JP2003317098A - 画像認識装置およびプログラム - Google Patents

画像認識装置およびプログラム

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JP2003317098A
JP2003317098A JP2002118407A JP2002118407A JP2003317098A JP 2003317098 A JP2003317098 A JP 2003317098A JP 2002118407 A JP2002118407 A JP 2002118407A JP 2002118407 A JP2002118407 A JP 2002118407A JP 2003317098 A JP2003317098 A JP 2003317098A
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JP2002118407A
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Inventor
Hiroshi Shimura
浩 志村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速でしかも判別精度の高い画像認識装置お
よびプログラムを提供する。 【解決手段】 類似度算出部3は、画像入力部1からの
画像パターンと、辞書2からの画像パターンを、角度を
変化させながら比較して類似度(相関)を計算する。フ
ィルタ部4はローパスフィルタで構成され、回転角順に
並べられた類似度についてフィルタリングを行い、最大
値抽出部5は類似度の最大値を抽出し、フィルタリング
値抽出部6は最大類似度の時の角度でのフィルタリング
した類似度をフィルタリング値として抽出する。平均値
算出部7は、フィルタリング後の類似度の平均値を計算
し、判定部8は、類似度の最大値≧閾値1で、かつ最大
類似度に対応した角度でのフィルタリング値−平均値≧
閾値2である場合、入力画像は辞書画像と同じであると
判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像認識に関し、特
に硬貨やゴム印等の円形画像の判別に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、円形画像の認識においては、入力
画像が傾いて(スキューして)いるのを前提に、テンプ
レート(辞書)と入力画像との類似度を角度を少しづつ
変化させながら計算して、最大の類似度が所定の値(閾
値)を超えたら入力画像はテンプレートと同一画像であ
ると判定している。また、最大類似度を与える他の各角
度の類似度についてもチェックを行って判別精度の向上
が計られていた。特開2000−67293公報では、
辞書とマッチング演算を0から2πまで回転させて類似
度を求め、少なくとも1つの類似度が閾値を超えると共
に、他の角度の類似度について、その類似度と前記閾値
とは別の閾値と比較して判定を行うことにより、認識精
度を向上させていた。また、同従来技術によると、テン
プレート同士で角度を少しづつ変化させて計算した類似
度のn次元ベクトルまたは波形と、入力画像とテンプレ
ートで同様に計算した類似度のn次元ベクトルまたは波
形との相関性に基づき、波形の形状や推移の傾向等も判
別情報として判別の精度を向上させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、一旦、最大類似度を求めた後、位相を合わせて
から他の角度について類似度を比較するため、判定に要
する演算量が増え、処理時間がかかるという問題があっ
た。本発明は、高速でしかも判別精度の高い画像認識装
置およびプログラムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明では、入力画像が認識対象の
画像か否かを判定する画像認識装置において、判定すべ
き画像のパターンを取得する画像入力手段と、認識対象
画像パターンもしくは前記判定すべき画像のパターンの
いずれか一方のパターンを所定の角度づつ、パターンの
中心を中心に回転させたパターンを生成するパターン回
転手段と、各角度における回転させたパターンと他方の
パターンとの類似度を求める類似度算出手段と、前記類
似度の最大値を求める最大値抽出手段と、前記類似度の
平均値を算出する平均値算出手段と、類似度の最大値が
第1の閾値より大きく、かつ最大値から平均値を引いた
値が第2の閾値よりも大きい場合に、前記判定すべき画
像は認識対象の画像であると判定する判定手段とを備え
たことを特徴とする。また、請求項2記載の発明では、
請求項1記載の画像認識装置において、前記平均値算出
手段は類似度が最大値を与える近傍の類似度を除外して
算出することを特徴とする。
【0005】また、請求項3記載の発明では、入力画像
が認識対象の画像か否かを判定する画像認識装置におい
て、判定すべき画像のパターンを取得する画像入力手段
と、認識対象画像パターンもしくは前記判定すべき画像
のパターンのいずれか一方のパターンを所定の角度づ
つ、パターンの中心を中心に回転させたパターンを生成
するパターン回転手段と、各角度における回転させたパ
ターンと他方のパターンとの類似度を求める類似度算出
手段と、前記各角度順に並べた類似度列から変動成分を
除去するフィルタ手段と、該フィルタ手段からの出力
(フィルタリング値)の平均値を算出するフィルタリン
グ平均値算出手段と、前記類似度の最大値を求める最大
値抽出手段と、前記フィルタリング値から前記類似度の
最大値に対応するフィルタリング値を抽出するフィルタ
リング値抽出手段と、前記類似度の最大値が第1の閾値
より大きく、かつ前記抽出されたフィルタリング値から
フィルタリング値の平均値を引いた値が第2の閾値より
も大きい場合に、前記判定すべき画像は認識対象の画像
であると判定する判定手段とを備えたことを特徴とす
る。また、請求項4記載の発明では、請求項3記載の画
像認識装置において、前記フィルタリング平均値算出手
段は、類似度の最大値近傍のフィルタリング値を除外し
て算出することを特徴とする。また、請求項5記載の発
明では、請求項3または4記載の画像認識装置におい
て、前記フィルタ手段は、認識対象画像毎にフィルタ特
性を変更する変更手段を備えたことを特徴とする。ま
た、請求項6記載の発明では、請求項1乃至5のいずれ
か1項に記載の画像認識装置において、前記パターン回
転手段は、認識対象画像パターンを所定の角度づつ、パ
ターンの中心を中心に回転させた複数のパターンを記憶
し、角度に対応したパターンを選択して出力することを
特徴とする。
【0006】また、請求項7記載の発明では、請求項1
乃至5のいずれか1項に記載の画像認識装置において、
前記パターン回転手段は、認識対象画像パターンを所定
の角度づつ、中心を中心に回転させたパターンを複数記
憶し、角度に対応したパターンを必要に応じて所定の角
度回転して出力することを特徴とする。また、請求項8
記載の発明では、請求項7記載の画像認識装置におい
て、前記所定の角度は90度であることを特徴とする。
また、請求項9記載の発明では、コンピュータに入力画
像が認識対象の画像か否かを判定させるプログラムにお
いて、判定すべき画像のパターンを取得する画像入力手
順と、認識対象画像パターンもしくは前記判定すべき画
像のパターンのいずれか一方のパターンを所定の角度づ
つ、パターンの中心を中心に回転させたパターンを生成
するパターン回転手順と、各角度における回転させたパ
ターンと認識すべき画像のパターンとの類似度を求める
類似度算出手順と、前記類似度の最大値を求める最大値
抽出手順と、前記類似度の平均値を算出する平均値算出
手順と、類似度の最大値が第1の閾値より大きく、かつ
最大値から平均値を引いた値が第2の閾値よりも大きい
場合に、前記判定すべき画像は認識対象の画像であると
判定する判定手順とを実行させることを特徴とする。ま
た、請求項10記載の発明では、請求項9記載のプログ
ラムにおいて、前記平均値算出手順は類似度が最大値近
傍の類似度を除外して算出することを特徴とする。ま
た、請求項11記載の発明では、コンピュータに入力画
像が認識対象の画像か否かを判定させるプログラムにお
いて、判定すべき画像のパターンを取得する画像入力手
順と、認識対象画像パターンもしくは前記判定すべき画
像のパターンのいずれか一方のパターンを所定の角度づ
つ、パターンの中心を中心に回転させたパターンを生成
するパターン回転手順と、各角度における回転させたパ
ターンと認識すべき画像のパターンとの類似度を求める
類似度算出手順と、前記各角度順に並べた類似度列から
変動成分を除去するフィルタ手順と、該フィルタ手段の
出力(フィルタリング値)の平均値を算出するフィルタ
リング平均値算出手順と、前記類似度の最大値を求める
最大値抽出手順と、前記フィルタリング値から前記類似
度の最大値に対応したフィルタリング値を抽出するフィ
ルタリング値抽出手順と、前記類似度の最大値が第1の
閾値より大きく、かつ前記抽出されたフィルタリング値
からフィルタリング値の平均値を引いた値が第2の閾値
よりも大きい場合に、前記判定すべき画像は認識対象の
画像であると判定する判定手順とを実行させることを特
徴とする。
【0007】また、請求項12記載の発明では、請求項
11記載のプログラムにおいて、前記フィルタリング平
均値算出手順は、類似度の最大値近傍のフィルタリング
値を除外して算出することを特徴とする。また、請求項
13記載の発明では、請求項11または請求項12記載
のプログラムにおいて、前記フィルタ手順は、認識対象
画像に対応させてフィルタ特性を変更してフィルタリン
グ値を求めることを特徴とする。また、請求項14記載
の発明では、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の
プログラムにおいて、前記パターン回転手順は、認識対
象画像パターンを所定の角度づつ、パターンの中心を中
心に回転させた複数の記憶されているパターンから、角
度に対応したパターンを選択して生成することを特徴と
する。また、請求項15記載の発明では、請求項11乃
至13のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、前
記パターン回転手順は、認識対象画像パターンを所定の
角度づつ、パターンの中心を中心に回転させた複数の記
憶されているパターンから、角度に対応したパターンを
必要に応じて所定の角度回転して生成することを特徴と
する。また、請求項16記載の発明では、請求項15記
載のプログラムにおいて、前記所定の角度は90度であ
ることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明による画像認識装置
の基本部分のブロック図である。画像入力部1は判別す
べき画像パターンを取得する部分である。この画像パタ
ーンは他の処理系から記憶媒体や通信回線を介して取得
しても、あるいは画像入力部1で読み取り画像を加工し
て取得しても良い。画像入力部1が読み取り画像を加工
して取得する場合は、紙等の上に印刷されている文字や
画像を光学的に読み込み、0と1の2値デジタル情報に
変換した後、予め設定してある認識対象画像と思われる
領域を切り出す。この処理は多くの文字認識方法で用い
られている方法である。つまり、文字や画像の存在する
領域を抽出し、認識に用いられる照合パターン単位、例
えば1文字分、の領域を抽出することになる。辞書2
は、認識すべき画像パターンを保持する辞書で、画像パ
ターンを1つ持っていて逐次回転して使う場合、あらか
じめ回転した複数の画像パターンを持っていて選択的に
使う場合、さらにこれらの折衷として一部のあらかじめ
回転した画像パターンを持っていて必要に応じて回転し
て使う場合がある。類似度算出部3は、画像入力部1か
らの画像パターンと辞書2からの画像パターンを比較し
て類似度(相関)を計算する。フィルタ部4は回転角順
に並べられた類似度についてフィルタリングを行うもの
で、ローパスフィルタで構成されている。本実施例のフ
ィルタ部4は、連続する数個の類似度の平均値を1つず
つずらしながら、いわゆる移動平均を出力するものであ
る。最大値抽出部5は、類似度の最大値を抽出する。ま
た、フィルタリング値抽出部6は最大類似度の時の角度
でのフィルタリングした類似度をフィルタリング値とし
て抽出する。フィルタリング値とは、前記フィルタ部4
の出力する移動平均の値である。平均値算出部7は、フ
ィルタリング後の類似度の平均値を計算する。そして、
判定部8は、最大値を与える類似度≧閾値1で、かつ最
大類似度に対応した角度でのフィルタリング値−平均値
≧閾値2である場合、入力画像は辞書画像と同じである
と判定する。
【0009】図2は、第1の実施例による処理の流れを
示す図である。回転角Rに初期値0をセットし(ステッ
プS21)、回転角Rに応じて辞書画像を作成もしくは
選択し(ステップS22)、対象画像との類似度を計算
する(S23)。これを回転角0から2πまで(1周)
について計算する(ステップ24、25)。なお、ステ
ップ24で回転角Rを更新するが、ここでは、例えばπ
/64を加えることにより0から2πまで、角度を12
8通りずらして類似度を計算することができる。次に、
最大の類似度MAXを抽出し(ステップS26)、平均
値MEANを計算し(ステップS27)、MAX≧第1
の閾値かつ(MAX−MEAN)≧第2の閾値なら同一
画像であると判定する(ステップS28)。本実施例に
おいては、理解を容易にするために、最大の類似度MA
Xと平均値MEANをステップS21からステップS2
5のループの外側で求めているが、類似度MAXおよび
平均値を計算する上での総和はループの内側でも求めら
れる。また、平均値MEANはすべての角度における類
似度の平均になっているが、本発明における角度に対す
る類似度の変化傾向は、スキュー角と一致した時にピー
クとなり、ピークを挟んで類似度の変化が大きい(いわ
ゆる山を作る)ことがわかっているので、前の値との差
分が所定の値より大きいかをチェックすることによりピ
ークの近傍(山の部分)を平均値に含ませないようにす
ることができる。このことにより、一般的に平均値は小
さくなり、MAX−MEANの値が大きくなるが、認識
対象画像でない場合は、ピークが顕著でないので、MA
X−MEANの値はあまり変化しないので閾値2を大き
くすることができ、判別精度を向上させることができ
る。なお、ステップS23の類似度の計算方法は後述す
る。次に第2の実施例における処理を説明する。図3は
類似度をフィルタリングして判定する第2の実施例にお
ける処理の流れを示す図である。図2と同じ処理の部分
は同一の番号(ステップ21からステップ26)が付し
てある。すなわち回転角Rを0から2πまで変化させ
て、それぞれの角度における類似度と、類似度の最大値
MAXを求めるところまでは同じ処理である。本実施例
では、それぞれの回転角Rにおける類似度のデータ列に
ついてフィルタリングして(ステップS31)、最大の
類似度を与える回転角Rでのフィルタリング値MAX_
Fを抽出し(ステップS32)、その近傍を除いた平均
値MEAN_Fを計算する(ステップS33)。そし
て、MAX≧第1の閾値かつ(MAX_F−MEAN_
F)≧第2の閾値なら同一画像であると判定する(ステ
ップS34)。
【0010】次に、ハードウエアの構成について図を参
照して詳しく説明する。なお、図4はこれから説明する
ハードウエア構成図に使用されている要素素子の凡例を
示したものである。まず、図5は図2で示した第1の実
施例の処理を実現するためのハードウエア構成図であ
る。類似度算出部3では、スキャナ51より入力された
対象画像が2値化部52で2値化され、さらに認識の対
象となる領域のみが切り出されでマスク54aに蓄えら
れる。もし、2値化画像を直接取得していれば、その画
像をマスク54aに入力すれば良い。一方、辞書2aよ
り回転部53を経て回転された画像パターンがマスク5
4bに蓄えられる。これら2つのマスクについて排他的
論理和をとり、結果はマスク54cに蓄えられる。これ
らのマスクはレジスタ(フリップ・フロップ)で構成さ
れている。マスク54cでは2値化されたパターンと辞
書からの画像パターンとが一致した画素は0となるの
で、ゼロカウンタ55でゼロの数をカウントして類似度
としている。なお、画像パターンの回転については、ア
ーフィン変換等の従来技術を用いて行える。また、この
実施例では辞書に蓄えている画像パターンを回転させた
が、対象画像の2値化パターンを回転しても良い。類似
度算出部3では、回転角R毎に類似度が順次計測(算
出)され、その結果は最大値抽出部5および平均値算出
部7に送られる。最大値抽出部5は比較器、マルチプレ
クサおよび最大値MAXを記憶するレジスタとからな
り、比較器で現在のMAXと入ってきた類似度とが比較
され、入ってきた類似度の方が大きい場合は比較器から
1が出力されて、その結果がマルチプレクサへの入力と
なって、最大値MAXが更新される。一方、平均値算出
部7では、記憶している累積値に新たに入ってきた類似
度を加えて累積値を更新するようになっている。そし
て、1周分の類似度の累積が完了したら、データ個数で
除して平均値を算出するようになっている。本実施例で
は、例えばデータ個数が128個なら、累積値を128
で割る替わりに、7ビット右にシフトするようにしてい
る。このようにして、最大値抽出部5で最大値MAXを
抽出し、平均値算出部7で平均値MEANを算出してい
る。判定部8は、MAX≧閾値1かつ(MAX−MEA
N)≧閾値2なら同一画像であると判定し判別結果とし
て1を出力する。
【0011】図6は図3で示した第2の実施例の処理を
実現するためのハードウエア構成図である。図5と同じ
部分は同一の番号を付し、説明が済んでいる部分は図が
複雑になるのを避けるため、番号を省略してある。図5
との違いはフィルタ4とフィルタ値抽出部6が追加され
ている点である。図5との違いを中心に説明する。類似
度算出部3は回転角Rに対応する類似度を順次算出し
て、その結果をフィルタ4のinへ入力する。一方、辞
書からは現在用いている画像パターン(認識対象パター
ン)に対応したフィルタ選択信号がフィルタ4のsel
に入力されている。フィルタ4は上記2つのデータ(信
号)から、outにローパスフィルタリングした値を出
力する。また、dlyからはoutに同期した生のデー
タ、すなわち類似度そのものを出力し、最大値抽出部5
へ入力するようになっている。最大値抽出部5では前述
と同様に類似度の最大値を更新している。しかし平均値
算出部7は、構成は図5と同じであるが、本実施例では
類似度を累積するのではなく、移動平均の値、すなわち
フィルタリング値、を累積して、フィルタリング値の平
均MEAN_Fを算出するようになっている。フィルタ
リング値抽出部6は、最大値抽出部5が最大値を検出し
た時のフィルタリング値をMAX_Fに記憶する。そし
て、判定部8は、MAX≧閾値1かつ(MAX_F−M
EAN_F)≧閾値2なら同一画像であると判定し判別
結果として1を出力する。本実施例の平均値算出部7で
は、図3のフローチャートにある、MAX_F近傍以外
のフィルタリング値の平均値を計算する(ステップ3
3)ようにはなっていないが、平均値算出部7に一つ前
のフィルタリング値と、今回のフィルタリング値との差
を取る減算器と、減算の結果を閾値と比べる比較器を用
いて、差が所定値より小さいものだけの累積値と、その
個数を記憶しておけば、類似度の最大値を与える近傍の
フィルタリング値を除いた平均値MEAN_Fを得るこ
とができる。図7はフィルタ4のハードウエア構成図で
ある。本実施例では、ローパスフィルタリングを移動平
均にて実施し、3通りの特性をSelからの入力にて切
り替えるようになっている。Inから入ったデータは、
次々とレジスタRに送られて行き、その途中で連続する
2個、4個、8個の和が求まる。この個数に応じて、結
果を1ビット(2個の場合)、2ビット(同4個)、3
ビット(同8個)右シフトすることにより平均値が求ま
る。フィルタ特性セレクタは前述のSelからの信号に
応じて、項数の異なる移動平均から選択した結果をOu
tへ出力する。Dly出力は生データ(類似度)の出力
タイミングをフィルタリング値と遅延を合わせるための
ものである。
【0012】次に、辞書の構成について説明する。図8
および図9は辞書の構成例を示す図である。図5と図6
での位置の対応がわかるように、スキャナ51、2値化
部52も一緒に記載してある。図5、図6の実施例との
違いは、辞書を逐次回転するのではなく、あらかじめ回
転したパターンを複数もち、辞書セレクタ81にて選択
して、各回転角に対応したパターンを選択して送り出す
点である。辞書サイズは大きくなるが、回転処理が不要
なので認識処理の高速化に寄与する。また、回転処理を
予め別のコンピュータ等で高精度に回転処理できるの
で、回転パターンの誤差を少なくでき、類似度の精度を
高めることができる。また、本構成例ではフィルタ選択
の信号線が描かれている。これまでは認識すべき画像が
複数ある点には触れなかったが、認識すべきパターンに
応じて、フィルタ特性を変更した方が認識精度が上がっ
て良い場合が少なくない。このフィルタ選択の信号線は
現在認識すべき画像が何であるかを示す信号を出すこと
で、フィルタ特性を変更できるようにしている。図9の
構成例では、あらかじめ0からπ/2の範囲で所定の角
度づつ回転したパターンを複数もち、π/2回転部91
にてπ/2、π、さらに3π/2回転することで、全て
の回転角に対応したパターンを生成するようにしてい
る。辞書のサイズは1周分全部のパターンをもつ時(図
8)の1/4になり、回転精度もπ/2のみなのでπ/
2回転部91での回転誤差はない。ここで、本発明の認
識方法について検証する。図10は3種類の画像の類似
度と回転角の関係を示したものである。同画像(高得
点)は辞書と同じ画像で高類似度を示したもの、同画像
(低得点)は辞書と同じ画像ではあるが低類似度だった
もの、そして、異画像(高得点)は辞書と異なる画像で
はあるが高類似度を示したものである。これらは類似度
の最大値では判別できるものの、同画像(低得点)と異
画像(高得点)では接近している。異画像で高類似度と
なるものは、最大値以外の回転角でも比較的高い類似度
を示す傾向にある。また、同画像と異画像の高類似度を
示したピークの広がりに着目すると、同画像の方が鋭く
とがる傾向に有る。表1は、それぞれの平均値、最大値
とそれらの差分である。異画像の差分は、同画像のもの
に比較して小さい。従って、この差分が所定値より大き
いか小さいかを判定することでより精度の高い判別が可
能になる。
【表1】
【0013】図11は、多くの同画像と異画像について
類似度の最大値と、この最大値から平均を引いた差分で
分類した散布図である。最大類似度だけでも同画像と異
画像は分離できているが、平均の差分を使った結果、よ
り分離が鮮明になっている。図12は、同画像(低得
点)と異画像(高得点)について、回転角方向に類似度
と、フィルタリング後の類似度(フィルタリング値)を
示した図である。フィルタ特性は項数4の移動平均であ
る。このローパスフィルタの働きで、変動が吸収され
て、なだらかな変化を示すようになる。この傾向は異画
像(高得点)において、より顕著である。同画像(低得
点)のピークも落ちるが、異画像(高得点)のピークは
さらに落ちる。表2は、それぞれの画像のフィルタリン
グ値の平均値と、最大フィルタリング値と、それらの差
分を示している。
【表2】 従って、この差分(MAX_F−MEAN_F)が所定
値より大きいか小さいかを判定することで、より精度の
高い判別が可能になる。図13は多くの同画像と異画像
について、類似度の最大値と、最大値を与える角度にお
けるフィルタリング値からフィルタリング値の平均を引
いた差分で分類した散布図である。類似度だけでも分離
できているが、フィルタリング後の平均との差分を使っ
た結果、より分割が鮮明になっている。また、辞書中の
認識画像(パターン)によって、類似度のピークの形状
が異なることが考えられる。そこで、認識する画像によ
ってフィルタリング特性を変更することで、より精度の
高い判別ができると考えられる。これまで、本発明をハ
ードウエアで実現する方法を中心に説明してきたが、ソ
フトウエアで実現する場合は、図2および図3の処理の
流れに添ってプログラム化すれば良い。座標回転や平均
値、移動平均を求めるアルゴリズムも公知であり、類似
度を求めるのに用いる排他的論理和の演算も周知であ
る。
【0014】
【発明の効果】以上説明してきたように、類似度の最大
値と、この最大値から平均を引いた値の両方を用いて判
定するので、認識の精度は向上する。また、平均値を求
める際、ピークを除くようにしたので、更に認識の精度
は向上する。また、ローパスフィルタを用いて類似度の
変動を除いているので、原稿の汚れ等にも認識の精度は
保持される。また、フィルタリング後の最大類似度から
平均を引いた差分を用いで認識するので更なる認識精度
の向上が可能となる。また、認識する画像パターンに合
わせてフィルタリング特性を選択出来るので画像パター
ンの特性にあった判別が出来る。更に、辞書中に比較パ
ターンを複数用意すると、パターンの回転処理に要する
時間が短縮できて認識処理が短時間に行えるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像認識装置の基本部分のブロッ
ク図である。
【図2】第1の実施例による処理の流れを示す図であ
る。
【図3】第2の実施例による処理の流れを示す図であ
る。
【図4】ハードウエア構成図に使用されている要素素子
の凡例を示す図である。
【図5】第1の実施例の処理を実現するためのハードウ
エア構成図である。
【図6】第2の実施例の処理を実現するためのハードウ
エア構成図である。
【図7】フィルタのハードウエア構成図である。
【図8】辞書の構成例を示す図である。
【図9】辞書の構成例を示す図である。
【図10】画像の類似度と回転角の関係を示す図であ
る。
【図11】類似度の最大値と、この最大値から平均を引
いた差分で分類した散布図である。
【図12】類似度と、フィルタリング値を説明する図で
ある。
【図13】類似度の最大値と、最大値を与える角度にお
けるフィルタリング値から平均を引いた差分で分類した
散布図である。
【符号の説明】
1 画像入力部 2 辞書 3 類似度算出部 4 フィルタ部 5 最大値抽出部 6 フィルタリング値抽出部 7 平均値算出部 8 判定部

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像が認識対象の画像か否かを判定
    する画像認識装置において、判定すべき画像のパターン
    を取得する画像入力手段と、認識対象画像パターンもし
    くは前記判定すべき画像のパターンのいずれか一方のパ
    ターンを所定の角度ずつ、パターンの中心点を中心に回
    転させたパターンを生成するパターン回転手段と、各角
    度における回転させたパターンと他方のパターンとの類
    似度を求める類似度算出手段と、前記類似度の最大値を
    求める最大値抽出手段と、前記類似度の平均値を算出す
    る平均値算出手段と、類似度の最大値が第1の閾値より
    大きく、かつ最大値から平均値を引いた値が第2の閾値
    よりも大きい場合に、前記判定すべき画像は認識対象の
    画像であると判定する判定手段とを備えたことを特徴と
    する画像認識装置。
  2. 【請求項2】 前記平均値算出手段は類似度が最大値を
    与える近傍の類似度を除外して算出することを特徴とす
    る請求項1記載の画像認識装置。
  3. 【請求項3】 入力画像が認識対象の画像か否かを判定
    する画像認識装置において、判定すべき画像のパターン
    を取得する画像入力手段と、認識対象画像パターンもし
    くは前記判定すべき画像のパターンのいずれか一方のパ
    ターンを所定の角度ずつ、パターンの中心点を中心に回
    転させたパターンを生成するパターン回転手段と、各角
    度における回転させたパターンと他方のパターンとの類
    似度を求める類似度算出手段と、前記各角度順に並べた
    類似度列から変動成分を除去するフィルタ手段と、該フ
    ィルタ手段からの出力(フィルタリング値)の平均値を
    算出するフィルタリング平均値算出手段と、前記類似度
    の最大値を求める最大値抽出手段と、前記フィルタリン
    グ値から前記類似度の最大値に対応するフィルタリング
    値を抽出するフィルタリング値抽出手段と、前記類似度
    の最大値が第1の閾値より大きく、かつ前記抽出された
    フィルタリング値からフィルタリング値の平均値を引い
    た値が第2の閾値よりも大きい場合に、前記判定すべき
    画像は認識対象の画像であると判定する判定手段とを備
    えたことを特徴とする画像認識装置。
  4. 【請求項4】 前記フィルタリング平均値算出手段は、
    類似度の最大値近傍のフィルタリング値を除外して算出
    することを特徴とする請求項3記載の画像認識装置。
  5. 【請求項5】 前記フィルタ手段は、認識対象画像毎に
    フィルタ特性を変更する変更手段を備えたことを特徴と
    する請求項3または4記載の画像認識装置。
  6. 【請求項6】 前記パターン回転手段は、認識対象画像
    パターンを所定の角度づつ、パターンの中心点を中心に
    回転させた複数のパターンを記憶し、角度に対応したパ
    ターンを選択して出力することを特徴とする請求項1乃
    至5のいずれか1項に記載の画像認識装置。
  7. 【請求項7】 前記パターン回転手段は、認識対象画像
    パターンを所定の角度ずつ、中心点を中心に回転させた
    パターンを複数記憶し、角度に対応したパターンを必要
    に応じて所定の角度回転して出力することを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像認識装置。
  8. 【請求項8】 前記所定の角度は90度であることを特
    徴とする請求項7記載の画像認識装置。
  9. 【請求項9】 コンピュータに入力画像が認識対象の画
    像か否かを判定させるプログラムにおいて、判定すべき
    画像のパターンを取得する画像入力手順と、認識対象画
    像パターンもしくは前記判定すべき画像のパターンのい
    ずれか一方のパターンを所定の角度ずつ、パターンの中
    心点を中心に回転させたパターンを生成するパターン回
    転手順と、各角度における回転させたパターンと認識す
    べき画像のパターンとの類似度を求める類似度算出手順
    と、前記類似度の最大値を求める最大値抽出手順と、前
    記類似度の平均値を算出する平均値算出手順と、類似度
    の最大値が第1の閾値より大きく、かつ最大値から平均
    値を引いた値が第2の閾値よりも大きい場合に、前記判
    定すべき画像は認識対象の画像であると判定する判定手
    順とを実行させることを特徴とするプログラム。
  10. 【請求項10】 前記平均値算出手順は類似度が最大値
    近傍の類似度を除外して算出することを特徴とする請求
    項9記載のプログラム。
  11. 【請求項11】 コンピュータに入力画像が認識対象の
    画像か否かを判定させるプログラムにおいて、判定すべ
    き画像のパターンを取得する画像入力手順と、認識対象
    画像パターンもしくは前記判定すべき画像のパターンの
    いずれか一方のパターンを所定の角度ずつ、パターンの
    中心点を中心に回転させたパターンを生成するパターン
    回転手順と、各角度における回転させたパターンと認識
    すべき画像のパターンとの類似度を求める類似度算出手
    順と、前記各角度順に並べた類似度列から変動成分を除
    去するフィルタ手順と、該フィルタ手段の出力(フィル
    タリング値)の平均値を算出するフィルタリング平均値
    算出手順と、前記類似度の最大値を求める最大値抽出手
    順と、前記フィルタリング値から前記類似度の最大値に
    対応したフィルタリング値を抽出するフィルタリング値
    抽出手順と、前記類似度の最大値が第1の閾値より大き
    く、かつ前記抽出されたフィルタリング値からフィルタ
    リング値の平均値を引いた値が第2の閾値よりも大きい
    場合に、前記判定すべき画像は認識対象の画像であると
    判定する判定手順とを実行させることを特徴とするプロ
    グラム。
  12. 【請求項12】 前記フィルタリング平均値算出手順
    は、類似度の最大値近傍のフィルタリング値を除外して
    算出することを特徴とする請求項11記載のプログラ
    ム。
  13. 【請求項13】 前記フィルタ手順は、認識対象画像に
    対応させてフィルタ特性を変更してフィルタリング値を
    求めることを特徴とする請求項11または請求項12記
    載のプログラム。
  14. 【請求項14】 前記パターン回転手順は、認識対象画
    像パターンを所定の角度ずつ、パターンの中心点を中心
    に回転させた複数の記憶されているパターンから、角度
    に対応したパターンを選択して生成することを特徴とす
    る請求項9乃至13のいずれか1項に記載のプログラ
    ム。
  15. 【請求項15】 前記パターン回転手順は、認識対象画
    像パターンを所定の角度ずつ、パターンの中心点を中心
    に回転させた複数の記憶されているパターンから、角度
    に対応したパターンを必要に応じて所定の角度回転して
    生成することを特徴とする請求項11乃至13のいずれ
    か1項に記載のプログラム。
  16. 【請求項16】 前記所定の角度は90度であることを
    特徴とする請求項15記載のプログラム。
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