JP2003329613A - 物性測定装置 - Google Patents

物性測定装置

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JP2003329613A
JP2003329613A JP2002139508A JP2002139508A JP2003329613A JP 2003329613 A JP2003329613 A JP 2003329613A JP 2002139508 A JP2002139508 A JP 2002139508A JP 2002139508 A JP2002139508 A JP 2002139508A JP 2003329613 A JP2003329613 A JP 2003329613A
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signal
circuit
frequency
physical property
directional coupler
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JP2002139508A
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Teruhiko Yagami
照彦 矢上
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SHINKU REI KK
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SHINKU REI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使い易く精度も良い物性測定装置を安価に実現
する。 【解決手段】探触子5と方向性結合器4と信号発生回路
22と信号処理回路23とを備え励起信号Sを被測定物
6に入射してその反射信号Rの振幅と位相を検出する物
性測定装置において、基準周波数の奇数倍に当たる周波
数を持った多数の正弦波信号が励起信号Sに用いられ、
その基準周波数の信号の半波分か奇数倍だけ伝搬遅延時
間を異ならせる遅延切換回路が導入され、各位相の検出
処理に際して遅延切換状態の異なる複数の入力を処理す
るようにする。これにより、方向性結合器での干渉誤差
が動的に相殺される。また、変調回路31にて励起信号
Sの反転・非反転を選択的に行うとともに、復調回路3
2にて遅延切換回路40での反転も纏めて戻すようにす
る。さらに、PN符号を発生して直接拡散変調も行う。
これにより、精度が一層向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被測定物の誘電
率や誘電損失などを測定しうる物性測定装置に関し、詳
しくは、被測定物に励起信号を与えてその反射信号につ
いて振幅および位相の検出を行う物性測定装置に関す
る。例えば、複素誘電率は結合水や自由水の含有量の推
定等に有効であり、それは食品の鮮度や皮膚の保湿状態
についての判定・評価など種々の応用に役立つ。
【0002】
【従来の技術】図11に概要構成図を示したものは、何
れも従来の物性測定装置であり、上述の複素誘電率を周
波数成分に応じて求めるようになっている。図11
(a)の物性測定装置は、特許番号第2740528号
の特許公報(特開平2−110357号)に記載された
発明と等価なものであり、パーソナルコンピュータ1
(PC)とベクトルネットワークアナライザ2(V.N.
A.)とパワースプリッタ3と方向性結合器4,4rと探
触子5,5r(プローブ)とを具えている。そして、パ
ーソナルコンピュータ1の指令に応じてベクトルネット
ワークアナライザ2からステップパルス(Sz)が発せ
られ、それがパワースプリッタ3にて方向性結合器4,
4r双方に伝送されるようになっている。
【0003】そのうち方向性結合器4に入力した進行波
は探触子5を経て被測定物6に到達し、その反射波は探
触子5及び方向性結合器4を介してベクトルネットワー
クアナライザ2に取り込まれる(Rz)。一方、方向性
結合器4rに入力した進行波は探触子5rを経て標準物
質6rに到達し、その反射波は探触子5r及び方向性結
合器4rを介してやはりベクトルネットワークアナライ
ザ2に取り込まれる(Qz)。そして、ベクトルネット
ワークアナライザ2の位相計測機能および振幅計測機能
によって、両反射波の位相差や振幅が周波数成分に分解
した状態で検出され、それから上記公報に記載の算出式
に則って被測定物6の複素誘電率が算出される。複素誘
電率が得られると、水分含有率等の応用目的に合致した
二次的物性値が算出されて、それがパーソナルコンピュ
ータ1のディスプレイ等に表示される。
【0004】図11(b)の物性測定装置は、上述のも
のから方向性結合器4rと探触子5rとを省いたもので
あり、方向性結合器4rからの反射波に代えてパワース
プリッタ3から方向性結合器4への進行波をベクトルネ
ットワークアナライザ2に取り込むようになっている
(Qz)。これは、被測定物6,6rの測定を一の探触
子5にて逐次行うことで、複素誘電率の演算に必要な2
種類の反射波が得られるようになっている。このよう
に、何れの物性測定装置でも、被測定物に励起信号・進
行波が入射されるとともに、その反射波・反射信号が取
り込まれて、その振幅および位相の検出が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の物性測定装置では、反射信号の取り込みに方
向性結合器が使用されているため、方向性結合器の性能
によって測定精度が左右される。方向性結合器では、進
行波と反射波との伝搬経路が重複するため、両者の完全
分離が難しく、反射信号には数%或いはそれ以上の割合
で進行波の干渉による誤差が含まれる。そのような誤差
はパーソナルコンピュータの補正演算等にて除去するの
が一般的であるが、経年変化や環境変化に応じて補正演
算の内容を更新する必要があるため、使いづらい。
【0006】また、ステップ応答を処理する高性能なベ
クトルネットワークアナライザは高価なので、励起信号
として周波数の異なる正弦波信号を用いることでコスト
ダウンを図りたいが、広範な周波数を総て掃引するのは
時間が掛かり過ぎる(上記公報の「その他」欄も参
照)。そこで、励起信号に正弦波信号を採用するに際し
て周波数を限定するとともにその限定を利用して誤差の
割合および経年変化の影響を抑制するように工夫するこ
とが技術的な課題となる。この発明は、このような課題
を解決するためになされたものであり、使い易く精度も
良い物性測定装置を安価に実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第4の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0008】[第1の解決手段]第1の解決手段の物性
測定装置は、出願当初の請求項1に記載の如く、また図
1(a)に図示したように、表面測定用の探触子5と、
信号入力端子と入力信号出力端子と反射信号出力端子と
を有し前記入力信号出力端子が前記探触子5と信号伝送
可能に接続された方向性結合器4と、既知波形の励起信
号Sを発生して前記方向性結合器4の前記信号入力端子
に送出する信号発生手段22と、前記方向性結合器4の
前記反射信号出力端子から出力された反射信号Rを入力
してその振幅および位相の検出を行う信号処理手段23
とを備えた物性測定装置において、遅延切換回路40を
導入するとともに、前記信号発生手段22と前記信号処
理手段23に改造を施したものである。
【0009】すなわち、前記信号発生手段22は、前記
遅延切換回路40の遅延時間に対応して定められた基準
周波数の奇数倍に当たる周波数を持った高周波の正弦波
信号であって周波数の異なる多数の信号を例えばマイク
ロ波で逐次発生して(即ち時間の推移に伴って次々と正
弦波信号の周波数を変えて)、それを前記励起信号Sと
して出力するようになっており、前記遅延切換回路40
は、前記方向性結合器4と前記探触子5との信号伝送経
路に介挿して設けられ、伝搬遅延時間を前記基準周波数
の信号の半波分だけ又はその奇数倍だけ異ならせるもの
であり、前記信号処理手段23は、振幅および位相の検
出処理を前記励起信号Sの各周波数ごとに行うようにな
っており、且つ、各検出処理すなわち一つの周波数での
検出処理に際して複数の入力を処理して一の位相値を求
めるのであり而もその処理対象に前記遅延切換回路40
の切換状態の異なるときの各入力を含めるようになって
いる。
【0010】このような第1の解決手段の物性測定装置
にあっては、半導体素子等を用いて安価に実現可能な遅
延切換回路が導入されるとともに、その遅延時間と所定
の基準周波数とが対応付けられていて、その基準周波数
の奇数倍に当たる周波数を持った高周波の正弦波信号が
励起信号として信号発生回路から方向性結合器と遅延切
換回路と探触子とを介して被測定物へ送出される。そし
て、その反射信号が、探触子と遅延切換回路と方向性結
合器とを介して信号処理回路に入力され、各周波数成分
ごとに振幅と位相が求められる。その際、遅延切換回路
のところで半波かその奇数倍だけ遅延時間を変えられた
信号とそうでない信号とについて、信号処理回路等によ
って検出値が纏められる。
【0011】そのような遅延時間の異なる正弦波信号に
ついては波形が互いに反転した関係になるのに対し、そ
れらに方向性結合器で重畳する干渉波はほぼ同じである
から、それらの信号を纏めるときに、所望の信号の波形
反転関係を解消するよう簡単な処理を行えば、干渉波成
分は逆向きになって互いに消し合うこととなる。このよ
うに、基準周波数の奇数倍に当たる周波数を持った高周
波の正弦波信号に限定してそれらを励起信号に採用する
とともに、それらの信号については波形反転と等価な伝
搬遅延を選択的に施すようにしたことにより、方向性結
合器での反射波に対する進行波の干渉による誤差を動的
に相殺することが簡単に行えることとなる。
【0012】そのため、制御演算部をベクトルネットワ
ークアナライザより簡便で安価なものにしても、測定精
度が劣化するどころか寧ろ向上するうえ、補正演算内容
の頻繁な更新も不要で使い易いものとなる。したがっ
て、この発明によれば、使い易く精度も良い物性測定装
置を安価に実現することができる。
【0013】[第2の解決手段]第2の解決手段の物性
測定装置は、出願当初の請求項2に記載の如く、また図
1(b)に要部を図示したように、上記の第1の解決手
段の物性測定装置であって、信号波形の反転・非反転を
前記遅延切換回路40の遅延状態すなわち切換状態に対
応して行う波形反転回路41が前記方向性結合器4と前
記信号処理手段23との信号伝送経路(R〜RR)に介
挿して設けられている、というものである。
【0014】このような第2の解決手段の物性測定装置
にあっては、反射信号に対し、遅延切換回路での伝搬遅
延による等価的な反転状態を解消するための反転処理
が、方向性結合器の直ぐ後方で行われる。そのため、反
転状態に対応して干渉波の乗り方の異なる2種類の反射
信号が得られるので、それらを足し合わせる等のことで
容易に誤差を相殺させることができる。これにより、信
号処理手段の演算量が軽減される一方、そのような反転
処理を行う回路は小規模なもので済む。したがって、こ
の発明によれば、使い易く精度も良い物性測定装置を安
価に実現することができる。
【0015】[第3の解決手段]第3の解決手段の物性
測定装置は、出願当初の請求項3に記載の如く、また図
1(c)に図示したように、上記の第1の解決手段の物
性測定装置であって、信号波形の反転・非反転を選択的
に行う変調回路31が前記信号発生手段22と前記方向
性結合器4との信号伝送経路(S〜SS)に介挿して設
けられ、且つ、信号波形の反転・非反転を前記変調回路
31の反転状態および前記遅延切換回路40の遅延状態
(即ち切換状態)に対応して行う復調回路32が前記方
向性結合器4と前記信号処理手段23との信号伝送経路
(R〜RR)に介挿して設けられている、というもので
ある。
【0016】このような第3の解決手段の物性測定装置
にあっては、方向性結合器より前のところで進行波に対
して選択的に反転処理が施されるうえ、方向性結合器の
後方では、反射信号に対し、その反転状態を解消するた
めの反転処理に加えて、遅延切換回路での伝搬遅延によ
る等価的な反転状態を解消するための反転処理も行われ
る。そのため、反転状態に対応して干渉波の乗り方の異
なる4種類の反射信号が得られるので、それらを足し合
わせる等のことで容易に誤差を相殺させることができ
る。しかも、そのような反射信号は方向性結合器の後方
での演算だけでは得られない多様なものとなっているこ
とから、簡便な演算でも複雑な演算を凌ぐ結果が期待で
きるので、誤差の相殺が確実になされることにもなる。
【0017】また、そのような反転処理を行う変調回路
や復調回路は、小規模な回路で具現しうるものである。
さらに、そのうち復調回路は、上記第2解決手段の波形
反転回路41の機能を兼ねるが、僅かな改造で一体的に
具現しうるので、回路規模の増加がほとんどない。この
ように、方向性結合器の前後で異質の波形反転を選択的
に行うとともにその反転状態を方向性結合器の後方で纏
めて解消するようにしたことにより、回路規模の増加は
僅かなものに抑えつつ、測定精度が向上することとな
る。したがって、この発明によれば、使い易く而も精度
が一層良い物性測定装置を安価に実現することができ
る。
【0018】[第4の解決手段]第4の解決手段の物性
測定装置は、出願当初の請求項4に記載の如く、また図
1(d)に図示したように、上記の第3の解決手段の物
性測定装置であって、疑似雑音符号(疑似ランダムノイ
ズ、Pseudo-Noise, Pseudorandom-Noise、PN系列、M
系列)発生回路33が設けられ、その疑似雑音符号PN
を用いて前記変調回路31が波形反転処理を行うように
なっている、というものである。
【0019】このような第4の解決手段の物性測定装置
にあっては、装置外への出力信号である励起信号に対し
て直接拡散変調と等価な信号処理が施される。複素誘電
率等の物性を測定するのに用いられる電気信号は、高周
波であるため電波法によって漏れや放散が規制される
が、直接拡散変調を施すことにより、出力パワーを下げ
ずにパワースペクトルにおけるピークパワーを下げるこ
とができるので、法規制のクリアーが容易になる。その
ため、法規制を守りながら信号レベルを高めて測定精度
を更に向上させることが可能となる。したがって、この
発明によれば、使い易く而も精度がより一層良い物性測
定装置を安価に実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明の物性測定装置について、これを実施するための
形態を幾つか説明する。
【0021】本発明の第1の実施形態は、上述した解決
手段の物性測定装置であって、プローブ切換回路が前記
遅延切換回路と前記探触子との信号伝送経路に介挿して
設けられるとともに、前記探触子に加えて別の表面測定
用探触子も前記プローブ切換回路に接続して設けられて
いる、というものである。これにより、標準物質に関す
る測定も自動で行うことができる。
【0022】本発明の第2の実施形態は、上述した解決
手段および実施形態の物性測定装置であって、温度セン
サが設けられている、というものである。これにより、
温度の異なる環境下でも、それに対応した適切な補正を
行って、正確な測定結果を得ることができる。
【0023】このような解決手段や実施形態で達成され
た本発明の物性測定装置について、これを実施するため
の具体的な形態を、以下の第1〜第4実施例により説明
する。図2,図3に示した第1実施例は、上述した第1
の解決手段を具現化したものであり、図4〜図6に示し
た第2実施例は、上述した第2,第3の解決手段を具現
化したものであり、図7〜図9に示した第3実施例は、
上述した第4の解決手段を具現化したものであり、図1
0に示した第4実施例は、上述した第1,第2実施形態
を具現化したものである。なお、それらの図示に際して
は、簡明化等のため、筐体や,実装基板,電源,個々の
細かな回路素子などは図示を割愛し、発明の説明に必要
なものや関連するものを中心に適宜な単機能ブロック・
小機能ブロック等で図示した。
【0024】
【第1実施例】本発明の物性測定装置の第1実施例につ
いて、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図1(a)は概要ブロック図であり、図2は、詳細ブロ
ック図である。この物性測定装置は、図11(b)に示
した従来の装置と同様に、パーソナルコンピュータ1と
方向性結合器4と探触子5とを具えているが、遅延切換
回路40が新たに設けられるとともに、ベクトルネット
ワークアナライザ2及びパワースプリッタ3に代えて制
御演算部20が具備されている。制御演算部20は、マ
イクロプロセッサ21(MPU)と、信号発生回路22
(S.G.)と、信号処理回路23(S.A.)とからなり、マ
イクロ波(高周波)の励起信号Sを発生するとともにそ
の反射信号Rから振幅と位相を検出して複素誘電率を算
出する。
【0025】パーソナルコンピュータ1は、必須ではな
いが大抵は設けられていて、操作・指令等の入力や、測
定結果の表示、データの蓄積など、アプリケーションに
応じた種々の処理をプログラムにて遂行する。この例で
は、被測定物6および標準物質6rそれぞれについて測
定周波数毎に一組ずつ振幅値Arおよび位相差Δθが得
られると、それらから、特開平2−110357号公報
で公知の演算を行って被測定物6の複素誘電率を算出す
るようになっている。探触子5は、信号伝送経路をなす
マイクロ波伝送用同軸ケーブルの端部に装着されてい
て、表面測定時には先端面が被測定物6や標準物質6r
の表面に当接されてマイクロ波を出射するようになって
いる。
【0026】方向性結合器4は、励起信号S(進行波)
から反射信号R(反射波)を分離して検出するためのも
のであり、ここでは、開孔間が2個以上の通路で結ばれ
これらの通路間の位相差が進行波と反射波とで異なる2
孔性方向性結合器が採用されている。これには同軸ケー
ブルを接続可能な信号入力端子と入力信号出力端子と反
射信号出力端子とが具わっており、そのうち入力信号出
力端子は探触子5とマイクロ波信号伝送可能にケーブル
接続されていて、進行波も反射波も伝送するようになっ
ている。また、信号入力端子は、信号発生回路22の出
力端子とマイクロ波信号伝送可能にケーブル接続されて
いて、励起信号Sを入力するようになっている。反射信
号出力端子は、信号処理回路23とマイクロ波信号伝送
可能にケーブル接続されていて、反射信号Rを出力する
ようになっている。
【0027】遅延切換回路40は、電気長の相違する2
つの経路(0,π)と、それらの両端に接続された一組
のPINダイオードスイッチSW1,SW2とを具えて
いて、マイクロプロセッサ21の制御に従って何れか一
方の経路を選択して有効にするものである。これは、方
向性結合器4と探触子5との間の伝搬遅延時間を異なら
せるために、その信号伝送経路をなす同軸ケーブルの途
中に介挿接続して設けられ、方向性結合器4と探触子5
との間の伝搬遅延時間を往復で基準周波数の信号の半波
分だけ又はその奇数倍だけ異ならせるようにされる。す
なわち、択一的に選択される2経路(0,π)の電気長
の差が基準周波数と各測定周波数とに基づいて上記条件
を満たすよう決められ、それに合致するよう実効電気長
が調整される。
【0028】具体的には、励起信号Sが正弦波信号であ
ることを前提に、そのうち測定に用いられる周波数が特
定関係下の離散的なものに限定される。その際、各測定
周波数すなわち励起信号Sの送信周波数fsが満たすべ
き特定関係は、何れの周波数も或る基準周波数の奇数倍
になっているということである。そのような基準周波数
が存在しているとき、その周波数で遅延切換回路40の
実効電気長の差が調整される。例えば、励起信号Sの送
信周波数fsとして、下限周波数foから上限周波数f
nすなわち(2×n+1)×foまで周波数差2×fo
で(n+1)個の測定周波数が選出された場合、基準周
波数は下限周波数foに一致する。
【0029】この場合に、下限周波数foを500MH
zとすると、他の測定周波数は、3×fo=1.5GH
z、5×fo=2.5GHz、7×fo=3.5GH
z、9×fo=4.5GHz、…、29×fo=29.
5GHz=fn(n=29)となる。このとき、基準周
波数foも500MHzであり、その波長λoは60c
mなので、その1/4波長すなわちλo/4は15cm
なる。また、遅延切換回路40における波長短縮率とし
て0.7が得られたとすると、それを上記のλo/4に
掛けて、電気長L=10.5cmが得られるので、これ
に相当する遅延回路を遅延切換回路40の2経路の一方
(π)に設ける。または、その経路を長くする。そうす
ると、どの送信周波数fs=(2×i+1)×foで
も、遅延切換回路40の切換状態に応じて生じる信号往
復での位相差が180゜すなわちπラジアンとなる。
【0030】基準周波数が下限周波数foに一致しない
測定周波数の選出例としては、上述した各測定周波数の
うちから単に下限周波数foのみを除外する場合や、そ
の他の周波数を適宜除外する場合が挙げられる。また、
ほぼ同じ範囲に亘って0.5GHzおきに測定したい場
合には、基準周波数を0.25GHzに選定して、例え
ば0.75GHzから29.75GHzまで0.5GH
z差で各測定周波数を選出すれば良い。この場合も、不
必要な周波数は適宜除外して良い。これにより、基準周
波数が定まるとともに、その奇数倍に当たる周波数を持
った高周波の正弦波信号であって周波数の異なる多数の
信号も定まり、しかも、それらは遅延切換回路40の遅
延時間に対応したものとなる。
【0031】信号発生回路22は、そのような多数のマ
イクロ波信号を逐次発生して励起信号Sとして出力する
ものであり、そのために、マイクロ波信号発生器22a
を具備している。マイクロ波信号発生器22aは、マイ
クロプロセッサ21からトリガー信号を受けて励起信号
Sの生成を開始するとともに、水晶発振器の発振信号を
分周器で分周して得られた信号に基づいて励起信号Sに
おける各測定周波数の離散的な掃引を行うようになって
いる。マイクロ波信号発生器22aは、励起信号Sに加
えて、補助信号Qのうち周波数(fs−ft)の正弦波
信号も生成するようになっている。
【0032】また、信号発生回路22は、上記分周器の
分周信号から、PLLシンセサイザー22bで処理して
周波数ftの正弦波信号を生成するとともに、PLLシ
ンセサイザー22cで処理して補助信号Qのうちの周波
数flの正弦波信号を生成するようになっている。さら
に、それらの信号(ft,fl)をダブルバランスドミ
キサ22dで混合してからバンドパスフィルタBPFに
て所望の周波数を抽出することで、補助信号Qのうちの
周波数(ft−fl)の正弦波信号も生成する。これら
の補助信号Qは、何れも、励起信号Sと位相の同期が採
れており、適宜レベルに増幅されて、信号発生回路22
から信号処理回路23へ送給されるようになっている。
【0033】信号処理回路23は、反射信号Rの振幅お
よび位相を検出するためのものであり、周波数fsの反
射信号Rを入力してそれに対する検出処理を励起信号S
の各測定周波数ごとに行うとともに、それぞれの検出処
理に際して複数の入力を処理して一の位相値を求めるよ
うになっている。しかも、何れか一つの測定周波数で例
えば1.5GHzでの測定で、その処理対象に遅延切換
回路40の切換状態の異なるときの各入力を含めるよう
になっている。具体的には、マイクロプロセッサ21の
制御下で、遅延切換回路40が例えば1kHzで繰り返
し切り替わるとき、信号処理回路23は、数秒間に亘る
検出処理を行って、数千個のデータを収集し、その平均
を取る等のことでそれぞれの測定周波数ごとに一組の振
幅検出値および位相検出値に纏めるようになっている。
【0034】さらに、信号処理回路23は、そのような
検出処理を低い周波数領域で行うために、補助信号Qを
利用して反射信号Rを低周波にダウンコンバートする回
路等も具備している。具体的には、反射信号Rと周波数
(fs−ft)の補助信号Qとをダブルバランスドミキ
サ23aでミキシングしてからローパスフィルタLPF
にて周波数ftにダウンコンバートし、それを検波回路
23dで検波し、さらにA/D変換して、マイクロプロ
セッサ21に取り込み、マイクロプロセッサ21の平均
値演算によって振幅値Arを算出するようになってい
る。また、ダウンコンバートした周波数ftの信号は周
波数flの補助信号Qと共にダブルバランスドミキサ2
3bでミキシングしてからバンドパスフィルタBPFに
て周波数(ft−fl)にダウンコンバートして、反射
信号Rの位相情報θrを引き継ぐものとしてFPGA2
3cに取り込むようになっている。
【0035】FPGA23cは、例えばASICの一種
であるフィールドプログラマブルアレイからなるデジタ
ル演算回路であり、励起信号Sの位相情報θqを引き継
ぐものとしての周波数(ft−fl)の補助信号Qも取
り込んで、両者の位相差Δθ=(θq−θr)を算出す
るものである。その際、マイクロプロセッサ21の制御
に従って、反射信号Rに関する位相状態を遅延切換回路
40の切換状態に応じて反転させる処理を行い、そのう
えで平均値演算等を行って、位相検出値Δθを求めるよ
うになっている。なお、FPGA23cの処理能力と測
定時間とのトレードオフ等にも依るので一概には言えな
いが、周波数ダウンコンバートの典型例は、周波数ft
が500MHz、周波数(ft−fl)が333.33
kHzである。
【0036】マイクロプロセッサ21は、メモリや入出
力回路を内蔵した汎用のワンチップコンピュータであ
り、プログラムの実行によって、信号発生回路22に対
して励起信号Sの周波数掃引開始や周波数切換の制御信
号を送出する他、それに同期して遅延切換回路40の切
換制御と信号処理回路23に対する演算制御も行う。そ
して、自己の演算やFPGA23cからの収受にて測定
周波数毎に一組ずつ振幅値Arおよび位相差Δθを得
て、それをパーソナルコンピュータ1に送出するように
なっている。なお、この例では、マイクロプロセッサ2
1とFPGA23cとで演算制御処理を分担するように
したが、何れか一方だけに纏めても良い。全機能を一方
に纏めるのでなく、一部機能を移転させても良く、例え
ば反射信号Rに関する位相状態を遅延切換回路40の切
換状態に応じて反転させる処理をFPGA23cでなく
マイクロプロセッサ21が行うようにしても良い。
【0037】上述した各回路22,23や方向性結合器
4及び探触子5を接続するケーブルには例えばセミリジ
ット同軸ケーブルが用いられるが、その波長短縮率がk
のとき、基準周波数の正弦波信号の波長をλとして、各
ケーブルの電気長が(λ/4)×kの奇数倍になるよう
に、各ケーブルは設計・製造されている。これにより、
各ケーブルにおいて、ケーブル両端のコネクタからの反
射信号の位相差が180゜(π)になることから、反射
信号のレベルがほぼ同じであれば不所望な反射信号を打
ち消すことができるので、コネクタやPINダイオード
スイッチ等の接合部分のインピーダンス不整合による入
射信号の多重反射に起因して生じる位相誤差や振幅誤差
が抑制されるようになっている。なお、各ケーブル長の
最終調整は、遅延切換回路40における2経路(0,
π)の電気長の調整も同様であるが、最も条件の厳しい
上限周波数fnで必要条件を満たすように行うのが良
い。
【0038】この第1実施例の物性測定装置について、
その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図
3(a)は、信号ベクトル図であり、同図(b)は、信
号対応表である。パーソナルコンピュータ1を操作して
その動作状態を測定モードにすると、被測定物6の測定
と標準物質6rの測定とを任意の順序で行うよう促され
る。ここでは、標準物質6rを先に測定し、次に被測定
物6を測定する場合を述べる。
【0039】先ず、標準物質6rの測定を実行するため
に、探触子5を標準物質6rの表面に当接させ、それか
らパーソナルコンピュータ1に標準物質6rの測定開始
を指示する。そうすると、物性測定装置では、パーソナ
ルコンピュータ1からマイクロプロセッサ21にその旨
の指令や必要なパラメータ等が送られ、それに基づいて
マイクロプロセッサ21から信号発生回路22と信号処
理回路23と遅延切換回路40とに対して初期化や切換
などの制御信号が逐次送出される。
【0040】そして、その制御に従い、信号発生回路2
2から励起信号Sが出力され、それが方向性結合器4と
遅延切換回路40とを順に進行し、探触子5に達して標
準物質6rに射出される。また、その反射波が、同じ信
号伝送経路を逆順に戻り、方向性結合器4のところで分
離されて、反射信号Rとして取り出される。反射信号R
は、信号処理回路23に入力され、そこのダブルバラン
スドミキサ23a,23b等の信号処理により信号発生
回路22からの補助信号Qを利用して周波数が高周波の
周波数fsから中間周波の周波数ftや低周波の周波数
(ft−fl)にダウンコンバートされる。それから、
FPGA23cによって位相差Δθが算出されるととも
にマイクロプロセッサ21によって振幅値Arが算出さ
れ、それらがマイクロプロセッサ21に収集される。
【0041】その際、測定周波数すなわち励起信号Sの
送信周波数fsは、0.5GHz,1.5GHz,2.
5GHz,…,29.5GHzと例えば2秒毎に変化す
る。また、その間ずっと継続して、遅延切換回路40で
は1kHzで2経路(0,π)の交互選択切換動作が繰
り返えされる。さらに、FPGA23cやマイクロプロ
セッサ21では、遅延切換回路40の切換動作の中間時
点ごとに又は遅延切換回路40の切換状態の安定した適
宜なタイミングで位相情報θr,θqや振幅値Arのサ
ンプリングが行われるとともに、各測定周波数の割当時
間である2秒毎に平均値演算等が行われる。
【0042】こうして、60秒後には、標準物質6rに
関する各測定周波数ごとに一組ずつ合計で30組の振幅
値Ar及び位相差Δθが得られ、それがマイクロプロセ
ッサ21からパーソナルコンピュータ1に送られる。標
準物質6rの測定を終えると、パーソナルコンピュータ
1によって被測定物6の測定が促されるので、その測定
を実行するために、探触子5を標準物質6rから離して
被測定物6の方に移し、探触子5を被測定物6の表面に
当接させた状態で、パーソナルコンピュータ1に被測定
物6の測定開始を指示する。
【0043】そうすると、物性測定装置では、同様の処
理が繰り返されて、被測定物6に関する各測定周波数ご
とに一組ずつ合計で30組の振幅値Ar及び位相差Δθ
が得られ、それがマイクロプロセッサ21からパーソナ
ルコンピュータ1に送られる。相違点は、被測定物6が
特性未知であるため既知の標準物質6rより念入りに測
定すべく、各測定周波数の割当時間が延長されて例えば
8秒になっている点である。そのため、今度は、240
秒後に、各周波数ごとの一連の検出値がマイクロプロセ
ッサ21からパーソナルコンピュータ1に送られる。
【0044】こうして、被測定物6と標準物質6rとに
関する一連の振幅値Ar及び位相差Δθが収集され、そ
れからパーソナルコンピュータ1によって被測定物6の
複素誘電率が算出され表示される。次に、こうして得ら
れた検出値・物性値が正確なものであることを、図3を
参照しながら説明する。何れの測定周波数についても同
様なので、或る一の測定周波数での測定について詳述す
る。
【0045】方向性結合器4で干渉が全く無いと仮定し
た理想状態で、遅延切換回路40の切換状態が2経路の
一方(π)のとき即ち遅延選択が波形反転状態のとき、
その反射信号Rの信号ベクトルをS1とし、遅延切換回
路40の切換状態が2経路の他方(0)のとき即ち遅延
選択が非反転状態のとき、その反射信号Rの信号ベクト
ルをS0とすると、信号ベクトル図上で、信号ベクトル
S0は0゜の半径上に位置し、信号ベクトルS1は18
0゜の半径上に位置する。実際には、何れのときでも、
数%程度の大きさで斜交する干渉波ベクトルE0が重畳
する。そのため、実際に得られる反射信号Rの信号ベク
トルは、信号ベクトルS0と干渉波ベクトルE0との合
成波ベクトルR00と、信号ベクトルS1と干渉波ベク
トルE0との合成波ベクトルR10とになる。
【0046】そして、合成波ベクトルR00には、位相
誤差+θpと振幅誤差+Apが含まれ、合成波ベクトル
R10には、位相誤差−θmと振幅誤差−Amが含まれ
ることとなる。このような合成波ベクトルR00,R1
0の振幅値Ar及び位相情報θrは、両遅延選択(0,
π)について同数がサンプリングされ、振幅値Arにつ
いてはそのまま相加平均がとられる。また、位相情報θ
rについては、FPGA23c又はマイクロプロセッサ
21で波形反転状態のものだけ反転演算が施され、位相
状態が揃ったところで、相加平均がとられる。
【0047】そうすると、位相差Δθの誤差は位相誤差
(θp−θm)となり、振幅値Arの誤差は振幅誤差
(θp−θm)となる。ここで、干渉波ベクトルE0は
合成波ベクトルR00,R10と比べれば小さいので、
ベクトルの性質より位相誤差+θpと位相誤差−θmと
の差は僅かであり、振幅誤差+Apと振幅誤差−Amと
の差も僅かである。そのため、位相誤差(θp−θm)
も振幅誤差(+Ap−Am)も、相殺されて小さくな
り、遅延切換回路40の調整具合や信号処理回路23の
精度等にも依るが、数分の1以下に抑制される。こうし
て、この物性測定装置にあっては、選定された何れの測
定周波数においても、被測定物から反射した信号の振幅
および位相が正確に測定される。また、干渉波ベクトル
のキャンセルは動的に行われるので、方向性結合器4に
おける干渉状態が経年変化等しても、正確な測定がなさ
れる。
【0048】
【第2実施例】本発明の物性測定装置の第2実施例につ
いて、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図1(c)は概要ブロック図であり、図4は、詳細ブロ
ック図である。また、図5は、マイクロ波信号発生器の
ブロック図である。
【0049】この物性測定装置が上述した第1実施例の
ものと相違するのは、変復調回路30が導入されて制御
演算部20と方向性結合器4とに介在させられている点
である。変復調回路30は、変調回路31と復調回路3
2とからなり、そのうち変調回路31は、信号発生回路
22と方向性結合器4との信号伝送経路(S〜SS)に
介挿され、復調回路32は、方向性結合器4と信号処理
回路23との信号伝送経路(R〜RR)に介挿されてい
る。
【0050】変調回路31は、ダブルバランスドミキサ
31aと分周器31bとバッファー等を具えていて、信
号発生回路22の出力信号を分周器31bで分周して送
信周波数fsより低い周波数の例えば1MHzの矩形波
信号・二値信号を変調信号Bとして生成するとともに、
その変調信号Bと励起信号Sとをダブルバランスドミキ
サ31aでミキシングすることで、励起信号Sの反転・
非反転を一定周期で選択的に行うようになっている。こ
うしてデジタル変調された励起信号SSが方向性結合器
4に進行するようにもなっている。
【0051】復調回路32は、信号波形の反転・非反転
を変調回路31の反転状態に対応して行うのに加えて遅
延切換回路40の切換状態(遅延状態)にも対応して行
うために、ダブルバランスドミキサ32aと反転切替回
路32bとバッファー等を具えている。そして、反転切
替回路32bにて、遅延切換回路40が非反転状態のと
きには変調信号Bと同じものを復調信号Mとして選出
し、遅延切換回路40が反転状態のときには変調信号B
の反転信号を復調信号Mとして選出し、さらに、その復
調信号Mと反射信号Rとをダブルバランスドミキサ32
aにてミキシングするようになっている。こうしてデジ
タル復調された反射信号RRが信号処理回路23に入力
されるようにもなっている。
【0052】また、変復調回路30の追加に対応して、
信号処理回路23での位相情報θrサンプリング及びマ
イクロプロセッサ21での振幅値Arサンプリングは、
変調信号Bの反転タイミングの中間時点ごとに1MHz
で又は変調信号Bの安定した適宜なタイミングで行われ
る。さらに、変調回路31での波形反転を解消するため
の波形反転処理に加えて、遅延切換回路40での波形反
転を解消するための波形反転処理も、復調回路32で纏
めて行われるようになったことに対応して、反射信号R
Rの位相状態の反転処理がFPGA23c又はマイクロ
プロセッサ21の演算から省かれている。
【0053】なお、ここでマイクロ波信号発生器22a
について付言すると、送信周波数fsの励起信号Sと周
波数(fs−ft)の補助信号Qとの2信号を同時生成
するマイクロ波信号発生器を用いても良いが、それに代
えて、励起信号Sだけを発生する安価なマイクロ波信号
発生器を用いて補助信号Qは派生させるようにしても良
い。例えば(図5参照)、PLLシンセサイザー22b
から周波数ftの正弦波信号を入力するとともに、励起
信号Sからダブルバランスドミキサでダウンコンバート
して周波数ftの正弦波信号を生成し、両者をフェーズ
ロックループに入力する等のことで、位相同期の採れた
周波数(fs−ft)の補助信号Qを取り出すことが可
能である。
【0054】この第2実施例の物性測定装置について、
その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図
6(a)は、信号ベクトル図であり、同図(b)は、信
号対応表である。この場合も操作手順や全体的な一連の
測定動作は上述したのと同様なので、繰り返しとなる説
明は割愛し、ここでは、或る一の測定周波数での測定に
ついて、正確な検出値・物性値が如何にして得られるか
を詳述する。
【0055】この場合、遅延選択が非反転状態(0)か
波形反転状態(π)かという場合分けに加えて、変調信
号Bが非反転状態(0)か波形反転状態(1)かという
場合分けも存在する。そして、変調信号Bが非反転状態
(0)のときは上述した干渉波ベクトルE0が重畳する
のに対し、変調信号Bが波形反転状態(1)のときは位
相反転した干渉波ベクトルE1が重畳する。そのため、
実際に得られる反射信号RRの信号ベクトルは、信号ベ
クトルS0と干渉波ベクトルE0との合成波ベクトルR
00と、信号ベクトルS1と干渉波ベクトルE1との合
成波ベクトルR11と、信号ベクトルS1と干渉波ベク
トルE0との合成波ベクトルR10と、信号ベクトルS
0と干渉波ベクトルE1との合成波ベクトルR01にな
る。
【0056】これらのうち合成波ベクトルR00,R1
1には、位相誤差+θpと振幅誤差+Apが含まれ、合
成波ベクトルR10,R01には、位相誤差−θmと振
幅誤差−Amが含まれる。そして、このような合成波ベ
クトルR00,R11,R10,R01の振幅値Ar及
び位相情報θrが同数個ずつサンプリングされて、その
相加平均がとられると、この場合も、位相差Δθの誤差
は位相誤差(θp−θm)となり、振幅値Arの誤差は
振幅誤差(θp−θm)となり、キャンセルされる。こ
うして、この物性測定装置にあっても、被測定物から反
射した信号の振幅および位相が正確に測定される。
【0057】また、この場合、変復調回路30を導入し
たことで更なるメリットを享受することができる。対比
のため先ず変復調回路30が無い場合を詳述すると(図
2参照)、マイクロ波信号発生器からの出力信号Sの一
部が信号発生回路22の内部回路や電源回路等を通って
ダブルバランスドミキサ23aで反射波Rに対する干渉
波(Es)となり、それが方向性結合器4での干渉波E
0に合成されるので、干渉波EはベクトルE0とベクト
ルEsの合成波となる。そして(図3参照)、干渉波E
が大きくなると、位相誤差(θp−θm)も振幅誤差
(Ap−Am)も大きくなる。そのため、干渉波(E+
Es)を小さくするには、信号発生回路22の内部回路
や電源回路等の電波漏れ対策に関しても注意深い設計や
実装が必要となる。これはコストアップの要因となる。
【0058】これに対し、本実施例では変復調回路30
が設けられている(図4参照)。そのため、変調回路3
1により信号波形の反転(SS1)非反転(SS0)が
行なわれて、マイクロ波出力信号は変調後の励起信号S
Sとなる。マイクロ波信号発生器からの出力信号SSの
一部は、この場合も信号発生回路22の内部回路や電源
回路等を通ってダブルバランスドミキサ23aで反射波
RRに対する干渉波(Ess)となるが、この場合は、
反射波RRが復調回路32で復調されているのに対し、
反射波RRに対する干渉波(Ess)はマイクロ波出力
信号SSの反転(SS1)非反転(SS0)に同期して
反転(Ess1)非反転(Ess0)する。このような反射波R
Rと干渉波(Ess1、Ess0)の関係は、図6で信号ベクト
ルS0を信号ベクトルRRに置き換え、信号ベクトルE
0を信号ベクトルEss0に且つ信号ベクトルE1を信号ベ
クトルEss1に置き換えた場合と同様の関係になる。
【0059】そのため、この物性測定装置にあっては、
変復調回路30を制御演算部20と方向性結合器4との
信号伝送経路に介挿して導入したことによって、方向性
結合器4での干渉波Eばかりか制御演算部20内部など
他の経路での干渉波(Ess)までも、その影響が相殺
・削減されることとなる。また、信号発生内部回路や,
電源回路,接地まわり等の電波漏れ対策に関し、変復調
回路30が無い場合と比べて、コストダウンが可能にな
る。したがって、この実施態様にあっては、被測定物か
ら反射した信号の振幅および位相をより正確に測定する
物性測定装置を安価に実現することができる。
【0060】
【第3実施例】本発明の物性測定装置の第3実施例につ
いて、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図1(d)は概要ブロック図であり、図7は、詳細ブロ
ック図である。また、図8は、PN符号発生回路の回路
図である。この物性測定装置が上述した第2実施例のも
のと相違するのは、分周器31bに代えてPN符号発生
回路33(M系列発生器、疑似雑音符号発生回路)が設
けられている点である。
【0061】PN符号発生回路33は、5段のクロック
同期式フリップフロップFF1〜FF5とEORゲート
とからなる公知のものであり、31クロックを1周期と
してPN符号“110001101110101000
0100101100111”を繰り返し生成するよう
になっている。また、このPN符号発生回路33の出力
段にはマルチプレクサMUXも設けられていて、上記P
N符号そのままの信号とその反転信号とが1周期おきに
選択されるようになっている。これにより、PN符号発
生回路33は、2周期で値0と値1との個数が等しくな
る変調信号PNを生成し、これを変調信号Bに代えてダ
ブルバランスドミキサ31aに送出するものとなる。ま
た、反転切替回路32bも、上述のPN符号かその反転
信号か何れかを選出するマルチプレクサMUXにて簡便
に具現される。
【0062】この第3実施例の物性測定装置について、
その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図
9は、出力のパワースペクトル図であり、(a)が全パ
ワー一致時の比較用、(b)がピークパワー一致時の比
較用である。装置から外部へ漏れる電磁波のうち大部分
がシールド不可能な探触子5から放出されるが、この場
合、そこに進行する励起信号SSはPN符号にて変調さ
れている。
【0063】この変調処理は、携帯電話等の通信分野で
用いられている直接拡散変調をPN符号の限定にて簡素
化したものであり、固定データしか伝送しないので通信
機能は喪失しているが、パワースペクトルを拡散させる
作用は引き継いでいる。そのため、励起信号Sのパワー
が同じなら(図9(a)参照)、変調しないときに比べ
て(破線グラフ参照)、変調したときには(実線グラフ
参照)、ピークパワーが下がる。この差ΔPは変調処理
の拡散率に依存しており、その拡散率はPN符号発生回
路33のクロック周波数に依存していることから、クロ
ック周波数を上げると差ΔPも大きくなるが、変調が強
すぎると励起信号SSの波形の乱れによる誤差が無視で
きなくなるので、拡散率は両者のトレードオフにて決ま
る。
【0064】なお、どの測定周波数でも拡散率を一定に
したいときには、PN符号発生回路33のクロックの周
波数を送信周波数fsに応じて可変するようにすれば良
いが、特定の測定周波数で出力パワーを抑制すれば足り
るようなときには、クロック周波数を固定しても良い。
また、ピークパワーを下げることよりも全パワーを上げ
ることが優先するような場合は(図9(b)参照)、変
調時のピークパワー(実線グラフ参照)が無変調時のも
の(破線グラフ参照)に一致するところまで励起信号S
Sのパワー増幅を強化すれば良く、そうすることで出力
パワーがアップして(ΔA参照)、反射信号Rを明瞭に
捉えることができる。
【0065】
【第4実施例】図10にブロック図を示した本発明の物
性測定装置が上述した各実施例のものと相違するのは、
プローブ切換回路51と探触子5rと温度センサ52と
が追加されていることである。
【0066】プローブ切換回路51は、マイクロプロセ
ッサ21の制御に従って切り替わる3端子のPINダイ
オードスイッチSW3を主体にしたものであり、遅延切
換回路40と探触子5との信号伝送経路に介挿して設け
られている。探触子5rは、探触子5と同じ特性を持っ
た別の表面測定用探触子であり、探触子5とPINダイ
オードスイッチSW3の端子とを接続している同軸ケー
ブルと特性も長さも同じ同軸ケーブルにてPINダイオ
ードスイッチSW3の他の端子に接続されている。
【0067】これにより、プローブ切換回路51は、P
INダイオードスイッチSW3の切換状態によって、方
向性結合器4及び遅延切換回路40からの励起信号S,
SSを、探触子5,5rの何れか一方に伝送するものと
なっている。温度センサ52は、一般的な熱電対などを
利用したもので足り、計測雰囲気の温度を検出してマイ
クロプロセッサ21に送出するようになっている。
【0068】この場合、探触子5を被測定物6に当て、
探触子5rを標準物質6rに当てて、測定が行われる。
マイクロプロセッサ21の制御によって、各測定周波数
ごとに、プローブ切換回路51を作動させて例えば前半
2秒は探触子5rを選択して標準物質6rの測定を行
い、例えば後半8秒は探触子5を選択して被測定物6の
測定を行う。このような時分割での並行処理により、被
測定物6に加えて標準物質6rに関する測定も自動で行
われるうえ、標準物質6rの物性値を基準としてそれと
の差で表される被測定物6の物性値が各測定周波数ごと
に逐次得られることから、多くの測定周波数に亘って検
出値を蓄積しておく必要が無くなるので、高速メモリ等
を減らしてコストダウンを図ることができる。
【0069】また、標準物質6rや被測定物6の物性値
について温度特性が判明している又は推定しうる場合に
は、パーソナルコンピュータ1を操作してマイクロプロ
セッサ21の動作モードを補正演算の有効なものに設定
しておく。そうすると、その設定に対応した補正演算た
とえば線形演算や対数演算での補正あるいは折れ線グラ
フに基づく変換による補正が、振幅値Ar及び位相差Δ
θに施される。温度特性が不明なときや不要なときに
は、補正演算は無効にしておき、測定時の温度は参考デ
ータ・付加データ等とする。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の解決手段の物性測定装置にあっては、基準周波
数の奇数倍に当たる周波数を持った高周波の正弦波信号
に限定して励起信号に採用するとともに、それらの信号
については波形反転と等価な伝搬遅延を選択的に施すよ
うにしたことにより、使い易く精度も良い物性測定装置
を安価に実現することができたという有利な効果が有
る。
【0071】また、本発明の第2の解決手段の物性測定
装置にあっては、伝搬遅延による波形の反転状態を方向
性結合器の直ぐ後方で解消するようにもしたことによ
り、信号処理での演算負担が軽減されて、使い易く精度
も良い物性測定装置を安価に実現することができたとい
う有利な効果を奏する。
【0072】さらに、本発明の第3の解決手段の物性測
定装置にあっては、方向性結合器の前後で異質の波形反
転を選択的に行うとともにその反転状態を方向性結合器
の後方で纏めて解消するようにもしたことにより、使い
易く而も精度が一層良い物性測定装置を安価に実現する
ことができたという有利な効果が有る。
【0073】また、本発明の第2の解決手段の物性測定
装置にあっては、直接拡散変調も行うようにしたことに
より、使い易く而も精度がより一層良い物性測定装置を
安価に実現することができたという有利な効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 何れも本発明の物性測定装置の概要構成図
であり、(a)が第1解決手段、(b)が第2解決手
段、(c)が第3解決手段、(d)が第4解決手段のも
のである。
【図2】 本発明の物性測定装置の第1実施例につい
て、その構造を示すブロック図である。
【図3】 信号ベクトル図および信号対応表で
ある。
【図4】 本発明の物性測定装置の第2実施例につい
て、その構造を示すブロック図である。
【図5】 マイクロ波信号発生器のブロック図
である。
【図6】 信号ベクトル図および信号対応表で
ある。
【図7】 本発明の物性測定装置の第3実施例につい
て、その構造を示すブロック図である。
【図8】 PN符号発生回路の回路図である。
【図9】 出力のパワースペクトル図である。
【図10】 本発明の物性測定装置の第4実施例につい
て、その構造を示すブロック図である。
【図11】 何れも従来の物性測定装置の概要構成図で
ある。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ(PC) 2 ベクトルネットワークアナライザ(V.N.A.) 3 パワースプリッタ 4,4r 方向性結合器 5,5r 探触子(プローブ) 6 被測定物(測定対象物) 6r 標準物質(基準物、既知の参照物) 20 制御演算部 21 マイクロプロセッサ(MPU) 22 信号発生回路(S.G.) 22a マイクロ波信号発生器 22b,22c PLLシンセサイザー(フェーズロッ
クループ回路) 22d ダブルバランスドミキサ(混合器) 23 信号処理回路(S.A.) 23a,23b ダブルバランスドミキサ(混合器) 23c FPGA(フィールドプログラマブル
ゲートアレイ) 23d 検波回路 30 変復調回路 31 変調回路(デジタル変調、D.M.) 31a ダブルバランスドミキサ(混合器) 31b 分周器 32 復調回路(波形反転回路を兼ねたデジタル復
調回路、D.D.) 32a ダブルバランスドミキサ(混合器) 32b 反転切替回路 33 PN符号発生回路(M系列発生器、疑似雑音
符号発生回路) 40 遅延切換回路 41 波形反転回路 51 プローブ切換回路 52 温度センサ SW1,SW2,SW3 PINダイオードスイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面測定用の探触子と、信号入力端子と入
    力信号出力端子と反射信号出力端子とを有し前記入力信
    号出力端子が前記探触子と信号伝送可能に接続された方
    向性結合器と、既知波形の励起信号を発生して前記方向
    性結合器の前記信号入力端子に送出する信号発生手段
    と、前記方向性結合器の前記反射信号出力端子から出力
    された反射信号を入力してその振幅および位相の検出を
    行う信号処理手段とを備えた物性測定装置において、前
    記信号発生手段が、前記励起信号として、基準周波数の
    奇数倍に当たる周波数を持った高周波の正弦波信号であ
    って周波数の異なる多数の信号を逐次発生するものであ
    り、伝搬遅延時間を前記基準周波数の信号の半波分だけ
    又はその奇数倍だけ異ならせる遅延切換回路が、前記方
    向性結合器と前記探触子との信号伝送経路に介挿して設
    けられ、前記信号処理手段が、振幅および位相の検出処
    理を前記励起信号の各周波数ごとに行うとともに各検出
    処理に際して前記遅延切換回路の切換状態の異なる複数
    の入力を処理するものであることを特徴とする物性測定
    装置。
  2. 【請求項2】信号波形の反転・非反転を前記遅延切換回
    路の遅延状態に対応して行う波形反転回路が前記方向性
    結合器と前記信号処理手段との信号伝送経路に介挿して
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の物性測
    定装置。
  3. 【請求項3】信号波形の反転・非反転を選択的に行う変
    調回路が前記信号発生手段と前記方向性結合器との信号
    伝送経路に介挿して設けられるとともに、信号波形の反
    転・非反転を前記変調回路の反転状態および前記遅延切
    換回路の遅延状態に対応して行う復調回路が前記方向性
    結合器と前記信号処理手段との信号伝送経路に介挿して
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の物性測
    定装置。
  4. 【請求項4】疑似雑音符号発生回路が設けられ、その疑
    似雑音符号を用いて前記変調回路が波形反転処理を行う
    ことを特徴とする請求項3記載の物性測定装置。
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