JP2003310277A - 細胞認識及び/又は細胞破壊能を有する新規タンパク質 - Google Patents

細胞認識及び/又は細胞破壊能を有する新規タンパク質

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JP2003310277A
JP2003310277A JP2002129344A JP2002129344A JP2003310277A JP 2003310277 A JP2003310277 A JP 2003310277A JP 2002129344 A JP2002129344 A JP 2002129344A JP 2002129344 A JP2002129344 A JP 2002129344A JP 2003310277 A JP2003310277 A JP 2003310277A
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cell
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Michio Oba
道夫 大庭
Hidekazu Mizushiro
英一 水城
Tetsuyuki Akao
哲之 赤尾
Hiroyuki Saito
浩之 齋藤
Satoko Yamashita
聡子 山下
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 特定の細胞を特異的に認識及び/又は破壊す
るタンパク質、該タンパク質をコードするDNA、該D
NAを含むベクター、該ベクターを含む形質転換された
宿主細胞、及びこれらを有効成分として含有する医薬組
成物の提供。 【解決手段】 特定のアミノ酸配列からなるタンパク
質、あるいは該配列において1以上のアミノ酸が欠失、
置換、付加若しくは挿入されたアミノ酸を含み、かつ活
性形態において細胞認識活性及び/又は細胞障害活性を
有するタンパク質。特定のヌクレオチド配列からなるD
NA、あるいは該DNAに対して相補的なヌクレオチド
配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズし、かつ活性形態において細胞認識活性及び
/又は細胞認識活性を有するタンパク質をコードするD
NA。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物由来の有用
なタンパク質に関し、詳細すれば、バチルス・チューリ
ンジエンシス(Bacillus thuringiensis:以下、BTと
略称することがある)A1462株由来である、細胞認識及
び細胞破壊能を持った新規タンパク質のアミノ酸配列及
びそれをコードしている遺伝子配列に関する。
【0002】
【従来の技術】バチルス・チューリンジエンシスは、1
901年に日本人研究者の石渡繁胤氏によって蚕の病原
細菌として発見された。以来、本細菌が生産する毒素タ
ンパク質は、微生物殺虫剤として幅広く農業害虫、衛生
害虫の防除に利用されてきた。
【0003】これまでの研究によって、殺虫活性を持つ
結晶性タンパク質は、アルカリによる可溶化後、必要に
応じてプロテアーゼ処理によって活性化され、昆虫に対
する毒性を発揮することが知られている。殺虫活性を持
つ結晶性タンパク質は、(1)プロテアーゼによって活
性化された状態において昆虫細胞に選択的な破壊活性を
示すCryタンパク質(通常、活性化形態では分子量60
〜75kDa)、及び(2)昆虫の細胞に対して非選択的な
破壊活性を有し、かつ赤血球の溶血活性を有するCyt
タンパク質(通常、活性化形態では分子量22〜30kDa)
に分類されることが明らかになっている。
【0004】細胞認識タンパク質としてのバチルス・チ
ューリンジエンシスの結晶性タンパク質は、Cryタン
パク質に代表される選択性の高さ、数十の遺伝子型に基
づく多様性の豊富さ、及び原核生物由来のタンパク質で
あるが故の遺伝子改変のし易さという、抗体等他の細胞
認識タンパク質にない優れた特徴を持っている。しか
し、その用途は、昆虫細胞を標的とした殺虫剤としての
利用に限定されている。また、殺虫活性を有する結晶性
タンパク質を発現している菌株は、BTのうちわずか3
0〜40%にすぎず、BT菌株が生産する殺虫活性を有
しない結晶性タンパク質の持つ性質については、これま
で不明であった。
【0005】本発明者らは、土壌、耕地土壌、森林土
壌,養蚕農家塵埃、貯穀塵埃、病死昆虫、植物、淡水等
から分離された、50種のH血清型と未知の血清型に属
する約2000株のバチルス・チューリンジエンシス菌
株を用いて、そしてバチルス・チューリンジエンシス菌
株に由来する活性が不明であった毒素タンパク質の中
に、アルカリによる可溶化後にプロテアーゼによって活
性化されると、脊椎動物細胞(癌細胞を含む)を選択的
に認識及び破壊する一群の新規タンパク質が存在するこ
とを世界に先駆けて明らかにした。殺虫活性を持たず、
分子量が20〜70kDaであり、かつ赤血球の溶血活性を有
しないこのタンパク質は、本発明者らの特許出願(特願
平9-347124:発明の名称「バチルス・チューリ
ンジエンシス菌由来タンパク質」)に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、脊椎動
物細胞(癌細胞を含む)に対して選択的な認識活性及び
障害活性を有する、一群のバチルス・チューリンジエン
シス菌に由来する新規タンパク質のうち、バチルス・チ
ューリンジエンシスA1462株の生産する毒素タンパク質
についてアミノ酸配列及びそれをコードしている遺伝子
配列を明らかにした。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、以下に
示される通りである。 (1)配列番号1で示されるヌクレオチド配列からなる
DNA。 (2)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるタン
パク質をコードするDNA。 (3)配列番号1のヌクレオチド配列からなるDNAに
対して相補的なヌクレオチド配列からなるDNAとスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ活性形
態において細胞認識活性を有するタンパク質をコードす
るDNA。 (4)上記タンパク質が溶血活性を有しない、(3)記
載のDNA。 (5)細胞認識活性が、白血病細胞、子宮癌細胞及び肝
癌細胞からなる群より選択される少なくとも1つの細胞
に対して特異的である、(3)又は(4)記載のDN
A。 (6)DNAがバチルス属由来である、(3)〜(5)
のいずれかに記載のDNA。 (7)DNAがバチルス・チューリンジエンシスA1462
株(受託番号FERMP−18787)由来である、
(6)記載のDNA。 (8)配列番号1のヌクレオチド配列からなるDNAに
対して相補的なヌクレオチド配列からなるDNAとスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ活性形
態において細胞障害活性を有するタンパク質をコードす
るDNA。 (9)上記タンパク質が溶血活性を有しない、(8)記
載のDNA。 (10)細胞障害活性が、白血病細胞、子宮癌細胞及び
肝癌細胞からなる群より選択される少なくとも1つの細
胞に対して特異的である、(8)又は(9)記載のDN
A。 (11)DNAがバチルス属由来である、(8)〜(1
0)のいずれかに記載のDNA。 (12)DNAがバチルス・チューリンジエンシスA146
2株(受託番号FERMP−18787)由来である、
(11)記載のDNA。 (13)(1)〜(12)のいずれかに記載のDNAを
含有するベクター。 (14)(13)記載のベクターを含有する形質転換
体。 (15)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるタ
ンパク質。 (16)配列番号2で示されるアミノ酸配列において1
以上のアミノ酸が欠失、置換、付加若しくは挿入された
アミノ酸を含み、かつ活性形態において細胞認識活性を
有するタンパク質。 (17)上記タンパク質が溶血活性を有しない、(1
6)記載のタンパク質。 (18)細胞認識活性が、白血病細胞、子宮癌細胞及び
肝癌細胞からなる群より選択される少なくとも1つの細
胞に対して特異的である、(16)又は(17)記載の
タンパク質。 (19)タンパク質がバチルス属由来である、(16)
〜(18)のいずれかに記載のタンパク質。 (20)タンパク質がバチルス・チューリンジエンシス
A1462株(受託番号FERM P−18787)由来で
ある、(19)記載のタンパク質。 (21)配列番号2で示されるアミノ酸配列において1
以上のアミノ酸が欠失、置換、付加若しくは挿入された
アミノ酸を含み、かつ活性形態において細胞障害活性を
有するタンパク質。 (22)上記タンパク質が溶血活性を有しない、(2
1)記載のタンパク質。 (23)細胞障害活性が、白血病細胞、子宮癌細胞及び
肝癌細胞からなる群より選択される少なくとも1つの細
胞に対して特異的である、(21)又は(22)記載の
タンパク質。 (24)タンパク質がバチルス属由来である、(21)
〜(23)のいずれかに記載のタンパク質。 (25)タンパク質がバチルス・チューリンジエンシス
A1462株(受託番号FERM P−18787)由来で
ある、(24)記載のタンパク質。 (26)(15)〜(25)のいずれかに記載のタンパ
ク質を含有する医薬組成物。 (27)(15)〜(20)のいずれかに記載のタンパ
ク質を含有する細胞標識剤。 (28)(15)及び(21)〜(25)のいずれかに
記載のタンパク質を含有する抗癌剤。 (29)(15)〜(25)のいずれかに記載のタンパ
ク質を生産する方法であって、以下の工程: (a)上記タンパク質を発現する細胞を培養する工程;
及び (b)上記タンパク質を回収する工程; を包含する、方法。 (30)(15)〜(25)のいずれかに記載のタンパ
ク質に対する抗体。 (31)(15)〜(20)のいずれかに記載のタンパ
ク質が認識する細胞を同定するための方法であって、以
下の工程: (a)培養培地中で、任意の細胞と上記タンパク質とを
インキュベートする工程;及び (b)上記タンパク質が上記細胞に対する細胞認識活性
を有するか否かを決定する工程; を包含する、方法。 (32)(15)及び(21)〜(25)のいずれかに
記載のタンパク質が細胞障害活性を示す細胞を同定する
ための方法であって、以下の工程: (a)培養培地中で、任意の細胞と上記タンパク質とを
インキュベートする工程;及び (b)上記タンパク質が上記細胞に対する細胞障害活性
を有するか否かを決定する工程; を包含する、方法。 (33)(c)上記タンパク質が溶血活性を有するか否
かを決定する工程をさらに包含する、(31)又は(3
2)に記載の方法。 (34)(15)〜(25)のいずれかに記載のタンパ
ク質に対して親和性を有する物質を同定する方法であっ
て、以下の工程: (a)上記タンパク質と被験物質とを接触させる工程; (b)上記被験物質が、上記タンパク質に対して親和性
を有するか否かを決定する工程; を包含する方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、配列番号2で示される
アミノ酸配列からなるタンパク質を提供する。本発明
は、さらに上記タンパク質に加え、配列番号2で示され
るアミノ酸配列において1以上のアミノ酸が欠失、置
換、付加若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、かつ
活性形態において細胞認識活性及び/又は細胞障害活性
を有するタンパク質を提供する。好ましくは、本発明の
タンパク質は、溶血活性を有しない。さらに、本発明
は、上記タンパク質のうち少なくとも20個、より好ま
しくは少なくとも15個、さらに好ましくは少なくとも
10個の連続するアミノ酸からなるペプチドを提供す
る。
【0009】「細胞障害活性」とは、特定の細胞を特異
的に破壊する能力をいう。例えば、MTTアッセイ等の
方法によって測定する場合に、特定の細胞に対する細胞
障害活性が、ネガティブコントロールに対する細胞障害
活性よりも有意に高い場合に、その細胞に対して細胞障
害活性を有するものとみなされる。ネガティブコントロ
ールとしては、本発明のタンパク質が細胞障害活性を示
さない任意の細胞が挙げられるが、例えば、NIH3T
3細胞をネガティブコントロールとして使用してもよ
い。
【0010】また、本発明のタンパク質は、特定の細胞
を特異的に認識し、かつ破壊することによって、特定の
細胞に対して特異的な細胞障害活性を示す。従って、本
発明のタンパク質は、特異的な「細胞認識活性」を有す
る。例えば、免疫沈降アッセイ、BIAcoreを用い
た相互作用解析により測定した場合に、特定の細胞に対
する細胞認識活性が、ネガティブコントロールに対する
細胞認識活性よりも有意に高い場合に、その細胞に対し
て細胞認識活性を有するものとみなされる。ネガティブ
コントロールとしては、本発明のタンパク質が細胞認識
活性を示さない任意の細胞が挙げられる。当業者は、ネ
ガティブコントロールとして使用し得る細胞を適宜選択
することができる。
【0011】細胞認識活性は、例えば、免疫沈降アッセ
イ、BIAcoreを用いた相互作用解析などによって
測定される。免疫沈降アッセイでは、細胞の溶解液(リ
ガンドの標的を含む)にリガンド(本発明の場合には、
本発明のタンパク質)とその抗体及びプロテインAビー
ズを加え、標的−リガンド−抗体−プロテインAビーズ
複合体を形成させて、遠心して分離する。この複合体に
ついて、SDS−PAGE、ウエスタンブロットを行
い、標的を同定する。当業者は、これら一連の実験条件
を適切に設定可能である。BIAcoreを用いた相互
作用解析では、細胞上の標的を含む膜画分又は標的自体
をセンサー表面に固定化し、これに作用する試料(本発
明の場合には、本発明のタンパク質)を、マイクロ流量
系を介して添加して、センサー表面で起こる分子の結合
及び解離により生じる微量な質量変化を、SPR(表面
プラズモン共鳴)シグナルの変化としてリアルタイムに
検出する。得られたデータから反応速度論の解析を行な
う。免疫沈降アッセイ及びBIAcoreを用いた相互
作用解析の詳細については、細胞工学別冊 実験プロト
コールシリーズ タンパク質実験プロトコール1(1)
機能解析編(秀潤社、1997年)を参照のこと。細胞
障害活性を測定するアッセイの例示として免疫沈降アッ
セイ及びBIAcoreを用いた相互作用解析を挙げた
が、当業者は、これら以外のアッセイを使用して、細胞
認識活性を測定することが可能である。
【0012】「活性形態において細胞認識活性及び/又
は細胞障害活性を有するタンパク質」とは、特定の条件
下で処理される場合に(例えば、アルカリ条件下、並び
にアルカリ条件下及びプロテアーゼによって処理される
場合に)、上記の活性を有する形態(活性形態)に変換
される不活性形態(前駆体)のタンパク質、並びに特定
の条件下で処理されなくとも上記の活性を有するタンパ
ク質(即ち、最初から活性形態で存在するタンパク質)
をいう。例えば、配列番号2のアミノ酸配列からなるタ
ンパク質は、特定の処理に付されない限り通常は不活性
形態(88kDa)で存在するが、アルカリ条件下、又
はアルカリ条件下及びプロテアーゼによって処理される
と活性形態のタンパク質(64kDa)に変換され、細
胞認識活性及び/又は細胞障害活性を有する。従って、
配列番号2のアミノ酸からなるタンパク質は、活性形態
において細胞認識活性及び/又は細胞障害活性を有する
タンパク質である。しかし、特定の処理を施さずとも、
細胞認識活性及び/又は細胞障害活性を有するタンパク
質は、その状態で活性形態であるとされる。
【0013】また、本発明のタンパク質が特異的に認識
及び/又は破壊する細胞としては、例えば、ヒト由来の
前骨髄性白血病細胞(好ましくはHL60細胞)、子宮
癌細胞(好ましくはHeLa細胞及びTCS細胞を除く
子宮癌細胞、より好ましくはSawano細胞)、肝癌
細胞(好ましくはHepG2細胞)、及びサル由来の腎
臓細胞(好ましくはVero細胞)が挙げられる。しか
し、当業者は、上に挙げた以外の細胞に対しても、本発
明のタンパク質が細胞認識活性及び/又は細胞障害活性
を有することを理解する。また本発明のタンパク質は、
これら活性を単独で、又は複数組み合わせて有していて
もよい。例えば、本発明のタンパク質は、前骨髄性白血
病細胞及び肝癌細胞の障害活性、又は前骨髄性白血病細
胞の障害活性及び肝癌細胞の認識活性を有する。本発明
のタンパク質には、配列番号2に示されるアミノ酸配列
からなる不活性形態のタンパク質(88kDa)に加
え、当該タンパク質をアルカリ処理して得られるタンパ
ク質、及びアルカリ処理に加えてプロテアーゼ処理する
ことによって得られる活性形態のタンパク質(64kD
a)も含まれる。これらアルカリ処理及びプロテアーゼ
処理の条件及び手順は、当業者が適宜設定し得、SDS
−PAGE等によって活性形態(64kDa)タンパク
質が得られたか否かを確認することができる。具体的に
は、これら処理条件及び手順は、実施例に記載の方法に
従う。
【0014】また、「溶血活性を有しない」とは、哺乳
動物(例えば、ウサギ、ヒツジ及びヒト等、好ましくは
ヒト)の赤血球に対して溶血活性を有しないことをい
い、具体的には、本明細書実施例6に記載の方法を使用
した場合に、対照実験との吸光度と比較して吸光度差が
0.5以下の場合に溶血活性がないものとされる。本発
明のタンパク質としては、細胞認識活性及び/又は細胞
障害活性を有し、かつ溶血活性を有しないタンパク質が
好ましい。好ましくは、本発明のタンパク質は、バチル
ス属に由来するタンパク質であり、より好ましくは、バ
チルス・チューリンジエンシスに由来するタンパク質で
あり、さらに好ましくは、バチルス・チューリンジエン
シスA1462株(受託番号FERM P−18787;当
該株は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄
託センター(日本国茨城県つくば市東1−1−1 中央
第6)に寄託されている、寄託日平成14年3月20
日)に由来するタンパク質である。
【0015】本発明のタンパク質以外の他の細胞認識タ
ンパク質としては、例えば、免疫グロブリンが挙げられ
る。しかし本発明のタンパク質は、免疫グロブリンと比
較して非常に低分子量であり、かつ原核生物由来のタン
パク質であるため改変し易い等の利点を有する。上記特
徴に加え、本発明のタンパク質は、非常に選択性が高い
ため薬物送達システムにも利用され得る。例えば、本発
明のタンパク質は、他の物質との融合によって、特異的
な指向性をその物質に付与し得る。本発明のタンパク質
は優れた選択性を有することから、免疫グロブリン(抗
体)と同様にターゲッティング療法に使用され得ること
が理解される。
【0016】本発明のタンパク質は、抗癌剤として使用
され得る。抗癌剤としての使用において、本発明のタン
パク質は単独でも有効であるが、効果を増強するため
に、他の抗癌剤との複合体(共有結合性でも非共有結合
性でもよい)又は併用剤としても使用され得る。例え
ば、免疫グロブリンと抗癌剤との複合体が報告されてい
るが、本発明のタンパク質も同様に、他の抗癌剤との複
合体として使用され得る。また、本発明のタンパク質
は、放射性同位体(例えば、131I)で標識され得る。
例えば、131Iで標識された抗CD20モノクローナル
抗体での治療によって、B細胞リンパ腫患者において非
常に良好な結果が得られたことが報告されている。本発
明のタンパク質も同様に、131Iで標識されると癌細胞
に対する破壊効果が増強され得る。また、本発明のタン
パク質は、毒素(例えば、リシン)との複合体として使
用され得る。例えば、抗CD5抗体とリシンA鎖との複
合体によって、T細胞リンパ腫の患者において顕著な効
果が確認されたとの報告がある。本発明のタンパク質も
同様に、リシンA鎖との複合体として使用され得る。
【0017】また、本発明のタンパク質は、細胞標識剤
としても使用され得る。例えば、インビボでの適用にお
いて、本発明のタンパク質は、適切な画像化物質(例え
ば、核磁気共鳴により検出される物質、ある種の放射性
同位体)で標識することによって、腫瘍(特定の癌細胞
からなる)を画像化し得る。腫瘍の画像化に使用される
放射性同位体としては、例えば、イットリウム、インジ
ウム、テクネチウム等が挙げられる。当業者は、被験体
に注射する放射線量を適宜設定することができる。イン
ビトロでの適用においては、本発明のタンパク質は、例
えば、特定の細胞に対するマーカーとして使用される。
【0018】本発明は、配列番号2で示されるアミノ酸
からなるタンパク質をコードするDNA、好ましくは、
配列番号1で示されるヌクレオチド配列からなるDNA
を提供する。本発明はまた、配列番号1のヌクレオチド
配列からなるDNAに対して相補的なヌクレオチド配列
からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズし、かつ細胞認識活性及び/又は細胞障害活性を
有し、より好ましくは、溶血活性を有しないタンパク質
をコードするDNAを提供する。
【0019】さらに、本発明は、上記DNAのうち少な
くとも約20個、好ましくは約18個、より好ましくは
少なくとも約16個、最も好ましくは少なくとも約15
個の連続するヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチド
を提供する。これらオリゴヌクレオチドに対するアンチ
センスオリゴヌクレオチドもまた、本発明により提供さ
れる。また、本発明は、本発明のDNAを増幅するため
のプライマー対を提供する。このプライマー対は各々、
センス鎖又はアンチセンス鎖に相補的である、少なくと
も20個以上、好ましくは少なくとも15個以上のオリ
ゴヌクレオチドの対からなる。
【0020】本発明において、「ストリンジェントな条
件」とは、塩基配列において約60%以上、好ましくは
約70%以上、より好ましくは約75%以上、さらに好
ましくは約80%以上、さらにより好ましくは約85%
以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約
97%以上、約98%以上、最も好ましくは約99%以
上の相同性を有するDNAがハイブリダイズし得る条件
をいう。ストリンジェンシーは、ハイブリダイゼーショ
ン反応や洗浄の際の塩濃度および温度等を適宜変化させ
ることにより調節することができる。相同性の程度は、
例えば、National Center for Biotechnology Informat
ion(NCBI)のBLAST検索をデフォルトで使用
することによって算定される。
【0021】本発明のタンパク質が細胞障害活性を示す
細胞は、(a)培養培地中で、任意の細胞と上記タンパ
ク質とをインキュベートする工程;及び(b)上記タン
パク質が上記細胞に対する細胞障害活性を有するか否か
を決定する工程を包含する方法によって同定される。好
ましくは、この同定方法は、上記タンパク質が溶血活性
を有するか否かを決定する工程をさらに包含していても
よい。例えば、MTTアッセイ等の方法によって測定す
る場合に、ネガティブコントロールよりも有意に破壊さ
れる細胞を、本発明のタンパク質が細胞障害活性を示す
細胞とみなす。ネガティブコントロールとしては、本発
明のタンパク質が細胞障害活性を示さない任意の細胞が
挙げられるが、例えば、NIH3T3細胞をネガティブ
コントロールとして使用してもよい。また、ポジティブ
コントロールとしては、本発明のタンパク質が細胞障害
活性を示す任意の細胞が挙げられるが、好ましくは、H
L60細胞、Sawano細胞、HepG2細胞及びV
ero細胞から任意に選択される細胞が使用される。ポ
ジティブコントロールと同程度又はそれよりも破壊され
る細胞が、本発明のタンパク質が細胞障害活性を示す細
胞としてより好ましい。本発明のタンパク質は、例え
ば、医学的な目的のために、この方法によって同定され
た細胞に関連する疾患に対して適用される。
【0022】本発明のタンパク質が細胞認識活性を示す
細胞は、(a)培養培地中で、任意の細胞と上記タンパ
ク質とをインキュベートする工程;及び(b)上記タン
パク質が上記細胞に対する細胞認識活性を有するか否か
を決定する工程を包含する方法によって同定される。好
ましくは、この同定方法は、上記タンパク質が溶血活性
を有するか否かを決定する工程をさらに包含していても
よい。例えば、免疫沈降アッセイ、BIAcoreを用
いた相互作用解析により測定した場合に、ネガティブコ
ントロールよりも有意に認識される細胞を、本発明のタ
ンパク質が細胞認識活性を示す細胞とみなす。ネガティ
ブコントロールとしては、本発明のタンパク質が細胞認
識活性を示さない任意の細胞が挙げられる。当業者は、
ネガティブコントロールとして使用し得る細胞を適宜選
択することができる。また、ポジティブコントロールと
しては、本発明のタンパク質が細胞認識活性を示す任意
の細胞が挙げられるが、好ましくは、HL60細胞、S
awano細胞、HepG2細胞及びVero細胞から
任意に選択される細胞が使用される。ポジティブコント
ロールと同程度又はそれよりも認識される細胞が、本発
明のタンパク質が細胞認識活性を示す細胞としてより好
ましい。本発明のタンパク質は、例えば、医学的な目的
のために、この方法によって同定された細胞に関連する
疾患に対して適用される。
【0023】本発明はまた、本発明のタンパク質に対し
て親和性を有する物質を同定する方法を提供する。この
方法は、(a)上記タンパク質と被験物質とを接触させ
る工程、及び(b)上記被験物質が、上記タンパク質に
対して親和性を有するか否かを決定する工程を包含す
る。本発明のタンパク質と接触される被験物質の例とし
ては、糖類、脂質、タンパク質、核酸、合成化合物など
が挙げられるがこれらに限定されない。また、好ましい
親和性としては、10-6M未満、10-7M未満、10-8
M未満、10-9M未満、10-10M未満、10-11M未満
又は10-12M未満の解離定数(Kd)を有する親和性が
挙げられる。かかる親和性は、例えば、本発明のタンパ
ク質を放射性同位体で標識し、次いで被験物質との結合
アッセイ(binding assay)に供することにより測定さ
れる。本発明のタンパク質と親和性を有する物質は、例
えば、本発明のタンパク質を精製する場合に利用され
る。
【0024】本発明はまた、本発明のタンパク質に対し
て特異的親和性を有する抗体を提供する。該抗体は、ポ
リクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれであっ
てもよく、周知の免疫学的手法により作製することがで
きる。この抗体は、完全な抗体分子だけでなく、本発明
のタンパク質に対する抗原結合部位(CDR)を有する
限りいかなるフラグメントであってもよく、例えば、Fa
b、F(ab')2、ScFv、minibody等が挙げられる。例えば、
本発明の抗体は、西洋ワサビペルオキシダーゼ等で標識
されて、本発明のタンパク質が特定の細胞に結合してい
るか否かを検出するために使用される。
【0025】例えば、ポリクローナル抗体は、本発明の
蛋白質あるいはそのフラグメント(必要に応じて、ウシ
血清アルブミン、KLH(Keyhole Limpet Hemocyani
n)等のキャリア蛋白質に架橋した複合体とすることも
できる)を抗原として、市販のアジュバント(例えば、
完全または不完全フロイントアジュバント)とともに、
動物の皮下あるいは腹腔内に2〜3週間おきに2〜4回
程度投与し(部分採血した血清の抗体価を公知の抗原抗
体反応により測定し、その上昇を確認しておく)、最終
免疫から約3〜10日後に全血を採取して抗血清を精製
することにより取得できる。抗原を投与する動物として
は、ラット、マウス、ウサギ、ヤギ、モルモット、ハム
スターなどの哺乳動物が挙げられる。
【0026】また、モノクローナル抗体は、細胞融合法
により作成することができる。例えば、マウスに該因子
を市販のアジュバントと共に2〜4回皮下あるいは腹腔
内に投与し、最終投与の3日後に脾臓あるいはリンパ節
を採取し、白血球を採取する。この白血球と骨髄腫細胞
(例えば、NS-1, P3X63Ag8など)を細胞融合して該因子
に対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ
を得る。細胞融合はPEG法でも電圧パルス法であって
もよい。所望のモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマは、周知のEIAまたはRIA法等を用いて抗原
と特異的に結合する抗体を、培養上清中から検出するこ
とにより選択できる。モノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマの培養は、インビトロ、またはマウスもし
くはラット、好ましくはマウス腹水中等のインビボで行
うことができ、抗体はそれぞれハイブリドーマの培養上
清および動物の腹水から取得することができる。
【0027】本発明はまた、本発明のDNA配列情報及
びアミノ酸配列情報を使用して、コンピュータ上で処理
する方法をも包含する。本発明は、例えば、本発明のD
NA配列情報及びアミノ酸配列情報を使用して、相同性
のあるDNA配列及びアミノ酸配列を検索すること(例
えば、BLAST及びFASTAプログラムの使用)を
提供する。また、本発明は、分子モデリング及び遺伝子
シャッフリング等において、本発明のDNA配列情報及
びアミノ酸配列情報を利用して、より最適な配列情報を
入手することを提供する。本発明はさらに、本発明のD
NA配列情報及びアミノ酸配列情報を利用して得られた
配列からなるDNA及びタンパク質に関する。
【0028】本発明はまた、本発明のタンパク質をコー
ドするDNAを含む組換えベクター及び発現ベクターを
提供する。本発明の組換えベクターは原核および/また
は真核細胞の各種宿主細胞内で複製保持または自律増殖
できるものであれば特に限定されず、プラスミドベクタ
ーやウイルスベクター等が包含される。当該組換えベク
ターは、簡便には当該技術分野において入手可能な公知
のクローニングベクターまたは発現ベクターに、本発明
のタンパク質をコードするDNAを適当な制限酵素およ
びリガーゼ、あるいは必要に応じてさらにリンカーもし
くはアダプターDNAを用いて連結することにより調製
することができる。このようなベクターとしては、大腸
菌由来のプラスミドとして、例えばpBR322, pBR325, pU
C18, pUC19など、酵母由来プラスミドとして、例えばpS
H19, pSH15など、枯草菌由来プラスミドとして、例えば
pUB110, pTP5, pC194 などが挙げられる。バチルス・チ
ューリンジエンシス由来プラスミドとして、pHT3101、p
HT315などが挙げられる。また、ウイルスとして、λフ
ァージなどのバクテリオファージや、SV40、ウシパ
ピローマウイルス(BPV)等のパポバウイルス、モロ
ニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)等のレトロ
ウイルス、アデノウイルス(AdV)、アデノ随伴ウイ
ルス(AAV)、ワクシニアウイルス、バキュロウイル
スなどの動物および昆虫のウイルスが例示される。
【0029】特に、本発明は、目的の宿主細胞内で機能
的なプロモーターの制御下に本発明のタンパク質をコー
ドするDNAが配置された発現ベクターを提供する。使
用されるベクターとしては、原核および/または真核細
胞の各種宿主細胞内で機能して、その下流に配置された
遺伝子の転写を制御し得るプロモーター領域(例えば宿
主が大腸菌の場合、trpプロモーター、lacプロモ
ーター、lecAプロモーター等、宿主が枯草菌の場
合、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、p
enPプロモーター等、宿主が酵母の場合、PHO5プ
ロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモータ
ー、ADHプロモーター等、宿主が哺乳動物細胞の場
合、SV40由来初期プロモーター、MoMuLV由来
ロングターミナルリピート、アデノウイルス由来初期プ
ロモーター等のウイルスプロモーター)と、該遺伝子の
転写終結シグナル、すなわちターミネーター領域を含有
し、該プロモーター領域と該ターミネーター領域とが、
少なくとも1つの制限酵素認識部位、好ましくは該ベク
ターをその箇所のみで切断するユニークな制限部位を含
む配列を介して連結されたものであれば特に制限はない
が、形質転換体選択のための選択マーカー遺伝子(テト
ラサイクリン、アンピシリン、カナマイシン、ハイグロ
マイシン、ホスフィノスリシン等の薬剤に対する抵抗性
を付与する遺伝子、栄養要求性変異を相補する遺伝子
等)をさらに含有していることが好ましい。さらに、本
発明のタンパク質をコードするDNAが開始コドンおよ
び終止コドンを含まない場合には、開始コドン(ATG
またはGTG)および終止コドン(TAG、TGA、T
AA)を、それぞれプロモーター領域の下流およびター
ミネーター領域の上流に含むベクターが好ましく使用さ
れる。
【0030】宿主細胞として細菌を用いる場合、一般に
発現ベクターは上記のプロモーター領域およびターミネ
ーター領域に加えて、宿主細胞内で自律複製し得る複製
可能単位を含む必要がある。また、プロモーター領域
は、プロモーターの近傍にオペレーターおよびShine-Da
lgarno(SD)配列を包含する。
【0031】また、形質転換体の培地中に本発明のタン
パク質を分泌させる場合において、本発明のタンパク質
をコードするDNAがシグナルペプチドのコード配列を
含まない場合は、ベクターとして、開始コドンに続いて
適当なシグナルコドンをさらに含む分泌発現用ベクター
が好ましく使用される。
【0032】本発明のタンパク質をコードするDNAが
ゲノミックDNAから単離され、本来のプロモーターお
よびターミネーター領域を含む形態で得られる場合に
は、本発明の発現ベクターは、目的の宿主細胞内で複製
保持または自律増殖できる公知のクローニングベクター
の適当な部位に該DNAを挿入することにより調製する
ことができる。
【0033】本発明はまた、上記の発現ベクターで宿主
細胞を形質転換して得られる形質転換体を提供する。本
発明で用いられる宿主細胞としては、前記の発現ベクタ
ーに適合し、形質転換され得るものであれば特に限定さ
れず、本発明の技術分野において通常使用される天然の
細胞あるいは人工的に樹立された変異細胞または組換え
細胞など種々の細胞(例えば、細菌(大腸菌、枯草菌、
乳酸菌、バチルス・チューリンジエンシスまたはその変
異株等(好ましくは、毒素タンパク質を生産しないバチ
ルス・チューリンジエンシス株)、酵母(サッカロマイ
セス属、ピキア属、クリベロマイセス属等)、動物細胞
または昆虫細胞など)が例示されるが、原核生物細胞が
より好ましい。また、本発明のタンパク質を発現するの
に適したバチルス・チューリンジエンシス変異株を、当
業者は自ら作製することができる。例えば、毒素タンパ
ク質を生産するバチルス・チューリンジエンシス株から
キュアリングを行い、プラスミドDNAを除くことによ
って、毒素タンパク質を生産しないバチルス・チューリ
ンジエンシス株が得られる。当業者は、上記手法を用い
て、毒素タンパク質を生産せずに本発明のタンパク質を
生産する任意のバチルス・チューリンジエンシス株を取
得することができる。詳細については、Gonzalez, J.
M. et al. PLASMID 5, 351-365(1981)を参照のこと。
【0034】発現ベクターの宿主細胞への導入は従来公
知の方法を用いて行うことができる。例えば、細菌の場
合は、Cohen らの方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA.,
69,2110 (1972))、プロトプラスト法、コンピテント
法等によって、酵母の場合は、Hinnenらの方法(Proc.
Natl. Acad. Sci. USA., 75, 1927 (1978))、リチウム
法等によって、動物細胞の場合は、Grahamの方法(Viro
logy, 52, 456 (1973))等によって、また昆虫細胞の場
合は、Summers らの方法(Mol. Cell. Biol.3,2156-216
5 (1983) )等によって、それぞれ形質転換することが
できる。
【0035】本発明のタンパク質は、本発明のタンパク
質を発現する細胞から得られる。本発明のタンパク質を
発現する細胞としては、例えば、本発明のタンパク質を
天然で発現する細胞(好ましくは、バチルス・チューリ
ンジエンシスA1462株)、及び本発明のタンパク質
を発現するDNAをコードする発現ベクターを含有する
形質転換体が挙げられる。本発明のタンパク質は、上記
のようにして調製される発現ベクターを含む形質転換体
を培地中で培養し、得られる培養物から本発明のタンパ
ク質を回収することによって製造することができる。ま
た、本発明のタンパク質は、本発明のタンパク質を天然
で発現する細胞(好ましくは、バチルス・チューリンジ
エンシスA1462株)を培養し、得られる培養物から本発
明のタンパク質を回収することによって得られる。好ま
しくは、本発明のタンパク質は、アルカリ緩衝液での可
溶化後に、必要に応じてプロテアーゼによって処理され
て、活性化される。
【0036】使用される培地は、宿主細胞(形質転換
体)の生育に必要な炭素源,無機窒素源もしくは有機窒
素源を含んでいることが好ましい。炭素源としては、例
えばグルコース,デキストラン,可溶性デンプン,ショ
糖などが、無機窒素源もしくは有機窒素源としては、例
えばアンモニウム塩類,硝酸塩類,アミノ酸,コーンス
チープ・リカー,ペプトン,カゼイン,肉エキス,大豆
粕,バレイショ抽出液などが例示される。また所望によ
り他の栄養素〔例えば、無機塩(例えば塩化カルシウ
ム,リン酸二水素ナトリウム,塩化マグネシウム),ビ
タミン類,抗生物質(例えばテトラサイクリン,ネオマ
イシン,アンピシリン,カナマイシン等)など〕を含ん
でいてもよい。
【0037】培養は当分野において知られている方法に
より行われる。下記に宿主細胞に応じて用いられる具体
的な培地および培養条件を例示するが、本発明における
培養条件はこれらに何ら限定されるものではない。
【0038】宿主が細菌,放線菌,酵母,糸状菌等であ
る場合、例えば上記栄養源を含有する液体培地が適当で
ある。好ましくは、pHが5〜8である培地である。宿
主が大腸菌の場合、好ましい培地としてLB培地,M9
培地(Miller. J., Exp. Mol. Genet, p.431, Cold Spr
ing Harbor Laboratory, New York (1972))等が例示さ
れる。培養は、必要により通気・攪拌をしながら、通常
14〜43℃で約3〜24時間行うことができる。宿主
が枯草菌の場合、必要により通気・攪拌をしながら、通
常30〜40℃で約16〜96時間行うことができる。
宿主がバチルス・チューリンジエンシス又はその変異株
(好ましくはバチルス・チューリンジエンシスBFR
1)の場合、好ましい培地としては、CYS培地(Yama
moto, T.,ACS Symp. Ser. 432, 46-60(1990))が挙げら
れる(この場合、培養は、例えば、寒天平板上で20℃
で96時間行なわれる)。宿主が酵母の場合、培地とし
て、例えばBurkholder最少培地(Bostian. K.L. et al,
Proc. Natl. Acad. Sci.USA, 77, 4505 (1980))が挙
げられ、pHは5〜8であることが望ましい。培養は通
常約20〜35℃で約14〜144時間行なわれ、必要
により通気や攪拌を行うこともできる。
【0039】宿主が動物細胞の場合、培地として、例え
ば約5〜20%のウシ胎仔血清を含む最少必須培地(M
EM)(Science, 122, 501 (1952))、ダルベッコ改変
最少必須培地(DMEM)(Virology, 8, 396 (1959)
)、RPMI1640培地(J. Am. Med. Assoc., 19
9, 519 (1967) )、199培地(proc. Soc. Exp. Bio
l. Med., 73, 1 (1950))等を用いることができる。培
地のpHは約6〜8であるのが好ましく、培養は通常約
30〜40℃で約15〜72時間行なわれ、必要により
通気や攪拌を行うこともできる。
【0040】本タンパク質の精製は、通常使用される種
々の分離技術を適宜組み合わせることにより行うことが
できる。本発明のタンパク質は、例えば、塩析、溶媒沈
澱、透析、限外濾過、ゲル濾過、非変性PAGE、SD
S−PAGE、イオン交換クロマトグラフィー、ヒドロ
キシルアパタイトクロマトグラフィー、アフィニティー
クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィ
ー、等電点電気泳動などの公知の分離方法を適当に選択
して行うことにより得ることができる。
【0041】本発明の組換えタンパク質を迅速且つ簡便
に取得する手段として、本発明のタンパク質のコード配
列のある部分(好ましくはC末端)に、金属イオンキレ
ートに吸着し得るアミノ酸配列(例えば、ヒスチジン、
アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸からなる配列、
好ましくはヒスチジンからなる配列)をコードするDN
A配列を、遺伝子操作により付加して宿主細胞で発現さ
せ、該細胞の培養物の上記活性画分から、該金属イオン
キレートを固定化した担体とのアフィニティーにより本
発明のタンパク質を分離回収する方法が好ましく例示さ
れる。金属イオンキレートに吸着し得るアミノ酸配列を
コードするDNA配列は、例えば、本発明のタンパク質
をコードするDNAをクローニングする過程で、このタ
ンパク質のC末端アミノ酸配列をコードする塩基配列に
該DNA配列を連結したハイブリッドプライマーを用い
てPCR増幅を行ったり、あるいは該DNA配列を終止
コドンの前に含む発現ベクターに本発明のタンパク質を
コードするDNAをインフレームで挿入することによ
り、コード配列に導入することができる。また、精製に
使用される金属イオンキレート吸着体は、遷移金属、例
えばコバルト、銅、ニッケル、鉄の二価イオン、あるい
は鉄、アルミニウムの三価イオン等、好ましくはコバル
トまたはニッケルの二価イオン含有溶液を、リガンド、
例えばイミノジ酢酸(IDA)基、ニトリロトリ酢酸
(NTA)基、トリス(カルボキシメチル)エチレンジ
アミン(TED)基等を付着したマトリックスと接触さ
せて該リガンドに結合させることにより調製される。キ
レート吸着体のマトリックス部は通常の不溶性担体であ
れば特に限定されない。
【0042】本発明は、本発明のタンパク質、発現ベク
ターまたは形質転換体を有効成分とする医薬組成物、具
体的には、抗癌剤及び細胞標識剤を提供する。本発明は
また、免疫異常疾患治療剤、好ましくは癌化した(異常
な)前骨髄性細胞に起因する疾患の治療剤、より好まし
くは白血病治療剤、さらに好ましくは異常な前骨髄性細
胞に起因する白血病の治療剤を提供する。本発明のタン
パク質が細胞認識活性及び/又は細胞障害活性を示す免
疫系細胞(好ましくは前骨髄性細胞)は、上記同定方法
を使用することによって当業者に容易に決定される。
【0043】本明細書中で用いられる用語「組成物」又
は「剤」とは、特定の物質を有効成分として含有するこ
とを特徴とするものをいう。例えば、本発明の医薬組成
物は、有効成分として本発明のタンパク質を含有し、特
定の疾患の治療効果を奏する。このような医薬組成物又
は剤は、有効成分としての本発明のタンパク質を、経口
又は非経口適用に適した有機または無機の担体又は賦形
剤との混合物として含有する固体、半固体又は液体形態
の医薬製剤の形で使用できる。該有効成分は、例えば、
散剤、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、坐剤、液剤、乳
濁液、懸濁液、エアロゾル剤、スプレー剤、その他の使
用に適した形態用の、通常の、無毒性で、医薬として許
容しうる担体と混ぜ合わせることができる。更に、必要
ならば、助剤、安定剤、増粘剤等を使用してもよい。こ
れらの担体、賦形剤は、必要に応じて無菌化処理を施し
たものを使用してもよく、また製剤化した後に無菌化処
理を行なうこともできる。有効成分である本発明のタン
パク質の治療上有効な用量は、その精製度、活性及び投
与法、並びに処置すべき個々の患者の年齢、健康状態、
体重、性別及び疾患の種類によっても相違するが、当業
者は、それらの因子を考慮して、用量を適宜決定するこ
とができる。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範
囲を何ら限定するものではない。
【0045】[材料]実験に用いた細胞を以下から購入
した。HeLa細胞(ヒト子宮頸部癌細胞)、Sawano細胞
(ヒト子宮内膜腺癌細胞)、TCS細胞(ヒト角化型扁平
上皮癌細胞)、HepG2細胞(肝臓癌細胞)、MOLT-4細胞
(ヒト白血病T細胞)、Jurkat細胞(ヒト白血病T細
胞)、HL60細胞(ヒト前骨髄性白血病細胞)、MRC-5細
胞(ヒト胎児肺由来正常繊維芽細胞)、A549細胞(ヒト
肺癌細胞)、CACO-2細胞(ヒト結腸癌細胞)、COS-7細
胞(アフリカミドリザル腎由来細胞)、Vero細胞(アフ
リカミドリザル腎由来細胞)及びNIH3T3細胞(マウス胎
児由来繊維芽細胞)を理化学研究所から購入した。UtSM
C細胞(ヒト正常子宮平滑筋細胞)を宝酒造株式会社か
ら購入した。HC細胞(ヒト正常肝細胞)をセルシステム
ズ社から購入した。ヒツジ血液を、日本バイオテスト研
究所から購入した。
【0046】[実施例1:遺伝子のクローニング]バチ
ルス・チューリンジエンシスA1462株(受託番号FER
M P−18787)由来の88kDaタンパク質をPVDF膜
(Bio-Rad,Hercules, Ca, U.S.A.)に転写し、プロテ
インシーケンサーModel 473A(Applied Biosystems, Fo
ster, CA, U.S.A.)を用いてN末端配列を決定したとこ
ろ、始めの7個のアミノ酸配列はMNQNXNN(配列
番号3)であった。
【0047】さらに、このタンパク質の内部アミノ酸配
列を、Clevelandら(1997)の方法によって決定した。
タンパク質を、Staphylococcus aureus V8 protease(R
ocheDiagnostics, Mannheim, Germany)で処理し、得ら
れた内部ペプチドを15% SDS-PAGEで分離した。分離した
内部ペプチドのアミノ酸配列を上記の方法で決定したと
ころ、VYTDIRG(配列番号4)及びHNRLSX
IK(配列番号5)が得られた。
【0048】A1462株の結晶性タンパク質に対するウサ
ギ抗A1462タンパク質ポリクローナル抗体を作製し
た。この抗体を用いてA1462株のゲノムライブラリーに
対しイムノスクリーニングを行い、ポジティブクローン
を複数得た。各クローンの塩基配列を決定し、アミノ酸
配列に置換してMNQNXNNを開始とする塩基配列を
含むクローン及びその周辺のクローン候補を同定した。
【0049】A1462株の全プラスミドについて、目的遺
伝子の上流に位置すると思われるオリゴヌクレオチドプ
ライマー5’−AAAACTCGAAAAGGGGGA
AAT−3’(C129/F オリゴヌクレオチド)(配列番
号6)及び目的遺伝子の下流に位置すると思われるオリ
ゴヌクレオチドプライマー5’−CCGTTGGCTA
TTACTGTCGTTTT−3’(C15/R オリゴヌク
レオチド)(配列番号7)を用いてPCRを行なった。
得られたPCR産物7.5Kbpの塩基配列を決定し、上記候
補クローンと比較したところ、クローンC129−C1
28−C25−C15が一連の遺伝子群を構成している
ことが判明した。これを図1に示す。この中には、orf
1、ofr2及び88kDaタンパク質の遺伝子が含まれていた。
この88kDaタンパク質のヌクレオチド配列(配列番号
1)及び推定アミノ酸配列(配列番号2)を図2に示
す。88kDaタンパク質の推定アミノ酸配列(配列番号
2)のN末端は、先に決定した配列番号3と一致した。
また、Cleveland法で決定した内部アミノ酸配列のう
ち、VYTDIRG(配列番号4)は、配列番号2の33
5番目(V)から341番目(G)のアミノ酸配列と、ま
た、HNRLSXIK(配列番号5)は、配列番号2の
492番目(N)から499番目(K)のアミノ酸配列と、そ
れぞれ一致した。
【0050】次に、88kDaタンパク質遺伝子を含むC1
28−C25−C15を連結し(6.6kbp)、これを、E.
coli-Bacillus thuringiensisシャトルベクターpHT3101
(Lereclus et al., 1989)に導入し、88kDaタンパク質
を、Cryタンパク質を生産しないB.thuringiensis BFR1
で発現させた。この組換え株をA1462/TF株とする。これ
に対し、A1462野生株をA1462/WTとする。
【0051】[実施例2:活性化タンパク質の調製]本
タンパク質の調製法は、次の通りである。まず、A1462/
WT株又はA1462/TF株より結晶性タンパク質を回収する。
結晶性タンパク質に50mM Na2CO3(pH10.8)及び1mM EDTA
からなるアルカリ緩衝液を加えて37℃で60分処理
し、可溶化する。このとき、結晶性タンパク質のうち、
88kDaタンパク質が特異的に可溶化される。可溶化処理
後、遠心して上清を回収し、さらにフィルター濾過によ
り除菌した。次に、1N HClにより本タンパク質溶液のpH
を約8.5に戻し、DTTを終濃度10mMになるように加えた
後、プロテイナーゼKを終濃度10μg/ml加えて37℃で90
分処理し、PMSF(終濃度1mM)でプロテイナーゼKを失
活させた。これを活性化タンパク質溶液とした。本タン
パク質溶液を保存する場合は、-80℃で凍結した。
【0052】[実施例3:SDS-PAGE電気泳動及びウエス
タンブロッティング]A1462/TF株が発現するタンパク質
について調べるため、A1462/WT株(野生株)及びA1462/
TF株(組換え株)が生産するタンパク質のプロフィール
を、(a)プロテイナーゼK処理前、及び(b)プロテイ
ナーゼK処理後で比較した。この電気泳動は、12%泳動
ゲル及び4%濃縮ゲルを用いて行った。分子量マーカー
は、Bio-Rad社製(200,116,97,66,45,31,21,14及び6kD
a)を用いた。さらに、これらのタンパク質についてウ
エスタンブロッティングを行なった。電気泳動したタン
パク質をPVDF膜(Bio-Rad, Hercules, CA, U.S.A.)に
転写し、1次抗体(抗A1462タンパク質ポリクローナル
抗体)及び2次抗体(アルカリフォスファターゼ標識抗
ウサギIgG)を用いて検出した。結果を図3に示す。こ
れより、A1462/TF株(組換え株)が、A1462/WT株(野生
株)と同じ分子量(88kDa)のタンパク質を生産すること
が明らかになった。さらに、この得られた88kDaタンパ
ク質が、DTT非存在下でアルカリ緩衝液で可溶化され、
次いでDTT存在下でプロテイナーゼKで処理されること
により、A1462/WT株(野生株)と同様に、64kDaタンパ
ク質(活性型)を生じることが明らかになった。
【0053】[実施例4:培養細胞の調製]HL60細胞は
RPMI1640培地、HepG2細胞はDMEM培地を用いて培養し(3
7℃、5% CO 2)、次いで2.2×105細胞/mlの濃度でそれぞ
れ96ウェルマルチウェルプレートに90μlずつ分注し
た。このプレートをさらに24時間培養し、次いで試験に
用いた。
【0054】[実施例5:癌細胞に対する細胞障害効果
(Cytopathic effect: CPE)及び細胞生存率の測定]野
生株(A1462/WT株)及び組換え株(A1462/TF株)由来の64kD
aタンパク質の細胞障害活性を、CPE(細胞形態変
化)及びMTT法による細胞生存率で測定した。実施例
1の方法によって、88kDaタンパク質を得た。次いで、
この88kDaタンパク質をDTT非存在下でアルカリ緩衝液で
可溶化し、次いでDTT存在下でプロテイナーゼK処理す
ることによって、活性型64kDaタンパク質を得た。実施
例4で調製した96ウェルマルチタイタープレートに90μ
lずつ分注したHepG2細胞及びHL60に対して、活性化タン
パク質溶液を10μl(終濃度0.35μg/ml)ずつ添加し
た。CPEの観察及び細胞生存率の測定をタンパク質添
加の20時間後に行なった。なお、CPEについては倒立
顕微鏡で観察し、1000個の細胞のうちの障害を受け
た細胞の割合に基づいて、CPEを客観的に判定した
(5%以下:−、5〜10%:±、10〜30%:+、
30〜60%:++、60%以上:+++)(Mizuki,E.
et al. J.appl.Microbiol.86,477-486(1999))。細胞生
存率については、市販のCellTiter96TM試薬を用いてM
TT法により測定した。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】この表1に示される結果から、組換え株(A
1462/TF株)由来の64kDaタンパク質は、野生株(A1462/WT
株)由来の64kDaタンパク質と同様に、HL60細胞及びHepG
2細胞に対し、細胞障害活性を示すことが、CPE及び
MTT法の両方のアッセイから理解される。
【0057】[実施例6:溶血活性の測定]ヒツジ血液
を、赤血球濃度2%(v/v)になるよう20mMトリス緩衝液で
調製した。この2%(v/v)赤血球溶液40μlに対し実施例1
で調製した活性化タンパク質溶液を20μlずつ添加し、2
7℃で18時間放置した。さらに800×gで10分間遠心した
上清の吸光度(540nm)を測定した。対照実験では、タン
パク質溶液の代わりに20mMトリス緩衝液を添加した。対
照実験での吸光度と比較して吸光度差が0.5以下の場合
に、溶血活性がないものとした。結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】この表2に示される結果から、組換え株(A
1462/TF株)由来の64kDaタンパク質は、野生株(A1462/WT
株)由来の64kDaタンパク質と同様に、ヒツジ赤血球に対
する溶血活性を有しないことが明らかになった。
【0060】[実施例7:種々の細胞株に対する本発明
の64kDaタンパク質の効果]次いで、種々の細胞株を表
3に示される条件で培養し、それら培養された各細胞に
ついて、本発明の64kDaタンパク質の細胞障害活性を、
実施例5の方法によって、CPE(細胞形態変化)及び
MTT法による細胞生存率で測定した。結果を表4に示
す。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】この表4に示される結果から、本発明の64
kDaタンパク質は、特定の細胞を特異的に認識すること
が明らかとなった。また、本発明のタンパク質は、これ
ら認識した細胞に対して細胞障害性を示すことが明らか
になった。
【0064】
【発明の効果】本発明は、細胞認識活性及び/又は細胞
障害活性を有するタンパク質について遺伝子レベル、分
子レベルでの研究開発を可能にする。本発明はまた、そ
れらのタンパク質の大量生産技術も確立することができ
る。従って、本発明は、薬学分野におけるDDS技術の
開発、診断薬の開発、農林水産分野における特定の細胞
の開発、組織の選択的破壊による動植物の育種、さらに
化学工業分野における新規有害生物制御剤の開発等、幅
広い分野の技術に関して大いに貢献するものと考えられ
る。本発明のタンパク質はまた、選択性が非常に高いた
め、特定の細胞を特異的に認識及び/又は破壊するため
に有用である。また、本発明のタンパク質は、特定の癌
細胞に対する特異性が高いことから、医薬組成物(具体
的には、抗癌剤及び細胞標識剤)として有用である。
【0065】
【配列表フリーテキスト】配列番号6:配列番号1に示
される遺伝子を増幅するためのプライマー 配列番号7:配列番号1に示される遺伝子を増幅するた
めのプライマー
【0066】
【配列表】 [SEQUENCE LISTING] <110> Fukuoka prefecture <120> Novel protein having cell-recognizing activity and/or cytotoxic a ctivity <130> A5445 <160> 7 <170> PatentIn version 3.1 <210> 1 <211> 2478 <212> DNA <213> Bacillus thuringiensis <400> 1 atg aat caa aat tgt aat aac aat gga tat gaa gta ctg aat agt ggt 48 Met Asn Gln Asn Cys Asn Asn Asn Gly Tyr Glu Val Leu Asn Ser Gly 1 5 10 15 aaa ggg tat tgt cag cca agg tat cct ttt gcg cag gca cca ggt tct 96 Lys Gly Tyr Cys Gln Pro Arg Tyr Pro Phe Ala Gln Ala Pro Gly Ser 20 25 30 gaa cta caa aat atg ggt tac aaa gag tgg atg aat atg tgt act agt 144 Glu Leu Gln Asn Met Gly Tyr Lys Glu Trp Met Asn Met Cys Thr Ser 35 40 45 ggg gac cct acc gtc ctg ggg gag gga tac agc gca gat gta agg gat 192 Gly Asp Pro Thr Val Leu Gly Glu Gly Tyr Ser Ala Asp Val Arg Asp 50 55 60 gcc gtt att aca agt ata aat atc gct tcc tat ctt ctt tca gtc cca 240 Ala Val Ile Thr Ser Ile Asn Ile Ala Ser Tyr Leu Leu Ser Val Pro 65 70 75 80 ttc cct cca gct gga gta gcc gct gga atc cta ggt gca ctg ctt ggt 288 Phe Pro Pro Ala Gly Val Ala Ala Gly Ile Leu Gly Ala Leu Leu Gly 85 90 95 ttg ctt tgg cct aca aat aca caa gca gtg tgg gaa gca ttt atg aat 336 Leu Leu Trp Pro Thr Asn Thr Gln Ala Val Trp Glu Ala Phe Met Asn 100 105 110 acg gtg gag gcc cta atc aat caa aag ctt gat gaa tat gca cga tcc 384 Thr Val Glu Ala Leu Ile Asn Gln Lys Leu Asp Glu Tyr Ala Arg Ser 115 120 125 aaa gca att tca gaa tta aac ggt ctt aaa aat gtt ttg gaa cta tac 432 Lys Ala Ile Ser Glu Leu Asn Gly Leu Lys Asn Val Leu Glu Leu Tyr 130 135 140 caa gat gca gct gat gat tgg aat gaa aat cca ggt gat cta cgg aat 480 Gln Asp Ala Ala Asp Asp Trp Asn Glu Asn Pro Gly Asp Leu Arg Asn 145 150 155 160 aaa aat cgg gta ttg act gag ttt cgt aat gtg aat ggg cac ttc gaa 528 Lys Asn Arg Val Leu Thr Glu Phe Arg Asn Val Asn Gly His Phe Glu 165 170 175 aac agt atg cca tca ttt gca gta agg aat ttt gag gtg aat tta tta 576 Asn Ser Met Pro Ser Phe Ala Val Arg Asn Phe Glu Val Asn Leu Leu 180 185 190 cct gtt tat gca gaa gct gcg aat cta cat tta ctc tta tta cga gac 624 Pro Val Tyr Ala Glu Ala Ala Asn Leu His Leu Leu Leu Leu Arg Asp 195 200 205 gcg gtt aag ttt gga gaa ggg tgg ggc atg tct act gac cct ggt gca 672 Ala Val Lys Phe Gly Glu Gly Trp Gly Met Ser Thr Asp Pro Gly Ala 210 215 220 gaa cgg gat gat atg tat agg agg ctc cga tca cgt aca gaa ata tat 720 Glu Arg Asp Asp Met Tyr Arg Arg Leu Arg Ser Arg Thr Glu Ile Tyr 225 230 235 240 aca gat cac tgt gtg aat acg tac aat cag gga tta cag caa gcc aaa 768 Thr Asp His Cys Val Asn Thr Tyr Asn Gln Gly Leu Gln Gln Ala Lys 245 250 255 agc cta caa gca aac gta tcc gac tat agt cgt tat cca tgg aca cag 816 Ser Leu Gln Ala Asn Val Ser Asp Tyr Ser Arg Tyr Pro Trp Thr Gln 260 265 270 tat aat caa tcg ggt ggt ttt agc tac cgt gaa gcc aaa gga gag tac 864 Tyr Asn Gln Ser Gly Gly Phe Ser Tyr Arg Glu Ala Lys Gly Glu Tyr 275 280 285 cga ggt aca gaa aat tgg aat tta tat aat gca ttc cgc aga gac atg 912 Arg Gly Thr Glu Asn Trp Asn Leu Tyr Asn Ala Phe Arg Arg Asp Met 290 295 300 acc att ctg gta ctg gat att att gca cag ttt cca acg tat gat ccg 960 Thr Ile Leu Val Leu Asp Ile Ile Ala Gln Phe Pro Thr Tyr Asp Pro 305 310 315 320 gga ctt tat agt agg cca gtc aaa tca gaa ctc acg cga gaa gtt tat 1008 Gly Leu Tyr Ser Arg Pro Val Lys Ser Glu Leu Thr Arg Glu Val Tyr 325 330 335 aca gat ata cga ggt aca aca tgg cgg agc gat gcc aat ctc aat acg 1056 Thr Asp Ile Arg Gly Thr Thr Trp Arg Ser Asp Ala Asn Leu Asn Thr 340 345 350 ata gat gcc ata gag aac cga atg gta gga agt cga caa tta cag tta 1104 Ile Asp Ala Ile Glu Asn Arg Met Val Gly Ser Arg Gln Leu Gln Leu 355 360 365 ttt act tgg cta aca gaa atg aaa ttt tat ata agg aat acg ggt agc 1152 Phe Thr Trp Leu Thr Glu Met Lys Phe Tyr Ile Arg Asn Thr Gly Ser 370 375 380 att act agc tat act cac ggt gat ctt atg gtg gga ttg gag aaa aaa 1200 Ile Thr Ser Tyr Thr His Gly Asp Leu Met Val Gly Leu Glu Lys Lys 385 390 395 400 att cga aaa act aat gac aat gat caa tgg ctt cca tta gaa gga cag 1248 Ile Arg Lys Thr Asn Asp Asn Asp Gln Trp Leu Pro Leu Glu Gly Gln 405 410 415 aat aca agt tat acg aga att gat aga cct gga att gag ctt gga aag 1296 Asn Thr Ser Tyr Thr Arg Ile Asp Arg Pro Gly Ile Glu Leu Gly Lys 420 425 430 aat tat tgg tac tat gca cgg aca caa cag tgg ttt gaa acg aga ttg 1344 Asn Tyr Trp Tyr Tyr Ala Arg Thr Gln Gln Trp Phe Glu Thr Arg Leu 435 440 445 tta caa tta tgg gcg aat act gac gtc ctt tca tta aat gcg gga acg 1392 Leu Gln Leu Trp Ala Asn Thr Asp Val Leu Ser Leu Asn Ala Gly Thr 450 455 460 gta ggt aat gaa ttt tgg gtc cgc gat gta ccg gat tac aga aat ata 1440 Val Gly Asn Glu Phe Trp Val Arg Asp Val Pro Asp Tyr Arg Asn Ile 465 470 475 480 tac gca aga agt acg cgg aat cac ttt att gag aat cat cga tta tct 1488 Tyr Ala Arg Ser Thr Arg Asn His Phe Ile Glu Asn His Arg Leu Ser 485 490 495 tgg att aaa ttt gaa cct gta cgg gat aat tgc cct ttc gcg tgg cct 1536 Trp Ile Lys Phe Glu Pro Val Arg Asp Asn Cys Pro Phe Ala Trp Pro 500 505 510 ggt tat aaa caa tta agt gct ttg tta ttt ggt tgg act cat aac agt 1584 Gly Tyr Lys Gln Leu Ser Ala Leu Leu Phe Gly Trp Thr His Asn Ser 515 520 525 gta gat ttg aac aat ata ata tca cag tat aga att act caa ata cca 1632 Val Asp Leu Asn Asn Ile Ile Ser Gln Tyr Arg Ile Thr Gln Ile Pro 530 535 540 gcg gtg aaa gct tat tgg aat cga ggt gct ttt tca gta ata agg ggg 1680 Ala Val Lys Ala Tyr Trp Asn Arg Gly Ala Phe Ser Val Ile Arg Gly 545 550 555 560 cct ggt tcg aca ggt gga aac cta gtt caa ctt ggt act ggt ggg gaa 1728 Pro Gly Ser Thr Gly Gly Asn Leu Val Gln Leu Gly Thr Gly Gly Glu 565 570 575 gtg tct gtt aag gta cga cca gaa caa aca ggt agt gac tgg tat cgt 1776 Val Ser Val Lys Val Arg Pro Glu Gln Thr Gly Ser Asp Trp Tyr Arg 580 585 590 gtt cgt att cgc tat gca gct ggt tcg agg gga aga ctc aac gta aag 1824 Val Arg Ile Arg Tyr Ala Ala Gly Ser Arg Gly Arg Leu Asn Val Lys 595 600 605 aag tat gtt agc agt ata cat gca tct gta act tat gat tat aac atg 1872 Lys Tyr Val Ser Ser Ile His Ala Ser Val Thr Tyr Asp Tyr Asn Met 610 615 620 aca atg tca agt tct aca cag ggg act tat aat tcg ttt cag tat tta 1920 Thr Met Ser Ser Ser Thr Gln Gly Thr Tyr Asn Ser Phe Gln Tyr Leu 625 630 635 640 gat gtt tac aat ttt agg ctt gca gaa cct gaa ttt gaa gta tgg ctt 1968 Asp Val Tyr Asn Phe Arg Leu Ala Glu Pro Glu Phe Glu Val Trp Leu 645 650 655 act aat gaa agt ggc ggg cct att tgg att gac aaa att gaa ttc att 2016 Thr Asn Glu Ser Gly Gly Pro Ile Trp Ile Asp Lys Ile Glu Phe Ile 660 665 670 ccg cta agt ccg att ccg gaa cta cca gta tat cct ggt acc tat caa 2064 Pro Leu Ser Pro Ile Pro Glu Leu Pro Val Tyr Pro Gly Thr Tyr Gln 675 680 685 atc gtg aca gct tta aat aat agt agt gtt gta act agc gag gag ttt 2112 Ile Val Thr Ala Leu Asn Asn Ser Ser Val Val Thr Ser Glu Glu Phe 690 695 700 tgt atg ggt att ggc tta acc act cga tgt ggg gtt aac tta tgg agc 2160 Cys Met Gly Ile Gly Leu Thr Thr Arg Cys Gly Val Asn Leu Trp Ser 705 710 715 720 aat aat ggc aat act ctt caa aaa tgg aga ttt gta tat aat gga gat 2208 Asn Asn Gly Asn Thr Leu Gln Lys Trp Arg Phe Val Tyr Asn Gly Asp 725 730 735 caa aac gca ttt caa ata aaa agt aca cct aat gag gac cta gta tta 2256 Gln Asn Ala Phe Gln Ile Lys Ser Thr Pro Asn Glu Asp Leu Val Leu 740 745 750 agt ggg agt aat agt gga act agt gtt act gct gaa aca aat caa aac 2304 Ser Gly Ser Asn Ser Gly Thr Ser Val Thr Ala Glu Thr Asn Gln Asn 755 760 765 aga cca aat cag tat tgg ctt att gaa gag gca ggg aat gga tat gtt 2352 Arg Pro Asn Gln Tyr Trp Leu Ile Glu Glu Ala Gly Asn Gly Tyr Val 770 775 780 tat ttg agg agt aag gga aat ccc aat ctt gta tta gat gta gcg ggt 2400 Tyr Leu Arg Ser Lys Gly Asn Pro Asn Leu Val Leu Asp Val Ala Gly 785 790 795 800 aca agc act gca aat gga acg aat att ata ttg tgg aat tat aat ggt 2448 Thr Ser Thr Ala Asn Gly Thr Asn Ile Ile Leu Trp Asn Tyr Asn Gly 805 810 815 agt acc aat caa aaa ttt aag ttg agt taa 2478 Ser Thr Asn Gln Lys Phe Lys Leu Ser 820 825 <210> 2 <211> 825 <212> PRT <213> Bacillus thuringiensis <400> 2 Met Asn Gln Asn Cys Asn Asn Asn Gly Tyr Glu Val Leu Asn Ser Gly 1 5 10 15 Lys Gly Tyr Cys Gln Pro Arg Tyr Pro Phe Ala Gln Ala Pro Gly Ser 20 25 30 Glu Leu Gln Asn Met Gly Tyr Lys Glu Trp Met Asn Met Cys Thr Ser 35 40 45 Gly Asp Pro Thr Val Leu Gly Glu Gly Tyr Ser Ala Asp Val Arg Asp 50 55 60 Ala Val Ile Thr Ser Ile Asn Ile Ala Ser Tyr Leu Leu Ser Val Pro 65 70 75 80 Phe Pro Pro Ala Gly Val Ala Ala Gly Ile Leu Gly Ala Leu Leu Gly 85 90 95 Leu Leu Trp Pro Thr Asn Thr Gln Ala Val Trp Glu Ala Phe Met Asn 100 105 110 Thr Val Glu Ala Leu Ile Asn Gln Lys Leu Asp Glu Tyr Ala Arg Ser 115 120 125 Lys Ala Ile Ser Glu Leu Asn Gly Leu Lys Asn Val Leu Glu Leu Tyr 130 135 140 Gln Asp Ala Ala Asp Asp Trp Asn Glu Asn Pro Gly Asp Leu Arg Asn 145 150 155 160 Lys Asn Arg Val Leu Thr Glu Phe Arg Asn Val Asn Gly His Phe Glu 165 170 175 Asn Ser Met Pro Ser Phe Ala Val Arg Asn Phe Glu Val Asn Leu Leu 180 185 190 Pro Val Tyr Ala Glu Ala Ala Asn Leu His Leu Leu Leu Leu Arg Asp 195 200 205 Ala Val Lys Phe Gly Glu Gly Trp Gly Met Ser Thr Asp Pro Gly Ala 210 215 220 Glu Arg Asp Asp Met Tyr Arg Arg Leu Arg Ser Arg Thr Glu Ile Tyr 225 230 235 240 Thr Asp His Cys Val Asn Thr Tyr Asn Gln Gly Leu Gln Gln Ala Lys 245 250 255 Ser Leu Gln Ala Asn Val Ser Asp Tyr Ser Arg Tyr Pro Trp Thr Gln 260 265 270 Tyr Asn Gln Ser Gly Gly Phe Ser Tyr Arg Glu Ala Lys Gly Glu Tyr 275 280 285 Arg Gly Thr Glu Asn Trp Asn Leu Tyr Asn Ala Phe Arg Arg Asp Met 290 295 300 Thr Ile Leu Val Leu Asp Ile Ile Ala Gln Phe Pro Thr Tyr Asp Pro 305 310 315 320 Gly Leu Tyr Ser Arg Pro Val Lys Ser Glu Leu Thr Arg Glu Val Tyr 325 330 335 Thr Asp Ile Arg Gly Thr Thr Trp Arg Ser Asp Ala Asn Leu Asn Thr 340 345 350 Ile Asp Ala Ile Glu Asn Arg Met Val Gly Ser Arg Gln Leu Gln Leu 355 360 365 Phe Thr Trp Leu Thr Glu Met Lys Phe Tyr Ile Arg Asn Thr Gly Ser 370 375 380 Ile Thr Ser Tyr Thr His Gly Asp Leu Met Val Gly Leu Glu Lys Lys 385 390 395 400 Ile Arg Lys Thr Asn Asp Asn Asp Gln Trp Leu Pro Leu Glu Gly Gln 405 410 415 Asn Thr Ser Tyr Thr Arg Ile Asp Arg Pro Gly Ile Glu Leu Gly Lys 420 425 430 Asn Tyr Trp Tyr Tyr Ala Arg Thr Gln Gln Trp Phe Glu Thr Arg Leu 435 440 445 Leu Gln Leu Trp Ala Asn Thr Asp Val Leu Ser Leu Asn Ala Gly Thr 450 455 460 Val Gly Asn Glu Phe Trp Val Arg Asp Val Pro Asp Tyr Arg Asn Ile 465 470 475 480 Tyr Ala Arg Ser Thr Arg Asn His Phe Ile Glu Asn His Arg Leu Ser 485 490 495 Trp Ile Lys Phe Glu Pro Val Arg Asp Asn Cys Pro Phe Ala Trp Pro 500 505 510 Gly Tyr Lys Gln Leu Ser Ala Leu Leu Phe Gly Trp Thr His Asn Ser 515 520 525 Val Asp Leu Asn Asn Ile Ile Ser Gln Tyr Arg Ile Thr Gln Ile Pro 530 535 540 Ala Val Lys Ala Tyr Trp Asn Arg Gly Ala Phe Ser Val Ile Arg Gly 545 550 555 560 Pro Gly Ser Thr Gly Gly Asn Leu Val Gln Leu Gly Thr Gly Gly Glu 565 570 575 Val Ser Val Lys Val Arg Pro Glu Gln Thr Gly Ser Asp Trp Tyr Arg 580 585 590 Val Arg Ile Arg Tyr Ala Ala Gly Ser Arg Gly Arg Leu Asn Val Lys 595 600 605 Lys Tyr Val Ser Ser Ile His Ala Ser Val Thr Tyr Asp Tyr Asn Met 610 615 620 Thr Met Ser Ser Ser Thr Gln Gly Thr Tyr Asn Ser Phe Gln Tyr Leu 625 630 635 640 Asp Val Tyr Asn Phe Arg Leu Ala Glu Pro Glu Phe Glu Val Trp Leu 645 650 655 Thr Asn Glu Ser Gly Gly Pro Ile Trp Ile Asp Lys Ile Glu Phe Ile 660 665 670 Pro Leu Ser Pro Ile Pro Glu Leu Pro Val Tyr Pro Gly Thr Tyr Gln 675 680 685 Ile Val Thr Ala Leu Asn Asn Ser Ser Val Val Thr Ser Glu Glu Phe 690 695 700 Cys Met Gly Ile Gly Leu Thr Thr Arg Cys Gly Val Asn Leu Trp Ser 705 710 715 720 Asn Asn Gly Asn Thr Leu Gln Lys Trp Arg Phe Val Tyr Asn Gly Asp 725 730 735 Gln Asn Ala Phe Gln Ile Lys Ser Thr Pro Asn Glu Asp Leu Val Leu 740 745 750 Ser Gly Ser Asn Ser Gly Thr Ser Val Thr Ala Glu Thr Asn Gln Asn 755 760 765 Arg Pro Asn Gln Tyr Trp Leu Ile Glu Glu Ala Gly Asn Gly Tyr Val 770 775 780 Tyr Leu Arg Ser Lys Gly Asn Pro Asn Leu Val Leu Asp Val Ala Gly 785 790 795 800 Thr Ser Thr Ala Asn Gly Thr Asn Ile Ile Leu Trp Asn Tyr Asn Gly 805 810 815 Ser Thr Asn Gln Lys Phe Lys Leu Ser 820 825 <210> 3 <211> 7 <212> PRT <213> Bacillus thuringiensis <220> <221> unsure <222> 5 <400> 3 Met Asn Gln Asn Xaa Asn Asn 1 5 <210> 4 <211> 7 <212> PRT <213> Bacillus thuringiensis <400> 4 Val Tyr Thr Asp Ile Arg Gly 1 5 <210> 5 <211> 8 <212> PRT <213> Bacillus thuringiensis <220> <221> unsure <222> 6 <400> 5 His Asn Arg Leu Ser Xaa Ile Lys 1 5 <210> 6 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer for amplifying gene derived from Bacillus thuringiensis A1462 <400> 6 aaaactcgaa aagggggaaa t 21 <210> 7 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequences <220> <223> PCR primer for amplifying gene derived from Bacillus thuringiensis A1462 <400> 7 ccgttggcta ttactgtcgt ttt 23
【図面の簡単な説明】
【図1】A1462株88kDaタンパク質の遺伝子と
その周辺遺伝子の構造を示す図である。
【図2】A1462株88kDaタンパク質の塩基配列
及びアミノ酸配列を示す図である。
【図3】A1462株(WT)と単離遺伝子導入産物
(TF)との比較を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/21 4C084 1/19 C12P 21/02 C 4H045 1/21 C12Q 1/02 5/10 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 Z C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/15 5/00 A 33/50 A61K 37/02 (72)発明者 齋藤 浩之 福岡県久留米市高良内町4386−6単身住宅 203 (72)発明者 山下 聡子 福岡県久留米市高良内町2910−1−501 Fターム(参考) 2G045 AA40 4B024 AA01 AA11 BA38 CA04 DA02 DA05 DA06 DA11 DA12 EA02 EA04 GA11 HA11 4B063 QA18 QQ08 QQ13 QQ79 QS33 4B064 AG30 CA02 CA05 CA06 CA10 CA19 CC24 DA05 DA14 4B065 AA01X AA20Y AA57X AA72X AA90X AB01 BA02 CA24 CA34 CA44 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 BA01 BA02 BA08 BA22 CA04 NA14 ZB26 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA11 DA75 DA83 EA28 EA50 FA72 FA74

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1で示されるヌクレオチド配列
    からなるDNA。
  2. 【請求項2】 配列番号2で示されるアミノ酸配列から
    なるタンパク質をコードするDNA。
  3. 【請求項3】 配列番号1のヌクレオチド配列からなる
    DNAに対して相補的なヌクレオチド配列からなるDN
    Aとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、か
    つ活性形態において細胞認識活性を有するタンパク質を
    コードするDNA。
  4. 【請求項4】 前記タンパク質が溶血活性を有しない、
    請求項3記載のDNA。
  5. 【請求項5】 細胞認識活性が、白血病細胞、子宮癌細
    胞及び肝癌細胞からなる群より選択される少なくとも1
    つの細胞に対して特異的である、請求項3又は4記載の
    DNA。
  6. 【請求項6】 DNAがバチルス属由来である、請求項
    3〜5のいずれか1項記載のDNA。
  7. 【請求項7】 DNAがバチルス・チューリンジエンシ
    スA1462株(受託番号FERM P−18787)由来
    である、請求項6記載のDNA。
  8. 【請求項8】 配列番号1のヌクレオチド配列からなる
    DNAに対して相補的なヌクレオチド配列からなるDN
    Aとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、か
    つ活性形態において細胞障害活性を有するタンパク質を
    コードするDNA。
  9. 【請求項9】 前記タンパク質が溶血活性を有しない、
    請求項8記載のDNA。
  10. 【請求項10】 細胞障害活性が、白血病細胞、子宮癌
    細胞及び肝癌細胞からなる群より選択される少なくとも
    1つの細胞に対して特異的である、請求項8又は9記載
    のDNA。
  11. 【請求項11】 DNAがバチルス属由来である、請求
    項8〜10のいずれか1項記載のDNA。
  12. 【請求項12】 DNAがバチルス・チューリンジエン
    シスA1462株(受託番号FERM P−18787)由
    来である、請求項11記載のDNA。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項記載の
    DNAを含有するベクター。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のベクターを含有する
    形質転換体。
  15. 【請求項15】 配列番号2で示されるアミノ酸配列か
    らなるタンパク質。
  16. 【請求項16】 配列番号2で示されるアミノ酸配列に
    おいて1以上のアミノ酸が欠失、置換、付加若しくは挿
    入されたアミノ酸を含み、かつ活性形態において細胞認
    識活性を有するタンパク質。
  17. 【請求項17】 前記タンパク質が溶血活性を有しな
    い、請求項16記載のタンパク質。
  18. 【請求項18】 細胞認識活性が、白血病細胞、子宮癌
    細胞及び肝癌細胞からなる群より選択される少なくとも
    1つの細胞に対して特異的である、請求項16又は17
    記載のタンパク質。
  19. 【請求項19】 タンパク質がバチルス属由来である、
    請求項16〜18のいずれか1項記載のタンパク質。
  20. 【請求項20】 タンパク質がバチルス・チューリンジ
    エンシスA1462株(受託番号FERM P−1878
    7)由来である、請求項19記載のタンパク質。
  21. 【請求項21】 配列番号2で示されるアミノ酸配列に
    おいて1以上のアミノ酸が欠失、置換、付加若しくは挿
    入されたアミノ酸を含み、かつ活性形態において細胞障
    害活性を有するタンパク質。
  22. 【請求項22】 前記タンパク質が溶血活性を有しな
    い、請求項21記載のタンパク質。
  23. 【請求項23】 細胞障害活性が、白血病細胞、子宮癌
    細胞及び肝癌細胞からなる群より選択される少なくとも
    1つの細胞に対して特異的である、請求項21又は22
    記載のタンパク質。
  24. 【請求項24】 タンパク質がバチルス属由来である、
    請求項21〜23のいずれか1項記載のタンパク質。
  25. 【請求項25】 タンパク質がバチルス・チューリンジ
    エンシスA1462株(受託番号FERM P−1878
    7)由来である、請求項24記載のタンパク質。
  26. 【請求項26】 請求項15〜25のいずれか1項記載
    のタンパク質を含有する医薬組成物。
  27. 【請求項27】 請求項15〜20のいずれか1項記載
    のタンパク質を含有する細胞標識剤。
  28. 【請求項28】 請求項15及び21〜25のいずれか
    1項記載のタンパク質を含有する抗癌剤。
  29. 【請求項29】 請求項15〜25のいずれか1項記載
    のタンパク質を生産する方法であって、以下の工程: (a)該タンパク質を発現する細胞を培養する工程;及
    び (b)該タンパク質を回収する工程; を包含する、方法。
  30. 【請求項30】 請求項15〜25のいずれか1項記載
    のタンパク質に対する抗体。
  31. 【請求項31】 請求項15〜20のいずれか1項記載
    のタンパク質が認識する細胞を同定するための方法であ
    って、以下の工程: (a)培養培地中で、任意の細胞と該タンパク質とをイ
    ンキュベートする工程;及び (b)該タンパク質が該細胞に対する細胞認識活性を有
    するか否かを決定する工程; を包含する、方法。
  32. 【請求項32】 請求項15及び21〜25のいずれか
    1項記載のタンパク質が細胞障害活性を示す細胞を同定
    するための方法であって、以下の工程: (a)培養培地中で、任意の細胞と該タンパク質とをイ
    ンキュベートする工程;及び (b)該タンパク質が該細胞に対する細胞障害活性を有
    するか否かを決定する工程; を包含する、方法。
  33. 【請求項33】 (c)該タンパク質が溶血活性を有す
    るか否かを決定する工程をさらに包含する、請求項31
    又は32記載の方法。
  34. 【請求項34】 請求項15〜25のいずれか1項記載
    のタンパク質に対して親和性を有する物質を同定する方
    法であって、以下の工程: (a)該タンパク質と被験物質とを接触させる工程; (b)該被験物質が、該タンパク質に対して親和性を有
    するか否かを決定する工程; を包含する方法。
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