JP2003306780A - AlまたはAl合金に対する表面硬化処理法 - Google Patents
AlまたはAl合金に対する表面硬化処理法Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】Alを用いた高硬度で軽量な部材、耐摩耗性部
品を得るために、軟質なAl表面に高硬度で厚い硬化層
を生成させる方法を提供する。 【解決手段】AlまたはAl合金からなる基材表面1
に、Ni粒子2と融点610℃以下のSi含有Al合金
粒子3とフラックス4とを混合したものを塗布し、基材
を600℃以下の不活性ガス雰囲気中で加熱することに
よってAl合金を溶融し、基材表面に溶融Al合金6と
Ni−Al合金の合金層及び/または化合物層5からな
る硬化層を生成させる。好ましくは粒子は径が120μ
m以下のものを用い、Niを40〜90%、Al合金好
ましくはAl−10%Si共晶合金を10〜60%、フ
ッ化物系のフラックスを金属の5〜30%とする。さら
に、上記組成以外の高沸点金属、活性金属を含有しても
よい。
品を得るために、軟質なAl表面に高硬度で厚い硬化層
を生成させる方法を提供する。 【解決手段】AlまたはAl合金からなる基材表面1
に、Ni粒子2と融点610℃以下のSi含有Al合金
粒子3とフラックス4とを混合したものを塗布し、基材
を600℃以下の不活性ガス雰囲気中で加熱することに
よってAl合金を溶融し、基材表面に溶融Al合金6と
Ni−Al合金の合金層及び/または化合物層5からな
る硬化層を生成させる。好ましくは粒子は径が120μ
m以下のものを用い、Niを40〜90%、Al合金好
ましくはAl−10%Si共晶合金を10〜60%、フ
ッ化物系のフラックスを金属の5〜30%とする。さら
に、上記組成以外の高沸点金属、活性金属を含有しても
よい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はAlの軽量性と優れた
熱,電気伝導性の他に耐摩耗性を兼ね備える部材を得る
ための表面硬化法に関する。
熱,電気伝導性の他に耐摩耗性を兼ね備える部材を得る
ための表面硬化法に関する。
【0002】
【従来の技術】AlやAl合金は展伸性に富み,板,
条,棒,線,管等の形状で多くの工業分野で使用されて
いる。中でもAlはその比重が鉄鋼の約1/3,銅の1
/3以下で非常に軽量な点が大きなメリットとなって現
在の軽薄短小の時代に貢献している。しかしAl及びA
l合金の欠点は表面が軟質で他の材料に比べ硬さが低い
のが問題であり,その改善としてAl−Cu−Mg系の
ジュラルミン,Al−Zn−Mg−Cu系の超超ジュラ
ルミンの開発によってその用途を拡大してきた。それで
もこれらの合金の硬さ(本稿の中の硬さは全てマイクロ
ヴィッカース値を採用し,Hmvで表記する。)は15
0〜180Hmv程度が限界で,耐摩耗材料としてはま
だまだ硬さが不足している。
条,棒,線,管等の形状で多くの工業分野で使用されて
いる。中でもAlはその比重が鉄鋼の約1/3,銅の1
/3以下で非常に軽量な点が大きなメリットとなって現
在の軽薄短小の時代に貢献している。しかしAl及びA
l合金の欠点は表面が軟質で他の材料に比べ硬さが低い
のが問題であり,その改善としてAl−Cu−Mg系の
ジュラルミン,Al−Zn−Mg−Cu系の超超ジュラ
ルミンの開発によってその用途を拡大してきた。それで
もこれらの合金の硬さ(本稿の中の硬さは全てマイクロ
ヴィッカース値を採用し,Hmvで表記する。)は15
0〜180Hmv程度が限界で,耐摩耗材料としてはま
だまだ硬さが不足している。
【0003】一方、軟質なAl表面を硬化する方法とし
てアルマイト処理が普遍的に用いられ,民生用品には広
く普及している。しかしアルマイト処理は表面より数μ
m程度の深さの極表面のみの表面硬化法であって,硬化
層を厚く生成させることは困難であり,やはり耐摩耗性
を備える材料として使用するには限界がある。
てアルマイト処理が普遍的に用いられ,民生用品には広
く普及している。しかしアルマイト処理は表面より数μ
m程度の深さの極表面のみの表面硬化法であって,硬化
層を厚く生成させることは困難であり,やはり耐摩耗性
を備える材料として使用するには限界がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はAl表
面が軟質である問題を解決し,高硬度で軽量な部材,耐
摩耗部品を提供することにある。
面が軟質である問題を解決し,高硬度で軽量な部材,耐
摩耗部品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の表面硬化方法
は,AlまたはAl合金からなる基材表面に被覆材とし
てNiと融点610℃以下のSi含有Al合金をフッ化
物を主体とするフラックスと混合し塗布した後,600
℃以下の不活性ガス雰囲気中で加熱し,被覆材中のAl
合金を溶融し,当該基材表面をNi−Al合金の合金層
及び/または化合物層にして表面硬化させることを基本
とするものであって,好ましい態様としては120μm
以下の粒子を用いること,Ni粒子:40〜90%,ア
ルミニウム合金粒子:10〜60%,フッ化物系のフラ
ックスを金属粒子量の5〜30%からなる混合物を用い
ること,Al合金としてAl−12%Siの共晶合金粒
子を用いること,さらに上記組成以外に高融点金属のF
e,Co,Cr,B粒子の中から一種または二種以上を
15%以下,活性金属のTi,Zr,Hf粒子の中から
一種または二種以上を10%以下,及び/またはCu,
Ag,Sn,Zn粒子の中から一種または二種以上を8
%以下含有すること,であるが,被覆材としてAl合金
粒子の代わりにAl粒子とSi粒子を単独に用いること
も出来るし,上記添加元素の中から一種または二種以上
の合金化を行ない,その合金粒子を用いることも出来
る。なお,本発明で用いる「%」は「重量%」である。
は,AlまたはAl合金からなる基材表面に被覆材とし
てNiと融点610℃以下のSi含有Al合金をフッ化
物を主体とするフラックスと混合し塗布した後,600
℃以下の不活性ガス雰囲気中で加熱し,被覆材中のAl
合金を溶融し,当該基材表面をNi−Al合金の合金層
及び/または化合物層にして表面硬化させることを基本
とするものであって,好ましい態様としては120μm
以下の粒子を用いること,Ni粒子:40〜90%,ア
ルミニウム合金粒子:10〜60%,フッ化物系のフラ
ックスを金属粒子量の5〜30%からなる混合物を用い
ること,Al合金としてAl−12%Siの共晶合金粒
子を用いること,さらに上記組成以外に高融点金属のF
e,Co,Cr,B粒子の中から一種または二種以上を
15%以下,活性金属のTi,Zr,Hf粒子の中から
一種または二種以上を10%以下,及び/またはCu,
Ag,Sn,Zn粒子の中から一種または二種以上を8
%以下含有すること,であるが,被覆材としてAl合金
粒子の代わりにAl粒子とSi粒子を単独に用いること
も出来るし,上記添加元素の中から一種または二種以上
の合金化を行ない,その合金粒子を用いることも出来
る。なお,本発明で用いる「%」は「重量%」である。
【0006】
【作用】被覆材を有機系溶剤によって混練し,Alまた
はAl合金の基材表面に塗布し,不活性ガス雰囲気中で
加熱する。550℃付近の温度になると先ずフラックス
が溶け,577℃でAl−12%Siが溶融開始する
が,600℃まで加熱する。溶けたAl融液は濡れ現象
によって,Ni粒子間を結合する役目を果たし,同時に
Ni粒子はAl融液との拡散反応によって合金化が進行
し,Ni−Alの化合物(NiAl3)に変化する。N
i粒子は非常に軟らかいが,拡散反応後のNi粒子は化
合物となり高硬度になる。これによって本発明の目的で
ある高硬度の表面が得られる。
はAl合金の基材表面に塗布し,不活性ガス雰囲気中で
加熱する。550℃付近の温度になると先ずフラックス
が溶け,577℃でAl−12%Siが溶融開始する
が,600℃まで加熱する。溶けたAl融液は濡れ現象
によって,Ni粒子間を結合する役目を果たし,同時に
Ni粒子はAl融液との拡散反応によって合金化が進行
し,Ni−Alの化合物(NiAl3)に変化する。N
i粒子は非常に軟らかいが,拡散反応後のNi粒子は化
合物となり高硬度になる。これによって本発明の目的で
ある高硬度の表面が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明によるAlまたはAl合金
の表面硬化のメカニズムを模式的に図1(a)(b)に
よって説明する。図1(a)はAl板の表面に被覆材
を塗布した加熱前の模式図で,Ni粒子とAl−12
%Si粒子が混在している部分にフラックスが付着
している。これを非酸化性雰囲気中で加熱処理すること
によって,先ずフラックスが550℃前後の温度で溶
け,Al−12%Si粒子と反応し酸化皮膜を除去す
る。577℃でAl−12%Si粒子が溶融し,その融
液がNi粒子を濡らし,同時にNi粒子同士の結合材と
して作用し隙間を充填する。一方,Ni粒子はAlの融
液の濡れによって凝集し,鎖状に連結し強固なものとな
る。この際の加熱温度はAl−12%Si粒子が溶ける
(Al−Si合金系の共晶温度である)577℃以上で
あることが必要であるが,基材がAlまたはAl合金の
ため600℃以下が望ましい。
の表面硬化のメカニズムを模式的に図1(a)(b)に
よって説明する。図1(a)はAl板の表面に被覆材
を塗布した加熱前の模式図で,Ni粒子とAl−12
%Si粒子が混在している部分にフラックスが付着
している。これを非酸化性雰囲気中で加熱処理すること
によって,先ずフラックスが550℃前後の温度で溶
け,Al−12%Si粒子と反応し酸化皮膜を除去す
る。577℃でAl−12%Si粒子が溶融し,その融
液がNi粒子を濡らし,同時にNi粒子同士の結合材と
して作用し隙間を充填する。一方,Ni粒子はAlの融
液の濡れによって凝集し,鎖状に連結し強固なものとな
る。この際の加熱温度はAl−12%Si粒子が溶ける
(Al−Si合金系の共晶温度である)577℃以上で
あることが必要であるが,基材がAlまたはAl合金の
ため600℃以下が望ましい。
【0008】図1(b)は加熱処理後の模式図で,連結
したNi化合物粒子,隙間に充填したAl融液が凝固
した結合相,そして極表面はフラックス残渣の薄い
皮膜によって覆われている。加熱処理前のNi粒子は
加熱処理によって連結したNi化合物粒子となるが,
加熱前と拡散反応が行なわれた加熱後とではかなり成分
変化を起こしている。拡散反応によって生成される化合
物はNi−Al二元系状態図からNiAl3が予想さ
れ,連結したNi化合物粒子をEPMAによって分析
して、実際にNiAl3であることを確認した。そして
加熱処理後の表面硬さは190〜240Hmvの高硬度
が得られた。次に被覆材としての粒子の形状,大きさが
与える影響について物性上の問題は無いが,塗布性や粒
子の拡散などを考慮した場合,120μmの上限を超え
ない方が良い。また本方法により表面硬化皮膜の厚さは
10〜300μm程度まで可能であり,被覆材の塗布量
を調整することによって,任意に制御可能である。
したNi化合物粒子,隙間に充填したAl融液が凝固
した結合相,そして極表面はフラックス残渣の薄い
皮膜によって覆われている。加熱処理前のNi粒子は
加熱処理によって連結したNi化合物粒子となるが,
加熱前と拡散反応が行なわれた加熱後とではかなり成分
変化を起こしている。拡散反応によって生成される化合
物はNi−Al二元系状態図からNiAl3が予想さ
れ,連結したNi化合物粒子をEPMAによって分析
して、実際にNiAl3であることを確認した。そして
加熱処理後の表面硬さは190〜240Hmvの高硬度
が得られた。次に被覆材としての粒子の形状,大きさが
与える影響について物性上の問題は無いが,塗布性や粒
子の拡散などを考慮した場合,120μmの上限を超え
ない方が良い。また本方法により表面硬化皮膜の厚さは
10〜300μm程度まで可能であり,被覆材の塗布量
を調整することによって,任意に制御可能である。
【0009】被覆層の基本組成となるNi粒子の添加量
の範囲については、少ない場合は被覆層全体のNi化合
物粒子が少なくなり表面硬化に寄与しなくなるため40
%以上が好ましく,また多く添加し過ぎるとAl−Si
の融液が少なくなり,Ni粒子との濡れ現象が悪化し,
また十分な拡散反応が生じなくなり、その作用が失われ
るため90%以下が好ましい。次に基本組成に対する第
二、第三の添加元素として高融点金属のFe,Co,C
r,Bの粒子は有効で、NiAl3の他に新たな化合物
を作り、表面硬化に効果的に作用する。この際の添加量
はグループの一種、または二種以上15%以下が有効
で、その上限を超えると脆性を増すため適切とは言えな
い。Ti,Zr,Hfなどの活性金属の添加も有効で、
上記高融点金属のグループと同様な効果が期待される。
この際の添加量については多量に添加すると脆性を増す
とともに、価格の面からも10%以下に止めるのが得策
と考える。Cu,Ag,Sn,Zn粒子の添加はNi粒
子の結合相となっているAl−Siの強化に有効であ
る。通常Al−Si層は非常に軟質でありHmv30以
下である。その強化にAlと固溶量の多いCu,Ag,
Sn,Znの添加は効果があり、その添加量はこのグル
ープの一種または二種以上8%以下で十分効果が得られ
る。
の範囲については、少ない場合は被覆層全体のNi化合
物粒子が少なくなり表面硬化に寄与しなくなるため40
%以上が好ましく,また多く添加し過ぎるとAl−Si
の融液が少なくなり,Ni粒子との濡れ現象が悪化し,
また十分な拡散反応が生じなくなり、その作用が失われ
るため90%以下が好ましい。次に基本組成に対する第
二、第三の添加元素として高融点金属のFe,Co,C
r,Bの粒子は有効で、NiAl3の他に新たな化合物
を作り、表面硬化に効果的に作用する。この際の添加量
はグループの一種、または二種以上15%以下が有効
で、その上限を超えると脆性を増すため適切とは言えな
い。Ti,Zr,Hfなどの活性金属の添加も有効で、
上記高融点金属のグループと同様な効果が期待される。
この際の添加量については多量に添加すると脆性を増す
とともに、価格の面からも10%以下に止めるのが得策
と考える。Cu,Ag,Sn,Zn粒子の添加はNi粒
子の結合相となっているAl−Siの強化に有効であ
る。通常Al−Si層は非常に軟質でありHmv30以
下である。その強化にAlと固溶量の多いCu,Ag,
Sn,Znの添加は効果があり、その添加量はこのグル
ープの一種または二種以上8%以下で十分効果が得られ
る。
【0010】上記の任意添加元素としては二種以上のグ
ループに属するものが共在しても良いことは言うまでも
無い。基本組成の中でAl−12%Siの合金粒子が用
いられているが、合金粒子の代わりにAl粒子とSi粒
子をそれぞれ単独に添加しても十分な効果が得られる。
また第二、第三の元素添加においても予め二元系、三元
系等多元系の合金を用意し、その合金粒子を使用しても
その物性や特質が変わるものではない。以下,本発明を
実施例によって具体的に説明する。
ループに属するものが共在しても良いことは言うまでも
無い。基本組成の中でAl−12%Siの合金粒子が用
いられているが、合金粒子の代わりにAl粒子とSi粒
子をそれぞれ単独に添加しても十分な効果が得られる。
また第二、第三の元素添加においても予め二元系、三元
系等多元系の合金を用意し、その合金粒子を使用しても
その物性や特質が変わるものではない。以下,本発明を
実施例によって具体的に説明する。
【0011】
【実施例1】25×40×1.0mmtの純Al(11
00材)板に20μm以下のNi粒子50%,Al−1
2%Si粒子50%(フッ化物系フラックス金属粒子量
の20%含有)を溶剤によってペースト化した後、均一
に塗布し、600℃の窒素雰囲気中で加熱・焼成処理を
行なった。表面の被覆層の厚さは平均60μmであり、
その硬さは220〜250Hmvが得られた。
00材)板に20μm以下のNi粒子50%,Al−1
2%Si粒子50%(フッ化物系フラックス金属粒子量
の20%含有)を溶剤によってペースト化した後、均一
に塗布し、600℃の窒素雰囲気中で加熱・焼成処理を
行なった。表面の被覆層の厚さは平均60μmであり、
その硬さは220〜250Hmvが得られた。
【0012】
【実施例2】45〜120μmと20μm以下の粒子サ
イズの異なるNi粒子を用い,実施例1と同様な方法で
加熱焼成処理を行なった。その結果,45〜120μm
粒子では200Hmv,20μm以下の粒子では220
〜250Hmvの硬さが得られ,Ni粒子サイズの小さ
いほど被覆層の硬さが増加した。同時に粒子サイズの影
響をAl−12%Si粒子についても検討したが,殆ど
影響が無いことが分かった。
イズの異なるNi粒子を用い,実施例1と同様な方法で
加熱焼成処理を行なった。その結果,45〜120μm
粒子では200Hmv,20μm以下の粒子では220
〜250Hmvの硬さが得られ,Ni粒子サイズの小さ
いほど被覆層の硬さが増加した。同時に粒子サイズの影
響をAl−12%Si粒子についても検討したが,殆ど
影響が無いことが分かった。
【0013】
【実施例3】Ni粒子50%,Fe粒子10%,Al−
12%Si粒子40%を用い,以下実施例1と同様な方
法で加熱・焼成処理を行なった。表面被覆層の厚さは平
均50μmで260〜290Hmvの硬さが得られた。
12%Si粒子40%を用い,以下実施例1と同様な方
法で加熱・焼成処理を行なった。表面被覆層の厚さは平
均50μmで260〜290Hmvの硬さが得られた。
【0014】
【実施例4】Ni粒子:50%,Al−12%Si粒
子:45%,Ti粒子:5%を用い実施例1と同様な方
法で,加熱焼成処理を行なった。表面被覆層の厚さは平
均80μmで,その硬さは240〜260Hmvの高硬
度が得られた。
子:45%,Ti粒子:5%を用い実施例1と同様な方
法で,加熱焼成処理を行なった。表面被覆層の厚さは平
均80μmで,その硬さは240〜260Hmvの高硬
度が得られた。
【0015】
【実施例5】Ni粒子50%,Zn粒子3%,Cu粒子
3%,Al−12%Si粒子44%を用い,以下実施例
1と同様な方法で加熱・焼成処理を行なった。表面被覆
層の厚さは平均80μmで230〜270Hmvの硬さ
が得られた。
3%,Al−12%Si粒子44%を用い,以下実施例
1と同様な方法で加熱・焼成処理を行なった。表面被覆
層の厚さは平均80μmで230〜270Hmvの硬さ
が得られた。
【0016】
【実施例6】Al−12%Siの合金粒子の代わりにA
l粒子,Si粒子を単独に添加した被覆材:Al粒子4
4%,Si粒子6%,Ni粒子50%を用い,実施例1
と同様な方法で加熱焼成を行なった。その結果,実施例
1のAl−12%Si合金粒子を用いた場合と変わらな
い被覆層の硬さ220〜250Hmvが得られた。
l粒子,Si粒子を単独に添加した被覆材:Al粒子4
4%,Si粒子6%,Ni粒子50%を用い,実施例1
と同様な方法で加熱焼成を行なった。その結果,実施例
1のAl−12%Si合金粒子を用いた場合と変わらな
い被覆層の硬さ220〜250Hmvが得られた。
【0017】
【実施例7】Ni粒子40%,Al−12%Si粒子5
0%にZr−20%Ni合金粒子10%含む被覆材を用
い,実施例1と同様な方法で加熱焼成を行なった。その
結果,被覆層の厚さは平均100μmで,その硬さは2
50〜270Hmvの高硬度が得られた。また本発明の
表面被覆層の硬さを比較するため,純Niと、Al−1
0%Si合金を純Alにクラッドした試料を作製した
が,この比較材の被覆層厚さは50〜60μmであっ
た。その結果、Niクラッド材の硬さはHmv52〜6
0,Al−10%Siクラッド材の硬さはHmv25〜
30で本発明による表面硬さはNiクラッド材の約5
倍,Al−10%Siクラッド材とは10倍以上の高い
硬度を有していることが分かった。
0%にZr−20%Ni合金粒子10%含む被覆材を用
い,実施例1と同様な方法で加熱焼成を行なった。その
結果,被覆層の厚さは平均100μmで,その硬さは2
50〜270Hmvの高硬度が得られた。また本発明の
表面被覆層の硬さを比較するため,純Niと、Al−1
0%Si合金を純Alにクラッドした試料を作製した
が,この比較材の被覆層厚さは50〜60μmであっ
た。その結果、Niクラッド材の硬さはHmv52〜6
0,Al−10%Siクラッド材の硬さはHmv25〜
30で本発明による表面硬さはNiクラッド材の約5
倍,Al−10%Siクラッド材とは10倍以上の高い
硬度を有していることが分かった。
【0018】
【発明の効果】Alの表面は軟質であると言う従来の問
題を本発明ではNi粒子を拡散反応の利用により高硬度
のNi−Al化合物に変化させることによって解決し
た。これによって今まで硬度不足から用途が阻まれてき
た機構部品・耐摩耗部品への応用が期待される。
題を本発明ではNi粒子を拡散反応の利用により高硬度
のNi−Al化合物に変化させることによって解決し
た。これによって今まで硬度不足から用途が阻まれてき
た機構部品・耐摩耗部品への応用が期待される。
【図1】(a)は被覆材を塗布した加熱前の断面図であ
る。(b)は加熱処理後の断面図である。
る。(b)は加熱処理後の断面図である。
【符号の説明】
AlまたはAl合金基材
Ni粒子
Al−12%Si粒子
フラックス
Ni−Al化合物粒子
Al−Si合金結合相
フラックスの残渣皮膜
Claims (9)
- 【請求項1】AlまたはAl合金からなる基材表面に被
覆材としてNiと融点が610℃以下のSi含有Al合
金をフッ化物を主体とするフラックスと混合し塗布した
後,600℃以下の不活性ガス雰囲気中で加熱し,被覆
材のAl合金を溶融し,当該基材表面をNi−Al合金
の合金層及び/または化合物層にして表面硬化する方
法。 - 【請求項2】前記被覆材として120μm以下の粒子を
用いる請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】前記被覆材としてNi粒子:40〜90
%,Al合金粒子:10〜60%,フッ化物フラックス
を金属粒子量の5〜30%からなる混合物を用いる請求
項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】前記Al合金として,Al−12%Si共
晶合金を用いる請求項1から3のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項5】被覆材として,さらにFe,Co,Cr,
B粒子の中から一種または二種以上を15%以下含有す
る請求項1から4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】被覆材として,さらにTi,Zr,Hf粒
子の中から一種または二種以上を10%以下含有する請
求項1から5のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】被覆材として,さらにCu,Ag,Sn,
Zn粒子の中から一種または二種以上を8%以下含有す
る請求項1から5のいずれかに記載の方法。 - 【請求項8】被覆材として,Alの合金粒子の代わりに
Al粒子とSi粒子を単独に用いる請求項1から7に記
載の方法。 - 【請求項9】被覆材としての上記添加元素の中から一種
または二種以上の合金化を行ない,その合金粒子を用い
る請求項1から7のいずれかに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002151566A JP2003306780A (ja) | 2002-04-18 | 2002-04-18 | AlまたはAl合金に対する表面硬化処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002151566A JP2003306780A (ja) | 2002-04-18 | 2002-04-18 | AlまたはAl合金に対する表面硬化処理法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003306780A true JP2003306780A (ja) | 2003-10-31 |
Family
ID=29397977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002151566A Pending JP2003306780A (ja) | 2002-04-18 | 2002-04-18 | AlまたはAl合金に対する表面硬化処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003306780A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102912339A (zh) * | 2012-10-15 | 2013-02-06 | 秦皇岛格瑞得节能技术服务有限公司 | 一种等离子弧熔覆制备耐高温磨损衬板的方法 |
CN103628055A (zh) * | 2013-11-15 | 2014-03-12 | 桂林电子科技大学 | 一种在铝或铝合金表面激光熔覆稀土CeO2-镍基合金复合涂层的工艺 |
CN106367751A (zh) * | 2016-09-14 | 2017-02-01 | 苏州柯莱得激光科技有限公司 | 立面激光熔覆成形工艺中熔道顶点偏移量的控制方法 |
CN112342367A (zh) * | 2020-10-15 | 2021-02-09 | 西安热工研究院有限公司 | 一种复合强化型盾构机刀圈及工艺方法 |
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2002
- 2002-04-18 JP JP2002151566A patent/JP2003306780A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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