JP2003315340A - 皮膚表面に存在するグルコース測定方法及びグルコース測定用試料回収装置 - Google Patents

皮膚表面に存在するグルコース測定方法及びグルコース測定用試料回収装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被験者への負荷を軽減し、かつ簡便で手軽に
実施することができる皮膚表面に存在するグルコース測
定方法を提供する。 【解決手段】 指2を洗浄後、よく拭き取る。所定の時
間静置し、汗をためた後、霧状に水溶液を塗布できる小
型噴霧器4を用いて、指2の全体に10秒間5%エタノ
ール水溶液3を噴霧する。指2に付着した水滴5を容器
6に回収し、サンプルとして使用し、次いで、液体クロ
マトグラフィー及び簡易型グルコースセンサーにより糖
分を測定する。この糖分は血中濃度に比例するので、糖
モニターとして使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖尿病疾患やその
予備群の人たちの自己管理のための在宅医療で使用可能
な医療器具、医療現場で用いることのできる簡易グルコ
ース測定方法及びグルコース測定用試料回収装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】(1)血液中のグルコース値(血糖値)
は、糖尿病疾患においては非常に重要な指標として用い
られており、血糖値医療現場で、採血により求められ
る。また糖尿病疾患の患者は自己管理のために簡易型の
グルコース測定器を用いている。しかしながら、この従
来のグルコース測定器は試料として指からの血液を用い
ているが、採血のために指を針で刺すことは苦痛を伴
い、また感染症に感染する危険がある。
【0003】(2)一方、皮下の間質液を、皮膚に電圧
印加して発生させた電気浸透流により採集(イントフォ
レシスと呼ばれる)し、ついでグルコースセンサーにて
測定する方法がある。しかしながら、間質液を取り出す
際に皮膚に電流を通じるので、火傷を負う可能性があ
る。
【0004】(3)また、口内における歯根と歯肉との
間の液を採集して用いる方法が提案されているが、採集
が困難であり、また口内の唾液が混入する可能性があ
り、まだ実用化されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の技術はいずれも問題がある。すなわち、血液採集に関
しては、苦痛を伴いかつ感染の危険がある。皮膚への電
圧印加の方法は火傷の危険がある。また、口内の歯根液
からの採集に関しては被験者への負荷が大きい。
【0006】グルコースの測定のための試料サンプリン
グは、非侵襲で、かつ、非観血に行え、またサンプリン
グに際しての被験者への生理的負荷が少ないことが望ま
しい。
【0007】さらに、日常的にサンプリングが行え、手
軽に在宅医療の方法として用いることができるグルコー
スサンプリング方法ならびに測定方法を実施することが
望ましい。
【0008】そこで、本発明は、上記状況に鑑みて、被
験者への負荷を軽減し、かつ簡便で手軽に実施すること
ができる皮膚表面に存在するグルコース測定方法及びグ
ルコース測定用試料回収装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕皮膚表面に存在するグルコース測定方法におい
て、霧吹きにより水分を汗成分を有する皮膚表面へ塗布
し、ついで前記皮膚表面の水分を回収し、この中に含ま
れる糖分を測定することを特徴とする。
【0010】〔2〕皮膚表面に存在するグルコース測定
方法において、界面活性剤を含んだ水溶液により発生さ
せた気泡を汗成分を有する皮膚表面へ塗布し、次いで、
前記気泡及びこの気泡から生じた水分を前記皮膚表面よ
り回収し、この中に含まれる糖分を測定することを特徴
とする。
【0011】〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の皮膚表
面に存在するグルコース測定方法において、指に付着し
た水滴をスプーンを用いて容器中へ掻き落とすことを特
徴とする。
【0012】〔4〕上記〔1〕又は〔2〕記載の皮膚表
面に存在するグルコース測定方法において、指に付着し
た水滴をゴム輪を指の根元から指先まで滑らせることに
よって容器中へ回収することを特徴とする。
【0013】〔5〕上記〔1〕又は〔2〕記載の皮膚表
面に存在するグルコース測定方法において、指に付着し
た水滴を袋状になった容器を指全体にかぶせそれを指先
まで滑らせることにより容器に回収することを特徴とす
る。
【0014】〔6〕上記〔1〕又は〔2〕記載の皮膚表
面に存在するグルコース測定方法において、指に付着し
た水滴を綿状の繊維の吸い取り材で集めた後、この吸い
取り剤を遠心分離にかけ、糖分を含んだ水分を回収する
ことを特徴とする。
【0015】〔7〕上記〔1〕又は〔2〕記載の皮膚表
面に存在するグルコース測定方法において、前記回収し
た水分を直接に高感度グルコースセンサーにより測定す
ることを特徴とする。
【0016】〔8〕上記〔1〕又は〔2〕記載の皮膚表
面に存在するグルコース測定方法において、前記回収し
た水分を固体抽出剤に入れグルコース成分のみを回収
し、次いで高感度グルコースセンサーにより測定するこ
とを特徴とする。
【0017】
〔9〕上記〔1〕記載の皮膚表面に存在す
るグルコース測定方法において、指を洗浄後、よく拭き
取り、所定の時間静置して汗をためた後、小型噴霧器を
用いて、指全体に10秒間5%エタノール水溶液を噴霧
し、指に付着した水滴を容器に回収することを特徴とす
る。
【0018】〔10〕グルコース測定用試料回収装置に
おいて、試料回収箱内に加熱装置と霧吹き装置と回収具
とを備え、指を前記試料回収箱に挿入することにより、
前記指からの発汗過程と前記指の表面への霧吹きの過程
と前記指の表面上の水溶液の回収過程とを連続的に行う
ことを特徴とする。
【0019】本発明者らは、汗やその他の染み出した液
に伴って皮膚上にグルコースが出てくることを見出し
た。そこで、皮膚上のグルコースを集めて測定したとこ
ろ、この得られた測定値は血中グルコースの値と相関し
ており、皮膚上のグルコース値により簡易的な診断に用
いることができることが分かった。
【0020】本発明は、グルコースを皮膚中から効率よ
く集めるとともに、この捕集液を分析し、グルコースの
測定を行うことができる。
【0021】なお、本発明において、皮膚表面には、正
確にいうと、汗からの成分、皮膚細胞からの成分、皮膚
組織からの成分があり、いずれも、本発明の対象に含ま
れるものである。
【0022】また、試料の採集部位は、被験者の指にか
きらず、腕、足、脚、手、そのたの体表面であってもよ
い。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】図1は本発明の実施例を示す皮膚表面に存
在するグルコース測定方法の説明図である。
【0025】この図において、1は被験者の手、2はそ
の人指し指、4は5%エタノール水溶液3の小型噴霧
器、5は人指し指2に付着した後、容器6に回収された
水滴である。
【0026】この糖測定方法をより詳細に説明すると、
人指し指2を洗浄後、キムワイプでよく拭き取る。所定
の時間静置し、汗をためた後、霧状に水溶液を塗布でき
る小型噴霧器(INHALER,松下電工)4を用い
て、人指し指2の全体に10秒間5%エタノール水溶液
3を噴霧する。人指し指2に付着した水滴5を容器6に
回収し、サンプルとして使用し、次いで、液体クロマト
グラフィー及び簡易型グルコースセンサーにより糖分を
測定する。この糖分は血中濃度に比例するので、糖モニ
ターとして使用できる。
【0027】次に、指皮膚表面に付着した水分を回収す
るための方法と、回収補助器具について説明する。
【0028】図2はその指皮膚表面に付着した水分を回
収するための方法(その1)の説明図である。
【0029】ここでは、図2(a)及び図2(b)に示
すように、指11に付着した水滴12を小さなスプーン
13(水を掻き落とすための工夫を施している)を用い
て、1.2mlの容器(バイアル)14中へ掻き落と
す。
【0030】図3はその指皮膚表面に付着した水分を回
収するための方法(その2)の説明図である。
【0031】ここでは、図3(a)及び図3(b)に示
すように、ゴム輪23を指の根元から指先まで滑らせる
ことによって、指21に付着した水滴22を1.2ml
の容器(バイアル)24中に回収する。
【0032】このゴム輪23は常に一定の力を指表面に
付与できる付属装置(図示なし)を用いることができ
る。
【0033】なお、このようなゴムに代えて、輪状の形
態を有するプラスチックスや金属ワイヤーを用いるよう
にしてもよい。
【0034】図4はその指皮膚表面に付着した水分を回
収するための方法(その3)の説明図である。
【0035】ここでは、指31に水滴32を噴霧後、袋
状になった容器33を指全体にかぶせそれを指先まで滑
らせることにより行う。ここで、32′は回収された水
滴である。
【0036】さらに、図示しないが、水を綿状の繊維の
吸い取り材で集めた後、次いで吸い取り剤を遠心分離に
かけ、糖分を含んだ水分を回収する方法も採用できる。
【0037】また、水分を吸引により補集する容器を用
いるようにしてもよい。
【0038】次に、上記した方法により回収した水分中
のグルコースの測定方法について説明する。
【0039】(1)上記した方法により回収した水分中
のグルコースを、直接に高感度グルコースセンサーによ
り測定する。
【0040】(2)上記した方法により回収した水滴
を、固体抽出剤に入れ、グルコース成分のみを回収し、
次いで高感度グルコースセンサーにより測定する。
【0041】次に、皮膚表面のグルコース量を用いた糖
尿病疾患への管理システムについて説明する。
【0042】まず、実験装置としてのHPLC装置につ
いて説明する。
【0043】図5は本発明の実施例を示す皮膚表面に存
在するグルコース測定装置の模式図である。
【0044】この図において、41はPC(パーソナル
コンピュータ)、42はダイオードアレー検出器、43
は貯槽(リザーバー)、44は溶離剤(eluen
t)、45は噴霧器、46はカラム、47はポンプであ
る。
【0045】本発明では、検出器42としてDiode
array detecor 350RS(大塚電子
株式会社)、ポンプ47としてLC−9A(島津製作
所)、カラム46にはCAPCELL PAK C18
2.0mm i.d.×150mm(SHISEID
O)を用いた。
【0046】ポンプ47は0.200ml/minの流
量で定流量送液を行った。検出器42では245nmで
のUV吸光度法によって検出を行った。
【0047】次に、誘導体化法について説明する。
【0048】炭水化物の分析において、HPLC装置は
重要な役割を果たしているが、高感度検出は困難であ
り、それを解決するために様々な誘導体化法が存在す
る。
【0049】ポストカラム誘導体化は、サンプルを直接
注入できる、といった利点があるが誘導体化の収率が低
いため高感度な検出は不可能であった。
【0050】金またはニッケル電極を用いた電気化学的
検出方法は高感度な検出が可能である。
【0051】p−ブロモベンゼン誘導体化、p−ニトロ
ベンゼン誘導体化などのプレカラム誘導体化は誘導体の
高い収率が得られる。しかし、定量的、且つ立体異性体
を持たないような誘導体化は難しかった。
【0052】それに対して、1−フェニル−3−メチル
−5−ピラゾロン(PMP)による誘導体化では、PM
Pは還元糖とほぼ定量的に反応し、強いUV吸収をもつ
誘導体を生成する。PMPは還元糖と2:1の化合物を
作り、またその化合物は立体異性体を持たない。
【0053】これらの利点から、本発明ではPMP誘導
体化法を採用した。
【0054】一般的な還元糖と1−フェニル−3メチル
−5−ピラゾロン(PMP)との反応式を以下に示す。
【0055】
【化1】 次に、誘導体化の操作について説明する。
【0056】誘導体化の操作は以下のようにして行っ
た。
【0057】(1)5%エタノール水にグルコースを溶
解した溶液を減圧乾固する。
【0058】(2)水酸化ナトリウム水溶液とPMPメ
タノール溶液を加える。
【0059】(3)70℃で1時間半反応させる(4)
室温まで冷却後塩酸で中和させる。
【0060】(5)反応液を減圧乾固する。
【0061】(6)残渣を蒸留水とクロロホルムで溶解
し抽出する。
【0062】(7)水層を減圧乾固する。
【0063】(8)残渣を溶離液に溶解したものを、液
体クロマトグラフィー用サンプルとする。
【0064】1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロ
ン(PMP)による誘導体化によって得られる誘導体
は、極大吸収波長が245nmとなる。汗中にはグルコ
ース以外の還元糖も存在するため、同定はスペクトル以
外に溶出時間及び添加法によって行った。
【0065】次に、他の測定方法について説明する。
【0066】皮膚から回収した水溶液を濃縮し、市販の
グルコースセンサーにて測定した。この際その読みを高
感度の測定器を用いて増幅し定量的に読み出した。
【0067】図1に示したように汗成分を含む水分を採
取し、図5に示す測定装置によって測定する。すなわ
ち、採取した水分は、減圧乾固後、0.3M水酸化ナト
リウム水溶液30μlと0.5M 1−フェニル−3−
メチル−5−ピラゾロン(PMP)メタノール溶液30
μlを加え、70℃で1時間半反応させた後、1N塩酸
を当量加え中和し、減圧乾固させた。その残渣を蒸留水
とクロロホルム各200μlで溶解し、溶媒抽出を行っ
た。その水層を100μl取り出し、減圧乾固させ、溶
離液(アセトニトリル/0.1Mリン酸緩衝液=18.
5/81.5)30μ1を加えたものをサンプルとし測
定を行った。 (1)糖摂取による汗中グルコース濃度の変化 糖摂取負荷試験の実験においては、経口糖認容力試験用
糖質液トレーランG75(清水製薬株式会社製)を使用
した。 (1−1)試験用試薬 トレーランG75は、ブドウ糖の代わりにデンプン部分
加水分解物を用い、服用しやすくした糖質液で、糖尿病
診断時の糖負荷試験に用いられる。トレーランG75と
ブドウ糖との負荷後の血糖値及び血中インスリン値の推
移には有意な差がないことが認められている。
【0068】また、トレーランG75は、1瓶(225
ml)中にデンプン部分加水分解物100.0g(ブド
ウ糖に換算して75.0g)を含有する。 (1−2)糖摂取の際の負荷条件 被験者は前日の午後9時以降、試験直前まで絶食を行い
午前中から実験を行った。実験中はトレーランG75以
外のものの摂取は行わなかった。また試験前日の9時以
降から試験終了後まで飲酒、喫煙は行わないようにし
た。 (1−3)糖摂取前後での汗の採取法 トレーランG75摂取前に3回、摂取後に12回の合計
15回のサンプリングを15分毎に行った。汗の採取は
人指し指を洗浄後5分間静置し、5%エタノール水を1
0秒噴霧した。
【0069】回収法は、指に付着した水滴を小さなスプ
ーンを用いて1.2mlの容器(バイアル)中へ掻き落
とす方法を用いて行った。
【0070】水滴採取後、減圧乾燥をしたのち誘導体化
を行った。 (1−4)血糖値の測定 糖摂取の際の血糖値は、水滴を採取する人差し指以外の
指先から少量の血を採取し、簡易型血糖センサ(グルテ
ストEII−3 三和化学研究所)を用いて測定を行っ
た。
【0071】血糖値の測定は水滴採取とほぼ同時に行っ
た。 測定条件:ここでは、汗サンプルの液体クロマトグラフ
による測定条件を示す。
【0072】検出器:Diode array det
ector 350RS(大塚電子株式会社) ポンプ:LC−9A(島津製作所) カラム:CAPCELL PAK C18 2.0mm
i.d.×150mm(SHISEIDO) 溶離液:アセトニトリル/0.1Mリン酸緩衝液(pH
7)=18/82 流量:0.200ml/min 検出波長:245nm サンプル注入量:10μl (1−5)結果 被験者2人に糖摂取実験を行った際の汗中グルコース絶
対量及び血糖値の時間変化の代表例を図6〜図7に示
す。図6、図7はそれぞれ異なる被験者である。図6の
A及び図7のCは血糖値の時間変化を示し、図6のB及
び図7のDは汗中のグルコース絶対量の時間変化を示
す。
【0073】図6及び図7では、横軸に時間(分)、左
縦軸に汗中グルコース絶対量(pmol)、右縦軸に血
糖値(mg/dl)を表しており、◆は汗中グルコース
絶対量、■は血糖値を示している。
【0074】図8は本発明の実施例を示すグルコース測
定用試料回収装置の模式図である。
【0075】この図において、51は試料採取箱、52
は加熱装置、53は霧吹き装置、54は加熱装置52及
び霧吹き装置53を駆動させる光電スイッチ、55は鍔
付き回収具、56はその鍔付き回収具55の装着空間、
57はその装着空間56の開閉蓋、58はその開閉蓋の
枢着部、59は被験者の指である。
【0076】試料採取箱51内には加熱装置52が配置
されており、試料採取箱51内は使用中は温度を高くし
ておき、被験者の指59からの発汗を促すようにしてい
る。そこで、被験者の指59が試料採取箱51に挿入さ
れると、これを光電スイッチ(タイマー付き)54が検
出し、所定のタイミング(指59からの発汗時間)を得
た後に霧吹き装置53を動作させて汗成分を含む水分を
鍔付き回収具55で受けて回収する。その回収された汗
成分を含む水分は鍔付き回収具55ごと装着空間56か
ら取り出して、グルコース測定用試料とすることができ
る。新たな被験者のグルコース測定を行う場合には、新
たな鍔付き回収具を装着して、上記した手順でグルコー
ス測定用試料を得ることができる。
【0077】また、汗成分を含む水分の指表面からの回
収は、指表面に接する輪状の回収具61を駆動装置(図
示せず)により指の上方から下方へ駆動することにより
掻き集めるようにすることができる。
【0078】このように、本発明のグルコース測定用試
料回収装置は、霧吹きの過程と指の皮膚上の水溶液の回
収過程とを連続的に行うことができる。
【0079】次に、汗中のグルコース濃度の測定を実施
した。
【0080】指あるいは腕の皮膚を清浄化した後、その
部分を二つの出入口を備えた容器で覆い、乾燥空気を導
き、容器より出てくる空気を、発汗計(Kenz Pe
rspiro 210、スズケン)に導き、前記皮膚よ
りグルコース成分を回収し、定量した。この発汗量とグ
ルコース量との関係から発汗中のグルコース濃度を求め
た。このグルコース濃度と血糖値の相関を調べたとこ
ろ、良い相関が得られた。
【0081】別の上記した実施例では、グルコース絶対
量と血糖の関係を見出しているが、発汗量を測定するこ
とにより、汗中のグルコース濃度と血糖値との相関を求
めることが可能である。
【0082】また、界面活性剤を含んだ水溶液により発
生させた気泡を汗成分を有する皮膚上に塗布し、次い
で、前記気泡及びこの気泡から生じた水分を皮膚より回
収し、この中に含まれる糖分を測定することができる。
【0083】更に、本発明は、皮膚上の有機化合物及び
又は無期化合物の定量にも応用できる。
【0084】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0085】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。
【0086】(A)簡易にグルコース測定を行うことが
可能になる。
【0087】(B)非侵襲・非観血での測定法であり、
非常に用いやすい。また、容易に在宅医療に用いること
ができる。
【0088】(C)糖尿病のシステム管理にも用いるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す皮膚表面に存在するグル
コース測定方法の説明図である。
【図2】本発明の実施例を示す指皮膚表面に付着した水
分を回収するための方法(その1)の説明図である。
【図3】本発明の実施例を示す指皮膚表面に付着した水
分を回収するための方法(その2)の説明図である。
【図4】本発明の実施例を示す指皮膚表面に付着した水
分を回収するための方法(その3)の説明図である。
【図5】本発明の実施例を示す皮膚表面に存在するグル
コース測定装置の模式図である。
【図6】被験者2人に糖摂取実験を行った際の汗中グル
コース濃度及び血糖値の変化の代表例を示す図(その
1)である。
【図7】被験者2人に糖摂取実験を行った際の汗中グル
コース濃度及び血糖値の変化の代表例を示す図(その
2)である。
【図8】本発明の実施例を示すグルコース測定用試料回
収装置の模式図である。
【符号の説明】
1 被験者の手 2 人指し指 3 5%エタノール水溶液 4 小型噴霧器 5,12,22,32 水滴 6,14,24,33 容器 11,21,31 指 13 スプーン 23 ゴム輪 32′ 回収された水滴 41 PC(パーソナルコンピュータ) 42 ダイオードアレー検出器 43 貯槽(リザーバー) 44 溶離剤(eluent) 45 噴霧器 46 カラム 47 ポンプ 51 試料採取箱 52 加熱装置 53 霧吹き装置 54 光電スイッチ 55 鍔付き回収具 56 鍔付き回収具の装着空間 57 開閉蓋 58 開閉蓋の枢着部 59 被験者の指 61 輪状の回収具

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 霧吹きにより水分を汗成分を有する皮膚
    表面へ塗布し、ついで該皮膚表面の水分を回収し、この
    中に含まれる糖分を測定することを特徴とする皮膚表面
    に存在するグルコース測定方法。
  2. 【請求項2】 界面活性剤を含んだ水溶液により発生さ
    せた気泡を汗成分を有する皮膚表面へ塗布し、次いで、
    前記気泡及び該気泡から生じた水分を前記皮膚表面より
    回収し、この中に含まれる糖分を測定することを特徴と
    する皮膚表面に存在するグルコース測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の皮膚表面に存在す
    るグルコース測定方法において、指に付着した水滴をス
    プーンを用いて容器中へ掻き落とすことを特徴とする皮
    膚表面に存在するグルコース測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の皮膚表面に存在す
    るグルコース測定方法において、指に付着した水滴をゴ
    ム輪を指の根元から指先まで滑らせることによって容器
    中へ回収することを特徴とする皮膚表面に存在するグル
    コース測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の皮膚表面に存在す
    るグルコース測定方法において、指に付着した水滴を袋
    状になった容器を指全体にかぶせそれを指先まで滑らせ
    ることにより容器に回収することを特徴とする皮膚表面
    に存在するグルコース測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の皮膚表面に存在す
    るグルコース測定方法において、指に付着した水滴を綿
    状の繊維の吸い取り材で集めた後、該吸い取り剤を遠心
    分離にかけ、糖分を含んだ水分を回収することを特徴と
    する皮膚表面に存在するグルコース測定方法。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の皮膚表面に存在す
    るグルコース測定方法において、前記回収した水分を直
    接に高感度グルコースセンサーにより測定することを特
    徴とする皮膚表面に存在するグルコース測定方法。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2記載の皮膚表面に存在す
    るグルコース測定方法において、前記回収した水分を固
    体抽出剤に入れグルコース成分のみを回収し、次いで高
    感度グルコースセンサーにより測定することを特徴とす
    る皮膚表面に存在するグルコース測定方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の皮膚表面に存在するグル
    コース測定方法において、指を洗浄後、よく拭き取り、
    所定の時間静置して汗をためた後、小型噴霧器を用い
    て、指全体に10秒間5%エタノール水溶液を噴霧し、
    指に付着した水滴を容器に回収することを特徴とする皮
    膚表面に存在するグルコース測定方法。
  10. 【請求項10】 試料回収箱内に加熱装置と霧吹き装置
    と回収具とを備え、指を前記試料回収箱に挿入すること
    により、前記指からの発汗過程と前記指の表面への霧吹
    きの過程と前記指の表面上の水溶液の回収過程とを連続
    的に行うことを特徴とするグルコース測定用試料回収装
    置。
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JP2006343258A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Kanebo Foods Ltd 皮膚放出成分測定方法
JP2010048791A (ja) * 2008-08-25 2010-03-04 Pico Device:Kk 汗よりのグリコアルブミン判定方法、および測定方法およびキット
JP2015055620A (ja) * 2013-09-11 2015-03-23 有限会社ピコデバイス パーキンソン病の早期診断方法
EP3108806A1 (en) * 2015-06-22 2016-12-28 Surescreen Diagnostics Limited Detection apparatus

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