JP2003345373A - 音声合成装置及び音声明瞭化方法 - Google Patents

音声合成装置及び音声明瞭化方法

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JP2003345373A
JP2003345373A JP2002155683A JP2002155683A JP2003345373A JP 2003345373 A JP2003345373 A JP 2003345373A JP 2002155683 A JP2002155683 A JP 2002155683A JP 2002155683 A JP2002155683 A JP 2002155683A JP 2003345373 A JP2003345373 A JP 2003345373A
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弓子 加藤
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勝義 山上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切な強調帯域を自動的に設定し、合成
音声の明瞭度の向上を図ること。 【解決手段】 分離部102は音声波形から無声子音素
片を分離し、スペクトル抽出部103は無声子音素片か
ら音韻全体あるいは音韻の一部に対して時間平均したス
ペクトル分布を求める。フィルタ係数計算部104は、
スペクトル分布をn次関数で近似し、この近似曲線とス
ペクトル分布との差分を求めることにより、無声子音素
片の特徴を表すスペクトル特性を算出する。フィルタ1
05は、そのスペクトル特性を伝達関数とするフィルタ
を構成し、素片のスペクトル分布に対してフィルタ処理
を施すことにより、スペクトル分布の特徴を強調する。
音声素片記憶部106は、強調された無声子音素片と処
理を施していない母音及び有声子音を素片として記憶
し、素片接続部107は、音声素片を接続することによ
り任意の音声を合成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テキストを音声に
変換する音声規則合成システムに用いられ、特に高齢
者、聴覚障害者に対する場合、あるいは騒音下で使用す
る場合に明瞭に音声伝達を行う音声合成装置及び音声明
瞭化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テキストを音声に変換する音声規則合成
技術は、文字で伝送されてきた情報を人間にとってわか
りやすい形式で伝達する一つの手段として知られてい
る。特に端末が携帯用の小型端末である場合には、テキ
ストを音声に変換することが効果的である。
【0003】従来の音声合成装置は、入力されたテキス
トを構文解析して読み情報、韻律情報を生成し、生成さ
れた読み情報に従って合成単位である音声素片を素片デ
ータベースより選択し、韻律情報に従って接続して合成
音声を生成する。
【0004】音声素片はあらかじめ録音された音声の波
形からCV、VCV、CVCなどの単位で切り出して作
成される。ここで、Cは子音を、Vは母音を、各々あら
わす。いずれの単位で切り出された素片を用いるもので
あっても、音声素片を次々と接続していくことにより合
成音を生成する。
【0005】ところが、このような音声合成装置は、合
成音は限られた音声素片を用いていることや、合成時の
接続処理や変形処理によって欠落している情報が多く、
騒音によるマスキングや聴覚障害の影響を受けやすい。
このため、騒音下での使用や聴覚に障害がある人が、こ
のような音声合成装置を使用すると、合成された音声が
聞き取りにくいという問題が指摘されている。
【0006】これに対して、特開平10−83193号
公報において、使用者の聴覚特性に合わせて、音声合成
に使用する合成単位に特定の帯域の強調処理を施す、あ
るいは振幅のダイナミックレンジを圧縮する処理を施す
等の処理に関する技術が提案されている。
【0007】ここで、音声明瞭化技術においては、素片
を作成しようとする音声毎、また、素片の音韻毎、場合
によっては素片毎に強調帯域を設定しなければならな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
音声明瞭化技術においては、使用者や環境あるいは素片
用の音声に合わせた適切な強調帯域を自動的に設定する
方法が開示されていない。このため、強調帯域と強調度
合いの設定を人手で行わなければならず、多大な労力を
必要とするという問題がある。
【0009】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、適切な強調帯域を自動的に設定することができ、
合成音声の明瞭度の向上を図ることができる音声合成装
置及び音声明瞭化方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の音声合成装置
は、音声波形から特定の音声素片を分離する分離手段
と、前記音声素片のスペクトルの特徴を強調するフィル
タ処理を行うフィルタ手段と、前記フィルタ手段にて処
理された音声素片を他の音声素片と接続して音声を合成
する素片接続手段とを具備する構成を採る。
【0011】本発明の音声合成装置は、分離手段にて分
離された音声素片のスペクトルをn次関数で近似するこ
とにより近似曲線を計算し、前記音声素片のスペクトル
から前記近似曲線を差し引いて得られたスペクトル特性
を算出するフィルタ係数計算手段を具備し、フィルタ手
段は、前記スペクトル特性を伝達関数とするフィルタを
構成する構成を採る。
【0012】これらの構成により、特定の音声素片毎に
スペクトル特性を求めて素片毎に最適な強調フィルタを
自動的に設定することができるため、各音声素片の特徴
に応じて的確にスペクトルを強調することが可能であ
り、録音音声に対して一定の強調フィルタ処理を施す場
合に明瞭度を大幅に向上させることができる。
【0013】本発明の音声合成装置は、音声波形から複
数の音韻カテゴリを選び出す音韻カテゴリ判定手段と、
前記選び出された複数の音韻カテゴリの平均スペクトル
を計算する平均スペクトル計算手段と、前記平均スペク
トルをn次関数で近似することにより近似曲線を計算
し、前記平均スペクトルから前記近似曲線を差し引いて
得られたスペクトル特性を算出するフィルタ係数計算手
段を具備し、フィルタ手段は、前記スペクトル特性を伝
達関数とするフィルタを構成する構成を採る。
【0014】この構成により、通常の発話だけでなく、
揺れのある発話や曖昧な発話についても、その音韻らし
い特徴を持った素片に修正することが可能となる。
【0015】本発明の音声合成装置におけるフィルタ係
数計算手段は、音声素片のスペクトルの低域成分を除去
して近似曲線を計算する構成を採る。
【0016】この構成により、音声波形データに含まれ
るバイアス成分などが現れていることが多い低域のスペ
クトルを除去することができ、スペクトル分布の特徴
(凹凸)を正しく抽出することができる。
【0017】本発明の音声合成装置におけるフィルタ係
数計算手段は、所定の定数を乗算してスペクトル特性の
振幅を一様に拡大する構成を採る。
【0018】この構成により、スペクトル強調の度合い
を強化することができ、雑音下でも聞き取りやすい音声
を提供することができる。
【0019】本発明の音声合成装置におけるフィルタ係
数計算手段は、使用者の聴力曲線と健聴者の聴力曲線の
差である補償曲線をスペクトル特性に加算して新たなス
ペクトル特性とする構成を採る。
【0020】この構成により、聴覚特性において個人差
が大きい高齢者や難聴者に対しても、各々に聞き取りや
すい合成音声を提供することができる。
【0021】本発明の音声合成装置は、分離手段が音声
波形から分離する特定の音声素片は子音素片である構成
を採る。
【0022】本発明の音声合成装置は、分離手段が音声
波形から分離する特定の音声素片は無声子音素片である
構成を採る。
【0023】これらの構成により、適切な強調帯域を自
動的に設定することができ、合成音声の明瞭度を大幅に
向上することができる。
【0024】本発明の音声明瞭化方法は、予め録音され
た音声波形である音声素片の接続によって任意の音声を
合成する音声合成システムに用いられ、音声波形の音韻
スペクトルの特徴を強調するフィルタを構成し、そのフ
ィルタを用いて前記音韻スペクトルを強調する方法をと
る。
【0025】本発明の音声明瞭化方法は、音声波形から
分離した特定の音声素片のスペクトルの特徴を強調する
フィルタ処理を行う工程と、フィルタ処理された音声素
片を他の音声素片と接続して音声を合成する工程とを有
する方法をとる。
【0026】本発明の音声明瞭化方法は、音声波形から
分離した特定の音声素片のスペクトルをn次関数で近似
することにより近似曲線を計算する工程と、前記音声素
片のスペクトルから前記近似曲線を差し引いて得られた
スペクトル特性を算出する工程と、前記スペクトル特性
を伝達関数とするフィルタを構成する工程と、前記特定
の音声素片に対してフィルタ処理を行う工程と、フィル
タ処理された音声素片を他の音声素片と接続して音声を
合成する工程とを有する方法をとる。
【0027】これらの方法により、特定の音声素片毎に
スペクトル特性を求めて素片毎に最適な強調フィルタを
自動的に設定することができるため、各音声素片の特徴
に応じて的確にスペクトルを強調することが可能であ
り、録音音声に対して一定の強調フィルタ処理を施す場
合に明瞭度を大幅に向上させることができる。
【0028】本発明の音声明瞭化方法は、音声波形から
複数の音韻カテゴリを選び出す工程と、前記選び出され
た複数の音韻カテゴリの平均スペクトルを計算する工程
と、前記平均スペクトルをn次関数で近似することによ
り近似曲線を計算する工程と、前記平均スペクトルから
前記近似曲線を差し引いて得られたスペクトル特性を算
出する工程と、前記スペクトル特性を伝達関数とするフ
ィルタを構成する工程と、前記特定の音声素片に対して
フィルタ処理を行う工程と、フィルタ処理された音声素
片を他の音声素片と接続して音声を合成する工程とを有
する方法をとる。
【0029】この方法により、通常の発話だけでなく、
揺れのある発話や曖昧な発話についても、その音韻らし
い特徴を持った素片に修正することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】本願発明者は、音声波形に含まれ
る特定の音声素片(例えば、子音素片、無声子音素片
等)のスペクトルの特徴を強調することにより、合成音
声の明瞭度が大幅に向上することに着目して本発明をす
るに至った。
【0031】すなわち、本発明の骨子は、音声波形から
特定の音声素片を分離し、分離した音声素片のスペクト
ルの特徴を強調するフィルタ処理を行った後に他の素片
と接続することである。
【0032】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1に係る音声合成装置を示すブロック図である。図
1に示す音声合成装置は、録音音声記憶部101と、分
離部102と、スペクトル抽出部103と、フィルタ係
数計算部104と、フィルタ105と、音声素片記憶部
106と、素片接続部107とから主に構成されてい
る。
【0033】録音音声記憶部101に録音されている音
声波形は、素片と呼ばれる合成単位の集まりに置きかえ
ることができ、素片には母音、有声子音、無声子音が存
在する。
【0034】分離部102は、録音音声記憶部101に
録音されている音声波形を素片に置きかえ、母音、有声
子音、無声子音に分離する。分離された無声子音はスペ
クトル抽出部103へ出力され、母音及び有声子音は音
声素片記憶部106へ出力される。
【0035】スペクトル抽出部103は、分離部102
から出力された無声子音素片から音韻全体あるいは音韻
の一部に対して時間平均したスペクトル分布を求める。
スペクトル分布は、フィルタ係数計算部104及びフィ
ルタ105に出力される。
【0036】フィルタ係数計算部104は、スペクトル
抽出部103で求められたスペクトル分布をn次関数で
近似し、この近似曲線とスペクトル分布との差分を求め
ることにより、無声子音素片の特徴を表すスペクトル特
性を算出する。スペクトル特性は、フィルタ105に出
力される。
【0037】フィルタ105は、フィルタ係数計算部1
04で求められたスペクトル特性を伝達関数とするフィ
ルタを構成し、スペクトル抽出部103より出力された
スペクトル分布に対してフィルタ処理を施す。これによ
り、無声子音素片のスペクトルの特徴が強調される。ス
ペクトルの特徴が強調された無声子音素片は、音声素片
記憶部106に出力される。
【0038】音声素片記憶部106は、フィルタ105
によりスペクトルの特徴が強調された無声子音素片を記
憶する。また、母音及び有声子音についてはそのまま記
憶する。
【0039】素片接続部107は、音声素片記憶部10
6に記憶されている音声素片を接続することにより任意
の音声を合成し、合成音声として出力する。
【0040】次に、本実施の形態のフィルタ生成方法に
ついて図2を用いて具体的に説明する。なお、ここでは
フィルタ係数計算部104で用いるn次関数として最小
二乗直線を用いることとする。
【0041】スペクトル抽出部103からフィルタ係数
計算部104に出力された無声子音素片のスペクトル分
布が、図2の(201)であるとする。フィルタ係数計
算部104は、(202)に示すように最小二乗直線を
求め、スペクトル分布と最小二乗直線との差分(20
3)を求め、フィルタ105に出力する。
【0042】フィルタ105は、この差分を伝達関数と
するフィルタを構成し、もとのスペクトル分布にフィル
タ処理を施す。これにより、特徴が強調された無声子音
素片のスペクトル分布(204)が得られる。
【0043】ここでスペクトル分布の最小二乗直線を求
める際、以下の点を考慮している。低域のスペクトルは
音声波形データに含まれるバイアス成分などが現れてい
ることが多いため、図3の(301)に示すように最小
二乗直線の傾斜に大きく影響を与える。この直線とスペ
クトル分布の差分(302)を求めても、スペクトル分
布の特徴(凹凸)を正しく抽出することができない。そ
こで、図3の(303)に示すようにスペクトル分布の
低域成分を無視して最小二乗直線を求める。そして、こ
の直線とスペクトル分布の差分(304)を求めること
により、スペクトル分布の凹凸の特徴を抽出することが
可能となる。
【0044】このように、無声子音素片毎にスペクトル
特性を求めて強調フィルタの伝達関数として用いること
により、各無声子音素片の特徴に応じて的確にスペクト
ルを強調することが可能であり、録音音声に対して一定
の強調フィルタ処理を施す場合に明瞭度を大幅に向上さ
せることができる。
【0045】さらに、上記のようにして求めた伝達関数
を用途に応じて変形して用いることで、より多様なスペ
クトル強調が可能となる。例えば、所定の定数を乗算し
て伝達関数の振幅を一様に拡大することにより、スペク
トル強調の度合いを強化することができ、雑音下でも聞
き取りやすい音声を提供することができる。
【0046】また、図4の(401)に示すような聴力
の損失を示す使用者に対して、使用者の聴力を補う補償
曲線(402)を求め、これを素片のスペクトル特性と
合わせることで、スペクトル分布(403)に示すよう
に使用者の聴覚特性を補うように変形された伝達関数を
生成することができ、聴覚特性において個人差が大きい
高齢者や難聴者に対しても、各々に聞き取りやすい合成
音声を提供することができる。
【0047】(実施の形態2)図5は、本発明の実施の
形態2に係る音声合成装置を示すブロック図である。な
お、図5の音声合成装置において、図1と共通する構成
部分には図1と同一符号を付して詳細な説明を省略す
る。
【0048】図5の音声合成装置は、図1に対して音韻
カテゴリ判定部501と平均スペクトル計算部502を
追加する構成を採る。また、図5の音声合成装置では、
フィルタ係数計算部104、フィルタ105及び平均ス
ペクトル計算部502が音韻カテゴリの個数分用意され
る。以下、音韻カテゴリの個数をmとし、音韻カテゴリ
k(1≦k≦m)に対応させて、フィルタ係数計算部1
04−k、フィルタ105−k及び平均スペクトル計算
部502−kであらわす。
【0049】スペクトル抽出部103は、分離部102
より出力された無声子音素片から、音韻全体あるいは音
韻の一部に対して時間平均したスペクトル分布を求め
る。スペクトル分布は、音韻カテゴリ判定部501及び
フィルタ105に出力される。
【0050】音韻カテゴリ判定部501は、スペクトル
抽出部103から出力されたスペクトル分布が、予め決
定しておいた音韻カテゴリm個のいずれに属するかを判
定する。各音韻カテゴリkに対応するスペクトル分布
は、平均スペクトル計算部502−k及びフィルタ10
5−kへ出力される。
【0051】平均スペクトル計算部502−kは、これ
までに入力されたスペクトル分布の平均、すなわち、音
韻カテゴリ判定部501でカテゴリkと判定された複数
のスペクトル分布の平均を求める。平均スペクトルは、
フィルタ係数計算部104−kへ出力される。
【0052】フィルタ係数計算部104−kは、平均ス
ペクトル計算部502−kで求められた平均スペクトル
をn次関数で近似し、この近似曲線とスペクトル分布と
の差分を求めることにより、無声子音素片の特徴を表す
スペクトル特性を算出する。
【0053】フィルタ105−kは、フィルタ係数計算
部104−kで求めたスペクトル特性を伝達関数とする
フィルタを構成し、音韻カテゴリ判定部501より出力
されたスペクトル分布に対してフィルタ処理を施すこと
により、スペクトル分布の特徴を強調する。
【0054】音声素片記憶部106は、フィルタ105
−1〜mにより強調された無声子音素片を記憶する。ま
た、母音及び有声子音についてはそのまま記憶する。
【0055】素片接続部107は、音声素片記憶部10
6に記憶されている音声素片を接続することにより任意
の音声を合成し、合成音声として出力する。
【0056】次に、本実施の形態のフィルタ生成方法に
ついて図6を用いて具体的に説明する。なお、ここでも
フィルタ係数計算部104で用いるn次関数として最小
二乗直線を用いることとし、最小二乗直線を求める際に
はスペクトル分布の低域成分を無視するものとする。
【0057】図6において、スペクトル分布(601)
は、音韻カテゴリ判定部501から各平均スペクトル計
算部502−1〜mに出力された無声子音素片のスペク
トル分布であるとする。
【0058】平均スペクトル計算部502−1〜mは、
それぞれ、これらのスペクトル分布の平均(602)を
求め、対応するフィルタ係数計算部104−1〜mに出
力する。
【0059】フィルタ係数計算部104−1〜mは、そ
れぞれ、最小二乗直線を求め(603)、平均スペクト
ルと最小二乗直線との差分(604)を求め、対応する
フィルタ105−1〜mに出力する。
【0060】フィルタ105−1〜mは、この差分を伝
達関数とするフィルタを構成し、もとのスペクトル分布
にフィルタ処理を施す。これにより、特徴が強調された
無声子音素片のスペクトル分布(605)が得られる。
【0061】本実施の形態は、実施の形態1と比較して
以下の点で異なる。
【0062】すなわち、実施の形態1では、処理対象と
なる無声子音素片のスペクトル特性そのものを強調フィ
ルタの伝達関数として用いており、通常の無声子音のス
ペクトル分布に対して非常に有効な処理である。
【0063】これに対し、本実施の形態は、無声子音素
片が属する音韻カテゴリの平均スペクトルの特性を強調
フィルタとして用いていることを特徴とする。平均スペ
クトルは、同一カテゴリ内の複数のスペクトルの平均を
求めたものである。録音音声記憶部には多種多様な音声
が記憶されており、それらの中には揺れのある発話や曖
昧な発話による音声も含まれているため、スペクトルの
平均をとることにより、その音韻カテゴリのおおまかな
特徴を表すことができる。従って、この平均スペクトル
を用いて無声子音を強調することで、通常の発話だけで
なく、揺れのある発話や曖昧な発話についても、その音
韻らしい特徴を持った素片に修正することが可能とな
る。
【0064】なお、上記の各実施の形態において、音声
波形から無声子音素片を分離してスペクトルの特徴を強
調するフィルタ処理を行う場合について説明したが、本
発明はこれに限られず、無声子音素片以外の他の素片
(例えば子音素片)を分離してスペクトルの特徴を強調
してもよい。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、音声波形
から特定の音声素片を分離し、分離した音声素片のスペ
クトルの特徴を強調するフィルタ処理を行った後に他の
素片と接続することにより、合成音声の明瞭度の向上を
図るように適切な強調帯域を自動的に設定することがで
き、素片作成の労力を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る音声合成装置の構
成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1によるフィルタ生成方法
の具体例を示す図
【図3】本発明の実施の形態1によるスペクトル抽出方
法の具体例を示す図
【図4】本発明の実施の形態1によるフィルタ生成方法
の具体例を示す図
【図5】本発明の実施の形態2に係る音声合成装置の構
成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態2によるフィルタ生成方法
の具体例を示す図
【符号の説明】
101 録音音声記憶部 102 分離部 103 スペクトル抽出部 104 フィルタ係数計算部 105 フィルタ 106 音声素片記憶部 107 素片接続部 501 音韻カテゴリ判定部 502 平均スペクトル計算部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声波形から特定の音声素片を分離する
    分離手段と、前記音声素片のスペクトルの特徴を強調す
    るフィルタ処理を行うフィルタ手段と、前記フィルタ手
    段にて処理された音声素片を他の音声素片と接続して音
    声を合成する素片接続手段とを具備することを特徴とす
    る音声合成装置。
  2. 【請求項2】 分離手段にて分離された音声素片のスペ
    クトルをn次関数で近似することにより近似曲線を計算
    し、前記音声素片のスペクトルから前記近似曲線を差し
    引いて得られたスペクトル特性を算出するフィルタ係数
    計算手段を具備し、フィルタ手段は、前記スペクトル特
    性を伝達関数とするフィルタを構成することを特徴とす
    る請求項1記載の音声合成装置。
  3. 【請求項3】 音声波形から複数の音韻カテゴリを選び
    出す音韻カテゴリ判定手段と、前記選び出された複数の
    音韻カテゴリの平均スペクトルを計算する平均スペクト
    ル計算手段と、前記平均スペクトルをn次関数で近似す
    ることにより近似曲線を計算し、前記平均スペクトルか
    ら前記近似曲線を差し引いて得られたスペクトル特性を
    算出するフィルタ係数計算手段を具備し、フィルタ手段
    は、前記スペクトル特性を伝達関数とするフィルタを構
    成することを特徴とする請求項1記載の音声合成装置。
  4. 【請求項4】 フィルタ係数計算手段は、音声素片のス
    ペクトルの低域成分を除去して近似曲線を計算すること
    を特徴とする請求項2又は請求項3記載の音声合成装
    置。
  5. 【請求項5】 フィルタ係数計算手段は、所定の定数を
    乗算してスペクトル特性の振幅を一様に拡大することを
    特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の音
    声合成装置。
  6. 【請求項6】 フィルタ係数計算手段は、使用者の聴力
    曲線と健聴者の聴力曲線の差である補償曲線をスペクト
    ル特性に加算して新たなスペクトル特性とすることを特
    徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の音声
    合成装置。
  7. 【請求項7】 分離手段が音声波形から分離する特定の
    音声素片は子音素片であることを特徴とする請求項1か
    ら請求項6のいずれかに記載の音声合成装置。
  8. 【請求項8】 分離手段が音声波形から分離する特定の
    音声素片は無声子音素片であることを特徴とする請求項
    1から請求項6のいずれかに記載の音声合成装置。
  9. 【請求項9】 予め録音された音声波形である音声素片
    の接続によって任意の音声を合成する音声合成システム
    に用いられ、音声波形の音韻スペクトルの特徴を強調す
    るフィルタを構成し、そのフィルタを用いて前記音韻ス
    ペクトルを強調することを特徴とする音声明瞭化方法。
  10. 【請求項10】 音声波形から分離した特定の音声素片
    のスペクトルの特徴を強調するフィルタ処理を行う工程
    と、フィルタ処理された音声素片を他の音声素片と接続
    して音声を合成する工程とを有することを特徴とする音
    声明瞭化方法。
  11. 【請求項11】 音声波形から分離した特定の音声素片
    のスペクトルをn次関数で近似することにより近似曲線
    を計算する工程と、前記音声素片のスペクトルから前記
    近似曲線を差し引いて得られたスペクトル特性を算出す
    る工程と、前記スペクトル特性を伝達関数とするフィル
    タを構成する工程と、前記特定の音声素片に対してフィ
    ルタ処理を行う工程と、フィルタ処理された音声素片を
    他の音声素片と接続して音声を合成する工程とを有する
    ことを特徴とする音声明瞭化方法。
  12. 【請求項12】 音声波形から複数の音韻カテゴリを選
    び出す工程と、前記選び出された複数の音韻カテゴリの
    平均スペクトルを計算する工程と、前記平均スペクトル
    をn次関数で近似することにより近似曲線を計算する工
    程と、前記平均スペクトルから前記近似曲線を差し引い
    て得られたスペクトル特性を算出する工程と、前記スペ
    クトル特性を伝達関数とするフィルタを構成する工程
    と、前記特定の音声素片に対してフィルタ処理を行う工
    程と、フィルタ処理された音声素片を他の音声素片と接
    続して音声を合成する工程とを有することを特徴とする
    音声明瞭化方法。
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