JP2003306825A - 蒸煮爆砕処理による天然繊維の回収方法 - Google Patents

蒸煮爆砕処理による天然繊維の回収方法

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JP2003306825A
JP2003306825A JP2002109244A JP2002109244A JP2003306825A JP 2003306825 A JP2003306825 A JP 2003306825A JP 2002109244 A JP2002109244 A JP 2002109244A JP 2002109244 A JP2002109244 A JP 2002109244A JP 2003306825 A JP2003306825 A JP 2003306825A
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JP2002109244A
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English (en)
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Koichi Fujie
幸一 藤江
Hiroyuki Daimon
裕之 大門
T Kitain Armand
アルマンド・ティー・キタイン
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Toyohashi University of Technology NUC
Original Assignee
Toyohashi University of Technology NUC
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/78Recycling of wood or furniture waste

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  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】操作が簡便で短時間で処理でき、環境負荷が少
なく、かつ大量処理が可能な、天然繊維を回収する方法
を提供する。 【解決手段】天然木質を水と共に高温高圧状態で加熱し
た後、瞬間的に大気圧に開放することにより、天然繊維
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸煮爆砕処理によ
る天然繊維の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】東南アジア諸国などでは、現在でも民族
的、宗教的意味合いから、繊維を植物から手作業により
回収し、衣類などを製造している。こうして製造された
天然繊維は、独特の風合いを持ち、合成繊維とは異なる
価値を持つ。
【0003】しかしながら従来、天然繊維の製造は、家
庭内手工業の一環として処理されているため、その処理
量は非常に少ない。また、農産廃棄物を腐らせるために
3年間地中で腐食させるため、悪臭が発生し、腐敗によ
り発生した液が雨などの影響により河川に流出するなど
の問題がある。これは、環境面で非常に大きな問題であ
る。
【0004】また、腐敗により軟らかくなった農産廃棄
物を手作業により繊維を回収しているため時間とコスト
がかかるという問題もある。化学薬品を使用した繊維回
収技術も研究されているが、環境に対して良くない薬品
を使用し、また、処理後の分離が困難であるという問題
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、操
作が簡便で処理時間が短く、環境負荷が少なく、かつ大
量処理が可能な、天然繊維の回収方法を提供しようとす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の天然繊維の回収
方法は、天然木質を水と共に高温高圧状態で加熱した
後、瞬間的に大気圧に開放することを特徴とする。高温
高圧状態は、温度が150℃〜200℃、かつ圧力が
0.8MPa〜1.4MPaであることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳しく説明す
る。
【0008】本発明において「天然木質」とは、パイナ
ップルやバナナの葉、ココナッツの殻などの農産廃棄物
を含む、天然繊維の原料となり得る木質系材料を言う
が、これらに限定されない。
【0009】本発明において「蒸煮爆砕」(水蒸気爆砕
とも呼ばれる)とは、原料を水と共に高温高圧下(通常
200〜250℃、30〜50気圧程度)で数十分間加
熱(蒸煮)した後、圧力を瞬間的に開放することで、水
の断熱膨張のエネルギーにより固体成分を粉砕(爆砕)
する方法のことを言う。したがって、この方法によれ
ば、蒸煮による化学反応(水熱反応)と爆砕による物理
的な粉砕の双方の効果が得られる。
【0010】本発明は、上述した効果を利用し、農産廃
棄物などの天然木質を蒸煮爆砕処理することにより、処
理後洗浄するだけで、直接繊維を回収しようとするもの
である。
【0011】以下、本発明の実施の形態について、図1
を用いて具体的に説明する。
【0012】図1に、本発明の一実施形態に係る方法に
おいて使用する蒸煮爆砕装置の模式図を示すが、本発明
の方法において使用できる装置はこれに限定されるもの
ではない。蒸煮爆砕装置1は、反応容器2および試料受
け器3から構成されており、両者がバルブ4により遮断
されている。
【0013】次に、操作について説明する。乾燥させた
天然木質を水と共に反応容器2に添加し、容器内を高温
高圧状態にし、一定時間反応させる(蒸煮)。このと
き、温度は150℃〜200℃であることが好ましく、
170℃〜190℃であることがより好ましい。反応は
各温度での飽和蒸気圧で行うことが好ましいので、反応
時の圧力は0.8MPa〜1.4MPaであることが好
ましく、0.9MPa〜1.2MPaであることがより
好ましい。また、反応時間は、反応させる温度、圧力に
より異なるが、10分〜60分が好ましく、30分〜6
0分がより好ましい。
【0014】反応後、バルブ4を開放して試料を瞬間的
に大気圧に解放することにより、高温高圧水反応および
爆砕効果により試料の構成成分の一部を分解させる(爆
砕操作)。このようにして蒸煮爆砕処理された試料は、
試料受け器3に回収される。これを水等で洗浄すること
により、糸状の天然繊維が得られる。
【0015】本発明の方法においては、高温高圧水中で
の反応と、圧力の急激な解放による爆砕効果が期待で
き、反応温度および反応時間を変化させることで反応条
件を制御することが可能となり、生成物の質を変えるこ
とが可能である。
【0016】上記のような構成とすることにより、簡単
な操作でかつ短時間のうちに天然繊維を得ることができ
る。また、水のみを用いた処理であるため、環境負荷が
少ない。さらに、大型の蒸煮爆砕装置を使用することに
より、一度に大量処理が可能である。
【0017】また、従来の技術においては、蒸煮爆砕処
理による液相成分からの有価物回収は可能であることが
知られているが、固相成分からの有価物回収は過去に例
がない。したがって、本発明は、固相成分からの有価物
回収における蒸煮爆砕装置利用の可能性を明らかにする
ものである。
【0018】本発明の方法により回収される天然繊維
は、衣類だけでなく、多自然型護岸の土壌流出防止マッ
トや化学修飾による強化プラスチックなどへ応用利用す
ることも可能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はそれらに限定されるものではない。
【0020】実施例1 本発明の方法に従い、図1に示す蒸煮爆砕装置1を使用
してパイナップルの葉をそれぞれ150℃、180℃、
または210℃の飽和蒸気圧下で反応させた後、爆砕操
作を行い、残渣を回収した。150℃では10分または
30分、180℃では10分、210℃では5分反応さ
せた。この結果、150℃、10分の反応において得ら
れた残渣は試料の原形をとどめており、30分の試料で
は、ある程度形状が変化していたが、繊維を回収するま
でには至らなかった。これは、天然繊維を回収する目的
においては、反応温度が低い、もしくは反応時間が短い
ことを示している。180℃、10分の反応において
は、繊維状物質が得られた。しかしながら、210℃、
5分の反応において得られた残渣は微細化しており、繊
維として回収が困難な状態であった。
【0021】以上の結果より、蒸煮爆砕処理を用いて天
然繊維を回収しようとする場合、反応温度は150℃〜
200℃が好ましく、さらには170℃〜190℃が好
ましいことが明らかとなった。また、反応圧力は、それ
ぞれの温度における飽和蒸気圧が好ましいことから、
0.8〜1.4MPaが好ましく、0.9MPa〜1.
2MPaがより好ましい。
【0022】実施例2 実施例1と同様に、本発明の方法に従ってパイナップル
の葉を180℃の飽和蒸気圧下においてそれぞれ10、
20、または30分反応させた後、爆砕操作を行い、残
渣を回収した。この結果、180℃での反応において
は、いずれの時間反応させた試料についても繊維状物質
が生成した。さらに、反応時間の増加に伴い、繊維がほ
ぐれ、より細くなる傾向が見受けられた。
【0023】実施例3 実施例2と同様に、本発明の方法に従ってパイナップル
の葉を180℃の飽和蒸気圧下で10、20、30、ま
たは60分反応させた後、爆砕操作を行って得られた残
渣の電子顕微鏡写真を図2〜5に示す。図に示すよう
に、反応時間を長くしていくと、回収された繊維がより
透明になっていくことが確認できる。これは、繊維を支
えていたリグニンやヘミセルロースが分解され、繊維と
完全に分離されたためと考えられる。
【0024】実施例2および3の結果より、蒸煮爆砕処
理により天然木質から天然繊維を回収する場合、高温高
圧下で反応させる時間は、10分〜60分が好ましく、
30分〜60分がより好ましいことが明らかとなった。
【0025】実施例4 実施例3と同様の実験を行い、回収された天然繊維につ
いて引張り試験を行い、繊維の引張り強度と反応時間の
関係を調べた。この結果を図6に示す。180℃におい
ては反応時間が長いほど繊維強度が低下する傾向が認め
られたが、その度合いは小さく、全体的には、反応時間
による影響は小さいと言える。また、本発明の方法によ
り得られる繊維と従来の手法により得られる繊維の引張
り強度は、ほとんど変わらなかった。したがって、本発
明の方法を用いれば、従来の手法により得られる天然繊
維と同様の強度を持つ天然繊維が得られることが明らか
となった。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
操作が簡便で短時間で処理でき、環境負荷が少なく、か
つ大量処理が可能な、天然繊維を回収する方法が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法において使用できる蒸煮爆砕装置
の模式図。
【図2】実施例3において、パイナップルの葉を180
℃の飽和蒸気圧下で10分反応させた後、爆砕操作を行
って得られた繊維状物質の電子顕微鏡写真。
【図3】実施例3において、パイナップルの葉を180
℃の飽和蒸気圧下で20分反応させた後、爆砕操作を行
って得られた繊維状物質の電子顕微鏡写真。
【図4】実施例3において、パイナップルの葉を180
℃の飽和蒸気圧下で30分反応させた後、爆砕操作を行
って得られた繊維状物質の電子顕微鏡写真。
【図5】実施例3において、パイナップルの葉を180
℃の飽和蒸気圧下で60分反応させた後、爆砕操作を行
って得られた繊維状物質の電子顕微鏡写真。
【図6】本発明の方法における反応時間と、回収された
繊維の引張り強度の関係を表す図。
【符号の説明】
1…蒸煮爆砕装置 2…反応容器 3…試料受け器 4…バルブ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 3/00 Z (72)発明者 アルマンド・ティー・キタイン 香川県高松市木太町2区1166−6 メゾン ムーラン201 Fターム(参考) 2B260 BA07 BA19 CD30 4D004 AA12 BA10 CA04 CA34 CA36 CB04 CB13 CB31 CB43 CC03 DA03 DA06 DA07 4D067 CC10 EE32 GA11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然木質を水と共に高温高圧状態で加熱
    した後、瞬間的に大気圧に開放することを特徴とする天
    然繊維の回収方法。
  2. 【請求項2】 前記高温高圧状態が、温度が150℃〜
    200℃、かつ圧力が0.8MPa〜1.4MPaであ
    ることを特徴とする請求項1記載の天然繊維の回収方
    法。
JP2002109244A 2002-04-11 2002-04-11 蒸煮爆砕処理による天然繊維の回収方法 Pending JP2003306825A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010042604A (ja) * 2008-08-13 2010-02-25 Nobuaki Oki 亜臨界状態による木材の繊維を線維固形分としての分離方法
JP2010162498A (ja) * 2009-01-16 2010-07-29 Nippon Oil Corp 改質バイオマスの製造方法
JP2010188288A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Aichi Prefecture バイオマス粉砕方法及びバイオマス粉砕装置並びに糖類製造方法
JP7487547B2 (ja) 2020-05-11 2024-05-21 株式会社Ihi 蒸煮装置

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