JP2003313252A - イタコン酸誘導体およびその重合体 - Google Patents

イタコン酸誘導体およびその重合体

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JP2003313252A JP2002119645A JP2002119645A JP2003313252A JP 2003313252 A JP2003313252 A JP 2003313252A JP 2002119645 A JP2002119645 A JP 2002119645A JP 2002119645 A JP2002119645 A JP 2002119645A JP 2003313252 A JP2003313252 A JP 2003313252A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶性の重合体は、光学異方性体フィルム、液
晶配向膜、光記録材料などに利用されている。従来、こ
のような用途には液晶性アクリレートの重合体が用いら
れてきたが、この重合体は耐熱性や機械的強度などが低
い。 【解決手段】式(1)のイタコン酸誘導体。好ましいR
は、H、F、Cl、−NCO、−CF、−CF
H、−OCF、−OCFH、および炭素数1〜1
2のアルキル又はアルコキシである。好ましいRは炭
素数1〜20の脂肪族アルキル又は炭素数3〜20の環
状アルキルである。好ましいA〜Aは、任意のHが
Fで置き換えられてもよい1,4−シクロへキシレン、
1,4−シクロヘキセニレン、任意のHがFで置き換え
られてもよい1,4−フェニレンなどである。Z〜Z
は、単結合、−COO−、−CFO−、−CH
−、−CHCH−、−C≡C−などである。mは1
又は0であり、nは1〜20の整数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の属する技術分野】本発明は光学補償膜、液晶
配向膜、光書き込み記録材料などに利用できる液晶性イ
タコン酸重合体と、その原料であるイタコン酸誘導体に
関する。
【0002】
【従来の技術】側鎖に液晶性の基を有する重合体は、位
相差フィルムなどの光学異方性体(特開平9−2089
57)、液晶配向膜(特開昭62−70407)、偏光
ビ−ムスプリッタ−(特開平11−100575)、リ
ライタブル記録媒体などの光記録材料(特開平10−6
2739)に利用されている。従来から、このような用
途には、重合が容易なアクリレートの重合体が一般的に
用いられてきた。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アクリ
レート(例えば、AC1)の単独重合体は、耐熱性、機
械的強度などが低い。そのため現状では、多官能アクリ
レートとの共重合を行うなどの化学的な方法や、フィラ
ーを添加するなどの物理的な方法により、耐熱性、機械
的な強度の向上が試みられている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
を根本的に解決すべく鋭意検討した結果、特定のイタコ
ン酸誘導体から得られる重合体が、耐熱性、耐光性など
を有することを見いだし、この知見に基づいて本発明を
完成した。本発明は下記の構成を有する。 [1]式(1)で表されるイタコン酸誘導体。 この式において、Rは水素、フッ素、塩素、−NC
O、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアル
キルにおいて、任意の−CH−は−O−、−S−、−
COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられ
てもよく、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよ
く;Rは炭素数1〜20のアルキルであり、このアル
キル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO
O−、−OCO−、または−CO−で置き換えられても
よく;A、AおよびAは、独立して、1,4−シ
クロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き
換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロ
ヘキセニレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの
水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、
ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイ
ル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6
−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−
2,6−ジイル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタ
レン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、
または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり;Z
およびZは、独立して、単結合、−COO−、−O
CO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、
−OCH−、−CHCH−、−CH=CH−、ま
たは−C≡C−であり;mは1または0であり、nは1
〜20の整数である。 [2]式(1)においてmが0である、[1]に記載の
イタコン酸誘導体。 [3]式(1)においてmが1である、[1]に記載の
イタコン酸誘導体。 [4]少なくとも2つの重合性化合物を含有し、その少
なくとも1つが[1]に記載のイタコン酸誘導体である
重合性組成物。 [5]重合性化合物のすべてが[1]に記載のイタコン
酸誘導体である、[4]に記載の重合性組成物。 [6][1]に記載のイタコン酸誘導体の少なくとも1
つと、[1]に記載のイタコン酸誘導体以外の重合性化
合物の少なくとも1つとを含有する、[4]に記載の重
合性組成物。 [7]式(2)で表される繰り返し単位を有する重合
体。 この式において、Rは水素、フッ素、塩素、−NC
O、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアル
キルにおいて、任意の−CH−は−O−、−S−、−
COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられ
てもよく、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよ
く;Rは炭素数1〜20のアルキルであり、このアル
キル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO
O−、−OCO−、または−CO−で置き換えられても
よく;A、AおよびAは、独立して、1,4−シ
クロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き
換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロ
ヘキセニレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの
水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、
ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイ
ル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6
−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−
2,6−ジイル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタ
レン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、
または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり;Z
およびZは、独立して、単結合、−COO−、−O
CO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、
−OCH−、−CHCH−、−CH=CH−、ま
たは−C≡C−であり;mは1または0であり、nは1
〜20の整数である。 [8][1]に記載のイタコン酸誘導体の1つを単独重
合させて得られる、[7]に記載の重合体。 [9][5]に記載の重合性組成物から得られる、
[7]に記載の重合体。 [10][6]に記載の重合性組成物から得られる、
[7]に記載の重合体。 [11][7]〜[10]のいずれか1項に記載の重合体を
含有する光学補償膜。 [12][7]〜[10]のいずれか1項に記載の重合体を
含有する光書き込み記録材料。 [13][7]〜[10]のいずれか1項に記載の重合体を
含有する液晶配向膜。
【0004】
【発明の実施の形態】以下の説明においては、式(1)
で表される本発明のイタコン酸誘導体を、化合物(1)
で表記することがある。式(2)で表される繰り返し単
位を、繰り返し単位(2)で表記することがある。繰り
返し単位(2)を有する本発明の重合体を、重合体
(2)で表記することがある。そして、下記に示す基を
液晶骨格(1)と称することがある。 なお、本発明において、化学式中に存在する複数の同じ
種類の基のうちから、不特定の基を選択する場合に用い
る用語「任意の」は、その基の位置だけでなく、個数に
ついても任意であることを示す。
【0005】化合物(1)および重合体(2)は次の特
徴を有する。 (i)化合物(1)は、光や水分などに不安定な基であ
るアゾ、ジアゾ、アゾキシなどを含まない。 (ii)化合物(1)は、重合性のイタコン酸エステル基
と立体的に大きな液晶骨格(1)の間にアルキレン鎖を
有する。立体的な込み合いがないので、化合物(1)は
高い重合反応性を有する。 (iii)化合物(1)の重合反応性が高いので、高分子
量の重合体が得られる。その結果、重合体(2)は高い
耐熱性を有している。 (iv)液晶骨格(1)が主鎖から離れており、主鎖の立
体的な拘束を受けにくいので、重合体(2)は液晶性を
発現しやすい。その結果、重合体(2)は広い液晶相の
温度範囲を有している。 (v)化合物(1)が光に安定であるため、これから得
られる重合体(2)も耐光性に優れている。 このように重合体(2)は、従来の液晶性アクリレート
重合体にはない優れた性能を有する。
【0006】最初に、本発明のイタコン酸誘導体につい
て説明する。本発明のイタコン酸誘導体は、式(1)で
表される。 この式中のRは、水素、フッ素、塩素、−NCO、ま
たは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルに
おいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO
O−、−OCO−、または−CO−で置き換えられても
よい。そして、このアルキル中の複数の−CH−が、
−O−、−S−、−COO−、−OCO−、および−C
O−のうちのそれぞれ異なる基で置き換えられてもよ
い。その一例は、−O−CHCH−COO−であ
る。しかしながら、連続している2つの−CH−が、
−O−O−、−O−S−、または−S−S−のように置
き換えられることはない。そして、このアルキル中の任
意の水素はフッ素で置き換えられてもよい。
【0007】好ましいRは、水素、フッ素、塩素、−
NCO、炭素数1〜3のフッ素化アルキル、炭素数1〜
3のフッ素化アルキルオキシ、炭素数1〜12の直鎖の
アルキル、および炭素数1〜12の直鎖のアルコキシで
ある。フッ素化アルキルおよびフッ素化アルキルオキシ
のうちで特に好ましい基は、−CF、−CFH、−
OCF、および−OCFHである。アルキルおよび
アルコキシのうちで特に好ましい基は、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシ、エトキシ、
プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキ
シルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニル
オキシ、およびデシルオキシである。Rが−CF
−OCF、−NCO、フッ素、または塩素であるとき
の液晶骨格(1)は、重合体(2)が正の誘電率異方性
値を有し易い構造である。
【0008】式(1)中のRは、炭素数1〜20のア
ルキルであり、このアルキル中の任意の−CH−は、
−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−C
O−で置き換えられてもよい。Rの場合と同様に、複
数の−CH−がこれらの基のうちのそれぞれ異なる基
で置き換えられてもよい。好ましいRは、炭素数1〜
20の直鎖状アルキル、炭素数1〜20の分岐状アルキ
ル、または炭素数3〜20の環状のアルキルである。直
鎖状アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシルなどである。分岐状アルキルの例は、イソプ
ロピル、sec−ブチル、t−ブチル、1−メチルブチ
ル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2−メチル
ヘキシル、4−メチル−2−ペンチル、sec−ヘプチ
ル、sec−オクチルなどである。
【0009】環状アルキルの例は、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロ
ヘプチル、シクロドデシル、4−メチルシクロヘキシ
ル、4−エチルシクロヘキシル、4−プロピルシクロヘ
キシル、4−ブチルシクロヘキシル、4−ペンチルシク
ロヘキシル、4−ヘキシルシクロヘキシル、4−ヘプチ
ルシクロヘキシル、4−オクチルシクロヘキシル、4−
ノニルシクロヘキシル、4−デシルシクロヘキシル、ト
ランス−4−シクロヘキシルシクロヘキシル、トランス
−4−(4−メチルシクロヘキシル)シクロヘキシル、
トランス−4−(4−エチルシクロヘキシル)シクロヘ
キシル、トランス−4−(4−n−プロピルシクロヘキ
シル)シクロヘキシル、トランス−4−(4−n−ペン
チルシクロヘキシル)シクロヘキシル、トランス−4−
(4−n−ヘキシルシクロヘキシル)シクロヘキシル、
トランス−4−(4−n−ヘプチルシクロヘキシル)シ
クロヘキシル、トランス−4−(4−n−オクチルシク
ロヘキシル)シクロヘキシル、ノルボニル、カンフェニ
ル、トリシクロデシル、アダマンチル、ジメチルアダマ
ンチルなどである。
【0010】重合反応性を考慮するとき特に好ましいR
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
イソプロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、4−ブチ
ルシクロヘキシル、1−メチルブチル、2−メチルブチ
ル、および3−メチルブチルである。
【0011】式(1)中のA〜Aは環構造の2価基
である。好ましいA、AまたはAの例を次に示
す。
【0012】式(1)中のZおよびZは結合基であ
る。好ましいZまたはZは、単結合、−COO−、
−OCO−、−C≡C−、−CFO−、−OCF
−、−CHO−、−OCH−、および−CH
−である。化合物(1)において、ZおよびZ
の少なくとも1つが、単結合、−COO−、−OCO
−、または−C≡C−である場合は、屈折率異方性の大
きな重合体が得られる傾向がある。ZおよびZの少
なくとも1つが、−CFO−、−OCF−、−CH
O−、−OCH−、または−CHCH−である
場合は、液晶骨格(1)の柔軟性が増大するので、比較
的低い粘性の重合体が得られる傾向がある。
【0013】A〜AとZ〜Zの組み合わせにつ
いて説明する。室温において重合体(2)が液晶相を有
するためには、液晶骨格(1)においてmが0であるこ
とが好ましい。即ち、次の(1−1)〜(1−10)で
ある。 これらの式中のR、AおよびAの意味は、前記と
同じである。
【0014】mが1である液晶骨格(1)は3つの環を
有する。3環の液晶骨格(1)を有する重合体は、液晶
相の上限温度が一般的に高い。3環構造であるときの、
〜AとZ〜Zの好ましい組み合わせは次の通
りである。
【0015】 これらの式中のR、A、AおよびAの意味は、
前記と同じである。
【0016】化合物(1)が重合し易く、その重合によ
って得られる重合体が液晶相を有するためには、式
(1)中のnは1〜20の整数であることが好ましい。
より好ましいnは3〜11である。そして、化合物
(1)が1,4−シクロへキシレンまたは1,3−ジオ
キサン−2,5−ジイルを有する場合には、その立体配
置はシス型よりトランス型が好ましい。化合物の物性に
大きな差異がないので、化合物(1)はH(重水
素)、13Cなどの同位体を天然存在比の量より多く含
んでもよい。
【0017】次に、化合物(1)の製造方法について説
明する。化合物(1)は、次の方法に従って製造でき
る。先ず、無水イタコン酸とアルコ−ル誘導体ROH
とのエステル化反応によりイタコン酸モノエステル
(a)を製造する。アルコ−ル誘導体(b)は、ヒドロ
キシル基を含む液晶骨格(1)とω−ブロモアルカノ−
ルを、塩基を用いてエ−テル化することにより製造す
る。塩基の例は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
炭酸カリウム、水素化ナトリウムなどである。イタコン
酸モノエステル(a)とアルコ−ル誘導体(b)を、ジ
シクロヘキシルカルボジイミドまたは1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
などの縮合剤を用いてエステル化することにより、化合
物(1)を製造する。
【0018】 (これらの式中のR、R、A〜A、Z
、m、およびnの意味は、前記の通りである。)
【0019】この他、出発物質に目的の末端基、環およ
び結合基を導入する方法は、ホーベン−ワイル(Houben
-Wyle, Methods of Organic Chemistry, Georg Thieme
Verlag, Stuttgart)、オーガニック シンセシーズ(O
rganic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、オーガ
ニック リアクションズ(Organic Reactions, JohnWil
y & Sons Inc.)、コンプリヘンシブ オーガニック
シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Perga
mon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載され
ている。
【0020】結合基ZまたはZを生成する方法の一
例に関して、最初にスキームを示し、次に項(I)〜項
(VII)でスキームを説明する。これらのスキームにお
いて、MSGおよびMSGはどちらも、少なくとも
1つの環を有する1価の有機基である。スキームに示さ
れている複数のMSG(またはMSG)は、同一で
あってもよいし、異なってもよい。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】(I)単結合の生成 アリールホウ酸(21)と公知の方法で合成される化合
物(22)とを、炭酸塩水溶液とテトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で反
応させて化合物(1A)を合成する。この化合物(1
A)は、公知の方法で合成される化合物(23)にn−
ブチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、ジクロ
ロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような
触媒の存在下で化合物(22)を反応させることによっ
ても合成される。
【0025】(II)−COO−と−OCO−の生成 化合物(23)にn−ブチルリチウムを、続いて二酸化
炭素を反応させてカルボン酸(24)を得る。化合物
(24)と、公知の方法で合成されるフェノール(2
5)とをDDC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド)とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存
在下で脱水させて−COO−を有する化合物(1B)を
合成する。この方法によって、−OCO−を有する化合
物も合成できる。
【0026】(III)−CFO−と−OCF−の生
成 化合物(1B)をローソン試薬のような硫黄化剤で処理
して化合物(26)を得る。化合物(26)をフッ化水
素ピリジン錯体とNBS(N−ブロモスクシンイミド)
でフッ素化し、−CFO−を有する化合物(1C)を
合成する。M. Kuroboshi et al., Chem. Lett., 1992,
827.を参照。化合物(1C)は化合物(26)を(ジエ
チルアミノ)サルファ トリフルオリドでフッ素化して
も合成される。William H. Bunnelle et al., J. Org.
Chem. 1990, 55, 768.を参照。この方法によって、−O
CF−を有する化合物も合成できる。
【0027】(IV)−CH=CH−の生成 化合物(23)をn−ブチルリチウムで処理した後、
N,N−ジメチルホルムアミドなどのホルムアミドと反
応させてアルデヒド(28)を得る。公知の方法で合成
されるホスホニウム塩(27)をカリウムt−ブトキシ
ドのような塩基で処理して発生させたリンイリドを、ア
ルデヒド(28)に反応させて化合物(1D)を合成す
る。反応条件によってはシス体が生成するので、必要に
応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化す
る。
【0028】(V)−CHCH−の生成 化合物(1D)をパラジウム炭素のような触媒の存在下
で水素化することにより、化合物(1E)を合成する。
【0029】(VI)−C≡C−の生成 ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下で、
化合物(23)に2−メチル−3−ブチン−2−オール
を反応させたのち、塩基性条件下で脱保護して化合物
(30)を得る。ジクロロパラジウムとハロゲン化銅と
の触媒存在下、化合物(30)を化合物(22)と反応
させて、化合物(1G)を合成する。
【0030】(VII)−CHO−または−OCH
の生成 化合物(28)を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤
で還元して化合物(32)を得る。これを臭化水素酸な
どでハロゲン化して化合物(33)を得る。炭酸カリウ
ムなどの存在下で、化合物(33)を化合物(25)と
反応させて化合物(1J)を合成する。
【0031】これらの方法により、No.1〜No.1
18の化合物を製造する。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】次に、本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、化合物(1)の少なくとも1つを含
有し、これと共重合可能な化合物を含有してもよい重合
性組成物である。即ち、含有される重合性化合物のすべ
てが化合物(1)である重合性組成物、および化合物
(1)と化合物(1)以外の重合性化合物とを含有する
重合性組成物である。以下の説明では、化合物(1)以
外の重合性化合物を他のモノマーと称する。他のモノマ
ーを使用する目的は、化合物(1)との共重合によって
得られる共重合体に、皮膜形成性と機械的強度を付与す
ることである。この目的が達成されること以外に、他の
モノマーを選択するための条件はない。他のモノマー
は、液晶性であっても、そうでなくてもよい。本発明の
重合性組成物において、化合物(1)の好ましい含有量
は、組成物全量に基づく割合で5〜100モル%であ
る。そして、この重合性組成物には、重合反応を行うに
際し、必要に応じて溶媒や触媒を加えることができる。
【0042】次に、本発明の重合体について説明する。
化合物(1)の1つを重合させると単独重合体が得られ
る。含有される重合性化合物が少なくとも2つの化合物
(1)である重合性組成物を重合させると、化合物
(1)のみの共重合体が得られる。化合物(1)と他の
モノマーとを含有する重合性組成物を重合させても共重
合体が得られる。これらの単独重合体および共重合体
は、どれも繰り返し単位(2)を有する。繰り返し単位
(2)中の記号の意味は前記の通りである。共重合体に
おける繰り返し単位(2)の配列は、ランダム、ブロッ
ク、交互、グラフトなどのいずれであってもよい。
【0043】重合体(2)は、化合物(1)の1つまた
は重合性組成物を熱または光により重合させて製造す
る。熱重合の反応温度は0〜150℃、反応時間は1〜
100時間であり、通常ラジカル重合開始剤を用いる。
ラジカル重合開始剤の例は、過酸化ベンゾイル、ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキ
シピバレート、t−ブチルパーオキシジイソブチレー
ト、過酸化ラウロイル、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジ
メチル(MAIB)、ジt−ブチルパーオキシド(DT
BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、
アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(ACN)など
である。
【0044】光または電子線等の照射による重合におい
ては、通常光ラジカル重合開始剤を用いる。光ラジカル
重合開始剤の例は、チバ・スペシャリティー・ケミカル
(株)の製品のうちから、ダロキュアー1173(2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン)、イルガキュアー184(1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン)、イルガキュアー651
(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1
−オン)、イルガキュアー500、イルガキュアー29
59、イルガキュアー907、イルガキュアー369、
イルガキュアー1300、イルガキュアー819、イル
ガキュアー1700、イルガキュアー1800、イルガ
キュアー1850、ダロキュアー4265、イルガキュ
アー784などが挙げられる。
【0045】光ラジカル重合開始剤のその他の例は、p
−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−
トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9
−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、
ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリ
ールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混
合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロ
キシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチ
ルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4
−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メ
チル混合物などである。
【0046】重合体(2)は、アニオン重合法、配位重
合法、またはリビング重合法によっても製造することが
できる。これらの重合法で用いる好ましい開始剤は、n
−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチ
ルリチウム、t−ブチルリチウム−トリアルキルアルミ
ニウムなどのアルカリ金属アルキル、アルミニウム化合
物、遷移金属化合物などである。
【0047】重合反応には溶剤を用いてもよい。好まし
い溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシドなどである。これらの少なくとも2
つを混合した溶剤を用いてもよい。
【0048】次に、他のモノマーについて説明する。他
のモノマーのうち液晶性でない重合性化合物の例は、ビ
ニル系単量体、フマル酸ジエステル、イタコン酸誘導
体、イタコンアミド誘導体、マレイミド誘導体などであ
る。これらのうちでは、化合物(1)との共重合性に優
れているので、イタコン酸誘導体、イタコンアミド誘導
体、およびマレイミド誘導体が好ましい。
【0049】液晶性ではないイタコン酸誘導体の例は、
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸
ジプロピル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジペンチ
ル、イタコン酸ジヘキシル、イタコン酸ジヘプチル、イ
タコン酸ジオクチル、イタコン酸ジノニル、ジイタコン
酸デシル、イタコン酸ジイソプロピル、イタコン酸ジイ
ソブチル、イタコン酸ジt−ブチル、イタコン酸ジシク
ロヘキシル、イタコン酸ジシクロヘキシルメチル、イタ
コン酸ジsec−ブチル、イタコン酸ジアダマンチル、
イタコン酸ジ(ジメチルアダマンチル)、イタコン酸
α−メチル β−イソプロピル、イタコン酸 α−メチ
ル β−t−ブチル、イタコン酸 α−イソプロピル
β−メチル、イタコン酸 α−t−ブチル β−メチル
などである。
【0050】液晶性でないイタコンアミド誘導体の例
は、N−メチルイタコンアミド、N−エチルイタコンア
ミド、N−プロピルイタコンアミド、N−ブチルイタコ
ンアミド、N−ペンチルイタコンアミド、N−ヘキシル
イタコンアミド、N−ヘプチルイタコンアミド、N−オ
クチルイタコンアミド、N−ノニルイタコンアミド、N
−デシルイタコンアミド、N−オクタデシルイタコンア
ミド、N−イソプロピルイタコンアミド、N−t−ブチ
ルイタコンアミド、N−シクロヘキシルイタコンアミ
ド、N−(4−メチルシクロヘキシル)イタコンアミ
ド、N−フェニルイタコンアミド、N−(2−メチルフ
ェニル)イタコンアミド、N−(2−エチルフェニル)
イタコンアミド、N−(2−イソプロピルフェニル)イ
タコンアミド、N−(3−メチルフェニル)イタコンア
ミド、N−(4−メチルフェニル)イタコンアミド、N
−(4−エチルフェニル)イタコンアミド、N−トルイ
ルイタコンアミド、N−(2−クロロフェニル)イタコ
ンアミド、N−(3−クロロフェニル)イタコンアミ
ド、N−(4−クロロフェニル)イタコンアミド、N−
(4−メトキシフェニル)イタコンアミド、N−(4−
エトキシフェニル)イタコンアミド、N−(2,6−ジ
メチルフェニル)イタコンアミド、N−(2,6−ジエ
チルフェニル)イタコンアミドなどである。
【0051】液晶性でないマレイミド誘導体の例は、N
−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロ
ピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ペンチル
マレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−ヘプチルマ
レイミド、N−オクチルマレイミド、N−ノニルマレイ
ミド、N−デシルマレイミド、N−ウンデシルマレイミ
ド、N−ドデシルマレイミド、N−オクタデシルマレイ
ミド、N−イソプロピルマレイミド、N−(sec−ブ
チル)マレイミド、N−(t−ブチル)マレイミド、N
−(1−メチルブチル)マレイミド、N−(2−メチル
ブチル)マレイミド、N−(3−メチルブチル)マレイ
ミド、N−(sec−ヘキシル)マレイミド、N−(4
−メチル−2−ペンチル)マレイミド、N−(sec−
ヘプチル)マレイミド、N−(sec−オクチル)マレ
イミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブ
チルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、
N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エ
チルフェニル)マレイミド、N−(2−イソプロピルフ
ェニル)マレイミド、N−(2,6−ジメチルフェニ
ル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マ
レイミド、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)マ
レイミド、N−(2,4,6−トリメチルフェニル)マ
レイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N
−(3−メチルフェニル)マレイミド、N−(3−エチ
ルフェニル)マレイミド、N−(3−トリフルオロメチ
ルフェニル)マレイミド、N−(3,5−ジメチルフェ
ニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(4
−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−エチルフェ
ニル)マレイミド、N−(4−プロピルフェニル)マレ
イミド、N−(4−イソプロピルフェニル)マレイミ
ド、N−(4−ブチルフェニル)マレイミド、N−(4
−ペンチルフェニル)マレイミド、N−トリフルオロメ
チルマレイミド、N−〔1−(トリフルオロメチル)エ
チル〕マレイミド、N−〔2−(トリフルオロメチル)
エチル〕マレイミド、N−ヘキサフルオロイソプロピル
マレイミド、N−パ−フルオロイソプロピルマレイミ
ド、N−パ−フルオロブチルエチルマレイミド、N−パ
−フルオロオクチルエチルマレイミド、N−(2−クロ
ロエチル)マレイミド、N−(1−ブトキシ−2−プロ
ピル)マレイミド、N−(メトキシエチル)マレイミ
ド、N−(トリメチルシリル)マレイミド、N−(t−
ブチルジメチルシリル)マレイミド、N−(ジメチルト
キシシリル)マレイミド、N−(2−シアノエチル)マ
レイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)マレイミド、
N−(3−ヒドロキシプロピル)マレイミド、N−(4
−ヒドロキシブチル)マレイミド、N−(5−ヒドロキ
シペンチル)マレイミド、N−(6−ヒドロキシヘキシ
ル)マレイミド、N−(7−ヒドロキシヘプチル)マレ
イミド、N−(8−ヒドロキシオクチル)マレイミド、
N−(9−ヒドロキシノニル)マレイミド、N−(10
−ヒドロキシデシル)マレイミドなどである。
【0052】他のモノマーとして、次に例示するような
光学活性の化合物を用いることもできる。この場合は、
コレステリック液晶重合体、または強誘電性液晶重合体
を得ることができる。 (これらの式におけるyは、1〜20の整数である。)
【0053】ビニル系単量体は、重合体(2)に皮膜形
成性または透明性を付与することを目的に用いられる。
ビニル系単量体を選択するための条件は、この目的を達
成できることのみである。ビニル系単量体の例は、オレ
フィン、ハロゲン化ビニル、ビニルエステル、芳香族ビ
ニル系単量体、スチレン誘導体、ビニルエーテル、アル
キルビニルケトン、ジエン、(メタ)アクリレート、イ
タコネート、α、β−ビニルナフタレン、N−ビニルア
セトアミドなどである。オレフィンの例は、エチレン、
プロピレン、イソブテンなどである。ハロゲン化ビニル
の例は、塩化ビニル、フッ化ビニルなどである。ビニル
エステルの例は、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,
2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタ
ン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−
メチルブタン酸ビニルなどである。芳香族ビニル系単量
体の例は、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジ
メチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニルなどであ
る。スチレン誘導体の例は、スチレン、o−クロロスチ
レン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−
クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p
−クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどであ
る。
【0054】ビニルエーテルの例は、エチルビニルエー
テル、ヒドロキシブチルモノビニルエーテル、t−アミ
ルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールメチル
ビニルエーテルなどである。アルキルビニルケトンの例
は、メチルビニルケトン、イソブチルビニルケトンなど
である。ジエンの例は、ブタジエン、イソプレンなどで
ある。(メタ)アクリレートの例は、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、フェニル(メタ)アクリレートなどである。イ
タコネートの例は、ジメチルイタコネート、ジエチルイ
タコネート、ジブチルイタコネート、ジイソプロピルイ
タコネートなどである。なお、(メタ)アクリレート
は、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
【0055】フマル酸ジエステルの例は、フマル酸ジエ
チル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチル、フ
マル酸ジシクロヘキシル、フマル酸ジ(1−フェニル−
2−プロピル)、フマル酸ジsec−ブチル、フマル酸
ジt−ブチル、フマル酸ジ2−エチルヘキシル、フマル
酸イソプロピル=エチル、フマル酸イソプロピル=プロ
ピル、フマル酸イソプロピル=ブチル、フマル酸イソプ
ロピル=sec−ブチル、フマル酸イソプロピル=t−
ブチル、フマル酸イソプロピル=イソアミル、フマル酸
イソプロピル=sec−アミル、フマル酸イソプロピル
=sec−ヘキシル、フマル酸イソプロピル=4−メチ
ル−2−ペンチル、フマル酸イソプロピル=2−エチル
ヘキシル、フマル酸イソプロピル=オクチル、フマル酸
イソプロピル=シクロヘキシル、フマル酸イソプロピル
=ノニル、フマル酸t−ブチル=sec−ブチル、フマ
ル酸t−ブチル=シクロヘキシル、フマル酸t−ブチル
=4−メチル−2−ペンチル、フマル酸t−ブチル=2
−エチルヘキシル、フマル酸イソプロピル=シクロヘキ
シル、フマル酸イソプロピル=シクロペンチル、フマル
酸イソプロピル=2−フェニル−1−エチル、フマル酸
イソプロピル=3−フェニルプロピル、フマル酸イソプ
ロピル=1−フェニル−2−プロピル、フマル酸イソプ
ロピル=1−フェニル−1−プロピル、フマル酸イソプ
ロピル=(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸t−
ブチル=(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸シク
ロヘキシル=(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸
イソプロピル=[3−トリス(トリメチルシロキシ)シ
リル]プロピル、フマル酸イソプロピル=3−(ペンタ
メチルジシロキサニル)プロピル、フマル酸N、N−ジ
メチルアミノエチル=イソプロピル、フマル酸t−ブチ
ル=1−ブトキシ−2−プロピル、フマル酸2−シアノ
エチル=イソプロピル、フマル酸2−ヒドロキシエチル
=イソプロピル、フマル酸グリシジル=イソプロピル、
フマル酸イソプロピル=ジエチルホスフォメチル、フマ
ル酸2−メチルチオエチル=イソプロピル、フマル酸イ
ソプロピル=2−ヒドロキシエチルチオエチル=イソプ
ロピル、フマル酸パ−フルオロオクチルエチル=イソプ
ロピル、フマル酸トリフルオロメチル=イソプロピル、
フマル酸ペンタフルオロエチル=イソプロピル、フマル
酸ヘキサフルオロイソプロピル=イソプロピルなどであ
る。
【0056】重合体の被膜形成能をより高めるために、
多官能アクリレ−トを添加することもできる。好ましい
多官能アクリレ−トは、1,4−ブタンジオ−ルジアク
リレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルジアクリレ−ト、
1,9−ノナンジオ−ルジアクリレ−ト、ネオペンチル
グリコ−ルジアクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルジ
アクリレ−ト、ジプロピレングリコ−ルジアクリレ−
ト、トリプロピレングリコ−ルジアクリレ−ト、テトラ
エチレングリコ−ルジアクリレ−ト、トリメチロ−ルプ
ロパントリアクリレ−ト、トリメチロ−ルEO付加トリ
アクリレ−ト、ペンタエリスト−ルトリアクリレ−ト、
トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェ−ト、ビス
フェノ−ルA EO付加ジアクリレ−ト、ビスフェノー
ルAグリジジルエーテルジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレートなどである。ビスフェノール
Aグリジジルエーテルジアクリレートは、大阪有機化学
(株)からビスコート700として市販されている。
【0057】これらの液晶性でない他のモノマーを2つ
以上用いるときには、同じ種類から選択してもよいし、
異なる種類からそれぞれ少なくとも1つを選択してもよ
い。これらのモノマーの好ましい添加量は、化合物
(1)に対する割合で0.5〜50モル%である。十分
な被膜形成力を得るための好ましい割合は、0.5モル
%以上である。重合性組成物が液晶性を有するための好
ましい割合は、50モル%以下である。
【0058】他のモノマーとして、液晶性の骨格を有す
る重合性化合物を用いてもよい。この重合性化合物の例
は、アクリル酸誘導体(LC−1)、フマル酸誘導体
(LC−2)、ソルビン酸誘導体(LC−3)、マレイ
ミド誘導体(LC−4)、クロトン酸誘導体(LC−
5)などである。これらの液晶性化合物を用いることに
より、得られる重合体の液晶相温度範囲を調節すること
ができる。
【0059】(LC−1)の例を次に示す。 (上記の式におけるyは、1〜20の整数である。)
【0060】(LC−2)の例を次に示す。これらの式
において、Rは炭素数1〜15のアルキルであり、R
はメチル、エチル、2−メチルブチル、プロピル、オ
クチル、イソプロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、
4−ブチルシクロヘキシル、ノルボルニル、またはアダ
マンチルであり、yは1〜20の整数である。
【0061】次に、(LC−3)〜(LC−5)の例を
示す。これらの式におけるyは、1〜20の整数であ
る。
【0062】これらの液晶性の骨格を有する他のモノマ
ーを2つ以上用いるときには、同じ種類から選択しても
よいし、異なる種類からそれぞれ少なくとも1つを選択
してもよい。重合性組成物におけるこれらのモノマーの
好ましい含有量は、組成物全量に基づいて0.5〜95
モル%である。液晶温度範囲の調整が可能であるために
好ましい割合が、0.5モル%以上である。そして、共
重合体が得られるために好ましい割合が、95モル%以
下である。
【0063】重合体(2)が単離される場合には、これ
を溶剤に溶かして成形することができる。このとき用い
る好ましい溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメ
チルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミドジメチルアセタール、テトラヒドロフラン、ク
ロロホルム、1,4−ジオキサン、ビス(メトキシエチ
ル)エーテル、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿
素、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸エチル、ヘキ
サフルオロ−2−プロパノールなどである。しかし、使
用可能な溶剤はこれらに制限されない。これらの溶剤
と、アセトン、ベンゼン、トルエン、ヘプタン、塩化メ
チレンなどの一般的な有機溶剤との混合物も用いること
ができる。
【0064】重合体(2)は、液晶性を有するので、各
種の保護膜、光学補償膜、光書き込み記録材料などへの
応用が可能である。光学補償膜の例は位相差フィルムで
ある。重合体(2)は光学異方性薄膜とすることができ
るので、これを単独で位相差フィルムとして用いるか、
または他の位相差フィルムと組み合わせることができ
る。そしてこの位相差フィルムを、偏光板、円偏光板、
楕円偏光板、色補償板、視覚補償板などに応用すること
ができる。偏光板、円偏光板、楕円偏光板、色補償板、
視覚補償板なども、光学補償膜の例である。化合物
(1)から光重合により得られる重合体は、熱重合によ
り得られる重合体と同様な用途の他、偏光を用いること
によって、ラビングレスの配向膜に応用することができ
る。
【0065】液晶ディスプレーに用いられる位相差板
は、重合体(2)を有機溶剤に溶解したものを配向処理
した透明基板に塗布し、これをガラス転移点以上の温度
に加熱し、次いで放冷することにより、均一に配向した
重合体の薄膜(光学異方性薄膜)を形成させて製造す
る。透明基板は、ガラス板または高分子フィルムであ
る。高分子フィルムの例は、トリアセチルセルロース、
JSR(株)製の「アートン」、日本ゼオン(株)製の
「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学(株)
製の「アペル」などである。好ましい塗布方法は、マイ
クログラビアコート法、グラビアコート法、ワイヤーバ
ーコード法、デップコート法、スプレーコート法、メニ
スカスコート法などである。
【0066】光学異方性薄膜の厚さは所望の位相差値に
より異なり、その位相差値は光学異方性薄膜の複屈折率
により異なる。好ましい位相差値は大体0.05〜50
μmの範囲であり、より好ましい位相差値は大体0.1
〜20μmの範囲である。そして、さらに好ましい位相
差値は大体0.5〜10μmの範囲である。光学異方性
薄膜のヘイズ値は、1.5%以下、より好ましくは1.
0%以下であり、透過率で80%以上、より好ましくは
85%以上である。可視光領域で透過率がこれらの割合
を満たすことが好ましい。ヘイズ値の範囲1.5%以下
は、偏光性能に問題を生じさせないために好ましい条件
である。透過率の範囲80%以上は、この光学異方性薄
膜を液晶表示素子に用いるとき、明るさを維持するため
に好ましい条件である。
【0067】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。実施例中に記載した相転移温度において、Cは結
晶、Nはネマチック相、Chはコレステリック相、Sm
AはスメクチックA相、SmXは未同定のスメクチック
相、Iは等方性液体、Tmは重合体の融点を示す。重合
体の重量平均分子量(Mw)、多分散度(Mw/Mn)
は、GPC(ゲル・パーミェーション・クロマトグラフ
ィー)による測定値(排除限界1000万のカラムを用
い、分子量公知の標準ポリスチレンから換算)から算出
した。なお、単位記号Lはリットル(liter)を示す。
【0068】実施例1 (1-1)第1段階 <イタコン酸 β−モノエステルの製造>無水イタコン
酸(250g)、イソプロピルアルコ−ル(135g)
をフラスコに仕込み、100℃で6時間加熱攪拌した。
室温まで冷却した後、蒸留によって200gのイタコン
酸 β−モノイソプロピルを得た。 沸点:140〜160℃/26.6hPa、融点:47
【0069】上記の方法に準じ、イタコン酸 β−モノ
シクロヘキシル(融点:85〜87℃)、およびイタコ
ン酸 β−モノ(4−ブチルシクロヘキシル)(融点:
96〜98℃)を得た。これらの他、イタコン酸 β−
モノメチル、イタコン酸 β−モノエチル、およびイタ
コン酸 β−モノブチルを、市販品を再結晶することに
よって更に精製した。
【0070】(1-2)第2段階 <液晶骨格(1)の製造>(i)4−(トランス−4−
n−プロピルシクロヘキシル)フェノ−ル(30g)、
6−ブロモヘキサノ−ル(27.3g)、炭酸カリウム
(39g)をジメチルホルムアミド(300ml)に加
え、90℃で3時間攪拌した。反応液を3Nの塩酸1L
に注ぎ込んで結晶を析出させ、これを濾過して分取し
た。得られた結晶を水でよく洗浄した後、乾燥して32
gの4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシ
ル)−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ベンゼンを得
た。その相転移温度はC 61 SmX 69 Iであ
った。
【0071】前記と同様の方法により、以下の化合物を
製造した。 (ii)4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシ
ル)−(3−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンゼン 相転移温度:C 室温以下 SmX 68 I (iii)2−(4−n−ノニルオキシフェニル)−5−
(6−ヒドロキシオクチルオキシ)ピリミジン 相転移温度:C 53 SmX 87 I (iv)4−[2−(4−n−ペンチルフェニル)エチニ
ル]−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ベンゼン 相転移温度:C 82 N 92.6 I (v)2−[2−(4−n−ペンチルフェニル)エチニ
ル]−6−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ナフタレ
ン 相転移温度:C 115 N 140 I (vi)2−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)−6−
(4−プロピルフェニル)ナフタレン 融点:147℃ (vii)4−[4−(トランス−4−n−ブチルシクロ
ヘキシル)シクロヘキシル]−(6−ヒドロキシヘキシ
ルオキシ)ベンゼン 相転移温度:C 188 N 199.7 I (viii)2−(4−ヘキシルフェニル)−5−[4−
(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)フェニル]ピリジン 相転移温度: C 180 SmA 200 N 20
3 I
【0072】(1-3)第3段階 <液晶性イタコン酸誘導体の製造>イタコン酸 β−エ
チル α−6−[4−(トランス−4−n−プロピルシ
クロヘキシル)フェニル−4−イルオキシ]ヘキシル
(化合物No.4)の製造 4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)−
(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)ベンゼン(5g)、
イタコン酸 β−モノエチル(2.5g)を塩化メチレ
ン(100ml)に溶かして5℃まで冷やし、そこへジ
メチルアミノピリジン(0.1g)、1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
(3g)を加え、室温で12時間攪拌した。得られた反
応液に水50mlを加えて分液し、有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣を
シリカゲルクロマトグラフィ−で精製した。更に、エタ
ノ−ルと酢酸エチルの混合溶剤を用いて再結晶を行い、
1.7gの化合物No.4を得た。この化合物は液晶性
を有する。 H−NMR(CDCl、90MHz):δ(pp
m):0.88(3H、t、J=6Hz)、1.22
(3H、t、J=7.2Hz)、1.1〜2.1(22
m)、3.31(2H、s)、3.91(2H、t、J
=6.3Hz)、4.15(2H、t、J=6.3H
z)、4.12(2H、q、J=7.2Hz)、5.6
7(1H、s)、6.29(1H、s)、6.79(2
H、d、J=8.8Hz)、7.10(2H、d、J=
8.8Hz) 相転移温度:C 97.5 SmX 110 SA 1
19 I
【0073】実施例2 実施例1の方法に準じ、以下のイタコン酸誘導体を製造
した。 (i)化合物No.8 H−NMR(CDCl、90MHz):δ(pp
m):0.88(3H、t、J=6Hz)、1.28
(6H、d、J=6.3Hz)、1.1〜2.1(22
m)、3.29(2H、s)、3.92(2H、t、J
=6.3Hz)、4.16(2H、t、J=6.3H
z)、5.01(1H、m)、5.67(1H、d、J
=1Hz)、6.29(1H、d、J=1Hz)、6.
79(2H、d、J=8.8Hz)、7.10(2H、
d、J=8.8Hz) 油状物
【0074】(ii)化合物No.9 H−NMR(CDCl、90MHz):δ(pp
m):0.88(3H、t、J=6Hz)、0.8〜
2.1(41m)、3.31(2H、s)、3.92
(2H、t、J=6.3Hz)、4.13(2H、t、
J=6.3Hz)、5.79(1H、d、J=1H
z)、6.41(1H、d、J=1Hz)、6.79
(2H、d、J=8.8Hz)、7.10(2H、d、
J=8.8Hz) 油状物
【0075】(iii)化合物No.42 H−NMR(CDCl、90MHz):δ(pp
m):0.88(3H、t、J=6Hz)、1.22
(3H、t、J=7.2Hz)、1.2〜1.9(14
H、m)、2.60(2H、t、J=8Hz)、3.3
2(2H、s)、3.96(2H、t、J=8Hz)、
4.15(2H、q、J=7.2Hz)、4.17(2
H、t、J=8Hz)、5.68(1H、d、J=1H
z)、6.31(1H、d、J=1Hz)、6.84
(2H、d、J=9.0Hz)、7.13(2H、d、
J=9.0Hz)、7.42(2H、d、J=9.0H
z)、7.44(2H、d、J=9.0Hz) 油状物
【0076】(iv)化合物No.81 H−NMR(CDCl、90MHz):δ(pp
m):0.87(3H、t、J=6Hz)、0.80〜
2.00(35H、m)、3.47(2H、s)、3.
92(2H、t、J=8Hz)、4.14(2H、
q)、4.16(2H、t、J=8Hz)、5.68
(1H、d、J=1Hz)、6.31(1H、d、J=
1Hz)、6.80(2H、d、J=9Hz)、7.1
0(2H、d、J=9Hz) 相転移温度:C 室温以下 SmA 176 N 18
0 I
【0077】実施例3 <ラジカル重合による化合物No.4の重合体の製造>
化合物No.4(0.6g)、ジt−ブチルパ−オキシ
ド(0.0041g)をアンプルにとり、−60℃に冷
却して真空ポンプで十分脱気を行った後、封管した。封
管したアンプルを70℃で48時間反応させた。アンプ
ル内の内容物をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解
し、メタノ−ル(100ml)に投入して沈殿させた。
この操作を3回行った後、メタノ−ルで十分洗浄し、減
圧下で乾燥させ、0.4gの重合体(P1)を得た。 重量平均分子量(M):24,000 多分散度(Mw/Mn):1.44 相転移温度:Tm 200 N 250 I 重合体(P1)は、ネマチック液晶相を有する重合体で
あった。
【0078】実施例4 <光重合による化合物No.4の重合体フィルムの製造
>化合物No.4(100mg)、および光重合開始剤
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
1−オン(4mg)からなる組成物を調製した。セルギ
ャップが50μmとなるように、ポリフッ化エチレン製
の板とガラス板を張り合わせたセルを作製した。この組
成物をセルに110℃で注入した。同温度を保持したま
ま、高圧水銀灯(120W/cm)を用いて、ガラス
面側から5分間紫外線を照射した。照射後、セルを室温
に戻し、ガラス板とポリフッ化エチレン製の板を剥離し
て、重合体フィルム(LCF1)を得た。このフィルム
は、ムラがなくネマチック相を有する液晶重合体であっ
た。そして、この重合体の重量平均分子量は、20,0
00であった。 <重合体フィルム(LCF1)の物性評価> 表面硬度:JIS規格「JIS−K−54008.4、
鉛筆引っ掻き試験」により求めたこのフィルムの鉛筆硬
度はHであり、アクリル系重合体よりも表面硬度が高い
ことが判った。 耐光性:このフィルムを室外に放置して耐光性試験を行
った結果、1ヶ月経過後もこのフィルムに曇りや色つき
はなく、光による重合体構造の劣化は確認されなかっ
た。
【0079】実施例5 <液晶配向膜の製造>重合体(P1)をクロロホルムに
溶解して1重量%の溶液を調製した。この溶液をITO
膜を有するガラス基板にスピンコ−トした後、十分乾燥
させ薄膜を得た(膜厚30nm)。次に、ラビングによ
る配向処理を行い、ツイステッドネマチック用の液晶表
示素子を作製した。偏光板を取り付け、液晶配向性、電
気光学応答性を調べた。その結果、液晶が均一に配向し
ており、本発明の重合体が配向膜として優れていること
が判った。また電界に対する光学応答も早く、液晶表示
素子として優れていることが判った。
【0080】
【発明の効果】化合物(1)は重合反応性が高く、これ
を単独重合または共重合させることにより高分子量の重
合体(2)を得ることができる。重合体(2)は液晶性
を有し、さらに耐熱性、耐光性および機械的強度をも有
している。重合体(2)は位相差フィルムなどの光学補
償膜、液晶配向膜、光書き込み記録材料などに使用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BC22 4C055 AA01 BA16 BB08 CA01 DA01 4H006 AA01 AB46 BJ20 BJ50 BP30 4J100 AL46P AL91P AT08P AT15P BA02P BA04P BA12P BA15P BA20P BA45P BA51P BB01P BB07P BB17P BB18P BC02P BC03P BC04P BC07P BC08P BC09P BC12P BC23P BC43P BC44P BC45P BC48P BC49P BC59P BC69P BC73P CA01 CA03 JA32 JA39

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)で表されるイタコン酸誘導体。 この式において、Rは水素、フッ素、塩素、−NC
    O、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアル
    キルにおいて、任意の−CH−は−O−、−S−、−
    COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられ
    てもよく、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよ
    く;Rは炭素数1〜20のアルキルであり、このアル
    キル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO
    O−、−OCO−、または−CO−で置き換えられても
    よく;A、AおよびAは、独立して、1,4−シ
    クロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き
    換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロ
    ヘキセニレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの
    水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、
    ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイ
    ル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6
    −ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−
    2,6−ジイル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタ
    レン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、
    または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり;Z
    およびZは、独立して、単結合、−COO−、−O
    CO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、
    −OCH−、−CHCH−、−CH=CH−、ま
    たは−C≡C−であり;mは1または0であり、nは1
    〜20の整数である。
  2. 【請求項2】式(1)においてmが0である、請求項1
    に記載のイタコン酸誘導体。
  3. 【請求項3】式(1)においてmが1である、請求項1
    に記載のイタコン酸誘導体。
  4. 【請求項4】少なくとも2つの重合性化合物を含有し、
    その少なくとも1つが請求項1に記載のイタコン酸誘導
    体である重合性組成物。
  5. 【請求項5】重合性化合物のすべてが請求項1に記載の
    イタコン酸誘導体である、請求項4に記載の重合性組成
    物。
  6. 【請求項6】請求項1に記載のイタコン酸誘導体の少な
    くとも1つと、請求項1に記載のイタコン酸誘導体以外
    の重合性化合物の少なくとも1つとを含有する、請求項
    4に記載の重合性組成物。
  7. 【請求項7】式(2)で表される繰り返し単位を有する
    重合体。 この式において、Rは水素、フッ素、塩素、−NC
    O、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアル
    キルにおいて、任意の−CH−は−O−、−S−、−
    COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられ
    てもよく、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよ
    く;Rは炭素数1〜20のアルキルであり、このアル
    キル中の任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO
    O−、−OCO−、または−CO−で置き換えられても
    よく;A、AおよびAは、独立して、1,4−シ
    クロへキシレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き
    換えられた1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロ
    ヘキセニレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの
    水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、
    ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイ
    ル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6
    −ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−
    2,6−ジイル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタ
    レン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、
    または1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり;Z
    およびZは、独立して、単結合、−COO−、−O
    CO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、
    −OCH−、−CHCH−、−CH=CH−、ま
    たは−C≡C−であり;mは1または0であり、nは1
    〜20の整数である。
  8. 【請求項8】請求項1に記載のイタコン酸誘導体の1つ
    を単独重合させて得られる、請求項7に記載の重合体。
  9. 【請求項9】請求項5に記載の重合性組成物から得られ
    る、請求項7に記載の重合体。
  10. 【請求項10】請求項6に記載の重合性組成物から得ら
    れる、請求項7に記載の重合体。
  11. 【請求項11】請求項7〜10のいずれか1項に記載の
    重合体を含有する光学補償膜。
  12. 【請求項12】請求項7〜10のいずれか1項に記載の
    重合体を含有する光書き込み記録材料。
  13. 【請求項13】請求項7〜10のいずれか1項に記載の
    重合体を含有する液晶配向膜。
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