JP2003315782A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

Info

Publication number
JP2003315782A
JP2003315782A JP2002126774A JP2002126774A JP2003315782A JP 2003315782 A JP2003315782 A JP 2003315782A JP 2002126774 A JP2002126774 A JP 2002126774A JP 2002126774 A JP2002126774 A JP 2002126774A JP 2003315782 A JP2003315782 A JP 2003315782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
polarized light
light
reflective
axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002126774A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Shimizu
滋雄 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP2002126774A priority Critical patent/JP2003315782A/ja
Publication of JP2003315782A publication Critical patent/JP2003315782A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コントラストが高く、画像上のディスクリネ
ーションラインの発生を抑制でき、しかも組み立ても簡
単な液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 直線偏光を得る第1手段84aと、直線
偏光を円偏光または楕円偏光にかえる第2手段86a
と、円偏光又は楕円偏光を略直線偏光にかえる第3手段
86bと、直線偏光を取り出す第4手段84bとを有す
る液晶表示装置であって、第1偏光板84aの偏光軸
は、液晶分子のチルト方向と並行に設定され、第1位相
差板86aは、第1偏光板の偏光軸に対して光学軸がほ
ぼ45度の角度で挿入され、第2位相差板86bは、第
1位相差板と同じ構造であってその光学軸が行に設定さ
れ、第2偏光板84bは、その偏光軸が第1偏光板の偏
光軸の方向に対して所定の角度だけ回転調節されてお
り、透明基板の光が入射する第1の表面と反射面に対向
する第2の表面に、光の干渉を抑える反射防止膜10b
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に関
し、特に垂直配向モードを持つ液晶分子を利用した反射
型の液晶表示装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、業務用あるいは家庭用に大型で高
精細な画像を表示する投射型の液晶表示装置が注目され
ている。この種の投射型の液晶表示装置の場合は、スク
リーン等へ画像を拡大して投影するため、直視型の液晶
表示装置に比べて、より高精細で、高コントラストな画
像性能が求められる。液晶表示方式には、大きく分けて
反射型と透過型があるが、反射型の液晶表示方式の場合
は、反射電極の下に配線や駆動回路等を作ることが出来
るため、高密度に画素を集積することができ、透過型の
液晶表示装置とは異なって、開口部を考慮する必要が無
くて、より明るく高解像度の画像を投影することが可能
であるため、この投射型の液晶表示装置が広く用いられ
ている。 【0003】また、最近の投射型の液晶表示装置では、
液晶層として高いコントラストが得られる垂直配向型
(ホメオトロピック配向モード)の液晶分子が採用され
ている。この垂直配向型の液晶分子は、負の誘電異方性
を示し、初期状態では基板面にほぼ垂直な方向に配列し
ており、電圧の印加により基板面にほぼ平行に配列す
る。図5は、従来の偏光ビームスプリッタ200を用い
た投射型の液晶表示装置の光の入出力関係を示す概略構
成図である。図5(a)は黒表示の状態、図5(b)は
白表示の状態を示す。反射型液晶素子1100は、透明
電極が内側表面に形成された透明基板110と、内表面
に反射電極を備える反射基板130とを有し、両基板1
10、130間に液晶層120を挟持している。この液
晶層120は、使用する液晶分子の配向モードに従い、
両基板110、130間の電圧に依存した配向を示す。 【0004】例えば、入射光である直線偏光(s偏光)
は、ビームスプリッタ(PBS)200を介して、反射
型液晶素子1100に入射した後、液晶層120で、液
晶分子の配向に応じた偏光を受ける。例えば、液晶層1
20が複屈折作用を呈する場合は、入射した直線偏光は
楕円偏光となり、このうちp偏光光については反射基板
130で反射された後、ビームスプリッタ200を透過
し、投射レンズ700を介して投射光として出力され
る。図6に、X、Y、 Z軸で表される3次元座標中の液
晶分子の配向状態の一例を示す。この液晶分子122の
配向は、チルト角θpと面方位角θxとで規定すること
ができる。ここで、チルト角θpとは液晶分子の長軸と
基板面に垂直な軸とがなす角をπ/2(90度)から引
いた角度であり、面方位角θxとは、入射光の偏光軸方
向をx軸とするときに、液晶基板面内においてx軸と液
晶分子の長軸とがなす角をいうものとする。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】一般に、液晶分子に
は、基板表面のラビング処理等により、45度の面方位
角θxが付与されている。そして、液晶表示装置では、
高解像度化の要請から画素密度が年々小さくなっている
が、特に投射型の液晶表示装置では、画像を拡大投影す
るため、液晶素子に求められる微細化の要請が高い。し
かしながら、液晶分子は各画素に対応する共通電極(透
明電極)と画素電極との間の印加電圧に応じて、配向を
変化させるものであるため、個々の画素サイズが小さく
なると、隣接画素との距離も狭くなり、隣接画素にかか
る印加電圧の影響を受け易くなる。特に、対象となる画
素が白表示をすべき画素であり、これに隣接する画素が
黒表示をすべき画素である場合には、隣接する各画素に
かかる印加電圧が異なるため、隣接画素間で電位差によ
る電位勾配、すなわち横電界が発生する。 【0006】そして、液晶分子の面方位角は、通常、入
射光の偏光軸に対し45度の角度に設定されているが、
上述した横電界が生じると、画素の周縁部において、そ
の面内方位角のずれが発生する。その結果、例えば、1
画素ごとに黒表示と白表示を交互に表示させるようなス
トライプ表示を行うような場合には、本来白表示である
べき画素周縁部に、配向が異なる部分が生じ、これが画
像上ではディスクリネーションラインと呼ばれるライン
状の表示欠陥として現れてしまう。 【0007】特に、液晶分子が垂直配向モードにある場
合は、液晶分子がほぼ基板表面に垂直に存在するため、
配向膜による液晶分子に対する配向規制力が小さくな
り、上記横電界の影響を受け易いことから、特に、ディ
スクリネーションラインが発生し易い。そして、カラー
画像は、R、G、B各色用の3枚の液晶素子(液晶パネ
ル)を合成して作製するが、上記ディスクリネーション
ラインが発生する場合は、コントラストが低下するだけ
でなく、白色や補色を表示する際に、ディスクリネーシ
ョンラインの位置ずれ部が着色して見えることにより、
特に、画像品質を落とすことになる。 【0008】そこで、本出願人は、特願2001−38
8250号で上記ディスクリネーションラインの問題を
解決する方法を開示した。この開示した方法では、透明
電極を備えた透明基板と、駆動回路および反射電極を備
えた基板とを、電極面が対向するように配置し、該二枚
の基板間に垂直配向モードを持つ液晶分子を含む液晶層
を挟持した反射型液晶素子と、前記反射型液晶素子への
入射光光路上に設けられ、前記入射光から、直線偏光を
得る第1手段と、前記第1手段で得られた直線偏光を円
偏光または楕円偏光にかえる第2手段と、前記反射型液
晶素子からの反射光光路上に設けられた、円偏光または
楕円偏光を略直線偏光にかえる第3手段と、前記第1手
段によって得られる直線偏光の光軸と90度異なる偏光
軸を持つ直線偏光を取り出す第4手段とを有し、前記第
2手段は、第1位相差板であり、前記第3手段は、第2
位相差板であり、前記第1位相差板と前記第2位相差板
の位相差は、前記反射型液晶素子で生じる位相差分だけ
異なり、入射光の中心波長をλとする場合に、前記第1
位相差板と前記第2位相差板のリターデーションの和か
ら、前記反射型液晶素子で生じるリターデーションを減
じた値が、0.8λ/2〜1.2λ/2の範囲にあるよう
に設定している。 【0009】1これによって、反射型液晶素子に円偏光
もしくは楕円偏光を入射させることで、反射型液晶素子
からの出射光の強度に対する、液晶分子の面方位の影響
を減じることができる。従って、画素サイズの微細化に
より、隣接素子からの横電界の影響により、画素周縁部
の液晶分子の面方位が変化しても、出力強度に与える影
響を抑制することができるので、従来のような横電界の
影響による、画像上へのディスクリネーションラインの
発生を抑制できる。以下、図7〜図10を参照して、上
記特願2001−388250号で開示した投射型の液
晶表示装置について説明する。 【0010】図7に示すように、この投射型の液晶表示
装置は、反射型液晶素子100への入射光L1の光路上
に入射光L1から直線偏光を取り出す第1偏光板60a
と、直線偏光を円偏光または楕円偏光にかえるλ/4、
またはこれに近い位相差を持つ第1位相差板50aを備
えている。また、反射型液晶素子100で反射された出
射光L2の光路上には円偏光、もしくは楕円偏光である
反射光を直線偏光にかえる、λ/4またはこれに近い位
相差を持つ第2位相差板50bと、第2偏光板(検光
子)60bとを備えている。なお、ここで、図7(a)
は黒表示、図7(b)は白表示の場合を、それぞれ示
す。上記反射型液晶素子100は、対向配置された透明
基板10と反射基板30とを有し、その間に液晶層20
が挟持された構成を持つ。この透明基板10の対向表面
には、共通電極である透明電極10aが形成されてお
り、反射基板30の対向表面には、画素ごとに形成され
たMOSトランジスタまたは、TFT等の駆動回路(図
示せず)と、反射電極30aとがマトリクス状に形成さ
れている。この画素サイズとしては、例えば10μm×
10μm角程度の微細な画素が形成されている。 【0011】上記液晶層20を構成する液晶分子として
は、垂直配向型の負の誘電異方性を有するネマチック液
晶が使用される。この液晶層20に接する透明基板10
および反射基板30の表面には液晶分子に配向を付与す
るため、例えばラビング処理されたポリイミド膜からな
る配向膜(図示せず)が形成されており、初期状態の液
晶分子に例えば約80〜85度のチルト角および偏光板
の偏光軸に対し約45度の面方位角(図6参照)を付与
している。図8は、図7に示した投射型の液晶表示装置
における入射光と出射光の関係を示す装置斜視図であ
る。なお、ここでは各画素電極に電界をかけない状態
(初期状態)で黒を表示するノーマリブラック(NB)
モードを示している。 【0012】図示しない光源から出力された入射光L1
は、まず第1偏光板60aにより、x軸方向に偏光軸を
有する直線偏光のみが取り出され、さらに、λ/4もし
くはこれに近い位相差を持つ第1位相差板50aを通過
する過程で右回りの円偏光もしくは楕円偏光にされ、こ
の状態で反射型液晶素子100に入射される。この反射
型液晶素子100に入射した光は、液晶層20(図7参
照)を通過し反射電極30aにより反射され、さらに液
晶層20を通過して出射される。出射光L2は、第1位
相差板50aと光軸がほぼ90度異なる第2位相差板5
0bによって、直線偏光に戻される。この直線偏光が第
2偏光板(検光子)60bを通過する場合には、投射レ
ンズ70(図7参照)を経て図示せぬスクリーン上に導
かれて、ここで画像が拡大投影される。 【0013】図9は、スクリーン上の画像例を示すもの
であり、横方向に一画素おきに明暗の縦線を表示したと
きの拡大投影像例を示す。なお、同図中下部には、各画
素の光出力値を示す。図9(a)は上記投射型の液晶表
示装置により得られたスクリーン上の画像例を示し、図
9(b)は、上記投射型の液晶表示装置から第1位相差
板50aおよび第2位相差板50bを共に取り除いた時
の液晶表示装置、即ち直線偏光を入射する従来の投射型
の液晶表示装置により得られるスクリーン上の画像例を
示すものである。 【0014】両者を比較してわかるように、図9(a)
に示す画像例では、図9(b)に示すような、白表示画
像中でのディスクリネーションラインR1の発生が抑制
されるので、表示品質を大幅に改善できる。図7及び図
8に示す投射型の液晶表示装置によりディスクリネーシ
ョンラインR1が消失する理由は以下のように説明され
る。この投射型の液晶表示装置では、反射型液晶素子1
00への入射光強度をIin、出射光強度をIoutとする
と、この出射光強度をIoutは、次式1で表される。 【0015】 Iout =Iin ・sin2(2θx)×sin2(δ/2)・・(1) ここで、θxは液晶分子の面方位角、δは液晶層の位相
差(=2π・△n・d/λ)である。なお、ここで△n
・dとは、リターデーションと呼ばれる値である。従っ
て、液晶分子の面方位角θxを45度に設定した場合
は、sin2(2θx)が1になるので、出射光強度Iout
は面方位角θxの影響を受けない。しかし、液晶分子の
面方位角θxが隣接素子の影響による横電界により45
度からずれると、面方位角θxにより出射光強度Iout
が変動し、部分的に出射光強度Iou tが低くなり、これ
がディスクリネーションラインの発生要因となる。そこ
で、図7及び図8の投射型の液晶表示装置のように、反
射型液晶素子100への入射光L1を第1位相差板50
aにより円偏光または楕円偏光に変えて入射させる場合
は、当業者に公知なジョーンズベクトルの計算より出力
光の強度Io utは、液晶分子の面方位角θxによらない次
式2で表される。 【0016】 Iout =Iin ・sin2(δ/2)・・・(2) 従って、円偏光または楕円偏光を入射光として利用する
場合は、入射光の波長が決まると、出射光の強度は、液
晶分子の面方位角θxによらず、液晶層のリターデーシ
ョン△n・dのみで決まるので、隣接素子による横電界
により液晶分子の面方位角θxが変化しても、出力強度
はその影響をほとんど受けないので、ディスクリネーシ
ョンラインの発生を低減できる。従って、画像の明るさ
も落ちず、かつ画素をより精細化しても高いMTF(Mo
dulation Transfer Function)を維持できるので、高
精細化が求められる投射型の液晶表示装置に適した液晶
表示装置となる。 【0017】しかしながら、上記した液晶表示装置で
は、例えば、第1位相差板50aと第2位相差板50b
の位相差をそれぞれλ/4とした場合、ディスクリネー
ションラインの発生を抑制することができるものの、液
晶のプレチルト角の影響を受け、条件から外れると画像
のコントラストが十分得られない、といった新たな問題
が発生した。 【0018】(チルト角と位相差板の位相差の関係)こ
の点について詳しく説明する。図10は、液晶分子に付
与されるチルト角と、好ましい第1位相差板50aと第
2位相差板50bのリターデーションの差との関係をシ
ミュレーションより求めたグラフである。同グラフに示
すように、液晶分子が完全に垂直(90度)に配向され
ている場合は、第1位相差板50aと第2位相差板50
bとのリターデーションの差は0、即ち、第1位相差板
のリターデーションをλ/4、第2位相差板のリターデ
ーションをλ/4とし、光軸を直交させるよう配置させ
ればよいが、液晶分子にチルト角が付与されている場合
は、チルト角によって生じる反射型液晶素子でのリター
デーションを考慮して、第1位相差板50aと第2位相
差板50bのリターデーションの差を決定しなければな
らない。 【0019】このため、上記液晶表示装置では、条件が
合えばコントラストが高く、且つディスクリネーション
の問題がなくなる利点はあるが、液晶分子がチルトした
場合に応じて、第1位相差板50aと第2位相差板50
bの位相差を決める必要がある。特に、反射型液晶素子
を大量に生産した場合、液晶のチルト特性も当然あるば
らつきを持ってくるので、したがって、液晶表示装置を
組み立てる際に、種々の特性の位相差板を用意し、それ
ぞれの特性を合わせる必要があり、コスト高を招来し、
組み立て作業も煩雑であった。本発明は、以上のような
問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたも
のである。本発明の目的はコントラストが高く、画像上
のディスクリネーションラインの発生を抑制でき、しか
も組み立ても簡単な液晶表示装置を提供することにあ
る。 【0020】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
透明電極を備えた透明基板と、駆動回路および反射電極
を備えた反射基板とを、電極面が対向するように配置
し、該二枚の基板間に僅かに傾斜(チルト)した垂直配
向モードを持つ液晶分子を含む液晶層を挟持した反射型
液晶素子と、前記反射型液晶素子への入射光の光路上に
設けられ、前記入射光から、直線偏光を得る第1手段
と、前記第1手段で得られた直線偏光を円偏光または楕
円偏光にかえる第2手段と、前記反射型液晶素子に反射
された出射光の光路上に設けられて、前記第2手段と同
じ特性を持つ、円偏光または楕円偏光を略直線偏光にか
える第3手段と、前記第1手段によって得られる直線偏
光の光軸とほぼ並行する偏光軸を持つ直線偏光を取り出
す第4手段とを有する液晶表示装置であって、前記第1
手段の偏光軸は、前記液晶分子のチルト方向と並行とな
るように設定され、前記第2手段は、前記第1手段の偏
光軸に対して光学軸がほぼ45度の角度で挿入される第
1位相差板であり、前記第3手段は、前記第2手段と同
じ構造であってその光学軸が前記第2手段と並行となる
ように設定された第2位相差板であり、前記第4手段
は、前記反射型液晶素子の液晶の垂直方向からのずれ角
(チルト角)に応じて、黒を表示すべき状態において前
記第4手段から出力される光が最小となるように回転調
節して固定されており、前記透明基板の光が入射する第
1の表面と反射面に対向する第2の表面に、光の干渉を
抑える構造を設けたことを特徴とする液晶表示装置であ
る。 【0021】この場合、例えば請求項2に規定するよう
に、前記第4手段の光取り出し側には、投射レンズが設
けられており、画像を投影するように構成されている。 【0022】 【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る液晶表示装
置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本
発明の液晶表示装置の光の入出力を示す概略構成図、図
2は図1の液晶表示装置における入射光と出射光の関係
を示す装置斜視図である。この液晶表示装置の基本的構
成は、図7及び図8にて説明した先の液晶表示装置と略
同様であるが、偏光板の偏光軸や位相差板の光軸、液晶
素子の液晶分子の長軸方向等に関して、上記図7及び図
8に示す装置と異なっている。 【0023】図1及び図2に示すように、この投射型の
液晶表示装置80は、反射型液晶素子82への入射光L
1の光路上に入射光L1から直線偏光を取り出す第1手
段としての第1偏光板84aと、直線偏光を円偏光また
は楕円偏光にかえるλ/4、またはこれに近い位相差を
持つ第2手段としての第1位相差板86aを備えてい
る。また、反射型液晶素子82で反射された出射光L2
の光路上には円偏光、もしくは楕円偏光である反射光を
直線偏光にかえる、λ/4またはこれに近い位相差を持
つ第3手段としての第2位相差板86bと、第4手段と
しての第2偏光板(検光子)84bとを備えている。な
お、ここで、図1(a)は、黒表示、図1(b)は白表
示の場合を、それぞれ示す。 【0024】上記反射型液晶素子82は、対向配置され
た透明基板10と反射基板30とを有し、その間に液晶
層20が挟持された構成を持つ。この透明基板10の対
向表面には、共通電極10aである透明電極が形成され
ており、反射基板30の対向表面には、画素ごとに形成
されたMOSトランジスタまたは、TFT等の駆動回路
(図示せず)と、反射電極30aとがマトリクス状に形
成されている。この画素サイズとしては、例えば10μ
m×10μm角程度の微細な画素が形成されている。ま
た、この透明基板10の光が入射する第1の表面には反
射防止膜10bが形成されている。 【0025】上記液晶層20を構成する液晶分子として
は、垂直配向型の負の誘電異方性を有するネマチック液
晶が使用される。この液晶層20に接する透明基板10
および反射基板30の表面には液晶分子に配向を付与す
るため、例えばラビング処理されたポリイミド膜からな
る配向膜(図示せず)が形成されており、初期状態の液
晶分子に例えば約80〜85度のチルト角を付与してい
る。ただし、ここでは先の図7及び図8に示す装置とは
以下の点で異なる。すなわち、液晶分子の配向方向(チ
ルト方向)は第1偏光板84aの偏光軸(偏光の振動方
向)と略並行となるように設定されている。尚、図2中
における太くて黒い矢印は、偏光板84a、84bの場
合は偏光方向を示し、位相差板86a、86bの場合は
光軸方向を示す。また、第2位相差板86aは、上記第
1偏光板84aの偏光軸に対してその光学軸が略45度
の角度となるように設定されている。更に、第1位相差
板86aと第2位相差板86bとは全く同じ構造であっ
て、両位相差板86a、86bの光学軸は互いに並行と
なるように配置される。 【0026】更に、第2偏光板84bは、その偏光軸が
上記第1偏光板84aの偏光軸に対してある程度並行と
なるように設定されるが、詳しくは、この第2偏光板8
4bは平面で回転可能になっており、組み立て時に、上
記反射型液晶素子82の液晶の垂直方向からのずれ角
(チルト角)に応じて、黒を表示すべき状態においてこ
の第2偏光板84bから出力される光が最小となるよう
に回転調節して固定されることになる。図2では第2偏
光板84bの偏光軸が、第1偏光板84aの偏光軸の方
向に対して角度Δθ1だけ回転調節して固定された状態
を示している。 【0027】また、透明基板の光が入射する第1の表面
と反射面に対向する第2の面に、光の干渉を抑える構造
を設けている。この光の干渉を抑える構造の一部が上記
反射防止膜10bであり、また、これと共に、或いはこ
れに替えて、後述するように、面内方向に沿って厚さが
僅かに異なるクサビ状の透明電極10aを用いたり、或
いは、クサビ状の透明板を透明基板10上に光学的にカ
ップリングするようにしている。 【0028】さて、このように構成において、図示しな
い光源から出力された入射光L1は、まず第1偏光板8
4aにより、x軸方向に偏光軸を有する直線偏光のみが
取り出され、さらに、λ/4もしくはこれに近い位相差
を持つ第1位相差板86aを通過する過程で右回りの円
偏光もしくは楕円偏光にされ、この状態で反射型液晶素
子82に入射される。この反射型液晶素子82に入射し
た光は、液晶層20(図1参照)を通過し反射電極30
aにより反射され、さらに液晶層20を再度通過して出
射される。出射光L2は、第1位相差板86aと光学軸
が略並行の第2位相差板86bによって、直線偏光に戻
される。この直線偏光が第2偏光板(検光子)84bを
通過する場合には、投射レンズ70(図1参照)を経て
図示せぬスクリーン上に導かれて、ここで画像が拡大投
影される。なお、ここでは各画素電極に電界をかけない
状態(初期状態)で黒を表示するノーマリブラック(N
B)モードを示している。 【0029】ここで、本発明では、第2偏光板84bの
偏光軸の向きを、液晶分子の垂直からの傾き角(プレチ
ルト角)に応じ、その方位を回転調節した状態で固定し
ているので、非常に高いコントラストを得ることが出来
ると共に、図9(b)に示すようなディスクリネーショ
ンラインR1の発生が抑制されて図9(a)に示すよう
にディスクリネーションラインが見えず、明るさも落ち
ず、かつ、画素が小さくなっても、高いMTFを維持す
ることができ、しかも小さな素子サイズであっても、非
常に良好な映像を投射することが出来る。 【0030】また、液晶セルのチルト特性が変わって
も、第2偏光板84bの角度Δθ1を調整することによ
り、コントラストの高い表示が得られるので、簡便に調
整できる。また、上記反射型液晶素子を構成する透明電
極付きの透明基板10の光が入射する第1の表面と反射
面に対向する第2の表面に、光の干渉を抑える構造を取
っていることから、第1偏光板84aと第2偏光板84
bが、互いの偏光軸に関して直交(クロスニコル)にな
っていないために生ずる干渉現象が抑えられ、この結
果、均一な画面を得ることができる。 【0031】ここで上記干渉現象の抑制について詳しく
説明する。本方式の場合、反射型液晶素子82の表面で
反射する光があると、透明電極10aからの反射光と干
渉し、画面上に干渉縞となって表示されるため、表示品
位を劣化させることになる。したがって、この問題を解
決しないと、実質的に、本発明の方式は使えない。干渉
する要素としては、透明基板10の表面と、透明電極1
0aの表面と、反射電極30aの表面の、3つが関係す
る。透明基板10としては通常はガラス基板が用いら
れ、この屈折率は1.5前後であり、空気(屈折率1.
0)との界面で屈折率差に対応した反射が生ずる。ま
た、透明電極10aとしては、通常、ITO膜が用いら
れるが、ガラス基板の屈折率が上述したように1.5付
近であるのに対し、ITO膜は、屈折率が大きくて、
2.0程度であるため、この界面で反射成分が生ずる。
そこで、透明基板10の表面には、例えば誘電体多層膜
からなる反射防止膜10bが前述のように付与される
が、ここで使用する可視光の波長範囲は、400〜70
0nmの範囲で、低い反射率を得る事は難しい。従っ
て、誘電体多層膜の構成の工夫をしたとして、反射率は
0.1%程度であり、この程度の反射率では、投射画像
上で見えてしまう。 【0032】そこで、ガラス表面と反射電極とを並行か
らずらし、投射レンズの取り込み角外に、投射光学系を
設計することにより、上記問題を解決できる。並行から
ずらす方法としては、一端と他端とで厚さが僅かに異な
るクサビ状の透明電極10aを使って素子を組み立てて
もよいし、クサビ状の透明板(図示せず)を透明基板1
0上に光学的にカップリングするようにしてもよい。透
明電極10a側に、反射防止技術としては、透明電極1
0aを1つの誘電体膜と考え、光学設計を行って、周囲
に誘電体膜を配置することにより、反射率を低減する方
法が知られているが、前記の0.1%の反射率でも不十
分であるため、使用できない。液晶のセル厚は、画面の
均一性に非常に密接に関係するため、透明電極10a
と、反射電極30aとは、ほぼ並行にする必要があり、
前述した、透明基板10の表面の角度をずらす方法は使
用できない。しかし、透明電極10aと、反射電極30
aの間隔を部分的に変え、光が干渉することを利用する
方法を併用することにより、上記問題の解決が可能とな
る。 【0033】ここで、第2偏光板84bの回転角度Δθ
1が適正に調節されて固定された状態の本発明の液晶表
示装置の特性について評価したので、この評価結果につ
いて説明する。図3は反射型液晶素子への印加電圧と明
るさとの関係を示すグラフである。図3に示すように、
印加電圧が所定の閾値まで加わっても明るさはゼロで光
漏れがなく、また、明るさのピークは、最大値を1とし
た時に、1.0近く達して良好な特性を示している。図
4はこの時の視野角特性を示すグラフであり、明るさを
等高線で示している。ここでは表示レベルが黒状態での
光漏れ(明るさ)を検証していることから、明るさの低
い暗い部分が特性上よいことになる。図4から明らかな
ように、明るさの最も暗い領域が中心部に位置している
ので、特性上、良好であることが確認できる。 【0034】尚、上記実施例では、負の誘電異方性を示
す垂直配向型の液晶分子を使用し、画素に電界がかかっ
ていない初期状態が黒表示となるノーマリブラックモー
ドについて説明したが、ディスクリネーションラインの
発生は、液晶分子が基板面に対し垂直配向モードにある
場合に生じやすいものであるため、垂直配向型液晶分子
に限らず、誘電異方性が正の液晶分子を用い、電界をか
けた時に垂直配向モードを示し、黒を表示するNW(ノ
ーマリーホワイト)タイプの液晶表示装置に対しても、
本発明を適用することができる。 【0035】また、上記実施例では、入射光L1がを反
射型液晶素子82の右もしくは左から入射するように、
ほぼ同じ高さに第1及び第2偏光板84a、84bや第
1及び第2位相差板86a、86bを配置した図を示し
ているが、少なくとも入射光L1の光路と出射光L2の
光路が独立に得られる構造にすればよい。従って、例え
ば下方側から斜めに入射光L1を反射型液晶素子82へ
入力し、反射光L2が上側斜めに出力するように、第1
及び第2偏光板84a、84bや第1及び第2位相差板
86a、86bを配置してもよい。また、上記実施例で
は、入射光L1から直線偏光を得る手段として第1偏光
板84aを使用しているが、これに限定されず、例えば
偏光ビームスプリッタあるいはワイヤグリッドなどを使
用することも可能である。 【0036】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶表示
装置によれば、コントラストを高く維持し、且つ画像上
へのディスクリネーションラインの発生を低減できるの
で、画像をより高解像度にした場合にも、良好な画像特
性を得ることができる。従って、拡大投影のため高い画
素密度を要求される液晶表示装置への用途に適した液晶
表示装置を提供できる。また、大量生産過程で、デバイ
ス毎の液晶のプレチルト角が変わっても、位相差板の角
度だけを調整して固定すれば良いので、量産性に富む。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の液晶表示装置の光の入出力を示す概略
構成図である。 【図2】図1の液晶表示装置における入射光と出射光の
関係を示す装置斜視図である。 【図3】反射型液晶素子への印加電圧と明るさとの関係
を示すグラフである。 【図4】視野角特性を示すグラフである。 【図5】従来の偏光ビームスプリッタを用いた投射型の
液晶表示装置の光の入出力関係を示す概略構成図であ
る。 【図6】X、Y、 Z軸で表される3次元座標中の液晶分
子の配向状態の一例を示す図である。 【図7】本出願人が先に開示した液晶表示装置の光の入
出力を示す概略構成図である。 【図8】図7に示した投射型の液晶表示装置における入
射光と出射光の関係を示す装置斜視図である。 【図9】スクリーン上の画像例を示す図である。 【図10】液晶分子に付与されるチルト角と、第1位相
差板と第2位相差板のリターデーションの差との関係を
シミュレーションより求めたグラフである。 【符号の説明】 10…透明基板、10a…透明電極、10b…反射防止
膜、20…液晶層、30…反射基板、30a…反射電
極、70…投射レンズ、80…液晶表示装置、82…反
射型液晶素子、84a…第1偏光板(第1手段)、84
b…第2偏光板(第4手段)、86a…第1位相差板
(第2手段)、86b…第2位相差板(第3手段)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 透明電極を備えた透明基板と、駆動回路
    および反射電極を備えた反射基板とを、前記透明電極と
    前記反射電極とが対向するように配置し、該二枚の基板
    間に僅かに傾斜(チルト)した垂直配向モードを持つ液
    晶分子を含む液晶層を挟持した反射型液晶素子と、 前記反射型液晶素子への入射光の光路上に設けられ、前
    記入射光から、直線偏光を得る第1手段と、 前記第1手段で得られた直線偏光を円偏光または楕円偏
    光にかえる第2手段と、 前記反射型液晶素子に反射された出射光の光路上に設け
    られて、前記第2手段と同じ特性を持つ、円偏光または
    楕円偏光を略直線偏光にかえる第3手段と、 前記第3手段で得られた円偏光または楕円偏光から前記
    第1手段によって得られる直線偏光の光軸とほぼ並行す
    る偏光軸を持つ直線偏光を取り出す第4手段とを有する
    液晶表示装置であって、 前記第1手段の偏光軸は、前記液晶分子のチルト方向と
    並行となるように設定され、 前記第2手段は、前記第1手段の偏光軸に対して光学軸
    がほぼ45度の角度で挿入される第1位相差板であり、 前記第3手段は、前記第2手段と同じ構造であってその
    光学軸が前記第2手段と並行となるように設定された第
    2位相差板であり、 前記第4手段は、その偏光軸が前記第1手段の偏光軸の
    方向に対して所定の角度だけ回転調節されており、 前記透明基板の光が入射する第1の表面と反射面に対向
    する第2の表面に、光の干渉を抑える反射防止膜を設け
    たことを特徴とする液晶表示装置。
JP2002126774A 2002-04-26 2002-04-26 液晶表示装置 Pending JP2003315782A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002126774A JP2003315782A (ja) 2002-04-26 2002-04-26 液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002126774A JP2003315782A (ja) 2002-04-26 2002-04-26 液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003315782A true JP2003315782A (ja) 2003-11-06

Family

ID=29541092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002126774A Pending JP2003315782A (ja) 2002-04-26 2002-04-26 液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003315782A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7630132B2 (en) 2005-05-23 2009-12-08 Ricoh Company, Ltd. Polarization control device
JP2010072150A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Konica Minolta Holdings Inc 映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ
CN102768460A (zh) * 2011-05-05 2012-11-07 深圳市亿思达显示科技有限公司 投影机、立体影像系统

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7630132B2 (en) 2005-05-23 2009-12-08 Ricoh Company, Ltd. Polarization control device
JP2010072150A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Konica Minolta Holdings Inc 映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ
CN102768460A (zh) * 2011-05-05 2012-11-07 深圳市亿思达显示科技有限公司 投影机、立体影像系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3778185B2 (ja) 液晶表示装置及び電子機器
JP4744606B2 (ja) 位相差補償素子、van液晶表示素子、及び液晶プロジェクタ
CN101558354B (zh) 反射型液晶显示器件以及反射型液晶投影仪
US8237901B2 (en) Liquid crystal display device with retardation plates
JP5071553B2 (ja) 投射型表示装置
JP2004206066A (ja) 液晶表示装置及び電子機器
JP5193135B2 (ja) 高次波長板を含むマイクロディスプレイ・パネルのコントラスト補償
JP2007212997A (ja) 反射型液晶表示素子及び投射型表示装置
JP2003315782A (ja) 液晶表示装置
KR101398556B1 (ko) 반투과형 액정 표시 장치
JP2022183733A (ja) 電気光学装置、電子機器、およびプロジェクター
US6980267B1 (en) Reflective-type liquid crystal display device having two uniaxial compensation films of same type and method for making the same
JP2011076030A (ja) 液晶装置、電子機器および投射型表示装置
JP4824443B2 (ja) 液晶表示装置
JP2004206065A (ja) 液晶表示装置及び電子機器
JP2003186015A (ja) 液晶表示装置
US20070263146A1 (en) OCB mode transflective liquid crystal display device
JP2005508525A (ja) 高コントラストの高速液晶ディスプレイ装置
US7864277B2 (en) Liquid crystal device and projector
US10656458B2 (en) Liquid crystal display panel
JP2008076503A (ja) 液晶表示装置
KR100683137B1 (ko) 반사형 프린지 필드 구동 모드 액정 표시 장치
Jung et al. P‐97: A Novel Transflective Display Associated with Fringe‐Field Switching
JP2011180485A (ja) 反射型液晶装置および電子機器
JP2004206067A (ja) 液晶表示装置及び電子機器