JP2003315347A - サンプル用ラベル、その使用方法及び被検者匿名化方法 - Google Patents

サンプル用ラベル、その使用方法及び被検者匿名化方法

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JP2003315347A JP2002118871A JP2002118871A JP2003315347A JP 2003315347 A JP2003315347 A JP 2003315347A JP 2002118871 A JP2002118871 A JP 2002118871A JP 2002118871 A JP2002118871 A JP 2002118871A JP 2003315347 A JP2003315347 A JP 2003315347A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遺伝子解析研究などのためのサンプルを広く
集めることのできる被検者匿名化方法の提供などを課題
とする。 【解決手段】 被検者匿名化方法は、提供されるサンプ
ルの数を充足する数病院毎通し番号を発行し、この病院
毎通し番号に対応した被検者IDを発行し、この被検者
IDに対応したサンプル番号を発行し、サンプル番号と
病院毎通し番号をサンプルに添付するラベルLにする。
これを、協力医療機関20に送付し、その返信として、
病院毎通し番号により識別された被検者の個人情報を受
け付け、受け付けた個人情報を、病院毎通し番号を参照
しつつ被検者IDに対応付けて個人情報ファイルに記憶
する。送付したラベルに併記された2つのIDのうち、
病院毎通し番号が表示された部分は、サンプル採取後に
廃棄するように指示されており、ラベルに表示されたサ
ンプル番号をサンプルの識別子として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サンプルに添付さ
れるサンプル用ラベル、その使用方法、及び被検者匿名
化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、遺伝子に関する研究が盛んに行な
われるようになった。しかし、遺伝子に関する研究のデ
ータは、個人のプライバシに深くかかわるものである。
このため、例えば、被検者から提供された血液などのサ
ンプルや医学的情報などの中から個人を特定できる情報
(氏名、生年月日、住所など)を取り除いて匿名化する
必要がある。ここで匿名化とは、例えばある種の物や情
報から、個人の氏名、生年月日、住所、電話番号などの
人を特定する個人識別情報を取り除くことである。ま
た、例えば提供された血液などや医学的情報などの中か
ら個人を特定できる情報(氏名、生年月日、住所など)
を取り除くことである。この際、取り除いた情報に代え
て、それだけでは個人を特定することのできない符号や
番号を付すことが行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、昨年(20
01年)、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省の三
省が共同して、ヒトゲノム・遺伝子解析研究一般に適用
されるべき倫理指針として「ヒトゲノム・遺伝子解析研
究に関する倫理指針」を告示した。従って、この指針に
則って遺伝子解析研究を行なう必要がある。そのために
は、この倫理指針に則った被検者の匿名化を行なう必要
がある。また、遺伝子解析研究においては、いかに多く
のデータを得ることができるかが重要になる。つまり、
いかに多くの被検者からサンプルや医学的情報などを得
ることができるかが重要になる。このためには、被検者
を確実に匿名化する必要がある。また、得られた多くの
サンプルや医学的情報を確実に解析する必要がある。
【0004】そこで、本発明は、被検者の匿名化を確実
に行なうことなどのできるサンプル用ラベル、その使用
方法及び被検者匿名化方法を提供することを主たる課題
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
を行ない、被検者の匿名化を行なうために複数のIDを
表示したサンプル用ラベルとした。また、このサンプル
用ラベルの使用方法として、サンプル用ラベルを、発行
元からサンプル採取先に送付されるようにし、第1のI
D(サンプル番号)は、サンプルの採取先で採取されて
サンプルの解析先で解析されるサンプルのサンプル番号
として使用されるようにし、さらに、第1のIDは、第
1のファイルにサンプルの解析結果と対応付けて記憶さ
れるようにした。
【0006】また、被検者匿名化方法として、サンプル
を提供する被検者の匿名化を図るために少なくとも3つ
の識別子たるIDを用いることとし、サンプルを提供す
る被検者の数を充足する数、第2のIDを発行し、この
第2のIDに対応した第3のIDを発行し、さらに、第
3のIDに対応した第1のIDを(サンプルの数を充足
する数)発行し、第1のIDと第2のIDをサンプルに
添付する一体又は別体のサンプル用ラベルに表示し、こ
のようにして2つのIDを表示したサンプル用ラベルを
サンプル採取先に送付し、サンプル採取先からの返信と
して、第2のIDにより識別された被検者の個人情報を
受け付け、受け付けた個人情報を、第2のIDを参照し
つつ第3のIDに対応付けて第3のファイルに記憶し、
送付されたラベルに併記された2つのIDのうち、第2
のIDが表示された部分は、サンプル採取の際又は採取
の後に廃棄ないし消去するように指示され、ラベルに表
示された第1のIDをサンプルの識別子として用いるこ
ととした。
【0007】これにより、サンプルの採取、解析が効率
的に行なわれる。また、被検者の匿名化が確実に行なわ
れる。なお、本発明は、連結不可能匿名化あるいは連結
可能匿名化のいずれの方式にも適用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照して詳細に説明する。なお、以下説明する実施形
態は、サンプル番号、病院毎通し番号、被検者IDとい
う3つのIDを用いて被検者の匿名化を行なう被検者匿
名化方法に関するものである。かつ、被検者を匿名化し
つつサンプルの識別に使用されるサンプル用ラベル(以
下単に「ラベル」という)とその使用方法についてのも
のである。ここで、「サンプル番号」が請求項の「第1
のID」に相当し、「病院毎通し番号」が請求項の「第
2のID」に相当し、「被検者ID」が請求項の「第3
のID」に相当する。「第1のID」に相当する「サン
プル番号」は、コンピュータには識別可能、かつ人間に
は識別不可能になっている。
【0009】〔用語の意味〕また、以下の説明において
使用する用語の意味内容は、次のとおりである。「サン
プル(試料)」とは、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に用
いようとする血液、組織、細胞、体液、排泄物及びこれ
らから抽出したDNAなどの、人の体の一部並びに被検
者(提供者)の診療情報(死者から提供されたものを含
む)をいう。ただし、学術的な価値が定まり、研究実績
として十分に認められ、研究用に広く一般に利用され、
かつ、一般に入手可能な組織、細胞、体液及び排泄物並
びにこれらから抽出したDNAなどは、含まれない。
「診療情報」とは、診断及び治療を通じて得られた疾病
名、投薬名、検査結果などの情報をいう。
【0010】「ヒトゲノム・遺伝子解析研究」とは、被
検者の個体を形成する細胞に共通して存在し、その子孫
に受け継がれ得るヒトゲノム及び遺伝子の構造又は機能
を、サンプルを用いて明らかにしようとする研究をい
う。「遺伝情報」とは、サンプルを用いて実施されるヒ
トゲノム・遺伝子解析研究の過程を通じて得られ、又は
既にサンプルに付随している個人の遺伝的特徴や体質を
示す情報をいう。
【0011】「個人情報」とは、個人に関する情報であ
って、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述
などにより特定の個人を識別することができるもの(他
の情報と容易に照合することができ、それにより特定の
個人を識別することができることとなるものを含む)を
いう。なお、代表的な個人情報には、人の氏名、生年月
日、住所、電話番号のほか、被検者1人1人に付された
診療登録番号などの符号を含む情報などが考えられる。
【0012】「匿名化」とは、ある人の個人情報が外部
に漏洩しないように、その個人情報から個人を識別する
情報の全部又は一部を取り除き、代わりにその人と関わ
りのない符号又は番号を付すことをいう。サンプルに付
随する情報のうち、ある情報だけでは特定の人を識別で
きない情報であっても、各種の名簿などの他で入手でき
る情報と組み合わせることにより、その人を識別できる
場合には、組合せに必要な情報の全部又は一部を取り除
いて、その人が識別できないようにすることをいう。匿
名化には、次に掲げるものがある。a 連結可能匿名
化; 必要な場合に個人を識別できるように、その人と
新たに付された符号又は番号の対応表を残す方法による
匿名化である。以下に説明する実施形態の匿名化は、こ
の連結可能匿名化である。b 連結不可能匿名化; 個
人を識別できないように、上記aのような対応表を残さ
ない方法による匿名化である。
【0013】「個人情報管理者」とは、サンプルの提供
が行なわれる機関を含め、個人情報を取り扱う研究機関
において、研究機関の長の指示を受け、被検者の個人情
報がその機関の外部に漏洩しないように個人情報を管理
し、かつ匿名化する責任者をいう。ここで、サンプルの
提供が行なわれる機関は、後記する実施形態では「協力
医療機関」に相当する。また、個人情報を取り扱う研究
機関は、後記する実施形態では「研究センタ」に相当す
る。なお、個人情報管理者は、刑法、国家公務員法、そ
の他の法律により業務上知り得た秘密の漏洩を禁じられ
ている者(例えば医師、薬剤師など)でなければならな
い。また、個人情報管理者は、サンプルを用いてヒトゲ
ノム・遺伝子解析研究(サンプルの提供を除く)を実施
する研究責任者又は研究担当者を兼ねることはできな
い。また、個人情報管理者は、原則として、研究責任者
(後記する実施形態では解析部門の責任者)からの依頼
に基づき、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施前にサン
プル又は遺伝情報を匿名化しなければならない。ただ
し、研究担当者などが補助者として匿名化作業を行なう
場合にあっては、それが適正に行われるよう、監督しな
ければならない。また、個人情報管理者は、匿名化の際
に取り除かれた個人情報を、原則として外部の機関に提
供してはならない。また、個人情報管理者は、匿名化作
業の実施のほか、匿名化されていないサンプルを使用す
る研究担当者を適切に監督するなど、個人情報が含まれ
ている情報が漏洩しないよう厳重に管理しなければなら
ない。
【0014】「インフォームド・コンセント」とは、サ
ンプルの提供を求められた人が、研究責任者から事前に
ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する十分な説明を受
け、その研究の意義、目的、方法、予測される結果や不
利益などを理解し、自由意思に基づいて与えるサンプル
の提供及びサンプルの取扱いに関する同意をいう。「協
力医療機関」とは、ここではサンプルの提供が行われる
医療機関をいう。「提供者(被検者)」とは、ヒトゲノ
ム・遺伝子解析研究のためのサンプルを提供する人をい
う。
【0015】≪第1実施形態≫まず、本発明の第1実施
形態を、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形
態での、IDの発行から、解析結果の登録(記憶)及び
個人情報の登録(記憶)までを模式的に示す流れ図であ
る。図2は、サンプル番号が有する意味を説明する表で
ある。図3は、病院毎通し番号とサンプル番号の関係を
説明する表である。図4はラベルを説明する図である。
【0016】この第1実施形態は、(1)協力医療機関
20の依頼に応じて発行元(個人情報管理者11、受付
事務局12)で3つのID(サンプル番号、病院毎通し
番号、被検者ID)を発行すると共にラベルLに印刷
(表示)し、(2)このラベルLをサンプル採取用のス
ピッツに貼付して、同意書、試料提供登録票(病院毎通
し番号が記載してある)、診療情報調査用紙(ラベルL
が貼付してある)と併せて協力医療機関20に郵送し、
(3)協力医療機関20でしかる手続を行なった後に被
検者からサンプルを得、(4)サンプルを研究センタ1
0の解析部門で遺伝子解析し、解析結果をサンプル番号
と対応付けて記憶し、(5)その一方で、被検者の同意
を得た同意書と、被検者の個人情報が記載された試料提
供登録票を協力医療機関20から回収し、個人情報と被
検者IDと対応付けて記憶することが行なわれる。これ
により、全体として被検者の匿名化を確実に行なうと共
に、サンプルの採取、その解析を円滑に行なえるように
する。なお、試料提供登録票は、サンプル提供登録票と
読み替えることもできる。
【0017】〔個人情報管理者など〕図1に示す個人情
報管理者11は、研究責任者(後記する解析部門の責任
者)の依頼があることを前提として、受付事務局12の
依頼を受けて、病院毎通し番号の発行、被検者IDの発
行、これらIDの受付事務局12への引き渡しを行な
う。病院毎通し番号及び被検者IDの引き渡しは、この
実施形態では、フレキシブルディスク(以下「FD」と
いう)に保存した状態で行なわれる。また、個人情報管
理者11は、サンプル提供後に回収される試料提供登録
票に記載された個人情報を、被検者IDと対応付けて
(紐付けして)「個人情報ファイル」に記憶する(請求
項の「第3のファイル」に相当)。これらの処理は、個
人情報管理PC110を介して行なわれる。なお、個人
情報管理PC110は、通常のパーソナルコンピュータ
(以下「パソコン」)と同じハードウェア構成をしてい
る。その機能の詳細については後で説明する。
【0018】図1に示す受付事務局12は、協力医療機
関20から送付されてくる注文票を受け付けて、これを
個人情報管理者11に引き渡す。また、個人情報管理者
11からFDに保存されて引き渡される病院毎通し番号
及び被検者IDごとにサンプル番号を発行する。また、
受付事務局20は、発行したサンプル番号を2次元コー
ド化(バーコード化)して、病院毎通し番号と共に、後
で説明する図4(a)に示すラベルLに印刷する。2次
元コードは、コンピュータには識別可能、かつ人間には
識別不可能になっている。また、サンプル番号と被検者
IDとを対応付けて「被検者ID・サンプル番号ファイ
ル」に記憶する(請求項の「第2のファイル」に相
当)。これらの処理は、サンプル番号発行PC120を
介して行なわれる。なお、サンプル番号発行PC120
は、通常のパソコンにラベル印刷用のラベラを接続した
構成をしている。ちなみに、「被検者ID・サンプル番
号ファイル」と前記した「個人情報ファイル」は、別の
管理者により厳重に管理されている。
【0019】また、受付事務局12は、被検者に同意を
得るための同意書、サンプル提供の際に個人情報を被検
者に記載してもらう試料提供登録票、サンプルを入れる
スピッツ(サンプル容器)、診療情報を記載する診療情
報調査用紙のセットを郵送で送る作業を行なう。なお、
スピッツ及び診療情報調査用紙には、後で説明する図4
に示すラベルが貼付される。また、受付事務局12は、
協力医療機関20から郵送(返送)された診療情報調査
用紙の記載事項を、サンプル番号と対応付けて「診療情
報DB」に記憶する。
【0020】図1に示す協力医療機関20は、前記した
とおり、サンプルの提供が行なわれる医療機関である。
この協力医療機関20は、サンプルを提供してくれる被
検者から所定の手続に則ってサンプルの提供を受ける。
そして、協力医療機関20は、提供を受けたサンプルを
研究センタ10に送り、サンプル提供の際に記入などさ
れた同意書及び試料提供登録票を個人情報管理者11宛
てに郵送する。また、協力医療機関20は、診療情報調
査用紙に診療情報を記入して、受付事務局12宛てに郵
送する。なお、診療情報とは、前記したとおり、診断及
び治療を通じて得られた疾病名、投薬名、検査結果など
の情報をいう。
【0021】研究センタ10(その解析部門)は、得ら
れたサンプルの解析を行ない、解析結果をサンプル番号
と対応付けて「ゲノムDB」に記憶する。この「ゲノム
DB」は、請求項の「第1のファイル」に相当する。こ
の「ゲノムDB」は、前記した「被検者ID・サンプル
番号ファイル」の管理者とも、「個人情報ファイル」の
管理者とも異なる管理者により厳重に管理されている。
なお、図1に示すように、研究センタ10は、遺伝子の
解析研究を行なう解析部門と、前記した個人情報管理者
11、受付事務局12を含んで構成されている。ちなみ
に、研究センタ10は、協力医療機関20などの協力を
得て広くサンプルを収集し、前記した「ヒトゲノム・遺
伝子解析研究」を行なう研究機関である。
【0022】〔サンプル番号など〕まず、図2を参照し
てサンプル番号を説明する。本実施形態のサンプル番号
は、例えば「VolPB0014W0」のように11桁
の英数字から構成されているが、その意味は以下のとお
りである。最初の3桁の英字は疾患名(癌の種別)を示
す識別子(疾患名情報)である。つまり、サンプルがど
の疾患に係るものであるかを示す識別子である。なお、
Volはボランティアの略であり、そのサンプルがボラ
ンティア(の人)から提供されたことを示す(疾患名と
は直接関係がないが便宜上疾患名に区分する)。次の1
桁の英字は、サンプルが、治療の前(P)・中(D)・
後(A)のどの段階にあるものかを示す識別子(治療の
段階情報)である。次の1桁の英字は、サンプルが、血
液(B)・組織(T)・診療情報(I)・正常組織
(N)の何れであるかを示す表記である。つまり、サン
プルの種別を示す識別子(サンプル種別情報)である。
なお、Iとある診療情報は文字通りの情報であり、有体
物とは異なる。ちなみにこの実施形態では、ボランティ
アからは血液の提供しか受け付けないこととしているの
で、最初の3桁にVolとある場合は、サンプルの種別
はBでしかあり得ない。その次の4桁の数字は、被検者
に特有の番号(同一被検者認識No.、被検者の同一性
情報)であり、同じ番号ならば同じ被検者である。最後
の2桁のW0は、例えば被検者の数が増えた場合、管理
項目が増えた場合などに対処するための予備の領域(拡
張領域)である。
【0023】ちなみにサンプル番号には、個人を特定で
きる情報は一切含まれていない。なお、サンプル番号
は、「ゲノムDB」に、サンプルの解析結果と対応付け
て記憶される。また、サンプル番号は、「被検者ID・
サンプル番号ファイル」に、被検者IDと対応付けて記
憶される。
【0024】次に、図3を参照して、病院毎通し番号の
意味と、病院毎通し番号とサンプル番号との対応関係を
説明する。この図3の病院毎通し番号「重粒子−1」に
おける重粒子の表記は、協力医療機関20の名称(病院
名)の略称である。ハイフンに続く数字の表記は通し番
号であり、同一の被検者ならば同一の番号である。例え
ば、被検者がA市民病院の患者の○△さんならば「A市
民−n」である。nは、整数でありその被検者(患者)
に固定した数値になる。つまり、病院毎通し番号は、サ
ンプルの採取先ごとにカテゴライズされた被検者に対す
る情報である。一方、この図3のサンプル番号「Bre
PI0034W0」は、図2を参照して説明したとおり
の情報を有するものである。
【0025】この図3から理解されるように、病院毎通
し番号とサンプル番号は、1対mの関係を有する(mは
1以上の整数)。つまり、1つの病院毎通し番号に対し
て、サンプル番号が複数存在する場合がある。換言する
と、被検者が同じならば疾患やサンプルの種別(つまり
サンプルの数)にかかわらず、病院毎通し番号は同じに
なる。なお、病院毎通し番号は、サンプル番号と同様に
個人を特定できる情報は一切含まれていない。
【0026】被検者IDは、被検者一人一人に異なるユ
ニークなIDになっている。この被検者IDは、後で詳
細に説明するが、病院毎通し番号に対応して発行(生
成)される。なお、被検者IDは、個人情報管理者11
が管理する個人情報ファイルに、個人情報と対応付けて
記憶される。ちなみに匿名化とは、前記したように、
「ある人の個人情報が外部に漏洩しないように、その個
人情報から個人を識別する情報の全部又は一部を取り除
き、代わりにその人(被検者)と関わりのない符号又は
番号を付すこと」をいうが、被検者IDは、匿名化のプ
ロセスにおいて付された「その人(被検者)と係わりの
ない符号又は番号」に相当する。
【0027】なお、病院毎通し番号は、後で何れにも記
憶されずに消去される。従って、病院毎通し番号を知得
しても、知得した病院毎通し番号からどのように辿って
いっても、個人情報に行き当たることはない。
【0028】〔ラベル〕ここで図4を参照してラベル
L,L’を説明する。図4(a)に示すのは、別体に構
成されたラベルLであり、表面にバーコード(2次元コ
ード)化したサンプル番号を記載したラベル片L1
(「第1の表示部」に相当)と、表面に病院毎通し番号
(この図では「重粒子−1」)を記載したラベル片L2
(「第2の表示部」に相当)から構成されている。な
お、裏面(台紙側の面)はノリ面になっている。図4
(b)に示すのは、一体に構成されたラベルL’であ
り、表面にバーコード(2次元コード)化したサンプル
番号を記載した表示部L1’と、病院毎通し番号(この
図では「重粒子−1」)を記載した表示部L2’がミシ
ン目で分離可能に構成されているラベルL’である(台
紙側の裏面はノリ面である)。
【0029】ちなみに、サンプル容器としてのスピッツ
にラベルL(L’)を貼付する場合、ラベルL(L’)
の表示部L1(L1’)と表示部L2(L2’)を離間
するようにして貼付すると、経験上、剥がすときに剥が
し易いという利点がある。また、貼付するスピッツが筒
状をしていることを考えると、病院毎通し番号とサンプ
ル番号は縦に並べて貼付した方が、同時に視認できてサ
ンプル採取の際に都合がよいという利点がある(スピッ
ツを回転させなくとも両方の番号が見える)。従って、
縦に並べて貼付し易いように、図4において、ラベル片
L1・L2(L1’・L2’)を縦に配置するように印
刷してもよい。
【0030】〔全体の動作〕次に、図1を参照して、I
Dの発行から、解析結果の記憶及び個人情報の記憶まで
の動作を説明する(適宜図2〜図5参照)。ここでは、
採血を主として説明する。図5は採血の手順を説明する
図である。
【0031】まず、協力医療機関20が該当する被検者
の人数分の採血管(スピッツ)や診療情報調査用紙をあ
らかじめ受付事務局12に注文する(S11)。注文
は、予め配布されている注文票を郵送したり、ファック
ス送信したりすることで行なうことができる。また、電
話や、電子メールなどを利用して行なうことができる。
なお、注文は、事前の面談などによりあらかじめ当たり
を付けた患者さん(被検者)のものに対して行なうよう
にし、サンプル番号の発行やスピッツの送付などが無駄
にならないようにする。
【0032】注文を受けた受付事務局12は、個人情報
管理者11に対して病院毎通し番号の発行及び被検者I
Dの発行を依頼する(S12)。
【0033】依頼を受けた個人情報管理者11は、解析
部門の責任者の依頼があることを前提として、個人情報
管理PC110を使って、病院毎通し番号の発行(S1
3)と被検者IDの発行(S14)を注文の数だけ行な
う。なお、病院毎通し番号の発行などの詳細は後で説明
する。発行した病院毎通し番号と被検者IDは、FDに
保存した状態で受付事務局12に引き渡す。
【0034】受付事務局12は、FDを引き渡され(S
15)、このFDの中に保存されている被検者IDに基
づいてサンプル番号を発行する(S16)。サンプル番
号を発行すると、病院毎通し番号と共にラベルLに印刷
する(図4参照、S17)。印刷するラベルLの数は、
スピッツの数+診療情報調査用紙の数分である。なお、
この作業はサンプル番号発行PC120を使って行な
う。次に、印刷したラベルLをスピッツに貼付する(S
18)と共に、診療情報調査用紙に貼付する(S1
9)。そして、同意書、試料提供登録票、スピッツ、診
療情報調査用紙をセットにして(S20)、注文のあっ
た協力医療機関20に注文の数だけセットを郵送する。
【0035】郵送を受けた協力医療機関20は、診察
(サンプルの採取…)を行なう。診察に際しては、イン
フォームド・コンセントを被検者に行なう(S21)。
同意が得られると同意書と試料提供登録票に必要事項の
記入を行ない、これを郵送で個人情報管理者11宛てに
郵送する。なお、試料提供登録票には、病院毎通し番号
が記載される。ちなみに、1人の被検者から複数のサン
プルを提供してもらう場合は、同意書及び試料提供登録
票は1枚ずつ、つまり1人分で済ますことができる。
【0036】次に、協力医療機関20は、サンプル採取
(採血)を行なう(S23)。採血の際には、図4に示
すように病院毎通し番号とサンプル番号の内容の一部
を、「前」「乳」のように人間に読める文字(表記)に
してあるので、このラベルLを貼付してあるスピッツが
同一の被検者から提供されるサンプルを入れるものであ
るのか否か、どの疾患に係るものであるのか否か、治療
のどの段階にあるものであるのか否かを知ることができ
る。このため、サンプルの取り違えなどをなくすことが
できる。なお、被検者がボランティアの場合は、「前」
「乳」のような記載はしていない。
【0037】採血により採られたサンプルの血液は、ラ
ベルLが貼付してあるスピッツに入れる。血液を入れる
と、スピッツに貼付してある病院毎通し番号を剥がして
(剥離、S24)、これを捨てる。余分な情報を捨て
て、匿名化が完全に行なえるようにするためである。
【0038】ここで、図5を参照して採血を補足説明す
る(被検者がボランティアの場合)。ボランティアの場
合の採血用のスピッツは、図5に示すように、例えば2
本が対になって封筒に入れられて協力医療機関20宛て
に郵送されてくる。封筒には血液用との表示と、病院毎
通し番号が表示され、協力医療機関20で間違いが生じ
ないようにしている。
【0039】封筒からスピッツを取り出すと、スピッツ
にはそれぞれラベルLが貼付してある。図5に示すよう
に、ラベルLのラベル片L1とラベル片L2は、離間
し、かつスピッツの縦方向に並べて貼付してある。被検
者からの採血は、それぞれのスピッツに5ml以上行な
う(最低でも1本は採血する)。採血が終わると、試料
提供登録票に被検者の氏名を含む個人情報と病院毎通し
番号を記載する。そして、記入の確認が終わったらラベ
ルLのうち、病院毎通し番号が表示されたラベル片L2
のみを剥がして捨てる。
【0040】なお、サンプル番号が表示されたラベル片
L1に、図4に示すような「前」「乳」などの表記がな
いのは、このラベルLはボランティア用に印刷されたも
のだからである。つまり、ボランティアからは採血しか
認められておらず、かつ治療前・中・後も関係ないから
である。
【0041】説明を図1に戻す。採血の終わったスピッ
ツ(サンプル番号のみ貼付)は、病院間便で協力医療機
関20から研究センタ10宛てに配送する(S25)。
また、協力医療機関20は、被検者の診察を行ない、診
療情報調査用紙に診療情報を記入する(S26)。記入
した診療情報調査用紙は、病院毎通し番号のラベルL2
を剥がし(切離、S27)、受付事務局12宛てに郵送
する(S28)。剥がした病院毎通し番号のラベルL2
は捨てる。
【0042】ところで、ステップS22で個人情報管理
者11宛てに郵送された同意書及び試料提供登録票のう
ち、同意書は研究センタ10で厳重に保管する(S3
1)。ちなみに、同意書に被検者の個人名が記載してあ
っても、その個人名とサンプル(遺伝子解析結果)とが
結びつくことがない。このため、研究センタで保管して
も問題ない。一方、試料提供登録票には個人情報が記載
されているが、この個人情報は、被検者IDと対応付け
て個人情報管理PC110の「個人情報ファイル」に記
憶される(S32)。この記憶の際には、試料提供登録
票に記載されている病院毎通し番号が利用される(病院
毎通し番号をキーにして被検者IDを検索し、これと個
人情報を対応付けて記憶する)。
【0043】また、ステップS25で研究センタ10宛
てに郵送されたサンプルは、研究センタで解析が行なわ
れる(S41)。解析に際しては、バーコードリーダ
(2次元コードリーダ)でバーコード(2次元コード)
化されたサンプル番号を読み取って、コンピュータ画面
上に表示するようにされる。コンピュータ画面には、前
記した例えば「VolPB0014W0」のような表示
がなされ、今解析しているサンプルが何であるかが研究
者に判るようになっている。このため、解析の作業が円
滑に行なわれる。解析結果は、「ゲノムDB」にサンプ
ル番号と対応付けて記憶される(S42)。つまり、サ
ンプル番号をキーにして解析結果を読み出せるようにな
っている。さらに、その逆もできるようになっている。
【0044】また、ステップS28で受付事務局12に
郵送された診療情報調査用紙は、「診療情報DB」にサ
ンプル番号と対応付けて記憶される(S43)。
【0045】このようにすることで、被検者の匿名化が
確実に行なわれ、遺伝子解析の研究を被検者の秘密を保
持して遂行することができる。殊に、匿名化にかかる部
分を、協力医療機関20として労力をかけずに行なえる
と共にスピッツも送られてくるので、協力医療機関20
の負担が少なく協力を得やすい。また、ラベルLによ
り、サンプルの採取を間違いなく行なうことができる。
同様に、ラベルLのサンプル番号が意味を持っているの
で、解析の段階において、作業を円滑に行なうことがで
きる。また、1.サンプルの解析結果を記憶した「ゲノ
ムDB」、2.被検者IDとサンプル番号の対応関係を
記憶した「被検者ID・サンプル番号ファイル」、3.
被検者IDと個人情報の対応関係を記憶した「個人情報
ファイル」は、それぞれ別の管理者により管理が行なわ
れているので、さらに被検者の匿名化が確実に行なわれ
る。また、個人情報が記載してある試料提供登録票とサ
ンプルが入ったスピッツは、それぞれ異なる宛先に異な
る送付手段で送付されるので、この点からも被検者の匿
名化が確実に行なわれる。
【0046】〔連結可能匿名化〕前記したように、本実
施形態の匿名化は、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関
する倫理指針」に対応した連結可能匿名化である。この
点について説明する。遺伝子解析の結果、例えば疾患を
発見したとする。この場合、被検者又は被検者の親族な
どに連絡することが、倫理的に妥当と判断される場合が
生じることがある。このような場合、次のように連絡す
べき被検者を特定する(割り出す)。
【0047】まず、解析結果に異常が見つかった場合
は、連絡すべき異常かどうかを判断する。連絡すべきで
あると判断したときは、解析結果に対応するサンプル番
号を確認する。確認は、例えば解析部門の管理者がサン
プルの解析結果に対応するサンプル番号を「ゲノムD
B」の中から抽出することにより行なうことができる。
また、「ゲノムDB」を利用するまでもなく、例えばサ
ンプルが入ったスピッツのラベルを、バーコードリーダ
に読み取らせることにより確認することができる。
【0048】つぎに、このように確認したサンプル番号
を「被検者ID・サンプル番号ファイル」を管理する管
理者(受付事務局12)に通知する。この管理者は、通
知されたサンプル番号をキーにして「被検者ID・サン
プル番号ファイル」を検索し、対応する被検者IDを抽
出する(割り出す)。そして、この管理者(受付事務局
12)が、このように割り出した被検者IDを、「個人
情報ファイル」を管理する個人情報管理者11に通知す
る。
【0049】被検者IDを通知された「個人情報ファイ
ル」の管理者である個人情報管理者11は、被検者ID
をキーにして「個人情報ファイル」を検索し、対応する
個人情報を抽出する。そして、連絡すべき被検者を特定
する。その後、しかるべき手段・手法により、特定した
被検者本人又は親族などに連絡する。
【0050】もちろん、この一連の手続きは逆の場合も
あり得る。つまり、被検者本人から遺伝子解析の結果を
知りたいという希望があれば、「個人情報ファイル」か
ら被検者IDを検索し、被検者IDから「被検者ID・
サンプル番号ファイル」を検索してサンプル番号を割り
出し、そのサンプル番号に基づいてゲノムDBから解析
結果を検索することもできる。
【0051】このようにすることで、必要が生じた場合
に被検者の秘密を保持しつつ確実に被検者を特定するこ
とができる。また、その逆に、秘密を保持しつつ確実に
被検者に遺伝子解析の結果を知らせることができる。
【0052】〔病院毎通し番号、被検者ID、サンプル
番号の発行〕次に、病院毎通し番号、被検者ID、サン
プル番号の発行を、図面を参照して説明する。
【0053】まず、病院毎通し番号から被検者IDを発
行する手順を、図6及び図7を参照して説明する(適宜
図1など参照)。図6は、病院毎通し番号から被検者I
Dを発行するフローチャートである。図7は、病院毎通
し番号を発行する際に表示される画面例である。
【0054】図1の個人情報管理PC110では、図6
に示す次の手順の処理が行なわれる。即ち、個人情報管
理PC110を立上げると、開始時処理がなされ、被検
者ID未設定レコードの削除、削除メッセージの表示が
行なわれる(S111)。そして、開始時の画面が表示
され、画面に配された新規入力、検索、終了のボタンの
選択を促す(S112)。促された操作者は、マウスク
リックにより、いずれかを選択する(S113)。ステ
ップS114において、終了をマウスクリックすると処
理を終了する(END)。検索をマウスクリックすると
ステップS121に移行する。新規入力をマウスクリッ
クすると新規入力画面が表示されるので、キーボードか
ら新規データを入力する(S115)。
【0055】ここでは、新規入力がマウスクリックさ
れ、ステップS115の処理が実行されるものとする。
ステップS115の処理においては、個人情報管理PC
110には、図7に示す画面が表示される(Personal P
rofile Database)。この画面においては病院毎通し番
号の入力ボタンが選択されており、病院毎通し番号を入
力する。図7では、病院毎通し番号は、漢字姓の項目の
記載で判るように「重粒子−1」が入力されている。ま
た、生年月日、性別、郵便番号などの項目にはダミーの
データが入力されている。新規発行におけるこの段階で
は、個人情報は判らないからである。ちなみに、疾患名
が判れば必要な書類やスピッツの数も判るので、被検者
が特定されていなくても以後の処理を行なえる。一方、
図7の疾患種別、病院名、病院住所の項目は実データを
入力する。病院毎通し番号は、病院(協力医療機関2
0)の注文に応じて発行するものであるから、実データ
を入力することができる。なお、個人情報管理PC11
0は、例えば図2に示すような疾患種別と略称の対応関
係を示したテーブルを有しており、入力に際して、操作
者が疾患種別を「乳癌」と入力すれば、コードの項目に
は「Bre」と自動で表示される。逆に「Bre」と入
力すると疾患種別に「乳癌」と表示される。
【0056】このようにキーボードから新規データを入
力すると(病院毎通し番号などを入力すると)、ID発
行(図7では「IDは項/バーコード作成」)、レコー
ド削除(図7では「表示レコード削除」)、終了のいず
れかを選択する(S116)。ちなみに、レコード削
除、S115において詳細なデータの入力は必要ない。
また、終了の場合は、S115においてデータの入力は
全く必要ない。
【0057】操作者によりステップS116でレコード
削除がマウスクリックされると、S127に移行して表
示中のレコードを削除する。つまり、図7でいえば、
「重粒子−1」という表示中のレコードをデータベース
から削除する。終了をマウスクリックすると処理を終了
する(END)。また、ID発行をマウスクリックする
とS117に移行して、既存データとの重複を姓名など
でチェックする。重複がある場合は、エラーメッセージ
を表示すると共に、入力中の重複レコードを削除する
(S118)。例えば、「重粒子−1」という病院毎通
し番号を削除したければ、S115において「重粒子−
1」と入力し、S116においてレコード削除を選択す
る。なお、削除するのは、今入力しようとしている病院
毎通し番号であり、データベースに記憶されている病院
毎通し番号ではない。ちなみに、病院毎通し番号は被検
者に特有のものであり、重複が生じないようにする。よ
って、重複が生じた場合(被検者の氏名が異なるのに病
院毎通し番号が同じ場合)は、フローチャートの処理
は、操作者に対して、今入力しようとしている病院毎通
し番号を別の番号に変えさせる。このため、処理はステ
ップS112に移行する。
【0058】一方、S117で重複がない場合(新規発
行の場合)は、乱数を発生させて、この乱数をもとに被
検者IDデータベースから被検者IDを得てコピーす
る。そして、被検者IDが重複しないように、コピー元
を削除する(S119)。換言すると、予め準備してあ
る被検者IDデータベース(未発行の被検者IDが多数
登録してあるデータベース)の中から乱数で、病院毎通
し番号に対応する1つの被検者IDを決定する。決定し
た後は、同じ被検者IDが重複して発行されないよう
に、該データベースの決定した被検者IDを削除する。
【0059】そして、病院毎通し番号、疾患種別、被検
者IDなどをCSV(コンマ区切り)形式でファイル出
力する(FDに保存、S120)。このS120でFD
へのファイル出力がなされるとS112に移行して、処
理を継続する。なお、CSV形式のファイル名は「I
D.csv」である。
【0060】ところで、操作者がステップS114で検
索をマウスクリックすると、検索画面が表示されるので
キーボードから検索の条件を入力する(S121)。条
件入力後、マウスクリックにより選択入力する(S12
2)。そして、検索実行かキャンセルを選択する(S1
23)。キャンセルを選択するとステップS124をス
キップしてステップS125に移行する。一方、実行を
選択すると検索表示画面が表示され、検索結果が表示さ
れる(S124)。つまり、検索した病院毎通し番号が
表示される。
【0061】次に、バーコード再作成、新規入力、削
除、検索、終了の内のいずれかをマウスクリックして選
択する(S125、S126)。例えば、ステップS1
25で病院毎通し番号をマウスクリックにより選択した
後、ステップS126で削除をマウスクリックすると、
当該病院毎通し番号が削除される。バーコード再作成に
ついても同様である。ちなみに、新規入力のときはステ
ップS112に移行し、バーコード再作成のときはステ
ップS120に移行し、削除のときはステップS127
に移行し、終了のときはENDに移行する。なお、バー
コード再作成は、後記するサンプル番号の発行処理を経
て、既にサンプル番号が発行されていることが前提であ
る。バーコードは、サンプル番号に基づいて作成される
ものだからである。
【0062】このように、個人情報管理PC110を使
って病院毎通し番号の発行及び被検者IDの発行を、番
号やIDが重複することなく行なえる。また、削除など
の管理も確実に行なえる。このため、番号やIDの発行
及び発行後のメンテナンスに要する労力を大幅に削減す
ることができる。また、病院毎通し番号は、個人情報が
はっきりしていない状況でも発行できるので、個人情報
の知得とは切り離して発行作業が行なえる。このため、
協力医療機関20から注文が来ると、滞ることなく病院
毎通し番号及び被検者IDを発行することができるとい
う大きな利点がある。
【0063】次に、サンプル番号を発行する手順を、図
8及び図9を参照して説明する(適宜図1など参照)。
図8は、被検者IDからサンプル番号を発行するフロー
チャートである。図9は、サンプル番号を発行する際に
表示される画面例である。
【0064】図1のサンプル番号発行PC120では、
図8に示す次の手順の処理が行なわれる。即ち、サンプ
ル番号発行PC120を立上げると、開始処理がなさ
れ、初期画面が表示される(S141)。初期画面は図
9に示すものであり、該画面には、被検者ID登録
(「ID登録/Sample No.発行」)、検索
(「検索モード」)、終了の各スクリプト起動用のボタ
ンが配してある。そして、ステップS142では、操作
者が表示されたボタンをマウスクリックにより選択す
る。
【0065】ステップ143では、どのボタンがマウス
クリックされたかを判断して、終了ならば処理を終了す
る(END)。検索ならばステップS147に移行して
検索画面を表示し、キーボードから条件入力し、検索実
行し、結果を表示する。そして、ステップS141に移
行する。また、ステップS143において、ID登録な
らば「ID.csv」からデータ入力する。この実施形
態でのデータ入力は、具体的には、「ID.csv」に
保存(格納)されているデータの中から、疾患種別、被
検者IDなどのデータを、サンプル番号発行PC120
がインポートすることである。なお、予め、「ID.c
sv」が保存されたFDがサンプル番号発行PC120
のFD用のドライブ挿入されている。
【0066】データ入力後、既存データとの重複をチェ
ックする(S145)。重複がある場合は、ステップS
148に移行して、エラーメッセージを表示し、入力中
の重複レコードを削除する。そして、S141に移行す
る。重複がない場合は、サンプル番号を決定する(S1
46)。サンプル番号は、前記した「VolPB001
4W0」のようにシーケンシャルな値になる。そして、
ステップS141に移行して、次々にサンプル番号を発
行する。ちなみに、被検者IDが同じでも、疾患種別が
異なれば、異なるサンプル番号が発行される(図2など
参照)
【0067】これにより、重複なくサンプル番号を発行
することができる。また、「ID.csv」さえあれ
ば、滞ることなくサンプル番号を発行することができ
る。なお、発行されたサンプル番号は、被検者IDと対
にして(対応付けて)サンプル番号DB(Sample Numbe
r Database)に記憶される。
【0068】次に、ラベルを印刷する手順を、図10〜
図13を参照して説明する(適宜図1など参照)。図1
0は、ラベルを印刷するフローチャートである。図11
は、バーコードデータの作成を行なう際に表示される画
面例である。図12は、乳癌レイアウトのラベルを画面
表示した図である。図13は、病院毎通し番号レイアウ
トのラベルを画面表示した図である。
【0069】まず、サンプル番号発行PC120にイン
ストールされているバーコード印刷用のソフトウェアを
起動する。このソフトウェアは、外部スクリプトからの
呼出しによって起動する。また、前記した「ID.cs
v」が保存されたFDがサンプル番号発行PC120の
FD用ドライブに挿入されている。ソフトウェアが起動
するとバーコード印刷の前準備として、前回の印刷処理
中に何らかのエラーで残存したレコードを含む全ての印
刷用のレコードを削除する(S161)。次に、挿入さ
れているFDの「ID.csv」からデータを入力する
(S162)。具体的には、FDに保存されているCS
V形式の「ID.csv」から疾患種別、被検者IDを
インポートする。次に、サンプル番号が発行されている
かチェックする(S163)。具体的には、前記したサ
ンプル番号DBを、インポートした被検者IDで検索
し、サンプル番号の発行の有無を確認する。
【0070】そして、ステップS164において判断し
て、サンプル番号が既発行の場合は、バーコード生成用
サンプル番号を決定する(S165)。具体的には、ス
テップS165では、図11に示す画面(Barcode Data
Creator)が表示されるので、ここで、どのデータを印
刷するのかをマウスで選択し、OKボタンをマウスクリ
ックする。すると、バーコード印刷用のソフトウェアが
バーコードデータをCSV形式でファイル生成する
(「Barcode.csv」、S166)。そして、
終了メッセージ表示後、メモリ上の全てのレコードを削
除する(S167)。そして、処理を終了する(EN
D)。一方、ステップS164で、サンプル番号未発行
と判断された場合は、エラーメッセージ表示後、メモリ
上の全てのレコードを削除する(S168)。そして、
処理を終了する(END)。この処理は、サンプル番号
をバーコード化して印刷するものだからである。
【0071】ラベルの印刷は、サンプル番号発行用PC
120を使って、「Barcode.csv」に保存さ
れているデータを読み出して行なう。図12には一例と
して乳癌レイアウトのラベル(ラベル片L1に相当)を
示しているが、この図に示されるように、ラベルL1
(L1’)には、バーコード化したサンプル番号、
「乳」及び「前」の表示がなされている。「乳」と
「前」の表示は、サンプル番号を人間には判読できない
バーコード(2次元コード)化したための手当てであ
る。これにより、目視で判別でき、サンプル採取の段階
や研究の段階で、取り扱う人間に安心感を与えたり、サ
ンプルの取り違えの防止などに役立つ。ちなみに、乳癌
レイアウトのほかに、血液レイアウトなどがある。図1
3のレイアウトでは、病院毎通し番号として「重粒子−
1」が表示されている。そして、好みのレイアウトで印
刷する。なお、サンプル番号発行用PC120には、バ
ーコードラベル印刷用のラベラが接続されている。
【0072】以上説明した第1実施形態では、以下のよ
うな優れた特徴を有する。即ち、被検者IDとサンプル
番号を用いることで、2段階の匿名化を行なっている。
このため、匿名化におけるセキュリティが強化される。
また、同一被検者に対して、複数種類のサンプルが発生
する場合にも確実に対処して、被検者の匿名化を行なう
ことができる。また、特別の理由がある場合には、複数
種類の何れに付されたサンプル番号からでも、当該サン
プルを提供した被検者の個人情報にたどり着くことがで
きる(連結可能匿名化)。また、協力医療機関で匿名化
が行なえない場合でも、個人が特定できない形で、協力
医療機関が採取したサンプルや個人情報を直接研究セン
タに持ち込むことができる(協力医療機関に成り代わっ
て匿名化する)。さらに、サンプル番号と個人情報の対
応関係は記録として存在しない。このため、サンプル番
号を公表しても、その番号だけからは個人情報を得るこ
とができない。よって、サンプル番号そのものを論文や
学会などで使用することができる。
【0073】また、前記したとおり、サンプル番号自身
に、遺伝子解析上必要なサンプル情報が含まれている。
このため、個人情報や診療情報とマッチングさせなくと
も、サンプル番号だけで遺伝子解析に必要な情報がタイ
ムリにわかる。よって遺伝子解析が効率化される(研究
の精度そのものの向上にも寄与する)。また、ラベルに
表示された病院毎通し番号などの表示から、迅速・確実
なサンプルの配送を行なうことができる(サンプルの受
け渡しを確実かつスピードアップして行なえる)。
【0074】サンプル番号はバーコード化して、ラベル
に表示される。このため、例えば、輸送段階などサンプ
ルが他人の手にわたっても、専用のリーダがないと読め
ないので、セキュリティが高い。また、個人情報が記載
してある試料提供登録票とサンプルが入ったスピッツ
は、それぞれ異なる宛先に異なる送付手段で送付される
ので、この点からもセキュリティが高い。よって、協力
医療機関20のような外部の団体などからサンプルを広
く集めて解析するのに、好適に適用することができる。
【0075】≪第2実施形態≫次に、本発明の第2実施
形態を、図面を参照して説明する。なお、第1実施形態
は血液を例に説明したが、この第2実施形態では組織
(乳癌)を例にして説明する。ここで、図14は、第2
実施形態での処理の流れを模式的に示す図である。図1
5は、協力医療機関20Aにおける組織(乳癌)の採取
を説明する図である。
【0076】図14を参照して、協力医療機関20Aに
おける組織の採取を説明する。なお、協力医療機関20
Aは、第1実施形態(図1など参照)の協力医療機関2
0と同様にして注文票を受付事務局12に送付し、同意
書、試料提供登録票、スピッツ及び診療情報調査用紙が
手許に送付されているものとする。また、この際には、
サンプル番号なども第1実施形態と同様にして、必要な
数だけ発行されているものとする。サンプル番号などの
意味内容は、第1実施形態と同じであるのでその説明を
省略する。
【0077】協力医療機関20Aは、被検者に対してイ
ンフォームド・コンセントを行ない、同意を得る。同意
は、手術時(乳癌切除の手術時)に採取した組織の一部
を提供してもらう、というものである。そして、協力医
療機関20Aは、手術時に組織(サンプル)を採取す
る。サンプルは、協力医療機関20A宛てに送付されて
きたスピッツに入れる。この際、サンプルは可能な限り
凍結状態にして研究センタ10に送付する。同意書、試
料提供登録票なども、第1実施形態と同様にして研究セ
ンタ10に郵送する。また、協力医療機関20Aは、第
1実施形態と同様にして、診療情報調査用紙に診療情報
を記入し受付事務局12に郵送する。
【0078】研究センタ10の個人情報管理者11は、
個人情報と被検者IDとを対応付けて「個人情報ファイ
ル」に記憶する。また、研究センタ10の受付事務局1
2は、サンプル番号と診療情報を対応付けて「診療情報
DB」に記憶する。また、研究センタ10(解析部門)
は、得られたサンプルの解析を行ない、解析結果をサン
プル番号と対応付けて「ゲノムDB」に記憶する。これ
らの点は、第1実施形態と同じである。
【0079】また、第2実施形態では、被検者が乳癌の
患者であるので、協力医療機関20Aの担当医師の依頼
に基づいて、サンプルの解析結果を当該担当医師に送付
する。これにより、担当医師は、腫瘍組織の遺伝子解析
の結果を参照して遺伝子カウンセリングを行なうことが
できる。
【0080】ところで、第2実施形態では、次のように
して組織の採取が行なわれる(図15参照)。組織(サ
ンプル)を入れる採取容器(スピッツ)は、封筒に入れ
られた状態で研究センタ10から送られてくる。封筒に
は5本のスピッツが入っている。
【0081】採取前に封筒からスピッツを取り出す。ス
ピッツは、黄色キャップのもの1本、紫色キャップのも
の2本、青色キャップのもの1本、赤色キャップのもの
1本、合計5本である。各スピッツには、バーコード化
したサンプル番号のラベル片L1と病院毎通し番号のラ
ベル片L2とがラベルLとして、縦方向に離間して貼付
してある。なお、黄色キャップのものは液体が入ってい
る。
【0082】サンプルの採取は次のように行なう。即
ち、図15の右上に枠で囲って示したように、所定部位
から標本(サンプル)を摘出し、切り出す。そして、癌
部を30mgずつ3本のスピッツに入れる(30mg×
3)。スピッツは、黄色キャップのもの1本と紫色キャ
ップのもの2本である。また、非癌部30mgを青色キ
ャップのスピッツに入れる。皮膚部30mgを赤色キャ
ップのスピッツに入れる。
【0083】採取が終わると各スピッツから病院毎通し
番号のみを剥がし、これを捨てる。なお、各スピッツの
ラベル片L1には、識別が容易なように、「癌」、
「乳」のような表示がなされている。このスピッツは、
協力医療機関20Aから研究センタ10に送られ、遺伝
子解析がなされる(図14参照)。
【0084】この第2実施形態によれば、第1実施形態
と同様の効果がえられるほか、乳癌の組織を採取して、
確実に解析することができる。また、協力医療機関20
Aに与える負担を少なくしてサンプルを得ることができ
る。よって、研究センタ10は、幅広く遺伝子に関する
データを蓄積することが可能になる。また、協力医療機
関20Aは、研究センタ10の高度な技術による遺伝子
解析の結果を踏まえて、被検者に遺伝子カウンセリング
を行なうことができる。
【0085】≪第3実施形態≫次に、本発明の第3実施
形態を、図面を参照して説明する。なお、この第3実施
形態では組織(子宮頸癌など)を例にして説明する。こ
こで、図16は、第3実施形態での処理の流れを模式的
に示す図である。図17は、協力医療機関20Bにおけ
る組織(子宮頸癌など)の採取を説明する図である。
【0086】図16を参照して、協力医療機関20Bに
おける組織の採取を説明する。なお、協力医療機関20
Bは、第1実施形態(図1など参照)の協力医療機関2
0と同様にして注文票を受付事務局12に送付し、同意
書、試料提供登録票、スピッツ及び診療情報調査用紙が
手許に送付されているものとする。また、この際には、
サンプル番号なども第1実施形態と同様にして、必要な
数だけ発行されているものとする。サンプル番号などの
意味内容は、第1実施形態と同じであるのでその説明を
省略する。
【0087】協力医療機関20Bは、被検者に対してイ
ンフォームド・コンセントを行ない、同意を得る。同意
は、生検時に採取した組織の一部を提供してもらう、と
いうものである(生検は組織を採取して行なう診断方法
である)。そして、生検時に組織(サンプル)を採取す
る。サンプルは送付されてきたスピッツに入れる。サン
プルは、可能な限り凍結状態にして研究センタ10に送
付する。同意書、試料提供登録票なども、第1実施形態
と同様にして研究センタ10に郵送する。また、協力医
療機関20Bは、第1実施形態と同様にして、診療情報
調査用紙に診療情報を記入し受付事務局12に郵送す
る。
【0088】これらの点は、第1実施形態及び第2実施
形態と同様であるので、その詳細な説明を省略する。但
し、第3実施形態では、協力医療機関20Bでの放射線
治療を行なうことを前提にしているので、治療中、治療
後の生検の際にも、被検者(看者)の同意のもとにサン
プルを提供してもらう(サンプルを採取する)。
【0089】なお、第3実施形態では、次のようにして
組織の採取が行なわれる(図17参照)。組織(サンプ
ル)を入れる採取容器(スピッツ)は、封筒に入れて研
究センタ10から送られてくる。封筒には黄色いキャッ
プのスピッツが1本入っている。なお、封筒は、放射線
治療前、中、後の3種類(3つの封筒)である。
【0090】各段階での採取の際に封筒からスピッツを
取り出す。そして、組織30mgをサンプルとしてスピ
ッツに入れる。採取が終わったら病院毎通し番号のラベ
ル片L2を剥がして捨てる。ラベル片L1には、
「前」、「子頸」の表示がされ、識別が容易にしてあ
る。「前」は放射線治療前を意味し、「子頸」は子宮頸
癌を意味する。このスピッツは、研究センタ10に送ら
れ、サンプルの遺伝子解析がなされる。遺伝子解析の結
果は、図16に示すように協力医療機関20Bの依頼に
基づいて、研究センタ10から該協力医療機関20Bの
担当医師に送付される。
【0091】この第3実施形態によれば、第1実施形態
と同様の効果がえられるほか、放射線治療の前、中、後
の各段階での子宮頸癌などの組織を採取して、確実に解
析することができる。また、協力医療機関20Bに与え
る負担を少なくしてサンプルを得ることができる。よっ
て、研究センタ10は、幅広く遺伝子に関するデータを
蓄積することが可能になる。
【0092】以上説明した本発明は、前記した実施形態
に限定されることなく、幅広く変形実施することができ
る。例えば、発行したサンプル番号などを電子データと
してネットワーク経由で協力医療機関20(20A,2
0B)に送り、協力医療機関20(20A,20B)で
ラベルL(L’)を印刷するようにしてもよい。また、
例えば、ラベル片L1(L1’)を廃止して、ラベル片
L1(L1’)の表示内容を直接スピッツ(サンプル容
器)に表示するようにしてもよい。このようにしても、
本発明(被検者匿名化方法)の技術的範囲に属するのは
いうまでもない。また、ラベル片L2(L2’)につい
ても同様であり、例えば消しゴムや指先で擦る(スクラ
ッチする)と病院毎通し番号が消えるようにしてスピッ
ツに表示し、ラベル片L2(L2’)を廃止するように
してもよい。つまり、ラベルL(L’)を用いないよう
にしてもよい。また、実施形態では、添付の一例とし
て、ラベルをスピッツに貼付する態様(糊付けする態
様)を説明したが、貼付は添付の一態様であり、ラベル
を紐でスピッツに括りつけたり引っ掛けたりするなどの
態様でもよい。また、本発明は、遺伝子解析以外の分野
にも適用することができるのはいうまでもない。また、
ファイル名、スピッツの本数、キャップの色などは一例
であり、本発明がこれに限定されるものでないことはい
うまでもない。
【0093】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、被検者の
匿名化を確実に行なうことができる。また、多くのサン
プルの採取ができ、採取したサンプルの解析も行ないや
すくなる、などの顕著な効果がある。また、本発明によ
れば、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指
針」に則った遺伝子解析研究を適切に行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる第1実施形態でのIDの発
行から、解析結果の登録及び個人情報の登録までを模式
的に示す流れ図である。
【図2】 サンプル番号が有する意味を説明する表で
ある。
【図3】 病院毎通し番号とサンプル番号の関係を説
明する表である。
【図4】 ラベルを説明する図であり、(a)は別体
に構成されたラベルであり、(b)は一体に構成された
ラベルである。
【図5】 採血の手順を説明する図である(被検者が
ボランティアの場合)。
【図6】 病院毎通し番号から被検者IDを発行する
フローチャートである。
【図7】 病院毎通し番号を発行する際に表示される
画面例である。
【図8】 被検者IDからサンプル番号を発行するフ
ローチャートである。
【図9】 サンプル番号を発行する際に表示される画
面例である。
【図10】 ラベルを印刷するフローチャートである。
【図11】 2次元コードデータの作成を行なう際に表
示される画面例である。
【図12】 乳癌レイアウトのラベルを画面表示した図
である。
【図13】 病院毎通し番号レイアウトのラベルを画面
表示した図である。
【図14】 本発明にかかる第2実施形態での処理の流
れを模式的に示す図である。
【図15】 図14の協力医療機関における組織(乳
癌)の採取を説明する図である。
【図16】 本発明にかかる第3実施形態での処理の流
れを模式的に示す図である。
【図17】 図16の協力医療機関における組織(子宮
頸癌など)の採取を説明する図である。
【符号の説明】
10…研究センタ(発行元、第1のファイルの管理者) 11…個人情報管理者(発行元、第3のファイルの管理
者) 12…受付事務局(発行元、第2のファイルの管理者) 20…協力医療機関(サンプルの採取先) L、L’…ラベル(サンプル用ラベル) L1,L1’…ラベル片(第1のID表示部) L2,L2’…ラベル片(第2のID表示部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 秀平 千葉県千葉市稲毛区穴川4−9−1 独立 行政法人 放射線医学総合研究所内 (72)発明者 岩川 真由美 千葉県千葉市稲毛区穴川4−9−1 独立 行政法人 放射線医学総合研究所内 (72)発明者 今井 高志 千葉県千葉市稲毛区穴川4−9−1 独立 行政法人 放射線医学総合研究所内 Fターム(参考) 2G058 CA02 GC01 GC02 GC05 5B072 BB00 CC21 CC24

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検者から提供されたサンプルに添付され
    るサンプル用ラベルであって、 該サンプル用ラベルは、第1のID表示部と第2のID
    表示部を有し、 少なくとも前記第1のID表示部には、コンピュータに
    識別可能な表記が第1のIDとして表示され、 少なくとも前記第2のID表示部には、人間に識別可能
    な表記が第2のIDとして表示され、 前記第1のID表示部と前記第2のID表示部は対にし
    て使用されること、を特徴とするサンプル用ラベル。
  2. 【請求項2】前記第1のIDは、前記被検者の個人情報
    を含まないサンプル番号としての情報が割り当てられ、 前記第2のIDは、前記サンプルの採取先ごとにカテゴ
    ライズされた情報が割り当てられていること、を特徴と
    する請求項1に記載のサンプル用ラベル。
  3. 【請求項3】前記サンプル番号としての情報が、疾患名
    情報、治療の段階情報、サンプル種別情報、被検者の同
    一性情報、のうちの少なくとも1つ以上を含むこと、を
    特徴とする請求項2に記載のサンプル用ラベル。
  4. 【請求項4】前記第1のIDが2次元コードとして表示
    されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項3
    のいずれか1項に記載のサンプル用ラベル。
  5. 【請求項5】前記サンプル用ラベルは、 前記第1のID表示部と前記第2の表示部が一体に構成
    されている場合もそれぞれ別のラベル片として別体に構
    成されている場合も、前記第2のID表示部が切離可能
    及び/又は前記第2のIDが消去可能になっているこ
    と、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1
    項に記載のサンプル用ラベル。
  6. 【請求項6】前記第1のIDは、サンプルの解析結果と
    対応付けて第1のファイルに記憶されると共に、 前記第1のIDは、前記第2のIDと対応関係にある第
    3のIDに対応付けて第2のファイルに記憶され、 前記第3のIDは、前記被検者の個人情報と対応付けて
    第3のファイルに記憶される構成を有すること、を特徴
    とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の
    サンプル用ラベル。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項5のいずれか1項に
    記載のサンプル用ラベルの使用方法であって、 前記サンプル用ラベルは、発行元からサンプル採取先に
    送付され、 前記第1のIDは、サンプルの採取先で採取されてサン
    プルの解析先で解析されるサンプルのサンプル番号とし
    て使用され、 さらに、前記第1のIDは、第1のファイルにサンプル
    の解析結果と対応付けて記憶されること、を特徴とする
    サンプル用ラベルの使用方法。
  8. 【請求項8】前記サンプル用ラベルに表示された第2の
    IDと対応関係にある第3のIDを発行し、 この第3のIDと前記第1のIDを第2のファイルに対
    応付けて記憶し、 前記第3のIDと被検者の個人情報を第3のファイルに
    記憶すること、を特徴とする請求項7に記載のサンプル
    用ラベルの使用方法。
  9. 【請求項9】前記各ファイルの管理が別々の管理者によ
    り行なわれる場合において、 前記サンプルの解析の結果、当該解析結果に係るサンプ
    ルを提供した被検者に連絡する必要があるときは、 前記第1のファイルの管理者が、連絡する必要のあるサ
    ンプルの解析結果に対応する第1のIDを前記第2のフ
    ァイルの管理者に通知し、 このように第1のIDを通知された第2のファイルの管
    理者が、通知された第1のIDに対応する第3のIDを
    第2のファイルの中から抽出して、前記第3のファイル
    の管理者にこの抽出した第3のIDを通知し、 このように第3のIDを通知された第3のファイルの管
    理者が、通知された第3のIDに対応する被検者の個人
    情報を第3のファイルの中から抽出し、 このように抽出した被検者の個人情報に基づいて被検者
    を特定し、前記サンプルの解析結果についての連絡を行
    なうようにしたこと、を特徴とする請求項8に記載のサ
    ンプル用ラベルの使用方法。
  10. 【請求項10】前記第2のIDが、サンプル採取時に人
    間が目視して被検者の異同の識別に使用され得るもので
    あること、を特徴とする請求項7ないし請求項9のいず
    れか1項に記載のサンプル用ラベルの使用方法。
  11. 【請求項11】前記サンプルの解析先へは、前記第1の
    IDのみがサンプルに添付して送付されるようにしたこ
    と、を特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれか
    1項に記載のサンプル用ラベルの使用方法。
  12. 【請求項12】前記サンプル用ラベルが、サンプル採取
    用の空容器に貼付された状態で前記サンプル採取先に送
    付されること、を特徴とする請求項7ないし請求項11
    のいずれか1項に記載のサンプル用ラベルの使用方法。
  13. 【請求項13】少なくとも3つの識別子たるIDを用い
    てサンプルを提供する被検者の匿名化を図る、被検者匿
    名化方法であって、 サンプルを提供する被検者の数を充足する数、第2のI
    Dを発行するステップ、 前記第2のIDに対応した第3のIDを発行するステッ
    プ、 前記第3のIDに対応した第1のIDを発行するステッ
    プ、 前記第1のIDと前記第2のIDをサンプルに添付する
    一体又は別体のサンプル用ラベルに表示するステップ、 このようにして2つのIDを表示したサンプル用ラベル
    をサンプル採取先に送付するステップ、 前記サンプル採取先からの返信として、前記第2のID
    により識別された被検者の個人情報を受け付けるステッ
    プ、 前記受け付けた個人情報を、前記第2のIDを参照しつ
    つ前記第3のIDに対応付けて第3のファイルに記憶す
    るステップ、を有し、 前記送付されたラベルに併記された2つのIDのうち、
    第2のIDが表示された部分は、サンプル採取の際又は
    採取の後に廃棄ないし消去するように指示されており、 前記ラベルに表示された第1のIDをサンプルの識別子
    として用いること、を特徴とする被検者匿名化方法。
  14. 【請求項14】少なくとも3つの識別子たるIDを用い
    てサンプルを提供する被検者の匿名化を図る、被検者匿
    名化方法であって、 サンプルを提供する被検者の数を充足する数、第2のI
    Dを発行するステップ、 前記第2のIDに対応した第3のIDを発行するステッ
    プ、 前記第3のIDに対応した第1のIDを発行するステッ
    プ、 前記第1のIDと前記第2のIDをサンプル採取先に通
    知又は送付するステップ、 前記サンプル採取先からの返信として、前記第2のID
    により識別された被検者の個人情報を受け付けるステッ
    プ、 前記受け付けた被検者の個人情報を前記第2のIDを参
    照しつつ前記第3のIDに対応付けて第3のファイルに
    記憶するステップ、 を有し、 前記3つのIDのうち、第1のIDをサンプルの識別子
    として使用するようにしたこと、 を特徴とする被検者匿名化方法。
  15. 【請求項15】前記第1のIDと前記サンプルの解析結
    果を対応付けて、第1のファイルに記憶するステップ、 前記第3のIDと前記第1のIDを対応付けて、第2の
    ファイルに記憶するステップ、をさらに有すること、を
    特徴とする請求項13又は請求項14に記載の被検者匿
    名化方法。
  16. 【請求項16】前記3つのファイルが、それぞれ異なる
    記憶装置及び/又は記憶媒体に記憶されていること、を
    特徴とする請求項15に記載の被検者匿名化方法。
  17. 【請求項17】前記サンプルの解析の結果、当該解析結
    果に係るサンプルを提供した被検者に連絡する必要があ
    るときは、 この連絡する必要があるサンプルについての第1のID
    に対応する第3のIDを前記第2のファイルの中から抽
    出するステップ、 この抽出した第3のIDに対応する被検者の個人情報を
    第3のファイルの中から抽出するステップ、 このように抽出した被検者の個人情報に基づいて被検者
    を特定するステップ、をさらに有し、前記サンプルの解
    析結果についての連絡を前記被検者に行なうようにした
    こと、を特徴とする請求項15又は請求項16に記載の
    被検者匿名化方法。
  18. 【請求項18】前記第2のIDが、少なくともサンプル
    採取の際の目視判別用に使用され得るものであること、
    を特徴とする請求項13ないし請求項17のいずれか1
    項に記載の被検者匿名化方法。
  19. 【請求項19】サンプル提供の同意書、被検者の個人情
    報を記載するサンプル提供登録票、被検者の診療情報を
    記載する診療情報調査用紙を、前記サンプル採取先に送
    付すること、を特徴とする請求項13ないし請求項18
    のいずれか1項に記載の被検者匿名化方法。
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US8719053B2 (en) 2003-07-17 2014-05-06 Ventana Medical Systems, Inc. Laboratory instrumentation information management and control network
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WO2024029167A1 (ja) * 2022-08-05 2024-02-08 株式会社日立ハイテク 分析装置、及び情報出力方法

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