(At10)を用いて行った。1ヵ月後、腫瘍を形成した根の束の百分率
を算出した。野生型植物(生態型Ws)の90%を超える根の束が、大きな緑色
の奇形腫を形成した。対照的に、rat5植物由来の10%よりも少ない根の束
が、感染に応答して、小さな黄色のカルスを形成した(図1A)。ホモ接合性の
rat5植物(花粉ドナー)を野生型植物(卵ドナー)に交配し、そして得られ
たF1後代を、Agrobacterium形質転換に対する感受性について試
験した。この分析は、rat5が優性変異であることを示した(7;図1A)。
F2後代のさらなる分析は、カナマイシン耐性が3:1に分離することを示した
。このことは、単一の遺伝子座がT−DNA変異誘発によって破壊されたことを
示す。カナマイシン耐性は、rat5の表現型と共分離した。このことは、Ag
robacterium形質転換に関与する遺伝子がT−DNA挿入によって変
異した可能性が最も高いことを示す。
よって決定した。この結果は、rat5変異体のゲノムには2コピーの変異誘発
性T−DNAしか組み込まれていないことを示した。さらなる分析は、図1Cに
示すように、これらの2コピーのT−DNAが直列の縦列反復配列として存在す
ることを示した。
術(材料および方法を参照のこと)を用いてrat5から回収し、そしてこのT
−DNA−植物連結部の制限エンドヌクレアーゼマップを構築した。植物のDN
AおよびLB DNAの両方を含む約1.7kbpのEcoRIフラグメントを
pBluescriptにサブクローン化し、続いて、Purdue Univ
ersity配列決定センターで配列決定した。このフラグメントの配列を図1
Bに示す。この連結領域のDNA配列分析は、ヒストンH2A遺伝子の3’非翻
訳領域(UTR)にT−DNAが挿入されたことを示した(図1B)。多数のc
DNAクローンおよびゲノムクローンを単離し、そして配列決定することによっ
て、ArabidopsisのヒストンH2A遺伝子をさらに特徴付けた。ヒス
トンH2Aの6つの異なる遺伝子改変体が同定された。このことは、Arabi
dopsisのヒストンH2A遺伝子が、小さな多重遺伝子ファミリーを構成す
ることを示す。λゲノムDNAライブラリーでは、RAT5に対応する野生型ヒ
ストンH2A遺伝子を含むクローンが同定された。このゲノムクローンのDNA
配列分析は、rat5では、T−DNAがコンセンサスなポリアデニル化シグナ
ル(AATAA)の上流に挿入されたことを示した。WsのDNAおよびrat
5のDNAのDNAブロット分析は、rat5におけるT−DNA挿入が挿入部
位のすぐ周囲の植物DNAに何の主な再配列も引き起こさないことを示した。R
AT5のヒストンH2A遺伝子の3’UTRの破壊は、rat5変異体における
rat表現型の唯一の原因であるようである。
is生態型Ws、rat5変異体およびF1後代の安定な形質転換。無菌の根セ
グメントを、A.tumefaciens A208に感染させた。共存培養2
日後、この根を、植物ホルモンを含まず、かつ抗生物質としてチメンチン(ti
mentin)を含むMS培地に移植した。4週間後に腫瘍を数えた。(B)r
at5/T−DNA連結領域の配列。(C)rat5におけるT−DNA組込み
のパターン。LB、T−DNAレフトボーダー;RB、T−DNAライトボーダ
ー;pBR322、β−ラクタマーゼ遺伝子およびColE1複製起点を含むp
BR322配列;Tn903、E.coli選択のためのカナマイシン耐性遺伝
子;Tn5、植物選択のためのカナマイシン耐性遺伝子。rat5変異体由来の
5μgのゲノムDNAを、EcoRIまたはSalIのいずれかで消化し、そし
てナイロンメンブレンにブロッティングした。pBR322のEcoRI−Sa
lIフラグメントを、ハイブリダイゼーションプローブとして用いた。T−DN
Aを超えることが示された制限フラグメントの大きさをEcoRI消化によって
検出し、そしてT−DNAよりも小さいと示された大きさをSalI消化によっ
て検出した。
パリンシンターゼターミネーター(3’NOS)を、1.7kbpの連結部フラ
グメントの3’領域に融合した(この1.7kbpのフラグメントの配列を図1
Bに示す)。この構築物は、それ自体のプロモーターを有するRAT5ヒストン
H2A遺伝子および3’NOSを含む。このフラグメント(RAT5+3’NO
S)を、ハイグロマイシン耐性遺伝子をT−DNAのレフトボーダーとライトボ
ーダーとの間に含むビーカーのバイナリーベクターpGTV−HPT中にクロー
ン化して、バイナリーベクターpKM4を得た(図2A)。第2の構築のために
、野生型WsDNAの、ヒストンH2A遺伝子(RAT5)+RAT5の上流お
よび下流の少なくとも2.0kbpの配列を含む、9.0kbpのSacIゲノ
ムフラグメントを、バイナリーベクターpGTV−HPTにクローン化して、バ
イナリーベクターpKM5を得た(図2B)。pKM4およびpKM5を、別々
に非腫瘍形成性Agrobacterium株GV3101に移入して、それぞ
れ、A.tumefaciens株At1012および株At1062を得た。
方法(Bentら,1998)を用いてrat5植物を形質転換し、そしてトラ
ンスジェニックrat5植物を、ハイグロマイシン(20μg/ml)に対する
耐性について選択した。いくつかのトランスジェニック植物(T1)が得られた
。これらのトランスジェニック植物を自家受粉させ、そしてT1種子を収集した
。At1012(3’NOSを有する野生型ヒストンH2A)での形質転換によ
って得られた6つのトランスジェニック系統をランダムに選択し、そしてそれら
の種子をハイグロマイシンの存在下で発芽させた。腫瘍形成アッセイを、Nam
ら(1999)に記載された通りに、A.tumefaciens At10お
よび無菌の根接種プロトコルを用いて、6つのトランスジェニック系統の各々由
来の少なくとも5つの異なる植物に対して行った。この結果は、試験した6つの
トランスジェニックrat5系統のうちの5つで、腫瘍形成感受性表現型が回復
(recover)されたことを示した(図2C;表1)。これらの植物の根で
刺激された奇形腫は、野生型植物で生じた腫瘍と類似しているようであった。試
験したトランスジェニック植物のうちの1つは、腫瘍形成感受性表現型を回復し
なかった。これはおそらく、導入遺伝子が不活性であることによる。At106
2(野生型植物由来のRAT5をコードするゲノムを含む)での形質転換によっ
て得られたrat5のトランスジェニックT1植物をまた、腫瘍形成感受性表現
型の回復(restoration)について試験した。これらの植物のうちの
いくつかはまた、腫瘍感受性表現型を回復し得た。このことは、rat5変異の
補完を示す。rat5変異体をpGPTV−HPT単独で形質転換することによ
って生成されるハイグロマイシン耐性トランスジェニック植物は、A.tume
faciens A208での感染の際に腫瘍を形成しなかった。
1012でのrat5変異体の形質転換によって得られたrat5トランスジェ
ニック系統のうちの1つ(rat5 At1012−6)について共分離分析を
行った。腫瘍形成感受性表現型を有する野生型RAT5遺伝子を含む補完するT
−DNAの共分離を調べるために、rat5変異についてホモ接合性であるがハ
イグロマイシン耐性についてヘテロ接合性であるT2植物由来の種子を、選択せ
ずにB5培地上で発芽させ、そして増殖させた。続いて、これらの植物の根を、
ハイグロマイシン耐性およびクラウンゴール腫瘍形成に対する感受性について試
験した。ハイグロマイシンに対して感受性である全ての植物はまた、rat5変
異体の耐性と同様の様式で腫瘍形成について耐性であった。25のハイグロマイ
シン耐性植物のうち、少なくとも8つは、腫瘍形成に対して感受性であった。し
かし、17のハイグロマイシン耐性植物は、Agrobacterium媒介形
質転換に対して抵抗性のままであった。これらの植物は、補完するRAT5遺伝
子に関してヘテロ接合性であるようであり、そして腫瘍形成に対する感受性を回
復させるに十分に高いレベルまではこの遺伝子を発現しなかった。この可能性は
、rat5変異が優性であり、それゆえ、RAT5の1つの活性なコピーはAg
robacterium媒介形質転換を可能にするに十分ではないという知見に
対応する。まとめて考えると、分子的データおよび遺伝子的データは、rat5
変異体において、ヒストンH2A遺伝子の破壊が、腫瘍形成欠損(rat)表現
型の原因であることを強力に示す。
obacterium形質転換の効率を改善する。RAT5遺伝子がAgrob
acterium媒介形質転換において直接的な役割を果たすか否かをさらに決
定するために、A.tumefaciens At1012を用いて、さらなる
コピーのRAT5ヒストンH2A遺伝子を含むいくつかのトランスジェニックA
rabidopsis植物(生態型Ws)を作製した。これらのトランスジェニ
ック植物を自家受粉させ、T1の種子を収集し、そしてT2植物をハイグロマイ
シンの存在下で発芽させた。腫瘍形成アッセイを、本明細書中に記載の通りに、
4つの異なるトランスジェニック系統の各々由来の少なくとも5つの植物につい
て行った。生態型Wsは通常、Agrobacterium形質転換に対して非
常に感受性であるので、腫瘍形成アッセイを変更して、形質転換感受性野生型植
物とRAT5を過剰発現するトランスジェニック野生型植物との間でのいかなる
わずかな差をも検出した。これらの変更は、通常使用される(2×109cfu
/ml)よりも100倍低い濃度(2×107cfu/ml)の細菌での根のセ
グメントの接種、および根のセグメントの束とするのではなく、個々の根のセグ
メントをMS培地上に広げて腫瘍の産生を観察したことを含んでいた。この結果
は、表1および図2Dに示すように、RAT5を過剰発現するトランスジェニッ
ク植物が野生型Ws植物よりも約2倍、根形質転換に対して感受性が高いことを
示す。これらのデータは、RAT5ヒストンH2A遺伝子が、T−DNA形質転
換において直接的な役割を果たすこと、およびRAT5の過剰発現が形質転換に
対する感受性を増大させ得ることを示す。
生型Ws植物の形質転換効率を増大させるに十分である。入ってきたT−DNA
由来のRAT5ヒストンH2A遺伝子の発現は、rat5変異体を補完する。p
GPTV−HYG(ヒストンH2A遺伝子を含まない)を保有するAgroba
cterium株でのこの変異体の形質転換は、ハイグロマイシン選択培地上に
、ごくわずかの、ゆっくりと増殖するカルスをもたらし、pKM4またはpKM
5を保有するAgrobacterium株は、迅速に増殖するハイグロマイシ
ン耐性カルスをそれぞれ、rat5の根のセグメントの束の60±21%および
54±22%について刺激した。さらに、pKM4を保有する腫瘍形成性Agr
obacterium株(A208)で野生型植物を(低細菌密度で)感染させ
た場合、pGPTV−HYGを保有する腫瘍形成性細菌株で感染させた36±9
%の根のセグメントと比較して、78±8%の根のセグメントが腫瘍を発生した
。これらの形質転換実験は、バイナリーベクターpKM4またはpKM5を含む
Agrobacterium株が、rat5変異体植物を比較的高い効率で形質
転換し得、野生型植物に対して腫瘍形成性が2倍高く、そして「空の」バイナリ
ーベクターpGPTV−HYGを含むAgrobacterium株よりもハイ
グロマイシン耐性カルスを良好に刺激し得ることを示す。一過性に産生されたヒ
ストンH2Aは、Agrobacteriumによる植物の安定な形質転換効率
を改善し得る。
s rat5変異体のAgrobacterium媒介形質転換は、一過性の形
質転換の高い効率をもたらしたが、しかし、T−DNAによってコードされるg
usA遺伝子の発現によって決定した場合、安定な形質転換の低い効率を生じた
。この結果は、rat5がT−DNA組込みを欠損している可能性が最も高いこ
とを示唆した。この仮説を直接試験するために、Ws植物およびrat5植物由
来の根のセグメントを、T−DNAバイナリーベクターpBISN1を保有する
A.tumefaciens GV3101で接種した。pBISN1は、「ス
ーパープロモーター」の制御下にgusA−イントロン遺伝子を含む(Niら,
1995;Narasimhuluら,1996)。共存培養2日後、根のセグ
メントを、チメンチン(100μg/ml)を含むカルス誘導培地に移植して、
細菌を殺傷した。感染の3日後、いくつかのセグメントを、色素原性色素X−g
lucを用いてGUS活性について染色した。野生型およびrat5変異体の両
方が、高いレベルのGUS発現を示した(約90%の根のセグメントが青く染色
された;図3A)。残りの根のセグメントを、Agrobacteriumを殺
傷するためにチメンチンを含むが植物形質転換の選択のための抗生物質を何ら含
まないカルス誘導培地上でカルスを形成させた。4週間後、少なくとも5つの異
なるWs植物およびrat5植物から誘導された多数のカルスをX−glucで
染色した。サンプリングしたWsカルスのうち、92±12%は、大きな青色の
染色領域を示したが、一方、26±10%のrat5のカルスしかGUS活性を
示さず、そしてこれらの青色の染色領域の大部分は、小さかった(図3A)。こ
れらのデータは、rat5変異体がgusA遺伝子を高レベルで一過的に発現し
得るが、gusA発現を安定化できなかったことを示す。
さらに1ヶ月後、Wsカルスおよびrat5カルス由来の高分子量植物DNAに
組み込まれたT−DNAの量を(pBISN1のT−DNA内に位置するgus
A−イントロン遺伝子をハイブリダイゼーションプローブとして用いて)アッセ
イした(Namら,1997;Mysoreら,1998)。図3Bは、野生型
Ws植物のゲノムに組み込まれたT−DNAは容易に検出可能であるとはいえ、
rat5ゲノムに組み込まれたT−DNAはそうでないことを示す。これらのデ
ータは、rat5がT−DNA組込みを欠損していることを直接実証する。レー
ンの各々における植物DNAの等しいローディングを実証するために、gusA
プローブをブロットからストリッピングし、そしてArabidopsisフェ
ニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)遺伝子プローブを用いてブロットを
再度ハイブリダイズした。
けるRAT5の過剰発現を示す。バイナリーベクターpKM4(A)およびpK
M5(B)のマップ。RB、T−DNAライトボーダー;LB、T−DNAレフ
トボーダー;pAnos、ノパリンシンターゼポリアデニル化シグナル配列;ヒ
ストンH2A、RAT5ヒストンH2A遺伝子のコード配列;pH2A、RAT
5ヒストンH2A遺伝子のプロモーター配列;Pnos、ノパリンシンターゼプ
ロモーター;hpt、ハイグロマイシン耐性遺伝子;pAg7、アグロピンシン
ターゼポリアデニル化シグナル配列;uidA、プロモーターレスgusA遺伝
子。ヒストンH2A遺伝子、uidA遺伝子およびhpt遺伝子の上の矢印は、
転写方向を示す。(C)rat5変異体の補完。rat5変異体植物を、バイナ
リーベクターpKM4(At1012)を含むAgrobacterium株で
形質転換した。ハイグロマイシン耐性トランスジェニック植物を得て、そして自
家受粉してT2植物を得た。RAT5を発現するT2植物、野生型Ws植物およ
びrat5変異体植物の無菌の根のセグメントを、腫瘍形成性A.tumefa
ciens株A208に感染させた。共存培養2日後、この根を、植物ホルモン
を含まずチメンチンを含むMS培地に移した。4週間後に腫瘍を数えた。(D)
RAT5ヒストンH2A遺伝子を過剰発現するWsトランスジェニック植物の腫
瘍形成アッセイ。Ws植物を、バイナリーベクターpKM4を含むA.tume
faciens At1012で形質転換した。ハイグロマイシン耐性トランス
ジェニック植物を得て、これを自家受粉して、T2植物を得た。RAT5を過剰
発現するT2植物および野生型Ws植物の無菌の根のセグメントを、A.tum
efaciens A208を低い細菌密度で用いて感染させた。共存培養2日
後、この根を、植物ホルモンを含まずチメンチンを含むMS培地に移した。4週
間後に腫瘍を数えた。
似するようであった。試験したトランスジェニック植物のうちの1つは、腫瘍形
成感受性表現型を回復させなかった。これはおそらく、導入遺伝子が不活性であ
ることによる。At1062(野生型植物由来のRAT5をコードするゲノムを
含む)での形質転換によって得られたrat5のトランスジェニックT1植物を
また、腫瘍形成感受性表現型の回復について試験した。これらの植物のいくつか
はまた、腫瘍形成感受性表現型を回復し得た。このことは、rat5変異の補完
を示す。rat5変異体をpGPTV−HPT単独で形質転換することによって
生成されたハイグロマイシン耐性トランスジェニック植物は、A.tumefa
ciens A208での感染の際に腫瘍を形成しなかった。
A)Wsおよびrat5における一過性および安定なGUS発現;Ws植物およ
びrat5植物の無菌の根のセグメントを、バイナリーベクターpBISN1を
含む非腫瘍形成性Agrobacterium株GV3101に感染させた。共
存培養2日後、この根を、チメンチンを含むカルス誘導培地(CIM)に移した
。感染3日後、セグメントの半分をX−glucで染色して、一過性のGUS発
現の効率を決定した。他の群のセグメントを、CIM上でカルスを形成させた。
4週間後、これらのカルスをX−glucで染色して、安定なGUS発現の効率
を決定した。(B)rat5植物およびWs植物におけるT−DNA組込み。懸
濁細胞を、バイナリーベクターpBISN1を含む非腫瘍形成性Agrobac
terium株GV3101に感染させたWsおよびrat5の根のセグメント
から生成されたカルスから誘導した。懸濁細胞株を、Agrobacteriu
mを殺傷するためにチメンチンまたはセフォタキシムの存在下で3週間増殖させ
た(形質転換についての選択なし)。ゲノムDNAをこれらの細胞から単離し、
0.6%アガロースでの電気泳動に供し、ナイロンメンブレンにブロッティング
し、そしてgusA遺伝子プローブとハイブリダイズした。オートラジオグラフ
ィー後、このメンブレンをストリッピングし、そしてフェニルアラニンアンモニ
アリアーゼ(PAL)遺伝子プローブと再度ハイブリダイズさせて、各レーンに
おけるDNAの等しいローディングを決定した。
単離した。制限エンドヌクレアーゼ消化、アガロースゲル電気泳動、プラスミド
単離およびDNAブロット分析を、記載された(Sambrookら,1982
)通りに行った。
DNAをフェノール/クロロホルムで抽出し、そしてエタノールで沈澱させた。
DNAを、500μlの最終容量で、1×連結緩衝液(Promega)中で3
単位のT4 DNAリガーゼを用いて16℃で16時間自己連結させた。連結混
合物をエタノールで沈澱させ、エレクトロポレーション(25μF、200Ωお
よび2.5kV)によって電気的にコンピテントな(electrocompe
tent)E.coli DH10B細胞(mcrBC−;Life Tech
nologies,Inc.,Gaithersburg,MD)中に形質転換
し、そしてアンピシリン(100μg/ml)を含むLB培地上にプレーティン
グした。アンピシリン耐性コロニーをナイロンメンブレンに載せ、この細菌を溶
解し、そしてDNAをインサイチュで変性させた(Sambrookら,198
2)。放射性標識したレフトボーダー(LB)配列(pE1461の3.0kb
pのEcoRIフラグメント)をハイブリダイゼーションプローブとして用いて
、LBを含むプラスミドを同定した。陽性コロニーを拾い、そしてプラスミドD
NAを単離した。制限断片分析によって、LBおよび植物連結部DNAの両方を
含むプラスミドが同定された。連結部のフラグメントを野生型植物DNAにハイ
ブリダイズさせることによって、植物の連結部のフラグメントを確認した。この
プラスミド(LB−植物連結部DNAを含む)の制限マップを作成した。植物D
NA+75塩基対のLB配列を含む1.7kbpのEcoRIフラグメントをp
Bluescript中にサブクローン化して、pE1509を得た。続いて、
このフラグメントを、Purdue University配列決定センターで
配列決定した。
sis thalianaの根の接種) これらを、Namら(1997)によって以前記載された通りに行った。
isnerおよびE.Ashworthから得た(元々、それぞれ、Arabi
dopsis Stock Centre,Nottingham,UKおよび
Arabidopsis Biological Resource Cent
er,Ohio State University,Columbus由来)
。種子を、50%の市販の漂白剤および0.1% SDSから構成される溶液を
10分間用いて表面滅菌し、次いで無菌の蒸留水で5分間リンスした。種子を、
0.75%バクトアガー(bactoagar)(Difco)で凝固させたG
amborgのB5培地(GIBCO)を含むペトリ皿において発芽させた。こ
のプレートを最初に4℃で2日間インキュベートし、そして16時間明/8時間
暗の光周期の下で25℃で7日間インキュベートした。実生を個々に、ベビーフ
ードジャー(baby food jar)を含む凝固させたB5培地に移し、
そして根の培養のために7〜10日間生長させた。あるいは、実生を、抽だい(
bolt)接種のために土壌に移した。
10μg/mL;カナマイシン、100μg/mL)を補充したYEP培地(L
ichtensteinおよびDraper,1986)中で30℃で増殖させ
た。一晩の細菌培養物を0.9% NaClで洗浄し、そして0.9% NaC
l中に、インビトロでの根インキュベーションのためには1mLあたり2×10 9 コロニー形成単位で、抽だい接種のためには1mLあたり2×1011コロニー
形成単位で再懸濁した。
断し(約0.5cm)、そして滅菌濾紙上で軽く拭って過剰の水を除去した。い
くつかの実験については、切り出した根を、カルス誘導培地(CIM;4.32
g/LのMurashigeおよびSkoog[MS]最少塩[GIBCO]、
0.5g/L Mes、pH5.7、1mL/L ビタミンストック溶液[0.
5mg/mL ニコチン酸、0.5mg/mL ピリドキシンおよび0.5mg
/mL チアミン−HCl]、100mg/L ミオイノシトール、20g/L
グルコース、0.5mg/L 2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、0.3mg
/L カイネチン、5mg/L インドール酢酸および0.75%バクトアガー
)上で1日間予めインキュベートし、その後、これらの根をセグメントに切断し
た。乾燥させた束の根のセグメントをMS基本培地(4.32g/LのMS最少
塩、0.5g/L Mes、pH5.7、1mL/L ビタミンストック溶液、
100mg/L ミオイノシトール、10g/L スクロースおよび0.75%
バクトアガー)に移し、そして2滴または3滴の細菌懸濁物をこれらの上に置い
た。10分後、大部分の細菌溶液を除去し、そして細菌および根のセグメントを
25℃で2日間共存培養した。
rasimhuluら,1996)を含むAgrobacterium株GV3
101に感染させた根の束を用いた(KonczおよびSchell,1986
)。種々の期間の後、根を水でリンスし、濾紙上で軽く拭い、そしてX−glu
c染色溶液(50mM NaH2HPO4、10mM Na2・EDTA、300
mM マンニトールおよび2mM X−gluc、pH7.0)で1日間、37
℃にて染色した。β−グルクロニダーゼ(GUS)活性の定量的測定のために、
根をGUS抽出緩衝液(50mM Na2HPO4、5mM DTT、1mM N
a2EDTA、0.1% サルコシルおよび0.1% Triton X−10
0、pH7.0)を含む微量遠心管中で粉砕し、そしてGUS比活性を、Jef
fersonら(1987)に従って測定した。
に感染させた。2日後、根の束を、寒天の表面にこすり付けて、過剰な細菌を除
去し、次いでチメンチン(100μg/mL)を含む滅菌水で洗浄した。個々の
根のセグメント(最初のアッセイ)または小さな根の束(5〜10個の根のセグ
メント;改変アッセイ)を、ホルモンを含まないがチメンチン(100μg/m
L)を含むMS基本培地に移し、そして4週間インキュベートした。
SN1を含むAgrobacterium株GV3101で接種した。2日後、
小さな根の束(または個々の根のセグメント)を、チメンチン(100μg/m
L)およびカナマイシン(50μg/mL)を含むCIMに移した。25℃での
4週間のインキュベーション後にカナマイシン耐性カルスを数えた。
グメントを2日後に、選択を何ら伴わずにチメンチン(100μg/mL)を含
むCIMに移した。4週間後、GUS活性を、X−glucを用いて染色するこ
とによって、または上記のように4−メチルウンベリフェニルβ−Dガラクトシ
ド(MUG)蛍光比色アッセイを用いてGUS比活性を測定することによっての
いずれかでアッセイした。
を、2日後に、チメンチン(100μg/mL)を含むCIMに移し、そしてカ
ルスを、選択を伴わずにCIM上で増殖させた。根の束を、上記のようにMUG
蛍光比色アッセイを用いて種々の時点でアッセイして、GUS比活性を測定した
。
ントを含むプラスミドpE1509をEcoRIで消化して、連結部のフラグメ
ントを放出させた。5’の突出部の末端を、DNAポリメラーゼIのクレノウフ
ラグメントおよびデオキシヌクレオチド三リン酸を用いてフィルインした。T−
DNAバイナリーベクター(pE1011)pGTV−HPT(Beckerら
,1992)を酵素SacIおよびSmaIで消化して、pGTV−HPTから
プロモーターレスgusA遺伝子を放出した。複製起点およびハイグロマイシン
耐性遺伝子(hpt)を含むより大きなフラグメントの3’突出部の配列を、ク
レノウDNAポリメラーゼの3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を用いて除去し
、そして得られた1.7kbpの平滑末端フラグメントをバイナリーベクターの
平滑末端に連結した。正しい方向で1.7kbpのフラグメントを含むバイナリ
ーベクタープラスミド(ヒストンH2A遺伝子の下流のpAnos)を選択し、
そしてpKM4(株E1547)と名付けた。
bpの野生型ゲノムSacIフラグメントを、プラスミドpBluescrip
tのSacI部位にクローニングした。続いて、この9.0kbpのSacIフ
ラグメントを、SacIでの消化によってpBluescriptから放出し、
そしてバイナリーベクターpGTV−HPTのSacI部位にクローニングして
、プラスミドpKM5(株E1596)を得た。pKM4およびpKM5の両方
を、三親交配(triparental mating)(Dittaら,19
80)によって非腫瘍形成性Agrobacterium株GV3101中に別
々に移して、それぞれ、A.tumefaciens株Au1012および株A
t1062を得た。
た通りに行った。トランスジェニック植物を、ハイグロマイシン(20μg/m
l)を含むB5培地上で選択した。
is生態型Ws、rat5変異体およびF1後代の安定な形質転換;(B)ra
t5/T−DNA連結領域の配列;(C)rat5におけるT−DNA組込みの
パターン:LB、T−DNAレフトボーダー;RB、T−DNAライトボーダー
;pBR322、β−ラクタマーゼ遺伝子およびColE1複製起点を含むpB
R322配列;Tn903、E.coli選択のためのカナマイシン耐性遺伝子
;Tn5、植物選択のためのカナマイシン耐性遺伝子。
is生態型Ws、rat5変異体およびF1後代の安定な形質転換;(B)ra
t5/T−DNA連結領域の配列;(C)rat5におけるT−DNA組込みの
パターン:LB、T−DNAレフトボーダー;RB、T−DNAライトボーダー
;pBR322、β−ラクタマーゼ遺伝子およびColE1複製起点を含むpB
R322配列;Tn903、E.coli選択のためのカナマイシン耐性遺伝子
;Tn5、植物選択のためのカナマイシン耐性遺伝子。
is生態型Ws、rat5変異体およびF1後代の安定な形質転換;(B)ra
t5/T−DNA連結領域の配列;(C)rat5におけるT−DNA組込みの
パターン:LB、T−DNAレフトボーダー;RB、T−DNAライトボーダー
;pBR322、β−ラクタマーゼ遺伝子およびColE1複製起点を含むpB
R322配列;Tn903、E.coli選択のためのカナマイシン耐性遺伝子
;Tn5、植物選択のためのカナマイシン耐性遺伝子。
けるRAT5の過剰発現を示す;バイナリーベクターpKM4(A)およびpK
M5(B)のマップ。RB、T−DNAライトボーダー;LB、T−DNAレフ
トボーダー;pAnos、ノパリンシンターゼポリアデニル化シグナル配列;ヒ
ストンH2A、RAT5のヒストンH2A遺伝子のコード配列;pH2A、RA
T5のヒストンH2A遺伝子のプロモーター配列;Pnos、ノパリンシンター
ゼプロモーター;hpt、ハイグロマイシン耐性遺伝子;pAg7、アグロピン
シンターゼポリアデニル化シグナル配列;uidA,プロモーターレスgusA
遺伝子;ヒストンH2A遺伝子、uidA遺伝子およびhpt遺伝子の上の矢印
は、転写方向を示す;(C)rat5変異体の補完;(D)RAT5のヒストン
H2A遺伝子を過剰発現するWsトランスジェニック植物の腫瘍形成アッセイ。
けるRAT5の過剰発現を示す;バイナリーベクターpKM4(A)およびpK
M5(B)のマップ。RB、T−DNAライトボーダー;LB、T−DNAレフ
トボーダー;pAnos、ノパリンシンターゼポリアデニル化シグナル配列;ヒ
ストンH2A、RAT5のヒストンH2A遺伝子のコード配列;pH2A、RA
T5のヒストンH2A遺伝子のプロモーター配列;Pnos、ノパリンシンター
ゼプロモーター;hpt、ハイグロマイシン耐性遺伝子;pAg7、アグロピン
シンターゼポリアデニル化シグナル配列;uidA,プロモーターレスgusA
遺伝子;ヒストンH2A遺伝子、uidA遺伝子およびhpt遺伝子の上の矢印
は、転写方向を示す;(C)rat5変異体の補完;(D)RAT5のヒストン
H2A遺伝子を過剰発現するWsトランスジェニック植物の腫瘍形成アッセイ。
けるRAT5の過剰発現を示す;バイナリーベクターpKM4(A)およびpK
M5(B)のマップ。RB、T−DNAライトボーダー;LB、T−DNAレフ
トボーダー;pAnos、ノパリンシンターゼポリアデニル化シグナル配列;ヒ
ストンH2A、RAT5のヒストンH2A遺伝子のコード配列;pH2A、RA
T5のヒストンH2A遺伝子のプロモーター配列;Pnos、ノパリンシンター
ゼプロモーター;hpt、ハイグロマイシン耐性遺伝子;pAg7、アグロピン
シンターゼポリアデニル化シグナル配列;uidA,プロモーターレスgusA
遺伝子;ヒストンH2A遺伝子、uidA遺伝子およびhpt遺伝子の上の矢印
は、転写方向を示す;(C)rat5変異体の補完;(D)RAT5のヒストン
H2A遺伝子を過剰発現するWsトランスジェニック植物の腫瘍形成アッセイ。
けるRAT5の過剰発現を示す;バイナリーベクターpKM4(A)およびpK
M5(B)のマップ。RB、T−DNAライトボーダー;LB、T−DNAレフ
トボーダー;pAnos、ノパリンシンターゼポリアデニル化シグナル配列;ヒ
ストンH2A、RAT5のヒストンH2A遺伝子のコード配列;pH2A、RA
T5のヒストンH2A遺伝子のプロモーター配列;Pnos、ノパリンシンター
ゼプロモーター;hpt、ハイグロマイシン耐性遺伝子;pAg7、アグロピン
シンターゼポリアデニル化シグナル配列;uidA,プロモーターレスgusA
遺伝子;ヒストンH2A遺伝子、uidA遺伝子およびhpt遺伝子の上の矢印
は、転写方向を示す;(C)rat5変異体の補完;(D)RAT5のヒストン
H2A遺伝子を過剰発現するWsトランスジェニック植物の腫瘍形成アッセイ。
A)Wsおよびrat5における一過性および安定なGUS発現;(B)rat
5植物およびWs植物におけるT−DNA組込み。
A)Wsおよびrat5における一過性および安定なGUS発現;(B)rat
5植物およびWs植物におけるT−DNA組込み。
Claims (11)
- 【請求項1】 宿主植物における形質転換頻度を増大させる方法であって、
該方法は、以下: a.少なくとも1コピーの植物ヒストン遺伝子を、該宿主植物に付加する工程
、および b.該植物ヒストン遺伝子のコピーを発現させて、形質転換頻度を増大させる
工程、 を包含する、方法。 - 【請求項2】 前記ヒストン遺伝子が、H2A遺伝子である、請求項1に記
載の方法。 - 【請求項3】 少なくとも1コピーのさらなるヒストン遺伝子を含む、トラ
ンスジェニック植物。 - 【請求項4】 前記ヒストン遺伝子が、ArabidopsisのRAT5
遺伝子である、請求項3に記載のトランスジェニック植物。 - 【請求項5】 外来植物ゲノムへのT−DNA組込みを妨害する、RAT5
遺伝子変異体。 - 【請求項6】 rat5と称される、請求項5に記載の変異体。
- 【請求項7】 遺伝子構築物であって、発現された場合に宿主植物における
形質転換頻度を増大させ得る少なくとも1コピーのヒストン遺伝子を含む、遺伝
子構築物。 - 【請求項8】 前記ヒストン遺伝子が、H2Aである、請求項7に記載の遺
伝子構築物。 - 【請求項9】 前記ヒストン遺伝子が、RAT5 Arabidopsis
遺伝子である、請求項8に記載の遺伝子構築物。 - 【請求項10】 T−DNA組込みに関与する少なくとも1コピーの遺伝子
によって形質転換された宿主細胞であって、該遺伝子が、ヒストンの過剰発現を
もたらして、植物形質転換頻度を向上させ得る、宿主細胞。 - 【請求項11】 前記遺伝子が、ArabidopsisのRAT5遺伝子
である、請求項10に記載の宿主細胞。
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WO1999061619A2 (en) * | 1998-05-22 | 1999-12-02 | Pioneer Hi-Bred International, Inc. | Cell cycle genes, proteins and uses thereof |
US6518487B1 (en) * | 1998-09-23 | 2003-02-11 | Pioneer Hi-Bred International, Inc. | Cyclin D polynucleotides, polypeptides and uses thereof |
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