JP2003336511A - エンジンの潤滑装置 - Google Patents

エンジンの潤滑装置

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JP2003336511A
JP2003336511A JP2002145229A JP2002145229A JP2003336511A JP 2003336511 A JP2003336511 A JP 2003336511A JP 2002145229 A JP2002145229 A JP 2002145229A JP 2002145229 A JP2002145229 A JP 2002145229A JP 2003336511 A JP2003336511 A JP 2003336511A
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Japan
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lubricating oil
lubricating
oil pump
pump
pressure regulating
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JP2002145229A
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English (en)
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Akira Hiraiwa
昭 平岩
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Yanmar Co Ltd
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Yanmar Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来から、潤滑油ポンプにおいては、吐出側
の圧力を所定の圧力に調圧するため、潤滑油調圧弁を設
けていたが、リリーフ油を直接、潤滑油ポンプの吸入側
に戻し、潤滑油ポンプ内を循環するかまたは、オイルパ
ンに戻すように構成していたので、潤滑油温度が高くな
ってしまうという不具合があった。 【解決手段】 潤滑油調圧弁20からのリリーフ油路9
を、シリンダブロック15のウォータジャケット5近傍
を通過して、潤滑油ポンプ22の吸入ポート22dまた
はオイルパン21に戻すように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの潤滑油
供給装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリンダブロックの一側端部
にギヤケースが付設され、該ギヤケースの外側面にギヤ
ケースカバーが連結され、該ギヤケースとギヤケースカ
バーとで構成されるギヤケース部に、オイルパン内に貯
溜される潤滑油を吸い上げて圧送する潤滑油ポンプが内
装されたエンジンが知られている。この潤滑油ポンプに
おいては、吐出側の圧力を所定の圧力に調圧するため、
潤滑油調圧弁を設けていた。高圧側である吐出側の潤滑
油圧力が所定圧力を超えた場合には、潤滑油調圧弁によ
り調圧されて不要になった余分なリリーフ油が、潤滑油
調圧弁を通じてポンプ外部へ排出されるが、そのリリー
フ油は直接、潤滑油ポンプの吸入側に戻り該潤滑油ポン
プの吸入側から吐出側の間を循環するか、またはオイル
パンに戻されるように構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のよう
に、リリーフされた潤滑油が直接、潤滑油ポンプの吸入
側に戻り潤滑油ポンプ内を循環するかまたは、オイルパ
ンに戻るように構成した潤滑油ポンプにおいては、潤滑
油ポンプで圧送されるときに発生する熱が十分に冷却さ
れないので、潤滑油温度が次第に高くなってしまい、劣
化の原因になるという不具合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
【0005】即ち、請求項1においては、クランク軸の
回転を潤滑油ポンプに伝えて駆動し、オイルパン内の潤
滑油を潤滑油ポンプにより吸入して所定箇所に吐出する
エンジンの潤滑装置において、潤滑油ポンプの吐出ポー
トに潤滑油調圧弁を接続し、該潤滑油調圧弁の二次側に
接続するリリーフ油路を、シリンダブロックのウォータ
ジャケット近傍を通過して、オイルパンまたは潤滑油ポ
ンプ入口に戻すように構成したものである。
【0006】請求項2においては、ギヤケースに潤滑油
ポンプと冷却水ポンプを設けたエンジンの潤滑装置にお
いて、潤滑油ポンプの吐出ポートに潤滑油調圧弁を接続
し、該潤滑油調圧弁の二次側に接続するリリーフ油路
を、冷却水ポンプの吐出水路近傍を通過して、オイルパ
ンまたは潤滑油ポンプ入口に戻すように構成したもので
ある。
【0007】請求項3においては、ギヤケースに潤滑油
ポンプと冷却水ポンプを設けたエンジンの潤滑装置にお
いて、前記ギヤケースのリリーフ油路外側に冷却フィン
を設けたものである。
【0008】請求項4においては、ギヤケースに潤滑油
ポンプを設けて、オイルパン内の潤滑油を吸入して所定
箇所に吐出するエンジンの潤滑装置において、潤滑油ポ
ンプの吐出ポートに潤滑油調圧弁を接続し、該潤滑油調
圧弁二次側からのリリーフ油を、ギヤケースに設けた潤
滑油冷却室を介して、オイルパンまたは潤滑油ポンプ入
口に戻すように構成したものである。
【0009】請求項5においては、クランク軸の回転を
潤滑油ポンプに伝えて駆動し、オイルパン内の潤滑油を
潤滑油ポンプにより吸入して所定箇所に吐出するエンジ
ンの潤滑装置において、潤滑油ポンプの吐出ポートに潤
滑油調圧弁を接続し、該潤滑油調圧弁の二次側に接続す
るリリーフ油路に、オイルパンへの流入と潤滑油ポンプ
入口への流入を切り換えるサーモスタットを設けたもの
である。
【0010】請求項6においては、クランク軸の回転を
潤滑油ポンプに伝えて駆動し、オイルパン内の潤滑油を
潤滑油ポンプにより吸入して所定箇所に吐出するエンジ
ンの潤滑装置において、潤滑油ポンプの吐出ポートに潤
滑油調圧弁を接続し、該潤滑油調圧弁のリリーフ孔形状
を三角形としたものである。
【0011】請求項7においては、クランク軸の回転を
潤滑油ポンプに伝えて駆動し、オイルパン内の潤滑油を
潤滑油ポンプにより吸入して所定箇所に吐出するエンジ
ンの潤滑装置において、潤滑油ポンプの吐出ポートに潤
滑油調圧弁を接続し、該潤滑油調圧弁の調圧バネを不等
ピッチバネとしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
る。図1は本発明の潤滑装置としての潤滑油ポンプが内
装されるエンジンの側面断面図、図2は潤滑油ポンプの
正面図であり、(a)は蓋体を取り外した状態の潤滑油
ポンプを示す図で、(b)は蓋体を取り付けた状態の潤
滑油ポンプを示す図である。図3は潤滑油調圧弁を示す
側面断面図、図4は実施例1のエンジンの正面一部断面
図、図5は実施例2のエンジンの正面一部断面図、図6
は実施例3のエンジンの正面一部断面図、図7は同じく
ギヤケース側面図、図8は実施例4のオイル回路の概略
図、図9は実施例5の潤滑油ポンプの正面図である。
【0013】まず、本発明の潤滑装置としての潤滑油ポ
ンプを内装するエンジン1の概略構成について図1を用
いて説明する。エンジン1のシリンダブロック15の上
端部にはシリンダヘッド2が取り付けられている。
【0014】シリンダブロック15の一側面には、クラ
ンク軸25からの駆動力をカム軸や燃料噴射ポンプ等へ
伝達するためのギア等を収納する、ギヤケース23が連
結されており、該ギヤケース23の外側面にはギヤケー
スカバー29が連結されている。該ギヤケース23とギ
ヤケースカバー29とで構成されるギヤケース部には、
潤滑油ポンプ22が収納されている。
【0015】また、シリンダブロック15の下部にはオ
イルパン21が設けられており、該オイルパン21内に
は潤滑油が貯溜されている。オイルパン21は間座18
を介してシリンダブロック15に連結されている。シリ
ンダブロック15の側面から、冷却ファン軸4が回転自
在に突出しており、該冷却ファン軸4に冷却ファン3が
固定され、前記クランク軸25からプーリ、ベルトを介
して回転駆動されるようにしている。該冷却ファン3と
同軸に、冷却水を循環させるためのポンプである冷却水
ポンプ6がシリンダブロック15前面に取り付けられて
いる。但し、冷却水ポンプ6と潤滑油ポンプ22の配設
位置は限定するものではない。
【0016】そして、シリンダを包むようにして、冷却
水の通路であるウォータジャケット5(図4に図示)が
設けられている。該ウォータジャケット5は、シリンダ
及び燃焼室の外部をとりまいて、冷却水を流通させて冷
却するために形成された中空の部分で、シリンダを鋳造
するときに同時に成形される。
【0017】前記間座18内には、潤滑油通路である潤
滑油吸入通路が形成され、該間座18の潤滑油吸入通路
からオイルパン21内へ潤滑油吸入管19が突出され、
該潤滑油吸入管19先端にフィルターを設けて潤滑油内
に配設させている。そして、オイルパン21内に貯溜さ
れる潤滑油が、該潤滑油吸入管19及び潤滑油吸入通路
を通じて潤滑油ポンプ22に吸入されるようにしてい
る。
【0018】次に、潤滑油ポンプの全体構成について図
1、図2、図3を用いて以下に説明する。前記クランク
軸25における軸端部が、シリンダブロック15からギ
ヤケース23内に突出している。ギヤケース23内には
潤滑油ポンプのケース部22aが形成され、クランク軸
25の軸端部外周に配置されており、該ケース部22a
に潤滑油ポンプ22を構成するインナーロータ22bと
アウターロータ22cが収納されている。クランク軸2
5の軸端部には、該クランク軸25と一体的回転可能に
インナーロータ22bが嵌装され、該インナーロータ2
2bの外周側にはアウターロータ22cが偏心して嵌装
されており、インナーロータ22bの外歯とアウターロ
ータ22cの内歯が一側で噛合して、該アウターロータ
22cはインナーロータ22bの回転によって回るよう
に構成されている。潤滑油はこの二つのロータの歯の間
の空間に入り、ロータの回転によって出口に圧送され
る。そして、インナーロータ22b及びアウターロータ
22cを内装するケース部22aは、蓋体13により覆
われて潤滑油ポンプ22を形成している。図2(a)に
は蓋体13を取り外した状態の潤滑油ポンプ22を示
し、図2(b)には蓋体13を取り付けた状態の潤滑油
ポンプ22を示している。該ケース部22aには、潤滑
油を吸入する低圧側の吸入ポート22dと、潤滑油を吐
出する高圧側の吐出ポート22eとが形成されている。
【0019】オイルパン21内に貯溜される潤滑油は、
前記潤滑油吸入管19及び間座18内の潤滑油吸入通路
を通じて、潤滑油ポンプ22の吸入ポート22dから吸
入され、高圧側である高圧室16を通じて吐出ポート2
2eから吐出され、各部に圧送される。前記吐出ポート
22eと高圧室16の間には、高圧室16から潤滑油圧
を所定の圧力で吐出できるように調圧する潤滑油調圧弁
20が設けられている。尚、前記潤滑油調圧弁20は、
図2、図3では蓋体13に構成されているが、ギヤケー
ス23に内装することも可能である。該潤滑油調圧弁2
0は、図3に示すように、ケース26と、ケース26内
を摺動可能な弁体27と、弁体27を閉じる(高圧室1
6)方向に付勢して圧力設定する調圧バネ28とで構成
されている。そして、一次側の高圧室16に流入してき
た潤滑油圧が調圧バネ28の付勢力を超えると、弁体2
7は調圧バネ28の付勢力に抗して高圧室16側と逆方
向に摺動して開き、二次側のリリーフ孔31と連通し、
高圧室16内の潤滑油がリリーフ孔31から、高圧室1
6外部に排出されることとなる。リリーフ孔31はギヤ
ケース23に形成された排出口(図示せず)に通じてお
り、潤滑油調圧弁20により調圧された後にドレンする
潤滑油(以降「リリーフ油」とする)が、該排出口より
ギヤケース23外部に排出され、本発明のように吸入ポ
ート22dに還流またはオイルパン21に戻る構造にな
っている。
【0020】次に本発明のエンジンの潤滑装置の実施例
1について図1、図4を用いて説明する。従来におい
て、リリーフ油は、そのまま潤滑油ポンプ22の吸入側
に送油されるか、または、前記排出口よりギヤケース2
3外部に排出され、オイルパン21に直接排出される構
造になっていた。そのため、排出されたリリーフ油はエ
ンジンルーム内の通気風によってのみ冷却されていたの
で、十分な冷却がなされず高温になってしまっていた。
また、エンジンルーム内の通気風の流れは各作業機によ
り異なるため、それに伴い潤滑油の温度も異なり、オイ
ルクーラを必要とする作業機も発生していた。しかし、
本実施例においては、潤滑油調圧弁20の二次側(図中
B側)に接続するリリーフ油路9を、シリンダブロック
15に形成されるウォータジャケット5近傍を通過する
ように設置し、潤滑油調圧弁20により調圧されたリリ
ーフ油が、リリーフ油路9を通過した後、オイルパン2
1またはポンプ入口となる吸入ポート22dに戻るよう
な構成としている。つまり、潤滑油調圧弁20のドレン
口(リリーフ孔31)にホース等で構成されるリリーフ
管9aを連通し、該リリーフ管9aの他端を、シリンダ
ブロック15のシリンダ周囲に形成したウォータジャケ
ット5の近傍を通過するように形成した冷却通路9b、
本実施例ではウォータジャケット5の下部に形成した冷
却通路9bに連通し、該冷却通路9bの他端は吸入ポー
ト22dに連通される戻し管9cと連通されている。こ
のように構成することにより、潤滑油ポンプ22により
圧送される時やリリーフ油が潤滑油調圧弁20から排出
されるときに発生した熱が、リリーフ油路9を通過する
際、ウォータジャケット5等で冷却されて、潤滑油の温
度上昇が抑えられる。このため、潤滑油の寿命の延長が
図られ、さらにオイルクーラ設置の廃止または小型化が
可能となる。
【0021】次に実施例2について図5を用いて説明す
る。従来、冷却水ポンプ6は、図1に示すように、冷却
ファン3と同軸にシリンダブロック15前面に設けられ
ていた。そのため、冷却水ポンプ6からの冷却水通路
(吐出水路)7と潤滑油通路8は各々離れた場所に配置
され、潤滑油冷却の効率が良くなく、オイルクーラを必
要としていた。そこで、本実施例ではギヤケース23内
部に冷却水ポンプ6のケーシング11を設け、該冷却水
ポンプ6より吐出された水が、ギヤケース23内部の冷
却水通路7を通りシリンダブロックに流れるようにして
いる。そして、潤滑油調圧弁20よりリリーフされた油
は、冷却水通路7の近傍に設けた潤滑油通路8を流れる
構造となっている。つまり、冷却水ポンプ6の吐出ポー
ト6aに、冷却水をウォータジャケット5に導く冷却水
通路7が、ケーシング11とシリンダブロック15に形
成されており、前記潤滑油調圧弁20からのリリーフ油
を吸入ポート22dに戻すために、前記ドレン口(リリ
ーフ孔31)に連通される潤滑油通路8が該冷却水通路
7の近傍に形成されているのである。但し、前記リリー
フ油路9を冷却水通路7の近傍に配置することもでき
る。こうすることにより、高温となったリリーフ油が、
冷却水通路7の周りの潤滑油通路8を通るときに、該冷
却水通路7内を通っている冷却水によって熱を奪われ、
さらに、ギヤケース内部に冷却水通路7と潤滑油通路8
を設けたことにより、熱交換しやすく、潤滑油の冷却が
効率よく行われる。また、前記冷却水通路7及び潤滑油
通路8は、設計上ダイキャスト(鋳型鋳造)にて構成す
ることが可能なため、寸法精度が高く、薄肉のものをつ
くることができ、大量生産に適するという利点がある。
さらに、冷却効率があがるということから、オイルクー
ラを不要とすることもでき、コスト的なメリットがあ
る。さらに、図5に示すように前記潤滑油通路8が外気
と接する外周側面には複数のフィン10・10・・・を
突設している。該フィン10・10・・・を積極的に冷
却したい部分に設けることにより、熱伝導率をよくし、
表面積が大きくなり、放射冷却作用を促すことができ、
空冷の効果が増す。前記フィン10は、設ける間隔と厚
さを変えることにより、冷却能力を調節できる。このよ
うに、冷却水ポンプ6による水冷と、フィン10による
空冷によって、効率良く潤滑油の冷却ができ、潤滑油の
劣化を防ぐことができる。
【0022】また、エンジンの潤滑装置は、次のように
構成することもできる。実施例3について、図6、図7
を用いて説明する。潤滑油ポンプ22の吐出ポート22
eに接続された潤滑油調圧弁20のB側(ドレン側)の
ギヤケース23壁面に、潤滑油冷却室12を設置してい
る。従来は細い通油路のみを通過して直接潤滑油ポンプ
の吸入ポート22dに戻されていたが、そのような場合
はポンプ吸入時のロス馬力は低減できるのであるが、通
気風によるリリーフ油の十分な冷却効果は見込めなかっ
た。しかし、本実施例では、前記潤滑油冷却室12を潤
滑油調圧弁20の二次側(リリーフ孔31)と、オイル
パン21または吸入ポート22dに戻す経路途中に設け
る構成としている。つまり、潤滑油冷却室12はギヤケ
ース23の一部に空間を形成して構成され、この空間は
外面と接する位置が好ましく、または、ギヤケース23
外側に付設する構成であってもよい。該潤滑油冷却室1
2の一端に潤滑油調圧弁20の二次側と連通し、他側を
排出口として、該排出口からオイルパン21または吸入
ポート22dに戻すようにしている。但し、この戻す経
路を前記リリーフ油路9とすることもできる。この潤滑
油冷却室12を設置することにより、B側からのリリー
フ油は、表面積の広い該潤滑油冷却室12を通過するこ
とによって、冷却ファンからの風で冷却され、潤滑油の
温度上昇が抑えられる。さらに、ギヤケース23設計の
際、従来例と比較すると、設計スペースの自由度が増す
という利点もある。
【0023】次に、エンジンの潤滑装置の実施例4につ
いて図8を用いて説明する。本実施例は、前記潤滑油調
圧弁20の二次側(リリーフ孔31)の出口に、オイル
パン21または吸入ポート22dへ戻す切換手段を設け
ている。つまり、潤滑油調圧弁20に接続されたリリー
フ油路9の途中に、オイルパン21への排出と潤滑油ポ
ンプの吸入ポート22dへの流入とに分岐する分岐点
に、サーモスタット14を配置している。該サーモスタ
ット14は、設定温度に達するまではリリーフ油路9か
ら吸入ポート22dへ流れるように油路30aと連通
し、設定温度を越えると、リリーフ油路9から油路30
bへ流れるように切り換えるのである。つまり、設定温
度に達していないリリーフ油はそのまま潤滑油として潤
滑油ポンプ22に吸入されるとういうことである。
【0024】このような構造にすることにより、リリー
フ油は、サーモスタット14による温度設定未満では、
潤滑油ポンプ22の吸入ポート22dに直接戻されるの
で圧力低下が小さく、そのためロスを低減することがで
き、設定温度以上になると、温度上昇した潤滑油がオイ
ルパン内で冷却されてから潤滑油ポンプ22に吸入され
るので、潤滑油の劣化を低減できる。また、エンジン冷
態始動時の潤滑油温度立ち上がり性能も改善されるの
で、潤滑油調圧性能が良くなり、それに伴いロス馬力も
低減できる。そして、従来は消滅するのに時間がかかっ
ていたエンジン冷態始動時に生じる白煙も早期に消滅す
るようになる。さらに、前記サーモスタット14は、駆
動源や制御回路等が不要なため、安価かつ容易に切換手
段を構成することができる。
【0025】次に実施例5を図9より説明する。前記潤
滑油調圧弁20部に形成されているリリーフ孔31の形
状を、従来の円形から三角形にしたものである。つま
り、リリーフ孔31が従来のように円形の場合、潤滑油
調圧弁20内の調圧バネ28の変化(以下バルブリフ
ト)に対するリーク面積が大きく変化するため、圧力変
動(油圧脈動)が大きくなり、調圧性能が良くない。そ
こで、リリーフ孔31’の形状を三角形(正三角形また
は二等辺三角形が好ましい)とし、頂点を弁体側に位置
させ底辺を高圧室16と反対側に配置することにより、
弁体27のリフトの量に比例してリーク面積が変化す
る。つまり、弁体27が「開」側に摺動すると徐々に開
口面積が増加するようになる。このため、油圧脈動を小
さくすることができ、調圧性能の向上が図れる。また、
前記潤滑油調圧弁20を前記蓋体13に一体的に構成す
る構成する場合には、蓋体13の製造過程において、前
記リリーフ孔31を鋳抜きにて製作が可能となるので、
安価、かつ、簡単に製作することができるのである。さ
らに、製造の際、三角形の頂点の角度を変更することに
よって、油圧脈動のマッチングが可能となる。
【0026】更に前記潤滑油調圧弁20内に配置する調
圧バネ28を従来の等ピッチバネから、不等ピッチバネ
にしたものである。即ち、図3に示すように、調圧バネ
28のピッチtを一側から他側に向かって徐々に大きく
なるように構成している(t1<t2<t3・・・<t
n)。このように構成することで、従来の調圧バネを等
ピッチバネで構成すると、油圧に対する弁体のリフト量
は比例関係にあったため、脈動が発生すると、この脈動
によって弁体が共振して調圧性能が悪化していた。そこ
で本発明のように調圧バネ28を不等ピッチバネとする
ことにより、油圧に脈動が発生しても弁体27を押圧す
る力がリフト量に対して変化するため、共振することが
なく、所定のリリーフ孔31の開口面積を確保すること
ができ、高圧時の調圧性能を向上することができる。更
に、油圧脈動を抑えるように調圧バネのピッチを合わせ
て製造することで、バネ共振を確実に防いで調圧性能を
向上することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。
【0028】即ち、請求項1に示す如く、クランク軸の
回転を潤滑油ポンプに伝えて駆動し、オイルパン内の潤
滑油を潤滑油ポンプにより吸入して所定箇所に吐出する
エンジンの潤滑装置において、潤滑油ポンプの吐出ポー
トに潤滑油調圧弁を接続し、該潤滑油調圧弁の二次側に
接続するリリーフ油路を、シリンダブロックのウォータ
ジャケット近傍を通過して、オイルパンまたは潤滑油ポ
ンプ入口に戻すように構成したので、リリーフ油が潤滑
油調圧弁からリリーフされるときに発生した熱が、ウォ
ータジャケットを通過するときに冷却され、潤滑油の温
度上昇が抑えられ、潤滑油の劣化を防止して寿命を延長
することができる。また、リリーフ油路を変更するだけ
で、オイルクーラを廃止または小型化することができ
る。
【0029】請求項2に示す如く、ギヤケースに潤滑油
ポンプと冷却水ポンプを設けたエンジンの潤滑装置にお
いて、潤滑油ポンプの吐出ポートに潤滑油調圧弁を接続
し、該潤滑油調圧弁の二次側に接続するリリーフ油路
を、冷却水ポンプの吐出水路近傍を通過して、オイルパ
ンまたは潤滑油ポンプ入口に戻すように構成したので、
潤滑油調圧弁からリリーフされるときに発生した熱が、
冷却水にて冷却され、潤滑油の温度上昇が抑えられ、潤
滑油の寿命を延長することができる。また、リリーフ油
路を変更するだけで、オイルクーラを廃止または小型化
することができる。さらに、ギヤケースにリリーフ油路
を形成すれば、ダイキャストにて容易に構成できるの
で、コスト低減化に貢献できる。
【0030】請求項3に示す如く、ギヤケースに潤滑油
ポンプと冷却水ポンプを設けたエンジンの潤滑装置にお
いて、前記ギヤケースのリリーフ油路外側に冷却フィン
を設けたので、ダイキャストにて容易にフィンを構成で
き、安価に冷却手段を講ずることができる。また、リリ
ーフ油路の位置に対応してフィンを構成することがで
き、冷却効率を高めることができる。
【0031】請求項4に示す如く、ギヤケースに潤滑油
ポンプを設けて、オイルパン内の潤滑油を吸入して所定
箇所に吐出するエンジンの潤滑装置において、潤滑油ポ
ンプの吐出ポートに潤滑油調圧弁を接続し、該潤滑油調
圧弁二次側からのリリーフ油を、ギヤケースに設けた潤
滑油冷却室を介して、オイルパンまたは潤滑油ポンプ入
口に戻すように構成したので、リリーフ油が潤滑油調圧
弁からリリーフされるときに発生した熱が、潤滑油冷却
室を通過するときに冷却される。また、前記潤滑油冷却
室は、ギヤケースと一体的に形成できるので、安価に構
成することができる。
【0032】請求項5に示す如く、クランク軸の回転を
潤滑油ポンプに伝えて駆動し、オイルパン内の潤滑油を
潤滑油ポンプにより吸入して所定箇所に吐出するエンジ
ンの潤滑装置において、潤滑油ポンプの吐出ポートに潤
滑油調圧弁を接続し、該潤滑油調圧弁の二次側に接続す
るリリーフ油路に、オイルパンへの流入と潤滑油ポンプ
入口への流入を切り換えるサーモスタットを設けたの
で、該サーモスタットによる設定温度未満では、潤滑油
ポンプの入口に直接戻されてロスを低減でき、設定温度
以上では、オイルパン内で冷却された後、潤滑油ポンプ
に吸入されるので、潤滑油の劣化を低減できる。また、
サーモスタットは駆動源や制御回路等が不要なため、安
価に切換手段を構成できる。
【0033】請求項6に示す如く、クランク軸の回転を
潤滑油ポンプに伝えて駆動し、オイルパン内の潤滑油を
潤滑油ポンプにより吸入して所定箇所に吐出するエンジ
ンの潤滑装置において、潤滑油ポンプの吐出ポートに潤
滑油調圧弁を接続し、該潤滑油調圧弁のリリーフ孔形状
を三角形としたので、リリーフ孔から潤滑油圧をリリー
フするとき、バルブリフトの変化に比例してリリーフ面
積を増加させることができるので油圧脈動を低減でき、
調圧性能の向上につながる。さらに、該リリーフ孔は、
簡単に形成できるので、工程の簡略化が図れる。また、
リリーフ孔の三角形の角度を変更することで、油圧脈動
にマッチングさせることができる。
【0034】請求項7に示す如く、クランク軸の回転を
潤滑油ポンプに伝えて駆動し、オイルパン内の潤滑油を
潤滑油ポンプにより吸入して所定箇所に吐出するエンジ
ンの潤滑装置において、潤滑油ポンプの吐出ポートに潤
滑油調圧弁を接続し、該潤滑油調圧弁の調圧バネを不等
ピッチバネとしたので、潤滑油ポンプからの油圧に対す
るバルブリフト量を可変とすることができ、高圧時の調
圧性能を向上できる。また、潤滑油ポンプからの油圧に
は油圧脈動が発生しているが、この油圧脈動を抑えるよ
うに調圧バネのピッチを合わせて製造することができ、
バネ共振を防いで調圧性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の潤滑装置としての潤滑油ポンプが内装
されるエンジンの側面断面図。
【図2】潤滑油ポンプの正面図であり、(a)は蓋体を
取り外した状態の潤滑油ポンプを示す図で、(b)は蓋
体を取り付けた状態の潤滑油ポンプを示す図である。
【図3】潤滑油調圧弁を示す側面断面図。
【図4】実施例1のエンジンの正面一部断面図。
【図5】実施例2のエンジンの正面一部断面図。
【図6】実施例3のエンジンの正面一部断面図。
【図7】同じくギヤケース側面図。
【図8】実施例4のオイル回路の概略図。
【図9】実施例5の潤滑油ポンプの正面図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 シリンダヘッド 5 ウォータジャケット 6 冷却水ポンプ 9 リリーフ油路 10 フィン 12 潤滑油冷却室 14 サーモスタット 15 シリンダブロック 20 潤滑油調圧弁 31 リリーフ孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸の回転を潤滑油ポンプに伝え
    て駆動し、オイルパン内の潤滑油を潤滑油ポンプにより
    吸入して所定箇所に吐出するエンジンの潤滑装置におい
    て、潤滑油ポンプの吐出ポートに潤滑油調圧弁を接続
    し、該潤滑油調圧弁の二次側に接続するリリーフ油路
    を、シリンダブロックのウォータジャケット近傍を通過
    して、オイルパンまたは潤滑油ポンプ入口に戻すように
    構成したことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  2. 【請求項2】 ギヤケースに潤滑油ポンプと冷却水ポン
    プを設けたエンジンの潤滑装置において、潤滑油ポンプ
    の吐出ポートに潤滑油調圧弁を接続し、該潤滑油調圧弁
    の二次側に接続するリリーフ油路を、冷却水ポンプの吐
    出水路近傍を通過して、オイルパンまたは潤滑油ポンプ
    入口に戻すように構成したことを特徴とするエンジンの
    潤滑装置。
  3. 【請求項3】 ギヤケースに潤滑油ポンプと冷却水ポン
    プを設けたエンジンの潤滑装置において、前記ギヤケー
    スのリリーフ油路外側に冷却フィンを設けたことを特徴
    とする請求項2に記載のエンジンの潤滑装置。
  4. 【請求項4】 ギヤケースに潤滑油ポンプを設けて、オ
    イルパン内の潤滑油を吸入して所定箇所に吐出するエン
    ジンの潤滑装置において、潤滑油ポンプの吐出ポートに
    潤滑油調圧弁を接続し、該潤滑油調圧弁二次側からのリ
    リーフ油を、ギヤケースに設けた潤滑油冷却室を介し
    て、オイルパンまたは潤滑油ポンプ入口に戻すように構
    成したことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  5. 【請求項5】 クランク軸の回転を潤滑油ポンプに伝え
    て駆動し、オイルパン内の潤滑油を潤滑油ポンプにより
    吸入して所定箇所に吐出するエンジンの潤滑装置におい
    て、潤滑油ポンプの吐出ポートに潤滑油調圧弁を接続
    し、該潤滑油調圧弁の二次側に接続するリリーフ油路
    に、オイルパンへの流入と潤滑油ポンプ入口への流入を
    切り換えるサーモスタットを設けたことを特徴とするエ
    ンジンの潤滑装置。
  6. 【請求項6】 クランク軸の回転を潤滑油ポンプに伝え
    て駆動し、オイルパン内の潤滑油を潤滑油ポンプにより
    吸入して所定箇所に吐出するエンジンの潤滑装置におい
    て、潤滑油ポンプの吐出ポートに潤滑油調圧弁を接続
    し、該潤滑油調圧弁のリリーフ孔形状を三角形としたこ
    とを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  7. 【請求項7】 クランク軸の回転を潤滑油ポンプに伝え
    て駆動し、オイルパン内の潤滑油を潤滑油ポンプにより
    吸入して所定箇所に吐出するエンジンの潤滑装置におい
    て、潤滑油ポンプの吐出ポートに潤滑油調圧弁を接続
    し、該潤滑油調圧弁の調圧バネを不等ピッチバネとした
    ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009174321A (ja) * 2008-01-21 2009-08-06 Nissan Motor Co Ltd オイル供給システム
JP2011047352A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Honda Motor Co Ltd 車載内燃機関のオイル供給装置

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