JP2003326425A - ナットランナ - Google Patents

ナットランナ

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JP2003326425A
JP2003326425A JP2002135549A JP2002135549A JP2003326425A JP 2003326425 A JP2003326425 A JP 2003326425A JP 2002135549 A JP2002135549 A JP 2002135549A JP 2002135549 A JP2002135549 A JP 2002135549A JP 2003326425 A JP2003326425 A JP 2003326425A
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Japan
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tightening
value
axial force
bolt
force value
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Application number
JP2002135549A
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English (en)
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Kazunari Takenaka
一成 竹中
Seiji Omura
清治 大村
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波を用いてボルトの軸力値を検出するこ
とができないときにも、自動で目標軸力値までボルトを
締め付けることができるナットランナを提供する。 【解決手段】 ボルトBの軸力値を超音波軸力制御装置
13が検出できないとき、中央制御装置14がナットラ
ンナ制御装置12を介してナットランナ本体15を運転
制御してボルトBの捨て締め及び本締めを順に行う。捨
て締めでは、トルクセンサ16のトルク検出値が予め設
定されている第1締付トルク値となるように締め付けた
後、予め設定されている第1締付角度値だけを締め付け
る。本締めは、トルク検出値が第2締付トルク値となる
まで締め付けた後、予め設定されている第2締付角度値
だけ締め付ける。捨て締め時の捨て締め軸力値は、本締
めによって得られる目標軸力値の1.2〜1.4倍の範
囲内に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエンジンの
シリンダブロックにシリンダヘッドを固定するボルトを
締め付けるときに使用されるナットランナに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば、エンジンのシリンダブロックに
シリンダヘッドを組み付け固定する製造ラインでは、ナ
ットランナを使用してボルトの締め付けが行われてい
る。
【0003】実開平1−74029号広報に記載された
ナットランナは、ボルトの締め付け時にボルトの頭部上
面に当接させた超音波発受信器(超音波センサ)によっ
て、締め付けに伴って変化するボルトの軸心長さを測定
する。そして、この軸心長さから求めた伸び率を設定値
に調節することによって、伸び率と比例関係にある軸力
値を所定の目標軸力値とする。
【0004】このようなナットランナによれば、従来の
いわゆるトルク法又は角度法によるボルトの締め付けに
比較して、より高い締め付け精度でボルトの締め付けを
行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
なナットランナでは、超音波発受信器とボルト頭部との
間に異物が挟まれたり、また、ボルトの頭部上面にキズ
があったりした場合、ボルトの軸心長さを精度良く検出
することができない。この他、ボルトの軸心がずれてい
たり、また、ボルトの頭部上面の平面度や平行度が不良
であったりした場合も同様である。
【0006】このため、ボルトの軸心長さの伸びを精度
良く測定することができず、その軸力値を精度良く測定
することができなくなって、ボルトの締め付けを行うこ
とができるなくなる。このような場合、製造ラインを一
時停止して、対象のエンジン組立体に対し、作業者が手
作業によってボルトの締め付け作業を行う必要があっ
た。
【0007】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、超音波を用いてボルト
の軸力値を検出することがでないときにも、自動で目標
軸力値までボルトを締め付けることができるナットラン
ナを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段及びその作用・効果を記載する。請求項1に記載
の発明は、締め付けるボルトの軸力値を超音波を用いて
検出する軸力検出手段を備え、検出した軸力値が予め設
定された目標軸力値となるように前記ボルトを締め付け
るナットランナにおいて、前記ボルトに対する締付角度
及び締付トルクの少なくとも一方を検出する締付検出手
段と、前記軸力検出手段が前記軸力値を検出できないと
きに、前記締付角度又は締付トルクの検出値が、前記目
標軸力値を得るために予め設定されている目標締付角度
値又は目標締付トルク値となるように前記ボルトを締め
付ける補助締付手段とを備えていることを特徴とする。
【0009】請求項1に記載の発明によれば、超音波を
用いてボルトの軸力値を検出することができないときに
は、予め設定されているボルトの目標締付角度及び目標
締付トルクの少なくとも一方に基づいてボルトを締め付
けることで、ボルトの軸力値が目標軸力値となる。その
結果、超音波を用いてボルトの軸力値を検出することが
でないときにも、自動で目標軸力値となるまでボルトを
締め付けることができる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記補助締付手段は、超音波によって
前記軸力値を検出できないときに、前記締付角度又は締
付トルクの検出値が、前記目標軸力値よりも大きな値に
設定されている捨て締め軸力値を得るために予め設定さ
れている第1締付角度値又は第1締付トルク値となるよ
うに前記ボルトに対しその弾性変形域内での捨て締めを
行った後に、前記目標軸力値を得るために予め設定され
ている第2締付角度値又は第2締付トルク値となるよう
にボルトを締め付けることを特徴とする。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の作用に加えて、ボルトの軸力値を一旦目
標軸力値を超える捨て締め軸力値とする捨て締めによっ
て、締付対象物の雌ねじやシリンダヘッドガスケットな
どがなじむようになる。このため、第2締付トルク値及
び第2締付角度値の少なくとも一方を用いて締め付けら
れたボルトの最終軸力値のばらつきが抑制される。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記捨て締め軸力値は、前記目標軸力
値の1.2〜1.4倍の範囲内に設定されていることを
特徴とする。
【0013】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の作用に加えて、ボルトの軸力値を一旦目
標軸力値の1.2〜1.4倍の捨て締め軸力値とする捨
て締めによって、締付対象物の雌ねじやシリンダヘッド
ガスケットなどがより一層なじむようになる。このた
め、最終軸力値のばらつきがより一層抑制される。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項2又は請
求項3に記載の発明において、前記補助締付手段は、前
記捨て締めを行った後、前記締付角度の検出値が前記第
2締付トルク値となるようにボルトを締め付けた後に、
前記締付トルクの検出値が前記第2締付角度値となるよ
うにボルトを締め付けることを特徴とする。
【0015】請求項4に記載の発明によれば、請求項2
又は請求項3に記載の発明の作用に加えて、捨て締めを
行った後、第2締付トルク値で締め付けることで、ボル
トが締付けの基準位置に配置される。そして、この基準
位置から第2締付角度値だけ締め付けることで、軸力値
が目標軸力値となる。このため、捨て締め後に、所定の
締付トルクでのみボルトBを締め付けた場合に比較し
て、締め付け後の軸力値のばらつきがより一層抑制され
る。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明において、前記第2締付トルク値は、前記軸力値
のばらつきが最小となる値に設定されていることを特徴
とする。
【0017】請求項5に記載の発明によれば、請求項4
に記載の発明の作用に加えて、締め付け後の軸力値のば
らつきがより一層抑制される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図5に従って説明する。図1に示すよう
に、ナットランナ10は、ボルト締め装置11、ナット
ランナ制御装置12、超音波軸力制御装置13及び中央
制御装置14から構成されている。ナットランナ10
は、エンジンのシリンダブロックSBにシリンダヘッド
SHを締付固定するボルトBを自動で所定の目標軸力値
となるように締め付ける。
【0019】ボルト締め装置11は、ナットランナ本体
15、トルクセンサ16、シャフト17、ソケット1
8、コイルバネ19、超音波センサ20等から構成され
ている。本実施形態では、超音波軸力制御装置13及び
超音波センサ20が軸力検出手段を構成し、ナットラン
ナ制御装置12及びナットランナ本体15が締付角度の
締付検出手段を構成し、また、トルクセンサ16が締付
トルクの締付検出手段である。さらに、ナットランナ制
御装置12、中央制御装置14及びナットランナ本体1
5が補助締付手段を構成する。
【0020】ナットランナ本体15の出力部には、トル
クセンサ16及びシャフト17を介してソケット18が
固定されている。ソケット18には、ボルトBの頭部B
Tに係合する係合穴18aが設けられている。また、係
合穴18aの奥に設けられた収容穴18bには、コイル
バネ19が収容されている。コイルバネ19の下端に
は、超音波センサ20が支持されている。そして、ソケ
ット18の係合穴18aが、ボルトBの頭部BTに係合
されると、超音波センサ20の検出面(下面)20aが
頭部BTの上面に弾性的に当接される。
【0021】ナットランナ本体15は、トルクセンサ1
6及びシャフト17を介してソケット18を回転させ、
係合穴18aに頭部BTが係合されたボルトBを回転さ
せる。
【0022】トルクセンサ16は、ナットランナ本体1
5がボルトBに加える締付トルクを検出し、ナットラン
ナ制御装置12に出力する。超音波軸力制御装置13
は、超音波センサ20を作動させて超音波をボルトBの
頭部BT上面から発信させ、ボルトBの先端で反射した
反射波を受信させる。そして、超音波を発信させた時点
から反射波を受信した時点までの経過時間を、超音波が
ボルトBをその軸心長さ方向に往復するために必要な往
復時間として求め、この往復時間からボルトBの軸心長
さを求める。そして、締め付けに伴う軸心長さの伸び率
を求め、さらに、この伸び率と比例関係にある軸力値を
求めて中央制御装置14に出力する。また、超音波軸力
制御装置13は、超音波の反射波を受信できなかった
り、あるいは、その往復時間が所定の判定時間よりも長
かったときには、ボルトBの軸心長さを正常に検出でき
ない状態であるとしてエラー信号を中央制御装置14に
出力する。
【0023】中央制御装置14は、図2に示すように、
ステップ(以下、Sと略記する。)100で超音波軸力
制御装置13から軸力値を入力したときには、S101
で「軸力締めモード」となる。そして、この軸力締めモ
ードにおいて、ナットランナ制御装置12を介してナッ
トランナ本体15を運転制御し、超音波センサ20及び
超音波軸力制御装置13によって検出するボルトBの軸
力値が予め設定されている目標軸力値となるようにボル
トBを締め付ける。
【0024】また、中央制御装置14は、図2に示すよ
うに、S102で超音波軸力制御装置13からエラー信
号を入力したときにはS103で「角度締めモード」と
なる。そして、ナットランナ制御装置12を介してナッ
トランナ本体15を運転制御し、予め設定されている締
付手順に従ってボルトBを締め付ける。本実施形態で
は、角度締めモードにおいて、いわゆる角度締めを行
う。なお、角度締めは、ボルトBに対する締め付けの基
準位置を出すためのトルク締めと、この基準位置からボ
ルトBを最終的に締め付けるための角度締めとからな
る。
【0025】角度締めモードにおいて、中央制御装置1
4は、ボルトBをトルク締めするときには、その締付ト
ルク値を指令する締付トルク指令信号をナットランナ制
御装置12に出力する。また、締め付けられているボル
トBを締付トルクがほぼ「0」となるまで緩めるときに
は、緩め指令信号をナットランナ制御装置12に出力す
る。さらに、ボルトBを角度締めするときには、その締
付角度を指令する締付角度指令信号とをナットランナ制
御装置12に出力する。
【0026】ナットランナ制御装置12は、中央制御装
置14から締付トルク指令信号を入力したときには、ト
ルクセンサ16が検出する締付トルクが指令された締付
トルクとなるまでボルトBを締め付けるようにナットラ
ンナ本体15を運転制御する。また、中央制御装置14
から緩め信号を入力したときには、トルクセンサ16が
検出する締付トルクがほぼ「0」となるまでボルトBを
緩めるようにナットランナ本体15を運転制御する。さ
らに、中央制御装置14から締付角度指令信号を入力し
たときには、ボルトBを指令された締付角度だけ締め付
けるようにナットランナ本体15を運転制御する。
【0027】次に、中央制御装置14が「角度締めモー
ド」で行うボルトBの締付手順について説明する。な
お、この締付手順は、エンジンのシリンダブロックSB
にシリンダヘッドSHを締め付け固定する複数の各ボル
トBに対してそれぞれナットランナ10を用意し、同時
に各ボルトBの締め付けを行う場合のものである。
【0028】角度締めモードでの締付手順として、図3
に示すように、先ず、S200,S201,S202
で、いわゆる捨て締めを行う。S200で、締付トルク
指令信号をナットランナ制御装置12に出力してナット
ランナ本体15を運転制御し、トルクセンサ16が検出
する締付トルクが締付トルク指令信号が指令する第1締
付トルク値となるまでボルトBを締め付ける。本実施の
形態では、第1締付トルク値が50Nmに設定されてい
る。
【0029】次に、S201で、角度指令信号をナット
ランナ制御装置12に出力してナットランナ本体15を
運転制御し、検出された締付トルクが第1締付トルク値
となった状態から、角度指令信号が指令する第1締付角
度値だけボルトBを締め付ける。本実施の形態では、第
1締付角度値が180°に設定されている。なお、複数
のボルトBを1台のナットランナ10を用いて順番に締
め付ける場合には、例えば、180°を2回に分けて、
90°ずつ締め付けてもよい。
【0030】次に、S202で、緩め指令信号をナット
ランナ制御装置12に出力してナットランナ本体15を
運転制御し、ボルトBを完全に緩ませる。以上のS20
0,S201,S202の各処理によって、締付トルク
及び締付角度の各検出値が、目標軸力値よりも大きな値
に設定されている捨て締め軸力値を得るために設定され
ている第1締付トルク値及び第1締付角度値となるよう
にボルトBに対しその弾性変形域内での捨て締めを行
う。本実施形態では、52kNの目標軸力値に対して、
70kNの捨て締め軸力値が設定されている。なお、捨
て締め軸力値は、目標軸力値の1.2〜1.4倍の範囲
内に設定されていればよい。第1締付トルク値及び第1
締付角度値は、捨て締め軸力値から計算によって求めら
れる。本実施形態では、第1締付トルク及び第1締付角
度が、それぞれ捨て締めでの目標締付トルク値及び目標
締付角度値である。
【0031】次に、S203,S204で、本締付を行
う。S203で、締付トルク指令信号をナットランナ制
御装置12に出力してナットランナ本体15を運転制御
し、トルクセンサ16が検出する締付トルク値が、締付
トルク指令信号が指令する第2締付トルク値となるまで
ボルトBを締め付ける。本実施形態では、第2締付トル
ク値が10Nmに設定されている。
【0032】次に、S204で、締付角度指令信号をナ
ットランナ制御装置12に出力してナットランナ本体1
5を運転制御し、角度指令信号が指令する第2締付角度
値だけボルトBを締め付ける。本実施形態では、第2締
付角度値が135°に設定されている。
【0033】以上のS203,S204での処理によっ
て、締付トルク及び締付角度の各検出値が、目標軸力値
を得るために予め設定されている第2締付トルク値及び
第2締付角度値となるようにボルトBを本締めする。目
標軸力値は、シリンダブロックSBとシリンダヘッドS
Hとを密封するために1本のボルトBによって確保する
必要がある必要軸力値に基づいて設定されている。すな
わち、目標軸力値を中心にばらつく最終軸力値の下限値
が必要軸力値以上となるように目標軸力値が設定されて
いる。そして、第2締付トルク値及び第2締付角度値
は、目標軸力値から計算によって求められている。ここ
で、異なる第2締付トルク値と第2締付角度との組み合
わせに対して、締め付け後の最終軸力値のばらつきに差
が生じることが知られている。本実施形態では、最終軸
力値のばらつきが最小となるように、第2締付トルク及
び第2締付角度が設定されている。本実施形態では、第
2締付トルク及び第2締付角度が、それぞれ本締めでの
目標締付トルク値及び目標締付角度値である。
【0034】次に、軸力締めモードで締め付けたボルト
Bの最終軸力値と、角度締めモードで締め付けたボルト
Bの最終軸力値とを測定した結果について説明する。図
4(a)に示すように、軸力締めモードで締め付けたボ
ルトBの最終軸力値のばらつきは目標軸力値に対し±7
%以下となった。一方、図4(b)に示すように、角度
締めモードで締め付けたボルトBの最終軸力値のばらつ
きは目標軸力値に対し±15%以下となった。
【0035】これに対し、本実施形態と同じ捨て締めを
行った後に、トルク締めを行った場合の最終軸力値のば
らつきは±60%となった。トルク締めは、トルクセン
サ16が検出する締付トルクが、予め設定されている目
標締付トルク値となるまでボルトBを締め付けることに
よってその最終軸力値を目標軸力値とする締付方法であ
る。なお、この目標締付トルク値は、目標軸力値を中心
としてばらつく最終軸力値の下限値が必要軸力値以上と
なるように計算で求められ、設定される。
【0036】また、本実施形態と異なり、ボルトBの塑
性域締めを行った場合の最終軸力値のばらつきは±15
%となった。塑性域締めは、塑性変形するまでボルトB
を締め付ける方法である。この場合には、最終軸力値の
ばらつきを、本実施形態の角度締めと同等に抑えること
ができる。但し、エンジンが発生する熱によって軸力値
が低下するので、その低下分だけ目標軸力値を大きくす
る必要がある。
【0037】従って、本実施形態の角度締めによれば、
最終軸力値のばらつきが、超音波を用いて検出した軸力
値に基づく締付けの場合よりは悪化するものの、塑性域
締めと同等となり、かつ、塑性域締めと異なりエンジン
の熱によって軸力値が低下することがない。
【0038】また、本締めしたボルトBを一旦緩めた
後、再び本締めする手順を繰り返した場合の最終軸力値
の変化を測定すると、図5に示すように、そのばらつき
が、2回目、3回目及び4回目の本締め後においても目
標軸力値の±15%以下となることが確認できた。これ
は、捨て締め軸力値を目標軸力値の1.2〜1.4倍に
設定し、かつ、本締め時の第2締付トルク値を最終軸力
値のばらつきが最小となる値に設定した結果である。
【0039】次に、以上詳述した本実施形態が有する効
果を列記する。 (1) 超音波軸力制御装置13が超音波を用いてボル
トBの軸力値を正常に検出できなくなったときには、ト
ルクセンサ16による締付トルクの検出値と、ナットラ
ンナ制御装置12によって制御する締付角度とに基づい
て中央制御装置14がボルトBを締め付ける。そして、
締付トルク及び締付角度の各検出値が、目標軸力値を得
るために予め設定されている第1締付トルク値、第1締
付角度値、第2締付トルク値及び第2締付角度値となる
ようにボルトBを締め付ける。
【0040】従って、超音波を用いてボルトBの軸力値
を検出することができないときにも、自動で目標軸力値
となるようにボルトBを締め付けることができる。この
ため、例えばエンジンの組立ラインで、シリンダブロッ
クSBにシリンダヘッドSHを固定するボルトBを締め
付けるために用いられたナットランナ10の超音波軸力
制御装置13がボルトBの軸力値を検出することができ
なくなっても、組立ラインを停止させる必要がない。
【0041】(2) 中央制御装置14は、超音波を用
いてボルトBの軸力値を検出することができないとき
に、目標軸力値よりも大きな値に設定されている捨て締
め軸力値となるように予め設定されている第1締付トル
ク値及び第1締付角度値となるように、ボルトBに対し
その弾性変形域内での捨て締めを行う。その後、目標軸
力値を得るために予め設定されている第2締付トルク値
及び第2締付角度値となるようにボルトBを本締めす
る。
【0042】従って、捨て締めによって、シリンダブロ
ックの雌ねじやシリンダヘッドガスケットなどが良くな
じむようになるので、第2締付トルク値及び第2締付角
度値を用いた本締めによって得られる最終軸力値のばら
つきが抑制される。
【0043】(3) 捨て締め軸力値が目標軸力値の
1.2〜1.4倍の範囲内に設定されているので、シリ
ンダブロックSBの雌ねじやシリンダヘッドガスケット
などがより一層良くなじむようになる。このため、本締
めによって得られる最終軸力値のばらつきがより一層抑
制される。
【0044】(4) 捨て締め後、締付トルクの検出値
が第2締付トルク値となるようにボルトBを締め付けた
後に、締付角度の検出値が第2締付角度値となるように
ボルトBを締め付ける。このため、捨て締め後に、締付
トルクの検出値が所定の目標締付トルクとなるようにボ
ルトBを締め付けるだけの場合に比較して、最終軸力値
のばらつきがより一層抑制される。
【0045】(5) 第2締付トルク値が、最終軸力値
のばらつきが最小となる値に設定されているので、最終
軸力値のばらつきがより一層抑制される。次に、上記一
実施形態以外の実施形態を記載する。
【0046】・ 前記一実施形態で、図6に示すよう
に、S200〜S202での捨て締め後、S203で、
締付トルクの検出値が、予め設定されている目標締付ト
ルクとなるようにボルトBを締め付けるだけの本締めを
行ってもよい。この場合には、前記実施形態の(1)〜
(3)に記載した各効果がある。
【0047】・ 前記一実施形態で、捨て締めを複数回
行ってもよい。この場合には、前記一実施形態の(2)
に記載した効果がより顕著となる。 ・ 前記一実施形態で、捨て締めを行わず、締付トルク
の検出値が目標締付トルクとなるようにボルトBを締め
付けた後、同じく締付角度の検出値が目標締付角度とな
るように締め付けるだけでもよい。この場合には、前記
一実施形態の(1)に記載した効果がある。
【0048】・ 前記一実施形態で、締付角度の検出値
が、予め設定されている目標締付角度となるようにボル
トBに対し塑性変形させる塑性域締めを行ってもよい。 ・ 本発明のボルト締付装置によって締め付けるボルト
は、エンジンのシリンダブロックにシリンダヘッドを組
み付け固定するボルトBに限らず、その他、例えば、エ
ンジン周りのクランクシャフトボルト、コンロッドボル
ト、クランクプーリボルトや、足周りに使用されている
ボルトであってもよい。
【0049】以下、前記各実施形態から把握される技術
的思想をその効果とともに列記する。 (1) 請求項2又は請求項3に記載の発明において、
前記補助締付手段は、前記捨て締めを行った後、前記締
付トルクの検出値が、前記第2締付トルク値となるよう
に前記ボルトを締め付けることを特徴とするナットラン
ナ。このような構成によれば、前記一実施形態の(1)
〜(3)に記載した各効果がある。
【0050】(2) 請求項1に記載の発明において、
前記補助締付手段は、前記締付トルクの検出値が、前記
目標締付トルクとなるようにボルトを締め付けた後、前
記締付角度の検出値が前記目標締付角度となるようにボ
ルトを締め付けることを特徴とするナットランナ。この
ような構成によれば、前記一実施形態の(1)に記載の
した効果がある。
【0051】(3) 請求項1〜請求項5のいずれか一
項に記載の発明において、前記締付トルクの締付検出手
段はトルクセンサであることを特徴とするナットラン
ナ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のナットランナを示す模式構成
図。
【図2】 ボルトの締付作業を示すフローチャート。
【図3】 角度締めモードでの締付手順を示すフローチ
ャート。
【図4】 (a)軸力締めモード実行時の最終軸力値の
測定結果を示すグラフ、(b)角度締めモード実行時の
最終軸力値の測定結果を結果を示すグラフ。
【図5】 本締め後の最終軸力値のばらつき推移を示す
グラフ。
【図6】 他の実施形態であるトルク締めモードでの締
付手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…ナットランナ、11…ボルト締め装置、12…締
付検出手段、補助締付手段を構成するナットランナ制御
装置、13…軸力検出手段を構成する超音波軸力制御装
置、14…補助締付手段を構成する中央制御装置、15
…締付検出手段、補助締付手段を構成するナットランナ
本体、16…締付検出手段としてのトルクセンサ、20
…軸力検出手段を構成する超音波センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C038 AA01 AA03 BC02 BC05 CA06 CA07 CB02 CB06 CC06 EA01 EA02 EA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締め付けるボルトの軸力値を超音波を用
    いて検出する軸力検出手段を備え、検出した軸力値が予
    め設定された目標軸力値となるように前記ボルトを締め
    付けるナットランナにおいて、 前記ボルトに対する締付角度及び締付トルクの少なくと
    も一方を検出する締付検出手段と、 前記軸力検出手段が前記軸力値を検出できないときに、
    前記締付角度又は締付トルクの検出値が、前記目標軸力
    値を得るために予め設定されている目標締付角度値又は
    目標締付トルク値となるように前記ボルトを締め付ける
    補助締付手段とを備えていることを特徴とするナットラ
    ンナ。
  2. 【請求項2】 前記補助締付手段は、超音波によって前
    記軸力値を検出できないときに、前記締付角度又は締付
    トルクの検出値が、前記目標軸力値よりも大きな値に設
    定されている捨て締め軸力値を得るために予め設定され
    ている第1締付角度値又は第1締付トルク値となるよう
    に前記ボルトに対しその弾性変形域内での捨て締めを行
    った後に、前記目標軸力値を得るために予め設定されて
    いる第2締付角度値又は第2締付トルク値となるように
    ボルトを締め付けることを特徴とする請求項1に記載の
    ナットランナ。
  3. 【請求項3】 前記捨て締め軸力値は、前記目標軸力値
    の1.2〜1.4倍の範囲内に設定されていることを特
    徴とする請求項2に記載のナットランナ。
  4. 【請求項4】 前記補助締付手段は、前記捨て締めを行
    った後、前記締付角度の検出値が前記第2締付トルク値
    となるようにボルトを締め付けた後に、前記締付トルク
    の検出値が前記第2締付角度値となるようにボルトを締
    め付けることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載
    のナットランナ。
  5. 【請求項5】 前記第2締付トルク値は、前記軸力値の
    ばらつきが最小となる値に設定されていることを特徴と
    する請求項4に記載のナットランナ。
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Cited By (4)

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