JP2003307539A - ガス絶縁機器の部分放電診断装置 - Google Patents
ガス絶縁機器の部分放電診断装置Info
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Abstract
おける部分放電周波数信号を除外すること無く部分放電
を精度良く検出できるガス絶縁機器の部分放電診断装置
を提供することにある。 【解決手段】ガス絶縁機器1の部分放電を部分放電セン
サ2で検出する。部分放電センサで検出された放電周波
数信号の周波数が無線機器に割当てられている無線周波
数帯域内にあるかを周波数判定部5で判定する。また、
無線周波数帯域内における放電周波数信号パターンと無
線周波数信号パターンを信号パターン認識部8で比較照
合する。部分放電判定部9は、無線周波数帯域外で無線
周波数信号パターンに一致しない放電周波数信号を入力
して部分放電パターンと照合して放電要因を判定する。
Description
ガス絶縁機器で発生する部分放電を監視して診断するガ
ス絶縁機器の部分放電診断装置に関する。
れ、その上、無人の設備が増えている。変電設備の中心
となるガス絶縁機器は異物や傷が原因で部分放電を発生
し、重大事故に繋がる虞があることから電力制御所、営
業所、メーカなどの保守監視センターで監視することが
要求される。
もある)の部分放電を検出する技術は、例えば、刊行物
「電気共同研究」第46巻4号(電気共同研究会)平成
2年発行、第147〜167頁第6章「変電部門におけ
るセンサ技術の適用」に記載されているように、外部放
射電磁界センサ方式、接地線電流センサ方式、静電分圧
センサ方式などがある。
設けたループアンテナによりGIS内部で発生している
部分放電を検知するもので、検知レベルは1500pC
(ピコクーロン)程度である。pCは電荷量である。接
地線電流センサ方式は、タンク接地線に流れるパルス電
流を検出することにより内部で発生している部分放電を
検知するもので100pC程度の検出レベルである。
伴う電磁波をGISタンク内に設けた中間電極(アンテ
ナ)により検出するもので、100pC程度の検出レベ
ルである。静電分圧センサ方式は、周波数解析によるノ
イズ除去を行なうことで数pCの検知も可能であること
が報告され、近年は、他の方式に比べて高感度である静
電分圧センサ方式が多く使用されている。
的に500MHz以下であるが、GIS内部で発生する
部分放電は急峻なパルスとなる為に500MHz以上の
高い周波数成分を有する電磁波となって管路内を伝播す
る。部分放電の周波数特徴を利用して、センサ信号の周
波数成分を監視する方法の有用性が報告されており、部
分放電診断装置に応用されている。
には、スペクトラムアナライザを使用して検出した信号
の強度の大きい周波数における電圧位相パターンと予め
登録している欠陥種別毎の電圧位相パターンをニューロ
処理により認識させ、異常の種類や程度、機器の劣化具
合を診断する方法が開示されている。
話を始めとする無線機器も500MHz以上の特定周波
数を利用しているので、絶縁診断中にこれらの無線周波
数信号を検出することが非常に多くなり誤診断の原因に
なっている。誤診断を防止するには、ノイズとなる特定
周波数帯域を信号処理する演算装置内で除外する方法や
ハードウェアにおいてフィルター回路を使用し特定周波
数帯域をカットする方法が適用されている。
波数帯域内で部分放電信号をも同時に除外するので検出
精度を低下させるという問題点を有している。特に、携
帯電話等の無線機器の大幅な増加により使用周波数帯域
が広がっており、除外しなければならない周波数帯域が
増加しているので部分放電の検出を精度良く行えないよ
うになっている。
域における部分放電周波数信号を除外すること無く部分
放電を精度良く検出できるガス絶縁機器の部分放電診断
装置を提供することにある。
ろは、ガス絶縁機器の部分放電を検出する部分放電セン
サで検出された放電周波数信号の周波数が無線機器に割
当てられている無線周波数帯域内にあるかを判定すると
共に無線周波数帯域内における放電周波数信号パターン
と無線周波数信号パターンを比較照合し、無線周波数帯
域外で無線周波数信号パターンに一致しない放電周波数
信号を入力して部分放電パターンと照合して放電要因を
判定するようにしたことにある。
る部分放電周波数信号を除外すること無く、部分放電の
発生する全周波数帯域における部分放電周波数信号によ
って検出しているので部分放電を精度良く検出すること
ができる。
て説明する前に、GISで発生する部分放電について説
明する。
絶縁機器は、製造時の異物の混入や絶縁物における欠陥
などが存在すると部分放電が発生する。これらを放置す
ると雷サージや開閉サージのストレスを受け、地絡・短
絡事故を発生させる原因になる。部分放電は、主として
500〜2000MHzのUHF帯域の周波数成分を有す
る電磁波となって管路内を伝播する。また、部分放電
は、欠陥の種別による固有の電圧位相パターン(周波数
信号パターン)を持っており、この周波数信号パターン
を認識することにより欠陥種別の判定を行なうことが出
来る。
おいて、対象とする変電設備のガス絶縁機器1には部分
放電を検知する部分放電センサ2が取付けられている。
センサ2はガス絶縁機器1に埋め込む電極内蔵(アンテ
ナ)方式のものやスペーサ部表面設置型のスペーサアン
テナ方式のものを用いることができる。
数信号は部分放電診断装置13に入力される。部分放電
診断装置13に入力された放電周波数信号は信号検出部
4で増幅され周波数成分が抽出される。また、検出した
放電周波数信号は、商用電源周波数の1サイクルを基準
にした電圧位相情報に加工される。信号検出部4は放電
周波数信号(電圧位相情報)を周波数判定部5に与え
る。
等の無線機器に割当てられている無線周波数帯域が格納
されている。周波数判定部15は放電周波数信号の周波
数が無線周波数帯域テーブル10に格納されている無線
周波数帯域内にあるかを判定する。
波数帯域内にある判定した放電周波数信号を信号幅確認
部6に与え、また、無線周波数帯域外の放電周波数信号
を放電要因判定部9に与える。信号幅確認部6は無線周
波数信号(無線信号)の1パケットの信号幅を設定幅と
して与えられ、放電周波数信号の信号幅と比較する。
が設定幅とほぼ同じであると放電周波数信号を信号位相
合せ部7に与え、また、放電周波数信号の信号幅が設定
幅より大きいか小さいと放電周波数信号を放電要因判定
部9に与える。
ンを無線信号パターンテーブル11に格納されている無
線信号パターン(無線周波数信号パターン)との比較を
行い易くするため放電周波数信号をシフト処理する。シ
フト処理では放電周波数信号の位相パターンを無線周波
数信号パターンの位相原点(0°)へ移動させる処理を
実行する。
放電周波数信号波形と無線信号パターンテーブル11に
予め登録されているシフト処理された無線信号パターン
とを照合する。信号パターン認識部8は両信号のパター
ンが合致すれば携帯電話等の無線通信信号と判定して除
外し、合致しなければ部分放電による放電周波数信号と
判定し放電要因判定部9に与える。
幅確認部6および信号パターン認識部8で判定された放
電周波数信号を入力してパターン認識処理を行い部分放
電パターンテーブル12の部分放電パターンとの照合を
行い部分放電の各種要因を判定する。
は、横軸にガス絶縁機器1に印加される商用電源電圧の
1サイクルの位相角(0〜360°)を48分割し、縦
軸にその各位相に対する最大信号強度を表したグラフで
ある。1サイクル中の最大の信号強度を1として正規化
したグラフで表わしている。
きさにより1サイクル中におけるパターンと立ち上りタ
イミングに違いがあることが刊行物「電気学会技術報
告」第502号頁73表4.5の部分放電パルスパターンの例に
示されている。
種別により特徴的なものが多く、位相のパターンにより
欠陥種別を判定することが可能である。このことから、
欠陥種別毎の位相パターンを登録しておき、検出信号の
位相データと比較することで欠陥種別を導き出すことが
できる。
ーンの一例を示す。例えば、図2(a)のスペーサクラ
ックのケースでは、電圧位相に対し正負均等なパターン
となる。また、図2(b)の高圧導体突起や図2(c)
のタンク底面異物のケースでは、正負ピークを中心に大
きな幅のパターンになる。
な矩形波状となり、0°〜360°間ではランダムなタ
イミングの位相角で立ち上がる波形となり、出現個所が
一定でないことから位相パターンによる推測が難しくな
る。しかし、矩形波状の幅は常に変わらない特徴を持っ
ている。
等の既知の無線周波数信号に対する信号判別を行うよう
にしている。
出した放電周波数信号を増幅して周波数成分の抽出を行
う。信号検出部4は、放電周波数信号を商用電源電圧を
基準とした1サイクル分の電圧位相情報として加工す
る。本実施例では、位相情報は電圧位相7.5°毎の4
8分割データに加工したものとしている。なお、本実施
例は、すべて電圧位相を7.5°毎の48分割したパタ
ーンで表しているがこれに限るものではない。
理を行う。周波数判定部5は、携帯電話等の無線周波数
信号か実際に発生している部分放電の周波数信号かどう
かを切り分ける処理を行うことになる。
0MHzもしくは1500MHzを占有周波数帯域として割当
てられている。正確な営業周波数帯は800MHzの場
合、810MHz〜958MHz、1500MHzの場合、14
29MHz〜1501MHzが電波法により規定され割当てら
れている。
号の周波数と無線周波数帯域テーブル10に予め設定し
てある設定無線周波数帯域とを比較する。放電周波数信
号の周波数が設定無線周波数帯域内の場合は携帯電話等
の無線周波数信号である可能性もあり、放電周波数信号
も含まれる。
aと31bが携帯電話で使用される周波数帯である。検
出信号32は放電検出信号であるが、検出信号33は携
帯電話の無線周波数信号か放電周波数信号の何れかにな
る。無線周波数帯域テーブル10はこの周波数帯域31
a、31bをテーブル化したものである。
成の一例を図4に示す。設定する周波数の始点をF1n
に、また、周波数の終点をF2nに設定する。図示のよ
うにF11(810MHz)とF12(958MHz)
を1行目に配置する。同様に複数の携帯電話や無線信号
の周波数帯域を設定する場合には、図示のように複数箇
所nの周波数帯域を設定する。符号nの数字は1、2、
…の順に低周波側からにする。
波数帯域内にある判定した放電周波数信号を信号幅確認
部6に与え、また、無線周波数帯域外の放電周波数信号
を放電要因判定部9に与える。信号幅確認部6は無線周
波数信号(無線信号)の1パケットの信号幅を設定幅と
して与えられ、放電周波数信号の信号幅と比較する。
が設定幅とほぼ同じであると放電周波数信号を信号位相
合せ部7に与え、また、放電周波数信号の信号幅が設定
幅より大きいか小さいと放電周波数信号を放電要因判定
部9に与える。
話の信号の電圧位相幅は常に一定であることから48点
の位相幅(信号幅)の和を設定幅として放電周波数信号
と比較する。放電周波数信号と設定幅が一致すると無線
周波数信号の可能性があるが、設定幅より大きいか、あ
るいは小さいと放電周波数信号と判定する。
うに信号幅が変化しないが出現する位相角度が異なる。
信号位相合せ部7は無線周波数信号の判別を容易にする
ために位相を位相原点である0°まで移動(シフト)す
る。
ンを無線信号パターンテーブル11に格納されている無
線信号パターン(無線周波数信号パターン)との比較を
行い易くするため放電周波数信号をシフト処理する。
流れの一例を図5に示す。処理51では、立ち上りが図
6(a)のような1個(無線信号では1パケットであ
り、以後、1パケットと称する)又は図6(b)のよう
な3パケット以上の位相パターンであるかを判定する。
1パケットまたは3パケット以上の場合には処理54に
移り、図6(a)、(b)に破線で示すように、位相原
点である‘0°’へパケットをシフトする。
上でないと判定すると処理52において図6(c)のよ
うに2パケットのパターンで、1パケット目の開始点が
‘0°’以外のケースの時、図6(c)に破線で示すよ
うにそのまま‘0°’へシフトする。処理53では、図
6(d)のようにもし2パケット目の終了点が‘360
°’の時、2パケット目の開始点を先頭として‘0°’
へシフトする。何故ならば、図6(d)の場合、連続し
た1つのパターンとして考えられるからである。
放電周波数信号波形と無線信号パターンテーブル11に
予め登録されているシフト処理された無線信号パターン
とを照合しパターン認識処理を実行する。信号パターン
認識部8は両信号のパターンが合致すれば携帯電話等の
無線通信信号と判定して除外し、合致しなければ部分放
電による放電周波数信号と判定し放電要因判定部9に与
える。
例構成を示す。このテーブル11には、実際に計測した
携帯電話や無線機器信号データや減衰を考慮した位相パ
ターンでシフト処理した、つまり位相原点を合わせた無
線信号パターンデータが登録されている。図7ではパタ
ーンを変えた2種類の携帯電話の信号の位相パターンを
登録している。
ターンと無線信号パターンが一致すれば無線機器の無線
周波数信号と判定することが出来る。以上のようにシフ
トした信号パターンで照合処理することにより、位相
幅、信号の強度等細かい特徴を掴んで照合処理を行うこ
とが出来る。
幅確認部6および信号パターン認識部8で判定された放
電周波数信号を入力してパターン認識処理を行い部分放
電パターンテーブル12の部分放電パターンとの照合を
行い部分放電の各種要因を判定する。
例構成を示す。このテーブル12には、図7に示す無線
信号パターンと同様に、実際に計測した部分放電の位相
パターンを教師データとして欠陥種別毎に登録されてい
る。図8は1番目にスペーサクラックの部分放電パター
ン、2番目にタンク底面異物の部分放電パターンを登録
している例を示している。
ブル12に登録してある部分放電のパターンと一致する
ことにより欠陥種別を導き出すことが出来る。
あるが、本発明ではニューロの技術を適用する。ニュー
ラルネットワーク技術は、人間による判断に近い処理を
コンピュータにより実現するためのものであり、文字認
識などのパターン認識に適用されている。ニューロの利
点は曖昧な診断を処理し、パターン認識に限ればより人
間に近い判定を下せることにある。パターン認識の分野
においては色々な技術に適用されている。
検出するのであるが、無線機器の使用周波数帯域におけ
る部分放電周波数信号を除外すること無く、部分放電の
発生する全周波数帯域における部分放電周波数信号によ
って検出しているので部分放電を精度良く検出すること
ができる。
よっても放電周波数信号と無線周波数信号を区分してい
るので信号パターンの照合を簡略化できる。また、部分
放電や携帯電話等の位相パターンを登録するテーブルが
単純な構成となっており、テーブル本体のメモリ容量も
少なくて済むことから、汎用の演算装置への搭載も可能
である。
ける部分放電周波数信号を除外すること無く、部分放電
の発生する全周波数帯域における部分放電周波数信号に
よって検出しているので部分放電を精度良く検出するこ
とができる。
る。
性図である。
ブルの一例構成図である。
ーブルの一例構成図である。
ーブルの一例構成図である。
…部分放電診断装置、4…信号検出部、5…周波数判定
部、6…信号幅確認部、7…信号位相合わせ部、8…信
号パターン認識部、9…部分放電判定部、10…無線周
波数帯域テーブル、11…無線信号パターンテーブル、
12…部分放電パターンテーブル。
Claims (2)
- 【請求項1】ガス絶縁機器の部分放電による放電周波数
信号を検出する部分放電センサと、前記部分放電センサ
で検出された前記放電周波数信号の周波数が無線機器に
割当てられている無線周波数帯域内にあるかを判定する
周波数判定手段と、前記無線周波数帯域内における前記
放電周波数信号パターンと無線周波数信号パターンを比
較照合する信号パターン認識手段と、前記無線周波数帯
域外で前記無線周波数信号パターンに一致しない前記放
電周波数信号を入力して部分放電パターンと照合して放
電要因を判定する放電要因判定手段とを具備することを
特徴とするガス絶縁機器の部分放電診断装置。 - 【請求項2】ガス絶縁機器の部分放電による放電周波数
信号を検出する部分放電センサと、前記部分放電センサ
で検出された前記放電周波数信号の周波数成分を抽出す
る信号検出手段と、前記部分放電センサで検出された前
記放電周波数信号の周波数が無線機器に割当てられてい
る無線周波数帯域内にあるかを判定する周波数判定手段
と、前記放電周波数信号と前記無線機器の無線周波数信
号の信号幅を比較する信号幅確認手段と、前記無線機器
の無線周波数信号パターンを格納する記憶手段と、前記
無線周波数帯域内における前記放電周波数信号パターン
の位相原点を前記記憶手段に格納されている前記放電周
波数信号パターンに一致させる信号位相合せ手段と、前
記信号位相合せ手段で位相合せされた前記放電周波数信
号パターンと前記無線周波数信号パターンを比較照合す
る信号パターン認識手段と、前記無線周波数帯域外で前
記無線周波数信号の信号幅より小さく前記無線周波数信
号パターンに一致しない前記放電周波数信号を入力して
部分放電パターンと照合して放電要因を判定する放電要
因判定手段とを具備することを特徴とするガス絶縁機器
の部分放電診断装置。
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2002
- 2002-04-16 JP JP2002113228A patent/JP3861736B2/ja not_active Expired - Fee Related
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