JP2003320010A - 生体組織補填材、生体組織補填体および生体組織補填体の製造方法 - Google Patents

生体組織補填材、生体組織補填体および生体組織補填体の製造方法

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JP2003320010A
JP2003320010A JP2002129265A JP2002129265A JP2003320010A JP 2003320010 A JP2003320010 A JP 2003320010A JP 2002129265 A JP2002129265 A JP 2002129265A JP 2002129265 A JP2002129265 A JP 2002129265A JP 2003320010 A JP2003320010 A JP 2003320010A
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tissue filling
filling material
living tissue
cells
bone
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JP2002129265A
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Ryoji Saito
良治 斎藤
Hiroki Hibino
浩樹 日比野
Takeshi Yanai
毅 矢内
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Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 限られた時間の中でも内部まで十分に細胞を
付与できる生体組織補填材、生体組織補填体および生体
組織補填体の製造方法の提供。 【解決手段】 細胞が付与された後に生体組織欠損部に
補填される生体組織補填材11において、再現性のある
形状の孔12が形成されていることにより、例えば細胞
に浸されると、細胞が再現性のある形状の孔12を介し
て容易に内部に浸透する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体組織欠損部を
再生する際に使用される生体組織補填材、生体組織補填
体および生体組織補填体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、骨腫瘍摘出や外傷等により生じた
骨欠損部等の生体組織欠損部に骨補填材等の生体組織補
填材を補填することにより、骨等の生体組織を再生させ
て骨欠損部等を修復することが可能になってきている。
骨補填材としては、ハイドロキシアパタイト(HAP)
やリン酸三カルシウム(TCP)が知られているが、体
内に異物を残さないとする考え方から、例えば、β−T
CPのようなリン酸カルシウム多孔体からなる足場材が
使用される。β−TCPを骨欠損部の骨細胞に接触させ
ておくと、破骨細胞がβ−TCPを食べ、骨芽細胞が新
しい骨を形成する、いわゆるリモデリングが行われる。
すなわち、骨欠損部に補填された骨補填材は、経時的に
自家骨に置換されていくことになる。
【0003】ところで、術後の骨欠損部の修復速度を高
めるために、骨補填材をそのまま用いるのではなく、骨
髄液に浸した後に骨欠損部に補填することが行われてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この場合、患者から骨
髄液を抽出し、骨補填材をこの骨髄液に浸した後に、骨
欠損部に補填することになる。しかしながら、単に骨補
填材を骨髄液に浸すだけでは、手術中という限られた時
間の中で骨補填材の内部まで十分に細胞を付与すること
ができないという問題があった。
【0005】したがって、本発明は、限られた時間の中
でも内部まで十分に細胞を付与できる生体組織補填材、
生体組織補填体および生体組織補填体の製造方法の提供
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、細胞が付与された後に生体
組織欠損部に補填される生体組織補填材において、再現
性のある形状の孔が形成されていることを特徴としてい
る。
【0007】これにより、例えば細胞に浸されると、細
胞が再現性のある形状の孔を介して容易に内部に浸透す
る。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明に関して、前記孔の形状は、直線状、弧状および螺旋
状のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴と
している。
【0009】請求項3に係る発明は、細胞が付与された
後に生体組織欠損部に補填される生体組織補填材におい
て、スリットが形成されていることを特徴としている。
【0010】これにより、例えば細胞に浸されると、細
胞がスリットを介して容易に内部に浸透する。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の
いずれか一項に係る発明に関し、前記生体組織欠損部は
骨欠損部であることを特徴としている。
【0012】請求項5に係る発明は、生体組織補填材に
細胞が付与されて構成され、生体組織欠損部に補填され
る生体組織補填体において、前記生体組織補填材に、再
現性のある形状の孔が形成されていることを特徴として
いる。
【0013】これにより、生体組織補填材が、例えば細
胞に浸されると細胞が再現性のある形状の孔を介して容
易に生体組織補填材の内部に浸透する。
【0014】請求項6に係る発明は、請求項5に係る発
明に関し、前記孔の形状は、直線状、弧状および螺旋状
のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴とし
ている。
【0015】請求項7に係る発明は、生体組織補填材に
細胞が付与されて構成され、生体組織欠損部に補填され
る生体組織補填体において、前記生体組織補填材に、ス
リットが形成されていることを特徴としている。
【0016】これにより、生体組織補填材が、例えば細
胞に浸されると細胞がスリットを介して容易に生体組織
補填材の内部に浸透する。
【0017】請求項8に係る発明は、請求項5乃至7の
いずれか一項に係る発明に関し、前記生体組織欠損部は
骨欠損部であることを特徴としている。
【0018】請求項9に係る発明は、生体組織補填材に
細胞を付与することにより、生体組織欠損部に補填され
る生体組織補填体を形成する生体組織補填体の製造方法
であって、針を有する穿孔手段の前記針を用いて前記生
体組織補填材に所定の表面から再現性のある形状の孔を
穿設し、該孔が穿設された後の前記表面に細胞を付与す
ることを特徴としている。
【0019】これにより、針を有する穿孔手段を用いて
生体組織補填材に所定の表面から再現性のある形状の孔
を穿設し、孔が穿設された後の生体組織補填材の前記所
定の表面に細胞を付与するため、付与された細胞が再現
性のある形状の孔を介して容易に生体組織補填材の内部
に浸透する。
【0020】請求項10に係る発明は、生体組織補填材
に細胞を付与することにより、生体組織欠損部に補填さ
れる生体組織補填体を形成する生体組織補填体の製造方
法であって、前記生体組織補填材の所定の表面に細胞を
付与した後、針を有する穿孔手段の前記針を用いて前記
生体組織補填材に前記表面から再現性のある形状の孔を
穿設することを特徴としている。
【0021】これにより、生体組織補填材の細胞が付与
された所定の表面に、穿孔手段の針で再現性のある形状
の孔を穿設すると、生体組織補填材の表面に付与された
細胞が孔の穿設とともに生体組織補填材の内部に入れ込
まれる。
【0022】請求項11に係る発明は、生体組織補填材
に細胞を付与することにより、生体組織欠損部に補填さ
れる生体組織補填体を形成する生体組織補填体の製造方
法であって、針を有する穿孔手段の前記針に予め細胞を
付与した後、該針を用いて前記生体組織補填材に再現性
のある形状の孔を穿設することを特徴としている。
【0023】これにより、針を用いて生体組織補填材に
直線状の孔を穿設すると、予め針に付与されていた細胞
が孔の穿設とともに生体組織補填材の内部に入り込む。
【0024】請求項12に係る発明は、生体組織補填材
に細胞を付与することにより、生体組織欠損部に補填さ
れる生体組織補填体を形成する生体組織補填体の製造方
法であって、筒状の注射針を有する注射手段の前記注射
針を前記生体組織補填材に突き刺し前記注射針を介して
前記注射手段から細胞を前記生体組織補填材に注入する
ことを特徴としている。
【0025】このように、注射手段の注射針を生体組織
補填材に突き刺しこの注射針を介して注射手段から細胞
を生体組織補填材に注入するため、細胞が生体組織補填
材の内部に確実に入り込む。
【0026】請求項13に係る発明は、生体組織補填材
に細胞を付与することにより、生体組織欠損部に補填さ
れる生体組織補填体を形成する生体組織補填体の製造方
法であって、表面から内部に向けて直線状の孔が予め形
成された生体組織補填材の前記孔に、筒状の注射針を有
する注射手段の前記注射針を挿入し、前記注射針を介し
て前記注射手段から細胞を前記生体組織補填材に注入す
ることを特徴としている。
【0027】このように、生体組織補填材の直線状の孔
に注射手段の注射針を挿入しこの注射針を介して注射手
段から細胞を生体組織補填材に注入するため、細胞が生
体組織補填材の内部に確実に入り込む。
【0028】請求項14に係る発明は、請求項9乃至1
3のいずれか一項に係る発明に関し、前記生体組織欠損
部は骨欠損部であることを特徴としている。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態を図1およ
び図2を参照して以下に説明する。ここで、第1実施形
態の骨補填材(生体組織補填材)11は、例えば、特開
平5−237178号公報に開示されている方法により
製造されたβ−TCPからなる直方体状の多孔体からな
るものを基本としており、これに直線状の孔12が形成
されている。なお、この直線状の孔12は、上記した方
法によるβ−TCP多孔体の製造過程において形成して
も良く、上記した方法によるβ−TCP多孔体の製造後
に穿設しても良い。すなわち、固めるための型によって
形成したり、機械加工によって形成したりできるのであ
る。
【0030】第1実施形態の骨補填材11は、具体的に
は、直方体すなわち六面体において反対方向に向いて互
いに組をなす面部14間を結ぶように貫通する孔12
が、一組の面部14に対し複数ずつ、三組の面部14の
それぞれに対して形成されている。また、各孔12は骨
補填材11の内部で他の孔12に対し連通しないように
形成されている。
【0031】そして、手術中に、患者から抽出された骨
髄液や末梢血やあらかじめ保存されていた臍帯血等の体
液は、遠心分離器や免疫磁気細胞分離装置やフローサイ
トメトリー等の細胞分離装置で適宜濃縮されて所望の不
要な成分が除去される。その後に、BMP、FGF、T
GF−β、PEGF、VEGF、HGFや、サイトカイ
ンや濃縮血小板等の成長に寄与する物質を適宜付与され
た状態の濃縮体16を、図2に示すように上部開口型の
容器17に入れる。次に、骨補填材11を容器17内で
濃縮体16に浸して骨補填体18とする。その後、この
骨補填体18が図示略の骨欠損部に補填されることにな
る。このとき、第1実施形態の骨補填材11を濃縮体1
6に浸すと、多孔体である骨補填材11には、濃縮体1
6が図示せぬ各気孔のつながりによって内部に浸透する
ことに加えて直線状の孔12を介して容易に内部に浸透
する。なお、細胞分離装置としては、フロー・サイトメ
トリーを利用したもの、あるいは磁気ビーズを利用した
ものでも良い。また、濃縮の際には、血球成分を除去し
たり、遠心分離による上澄み液を除去する。
【0032】以上により、手術中という限られた時間の
中でも骨補填材11の内部まで十分に濃縮体16が付与
されることになり、術後の骨欠損部の修復速度を高める
ことができる。濃縮体16に生理食塩水等を加えて流動
性を高めても良い。
【0033】なお、骨補填材11に上記のように複数の
孔12を三組の面部14のそれぞれに対して形成する以
外にも、三組の面部14のうちのいずれか二組の面部1
4に対してのみ形成しても良く、さらにはいずれか一組
の面部14に対してのみ形成しても良い。また、いずれ
の組数の面部14に対し形成する場合においても、それ
ぞれの組の面部14に対して複数の孔12を形成するの
ではなく一つの孔12のみを形成しても良い。さらに、
各孔12を骨補填材11の内部で他の孔12と連通しな
いように形成するのではなく、連通するように形成した
り、連通するものとしないものとを混在させたりしても
良い。加えて、骨補填材11を貫通する孔12ではな
く、骨補填材11の所定の面部14から中間所定位置ま
でだけ延在する孔12としても良い。さらに、孔12は
再現性のある形状であれば、直線状に限らず、種々の形
状を採用することができる。例えば、図3に示す螺旋状
の穿孔器具13を用いて螺旋状に形成しても良く、固め
るための型によって、図4に12aで示す直線を組み合
わせた蛇腹状や、12bで示す円弧を組み合わせた蛇腹
状、さらには12cで示す直線と円弧とを組み合わせた
蛇腹状等に形成しても良い。
【0034】また、第1実施形態の骨補填材11を適宜
処理された濃縮体16に浸すのではなく、患者から抽出
した骨髄液等の体液に直接浸しても良い。細胞は、骨髄
液に含まれる細胞や、骨髄細胞の他、間葉系幹細胞や、
分化した骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞でも良い。なお、
これら細胞にFGFやBMP、TGF−β、IGF、P
DGF、VEGF、HGF等の成長に寄与する物質を加
えたものでも良い。さらに、形成された孔12に濃縮体
16を注射器で注入したり、濃縮体16に浸しつつ孔1
2に濃縮体16を注射器で注入したりすることも可能で
ある。また、骨以外の軟骨細胞や表皮細胞、真皮細胞、
角膜細胞、消化管上皮や内皮細胞、神経細胞等でも良
い。
【0035】次に、本発明の第2実施形態を主に図5を
参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明
する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号
を付しその説明は略す。
【0036】第2実施形態の骨補填材11は、第1実施
形態で述べた公報の方法によって製造されたβ−TCP
からなる直方体状の多孔体からなるものを基本としてお
り、これに孔12ではなくスリット19が形成されてい
る。
【0037】具体的には、第2実施形態の骨補填材11
は、直方体において一の面部14aからこの面部14a
に直交して凹むように直線状のスリット19が形成され
ており、このようなスリット19が上記面部14aに対
し複数、互いに角度を異ならせ具体的には互いに直交し
て形成されている。各スリット19は、両側に貫通する
形状をなしており、骨補填材11の内部で互いに連通し
ている。
【0038】そして、第1実施形態と同様、手術中に、
図2に示すように第2実施形態の骨補填材11を上記面
部14aを例えば下側にして濃縮体16に浸すと、多孔
体である骨補填材11には、濃縮体16が図示せぬ各気
孔のつながりによって内部に浸透することに加えてスリ
ット19を介して容易に内部に浸透する。このようにし
て骨補填体18が形成され、この骨補填体18が骨欠損
部に補填される結果、第1実施形態と同様の効果を奏す
る。
【0039】なお、一つの骨補填材11にスリット19
を複数形成するのではなく一つのみ形成してもよい。ま
た、一つの骨補填材11にスリット19を複数交差して
形成するのではなく複数平行に形成してもよい。加え
て、スリット19と第1実施形態の孔12とを同時に形
成しても良い。
【0040】次に、本発明の第3実施形態を図6および
図7を参照して以下に説明する。第3実施形態で用いら
れる骨補填材11は、第1実施形態で述べた公報の方法
によって製造されたβ−TCPからなる直方体状の多孔
体である。
【0041】そして、第3実施形態では、例えば手術中
に、図6に示すように、板状の本体20の一面側に本体
20に対し垂直に針21が1本あるいは複数設けられた
穿孔部材(穿孔手段)22を用い、この穿孔部材22の
複数の針21をそれまで直線状の孔が形成されていなか
った骨補填材11に上面部(所定の表面)23から同時
に突き刺すことを少なくとも一回必要により複数回行
う。このようにして、骨補填材11に上面部23から直
線状の孔12を複数、中間所定位置まで穿設する。そし
て、このような直線状の孔12が複数形成された後の骨
補填材11の上面部23に、図7に示すように、第1実
施形態で述べた濃縮体16を塗布、滴下、噴霧等のいず
れかの方法で付与する。すると、多孔体である骨補填材
11には、図示せぬ各気孔のつながりによって濃縮体1
6が浸透することに加えて、濃縮体16が直線状の孔1
2を介して容易に内部に浸透する。そして、このように
して骨欠損部に補填される骨補填体18が形成され、こ
の骨補填体18が骨欠損部に補填される結果、第1実施
形態と同様の効果を奏する。
【0042】次に、本発明の第4実施形態を図8および
図9を参照して第3実施形態との相違部分を中心に以下
に説明する。なお、第3実施形態と同様の部分には同一
の符号を付しその説明は略す。
【0043】第4実施形態では、例えば手術中に、図8
に示すように、直線状の孔が形成されていない骨補填材
11の上面部23に、第1実施形態で述べた濃縮体16
を塗布、滴下、噴霧等のいずれかの方法で付与する。そ
して、このように濃縮体16が付与された後の骨補填材
11に、穿孔部材22の複数の針21を少なくとも一回
必要により複数回上面部23から突き刺すことにより、
上面部23から直線状の孔12を複数、骨補填材11の
中間所定位置まで穿設する。すると、図9に示すよう
に、濃縮体16が上記孔12の穿設にともなって針21
で骨補填材11の内部に入れ込まれ、さらに穿設後の孔
12を介して容易に骨補填材11の内部に浸透する。そ
して、このようにして骨欠損部に補填される骨補填体1
8が形成され、この骨補填体18が骨欠損部に補填され
る結果、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0044】次に、本発明の第5実施形態を図10〜図
12を参照して第3実施形態との相違部分を中心に以下
に説明する。なお、第3実施形態と同様の部分には同一
の符号を付しその説明は略す。
【0045】第5実施形態では、例えば手術中に、図1
0に示すように、第1実施形態で述べた濃縮体16が収
容された容器17に穿孔部材22の複数の針21を浸け
た後に、図11に示すように、この穿孔部材22の複数
の針21を骨補填材11の上面部23に突き刺して、そ
れまで直線状の孔が形成されていなかった骨補填材11
にこの上面部23から直線状の孔12を複数、中間所定
位置まで穿設することを、少なくとも一回必要により複
数回繰り返す。すると、図12に示すように、予め針2
1に付与されていた濃縮体16が穿設とともに骨補填材
11の内部に入り込む。そして、このようにして骨欠損
部に補填される骨補填体18が形成され、この骨補填体
18が骨欠損部に補填される結果、第1実施形態と同様
の効果を奏する。
【0046】なお、第3〜第5実施形態のいずれにおい
ても、穿孔部材22の針21で骨補填材11に孔12を
穿設する場合に、骨補填材11の上面部23から中間所
定位置まで穿設するのではなく骨補填材11を貫通する
ように穿設しても良い。また、穿孔部材22の針21で
上面部23のみから骨補填材11に孔12を穿設するの
ではなく他の面部や全表面を含む複数の面部から穿設し
ても良い。さらに針21を複数有する穿孔部材22を用
いるのではなく、針を一つのみ有する穿孔部材を用い針
を骨補填材11に複数回突き刺すことにより孔12を複
数穿設したり、針を一回のみ突き刺すことにより孔12
を一つのみ穿設したりしても良い。
【0047】次に、本発明の第6実施形態を図13およ
び図14を参照して第3実施形態との相違部分を中心に
以下に説明する。なお、第3実施形態と同様の部分には
同一の符号を付しその説明は略す。
【0048】第6実施形態では、例えば手術中に、ピス
トン25が嵌入されるシリンダ26の先端に筒状の注射
針27を複数有する注射器(注射手段)28のシリンダ
26内に第1実施形態で述べた濃縮体16を入れる。そ
して、図13〜図14に示すように、この注射器28の
複数の注射針27をそれまで直線状の孔が形成されてい
なかった骨補填材11の内部に上面部23から同時に突
き刺してピストン25を押圧することにより注射針27
を介して濃縮体16を骨補填材11の内部に注入するこ
とを少なくとも一回必要により複数回行う。すると、骨
補填材11には、濃縮体16が容易かつ確実に内部に浸
透する。そして、このようにして骨欠損部に補填される
骨補填体18が形成され、この骨補填体18が骨欠損部
に補填される結果、第1実施形態と同様の効果を奏す
る。
【0049】なお、注射器28の注射針27を上面部2
3のみから突き刺して骨補填材11の内部に骨髄細胞を
注入するのではなく、他の面部や全表面を含む複数の面
部から突き刺して注入するようにしても良い。また注射
針27を複数有する注射器28を用いるのではなく、注
射針を一つのみ有する注射器を用いて骨補填材11に突
き刺しおよび注入を複数回繰り返して行うようにしても
良く、突き刺しおよび注入を一回のみ行うようにしても
良い。
【0050】次に、本発明の第7実施形態を図15およ
び図16を参照して第6実施形態との相違部分を中心に
以下に説明する。なお、第6実施形態と同様の部分には
同一の符号を付しその説明は略す。
【0051】第7実施形態では、予め上面部23から内
部の中間所定位置まで延在する直線状の孔12が注射器
28の複数の注射針27と同じピッチで形成された骨補
填材11を準備しておく。そして、例えば手術中に、注
射器28のシリンダ26内に第1実施形態で述べた濃縮
体16を入れ、図15〜図16に示すように、この注射
器28の複数の注射針27を骨補填材11の上記複数の
孔12にそれぞれ一対一で挿入し、ピストン25を押圧
することによりこれら注射針27を介して濃縮体16を
孔12すなわち骨補填材11の内部に注入する。する
と、骨補填材11には、濃縮体16が容易かつ確実に内
部に浸透する。そして、このようにして骨欠損部に補填
される骨補填体18が形成され、この骨補填体18が骨
欠損部に補填される結果、第1実施形態と同様の効果を
奏する。
【0052】なお、予め上面部23のみから内部の中間
所定位置まで延在する直線状の孔12が形成された骨補
填材11を用いるのではなく、全表面を含む複数の面部
から内部の中間所定位置まで延在する直線状の孔12が
形成された骨補填材11を用い、骨補填材11の各面部
それぞれに対して、注射器28の複数の注射針27の孔
12への挿入および内部への濃縮体16の注入を繰り返
すようにしても良い。また注射針27を複数有する注射
器28を用いるのではなく、注射針を一つのみ有する注
射器を用いて骨補填材11の各孔12への挿入および濃
縮体16の注入を複数回繰り返して行うようにしても良
い。さらに、骨補填材11に孔12を一つのみ設け、注
射針を一つのみ有する注射器を用いて孔12への挿入お
よび濃縮体16の注入を一回のみ行うようにしても良
い。濃縮体16は、液体状のものでも良いし、ゲル状の
ものでも良い。体液は末梢血や臍帯血等でも良い。
【0053】第1〜第7実施形態は、骨以外の軟骨、皮
膚、神経、血管等を含む生体組織の欠損部に補填される
生体組織補填材に対しても適用できる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の生体組織
補填材によれば、例えば細胞に浸されると、細胞が再現
性のある形状の孔を介して容易に内部に浸透する。した
がって、限られた時間の中でも内部まで十分に細胞が付
与されることになり、その結果、術後の生体組織欠損部
の修復速度を高めることができる。
【0055】本発明の生体組織補填材によれば、例えば
細胞に浸されると、細胞がスリットを介して容易に内部
に浸透する。したがって、限られた時間の中でも内部ま
で十分に細胞が付与されることになり、その結果、術後
の生体組織欠損部の修復速度を高めることができる。
【0056】本発明の生体組織補填体によれば、生体組
織補填材が例えば細胞に浸されると、細胞が再現性のあ
る形状の孔を介して容易に生体組織補填材の内部に浸透
する。したがって、限られた時間の中でも生体組織補填
材の内部まで十分に細胞が付与されることになり、その
結果、術後の生体組織欠損部の修復速度を高めることが
できる。
【0057】本発明の生体組織補填体によれば、生体組
織補填材が例えば細胞に浸されると、細胞がスリットを
介して容易に生体組織補填材の内部に浸透する。したが
って、限られた時間の中でも生体組織補填材の内部まで
十分に細胞が付与されることになり、その結果、術後の
生体組織欠損部の修復速度を高めることができる。
【0058】本発明の生体組織補填体の製造方法によれ
ば、針を有する穿孔手段を用いて生体組織補填材に所定
の表面から直線状の孔を穿設し、孔が穿設された後の生
体組織補填材の前記所定の表面に細胞を付与するため、
付与された細胞が直線状の孔を介して容易に生体組織補
填材の内部に浸透する。したがって、限られた時間の中
でも生体組織補填材の内部まで十分に細胞が付与される
ことになり、その結果、術後の生体組織欠損部の修復速
度を高めることができる。
【0059】本発明の生体組織補填体の製造方法によれ
ば、生体組織補填材の細胞が付与された所定の表面に、
穿孔手段の針で直線状の孔を穿設すると、生体組織補填
材の表面に付与された細胞が孔の穿設とともに生体組織
補填材の内部に入れ込まれる。したがって、限られた時
間の中でも生体組織補填材の内部まで十分に細胞が付与
されることになり、その結果、術後の生体組織欠損部の
修復速度を高めることができる。
【0060】本発明の生体組織補填体の製造方法によれ
ば、針を用いて生体組織補填材に直線状の孔を穿設する
と、予め針に付与されていた細胞が孔の穿設とともに生
体組織補填材の内部に入り込む。したがって、限られた
時間の中でも生体組織補填材の内部まで十分に細胞が付
与されることになり、その結果、術後の生体組織欠損部
の修復速度を高めることができる。
【0061】本発明の生体組織補填体の製造方法によれ
ば、注射手段の注射針を生体組織補填材に突き刺しこの
注射針を介して注射手段から細胞を生体組織補填材に注
入するため、細胞が生体組織補填材の内部に確実に入り
込む。したがって、限られた時間の中でも生体組織補填
材の内部まで十分に細胞が付与されることになり、その
結果、術後の生体組織欠損部の修復速度を高めることが
できる。
【0062】本発明の生体組織補填体の製造方法によれ
ば、生体組織補填材の直線状の孔に注射手段の注射針を
挿入しこの注射針を介して注射手段から細胞を生体組織
補填材に注入するため、細胞が生体組織補填材の内部に
確実に入り込む。したがって、限られた時間の中でも生
体組織補填材の内部まで十分に細胞が付与されることに
なり、その結果、術後の生体組織欠損部の修復速度を高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の生体組織補填材を示
す斜視図である。
【図2】 本発明の第1実施形態の生体組織補填材を骨
髄細胞に浸した状態を示す側断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態の生体組織補填材の穿
孔器具を示す斜視図である。
【図4】 本発明の第1実施形態の生体組織補填材の他
の例を示す側断面図である。
【図5】 本発明の第2実施形態の生体組織補填材を示
す斜視図である。
【図6】 本発明の第3実施形態の生体組織補填体の製
造方法の第1段階を示す側面図である。
【図7】 本発明の第3実施形態の生体組織補填体の製
造方法の第2段階を示す側断面図である。
【図8】 本発明の第4実施形態の生体組織補填体の製
造方法の第1段階を示す側面図である。
【図9】 本発明の第4実施形態の生体組織補填体の製
造方法の第2段階を示す側断面図である。
【図10】 本発明の第5実施形態の生体組織補填体の
製造方法の第1段階を示す側断面図である。
【図11】 本発明の第5実施形態の生体組織補填体の
製造方法の第2段階を示す側断面図である。
【図12】 本発明の第5実施形態の生体組織補填体の
製造方法の第3段階を示す側断面図である。
【図13】 本発明の第6実施形態の生体組織補填体の
製造方法の第1段階を示す側面図である。
【図14】 本発明の第6実施形態の生体組織補填体の
製造方法の第2段階を示す側断面図である。
【図15】 本発明の第7実施形態の生体組織補填体の
製造方法の第1段階を示す側断面図である。
【図16】 本発明の第7実施形態の生体組織補填体の
製造方法の第2段階を示す側断面図である。
【符号の説明】
11 骨補填材(生体組織補填材) 12 孔 16 骨髄細胞 18 骨補填体(生体組織補填体) 19 スリット 21 針 22 穿孔部材(穿孔手段) 23 上面部(所定の表面) 27 注射針 28 注射器(注射手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 35/36 A61K 35/36 35/37 35/37 35/44 35/44 A61P 19/08 A61P 19/08 (72)発明者 矢内 毅 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 4C081 AB04 AC06 EA13 4C087 AA01 BB44 BB45 BB46 BB48 BB49 BB56 BB63 MA65 NA10 NA20 ZA96 ZB21

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞が付与された後に生体組織欠損部に
    補填される生体組織補填材において、再現性のある形状
    の孔が形成されていることを特徴とする生体組織補填
    材。
  2. 【請求項2】 前記孔の形状は、直線状、弧状および螺
    旋状のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴
    とする請求項1記載の生体組織補填材。
  3. 【請求項3】 細胞が付与された後に生体組織欠損部に
    補填される生体組織補填材において、スリットが形成さ
    れていることを特徴とする生体組織補填材。
  4. 【請求項4】 前記生体組織欠損部は骨欠損部であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の生
    体組織補填材。
  5. 【請求項5】 生体組織補填材に細胞が付与されて構成
    され、生体組織欠損部に補填される生体組織補填体にお
    いて、前記生体組織補填材に、再現性のある形状の孔が
    形成されていることを特徴とする生体組織補填体。
  6. 【請求項6】 前記孔の形状は、直線状、弧状および螺
    旋状のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴
    とする請求項5記載の生体組織補填体。
  7. 【請求項7】 生体組織補填材に細胞が付与されて構成
    され、生体組織欠損部に補填される生体組織補填体にお
    いて、前記生体組織補填材に、スリットが形成されてい
    ることを特徴とする生体組織補填体。
  8. 【請求項8】 前記生体組織欠損部は骨欠損部であるこ
    とを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項記載の生
    体組織補填体。
  9. 【請求項9】 生体組織補填材に細胞を付与することに
    より、生体組織欠損部に補填される生体組織補填体を形
    成する生体組織補填体の製造方法であって、 針を有する穿孔手段の前記針を用いて前記生体組織補填
    材に所定の表面から再現性のある形状の孔を穿設し、該
    孔が穿設された後の前記表面に細胞を付与することを特
    徴とする生体組織補填体の製造方法。
  10. 【請求項10】 生体組織補填材に細胞を付与すること
    により、生体組織欠損部に補填される生体組織補填体を
    形成する生体組織補填体の製造方法であって、 前記生体組織補填材の所定の表面に細胞を付与した後、
    針を有する穿孔手段の前記針を用いて前記生体組織補填
    材に前記表面から再現性のある形状の孔を穿設すること
    を特徴とする生体組織補填体の製造方法。
  11. 【請求項11】 生体組織補填材に細胞を付与すること
    により、生体組織欠損部に補填される生体組織補填体を
    形成する生体組織補填体の製造方法であって、 針を有する穿孔手段の前記針に予め細胞を付与した後、
    該針を用いて前記生体組織補填材に再現性のある形状の
    孔を穿設することを特徴とする生体組織補填体の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 生体組織補填材に細胞を付与すること
    により、生体組織欠損部に補填される生体組織補填体を
    形成する生体組織補填体の製造方法であって、 筒状の注射針を有する注射手段の前記注射針を前記生体
    組織補填材に突き刺し前記注射針を介して前記注射手段
    から細胞を前記生体組織補填材に注入することを特徴と
    する生体組織補填体の製造方法。
  13. 【請求項13】 生体組織補填材に細胞を付与すること
    により、生体組織欠損部に補填される生体組織補填体を
    形成する生体組織補填体の製造方法であって、 表面から内部に向けて直線状の孔が予め形成された生体
    組織補填材の前記孔に、筒状の注射針を有する注射手段
    の前記注射針を挿入し、前記注射針を介して前記注射手
    段から細胞を前記生体組織補填材に注入することを特徴
    とする生体組織補填体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記生体組織欠損部は骨欠損部である
    ことを特徴とする請求項9乃至13のいずれか一項記載
    の生体組織補填体の製造方法。
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