JP2003307181A - 可変容量型斜板式冷媒圧縮機 - Google Patents

可変容量型斜板式冷媒圧縮機

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JP2003307181A
JP2003307181A JP2002111213A JP2002111213A JP2003307181A JP 2003307181 A JP2003307181 A JP 2003307181A JP 2002111213 A JP2002111213 A JP 2002111213A JP 2002111213 A JP2002111213 A JP 2002111213A JP 2003307181 A JP2003307181 A JP 2003307181A
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JP
Japan
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sensor
swash plate
piston
coil
variable capacity
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Application number
JP2002111213A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Urano
充弘 浦野
Hiroshi Murata
寛 村田
Eisaku Yokota
栄作 横田
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Ubukata Industries Co Ltd
Original Assignee
Ubukata Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】能力制御を正確にできる可変容量型斜板式圧縮
機を得る。 【構成】可変容量型斜板式圧縮機1は容器2に貫通孔2
Bが設けられ、センサー10が設けられている。センサ
ー10は発振回路を有しており、この発振回路の検出コ
イルがピストン6の側面と直接対向する位置に配置され
ている。ピストン6は斜板8によって駆動され、斜板8
の傾斜角度でストロークが決まる。 【効果】ピストン6がセンサー10の検出範囲に入ると
センサーの発振回路の発振周波数が変化してセンサー1
0の出力も変化する。センサー10の出力からピストン
6のストロークを算出することで斜板の傾斜角度を知る
ことができ、それに応じて斜板の傾斜角度を正確に制御
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカーエアコン用冷媒圧縮
機の内、容量制御のためにセンサーを取り付けられた可
変容量型斜板式冷媒圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常のカーエアコン用圧縮機はエンジン
の回転による駆動力をベルトなどを介して受け、電磁ク
ラッチを介して駆動力を伝えられている。従来のカーエ
アコン用圧縮機は容量が固定されており、その運転能力
制御は電磁クラッチによる圧縮機のオン・オフによって
行なわれていた。しかしこのような制御では圧縮機の動
作時には常に電磁クラッチを動作させる必要があるため
にバッテリーに対する電気的負荷が大きく、また電磁ク
ラッチのオン・オフ時には負荷の変動によってエンジン
の回転数が急激に変動するために駆動力の伝達部分への
機械的負荷と共に走行時のショックが大きいと言う問題
がある。さらに圧縮機の回転数はエンジンの回転数と同
期するため走行速度によって冷房能力が変化するなど、
快適性などの面でも改善の余地が有る。
【0003】これに対して近年、可変容量型の冷媒圧縮
機を採用するものがでてきた。この可変容量型冷媒圧縮
機とは例えば斜板式冷媒圧縮機においては斜板の傾斜角
度を変える事によりピストンのストロークを変化させて
運転能力を制御するものである。こうしてピストンのス
トロークをほぼ0から最大まで連続的に変える事によ
り、圧縮機は回転数に関わらず常に最適な冷媒吐出量と
して冷房能力を連続的に制御することができる。また圧
縮機はピストンのストロークを0にして事実上圧縮を行
なわない無負荷運転ができることから、エアコンの非運
転時にもエンジンからの駆動力を遮断する必要はない。
そのため圧縮機を常時エンジンと共に回転する構造とす
ることができ、エンジンとの接続部分に有った電磁クラ
ッチを無くすことができる。斜板の傾斜角度の制御は例
えば斜板を有するクランクケース内の圧力を変化させて
ピストンの前後にかかる力のつり合いを変える事により
行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は斜板の傾斜角度
は、制御しているクランクケース内の圧力からピストン
の前後の圧力差を推定して傾斜角度を換算されていた。
しかし、このような方法では大まかな角度でしか判らな
いため、カーエアコンの運転能力制御を行うためには不
充分なものであった。さらに制御圧力に対して斜板が対
応して傾斜しているのかどうかを確認する手段がなかっ
た。
【0005】そこでカーエアコンの能力制御をより精密
でかつ細やかに行なうためには、容量制御のために斜板
の傾斜角度等をより精密に検出することのできるセンサ
ーが必要とされる。例えば斜板の傾斜角度検出のために
検出対象に永久磁石などを取付け、永久磁石の移動によ
る磁気的変化をセンサーで検出する事でピストンの移動
量を求め、圧縮機の容量を算出する方法が提案されてい
る。しかし斜板は回転しながらその周縁部で摺動によっ
てピストンを駆動する構造とされているので、この斜板
の周縁部へ検出のための部品を取付けることは困難であ
る。また斜板やピストンに永久磁石を配置した場合には
センサーによる検出は容易になるが、圧縮機内部に存在
する鉄粉などの磁性体がそこに集まるのでそれぞれの摺
動部分などに影響を及ぼす可能性がある。また周辺部品
がすべて金属製であるために従来の近接センサー等では
周囲の金属の影響によって斜板やピストンなど検出対象
となる可動部の移動量を正確に検出できないと言う問題
がある。
【0006】そのため圧縮機の運転能力を制御するため
に、斜板の傾斜角度やピストンのストロークを検出でき
る構造が簡単で圧縮機の動作に影響を与えない検出手段
が求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の可変容量
型斜板式冷媒圧縮機においては、圧縮機容器にはセンサ
ーをその検出面がピストンと直接対向する位置に配置
し、このセンサーはコイルと信号処理回路を有し、また
このコイルは発振回路を構成しており導電体であるピス
トンがコイル近傍に接近したり対向面積を変化させたり
することなどによりピストン表面に渦電流が発生してそ
の結果として発振回路の発振周波数が変化するものであ
り、このセンサーの出力変化からピストンのストローク
を算出して傾斜板の傾斜角度制御ができることを特徴と
している。
【0008】本発明によれば圧縮機等に磁石などを取り
付けることなく確実にピストンのストロークを検出でき
るセンサーを有する可変容量型斜板式冷媒圧縮機を得る
ことができ、このストロークから圧縮機の容量を知ると
ともに傾斜板の傾斜角度制御による圧縮機の運転能力制
御が可能になる。
【0009】また他の特徴は、センサーのコイルを電気
的及び磁気的に空芯としたことにある。そのため特に高
温下での使用においても急激な特性変化はなく安定した
検出感度を得ることができる。
【0010】さらにセンサーのケースを非磁性でかつ非
導電性の材料とするとともに、圧縮機容器のセンサー取
付部分である取付孔の直径は少なくともコイルの外径の
2倍以上としてコイル表面から金属容器を離すことで、
センサーを金属容器に取り付けた場合にも周囲の金属の
影響をほぼなくすことができる。
【0011】また信号処理回路をPLL回路とすること
によりセンサーの発振周波数の値を直流信号として得る
ことができ、さらにコイルによる発振周波数を少なくと
も100KHz以上とすることでコイルを小型化できて
圧縮機のセンサーとしても充分な応答速度を有するとと
もに、信号処理をより容易にすることができる。
【0012】また他の特徴は検出対象となるピストンの
センサーと対向する面に凹部を設けたことにあり、この
凹部がセンサーの検出範囲を通過することにより変化す
るセンサー出力からピストンの動きを算出できるように
される。
【0013】さらに凹部をピストンのセンサーと対向す
る直線上に設けられた幅、または深さを連続的に変化さ
せる溝とすることにより、ピストンの位置変化によりセ
ンサー出力は連続的に変化するので、ピストン位置を連
続的かつ正確に検出することができる。そのためピスト
ンのストロークや動作速度などの算出が容易でかつ正確
になり、より高度な圧縮機の能力制御が可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1及び図2を参照して本
発明について説明する。本発明の圧縮機は自動車に使用
されるカーエアコン用冷媒圧縮機であり、可変容量型の
斜板式圧縮機である。この圧縮機1はアルミ合金などか
ら作られた軸収納部2、シリンダー部3、及び冷媒の吸
入通路及び吐出通路が設けられた気体通路部4によって
容器が構成されている。この容器内には軸収納部2を貫
通して回転軸5が気密かつ回転可能に固定されており、
その一端はシリンダー部の中央に回転可能に固定されて
いる。
【0015】シリンダー部3にはいくつかのシリンダー
3Aが穿たれており、それぞれのシリンダー3Aにはピ
ストン6が配置されている。これらのピストン6はその
図示左端をコの字状の保持部6Aとされており、この保
持部6Aの内側で半球型のシュー7を介して斜板8を保
持している。斜板8は回転軸5に固定されたロータ9と
ともに回転する様にされており、前記シュー7は斜板8
に対して接触角度を合わせながら斜板の回転を妨げない
様に摺動している。
【0016】例えば図1に示すような状態で回転軸5と
ともに斜板8が回転すると、斜板8の円周上のある一点
をとらえると往復運動となる。そのためピストン6もま
た往復運動を行ない冷媒の圧縮を行なう事ができる。斜
板8は回転軸5に対して直接固定されてはおらず、また
ロータ9に対してはそのピン8Aがロータのアーム9A
に設けられた長孔9Bに摺動可能に保持されている。斜
板8はその中心を回転軸5に沿って移動するとともにこ
のピン8Aを長孔に摺動させる事で、傾斜の上死点側を
軸として傾斜角度を変えることができる。斜板8の傾斜
角度は軸収納部2内の圧力を変えてピストン6の前後の
圧力を調整する事によって決められる。このように斜板
8の傾斜角度を変化させる事によってピストン6の往復
運動におけるストローク、つまり圧縮容量を変化し、圧
縮機の冷房能力を変化させることができる。
【0017】例えば車内温度が設定温度に対して非常に
高い場合の様にこの圧縮機1を使用したカーエアコンを
最大能力で運転する場合には、斜板8は図1に示す様に
その傾斜角度を最大とすることによってピストン6のス
トロークを最大にすることができる。それに対して車内
温度が設定温度に近く冷房能力を抑えたい場合には、斜
板8の傾斜角度を変えることによってピストン6のスト
ロークを変化させて圧縮機としての容量を調整する事が
できる。そして図2のように斜板8の傾斜角度をほぼゼ
ロにすることによってピストンのストロークもまたほぼ
ゼロとできるので、回転軸の駆動を止めなくても実質的
に冷媒の圧縮を行なわない無負荷運転とする事ができ
る。そのため従来、圧縮機の運転を停止する際に駆動力
を遮断するために必要とされていた電磁クラッチを省略
することができる。
【0018】この圧縮機1には容量制御のためにピスト
ンのストロークを検出するセンサー10が設けられてい
る。実施例ではセンサー10は圧縮機容器の軸収容部2
に設けられた取付部2Aの貫通孔2Bに挿入されること
でその先端部をピストン6と対向され、固定治具11と
ネジ12で固定されている。
【0019】このセンサー10は図3の部分拡大図に示
すように、非磁性で且つ非導電性の材料である合成樹脂
製のケース10Aを有しており、このケース10Aの内
部には合成樹脂等の非磁性・非導電性材料で作られたボ
ビン10Bに電線を巻き付けたコイル10Cとこのコイ
ルの信号を処理する回路基板10Dが配置され、その周
辺には充填材10Eが充填硬化されている。
【0020】ここでセンサー10を取付ける圧縮機の金
属容器2は導電体であるため、センサーのコイル10C
に近接していると容器上に渦電流が発生するなどしてセ
ンサーの検出感度に影響をおよぼす。そのため圧縮機容
器2のセンサー取付部2Aにおいて、コイル10Cを取
り囲む部分の金属を少なくともコイルの外径の1/2以
上コイル表面から離す必要がある。そこで本発明では圧
縮機容器2のセンサー取付部2Aのコイル10Cを取り
囲む貫通孔2Bの直径をコイルの直径の2倍以上とする
ことで、容器の金属部分とコイルとの距離を稼いでい
る。実施例ではセンサー10のケース10Aの外径をコ
イル10Cの外径の少なくとも2倍とすることで、コイ
ル表面と取付部である貫通孔2Bの内面との距離を得る
様にしている。具体的にはコイル10Cの外径は4mm、
ケース10Aのコイルを囲む部分の外径を8.3mmとして
いる。そのためコイルと金属容器との空間距離が充分に
取られ、コイルを取り囲む金属がコイルの検出感度に与
える影響を最小限にすることができる。なお、この実施
例では図に示す様に圧縮機容器の貫通孔2Bの内径とセ
ンサーのケース10Aの外形を一致させているが、例え
ば貫通孔の内径をケースよりも大きくすることでコイル
表面から金属容器までの距離をより大きくできることは
言うまでもない。
【0021】このセンサー10の回路基板10Dからは
電源線と信号線をまとめたリード線10Fが外部に延ば
されており、その他端は図示しない制御装置に接続され
る。またケース10Aの周縁部にはいわゆるOリングな
どのシール部材10Gが配置されており、貫通孔2Bと
密着して貫通孔の気密を保つ様にされている。
【0022】圧縮機内には動作中に高温の圧縮冷媒が流
通するため、その冷媒に直接曝されるセンサー10もま
た高温になる。このような環境下で使用されるセンサー
のコイルにフェライトコアなどを用いると、フェライト
コアはセンサー使用温度範囲の高温側で透磁率が大きく
変化するためにセンサー出力の温度特性が問題になり補
正などが必要になる。
【0023】そこでこのセンサー10はフェライトなど
のコアを用いず樹脂製のボビン10Bを芯とした電気的
及び磁気的に空芯のコイル10Cを使用している。また
リード線を構成する電線10Fや回路基板10D上の導
電部以外には金属や磁性体は使用されず、事実上コイル
10Cに影響を及ぼす磁性体は使われていない。そのた
めセンサーの使用温度範囲に於いては検知部分であるコ
イル10Cの温度特性は小さくなり、補正のための回路
などを省略することも可能になる。
【0024】回路基板10Dに組まれる信号処理回路で
あるPLL回路の例について図4のブロック図を参照し
ながら説明する。この回路はセンサー1の前述したコイ
ル10Cがコンデンサーと共に構成するLC発振器21
と、2信号間の位相差を比較して差に対応する信号を出
力する位相比較器22、ループフィルタ23、及び電圧
制御発振器24から構成されている。
【0025】位相比較器22はLC発振器21からの信
号と電圧制御発振器24からの信号の位相を比較し、そ
の位相差をパルス状の位相差信号として出力する。位相
比較器22からの位相差信号は積分回路であるループフ
ィルタ23を通すことで直流の制御信号とされる。この
直流出力を電圧制御発振器24に入力する事で電圧制御
発振器24の発振周波数はLC発振器21からの信号と
位相差が一定になる様に制御される。このように位相を
同期させる結果、LC発振器21と電圧制御発振器24
の発振周波数も同一となる。
【0026】LC発振器21は通常時においてはコイル
10CのインダクタンスLとコンデンサのキャパシタン
スCの値で決められる一定の周波数で発振しており、コ
イルには交流電流が流れている。ここでセンサーに対す
る導電体の距離や対向面積が変化するとコイル10Cの
インピーダンスLが変化するため、LC発振器21の発
振周波数もまた変化する。例えばセンサー1に対して導
電体である金属がその距離や対向面積を変化させると、
金属に渦電流が流れて交流磁界を生じ、これがコイル1
0Cに作用してコイルのインピーダンスが変化する。そ
のためLC発振器21の発振周波数は変化し、電圧制御
発振器24の出力信号との間に位相差を生ずる。その結
果、位相比較器22からの位相差信号を受けてループフ
ィルタ23から出力される制御信号の電圧が変化して、
電圧制御発振器24からの出力がLC発振器21の出力
信号と同期する様に変化する。そこでループフィルタ2
3からの直流出力の電圧の変動を監視することによっ
て、センサーに対する導電体の状態、つまり距離や対向
面積の変化を検知することができる。そして本実施例の
様に特定の装置に取り付けられ導電体の種類や形状が予
め判っている場合には、その出力からセンサーと検出対
象となる導電体との距離や対向面積を知る事ができる。
【0027】またこの信号処理回路の部分をPLL回路
とすることにより、発振周波数の値を直流の電圧信号と
して出力することができるので、制御装置による信号処
理を容易にできる。さらに回路には汎用PLL−ICを
使用することができるので製造が容易となるとともに安
価に製造することができる。
【0028】このような圧縮機の回転速度は1分間に1
万5千回転程度が上限であり、1秒間にすると250回
転程度となる。その速度から考えればセンサー出力のピ
ストン1往復あたりの分解能は100回以下でも充分で
あり、センサーの発振回路の発振周波数は25KHzあ
れば充分ということになる。しかしこのような条件の発
振回路を得ようとするとセンサーの小型化が難しくなる
と言う問題がある。
【0029】例えばここでセンサーのコイルのインピー
ダンスを所定の値にしようとした場合、フェライトコア
などを有している場合と比較して本発明のような空芯コ
イルでは巻き数を増やさなければならない。しかし空芯
コイルの巻き数を高さ方向に増やすと、検出対象より遠
い側では検出対象に磁束が届かなかったり逆に渦電流に
よる磁束変動を検出できなかったりするのでコイル全体
としての検出感度が落ちる。そこでコイルの巻き数が同
じ場合にはコイル全体をできるだけ検出対象に近づける
ために高さを抑えて直径方向に大きくした方が有利であ
る。
【0030】だが前述した様に圧縮機の金属容器がコイ
ルに与える影響を最小限にするためには、コイルと金属
容器との空間距離を充分に取る必要があるので、コイル
の巻き数を増やすとセンサーの直径がさらに大きくなっ
てしまい圧縮機への取付けが困難になってしまう。
【0031】そこで本発明の圧縮機に使用されるセンサ
ーにおいては、センサーの検出部となるコイルによる発
振周波数を少なくとも100KHz以上、好ましくは1
MHz以上とすることにより、コイルを小型で巻き数も
少ないものとしている。実施例では発振回路の発振周波
数を2MHzとすることで、コイルの巻き数を50〜1
00回程度に納めることができるようにしている。その
ためセンサーは大型化せず取扱いが容易になる。
【0032】本実施例においてはセンサー10は、可変
容量型冷媒圧縮機1のピストン6のストロークを検出し
ようと言うものである。そこでセンサー10は図1に示
すようにセンサー10の検出面がピストン6の側面と直
接対向する位置に配置されている。そしてこの位置はピ
ストン6が上死点に達した時にはセンサー10の検出範
囲からピストン6が外れる位置とされている。ここで例
えば図2に示すように圧縮機1が無負荷運転のために斜
板8の傾斜角度を最小にした場合には、ピストン6は事
実上ほとんど移動せずセンサー10の検出範囲には入っ
てこないので、センサー10からの出力も変動しない。
これに対して斜板8が傾斜し圧縮機1が冷媒の圧縮を行
うと移動するピストン6はセンサー10の検出範囲に入
るようになる。ここでピストン6が1回の往復動作あた
りにセンサー10の検出範囲に入る時間の比率は斜板8
の傾斜角度の増加、つまりピストンのストロークの増加
とともに長くなる。そして斜板8が図1に示す最大傾斜
角となった時点でセンサーがピストンを検出する時間の
比率も最大になる。そこでセンサー10の出力信号のデ
ューティ比からピストン6のストロークを算出すること
ができる。その結果をクランクケース内の圧力制御にフ
ィードバックさせることにより斜板の傾斜角度の制御を
より正確に行うことで、圧縮機の能力制御をきめこまか
く行うことができる。また圧縮機が動作しているにもか
かわらずセンサーからの検出信号が途切れないような場
合には圧縮機またはセンサーに何らかの不具合が発生し
たとして適切な処理を行うことができる。
【0033】さらにピストンのストロークを連続的に検
出するために、実施例のピストン6の表面には図5(A)
及び(B)に示す様に、センサー10と対向する部分に検
出用の溝6Bが設けられている。実施例ではこの溝6B
はセンサー10の検出領域よりも深く刻まれているとと
もに、ピストン6の端部で一番広く、奥になるほどに狭
くなる構造とされている。このような構造としたことに
よりセンサー10とピストン6との対向面積はピストン
の移動位置に合わせて連続的に変化するので、PLL回
路からの出力もまた連続的に変化する。この出力を図示
しない制御回路に入力し処理する事でピストンのストロ
ークを知る事ができ、回転速度と合わせる事でその時点
での圧縮機の能力が判る。こうして前述の例の様に斜板
の傾斜角度制御を正確に行い、圧縮機の能力制御をきめ
こまかく行うことができる。また圧縮機やセンサーに何
らかの不具合が生じた場合には、制御内容とセンサーか
ら得られる信号とに食い違いが生じるので確実に不具合
の発生を検出することができる。
【0034】上述の例ではピストン6に設けられた溝は
ピストンの移動方向に沿って幅を変えることでセンサー
との対向面積を変化させる構造としているが、例えば幅
を一定として図6(A)に示すピストン16に設けられた
溝16Bの様に深さを連続的に変化させてセンサーに対
する距離を変化させる構造としてもよい。
【0035】また例えばピストンのストロークについ
て、連続的な制御を必要とせず段階的な制御で充分に対
応できる場合には、図6(B)のピストン26に示す様に
ピストンがセンサーと対向する部分に検出用の溝やくぼ
み26B、26Cを設けるようにしてもよい。この場合
には図6(B)に示すように位置により溝の深さを変えて
センサーの検出値から直接到達位置を判定できるように
してもよいが、圧縮機の回転速度との相関を合わせて処
理することにより、回転軸一回転あたりにおける溝の通
過信号の回数からピストンストロークを検出することも
できる。
【0036】さらに可変容量型圧縮機を容量の連続的な
制御ではなく、単に従来必要としていた電磁クラッチを
なくすために使用するのであれば、このような溝を設け
る必要もなく、無負荷状態と稼動状態の確認ができる位
置にセンサーを配置すればよい。そうすればクランクケ
ース内の圧力を実質的にオンオフ制御することで最大負
荷と無負荷運転との切り替えをするとともに、その切り
替えをピストンの動作量から確認することができる。
【0037】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明によれば圧縮機
に磁石などを取り付けることなく確実にピストンのスト
ロークを検出できるセンサーを有する可変容量型斜板式
冷媒圧縮機を得ることができ、このストロークから圧縮
機の容量を知るとともに傾斜板の傾斜角度制御による圧
縮機の運転能力制御が可能になる。
【0038】またセンサーのコイルを電気的及び磁気的
に空芯としたことにより、特に高温の冷媒に曝される使
用環境においても急激な特性変化のない安定した検出感
度を得ることができる。
【0039】さらにセンサーのケースを非磁性でかつ非
導電性の材料とするとともに、圧縮機容器のセンサー取
付部分において少なくともコイルの外径の1/2以上コ
イル表面から金属を離す構造とすることで、センサーを
金属容器に取り付けた場合にも周囲の金属の影響をほぼ
なくすことができる。
【0040】また信号処理回路をPLL回路とすること
によりセンサーの発振周波数の値を直流信号として得る
ことができ、さらにコイルによる発振周波数を少なくと
も100KHz以上とすることでコイルを小型化できて
センサーの取扱いを容易にできる。
【0041】また検出対象となるピストンのセンサーと
対向する面に凹部を設けたことにより、この凹部がセン
サーを通過することで変化するセンサー出力からピスト
ンの動きを算出できる。
【0042】さらに凹部をピストンのセンサーと対向す
る直線上に設けられた幅、または深さを連続的に変化さ
せる溝とすることにより、ピストンの位置変化により連
続的に変化するセンサー出力から、ピストン位置を連続
的かつ正確に検出することができる。そのためピストン
のストロークや動作速度などの算出が容易でかつ正確に
なり、より高度な圧縮機の能力制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変容量型斜板式冷媒圧縮機の一実施
例を示す断面図
【図2】図2の可変容量型斜板式冷媒圧縮機の斜板を説
明するための断面図
【図3】本発明に使用されるセンサーとその取付けの一
例を示す拡大図
【図4】センサーの信号処理を説明するためのブロック
【図5】本発明に使用されるピストンの一実施例
【図6】本発明に使用されるピストンの他の実施例
【符号の説明】
1:可変容量型斜板式冷媒圧縮機 2:軸収納部(金属容器) 2A:センサー取付部 2B:貫通孔 5:回転軸 6、16、26:ピストン 6B、16B:溝 26B:くぼみ 8:斜板 10:センサー 10A:ケース 10B:ボビン 10C:コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H045 AA04 AA10 AA12 AA27 BA19 CA00 CA21 CA29 DA25 EA12 EA26 EA34 3H076 AA06 BB33 CC12 CC20 CC84 CC98

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変容量型斜板式冷媒圧縮機において、
    圧縮機容器にはセンサーをその検出面がピストン側面と
    直接対向する位置に配置し、このセンサーはコイルと信
    号処理回路を有し、このコイルは発振回路を構成してお
    り、発振回路は導電体であるピストンがコイルとの距離
    を変えたり対向面積を変化させたりすることなどにより
    発振周波数が変化するものであり、このセンサーの出力
    変化からピストンのストロークを算出して傾斜板の傾斜
    角度制御をすることのできることを特徴とする可変容量
    型斜板式冷媒圧縮機。
  2. 【請求項2】 センサーのコイルは電気的及び磁気的に
    空芯であることを特徴とする請求項1に記載の可変容量
    型斜板式冷媒圧縮機。
  3. 【請求項3】 センサーは円筒形の非磁性でかつ非導電
    性材料のケースを有しており、圧縮機容器のセンサー取
    付部分である取付孔の直径は少なくともコイルの外径の
    2倍以上とされていることを特徴とする請求項2に記載
    の可変容量型斜板式冷媒圧縮機。
  4. 【請求項4】 信号処理回路はPLL回路であることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の可変
    容量型斜板式冷媒圧縮機。
  5. 【請求項5】 コイルによる発振周波数が少なくとも1
    00KHz以上であることを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれか1項に記載の可変容量型斜板式冷媒圧縮機。
  6. 【請求項6】 検出対象となるピストンのセンサーと対
    向する面に凹部が設けられていることを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれか1項に記載の可変容量型斜板式冷
    媒圧縮機。
  7. 【請求項7】 凹部はピストンのセンサーと対向する直
    線上に設けられた幅、または深さを連続的に変化された
    溝であることを特徴とする請求項6に記載の可変容量型
    斜板式冷媒圧縮機。
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JP2020139505A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 ハンオン システムズ 圧縮機

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