JP2003306816A - 耐薬品性防護衣料 - Google Patents

耐薬品性防護衣料

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JP2003306816A
JP2003306816A JP2003034473A JP2003034473A JP2003306816A JP 2003306816 A JP2003306816 A JP 2003306816A JP 2003034473 A JP2003034473 A JP 2003034473A JP 2003034473 A JP2003034473 A JP 2003034473A JP 2003306816 A JP2003306816 A JP 2003306816A
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film
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protective clothing
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Takeshi Konishi
武四 小西
Seiya Kawasaki
靖哉 川▼崎▲
Motomitsu Maki
基允 真木
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MEDEITEKKU JAPAN KK
Kuraray Co Ltd
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MEDEITEKKU JAPAN KK
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種有害化学物質に対する耐透過性に優れた
耐薬品性防護衣料を提供すること。 【解決手段】 エチレン−ビニルアルコール系共重合体
50質量%以上を含む層を少なくとも1層有する樹脂層
と繊維層とが積層された複合材料からなる耐薬品性防護
衣料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐薬品性防護衣料、
さらに詳しくは、酸、アルカリ、有機薬品、その他の気
体、液体又は粒子状物の有害化学物質に対する耐性、と
りわけ耐薬品透過性に優れた防護衣料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】酸、アルカリ、有機薬品、その他の気
体、液体又は粒子状の有害化学物質を取り扱う作業にお
いて、人体の保護のために着用し、これら有害化学物質
等の浸透の防止を目的として使用される化学防護衣料に
は、作業服の他にフード、手袋、靴等がある。従来、こ
れらの防護衣料としては、例えば布帛にポリプロピレン
樹脂からなる微多孔膜を積層したもの、ポリオレフィン
樹脂をフラッシュ紡糸した不織布からなるもの、あるい
は布帛と不通気性樹脂膜とをラミネートしたものなどが
知られている。このうち、ポリプロピレン微多孔膜を用
いた防護衣料やポリオレフィンのフラッシュ紡糸不織布
からなる防護衣料は、いずれも各種有害薬品に対する耐
浸透性が充分でなく、薬品透過による人体への悪影響が
避けられないといった問題があった。
【0003】また、布帛にポリウレタン皮膜を形成させ
た防護服が提案されている(特許文献1参照)が、かか
る防護服は気体の有害性物質に対する耐透過性が不十分
であり、着用時に蒸れやすいという問題があった。一
方、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナ
イロン等の不通気性樹脂膜と不織布を積層した使い捨て
保護衣料が提案されている(特許文献2参照)。しかし
ながら、かかる防護衣料は、有害薬品の種類によっては
これらの樹脂膜を透過してしまうものもあり、特にナイ
ロンが強酸に、ポリエステルが強アルカリによって浸蝕
されるなど特定の薬品に対する耐性が劣るといった問題
もあった。また、防護衣料を製造時、縫製部分より有害
薬品が透過しないよう、縫製に代って熱シールするケー
スが多いが、この熱シールの場合、熱シール部分が固く
なり、着用感を低下させるばかりでなく、シール部分に
ピンホールが生じ、耐薬品性透過性や耐水度が著しく低
下するという欠点があった。
【0004】
【特許文献1】特開昭60−96267号公報
【特許文献2】特開平10−158909号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の防護衣料における問題点を解決し、各種有害化学
物質に対する耐透過性に優れた耐薬品性防護衣料を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各種有害
化学物質に対する透過性に優れた防護衣料を開発すべく
鋭意研究を重ねた結果、特定の構成の複合材料からなる
防護衣料が、前記目的に適合し得ること、そして、該複
合材料を、連続するパターンを有する超音波ミシン、好
ましくは連続パターンと不連続パターンを並列に配置し
た超音波ミシンによってシールすることにより、シール
部が固くなることなく、着用感に優れ、しかもピンホー
ルの発生しない耐薬品性防護衣料が得られることを見出
した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもので
ある。すなわち、本発明は、(1)エチレン−ビニルア
ルコール系共重合体50質量%以上を含む層を少なくと
も1層有する樹脂層と繊維層とが積層された複合材料か
らなる耐薬品性防護衣料、(2)樹脂層が、エチレン−
ビニルアルコール系共重合体フィルムと、その少なくと
も片面に設けられたメタノールに対する耐透過性樹脂層
とからなる積層フィルムである上記(1)記載の耐薬品
性防護衣料、(3)樹脂層が、エチレン−ビニルアルコ
ール系共重合体フィルムと、その少なくとも片面に設け
られたポリオレフィン系樹脂層とからなる積層フィルム
である上記(1)または(2)記載の耐薬品性防護衣
料、(4)繊維層が、不織布である上記(1)〜(3)
のいずれかに記載の耐薬品性防護衣料、(5)複合材料
が、超音波接合により接合されたものである上記(1)
〜(4)のいずれかに記載の耐薬品性防護衣料、(6)
超音波接合が、連続パターンと不連続パターンを並列に
配置した超音波ミシンによって施されたものである上記
(5)記載の耐薬品性防護衣料、および(7)複合材料
が、樹脂層面同士を重ね合わせて接合されたものである
上記(1)〜(6)のいずれかに記載の耐薬品性防護衣
料、を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の防護衣料は、各種作業
服、フード、手袋あるいは靴カバーなどを含むものであ
り、当該防護衣料を構成する樹脂層として、エチレン−
ビニルアルコール系共重合体(以下、EVOHと略記す
る場合がある。)を特定量含む層を用いる点に特徴を有
する。本発明の防護衣料に用いるEVOHは、エチレン
−ビニルエステル共重合体をケン化して得られるもので
あり、そのエチレン単位含有率は20〜60モル%が好
ましく、より好ましくは25〜50モル%である。ま
た、ビニルエステル成分のケン化度は90モル%以上が
好ましい。
【0008】本発明の防護衣料を構成する樹脂層は、E
VOHを50質量%以上含む層を少なくとも1層有する
ものであることが必要であり、好ましくはEVOHを7
0質量%以上含む層を少なくとも1層有するものであ
る。該樹脂層のEVOHを含む層におけるEVOHの含
有量が50質量%未満の場合であると、化学物質に対す
る耐ガス透過性が低下し本発明の目的が達成されない。
かかる層には、例えばポリエチレンなどの他の樹脂がブ
レンドされていてもよいが、他の樹脂のブレンド比率は
20質量%未満であることがより好ましい。本発明の防
護衣料に用いる樹脂層としては、EVOHからなるフィ
ルムを少なくとも1層有するものであることが、より多
種の化学薬品に対して耐性を発揮できる点からさらに好
ましい。EVOHフィルムは、酸素などのガスバリア性
に優れていることが知られており、食品包材などに多用
されている。本発明者らは、EVOHを特定量含む樹脂
少なくとも1層を用いることで、気体、液体又は粒子状
を問わず各種の有害物質に対する耐薬品性の向上した防
護衣料が得られることを見出した。
【0009】本発明の防護衣料においては、前記樹脂層
としてEVOHフィルムを単独で用いてもよいが、EV
OHを50質量%以上含む層を少なくとも1層有する多
層構造としてもよく、EVOHフィルムとその少なくと
も片面にメタノールに対して耐透過性を有する樹脂層、
特にポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン、ポリアミド、ポリエステルさらには高機能樹脂等か
らなる層とがラミネートされた積層フィルムが好ましく
用いられる。メタノールに対して耐透過性を有する樹脂
層としては、K−コート(ポリ塩化ビニリデンコート)
ナイロン、ポリオレフィン、またはポリエステルからな
る層がメタノール、エタノール等のアルコール類に対し
て優れた耐薬品透過性を有する複合材料が得られる点で
好ましい。中でも、EVOHフィルムの片面または両面
にポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン
系樹脂層がラミネートされた積層フィルムを用いること
が、強度が向上すると共に、より多種の化学物質に対す
る耐性や風合が向上するなどの点でより好ましい。ま
た、ナイロン等のポリアミド系樹脂層とのラミネートフ
ィルムは風合の向上や接合時等に発生するピンホールの
防止に役立つ。なお、ここでメタノールに対して耐透過
性を有する樹脂層とは、かかる層を構成する樹脂を20
℃のメタノール中に1ヶ月間浸漬した後の質量増加が
0.1質量%未満のものをいう。
【0010】また本発明の防護衣料においてEVOHフ
ィルムを用いる場合、無延伸フィルムあるいは一軸また
は二軸に延伸された延伸フィルムを用いることができる
が、好ましくは無延伸フィルムを用いる。特に延伸され
たEVOHフィルムを用いる場合は、引き裂きなどに対
して弱い場合があるので、その意味でもEVOHフィル
ム単体よりも、他の樹脂層との積層フィルムを用いるこ
とが好ましい。また、延伸されたEVOHフィルムは未
延伸フィルムよりも耐薬品性は優れているものの、風合
が硬くなる場合があるため、触感の改良という意味で
も、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂層との積
層フィルムを用いるのは極めて有効である。
【0011】EVOHフィルムと他の樹脂層との積層方
法は特に限定されず、押出しラミネートでもよいし、接
着剤によるラミネートでもよいが、共押出しラミネート
が風合の良い積層フィルムが得られ、経済面で有利であ
る。EVOHフィルムは1層または2層以上、他の樹脂
層とラミネートされてもよく、またEVOH以外に2種
以上の樹脂層がラミネートされてもよい。例えば、厚み
30μmの延伸されたEVOHフィルムと、同じ組成を
有する厚み10μmのEVOHフィルムの両サイドにそ
れぞれ10μmの厚みを有するポリエチレン層を複合化
してなる総厚み30μmのラミネートフィルムとの触感
を比較した場合、後者の方が明らかに触感が良く、しか
も多くの化学薬品に対して優れた耐性を有している場合
が多い。
【0012】本発明に用いられるEVOHフィルムの総
厚みは5〜200μmが好適である。総厚みが5μm未
満では充分な耐化学物質性が得られにくく、逆に200
μmを超えると不経済である上、複合材料が固くなり着
用感が低下することがある。EVOHフィルムにラミネ
ートされる他の樹脂層の総厚みは5〜200μmが好ま
しく、より好ましくは10〜100μmである。この総
厚みが5μm未満ではフィルム強度の向上や耐化学物質
性が充分に発揮されにくく、一方、200μmを超える
と複合材料が固くなり着用感が低下することがある。な
お、ここで言う総厚みとは2層以上用いられた場合、各
層の厚みの合計である。
【0013】このようにして得られたEVOHを含む層
を少なくとも1層有する樹脂層は、強度や着用感などの
向上のため、繊維層と積層することで複合材料を得るこ
とができる。本発明に用いる繊維層としては、各種織
物、編物等の布帛、不織布が用いられる。布帛にフィル
ムが積層されていても差し支えないし、耐化学物質性を
二重に確保する上ではむしろ好ましいことである。不織
布としてはスパンレース不織布、サーマルボンド不織
布、スパンボンド不織布、スパンボンド不織布とメルト
ブローン不織布との積層体、スパンボンド不織布とフィ
ルムとの積層体などが用いられる。布帛の目付は、20
〜300g/m程度のものが採用される。この目付が
20g/m未満では充分な強力がなく、300g/m
を超えると着用感を低減させる傾向がある。布帛の材
質はポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、レー
ヨン、綿、羊毛などの繊維、あるいはこれらの混合物が
用いられる。
【0014】EVOHを含む層を少なくとも1層有する
樹脂層と繊維層の接合方法としては、熱あるいは接着剤
などによる接合が挙げられる。この際、得られる複合材
料の風合を低下させないために3〜50g/m程度の
範囲内で、スプレー状あるいは粉末状に塗布されたホッ
トメルト樹脂などで接着するのが有利である。また、接
着面積率が5〜30%程度である超音波接合や熱エンボ
ス接合も使用可能である。
【0015】このようにして得られた複合体は、好まし
くは樹脂層側が表側、すなわち身体より遠い側となるよ
うに、防護服などの防護衣料に縫製加工される。特に樹
脂層としてEVOHフィルムとポリオレフィン系樹脂層
とからなる積層フィルムを用いる場合は、ポリオレフィ
ン系樹脂を表側とすることにより接合をスムーズに行え
るのでより好ましい。ただしミシン等を用いる縫製は縫
目の間やミシンの針穴を通して化学物質が透過するので
好ましくない。本発明では、熱や超音波あるいは接着剤
などを用いた接合による縫製、中でも超音波ミシンによ
る連続的な接合は効率的な作業が可能な点から好まし
い。特に、樹脂層側同士を重ね合わせて接合することが
化学薬品の透過を防ぐ上で好ましい。すなわち化学薬品
の透過を防ぐためには接合部分からの化学薬品の透過を
防ぐことは極めて重要であり、かかる観点からも樹脂層
面同士を重ねて接合することは極めて有効である。樹脂
層面と繊維層面と重ね合わせた接合や繊維層面同士の接
合は接合面に微細なすき間ができやすく、そのすき間を
通して化学薬品が透過する場合がある。
【0016】ただし、従来のように連続パターンで充分
な接合強度が得られる程度に接合すると接合部分が固く
なり着用感を損なうおそれがある。そこで、本発明にお
いては、連続パターンと不連続パターンとが並列になっ
ている超音波ミシンによりシールすることによって、シ
ール部が固くなることがなく充分な接合強力が得られ、
その上化学物質の透過を防ぐことのできる化学防護衣料
を得ることができる。
【0017】次に、本発明の防護衣料の接合部分を添付
図面に従って説明する。図1、図2及び図3は、それぞ
れ本発明において使用される超音波ミシンのパターンの
異なる例を示す模式図であって、各図において、符号1
は連続パターン、2は不連続パターンを示し、この1と
2は流れ方向に沿って並列に走っている。接合部分にお
いてはこのパターンのとおり、すなわち図の斜線部分が
超音波によって融着されている。連続パターンと不連続
パターンは図1のように2列に配列されてもよく、また
図2や図3のように3列さらに多列に配列されてもよ
い。連続パターンの融着部分、すなわち図における斜線
部分の巾は0.01〜3mmの範囲が好ましく、特に
0.05〜0.5mmの範囲が好ましい。この巾が0.
01mm未満では化学物質の透過を防ぐのに充分ではな
く、反対に3mmを超えると接合部分が固くなり着用感
を阻害することがある。
【0018】一方、不連続パターンの巾は0.1〜5m
m程度、長さは0.5〜1.5mm程度であり、また、
不連続部分すなわち融着していない部分の長さは0.5
〜1.0mm程度である。これらの数値の範囲外である
場合は必要な接合強度が得られにくく、また接合部分の
風合の低下をきたすおそれがある。不連続パターンの巾
は連続パターンの巾よりも大きい方が効果的である。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定さ
れるものではない。なお、各例における耐薬品透過性
は、以下に示す方法に従って評価した。 <耐薬品透過性>JIS T 8115:1998に準拠
して耐薬品透過性を評価した。まずテストセルの中間に
試験片を装着し、試験片に対して上方セル隔室と下方セ
ル隔室の二つの隔室を作った。次に上方セル隔室に試験
液を規定量流入させ、試験片を透過した気体又は液体を
上下セル隔室から採取する。試験液を上方セル隔室に入
れた時点から経時的に採取濃度をグラフ化し破過時間と
透過質量を求め、下記の等級に従って耐透過性を評価し
た。
【0020】耐透過性 等級 破過時間(分) 6 480以上 5 240以上 4 120以上 3 60以上 2 30以上 1 10以上
【0021】実施例1 エチレン−ビニルアルコール系共重合体(クラレ社製、
「エバール」(銘柄F101、エチレン共重合比率32
モル%、融点183℃)を中心層とし、両サイドに低密
度ポリエチレン層、EVOH層と低密度ポリエチレン層
の間にそれぞれ変性ポリエチレン(三井化学社製「アド
マー」)の層を配置して共押出しを行い、厚み69μm
の5層の積層フィルムを得た。なお、EVOH層の厚み
は15μm、両サイドの低密度ポリエチレン層の厚みは
それぞれ20μm、中間の変性ポリエチレン層の厚みは
それぞれ7μmとなるように押出し条件を調整した。ま
た、該積層フィルムの片面にはコロナ処理を施した。他
方、微多孔を有し、20μm(目付18g/m2 )の厚
みを有するポリエチレンフィルムの両サイドにそれぞれ
親水性油剤を塗布した目付20g/m2、厚さ0.2m
mのポリプロピレンスパンボンド不織布を熱エンボスに
より積層し、不織布複合体を得た。得られた不織布複合
体と上記積層フィルムとの接着は、EVA系ホットメル
トレジン(東京インキ製)をメルトブローン方式によ
り、7g/m2の割合で吹きつけて行い、複合材料を得
た。
【0022】この複合材料を用いてフィルムが外側とな
るようにしてワンピース形(カバーオール形)化学防護
服を製造した。各部の接合はフィルム側同士を図3に示
されたパターンを有する超音波ミシンによって行った。
連続パターンの巾は0.4mmであり、不連続パターン
の融着部分の巾は1mm、長さは2mmであり、不連続
部分の長さは1.5mmであった。また連続パターンと
不連続パターンとの間は0.5mmであった。
【0023】化学防護服のファスナー部分は、本発明の
複合材料で覆われるように設計され、その片側は両面接
着テープでとめられ、化学物質の滲入がないように設置
した。得られた化学防護服は複合部における引張強さ
(JIS L1093準拠、グラブ法にて測定)は3
9.5Nと充分であり、風合も良く、接合部も含めた透
過性試験ではクロロホルム、アセトニトリル、アセト
ン、酢酸エチル、ジエチルアミン、ジクロロメタン、
N,N−ジメチルホルムアミド、水酸化ナトリウム50
質量%水溶液、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフ
ラン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、二硫化炭
素、ノルマルヘキサンなど広範な薬品に対して前述の5
等級以上の耐透過性を示した。また、JIS T811
5附属書2に示されている方法に準拠して耐浸透性を測
定したところ、50質量%水酸化ナトリウム水溶液、3
0質量%塩化カリウム水溶液および93.1質量%硫酸
溶液に対して浸透が全く認められなかった。
【0024】比較例1 実施例1において、EVOHの代わりに低密度ポリエチ
レンフィルムを用い、かつ変性ポリエチレンを用いずに
厚み55μmを有する3層積層フィルムを製造し、実施
例1と同様に化学防護服を製造した。得られた化学防護
服は、しなやかな風合を示したが、実施例1に示した薬
品から代表的に選んだジクロロメタン及びトルエンに対
して、それぞれ3等級以下の破過時間しか示さなかっ
た。
【0025】実施例2 K−コート(ポリ塩化ビニリデンコート)ナイロン、エ
チレン−ビニルアルコール系共重合体(クラレ社製、
「エバール」銘柄H101、エチレン共重合比率38モ
ル%、融点175℃)、変性ポリエチレン(三井化学社
製「アドマー」)及びポリエチレン(LLDPE)の順
に配置し、それぞれ25μm、15μm、10μm及び
20μmとなるように条件設定し、4層からなる積層フ
ィルムを製造した。また、1.7dTexのレーヨン繊
維60質量%と芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレン
からなる2.2dTexの複合繊維40質量%からなる
クロスレイドウェブを製造し、高圧水流(最高圧力6.
9MPa)によって絡合させたのち、乾燥熱処理し、目
付70g/m2 、タテ、ヨコ強力がそれぞれ68.6N
/5cm、58.8N/5cm、厚み0.50mmの不
織布を得た。
【0026】このようにして得られた積層フィルムと不
織布とを、実施例1と同様にして積層フィルムのK−コ
ートナイロン側と不織布とを接着して複合材料を得た。
この複合材料を用いて、ポリエチレン側を超音波ミシン
によって接合し、実施例1と同様の方法で化学防護服を
製造した。得られた化学防護服は実施例1と同様、優れ
た風合と耐化学薬品透過性を示した。また、得られた化
学防護服は、実施例1で示された薬品の他にメタノール
やエタノールに対しても6等級の耐薬品透過性を示し
た。
【0027】比較例2 実施例2においてEVOHの代わりにナイロン6フィル
ムを用いた以外は、実施例2と同様に化学防護服を製造
した。得られた化学防護服は比較例1と同様ジクロロメ
タン及びトルエンに対して、それぞれ3等級の破過時間
しか示さなかった。
【0028】実施例3 エチレン−ビニルアルコール系共重合体(クラレ社製、
「エバール」(銘柄F101、エチレン共重合比率32
モル%、融点183℃)を中心層とし、両サイドに低密
度ポリエチレン層を配置して三層の共押出しを行い、厚
み50μmの積層フィルムを得た。EVOH層の厚みは
16μm、両サイドの低密度ポリエチレン層の厚みはそ
れぞれ17μmとなるように押出し条件を調整した。他
方、微多孔を有し、20μm(目付18g/m2 )の厚
みを有するポリエチレンフィルムの両サイドにそれぞれ
目付20g/m2、厚さ0.2mmを有するポリプロピ
レンスパンボンドを積層した。なお接着は、EVA系ホ
ットメルトレジン(東京インキ製)をメルトブローン方
式により、7g/m2の割合で吹きつけて行った。合計
目付は72g/m2となる。
【0029】このようにして得られた厚み50μmのフ
ィルムと目付7g/m2の不織布積層物を上記と同じメ
ルトブローン方式によりほぼ同じ条件で接着し、複合材
料を得た。この複合材料を用いて、実施例1と同様な方
法で化学防護服を製造した。得られた化学防護服は複合
部の強力も充分であり、風合も良く、接合部も含めた透
過性試験ではクロロホルム、アセトニトリル、アセト
ン、酢酸エチル、ジエチルアミン、ジクロロメタン、
N,N−ジメチルホルムアミド、水酸化ナトリウム50
質量%水溶液、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフ
ラン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、二硫化炭
素、ノルマルヘキサン、メタノール、硫酸93質量%溶
液など広範な薬品に対して前述の5等級以上の耐透過性
を示した。
【0030】実施例4 エチレン−ビニルアルコール系共重合体(クラレ社製、
「エバール」銘柄H101、エチレン共重合比率38モ
ル%、融点175℃)、6ナイロン、変性ポリエチレン
(三井化学社製「アドマー」)及びポリエチレン(LL
DPE)の順に配置し、それぞれ30μm、15μm、
15μm及び20μmとなるように条件設定し、4層か
らなる積層フィルムを製造した。また、1.7dTex
のレーヨン繊維60質量%と芯がポリプロピレン、鞘が
ポリエチレンからなる2.2dTexの複合繊維40質
量%からなるクロスレイドウェブを製造し、高圧水流
(最高圧力6.9MPa)によって絡合させたのち、乾
燥熱処理し、目付70g/m2 、タテ、ヨコ強力がそれ
ぞれ68.6N/5cm、58.8N/5cm、厚み
0.50mmの不織布を得た。このようにして得られた
フィルムと不織布とを、厚み22μmの低密度ポリエチ
レンをフィルムのEVOH側と不織布との間に連続的に
溶融押出ししながら接着し、複合材料を作製した。この
複合材料を用いて、実施例1と同様の方法で化学防護服
を製造した。得られた化学防護服は実施例3と同様、優
れた風合と耐化学薬品透過性を示した。
【0031】比較例3 実施例4においてEVOHの代わりにナイロン6フィル
ムを用いた以外は、実施例4と同様に化学防護服を製造
した。得られた化学防護服は比較例1と同様ジクロロメ
タン及びトルエンに対して、それぞれ3等級の破過時間
しか示さなかった。
【0032】実施例5 実施例1で得られた合計5層の積層フィルムにK−コー
トナイロンフィルム(ポリ塩化ビニリデンコート厚み1
0μm、総厚み25μm)をドライラミネート法にてラ
ミネートし、6層構造を有する積層フィルムを得た。得
られた積層フィルムと目付40g/m2のポリプロピレ
ンスパンボンド不織布(旭化成社製エルタスアクアPA
3040)の間に5g/m2の湿気硬化型ポリウレタン
系樹脂を配し、ノードソン社製ポーラスコートシステム
機を用いてラミネートし複合材料を得た。得られた複合
材料を用いて実施例1と同様に化学防護服を製造した。
得られた化学防護服は、実施例1で示された薬品に加
え、メタノール、エタノール等のアルコール類に対して
も5等級以上の優れた耐透過性を示した。
【0033】
【発明の効果】本発明の防護衣料は、各種有害化学薬品
に対する耐透過性に優れた特徴を有し、防護服などとし
て極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される超音波ミシンのパターンの
一例を示す模式図である。
【図2】本発明に使用される超音波ミシンのパターンの
他の一例を示す模式図である。
【図3】本発明に使用される超音波ミシンのパターンの
別の異なる一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1:連続パターン 2:不連続パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 31/02 A41D 31/02 C B32B 27/12 B32B 27/12 27/28 102 27/28 102 D04H 1/54 D04H 1/54 Q 3/16 3/16 (72)発明者 川▼崎▲ 靖哉 東京都中央区日本橋3丁目1番6号 株式 会社クラレ内 (72)発明者 真木 基允 大阪府大阪市中央区瓦町1丁目5番1号 株式会社メディテックジャパン内 Fターム(参考) 3B011 AA01 AB01 AC15 4F100 AK01C AK03C AK06 AK69A AL06 BA02 BA03 BA10B BA10C BA32 DG01B DG15B EC03 EH20 GB72 JB01 JD05C YY00A 4L047 AA14 BA08 CA05 CA06 CB10 CC01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−ビニルアルコール系共重合体
    50質量%以上を含む層を少なくとも1層有する樹脂層
    と繊維層とが積層された複合材料からなる耐薬品性防護
    衣料。
  2. 【請求項2】 樹脂層が、エチレン−ビニルアルコール
    系共重合体フィルムと、その少なくとも片面に設けられ
    たメタノールに対する耐透過性樹脂層とからなる積層フ
    ィルムである請求項1記載の耐薬品性防護衣料。
  3. 【請求項3】 樹脂層が、エチレン−ビニルアルコール
    系共重合体フィルムと、その少なくとも片面に設けられ
    たポリオレフィン系樹脂層とからなる積層フィルムであ
    る請求項1または2記載の耐薬品性防護衣料。
  4. 【請求項4】 繊維層が、不織布である請求項1〜3の
    いずれかに記載の耐薬品性防護衣料。
  5. 【請求項5】 複合材料が、超音波接合により接合され
    たものである請求項1〜4のいずれかに記載の耐薬品性
    防護衣料。
  6. 【請求項6】 超音波接合が、連続パターンと不連続パ
    ターンを並列に配置した超音波ミシンによって施された
    ものである請求項5記載の耐薬品性防護衣料。
  7. 【請求項7】 複合材料が、樹脂層面同士を重ね合わせ
    て接合されたものである請求項1〜6のいずれかに記載
    の耐薬品性防護衣料。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008190093A (ja) * 2007-02-07 2008-08-21 Toyobo Co Ltd 防護材料および防護衣服

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